JP2023154845A - 動力伝達装置 - Google Patents

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JP2023154845A JP2022064448A JP2022064448A JP2023154845A JP 2023154845 A JP2023154845 A JP 2023154845A JP 2022064448 A JP2022064448 A JP 2022064448A JP 2022064448 A JP2022064448 A JP 2022064448A JP 2023154845 A JP2023154845 A JP 2023154845A
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鍾承 金
Jongsung Kim
武司 加藤
Takeshi Kato
智也 大瀧
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Abstract

【課題】組み付け作業の効率を向上させる。【解決手段】動力伝達装置は、開口部を有するケースと、前記ケース内の、前記開口部の位置に配置される油圧制御装置と、前記ケースに取り付けられ、前記開口部を塞ぐカバーと、前記カバーに取り付けられたターミナルコネクタと、前記カバーと前記油圧制御装置との間に配策され、前記油圧制御装置とターミナルコネクタを接続するケーブルと、前記カバーに設けられ、前記ケーブルの位置を規制する規制部と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、動力伝達装置に関する。
特許文献1は、エンジン等の動力源で発生した動力を駆動輪に伝達する動力伝達装置を開示している。動力伝達装置は、複数の油圧式の係合装置と、歯車機構と、各係合装置の係合状態を制御する油圧制御装置と、を備える。
係合装置、歯車機構および油圧制御装置は、ケースに収容されている。ケースには開口部が設けられており、油圧制御装置は、開口部の位置に配置されている。ケースの開口部は、フロントカバーによって塞がれている。
油圧制御装置は、ケーブルハーネスを介してターミナルコネクタに接続されている。油圧制御装置は、ターミナルコネクタを介して、ケースの外部に設けられた要素に接続される。ケーブルハーネスは、ケース内において、油圧制御装置とケースの壁面の間のスペースに収容される。
特開2019-173943号公報
動力伝達装置のレイアウトによって、ターミナルコネクタが、ケースではなくフロントカバーに取り付けられることがある。このレイアウトでは、フロントカバーのケースへの組み付け作業において、予め、ケーブルハーネスをケース内の油圧制御装置と、フロントカバーに取り付けられたターミナルコネクタとに接続しておく。作業者は、フロントカバーを把持しながらケーブルハーネスをケース内のスペースに収めた上で、フロントカバーをケースに組み付ける必要がある。
しかしながら、ケーブルハーネスは、ケースとフロントカバーの間でフリーの状態となっている。そのため、ケーブルハーネスが揺れて、油圧制御装置の部品に引っかかったり乗り上げたりすることがある。ケーブルハーネスがケース内のスペースにスムーズに収まらないと、組み付け作業の効率に影響を与える可能性がある。
そのため、組み付け作業の効率を向上させることが求められている。
本発明のある態様における動力伝達装置は、
開口部を有するケースと、
前記ケース内の、前記開口部の位置に配置される油圧制御装置と、
前記ケースに取り付けられ、前記開口部を塞ぐカバーと、
前記カバーに取り付けられたターミナルコネクタと、
前記カバーと前記油圧制御装置との間に配策され、前記油圧制御装置と前記ターミナルコネクタを接続するケーブルと、
前記カバーに設けられ、前記ケーブルの位置を規制する規制部と、を有する。
本発明のある態様によれば、組み付け作業の効率を向上させることができる。
図1は、車両における動力伝達装置の配置を説明する模式図である。 図2は、動力伝達装置の概略構成を説明する模式図である。 図3は、フロントカバーを取り外した状態で、ハウジングを車両前方側から見た状態を示す模式図である。 図4は、フロントカバーの斜視図である。 図5は、フロントカバーを、車両後方側から見た図である。 図6は、フロントカバーの上部の拡大図である。 図7は、図6のA-A断面の模式図である。 図8は、角部と突起の位置関係を説明する図である。 図9は、フロントカバーによるケーブルハーネスの位置の規制を説明する図である。 図10は、フロントカバーのケースへの組み付けを説明する図である。
始めに、本明細書における用語の定義を説明する。
動力伝達装置は、少なくとも動力伝達機構を有する装置であり、動力伝達機構は、例えば、歯車機構と差動歯車機構と減速機構の少なくともひとつである。
以下の実施形態では、動力伝達装置がエンジンの出力回転を伝達する機能を有する場合を例示するが、動力伝達装置は、エンジンとモータ(回転電機)のうちの少なくとも一方の出力回転を伝達するものであれば良い。
「所定方向視においてオーバーラップする」とは、所定方向に複数の要素が並んでいることを意味し、「所定方向にオーバーラップする」と記載する場合と同義である。「所定方向」は、たとえば、軸方向、径方向、重力方向、車両前後方向等である。
図面上において複数の要素(部品、部分等)が所定方向に並んでいることが図示されている場合は、明細書の説明において、所定方向視においてオーバーラップしていることを説明した文章があるとみなして良い。
「所定方向視においてオーバーラップしていない」、「所定方向視においてオフセットしている」とは、所定方向に複数の要素が並んでいないことを意味し、「所定方向にオーバーラップしていない」、「所定方向にオフセットしている」と記載する場合と同義である。「所定方向」は、たとえば、軸方向、径方向、重力方向、車両前後方向(車両前進方向、車両後進方向)等である。
図面上において複数の要素(部品、部分等)が所定方向に並んでいないことが図示されている場合は、明細書の説明において、所定方向視においてオーバーラップしていないことを説明した文章があるとみなして良い。
「所定方向視において、第1要素(部品、部分等)は第2要素(部品、部分等)と第3要素(部品、部分等)との間に位置する」とは、所定方向から観察した場合において、第1要素が第2要素と第3要素との間にあることが観察できることを意味する。「所定方向」とは、軸方向、径方向、重力方向、車両走行方向(車両前進方向、車両後進方向)等である。
