JP2023152928A - 熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法 - Google Patents

熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023152928A
JP2023152928A JP2023052788A JP2023052788A JP2023152928A JP 2023152928 A JP2023152928 A JP 2023152928A JP 2023052788 A JP2023052788 A JP 2023052788A JP 2023052788 A JP2023052788 A JP 2023052788A JP 2023152928 A JP2023152928 A JP 2023152928A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermally conductive
conductive sheet
less
polishing
sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023052788A
Other languages
English (en)
Inventor
圭佑 武笠
Keisuke Mukasa
栄治 太田
Eiji Ota
真理奈 戸端
Marina Tobata
大地 森
Daichi Mori
義知 宮崎
Yoshikazu Miyazaki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dexerials Corp
Original Assignee
Dexerials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dexerials Corp filed Critical Dexerials Corp
Priority to PCT/JP2023/012900 priority Critical patent/WO2023190726A1/ja
Publication of JP2023152928A publication Critical patent/JP2023152928A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】接触熱抵抗が低減された熱伝導性シートを提供する。【解決手段】熱伝導性シート1は、バインダ樹脂2と、繊維状フィラー3と、繊維状フィラー3以外の他の熱伝導性フィラー4とを含む熱伝導性組成物の硬化物からなる。熱伝導性シート1は、繊維状フィラー3が厚み方向Bに配向している。熱伝導性シート1は、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡を用いて、ISO 25178に従って測定される、突出山部の平均高さSpkが3μm以下であり、ASTM-D5470に従って測定される、1.4kgf/cm2加圧時と、2.1kgf/cm2加圧時の接触熱抵抗が0.10℃・cm2/W以下である。【選択図】図1

Description

本技術は、熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法に関する。
電子機器の更なる高性能化により、半導体素子の高密度化、高実装化が進んでいる。それと比例して、IC(Integrated Circuit)等からの発熱量、発熱密度も増大する傾向にあり、より効率的に熱伝導性シートを介して放熱フィン、放熱板等の放熱部材に熱を伝達することが求められる。また、電子機器は、小型化、薄型化が急速に進んでおり、必要とされる熱伝導性シートの厚みも薄くなる傾向にあり、より低熱抵抗なものが求められている。このような要求を満たす熱伝導性シートとしては、繊維状フィラー(例えば炭素繊維)を用いた熱伝導性シートが挙げられる(例えば、特許文献1~5を参照)。繊維状フィラーの一例である炭素繊維は、繊維方向に約600~1200W/(m・K)の熱伝導率を有する異方性フィラーである。炭素繊維の繊維方向を、熱の伝達方向である熱伝導性シートの厚み方向に配向させることによって、熱伝導性が飛躍的に向上することが知られている。
炭素繊維を配向した熱伝導性シートを用いて低熱抵抗化を実現するには、熱伝導性シートの接触熱抵抗を考慮することも重要である。接触熱抵抗とは、熱伝導シートと被着体の間に生じる熱抵抗である。しかし、高熱伝導の炭素繊維であっても、熱伝導性シート全体から見れば、被着体と炭素繊維との接触は点接触であり、圧力により炭素繊維がバインダ樹脂内に沈み込むとしても、熱伝導性シートと被着体との間にエアーが混入する課題がある。
