JP2020129055A - 視野角制御フィルム、バックライトユニットおよび液晶表示装置 - Google Patents
視野角制御フィルム、バックライトユニットおよび液晶表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020129055A JP2020129055A JP2019021360A JP2019021360A JP2020129055A JP 2020129055 A JP2020129055 A JP 2020129055A JP 2019021360 A JP2019021360 A JP 2019021360A JP 2019021360 A JP2019021360 A JP 2019021360A JP 2020129055 A JP2020129055 A JP 2020129055A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid crystal
- angle control
- control film
- viewing angle
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
Abstract
【課題】視野角の広狭を切り替えたときの画像の色相の変化を抑制できるとともに、高い輝度を実現可能な視野角制御フィルムを提供すること。【解決手段】第1の透明電極層付基材10と、高分子マトリクスおよび該高分子マトリクス中に分散した液晶化合物の液滴を含む高分子分散型液晶層20と、第2の透明電極層付基材30と、をこの順に備える視野角制御フィルム100aであって、高分子分散型液晶層の厚みが、2μm〜15μmであり、視野角制御フィルムの主面に垂直な方向から見た場合の液滴の平均粒子径dが、5μm〜9μmであり、液滴の平均粒子径dに対する高分子分散型液晶層の厚みDの割合[D/d]が、0.3〜3.0である、視野角制御フィルム。【選択図】図1
Description
本発明は、視野角制御フィルムならびに該視野角制御フィルムを用いたバックライトユニットおよび液晶表示装置に関する。
通常、液晶表示装置は、視認者の位置が固定されずあらゆる角度から視認される場面(例えば、電子広告、通常使用のテレビ、パソコン等)で用いられる場合、広視野角が求められる。その一方で、視認者の位置が狭い範囲に限定されている場合、のぞき見を防止する等の目的から、狭い視野角での画像表示が可能な液晶表示装置(例えば、携帯電話、公共の場で用いるノートパソコン、現金自動預け払い機、乗り物のシートモニター等に用いられる液晶表示装置)も求められている。
広視野角と狭視野角とを切り替え可能な液晶表示装置として、液晶パネルと、液晶調光層を含む視野角制御手段と、導光板とを視認側からこの順に備える液晶表示装置が提案されている。このような液晶表示装置においては、視野角制御手段が導光板から出射した光の散乱状態を変化させることにより、視野角の広狭を制御することができる一方で、視野角の広狭を切り替えたときに、画像の色相が変化してしまうという問題があった。
これに対し、特許文献1では、液晶調光層に光の吸収に異方性を有する二色性色素を含有させることにより、画像の色相の変化を抑制することが開示されている。しかしながら、近年の液晶表示装置では、低い消費電力で、例えば、電圧印加時および電圧無印加時の双方において、高い輝度であることが求められており、光を吸収する色素を利用する特許文献1の技術では、画像の色相の変化の抑制と高輝度化との両立が困難である。また、昨今のディスプレイの薄型化の要望により、液晶調光層も薄型であることが望ましい。さらには、低消費電力化の要望も高まっており、低い駆動電圧を達成する観点からも液晶調光層は薄型であることが好ましい。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、視野角の広狭を切り替えたときの画像の色相の変化を抑制できるとともに、高い輝度を実現可能な視野角制御フィルムならびに該視野角制御フィルムを用いたバックライトユニットおよび液晶表示装置を提供することにある。さらには、当該課題を薄型の液晶調光層で解決することも目的の1つである。
本発明の1つの局面によれば、第1の透明電極層付基材と、高分子マトリクスおよび該高分子マトリクス中に分散した液晶化合物の液滴を含む高分子分散型液晶層と、第2の透明電極層付基材と、をこの順に備える視野角制御フィルムであって、該高分子分散型液晶層の厚みが、2μm〜15μmであり、該視野角制御フィルムの主面に垂直な方向から見た場合の該液滴の平均粒子径dが、5μm〜9μmであり、該液滴の平均粒子径dに対する該高分子分散型液晶層の厚みDの割合[D/d]が、0.3〜3.0である、視野角制御フィルムが提供される。
1つの実施形態において、上記液滴の平均粒子径dのCV値が、0.40未満である。
1つの実施形態において、上記第1の透明電極層付基材および上記第2の透明電極層付基材の少なくとも一方が、光透過性基材と、屈折率調整層と、透明電極層と、をこの順に有する。
1つの実施形態において、上記視野角制御フィルムの電圧無印加時のヘイズが、70%〜92%である。
本発明の別の局面によれば、液晶パネルと、上記視野角制御フィルムと、面光源装置と、を視認側からこの順に備える液晶表示装置が提供される。
本発明のさらに別の局面によれば、面光源装置と、該面光源装置の出光面側に配置された上記視野角制御フィルムと、を備えるバックライトユニットが提供される。
1つの実施形態において、上記液滴の平均粒子径dのCV値が、0.40未満である。
1つの実施形態において、上記第1の透明電極層付基材および上記第2の透明電極層付基材の少なくとも一方が、光透過性基材と、屈折率調整層と、透明電極層と、をこの順に有する。
1つの実施形態において、上記視野角制御フィルムの電圧無印加時のヘイズが、70%〜92%である。
本発明の別の局面によれば、液晶パネルと、上記視野角制御フィルムと、面光源装置と、を視認側からこの順に備える液晶表示装置が提供される。
本発明のさらに別の局面によれば、面光源装置と、該面光源装置の出光面側に配置された上記視野角制御フィルムと、を備えるバックライトユニットが提供される。
本発明においては、高分子分散型液晶層の厚みD、液晶化合物の液滴の平均粒子径dおよびこれらの割合(D/d)をそれぞれ所定の範囲となるように制御する。これにより、視野角制御フィルムにおいて、透明状態での透過光の波長スペクトルと散乱状態での透過光の波長スペクトルとの差が低減される結果、視野角の広狭を切り替えたときの色相の変化が抑制されて、ニュートラルな色相表示が可能となる。また、高分子分散型液晶層内での透過光の多重散乱が抑制されて、輝度が向上され得る。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。なお、本明細書中で、数値範囲を表す「〜」は、その上限および下限の数値を含む。
A.視野角制御フィルム
本発明の視野角制御フィルムは、第1の透明電極層付基材と、高分子マトリクスおよび該高分子マトリクス中に分散した液晶化合物の液滴を含む高分子分散型液晶層と、第2の透明電極層付基材と、をこの順に備える。
本発明の視野角制御フィルムは、第1の透明電極層付基材と、高分子マトリクスおよび該高分子マトリクス中に分散した液晶化合物の液滴を含む高分子分散型液晶層と、第2の透明電極層付基材と、をこの順に備える。
図1および図2はそれぞれ、本発明の1つの実施形態における視野角制御フィルムの概略断面図である。図1に示される視野角制御フィルム100aは、第1の透明電極層付基材10と、高分子分散型液晶層20と、第2の透明電極層付基材30と、をこの順に備え、第1の透明電極層付基材10および第2の透明電極層付基材30はそれぞれ、光透過性基材12、32と、その一方の側(高分子分散型液晶層20側)に設けられた透明電極層14、34と、を有する。駆動モードに応じて、透明電極層14、34の表面には配向膜(図示せず)が設けられてもよい。
図2に示される視野角制御フィルム100bは、第1の透明電極層付基材10と、高分子分散型液晶層20と、第2の透明電極層付基材30と、をこの順に備える。フィルム100bは、第1の透明電極層付基材10および第2の透明電極層付基材30がそれぞれ、光透過性基材12、32の両面にハードコート層16a、16b、36a、36bを有している点および光透過性基材12、32と透明電極層14、34との間に屈折率調整層18、38を有している点において、視野角制御フィルム100aと異なっている。
