JP2023154136A - 中温メタン発酵処理装置、および中温メタン発酵処理装置の運転方法 - Google Patents
中温メタン発酵処理装置、および中温メタン発酵処理装置の運転方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】嫌気性発酵処理を2段で行う中温メタン発酵処理装置において、嫌気性発酵における汚泥への悪影響を抑えつつ、特に1段目のメタン発酵槽の内部で汚泥が発泡することを従来よりも容易に抑制することができる技術を提供すること。【解決手段】中温メタン発酵処理装置101は、第1メタン発酵槽1と、第2メタン発酵槽2と、汚泥移送管5と、第1循環配管4と、第1循環ポンプ11と、第1加温手段(第1熱交換器9)と、第2循環配管6と、第2循環ポンプ13と、汚泥返送管8と、を備える。また、この中温メタン発酵処理装置101では、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度が、第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度よりも高く設定され、且つ、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度が45℃以下に設定されている。【選択図】図1
Description
本発明は、中温メタン発酵処理装置、および中温メタン発酵処理装置の運転方法に関する。
有機性廃棄物の嫌気性発酵処理を内部で行うメタン発酵槽では、処理中に槽内の汚泥が発泡することがある。発泡が激しいと、泡の界面が上昇してバイオガスの回収管に泡が混入してしまうことがある。回収管に泡が混入すると、後段のバイオガス設備が損傷する可能性がある。メタン発酵槽における発泡対策として、例えば、特許文献1、2に記載のような技術がある。
特許文献1に記載の技術は、消泡剤投入装置に関するものである。嫌気性処理を行うメタン発酵槽の上に消泡剤貯留槽が設けられる。消泡剤貯留槽内の消泡剤がメタン発酵槽に投入される。
特許文献2では、ボイラーからの熱水が流通する配管、またはバイオガス利用装置の排熱を利用して生成される温水が流通する配管が、メタン発酵槽内の気相部に設けられる。ボイラーからの熱水、またはバイオガス利用装置の排熱を利用して生成された温水によって、上記気相部に存在する発生した泡を加熱することで、泡の粘度を低下させて消泡し易くしている。
特許文献1に記載のような消泡剤投入装置を用いて、発泡対策として消泡剤のみが用いられると、薬品コスト(消泡剤のコスト)が増大するという問題がある。また、大量の消泡剤が用いられると、消泡剤で発酵液が薄まるという別の問題もある。
一方、特許文献2に記載の技術によると、消泡剤の使用量を抑えることができる。しかしながら、特許文献2に記載の技術では、熱水または温水が流通する配管をメタン発酵槽内の気相部に設置する必要があり、メタン発酵槽内の気相部が煩雑なものとなってしまう。また、上記配管の腐食対策も必要となる。
嫌気性発酵処理を行う方法として、2つのメタン発酵槽を用いた2段処理がある。この2段処理では、1段目のメタン発酵槽に汚泥(原料汚泥)が投入されるため、2段目のメタン発酵槽よりも1段目のメタン発酵槽の方が発泡しやすい。
本発明の目的は、嫌気性発酵処理を2段で行う中温メタン発酵処理装置において、嫌気性発酵における汚泥への悪影響を抑えつつ、特に1段目のメタン発酵槽の内部で汚泥が発泡することを従来よりも容易に抑制することができる技術を提供することである。
本願で開示する中温メタン発酵処理装置は、有機性廃棄物を含む汚泥が投入される第1メタン発酵槽と、前記第1メタン発酵槽の後段に配置される第2メタン発酵槽と、前記第1メタン発酵槽から前記第2メタン発酵槽へ前記第1メタン発酵槽内の汚泥を移送するための汚泥移送管と、前記第1メタン発酵槽内の汚泥を循環させるための第1循環配管であって、前記第1メタン発酵槽の底部から汚泥を引き抜き、引き抜いた汚泥を前記第1メタン発酵槽の上部に戻すための第1循環配管と、前記第1循環配管に配置される第1循環ポンプと、前記第1メタン発酵槽内の汚泥を加温する第1加温手段と、前記第2メタン発酵槽内の汚泥を循環させるための第2循環配管であって、前記第2メタン発酵槽の底部から汚泥を引き抜き、引き抜いた汚泥を前記第2メタン発酵槽の上部に戻すための第2循環配管と、前記第2循環配管に配置される第2循環ポンプと、前記第2メタン発酵槽から前記第1メタン発酵槽へ前記第2メタン発酵槽内の汚泥を返送するための汚泥返送管と、を備えている。この中温メタン発酵処理装置は、前記第1メタン発酵槽内の汚泥の温度が、前記第2メタン発酵槽内の汚泥の温度よりも高く設定され、且つ、前記第1メタン発酵槽内の汚泥の温度が45℃以下に設定されている。
発泡の要因は、汚泥の粘度上昇、有機性廃棄物からの発泡性物質の混入、微生物からの発泡性物質の分泌などである。汚泥の粘性が高くなったり、汚泥中の発泡性物質が多くなったりすると汚泥は発泡しやすい。ここで、汚泥の温度が高いと、汚泥の粘性は低く、発泡性物質は分散しやすくなる。そのため、汚泥は発泡しにくくなる。また、汚泥の粘性が低いと泡も消えやすくなる。発泡性物質の一例として油脂分がある。上記構成の中温メタン発酵処理装置によれば、第1メタン発酵槽内の汚泥の温度が第2メタン発酵槽内の汚泥の温度よりも高く設定されることで、発泡しやすい1段目のメタン発酵槽(第1メタン発酵槽)の内部で汚泥が発泡することを容易に抑制することができる。
また、汚泥の温度が高く設定される第1メタン発酵槽内の汚泥の温度の上限設定が45℃であるので、第1メタン発酵槽においても第2メタン発酵槽においても嫌気性発酵における汚泥への悪影響を抑えることができる。さらには、汚泥移送管、および汚泥返送管により、第1メタン発酵槽と第2メタン発酵槽との間において汚泥を循環させることができる。そのため、比較的温度が高い第1メタン発酵槽の中だけで汚泥が嫌気性発酵するのではなく、比較的温度が低い第2メタン発酵槽の中でも汚泥は嫌気性発酵する。この観点からも嫌気性発酵における汚泥への悪影響を抑えることができる。