また、使用される熱伝導性シートが薄くなるにつれて、熱伝導性シートと、被着体との間に生じる接触熱抵抗の寄与が大きくなる傾向にある。特に、炭素繊維のような繊維状フィラーが厚み方向に配向した熱伝導性シートは、厚みが薄くなるほど、接触熱抵抗が大きくなる傾向がある。
特許5752299号 特許4814550号 特許6650175号 特許6671735号 国際公開第2020/067141号公報
本技術は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、接触熱抵抗が低減された熱伝導性シートを提供する。
本願発明者らは、鋭意検討の結果、繊維状フィラーが厚み方向に配向した熱伝導性シートについて、突出山部の平均高さSpkを所定値以下とすることにより、上述した課題を解決できることを見出した。
本技術は、バインダ樹脂と、繊維状フィラーと、繊維状フィラー以外の他の熱伝導性フィラーとを含む熱伝導性組成物の硬化物からなる熱伝導性シートであって、繊維状フィラーが熱伝導性シートの厚み方向に配向しており、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡を用いて、ISO 25178に従って測定される、熱伝導性シートの突出山部の平均高さSpkが3μm以下であり、ASTM-D5470に従って測定される、1.4kgf/cm加圧時と、2.1kgf/cm加圧時の接触熱抵抗が0.10℃・cm/W以下である。
本技術に係る熱伝導性シートの製造方法は、バインダ樹脂と、繊維状フィラーと、繊維状フィラー以外の他の熱伝導性フィラーとを含む熱伝導性組成物を所定の形状に成型して硬化することにより、熱伝導性組成物の成型体を得る工程と、成型体をシート状に切断し、成型体シートを得る工程と、成形体シートを研磨部材によって研磨することにより、熱伝導性シートを得る工程とを含み、熱伝導性シートの表面には、上記研磨によって生じた、バインダ樹脂、繊維状フィラー及び他の熱伝導性フィラーを含む研磨残渣が残留する。
本技術は、接触熱抵抗が低減された熱伝導性シートを提供できる。
図1は、熱伝導性シートの一例を示す断面図である。 図2は、熱伝導性シートの表面の一例を示す断面図である。 図3は、研磨部材の一例であるブラシの斜視図である。 図4は、成形体シートの表面をブラシで研磨する方法の一例を説明するための斜視図である。 図5は、複数の成形体シートの表面を連続してブラシで研磨する方法の一例を説明するための斜視図である。 図6は、熱伝導性シートを適用した半導体装置の一例を示す断面図である。 図7は、熱伝導性シートの山頂の算術平均曲率Spc(1/mm)を横軸、熱伝導性シートの界面の展開面積比Sdr(%)を縦軸として実施例及び比較例の結果をプロットしたグラフである。
本明細書において、平均粒子径(D50)とは、粒子径分布全体を100%とした場合に、粒子径分布の小粒子径側から粒子径の値の累積カーブを求めたとき、その累積値が50%となるときの粒子径をいう。なお、本明細書における粒度分布(粒子径分布)は、体積基準によって求められたものである。粒度分布の測定方法としては、例えば、レーザー回折型粒度分布測定機を用いる方法が挙げられる。
図1は、本技術に係る熱伝導性シート1の一例を示す断面図である。熱伝導性シート1は、バインダ樹脂2と、繊維状フィラー3と、繊維状フィラー3以外の他の熱伝導性フィラー4とを含む熱伝導性組成物の硬化物からなる。熱伝導性シート1は、繊維状フィラー3と他の熱伝導性フィラー4とがバインダ樹脂2に分散しており、繊維状フィラー3が熱伝導性シート1の厚み方向Bに配向している。ここで、熱伝導性シート1の厚み方向Bに繊維状フィラー3が配向しているとは、例えば、熱伝導性シート1中の全ての繊維状フィラー3のうち、熱伝導性シート1の厚み方向Bに長軸が配向している繊維状フィラー3の割合が50%以上であり、55%以上であってもよく、60%以上であってもよく、65%以上であってもよく、70%以上であってもよく、80%以上であってもよく、90%以上であってもよく、95%以上であってもよく、99%以上であってもよい。繊維状フィラー3の長軸が熱伝導性シート1の厚み方向Bに配向しているとは、例えば、繊維状フィラー3の長軸が、熱伝導性シート1の面方向Aに対して60~120度の範囲であってもよく、70~100度の範囲であってもよく、90度(略垂直)であってもよい。
熱伝導性シート1は、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡を用いて、ISO 25178に従って測定される、突出山部の平均高さSpkが3μm以下である。突出山部の平均高さSpkは、走査型白色干渉顕微鏡の対物レンズ倍率に影響を受ける。以下では、単に「ISO 25178に従って測定される、突出山部の平均高さSpk」や「突出山部の平均高さSpk」ともいう。さらに、熱伝導性シート1は、ASTM-D5470に従って測定される、1.4kgf/cm加圧時と、2.1kgf/cm加圧時の接触熱抵抗が0.10℃・cm/W以下である。なお、後述する、ISO 25178に従って測定される各値についても、走査型白色干渉顕微鏡の対物レンズ倍率に影響を受ける。
