JP2023155713A - 調光シート - Google Patents

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Abstract

【課題】コントラストを高めることを可能とした調光シートを提供する。【解決手段】ユニット11UNは、第1透明電極層24と、第2透明電極層25と、第1透明電極層24と第2透明電極層25との間に位置する調光層21であって、空隙を有する透明高分子層と、空隙内に位置する液晶組成物とを備え、液晶組成物が液晶分子と二色性色素とを含む調光層21と、第1透明電極層24と調光層21との間に位置する第1配向層22と、第2透明電極層25と調光層21との間に位置する第2配向層23とを備える。ユニット11UNは、調光層21に電圧が印加されていないときに第1状態を呈し、調光層21に電圧が印加されているときに、第1状態よりも全光線透過率が低い第2状態を呈する。調光シート11は、全てのユニット11UNが第2状態を呈するときに、2%以下の平行線透過率を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、調光シートに関する。
リバース型の調光シートは、液晶分子を含む調光層と、調光層に接し、かつ、調光層を挟む一対の配向層とを備えている。各配向層は例えば垂直配向層であり、調光層に電圧が印加されていないときに、各液晶分子の長軸が配向層に対して略垂直になるように液晶分子を配向させる。そのため、リバース型の調光シートは、調光層に電圧が印加されていないときに透明な状態を呈する。これに対して、調光層に電圧が印加されたときに、液晶分子の長軸が配向層に対して平行になるように液晶分子が配向し、これによって、調光シートは不透明な状態を呈する(例えば、特許文献1を参照)。
特開2019-194654号公報
上述したように、リバース型の調光シートは、調光層に電圧が印加されていないときに透明である。そのため、停電または故障などにより調光シートに通電ができない場合にも、調光シートによって視界が隔てられない。このように、リバース型の調光シートは高い安全性を有するから、リバース型の調光シートが適用される対象は、建物が備える透明部材に限らず、自動車、列車、および、飛行機などの移動体にも広がりつつある。こうした適用対象の広がりにより、調光シートには、透明な状態と不透明な状態でのコントラストがより大きいこと、すなわち調光層に対する電圧の印加時と非印加時との間において光線の透過率が大きく異なることも要望されている。
なお、こうした事項は、ノーマル型の調光シートであって、調光層に電圧が印加されていないときに透明な状態を呈する一方で、調光層に電圧が印加されているときに不透明な状態を呈する調光シートに対する要望でもある。
上記課題を解決するための調光シートは、厚さ方向における繰り返しの単位であるユニットを1つ以上備える。前記ユニットは、第1透明電極層と、第2透明電極層と、前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に位置する調光層であって、空隙を有する透明高分子層と、前記空隙内に位置する液晶組成物とを備え、前記液晶組成物が液晶分子と二色性色素とを含む前記調光層と、前記第1透明電極層と前記調光層との間に位置する第1配向層と、前記第2透明電極層と前記調光層との間に位置する第2配向層と、を備える。前記ユニットは、前記調光層に電圧が印加されていないときに第1状態を呈し、前記調光層に電圧が印加されているときに、前記第1状態よりも全光線透過率が低い第2状態を呈する。全ての前記ユニットが前記第2状態を呈するときに、2%以下の平行線透過率を有する。
上記調光シートによれば、調光シートを透過する全光線のうち、平行成分の透過率が2%以下であることによって、全てのユニットが第1状態を呈するときと、全てのユニットが第2状態を呈するときとの間におけるコントラストを高めることが可能である。
上記調光シートにおいて、全ての前記ユニットが前記第2状態を呈するときに、96%以上のヘイズを有してもよい。この調光シートによれば、調光シートを透過する全光線のほとんどが拡散成分であるから、全てのユニットが第2状態を呈するときの濁り度合いを高め、これによって調光シートを介して視認される物体の像をぼやかすことが可能である。
上記調光シートにおいて、全ての前記ユニットが前記第2状態を呈するときに、7%以下の前記全光線透過率を有してもよい。この調光シートによれば、全てのユニットが第2状態を呈するときの全光線透過率が7%以下であるから、全てのユニットが第1状態を呈するときの全光線透過率との差を大きくすることが可能であり、これによってコントラストを高めることが可能である。
上記調光シートにおいて、全ての前記ユニットが前記第2状態を呈するときに、6%以下の拡散透過率を有してもよい。この調光シートによれば、全てのユニットが第2状態を呈するときの拡散成分の透過率が6%以下であるから、全てのユニットが第2状態を呈する場合に平行成分と拡散成分との両方の透過率を低めることが可能である。これにより、全てのユニットが第1状態を呈するときの全光線透過率との差を大きくすることが可能であるから、コントラストを高めることが可能である。
上記調光シートは、2つ以上の前記ユニットを備えてもよい。この調光シートによれば、調光シートが1つのユニットのみを備える場合に比べて、調光シートに入射した光の光路長を長くすることが可能である。これにより、各ユニットが第2状態を呈するときに、調光シートを透過する光量を小さくすることが可能である。
上記課題を解決するための調光シートは、厚さ方向における繰り返し単位であるユニットを1つ以上備える。前記ユニットは、第1透明電極層と、第2透明電極層と、前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に位置する調光層であって、空隙を有する透明高分子層と、前記空隙内に位置する液晶組成物とを備え、前記液晶組成物が液晶分子と二色性色素とを含む前記調光層と、を備える。前記ユニットは、前記調光層に電圧が印加されているときに第1状態を呈し、前記調光層に電圧が印加されていないときに、前記第1状態よりも全光線透過率が低い第2状態を呈し、全ての前記ユニットが前記第2状態を呈するときに、1%以下の平行線透過率を有する。
上記調光シートによれば、調光シートを透過する全光線のうち、平行成分の透過率が1%以下であることによって、全てのユニットが第1状態を呈するときと、全てのユニットが第2状態を呈するときとの間におけるコントラストを高めることが可能である。
本発明によれば、調光シートのコントラストを高めることが可能である。
調光シートを備える調光装置の第1例における構造を示す断面図。 調光シートを備える調光装置の第2例における構造を示す断面図。 ユニットの構造における第1例を示す断面図。 ユニットの構造における第2例を示す断面図。 試験例の調光シートにおける光学特性を示す表。 試験例の調光シートにおける光学特性を示す表。 試験例における平行線透過率とコントラストとの関係を示すグラフ。 試験例における全光線透過率とコントラストとの関係を示すグラフ。 試験例における拡散透過率とコントラストとの関係を示すグラフ。 試験例におけるヘイズとコントラストとの関係を示すグラフ。 試験例におけるクラリティとコントラストとの関係を示すグラフ。
図1から図11を参照して、調光シートの一実施形態を説明する。
[調光装置]
図1および図2を参照して調光装置を説明する。調光装置が備える調光シートは、例えば、車両および航空機などの移動体が備える窓に取り付けられる。また、調光シートは、例えば、住宅、駅、空港などの各種の建物が備える窓、オフィスに設置されたパーティション、店舗に設置されたショーウインドウ、および、映像を投影するスクリーンなどに取り付けられる。調光シートの形状は、平面状であってもよいし、曲面状であってもよい。
調光シートの型式は、駆動信号の入力によって不透明から透明に変わるノーマル型でもよいし、駆動信号の入力によって透明から不透明に変わるリバース型でもよい。以下では、調光装置がリバース型の調光シートを備える例を説明する。
