JP2023157677A - 複合吸収体及び高分子吸収剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体の漏れの可能性を抑制でき、高い吸収性能を発揮し得る複合吸収体を提供する。【解決手段】複合吸収体(1)は、液体を吸収するための複合吸収体であって、パルプ繊維(2)と、親水性の連続骨格及び連続空孔を備えた高分子吸収剤(4)と、高吸水性ポリマー(3)と、を含む。初期の液体の吸収速度の大きさは、パルプ繊維>高分子吸収剤>高吸水性ポリマー、である。【選択図】図1

Description

本発明は、複合吸収体及び高分子吸収剤に関する。
水溶液等の液体の吸収に用いられる吸収体として、パルプ繊維と高吸水性ポリマーとを含むものが知られている。例えば、特許文献1に、少なくとも吸収性樹脂、疎水性繊維及び親水性繊維を含み、吸収性樹脂と親水性繊維とが接触しており、吸収性樹脂、親水性繊維、又は吸収性樹脂及び親水性繊維よりなる複合組成物が疎水性繊維中に分散している、吸収シート、が開示されている。吸収体(吸収シート)が高吸水性ポリマー(吸収性樹脂)を含むことで、吸収体による液体の吸収量を増加させることができ、あるいは、吸収量を維持しつつ、吸収体を薄く、小さくすることができる。
高吸水性ポリマーとしては、例えば、特許文献2に、吸水性樹脂粒子が開示されている。特許文献2によれば、吸水性樹脂粒子は、アクリル酸及びその塩の少なくとも一方を単量体単位として含有する架橋された重合体を含み、生理食塩水の吸収速度が1~15秒であり、中位粒子径が100~600μmであり、残存揮発成分量が0.44質量%以上1.5質量%以下であり、前記残存揮発成分が、鎖状脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、及び芳香族炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
国際公開第2011/158838号 特許第6872503号
パルプ繊維と高吸水性ポリマーとを含む吸収体は、保水能力の高い高吸水性ポリマーの吸収速度が遅いため、まず、吸収速度の速いパルプ繊維が液体を吸収し、その後、パルプ繊維が吸収した液体を高吸水性ポリマーが吸収する。ただし、パルプ繊維から高吸水性ポリマーへの液体の移行速度が遅過ぎると、吸収すべき液体が多量の場合には、パルプ繊維が吸収しきれず、パルプ繊維から高吸水性ポリマーへの液体の移行も追い付かない事態が生じ得る。そうなると、パルプ繊維で吸収した液体が吸収体から漏れる可能性を否定できず、高吸水性ポリマーの保水能力、延いては吸収体の吸収性能を十分に発揮できないおそれがある。
特許文献2の記載によれば、この吸水性樹脂粒子は、一般的な高吸水性ポリマーと比較して、吸収速度の向上が図られている。しかし、発明者の検討によれば、その吸収速度は十分に速いとは言えず、それゆえ、パルプ繊維からこの吸水性樹脂粒子への移行速度は十分とは言えない。そのため、依然として、吸収すべき液体が多量の場合には、パルプ繊維で吸収した液体が吸収体から漏れる可能性を否定できず、高吸水性ポリマーの保水能力、延いては吸収体の吸収性能を十分に発揮できないおそれがある。
本発明の目的は、液体の漏れの可能性を抑制でき、高い吸収性能を発揮し得る複合吸収体及びそれに用いられる高分子吸収剤を提供することにある。
本発明の一態様は、液体を吸収するための複合吸収体であって、パルプ繊維と、親水性の連続骨格及び連続空孔を備えた高分子吸収剤と、高吸水性ポリマーと、を含み、初期の液体の吸収速度の大きさは、前記パルプ繊維>前記高分子吸収剤>前記高吸水性ポリマー、である、複合吸収体である。
本発明の他態様は、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーと共に用いられる高分子吸収剤であって、初期の液体の吸収速度の大きさは、前記パルプ繊維>前記高分子吸収剤>前記高吸水性ポリマー、であり、親水性の連続骨格及び連続空孔を備える、高分子吸収剤である。
本発明によれば、液体の漏れを抑制でき、高い吸収性能を発揮し得る複合吸収体及びそれに用いられる高分子吸収剤を提供することができる。
実施形態に係る複合吸収体1の構成例を示す模式図である。 実施形態に係る高分子吸収剤の一例である吸収剤Aの製造過程について説明する図である。 吸収剤Aの拡大倍率50倍のSEM写真である。 吸収剤Aの拡大倍率100倍のSEM写真である。 吸収剤Aの拡大倍率500倍のSEM写真である。 吸収剤Aの拡大倍率1500倍のSEM写真である。 液移行率と移行時間との関係を示すグラフである。 吸収速度と吸収体厚みとの関係を示すグラフである。 無加圧DW法で用いられる測定装置を示した模式図である。
本実施形態は、以下の態様に関する。
[態様1]
液体を吸収するための複合吸収体であって、パルプ繊維と、親水性の連続骨格及び連続空孔を備えた高分子吸収剤と、高吸水性ポリマーと、を含み、初期の液体の吸収速度の大きさは、前記パルプ繊維>前記高分子吸収剤>前記高吸水性ポリマー、である、複合吸収体。
本複合吸収体では、初期の液体の吸収速度の大きさが、パルプ繊維>高分子吸収剤>高吸水性ポリマー、の順である。そのため、パルプ繊維が吸収した液体を一旦高分子吸収剤が受け取り(吸収し)、その後、高分子吸収剤が吸収した液体を高吸水性ポリマーが受け取る(吸収する)ことができる。このように、まず、吸収速度が速いパルプ繊維で吸収された液体が、吸収速度が比較的速い高分子吸水剤に順次移行きれる(吸収される)ため、パルプ繊維が液体を吸収しきれない事態を抑制できる。更に、高分子吸水剤で吸収された液体が、吸収速度が遅いけれども吸収性能が高い高吸水性ポリマーに順次移行される(吸収される)ため、高吸水性ポリマーへの液体の移行が追い付かない事態も抑制できる。それにより、複合吸収体から液体が漏れる可能性を抑制でき、高吸水性ポリマーの保水能力、延いては吸収体の吸収性能を十分に発揮させることができる。
[態様2]
前記高分子吸収剤のVoltex法による吸収速度が5秒以下である、態様1に記載の複合吸収体。
本複合吸収体では、一旦パルプ繊維が吸収した液体を、高分子吸収剤へ短時間(5秒以内)で速やかに移行させることができる。したがって、パルプ繊維が液体を蓄積し過ぎて、パルプ繊維の吸収速度が遅くなったり、パルプ繊維が液体を吸収しきれなくなったりする事態を抑制できる。それにより、吸収速度が速いパルプ繊維が吸収した液体を高分子吸収剤へ速やかに受け渡すことができ、続けて、高分子吸収剤が受け渡された液体を吸収性能が高い高吸水性ポリマーに更に受け渡すことができる。よって、複合吸収体から液体が漏れる可能性を抑制でき、複合吸収体の吸収性能を十分に発揮させることができる。
[態様3]
前記パルプ繊維からの液移行率は、前記高分子吸収剤>前記高吸水性ポリマー、である、態様1又は2に記載の複合吸収体。
本複合吸収体では、一旦パルプ繊維が吸収した液体を、吸収速度の遅い高吸水性ポリマーへの移行よりも、まず吸収速度の速い高分子吸収剤へ速やかに移行させることができる。したがって、パルプ繊維が液体を蓄積し過ぎて、パルプ繊維の吸収速度が遅くなったり、パルプ繊維が液体を吸収しきれなくなったりする事態を抑制できる。それにより、連続的に、パルプ繊維が吸収した液体を高分子吸収剤へ速やかに受け渡し、高分子吸収剤が受け渡された液体を高吸水性ポリマーに更に受け渡すことができる。よって、複合吸収体から液体が漏れる可能性を抑制でき、複合吸収体の吸収性能を十分に発揮させることができる。
[態様4]
前記高吸水性ポリマーへの液移行量は、前記高分子吸収材>前記パルプ繊維、である、態様1乃至3のいずれか一項に記載の複合吸収体。
本複合吸収体では、高分子吸収剤に移行された液体を、パルプ繊維よりも高吸水性ポリマーへ移行させることができる。したがって、液体の移行後にパルプ繊維や高分子吸収剤の吸水性能を回復することができる。それにより、連続的に、パルプ繊維が吸収した液体を高分子吸収剤へ速やかに受け渡し、高分子吸収剤が受け渡された液体を高吸水性ポリマーに更に受け渡すことができる。よって、複合吸収体から液体が漏れる可能性を抑制でき、複合吸収体の吸収性能を十分に発揮させることができる。
[態様5]
(前記パルプ繊維の坪量)/(前記高分子吸収剤の坪量)が1より大きく、及び/又は、(前記高吸水性ポリマーの坪量)/(前記高分子吸収剤の坪量)が1より大きい、態様1乃至4のいずれか一項に記載の複合吸収体。
本複合吸収体では、パルプ繊維の坪量が高分子吸収剤の坪量より多いため、初期段階で、吸収速度が速いパルプ繊維で液体を吸水し易くでき、その後にパルプ繊維が吸収した液体を高分子吸収剤に受け渡し易くすることができる。そして、高吸水性ポリマーの坪量が高分子吸収剤の坪量より多いときには、高分子吸収剤が吸収した液体を高吸水性ポリマーに受け渡し易くすることができる。それにより、パルプ繊維に速やかに液体を吸収させ、パルプ繊維から高分子吸収剤へ液体を速やかに受け渡し、高分子吸収剤から高吸水性ポリマーへ液体を速やかに受け渡すことができる。よって、複合吸収体から液体が漏れる可能性を抑制でき、複合吸収体の吸収性能を十分に発揮させることができる。
[態様6]
無加圧DemandWettability法による吸水量が、前記高分子吸収剤>前記高吸水性ポリマーである、態様1乃至5のいずれか一項に記載の複合吸収体。
本複合吸収体では、高分子吸収剤が、吸収した液体が拡散するときに生じ得る、高分子吸収剤と周囲の部材との隙間や、高分子吸収剤間の隙間の自由水を、引き込むことができる。すなわち、高分子吸収剤が、自由水を漏らさずに吸収することができる。それにより、複合吸収体から液体が漏れる可能性を抑制でき、複合吸収体の吸収性能を十分に発揮させることができる。
[態様7]
吸収した液の液吐出し量は、前記高分子吸収剤>前記高吸水性ポリマーであり、吸収した液の液吐出し率は、前記高分子吸収剤>前記高吸水性ポリマーである、態様1乃至6のいずれか一項に記載の複合吸収体。
本複合吸収体では、高分子吸収剤が一旦吸水した液体を高吸水性ポリマーに吐出し易い、したがって、受け渡し易いので、パルプ繊維から移行された液体を、高分子吸収剤から高吸水性ポリマーに速やかに移行させることができる。それにより、連続的に、パルプ繊維が吸収した液体を高分子吸収剤へ速やかに受け渡し、高分子吸収剤が受け渡された液体を高吸水性ポリマーに更に受け渡すことができる。よって、複合吸収体から液体が漏れる可能性を抑制でき、複合吸収体の吸収性能を十分に発揮させることができる。
[態様8]
前記高分子吸収剤の単位質量当たりの吸水量は、30g/g以上である、態様1乃至7のいずれか一項に記載の複合吸収体。
