JP2023154557A - 粉体塗装設備の吐出異常検知装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、粉体塗料を塗装ガンから被塗物に対して吐出することにより塗装を行う粉体塗装設備における吐出異常検知装置に関するものである。
塗装ガンから被塗物に対して粉体塗料を吐出して塗装を行う粉体塗装設備においては、塗装ガンから吐出される粉体塗料の密度及び搬送エアーの流速を一定に保持して塗装を行うことが塗装製品の膜厚管理等の点で極めて重要である。
従来、粉体塗装設備においては、図6に示すように、塗装ガン21から吐出される粉体塗料Aの量を一定に保持するために、粉体塗料Aを吸引して搬送ホース22を介して搬送エアーによって粉体塗料Aを塗装ガン21に供給するインジェクターユニット23と、粉体塗料Aを収容する塗料タンク24との間に、定量供給装置25を設けたものがある(特許文献1)。
前記定量供給装置25は、塗料タンク24から供給される粉体塗料Aを収容する中継タンク26と、この中継タンク26の下部に設置され、中継タンク26内の粉体塗料Aを定量排出するスクリューフィーダーユニット27とからなる。
なお、塗料タンク24としては、底面から流動エアー24aが供給される流動式のものが使用されている。
また、インジェクターユニット23に搬送ホース29を介して供給される搬送エアーは、制御盤28によって制御されている。また、塗装ガン21とスクリューフィーダーユニット27も制御盤28によって制御されている。
ところが、前記のように、インジェクターユニット23と、粉体塗料Aを収容する塗料タンク24との間に、定量供給装置25を設けていても、塗料タンク24の残量低下、塗料ホース22の折れ、抜け、破れ、ノズル摩耗などの機器の不具合があると、塗装ガン21から吐出される粉体塗料Aの密度や搬送エアーが変化し、膜厚の不均一などの塗装不良が生じることがある。
そして、従来は、この機器の不具合による粉体塗料Aの密度や搬送エアーの変化をリアルタイムで検知することができないため、粉体塗料の吐出異常を発見するまでに時間がかかり、塗装不良品が大量に発生するという問題があった。
また、風袋や計量カップを用いて粉体塗料Aの吐出量を確認・校正するという作業は、作業者に多大な手間を要し、粉体塗装設備を長時間停止しなければならないという問題もあった。
そこで、この発明は、塗装ガンから吐出される粉体塗料の密度及び搬送エアーの流速の変化をリアルタイムで検知することが可能な粉体塗装設備における吐出異常検知装置を提供することにより、粉体塗装設備の停止時間を極力なくし、塗装不良品の発生を極力少なくしようとするものである。
前記の課題を解決するために、この発明に係る粉体塗装設備の吐出異常検知装置は、粉体塗料を搬送エアーによって搬送する搬送経路を斜めに横切るように超音波を発信する超音波発信機と、前記超音波発信機から発信された超音波を受信する超音波受信機とを備え、前記超音波受信機の電圧変化から搬送経路を通過する粉体塗料の密度変化を検知すると共に、前記超音波受信機の出力位相差から搬送経路を通過する搬送エアーの流速変化を検知することにより、粉体塗料の吐出異常判定を行うようにしたものである。
また、前記超音波発信機と超音波受信機を送受信兼用タイプとし、定期的に前記超音波発信機と超音波受信機を入れ替えるようにしてもよい。
この発明に係る粉体塗装設備の吐出異常検知装置によれば、塗装ガンに供給される粉体塗料の密度変化と搬送エアーの流速変化をリアルタイムに検知することができるので、吐出異常が生じた場合には、粉体塗装設備を直ちに停止し、不良品の発生を極力少なくすることができる。
また、吐出異常検知装置の検知結果に基づいて搬送エアーの量、定量供給装置の供給量などを制御盤によって制御することにより、より均一な粉体塗装を行うことも可能になる。
また、超音波発信機と超音波受信機として送受信兼用タイプを使用し、定期的に超音波受信機と超音波発信機とを入れ替えることにより、超音波受信機の際に付着した粉体塗料を、超音波発信機に入れ替わった際の振動により払い落とすことができる。
以下、この発明の粉体塗装設備における吐出異常検知装置の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この発明に係る粉体塗装設備における吐出異常検知装置13は、図1に示すように、塗装ガン1と、粉体塗料Aを吸引して搬送ホース2を介して搬送エアーによって粉体塗料Aを塗装ガン1に供給するインジェクターユニット3と、粉体塗料Aを収容する塗料タンク4との間に設けられた定量供給装置5とを備える粉体塗装ラインにおける粉体塗料Aの搬送経路に設置される。
塗装ガン1としては、ガン先端にコロナ電極を備えたコロナ静電式塗装ガン、あるいはガン本体内に摩擦チューブを備える摩擦帯電式静電塗装ガンを使用することができる。
塗料タンク4は、底面に多孔板4aを有し、この多孔板4aの下面から流動エアー4bを供給する流動式のものを使用している。流動式の塗料タンク4は、流動エアー4bによって塗料タンク4内の粉体塗料Aの固まりをほぐすと共に、除湿を行うことができる。
粉体塗料Aを収容する塗料タンク4の下部には、粉体塗料Aの排出口4cが設置され、この排出口4cとインジェクターユニット3との間に、定量供給装置5を設置している。
定量供給装置5は、塗料タンク4の排出口4cに接続される中継タンク6と、中継タンク6の下方部分に設けられたスクリューフィーダーユニット7とを備えている。
前記中継タンク6内には、粉体塗料間の余分な空気を抜き、単位容積当たりの粉体塗料の量が一定になるように、バイブレータ8によって振動する網9が張られている。中継タンク6の上面には、エアー排出口10が設置されている。
