JP2023156028A - 冷凍食肉加工品のための品質保持剤、ならびにそれを用いた冷凍食肉加工品およびその製造方法 - Google Patents

冷凍食肉加工品のための品質保持剤、ならびにそれを用いた冷凍食肉加工品およびその製造方法 Download PDF

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Yasuko Fujii
健太 鈴木
Kenta Suzuki
克紀 近藤
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Abstract

【課題】 冷凍保存を経て解凍しても特有の硬さと弾力感を有し、かつ総合的な美味しさが保持されている、冷凍食肉加工品のための品質保持剤、ならびにそれを用いた冷凍食肉加工品およびその製造方法を提供すること。【解決手段】 本発明の冷凍食肉加工品のための品質保持剤は、トランスグルタミナーゼおよび食物繊維を含有する。当該品質保持剤と食品素材を含み、冷凍されている冷凍食肉加工品は解凍後もその物性の劣化を防止または低減でき、これにより食肉加工品としての製造効率を向上させ、さらに当該冷凍食肉加工品の流通形態を拡張することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、冷凍食肉加工品のための品質保持剤、ならびにそれを用いた冷凍食肉加工品およびその製造方法に関する。
ハム、ソーセージなどの畜肉加工品は、現在、百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、精肉店などの各種店舗に加え、インターネット販売のような通信販売を通じても容易に入手することができる。また、これらの製品については工業的に様々な製法に関して日々改良がなされており、消費者の購買意欲を高めるように創意工夫されている。一方、様々な生鮮食品に対する冷凍保存技術が急速に発展し、様々な食品の長期保存やそれに伴う長距離輸送が可能になっている。
しかし、ハム、ソーセージなどの畜肉加工品については、このような冷凍保存は敬遠さされる傾向にある。なぜなら、従来の畜肉加工品を、冷凍保存しその後解凍すると、これら加工品特有の弾力性や硬さが失われ、総合的な美味しさが損なわれるためである。
これに対し、例えば、特許文献1は、アルギン酸エステルを含有する畜肉加工品用の食感改良剤を記載している。この改良剤を含む畜肉加工品によれば、冷凍-解凍後にレンジ処理を含む再加熱後も硬くならずにソフト感やジューシー感に優れたものを得ることができる。しかし、ソフト感とは相反する硬さや弾力性が求められる点で、このような食感改良剤のハムおよびソーセージへの利用は困難である。
特許文献2は、有機酸モノグリセリドとその他の乳化剤とを食肉に併用して冷凍ソーセージを得ることを記載している。特許文献2は、単に肉の臭みが低減され、風味のよい冷凍ソーセージが得られると記載するのみである。冷凍に伴う物性の劣化およびその対策に関しては何も開示も示唆もしていない。
特許文献3は、トランスグルタミナーゼとα-グルコシダーゼとの併用により流通過程での時間経過による畜肉加工食品の品質劣化を抑制する技術を記載する。しかし、α-グルコシダーゼによる十分な効果を得るためには、食品素材にデンプンや加工デンプンの配合が求められ、これらの配合を必要としないハム、ソーセージなどの畜肉加工食品への応用が困難である。
特開2002-281942号公報 特開2021-003047号公報 特開2010-075051号公報
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、冷凍保存を経て解凍しても特有の硬さと弾力感を有し、かつ総合的な美味しさが保持されている、冷凍食肉加工品のための品質保持剤、ならびにそれを用いた冷凍食肉加工品およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、トランスグルタミナーゼおよび食物繊維を含有する、冷凍食肉加工品のための品質保持剤である。
1つの実施形態では、上記食物繊維は、イヌリン、セルロース、500から1800のゼリー強度を有する寒天、シトラスファイバー、およびこんにゃく粉、からなる群から選択される少なくとも1種である。
1つの実施形態では、上記冷凍食肉加工品は緩慢解凍を経て利用されるものである。