本複合吸収体では、高分子吸収剤の単位質量当たりの吸水量が、例えばパルプ繊維のみの単位質量当たりの吸水量(約20g/g)と比較して、十分に多いので(30g/g以上)、パルプ繊維が吸収した液体を、高分子吸収剤が速やかに、且つ余裕をもって吸収することができる。それにより、複合吸収体から液体が漏れる可能性を抑制でき、複合吸収体の吸収性能を十分に発揮させることができる。
[態様9]
吸水粘度の大きさは、前記高分子吸収剤>前記高吸水性ポリマー、である、態様1乃至8のいずれか一項に記載の複合吸収体
本複合吸収体が含む高分子吸収剤は、液体吸収時の吸水粘度が、高吸水性ポリマーよりも高い。そのため、複合吸収体が液体を吸収したとき、高分子吸収剤の粘度が高まることで、複合吸収体内での高分子吸収剤並びにその周囲に存在する高吸水性ポリマー及びパルプ繊維のような吸収性材料の移動、すなわち流動化が抑制される。それにより、複合吸収体へ物理的な衝撃が加わったとしても、複合吸収体内で吸収性材料が偏在して隙間が生じる事態を抑制することができ、したがって、複合吸収体から液体が漏れる可能性を抑制でき、複合吸収体の吸収性能を十分に発揮させることができる。
[態様10]
前記高分子吸収剤は、(メタ)アクリル酸エステルと、一分子中に2個以上のビニル基を含有する化合物の架橋重合体の加水分解物であり、且つ、少なくとも1個以上の-COONa基を含有する、態様1乃至9のいずれか一項に記載の複合吸収体。
本複合吸収体は、高分子吸収剤が上記特定の構成を備えていることで、液体を吸収する時に、親水性の連続骨格が伸長しやすく、連続空孔も広がりやすいため、より多くの液体をより素早く連続空孔に取り込むことができる。それにより、パルプ繊維が吸収した液体を、高分子吸収剤が速やかに、且つ余裕をもって吸収することができ、吸収体として更に優れた吸収性能を発揮することができる。
[態様11]
パルプ繊維及び高吸水性ポリマーと共に用いられる高分子吸収剤であって、初期の液体の吸収速度の大きさは、前記パルプ繊維>前記高分子吸収剤>前記高吸水性ポリマー、であり、親水性の連続骨格及び連続空孔を備える、高分子吸収剤。
本高分子吸収剤は、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーと共に用いられることで、態様1の複合吸収体における高分子吸収剤と同様の効果を奏することができる。
以下、本発明の複合吸収体及びそれに用いられる高分子吸収剤の実施形態について、説明する。
なお、本明細書においては、特に断りのない限り、「水平面上に置いた対象物(例えば、複合吸収体)を、垂直方向の上方側から対象物の厚み方向に見ること」を、単に「平面視」という。また、「長手方向」は、「平面視における縦長の対象物の長さの長い方向」を指す。「幅方向」は、「平面視における縦長の対象物の長さの短い方向」を指す。「厚み方向」は、「水平面上に置いた対象物に対して垂直方向」を指す。これらの長手方向、幅方向及び厚み方向は、それぞれ互いに直交する関係にある。
[複合吸収体]
図1は、実施形態に係る複合吸収体1の構成例を示す模式図である。複合吸収体1は、平面視にて略矩形状の外形形状を有しており、厚さ方向において、複合吸収体1の一方側の表面を形成する第1の保持シート5と、複合吸収体1の他方側の表面を形成する第2の保持シート6と、これらのシートの間に位置し、これらのシートのいずれかを透過してきた液体を吸収し得る吸収性部材とを具備している。複合吸収体1は、吸収性部材として、親水性の連続骨格及び連続空孔を備えた高分子吸収剤2と、高吸水性ポリマー3と、パルプ繊維4と、を備えている。なお、本発明においては、高分子吸収剤2と高吸水性ポリマー3とパルプ繊維4との関係は特に制限されない。例えば、図1(a)は高分子吸収剤2と高吸水性ポリマー3とがパルプ繊維4の繊維間に配置された例であり、図1(b)は高分子吸収剤2と高吸水性ポリマー3とが周囲からパルプ繊維4で覆われた例である。
高分子吸収剤2は、水分を吸収する際に、水分を連続骨格に取り込んだ後に連続空孔に取り込むという特有の吸水挙動を示す。したがって、高分子吸収剤2が液体を吸収する際に、親水性の連続骨格が液体を浸透圧によって瞬時に取り込んで膨張することで、連続空孔の容積を拡大し、更にその拡大した連続空孔内に液体を取り込むことができる。そのため、高分子吸収剤2は、多量の液体を瞬時に吸収することができる。本実施形態では、更に、吸収した液体を保水能力の高い高吸水性ポリマーへ受け渡して、高吸水性ポリマー内で着実に保持できる。
複合吸収体1は、吸収性部材として、親水性の連続骨格及び連続空孔を備えた高分子吸収剤2に加えて、パルプ繊維4と高吸水性ポリマー3とを含んでいる。そして、それら吸収性部材として、初期の吸収速度の速さは、パルプ繊維4>高分子吸収剤2>高吸水性ポリマー3、である。すなわち、パルプ繊維4の初期の吸収速度の速さが最も速く、高分子吸収剤2の初期の吸収速度の速さが次に速く、高吸水性ポリマー3の初期の吸収速度の速さが最も遅い。
このように、複合吸収体1では、初期の吸収速度の速さが、パルプ繊維4>高分子吸収剤2>高吸水性ポリマー3、の順である。そのため、パルプ繊維4が吸収した液体を一旦高分子吸収剤2が受け取り(吸収し)、その後、高分子吸収剤2が吸収した液体を高吸水性ポリマー3が受け取る(吸収する)ことができる。このように、まず、吸収速度が速いパルプ繊維4で吸収された液体が、吸収速度が比較的速い高分子吸収剤2に順次移行される(吸収される)ため、パルプ繊維4が液体を吸収しきれなくなる事態を抑制できる。更に、高分子吸収剤2で吸収された液体が、吸収速度が遅いけれども吸収性能が高い高吸水性ポリマー3に順次移行される(吸収される)ため、高吸水性ポリマー3への液体の移行が追い付かない事態も抑制できる。それにより、高吸水性ポリマー3を用いて厚みを抑えつつ、複合吸収体1から液体の漏れを抑制でき、高吸水性ポリマー3の保水能力、延いては吸収体の吸収性能を十分に発揮させることができる。
したがって、このような複合吸収体1は、液体を吸収する製品として、高吸水性ポリマー3を用いて厚みを抑えつつ、液体の漏れを抑制でき、優れた吸収性能を発揮することができる。
なお、本発明においては、複合吸収体1の構成は、高分子吸収剤2、パルプ繊維4及び高吸水性ポリマー3を備えていれば、上述の実施形態の態様に限定されない。複合吸収体1は、例えば、第1の保持シート5及び/又は第2の保持シート6と、吸収性部材との間に位置する親水性繊維シート(図示されず)を有してもよい。あるいは、複合吸収体1は、シート以外の保持手段(例えば、液体が内部に到達可能な容器:図示されず)で高分子吸収剤2、パルプ繊維4及び高吸水性ポリマー3を一体的に保持していてもよい。
本発明において、複合吸収体1の外形形状や各種寸法、坪量等は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、各種用途や使用態様等に応じた任意の外形形状(例えば、円形状、長円形状、多角形状、砂時計形状、デザイン形状など)や各種寸法、坪量等を採用することができる。
以下、本発明の複合吸収体の各種構成部材について、図1(図1(a))に示す実施形態の複合吸収体1を用いて更に説明する。
(保持シート)
図1に示す複合吸収体1において、当該複合吸収体1の一方側の表面を形成する第1の保持シート5は、平面視にて複合吸収体1の外形形状と同様の略矩形状の外形形状を有している。かかる第1の保持シート5は、複合吸収体1に供給された液体を透過させて、内側の吸収性部材に吸収・保持させることができる、液透過性のシート状部材によって形成されている。ただし、第1の保持シート5の一部が液不透過性のシート状部材によって形成されていてもよい。
第1の保持シート5は、内側に配置される吸収性部材に比べて(すなわち、高分子吸収剤2等の吸収性材料の配置領域に比べて)、全体的にやや大きいサイズを有しており、周縁部において、複合吸収体1の厚さ方向の他方側に位置する第2の保持シート6と、任意の接着剤または熱融着手段、縫製等によって接合されている。
一方、複合吸収体1の他方側の表面を形成する第2の保持シート6は、平面視にて複合吸収体1の外形形状と同様の略矩形状の外形形状を有している。かかる第2の保持シート6は、内側の吸収性部材に吸収・保持されなかった液体や吸収性部材から滲出した液体が複合吸収体1の外部へ漏出するのを抑制又は防止する、液不透過性のシート状部材によって形成されている。なお、要求される機能によっては、例えば、第2保持シート6側からも液体の吸収が要求される場合には、第2の保持シート6の一部又は全部が液透過性のシート状部材によって形成されていてもよい。
なお、保持シートとして液透過性のシート状部材を用いる場合、その液透過性のシート状部材は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、各種用途や使用態様等に応じた任意の液透過性のシート状部材を採用することができる。そのような液透過性のシート状部材の例としては、親水性を有するエアスルー不織布、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布等の不織布や織布、編布、多孔の樹脂フィルムなどが挙げられる。
さらに、液透過性のシート状部材として親水性の不織布や織布、編布等(以下、これらを総称して「繊維シート」と称する。)を用いる場合、これらの繊維シートは、単層構造を有していても、2層以上の多層構造を有していてもよい。かかる繊維シートの構成繊維の種類も特に制限されず、例えばセルロース系繊維や親水化処理を施した熱可塑性樹脂繊維などの親水性繊維が挙げられる。これらの繊維は単独で用いても、二種類以上の繊維を併用してもよい。
繊維シートの構成繊維に用い得るセルロース系繊維としては、例えば、天然セルロース繊維(例えば、コットン等の植物繊維など)や再生セルロース繊維、精製セルロース繊維、半合成セルロース繊維などが挙げられる。また、繊維シートの構成繊維に用い得る熱可塑性樹脂繊維としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、6-ナイロン等のポリアミド系樹脂などの公知の熱可塑性樹脂からなる繊維が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いても、二種類以上の樹脂を併用してもよい。
また、保持シートとして液不透過性のシート状部材を用いる場合、その液不透過性のシート状部材は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、各種用途や使用態様等に応じた任意の液不透過性のシート状部材を採用することができる。そのような液不透過性のシート状部材の例としては、任意の疎水性の熱可塑性樹脂繊維(例えば、PE、PP等のポリオレフィン系繊維、PET等のポリエステル系繊維、芯鞘型等の各種複合繊維など)によって形成された疎水性不織布;PEやPP等の疎水性の熱可塑性樹脂によって形成された有孔又は無孔の樹脂フィルム;該樹脂フィルムに不織布を貼り合わせた積層体;SMS不織布等の積層不織布などが挙げられる。