前記第1メタン発酵槽内の汚泥の液面と、前記第1メタン発酵槽の底面との間の距離をLとしたとき、前記汚泥移送管の吸い込み口が、前記液面から下方へ1/4Lから1/2L離れた位置にあってもよい。
この構成によると、発泡しやすい汚泥の第1メタン発酵槽からの引き抜きを防止することができ、発泡しやすい汚泥が第2メタン発酵槽に流入することを抑えることができる。その結果、2段目のメタン発酵槽(第2メタン発酵槽)の内部で汚泥が発泡することを抑制することができる。また、沈降性が高い汚泥の引き抜きを抑えることもできる。
前記第1加温手段は、前記第1循環配管に配置される第1熱交換器とされてもよい。
この構成によると、第1メタン発酵槽内の汚泥の温度を適切な温度に保ちやすい。
前記中温メタン発酵処理装置は、前記第2メタン発酵槽内の汚泥を加温する第2加温手段をさらに備えてもよい。
この構成によると、第1メタン発酵槽内の汚泥を加温する第1加温手段のみで汚泥を加温する場合と比べて、第2メタン発酵槽内の汚泥の温度を適切な温度に保ちやすい。
前記第2加温手段は、前記第2循環配管に配置される第2熱交換器とされてもよい。
この構成によると、第2メタン発酵槽内の汚泥の温度を適切な温度に保ちやすい。
前記第2メタン発酵槽内の汚泥の温度が37℃±3℃とされ、且つ、前記第1メタン発酵槽内の汚泥の温度が40℃±3℃とされてもよい。
この構成によると、嫌気性発酵における汚泥への悪影響をより抑えることができる。
前記第1メタン発酵槽内で汚泥の発泡が検知されたとき、前記第1メタン発酵槽内の汚泥の温度が一時的に上昇されてもよい。
この構成によると、第1メタン発酵槽内の泡が消泡しやすくなる。
前記汚泥移送管は、前記第1メタン発酵槽内の汚泥を、前記第2メタン発酵槽内の鉛直方向における中央部、または前記第2メタン発酵槽内の当該中央部よりも上方に供給するように配管されており、前記汚泥返送管は、前記第2メタン発酵槽の底部から汚泥を引き抜くように配管されてもよい。
汚泥移送管、および汚泥返送管により、第1メタン発酵槽と第2メタン発酵槽との間を汚泥が循環されるところ、上記の構成によると、第2メタン発酵槽に供給された汚泥が、第1メタン発酵槽にすぐに返送されることを防止することができるので、第2メタン発酵槽における汚泥の滞留時間を確保しやすい。
前記汚泥返送管は、前記第2循環配管から分岐していてもよい。
この構成によると、汚泥返送管を容易に設置することができる。
前記汚泥返送管は、前記第1循環配管に接続していてもよい。
この構成によると、汚泥返送管を容易に設置することができる。
本願は中温メタン発酵処理装置の運転方法についても開示する。この運転方法は、有機性廃棄物を含む汚泥が投入される第1メタン発酵槽と、前記第1メタン発酵槽の後段に配置される第2メタン発酵槽と、前記第1メタン発酵槽から前記第2メタン発酵槽へ前記第1メタン発酵槽内の汚泥を移送するための汚泥移送管と、前記第1メタン発酵槽内の汚泥を循環させるための第1循環配管であって、前記第1メタン発酵槽の底部から汚泥を引き抜き、引き抜いた汚泥を前記第1メタン発酵槽の上部に戻すための第1循環配管と、前記第1循環配管に配置される第1循環ポンプと、前記第1メタン発酵槽内の汚泥を加温する第1加温手段と、前記第2メタン発酵槽内の汚泥を循環させるための第2循環配管であって、前記第2メタン発酵槽の底部から汚泥を引き抜き、引き抜いた汚泥を前記第2メタン発酵槽の上部に戻すための第2循環配管と、前記第2循環配管に配置される第2循環ポンプと、前記第2メタン発酵槽から前記第1メタン発酵槽へ前記第2メタン発酵槽内の汚泥を返送するための汚泥返送管と、を備える中温メタン発酵処理装置の運転方法であって、前記第1メタン発酵槽内の汚泥の温度を、前記第2メタン発酵槽内の汚泥の温度よりも高く設定し、且つ、前記第1メタン発酵槽内の汚泥の温度を45℃以下に設定することを特徴とする。
上記の運転方法において、前記第1メタン発酵槽内の汚泥の液面と、前記第1メタン発酵槽の底面との間の距離をLとしたとき、前記液面から下方へ1/4Lから1/2L離れた位置より、前記汚泥移送管を用いて前記第1メタン発酵槽内の汚泥を引き抜いて前記第2メタン発酵槽へ移送してもよい。
本発明によれば、嫌気性発酵処理を2段で行う中温メタン発酵処理装置において、嫌気性発酵における汚泥への悪影響を抑えつつ、特に1段目のメタン発酵槽の内部で汚泥が発泡することを従来よりも容易に抑制することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る中温メタン発酵処理装置101は、第1メタン発酵槽1と、第1メタン発酵槽1の後段に配置される第2メタン発酵槽2と、を備える2段嫌気性発酵処理装置である。
第1メタン発酵槽1は、有機性廃棄物を含む汚泥として濃縮汚泥(原料汚泥)が投入される1段目のメタン発酵槽である。第2メタン発酵槽2は、第1メタン発酵槽1から第1メタン発酵槽1内の汚泥が投入される2段目のメタン発酵槽である。原料汚泥が第1メタン発酵槽1に投入され、その投入された原料汚泥が第1メタン発酵槽1から第2メタン発酵槽2へ投入(供給)される汚泥の流れが基本である。そのため、「第1メタン発酵槽1の後段に配置される第2メタン発酵槽2」と表現して、第1メタン発酵槽1に対する第2メタン発酵槽2の位置づけを特定している。