例えば、第2要素と第1要素と第3要素とが、この順で軸方向に沿って並んでいる場合は、径方向視において、第1要素は第2要素と第3要素との間に位置しているといえる。図面上において、所定方向視において第1要素が第2要素と第3要素との間にあることが図示されている場合は、明細書の説明において所定方向視において第1要素が第2要素と第3要素との間にあることを説明した文章があるとみなして良い。
軸方向視において、2つの要素(部品、部分等)がオーバーラップするとき、2つの要素は同軸である。
「軸方向」とは、動力伝達装置を構成する部品の回転軸の軸方向を意味する。「径方向」とは、動力伝達装置を構成する部品の回転軸に直交する方向を意味する。部品は、例えば、モータ、歯車機構、差動歯車機構等である。
コントロールバルブの「縦置き」とは、バルブボディの間にセパレートプレートを挟み込んだ基本構成を持つコントロールバルブの場合、コントロールバルブのバルブボディが、動力伝達装置の車両への設置状態を基準とした水平線方向で積層されていることを意味する。ここでいう、「水平線方向」とは、厳密な意味での水平線方向を意味するものではなく、積層方向が水平線に対して傾いている場合も含む。
さらに、コントロールバルブの「縦置き」とは、コントロールバルブ内の複数の調圧弁を、動力伝達装置の車両への設置状態を基準とした鉛直線VL方向に並べた向きで、コントロールバルブが配置されていることを意味する。
「複数の調圧弁を鉛直線VL方向に並べる」とは、コントロールバルブ内の調圧弁が、鉛直線VL方向に位置をずらして配置されていることを意味する。
この場合において、複数の調圧弁が、鉛直線VL方向に一列に厳密に並んでいる必要はない。
例えば、複数のバルブボディを積層してコントロールバルブが形成されている場合には、縦置きされたコントロールバルブにおいては、複数の調圧弁が、バルブボディの積層方向に位置をずらしつつ、鉛直線VL方向に並んでいても良い。
さらに、調圧弁が備える弁体の軸方向(進退移動方向)から見たときに、複数の調圧弁が、鉛直線VL方向に間隔をあけて並んでいる必要はない。
調圧弁が備える弁体の軸方向(進退移動方向)から見たときに、複数の調圧弁が、鉛直線VL方向で隣接している必要もない。
よって、例えば、鉛直線VL方向に並んだ調圧弁が、バルブボディの積層方向(水平線方向)に位置をずらして配置されている場合には、積層方向から見たときに、鉛直線VL方向で隣接する調圧弁が、一部重なる位置関係で設けられている場合も含む。
さらに、コントロールバルブが「縦置き」されている場合には、コントロールバルブ内の複数の調圧弁が、当該調圧弁が備える弁体(スプール弁)の移動方向を水平線方向に沿わせる向きで配置されていることを意味する。
この場合における弁体(スプール弁)の移動方向は、厳密な意味の水平線方向に限定されるものではない。この場合における弁体(スプール弁)の移動方向は、動力伝達装置の回転軸に沿う方向である。この場合において、回転軸方向と、弁体(スプール弁)の摺動方向が同じになる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、車両Vにおける動力伝達装置1の配置を説明する模式図である。
図2は、動力伝達装置1の概略構成を説明する模式図である。
図1に示すように、車両Vの前部において動力伝達装置1は、左右のフレームFR、FRの間に配置される。動力伝達装置1のハウジングHSは、ケース6と、第1サイドカバーSC1と、第2サイドカバーSC2と、フロントカバー7と、から構成される。
図2に示すように、ハウジングHSの内部に、トルクコンバータT/C、前後進切替機構2、バリエータ3、減速機構4、差動装置5、電動オイルポンプEOP、メカオイルポンプMOP、コントロールバルブCV(油圧制御装置)などが収容される。
動力伝達装置1では、エンジンENG(駆動源)の出力回転が、トルクコンバータT/Cから、入力軸20を介して、前後進切替機構2に入力される。
前後進切替機構2に入力された回転は、順回転または逆回転で、入力軸34を介して、バリエータ3のプライマリプーリ31に入力される。
バリエータ3では、プライマリプーリ31とセカンダリプーリ32におけるベルト30の巻き掛け半径を変更することで、プライマリプーリ31に入力された回転が、所望の変速比で変速されて、セカンダリプーリ32の出力軸33から出力される。
セカンダリプーリ32の出力回転は、減速機構4を介して差動装置5(差動歯車機構)に入力された後、左右の駆動軸55A、55Bを介して、駆動輪WH、WHに伝達される。
減速機構4は、アウトプットギア41と、アイドラギア42と、リダクションギア43と、ファイナルギア45とを、有する。
アウトプットギア41は、セカンダリプーリ32の出力軸33と一体に回転する。
アイドラギア42は、アウトプットギア41に回転伝達可能に噛合している。アイドラギア42は、アイドラ軸44にスプライン嵌合している。アイドラギア42は、アイドラ軸44と一体に回転する。アイドラ軸44には、アイドラギア42よりも小径のリダクションギア43が設けられている。リダクションギア43は、差動装置5のデフケース50の外周に固定されたファイナルギア45に、回転伝達可能に噛合している。
動力伝達装置1では、プライマリプーリ31の回転軸X1(第1軸)上で、前後進切替機構2と、トルクコンバータT/Cと、エンジンENGの出力軸が、同軸(同心)に配置される。
セカンダリプーリ32の出力軸33と、アウトプットギア41とが、プライマリプーリ31の回転軸X2(第2軸)上で、同軸に配置される。
アイドラギア42と、リダクションギア43とが、共通の回転軸X3上で同軸に配置される。
ファイナルギア45と、駆動軸55A、55Bが、共通の回転軸X4上で同軸に配置される。動力伝達装置1では、これら回転軸X1~X4が互いに平行となる位置関係に設定されている。以下においては、必要に応じて、これら回転軸X1~X4を総称して、動力伝達装置1(動力伝達機構)の回転軸Xとも表記する。
ケース6は、筒状の周壁部61と、隔壁部62と、を有する。周壁部61の車両前方側の外周に、後記する第2室S2を形成する収容部68が付設されている。
隔壁部62は、動力伝達機構の回転軸X(回転軸X1~回転軸X4)を横切る範囲に設けられる。