本発明において、保持シートの外形形状や各種寸法、坪量等は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、各種用途や使用態様等に応じた任意の外形形状(例えば、円形状、長円形状、多角形状、砂時計形状、デザイン形状など)や各種寸法、坪量等を採用することができる。
(吸収性部材)
図1に示す複合吸収体1において、吸収性部材は、上述のとおり第1の保持シート5と第2の保持シート6の間に位置する、親水性の連続骨格及び連続空孔を備えた高分子吸収剤2、高吸水性ポリマー3、及びパルプ繊維4によって、第1の保持シート5などを透過してきた液体を吸収・保持し得るように構成されている。
複合吸収体1において、吸収性部材の高分子吸収剤2、高吸水性ポリマー3、及びパルプ繊維4の各々の一部又は全部は、上述の第1の保持シート5及び第2の保持シート6の各々と、ホットメルト型接着剤等の任意の接着剤によって接合されている。ただし、本発明において、高分子吸収剤2、高吸水性ポリマー3、及びパルプ繊維4の各々の一部又は全部は保持シートと接合されなくてもよい。
複合吸収体1(吸収性部材)は、上述のとおり親水性の連続骨格及び連続空孔を備えた特有の吸水挙動を示す高分子吸収剤2を含み、パルプ繊維4及び高吸水性ポリマー3を更に含んでいる。高分子吸収剤が粒子の場合、その大きさ(乾燥時)としては、粒径の平均値が例えば数百μmが挙げられる(200~500μm)。高分子吸収剤はシート状であってもよい。高分子吸収剤については後述される。高吸水性ポリマーは、SAP(Super Absorbent Polymer)と称されるものであり、その種類としては特に制限はなく、当技術分野において公知の材料を用いることができる。例えば、高吸収性ポリマーとしては、ポリアクリル酸塩系、ポリスルホン酸塩系、無水マレイン酸塩系の吸水性ポリマーが挙げられる。高吸水性ポリマーが粒子の場合、その大きさ(乾燥時)としては、粒径の平均値が例えば数百μmが挙げられる(200~500μm)。高吸水性ポリマーはシート状であってもよい。パルプ繊維の種類としては、特に制限はなく、当技術分野において公知の材料を用いることができる。例えば、パルプ繊維としては、セルロース系繊維が挙げられる。セルロース系繊維としては、例えば木材パルプ、架橋パルプ、非木材パルプ、再生セルロース、半合成セルロース等が挙げられる。パルプ繊維の大きさとしては、繊維の長径の平均値が例えば数十μmが挙げられ(20~40μm)、繊維長の平均値が例えば数mmが挙げられる(2~5mm)。複合吸収体は液透過性シートに内包されていてもよい。
高分子吸収剤2、パルプ繊維4及び高吸水性ポリマー3である吸収性材料は、平面視で、製造誤差を除いて、複合吸収体1の全体に概ね均一に配置されている。ただし、本発明は、その例に限定されるものではなく、吸収性材料の少なくとも一つが概ね均一ではなく意図的に所定の分布を有するような他の配置を有してもよい。例えば、複合吸収体1における長手方向、幅方向及び厚み方向の少なくとも一つにおいて、パルプ繊維4が相対的に外側に多く配置され、高分子吸収剤2や高吸水性ポリマー3が相対的に内側に多く配置されてもよい。それにより、複合吸収体1が吸収すべき液体を、パルプ繊維4で素早く吸収でき、内側の高分子吸収剤2や高吸水性ポリマー3に受け渡して、保持することができる。高分子吸収剤2は、パルプ繊維4が吸収した液体を高吸水性ポリマー3に確実に受け渡すために、高吸水性ポリマー3に接していることが好ましい。
本発明において、複合吸収体1の外形形状や各種寸法、坪量等は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、所望の吸水性や柔軟性、強度等に応じた任意の外形形状や各種寸法、坪量等を採用することができる。
(親水性繊維シート)
本発明においては、複合吸収体1は、第1の保持シート5及び/又は吸収性部材(すなわち、高分子吸収剤2、高吸水性ポリマー3及びパルプ繊維4)との間に、親水性繊維シートを有していてもよい。
本発明において、複合吸収体に用い得る親水性繊維シートは、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、各種用途や使用態様等に応じた任意の親水性繊維シートを採用することができる。そのような親水性繊維シートの例としては、親水性を有する不織布や織布、編布などが挙げられる。なお、親水性繊維シートは、単層構造を有していても、2層以上の多層構造を有していてもよい。
かかる親水性繊維シートの構成繊維の種類も特に制限されず、例えばセルロース系繊維や親水化処理を施した熱可塑性樹脂繊維などの親水性繊維が挙げられる。これらの繊維は単独で用いても、二種類以上の繊維を併用してもよい。親水性繊維シートの構成繊維に用い得るセルロース系繊維としては、例えば、天然セルロース繊維(例えば、コットン等の植物繊維など)や再生セルロース繊維、精製セルロース繊維、半合成セルロース繊維などが挙げられる。また、親水性繊維シートの構成繊維に用い得る熱可塑性樹脂繊維としては、例えば、PE、PP等のオレフィン系樹脂、PET等のポリエステル系樹脂、6-ナイロン等のポリアミド系樹脂などの公知の熱可塑性樹脂からなる繊維が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いても、二種類以上の樹脂を併用してもよい。
本発明において、親水性繊維シートの外形形状や各種寸法、坪量等は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、各種用途や使用態様等に応じた任意の外形形状や各種寸法、坪量等を採用することができる。
以下、本発明の複合吸収体に用いられる高分子吸収剤について、更に詳細に説明する。
[高分子吸収剤]
高分子吸収剤は、親水性の連続骨格及び連続空孔を備え、水分を吸収する際、水分連続骨格に取り込んだ後に連続空孔に取り込むという吸水挙動を示し、初期の吸収速度の速さが、パルプ繊維>高分子吸収剤>高吸水性ポリマーとなるものであれば特に限定されない。そのような高分子吸収剤としては、例えば、少なくとも(メタ)アクリル酸エステルを含む2個以上のモノマーの架橋重合体の加水分解物であり、官能基に少なくとも1個以上の親水基を有する高分子化合物が挙げられる。より具体的には、(メタ)アクリル酸エステルと、一分子中に2個以上のビニル基を含有する化合物の架橋重合体の加水分解物であり、少なくとも-COONa基を有する高分子化合物が挙げられる。このような高分子吸収剤は、一分子中に少なくとも1個以上の-COONa基を有する有機多孔質体であり、さらに、-COOH基を有していてもよい。多孔質体の骨格中には、-COONa基が略均一に分布している。
高分子吸収剤が上述のような構造を有するものであると、後述されるように、液体を吸収する時に親水性の連続骨格が伸長しやすくなり(すなわち、膨張しやすくなり)、連続空孔も広がりやすくなる。そのため、より多くの液体をより素早く連続空孔に取り込むことができ、吸収性材料として優れた吸収性能を発揮することができる。また、パルプ繊維が吸収した液体を一旦高分子吸収剤が速やかに受け取る(吸収する)ことができ、その後、高分子吸収剤が吸収した液体を高吸水性ポリマーが受け取る(吸収する)ことができる。
なお、本明細書において(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルをいう。
高分子吸収剤は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルとジビニルベンゼンとの架橋重合体の加水分解物によって形成される。そのような高分子吸収剤では、少なくとも-COONa基を有する有機ポリマーによって親水性の連続骨格が形成され、骨格間に吸収対象液の吸収場となる連通孔(連続空孔)が形成されている。なお、加水分解処理は、架橋重合体の-COOR基(すなわち、カルボン酸エステル基)を-COONa基又は-COOH基にするものであるため(図2を参照)、高分子吸収剤は-COOR基を有していてもよい。
親水性の連続骨格を形成する有機ポリマー中の-COOH基及び-COONa基の存在は、赤外分光光度法及び弱酸性イオン交換基の定量法で分析することで確認できる。
ここで、図2は、高分子吸収剤の一例である吸収剤Aの製造過程について説明する図である。この図2において、上図は重合の構成原料を示し、中図は(メタ)アクリル酸エステルとジビニルベンゼンとの架橋重合体であるモノリスAを示し、下図は中図のモノリスAに加水分解及び乾燥処理をして得られる吸収剤Aを示している。
以下、高分子吸収剤について、高分子吸収剤の一例である、(メタ)アクリル酸エステルとジビニルベンゼンとの架橋重合体の加水分解物によって形成される吸収剤Aを用いて説明する。
なお、高分子吸収剤は、このような吸収剤Aに限定されるものではない。高分子吸収剤は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルと一分子中に2個以上のビニル基を有する化合物との架橋重合体の加水分解物であってもよい。あるいは、高分子吸収剤は、例えば、少なくとも(メタ)アクリル酸エステルを含む2種類以上のモノマーの架橋重合体の加水分解物であってもよい。ただし、高分子吸収剤がモノリス状の吸収剤であると、液体を素早く吸収することができる上、当該高分子吸収剤に一時的に保持した液体をより着実に高吸水性ポリマーへ受け渡すことができるという利点がある。
なお、以下の説明において、「モノリスA」とは、加水分解処理がなされる前の(メタ)アクリル酸エステルとジビニルベンゼンとの架橋重合体からなる有機多孔質体であり、「モノリス状有機多孔質体」と称することがある。また、「吸収剤A」は、加水分解処理及び乾燥処理がなされた後の(メタ)アクリル酸エステルとジビニルベンゼンとの架橋重合体(モノリスA)の加水分解物である。なお、以下の説明において、吸収剤Aは乾燥状態のものをいう。
まず、吸収剤Aの構造について説明する。
吸収剤Aは、上述のとおり親水性の連続骨格と連続空孔を有している。親水性の連続骨格を有する有機ポリマーである吸収剤Aは、図2に示すように、重合モノマーである(メタ)アクリル酸エステルと、架橋モノマーであるジビニルベンゼンとを架橋重合し、得られた架橋重合体(モノリスA)を更に加水分解することにより得られる。
親水性の連続骨格を形成する有機ポリマーは、構成単位として、エチレン基の重合残基(以下、「構成単位X」と称する。)と、ジビニルベンゼンの架橋重合残基(以下、「構成単位Y」と称する。)と、を有する。更に、親水性の連続骨格を形成する有機ポリマー中のエチレン基の重合残基(構成単位X)は、カルボン酸エステル基の加水分解により生成する-COONa基、又は-COOH基と-COONa基の両方の基を有する。なお、重合モノマーが(メタ)アクリル酸エステルである場合、エチレン基の重合残基(構成単位X)は、-COONa基、-COOH基及びエステル基を有する。