視野角制御フィルムの全体厚みは、例えば30μm〜250μm、好ましくは50μm〜150μmである。
視野角制御フィルムは、印加される電圧に応じて透過光の拡散度合い(結果として、ヘイズ)を変化させ得る。1つの実施形態においては、視野角制御フィルムのヘイズが所定の値以上である場合を散乱状態とし、該ヘイズが所定の値未満である場合を透明状態ということができる。透過光の拡散度合いを制御するために調光フィルムに印加される電圧(駆動電圧)は、例えば100V以下、好ましくは50V以下である。
視野角制御フィルムは、散乱状態において、例えば70%〜92%、より好ましくは75%〜90%のヘイズを有し得る。散乱状態におけるヘイズが上記範囲内である場合、視野角制御フィルムが液晶表示装置に組み込まれた際に、光源からの光を十分に散乱させることができるので、広視野角表示を好適に実現することができる。一方、ヘイズが大き過ぎると、多重散乱を起こし輝度が低下し得る。
視野角制御フィルムは、透明状態において、例えば30%未満、好ましくは15%以下、より好ましくは0.1%〜12%のヘイズを有し得る。透明状態におけるヘイズが上記範囲内である場合、視野角制御フィルムが液晶表示装置に組み込まれた際に、狭視野角表示を好適に実現することができる。
視野角制御フィルムは、透明状態および散乱状態の両方において、好ましくは85%〜99%の全光線透過率、より好ましくは86%〜95%の全光線透過率を有する。
A−1.第1の透明電極層付基材
図1または図2に示されるとおり、第1の透明電極層付基材10は、第1の光透過性基材12とその一方の側に設けられた第1の透明電極層14とを有する。第1の透明電極層付基材10は、必要に応じて、第1の光透過性基材12の片面または両面にハードコート層を有していてもよく、また、第1の光透過性基材12と第1の透明電極層14との間に屈折率調整層を有していてもよい。
図1または図2に示されるとおり、第1の透明電極層付基材10は、第1の光透過性基材12とその一方の側に設けられた第1の透明電極層14とを有する。第1の透明電極層付基材10は、必要に応じて、第1の光透過性基材12の片面または両面にハードコート層を有していてもよく、また、第1の光透過性基材12と第1の透明電極層14との間に屈折率調整層を有していてもよい。
第1の透明電極層付基材の表面抵抗値は、好ましくは1Ω/□〜1000Ω/□であり、より好ましくは5Ω/□〜300Ω/□であり、さらに好ましくは10Ω/□〜200Ω/□である。
第1の透明電極層付基材のヘイズ値は、好ましくは20%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは0.1%〜10%である。
第1の透明電極層付基材の全光線透過率は、好ましくは30%以上であり、より好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。
A−1−1.第1の光透過性基材
第1の光透過性基材は、任意の適切な材料を用いて形成され得る。形成材料としては、フィルムやプラスチックス基材等の高分子基材が好ましく用いられる。
第1の光透過性基材は、任意の適切な材料を用いて形成され得る。形成材料としては、フィルムやプラスチックス基材等の高分子基材が好ましく用いられる。
上記高分子基材は、代表的には熱可塑性樹脂を主成分とする高分子フィルムである。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリノルボルネン等のシクロオレフィン系樹脂;アクリル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;セルロース系樹脂等が挙げられる。なかでも、ポリノルボルネン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂またはポリカーボネート樹脂が好ましく用いられ得る。上記熱可塑性樹脂は、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
第1の光透過性基材の厚みは、好ましくは20μm〜200μmであり、より好ましくは30μm〜100μmである。
A−1−2.第1の透明電極層
第1の透明電極層は、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)等の金属酸化物を用いて形成され得る。この場合、金属酸化物は、アモルファス金属酸化物であってもよく、結晶化金属酸化物であってもよい。
第1の透明電極層は、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)等の金属酸化物を用いて形成され得る。この場合、金属酸化物は、アモルファス金属酸化物であってもよく、結晶化金属酸化物であってもよい。
第1の透明電極層はまた、銀ナノワイヤー(AgNW)等の金属ナノワイヤ、カーボンナノチューブ(CNT)、有機導電膜、金属層またはこれらの積層体によって形成され得る。
第1の透明電極層は、目的に応じて、所望の形状にパターニングされていてもよい。
第1の透明電極層の厚みは、好ましくは0.01μm〜0.10μmであり、より好ましくは0.01μm〜0.045μmである。
第1の透明電極層は、例えば、スパッタリングよって、第1の光透過性基材の一方の面に設けられる。スパッタリングによって金属酸化物層を形成後、アニーリングすることにより結晶化することができる。アニーリングは、例えば120℃〜300℃、10分〜120分熱処理することにより行われる。
A−1−3.ハードコート層
ハードコート層は、視野角制御フィルムに耐擦傷性および表面平滑性を付与するとともに、取扱性の向上に寄与し得る。ハードコート層は、例えば、任意の適切な紫外線硬化型樹脂の硬化層であり得る。紫外線硬化型樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。
ハードコート層は、視野角制御フィルムに耐擦傷性および表面平滑性を付与するとともに、取扱性の向上に寄与し得る。ハードコート層は、例えば、任意の適切な紫外線硬化型樹脂の硬化層であり得る。紫外線硬化型樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。
ハードコート層は、紫外線硬化型樹脂のモノマーまたはオリゴマーと必要に応じて光重合開始剤等とを含む塗工液を第1の光透過性基材に塗工および乾燥し、乾燥した塗工層に紫外線を照射して硬化させることにより形成され得る。
ハードコート層の厚みは、好ましくは0.4μm〜40μmであり、より好ましくは1μm〜10μmである。
A−2.第2の透明電極層付基材
図1または図2に示されるとおり、第2の透明電極層付基材30は、第2の光透過性基材32とその一方の側に設けられた第2の透明電極層34とを有する。第2の透明電極層付基材30は、必要に応じて、第2の光透過性基材32の片面または両面にハードコート層を有していてもよく、また、第2の光透過性基材32と第2の透明電極層34との間に屈折率調整層を有していてもよい。第2の透明電極層付基材は、第1の透明電極層付基材と同じ構成を有していてもよく、異なる構成を有していてもよい。
図1または図2に示されるとおり、第2の透明電極層付基材30は、第2の光透過性基材32とその一方の側に設けられた第2の透明電極層34とを有する。第2の透明電極層付基材30は、必要に応じて、第2の光透過性基材32の片面または両面にハードコート層を有していてもよく、また、第2の光透過性基材32と第2の透明電極層34との間に屈折率調整層を有していてもよい。第2の透明電極層付基材は、第1の透明電極層付基材と同じ構成を有していてもよく、異なる構成を有していてもよい。
第2の透明電極層付基材の表面抵抗値は、好ましくは1Ω/□〜1000Ω/□であり、より好ましくは5Ω/□〜300Ω/□であり、さらに好ましくは10Ω/□〜200Ω/□である。
第2の透明電極層付基材のヘイズ値は、好ましくは20%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは0.1%〜10%である。
第2の透明電極層付基材の全光線透過率は、好ましくは30%以上であり、より好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。
第2の透明電極層付基材を構成する各部材(具体的には、第2の光透過性基材、第2の透明電極層、ハードコート層および屈折率調整層)についてはそれぞれ、第1の透明電極層付基材を構成する各部材と同様の説明が適用され得る。
