JP2023157621A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】抵抗損失を低減でき、良好な耐荷重性を実現できる太陽電池モジュールを提供すること。【解決手段】太陽電池ジュ―ル10は、複数の太陽電池セル3が配線材4によって電気的に直列に接続された太陽電池ストリングを備える。太陽電池セル3は、セル受光面とセル裏面との間に位置するセル断面40を有する。セル断面40は、二乗平均粗さが第1値以上である第1セル断面部40aと、二乗平均粗さが第1値よりも小さい第2セル断面部40bとを含む。配線材4が、厚み方向の受光面側から平面視したときにセル断面40と交差する位置において第1セル断面部40aよりも第2セル断面部40bに近くなるように配置される。【選択図】図6

Description

本開示は、太陽電池モジュールに関する。
近年、太陽電池モジュールの製造コスト低減のため、ウエハサイズが急速に大型化している。しかし、ウエハが大型化すると、短絡電流(太陽電池モジュールの出力端を短絡したときに流れる電流)が大きくなるため、それに起因して、抵抗損失(ジュール熱)も大きくなる。したがって、抵抗損失を低減するため、太陽電池セルを割断して短絡電流を低減する場合がある。
係る背景において、太陽電池セルの割断方法としては、特許文献1に記載されているものがある。この太陽電池セルの割断方法では、先ず、レーザ光を割断箇所に沿って走査(移動)させることで、割断前の太陽電池セルの割断箇所全域に厚み方向の半分程度の深さまで溝を形成する。続いて、厚み方向の半分程度が分離された太陽電池セルに力学的な力を付与して溝を起点として残りの厚み部分を割断することで太陽電池セルの割断を行う。この割断方法では、レーザ光で厚み方向の半分程度の深さまでしか溝を形成しないので、レーザ光が、セル変換効率に大きく影響する太陽電池セルのPN接合部まで到達することがなく、セル変換効率が低下することを抑制できる。
特開2006-286673号公報
上記特許文献1に記載の割断方法を用いて太陽電池セルの割断を行うと、太陽電池セルを大型のウエハを割断して作成できるので、太陽電池モジュールの抵抗損失を低減でき、製造コストも低減できる。しかし、レーザ光で割断を行った部分の表面粗さが、力学的な力を付与して割断した部分よりも粗くなって、レーザ光で割断を行った部分に大きな凹凸が存在するので、レーザ光で割断を行った部分は、局所的で過大な力を受けると割れ易い。よって、ウエハ厚が薄い場合等で、太陽電池モジュールが積雪や台風等で過大な外力を受けると、レーザ光の割断部分が配線材から過大な力(応力)を受けて、その割断部分が起点となって太陽電池セルに割れが発生する虞がある。そこで、本開示の目的は、抵抗損失を低減でき、耐荷重性にも優れる太陽電池モジュールを提供することにある。
上記課題を解決するため、本開示に係る太陽電池モジュールは、複数の太陽電池セルが配線材によって電気的に直列に接続された太陽電池ストリングと、太陽電池ストリングの厚み方向の受光面側に配置された受光面側保護部材と、太陽電池ストリングの厚み方向の裏面側に配置された裏面側保護部材と、受光面側保護部材と裏面側保護部材との間に設けられ、太陽電池ストリングを覆い、かつ、受光面側保護部材と裏面側保護部材との間に配置される封止材と、を備え、太陽電池セルは、セル受光面と、セル裏面と、セル受光面とセル裏面との間に位置するセル断面と、を有し、セル断面は、二乗平均粗さが第1値以上である第1セル断面部と、二乗平均粗さが第1値よりも小さい第2セル断面部とを含み、配線材が、厚み方向の受光面側から平面視したときにセル断面と交差する位置において第1セル断面部よりも第2セル断面部に近くなるように配置される。上記第1値として、例えば、10μmを採用してもよい。
また、本開示に係る他の態様の太陽電池モジュールは、複数の太陽電池セルが配線材によって電気的に直列に接続された太陽電池ストリングと、太陽電池ストリングの厚み方向の受光面側に配置された受光面側保護部材と、太陽電池ストリングの厚み方向の裏面側に配置された裏面側保護部材と、受光面側保護部材と裏面側保護部材との間に設けられ、太陽電池ストリングを覆い、かつ、受光面側保護部材と裏面側保護部材との間に配置される封止材と、を備え、太陽電池セルは、セル受光面と、セル裏面と、セル受光面とセル裏面との間に位置するセル断面と、を有し、セル断面は、少なくとも一部にレーザ照射痕を有する第1セル断面部と、レーザ照射痕が一切存在しない第2セル断面部と、を有し、配線材が、厚み方向の受光面側から平面視したときにセル断面と交差する位置において第1セル断面部よりも第2セル断面部に近くなるように配置される。
なお、少なくとも一部にレーザ照射痕を有する第1セル断面部は、少なくとも一部に材料が溶融した後固化した痕跡が残っているという条件と、へき開に沿って形成されている断面部分が存在しないという条件の両方を満足するという断面部として定義してもよい。また、この場合、第2セル断面部は、第1セル断面と同一平面上で、材料が溶融した後固化した痕跡も、へき開に沿って形成された断面も存在しない断面部をして定義してもよい。
本開示に係る太陽電池モジュールによれば、抵抗損失を低減でき、良好な耐荷重性を実現できる。
本開示の第1実施形態に係る太陽電池モジュールを厚み方向表面側から見たときの模式平面図である 図1のA-A線断面図の一部を示す図である。 第1実施形態における太陽電池セルの製造方法について説明する模式図である。 第1実施形態の太陽電池セルの割断について説明する模式図である。 図4(b)に示す太陽電池セルのセル断面(割断面)を側方から見たときの平面図である。 第1実施形態の太陽電池モジュールを配線材の延在方向に垂直な平面で切断したときの断面図の一部を示す図である。 従来の太陽電池セルの割断方法を説明する模式図である。 従来の太陽電池セルの割断方法で生じる割断面の構造について説明する模式図である。 従来の太陽電池モジュールの太陽電池セルに割れが発生し易い理由を説明する従来の太陽電池モジュールにおける配線材の延在方向に垂直な模式断面図である。 第1実施形態の太陽電池モジュールで採用できる構成について説明する太陽電池モジュールにおける配線材の延在方向に垂直な模式断面図である。 第1実施形態で採用できる構成について説明する太陽電池ストリングの一部を厚み方向の裏面側から見たときの模式平面図である。 第1実施形態の太陽電池モジュールに搭載可能な太陽電池セルの一例について説明する太陽電池セルの模式斜視図であり、太陽電池セルを裏面側から見たときの模式斜視図である。 第2実施形態における太陽電池セルの製造方法について説明する図3に対応する模式図である。 図13に示す方法で作製された太陽電池セルが、取り得る構造の一例について説明する、裏面側から見たときの太陽電池セルの模式斜視図である。 図13に示す方法で作製された太陽電池セルが、取り得る別の構造を他の例について説明する、裏面側から見たときの太陽電池セルの模式斜視図である。 図13に示す方法で作製された太陽電池セルが、取り得る他の構造の他の例について説明する、裏面側から見たときの太陽電池セルの模式斜視図である。 第3実施形態の太陽電池セルのセル断面の構造について説明する模式側面図である。