1つの実施形態では、上記冷凍食肉加工品はハムまたはソーセージである。
本発明はまた、食肉素材と上記品質保持剤とを含み、かつ冷凍されている。
さらなる実施形態では、本発明の冷凍食肉加工品はハムまたはソーセージの形態を有する。
本発明はまた、冷凍食肉加工品の製造方法であって、
食肉素材と上記品質保持剤とを混合して冷凍前加工品を作製する工程、および
該冷凍前加工品を冷凍する工程、
を含む、方法である。
本発明によれば、冷凍保存しかつ解凍した後もその物性の劣化を防止または低減できる食肉加工品を提供できる。さらに、こうした物性の劣化防止または低減によって、より広範な地域への流通を含む食肉加工品の大量生産が可能となる。
(定義)
本発明について説明する前に、まずは本明細書中で用いられる用語について説明する。
本明細書中に用いられる用語「食肉」とは、人が日常生活上摂取することができる鳥獣肉を包含し、例えば、生肉、乾燥肉、燻製肉、および加熱(例えば、焼成、蒸し、蒸煮等も包含する)された肉のいずれであってもよい。食肉の例としては、牛肉、豚肉、羊肉、馬肉、鹿肉、山羊肉、猪肉、鶏肉、鴨肉、七面鳥肉、鶉肉および雉肉、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。食肉を構成する鳥獣の部位は問わない。豚肉の場合について例示すると、ロース、ヒレ、バラ、モモ、脛、肩肉、腕肉、ネック、カシラ、ネック、タン、ミミ、テール、豚足、ハツ、コメカミ、レバー、ガツ、ショウチョウ、ダイチョウ、テッポウ、コブクロなどが挙げられる。牛肉の場合について例示すると、ロース、リブロース、サーロイン、ヘレ、ツラミ、ネック、ランプ、バラ、マル、ソトモモ、スネ、タン、ハツ、ハラミ、ミノ、センマイ、ハチノス、レバー、マメ、シマチョウ、テールなどが挙げられる。食肉の形態もまた特に限定されず、例えば、枝肉、部分肉、精肉(例えばスライス、角切り、細切れ、挽肉など)が挙げられる。
本明細書に用いられる用語「食肉加工品」は上記食肉を用いて製造される加工品全般を指し、例えばハム、ソーセージおよびベーコンが挙げられる。ハムの具体的な例としては、ボンレスハム、骨付きハム、ショルダーハム、ロースハム、ベリーハム、ラックスハム、およびプレスハムが挙げられる。ソーセージの具体的な例としては、ウインナーソーセージ、フランクフルトソーセージ、リオナソーセージ、ボロニアソーセージおよびドライソーセージが挙げられる。ベーコンの具体的な例としては、ベーコン、ショルダーベーコン、およびロースベーコンが挙げられる。
本明細書に用いられる用語「冷凍食肉加工品」は、上記食肉加工品を例えば保存または流通のために一旦所定の温度下で冷凍したものをいう。
本発明の「品質保持剤」は、このような冷凍食肉加工品の解凍後の食肉加工品としての品質(例えば弾力感や硬さ)の保持(例えば、冷凍前の食肉加工品と比較した際の当該品質の低下または劣化の防止)を可能にするものをいう。
(冷凍食肉加工品のための品質保持剤)
本発明の冷凍食肉加工品のための品質保持剤はトランスグルタミナーゼおよび食物繊維を含有する。
トランスグルタミナーゼは、タンパク質およびペプチドを架橋し得る酵素の1種であり、例えばタンパク質および/またはペプチド中のグルタミン残基のアミノ基と第1級アミン(例えば、タンパク質上のリジン残基のアミノ基)とを縮合させ、アミン上の置換基をグルタミン残基に転移させアンモニアが生成する反応を触媒する転移酵素である。トランスグルタミナーゼは、種々の起源(例えば、哺乳動物由来、魚類由来、微生物由来)のものが知られている。
本発明において、トランスグルタミナーゼはこの活性を有する限り、その起源は特に限定されない。組み換え酵素であってもよい。
本発明の品質保持剤において、製剤全体の質量1gに対して、好ましくは0.5ユニット(U)~150ユニット(U)、より好ましくは0.7ユニット(U)~70ユニット(U)の酵素活性値を有するトランスグルタミナーゼを含有する。トランスグルタミナーゼの酵素活性値が0.5ユニット(U)を下回ると、得られる冷凍食肉加工品の解凍後の硬さや弾力を保持する効果が十分でないことがある。トランスグルタミナーゼの酵素活性値が150ユニット(U)を上回ると、得られる冷凍食肉加工品中で過度の酵素反応を生じて離水が起こることがある。ここで、トランスグルタミナーゼの酵素活性値は、公知の方法、例えば、温度37℃、pH6.0のトリス緩衝液中、ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミニルグリシンおよびヒドロオキシアミンを基質とする反応系で、トランスグルタミナーゼを作用させて生成したヒドキサム酸をトリクロロサクサン存在下で鉄錯体を形成させた後、525nmにおける吸光度を測定し、ヒドロキサム酸の量を検量線により求め、1分間に1μモルのヒドロキサム酸を生成する酵素量を1ユニット(U)として定め算出できる。