ここで、例えば日本下水道協会の指針には、メタン発酵槽は、嫌気性発酵処理のうちの中温発酵処理においては温度約30~37℃で滞留時間20~30日程度で運転されると記載されている。高温発酵処理においては温度約50~55℃で滞留時間10~15日程度で運転されると記載されている。後述するように、本願の開示において、第2メタン発酵槽2よりも温度が高く設定される第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度の上限設定は45℃である。上限設定が45℃の場合、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度は45℃に達する。ここで、45℃という温度は、上記指針の中の中温発酵処理の温度範囲に入っていない。しかし、上記指針の中の高温発酵処理の最低温度:50℃よりは低い温度である。また、指針はあくまで指針であって、温度約30~37℃でないと中温発酵処理に該当しないというものではない。すなわち、汚泥の温度が45℃以下に設定される第1メタン発酵槽1、およびこれよりも温度設定が低い第2メタン発酵槽2は、いずれも嫌気性発酵処理のうちの特に中温発酵処理(中温メタン発酵処理)を行う槽である。
第1メタン発酵槽1は、下水汚泥や食品廃棄物などの有機性廃棄物を嫌気性発酵処理するためのタンクである。第1メタン発酵槽1は、例えばコンクリート製のタンクである。なお、第1メタン発酵槽1は、鋼板製のタンクとされてもよい。
第1メタン発酵槽1には原料汚泥管7が接続される。原料汚泥管7は、第1メタン発酵槽1に濃縮汚泥(原料汚泥)を投入するための配管である。濃縮汚泥(原料汚泥)は、原料汚泥管7を介して第1メタン発酵槽1の上部に投入される。
第1メタン発酵槽1には攪拌機3が設けられる。攪拌機3は、第1メタン発酵槽1に投入された汚泥(濃縮汚泥)を攪拌するためのものである。本実施形態では、水平方向に回転する複数段の羽根3a(インペラ)で汚泥を攪拌する攪拌機3とされている。羽根3aの回転により、第1メタン発酵槽1の槽中心部に下降流が発生する。下降流は第1メタン発酵槽1の底部で広がり反転して上昇流となる。なお、本実施形態のようなインペラ式の攪拌機3に代えて、スクリュー式の攪拌機など他の形式の攪拌機が用いられてもよい。
第1メタン発酵槽1には第1循環配管4が設けられる。第1循環配管4は、第1メタン発酵槽1内の汚泥を循環させるための配管である。第1循環配管4は、第1メタン発酵槽1の外部に設けられる。第1循環配管4は、第1メタン発酵槽1の底部から汚泥を引き抜き、引き抜いた汚泥を第1メタン発酵槽1の上部に戻すための配管である。
第1循環配管4の経路中に第1循環ポンプ11が配置される。第1循環ポンプ11は、第1メタン発酵槽1内の汚泥を循環させる。第1循環ポンプ11は、第1メタン発酵槽1の底部から汚泥を引き抜き、引き抜いた汚泥を第1メタン発酵槽1の上部に戻す。
第1循環配管4のうちの第1メタン発酵槽1の出口部分に第1引抜弁12が配置される。第1引抜弁12は、遠隔操作が可能な自動弁であってもよいし、手動弁であってもよい。
第1循環配管4の経路中に第1熱交換器9が配置される。第1熱交換器9は、第1メタン発酵槽1内の汚泥を加温する第1加温手段の一例である。第1熱交換器9は、第1循環配管4を流れている汚泥を加温する間接式熱交換器である。第1熱交換器9には、ボイラー(不図示)から温水が供給される。第1メタン発酵槽1の底部から引き抜かれた汚泥は、第1熱交換器9にて温水との間接接触により加温された後、第1メタン発酵槽1の上部から第1メタン発酵槽1内に戻される。第1循環配管4および第1循環ポンプ11は、槽内の汚泥の循環に加えて、第1メタン発酵槽1内の汚泥の攪拌にも寄与する。
なお、汚泥を加温するための熱源はボイラーからの温水に限定されない。例えば、バイオガス発電機(不図示)の排熱や汚泥焼却設備(不図示)の排熱から温水を得て、当該温水が、汚泥を加温するための熱源として利用されてもよい。また、第1メタン発酵槽1内の汚泥を加温する第1加温手段として、第1熱交換器9(熱交換器)に代えて、槽内の汚泥を蒸気で直接加温する直接加温手段が用いられてもよい。さらには、温水、蒸気以外の熱媒として熱媒油が用いられてもよい。
第1循環配管4の経路中に破砕機19が配置される。破砕機19は、第1循環配管4を流れている汚泥に含まれている夾雑物を破砕する。なお破砕機19を設けることは必須ではない。
第1メタン発酵槽1内の汚泥は、第1熱交換器9により加温されるとともに、攪拌機3により攪拌される。第1メタン発酵槽1内で嫌気性発酵により発生したバイオガスは、図示を省略するガス回収管にて第1メタン発酵槽1の中から取り出される。ガス回収管は、第1メタン発酵槽1の上面に接続されている。バイオガスは、例えば、メタンが約60容量%、二酸化炭素が約40容量%のガスである。第1メタン発酵槽1の中から取り出されたバイオガスは、ボイラーの燃料として利用されたり、発電設備(不図示)の燃料として利用されたりする。
第2メタン発酵槽2は、第1メタン発酵槽1と同様、有機性廃棄物を嫌気性発酵処理するためのタンクである。第2メタン発酵槽2は、汚泥を沈降させるためのタンクでもある。第2メタン発酵槽2は、例えばコンクリート製のタンクである。なお、第2メタン発酵槽2は、鋼板製のタンクとされてもよい。
第2メタン発酵槽2には汚泥移送管5が接続される。汚泥移送管5は、第1メタン発酵槽1から第2メタン発酵槽2へ第1メタン発酵槽1内の汚泥を移送するための配管である。第1メタン発酵槽1内の汚泥は、自然流下により汚泥移送管5内を流下し、第2メタン発酵槽2内に流入する。汚泥移送管5のうちの第1メタン発酵槽1の出口部分にテレスコープ弁(不図示)が配置される。このテレスコープ弁によって、第1メタン発酵槽1内の汚泥の引き抜き量が調節される。汚泥移送管5は、第1メタン発酵槽1内の汚泥を、第2メタン発酵槽2内の鉛直方向における中央部、または第2メタン発酵槽2内の当該中央部よりも上方に供給するように配管されるとよい。本実施形態では、汚泥移送管5は、第1メタン発酵槽1内の汚泥を第2メタン発酵槽2の上部に供給するように配管されている。汚泥移送管5の吐出口5bは、第2メタン発酵槽2の上部に配置されている。吐出口5bは、汚泥移送管5の端部分(汚泥移送管5の端の開口)である。第2メタン発酵槽2の上部は、第2メタン発酵槽2内の中央部よりも上方の一例である。
