JP2023156791A - 作業車 - Google Patents
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Abstract
【課題】車体支持構造を変更することにより車両全体の剛性を高めることが要望されていた。【解決手段】車体前側に位置する左右の前輪1と、車体後側に位置する左右の後輪2と、車体前後中間部に位置して運転座席を有する運転部3と、左右の前支柱19及び左右の後支柱20を有し、運転部3を覆うように設けられたロプスフレーム18と、前輪1及び後輪2を各別に上下移動可能に車体に対して支持する複数のサスペンション機構9と、が備えられ、ロプスフレーム18が、サスペンション機構9の車体側支持部24の直上位置あるいはその近傍位置に取り付けられている。【選択図】図1
Description
本発明は、運転部を覆うようにロプスフレームが設けられている作業車に関する。
運転部をロプスで覆う構造の作業車においては、資材等の運搬用途の他、人員の運搬にも多用されることがあり、そのような種々の目的で使用し易くしたものとして、従来では、次のように構成されたものがある。
すなわち、ロプスフレームが、左右の前支柱及び左右の後支柱を有しており、左右の前支柱は運転部の前部の左右両側箇所に支持され、左右の後支柱は運転部の後部の左右両側箇所に支持される構成となっていた(例えば、特許文献1参照)。
上記したように多目的で使用される作業車では、凹凸の多い不整地等を走行することがあり、走行に伴って車輪に対する地面からの反力が車両に対して作用することがある。しかし、上記従来構成では、車輪が地面からの反力を受けて車体側で受け止める箇所では剛性を高める支持構成が備えられるものの、車両全体の剛性を高めるという観点から十分な支持構造とはなっていなかった。
そこで、車体支持構造を変更することにより車両全体の剛性を高めることが要望されていた。
本発明に係る作業車の特徴構成は、車体前側に位置する左右の前輪と、車体後側に位置する左右の後輪と、車体前後中間部に位置して運転座席を有する運転部と、左右の前支柱及び左右の後支柱を有し、前記運転部を覆うように設けられたロプスフレームと、前記前輪及び前記後輪を各別に上下移動可能に車体に対して支持する複数のサスペンション機構と、が備えられ、前記ロプスフレームが、前記サスペンション機構の車体側支持部の直上位置あるいはその近傍位置に取り付けられている点にある。
本発明によれば、車輪が地面からの反力を受けて車体側で受止められる力は、車輪及びサスペンション機構を介して車体側に伝えられる。そして、サスペンション機構の車体側支持部の直上位置あるいはその近傍位置には、ロプスフレームが取り付けられているので、車体側に伝えられた力がロプスフレームを含む強固な車体側支持部によって強固に受け止め支持されることになる。
その結果、車体全体の剛性は高められ、車輪を通して車体に伝えられる力は、ロプスフレームを含む車体側の支持構成体にて効率的、且つ効果的に受止めることができる。
本発明においては、前記ロプスフレームの左右の前記前支柱のそれぞれが、左右の前記前輪を支持する左右の前記サスペンション機構の車体側支持部の直上位置あるいはその近傍位置に取り付けられていると好適である。
本構成によれば、車体の走行に伴って地面の凹凸に起因して前輪に強い力を受けた場合であっても、サスペンション機構を介して剛性の高いロプスフレームを利用して安定的に受止めることができる。
本発明においては、前記ロプスフレームは、前記運転部の前部上方に位置して左右方向に沿って延びる前部横向きフレーム部と、前記運転部の後部上方に位置して左右方向に沿って延びる後部横向きフレーム部と、左右の前記前支柱のそれぞれの上部と左右の前記後支柱のそれぞれの上部とに亘って接続されて前後方向に沿って延びる左右の前後向きフレーム部と、を備え、左右の前記前支柱、左右の前記後支柱、前記前部横向きフレーム部、前記後部横向きフレーム部、及び、左右の前記前後向きフレーム部のそれぞれが一体的に連結されていると好適である。
本構成によれば、ロプスフレームは、左右の前支柱、左右の後支柱、前部横向きフレーム部、後部横向きフレーム部、及び、左右の前後向きフレーム部のそれぞれが一体的に連結されることにより剛性を高めることができ、運転部に着座する搭乗者を良好に保護することができる。
本発明においては、前記前支柱に搭乗者用の把手が備えられていると好適である。
本構成によれば、搭乗者は、凹凸の多い路面を走行する場合であっても把手を握り操作することにより姿勢保持することができる。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、特段の説明がない限り、矢印「F」の方向を「機体前側」(図1及び図2参照)、矢印「B」の方向を「機体後側」(図1及び図2参照)、矢印「L」の方向を「機体左側」(図2参照)、矢印「R」の方向を「機体右側」(図2参照)とする。