トランスグルタミナーゼは、例えば、トランスグルタミナーゼ製剤として市販されているものを使用することができる。このトランスグルタミナーゼ製剤は、トラングルタミナーゼを製剤全体の質量を基準として、好ましくは0.1質量%~10質量%、より好ましくは0.5質量%~5質量%含有する。トランスグルタミナーゼ製剤におけるトランスグルタミナーゼの含有量が0.1質量%を下回ると、冷凍食肉加工品を得るために用いられる食肉素材中のタンパク質やペプチドを架橋する効果が十分でないことがある。このトランスグルタミナーゼ製剤は、pH調整剤や賦形剤を含有するものであってもよい。また、トランスグルタミナーゼ製剤は、例えば、粉末状、ペースト状、液状のいずれの形態を有していてもよい。
このようなトランスグルタミナーゼ製剤は、例えば、味の素株式会社によりKS-CTの商品名で市販されている。
トランスグルタミナーゼは、一般に上記タンパク質やペプチドを架橋し得る性質を利用して、例えば小さい肉片から成形肉を作製する際の結着剤として使用される。本発明では、このような結着剤としてではなく、むしろ食肉素材に含まれるタンパク質やペプチドを架橋し得る性質を利用して食肉素材のタンパク組織を補強し、それにより食肉加工品、特に冷凍食肉加工品を解凍した際に一般に損なわれる特有の弾力感や硬さを保持することができる。
食物繊維は、冷凍食肉加工品を解凍して得られる加工品に対して適切な弾力感を提供するという役割を果たす。食物繊維は水溶性もの、水不溶性のもの、またはそれらの組み合わせのいずれであってもよい。
食物繊維の例としては、イヌリン、セルロース、寒天、シトラスファイバー、こんにゃく粉、オート麦ファイバー、および難消化性デキストリン、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。得られる冷凍食肉加工品の解凍後に、適切な硬さと弾力性との両立を可能にするという理由から、イヌリン、セルロース、500から1800のゼリー強度を有する寒天、シトラスファイバー、およびこんにゃく粉、ならびにそれらの組み合わせが好ましい。
ここで、イヌリンは、スクロースのフルクトース残基にフルクトース分子がβ(2-1)結合により直鎖状に結合したものであり、好ましくは2~60の重合度を有するものである。イヌリンは、例えばチコリ、菊芋、ニンニク、ゴボウ、タマネギ、サトウキビ、甜菜などの植物由来のものであってもよく、合成して得られるものであってもよい。
寒天は、紅藻類から粘液質を煮出しして凍結かつ乾燥して得られるものであり、好ましくは500~1800、より好ましくは600~1000のゼリー強度を有するものである。ここで、本明細書中に用いられる用語「セリー強度」とは、日寒水式測定法によって測定された値であって、具体的には、寒天1.5質量%の水溶液を20℃で15時間放置して凝固させた寒天ゲルの表面に分銅を配置し、沈下なく20秒間耐え得る当該表面1cmあたりの最大質量(g)を指して言う。例えば、当該表面1cmあたりの最大質量が500gである場合のゼリー強度は500として表される。
シトラスファイバーは、レモン、ライム等の柑橘類の果皮から果汁および油分を取り除いた後、洗浄、乾燥および粉砕を経て得られる繊維状材料を包含していう。
本発明においては、このような食物繊維のうち、特に、冷凍食肉加工品を解凍して得られる加工品(例えばハムやソーセージ)に対して優れた弾力感を提供することができるという理由から、イヌリンが好ましい。
本発明の品質保持剤において、食物繊維の含有量は特に限定されないが、トランスグルタミナーゼ1Uあたり、好ましくは0.007g~1.5g、より好ましくは0.01g~1.4gである。トランスグルタミナーゼ1Uあたりの食物繊維の含有量が0.01gを下回ると、得られる冷凍食肉加工品の解凍後の弾力を十分に保持することが難しいことがある。トランスグルタミナーゼ1Uあたりの食物繊維の含有量が1.5gを上回ると、得られる冷凍食肉加工品がいわゆるひきの強い食感となり、食肉加工品に対して消費者が所望する食感から乖離する傾向になることがある。