第2メタン発酵槽2には攪拌機3が設けられていない。
第2メタン発酵槽2には、第1メタン発酵槽1の場合と同様に、第2循環配管6が設けられる。第2循環配管6は、第2メタン発酵槽2内の汚泥を循環させるための配管である。第2循環配管6は、第2メタン発酵槽2の外部に設けられる。第2循環配管6は、第2メタン発酵槽2の底部から汚泥を引き抜き、引き抜いた汚泥を第2メタン発酵槽2の上部に戻すための配管である。
第2循環配管6の経路中に第2循環ポンプ13が配置される。第2循環ポンプ13は、第2メタン発酵槽2内の汚泥を循環させる。第2循環ポンプ13は、第2メタン発酵槽2の底部から汚泥を引き抜き、引き抜いた汚泥を第2メタン発酵槽2の上部に戻す。
第2循環配管6のうちの第2メタン発酵槽2の出口部分に第2引抜弁14が配置される。第2引抜弁14は、遠隔操作が可能な自動弁であってもよいし、手動弁であってもよい。
第2循環配管6の経路中に第2熱交換器10が配置される。第2熱交換器10は、第2メタン発酵槽2内の汚泥を加温する第2加温手段の一例である。第2熱交換器10は、第2循環配管6を流れている汚泥を加温する間接式熱交換器である。第2熱交換器10には、ボイラー(不図示)から温水が供給される。第2メタン発酵槽2の底部から引き抜かれた汚泥は、第2熱交換器10にて温水との間接接触により加温された後、第2メタン発酵槽2の上部から第2メタン発酵槽2内に戻される。第2循環配管6および第2循環ポンプ13は、槽内の汚泥の循環に加えて、第2メタン発酵槽2内の汚泥の攪拌にも寄与する。
なお、汚泥を加温するための熱源はボイラーからの温水に限定されない。例えば、バイオガス発電機(不図示)の排熱や汚泥焼却設備(不図示)の排熱から温水を得て、当該温水が、汚泥を加温するための熱源として利用されてもよい。また、第2メタン発酵槽2内の汚泥を加温する第2加温手段として、第2熱交換器10(熱交換器)に代えて、槽内の汚泥を蒸気で直接加温する直接加温手段が用いられてもよい。さらには、温水、蒸気以外の熱媒として熱媒油が用いられてもよい。
さらには、第2熱交換器10は設けられていなくてもよい。すなわち、第2メタン発酵槽2内の汚泥を加温する第2加温手段は設けられていなくてもよい。汚泥移送管5、および汚泥返送管8により、第1メタン発酵槽1と第2メタン発酵槽2との間において汚泥を循環させることができるので、第1熱交換器9(第1加温手段)のみでも第2メタン発酵槽2内の汚泥を加温することが可能である。
しかしながら、第2加温手段が設けられていると、第1メタン発酵槽1および第2メタン発酵槽2の汚泥を第1加温手段のみで加温する場合と比べて、第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度を適切な温度に保ちやすい。
第2メタン発酵槽2から第1メタン発酵槽1へ第2メタン発酵槽2内の汚泥を返送するための汚泥返送管8が設けられる。汚泥返送管8は、第2メタン発酵槽2の底部から汚泥を引き抜くように配管されている。汚泥移送管5、および汚泥返送管8により、第1メタン発酵槽1と第2メタン発酵槽2との間を汚泥が循環するところ、汚泥移送管5が、第1メタン発酵槽1内の汚泥を、第2メタン発酵槽2内の鉛直方向における中央部、または第2メタン発酵槽2内の当該中央部よりも上方に供給するように配管され、且つ、汚泥返送管8が、第2メタン発酵槽2の底部から汚泥を引き抜くように配管されていると、第2メタン発酵槽2に供給された汚泥が、第1メタン発酵槽1にすぐに返送されることを防止することができるので、第2メタン発酵槽2における汚泥の滞留時間を確保しやすい。
第2循環配管6の吸い込み口6aは、第2メタン発酵槽2の底部に配置されている。本実施形態では、汚泥返送管8が、第2循環配管6の経路中から分岐配管されることで、第2メタン発酵槽2の底部から汚泥を引き抜くように汚泥返送管8は配管されている。なお、第2メタン発酵槽2の底部から汚泥返送管8にて汚泥を直接引き抜くように、第2循環配管6とは別に汚泥返送管8が設けられてもよい。
ここで、第2メタン発酵槽2は、新設の発酵槽ではなく、既設の静置型の発酵槽が改造されたものである場合もある。この場合、汚泥返送管8が、槽外部に設けられる第2循環配管6の経路中から分岐配管されることで形成されると、既設の発酵槽の改造に際し、汚泥返送管8を容易に設置することができる。
汚泥返送管8のうちの第2循環配管6からの分岐部分に切替弁15が配置される。第2循環配管6側には切替弁20が配置される。切替弁15、20は、遠隔操作が可能な自動弁であってもよいし、手動弁であってもよい。
汚泥返送管8の下流端は、第1循環配管4に接続されている。汚泥返送管8を流れる第2メタン発酵槽2からの汚泥は、第1循環配管4経由で第1メタン発酵槽1に流入する。なお、第1メタン発酵槽1の上部に汚泥返送管8にて汚泥を直接戻すように、汚泥返送管8の下流端が第1メタン発酵槽1の上部に直接接続されてもよい。
ここで、第1メタン発酵槽1は、新設の発酵槽ではなく、既設の完全混合型の発酵槽が改造されたものである場合もある。この場合、汚泥返送管8が、槽外部に設けられる第1循環配管4に接続されることで形成されると、既設の発酵槽の改造に際し、汚泥返送管8を容易に設置することができる。
第2メタン発酵槽2内の汚泥は、第2熱交換器10により加温されるとともに、第2循環配管6および第2循環ポンプ13によって槽内を流動させられる。第2メタン発酵槽2内で嫌気性発酵により発生したバイオガスは、図示を省略するガス回収管にて第2メタン発酵槽2の中から取り出される。ガス回収管は、第2メタン発酵槽2の上面に接続されている。第2メタン発酵槽2の中から取り出されたバイオガスは、ボイラーの燃料として利用されたり、発電設備(不図示)の燃料として利用されたりする。