吸収剤Aにおいて、親水性の連続骨格を形成する有機ポリマー中の、ジビニルベンゼンの架橋重合残基(構成単位Y)の割合は、全構成単位に対し、例えば0.1~30モル%であり、好ましくは0.1~20モル%である。例えば、メタクリル酸ブチルを重合モノマーとし、ジビニルベンゼンを架橋モノマーとした吸収剤Aにおいては、親水性の連続骨格を形成する有機ポリマー中の、ジビニルベンゼンの架橋重合残基(構成単位Y)の割合は、全構成単位に対し、例えば約3%であり、好ましくは0.1~10モル%であり、より好ましくは0.3~8モル%である。なお、親水性の連続骨格を形成する有機ポリマー中のジビニルベンゼンの架橋重合残基の割合が0.1モル%以上であると、吸収剤Aの強度が低下しにくくなり、また、このジビニルベンゼンの架橋重合残基の割合が30モル%以下であると、吸収対象液の吸収量が低下しにくくなる。
また、吸収剤Aにおいて、親水性の連続骨格を形成する有機ポリマーは、構成単位X及び構成単位Yのみからなるものであってもよいし、或いは、構成単位X及び構成単位Yに加えて、構成単位X及び構成単位Y以外の構成単位、すなわち(メタ)アクリル酸エステル及びジビニルベンゼン以外のモノマーの重合残基を有していてもよい。
構成単位X及び構成単位Y以外の構成単位として、例えばスチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルクロライド、(メタ)アクリル酸グリシジル、イソブテン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のモノマーの重合残基が挙げられる。
なお、親水性の連続骨格を形成する有機ポリマー中の、構成単位X及び構成単位Y以外の構成単位の割合は、全構成単位に対し、例えば0~50モル%であり、好ましくは0~30モル%である。
また、吸収剤Aは、親水性の連続骨格の厚みが0.1~100μmであることが好ましい。吸収剤Aの親水性の連続骨格の厚みが0.1μm以上であると、多孔質体における吸収対象液(液体)を取り込むための空間(空孔)が吸収時に潰れにくくなり、吸収量が低下しにくくなる。一方、親水性の連続骨格の厚みが100μm以下であると、優れた吸収速度が得られやすくなる。
なお、吸収剤Aの親水性の連続骨格の細孔構造は、連続気泡構造であるため、連続骨格の厚みの測定は、電子顕微鏡測定用の試験片に現れる骨格断面を厚みの評価箇所とする。連続骨格は、加水分解後の脱水・乾燥処理で取り除かれる水(水滴)同士の間隔で形成されるため、多角形の形状であることが多い。そのため、連続骨格の厚みは、多角形断面に外接する円の直径(μm)の平均値とする。また、稀に多角形の中に小さな穴が開いている場合もあるが、その場合は、小さな穴を囲んでいる多角形の断面の外接円を測定する。
さらに、吸収剤Aは、連続空孔の平均直径が1~1000μmであることが好ましい。吸収剤Aの連続空孔の平均直径が1μm以上であると、多孔質体の吸収対象液(液体)を取り込むための空間(空孔)が吸収時に潰れ難くなり、吸収速度が低下し難くなる。一方、連続空孔の平均直径が1000μm以下であると、優れた吸収速度が得られ易くなる。
なお、吸収剤Aの連続空孔の平均直径(μm)は、水銀圧入法によって測定することができ、かかる水銀圧入法によって得られた細孔分布曲線の最大値を採用する。連続空孔の平均直径の測定用試料については、吸収剤Aのイオン形によらず、50℃の温度に設定した減圧乾燥器で18時間以上乾燥させたものを試料として用いる。なお、最終到達圧力は0Torrとする。
図3は、吸収剤Aの拡大倍率50倍のSEM写真であり、図4は、吸収剤Aの拡大倍率100倍のSEM写真であり、図5は、吸収剤Aの拡大倍率500倍のSEM写真であり、図6は、吸収剤Aの拡大倍率1500倍のSEM写真である。これら図3~図6に示す吸収剤Aは、メタクリル酸ブチルを重合モノマーとし、ジビニルベンゼンを架橋モノマーとする吸収剤の一例であり、それぞれ2mm角の立方体の構造を有している。
図3~図6に示す吸収剤Aは、多数の気泡状のマクロポアを有しており、さらに、これら気泡状のマクロポア同士が重なる部分を有している。吸収剤Aは、このマクロポア同士が重なる部分が共通の開口(メソポア)となる連続気泡構造を有している、すなわち、連続気泡構造体(連続マクロポア構造体)となっている。
このマクロポア同士が重なる部分は、乾燥状態の平均直径が1~1000μm、好ましくは10~200μm、特に好ましくは20~100μmである共通の開口(メソポア)となっており、その大部分がオープンポア構造となっている。メソポアの乾燥状態の平均直径が1μm以上であると、吸収対象液の吸収速度がより良好なものとなる。一方、メソポアの乾燥状態の平均直径が1000μm以下であると、吸収剤Aが脆化しにくくなる。
なお、このようなマクロポア同士の重なりは、1個のマクロポアで1~12個程度、多くのものは3~10個程度である。
また、吸収剤Aがこのような連続気泡構造を有することにより、マクロポア群やメソポア群を均一に形成することができるとともに、特開平8-252579号公報などに記載されているような粒子凝集型多孔質体に比べて、細孔容積や比表面積を格段に大きくすることができるという利点がある。
吸収剤Aの細孔(空孔)の全細孔容積は0.5~50mL/gが好ましく、2~30mL/gがより好ましい。吸収剤Aの全細孔容積が0.5mL/g以上であることで、吸収剤Aに十分な細孔容積を確保でき、したがって、十分な吸水量を確保できる。また、多孔質体の吸収対象液(液体)を取り込むための空間(空孔)を吸収時に潰れ難くでき、吸水量及び吸水速度を低下し難くできる。一方、吸収剤Aの全細孔容積が50mL/g以下のとき、吸収剤Aの強度を低下し難くできる。
なお、全細孔容積は、水銀圧入法で測定することができる。全細孔容積の測定用試料は、吸収剤Aのイオン形によらず、50℃の温度に設定した減圧乾燥器で18時間以上乾燥させたものを用いる。最終到達圧力は0Torrとする。
以下、吸収剤Aと、液体が接触した場合の様子について説明するが、吸収剤Aを含む複合吸収体1と液体が接触した場合についても同様である。また、吸収された液体の質量は、液体量に略比例するため、以下の説明においては、液体の質量を単に「液体量」と称することがある。
まず、図3~図6に示す吸収剤Aが備える連続空孔は、複数の細孔(空孔)が互いに連通している空孔であり、外観からも空孔が多数設けられていることを肉眼で視認することができる。液体がこのような多数の空孔を備えた吸収剤Aに接触すると、まず親水性の連続骨格が一部の液体を浸透圧によって瞬時に取り込んで伸長する(すなわち、膨張する)。この連続骨格の伸長は、ほぼ全方位にわたって生じる。このようにして一定量の液体を吸収して大きくなった吸収剤Aは、毛細管現象によって、更に所定量の液体を拡大した連続空孔内に吸収することができるようになる。このように吸収剤Aは、水分(液体)を吸収する際に、水分を親水性の連続骨格に取り込んだ後に連続空孔に取り込んで吸収するという特有の吸水挙動を示す。
ここで、吸収剤Aの親水性の連続骨格内に吸収された液体は連続骨格から放出されにくい(すなわち、離水しにくい)。一方、連続空孔内に吸収された液体は離水しやすい。そのため、複合吸収体内においては、この連続空孔内に吸収された液体が離水して、保水能力の高い高吸水性ポリマーへ受け渡され、高吸水性ポリマー内で着実に保持されることとなる。なお、吸収剤Aの連続骨格内に吸収された液体量と、連続空孔内に吸収された液体量は、吸収剤Aが吸収した全液体量のうち、遠心処理(150G/90秒間)で吸収剤Aから離水した液体量(離水量)が連続空孔内に吸収された液体量となり、その他の液体量(遠心処理にて吸収剤Aから離水しなかった液体量)が連続骨格内に吸収された液体量となる。
また、吸収剤Aに吸収された液体は、親水性の連続骨格内に吸収される液体よりも、空孔内に留まる液体の方が多くなっている。吸収剤Aによる液体の吸収の大部分は、毛細管現象によって空孔内に液体を留めることによって行われるため、空孔の空隙の体積(全細孔容積)の割合である空隙率(吸収剤Aの体積に対する空孔の空隙の体積)が大きいほど、より多くの液体を吸収できる。なお、この空隙率は85%以上であることが好ましい。
例えば、上述の図3~図6に示す吸収剤Aの空隙率を求めると、以下のようになる。まず、水銀圧入法によって得られた吸収剤Aの比表面積は400m2/gであり、細孔容積は15.5mL/gである。この細孔容積15.5mL/gは、1gの吸収剤Aの中にある細孔の容積が15.5mLであることを意味する。吸収剤Aの比重を仮に1g/mLと仮定すると、1gの吸収剤Aの中で細孔が占める体積、すなわち細孔容積は15.5mLとなり、1gの吸収剤Aの体積は1mLとなる。そうすると、1gの吸収剤Aの全容積(体積)は、15.5+1(mL)となり、そのうちの細孔容積の比率が空隙率となるため、吸収剤Aの空隙率は、15.5/(15.5+1)×100≒94%となる。
このような親水性の連続骨格及び連続空孔を備えた吸収剤A、すなわち高分子吸収剤は、例えば粒子状やシート状等の形態で、上述のような液体を吸収するための複合吸収体1に適用される。そして、この高分子吸収剤は、上述のとおり、(直接に又はパルプ繊維を介して)水分を吸収する際に、水分を親水性の連続骨格に取り込んだ後に連続空孔に取り込むという特有の吸水挙動を示す。それゆえ、この高分子吸収剤は、周囲の(パルプ繊維中の)多量の液体を瞬時に吸収することができ、さらにその吸収した液体(主に連続空孔に吸収された液体)を保水能力の高い高吸水性ポリマーへ受け渡して、高吸水性ポリマー内で着実に保持することができる。したがって、このような高分子吸収剤を適用した複合吸収体は、吸収体として高い吸収性能を発揮することができる。
本実施形態において、吸収剤Aを含む高分子吸収剤のVoltex法による吸収速度は、5秒以下であることが好ましい。このように、複合吸収体1では、一旦パルプ繊維が吸収した液体を、高分子吸収剤へ短時間(5秒以下)で速やかに移行させることができる。したがって、パルプ繊維が液体を蓄積し過ぎて、パルプ繊維の吸収速度が遅くなったり、パルプ繊維が液体を吸収しきれなくなったりする事態を抑制できる。それにより、吸収速度が速いパルプ繊維が吸収した液体を高分子吸収剤へ速やかに受け渡すことができ、続けて、高分子吸収剤が受け渡された液体を吸収性能が高い高吸水性ポリマーに更に受け渡すことができる。よって、複合吸収体から液体の漏れを抑制でき、複合吸収体の吸収性能を十分に発揮させることができる。