隔壁部62は、周壁部61の内側の空間を、回転軸X1方向で2つに区画する。回転軸X1方向における隔壁部62の一方側が第1室S1、他方側が第3室S3である。
第1室S1には、前後進切替機構2と減速機構4と差動装置5と、が収容される。第3室S3には、バリエータ3が収容される。
ケース6では、第1室S1側の開口が、第2サイドカバーSC2で封止される。第3室S3側の開口が、第1サイドカバーSC1で封止される。
ケース6の第1室S1、第3室S3の下部には、動力伝達装置1の作動や、動力伝達装置1の構成要素の潤滑に用いられるオイル(不図示)が貯留される。
トルクコンバータT/Cは、第2サイドカバーSC2に形成された空間に収容されている。
第1室S1には、ストレーナ10とメカオイルポンプMOPが配置されている。ストレーナ10の吸入口は、第1室S1の下部に貯留された、オイルに浸かっている。メカオイルポンプMOPは、回転伝達機構150によって駆動される。回転伝達機構150は、トルクコンバータT/Cの回転駆動力により、メカオイルポンプMOPを駆動させる。
図2に示すように、ケース6では、車両前方側の側面に、収容部68が付設されている。
収容部68は、開口部68aを車両前方側に向けて設けられている。収容部68は、回転軸X1に沿う向きで設けられている。回転軸X1の径方向から見て収容部68は、ケース6の周壁部61の領域から、第1サイドカバーSC1の側方まで及ぶ回転軸X1方向の範囲を持って形成されている。
収容部68の底壁部681は、エンジンENG側の略半分の領域が、周壁部61と一体になっている。底壁部681の反対側の略半分の領域は、周壁部61の延長上で、第1サイドカバーSC1の外周との間に隙間を開けて設けられている。
図3は、フロントカバー7を取り外した状態で、ハウジングHSを車両前方側から見た状態を示す模式図である。
図3に示すように、車両前方側から見て収容部68は、底壁部681の外周を全周に亘って囲む囲繞壁682を有している。図5に示すように、囲繞壁682は車両前後方向から見て略矩形である。囲繞壁682は、上壁683、下壁684、側壁685、側壁686から構成される。
上壁683は、鉛直線VL方向の上側に位置し、車幅方向に沿って延びる壁部である。
下壁684は、鉛直線VL方向の下側に位置し、車幅方向に沿って延びる壁部である。
側壁685、686は、鉛直線VL方向に沿って延びる壁部である。側壁685、686は、上壁683および下壁684の、車幅方向における一端(図中、右側)と他端(図中、左側)同士を、それぞれ接続する。
囲繞壁682の紙面手前側の端面は、フロントカバー7との接合部688となっている。接合部688は、囲繞壁682を全周に亘って囲むフランジ状の部位である。接合部688には、ボルト締結用のボス部が設けられているが、図3では図示を省略している。
接合部688には、フロントカバー7側の接合部78(図5参照)が全周に亘って接合される。収容部68とフロントカバー7は、互いの接合部688、78同士を接合した状態で、図示しないボルトで連結される。これにより、収容部68の開口部68aがフロントカバー7で塞がれた状態で保持されて、閉じられた第2室S2が形成される。
第2室S2内には、コントロールバルブCV(油圧制御装置)と、電動オイルポンプEOPと、ケーブルハーネス94が収容される。ケーブルハーネス94は、コントロールバルブCVを、ケース6の外部の要素と電気的に接続する。ケーブルハーネス94は、第2室S2における鉛直線VL方向上側の領域S2bに収容される。コントロールバルブCVと電動オイルポンプEOPは、第2室S2における鉛直線VL方向下側の領域S2aに収容される。すなわち、ケーブルハーネス94は、コントロールバルブCVと、ケース6の上壁683との間のスペースである領域S2bに配策される。領域S2aと領域S2bは、鉛直線VL方向から見てオーバーラップしている。
図2に示すように、コントロールバルブCVは、バルブボディ921、921の間にセパレートプレート920を挟み込んだ基本構成を有している。コントロールバルブCVの内部には、油圧制御回路(図示せず)が形成されている。油圧制御回路には、制御装置(図示せず)からの指令に基づいて駆動するソレノイドや、ソレノイドで発生させた信号圧などで作動する調圧弁(スプール弁)が設けられている。
図2および図3に示すように、第2室S2内では、コントロールバルブCVが、バルブボディ921、921の積層方向を車両前後方向(紙面、手前奥方向)に沿わせた向きで、縦置きされている。
図2に示すように、第2室S2では、コントロールバルブCVが、以下の条件を満たすように、縦置きされている。(a)コントロールバルブCV内の複数の調圧弁SP(スプール弁)が、動力伝達装置1の車両Vへの設置状態を基準とした鉛直線VL方向(上下方向)に並ぶ。(b)調圧弁SP(スプール弁)の進退移動方向Xpが水平線方向に沿う向きとなる。
これにより、コントロールバルブ内のスプール弁の進退移動方向Xpが、水平線方向に沿う向きで配置される。さらに、コントロールバルブ内のスプール弁が、鉛直線VL方向に位置をずらして配置される。よって、スプール弁の進退移動が阻害されないようにしつつ、第2室S2が車両前後方向に大型化しないようにされている。
図3に示すように、車両前方側から見てコントロールバルブCVは、矩形形状のバルブボディ921に切欠部923を設けた略L字形状を成している。第2室S2において切欠部923は、第1サイドカバーSC1と重なる領域の下部に位置している。車両前方側から見て切欠部923には、電動オイルポンプEOPが収容されている。
電動オイルポンプEOPは、制御部931と、モータ部932と、ポンプ部933が、モータの回転軸Z1方向で直列に並んだ基本構成を有する。
電動オイルポンプEOPは、回転軸Z1を、動力伝達装置1の回転軸Xに直交させた向きで設けられている。この状態において、ポンプ部933は、第2室S2内の最下部に位置している。ポンプ部933の吸入口933aと吐出口933bは、モータ部932との境界側に位置している。ポンプ部933の吸入口933aは、ケース6内の油路を介してストレーナ10に接続されている。ポンプ部933の吐出口933bは、ケース6内の他の油路を介して、コントロールバルブCVに接続されている。
コントロールバルブCVは、ストレーナ10が配置される第1室S1とは別の第2室S2に収容されている(図2参照)。
図3に示すように、本実施形態では、電動オイルポンプEOPのポンプ部933を、第2室S2内の下部に位置させることで、ポンプ部933の吸入口933aと、ストレーナ10との鉛直線VL方向の位置が近づくようにしている。