第2メタン発酵槽2には、引抜配管16および引抜ポンプ17が設けられる。引抜配管16は、第2メタン発酵槽2の底部から汚泥を引き抜くように配管されている。本実施形態では、引抜配管16が、第2循環配管6の経路中から分岐するようにされて、第2メタン発酵槽2の底部から汚泥を引き抜くように引抜配管16は配管されている。
なお、前記のように、第2メタン発酵槽2は、新設の発酵槽ではなく、既設の静置型の発酵槽が改造されたものである場合もある。この場合、引抜配管16が新設の第2循環配管6の経路中から分岐するというものではなく、第2循環配管6が、第2メタン発酵槽2の底部から延びる既設の引抜配管16の経路中から分岐しているということになる場合もある。
引抜配管16のうちの第2循環配管6からの分岐部分に引抜弁18が配置される。引抜弁18は、遠隔操作が可能な自動弁であってもよいし、手動弁であってもよい。引抜配管16および引抜ポンプ17により、第2メタン発酵槽2の底部から第2メタン発酵槽2内の発酵残渣はその槽外へ引き抜かれる。なお、汚泥の引き抜きは第1メタン発酵槽1と同様に自然流下で槽外に排出するようにしてもよい。
ここで、原料汚泥は1段目のメタン発酵槽である第1メタン発酵槽1にまず投入されるため、2段目のメタン発酵槽である第2メタン発酵槽2よりも第1メタン発酵槽1の方が汚泥は発泡しやすい。発泡の原因となる成分が含まれた汚泥が第1メタン発酵槽1に投入されたり、当該成分が第1メタン発酵槽1に存在している状態で何らかの環境の変化が起こったりすると、突発的かつ短時間の間に泡が発生・成長することがある。特に、油脂類が汚泥に多く含まれる場合、粘性の高い泡が発生し易い。この種の泡は破泡しにくく、泡が短時間の内に急速に増加し、突発的な発泡となる。発泡が激しいと、泡の界面が上昇してガス回収管に泡が混入し、その後破泡して液体となった発酵液がガス回収管から流出してしまうことがある。
発泡の要因は、汚泥の粘度上昇、有機性廃棄物や微生物からの分泌による発泡性物質の分散性などにある。粘度が上昇したり発泡性物質の分散性が低いと汚泥は発泡しやすい。粘度が低かったり発泡性物質の分散性が高いと汚泥は発泡しにくい。また、発泡性物質の分散性が低いと発生した泡は消えにくく、発泡性物質の分散性が高いと発生した泡は消えやすい。発泡性物質の分散性を高めたり汚泥の粘度を低下させるには、汚泥の温度を上げることである。
そのため、中温メタン発酵処理装置101では、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度が、第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度よりも高く設定される。第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度が、第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度よりも高く設定されると、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度は、第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度よりも高くなる。第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度が高くなると、上記のとおり、汚泥は発泡しにくく、且つ発生した泡は消えやすい。したがって、発泡しやすい第1メタン発酵槽1の内部で汚泥が発泡することを抑制することができる。また、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度が高くなることで、汚泥の粘性が低下するので、攪拌機3による汚泥の攪拌効率も向上する。
なお、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度は45℃以下に設定される。45℃という温度は、中温発酵処理において高めの温度ではあるが、温度約50~55℃(指針の値)で運転される高温発酵処理の場合よりは低い温度であるので、中温発酵処理において許容し得る温度である。第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度は45℃以下となり、第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度は、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度よりも低くなるので、第1メタン発酵槽においても第2メタン発酵槽においても中温発酵処理(嫌気性発酵)における汚泥への悪影響を抑えることができる。
また、中温メタン発酵処理装置101によると、汚泥移送管5、および汚泥返送管8により、第1メタン発酵槽1と第2メタン発酵槽2との間を汚泥が循環することとなる。そのため、比較的温度が高い第1メタン発酵槽1の中だけで汚泥が嫌気性発酵するのではなく、比較的温度が低い第2メタン発酵槽2の中でも汚泥は嫌気性発酵する。この観点からも中温発酵処理(嫌気性発酵)における汚泥への悪影響を抑えることができる。