吸収剤Aを含む高分子吸収剤のVoltex法による吸収速度は、3秒以下であることがより好ましく、2秒以下であることが更に好ましい。また、その吸収速度は、パルプ繊維の吸収速度の秒数より大きいことが好ましく、1秒以上大きいことが好ましい。パルプ繊維が吸収した液体を、高分子吸収剤へより短時間でより速やかに移行できる。
ただし、Voltex法による吸収速度は、対象物が所定の溶液を吸収する吸収時間として測定されるので、吸収時間が短い程、吸収速度が速いことを意味する。Voltex法による吸収速度(吸収時間)は、以下の方法で測定される(JIS-K7224参)。
<Voltex法による(初期の)吸収速度の測定方法>
(1)100mlビーカーに30×8mmの大きさの回転子を入れ、液温25度±1度に調整した50gの濃度0.9wt%のNaCl水溶液を入れる。
(2)マグネッックスターラー(MITAMURA RIKEN KOGYO INC.MAGMIX STIRRER(AC100W))で回転子を600±30rpmの回転数に調整してNaCl水溶液を攪拌する。
(3)攪拌中の容器に2.00gの吸収剤Aを投入し、投入と同時に時間の計測を開始する。
(4)そして、溶液内の溶液表面がフラットになったときの時間を吸収時間(吸収速度)として測定する。溶液表面がフラットになったときとは、激しく回転している液体の渦の傾斜が平面に近づく点とし、渦の液表面に反射する明かりの消失を観察することで判断する。なお、本測定方法は、温度25℃、湿度60%の条件下で行う。
本実施形態において、パルプ繊維からの液移行率は、高分子吸収剤>高吸水性ポリマー、であることが好ましい。このように、複合吸収体1では、一旦パルプ繊維が吸収した液体を、吸収速度の遅い高吸水性ポリマーへの移行よりも速く、まず吸収速度の速い高分子吸収剤へ速やかに移行させることができる。したがって、パルプ繊維が液体を蓄積し過ぎて、パルプ繊維の吸収速度が遅くなったり、パルプ繊維が液体を吸収しきれなくなったりする事態を抑制できる。それにより、連続的に、パルプ繊維が吸収した液体を高分子吸収剤へ速やかに受け渡し、高分子吸収剤が受け渡された液体を高吸水性ポリマーに更に受け渡すことができる。よって、複合吸収体から液体の漏れを抑制でき、複合吸収体の吸収性能を十分に発揮させることができる。
高分子吸収剤のパルプ繊維からの液移行率(30秒)は、60%以上であることが好ましい。それにより、高分子吸収剤>高吸水性ポリマーがより満足され、複合吸収体1において、一旦パルプ繊維が吸収した液体を、吸収速度の遅い高吸水性ポリマーへの移行よりも速く、吸収速度の速い高分子吸収剤へ速やかに移行させることができる。
ただし、材料Aから材料Bへの液移行量・液移行率は、以下の方法で測定される。ただし、材料Aをパルプ繊維、材料Bを高分子吸収剤や高吸水性ポリマーとすれば、高分子吸収剤や高吸水性ポリマーのパルプ繊維からの液移行率が測定できる。材料Aを高分子吸収剤やパルプ繊維、材料Bを高吸水性ポリマーとすれば、高吸水性ポリマーの高分子吸収剤やパルプ繊維からの液移行率が測定できる。
<材料Aから材料Bへの液移行量及び液移行率の測定方法>
(1)底面にナイロン製メッシュ材((株)NBCメッシュテック製、N-NO255HD 115(規格巾:115cm、255メッシュ/2.54cm、オープニング:57μm、線径:43μm、厚み:75μm))を貼り付けたプラスチック製の円筒(内径:60mm、外径:70mm、高さ:52mm、質量:64g)の中に、測定用の試料(材料A)を0.3g入れて、均一にならし、円筒の質量(g)を測定する。なお、本測定方法は、温度25℃、湿度60%の条件下で行う。
(2)シャーレ(内径:85mm、深さ:20mm)の中にプラスチック製の円筒(内径:60mm、外径:70mm、高さ:52mm、質量:64g)を置き、材料B0.3gを円筒内に均等に振り入れた後、円筒を外し、シャーレの質量(g)を測定する。
(3)台座付きのシャーレ(内径:85mm、深さ:20mm、台座配置:底面(内面側)中央部に2個の台座を24mm間隔で平行に配置、台座幅:2mm、台座高さ:2mm、台座長さ:25mm)に生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)を60mL入れる。
(4)測定用の試料(材料A)の入った円筒を台座付きのシャーレの中央部の台座の上に置いて、円筒の底面を生理食塩水に浸し、生理食塩水を円筒の中の試料に3分間吸水させる。
(5)3分間の吸水後に円筒を引き上げ、円筒を45°傾けて1分間水切りした後、円筒の質量(g)を測定する。
(6)上記(5)で測定した吸水後の円筒の質量(g)を上記(1)で測定した吸水前の円筒の質量(g)から差し引くことにより試料(材料A)の吸水量(g)を算出し、さらにこの吸水量を試料の質量(=0.3g)で除することにより試料(材料A)の単位質量当たりの吸水量(g/g)を得る。
(7)そして、上記(5)で水切りした後の円筒を、材料Bを入れたシャーレの上に置き、円筒の中の試料(材料A)とシャーレ内の材料Bとを、円筒の底面(メッシュ材)を介して接触させる。
(8)試料(材料A)と材料Bとを接触させてから所定時間(例示:30秒、10秒)経過後に、円筒を取り外し、シャーレの質量(g)を測定する。
(9)上記(8)で測定したシャーレの質量(g)を上記(2)で測定したシャーレの質量(g)で差し引くことにより材料Bの吸水量(g)を算出し、さらにこの吸水量を試料の質量(=0.3g)で除する。それにより、所定時間(例示:30秒、10秒)経過後の試料の単位質量当たりの材料Bの吸水量(g/g)、すなわち、所定時間経過後の試料(材料A)の単位質量当たりの材料Bへの液移行量(g/g)を得る。
(10)所定時間(例示:30秒、10秒)経過後の単位質量当たりの液移行率は、上記(9)で求めた所定時間(例示:30秒、10秒)経過後の材料Bの単位質量当たりの吸水量(g/g)を、上記(6)で求めた試料(材料A)の単位質量当たりの吸水量(g/g)で除して、100を乗ずることで得られる。
本実施形態において、高吸水性ポリマーへの液移行量は、高分子吸収剤>パルプ繊維、であることが好ましい。このように、複合吸収体1では、パルプ繊維よりも多くの液体を高分子吸収剤に移行させ吸収させて、高分子吸収剤に移行された液体を、パルプ繊維よりも多く高吸水性ポリマーへ移行させることができる。したがって、液体の移行後に高分子吸収剤の吸水性能を回復することができる。それにより、連続的に、パルプ繊維が吸収した液体を高分子吸収剤へ速やかに受け渡し、高分子吸収剤が受け渡された液体を高吸水性ポリマーに更に受け渡すことができる。よって、複合吸収体から液体の漏れを抑制でき、複合吸収体の吸収性能を十分に発揮させることができる。
本実施形態において、高分子吸収剤から高吸水性ポリマーへの液移行量(30秒)は6.0g/g以上であることが好ましく、8.0g/g以上であることがより好ましい。それにより、高分子吸収剤>パルプ繊維がより満足され、高分子吸収剤に移行された液体を、パルプ繊維よりも多く高吸水性ポリマーへ移行させることができる。そして、高分子吸収剤から高吸水性ポリマーへの液移行量が6.0g/g以上であると、高分子吸収剤が一時的に保持した液体を、より確実に高吸水性ポリマーへ受け渡すことができるため、複合吸収体の吸収性能を十分に確実に発揮することができる。
本実施形態において、複合吸収体1でのパルプ繊維、高分子吸収剤及び高吸水性ポリマー間の坪量に関する関係は(パルプ繊維の坪量)/(高分子吸収剤の坪量)が1より大きいことが好ましい。パルプ繊維の坪量が高分子吸収剤の坪量より多いことで、初期段階で、吸収速度が速いパルプ繊維で液体を吸水し易くでき、その後にパルプ繊維が吸収した液体を高分子吸収剤に受け渡し易くすることができる。
また、複合吸収体1でのパルプ繊維、高分子吸収剤及び高吸水性ポリマー間の坪量に関する関係は、(高吸水性ポリマーの坪量)/(高分子吸収剤の坪量)が1より大きいことが好ましい。高吸水性ポリマーの坪量が高分子吸収剤の坪量より多いことで、高分子吸収剤が高吸水性ポリマーに接し易くすることができ、高分子吸収剤が吸収した液体を高吸水性ポリマーに受け渡し易くすることができる。
それゆえ、上記の坪量に関する二つの関係の少なくとも一つが満たされること(好ましくは両方満たされること)で、パルプ繊維に速やかに液体を吸収させ、パルプ繊維から高分子吸収剤へ液体を速やかに受け渡し、高分子吸収剤から高吸水性ポリマーへ液体を速やかに受け渡すことができる。よって、複合吸収体から液体の漏れを抑制でき、複合吸収体の吸収性能を十分に発揮させることができる。
(パルプ繊維の坪量)/(高分子吸収剤の坪量)は、上記観点から1より大きく10より小さいことがより好ましく、1より大きく5より小さいことがより好ましい。また、(高吸水性ポリマーの坪量)/(高分子吸収剤の坪量)は、上記観点から1より大きく10より小さいことがより好ましく、1より大きく5より小さいことがより好ましい。
ここで、パルプ繊維の坪量、高分子吸収剤の坪量及び高吸水性ポリマーの坪量は、複合吸収体1に求められる吸収性能に応じて適宜選択可能である。例えば、パルプ繊維の坪量としては、50~500g/m3が挙げられ、高分子吸収剤の坪量としては、1~100g/m3が挙げられ、高吸水性ポリマーの坪量としては、50~500g/m3が挙げられる。
本実施形態において、複合吸収体1で、無加圧DemandWettability(DW)法による吸水量が、高分子吸収剤>高吸水性ポリマー、であることが好ましい。このように、複合吸収体1では、高分子吸収剤が高吸水性ポリマーよりも自由水を吸水し易いため、高分子吸収剤が、吸収した液体が拡散するときに生じ得る、不織布と高分子吸収剤との間の隙間や、高分子吸収剤間の隙間の自由水を、引き込むことができる。すなわち、高分子吸収剤が、自由水を漏らさずに吸収することができる。それにより、複合吸収体から液体の漏れを抑制でき、複合吸収体の吸収性能を十分に発揮させることができる。
本実施形態において、高分子吸収剤の無加圧DW法による吸水量(30秒)は、8.0g/g以上が好ましく、12g/g以上がより好ましい。それにより、高分子吸収剤が高吸水性ポリマーよりも自由水を吸水し易くすることができる。ただし、無加圧DW法による吸水量は、以下の方法で測定される。
<無加圧DW法による吸水量の測定方法>
図9は、無加圧DW法で用いられる測定装置を示した模式図である。このような測定装置としてDW装置(DemandWettability装置、大洋クリエイト株式会社製)11を使用する。図示されるように、DW装置11は、ビュレット12(目盛容量50ml、長さ86cm、内径1.05cm)と、ゴム栓13と、空気流入細管(先端内径3mm)14と、コック15と、コック16と、測定台17と、液出口(内径3mm)18と、円筒19と、試験液20と、を備える。ビュレット12から測定台17までには、導管(内径7mm)が取り付けられている。試験液として、0.9%塩化ナトリウム水溶液を使用する。測定は、温度25℃、湿度60%の条件下で行う。