熱伝導性シート1は、突出山部の平均高さSpkが3μm以下であることにより、熱伝導性シート1と被着体との接触面積が増大し、熱伝導性シート1と被着体との間にエアーが混入することが抑制されるため、接触熱抵抗を低減できる。具体的には、熱伝導性シート1は、突出山部の平均高さSpkが3μm以下であることにより、ASTM-D5470に従って測定される、1.4kgf/cm加圧時と、2.1kgf/cm加圧時の接触熱抵抗を0.10℃・cm/W以下とすることができる。このように、熱伝導性シート1は、突出山部の平均高さSpkが3μm以下であることにより、低荷重(低加圧)時でも接触熱抵抗を低減できる。
熱伝導性シート1は、ISO 25178に従って測定される突出山部の平均高さSpkが3μm以下であり、2.5μm以下であってもよく、2μm以下であってもよく、1.2μm以下であってもよく、1.1μm以下であってもよく、1.0μm以下であってもよく、0.9μm以下であってもよく、0.8μm以下であってもよく、0.7μm以下であってもよく、0.6μm以下であってもよく、0.5μm以下であってもよい。熱伝導性シート1の突出山部の平均高さSpkの下限値は、特に限定されないが、例えば、0.4μm以上であってもよい。熱伝導性シート1は、突出山部の平均高さSpkが、0.494~2.967μmの範囲であってもよく、0.494~2.342μmの範囲であってもよく、0.494~1.212μmの範囲であってもよく、0.494~1.143μmの範囲であってもよく、0.494~0.887μmの範囲であってもよく、0.494~0.566μmの範囲であってもよい。熱伝導性シート1は、少なくとも一方の表面の突出山部の平均高さSpkが上述した範囲を満たすことが好ましく、両面の突出山部の平均高さSpkが上述した範囲を満たしてもよい。熱伝導性シート1の突出山部の平均高さSpkは、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
熱伝導性シート1は、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡を用いて、ISO 25178に従って測定される突出谷部の平均深さSvkが5.5μm以下であってもよく、4.5μm以下であってもよく、4.0μm以下であってもよく、3.5μm以下であってもよく、3.0μm以下であってもよく、2.5μm以下であってもよく、2.0μm以下であってもよく、1.5μm以下であってもよく、1.2μm以下であってもよい。熱伝導性シート1の突出谷部の平均深さSvkの下限値は、特に限定されず、例えば、1.0μm以上であってもよい。また、熱伝導性シート1は、突出谷部の平均深さSvkが、1.165~5.156μmの範囲であってもよく、1.165~4.490μmの範囲であってもよく、1.165~4.291μmの範囲であってもよく、1.165~3.711μmの範囲であってもよく、1.165~3.559μmの範囲であってもよい。熱伝導性シート1は、少なくとも一方の表面の突出谷部の平均深さSvkが上述した範囲を満たすことが好ましく、両面の突出谷部の平均深さSvkが上述した範囲を満たしてもよい。熱伝導性シート1の突出谷部の平均深さSvkは、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
熱伝導性シート1は、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡を用いて、ISO 25178に従って測定される突出山部の平均高さSpk(μm)と突出谷部の平均深さSvk(μm)の和に対する突出山部の平均高さSpk(μm)の値(Spk/(Spk+Svk))が、40%以下であることが好ましく、30%以下であってもよく、25%以下であってもよく、22%以下であってもよく、20%以下であってもよく、18%以下であってもよい。熱伝導性シート1の(Spk/(Spk+Svk))の下限値は、特に限定されず、例えば、10%以上であってもよいし、15%以上であってもよいし、18%以上であってもよい。熱伝導性シート1の(Spk/(Spk+Svk))は、18.14~39.78%の範囲であってもよいし、18.14~39.69%の範囲であってもよいし、18.14~29.76%の範囲であってもよいし、18.14~27.58%の範囲であってもよいし、18.14~22.02%の範囲であってもよいし、18.14~19.29%の範囲であってもよい。熱伝導性シート1は、少なくとも一方の表面に関するSpk/(Spk+Svk)が上述した範囲を満たすことが好ましく、一方の表面と他方の表面に関するSpk/(Spk+Svk)が上述した範囲を満たしてもよい。