ここで、第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度が37℃±3℃とされ、且つ、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度が40℃±3℃とされていることが好ましい。「37℃±3℃とされる」とは、34℃以上、且つ、40℃以下とされるということである。また、「40℃±3℃とされる」とは、37℃以上、且つ、43℃以下とされるということである。前提として、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度は、第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度よりも高く設定されるため、例えば、第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度が40℃とされる場合、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度は、40℃未満にされることはなく、40℃を超え、且つ、43℃以下とされることとなる。すなわち、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度が「40℃±3℃とされる」といっても、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度は、第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度との関係において決まる。第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度の考え方についても同様である。例えば、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度が38℃とされた場合、第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度は、38℃以上にされることはなく、34℃以上、且つ、38℃未満とされることとなる。
第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度が37℃±3℃とされ、且つ、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度が40℃±3℃とされると、中温発酵処理(嫌気性発酵)における汚泥への悪影響をより抑えることができる。
第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度の制御方法は、例えば次のとおりである。
ボイラーなどから第1熱交換器9へ供給する温水の流量を調整することで、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度をコントロールする。例えば、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度を42℃にする(設定する)場合、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度が42℃になるように、ボイラーなどから第1熱交換器9へ供給する温水の流量を調整する(設定する)。第1熱交換器9へ供給する温水の流量の調整は、ボイラーなどの設定流量を変更するなどの方法で行う。この場合、前提として、ボイラーなどの設定温度(供給する温水の設定温度)は一定である。
なお、第1熱交換器9へ供給する温水の流量を調整することに代えて、または加えて、第1循環配管4を流れる汚泥の流量を調整することで、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度をコントロールしてもよい。第1循環配管4を流れる汚泥の流量の調整は、第1循環ポンプ11の回転数を変更するなどの方法で行う。
さらには、第1熱交換器9へ供給する温水の流量を調整することに代えて、または加えて、第1熱交換器9へ供給する温水の温度を調整することで、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度をコントロールしてもよい。第1熱交換器9へ供給する温水の温度の調整は、ボイラーなどの設定温度を変更するなどの方法で行う。
第1熱交換器9によって槽内の汚泥を間接加温するのではなく、槽内の汚泥を蒸気で直接加温する場合には、蒸気の流量を調整することで、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度をコントロールする。
第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度の制御方法も、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度の制御方法と同様である。第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度の制御方法は、例えば次のとおりである。
ボイラーなどから第2熱交換器10へ供給する温水の流量を調整することで、第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度をコントロールする。例えば、第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度を40℃にする(設定する)場合、第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度が40℃になるように、ボイラーなどから第2熱交換器10へ供給する温水の流量を調整する(設定する)。第2熱交換器10へ供給する温水の流量の調整は、ボイラーなどの設定流量を変更するなどの方法で行う。この場合、前提として、ボイラーなどの設定温度(供給する温水の設定温度)は一定である。
なお、第2熱交換器10へ供給する温水の流量を調整することに代えて、または加えて、第2循環配管6を流れる汚泥の流量を調整することで、第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度をコントロールしてもよい。第2循環配管6を流れる汚泥の流量の調整は、第2循環ポンプ13の回転数を変更するなどの方法で行う。
さらには、第2熱交換器10へ供給する温水の流量を調整することに代えて、または加えて、第2熱交換器10へ供給する温水の温度を調整することで、第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度をコントロールしてもよい。第2熱交換器10へ供給する温水の温度の調整は、ボイラーなどの設定温度を変更するなどの方法で行う。