測定手順は以下のとおりである。
(1)DW装置11の両方のコック15、16を閉じた状態で、試験液20を0点(ビュレット12目盛の一番上(0mlライン))以上に入れビュレット12上部にゴム栓13をし、密閉する。
(2)測定台17の液出口18に濾紙を置いた後、両方のコック15、16を開け、濾紙で液出口18から出る液を吸い取りながら、液面を0点に合わせる。調整後、コック15、16を閉じる。
(3)測定台17上に、液出口18が中心になるように10cm四方に切断したナイロンメッシュ((株)NBCメッシュテック製、N-NO255HD 115(規格巾:115cm、255メッシュ/2.54cm、オープニング:57μm、線径:43μm、厚み:75μm))を載せる。
(4)メッシュの中心部に直径30mmの円筒19を載せ、その中に、液出口18を中心に試料を均一に置く。円筒19を取り外す。
(5)コック15、16を開き、試料が試験液20を吸収し始め、空気流入細管14から導入された一つ目の泡がビュレット12内の試験液20の水面に到達した時点(ビュレット12内の試験液20の水面が下がった時点)を測定開始時間とする。
(6)継続的に、ビュレット12内の試験液20の減少量(試験対象物が吸収した試験液20の量)M(ml)を読み取る。
(7)吸液開始から所定の測定時間経過後(例示:30秒)における試料の吸収量を、DW法による吸収量(ml/g)=M(ml)/(試料の重量(g))により求める。
なお、試験液の比重は1であるので、求められた吸収量の数値を(g/g)単位で示すこともできる。
本実施形態において、吸収した液の液吐出し量が、高分子吸収剤>高吸水性ポリマー、であり、吸収した液の液吐出し率が、高分子吸収剤>高吸水性ポリマー、であることが好ましい。このように複合吸収体1では、高分子吸収剤が一旦吸水した液体を高吸水性ポリマーに受け渡し易いので、パルプ繊維から移行された液体を、高分子吸収剤から高吸水性ポリマーに速やかに移行させることができる。それにより、連続的に、パルプ繊維が吸収した液体を高分子吸収剤へ速やかに受け渡し、高分子吸収剤が受け渡された液体を高吸水性ポリマーに更に受け渡すことができる。よって、複合吸収体から液体の漏れを抑制でき、複合吸収体の吸収性能を十分に発揮させることができる。
更に、高分子吸収剤は、吸収した水分の液吐出し量が25g/g以上であり、液吐出し率が65%以上であることが好ましい。高分子吸収剤の液吐出し量は35g/g以上であることがより好ましく、液吐出し率は、70%以上であることがより好ましい。このように複合吸収体1では、高分子吸収剤が優れた水分放出性(離水性)を有していることで、一度に多量の液体を保持できることに加えて、吸収・保持した液体を多量に放出することができる。したがって、高分子吸収剤から高吸水性ポリマーへ多量の液体を受け渡すことができるため、高吸水性ポリマーの保水能力を十分に活用することができる。ただし、高分子吸収剤の液吐出し量及び液吐出し率は、以下の方法で測定される。
<液吐出し量及び液吐出し率の測定方法>
(1)測定用の試料1gを10cm四方に切断したメッシュ袋((株)NBCメッシュテック製、N-NO255HD 115(規格巾:115cm、255メッシュ/2.54cm、オープニング:57μm、線径:43μm、厚み:75μm))に封入する。なお、メッシュ袋は、予め質量(g)を測定しておく。また、本測定方法は、温度25℃、湿度60%の条件下で行う。
(2)試料を封入したメッシュ袋を生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)に1時間浸漬する。
(3)メッシュ袋を5分間吊るして水切りした後の質量(g)を測定する。
(4)上記(3)で測定した水切り後のメッシュ袋の質量から試料の質量(=1g)及びメッシュ袋の合計質量を差し引くことにより試料の吸水量(g)を算出し、さらにこの吸水量を試料の質量(=1g)で除することにより試料の単位質量当たりの吸水量(g/g)を得る。
(5)さらに、上記(3)で水切りした後のメッシュ袋に、150Gで90秒間の遠心処理を施し、その遠心処理後のメッシュ袋の質量(g)を測定する。
(6)上記(5)で測定した遠心処理後のメッシュ袋の質量から試料の質量(=1g)及びメッシュ袋の合計質量を差し引くことにより試料の液吐出し量(g)を算出し、さらにこの液吐出し量を試料の質量(=1g)で除することにより試料の単位質量当たりの液吐出し量(g/g)を得る。
(7)上記(6)で得た単位質量当たりの液吐出し量を上記(4)で得た単位質量当たりの吸水量で除して100を乗ずることにより、試料(高分子吸収剤)の吸水量に対する液吐出し量、すなわち液吐出し率(%)を得る。
なお、吸水及び離水を2回、3回繰り返した後の繰返し液吐出し量(g/g)・液吐出し率は、上記の(2)~(6)の工程を2回、3回繰り返した後の液吐出し量(g/g)・液吐出し率(%)を意味する。
本実施形態において、高分子吸収剤の単位質量当たりの吸水量は、30g/g以上であることが好ましく、40g/g以上がより好ましく、50g/g以上が更に好ましい。このように、複合吸収体1では、高分子吸収剤の単位質量当たりの吸水量が、例えばパルプ繊維のみの単位質量当たりの吸水量(約20g/g)と比較して、十分に多いので(30g/g以上)、パルプ繊維が吸収した液体を、高分子吸収剤が速やかに、且つ余裕をもって吸収することができる。それにより、複合吸収体から液体の漏れを抑制でき、複合吸収体の吸収性能を十分に発揮させることができる。ただし、単位質量当たりの吸水量は、以下の方法で測定される。
<単位質量当たりの吸水量の測定方法>
(1)測定用の試料1gを10cm四方に切断したメッシュ袋((株)NBCメッシュテック製、N-NO255HD 115(規格巾:115cm、255メッシュ/2.54cm、オープニング:57μm、線径:43μm、厚み:75μm))に封入する。なお、メッシュ袋は、予め質量(g)を測定しておく。
(2)試料を封入したメッシュ袋を生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)に1時間浸漬する。
(3)メッシュ袋を5分間吊るして水切りした後の質量(g)を測定する。
(4)上記(3)で測定した水切り後のメッシュ袋の質量から試料の質量(=1g)及びメッシュ袋の合計質量を差し引くことにより試料の吸水量(g)を算出し、さらにこの吸水量を試料の質量(=1g)で除することにより試料の単位質量当たりの吸水量(g/g)を得る。
なお、以上の測定方法は、温度25℃、湿度60%の条件下で行う。
本実施形態において、吸水粘度の大きさは、高分子吸収剤>高吸水性ポリマー、であることが好ましい。このように、複合吸収体1では、液体吸収時の吸水粘度が、高分子吸収剤の方が高吸水性ポリマーよりも高い。そのため、複合吸収体が液体を吸収したとき、高分子吸収剤の粘度が高まることで、複合吸収体内での高分子吸収剤並びにその周囲に存在する高吸水性ポリマー及びパルプ繊維のような吸収性材料の移動、すなわち流動化が抑制される。それにより、複合吸収体へ物理的な衝撃が加わったとしても、複合吸収体内で吸収性材料が偏在して隙間が生じる事態を抑制することができ、したがって、複合吸収体から液体の漏れを抑制でき、複合吸収体の吸収性能を十分に発揮させることができる。
更に、高分子吸収剤の吸水粘度が、80Pa・sがより好ましく、90Pa・sがより好ましい。液体吸収時の吸水粘度が高い値を有するため、複合吸収体が液体を吸収したとき、高分子吸収剤の粘度が高まることで、複合吸収体内での高分子吸収剤を含む吸収性材料の移動、すなわち流動化をより抑制できる。ただし、吸水粘度は、以下の方法で測定される。
<吸水粘度の測定方法>
(1)HARIO社製100mlビーカー(内径50mm)に生理食塩水100mlと回転子(30mm×10mm)を入れ、600rpmで回転させる。
(2)試料1.5gを測り、上記(1)のビーカーに入れ、液面が固まって止まるまで待つ(固まらない場合は1分経過時点で回転子を止める)。
(3)5分静置する、
(4)粘度計(東機産業株式会社製TVB-10形粘度計、使用ロータ:M4、回転速度:3rpm)で粘度を測定する。
なお、以上の測定方法は、温度25℃、湿度60%の条件下で行う。
本実施形態において、複合吸収体の厚みは、3mm以下であり、複合吸収体の繰り返し吸収速度は、20秒以下であることが好ましい。このように、複合吸収体1は、厚みを3mm以下に抑えつつ、繰り返し吸収速度を20秒以下に速めているので、複数回又は多量の液体も速やかに吸収でき、複合吸収体の吸収性能を十分に発揮させつつ、その複合吸収体を種々の製品に適用した場合での使用感を良好にすることができる。ただし、複合吸収体の厚み及び繰り返し吸収速度は、それぞれ以下の方法で測定される。
<複合吸収体の厚みの測定方法>
(1)15cm2の測定子を備えた厚み計((株)大栄化学精器製作所製 型式FS-60DS)を用い、3g/cm2の測定荷重の条件で複合吸収体の厚みを測定する。1つの試料で3か所の厚みを測定し、3か所の厚みの平均値を複合吸収体の厚みとする。
<複合吸収体の繰り返し吸収速度の測定方法>
(1)試料を準備する。パルプ繊維、高分子吸収剤及び高吸水性ポリマーをそれぞれ所望の質量(所望の坪量になる質量)ずつ電子天秤で秤量し、均一に混合して混合物とする。そして、ホットメルト接着剤が塗布されたティッシュ(14g/m3)で混合物の上下を挟んで、固定し、半径45mmの円形に切り出して試料とする。
(2)半径46mm、高さ20mmのガラスシャーレ内に試料を入れる。
(3)試験液30mlを8ml/sガラスビュレットで試料に滴下し、試料の表面から液体が消えるまでの速度(秒)を測定する。ただし、試験液は、イオン交換水10Lに、尿素200g、塩化ナトリウム80g、硫酸マグネシウム8g、塩化カルシウム3g及び色素:青色1号約1gを溶解させることにより調製する。
(4)5分後、試料の滴下部分の上にろ紙(ADVANTEC社製、半径45cm、No.2、質量30g)を載せ、その上に更に荷重2kgを載せる。
(5)3分後に荷重及びろ紙を取り除き、ろ紙の質量を測定する。
(6)上記(3)~(5)をもう一回実施する。
(7)一回目及び二回目の上記(3)の速度(秒)を合わせて、繰り返し吸収速度(秒)とする。
なお、以上の測定方法は、温度25℃、湿度60%の条件下で行う。
本発明において、複合吸収体1を含む液体吸収用の製品は、複合吸収体1が上記された特徴を有しているので、当該製品の吸収性能を維持又は向上させることと、当該製品の厚みを薄くして使い易さを良好にすることとを両立させることができる。
以下、このような高分子吸収剤の製造方法を、上述の吸収剤Aを例に詳細に説明する。
[高分子吸収剤の製造方法]
上述の吸収剤Aは、図2に示すように、架橋重合工程と加水分解工程を経ることにより得ることができる。以下、これらの各工程について説明する。