熱伝導性シート1は、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡を用いて、ISO 25178に従って測定される突出山部の体積Vmpが、0.15ml/m以下であることが好ましく、0.12ml/m以下であってもよく、0.10ml/m以下であってもよく、0.08ml/m以下であってもよく、0.06ml/m以下であってもよく、0.04ml/m以下であってもよく、0.03ml/m以下であってもよい。熱伝導性シート1の突出山部の体積Vmpの下限値は、特に限定されず、例えば、0.01ml/m以上であってもよいし、0.02ml/m以上であってもよい。熱伝導性シート1は、突出山部の体積Vmpが、0.025~0.137ml/mの範囲であってもよいし、0.025~0.114ml/mの範囲であってもよいし、0.025~0.058ml/mの範囲であってもよいし、0.025~0.055ml/mの範囲であってもよいし、0.025~0.040ml/mの範囲であってもよいし、0.025~0.027ml/mの範囲であってもよい。熱伝導性シート1は、少なくとも一方の表面の突出山部の体積Vmpが上述した範囲を満たすことが好ましく、両面の突出山部の体積Vmpが上述した範囲を満たしてもよい。
熱伝導性シート1は、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡を用いて、ISO 25178に従って測定される二乗平均平方根勾配Sdqが所定値以下であることが好ましい。熱伝導性シート1の二乗平均平方根勾配Sdqとは、熱伝導性シート1の表面の凹凸形状の局所的な勾配(形状の微分)の平均的な大きさを表す。例えば、熱伝導性シート1の表面が完全に平坦である場合、二乗平均平方根勾配Sdqは0となる。また、熱伝導性シート1の表面が急峻になるほど、二乗平均平方根勾配Sdqが大きくなる。熱伝導性シート1は、二乗平均平方根勾配Sdqが1.1未満であることが好ましく、0.8以下であってもよく、0.7以下であってもよく、0.6以下であってもよく、0.5以下であってもよく、0.4以下であってもよく、0.3以下であってもよい。熱伝導性シート1の二乗平均平方根勾配Sdqの下限値は、特に限定されず、例えば、0.1以上であってもよいし、0.2以上であってもよい。熱伝導性シート1の二乗平均平方根勾配Sdqは、例えば、0.304~0.697の範囲であってもよいし、0.304~0.578の範囲であってもよいし、0.304~0.565の範囲であってもよいし、0.304~0.508の範囲であってもよいし、0.304~0.507の範囲であってもよいし、0.304~0.0.316の範囲であってもよい。熱伝導性シート1は、少なくとも一方の表面の二乗平均平方根勾配Sdqが上述した範囲を満たすことが好ましく、両面の二乗平均平方根勾配Sdqが上述した範囲を満たしてもよい。
熱伝導性シート1は、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡を用いて、ISO 25178に従って測定される山頂の算術平均曲率Spcが所定値以下であることが好ましい。熱伝導性シート1の山頂の算術平均曲率Spcとは、熱伝導性シート1の表面の山頂点の主曲率の平均を表す。熱伝導性シート1の山頂の算術平均曲率Spcが小さいほど、熱伝導性シート1における他の物体(例えば被着体)と接触する点が丸みを帯びていることを表す。一方、熱伝導性シート1の山頂の算術平均曲率Spcが大きいほど、熱伝導性シートにおける他の物体と接触する点が尖っていることを表す。熱伝導性シート1は、山頂の算術平均曲率Spcが2500(1/mm)以下であることが好ましく、2300(1/mm)以下であってもよく、2100(1/mm)以下であってもよく、2000(1/mm)以下であってもよく、1900(1/mm)以下であってもよく、1700(1/mm)以下であってもよく、1500(1/mm)以下であってもよく、1300(1/mm)以下であってもよく、1100(1/mm)以下であってもよく、1000(1/mm)以下であってもよい。熱伝導性シート1の山頂の算術平均曲率Spcの下限値は、特に限定されず、例えば、0(1/mm)以上であってもよいし、500(1/mm)以上であってもよいし、900(1/mm)以上であってもよい。熱伝導性シート1の山頂の算術平均曲率Spcは、例えば、951~2290(1/mm)の範囲であってもよいし、951~2105(1/mm)の範囲であってもよいし、951~1937(1/mm)の範囲であってもよいし、951~1879(1/mm)の範囲であってもよいし、951~1455(1/mm)の範囲であってもよいし、951~1399(1/mm)の範囲であってもよい。熱伝導性シート1は、少なくとも一方の表面の山頂の算術平均曲率Spcが上述した範囲を満たすことが好ましく、両面の山頂の算術平均曲率Spcが上述した範囲を満たしてもよい。