コントロールバルブCVの上部側は、電動オイルポンプEOPの上方まで及んでいる。鉛直線VL方向(電動オイルポンプEOPの回転軸Z1方向)から見ると、電動オイルポンプEOPが、コントロールバルブCVと重なる位置関係で設けられている。
コントロールバルブCV内の油圧制御回路は、オイルポンプで発生させた油圧から、動力伝達機構(トルクコンバータT/Cなど)の作動油圧を調圧する。
第2室S2の領域S2bに収容されるケーブルハーネス94は、コントロールバルブCVとケース6の外部の要素を電気的に接続する複数のケーブルを、被覆部材によって一つに束ねたものである。
図2に示すように、ケーブルハーネス94は、コントロールバルブCVと、ターミナルコネクタ98とを接続している。ケーブルハーネス94は、ターミナルコネクタ98を介して、ケース6の外部の要素に接続される。ターミナルコネクタ98は、フロントカバー7に取り付けられる。
図4は、フロントカバー7の斜視図である。
図5は、フロントカバー7を、車両後方側から見た図である。図5では、コントロールバルブCVおよび電動オイルポンプEOPの位置を、仮想線で示している。さらに、図5では、説明の便宜上、底壁部71の表面の凹凸のうち、コントロールバルブCVおよび電動オイルポンプEOPに重なる領域にあるものの記載を省略している。さらに、図5では、張り出し部85の領域に交差したハッチングを付して示している。
図6は、フロントカバー7の上部の拡大図である。図6では、張り出し部85の領域に交差したハッチングを付して示している。
図7は、図6のA-A断面の模式図である。図7では、ケーブルハーネス94の輪郭を破線で示している。さらに、貫通孔88と突起83との位置関係を説明する都合で、動力伝達装置1の回転軸X方向から見たときに、突起83に重なる位置関係で配置される貫通孔88の位置を仮想線で示している。
図8は、角部79aと突起83の位置関係を説明する図である。
図5に示すように、フロントカバー7は、底壁部71と、底壁部71の外周を全周に亘って囲む囲繞壁72を有している。フロントカバー7の底壁部71と囲繞壁72に囲まれる空間を、フロントカバー7の内部と定義する。
図2に示すように、底壁部71は、収容部68の開口部68aに対して、車両前後方向に間隔を空けて対向する対向面である。
囲繞壁72は、底壁部71から車両後方側、すなわち収容部68の開口部68a(図2参照)側に突出する。図4に示すように、囲繞壁72の底壁部71から突出高さHは、鉛直線VL方向上側に向かうにつれて高くなっている。すなわち、フロントカバー7は、鉛直線VL方向上側に向かうにつれて深くなっている。
囲繞壁72の車両後方側の端面に、収容部68の接合部688(図2参照)との接合部78が設けられている。接合部78は、囲繞壁72を全周に亘って囲むフランジ状の部位である。
接合部78が、収容部68の接合部688に接合することで、収容部68の開口部68aがフロントカバー7によって塞がれる。
図4に示すように、フロントカバー7には、複数のボス部BSが間隔を空けて設けられている。ボス部BSは、囲繞壁72および接合部78に跨って形成されている。ボス部BSが設けられた部分において、囲繞壁72および接合部78は肉厚となっている。ボス部BSには、接合部688とのボルト締結用のボルト孔が形成される。
図5に示すように、囲繞壁72は車両前後方向から見て略矩形である。囲繞壁72は、上壁73、下壁74、側壁75、側壁76から構成される。
上壁73は、鉛直線VL方向の上側に位置し、車幅方向に沿って延びる壁部である。
下壁74は、鉛直線VL方向の下側に位置し、車幅方向に沿って延びる壁部である。
側壁75、76は、鉛直線VL方向に沿って延びる壁部である。側壁75、76は、上壁73および下壁74の、車幅方向における一端(図中、右側)と他端(図中、左側)同士を、それぞれ接続する。
側壁76には、囲繞壁72の領域を内側(後記する段部81側:図中右側)に窪ませて形成した切欠部77が形成される。切欠部77は、側壁76の鉛直線VL方向の上側に位置する。
切欠部77は、2つの傾斜の異なる傾斜壁77a、77bから構成されている。
傾斜壁77a、77bは、いずれも、上壁73側の上方に向かうにつれて、側壁76から離れる方向(図中、右方向)に傾斜している。
傾斜壁77aは、車幅方向における一端(図中、右側)が傾斜壁77bに接続し、他端(図中、左側)が側壁76に接続する。
傾斜壁77bは、車幅方向における一端(図中、右側)が上壁73に接続し、他端(図中、左側)が傾斜壁77aに接続する。
図6に示すように、傾斜壁77bと上壁73の接続部は、フロントカバー7の角部79aである。側壁75と上壁73の接続部は、フロントカバー7の角部79bである。
角部79aと角部79bは、囲繞壁72の車幅方向における一方と他方に位置している。
角部79aの中心には、ボス部BSが設けられている。具体的には、ボス部BSは、傾斜壁77bの延在方向を通る線分Laと、上壁73の延在方向を通る線分Lbと、が交差する位置に形成されている。図8に示すように、角部79aの中心において、ボス部BSの円弧状の内周面BSaが、フロントカバー7の内側に向かって膨出している。
図5に示すように、切欠部77によって、フロントカバー7の鉛直線VL方向上側の領域は、幅(車幅方向の長さ)が狭くなっている。この幅が狭い領域が、第2室S2内(図2参照)のケーブルハーネス94が収容される領域S2bに対応する。
領域S2bより鉛直線VL方向下側の領域が、コントロールバルブCVと電動オイルポンプEOPを収容する領域S2aに対応する。
フロントカバー7の領域S2bには、段部81、張り出し部85(ガイド部)および膨出部87が形成されている。
図4に示すように、段部81、張り出し部85および膨出部87は、それぞれ、囲繞壁72を鉛直線VL方向下側に突出させ、かつ底壁部71を車両後方側に突出させることで形成されている。
図6に示すように、段部81は、囲繞壁72の角部79aに接続して設けられる。段部81は、傾斜壁77bの内周から、ボス部BSの領域を超えて、上壁73の内周まで及ぶ範囲に設けられている。段部81は、角部79aの内周から、第2室S2(領域S2b)内に突出している。
膨出部87は、囲繞壁72の角部79bに接続して設けられる。膨出部87は、側壁75の内周から、ボス部BSの領域を超えて、上壁73の内周まで及ぶ範囲に設けられている。膨出部87は、角部79bの内周から、第2室S2(領域S2b)内に膨出している。