図1が示すように、調光装置10の第1例は、リバース型の調光シート11と、駆動部12とを備えている。調光シート11は、調光層21、第1配向層22、第2配向層23、第1透明電極層24、および、第2透明電極層25を備えている。調光層21の厚さ方向において、第1配向層22と第2配向層23とが調光層21を挟んでいる。調光層21の厚さ方向において、第1透明電極層24と第2透明電極層25とが、一対の配向層22,23を挟んでいる。調光層21は、第1透明電極層24と第2透明電極層25との間に位置している。調光シート11は、さらに、第1透明電極層24を支持する第1透明基材26、および、第2透明電極層25を支持する第2透明基材27を備えている。
調光シート11は、第1透明電極層24の一部に取り付けられた第1電極24Aと、第2透明電極層25の一部に取り付けられた第2電極25Aとを備えている。調光シート11はさらに、第1電極24Aに接続された第1配線24Bと、第2電極25Aに接続された第2配線25Bとを備えている。第1電極24Aは第1配線24Bによって駆動部12に接続され、かつ、第2電極25Aは第2配線25Bによって駆動部12に接続されている。
調光シート11は、調光シート11の厚さ方向における繰り返しの単位であるユニットを1つ以上備えている。図1が示す例では、調光シート11は、1つのユニット11UNを備えている。ユニット11UNは、調光層21、第1配向層22、第2配向層23、第1透明電極層24、および、第2透明電極層25を含む。
調光層21は、透明高分子層と液晶組成物とを備えている。透明高分子層は、空隙を有し、かつ、液晶組成物が空隙内に位置している。液晶組成物は、液晶分子と二色性色素とを含んでいる。なお、液晶組成物は、液晶分子および二色性色素以外に、例えば、透明高分子層を形成するための重合性組成物などを含んでもよい。調光層21の全質量を100質量%に設定する場合に、液晶組成物の質量は35質量%以上65質量%以下であってよい。液晶組成物は、反応性メソゲン化合物をさらに含んでよい。液晶化合物が垂直配向するとき、反応性メソゲン化合物もまた垂直配向する。垂直配向する反応性メソゲン化合物がネットワーク化することによって、液晶化合物の垂直配向が促される。すなわち、ネットワーク化した反応性メソゲン化合物の配向規制力は、液晶化合物の垂直配向を促す。
調光層21の型式は、高分子分散型である。高分子分散型の調光層21は、孤立した多数の空隙を画定する透明高分子層を備え、かつ、透明高分子層に分散した空隙のなかに液晶組成物を保持する。高分子分散型には、ポリマーネットワーク型とカプセル型とが含まれる。ポリマーネットワーク型の調光層21は、3次元の網目状を有した透明高分子層を備え、相互に連通した網目の空隙のなかに液晶組成物を保持する。カプセル型の調光層21は、透明高分子層のなかに分散したカプセル状の空隙のなかに液晶組成物を保持する。
液晶分子の一例は、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、ビフェニル系、ターフェニル系、安息香酸エステル系、トラン系、ピリミジン系、シクロヘキサンカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、および、ジオキサン系から構成される群から選択されるいずれかである。
二色性色素は、液晶分子をホストとしたゲストホスト型式によって駆動され、これによって特定の色を呈する。二色性色素は、ポリヨウ素、アゾ化合物、アントラキノン化合物、ナフトキノン化合物、アゾメチン化合物、テトラジン化合物、キノフタロン化合物、メロシアニン化合物、ペリレン化合物、ジオキサジン化合物からなる群から選択される少なくとも一種である。二色性色素は、1種の化合物、あるいは2種以上の化合物の組み合わせである。調光層21の全質量を100質量%に設定する場合に、二色性色素の質量は1質量%以上5質量%以下であってよく、1質量%以上3.5質量%以下であることが好ましい。
耐光性を高めること、および、二色比を高めることが求められる場合には、二色性色素は、アゾ化合物およびアントラキノン化合物からなる群から選択される少なくとも一種であり、よりが好ましくはアゾ化合物である。本例において、二色性色素は黒色を呈する。
調光層21は、さらにスペーサー21Sを含んでいる。スペーサー21Sは、調光層21の全体にわたり分散されている。スペーサー21Sは、スペーサー21Sの周辺において調光層21の厚さを定め、かつ、調光層21の厚さを均一にする。スペーサー21Sは、ビーズスペーサーでもよいし、フォトレジストの露光および現像によって形成されるフォトスペーサーでもよい。スペーサー21Sは、無色透明でもよいし、有色透明でもよい。あるいは、スペーサー21Sの呈する色は、二色性色素の呈する色と同色であってもよい。本例において、二色性色素は黒色を呈するから、スペーサー21Sは黒色を呈することが好ましい。スペーサー21Sが黒色を呈する場合には、調光層21内において生じた散乱光がスペーサー21Sによって吸収される。
調光層21の厚さは、例えば、2μm以上13μm未満であることが好ましい。調光層21の厚さは、3.0μm以上8.0μm以下であることがより好ましい。調光層21の厚さが2.0μm以上であることによって、調光層21の厚さ方向において、液晶組成物の密度が異なる領域が調光層21内に生成することが可能である。調光層21の厚さが13μm未満であることによって、調光層21の製造時において、液晶分子と重合性組成物とを含む塗液を露光した場合に、液晶分子と透明高分子層との適切な相分離が可能である。
第1配向層22、および、第2配向層23を形成するための材料は、有機化合物、無機化合物、および、これらの混合物である。有機化合物は、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、および、シアン化化合物などである。無機化合物は、シリコン酸化物、および、酸化ジルコニウムなどである。なお、配向層22,23を形成するための材料は、シリコーンであってもよい。シリコーンは、無機性の部分と有機性の部分とを有する化合物である。各配向層22,23の厚さは、例えば0.02μm以上0.5μm以下であってよい。
第1配向層22および第2配向層23は、例えば垂直配向層である。垂直配向層は、第1透明電極層24に接する面とは反対側の面、および、第2透明電極層25に接する面とは反対側の面に対して垂直であるように、液晶分子の長軸方向を配向させる。配向層22,23は、調光層21が含む複数の液晶分子における配向を規制する。
第1透明電極層24および第2透明電極層25は、可視光を透過する光透過性を有する。第1透明電極層24の光透過性は、調光シート11を通した物体の視覚認識を可能にする。第2透明電極層25の光透過性は、第1透明電極層24の光透過性と同様、調光シート11を通した物体の視覚認識を可能にする。各透明電極層24,25の厚さは、例えば0.005μm以上0.1μm以下であってよい。これにより、調光シート11の適切な駆動を担保し、かつ、調光シート11の撓みを抑えることによって、クラックの発生を抑えることが可能である。
各透明電極層24,25を形成するための材料は、例えば、酸化インジウムスズ、フッ素ドープ酸化スズ、酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンナノチューブ、および、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)から構成される群から選択されるいずれか1つであってよい。
各透明基材26,27を形成する材料は、合成樹脂または無機化合物であってよい。合成樹脂は、例えば、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、および、ポリオレフィンなどである。ポリエステルは、例えばポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートなどである。ポリアクリレートは、例えばポリメチルメタクリレートなどである。無機化合物は、例えば、二酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、および、窒化ケイ素などである。各透明基材26,27の厚さは、例えば16μm以上250μm以下であってよい。透明基材26,27の厚さ16μm以上であることによって、調光シート11の加工や施工がしやすい。透明基材26,27の厚さが250μm以下であることによって、ロールトゥロールによる調光シート11の製造が可能である。