以下に、本開示に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。また、以下の実施例では、図面において同一構成に同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、複数の図面には、模式図が含まれ、異なる図間において、各部材における、縦、横、高さ等の寸法比は、必ずしも一致しない。また、以下で説明される構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素であり、必須の構成要素ではない。また、本開示は、下記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の改良や変更が可能である。
また、以下の説明では、太陽電池モジュール10において、太陽光が主に入射(50%より大きく100%以下)する側を受光面側(表面側)とし、表面側とは反対側を裏面側とする。また、以下の説明及び図面の記載において、X方向は、以下で説明する太陽電池ストリング50の延在方向であり、Y方向は、X方向に直交する方向であり、複例に配設された太陽電池ストリング50の並び方向である。また、Z方向は、X方向及びY方向に直交する方向であり、太陽電池モジュール10の厚み方向である。また、以下の説明において、セル断面は、セル割断面である。また、セル断面部は、セル割断面部のことであり、セル割断面の一部である。
(第1実施形態)
図1は、本開示の第1実施形態に係る太陽電池モジュール10をZ方向表面側から見たときの模式平面図である。また、図2は、図1のA-A線断面図の一部を示す図である。図1に示すように、太陽電池モジュール10は、平面視において略矩形の形状を有する平板状の構造を有し、矩形形状の長手方向(X方向)の中央部におけるZ方向裏面側に端子ボックス60を備える。また、図2に示すように、太陽電池モジュール10は、受光面側保護部材の一例としての表面側ガラス部材(以下、表面ガラスという)1、裏面側保護部材の一例としての樹脂シート2、複数の太陽電池セル3、配線材4及び封止材5を備える。
表面ガラス1は、光が主に入射する受光面側に設けられ、太陽電池モジュール10の表面側を保護する。表面ガラス1は、透光性を有する強化ガラスからなり、その板厚は、0.5mm~4.0mmであり、1.6mm~3.2mm程度とすることが好ましい。なお、受光面側保護部材としては、強化ガラスに限らず、透光性プラスチック等の透光性の部材を用いることができる。
樹脂シート2は、受光面側とは反対側に設けられ、太陽電池モジュール10の裏面側を保護する。樹脂シート2は、樹脂材料、例えば、熱可塑性フルオロポリマー材料であるポリフッ化ビニル(PVF)やをポリエチレンテレフタレート(PET)等で構成される。樹脂シート2は、-40°C~+85°Cの温度範囲で安定している材料で構成されると好ましく、透明材料で構成することで、太陽光が太陽電池モジュール10の両側から効率的に入射するようにしてもよい。
又は、樹脂シート2は、白地のバックシートで構成されてもよく、この場合、バックシートに入射した光を樹脂シート2で反射できるので、太陽電池セル3に入射する光量を増やすことができ、太陽電池モジュールの発電量を増加させることができる。なお、裏面側保護部材として、裏面側ガラス部材(裏面ガラス)を採用してもよい。この場合、裏面ガラスは、例えば、板厚0.5mm~4.0mm以下、好ましくは1.6mm~3.2mm程度の強化ガラスからなり、耐候性を有するように構成される。裏面ガラスは、透光性であってもよく、非透光性であってもよい。
複数の太陽電池セル3は、表面ガラス1と樹脂シート2との間に配設される。太陽電池セル3は、例えば、単結晶シリコンや多結晶シリコン等で構成される結晶系半導体からなる。太陽電池セル3は、例えば、n型領域とp型領域を有し、n型領域とp型領域の界面部分には、キャリア分離用の電界を生成するための接合部が設けられる。太陽電池セル3の上面は、例えば、略正方形の形状を有するが、これに限らない。
配線材4は、X方向に隣り合う2つの太陽電池セル3における一方の太陽電池セル3の受光面側の電極と、他方の太陽電池セル3の裏面側の電極とを電気的に接続する。配線材4は、各電極に接着剤等で取り付けられる。配線材4は、例えば、薄板状の銅箔と、銅箔の表面にメッキされた半田とで好適に構成されるが、それ以外の如何なる導体で構成されてもよい。
封止材5は、表面ガラス1と樹脂シート2との間に充填され、複数の太陽電池セル3を表面ガラス1と樹脂シート2との間に封止する。封止材5の厚みは、400~700μm程度である。封止材5は、表充填材5aと、裏充填材5bとを含み、表充填材5aが表面ガラス1と太陽電池セル3との間に配置されるのに対し、裏充填材5bは太陽電池セル3と樹脂シート2との間に配置される。例えば、表充填材5aは、透明の充填材で構成され、裏充填材5bは、透明または白色の充填材で構成される。表充填材5aは、透光性に優れる材質で構成され、裏充填材5bは、光を反射する性質に優れる材質で構成される。封止材5が、透光性に優れる表充填材5aと、光を反射する性質に優れる裏充填材5bとを含むようにすれば、光の利用効率を向上させることができる。又は、裏面側保護部材は、透明バックシート又は裏面ガラスでもよいが、その場合、裏充填材5bは、透明の充填材で構成される。
表充填材5aと裏充填材5bは、100~160℃程度の温度で実行されるラミネート加工で貼り合わされて積層される。例えば、表面ガラス1に表充填材5aを積層し、その後、複数の太陽電池セル3が配線材4によって電気的に直列に接続されたX方向に延びる太陽電池ストリング50をY方向に間隔をおいて複数配置した後、太陽電池ストリング40同士及び取り出し配線を接続し、その上に裏充填材5b、樹脂シート2を積層し、この状態で加熱しながら加圧して、一体化する。なお、樹脂シート2上に、裏充填材5b、電気的に接続した複数の太陽電池ストリング50、表充填材5a、表面ガラス1を積層して、加熱しながら加圧してもよい。
裏充填材5bは、ラミネート加工が実行される温度で、表充填材5aよりも高い硬度を有することと、表充填材5aよりも低い流動性を有することとのうちの少なくとも一方を満たす材質からなると好ましい。表充填材5aは、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体やポリオレフィンで好適に構成されるが、これに限らない。また、裏充填材5bは、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体やポリオレフィンで好適に構成されるが、これに限らない。なお、着色された裏充填材は、必ずしも白色の充填材で構成される必要はない。又は、上述のように、裏面側保護部材が、透明バックシート又は裏面ガラスの場合、裏充填材は、透明の充填材で構成される。
再度、図1を参照して、X方向に沿って同一の直線上に配置された2以上の太陽電池セル3は、配線材4によって直列に接続される。同一の直線上に配置された2以上の太陽電池セル3と、その2以上の太陽電池セル3を直列に接続する複数の配線材4とは、太陽電池ストリング50を構成する。図1に示す例では、X方向中央部を境にして、X方向の一方側に配置されている複数の太陽電池セル3と、X方向の他方側に配置されている複数の太陽電池セル3が、並列に接続される。X方向の各側に配置されている複数の太陽電池セル3は、直接に接続される。その結果、X方向の一方側に配置されている複数の太陽電池セル3に関し、紙面における最も右側かつ最も中央側に配設される太陽電池セル3aが最も低電位側に配設され、紙面における最も左側かつ最も中央側に配設される太陽電池セル3bが最も高電位側に配設される。また、X方向の他方側に配置されている複数の太陽電池セル3に関し、紙面における最も右側かつ最も中央側に配設される太陽電池セル3a′が最も低電位側に配設され、紙面における最も左側かつ最も中央側に配設される太陽電池セル3b′が最も高電位側に配設される。