熱伝導性シート1は、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡を用いて、ISO 25178に従って測定される界面の展開面積比Sdrが所定値以下であることが好ましい。熱伝導性シート1の界面の展開面積比Sdrとは、熱伝導性シート1の定義領域の展開面積(表面積)が、定義領域の面積に対してどれだけ増大しているかを表す。例えば、熱伝導性シート1の表面が完全に平坦である場合、界面の展開面積比Sdrは0%となる。熱伝導性シート1は、界面の展開面積比Sdrが20%以下であることが好ましく、15%以下であってもよく、10%以下であってもよく、9%以下であってもよく、7%以下であってもよく、4%以下であってもよい。熱伝導性シート1の界面の展開面積比Sdrの下限値は、特に限定されず、例えば0%以上であってもよいし、2%以上であってもよい。熱伝導性シート1の界面の展開面積比Sdrは、例えば、3.56~15.55%の範囲であってもよいし、3.56~10.44%の範囲であってもよいし、3.56~10.32%の範囲であってもよいし、3.56~9.44%の範囲であってもよいし、3.56~8.34%の範囲であってもよい。熱伝導性シート1は、少なくとも一方の表面の界面の展開面積比Sdrが上述した範囲を満たすことが好ましく、両面の界面の展開面積比Sdrが上述した範囲を満たしてもよい。
熱伝導性シート1は、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡を用いて、ISO 25178に従って測定される山頂の算術平均曲率Spc(1/mm)と界面の展開面積比Sdr(%)とを、Spcを横軸、Sdrを縦軸として値をプロットしたグラフを作成した場合、SpcとSdrが下記式1を満たすことが好ましい。熱伝導性シート1は、突出山部の平均高さSpkが3μm以下であることに加えて式1を満たすことにより、より効果的に低荷重時の接触熱抵抗を低減させることができる。
式1:Y=0.0153X-(15.547±10)
(式1中、0≦X≦2500、かつ、0≦Y≦20である。)
すなわち、熱伝導性シート1は、山頂の算術平均曲率Spc(1/mm)を横軸、界面の展開面積比Sdr(%)を縦軸として値をプロットしたときに、プロットした値が、下記式1Aと式1Bで囲まれる領域内に存在することが好ましい。
式1A:Y=0.0153X-25.547
式1B:Y=0.0153X-5.547
(式1A及び式1B中、0≦X≦2500、かつ、0≦Y≦20である。)
熱伝導性シート1は、ASTM-D5470に従って測定される、1.4kgf/cm加圧時の接触熱抵抗が0.10℃・cm/W以下であり、0.09℃・cm/W以下であってもよく、0.08℃・cm/W以下であってもよく、0.07℃・cm/W以下であってもよく、0.06℃・cm/W以下であってもよい。熱伝導性シート1の1.4kgf/cm加圧時の接触熱抵抗の下限値は、特に限定されず、より低い値であることが好ましく、0℃・cm/Wを超え、例えば0.02℃・cm/W以上となり得るし、0.05℃・cm/W以上ともなり得る。熱伝導性シート1は、1.4kgf/cm加圧時の接触熱抵抗が、0.020~0.083℃・cm/Wの範囲であってもよく、0.060~0.083℃・cm/Wの範囲であってもよく、0.060~0.082℃・cm/Wの範囲であってもよく、0.060~0.077℃・cm/Wの範囲であってもよく、0.060~0.075℃・cm/Wの範囲であってもよい。
熱伝導性シート1は、ASTM-D5470に従って測定される、2.1kgf/cm加圧時の接触熱抵抗が0.10℃・cm/W以下であり、0.08℃・cm/W以下であってもよく、0.07℃・cm/W以下であってもよく、0.06℃・cm/W以下であってもよい。熱伝導性シート1の2.1kgf/cm加圧時の接触熱抵抗の下限値は、特に限定されず、より低い値であることが好ましく、0℃・cm/Wを超え、例えば0.03℃・cm/W以上となり得るし、0.05℃・cm/W以上ともなり得る。熱伝導性シート1は、2.1kgf/cm加圧時の接触熱抵抗が、0.039~0.093℃・cm/Wの範囲であってもよく、0.055~0.075℃・cm/Wの範囲であってもよく、0.055~0.073℃・cm/Wの範囲であってもよく、0.055~0.070℃・cm/Wの範囲であってもよく、0.055~0.069℃・cm/Wの範囲であってもよい。