各電極24A,25Aは、例えばフレキシブルプリント基板(FPC : Flexible Printed Circuit)である。FPCは、支持層、導体部、および、保護層を備えている。導体部が、支持層と保護層とに挟まれている。支持層および保護層は、絶縁性の合成樹脂によって形成されている。支持層および保護層は、例えばポリイミドによって形成される。導体部は、例えば金属薄膜によって形成されている。金属薄膜を形成する材料は、例えば銅であってよい。各電極24A,25Aは、FPCに限らず、例えば金属製のテープであってもよい。
なお、各電極24A,25Aは、図示されない導電性接着層によって、各透明電極層24,25に取り付けられている。各電極24A,25Aのうち、導電性接着層に接続される部分では、導体部が保護層または支持層から露出している。
導電性接着層は、例えば、異方性導電フィルム(ACF : Anisotropic Conductive Film)、異方性導電ペースト(ACP : Anisotropic Conductive Paste)、等方性導電フィルム(ICF : Isotropic Conductive Film)、および、等方性導電ペースト(ICP : Isotropic Conductive Paste)などによって形成されてよい。調光装置10の製造工程における取り扱い性の観点から、導電性接着層は、異方性導電フィルムであることが好ましい。
各配線24B,25Bは、例えば、金属製のワイヤーと、金属製のワイヤーを覆う絶縁層とによって形成されている。ワイヤーは、例えば銅などによって形成されている。
駆動部12は、第1透明電極層24と第2透明電極層25との間に交流電圧を印加する。駆動部12は、矩形波状を有した交流電圧を一対の透明電極層24,25間に印加することが好ましい。なお、駆動部12は、矩形波状以外の形状を有した交流電圧を一対の透明電極層24,25間に印加してもよい。例えば、駆動部12は、正弦波状を有した交流電圧を一対の透明電極層24,25間に印加してもよい。
図2が示す調光シート11は、第1ユニット11UN1および第2ユニット11UN2を備えている。各ユニット11UN1,11UN2は、調光シート11の第1例が備えるユニット11UNと同様の構造を有している。第1ユニット11UN1の第1透明基材26に、第2ユニット11UN2の第2透明基材27が積み重なっている。第2ユニット11UN2の第2透明基材27は、第1ユニット11UN1の第1透明基材26に接着されている。調光シート11が1つのユニットのみを備える場合に比べて、調光シート11に入射した光の光路長を長くすることが可能である。これにより、各ユニット11UN1,11UN2が後述する第2状態を呈するときに、調光シート11を透過する光量を小さくすることが可能である。
透明基材26,27の接着には、透明であり、かつ、粘着性および絶縁性を有する樹脂を用いることが可能である。当該樹脂は、透明な粘着剤であってよい。粘着剤は、例えば光学用透明粘着剤(OCA : Optical Clear Adhesive)であってよい。
調光装置10は、調光シート11と、第1ユニット11UN1の調光層21に電圧を印加するための駆動部12と、第2ユニット11UN2の調光層21に電圧を印加するための駆動部12とを備えている。調光装置10は、駆動部12を1つのみ備え、かつ、1つの駆動部12が、2つの調光層21に電圧を印加してもよい。
[ユニットの光学特性]
調光シート11の各例が備えるユニットの光学特性を説明する。
調光シート11が備える各ユニット11UN,11UN1,11UN2において、調光層21は、2つの透明電極層24,25の間において生じる電圧の変化を受けることによって、液晶分子の配向を変える。液晶分子における配向の変化は、調光層21に入る可視光の散乱度合い、吸収度合い、および、透過度合いを変える。各ユニット11UN,11UN1,11UN2は、調光層21に電圧が印加されているときに、すなわち、第1透明電極層24と第2透明電極層25との間に電位差が生じているときに、相対的に高いヘイズを有する。各ユニット11UN,11UN1,11UN2は、調光層21に電圧が印加されているときに、透明高分子層と液晶分子との間での屈折率差による散乱によって、濁った状態、すなわち不透明な状態を呈する。調光層21は黒色を呈する二色性色素を含むから、調光層21に電圧が印加されているときに、ユニット11UN,11UN1,11UN2は黒色かつ濁った状態を呈する。
各ユニット11UN,11UN1,11UN2は、調光層21に電圧が印加されていないときに、すなわち、第1透明電極層24と第2透明電極層25との間に電位差が生じていないときに相対的に低いヘイズを有する。調光層21では、調光層21に電圧が印加されていないときに、透明高分子層と液晶分子との間での屈折率差が小さく、これによって、調光層21内での光の散乱が抑えられる。そのため、各ユニット11UN,11UN1,11UN2は、調光層21に電圧が印加されてないときに、透明な状態を呈する。調光層21は黒色を呈する二色性色素を含むから、調光層21に電圧が印加されていないときに、ユニット11UN,11UN1,11UN2は透明な状態を呈する。
本開示では、ユニット11UN,11UN1,11UN2における黒色かつ濁った状態が第2状態であり、透明な状態が第1状態である。第2状態での全光線透過率は、第1状態での全光線透過率よりも低い。調光シート11が備える全てのユニットが第1状態を呈するときに、調光シート11は明状態を呈する。一方で、調光シート11が備える全てのユニットが第2状態を呈するときに、調光シート11は暗状態を呈する。全光線透過率は、ASTM D 1003-00に準拠した測定によって得られる。
調光シート11は、以下の条件1を満たす。
(条件1)全てのユニットが第2状態を呈するときに、調光シート11が2%以下の平行線透過率を有する。
調光シート11を透過する全光線のうち、平行成分の透過率が2%以下であることによって、全てのユニットが第1状態を呈するときと、全てのユニットが第2状態を呈するときとの間におけるコントラストを高めることが可能である。調光シート11の明状態と暗状態とのコントラストは、暗状態での全光線透過率に対する明状態での全光線透過率の比である。平行線透過率は、ASTM D 1003-00に準拠した測定方法によって得られる。
なお、配向規制力を用いるリバース型の調光シート11では、厚さ方向の全体にわたり配向規制力を作用させる分だけ、調光層21の厚さが、ノーマル型の調光シートが備える調光層21の厚さよりも薄い。このように、リバース型の調光シート11では、調光層21の厚さが制限されるから、コントラストが高まりにくい。また、リバース型の調光シート11では、暗状態において、液晶分子がランダムには配向しがたいこともコントラストが高まりにくい一因である。こうしたリバース型の調光シートは、コントラストを高めることを、ノーマル型の調光シートよりも強く要望されている。
なお、調光シート11が第2状態を呈する場合に、調光シート11の第1例は、ユニット11UNを1つのみ含むから、ユニット11UNが備える調光層21のみに電圧が印加されていればよい。これに対して、調光シート11の第2例は、2つのユニット11UN1,11UN2を含むから、調光シート11が第2状態を呈する場合に、第1ユニット11UN1の調光層21と、第2ユニット11UN2の調光層21との両方に、電圧が印加されている必要がある。
本開示の調光シート11は、さらに以下の条件2から条件4のうちの少なくとも1つを満たすことが好ましい。
(条件2)全てのユニットが第2状態を呈するときに、調光シート11が96%以上のヘイズを有する。
(条件3)全てのユニットが第2状態を呈するときに、調光シート11が7%以下の全光線透過率を有する。
(条件4)全てのユニットが第2状態を呈するときに、調光シート11が6%以下の拡散透過率を有する。