A−3.高分子分散型液晶層
図3(a)は、本発明の視野角制御フィルムに用いられ得る高分子分散型液晶層(以下、「PDLC層」と称する場合がある)の概略断面図であり、図3(b)は、図3(a)に示すPDLC層を視野角制御フィルムの主面に垂直な方向から見たときの概略上面図である。
図3(a)は、本発明の視野角制御フィルムに用いられ得る高分子分散型液晶層(以下、「PDLC層」と称する場合がある)の概略断面図であり、図3(b)は、図3(a)に示すPDLC層を視野角制御フィルムの主面に垂直な方向から見たときの概略上面図である。
図3(a)および(b)に示されるとおり、PDLC層20は、母材としての高分子マトリクス22と高分子マトリクス22中に分散した液晶化合物の液滴(以下、液晶ドロップレットと称する場合がある)24とを含む。
1つの実施形態において、PDLC層は、電圧が印加された状態で透明状態となり、電圧が印加されていない状態で散乱状態となる(ノーマルモード)。当該実施形態においては、電圧無印加時においては液晶化合物が配向していないために散乱状態となり、電圧の印加によって液晶化合物が配向して液晶化合物の屈折率と高分子マトリクスの屈折率とが揃う結果、透明状態となる。
別の実施形態において、PDLC層は、電圧が印加された状態で散乱状態となり、電圧が印加されていない状態で透明状態となる(リバースモード)。当該実施形態においては、透明電極層表面に設けられた配向膜によって電圧無印加時に液晶化合物が配向して透明状態となり、電圧の印加によって液晶化合物の配向が乱れて散乱状態となる。
視野角制御フィルムの主面に垂直な方向から見た場合の上記液晶ドロップレットの平均粒子径dは、5μm以上であり、好ましくは5.5μm以上である。また、液晶ドロップレットの平均粒子径dは、9μm以下であり、好ましくは8μm以下である。液晶ドロップレットの平均粒子径が小さすぎると、透明状態の透過光における長波長の光の割合が大きくなって橙色系の色相に変化し得る。また、該平均粒子径が大きすぎると、透明状態の透過光における短波長の光の割合が大きくなって青色系の色相に変化し得る。なお、液晶ドロップレットの平均粒子径dは、体積平均粒子径である。また、図3(a)では、液滴が球形である実施形態が図示されているが、当該図示例とは異なり、液滴は、上記平均粒子径dを満たす限りにおいて、厚み方向が短い扁平な形状であってもよい。
上記液晶ドロップレットの平均粒子径dは、比較的狭い粒度分布を有することが好ましい。粒子径の均一性を向上することにより、透過率の波長依存性の大きな粒径(例えば4μm未満または9μm超の粒子径)の液滴を含まなくなるので、全ての可視光波長に対して、透過率が一定の光散乱を実現できるという効果が得られ得る。上記平均粒子径dの変動係数(CV値)は、例えば0.40未満であり得、好ましくは0.35以下、より好ましくは0.30以下であり得る。1つの実施形態において、上記平均粒子径dが4μm未満または9μm超である液晶ドロップレットを実質的に含まないPDLC層(例えば、液晶ドロップレットの総体積に対する4μm未満または9μm超である液晶ドロップレットの占有する体積の割合が10%以下であるPDLC層)が用いられ得る。
上記液晶化合物としては、波長589nmにおいて0.08〜0.30の複屈折Δn(=ne−no;neは液晶化合物分子の長軸方向の屈折率、noは液晶化合物分子の短軸方向の屈折率)を有する非重合型の液晶化合物が好ましく用いられ得る。液晶化合物の複屈折が上記範囲内である場合、透明状態における斜め方向と正面方向とにおける色相の変化が抑制され得る。液晶化合物の複屈折Δnは、より好ましくは0.10〜0.20である。
上記液晶化合物としては、例えば、ネマティック型、スメクティック型、コレステリック型液晶化合物が挙げられる。透明状態において優れた透明性を実現する観点からは、ネマティック型液晶化合物を用いることが好ましい。上記ネマティック型液晶化合物としては、ビフェニル系化合物、フェニルベンゾエート系化合物、シクロヘキシルベンゼン系化合物、アゾキシベンゼン系化合物、アゾベンゼン系化合物、アゾメチン系化合物、ターフェニル系化合物、ビフェニルベンゾエート系化合物、シクロヘキシルビフェニル系化合物、フェニルピリジン系化合物、シクロヘキシルピリミジン系化合物、コレステロール系化合物等が挙げられる。
PDLC層における液晶化合物の含有割合は、例えば20重量%〜80重量%、好ましくは30重量%〜70重量%である。
上記高分子マトリクスを形成する樹脂としては、光透過率、上記液晶化合物の屈折率、透明電極層付基材との密着力等に応じて適切に選択され得る。例えば、ウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂等の水溶性樹脂または水分散性樹脂および液晶ポリマー、(メタ)アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド樹脂等の硬化型樹脂が挙げられる。なかでも、水溶性または水分散性のウレタン系樹脂およびアクリル系樹脂が好ましく用いられ得る。
PDLC層における高分子マトリクス形成用樹脂の含有割合は、例えば20重量%〜80重量%、好ましくは30重量%〜70重量%である。
PDLC層の厚みDは、2μm〜15μmであり、好ましくは3μm〜12μmである。
上記液晶ドロップレットの平均粒子径dに対するPDLC層の厚みDの割合[D/d]は、0.3以上、好ましくは0.8以上、より好ましくは1.0以上、さらに好ましくは1.2以上である。また、[D/d]は、3.0以下であり、好ましくは3.0未満、より好ましくは2.8以下、さらに好ましくは2.6以下である。
PDLC層の厚みDを15μm以下とし、かつ、[D/d]を所定の範囲とすることにより、光がPDLC層を通過する際に液晶ドロップレットを通過する回数が少なくなって(例えば3回未満)、多重散乱が抑制される結果、拡散状態(例えば電圧無印加時)での高輝度化が可能となる。一方、上記厚みDが小さすぎると、高分子マトリクスと液晶化合物との相分離において、透明電極層界面の物理的および/または化学的影響が生じ、一様な相分離が困難となり、目的とする平均粒子径が得られない、または、変動係数(CV値)の大きな粒径分布となる場合がある。
PDLC層は、任意の適切な方法で作製され得る。具体例としては、エマルション方式および重合誘起相分離方式の作製方法が挙げられる。
エマルション方式のPDLC層の作製方法は、例えば、第1の透明電極層付基材の透明電極層面に、高分子マトリクス形成用樹脂と液晶化合物とを含むエマルション塗工液を塗工して塗工層を形成すること、および、該塗工層を乾燥させて該高分子マトリクス形成用樹脂に高分子マトリクスを形成させること、を含む。該エマルション塗工液は、好ましくは高分子マトリクス形成用樹脂を連続相に含み、液晶化合物を分散相に含むエマルションであり、例えば、高分子マトリクス形成用樹脂と塗工溶剤(水、水性有機溶剤またはこれらの混合液等)との混合液を連続相に含み、液晶化合物を分散相に含むエマルションあり得る。エマルション化された塗工液を塗工および乾燥することにより、高分子マトリクス中に液晶ドロップレットが分散された構成を有するPDLC層が形成され得る。代表的には、形成されたPDLC層上に第2の透明電極層付樹脂基材を積層することにより、視野角制御フィルムが得られる。
上記エマルション方式を用いる場合は、膜乳化法等により予め所定の粒子径および粒子径分布に制御された液晶カプセルを含む液晶分散液を作製し、当該液晶分散液と高分子マトリクス形成用樹脂とを混合してエマルション塗工液を調製することができる。膜乳化法によれば、所定の粒子径を有し、かつ、粒度分布が揃った液晶カプセルが調製されることから、光拡散に色づきを与えるような粒子径のカプセルの混入が防止され得る。
上記液晶カプセルの平均粒子径d’は、例えば5μm以上であり、好ましくは5.5μm以上である。また、液晶カプセルの平均粒子径d’は、9μm以下であり、好ましくは8μm以下である。液晶カプセルの平均粒子径d’が小さすぎると、PDLC層における液晶ドロップレットの平均粒子径が小さくなりすぎ、透明状態の透過光における長波長の光の割合が大きくなって橙色系の色相に変化し得る。また、該平均粒子径d’が大きすぎると、同じくPDLC層において液晶ドロップレットの平均粒子径が大きくなりすぎ、透明状態の透過光における短波長の光の割合が大きくなって青色系の色相に変化し得る。なお、液晶カプセルの平均粒子径d’は、体積平均粒子径である。