本発明の品質保持剤における食物繊維の含有量は特に限定されないが、例えば使用する食肉加工品の種類および量に応じて最適な量が当業者によって選択され得る。
(冷凍食肉加工品)
本発明の冷凍食肉加工品は、食肉素材と上記品質保持剤とを含有する。
食肉素材は、上記「食肉」に該当するものであり、例えば、生肉、乾燥肉、燻製肉、および加熱(例えば、焼成、蒸し、蒸煮等も包含する)された肉のいずれであってもよい。
冷凍食肉加工品の製造にあたり、まず食肉素材と上記品質保持剤とを混合して冷凍前加工品が作製される。食肉素材と品質保持剤との混合比は特に限定されず、使用する食肉素材の種類、所望される食肉加工品の種類および/または物性に応じて適切な量が当業者によって選択される。
食肉素材と上記品質保持剤との混合にあたり得られた混合物は例えばケーシングチューブへの充填を通じて所定の形態に成形されてもよい。さらに、当該混合物は、所定温度および時間にて加熱が行われてもよい。加熱の手段は特に限定されないが、例えばボイル、蒸煮が挙げられる。こうして冷凍前加工品が作製される。
次いで、冷凍前加工品は冷凍される。
冷凍前加工品の冷凍は、公知の手段を用いて行われる。冷凍のために設定される温度は特に限定されないが、好ましくは-5℃~-50℃、より好ましくは-20℃~-40℃である。冷凍のために設定される時間は特に限定されず、例えば加工品の表面だけでなく内部まで十分に冷凍される時間が当業者によって任意に設定され得る。
このようにして本発明の冷凍食肉加工品が製造される。
本発明の冷凍食肉加工品は、工場出荷前の保存期間中;店舗(例えば、百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、または小売店)、一般消費者等(購入した個人、ならびに飲食物の提供店舗)、あるいは二次加工品製造工場への輸送期間中;一般消費者等が使用するまでの冷凍庫等での保管期間中;その冷凍状態が保持され得る。
使用の際、本発明の冷凍食肉加工品は当業者に公知の手段または方法を用いて解凍される。解凍の種類としては、特に限定されないが、緩慢解凍(例えば、自然解凍、常温解凍、低温解凍、および流水解凍)、急速解凍(例えば高周波式解凍、静電式解凍)、氷冷解凍、および低温高湿ミスト循環式解凍、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。解凍後に得られる食肉加工品が優れた弾力感および硬さを保持できるという点から、本発明の冷凍食肉加工品は緩慢解凍を経て利用されるものであることが好ましい。
従来のハムおよびソーセージのような食肉加工品を冷凍し、その後解凍すると、冷凍前の特有の弾力感や硬さが失われ、総合的な美味しさが損なわれることが知られていた。このため、このような食肉加工品を冷凍すること自体が回避される傾向にあり、それに伴って食肉加工品の製造後、長期間に亘る冷蔵倉庫等での保管が困難であり、さらに長距離の輸送も困難となるため、物流拠点を細かく設定する等の煩雑さが必要とされていた。
これに対し、本発明の品質保持剤は冷凍食肉加工品の製造のために使用され得る。例えば、上記のように食品素材と品質保持剤とを混合して得られた食肉加工品(冷凍前加工品)をそのまま冷凍すると、冷凍食肉加工品を得ることができる。この冷凍食肉加工品は、解凍後に得られる加工品の弾力感や硬さが冷凍前のものと比較して遜色がないかまたはほとんど低下しないという利点を有する
このことから、得られた冷凍食肉加工品は、冷凍倉庫等の低温施設内でより長期間の保存が可能となり、さらに冷凍状態が保持される状態で一層長距離の輸送を行うことができる。その結果、輸送に必要とされる物流拠点を従来と比較してより簡素化でき、その結果物流コストの低減も期待できる。
さらに、当該冷凍食肉加工品は、購入者に対して冷凍前の食肉加工品が有していた特有の弾力感および硬さを保持した状態で食卓に提供され得る。その結果、優れた品質を期待する当該購入者のニーズに応えるものとなり、消費意欲の向上を期待することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1~10および比較例1~11;製剤A1~A11およびB1~B10の作製)