次に、太陽電池モジュール10の電気的な接続について更に詳細に説明する。なお、X方向の一方側に配置されている複数の太陽電池セル3の電気的な接続構造(以下、単に、一方側接続構造という)と同一であるX方向の他方側に配置されている複数の太陽電池セル3の電気的な接続構造(以下、他方側接続構造という)については説明を省略する。太陽電池モジュール10は、3つの一方側渡り配線30a,30b,30cと、2つの共通渡り配線30d,30eを有する。一方側渡り配線30aは、一方側接続構造において最も右側に位置して最も低電位の太陽電池ストリング50の高電位側と、一方側接続構造において右側から2番目に位置して2番目に低電位の太陽電池ストリング50の低電位側とを電気的に接続する。また、共通渡り配線30dは、X方向中央部に位置して一方側接続構造と他方側接続構造で共有される渡り配線であり、一方側接続構造において2番目に低電位の太陽電池ストリング50の高電位側と、一方側接続構造において右側から3番目に位置して3番目に低電位の太陽電池ストリング50の低電位側とを電気的に接続する。
また、一方側渡り配線30bは、一方側接続構造において3番目に低電位の太陽電池ストリング50の高電位側と、一方側接続構造において右側から4番目に位置して4番目に低電位の太陽電池ストリング50の低電位側とを電気的に接続する。また、共通渡り配線30eは、X方向中央部に位置して一方側接続構造と他方側接続構造で共有される渡り配線であり、一方側接続構造において4番目に低電位の太陽電池ストリング50の高電位側と、一方側接続構造において右側から5番目に位置して5番目に低電位の太陽電池ストリング50の低電位側とを電気的に接続する。また、一方側渡り配線30cは、一方側接続構造において5番目に低電位の太陽電池ストリング50の高電位側と、一方側接続構造において右側から6番目に位置して最も高電位の太陽電池ストリング50の低電位側とを電気的に接続する。
太陽電池モジュール10は、更に、2つの共通配線30f,30gを有する。共通配線30fは、一方側接続構造で最も低電位の太陽電池セル3aと他方側接続構造で最も低電位の太陽電池セル3a′を電気的に接続し、その結果、太陽電池セル3aと太陽電池セル3a′が等電位になる。また、共通配線30gは、一方側接続構造で最も高電位の太陽電池セル3bと他方側接続構造で最も高電位の太陽電池セル3b′を電気的に接続し、その結果、太陽電池セル3bと太陽電池セル3b′が等電位になる。
端子ボックス60は、樹脂シート2(図2参照)の裏面に取り付けられる。樹脂シート2には、複数の貫通孔が設けられる。2つの共通渡り配線30d,30e及び2つの共通配線30f,30gの夫々は、対応する貫通孔を通過した後、端子ボックス60の所定の端子に電気的に接続される。端子ボックス60は、一体で構成されてもよく、スプリット構造を有して複数の異なる部分を含んでもよい。共通配線30fは、端子ボックス60内で低電位側電力供給配線(図示せず)に電気的に接続され、共通配線30gは、端子ボックス60内で高電位側電力供給配線(図示せず)に電気的に接続される。端子ボックス60は、共通配線30fと共通渡り配線30dの間に接続されるバイパスダイオードと、共通渡り配線30dと共通渡り配線30eの間に接続されるバイパスダイオードと、共通渡り配線30eと共通配線30gの間に接続されるバイパスダイオードを備える。
落ち葉等の遮光物が特定の太陽電池セル3を覆うと、その太陽電池セル3の発電量が低下して発熱する恐れがある。バイパスダイオードを設けることで発電量が低下した太陽電池セル3を含んで直列に接続された2つの太陽電池ストリング50が、パイパスダイオードによって短絡される。その結果、当該2つの太陽電池ストリング50に電流が略流れなくなり、発熱による太陽電池セル3の損傷が抑制される。太陽電池モジュール10からの電力は、高電位側電力供給配線と低電位側電力供給配線によって外部に取り出される。なお、図1に示す例では、各接続構造が6つの太陽電池ストリング50を有する場合について説明したが、各接続構造は、6以外の複数の太陽電池ストリングを有してもよい。又は、太陽電池モジュールは、並列接続される複数の接続構造を有さなくてもよく、太陽電池モジュールが有する全ての太陽電池セルが直列に接続される構成でもよい。
次に、太陽電池セル3の構造、太陽電池モジュール10の構造、及びそれらの製造方法について説明する。なお、以下では、太陽電池セル3がヘテロ接合(HJT(Heterojunction)型の太陽電池セルの場合を例に説明を行う。しかし、太陽電池セル3は、PERC(Passivated Emitter and Rear Cell)型の太陽電池セルでもよく、TOPCON(Tunnel Oxide Passivated Contact)型の太陽電池セルでもよい。図3は、第1実施形態における太陽電池セル3の製造方法について説明する模式図である。図3に示す製造方法では、先ず、シリコンウエハの洗浄(図3(a))を行う。洗浄は、公知の如何なる洗浄を行ってもよい。公知技術であるので詳述しないが、洗浄工程では、粗洗浄を行った後、仕上げ洗浄を行い、最後にエッチングを行う。粗洗浄では、例えば、台に接着された状態のウエハを中性系洗浄剤で洗浄して、シリコンウエハの隙間の汚れを効果的に除去する。次に、仕上げ洗浄では、台から外したシリコンウエハを、アルカリ洗浄剤を用いて洗浄する。仕上げ洗浄では、アルカリ洗浄剤に含まれるアルカリ成分と界面活性剤の相乗効果によりシリコンウエハ表面を化学的に削り、次の工程におけるテクスチャ構造の形成を容易にする。最後のエッチングでは、シリコンウエハを、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムに浸漬して、シリコンウエハ表面をエッチングし、シリコンウエハ表面にピラミッド型の凹凸(テクスチャ構造)を形成する。テクスチャ構造は、多数のピラミッド型の凹凸が不規則に配置されて、その高さ(大きさ)が不揃いであるランダムテクスチャでもよい。ピラミッド形状の凹凸は、例えば、数μmから数十μmの幅と、数μmから数十μmの高さとを有する。各ピラミッド形状の頂点および谷部は、丸みを帯びていてもよい。シリコンウエハ表面に均一なテクスチャ構造を形成するため、エッチングを制御する添加剤を使用してもよく、そのような添加剤として、イソプロピルアルコール等を用いてもよい。
次に、シリコンウエハ表面に膜を生成する(図3(b))。この成膜は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いて行う。シリコンウエハが、n型の結晶性シリコン基板(以下、単にシリコン基板という)である場合を例に、成膜工程について説明する。この場合、成膜工程では、例えば、シリコン基板の第1主面上に、第1i型非晶質シリコン層(第1真性非晶質シリコン層)、p型の第1非晶質シリコン層、第1透明導電層を、この順に積層する。また、シリコン基板の第2主面上に、第2i型非晶質シリコン層(第2真性非晶質シリコン層)、n型の第2非晶質シリコン層、及び第2透明導電層を、この順に積層する。