張り出し部85は、上壁73の内周に沿って設けられている。張り出し部85は、車幅方向における段部81と膨出部87の間に位置している。
図6に示すように、段部81は、車両後方側から見て略矩形の形状である。段部81は、底壁部71に対して車両後方側に突出した平面部811を有する。段部81は、平面部811を底壁部71に接続する接続部812、813を有する。車両後方側から見て、平面部811は、傾斜壁77b、上壁73、接続部812、接続部813に囲まれている。
接続部812は、鉛直線VL方向に沿う向きで設けられている。接続部812は、鉛直線VL方向における突起83の上側において、上壁73の内周に接続する。
接続部813は、車幅方向に沿う向きで設けられている。接続部813は、車幅方向における突起83の側方(図中、左側)において、傾斜壁77bの内周に接続する。
突起83(規制部)は、接続部812と接続部813が接続する部分に設けられている。図8に示すように、突起83は、角部79aと突起83とを結ぶ線分Le方向で、角部79aと間に間隔D2を空けて設けられている。突起83の後記する平坦面831と、角部79aに設けたボス部BSの内周面BSaは、線分Le方向で対向している(向かい合っている)。
突起83は、底壁部71から車両後方側、すなわち、収容部68の開口部68a(図2参照)に向かって突出する柱状部材である。
図7に示すように、突起83は、段部81の平面部811よりも車両後方側に突出している。突起83の平面部811からの突出長L1は、ケーブルハーネス94の直径D1よりも大きくなるように設定されている(L1>D1)。突起83の突出長L1は、突起83の高さに対応する。
なお、図7では、説明のために、ケーブルハーネス94の輪郭を模式的に円形で示している。詳細は後記するが、ケーブルハーネス94は曲げられた状態で突起83と角部79aの間を挿通されるため(図9参照)、実際は輪郭が円形にならないことがある。
図8に示すように、突起83は、平坦面831と円弧面832とを有する。突起83において平坦面831と円弧面832は、突起83の突出方向(図8における紙面手前奥方向)の全長に亘って設けられている。平坦面831は、車両後方側から見た場合に、角部79aと間隔を空けて対向する面である。平坦面831は、具体的には、角部79aの中心に設けられたボス部BSの内周面BSaに対向する。
図8の場合には、ボス部BSの中心Cを通る線分Leが、平坦面831の幅方向(線分Lc方向)の略中間点で、線分Lcに直交している。この状態において、ボス部BSの円弧状の内周面BSaの頂点Pが、線分Le上に位置している。頂点Pを通る接線Ldは、線分Leと直交している。ボス部BSと平坦面831は、線分Leの部分の幅が狭くなっている。
なお、平坦面831は、車両後方側から見て直線状の面であっても良く、わずかに湾曲した面であっても良い。円弧面832は、車両後方側から見て、平坦面831に対して角部79aと反対側に位置する面に設けられている。円弧面832は、頂点P832を、ボス部BSとは反対側に向けている。円弧面832の頂点P832は、線分Le上に位置している。
図8に示すように、突起83と角部79aとの間隔D2は、ケーブルハーネス94が挿通可能な大きさに設定される。間隔D2は、たとえば、突起83と角部79aの間を挿通されたケーブルハーネス94の少なくとも一部が、突起83と角部79aに接触する大きさに設定することができる。
図6に示すように、段部81の接続部812は、張り出し部85に接続している。張り出し部85は、車幅方向から見て、段部81とオーバーラップしている。
図7に示すように、張り出し部85は、鉛直線VL方向下側および車両後方側に張り出す湾曲面である。
張り出し部85が車両後方側へ張り出す高さL2は、上壁73から鉛直線VL方向下側に向かうにつれて低くなっている。すなわち、張り出し部85は、鉛直線VL方向上側から下側に向かうにつれて、段部81の平面部811から車両前方側に遠ざかり、底壁部71に近づいている。
図6に示すように、張り出し部85は、車幅方向における他端側(図中、左側)において段部81の接続部812に接続し、一端側(図中、右側)において膨出部87に接続する。
図4に示すように、膨出部87は、底壁部71および囲繞壁72を車両後方側に膨出させて形成される。膨出部87は、車両前後方向において、接合部78とほぼ同じ高さまで膨出している。図6に示すように、膨出部87は、車両後方側から見て略矩形である。膨出部は、縦壁部871、横壁部872および傾斜部873を有する。
縦壁部871は、鉛直線VL方向に沿って延び、鉛直線VL方向上側において上壁73に接続している。縦壁部871は、また、車幅方向の他端側(図中、左側)において張り出し部85に接続している。
縦壁部871は、鉛直線VL方向下側において、傾斜部873を介して横壁部872と接続する。横壁部872は車幅方向に沿って延び、車幅方向の一端側(図中、右側)において側壁75に接続する。
縦壁部871には、貫通孔88が形成されている。貫通孔88は、縦壁部871を車幅方向に貫通し、フロントカバー7の外部に連通する。
図6において、段部81および張り出し部85を通る水平線HL1と、膨出部87の貫通孔88の中心を通る水平線HL2を示している。水平線HL1、HL2は、車幅方向に沿った線分である。図6に示すように、水平線HL2は、水平線HL1よりも鉛直線VL方向下側に位置する。すなわち、水平線HL2上に設けられた貫通孔88は、水平線HL1上に設けられた段部81および張り出し部85に対して、鉛直線VL方向下側にオフセットしている。
図7に示すように、車幅方向(紙面手前側:動力伝達装置1の回転軸X方向)から見て貫通孔88は、当該貫通孔88の上側の領域が、突起83と重なる位置関係で設けられている。貫通孔88と突起83は、鉛直線VL方向で位置をずらして設けられている。貫通孔88の中心は、突起83よりも下側に位置している。
ターミナルコネクタ98を貫通孔88に挿入すると、ターミナルコネクタ98から延びるケーブルハーネス94は、紙面奥側に位置することになる。ケーブルハーネス94は、突起83の鉛直線VL方向の上側(上壁73)側を迂回して、突起83に巻き掛けられたのち、鉛直線VL方向の下側に引き出される。ケーブルハーネス94は、突起83に巻き掛けられる際に、鉛直線VL方向の上側に屈曲させられたのち、さらに下側に屈曲させられて、下側に引き出される。