トランスグルタミナーゼ製剤(以下「TG製剤」ということがある)(酵素活性値86~130U/g、トランスグルタミナーゼ1質量%配合品)、イヌリン(サトウキビ由来、重合度3~30)、セルロース(日本製紙株式会社製KCフロックW-100)、シトラスファイバー(ヘルバフード社製ヘルバセルAQプラスCF―D/100)、オート麦ファイバー(レッテンマイヤージャパン社製VITACEL HF200)、難消化性デキストリン(松谷化学株式会社製ファイバーソル2H)、寒天a(伊那食品工業株式会社製ウルトラ寒天AX-100、ゼリー強度80~120)、寒天b(伊那食品工業株式会社製伊那寒天ZR、ゼリー強度410~450)、寒天c(伊那食品工業株式会社製伊那寒天S-6、ゼリー強度510~550)、寒天d(伊那食品工業株式会社製伊那寒天S-9、ゼリー強度910~950)、およびデキストリンを表1~3にそれぞれ記載するように組み合わせることにより、製剤A1~A11およびB1~B10を作製した(なお、表1~3に示すように、比較例1および実施例1~10の製剤中のTG製剤濃度はいずれも10質量%であったことから、得られた製剤に含まれるトランスグルタミナーゼの酵素活性値は、8.6~13.0U/gとなることに留意されたい)。
Figure 2023156028000001
Figure 2023156028000002
Figure 2023156028000003
(実施例11~20および比較例12~24;冷凍ソーセージ等の作製と評価)
食肉素材として豚肉を使用し、表4に記載の配合組成に上記実施例1~10または比較例1~11のいずれかで得られた製剤A1~A11またはB1~B10を1g添加(1質量%添加区に設定)することにより冷凍ソーセージを以下のようにして作製した。
Figure 2023156028000004
表4に示す豚肉、氷水および副原料に、上記実施例1~10または比較例1~11のいずれかで得られた製剤A1~A11またはB1~B10を1g添加し、これをフードカッターで1分間混合した。次いで、この混合物にラードを添加し、フードカッターでさらに30秒間混合した。これを一旦真空包装し、その後1つのケーシングチューブに全量を充填し、結索した。その後、充填したケーシングチューブを75℃にて40分間ボイルし、室温まで冷却した。次いで、これらを急速冷凍下で48時間保存して、冷凍ソーセージを作製した。なお、比較例12の製剤無添加(無添加区)のソーセージについては、当該急速冷凍を行うことなく同時間チルド保存した。
さらに、この冷凍ソーセージを流水解凍(水の入った1L容量のピッチャーに冷凍ソーセージ全体を浸漬し、さらに上方から水を流しながら30分間かけて解凍)し、1cm幅にカットして解凍ソーセージのサンプルを得た。一方、比較例12の製剤無添加(無添加区)のソーセージについては、このような流水解凍を行うことなく1cm幅にカットしたソーセージのサンプルを得た。
このようにして得られた1cmにカットしたサンプルを10名のパネルが試食し、比較例12の製剤無添加のサンプルの硬さおよび弾力感をそれぞれ5.0点として、以下の基準による1点~5点の5段階で評価し、その平均値を算出して評価点とした。
<硬さの評価基準>
5点 比較例12のサンプルと同等の硬さを有していた。
4点 比較例12のサンプルには及ばないものの、良好な硬さを有していた。
3点 比較例12のサンプルには及ばないが、ソーセージとして許容し得る程度の硬さを有していた。
2点 比較例12のサンプルには到底及ばないが、僅かに硬さを有していた。
1点 比較例12のサンプルには到底及ばず、かつ全く硬さがなかった。
<弾力感の評価基準>
5点 比較例12のサンプルと同等の弾力感を有していた。
4点 比較例12のサンプルには及ばないものの、良好な弾力性を有していた。
3点 比較例12のサンプルには及ばないが、ソーセージとして許容し得る程度の弾力性を有していた。
2点 比較例12のサンプルには到底及ばないが、僅かに弾力性を有していた。
1点 比較例12のサンプルには到底及ばず、かつ全く弾力性がなかった。
結果を表5に示す。
Figure 2023156028000005
表5に示すように、TG製剤単品の製剤A1を添加して冷凍ソーセージは、解凍後、硬さは保持されるが、弾力はなくソーセージの食感として不適であった(比較例14)。また、イヌリンをはじめとする各種食物繊維単品の製剤A2~A11を添加した冷凍ソーセージは、無添加区の解凍品(比較例13)よりわずかに評価点が向上したものもあったが、無添加区のチルド品(比較例12)に近しい硬さも弾力感もなく、不適であった(比較例12~24)。