上記エマルション塗工液における上記液晶カプセルの平均粒子径d’は、比較的狭い粒度分布を有することが好ましい。粒子径の均一性を向上することにより、PDLC層において透過率の波長依存性の大きな粒径(例えば4μm未満または9μm超の粒子径)の液晶ドロップレットを含まなくなるので、全ての可視光波長に対して、透過率が一定の光散乱を実現できるという効果が得られ得る。上記エマルション塗工液における液晶カプセルの平均粒子径d’の変動係数(CV値)は、例えば0.40未満であり得、好ましくは0.35以下、より好ましくは0.30以下であり得る。1つの実施形態において、上記平均粒子径d’が4μm未満または9μm超である液晶カプセルを実質的に含まないエマルション塗工液(例えば、液晶カプセルの総体積に対する4μm未満または9μm超である液晶カプセルの体積の割合が10%以下であるエマルション塗工液)が用いられ得る。
上記膜乳化法においては、液晶化合物と分散媒との混合液に、貫通孔を有する多孔膜を複数回通過させることによって所望の粒子径を有する液晶カプセルを含む液晶分散液が得られ得る。多孔膜を通過させる回数は、例えば10回以上とすることができる。多孔膜の孔径は、液晶カプセルに所望される径の略等倍〜略3倍程度であることが好ましい。また、多孔膜を通過させる際の分散液の流速は、例えば10mL/分/cm2〜150mL/分/cm2、好ましくは30mL/分/cm2〜90mL/分/cm2であってよい。なお、エマルション塗工液の乾燥によって形成されるPDLC層において、液晶ドロップレットの粒子径は、塗工液における液晶カプセルの粒子径よりも1μm程度大きく、もしくは小さくなり得る。膜乳化法の詳細については、特開平4−355719号公報、特開2015−40994号公報(これらは、本明細書に参考として援用される)等の開示を参照することができる。
重合誘起相分離方式のPDLC層の作製方法は、例えば、第1の透明電極層付基材の透明電極層面に、放射線硬化型の高分子マトリクス形成用樹脂と液晶化合物とを含む塗工液を塗工して塗工層を形成すること、塗工層上に第2の透明電極層付樹脂基材を積層して積層体を形成すること、および、該積層体に放射線を照射して高分子マトリクス形成用樹脂を重合させることにより高分子マトリクスと液晶化合物とを相分離させること、を含む。塗工液は、好ましくは均一相状態である。代替的には、スペーサーを介して積層された第1の透明電極層付基材と第2の透明電極層付基材との間に塗工液を充填し、その後、放射線照射による相分離が行われ得る。
上記重合誘起相分離方式を用いる場合は、透明電極層の表面を表面処理することにより、透明電極層界面の重合誘起相分離への化学的影響を防ぎ、液晶ドロップレットの粒子径および/または粒度分布を所望の範囲に調整することができる。表面処理としては、薄膜コーティング、シランカップリング剤等の樹脂コート、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化チタン等のスパッタ、プラズマ処理、UVオゾン処理、コロナ処理等が挙げられる。
B.液晶表示装置
B−1.液晶表示装置の全体構成
図4は、本発明の1つの実施形態による液晶表示装置1を説明する概略図である。本実施形態の液晶表示装置1は、液晶パネル200と;視野角制御フィルム100と;面光源装置300と;を、視認側からこの順に備える。図示しないが、液晶表示装置1には、この他に、液晶表示装置として動作するために必要とされる通常の配線、回路、部材などの機器が備えられている。
B−1.液晶表示装置の全体構成
図4は、本発明の1つの実施形態による液晶表示装置1を説明する概略図である。本実施形態の液晶表示装置1は、液晶パネル200と;視野角制御フィルム100と;面光源装置300と;を、視認側からこの順に備える。図示しないが、液晶表示装置1には、この他に、液晶表示装置として動作するために必要とされる通常の配線、回路、部材などの機器が備えられている。
上記液晶表示装置1において、視野角制御フィルム100は、A項に記載の視野角制御フィルムである。
B−2.液晶パネル
液晶パネル200は、代表的には、液晶セル210と、液晶セル210の視認側に配置された視認側偏光板220と、液晶セル210の視認側と反対側(すなわち、背面側)に配置された背面側偏光板230とを備える。視認側偏光板および背面側偏光板は、それぞれの吸収軸が実質的に直交または平行となるようにして配置され得る。
液晶パネル200は、代表的には、液晶セル210と、液晶セル210の視認側に配置された視認側偏光板220と、液晶セル210の視認側と反対側(すなわち、背面側)に配置された背面側偏光板230とを備える。視認側偏光板および背面側偏光板は、それぞれの吸収軸が実質的に直交または平行となるようにして配置され得る。
液晶セルは、一対の基板と、当該基板間に挟持された表示媒体としての液晶層とを有する。一般的な構成においては、一方の基板に、カラーフィルター及びブラックマトリクスが設けられており、他方の基板に、液晶の電気光学特性を制御するスイッチング素子と、このスイッチング素子にゲート信号を与える走査線及びソース信号を与える信号線と、画素電極及び対向電極とが設けられている。上記基板の間隔(セルギャップ)は、スペーサー等によって制御できる。上記基板の液晶層と接する側には、例えば、ポリイミドからなる配向膜等を設けることができる。
1つの実施形態においては、液晶層は、電界が存在しない状態でホモジニアス配列に配向させた液晶分子を含む。このような液晶層(結果として、液晶セル)は、代表的には、nx>ny=nzの3次元屈折率を示す。なお、本明細書において、ny=nzとは、nyとnzが完全に同一である場合だけでなく、nyとnzとが実質的に同一である場合も包含する。このような3次元屈折率を示す液晶層を用いる駆動モードの代表例としては、インプレーンスイッチング(IPS)モード、フリンジフィールドスイッチング(FFS)モード等が挙げられる。なお、上記のIPSモードは、V字型電極又はジグザグ電極等を採用した、スーパー・インプレーンスイッチング(S−IPS)モードや、アドバンスド・スーパー・インプレーンスイッチング(AS−IPS)モードを包含する。また、上記のFFSモードは、V字型電極又はジグザグ電極等を採用した、アドバンスド・フリンジフィールドスイッチング(A−FFS)モードや、ウルトラ・フリンジフィールドスイッチング(U−FFS)モードを包含する。
別の実施形態においては、液晶層は、電界が存在しない状態でホメオトロピック配列に配向させた液晶分子を含む。このような液晶層(結果として、液晶セル)は、代表的には、nz>nx=nyの3次元屈折率を示す。電界が存在しない状態でホメオトロピック配列に配向させた液晶分子を用いる駆動モードとしては、例えば、バーティカル・アライメント(VA)モードが挙げられる。VAモードは、マルチドメインVA(MVA)モードを包含する。
視認側偏光板および背面側偏光板はそれぞれ、代表的には、偏光子と、その少なくとも片側に配置された保護層とを有する。偏光子は、代表的には吸収型偏光子である。
上記吸収型偏光子の波長589nmの透過率(単体透過率ともいう)は、好ましくは41%以上であり、より好ましくは42%以上である。なお、単体透過率の理論的な上限は50%である。また、偏光度は、好ましくは99.5%〜100%であり、更に好ましくは99.9%〜100%である。上記の範囲であれば、液晶表示装置に用いた際に正面方向のコントラストをより一層高くすることができる。
上記偏光子としては、任意の適切な偏光子が用いられる。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素等の二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く、特に好ましい。偏光子の厚みは、好ましくは、0.5μm〜80μmである。
上記保護層としては、任意の適切なフィルムが用いられる。このようなフィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、(メタ)アクリル系、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。上記ポリマーフィルムは、例えば、前記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
B−3.面光源装置