続いて、フロントカバー7の作用について説明する。
図9は、フロントカバー7によるケーブルハーネス94の位置の規制を説明する図である。図9では、コントロールバルブCVの位置を仮想線で示している。また、ケーブルハーネス94は簡略化して図示している。また、図9では、ケーブルハーネス94の、フロントカバー7に接触している箇所にハッチングを付している。
ケース6の収容部68とフロントカバー7によって形成される第2室S2(図2参照)において、図9に示すように、ケーブルハーネス94は領域S2bに収容される。
ターミナルコネクタ98から延びるケーブルハーネス94は、領域S2bの鉛直線VL方向下側の領域S2aに収容されたコントロールバルブCVに接続している。
図9に示すように、ターミナルコネクタ98は、膨出部87に形成された貫通孔88に取り付けられる。すなわち、貫通孔88はターミナルコネクタ98の取付け部である。ターミナルコネクタ98は、貫通孔88を挿通して、フロントカバー7の外部に導出される。
ケーブルハーネス94は、コントロールバルブCVが位置する領域S2aから、領域S2bに向かって、鉛直線VL方向上側に延出する。ケーブルハーネス94は、領域S2bにおいて、段部81の突起83と角部79aの間を挿通される。
ケーブルハーネス94は、突起83と角部79aの間において、段部81に乗り上げ、突起83の外周に掛け回される。具体的には、ケーブルハーネス94は、突起83の平坦面831に沿って掛け回される。
図8に示すように、平坦面831は線分Lcに沿って延在している。線分Lcは、鉛直線VL方向の成分と車幅方向の成分を含んでいる。この平坦面831に沿って掛け回されることで、図9に示すように、ケーブルハーネス94は、鉛直線VL方向から車幅方向へ屈曲される。ケーブルハーネス94が屈曲されることで、ケーブルハーネス94の突起83側の領域Haは、平坦面831に押し付けられる。ここで、突起83に平坦面831が設けられていることで、突起83とケーブルハーネス94の接触面積が増加する。
ケーブルハーネス94において、曲げの内側になる平坦面831側の領域Haには圧縮応力が作用し、曲げの外側になる角部79a側の領域Hbには引張応力が作用する。これらの応力の作用でケーブルハーネス94は直線状に戻ろうとすることで、領域Hbが角部79aに押し付けられる。具体的には、領域HbのコントロールバルブCV側の部分が傾斜壁77bに押し付けられ、ターミナルコネクタ98側の部分が上壁73に押し付けられる。すなわち、ケーブルハーネス94は、突起83と角部79aに挟み込まれる。
このように、ケーブルハーネス94は、突起83に掛け回されることによって、突起83に係止され、位置が規制される。さらに、ケーブルハーネス94が、突起83と角部79aによって挟み込まれるため、突起83から外れにくくなる。さらに、図7に示すように、突起83の平坦面831からの突出長L1がケーブルハーネス94の直径D1よりも大きくなるように設定されているため、ケーブルハーネス94が突起83から外れにくい。
図9に示すように、突起83と角部79aの間を挿通されたケーブルハーネス94は、段部81に隣接して設けられた張り出し部85を通過して、車幅方向の一端側に設けられた膨出部87に到達し、貫通孔88に設けられたターミナルコネクタ98に接続する。
図6に示すように、段部81および張り出し部85は水平線HL1上に設けられ、膨出部87の貫通孔88は水平線HL1より下側の水平線HL2上にオフセットして設けられている。
図7に示すように、張り出し部85は囲繞壁72を鉛直線VL方向下側に張り出させて形成されている。すなわち、張り出し部85は貫通孔88側に張り出している。そのため、図9に白抜きの矢印で示すように、ケーブルハーネス94は、張り出し部85によって貫通孔88側にガイドされる。これによって、ケーブルハーネス94は、突起83と角部79aの間に挿通された後に、車幅方向の反対側に設けられた貫通孔88にスムーズにガイドされ、ターミナルコネクタ98に接続される。
このように、フロントカバー7に設けられた突起83によりケーブルハーネス94の位置が規制されることで、フロントカバー7のケース6への取り付けの作業効率を向上させることができる。
図10は、フロントカバー7のケース6への組み付けを説明する図である。
図10では、ケース6、フロントカバー7、コントロールバルブCV、ケーブルハーネス94等の形状は簡略化して図示している。さらに、突起83の位置をわかりやすくするために、突起83の部分に交差したハッチングを付して示している。
動力伝達装置1の組立工程には、コントロールバルブCVと電動オイルポンプEOPを第2室S2に設置する工程が含まれる。
この工程では、ケース6は、収容部68の開口部68aを鉛直線VL方向の上側に向けて配置される(図10参照)。この状態で、コントロールバルブCVと電動オイルポンプEOPが収容部68に設置される。
コントロールバルブCVの設置が完了すると、コントロールバルブCVとターミナルコネクタ98が、ケーブルハーネス94で接続されたのち、ターミナルコネクタ98が、フロントカバー7の貫通孔88に挿入されて位置決めされる。
ターミナルコネクタ98のフロントカバー7への取り付けが完了すると、収容部68の開口を、フロントカバー7で塞ぐ作業が行われることになる。
具体的には、組付け工程の作業者は、フロントカバー7の上壁73側を、収容部68の上壁683を近づける。
ここで、ケーブルハーネス94は、ケース6に対するフロントカバー7の組み付け作業における作業性を阻害しないようにするために十分な長さを持っている。そのため、ケーブルハーネス94は、遊びの部分の長さが長くなっている。
フロントカバー7をケース6に単純に組み付けると、ケーブルハーネス94の遊びの部分が、ケース6とフロントカバー7との間に接合面に挟まれることや、コントロールバルブCVに付設されたソレノイドなどと干渉する虞がある。
本実施形態では、フロントカバー7側に、ケーブルハーネス94を係止するための突起83と角部79aが設けられている。そして、前記したように、ケーブルハーネス94の遊びの部分が、突起83と角部79aとの間で保持されているので、ケーブルハーネス94の遊びの部分の変位が、保持されていない場合よりも抑えられている。
よって、組付け工程の作業者は、以下の手順で、フロントカバー7の組付け作業を実施する。
(a)鉛直線VL方向下側に位置するフロントカバー7の上壁73を、収容部68の上壁683に近づけて、位置決めする。