シリコン基板は、単結晶シリコン基板に導電性を付加させたものである。シリコン基板は、例えば、単結晶シリコン基板にSi原子(珪素原子)に対して電子を導入するリン原子を不純物として含有させることで形成される。シリコン基板は、n型単結晶シリコン基でもよく、例えば、厚みが50μm~300μm、比抵抗が0.5Ω・cm~30Ω・cm、n型不純物濃度が1×1014cm-3~3×1016cm-でもよく、厚みが100μm~200μm、比抵抗が1Ω・cm~10Ω・cmでもよい。n型単結晶シリコン基板は表面および裏面に50nm~500nm程度の厚みのn型の高濃度不純物層を有してもよい。
第1及び第2i型非晶質シリコン層は、好ましくはシリコンと水素を含むi型水素化非晶質シリコンで構成される。第1及び第2i型非晶質シリコン層の夫々は、例えば、3~20nm程度の厚みを有する。なお、第1及び第2i型非晶質シリコン層は、省略されることもできる。また、第1非晶質シリコン層は、好ましくはシリコンと水素とボロンを含むp型水素化非晶質シリコンで構成され、第2非晶質シリコン層は、好ましくはシリコンと水素とリンを含むn型水素化非晶質シリコンで構成される。
第1及び第2透明導電層は、導電性酸化物を主成分とすることが好ましい。導電性酸化物としては、例えば、酸化インジウム、酸化錫または酸化亜鉛等を単独または混合して用いることができる。導電性酸化物としては、導電性、光学特性、及び長期信頼性の観点から、主成分として酸化インジウムを含んだインジウム系酸化物が好ましく、例えば、タングステンをドープした酸化インジウム(IWO)や錫をドープした酸化インジウム錫(ITO)等を用いることができる。第1及び第2透明導電層は単層でもよく、複数の層からなる積層構造でもよい。
第1及び第2透明導電層は、第1及び第2i型非晶質シリコン層、第1非晶質シリコン層および第2非晶質シリコン層より抵抗が小さく、高導電性である。例えば、第1及び第2透明導電層の比抵抗は1×10-4Ω・cm~1×10-3Ω・cmであり、厚みは50nm~200nmである。これらの層を成膜するときの成膜条件としては、例えば、特開2021-144960号公報に記載の条件を採用できる。
続いて、印刷工程を行う((図3(c))。印刷工程では、例えば、第1透明導電層上に、櫛型電極の形状となるように銀ペーストをスクリーン印刷し、仮乾燥の後に、第2透明導電層上に、櫛型電極の形状となるように銀ペーストをスクリーン印刷する。その後、180℃程度の温度で数十分以上加熱して本乾燥を行う。このようにして、上記第1透明導電層上に第1主面側集電極を形成すると共に、第2透明導電層上に第2主面側集電極を形成する。なお、銀ペーストは、絶縁性樹脂中に銀の微粒子を分散させた銀ペーストを用いてもよい。また、拡散系の太陽電池セルの場合には、ファイアスループロセスが必要になるため、800℃程度の更に高い温度で乾燥を行う。
なお、スクリーン印刷の手法によって銀ペーストを塗布して第1及び第2主面側集電極を形成する場合について説明した。しかし、第1及び第2主面側集電極は、インクジェット法、導線接着法、スプレー法、真空蒸着法、スパッタ法、又はめっき法等で作製されてもよい。但し、生産性の観点から、銀ペーストを用いたスクリーン印刷法や、銅を用いためっき法による作製が好ましい。また、第1及び第2主面側集電極の材料として、アルミニウムなどの他の材料を用いてもよい。第1及び第2主面側集電極の夫々は、Y方向に間隔をおいて配置されると共にX方向に延在する複数のバスバー電極と、X方向に間隔をおいて配置されると共にY方向に延在する複数のフィンガー電極を含む。配線材4は、バスバー電極上に配置され、バスバー電極に接触する。また、フィンガー電極は、バスバー電極に直交し、バスバー電極に接触する。
最後に、割断工程を行う(図3(d))。この割断は、連続波のレーザ光を割断箇所K上を走査(移動)させながら、レーザ光を照射してから0.2秒以内、好ましくは、レーザ光を照射してから0.1秒以内に、噴霧装置から純水をレーザ照射箇所に散水して冷却することで行う。このようにしてレーザを照射した箇所に非常に短い時間で急激な温度変化を生じさせるようにする。割断は、この急激な温度差に基づいて行い、図4(a),(b)に示すように、太陽電池セルを割断箇所Kを境にして複数の太陽電池セルに割断する。なお、図4(a)に示す矢印αは、レーザ光の走査方向である。
図5は、図4(b)に示す太陽電池セル3のセル断面(割断面)40を側方から見たときの平面図である。図5において、矢印αは、レーザ光の走査方向である。第1実施形態では、レーザ光を照射してから0.2秒以内(好ましくは、0.1秒以内)に噴霧装置から冷却水をレーザ照射箇所に散水してレーザ照射箇所に急激な温度変化を生じさせて太陽電池セル3を割断する。この割断では、図5に示すように、レーザ照射痕を含んで二乗平均粗さが10μm~数十μmの凹凸を有する粗い第1セル断面部40aが、太陽電池セル3におけるレーサ光照射開始側の端面3cから走査方向に数mm以内の範囲にしか生じず、レーザ光走査方向のそれ以外の第2セル断面部40bは、二乗平均粗さが数um以下の凹凸しか存在しない平坦性が高い綺麗な面となる。この割断方法では、第1セル断面部40aの一部は、それが露出する太陽電池セルの受光面又は裏面から厚み方向に突出することがあり、第1セル断面部40が、それが露出する太陽電池セルの受光面又は裏面から厚み方向に突出する突出部を含むことがある。突出するのはレーザ照射面であり、レーザ照射面が受光面か裏面かにより突出面が変わり、受光面と裏面の両方が突出部を有することはない。また、第1セル断面部40aおよび第2セル断面部40bがへき開方向に沿った断面を含まないので、セル断面部がへき開方向に沿った断面を含む場合との比較で、太陽電池セルの強度を大きくできる。
セル断面40は、二乗平均粗さが第1値以上である第1セル断面部40aと、二乗平均粗さが第1値よりも小さい第2セル断面部40bとを含み、第1セル断面部40aは、太陽電池セル3におけるレーサ光照射開始側の端面3cから走査方向に数mm以内の範囲にしか存在しない。換言すると、セル断面40は、少なくとも一部にレーザ照射痕を有する第1セル断面部40aと、レーザ照射痕が一切存在しない第2セル断面部40bと、を有し、第1セル断面部40aは、太陽電池セル3におけるレーサ光照射開始側の端面3cから走査方向に数mm以内の範囲にしか存在しない。
したがって、図6に示すように、配線材4が、厚み方向の受光面側から平面視したときにセル断面40と交差する位置において第1セル断面部40aよりも第2セル断面部40bに近くなるように配置される。また、配線材4をレーサ光照射開始側の端面3cから、1cm程度、離間して配置することで、配線材4が、二乗平均粗さが大きい第1セル断面部40aに接触することを防止でき、配線材4を、二乗平均粗さが小さい第2セル断面部40bのみに接触させることができる。
図7は、従来の太陽電池セルの割断方法を説明する模式図である。図7に示すように、従来の割断方法では、図7(a)に示すように、レーザ光を割断箇所Kに沿って走査(走査方向は、図7の紙面に垂直な方向)させることで、割断前の太陽電池セル503の割断部箇所Kの全域に厚み方向の半分程度の深さLまで溝541(図7(b)参照)を形成する。続いて、図7(b)に示すように、厚み方向の半分程度が分離された太陽電池セル503に、矢印A,Bで示す互いに逆向きの力学的な力を付与して、溝を541起点として残りの厚み部分をへき開することで、図7(c)に示す、太陽電池セル503の割断を行う。