調光シート11の透明さは、調光シート11における可視光の散乱度合いによって表すことが可能である。調光シート11において、散乱度合いの指標であるヘイズの値が低いほど調光シート11の透明さが高く、ヘイズの値が高いほど調光シート11の透明さが低い。ヘイズは、ASTM D 1003-00に準拠した測定方法によって得られる。ヘイズの測定器は、例えばBYK haze-gard i instrument(BYK Gardner社製)である。ヘイズの測定において調光シートに入射する光束に含まれる光線は、直進光である。調光シートに入射する光束に含まれる光線と、光束の光軸との間の最大角は3°未満である。調光シートは、調光シートの表面と、当該表面に入射する光束とが±2°以内でほぼ直角となるように固定される。
また、ヘイズの値は、全光線透過率に対する拡散透過率の比であるから、拡散透過率も、ヘイズと同様に、調光シート11における散乱度合いの指標として取り扱うことが可能である。拡散透過率は、ASTM D 1003-00に準拠した測定方法によって得られる。
条件2を満たす場合には、調光シート11を透過する全光線のほとんどが拡散成分であるから、全てのユニットが第2状態を呈するときの濁り度合いを高め、これによって調光シート11を介して視認される物体の像をぼやかすことが可能である。
条件3を満たす場合には、全てのユニットが第2状態を呈するときの全光線透過率が7%以下であるから、全てのユニットが第1状態を呈するときの全光線透過率との差を大きくすることが可能であり、これによってコントラストを高めることが可能である。また、条件4を満たす場合にも、全てのユニットが第2状態を呈するときの拡散成分の透過率が6%以下であるから、全てのユニットが第2状態を呈する場合に平行成分と拡散成分との両方の透過率を低めることが可能である。これにより、全てのユニットが第1状態を呈するときの全光線透過率との差を大きくすることが可能であるから、コントラストを高めることが可能である。
また、条件3を満たす場合には、平行成分と拡散成分との両方の透過率を低めることによって、全てのユニットが第2状態を呈する場合に、調光シート11を介して視認された物体が調光シート11から透けて見えることが抑えられる。また、調光シート11が暗状態を呈するときの平行線透過率は、0.5%以下であることがより好ましい。これにより、調光シート11が暗状態を呈するときに調光シート11を透過する平行成分の透過率が低められるから、調光シート11を介して視認された物体が調光シート11から透けて見えることがさらに抑えられる。なお、調光シート11が暗状態を呈するときの平行線透過率が0.5%以下である場合に、ヘイズが96%以上であることがさらに好ましい。これにより、調光シート11が暗状態を呈するときに調光シート11を透過する平行成分の透過率を低め、かつ、調光シート11を介して視認される物体の像をぼかすことが可能である。そのため、物体が調光シート11から透けて見えることがさらに抑えられる。
なお、調光シート11は、調光層21に含まれる二色性色素DPの濃度が高まることによって、暗状態を呈するときの平行線透過率が低められる傾向を有する。そのため、調光シート11が暗状態を呈するときの平行線透過率を低めることが求められる場合には、調光層21における二色性色素DPの濃度を高めることによって、調光シート11が暗状態を呈するときの平行線透過率を調整することが可能である。
また、調光シート11は、調光層21に入射した光の光路長が長いほど、暗状態を呈するときの平行線透過率が低められる傾向を有する。そのため、調光シート11が暗状態を呈するときの平行線透過率を低めることが求められる場合には、調光層21の厚さを厚くすることによって、調光シート11が暗状態を呈するときの平行線透過率を調整することが可能である。あるいは、調光シート11が暗状態を呈するときの平行線透過率を低めることが求められる場合には、調光シート11が備えるユニットの数を増やすことによって、調光シート11が暗状態を呈するときの平行線透過率を調整することが可能である。
[調光シート]
図3および図4を参照して、各ユニット11UN,11UN1,11UN2が備える調光層21の構造をより詳しく説明する。なお、以下に説明する構造は、調光層21が取り得る構造のうちの一例である。
図3および図4は、ユニット11UNの断面構造を模式的に示している。なお、図3および図4では、図示の便宜上、透明基材26,27の図示が省略されている。また、図3および図4では、調光層21の構造を説明する便宜上、各配向層22,23の厚さ、および、各透明電極層24,25の厚さに対する調光層21の厚さの比が、実際の比よりも大きい。また、図3および図4には、一対の透明電極層24,25間に電位差が生じていない状態での調光層21の状態が模式的に示されている。
図3が示すように、調光層21は、透明高分子層21Pおよび液晶組成物21LCを備えている。透明高分子層21Pは、第1透明電極層24と第2透明電極層25との間に位置し、透明高分子層21Pにおいて空隙21Dが分散している。液晶組成物21LCは、液晶分子LCMと二色性色素DPとを含み、かつ、空隙21Dを埋めている。第1配向層22は、第1透明電極層24と調光層21とに挟まれている。第1配向層22は、電圧の印加によって調光層21のヘイズを高めるように構成されている。調光層21は、第1高密度部21H1と低密度部21Lとを備えている。第1高密度部21H1における単位厚さあたりの液晶組成物21LCの密度は、低密度部21Lにおける単位厚さあたりの液晶組成物21LCの密度がよりも高い。第1高密度部21H1は、第1配向層22に接している。
調光層21では、調光層21の厚さ方向における中間で液晶組成物21LCの密度が最も低い。なお、調光層21の厚さ方向における中間とは、調光層21の厚さ方向において対向する一対の面よりも調光層21の中央寄りの部分である。なお、調光層21の各部における単位厚さ当たりの液晶組成物21LCの密度は、各部が含む液晶組成物21LCの体積を各部の厚さで除算することによって算出される。また、調光層21では、調光層21の厚さ方向における中央を含む部分で液晶組成物21LCの密度が最も低いことが好ましい。なお、調光層21は非常に薄いことから、調光層21が含む液晶組成物21LCの体積を求めることは実際には困難である。そのため、本開示では、調光層21の断面を撮像したSEM画像から求められる液晶組成物21LCの面積、および、調光層21の面積を用いて、各密度を算出している。
第1配向層22は垂直配向層であり、第1配向層22は典型的には液晶分子LCMの長軸が第1透明電極層24に対して直交するように液晶分子LCMを配向させる。ただし、第1配向層22は、液晶分子LCMの長軸が第1透明電極層24に対して実質的に垂直であると判断される範囲において、長軸が垂直に対して数度傾くように液晶分子LCMを配向させてもよい。
第1配向層22からの距離が小さい領域における液晶組成物21LCの密度が高いため、複数の液晶分子LCMにおいて第1配向層22の配向規制力によって配向される液晶分子LCMの割合を増やすことが可能である。そのため、第1透明電極層24と第2透明電極層25との間に電位差が生じていない状態において、調光シート11の透明さを高めることができる。
上述したように、調光シート11は、調光層21の厚さ方向において調光層21と第2透明電極層25との間に位置する第2配向層23を備えている。調光層21は、第2高密度部21H2をさらに備えている。第2高密度部21H2は、第2配向層23に接している。第2高密度部21H2における単位厚さ当たりの液晶組成物21LCの密度は、低密度部21Lにおける単位厚さ当たりの液晶組成物21LCの密度よりも高い。低密度部21Lは、調光層21の厚さ方向に沿う断面において、第1高密度部21H1と第2高密度部21H2とに挟まれている。
調光層21では、調光層21の厚さ方向において対向する一対の面の近傍において、配向層22,23の配向規制力に従って液晶分子LCMが配向する。そのため、第1透明電極層24と第2透明電極層25との間に電位差が生じていない状態において、調光シート11の透明さをさらに高めることができる。
調光層21は、第1高密度部21H1、第2高密度部21H2、および、低密度部21Lから構成されている。調光層21の厚さ方向に沿う断面において、空隙21Dの面積を調光層21の厚さで除算した値が、単位厚さ当たりの空隙21Dの密度である。単位厚さ当たりにおける第1高密度部21H1での空隙21Dの密度、および、単位厚さ当たりにおける第2高密度部21H2での空隙21Dの密度が、単位厚さ当たりにおける低密度部21Lでの空隙21Dの密度よりも高い。