(b)ケーブルハーネス94を突起83と角部79aの間に保持させる。
(c)フロントカバー7を、上壁73を軸として回転させて、フロントカバー7側の接合部78と、収容部68側の接合部688とが、全周に亘って接合されるように、位置決めする。
(d)フロントカバー7の接合部78と収容部68の接合部688を、ボルト(図示せず)で締結する。
この際に、ケーブルハーネス94は、突起83により位置を規制されている。この突起83は、ケーブルハーネス94が収容される領域S2bに設けられている。すなわち、ケーブルハーネス94の遊びの部分は、突起83によって、予め領域S2bに位置を規制されている。そのため、フロントカバー7をケース6の収容部68に接合すると、ケーブルハーネス94はそのまま第2室S2の領域S2bにスムーズに収まる。
ここで、比較例として、ケーブルハーネス94が、突起83により位置を規制されていない場合を検討する。
比較例の場合、ケーブルハーネス94は、フロントカバー7とケース6の間でフリーの状態となる。作業者はケーブルハーネス94をつかんで収容部68の領域S2bに収めながら、フロントカバー7を傾ける必要がある。
しかしながら、フリーの状態のケーブルハーネス94が揺れて、領域S2aに収容されたコントロールバルブCVの部品に引っかかったり乗り上げたりする可能性がある。特に、実施形態における動力伝達装置1のように、ターミナルコネクタ98がフロントカバー7に取り付けられるレイアウトでは、ケーブルハーネス94が長くなる傾向がある。ケーブルハーネス94が長くなると、さらに揺れやすくなる。作業者は、片手でフロントカバー7を把持しながら、もう一方の手で揺れるケーブルハーネス94を領域S2bに収める必要があるため、作業効率に影響を与える。
実施形態の動力伝達装置1では、図9に示すように、ケーブルハーネス94は、突起83に掛け回されることで位置を規制されているため、揺れが低減される。さらに、ケーブルハーネス94は、突起83に掛け回されることで、予め領域S2bに位置している。そのため、作業者はフロントカバー7を把持しながら、揺れるケーブルハーネス94をつかんで領域S2bに収める必要がないため、作業効率を向上させることができる。
以下に、本実施形態にかかる動力伝達装置1の例を列挙する。
(1)動力伝達装置1は、
開口部68aを有するケース6と、
ケース6内の、開口部68aの位置に配置されるコントロールバルブCV(油圧制御装置)と、
ケース6に取り付けられ、開口部68aを塞ぐフロントカバー7(カバー)と、
フロントカバー7に取り付けられたターミナルコネクタ98と、
ケース6の上壁683とコントロールバルブCVとの間の領域S2bに配策され、コントロールバルブCVと、ターミナルコネクタ98を接続するケーブルハーネス94(ケーブル)と、
フロントカバー7に設けられ、ケーブルハーネス94の位置を規制する規制部である突起83と、を有する。
このように構成すると、ケーブルハーネス94の位置が突起83により規制されているので、組み付け作業の際のケーブルハーネス94の揺れを低減し、組み付け作業の効率を向上させることができる。
動力伝達装置1のレイアウトにおいて、ターミナルコネクタ98がフロントカバー7に取り付けられることがある。このレイアウトでは、ケース6とフロントカバー7の組み付け作業の際に、予めケーブルハーネス94を、ケース6内に収容したコントロールバルブCVと、フロントカバー7のターミナルコネクタ98に接続しておく。作業者はフロントカバー7を把持しながら、ケーブルハーネス94を、ケース6とコントロールバルブCVの間の領域S2bに収める必要がある。
この際、ケーブルハーネス94がフリーの状態だと、ケーブルハーネス94が揺れてコントロールバルブCVの部品に引っかかったり乗り上げたりして領域S2bに収めにくくなり、組み付け作業の効率に影響を与える可能性がある。
実施形態の動力伝達装置1においては、フロントカバー7にケーブルハーネス94の位置を規制する規制部である突起83を設けている。ケーブルハーネス94の位置が規制されることで、組み付け作業の際にケーブルハーネス94が揺れることが低減されるため、領域S2bに収めやすくなり、組み付け作業の効率を向上させることができる。
(2)フロントカバー7は、ケース6の開口部68aと対向する底壁部71(対向領域)を有する。
規制部は、底壁部71から開口部68a側に突出する突起83とすることができる。
突起83はフロントカバー7と一体的に形成することができるため、規制部をフロントカバー7と別に設ける必要が無く、部品点数を低減し、製造コストを低減することができる。また、作業者は、組み付け時にケーブルハーネス94を突起83に掛け回すことで、容易にケーブルハーネス94の位置を規制することができる。
(3)突起83の段部81からの突出長L1(突起83の高さ)は、ケーブルハーネス94の直径D1よりも大きくすることができる。
これにより、ケーブルハーネス94が突起83から外れにくくなり、組み付け作業の際のケーブルハーネス94の揺れを低減することができる。
(4)フロントカバー7は、底壁部71の外周を囲み、開口部68a側に延びる囲繞壁72(壁部)を備える。突起83は、囲繞壁72に対向して設けることができる。突起83と囲繞壁72との間にケーブルハーネス94が挿通されて、ケーブルハーネス94の位置が規制される。
囲繞壁72と突起83との対向方向の隙間を狭めることにより、突起83と囲繞壁72とでケーブルハーネス94を挟み込んで保持することができ、ケーブルハーネス94が突起から外れにくくなる。
(5)囲繞壁72は角部79aを有する。
突起83は、角部79aに対向して設けることができる。
角部79aと、突起83と、貫通孔88と、が、動力伝達装置1の回転軸X方向に並んでいる。角部79aは、突起83から見て貫通孔88とは反対側に位置している。
貫通孔88にターミナルコネクタ98が支持されると、ターミナルコネクタ98から延びるケーブルハーネス94は、突起83と角部79aの間を挿通される。ケーブルハーネス94は、突起83と角部79aの間において、突起83に掛け回されることで、鉛直線VL方向から車幅方向に屈曲される。これにより、ケーブルハーネス94の突起83側の領域Haは、突起83に接触する。曲げられたケーブルハーネス94に応力が作用することで、ケーブルハーネス94の角部79a側の領域Hbが、角部79a接触する。このように、ケーブルハーネス94が突起83と角部79aに挟み込まれることで、突起83から外れにくくなり、組み付け作業の際のケーブルハーネス94の揺れを低減することができる。