前記中継タンク6の下方部分には、単位容積当たりの量が一定になった粉体塗料Aを定量排出するスクリューフィーダーユニット7が設置されている。
前記スクリューフィーダーユニット7は、上面に供給口、前端に排出口7dを有するスクリューガイド7aと、このスクリューガイド7a内に収容されるスクリュー7bとを備えている。
前記スクリュー7bのスクリュー軸の後方端は、スクリューガイド7aを貫通し、中継タンク6の後方壁に設置されたモータ7cに連結されている。
また、前記スクリュー7bのスクリュー軸の前方端は、スクリューガイド7aの前端壁に回転可能に支持されている。
前記スクリューガイド7aの前端の排出口7dは、インジェクターユニット3の吸引口3aに接続される排出口通路7eに接続されている。
前記スクリューガイド7aの排出口7dには、整流板7fがスプリングによって開閉可能に設けられている。粉体塗料Aは、前記スクリュー7bの回転によって整流板7fに連続的に押し付けられ、粉体塗料Aが排出口7dから排出口通路7eに供給される。
前記スクリューフィーダーユニット7の前端に位置する排出口通路7eの下方には、インジェクターユニット3が設置されている。
前記インジェクターユニット3には、エアー供給管11が接続され、このエアー供給管11から吹き入れられた搬送エアーによって、上面の吸引口3aから粉体塗料Aが吸引されて搬送ホース2を通じて塗装ガン1に粉体塗料Aが供給されるようになっている。
インジェクターユニット3にエアー供給管11を介して供給される搬送エアーは、制御盤12によって制御されている。また、塗装ガン1とスクリューフィーダーユニット7も制御盤12によって制御されている。
粉体塗料の搬送経路、例えば、搬送ホース2には、この発明に係る吐出異常検知装置13を設置している。
吐出異常検知装置13は、図2及び図3の概念図に示すように、粉体塗料Aを搬送エアーによって搬送する搬送経路、例えば、配管13aを斜めに横切るように超音波を発信する超音波発信機13bと、前記超音波発信機13bから発信された超音波を受信する超音波受信機13cとを備え、前記超音波受信機13cの受信電圧レベルの変化から搬送経路を通過する粉体塗料Aの密度変化を検知すると共に、前記超音波発信機13bと超音波受信機13cの出力位相差から搬送経路を通過する搬送エアーの流速変化を検知することにより、粉体塗料の吐出異常判定を行っている。
即ち、図2示すように、配管13a内の粉体塗料Aの密度が小さい場合と、図3に示すように、配管13a内の粉体塗料Aの密度が大きい場合とでは、粉体塗料Aによって邪魔されることによって、超音波受信機13cの受信電圧レベルに差が生じるので、この受信電圧レベルの変化を監視することによって、配管13a内を通過する粉体塗料Aの密度変化を検知することができる。
また、配管13a内を通過する搬送エアーの流速の変化は、図4に示すように、超音波受信機13cに到達する超音波の伝達速度の差が受信出力の位相差として現れるため、この位相差から搬送エアーの流速の変化を検知することができる。
粉体塗料Aの吐出異常判定を行う吐出異常検知装置13は、搬送ホース2における折れや破れによる吐出量の低下を検知するために、搬送ホース2の塗装ガン1側の端部に設置することが望ましい。
この発明に係る吐出異常検知装置13を粉体塗装設備に設置することにより、塗装ガン1に供給される粉体塗料Aの密度変化と搬送エアーの流速変化をリアルタイムに検知することができるので、吐出異常が生じた場合には、粉体塗装設備を直ちに停止し、不良品の発生を極力少なくすることができる。
また、吐出異常検知装置13の検知結果に基づいて搬送エアーの量、定量供給装置5の供給量などを制御盤12によって制御することにより、より均一な粉体塗装を行うことも可能になる。
次に、吐出異常検知装置13の超音波発信機13bは、超音波振動によって粉体塗料Aが付着し難いが、超音波を受ける超音波受信機13cは粉体塗料Aが付着し易い。このため、超音波発信機13bと超音波受信機13cとして送受信兼用タイプを使用し、図5に示すように、定期的に超音波受信機13cと超音波発信機13bとを入れ替えることにより、超音波受信機13cの際に付着した粉体塗料Aを、超音波発信機13bに入れ替わった際の振動により払い落とすことができる。
この発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲において、さらに種々の形態で実施し得ることは勿論のことであり、この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内の全ての変更を含む。
1 塗装ガン
2 搬送ホース
3 インジェクターユニット
4 塗料タンク
5 定量供給装置
7 スクリューフィーダーユニット
13 吐出異常検知装置
13b 超音波発信機
13c 超音波受信機
2 搬送ホース
3 インジェクターユニット
4 塗料タンク
5 定量供給装置
7 スクリューフィーダーユニット
13 吐出異常検知装置
13b 超音波発信機
13c 超音波受信機
Claims (2)
- 粉体塗料を搬送エアーによって搬送する搬送経路を斜めに横切るように超音波を発信する超音波発信機と、前記超音波発信機から発信された超音波を受信する超音波受信機とを備え、前記超音波受信機の電圧変化から搬送経路を通過する粉体塗料の密度変化を検知すると共に、前記超音波受信機の出力位相差から搬送経路を通過する搬送エアーの流速変化を検知することにより、粉体塗料の吐出異常判定を行うようにした粉体塗装における吐出異常検知装置。
- 前記超音波発信機と超音波受信機を送受信兼用タイプとし、定期的に前記超音波発信機と超音波受信機を入れ替えるようにした請求項1記載の粉体塗装における吐出異常検知装置。
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