一方、TG製剤と各種食物繊維を併用した製剤B1~B10を添加した冷凍ソーセージは、解凍後の硬さおよび弾力のいずれもが良好に保持されていた(実施例11~20)。特にイヌリン、セルロース、ゼリー強度500以上の寒天、シトラスファイバー、またはこんにゃく粉のいずれかとTG製剤とを併用した製剤B1~B6を使用した冷凍ソーセージでは、比較例12に近しい硬さおよび弾力感を示し、好ましい食感であった。
(実施例21~40および比較例25~29;冷凍ソーセージ等の作製と評価)
食肉素材として豚肉を使用し、表4に記載の配合組成に上記実施例1および3~6のいずれかで得られた製剤B1およびB3~B6を1g添加(1質量%添加区に設定)することにより冷凍ソーセージを実施例11および13~16と同様にして作製した。なお、比較例25の製剤無添加(無添加区)のソーセージについては、当該急速冷凍を行うことなくチルド保存した。
さらに、この冷凍ソーセージを表6のいずれかに記載の方法で解凍し、1cm幅にカットして解凍ソーセージのサンプルを得た。一方、比較例25の製剤無添加(無添加区)のソーセージについては、このような流水解凍を行うことなく1cm幅にカットしたソーセージのサンプルを得た。
Figure 2023156028000006
このようにして得られた1cmにカットしたサンプルを10名のパネルが試食し、比較例25の製剤無添加のサンプルの硬さおよび弾力感をそれぞれ5.0点として、以下の基準による1点~5点の5段階で評価し、その平均値を算出して評価点とした。
<硬さの評価基準>
5点 比較例25のサンプルと同等の硬さを有していた。
4点 比較例25のサンプルには及ばないものの、良好な硬さを有していた。
3点 比較例25のサンプルには及ばないが、ソーセージとして許容し得る程度の硬さを有していた。
2点 比較例25のサンプルには到底及ばないが、僅かに硬さを有していた。
1点 比較例25のサンプルには到底及ばず、かつ全く硬さがなかった。
<弾力感の評価基準>
5点 比較例25のサンプルと同等の弾力感を有していた。
4点 比較例25のサンプルには及ばないものの、良好な弾力性を有していた。
3点 比較例25のサンプルには及ばないが、ソーセージとして許容しうる程度の弾力性を有していた。
2点 比較例25のサンプルには到底及ばないが、僅かに弾力性を有していた。
1点 比較例25のサンプルには到底及ばず、かつ全く弾力性がなかった。
結果を表7に示す。
Figure 2023156028000007
表7に示すように、TG製剤と食物繊維を含む製剤を添加した冷凍ソーセージは、解凍後の硬さおよび弾力感が良好で、十分に品質は保持されていた(実施例21~40)。さらに、冷凍ソーセージの解凍方法については、流水解凍、常温解凍、または低温解凍を用いた実施例21~23、25~27、29~31、33~35および37~39が、急速冷凍を用いた場合(実施例24、28、32、36および40)と比較して、硬さおよび弾力感のいずれにおいても良好であった。
本発明は、例えば食肉加工品の製造分野において有用である。

Claims (7)

  1. トランスグルタミナーゼおよび食物繊維を含有する、冷凍食肉加工品のための品質保持剤。
  2. 前記食物繊維が、イヌリン、セルロース、500から1800のゼリー強度を有する寒天、シトラスファイバー、およびこんにゃく粉からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の品質保持剤。
  3. 前記冷凍食肉加工品が緩慢解凍を経て利用されるものである、請求項1に記載の品質保持剤。
  4. 前記冷凍食肉加工品がハムまたはソーセージである、請求項1に記載の品質保持剤。
  5. 食肉素材と請求項1から4のいずれかに記載の品質保持剤とを含み、かつ冷凍されている、冷凍食肉加工品。
  6. ハムまたはソーセージの形態を有する、請求項5に記載の冷凍食肉加工品。
  7. 冷凍食肉加工品の製造方法であって、
    食肉素材と請求項1から4のいずれかに記載の品質保持剤とを混合して冷凍前加工品を作製する工程、および
    該冷凍前加工品を冷凍する工程、
    を含む、方法。
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