なお、前記した実施形態では、突起83を囲繞壁72の角部79aと対向して設ける例を説明したが、突起83は、囲繞壁72の角部79a以外の部分に対向して設けても良い。たとえば、突起83は、囲繞壁72の上壁73、傾斜壁77a、傾斜壁77b等に対向して設けても良い。
(6)突起83は、囲繞壁72の角部79aに対向する平坦面831を有する。
動力伝達装置1の回転軸X方向において、平坦面831は、貫通孔88とは反対側に位置している。平坦面831は、動力伝達装置1の車両への設置状態を基準とした鉛直線方向で、車幅方向における斜め上方に位置している。
角部79aと、突起83と、貫通孔88は、動力伝達装置1の回転軸X方向に並んでいる。角部79aと、突起83と、貫通孔88は、動力伝達装置1の車両への設置状態を基準とした鉛直線VL方向で、この順番で位置をずらして設けられている。
突起83が角部79aに対向する平坦面831を有することで、ケーブルハーネス94と平坦面831の接触面積が増加するため、突起83によるケーブルハーネス94の支持力を高めることができ、ケーブルハーネス94が突起83から抜けにくくなる。これにより、組み付け作業の際のケーブルハーネス94の揺れを低減することができる。
なお、平坦面831は、突起83の角部79aに対向する面の全面に設けなくても良く、一部に設けても良い。
(7)フロントカバー7は、ターミナルコネクタ98の取付け部である貫通孔88を備える。貫通孔88は膨出部87に設けられる。
貫通孔88は、突起83に対してオフセットして設けられている。具体的には、突起83が設けられた段部81は、水平線HL1上に位置する。貫通孔88は、水平線HL1に対して、鉛直線VL方向下側にオフセットした水平線HL2上に設けられている。
突起83と貫通孔88との間には、貫通孔88側に張り出す張り出し部85(ガイド部)が設けられている。
突起83と角部79aの間を挿通したケーブルハーネス94が、張り出し部85によって、鉛直線VL方向下側にオフセットした貫通孔88にガイドされる。これによって、ケーブルハーネス94の位置を規制しつつ、ターミナルコネクタ98にスムーズに接続させることができるため、組み付け時の作業効率を向上させることができる。
本実施形態では、本発明のある態様における動力伝達装置を車両に搭載する例を説明したが、この態様に限定されない。本発明のある態様における動力伝達装置は、車両以外にも適用することができる。また、本実施形態において複数の実施例、変形例が記載されている場合は、これらを任意に組み合わせても良い。
前記した実施形態では、動力伝達装置1がエンジンENGの回転を駆動輪WH、WHに伝達する場合を例示したが、動力伝達装置1は、エンジンENGとモータ(回転電機)のうちの少なくとも一方の回転を駆動輪WH、WHに伝達するものであっても良い。例えば、1モータ、2クラッチ式(エンジンENGと動力伝達装置の間にモータが配置され、エンジンENGとモータの間に第1のクラッチが配置され、動力伝達装置1内に第2のクラッチが配置された形式)の動力伝達装置であっても良い。
また、前記した実施形態では、動力伝達装置1が変速機能を有している場合を例示したが、動力伝達機構は変速機能を持たず、単に減速する(増速であってもよい)ものであっても良い。動力伝達装置が変速機能を有しておらず、動力伝達装置が、モータの回転を減速して駆動輪WH、WHに伝達する構成である場合には、モータの冷却用のオイルと、減速機構の潤滑用のオイルを供給するための油圧制御回路を、電動オイルポンプEOP共に、第2室S2に配置することになる。また、前記した実施形態では、動力伝達装置1のコントロールユニットがコントロールバルブCVを備えた場合を例示したが、動力伝達装置1が、変速機構をも持たず、また、駆動源がエンジンENGではなく、モータ(回転電機)の場合にあっては、モータを駆動制御するインバータ等を備えたコントロールユニットであっても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。発明の技術的な思想の範囲内で、適宜変更可能である。
1 動力伝達装置
6 ケース
68a 開口部
7 フロントカバー(カバー)
71 底壁部(対向面)
72 囲繞壁(壁部)
79a 角部
83 突起(規制部)
831 平坦面
88 貫通孔(取付け部)
85 張り出し部(ガイド部)
94 ケーブルハーネス
94a 一端
94b 他端
98 ターミナルコネクタ
CV コントロールバルブ(油圧制御装置)

Claims (7)

  1. 開口部を有するケースと、
    前記ケース内の、前記開口部の位置に配置される油圧制御装置と、
    前記ケースに取り付けられ、前記開口部を塞ぐカバーと、
    前記カバーに取り付けられたターミナルコネクタと、
    前記カバーと前記油圧制御装置との間に配策され、前記油圧制御装置と前記ターミナルコネクタを接続するケーブルと、
    前記カバーに設けられ、前記ケーブルの位置を規制する規制部と、を有する、動力伝達装置。
  2. 請求項1において、
    前記カバーは、前記ケースの前記開口部と対向する対向領域を有し、
    前記規制部は、前記対向領域から前記開口部側に突出する突起である、動力伝達装置。
  3. 請求項2において、
    前記規制部の高さは、前記ケーブルの直径よりも大きい、動力伝達装置。
  4. 請求項2において、
    前記カバーは、前記対向領域の外周を囲み、前記開口部側に延びる壁部を備え、
    前記規制部は、前記壁部に対向して設けられ、前記壁部との間に前記ケーブルが挿通されて前記ケーブルの位置を規制する、動力伝達装置。
  5. 請求項4において、
    前記壁部は角部を有し、前記規制部は、前記角部に対向して設けられる、動力伝達装置。
  6. 請求項4または請求項5において、
    前記規制部は、前記壁部に対向する面に平坦面を有する、動力伝達装置。
  7. 請求項1において、
    前記カバーは、前記ターミナルコネクタの取付け部を備え、
    前記取付け部は、前記規制部に対してオフセットして設けられ、
    前記規制部と前記取付け部との間に、前記取付け部側に張り出すガイド部が設けられている、請求項1記載の動力伝達装置。
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