図8は、従来の太陽セルの割断方法で生じる割断面540の構造について説明する模式図である。図8において、矢印α′は、レーザ光の走査方向である。図8(a)に示すように、従来の割断方法では、先ず、走査方向の全域に亘ってレーザ光で深さLの溝を形成し、その後、図8(b)に示すように、残りの深さ部分Hを力学的な力を付与してへき開で分割することで、太陽電池セルを格段する。この場合、図8(c)に示すように、割断面540が、構造が異なる3つの部分、すなわち、レーザ痕含有部540a、へき開跡存在部540b、及び平坦部540cを含む。
レーザ痕含有部540aは、レーザ光の照射によりシリコンが溶融した後、固化した部分を含み、二乗平均粗さは10μm~数十μmと大きく、へき開方向と関係ない形状を有する。また、レーザ痕含有部540aは、シリコン基板表面から突出する部分を有する。また、へき開跡存在部540bは、機械的応力が加わることによりシリコンのへき開方向(断面に対して斜め)に沿った部分が存在し、レーザ痕含有部540aとの境界に荒い段差を有する。へき開跡存在部540bの二乗平均粗さは、10μm以上になる。また、平坦部540cは、厚み方向の突出部を有さず、平坦部540cの二乗平均粗さが、レーザ痕含有部540aの二乗平均粗さよりも小さく、へき開跡存在部540bの二乗平均粗さよりも小さい。
従来の割断方法では、作製した太陽電池セル503の割断面540の厚み方向一方側の表面560の縁部560aに、レーザ光の走査方向の全域に亘って二乗平均粗さが大きなレーザ痕含有部540aが必ず生じる。したがって、図9に示すように、配線材4が、二乗平均粗さが10μm~数十μmと大きい凹凸を有するレーザ痕含有部540aに必ず接触することになる。よって、そのような太陽電池セル503を備える太陽電池モジュールが積雪や台風等で過大な外力を受けると、縁部560aが配線材4から過大な力を受けて、その縁部560aが起点となって太陽電池セル3に割れが発生する虞がある。
これに対し、本開示の太陽電池モジュール10では、図6に示すように、配線材4が太陽電池セル3において平滑で滑らかな第2セル断面部40bにしか接することがなく、二乗平均粗さが10μm~数十μmと大きい第1セル断面部40aに接することがない。したがって、太陽電池モジュール10が積雪や台風等で過大な外力を受けても、太陽電池セル3に割れが生じ難い。そして、割断を用いた太陽電池セル3を用いて太陽電池モジュール10を作製したにも拘わらず耐荷重性に優れて太陽電池セル3が割れにくい太陽電池モジュール10を実現できる。
なお、太陽電池セル3は、厚み方向の受光面側から平面視したときに長辺と長辺よりも短い短辺とを有する略矩形の形状を有し、セル断面40が、長辺に沿って設けられてもよい。また、図10に示すように、配線材4が、直径250μm以上の略円形の断面を有してもよく、図11に示すように、太陽電池セル3の受光面に少なくとも6本の配線材4が接続されてもよい。
太陽電池モジュールの配線材としては、直方体の平坦な形状の配線材が用いられる他、断面略円形のワイヤが用いられることもある。そのような背景において、図10に示すように、配線材4として断面略円形のワイヤを用いた場合、配線材4が太陽電池セル3に線接触に近い接触をし、配線材として直方体形状の配線材を用いた場合との比較において、太陽電池セル3に対する配線材4の接触面積が各段に小さくなり、配線材4が太陽電池セル3に及ぼす接触面圧が各段に大きくなる。また、図11に示すように、太陽電池セル3に多数の配線材4を接続しても、太陽電池セル3が受ける応力が各段に大きくなる。したがって、このような条件を満たす場合、本開示の技術の作用効果である太陽電池セル3の割れの抑制効果が顕著なものとなる。なお、配線材が直方体の平坦な形状である場合、例えば、太陽電池セルに6以上8以下の数の配線材を接続すると好ましい。また、配線材がワイヤの場合、例えば、太陽電池セルに9以上20以下の数の配線材を接続すると好ましい。
また、図10に示すように、太陽電池セル3の厚みは、150μm以下でもよい。コスト低減やパッシベーション良化のために、シリコンウエハの厚みは年々低下している。しかし、シリコンウエハの厚みが薄くなると、太陽電池セル3の剛性が低下するため、太陽電池セル3の耐荷重性が低下する。特に、太陽電池セル3の厚みが150μm以下である場合、直径が250μm以上のワイヤが存在し、直径が300μm以上のワイヤが多いことを鑑みると、太陽電池セル3の厚みがワイヤの直径の半分程度になることがあり、そのような場合、太陽電池セル3の割れが特に発生し易くなる。しがって、そのような場合、本開示の技術の作用効果である太陽電池セル3の割れの抑制効果が顕著なものとなる。
また、受光面側保護部材は、表面ガラス1でもよく、裏面側保護部材は、樹脂シート2でもよい。ガラス、配線材4、及び太陽電池セル3は、硬い。したがって、封止材5の厚みが薄い場合、太陽電池モジュール10が曲がった際に、封止材5で応力を吸収しにくいため、太陽電池セル3が過大な荷重を受け易い。よって、そのような場合、本開示の技術の作用効果である太陽電池セル3の割れの抑制効果が顕著なものとなる。また、裏面側保護部材が樹脂シート2である場合、裏面側保護部材がガラスである場合との比較において、太陽電池セル3が撓み易くなる。よって、裏面側保護部材が、樹脂シート2である場合、本開示の技術の作用効果である太陽電池セル3の割れの抑制効果が顕著なものとなる。
また、第2セル断面部40bの二乗平均粗さが第1セル断面部40aの二乗平均粗さ(RMS)の1/3以下であって、2つのセル断面部40a,40bの表面粗さが大きく異なる場合にも、本開示の技術の作用効果である太陽電池セル3の割れの抑制効果が顕著なものとなる。また、第2セル断面部40bの断面積が、第1セル断面部40aの断面積の9倍以上である場合、配線材4の数が多い場合でも、配線材4が第1セル断面部40aに接触することを抑制できる。なお、第2セル断面部40bの断面積が、第1セル断面部40aの断面積の20倍以上である場合、配線材4の数が多い場合でも、配線材4が第1セル断面部40aに接触することを更に効果的に抑制できる。また、第2セル断面部40bの断面積が、第1セル断面部40aの断面積の40倍以上である場合、配線材4の数が20本程度となっても、配線材4が第1セル断面部40aに接触することを効果的に抑制できる。
また、太陽電池セル3は、厚み方向の受光面側と厚み方向の裏面側とのうちの一方に面状に形成されたpn接合を有してもよい。そして、第1セル断面部40aが、pn接合に厚み方向に間隔をおいて位置してもよい。そのような太陽電池モジュール10は、図3(d)、図4、及び図5を用いて説明した、レーザ光を照射しながらレーザ照射箇所を冷却する割断方法においてレーザ光を厚み方向のpn接合側とは反対側から太陽電池セル3に照射することで作製できる。
例を挙げれば、ヘテロ接合型の太陽電池セルの場合、n型のシリコン基板を用いてPN接合を太陽電池セルの厚み方向の中心を基準として厚み方向の裏面側に作成する。したがって、この場合、レーザ光は、厚み方向の受光面側から照射する。他方、PERC型の太陽電池セルの場合、p型のシリコン基板を用いてPN接合を太陽電池セルの厚み方向の中心を基準として厚み方向の表面側(受光面側)に作成する。したがって、この場合、レーザ光は、厚み方向の裏面側から照射する。本太陽電池モジュール10によれば、レーザ光が、セル変換効率に大きく影響する太陽電池セル3のPN接合部まで到達することがないので、セル変換効率が低下することを抑制できる。