(架橋重合工程)
まず、架橋重合用の油溶性モノマーと、架橋性モノマーと、界面活性剤と、水と、必要に応じて重合開始剤とを混合し、油中水滴型エマルションを得る。この油中水滴型エマルションは、油相が連続相となって、その中に水滴が分散したエマルションである。
そして、上述の吸収剤Aにおいては、図2の上図に示すように、油溶性モノマーとして、(メタ)アクリル酸エステルであるメタクリル酸ブチルを用い、架橋性モノマーとして、ジビニルベンゼンを用い、界面活性剤としてソルビタンモノオレエートを用い、さらに重合開始剤としてイソブチロニトリルを用いて架橋重合させ、モノリスAを得る。
具体的には、吸収剤Aにおいては、図2の上図に示すように、まず、油溶性モノマーとしてのメタクリル酸t-ブチル9.2gと、架橋性モノマーとしてのジビニルベンゼン0.28gと、界面活性剤としてのソルビタンモノオレエート(以下、「SMO」と略す。)1.0gと、重合開始剤としての2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)0.4gとを混合し、均一に溶解させる。
次に、メタクリル酸t-ブチル/ジビニルベンゼン/SMO/2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)の混合物を180gの純水に添加し、遊星式撹拌装置である真空撹拌脱泡ミキサー(イーエムイー社製)を用いて減圧下で撹拌し、油中水滴型エマルションを得る。
さらに、このエマルションを速やかに反応容器に移して密封し、静置下で60℃、24時間の条件で重合させる。重合終了後に内容物を取り出し、メタノールで抽出した後、減圧乾燥して、連続マクロポア構造を有するモノリスAを得る。なお、モノリスAの内部構造をSEMにより観察した結果、モノリスAは、連続気泡構造を有しており、連続骨格の厚みは5.4μmであった。また、水銀圧入法により測定した連続空孔の平均直径は36.2μm、全細孔容積は15.5mL/gであった。
なお、全モノマーに対するジビニルベンゼンの含有量は、0.3~10モル%であることが好ましく、0.3~5モル%であることがより好ましい。また、メタアクリル酸ブチルとジビニルベンゼンの合計に対するジビニルベンゼンの割合が0.1~10モル%であることが好ましく、0.3~8モル%であることがより好ましい。なお、上述の吸収剤Aにおいては、メタアクリル酸ブチルとジビニルベンゼンの合計に対するメタアクリル酸ブチルの割合が97.0モル%であり、ジビニルベンゼンの割合が3.0モル%である。
界面活性剤の添加量は、油溶性モノマーの種類及び所望のエマルション粒子(マクロポア)の大きさに応じて設定することができ、油溶性モノマーと界面活性剤の合計量に対して約2~70%の範囲とすることが好ましい。
なお、モノリスAの気泡形状やサイズなどを制御するために、メタノール、ステアリルアルコール等のアルコール;ステアリン酸等のカルボン酸;オクタン、ドデカン、トルエン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテルなどを重合系内に共存させてもよい。
また、油中水滴型エマルションを形成させる際の混合方法は特に制限されず、例えば各成分を一括して一度に混合する方法、油溶性モノマー、界面活性剤及び油溶性重合開始剤である油溶性成分と、水や水溶性重合開始剤である水溶性成分とを別々に均一溶解させた後、それぞれの成分を混合する方法などの任意の混合方法を採用することができる。
さらに、エマルションを形成させるための混合装置も特に制限されず、所望のエマルション粒径に応じて、通常のミキサーやホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等の任意の装置を採用することができ、さらには、被処理物を混合容器に入れ、該混合容器を傾斜させた状態で公転軸の周りに公転させながら自転させることにより被処理物を攪拌混合する、いわゆる遊星式攪拌装置なども用いることができる。
また、混合条件についても特に制限されず、所望のエマルション粒径に応じて、攪拌回転数や攪拌時間等を任意に設定することができる。なお、上記の遊星式攪拌装置では、W/Oエマルション中の水滴を均一に生成させることができ、その平均径を幅広い範囲で任意に設定することができる。
油中水滴型エマルションの重合条件は、モノマーや開始剤の種類等に応じて様々な条件を採用することができる。例えば、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルや過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム等を用いる場合は、不活性雰囲気下の密封容器内において、30~100℃の温度で1~48時間加熱重合すればよく、重合開始剤として過酸化水素-塩化第一鉄、過硫酸ナトリウム-酸性亜硫酸ナトリウム等を用いる場合は、不活性雰囲気下の密封容器内において、0~30℃の温度で1~48時間重合すればよい。
なお、重合終了後は、内容物を取り出して、イソプロパノール等の溶剤でソックスレー抽出を行うことにより未反応モノマーと残留界面活性剤を除去し、図2の中図に示すモノリスAを得ることができる。
(加水分解工程)
続いて、モノリスA(架橋重合体)を加水分解して、吸収剤Aを得る工程(加水分解工程)について説明する。
まず、モノリスAを、臭化亜鉛を加えたジクロロエタンに浸漬させ40℃で24時間撹拌し、メタノール、4%塩酸、4%水酸化ナトリウム水溶液及び水にこの順で接触させ加水分解を行った後、乾燥させてブロック状の吸収剤Aを得る。更に、このブロック状の吸収剤Aを所定の大きさに粉砕して粒子状の吸収剤Aを得る。なお、この吸収剤Aの形態は粒子状に限定されず、例えば、乾燥させる際に又は乾燥後にシート状に成形してもよい。
また、モノリスAの加水分解の方法は特に制限されず、種々の方法を採用することができる。例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、テトラヒドロフランやイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、メタノールやエタノール等のアルコール系溶媒、酢酸やプロピオン酸等のカルボン酸系溶媒または水を溶媒として、水酸化ナトリウム等の強塩基と接触させる方法、或いは、塩酸等のハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等のブレンステッド酸または臭化亜鉛、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化チタン(IV)、塩化セリウム/ヨウ化ナトリウム、ヨウ化マグネシウム等のルイス酸と接触させる方法などが挙げられる。
また、吸収剤Aの親水性の連続骨格を形成する有機ポリマーの重合原料のうち、(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に制限されないが、(メタ)アクリル酸のC1~C10(すなわち、炭素数1~10)のアルキルエステルが好ましく、(メタ)アクリル酸のC4(すなわち、炭素数4)のアルキルエステルが特に好ましい。
なお、(メタ)アクリル酸のC4のアルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸t-ブチルエステル、(メタ)アクリル酸n-ブチルエステル、(メタ)アクリル酸iso-ブチルエステルが挙げられる。
また、架橋重合に用いるモノマーは、(メタ)アクリル酸エステル及びジビニルベンゼンのみでもよいし、(メタ)アクリル酸エステル及びジビニルベンゼンに加えて、(メタ)アクリル酸エステル及びジビニルベンゼン以外の他のモノマーを含有していてもよい。
後者の場合、他のモノマーとしては、特に限定されないが、例えばスチレン、α―メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルクロライド、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2エチルヘキシル、イソブテン、ブタジエン、イソブレン、クロロプレン、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
なお、架橋重合に用いる全モノマー中の、(メタ)アクリル酸エステル及びジビニルベンゼン以外の他のモノマーの割合は、0~80モル%が好ましく、0~50モル%がより好ましい。
また、界面活性剤は、上述のソルビタンモノオレエートに限定されず、架橋重合用モノマーと水とを混合した際に、油中水滴型(W/O)エマルションを形成し得るものであればよい。そのような界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレン基ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン基ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン基ソルビタンモノオレエート等の非イオン界面活性剤、オレイン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等の陰イオン界面活性剤、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤、ラウリルジメチルベタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は一種類を単独で用いても、二種類以上を併用してもよい。
また、重合開始剤は、熱及び光照射によりラジカルを発生する化合物が好適に用いられる。さらに、重合開始剤は、水溶性でも油溶性でもよく、例えば、アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素-塩化第一鉄、過硫酸ナトリウム-酸性亜硫酸ナトリウム、テトラメチルチウラムジスルフィドなどが挙げられる。ただし、場合によっては、重合開始剤を添加しなくても加熱のみや光照射のみで重合が進行する系もあるため、そのような系では重合開始剤の添加は不要である。
高分子吸収剤において、所望の吸収性能や細孔分布を得ようとする(変更しようとする)場合、主に、架橋重合工程における界面活性剤の添加量(例示:界面活性剤/モノマー比)や混合条件(例示:攪拌回転数、攪拌時間)によって細孔径や細孔分布、延いては吸収性能の調整が可能である。
[高分子吸収剤を含む複合吸収体の製造方法]