図1及び図2に本発明に係る作業車が示されている。作業車は、車体の前部に左右の前輪1が支持され、車体の後部に左右の後輪2が支持されている。前輪1と後輪2との間に運転部3が備えられており、運転部3の前側にボンネット5及びフロントフェンダー6が備えられ、運転部3の後側に荷台7が備えられている。
図1及び図2に示すように、車体後部の荷台の下方側に、エンジン8及び図示しないミッションケース等が備えられている。ミッションケースの動力が後輪デフ装置(図示せず)を介して左右の後輪2に伝達される。又、図示はしないが、ミッションケースの動力が伝動軸と前輪デフ装置を介して前輪1に伝達される。
前輪1及び後輪2を各別に上下移動可能に車体に対して支持する複数のサスペンション機構9が備えられている。この作業車は、凹凸のある路面を移動走行することがあり、凹凸に起因して車輪が上下動しても車体の揺れを少なくすることができるように、前輪1及び後輪2は、デフ機構に対して相対的に上下移動可能なように揺動支持機構を介して支持されるとともに、車輪の上下動を緩衝するためのサスペンション機構9が備えられている。このサスペンション機構9は、詳述はしないが、ストラット式サスペンション機構を用いている。
運転部3には運転座席10が備えられており、運転座席10は、座部10a及び背もたれ部10bが備えられている。運転座席10は、横長に形成されており、2名が着座できるように構成されている。運転座席10の前側の運転パネル11には、前輪1を操向操作する操縦ハンドル12、及び、変速操作具等の各種の操作具が備えられている。操縦ハンドル12は、左側に着座した搭乗者が運転操作することができるように配置されている。
図3に示すように、車体全体を支持する車体フレーム13には、車体全体を支持する左右一対のメインフレーム14、メインフレーム14に支持される状態で運転部3の後部横側箇所において上下方向に延びる左右の縦フレーム15、縦フレーム15の下端部から運転部3の横側部に沿って前後方向に延び、且つ、前部側がフロントフェンダー6に沿って斜め上方に延びる側部フレーム16等が備えられている。
メインフレーム14は、車体前部に位置して車体下側の低い位置に設けられた前部メインフレーム14Aと、車体後部に位置して高い位置に設けられた後部メインフレーム14Bと、を備えている。左右の縦フレーム15は、横向き連結部17を介して左右の前部メインフレーム14Aの後端部に連結されている。側部フレーム16は後端部が縦フレーム15の下端部に連結されている。
運転部3の上方を覆うようにロプスフレーム18が備えられている。ロプスフレーム18は、車体フレーム13に支持されている。ロプスフレーム18には、運転部3の前部における左右両側箇所に上下方向に沿って延びる左右の前支柱19と、運転部3の後部における左右両側箇所に上下方向に沿って延びる左右の後支柱20と、が備えられている。
ロプスフレーム18は、左右の前支柱19及び左右の後支柱20の他に、運転部3の前部上方に位置して左右方向に沿って延びる前部横向きフレーム部21と、運転部3の後部上方に位置して左右方向に沿って延びる後部横向きフレーム部22と、左右の前支柱19のそれぞれの上部と左右の後支柱20のそれぞれの上部とに亘って接続されて前後方向に沿って延びる左右の前後向きフレーム部23と、が備えられている。
左右の前支柱19、左右の後支柱20、前部横向きフレーム部21、後部横向きフレーム部22、及び、左右の前後向きフレーム部23のそれぞれが一体的に連結されている。ロプスフレーム18は、このように構成することにより、剛性を高めて搭乗者を保護するための保護部材として機能するよう構成されている。
右の前支柱19は、運転座席10の座部10aの前側の右の横外側に配置され、左の前支柱19は、運転座席10の座部10aの前側の左の横外側に配置されている。右の後支柱20は、運転座席10の背もたれ部10bの後側の右の横外側に配置され、左の後支柱20は、運転座席10の背もたれ部10bの後側の左の横外側に配置されている。
ロプスフレーム18の左右の後支柱20は、左右の縦フレーム15の上端部に連結されて支持されている。ロプスフレーム18の左右の前支柱19のそれぞれが、左右の前輪1を支持する左右のサスペンション機構9の車体側支持部24の直上位置あるいはその近傍位置に取り付けられている。