また、太陽電池セル3は、厚み方向の受光面側と厚み方向の裏面側とのうちの一方に面状に形成されたpn接合を有してもよい。また、第1セル断面部40aは、pn接合に重なる部分を含んでもよい。そして、第1セル断面部40aを含む部分の横方向のpn接合側のシート抵抗の平均値が、第2セル断面部40bを含む部分の横方向のpn接合側のシート抵抗の平均値よりも大きくてもよい。
本構成によれば、レーザ光を厚み方向のpn接合側から照射することができるため、レーザ光の照射方向の自由度を高くできる。また、PERC型の太陽電池セルの場合でも、レーザ光を厚み方向の受光面側から照射することができるため、PERC型の太陽電池セルを容易に作製できる。また、太陽電池セル3の縁部の一部にシート抵抗が高い領域を作成すると、太陽電池セル3の出力低下を抑制し易い。図12に示すように、本構成の太陽電池セル3は、レーザ照射痕を含む第1セル断面部40aを含むレーザ光の走査方向の端部にシート抵抗が高い高シート抵抗領域70が存在し、高シート抵抗領域70は、太陽電池セル3のセル端に達している。そのような太陽電池セル3は、ヘテロ接合型の太陽電池セルの場合、第1セル断面部40aを含むレーザ光の走査方向の端部に透明導電層を形成しないことで容易に作製できる。そのような太陽電池セル3の作製方法としては、レーザ光の走査方向の端部にマスクを形成して、係る領域に透明導電層を部分的に作製しない方法や、又は、透明導電層を太陽電池セルの厚み方向の一方の端面全域に形成した後、薬剤を用いてレーザ光の走査方向の端部に存在する透明導電膜を除去することで作製することができる。また、そのような太陽電池セル3は、PERC型の太陽電池セルの場合、高シート抵抗領域70におけるマスク拡散や、高シート抵抗領域70におけるエミッタ(pn接合)の薬剤による除去で作製することができる。
(第2実施形態)
図13は、第2実施形態における太陽電池セルの製造方法について説明する図3に対応する模式図である。この製造方法では、先ず、最初に、シリコンウエハの割断を行う(図13(a))。割断方法としては、上述の図3(d)、図4、及び図5を用いて説明した、レーザ光を照射しながらレーザ照射箇所を冷却する割断方法を用いる。続いて、割断した各シリコンウエハの洗浄を行い(図13(b))、洗浄した各シリコンウエハの製膜を行い(図13(c))を行い、最後に、製膜された各シリコンウエハに印刷により集電極を作成する((図13(d))。図13(b)の洗浄は、図3(a)で説明した洗浄と同様に行うことができ、図13(c)の製膜は、図3(b)で説明した製膜と同様に行うことができる。また、図13(d)の印刷は、図3(c)で説明した印刷と同様に行うことができる。なお、本願発明者は、図13で示す方法を用いた場合でも、二乗平均粗さが大きくて少なくとも一部にレーザ照射痕が存在する第1セル断面部と、二乗平均粗さが第1セル断面部よりも小さくてレーザ照射痕が一切存在しない第2セル断面部とが、セル断面(セル割断面)に生じることを確認した。
この方法を採用すると、図13(a)の割断によって生成される各シリコンウエハのセル割断面に図13(b)の洗浄でテクスチャ構造(反射防止用の凹凸)を形成でき、セル変換効率を高くできる。また、図13(c)の製膜でセル割断面に薄膜、例えば、5nm以上の厚みの薄膜を形成できるので、割断面を薄膜でパッシベートできる。
G12等の大型のシリコンウエハは、洗浄、成膜、印刷のプロセスを通しにくい。したがって、そのような大型のシリコンウエハを用いる場合、最初に割断を行う第2実施形態の方法で太陽電池セルを作製すると好ましい。図13に示す方法で作製された太陽電池セルは、短絡を防止するため、セル断面とpn接合側の集電エリアとの間に1以上のシート抵抗が高い領域を形成する必要がある。
例えば、図14Aに斜視図を示す太陽電池セル103は、裏面の縁部にシート抵抗が高い高シート抵抗領域170を有する。また、図14Bに斜視図を示す太陽電池セル203は、断面(側面)の一部にシート抵抗が高い高シート抵抗領域270を有し、図14Cに斜視図を示す太陽電池セル303は、裏面の縁部に厚み方向に重なる領域と断面(側面)の一部とにシート抵抗が高い高シート抵抗領域370を有する。シート抵抗が高い領域は、ヘテロ接合型の太陽電池セルの場合、透明導電膜を形成しないことで作製できる。より詳しくは、ヘテロ接合型の太陽電池セルの場合、図14Aに示す例では、pn接合側の厚さ方向の端面における最外周全周に透明導電膜が存在しない。また、ヘテロ接合型の太陽電池セルの場合、図14Bに示す例では、太陽電池セルにおける側面のpn接合側全周に透明導電膜が存在しない。また、ヘテロ接合型の太陽電池セルの場合、図14Cに示す例では、pn接合側の厚さ方向の端面における最外周全周と太陽電池セルにおける側面のpn接合側全周とに、透明導電膜が存在しない。また、シート抵抗が高い領域は、PERC型の太陽電池セルやTOPCON型の太陽電池セルの場合、マスク拡散、エッチバック(薬剤によるエミッタの除去)、レーザによる素子分離等で作製できる。
(第3実施形態)
第1及び第2実施形態では、レーザ光を照射しながらレーザ照射箇所を冷却する割断について説明した。そして、太陽電池セルの厚み方向の一方側の端面におけるレーザ走査方向のレーザ光走査開始側の端部に二乗平均粗さが大きい第1セル断面部40aが形成される場合について説明した。しかし、太陽電池セルの厚み方向の両側の端面の両方にレーザ痕が存在しなくて二乗平均粗さが小さい第2セル断面部しか存在しないようにしてもよい。
詳しくは、ステルスレーザを用いてシリコンウエハを割断してもよく、例えば、パルスレーザをシリコンウエハ内部に集光し、制御した亀裂を生成することによってシリコンウエハを割断してもよい。より詳しくは、図15に示すように、パルスレーザをシリコンウエハ内部の所定深さに集光した状態で走査することでシリコンウエハ内部に二乗平均粗さが大きくてレーザ痕を含む帯状の第1セル断面部を作製する。また、帯状の第1セル断面部は、シリコンウエハの厚み等に基づく数、シリコンウエハ内部に形成する。2つの帯状の第1セル断面部は、第1深さにレーザ光を集光した状態でレーザ光を走査した後、第1深さと異なる第2深さにレーザ光を集光した状態でレーザ光を走査することで形成できる。複数の帯状の第1セル断面部は、この手続きを複数回、繰り返すことで作成できる。
割断は、複数の帯状の第1セル断面部を形成した後、力学的な力(機械的な応力)を加えることで実行する。この方法で作製した太陽電池セル403は、二乗平均粗さが大きくてレーザ照射痕を含む第1セル断面部440aが、断面途中のみに存在し、受光面及び裏面のどちらにも存在しない。したがって、配線材4が第1セル断面部440aに接触することがないので、抵抗損失を低減でき、耐荷重性にも優れる太陽電池モジュール410を作製できる。なお、ステレスレーザの焦点(パルスレーザの集光深さ)は、pn接合が存在しない深さに設定する。このようにして、レーザ光が、セル変換効率に大きく影響するpn接合部に影響を及ぼさないようにする。ステルスレーザは、テクスチャ構造があると使用しにくいため、第3実施形態の太陽電池モジュール410で用いる太陽電池セル403は、最初に割断した後、洗浄し、その後、成膜して、最後に印刷を行って作製されると好ましい。しかし、ステルスレーザは、片面テクスチャ構造(受光面のみテクスチャがある構造)を有する太陽電池セルでも用いることができる。