複合吸収体は、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いて製造され得るが、例えば、材料供給器と回転ドラムとを備える積繊装置を用いて製造される。回転ドラムは、吸引手段を内側面に有し、回転ドラムの外周表面に配置され、回転ドラムとともに回転可能に配設された積繊支持体を含んでいる。積繊支持体は、パルプ繊維と高分子吸収体と高吸収性ポリマーとを堆積させる堆積用凹み部を有している。材料供給器は、坪量(配合比)を調整されたパルプ繊維と高分子吸収剤と高吸水性ポリマーとを混合状態で積繊支持体に供給する。製造方法では、材料供給器により混合状態で供給されたパルプ繊維、高分子吸収体及び高吸収性ポリマーを吸引手段により積繊支持体の堆積用凹み部に堆積させて積繊体を成形する。そして、その積繊体を、積繊支持体から、表面に接着剤を塗布されたシート部材に受け渡し、そのシート部材で積繊体を包み込むことにより複合吸収体を製造する。または、上記方法でパルプ繊維と高吸収性ポリマーの積繊体を作成し、シート部材に包み込む前の段階で積繊体上に別途高分子吸収剤を散布してから包み込んでもよい。
以下、実施例を示して本発明を説明するが、本発明はこの実施例に限定されない。
(A)試料
上記の製造方法で製造された実施例としての高分子吸収剤、比較例としての特許文献1の高吸水性ポリマー(住友精化株式会社製、以下、「高速SAP」と称する。)、及び、他の比較例としての通常な高吸収性ポリマー(住友精化株式会社製、アクアキープSA60S、以下、「通常SAP」と称する。)のそれぞれの特性を比較した。また、必要に応じて、更に他の比較例としての通常なパルプ繊維(木材パルプ粉砕品)の特性との比較も行った。
(B)評価
上記の試料の全部又は一部について、以下の項目について評価を行った。項目は、吸収速度(Voltex法)、パルプ繊維からの液移行率、高吸水性ポリマーへの液移行量、吸水量(無加圧DW法)、液吐出し量・液吐出し率、吸水粘度、複合吸収体の厚み及び繰り返し吸収速度、である。
(C)結果
(1)吸収速度
初期の吸収速度は、上記のVoltex法による(初期の)吸収速度の測定方法で測定された。その結果、高分子吸収剤は1.7秒、パルプ繊維は1.0秒、高速SAPは5.4秒、通常SAPは46.8秒であった。すなわち、初期の吸収速度は、パルプ繊維>高分子吸収剤>高吸水性ポリマー(高速SAP、通常SAP)であった。また、高分子吸収剤のVoltex法による吸収速度は5秒以下であった。
(2)パルプ繊維からの液移行率
パルプ繊維からの単位質量当たりの液移行率は、上記の材料Aから材料Bへの液移行量及び液移行率の測定方法で測定された。ただし、材料Aはパルプ繊維であり、材料Bは高分子吸収剤、高速SAP及び通常SAPである。その結果を図7に示す。図7は液移行率と移行時間との関係を示すグラフである。縦軸は液移行率(%)を示し、横軸は移行時間(秒)を示す。太い実線及び丸が高分子吸収剤を示し、破線及び菱形が高速SAPを示し、細い実線及び三角が通常SAPを示す。液移行率(%)は、移行時間10秒において、高分子吸収剤が61%、高速SAPが40%、通常SAPが7%であり、移行時間30秒において、高分子吸収剤が63%、高速SAPが57%、通常SAPが18%であった。よって、移行時間が30秒以内のとき、高分子吸収剤>高吸水性ポリマー(高速SAP、通常SAP)であった。また、グラフから把握できるように、移行時間に拘わらず、高分子吸収剤>高吸水性ポリマー(通常SAP)であった。また、高分子吸収剤の液移行率(30秒)は60%以上であった。
(3)高吸水性ポリマーへの液移行量
高吸水性ポリマーへの単位質量当たりの液移行量は、上記の材料Aから材料Bへの液移行量及び液移行率の測定方法で測定された((9)の値)。ただし、材料Aは高分子吸収剤、高速SAP及びパルプ繊維であり、材料Bは通常SAPである。この場合、同一条件で生理食塩水を吸水させた材料Aから材料Bへの液移行量を示している。その結果、単位質量当たりの吸水量(g/g)は、高分子吸収剤は82.3g/g、高速SAPは60.3g/g、パルプ繊維は23.3g/gであった。そして、液移行量(g/g)は、移行時間30秒において、高分子吸収剤は9.9g/g、高速SAPは5.6g/g、パルプ繊維は3.8gであった。よって、高吸水性ポリマーへの液移行量は、高分子吸収剤>高速SAP>パルプ繊維であった。また、高分子吸収剤の液移行量(30秒)は、6g/g以上であった。
(4)吸水量(無加圧DW法)
吸水量(無加圧DW法)は、上記の無加圧DW法による吸水量の測定方法で測定された。その結果、吸水量は、測定時間30秒において、高分子吸収剤が14.5g/g、パルプ繊維が8.9g/g、高速SAPでは7.9g/g、通常SAPでは6.7g/gであった。よって、吸水量(無加圧DW法)は、高分子吸収剤>高吸水性ポリマー(高速SAP、通常SAP)、であった。また、高分子吸収剤の吸水量(無加圧DW法)は、8.0秒以上であった。
(5)吸水粘度
吸水粘度は、上記の吸水粘度の測定方法で測定された。その結果、吸水粘度は、高分子吸収剤が96Pa・s、高速SAPが23Pa・s、通常SAPが72Pa・sであった。よって、吸水粘度は、高分子吸収剤>高吸水性ポリマーであった。また、高分子吸収剤の吸水粘度は、80Pa・sであった。
以上の結果を、表1に示す。
Figure 2023157677000002
(6)液吐出し量・液吐出し率
吸収した液の液吐出し量・液吐出し率は、上記の液吐出し量及び液吐出し率の測定方法で測定された。その結果、液吐出し量は、高分子吸収剤が39~42g/g、高速SAPが24g/g、通常SAPが20~22g/gであった。また、液吐出し率は、高分子吸収剤が75~76%、高速SAPが44~46%、通常SAPが34~36%であった。よって、液吐出し量は高分子吸収剤>高吸水性ポリマーであり、液吐出し率は高分子吸収剤>高吸水性ポリマーであった。また、高分子吸収剤の液吐出し量は25g/g以上であり、液吐出し率は65%以上であった。なお、吸水/離水回数を2,3回とした場合、各回の測定では液吐出し率が44~46%であったが、最終的な液吐出し率はいずれも45%であったため表では45%とした。
以上の結果を、表2に示す。
Figure 2023157677000003
(7)複合吸収体の厚み及び繰り返し吸収速度
複合吸収体の厚み及び繰り返し吸収速度は、それぞれ上記の複合吸収体の厚みの測定方法及び複合吸収体の繰り返し吸収速度の測定方法により測定された。評価対象の吸収体の構成を、下記の表3に示す。吸収体の構成として、実施例(複合吸収体)としてのパルプ繊維/通常SAP/高分子吸収剤、及び、比較例(通常の吸収体)としてのパルプ繊維/通常SAP、を採用した。両者の各材料については、通常SAPの坪量を同一とし、複合吸収体では更に高分子吸収剤の坪量を同一とし、パルプ繊維の坪量で厚みを変化させた。その結果を表3,図8に示す。
図8は厚みと繰り返し吸収速度との関係を示すグラフである。縦軸は各吸収体の吸収速度(秒)を示し、横軸は各吸収体の厚み(mm)を示す。太い実線及び丸が、パルプ繊維/通常SAP/高分子吸収剤で形成された複合吸収体を示し、細い実線及び三角が、パルプ繊維/通常SAPで形成された通常の吸収体を示す。複合吸収体では、高分子吸収剤を含むことで、厚みを3mm以下に薄くしても、繰り返し吸収速度を20秒以下にできることが判明した。一方、通常の吸収体では、厚みを3mm以下に薄くすると、繰り返し吸収速度を20秒以下にできないことが判明した。
Figure 2023157677000004
なお、本発明の複合吸収体は、特に限定されないが、例えば、結露防止シートや簡易土壌等の土木・建築資材、医薬品等の基材、漏出液体の吸収用資材などの様々な分野の複合吸収体に適用することができる。したがって、複合吸収体の吸収対象となる液体も特に限定されず、例えば、水や水溶液(例えば、海水など)、酸(例えば、塩酸など)、塩基(例えば、水酸化ナトリウムなど)、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、1,4-ジオキサン等のエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)など)が挙げられる。なお、これらの液体は、2種類以上の液体の混合物であってもよい。
本発明は、上述の実施形態等に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜組み合わせや代替、変更等が可能である。
1 複合吸収体
2 パルプ繊維
3 高吸水性ポリマー
4 高分子吸収剤

Claims (11)

  1. 液体を吸収するための複合吸収体であって、
    パルプ繊維と、親水性の連続骨格及び連続空孔を備えた高分子吸収剤と、高吸水性ポリマーと、を含み、
    初期の液体の吸収速度の大きさは、前記パルプ繊維>前記高分子吸収剤>前記高吸水性ポリマー、である、
    複合吸収体。
  2. 前記高分子吸収剤のVoltex法による吸収速度が5秒以下である、
    請求項1に記載の複合吸収体。
  3. 前記パルプ繊維からの液移行率は、前記高分子吸収剤>前記高吸水性ポリマー、である、
    請求項1又は2に記載の複合吸収体。
  4. 前記高吸水性ポリマーへの液移行量は、前記高分子吸収材>前記パルプ繊維、である、
    請求項1又は2に記載の複合吸収体。
  5. (前記パルプ繊維の坪量)/(前記高分子吸収剤の坪量)が1より大きく、及び/又は、
    (前記高吸水性ポリマーの坪量)/(前記高分子吸収剤の坪量)が1より大きい、
    請求項1又は2に記載の複合吸収体。
  6. 無加圧DemandWettability法による吸水量が、前記高分子吸収剤>前記高吸水性ポリマーである、
    請求項1又は2に記載の複合吸収体。
  7. 吸収した液の液吐出し量は、前記高分子吸収剤>前記高吸水性ポリマーであり、
    吸収した液の液吐出し率は、前記高分子吸収材>前記高吸水性ポリマーである、
    請求項1又は2に記載の複合吸収体。
  8. 前記高分子吸収剤の単位質量当たりの吸水量は、30g/g以上である、
    請求項1又は2に記載の複合吸収体。
  9. 吸水粘度の大きさは、前記高分子吸収剤>前記高吸水性ポリマー、である、
    請求項1又は2に記載の複合吸収体。
  10. 前記高分子吸収剤は、(メタ)アクリル酸エステルと、一分子中に2個以上のビニル基を含有する化合物の架橋重合体の加水分解物であり、且つ、少なくとも1個以上の-COONa基を含有する、
    請求項1又は2に記載の複合吸収体。
  11. パルプ繊維及び高吸水性ポリマーと共に用いられる高分子吸収剤であって、
    初期の液体の吸収速度の大きさは、前記パルプ繊維>前記高分子吸収剤>前記高吸水性ポリマー、であり、
    親水性の連続骨格及び連続空孔を備える、
    高分子吸収剤。
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