熱伝導性シート1は、ASTM-D5470に従って測定される、2.8kgf/cm加圧時の接触熱抵抗が0.072℃・cm/W以下であってもよく、0.065℃・cm/W以下であってもよい。熱伝導性シート1の2.8kgf/cm加圧時の接触熱抵抗の下限値は、特に限定されず、より低い値であることが好ましく、0℃・cm/Wを超え、例えば0.04℃・cm/W以上となり得る。熱伝導性シート1は、例えば、2.8kgf/cm加圧時の接触熱抵抗が0.052~0.072℃・cm/Wの範囲であってもよく、0.052~0.071℃・cm/Wの範囲であってもよく、0.052~0.065℃・cm/Wの範囲であってもよく、0.052~0.064℃・cm/Wの範囲であってもよく、0.052~0.061℃・cm/Wの範囲であってもよく、0.052~0.054℃・cm/Wの範囲であってもよい。
熱伝導性シート1は、ASTM-D5470に従って測定される、3.5kgf/cm加圧時の接触熱抵抗が0.086℃・cm/W以下であってもよく、0.068℃・cm/W以下であってもよく、0.062℃・cm/W以下であってもよい。熱伝導性シート1の3.5kgf/cm加圧時の接触熱抵抗の下限値は、特に限定されず、より低い値であることが好ましく、0℃・cm/Wを超え、例えば0.02℃・cm/W以上となり得るし、0.04℃・cm/W以上ともなり得る。熱伝導性シート1は、例えば、3.5kgf/cm加圧時の接触熱抵抗が0.024~0.086℃・cm/Wの範囲であってもよく、0.045~0.068℃・cm/Wの範囲であってもよく、0.045~0.062℃・cm/Wの範囲であってもよく、0.045~0.060℃・cm/Wの範囲であってもよく、0.045~0.051℃・cm/Wの範囲であってもよい。
図2は、熱伝導性シート1の表面の一例を示す断面図である。熱伝導性シート1は、例えば図2に示すように、少なくとも一方の表面が研磨面であり、この研磨面に研磨残渣5を有することが好ましい。研磨残渣5は、例えば、バインダ樹脂2、繊維状フィラー3及び他の熱伝導性フィラー4を含む熱伝導性組成物からなる塊状物である。熱伝導性シート1が表面に研磨残渣5を有することにより、熱伝導性シート1の表面をより平滑にすることができ、上述のように熱伝導性シート1の突出山部の平均高さSpkが3μm以下であって、1.4kgf/cm加圧時と、2.1kgf/cm加圧時の接触熱抵抗が0.10℃・cm/W以下が得られやすい傾向にある。
熱伝導性シート1が研磨残渣5を有するとは、熱伝導性シート1の突出山部の平均高さSpkが3μm以下を満たす程度に熱伝導性シート1の表面に研磨残渣5が存在することが好ましく、例えば、表面全体にわたってほぼ均一に研磨残渣5を有していてもよいし、例えば図2に示すように表面に部分的に(島状に)研磨残渣5を有していてもよい。熱伝導性シート1が表面に研磨残渣5を有するかどうかは、例えば、熱伝導性シート1の表面に粘着テープを貼り付けた後、この粘着テープを剥離することで、粘着テープに研磨残渣5が転着されるかどうかで確認できる。
研磨残渣5の大きさについて、上述のように熱伝導性シート1の突出山部の平均高さSpkを3μm以下とし、1.4kgf/cm加圧時と、2.1kgf/cm加圧時の接触熱抵抗を0.10℃・cm/W以下とするためには、研磨残渣5の平均粒子径や最大粒子径が大きすぎないことが好ましい。例えば、研磨残渣5の平均粒子径は、50μm以下であってもよいし、40μm以下であってもよいし、35μm以下であってもよいし、30μm以下であってもよいし、20μm以下であってもよいし、15μm以下であってもよいし、10μm以下であってもよいし、0.5~40μmの範囲であってもよい。研磨残渣5の平均粒子径について、異形の研磨残渣5の場合は、粒子の最も長い部分の長さ(径)を考慮する。また、研磨残渣5の最大粒子径は、例えば、100μm以下であってもよいし、90μm以下であってもよいし、80μm以下であってもよいし、70μm以下であってもよいし、50~100μmの範囲であってもよい。
熱伝導性シート1の厚みは、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.05mm以上とすることができ、0.1mm以上であってもよく、0.2mm以上であってもよく、0.3mm以上であってもよい。また、熱伝導性シート1の厚みの上限値は、例えば、5mm以下とすることができ、4mm以下であってもよく、3mm以下であってもよく、2mm以下であってもよく、1mm以下であってもよく、0.5mm以下であってもよい。例えば、熱伝導性シート1の厚みは、例えば、熱伝導性シート1の厚みBを任意の5箇所で測定し、その算術平均値から求めることができる。
熱伝導性シート1は、シート自体の熱抵抗が低くなるにつれて被着体との間に生じる全熱抵抗中の接触熱抵抗の寄与が大きくなる傾向にある。上述のように、シートが薄くなるとその傾向は顕著となる。換言すると、熱伝導性シート1は、シート自体の熱伝導率が上がるほど全熱抵抗値中の接触熱抵抗の占有率が大きくなる。本技術では、繊維状フィラー3が厚み方向に配向した熱伝導性シート1について、熱伝導性シート1の突出山部の平均高さSpkを所定値以下とすることにより、接触熱抵抗を低減することができ、結果として、全熱抵抗値を低減することができる。