1 表面ガラス、 2 樹脂シート、 3,3a,3b,103,203,303,403 太陽電池セル、 3c 端面、 4 配線材、 5 封止材、 5a 表充填材、 5b 裏充填材、 10,410 太陽電池モジュール、 30 中継配線、 30a,30b,30c,30d,30e 出力配線、 40 セル断面、 40a,440a 第1セル断面部、 40b 第2セル断面部、 50 太陽電池ストリング、 60 端子ボックス、 70,170,270,370 高シート抵抗領域。
係る背景において、太陽電池セルの割断方法としては、特許文献1に記載されているものがある。この太陽電池セルの割断方法では、先ず、レーザ光を割断箇所に沿って走査(移動)させることで、割断前の太陽電池セルの割断箇所全域に厚み方向の半分程度の深さまで溝を形成する。続いて、厚み方向の半分程度が分離された太陽電池セルに力学的な力を付与して溝を起点として残りの厚み部分を割断することで太陽電池セルの割断を行う。この割断方法では、レーザ光で厚み方向の半分程度の深さまでしか溝を形成しないので、レーザ光が、セル変換効率に大きく影響する太陽電池セルのpn接合部まで到達することがなく、セル変換効率が低下することを抑制できる。
上記特許文献1に記載の割断方法を用いて太陽電池セルの割断を行うと、太陽電池セルを大型のウエハを割断して作できるので、太陽電池モジュールの抵抗損失を低減でき、製造コストも低減できる。しかし、レーザ光で割断を行った部分の表面粗さが、力学的な力を付与して割断した部分よりも粗くなって、レーザ光で割断を行った部分に大きな凹凸が存在するので、レーザ光で割断を行った部分は、局所的で過大な力を受けると割れ易い。よって、ウエハ厚が薄い場合等で、太陽電池モジュールが積雪や台風等で過大な外力を受けると、レーザ光の割断部分が配線材から過大な力(応力)を受けて、その割断部分が起点となって太陽電池セルに割れが発生する虞がある。そこで、本開示の目的は、抵抗損失を低減でき、耐荷重性にも優れる太陽電池モジュールを提供することにある。
樹脂シート2は、受光面側とは反対側に設けられ、太陽電池モジュール10の裏面側を保護する。樹脂シート2は、樹脂材料、例えば、熱可塑性フルオロポリマー材料であるポリフッ化ビニル(PVF)やポリエチレンテレフタレート(PET)等で構成される。樹脂シート2は、-40°C~+85°Cの温度範囲で安定している材料で構成されると好ましく、透明材料で構成することで、太陽光が太陽電池モジュール10の両側から効率的に入射するようにしてもよい。
シリコン基板は、単結晶シリコン基板に導電性を付加させたものである。シリコン基板は、例えば、単結晶シリコン基板にSi原子(珪素原子)に対して電子を導入するリン原子を不純物として含有させることで形成される。シリコン基板は、n型単結晶シリコン基でもよく、例えば、厚みが50μm~300μm、比抵抗が0.5Ω・cm~30Ω・cm、n型不純物濃度が1×10 14 cm-3×10 16 cm-でもよく、厚みが100μm~200μm、比抵抗が1Ω・cm~10Ω・cmでもよい。n型単結晶シリコン基板は表面および裏面に50nm~500nm程度の厚みのn型の高濃度不純物層を有してもよい。
第1及び第2透明導電層は、第1及び第2i型非晶質シリコン層、第1非晶質シリコン層および第2非晶質シリコン層より抵抗が小さく、高導電性である。例えば、第1及び第2透明導電層の比抵抗は×10-4Ω・cm~×10-3Ω・cmであり、厚みは50nm~200nmである。これらの層を成膜するときの成膜条件としては、例えば、特開2021-144960号公報に記載の条件を採用できる。
太陽電池モジュールの配線材としては、直方体の平坦な形状の配線材が用いられる他、断面略円形のワイヤが用いられることもある。そのような背景において、図10に示すように、配線材4として断面略円形のワイヤを用いた場合、配線材4が太陽電池セル3に線接触に近い接触をし、配線材として直方体形状の配線材を用いた場合との比較において、太陽電池セル3に対する配線材4の接触面積が各段に小さくなり、配線材4が太陽電池セル3に及ぼす接触面圧が各段に大きくなる。したがって、このような条件を満たす場合、本開示の技術の作用効果である太陽電池セル3の割れの抑制効果が顕著なものとなる。なお、配線材が直方体の平坦な形状である場合、例えば、太陽電池セルに6以上8以下の数の配線材を接続すると好ましい。また、配線材がワイヤの場合、例えば、太陽電池セルに9以上20以下の数の配線材を接続すると好ましい。
例を挙げれば、ヘテロ接合型の太陽電池セルの場合、n型のシリコン基板を用いてpn接合を太陽電池セルの厚み方向の中心を基準として厚み方向の裏面側に作する。したがって、この場合、レーザ光は、厚み方向の受光面側から照射する。他方、PERC型の太陽電池セルの場合、p型のシリコン基板を用いてpn接合を太陽電池セルの厚み方向の中心を基準として厚み方向の表面側(受光面側)に作する。したがって、この場合、レーザ光は、厚み方向の裏面側から照射する。本太陽電池モジュール10によれば、レーザ光が、セル変換効率に大きく影響する太陽電池セル3のpn接合部まで到達することがないので、セル変換効率が低下することを抑制できる。
本構成によれば、レーザ光を厚み方向のpn接合側から照射することができるため、レーザ光の照射方向の自由度を高くできる。また、PERC型の太陽電池セルの場合でも、レーザ光を厚み方向の受光面側から照射することができるため、PERC型の太陽電池セルを容易に作製できる。また、太陽電池セル3の縁部の一部にシート抵抗が高い領域を作すると、太陽電池セル3の出力低下を抑制し易い。図12に示すように、本構成の太陽電池セル3は、レーザ照射痕を含む第1セル断面部40aを含むレーザ光の走査方向の端部にシート抵抗が高い高シート抵抗領域70が存在し、高シート抵抗領域70は、太陽電池セル3のセル端に達している。そのような太陽電池セル3は、ヘテロ接合型の太陽電池セルの場合、第1セル断面部40aを含むレーザ光の走査方向の端部に透明導電層を形成しないことで容易に作製できる。そのような太陽電池セル3の作製方法としては、レーザ光の走査方向の端部にマスクを形成して、係る領域に透明導電層を部分的に作製しない方法や、又は、透明導電層を太陽電池セルの厚み方向の一方の端面全域に形成した後、薬剤を用いてレーザ光の走査方向の端部に存在する透明導電膜を除去することで作製することができる。また、そのような太陽電池セル3は、PERC型の太陽電池セルの場合、高シート抵抗領域70におけるマスク拡散や、高シート抵抗領域70におけるエミッタ(pn接合)の薬剤による除去で作製することができる。
(第2実施形態)
図13は、第2実施形態における太陽電池セルの製造方法について説明する図3に対応する模式図である。この製造方法では、先ず、最初に、シリコンウエハの割断を行う(図13(a))。割断方法としては、上述の図3(d)、図4、及び図5を用いて説明した、レーザ光を照射しながらレーザ照射箇所を冷却する割断方法を用いる。続いて、割断した各シリコンウエハの洗浄を行い(図13(b))、洗浄した各シリコンウエハの膜を行い(図13(c))を行い、最後に、膜された各シリコンウエハに印刷により集電極を作する((図13(d))。図13(b)の洗浄は、図3(a)で説明した洗浄と同様に行うことができ、図13(c)の膜は、図3(b)で説明した膜と同様に行うことができる。また、図13(d)の印刷は、図3(c)で説明した印刷と同様に行うことができる。なお、本願発明者は、図13で示す方法を用いた場合でも、二乗平均粗さが大きくて少なくとも一部にレーザ照射痕が存在する第1セル断面部と、二乗平均粗さが第1セル断面部よりも小さくてレーザ照射痕が一切存在しない第2セル断面部とが、セル断面(セル割断面)に生じることを確認した。