そのため、第1高密度部21H1での液晶組成物21LCの密度、および、第2高密度部21H2での液晶組成物21LCの密度を、低密度部21Lでの液晶組成物21LCの密度よりも高くすることが可能である。なお、単位厚さ当たりにおける空隙21Dの密度は、各部に含まれる各空隙21Dの面積の総和を各部の厚さで除算することによって算出される。
調光層21において、例えば、第1高密度部21H1の厚さTH1、第2高密度部21H2の厚さTH2、および、低密度部21Lの厚さTLは、互いにほぼ等しい。すなわち、第1高密度部21H1の厚さTH1、第2高密度部21H2の厚さTH2、および、低密度部21Lの厚さTLは、調光層21の厚さT21の約1/3である。なお、低密度部21Lの厚さTLは、各高密度部21H1,21H2の厚さTH1,TH2よりも厚くてもよいし、薄くてもよい。また、第1高密度部21H1の厚さTH1は、第2高密度部21H2の厚さと互いに等しくてもよいし、互いに異なってもよい。
調光層21の厚さ方向に沿う断面において、低密度部21Lの面積(SL)に対する、低密度部21Lに含まれる各空隙21Dの面積の総和(SD)の百分率([SD/SL]×100)が10%以下であることが好ましい。これにより、低密度部21Lの空隙21Dによって保持される液晶組成物21LCの割合を小さくすることが可能であるから、第1透明電極層24と第2透明電極層25との間に電位差が生じていない状態において、低密度部21Lに含まれる液晶分子LCMが調光シート11の不透明さを高めることが抑えられる。
さらには、低密度部21Lは、空隙21Dを有しないことが好ましい。言い換えれば、低密度部21Lには、液晶組成物21LCが含まれないことが好ましい。これにより、調光層21に含まれる全ての液晶分子LCMが、配向層22,23の配向規制力に従って配向しやすくなるため、第1透明電極層24と第2透明電極層25との間に電圧差が生じていない状態での調光シート11のヘイズをさらに低めることができる。
このように、低密度部21Lにおいて、低密度部21Lの面積SLに対する各空隙21Dの面積の総和SDは、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、0%であることが最も好ましい。
また、空隙21Dは、調光層21の厚さ方向に沿う断面において、第1配向層22から3.0μm以下の範囲に位置し、かつ、第2配向層23から3.0μm以下の範囲に位置することができる。言い換えれば、第1高密度部21H1の厚さTH1が3.0μm以下であり、かつ、第2高密度部21H2の厚さTH2が3.0μm以下であることができる。
なお、第1配向層22を基準とした空隙21Dの位置する範囲は、調光層21の厚さ方向に沿う断面において、調光層21の中央部よりも第1配向層22寄りに位置する空隙21Dと、第1配向層22のうちで調光層21に接する面との間の距離における最大値である。また、第2配向層23を基準とした空隙21Dの位置する範囲は、調光層21の厚さ方向に沿う断面において、調光層21の中央部よりも第2配向層23寄りに位置する空隙21Dと、第2配向層23のうちで調光層21に接する面との間の距離における最大値である。
調光層21の厚さ方向に沿う断面において、各配向層22,23から3.0μm以下の範囲に空隙21Dが位置するため、各空隙21Dに保持された液晶分子LCMが、配向規制力に従って配向する確実性を高めることが可能である。
第1高密度部21H1に含まれる各空隙21Dは、第1配向層22に接していることが好ましい。また、第2高密度部21H2に含まれる各空隙21Dは、第2配向層23に接していることが好ましい。言い換えれば、調光層21が備える複数の空隙21Dは、第1配向層22と調光層21との界面に沿う1層の空隙層と、第2配向層23と調光層21との界面に沿う1層の空隙層とのみから構成されることが好ましい。
第1高密度部21H1に含まれる各空隙21D、および、第2高密度部21H2に含まれる各空隙21Dは、配向層22,23に接する液晶組成物21LCを保持することが可能であるため、各空隙21Dに保持される液晶組成物21LCの全体に配向層22,23の配向規制力が作用しやすくなる。これにより、第1透明電極層24と第2透明電極層25との間に電位差が生じていない状態において、調光シート11が有する透明さをさらに高めることができる。
一方で、本開示の調光シート11は、調光層21の厚さと、空隙21Dの大きさとによって定義することも可能である。すなわち、調光シート11において、調光層21の厚さT21が、3.0μm以上8.0μm以下であり、かつ、空隙21Dの大きさが、1.0μm以上2.5μm以下である。
調光層21の厚さが3.0μm以上8.0μm以下であるから、調光層21の厚さ方向において対向する一対の面から離れた位置に空隙21Dが形成されることが抑えられる。さらに、空隙21Dの大きさが1.0μm以上2.5μm以下であるから、配向層22,23の近傍に液晶組成物21LCが保持される。そのため、第1透明電極層24と第2透明電極層25との間に電圧差が生じていない状態での調光シート11の透明さを高めることが可能である。
なお、調光シート11が有する散乱特性の観点では、空隙21Dの大きさは、0.38μm以上3.0μm以下であることが好ましい。空隙21Dの大きさが0.38μm以上3.0μm以下の範囲に含まれることによって、調光シート11において生じる散乱を好適な程度とすることが可能である。空隙21Dの大きさが0.38μm以上であることによって、可視光領域に含まれる光が調光層21において十分に散乱される。空隙21Dの大きさが3.0μm以下であることによって、空隙21Dを透過する光の成分が液晶において散乱される光の成分よりも大きくなることが抑えられる。
なお、調光シート11の厚さ方向に沿う断面において、空隙21Dが円形状を有する場合には、空隙21Dの大きさは、空隙21Dの直径である。調光シート11の厚さ方向に沿う断面において、空隙21Dが楕円形状を有する場合には、空隙21Dの大きさは、空隙21Dの長径である。調光シート11の厚さ方向に断面において、空隙21Dが不定形状を有する場合には、空隙21Dの大きさは、空隙21Dに外接する円の直径である。
調光層21の厚さ方向に沿う断面において、各配向層22,23からの距離が小さい位置に保持された液晶分子LCMほど、配向層22,23が有する配向規制力に従って配向しやすくなる。上述したように空隙21Dの大きさが2.5μm以下である場合には、高密度部21H1,21H2に位置する各空隙21Dに保持された液晶分子LCMが配向規制力に従って配向しやすい。
調光シート11を形成する際には、まず、透明電極層24,25が形成された透明基材26,27が準備される。そして、各透明電極層24,25上に配向層22,23が形成される。次いで、一対の配向層22,23間に塗液が塗布される。塗液は、透明高分子層21Pを形成するための重合性組成物、液晶分子LCM、二色性色素DP、および、スペーサー21Sを含む。重合性組成物は、紫外線の照射により重合可能なモノマー、または、オリゴマーである。その後、透明電極層24,25を通して塗液に紫外線が照射され、これによって、空隙21Dを有した透明高分子層21Pが形成され、かつ、空隙21D内に液晶分子LCMおよび二色性色素DPが保持される。
塗液が硬化する際には、まず、液晶分子LCMおよび二色性色素DPを含む液晶組成物21LCが重合性組成物から分離され、重合性組成物内における複数の場所に液晶組成物21LCが位置する。次いで、重合性組成物が硬化される前に、液晶組成物21LCが各配向層22,23に向けて移動する。その後、重合性組成物が硬化されることによって、液晶組成物21LCを取り囲む空隙21Dを有した透明高分子層21Pが形成される。透明高分子層21Pが形成されるまでの間は、互いに離間した液晶組成物21LCが集合することによって、透明高分子層21Pに形成される空隙21Dが拡張し続ける。この点で、空隙21Dの大きさが1.0μm以上であれば、各空隙21Dが配向層22,23の近傍にまで移動する前に重合性組成物が硬化される可能性を低くすることが可能である。結果として、調光層21の低密度部21Lにおける空隙21Dの数を減らすことが可能である。