面光源装置300は、視野角制御フィルム100に対向する出光面の略法線方向に指向性を有する光を出射できることが好ましい。このような指向性を有する光を出射する面光源装置を用いることにより、視野角制御フィルムが透明状態にある場合には、指向性を有する光がその指向性を維持したまま視野角制御フィルムを透過できる結果、狭視野角表示、もしくは正面が高輝度の表示すなわち低消費電力で明るい表示を好適に実現することができる。また、視野角制御フィルムを散乱状態とすることにより、透過光を散乱させて広視野角表示に切り替えることができる。ここで、「略法線方向」とは、法線方向から所定の角度内の方向、例えば、法線方向から±10°の範囲内の方向を包含する。また、「略法線方向に指向性を有する光」とは、出光面に直交する1つの平面において輝度の強度分布の最大強度のピークが該出光面に対して略法線方向にある強度分布を有する光であって、例えば、極角40°以上の輝度が、法線方向(極角0°)の輝度に対して2%以下であることが好ましく、極角50°以上の輝度が法線方向(極角0°)の輝度に対して1%以下であることがより好ましい。なお、極角とは液晶表示装置の法線方向(正面方向)と液晶表示装置からの出射光とのなす角をいう。
面光源装置300は、視野角制御フィルム100に対向する出光面の略法線方向に指向性を有する光を出射できることが好ましい。このような指向性を有する光を出射する面光源装置を用いることにより、視野角制御フィルムが透明状態にある場合には、指向性を有する光がその指向性を維持したまま視野角制御フィルムを透過できる結果、狭視野角表示、もしくは正面が高輝度の表示すなわち低消費電力で明るい表示を好適に実現することができる。また、視野角制御フィルムを散乱状態とすることにより、透過光を散乱させて広視野角表示に切り替えることができる。ここで、「略法線方向」とは、法線方向から所定の角度内の方向、例えば、法線方向から±10°の範囲内の方向を包含する。また、「略法線方向に指向性を有する光」とは、出光面に直交する1つの平面において輝度の強度分布の最大強度のピークが該出光面に対して略法線方向にある強度分布を有する光であって、例えば、極角40°以上の輝度が、法線方向(極角0°)の輝度に対して2%以下であることが好ましく、極角50°以上の輝度が法線方向(極角0°)の輝度に対して1%以下であることがより好ましい。なお、極角とは液晶表示装置の法線方向(正面方向)と液晶表示装置からの出射光とのなす角をいう。
図示例の面光源装置300は、好ましくは導光板310と、該導光板310の側面側に配置された光源部320と、を有するエッジライト方式の面光源装置である。エッジライト方式の面光源装置は、薄型化の観点から好ましい。図示例とは異なり、光源部を導光板の対向する2つの側面に沿ってそれぞれ配置した2灯式と呼ばれる面光源装置であってもよい。
光源部は、導光板の側面に沿って配列された複数の点光源から構成され得る。点光源としては、指向性の高い光を出射する光源が好ましく、例えば、LEDを用いることができる。
導光板は、上記指向性を有する光を出射可能な構成を有し得る。このような導光板としては、例えば特開2000−171798号公報、特開2005−128363号公報等に記載の導光板を用いることができる。あるいは、導光板は、米国特許第5396350号、米国特許第5555329号、特開2001−305306号公報、特許3071538号等に示すように、プリズムシート、ルーバーシート等の他の光学部材(図示せず)と協働して上記指向性を有する光を出射可能な構成とされてもよい。
図示しないが、面光源装置は、輝度向上等を目的として、反射板等の任意の適切な光学部材をさらに含んでもよい。反射板は、代表的には、導光板の背面側に配置される。
B−4.液晶表示装置の作製方法
上記液晶表示装置は、例えば、液晶パネル、視野角制御フィルム、面光源装置等の光学部材を所定の構成となるように筐体内に配置することによって作製され得る。なお、液晶表示装置の作製において、各光学部材は、接着層を介して互いに貼り合わせられることなく、近接または接触して配置され得る。あるいは、隣接する光学部材は、必要に応じて接着層を介して貼り合わせられていてもよい。接着層は、代表的には、接着剤層または粘着剤層である。
上記液晶表示装置は、例えば、液晶パネル、視野角制御フィルム、面光源装置等の光学部材を所定の構成となるように筐体内に配置することによって作製され得る。なお、液晶表示装置の作製において、各光学部材は、接着層を介して互いに貼り合わせられることなく、近接または接触して配置され得る。あるいは、隣接する光学部材は、必要に応じて接着層を介して貼り合わせられていてもよい。接着層は、代表的には、接着剤層または粘着剤層である。
C.バックライトユニット
本発明の1つの実施形態におけるバックライトユニットは、面光源装置と;該面光源装置の出光面側に配置された視野角制御フィルムと;を備える。面光源装置としては、B−3項に記載の、導光板と、該導光板の側面側に配置された光源部と、を有する面光源装置が好ましく用いられる。視野角制御フィルムとしては、A項に記載の視野角制御フィルムが用いられる。
本発明の1つの実施形態におけるバックライトユニットは、面光源装置と;該面光源装置の出光面側に配置された視野角制御フィルムと;を備える。面光源装置としては、B−3項に記載の、導光板と、該導光板の側面側に配置された光源部と、を有する面光源装置が好ましく用いられる。視野角制御フィルムとしては、A項に記載の視野角制御フィルムが用いられる。
1つの実施形態において、視野角制御フィルムは、面光源装置の出光面に接着層を介して貼り合わせられていてもよい。別の実施形態において、視野角制御フィルムは、面光源装置の出光面側に、接着層を介することなく、近接または接触して配置され得る。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。各特性の測定方法は以下の通りである。また、特に明記しない限り、実施例および比較例における「部」および「%」は重量基準である。
(1)厚み
デジタルマイクロメーター(アンリツ社製、製品名「KC−351C」)を用いて測定した。
(2)PDLC層中の液晶ドロップレットの体積平均粒子径および体積変動係数(CV値)
視野角制御フィルムの第2の透明電極層付基材を剥がし、PDLC層を露出させた後に、露出したPDLC層の表面を、透過型光学顕微鏡にて、対物レンズ100倍、100μm角の視野にて、焦点を徐々に変えながら各々の液晶ドロップレットに関して焦点が最もあうピント位置にて粒子径を0.1μm単位で計測し、体積基準で統計処理を行うことで、体積平均粒子径および以下で計算される体積変動係数(CV値)を算出した。
CV値=体積基準の粒子分布の標準偏差/体積平均粒径
(3)膜乳化分散液中の液晶カプセルの体積平均粒子径およびCV値
電解質水溶液(コールター社製「アイソトンII」)200mlに分散液を0.1重量%添加し、得られた混合液を測定試料としてマルチサイザー3(コールター社製、アパーチャーサイズ=20μm)を用いて、0.4μmから12μmまで対数基準で等間隔に256分割し離散化した粒子径ごとの体積の統計を取り、体積平均粒子径および以下で計算される体積変動係数(CV値)を算出した。なお、12μm以上の粒子が存在している場合は、アパーチャーサイズを30μmとし、0.6μmから18μmまで対数基準で等間隔に256分割し離散化した粒子径ごとの体積の統計を取ることで、体積平均粒子径およびCV値を算出した。
CV値=体積基準の粒子分布の標準偏差/体積平均粒径
(4)全光線透過率
日本電色社製 製品名「NDH4000」を用い、JIS K 7361に基づいて測定した。
(5)ヘイズ
日本電色社製 製品名「NDH4000」を用い、JIS K 7136に基づいて測定した。
デジタルマイクロメーター(アンリツ社製、製品名「KC−351C」)を用いて測定した。
(2)PDLC層中の液晶ドロップレットの体積平均粒子径および体積変動係数(CV値)
視野角制御フィルムの第2の透明電極層付基材を剥がし、PDLC層を露出させた後に、露出したPDLC層の表面を、透過型光学顕微鏡にて、対物レンズ100倍、100μm角の視野にて、焦点を徐々に変えながら各々の液晶ドロップレットに関して焦点が最もあうピント位置にて粒子径を0.1μm単位で計測し、体積基準で統計処理を行うことで、体積平均粒子径および以下で計算される体積変動係数(CV値)を算出した。
CV値=体積基準の粒子分布の標準偏差/体積平均粒径
(3)膜乳化分散液中の液晶カプセルの体積平均粒子径およびCV値