この方法を採用すると、図13(a)の割断によって生成される各シリコンウエハのセル割断面に図13(b)の洗浄でテクスチャ構造(反射防止用の凹凸)を形成でき、セル変換効率を高くできる。また、図13(c)の膜でセル割断面に薄膜、例えば、5nm以上の厚みの薄膜を形成できるので、割断面を薄膜でパッシベートできる。
G12等の大型のシリコンウエハは、洗浄、成膜、印刷のプロセスを通しにくい。したがって、そのような大型のシリコンウエハを用いる場合、最初に割断を行う第2実施形態の方法で太陽電池セルを作製すると好ましい。図13に示す方法で作製された太陽電池セルは、短絡を防止するため、セル断面とpn接合側の集電エリアとの間に以上のシート抵抗が高い領域を形成する必要がある。
詳しくは、ステルスレーザを用いてシリコンウエハを割断してもよく、例えば、パルスレーザをシリコンウエハ内部に集光し、制御した亀裂を生成することによってシリコンウエハを割断してもよい。より詳しくは、図15に示すように、パルスレーザをシリコンウエハ内部の所定深さに集光した状態で走査することでシリコンウエハ内部に二乗平均粗さが大きくてレーザ痕を含む帯状の第1セル断面部を作製する。また、帯状の第1セル断面部は、シリコンウエハの厚み等に基づく数、シリコンウエハ内部に形成する。2つの帯状の第1セル断面部は、第1深さにレーザ光を集光した状態でレーザ光を走査した後、第1深さと異なる第2深さにレーザ光を集光した状態でレーザ光を走査することで形成できる。複数の帯状の第1セル断面部は、この手続きを複数回、繰り返すことで作できる。

Claims (16)

  1. 複数の太陽電池セルが配線材によって電気的に直列に接続された太陽電池ストリングと、
    前記太陽電池ストリングの厚み方向の受光面側に配置された受光面側保護部材と、
    前記太陽電池ストリングの前記厚み方向の裏面側に配置された裏面側保護部材と、
    前記受光面側保護部材と前記裏面側保護部材との間に設けられ、前記太陽電池ストリングを覆い、かつ、前記受光面側保護部材と前記裏面側保護部材との間に配置される封止材と、を備え、
    前記太陽電池セルは、セル受光面と、セル裏面と、前記セル受光面と前記セル裏面との間に位置するセル断面と、を有し、
    前記セル断面は、二乗平均粗さが第1値以上である第1セル断面部と、二乗平均粗さが第1値よりも小さい第2セル断面部とを含み、
    前記配線材が、前記厚み方向の前記受光面側から平面視したときに前記セル断面と交差する位置において前記第1セル断面部よりも前記第2セル断面部に近くなるように配置される、太陽電池モジュール。
  2. 複数の太陽電池セルが配線材によって電気的に直列に接続された太陽電池ストリングと、
    前記太陽電池ストリングの厚み方向の受光面側に配置された受光面側保護部材と、
    前記太陽電池ストリングの前記厚み方向の裏面側に配置された裏面側保護部材と、
    前記受光面側保護部材と前記裏面側保護部材との間に設けられ、前記太陽電池ストリングを覆い、かつ、前記受光面側保護部材と前記裏面側保護部材との間に配置される封止材と、を備え、
    前記太陽電池セルは、セル受光面と、セル裏面と、前記セル受光面と前記セル裏面との間に位置するセル断面と、を有し、
    前記セル断面は、少なくとも一部にレーザ照射痕を有する第1セル断面部と、レーザ照射痕が一切存在しない第2セル断面部と、を有し、
    前記配線材が、前記厚み方向の前記受光面側から平面視したときに前記セル断面と交差する位置において前記第1セル断面部よりも前記第2セル断面部に近くなるように配置される、太陽電池モジュール。
  3. 反射防止用の凹凸が前記セル断面に設けられている、請求項2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記第1セル断面部の少なくとも一部は、前記太陽電池セルの受光面又は裏面から厚み方向に突出している請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記第1セル断面部および第2セル断面部がへき開方向に沿った断面を含まない請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記太陽電池セルは、前記厚み方向の前記受光面側から平面視したときに長辺と前記長辺よりも短い短辺とを有する略矩形の形状を有し、
    前記セル断面は、前記長辺に沿って設けられる、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記配線材は、直径250μm以上の略円形の断面を有し、
    前記太陽電池セルの受光面に6以上の前記配線材が接続される、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  8. 前記太陽電池セルの厚みが、150μm以下である、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  9. 前記受光面側保護部材は、ガラスである、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  10. 前記裏面側保護部材は、樹脂シートである、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  11. 前記第2セル断面部の二乗平均粗さが前記第1セル断面部の二乗平均粗さの1/3以下である、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  12. 前記第2セル断面部の断面積が、前記第1セル断面部の断面積の9倍以上である、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  13. 前記太陽電池セルは、前記厚み方向の受光面側と前記厚み方向の裏面側のうちの一方に面状に形成されたpn接合を有し、
    前記第1セル断面部が、前記pn接合に前記厚み方向に間隔をおいて位置する、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  14. 前記太陽電池セルは、前記厚み方向の受光面側と前記厚み方向の裏面側のうちの一方に面状に形成されたpn接合を有し、
    前記第1セル断面部は、前記pn接合に重なる部分を含み、
    前記第1セル断面部を含む部分の表面の横方向の前記pn接合側のシート抵抗の平均値が、前記第2セル断面部を含む部分の表面の横方向の前記pn接合側のシート抵抗の平均値よりも大きい、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  15. 前記太陽電池セルは、前記厚み方向の受光面側と前記厚み方向の裏面側とのうちの一方に面状に形成されたpn接合を有し、
    前記第1セル断面部が、前記太陽電池セルの受光面、前記太陽電池セルの裏面、及び前記pn接合に前記厚み方向に間隔をおいた位置に存在する、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  16. 前記セル断面は、5nm以上の厚みの薄膜で被覆され、
    前記セル断面とpn接合側の集電エリアとの間に1以上のシート抵抗が高い領域が存在する、請求項3に記載の太陽電池モジュール。
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