調光層21は、調光層21を形成する際の積算露光量が一定である場合には、露光時の照度を高めるほど、調光層21の厚さ方向における中央寄りに位置する空隙21Dの数が多くなる傾向を有する。また、調光層21は、調光層21を形成する際の積算露光量が一定である場合には、露光時の照度を高めるほど、空隙21Dの大きさが小さくなる傾向を有する。また、調光層21は、調光層21を形成する際の積算露光量および照度が一定である場合には、調光層21の厚さが厚いほど、調光層21の厚さ方向における中央寄りに位置する空隙21Dの数が多くなる傾向を有する。
なお、図3を参照して先に説明した調光層21の構造は、調光層21が取り得る構造のうちの一例である。調光層21は、図4が示す断面構造を有してもよい。
図4が示すように、調光層21は、第1配向層22に接する複数の空隙21Dによって形成された一層の空隙層と、第2配向層23に接する複数の空隙21Dによって形成された一層の空隙層とを備えている。各空隙層では、単一の空隙21Dが、各配向層22,23と調光層21との界面に沿って並んでいる。
第1配向層22に接する空隙層は、第2配向層23に接する空隙層のいずれかの空隙21Dに接する空隙21Dを少なくとも1つ含んでいる。第1配向層22に接する空隙層に含まれる全ての空隙21Dは、第2配向層23に接する空隙層に含まれる空隙21Dのいずれかに接していてもよい。
第1配向層22に接する空隙層において、第1配向層22に接する面が第1面であり、第1面とは反対側の面が第2面である。なお、第2面は、空隙層に含まれる空隙21Dのうちで、第1配向層22からの距離が最も大きい部分が含まれる平面である。第2配向層23に接する空隙層において、第2配向層23に接する面が第1面であり、第1面とは反対側の面が第2面である。なお、第2面は、空隙層に含まれる空隙21Dのうちで、第2配向層23からの距離が最も大きい部分が含まれる平面である。第1配向層22に接する空隙層の第2面と、第2配向層23に接する空隙層の第2面とは、同一の面であってもよい。
調光シート11は、第1高密度部21H1、第2高密度部21H2、および、低密度部21Lを備えている。調光層21の厚さ方向において、低密度部21Lは、第1高密度部21H1と第2高密度部21H2とに挟まれている。低密度部21Lは、第1配向層22に接する空隙層において空隙21Dが位置しない部分を含み、かつ、第2配向層23に接する空隙層において空隙21Dが位置しない部分を含む。そのため、低密度部21Lにおける液晶組成物21LCの密度は、第1高密度部21H1における液晶組成物21LCの密度、および、第2高密度部21H2における液晶組成物21LCの密度よりも小さい。
また、図4が示す例においても、調光層21では、調光層21の厚さ方向における中間で液晶組成物21LCの密度が最も低い。
[試験例]
調光シート11の具体的な試験例を以下に示す。なお、試験例1から試験例10の調光シート11は、リバース型の調光シート11である。試験例1から試験例10では、第1配向層22および第1透明電極層24を備えた第1透明基材26と、第2配向層23および第2透明電極層25を備えた第2透明基材27との間に、液晶分子LCM、二色性色素DP、反応性メソゲン化合物、重合性組成物、重合開始剤、および、スペーサー21Sを含む塗膜を形成し、塗膜のなかで重合性組成物を重合させることによって、調光シート11を得た。
また、試験例21から試験例24の調光シートは、ノーマル型の調光シートである。試験例21から試験例24は、配向層22,23、透明電極層24,25、および、透明基材26,27を備えている。試験例21から試験例24の調光シートは、配向層22,23の間に、液晶分子LCM、二色性色素DP、反応性メソゲン化合物、重合性組成物、重合開始剤、および、スペーサー21Sを含む塗膜を形成し、塗膜のなかで紫外線硬化性化合物を重合させることによって得られた。ノーマル型の調光シートが備える配向層22,23は、二色性色素に配向規制力を作用させ、二色性色素の水平配向による吸光を高める。
また、試験例25から試験例37の調光シートは、試験例1の調光シート11から配向層22,23が省略された構成を有する。すなわち、調光シートは、透明電極層24,25、および透明基材26,27を備えている。調光シートの型式は、ノーマル型である。試験例25から試験例37の調光シートは、透明電極層24,25の間に、液晶分子LCM、二色性色素DP、反応性メソゲン化合物、重合性組成物、重合開始剤、および、スペーサー21Sを含む塗膜を形成し、塗膜のなかで紫外線硬化性化合物を重合させることによって得られた。
試験例1から試験例10に共通する材料を以下に示す。
(a)配向層22,23 : 垂直配向膜
(b)透明電極層24,25 : 酸化インジウムスズ
(c)透明基材26,27 : ポリエチレンテレフタレートフィルム
(d)スペーサー21S : シリカ製の真球状粒子
(e)液晶分子LCM : フッ素系液晶化合物
(f)重合開始剤 : 光重合開始剤(Irgacure Oxe04、BASF社製)
(g)重合性組成物 : イソボニルアクリレートと、ペンタエリスリトールトリアクリレートと、ウレタンアクリレートとの混合物
(h)二色性色素DP : アゾ系化合物混合色素(Irgaphor Black X12 DC、BASF社製)
[試験例1]
塗液の総質量に対する材料(e)から材料(h)の配合比を以下のように設定した。なお、試験例1では、7μmの粒径を有した黒色のスペーサーを用いた。
(e)液晶分子LCM : 46質量%
(f)重合開始剤 : 1質量%
(g)重合性組成物 : 49質量%
(h)二色性色素DP : 2質量%
試験例1の塗液を用いて第1配向層22上に塗膜を形成した。そして、塗膜を第1配向層22と第2配向層23とによって挟んだ状態で、第1透明基材26に向けて365nmの紫外光線を照射することによって、7μmの厚さを有した調光層21を形成した。この際に、紫外線の積算光量を1380mJ/cmに設定した。これにより、試験例1の調光シート11を得た。
[試験例2]
試験例1と同様の方法によって、試験例2の調光シートを得た。
[試験例3]
試験例1において、スペーサー21Sの粒径を8μmに変更し、かつ、積算光量を780mJ/cmに変更し、これによって8μmの厚さを有した調光層を形成した以外は、試験例1と同様の方法によって、試験例3の調光シートを得た。
[試験例4]
試験例3と同様の方法によって、試験例4の調光シートを得た。
[試験例5]
塗液の総質量に対する材料(e)から材料(h)の配合比を以下のように設定した。なお、試験例1では、8μmの粒径を有した黒色のスペーサーを用いた。
(e)液晶分子LCM : 50質量%
(f)重合開始剤 : 1質量%
(g)重合性組成物 : 45質量%
(h)二色性色素DP : 2質量%
また、積算光量を810mJ/cmに変更した以外は、試験例1と同様の方法によって、8μmの厚さを有した調光層を備える試験例5の調光シートを得た。
[試験例6]
試験例5と同様の方法によって、試験例6の調光シートを得た。
[試験例7]
試験例1において、スペーサー21Sの粒径を8μmに変更し、積算光量を920mJ/cmに変更した以外は、試験例1と同様の方法によって、8μmの厚さを有した調光層を備える試験例7の調光シートを得た。
[試験例8]
試験例1において、スペーサー21Sの粒径を8μmに変更し、積算光量を1380mJ/cmに変更した以外は、試験例1と同様の方法によって、8μmの厚さを有した調光層を備える試験例8の調光シートを得た。
[試験例9]
試験例5において、積算光量を840mJ/cmに変更した以外は、試験例5と同様の方法によって、試験例9の調光シートを得た。
[試験例10]
試験例9において、積算光量を800mJ/cmに変更した以外は、試験例9と同様の方法によって、試験例10の調光シートを得た。
[試験例11]
試験例1の調光シートに対して試験例2の調光シートを積み重ねることによって、試験例11の調光シートを得た。この際に、試験例1の調光シートと試験例2の調光シートとの間に、光学用透明粘着剤を用いて、30μmの厚さを有した粘着層を形成し、これによって、試験例2の調光シートを試験例1の調光シートに貼り付けた。
[試験例12]
試験例11において、試験例3の調光シートに対して試験例4の調光シートを積み重ねた以外は、試験例11と同様の方法によって、試験例12の調光シートを得た。
[試験例13]