電解質水溶液(コールター社製「アイソトンII」)200mlに分散液を0.1重量%添加し、得られた混合液を測定試料としてマルチサイザー3(コールター社製、アパーチャーサイズ=20μm)を用いて、0.4μmから12μmまで対数基準で等間隔に256分割し離散化した粒子径ごとの体積の統計を取り、体積平均粒子径および以下で計算される体積変動係数(CV値)を算出した。なお、12μm以上の粒子が存在している場合は、アパーチャーサイズを30μmとし、0.6μmから18μmまで対数基準で等間隔に256分割し離散化した粒子径ごとの体積の統計を取ることで、体積平均粒子径およびCV値を算出した。
CV値=体積基準の粒子分布の標準偏差/体積平均粒径
(4)全光線透過率
日本電色社製 製品名「NDH4000」を用い、JIS K 7361に基づいて測定した。
(5)ヘイズ
日本電色社製 製品名「NDH4000」を用い、JIS K 7136に基づいて測定した。
[実施例1]
(第1および第2の透明電極層付基材の作製)
シクロオレフィン系透明基材(日本ゼオン社製、ノルボルネン系樹脂フィルム、製品名「ZF−16」、厚み:40μm、Re[590]:5nm)の両面にコロナ処理を行った。その後、各々の面にUVアクリル塗工液(DIC社製ユニディック8−17)を塗布し、溶剤を乾燥後、高圧水銀UVを300mJ/m2照射することにより、1μm厚のハードコート層を形成した。さらに、厚み3nmのSiOx(x=1.5)層と、SiOx層上に形成された厚み17nmのSiO2層とをスパッタ法によりこの順で形成して、屈折率調整層を設けた。次に、該屈折率調整層上にスパッタ法により厚み25nmの透明電極層(ITO層)を形成し、その後150℃で10分間アニールし結晶化させた。これにより、[ハードコート層/COP基材/ハードコート層/屈折率調整層/透明電極層]の構成を有する第1および第2の透明電極層付基材を得た。
(第1および第2の透明電極層付基材の作製)
シクロオレフィン系透明基材(日本ゼオン社製、ノルボルネン系樹脂フィルム、製品名「ZF−16」、厚み:40μm、Re[590]:5nm)の両面にコロナ処理を行った。その後、各々の面にUVアクリル塗工液(DIC社製ユニディック8−17)を塗布し、溶剤を乾燥後、高圧水銀UVを300mJ/m2照射することにより、1μm厚のハードコート層を形成した。さらに、厚み3nmのSiOx(x=1.5)層と、SiOx層上に形成された厚み17nmのSiO2層とをスパッタ法によりこの順で形成して、屈折率調整層を設けた。次に、該屈折率調整層上にスパッタ法により厚み25nmの透明電極層(ITO層)を形成し、その後150℃で10分間アニールし結晶化させた。これにより、[ハードコート層/COP基材/ハードコート層/屈折率調整層/透明電極層]の構成を有する第1および第2の透明電極層付基材を得た。
(液晶化合物の作製)
下記の組成の化合物を150℃で20分混合し、その後室温に徐冷するにより、Δn=0.12、粘度=21cP、Δε=10.1、液晶温度=3℃〜52℃の液晶化合物(1)を得た。
下記の組成の化合物を150℃で20分混合し、その後室温に徐冷するにより、Δn=0.12、粘度=21cP、Δε=10.1、液晶温度=3℃〜52℃の液晶化合物(1)を得た。
(液晶化合物の膜乳化)
液晶化合物(1)60部、純水40部、および分散剤(第一工業製薬社製、「ノイゲンET159」)0.5部を混合し、ホモジナイザーにて100rpmで10分攪拌し粗分散した。粗分散液を、粒度分布の揃った分離膜(エス・ピー・ジーテクノ社製、「SPGポンピングコネクター」、細孔径10μm)に、室温にて膜の外から内に通過するように流速60mL/分/cm2の速度で透過させた。この操作を10回実施した。得られた分散液をマルチサイザー3(コールター社製)にて分析したところ、体積平均粒子径が6.0μmであり、CV値が0.18である、粒度分布の揃った液晶カプセルが形成されていることが確認された。
液晶化合物(1)60部、純水40部、および分散剤(第一工業製薬社製、「ノイゲンET159」)0.5部を混合し、ホモジナイザーにて100rpmで10分攪拌し粗分散した。粗分散液を、粒度分布の揃った分離膜(エス・ピー・ジーテクノ社製、「SPGポンピングコネクター」、細孔径10μm)に、室温にて膜の外から内に通過するように流速60mL/分/cm2の速度で透過させた。この操作を10回実施した。得られた分散液をマルチサイザー3(コールター社製)にて分析したところ、体積平均粒子径が6.0μmであり、CV値が0.18である、粒度分布の揃った液晶カプセルが形成されていることが確認された。
(塗工液の作製)
上記膜乳化によって得られた液晶分散液50部に、ウレタンエマルション溶液(楠本化成社製、製品名「NeoRez R967」、溶剤=水、固形分濃度40%)50部を混合し、エマルション塗工液を作製した。
上記膜乳化によって得られた液晶分散液50部に、ウレタンエマルション溶液(楠本化成社製、製品名「NeoRez R967」、溶剤=水、固形分濃度40%)50部を混合し、エマルション塗工液を作製した。
(PDLC層の作製)
上記エマルション塗工液を、第1の透明電極層付基材の透明電極層側表面に塗布および乾燥させて、12μm厚のPDLC層を形成した。その後、透明導電層側表面がPDLC層に対向するように第2の透明電極層付基材を積層することにより、視野角制御フィルム(厚み96μm)を得た。なお、得られたPDLC層を光学顕微鏡にて焦点を徐々に変えて観察したところ、体積平均粒子径が6.5μm、CV値が0.18の粒度の揃った液晶ドロップレットが形成されていることが確認された。
上記エマルション塗工液を、第1の透明電極層付基材の透明電極層側表面に塗布および乾燥させて、12μm厚のPDLC層を形成した。その後、透明導電層側表面がPDLC層に対向するように第2の透明電極層付基材を積層することにより、視野角制御フィルム(厚み96μm)を得た。なお、得られたPDLC層を光学顕微鏡にて焦点を徐々に変えて観察したところ、体積平均粒子径が6.5μm、CV値が0.18の粒度の揃った液晶ドロップレットが形成されていることが確認された。
[実施例2]
PDLC層の膜厚を10μmにしたこと以外は実施例1と同様にして、視野角制御フィルムを得た。
PDLC層の膜厚を10μmにしたこと以外は実施例1と同様にして、視野角制御フィルムを得た。
[実施例3]
PDLC層の膜厚を6μmにしたこと以外は実施例1と同様にして、視野角制御フィルムを得た。
PDLC層の膜厚を6μmにしたこと以外は実施例1と同様にして、視野角制御フィルムを得た。
[実施例4]
膜乳化時に膜透過回数を15回にしたこと以外は実施例1と同様にして、液晶化合物の分散液を調製した。得られた分散液中の液晶カプセルは、体積平均粒子径が5.6μm、CV値が0.18であった。この分散液を用いたこと、および、PDLC層の膜厚を12μmにしたこと以外は実施例1と同様にして視野角制御フィルムを得た。得られた視野角制御フィルムのPDLC層中の液晶ドロップレットは、体積平均粒子径が6.1μm、CV値が0.18であった。
膜乳化時に膜透過回数を15回にしたこと以外は実施例1と同様にして、液晶化合物の分散液を調製した。得られた分散液中の液晶カプセルは、体積平均粒子径が5.6μm、CV値が0.18であった。この分散液を用いたこと、および、PDLC層の膜厚を12μmにしたこと以外は実施例1と同様にして視野角制御フィルムを得た。得られた視野角制御フィルムのPDLC層中の液晶ドロップレットは、体積平均粒子径が6.1μm、CV値が0.18であった。
[比較例1]
液晶化合物(1)60部、純水40部、および分散剤(第一工業製薬社製、「ノイゲンET159」)0.5部を混合し、ホモジナイザーを用い10000回転で10分間撹拌して液晶エマルジョンを得た。得られた分散液をマルチサイザー3(コールター社製)にて分析したところ、液晶カプセルの体積平均粒子径が3.0μmであり、CV値が0.40であった。
得られた液晶分散液を用いて実施例1と同様にエマルション塗工液を作製し、これにより視野角制御フィルムを得た。PDLC層の膜厚は20μm、液晶ドロップレットの体積平均粒子径は3.5μm、CV値は0.40であった。
液晶化合物(1)60部、純水40部、および分散剤(第一工業製薬社製、「ノイゲンET159」)0.5部を混合し、ホモジナイザーを用い10000回転で10分間撹拌して液晶エマルジョンを得た。得られた分散液をマルチサイザー3(コールター社製)にて分析したところ、液晶カプセルの体積平均粒子径が3.0μmであり、CV値が0.40であった。