左右の前支柱19は、前部横向きフレーム部21との連結箇所からサスペンション機構9の上端部を支持する車体側支持部24に向けて延びており、下端部が車体側支持部24に連結されている。前部横向きフレーム部21は運転部3の前部上方に位置しているので、左右の前支柱19は、側面視で下側ほど前部側に位置するように後倒れ姿勢となる状態で延びている。又、左右の前支柱19は、平面視において前側ほど左右方向に幅広の間隔となる前広がり状となる姿勢で延びている。
左右の車体側支持部24は、車体前部側箇所を通過する状態で左右方向に延びる連結部材25によって連結されている。連結部材25の左右中間部が上下方向に延びる縦支持部材26によって左右の前部メインフレーム14Aに支持されている。
右側の前支柱19の上部側箇所には、搭乗者用の把手27が備えられている。運転座席10のうち操縦操作しない右側に着座する搭乗者が走行中に把手27を握り操作して姿勢を保持することができる。
上述したように、ロプスフレーム18が、サスペンション機構9の車体側支持部24の直上位置あるいはその近傍位置に取り付けられているから、車輪を通して地面から車体に伝えられる力を、ロプスフレーム18を含む車体側の支持構成体としての車体フレーム13にて受止めることができ、車体全体の剛性を高めることができる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、左右の前支柱19が平面視で前広がり状に延びる構成としたが、この構成に代えて、左右の前支柱19が平面視で前側ほど左右方向に幅狭となる前窄まり状に延びる構成としてもよく、又、左右の前支柱19が平面視で前後方向に沿って平行状態で延びる構成としてもよい。
(1)上記実施形態では、左右の前支柱19が平面視で前広がり状に延びる構成としたが、この構成に代えて、左右の前支柱19が平面視で前側ほど左右方向に幅狭となる前窄まり状に延びる構成としてもよく、又、左右の前支柱19が平面視で前後方向に沿って平行状態で延びる構成としてもよい。
(2)上記実施形態では、左右の前支柱19のそれぞれが前輪を支持する左右のサスペンション機構9の車体側支持部24の直上位置あるいはその近傍位置に取り付けられ、左右の後支柱20はサスペンション機構9の車体側支持部24から離れた箇所に支持される構成としたが、この構成に代えて、左右の後支柱20についても同様に、左右のサスペンション機構9の車体側支持部24の直上位置あるいはその近傍位置に取り付けられる構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、運転座席10が2名着座できるように左右方向に長く形成される構成としたが、この構成に代えて、2つの座席を単独で左右に並べて備える構成としてもよい。
本発明は、人員の移動や荷物の運搬、レクリエーション等に多目的に使用される作業車に適用できる。
1 前輪
2 後輪
3 運転部
9 サスペンション機構
10 運転座席
18 ロプスフレーム
19 前支柱
20 後支柱
21 前部横向きフレーム部
22 後部横向きフレーム部
23 前後向きフレーム部
27 把手
2 後輪
3 運転部
9 サスペンション機構
10 運転座席
18 ロプスフレーム
19 前支柱
20 後支柱
21 前部横向きフレーム部
22 後部横向きフレーム部
23 前後向きフレーム部
27 把手
Claims (4)
- 車体前側に位置する左右の前輪と、
車体後側に位置する左右の後輪と、
車体前後中間部に位置して運転座席を有する運転部と、
左右の前支柱及び左右の後支柱を有し、前記運転部を覆うように設けられたロプスフレームと、
前記前輪及び前記後輪を各別に上下移動可能に車体に対して支持する複数のサスペンション機構と、が備えられ、
前記ロプスフレームが、前記サスペンション機構の車体側支持部の直上位置あるいはその近傍位置に取り付けられている作業車。 - 前記ロプスフレームの左右の前記前支柱のそれぞれが、左右の前記前輪を支持する左右の前記サスペンション機構の車体側支持部の直上位置あるいはその近傍位置に取り付けられている請求項1に記載の作業車。
- 前記ロプスフレームに、左右の前記前支柱の上部同士に亘って接続されて左右方向に沿って延びる前部横向きフレーム部と、左右の前記後支柱の上部同士に亘って接続されて左右方向に沿って延びる後部横向きフレーム部と、左右の前記前支柱のそれぞれの上部と左右の前記後支柱のそれぞれの上部とに亘って接続されて前後方向に沿って延びる左右の前後向きフレーム部とが備えられ、
前記前部横向きフレーム部が前記運転部の前部上方に位置し、前記後部横向きフレーム部が前記運転部の後部上方に位置する状態で備えられている請求項1又は2に記載の作業車。 - 前記前支柱に搭乗者用の把手が備えられている請求項3に記載の作業車。
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