試験例11において、試験例5の調光シートに対して試験例6の調光シートを積み重ねた以外は、試験例11と同様の方法によって、試験例13の調光シートを得た。
[試験例14]
試験例11において、試験例7の調光シートに対して試験例8の調光シートを積み重ねた以外は、試験例11と同様の方法によって、試験例14の調光シートを得た。
[試験例15]
試験例11において、試験例9の調光シートに対して試験例10の調光シートを積み重ねた以外は、試験例11と同様の方法によって、試験例15の調光シートを得た。
[試験例21]
塗液の総質量に対する材料(e)から材料(h)の配合比を以下のように設定した。なお、試験例21では、15μmの粒径を有した黒色のスペーサー21Sを用いた。
(e)液晶化合物LCM:55質量%
(f)重合開始剤:1質量%
(g)重合性組成物:40質量%
(h)二色性色素:2.2質量%
試験例21の塗液を用いて第1配向層22上に塗膜を形成した。次に、試験例21の塗膜を第1配向層22と第2配向層23とによって挟んだ状態で、第1透明基材26に向けて365nmの紫外光線を照射し、15μmの厚さを有した調光層21を形成した。この際に、紫外線の積算光量を1200mJ/cmに設定した。
[試験例22]
試験例21において、配向層22,23にラビング処理を施したこと以外は、試験例21と同様の方法によって、試験例22の調光シートを得た。
[試験例23]
試験例21との同様の方法によって、試験例23の調光シートを得た。
[試験例24]
試験例22と同様の方法によって、試験例24の調光シートを得た。
[試験例25]
塗液の総質量に対する材料(e)から材料(h)の配合比を以下のように設定した。なお、試験例25では、15μmの粒径を有した黒色のスペーサーを用いた。
(e)液晶化合物LCM:55質量%
(f)重合開始剤:1質量%
(g)重合性組成物:39質量%
(h)二色性色素:3.0質量%
試験例25の塗液を用いて第1透明電極層24上に塗膜を形成した。次に、塗膜を第1透明電極層24と第2透明電極層25とによって挟んだ状態で、第1透明基材26に向けて365nmの紫外光線を照射し、15μmの厚さを有した調光層21を形成した。この際に、紫外線の積算光量を1500mJ/cmに設定した。
[試験例26]から[試験例29]
試験例25と同様の方法によって、試験例26から試験例29の調光シートを得た。
[試験例30]および[試験例31]
試験例25において、二色性色素の配合比を4.0質量%に変更し、重合性組成物を38質量%に変更した以外は、試験例25と同様の方法によって、試験例30から試験例31の調光シートを得た。
[試験例32]から[試験例37]
試験例25において、二色性色素の配合比を5.0質量%に変更し、重合性組成物を37質量%に変更した以外は、試験例25と同様の方法によって、試験例32から試験例37の調光シートを得た。
[評価方法]
[ヘイズ]
試験例1から試験例37の調光シートの各々について、明状態でのヘイズと、暗状態でのヘイズとを算出した。ヘイズの算出には、ASTM D 1003-00に準拠した方法を用いた。この際に、全光線透過率、平行線透過率、および、拡散透過率も算出した。各調光シートにおいて、一対の透明電極層間に電位差が生じていない状態、すなわち、一対の透明電極間に交流電圧を印加していない状態を明状態に設定した。また、一対の透明電極層間に50Hzかつ40Vの矩形波状を有した交流電圧を印加している状態を暗状態に設定した。なお、ヘイズ、全光線透過率、平行線透過率、および、拡散透過率の算出には、ヘイズ・透明性測定器(BYK haze-gard i instrument、BYK Gardner社製)を用いた。
[クラリティ]
試験例1から試験例37の調光シートの各々について、暗状態でのクラリティを算出した。クラリティは、調光層を透過した光のなかで、調光層に入射した平行光の光軸に沿って直進する直進光の光量を光量Lとし、平行光LPの光軸に対する角度が±2.5°以内である狭角散乱光の光量を光量Lとするときに、以下の式(1)によって算出される。なお、ヘイズの算出時と同様に、一対の透明電極層間に50Hzかつ40Vの矩形波状を有した交流電圧を印加している状態を暗状態に設定した。
100×(L-L)/(L+L) … 式(1)
なお、クラリティの算出には、ASTM D 1003-00に準拠した方法を用い、かつ、ヘイズ・透明性測定器(BYK haze-gard i instrument、BYK Gardner社製)を用いた。
[評価結果]
図5から図11を参照して、各調光シートについて光学特性を評価した結果を説明する。
図5が示すように、試験例1から試験例10の調光シート11では、調光シート11が明状態を呈するときの全光線透過率が30%以上であることが認められた。これに対して、試験例11から試験例15の調光シート11では、調光シート11が明状態を呈するときの全光線透過率が25%以下であり、特に、試験例12から試験例15の調光シート11では、全光線透過率が20%以下であることが認められた。
また、調光シート11が暗状態を呈する場合には、試験例1から試験例11の調光シート11では、全光線透過率が7%を超える一方で、試験例12から試験例15の調光シート11では、全光線透過率が7%以下であることが認められた。また、試験例1から試験例11の調光シート11では、平行線透過率が2%を超える一方で、試験例12から試験例15の調光シート11では、平行線透過率が2%以下であることが認められた。
また、試験例1から試験例11の調光シート11では、拡散透過率が6%を超える一方で、試験例12から試験例15の調光シート11では、拡散透過率が6%以下であることが認められた。また、試験例1から試験例11の調光シート11では、ヘイズが96%未満である一方で、試験例12から試験例15の調光シート11では、ヘイズが96%以上であることが認められた。また、試験例1から試験例11、および、試験例14の調光シート11では、クラリティが72%を超える一方で、試験例12,13,15の調光シート11では、クラリティが72%以下であることが認められた。
そして、試験例1から試験例11ではコントラストが2.5未満である一方で、試験例12から試験例15ではコントラストが3以上であることが認められた。
図6が示すように、試験例21から試験例37の調光シートでは、調光シートが明状態を呈するときの全光線透過率が4%以上31.5%以下の範囲内に含まれることが認められた。調光シートが暗状態を示す場合には、試験例21から試験例26、試験例30および試験例31の調光シートでは、全光線透過率が1.0%以上である一方で、試験例27から試験例29、および、試験例32から試験例37の調光シートでは、全光線透過率が1.0%未満であることが認められた。また、試験例21および試験例22の調光シートでは、平行線透過率が1.0%以上である一方で、試験例23から試験例37の調光シートでは、平行線透過率が1.0%未満であることが認められた。特に、試験例23から試験例25、試験例30、および、試験例31の調光シートでは、平行線透過率が0.2%以上であり、試験例26から試験例29、および、試験例32から試験例37の調光シートでは、平行線透過率が0.1%以下であることが認められた。
また、試験例21から試験例26、試験例31の調光シートでは、拡散透過率が1%以上である一方で、試験例27から試験例30、および、試験例32から試験例37の調光シートでは、拡散透過率が1%未満であることが認められた。また、試験例21から試験例37の調光シートでは、ヘイズが78.2%以上95.1%以下の範囲内に含まれることが認められた。また、試験例21から試験例37の調光シートでは、クラリティが25.4%以上87.6%以下の範囲内に含まれることが認められた。
そして、試験例21から試験例24の調光シートでは、コントラストが3以上5未満の範囲内に含まれ、試験例25、試験例26、試験例30、試験例31の調光シートでは、コントラストが5以上10未満の範囲内に含まれることが認められた。また、試験例27から試験例29、および、試験例32から試験例37の調光シートでは、コントラストが10以上15未満の範囲内に含まれることが認められた。
以下に参照する図7から図11では、リバース型の調光シートにおける評価結果が白抜きの丸で示される一方、ノーマル型の調光シートにおける評価結果が黒塗りの四角で示されている。