第2熱交換器10によって槽内の汚泥を間接加温するのではなく、槽内の汚泥を蒸気で直接加温する場合には、蒸気の流量を調整することで、第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度をコントロールする。
ここで、第1メタン発酵槽1内で汚泥の発泡が検知されたとき、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度が一時的に上昇させられてもよい。汚泥の発泡は、例えば発泡検知手段(不図示)によって検知される。発泡検知手段は、発生した泡を検知するための計器である。発泡検知手段として、静電容量式レベル計、電極式レベル計、超音波式レベル計などが用いられる。発泡検知手段は第1メタン発酵槽1に設けられる。なお、特に計器を用いずに、作業員が目視で汚泥の発泡を検知してもよい。
第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度が上昇することで、第1メタン発酵槽1内の泡は消泡しやすくなる。なお、汚泥の温度が常に高いと、中温発酵処理(嫌気性発酵)に支障が生じる恐れがある。そのため、嫌気性発酵に支障が生じないように注意しながら、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度を一時的に上昇させる。
第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度を上昇させる制御方法は、例えば次のとおりである。
ボイラーなどから第1熱交換器9へ供給する温水の流量を、発泡が検知されていないときの流量よりも増やすことで、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度を上昇させる。
なお、第1熱交換器9へ供給する温水の流量を増やすことに代えて、または加えて、第1循環配管4を流れる汚泥の流量を増やすことで、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度を上昇させてもよい。さらには、第1熱交換器9へ供給する温水の流量を増やすことに代えて、または加えて、第1熱交換器9へ供給する温水の温度を上げることで、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度を上昇させてもよい。
第1熱交換器9によって槽内の汚泥を間接加温するのではなく、槽内の汚泥を蒸気で直接加温する場合には、蒸気の流量を増やすことで、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度を上昇させる。
第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度、および第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度を、それぞれ、ある温度またはある温度範囲内に設定する制御を行なったり、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度を一時的に上昇させたりする制御は、制御装置(不図示)によって自動で行われてもよく、作業員によって手動で行われてもよい。すなわち、中温メタン発酵処理装置101は、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度、および第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度を制御する制御装置を備えていてもよい。制御が自動で行われる場合、この制御装置によって、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度が、第2メタン発酵槽2内の汚泥の温度よりも高く設定され、且つ、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度が45℃以下に設定される。また、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度を一時的に上昇させる場合には、制御装置によって、第1メタン発酵槽1内の汚泥の温度が一時的に上昇される。
本実施形態の中温メタン発酵処理装置101では、図1に示すように、第1メタン発酵槽1内の汚泥の液面と、第1メタン発酵槽1の底面との間の距離をLとしたとき、汚泥移送管5の吸い込み口5aが、上記液面から下方へ1/4Lから1/2L離れた位置とされている。第1メタン発酵槽1内の汚泥の液面と、汚泥移送管5の吸い込み口5aとの間の距離をHとしたとき、1/4L≦H≦1/2Lとされている。吸い込み口5aは、汚泥移送管5の端部分(汚泥移送管5の端の開口)である。
第1メタン発酵槽1内において泡が発生しやすいのは汚泥の液面付近である。汚泥移送管5の吸い込み口5aが、汚泥の液面から下方へ1/4Lから1/2L離れた位置とされていると、発泡しやすい汚泥の第1メタン発酵槽1からの引き抜きを防止することができ、発泡しやすい汚泥が第2メタン発酵槽2に流入することを抑えることができる。その結果、2段目のメタン発酵槽(第2メタン発酵槽2)の内部で汚泥が発泡することを抑制することができる。また、第1メタン発酵槽1からの沈降性が高い汚泥の引き抜きを抑えることもできる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態の各構成を適宜組み合わせたり、上記の実施形態に種々の変更を加えたりすることが可能である。例えば、上記実施形態は、次のようにさらに変更可能である。