得られた液晶分散液を用いて実施例1と同様にエマルション塗工液を作製し、これにより視野角制御フィルムを得た。PDLC層の膜厚は20μm、液晶ドロップレットの体積平均粒子径は3.5μm、CV値は0.40であった。
[比較例2]
膜乳化時に膜透過回数を30回にしたこと以外は実施例1と同様にして、液晶化合物の分散液を調製した。得られた分散液中の液晶カプセルは、体積平均粒子径が4.9μm、CV値が0.18であった。この分散液を用いたこと、および、PDLC層の膜厚を10μmにしたこと以外は実施例1と同様にして視野角制御フィルムを得た。得られた視野角制御フィルムのPDLC層中の液晶ドロップレットは、体積平均粒子径4.9μm、CV値が0.18であった。
膜乳化時に膜透過回数を30回にしたこと以外は実施例1と同様にして、液晶化合物の分散液を調製した。得られた分散液中の液晶カプセルは、体積平均粒子径が4.9μm、CV値が0.18であった。この分散液を用いたこと、および、PDLC層の膜厚を10μmにしたこと以外は実施例1と同様にして視野角制御フィルムを得た。得られた視野角制御フィルムのPDLC層中の液晶ドロップレットは、体積平均粒子径4.9μm、CV値が0.18であった。
[比較例3]
液晶化合物としてシアノビフェニル系混合液晶E8(常光屈折率no=1.525、異常光屈折率ne=1.754)を用い、高分子マトリクス形成用樹脂として紫外線硬化性樹脂モノマー(NORLAND社製、NOA65)を用いた。これらの均質混合液(配合比1:1)を、7μmのスペーサーを介して対向させた第1の透明電極層付基材と第2の透明電極層付基材の間に充填し、10mW/cm2の光強度を持つ紫外線(波長365nm)を照射して紫外線硬化性樹脂モノマーの重合に伴う樹脂と液晶化合物の相分離によりPDLC層を形成し、これにより視野角制御フィルムを得た。PDLC層の膜厚は7μm、液晶ドロップレットの体積平均粒子径は2.0μm、CV値は0.40であった。
液晶化合物としてシアノビフェニル系混合液晶E8(常光屈折率no=1.525、異常光屈折率ne=1.754)を用い、高分子マトリクス形成用樹脂として紫外線硬化性樹脂モノマー(NORLAND社製、NOA65)を用いた。これらの均質混合液(配合比1:1)を、7μmのスペーサーを介して対向させた第1の透明電極層付基材と第2の透明電極層付基材の間に充填し、10mW/cm2の光強度を持つ紫外線(波長365nm)を照射して紫外線硬化性樹脂モノマーの重合に伴う樹脂と液晶化合物の相分離によりPDLC層を形成し、これにより視野角制御フィルムを得た。PDLC層の膜厚は7μm、液晶ドロップレットの体積平均粒子径は2.0μm、CV値は0.40であった。
≪視野角制御フィルムの光学特性≫
エヌエフ回路設計ブロック社製の交流電源「EC750SA」を用いて、上記実施例および比較例で作製した視野角制御フィルムに交流電圧を50Vまで昇圧しながら印加し、電圧印加時、無印加時のヘイズ、および全光線透過率を観察した。また、分光光度計(日立ハイテク社製、「U4100」)において、通常のサンプル位置よりも20cm手前にサンプルを配置し、直進光の色相を測定した。
エヌエフ回路設計ブロック社製の交流電源「EC750SA」を用いて、上記実施例および比較例で作製した視野角制御フィルムに交流電圧を50Vまで昇圧しながら印加し、電圧印加時、無印加時のヘイズ、および全光線透過率を観察した。また、分光光度計(日立ハイテク社製、「U4100」)において、通常のサンプル位置よりも20cm手前にサンプルを配置し、直進光の色相を測定した。
≪バックライトユニットの作製および光学特性≫
ノートパソコン(HP社製、製品名「EliteBook x360」)から導光板と該導光板の長辺方向の1つの側面に沿って所定の間隔で配置されている複数のLED光源と導光板の背面側に配置されている反射板とを抜き出し、該導光板の視認側にプリズム形状が背面側(換言すると、導光板側)に向かって凸となるようにプリズムシートを配置して、面光源装置を作製した。プリズムシートとしては、基材部フィルムとしてPETフィルム(東洋紡社製、「A4300」、厚み:100μm、)の延伸フィルム(Re[590]:6000nm)を用いて、所定の金型にプリズム用材料としての紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂を充填し、紫外線を照射して該基材部フィルムの片面上でプリズム用材料を硬化させることによりプリズムシートを作製した。単位プリズムは、三角柱プリズムであり、配列方向に平行かつ厚み方向に平行な断面形状が不等辺三角形状である。得られた面光源装置は、出光面(プリズムシートの視認側表面)から該出光面の略法線方向に指向性を有していた。
得られた面光源装置の出光面(プリズムシートの視認側表面)上に、上記実施例および比較例で作製した視野角制御フィルムを配置してバックライトユニットを作成した。
上記のようにして作製した面光源装置およびバックライトユニットの正面輝度および色相を、正面輝度計(トプコンテクノハウス社製、「UA200」)を用いて測定した。
ノートパソコン(HP社製、製品名「EliteBook x360」)から導光板と該導光板の長辺方向の1つの側面に沿って所定の間隔で配置されている複数のLED光源と導光板の背面側に配置されている反射板とを抜き出し、該導光板の視認側にプリズム形状が背面側(換言すると、導光板側)に向かって凸となるようにプリズムシートを配置して、面光源装置を作製した。プリズムシートとしては、基材部フィルムとしてPETフィルム(東洋紡社製、「A4300」、厚み:100μm、)の延伸フィルム(Re[590]:6000nm)を用いて、所定の金型にプリズム用材料としての紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂を充填し、紫外線を照射して該基材部フィルムの片面上でプリズム用材料を硬化させることによりプリズムシートを作製した。単位プリズムは、三角柱プリズムであり、配列方向に平行かつ厚み方向に平行な断面形状が不等辺三角形状である。得られた面光源装置は、出光面(プリズムシートの視認側表面)から該出光面の略法線方向に指向性を有していた。
得られた面光源装置の出光面(プリズムシートの視認側表面)上に、上記実施例および比較例で作製した視野角制御フィルムを配置してバックライトユニットを作成した。
上記のようにして作製した面光源装置およびバックライトユニットの正面輝度および色相を、正面輝度計(トプコンテクノハウス社製、「UA200」)を用いて測定した。
実施例1で得られた視野角制御フィルムの光学特性を表1に示し、当該視野角制御フィルムを用いたバックライトユニットまたは面光源装置の光学特性を表2に示す。
表1に示されるとおり、実施例1の視野角制御フィルムは、電圧無印加時に散乱状態であり、85%のヘイズを示す一方で、50Vの電圧印加時に透明状態となり、10%のヘイズを示した。また、散乱状態および透明状態の双方において、87%の高い全光線透過率を示した。
また、表2に示されるとおり、実施例1の視野角制御フィルムを面光源装置上に配置した場合、電圧印加時には(すなわち、透明状態下では)面光源装置の輝度をほとんど損なわないと同時に、面光源装置単独の色相と比較したときのΔxyがわずか0.001であり、このことから、色相が維持されニュートラルな色相が得られていることがわかる。また、視野角制御フィルムへの電圧無印加時と電圧印加時とにおけるバックライトユニットのΔxyが、わずか0.003であり、このことから、視野角の切り替え時に色相が維持されていることがわかる。また、電圧無印加時のバックライトユニットの輝度は4340cd/m2であり、これは液晶ディスプレイに用いるのに十分な輝度である。なお、視野角制御フィルムの電圧無印加時のヘイズは、実施例1で85%、実施例2で75%、実施例3で70%、実施例4で80%、比較例1で94%、比較例2で85%、比較例3で93%であった。
上記実施例および比較例で得られた視野角制御フィルムの構成およびその光学特性ならびに当該視野角制御フィルムを用いたバックライトユニットの光学特性を表3にまとめて示す。
表3に示されるとおり、実施例の視野角制御フィルムを搭載したバックライトユニットは、電圧無印加時(すなわち、拡散状態下)でも4000cd/m2を超える高い輝度を維持しており、また、視野角の広狭を切り替えたときの色相の変化が小さく、ニュートラルな色相が得られている。