図7は、平行線透過率とコントラストとの関係を示すグラフである。図7が示すように、リバース型の調光シート11では、平行線透過率が2%以下である場合に、平行線透過率が2%を超える場合に比べて、暗状態での全光線透過率に対する明状態での全光線透過率の比であるコントラストが大幅に大きくなることが認められた。すなわち、暗状態での平行線透過率が2%以下であることによって、コントラストを顕著に高めることが可能であることが認められた。
一方で、ノーマル型の調光シートでは、平行線透過率が1%以下である場合に、平行線透過率が1%を超える場合に比べて、コントラストが急峻に大きくなることが認められた。また、平行線透過率が0.2%以下である場合に、コントラストが5を超え、かつ、平行線透過率が0.1%以下である場合に、コントラストが10を超えることが認められた。すなわち、ノーマル型の調光シートにおいてコントラストを高める観点では、平行線透過率が1%以下であることが好ましく、平行線透過率が0.2%以下であることがより好ましく、平行線透過率が0.1%以下であることがさらに好ましいといえる。
図8は、全光線透過率とコントラストとの関係を示すグラフであり、図9は、拡散透過率とコントラストとの関係を示すグラフである。図8が示すように、リバース型の調光シート11では、全光線透過率が10%未満であって、特に7%以下である場合に、コントラストが大幅に大きくなることが認められた。すなわち、暗状態での全光線透過率が7%以下であることによって、コントラストを顕著に高めることが可能であることが認められた。一方で、ノーマル型の調光シートでは、全光線透過率が3.6%以下である場合に、コントラストが大幅に大きくなることが認められた。また、ノーマル型の調光シートでは、全光線透過率が2.5%以下である場合に、コントラストがより大きくなり、かつ、全光線透過率が0.7%以下である場合に、コントラストがさらに大きくなることが認められた。すなわち、ノーマル型の調光シートにおいてコントラストを高める観点では、全光線透過率が3.6%以下であることが好ましく、全光線透過率が2.5%以下であることがより好ましく、全光線透過率が0.7%以下であることがさらに好ましいといえる。
図9が示すように、リバース型の調光シート11では、拡散透過率が7%未満であって、特に6%以下である場合に、コントラストが大幅に大きくなることが認められた。すなわち、暗状態での全光線透過率が7%以下であることによって、コントラストを顕著に高めることが可能であることが認められた。
一方で、ノーマル型の調光シートでは、拡散透過率が3.2%以下である場合に、コントラストが大幅に大きくなることが認められた。また、ノーマル型の調光シートでは、拡散透過率が2.3%以下である場合に、コントラストがより大きくなり、かつ、拡散透過率が0.6%以下である場合に、コントラストがさらに大きくなることが認められた。すなわち、ノーマル型の調光シートにおいてコントラストを高める観点では、拡散透過率が3.2%以下であることが好ましく、拡散透過率が2.3%以下であることがより好ましく、拡散透過率が0.6%以下であることがさらに好ましいといえる。
図10は、ヘイズとコントラストとの関係を示すグラフであり、図11は、クラリティとコントラストとの関係を示すグラフである。図10が示すように、リバース型の調光シート11においてヘイズが80%以上である場合に、ヘイズが大きいほどコントラストが大きくなることが認められた。また、図11が示すように、リバース型の調光シート11においてクラリティが80%以下である場合に、クラリティが80%を超える場合に比べて、コントラストが高められることが認められた。
以上説明したように、調光シートの一実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)リバース型の調光シート11を透過する全光線のうち、平行成分の透過率が2%以下であることによって、全てのユニットが第1状態を呈するときと、全てのユニットが第2状態を呈するときとの間におけるコントラストを高めることが可能である。
(2)条件2を満たす場合には、調光シート11を透過する全光線のほとんどが拡散成分であるから、全てのユニットが第2状態を呈するときの濁り度合いを高め、これによって調光シート11を介して視認される物体の像をぼやかすことが可能である。
(3)条件3を満たす場合には、全てのユニットが第1状態を呈するときの全光線透過率との差を大きくすることが可能であり、これによってコントラストを高めることが可能である。
(4)条件4を満たす場合には、全てのユニットが第2状態を呈する場合に平行成分と拡散成分との両方の透過率を低めることが可能である。これにより、全てのユニットが第1状態を呈するときの全光線透過率との差を大きくすることが可能であるから、コントラストを高めることが可能である。
(5)調光シート11が2つ以上のユニットを備える場合には、調光シート11が1つのユニットのみを備える場合に比べて、調光シートに入射した光の光路長を長くすることが可能である。
(6)ノーマル型の調光シートを透過する全光線のうち、平行成分の透過率が1%以下であることによって、全てのユニットが第1状態を呈するときと、全てのユニットが第2状態を呈するときとの間におけるコントラストを高めることが可能である。
なお、上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[調光層]
・調光層21において、透明高分子層21Pの空隙21Dは、透明高分子層21Pの厚さ方向における全体に分散していてもよい。
10…調光装置
11…調光シート
11UN…ユニット
11UN1…第1ユニット
11UN2…第2ユニット
21…調光層
22…第1配向層
23…第2配向層
24…第1透明電極層
25…第2透明電極層

Claims (6)

  1. 厚さ方向における繰り返しの単位であるユニットを1つ以上備え、
    前記ユニットは、
    第1透明電極層と、
    第2透明電極層と、
    前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に位置する調光層であって、空隙を有する透明高分子層と、前記空隙内に位置する液晶組成物とを備え、前記液晶組成物が液晶分子と二色性色素とを含む前記調光層と、
    前記第1透明電極層と前記調光層との間に位置する第1配向層と、
    前記第2透明電極層と前記調光層との間に位置する第2配向層と、を備え、
    前記ユニットは、前記調光層に電圧が印加されていないときに第1状態を呈し、前記調光層に電圧が印加されているときに、前記第1状態よりも全光線透過率が低い第2状態を呈し、
    全ての前記ユニットが前記第2状態を呈するときに、2%以下の平行線透過率を有する
    調光シート。
  2. 全ての前記ユニットが前記第2状態を呈するときに、96%以上のヘイズを有する
    請求項1に記載の調光シート。
  3. 全ての前記ユニットが前記第2状態を呈するときに、7%以下の前記全光線透過率を有する
    請求項1または2に記載の調光シート。
  4. 全ての前記ユニットが前記第2状態を呈するときに、6%以下の拡散透過率を有する
    請求項1または2に記載の調光シート。
  5. 2つ以上の前記ユニットを備える
    請求項1または2に記載の調光シート。
  6. 厚さ方向における繰り返し単位であるユニットを1つ以上備え、
    前記ユニットは、
    第1透明電極層と、
    第2透明電極層と、
    前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に位置する調光層であって、空隙を有する透明高分子層と、前記空隙内に位置する液晶組成物とを備え、前記液晶組成物が液晶分子と二色性色素とを含む前記調光層と、を備え、
    前記ユニットは、前記調光層に電圧が印加されているときに第1状態を呈し、前記調光層に電圧が印加されていないときに、前記第1状態よりも全光線透過率が低い第2状態を呈し、
    全ての前記ユニットが前記第2状態を呈するときに、1%以下の平行線透過率を有する
    調光シート。
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