例えば、第2メタン発酵槽2に、第1メタン発酵槽1に設けられているような攪拌機3が設けられてもよい。
破砕機19はなくてもよい。
1:第1メタン発酵槽
2:第2メタン発酵槽
4:第1循環配管
5:汚泥移送管
5a:吸い込み口
6:第2循環配管
8:汚泥返送管
9:第1熱交換器(第1加温手段)
10:第2熱交換器(第2加温手段)
11:第1循環ポンプ
13:第2循環ポンプ
101:中温メタン発酵処理装置
2:第2メタン発酵槽
4:第1循環配管
5:汚泥移送管
5a:吸い込み口
6:第2循環配管
8:汚泥返送管
9:第1熱交換器(第1加温手段)
10:第2熱交換器(第2加温手段)
11:第1循環ポンプ
13:第2循環ポンプ
101:中温メタン発酵処理装置
Claims (13)
- 有機性廃棄物を含む汚泥が投入される第1メタン発酵槽と、
前記第1メタン発酵槽の後段に配置される第2メタン発酵槽と、
前記第1メタン発酵槽から前記第2メタン発酵槽へ前記第1メタン発酵槽内の汚泥を移送するための汚泥移送管と、
前記第1メタン発酵槽内の汚泥を循環させるための第1循環配管であって、前記第1メタン発酵槽の底部から汚泥を引き抜き、引き抜いた汚泥を前記第1メタン発酵槽の上部に戻すための第1循環配管と、
前記第1循環配管に配置される第1循環ポンプと、
前記第1メタン発酵槽内の汚泥を加温する第1加温手段と、
前記第2メタン発酵槽内の汚泥を循環させるための第2循環配管であって、前記第2メタン発酵槽の底部から汚泥を引き抜き、引き抜いた汚泥を前記第2メタン発酵槽の上部に戻すための第2循環配管と、
前記第2循環配管に配置される第2循環ポンプと、
前記第2メタン発酵槽から前記第1メタン発酵槽へ前記第2メタン発酵槽内の汚泥を返送するための汚泥返送管と、
を備え、
前記第1メタン発酵槽内の汚泥の温度が、前記第2メタン発酵槽内の汚泥の温度よりも高く設定され、且つ、前記第1メタン発酵槽内の汚泥の温度が45℃以下に設定されている、
中温メタン発酵処理装置。 - 請求項1に記載の中温メタン発酵処理装置において、
前記第1メタン発酵槽内の汚泥の液面と、前記第1メタン発酵槽の底面との間の距離をLとしたとき、前記汚泥移送管の吸い込み口が、前記液面から下方へ1/4Lから1/2L離れた位置にある、
中温メタン発酵処理装置。 - 請求項1または2に記載の中温メタン発酵処理装置において、
前記第1加温手段は、前記第1循環配管に配置される第1熱交換器である、
中温メタン発酵処理装置。 - 請求項1または2に記載の中温メタン発酵処理装置において、
前記第2メタン発酵槽内の汚泥を加温する第2加温手段をさらに備える、
中温メタン発酵処理装置。 - 請求項4に記載の中温メタン発酵処理装置において、
前記第2加温手段は、前記第2循環配管に配置される第2熱交換器である、
中温メタン発酵処理装置。 - 請求項1または2に記載の中温メタン発酵処理装置において、
前記第2メタン発酵槽内の汚泥の温度が37℃±3℃とされ、且つ、前記第1メタン発酵槽内の汚泥の温度が40℃±3℃とされている、
中温メタン発酵処理装置。 - 請求項1または2に記載の中温メタン発酵処理装置において、
前記第1メタン発酵槽内で汚泥の発泡が検知されたとき、前記第1メタン発酵槽内の汚泥の温度が一時的に上昇される、
中温メタン発酵処理装置。 - 請求項1または2に記載の中温メタン発酵処理装置において、
前記汚泥移送管は、前記第1メタン発酵槽内の汚泥を、前記第2メタン発酵槽内の鉛直方向における中央部、または前記第2メタン発酵槽内の当該中央部よりも上方に供給するように配管されており、
前記汚泥返送管は、前記第2メタン発酵槽の底部から汚泥を引き抜くように配管されている、
中温メタン発酵処理装置。 - 請求項8に記載の中温メタン発酵処理装置において、
前記汚泥返送管は、前記第2循環配管から分岐している、
中温メタン発酵処理装置。 - 請求項8に記載の中温メタン発酵処理装置において、
前記汚泥返送管は、前記第1循環配管に接続している、
中温メタン発酵処理装置。 - 請求項9に記載の中温メタン発酵処理装置において、
前記汚泥返送管は、前記第1循環配管に接続している、
中温メタン発酵処理装置。 - 有機性廃棄物を含む汚泥が投入される第1メタン発酵槽と、
前記第1メタン発酵槽の後段に配置される第2メタン発酵槽と、
前記第1メタン発酵槽から前記第2メタン発酵槽へ前記第1メタン発酵槽内の汚泥を移送するための汚泥移送管と、
前記第1メタン発酵槽内の汚泥を循環させるための第1循環配管であって、前記第1メタン発酵槽の底部から汚泥を引き抜き、引き抜いた汚泥を前記第1メタン発酵槽の上部に戻すための第1循環配管と、
前記第1循環配管に配置される第1循環ポンプと、
前記第1メタン発酵槽内の汚泥を加温する第1加温手段と、
前記第2メタン発酵槽内の汚泥を循環させるための第2循環配管であって、前記第2メタン発酵槽の底部から汚泥を引き抜き、引き抜いた汚泥を前記第2メタン発酵槽の上部に戻すための第2循環配管と、
前記第2循環配管に配置される第2循環ポンプと、
前記第2メタン発酵槽から前記第1メタン発酵槽へ前記第2メタン発酵槽内の汚泥を返送するための汚泥返送管と、
を備える中温メタン発酵処理装置の運転方法であって、
前記第1メタン発酵槽内の汚泥の温度を、前記第2メタン発酵槽内の汚泥の温度よりも高く設定し、且つ、前記第1メタン発酵槽内の汚泥の温度を45℃以下に設定する、
中温メタン発酵処理装置の運転方法。 - 請求項12に記載の中温メタン発酵処理装置の運転方法において、
前記第1メタン発酵槽内の汚泥の液面と、前記第1メタン発酵槽の底面との間の距離をLとしたとき、前記液面から下方へ1/4Lから1/2L離れた位置より、前記汚泥移送管を用いて前記第1メタン発酵槽内の汚泥を引き抜いて前記第2メタン発酵槽へ移送する、
中温メタン発酵処理装置の運転方法。
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