本発明の視野角制御フィルムは、液晶表示装置に好適に用いられる。
1 液晶表示装置
10 第1の透明電極層付基材
20 高分子分散型液晶層(PDLC層)
30 第2の透明電極層付基材
100 視野角制御フィルム
200 液晶パネル
300 面光源装置
10 第1の透明電極層付基材
20 高分子分散型液晶層(PDLC層)
30 第2の透明電極層付基材
100 視野角制御フィルム
200 液晶パネル
300 面光源装置
Claims (7)
- 第1の透明電極層付基材と、高分子マトリクスおよび該高分子マトリクス中に分散した液晶化合物の液滴を含む高分子分散型液晶層と、第2の透明電極層付基材と、をこの順に備える視野角制御フィルムであって、
該高分子分散型液晶層の厚みが、2μm〜15μmであり、
該視野角制御フィルムの主面に垂直な方向から見た場合の該液滴の平均粒子径dが、5μm〜9μmであり、
該液滴の平均粒子径dに対する該高分子分散型液晶層の厚みDの割合[D/d]が、0.3〜3.0である、視野角制御フィルム。 - 前記液滴の平均粒子径dのCV値が、0.40未満である、請求項1に記載の視野角制御フィルム。
- 前記第1の透明電極層付基材および前記第2の透明電極層付基材の少なくとも一方が、光透過性基材と、屈折率調整層と、透明電極層と、をこの順に有する、請求項1または2に記載の視野角制御フィルム。
- 電圧無印加時のヘイズが、70%〜92%である、請求項1から3のいずれかに記載の視野角制御フィルム。
- 液晶パネルと、請求項1から4のいずれかに記載の視野角制御フィルムと、面光源装置と、を、視認側からこの順に備える液晶表示装置。
- 面光源装置と、該面光源装置の出光面側に配置された請求項1から4のいずれかに記載の視野角制御フィルムと、を備えるバックライトユニット。
- 第1の透明電極層付基材の透明電極層面に、高分子マトリクス形成用樹脂と液晶化合物とを含むエマルション塗工液を塗工して塗工層を形成すること、
該塗工層を乾燥させて高分子マトリクスおよび該高分子マトリクス中に分散した液晶化合物の液滴を含む高分子分散型液晶層を形成すること、および
該高分子分散型液晶層に第2の透明電極層付基材を貼り合わせること、を含む、請求項1から4にいずれかに記載の視野角制御フィルムの製造方法であって、
該エマルション塗工液は、高分子マトリクス形成用樹脂を連続相に含み、液晶化合物を分散相に含むエマルションであり、
該液晶化合物のカプセルの平均粒子径が、5μm〜9μmであり、
該液晶化合物のカプセルの平均粒子径のCV値が、0.4未満である、視野角制御フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019021360A JP2020129055A (ja) | 2019-02-08 | 2019-02-08 | 視野角制御フィルム、バックライトユニットおよび液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019021360A JP2020129055A (ja) | 2019-02-08 | 2019-02-08 | 視野角制御フィルム、バックライトユニットおよび液晶表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020129055A true JP2020129055A (ja) | 2020-08-27 |
Family
ID=72174782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019021360A Pending JP2020129055A (ja) | 2019-02-08 | 2019-02-08 | 視野角制御フィルム、バックライトユニットおよび液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020129055A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022103099A1 (ko) * | 2020-11-16 | 2022-05-19 | 이미지랩(주) | 스마트 윈도우용 광투과 조절 패널 및 이를 구비하는 차량용 스마트 윈도우 |
CN115207240A (zh) * | 2022-07-04 | 2022-10-18 | 武汉华星光电半导体显示技术有限公司 | 发光器件、显示面板及显示装置 |
WO2023202562A1 (zh) * | 2022-04-20 | 2023-10-26 | 江苏和成显示科技有限公司 | 一种单侧防窥型液晶显示器件 |
-
2019
- 2019-02-08 JP JP2019021360A patent/JP2020129055A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022103099A1 (ko) * | 2020-11-16 | 2022-05-19 | 이미지랩(주) | 스마트 윈도우용 광투과 조절 패널 및 이를 구비하는 차량용 스마트 윈도우 |
WO2023202562A1 (zh) * | 2022-04-20 | 2023-10-26 | 江苏和成显示科技有限公司 | 一种单侧防窥型液晶显示器件 |
CN115207240A (zh) * | 2022-07-04 | 2022-10-18 | 武汉华星光电半导体显示技术有限公司 | 发光器件、显示面板及显示装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5679308B2 (ja) | 照明装置および表示装置 | |
US9507197B2 (en) | Lighting device and display device | |
US9581749B2 (en) | Lighting unit, display, and three-dimensional display | |
JP4752911B2 (ja) | 照明装置、表示装置、およびエッジライト方式のバックライトに用いる光変調素子の製造方法 | |
US11526038B2 (en) | Display device, viewing angle limiting device and manufacturing method thereof | |
WO2016195786A1 (en) | Electronic device display with switchable film structures | |
JP7387589B2 (ja) | 調光フィルムおよび液晶表示装置 | |
JP4826599B2 (ja) | 液晶表示装置、偏光板およびバックライト光源 | |
JP2020129055A (ja) | 視野角制御フィルム、バックライトユニットおよび液晶表示装置 | |
JP2008197224A (ja) | 光学素子、偏光板、位相差板、照明装置、および液晶表示装置 | |
WO2013129375A1 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP7354097B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP3317158B2 (ja) | 反射型液晶表示体 | |
WO2022030296A1 (ja) | 視野角制御フィルム、バックライトユニットおよび液晶表示装置 | |
JP7361683B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2020076919A (ja) | 透明電極層付基材、調光フィルムおよび液晶表示装置 | |
JP2020076918A (ja) | 透明電極層付基材、調光フィルムおよび液晶表示装置 | |
JP7260030B1 (ja) | 調光装置 | |
KR20160071273A (ko) | 편광판을 구비한 액정표시장치 및 그 제조방법 | |
JP7315622B2 (ja) | 表示装置 | |
KR102089405B1 (ko) | 액정 디스플레이 | |
JP2023169673A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2007248669A (ja) | 液晶表示装置の製造方法 | |
JP2007187850A (ja) | 液晶表示装置の製造方法 |