次に、熱伝導性シート1の構成例である、バインダ樹脂2と、繊維状フィラー3と、他の熱伝導性フィラー4について説明する。
<バインダ樹脂>
バインダ樹脂2は、繊維状フィラー3と他の熱伝導性フィラー4とを熱伝導性シート1内に保持するためのものである。バインダ樹脂2は、熱伝導性シート1に要求される機械的強度、耐熱性、電気的性質等の特性に応じて選択される。バインダ樹脂2としては、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂の中から選択することができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のエチレン-αオレフィン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリフッ化ビニリデン及びポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン-アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリフェニレン-エーテル共重合体(PPE)樹脂、変性PPE樹脂、脂肪族ポリアミド類、芳香族ポリアミド類、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル等のポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル酸類、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、ポリケトン、液晶ポリマー、アイオノマー等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、スチレン-ブタジエンブロック共重合体又はその水添化物、スチレン-イソプレンブロック共重合体又はその水添化物、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、架橋ゴム、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、付加反応型シリコーン樹脂や縮合反応型シリコーン樹脂等が挙げられる。架橋ゴムの具体例としては、天然ゴム、アクリルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレン-プロピレン共重合ゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、及びシリコーンゴムが挙げられる。
バインダ樹脂2としては、例えば、発熱体(例えば電子部品)の発熱面とヒートシンク面との密着性の観点では、シリコーン樹脂が好ましい。シリコーン樹脂としては、例えば、アルケニル基を有するシリコーン(ポリオルガノシロキサン)を主成分とし、硬化触媒を含む主剤と、ヒドロシリル基(Si-H基)を有する硬化剤とからなる、2液型の付加反応型シリコーン樹脂を用いることができる。アルケニル基を有するシリコーンとしては、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサンを用いることができる。一例として、ビニル基を有するポリオルガノシロキサンを用いることができる。硬化触媒は、アルケニル基を有するシリコーン中のアルケニル基と、ヒドロシリル基を有する硬化剤中のヒドロシリル基との付加反応を促進するための触媒である。硬化触媒としては、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として周知の触媒が挙げられ、例えば、白金族系硬化触媒、例えば白金、ロジウム、パラジウムなどの白金族金属単体や塩化白金、白金と有機化合物の錯体などを用いることができる。ヒドロシリル基を有する硬化剤としては、例えば、ヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサン(ケイ素原子に直接結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン)を用いることができる。
バインダ樹脂2として、例えば、上述した2液型の付加反応型シリコーン樹脂を用いる場合、主剤となる成分(シリコーン主剤)と硬化剤となる成分との割合、すなわち、ビニル基を有するポリオルガノシロキサンと、ヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサンの混合比率は、特に限定されず、ビニル基1molに対してヒドロシリル基が0.3~0.9molの範囲となるような混合比率であってもよく、0.4~0.7molの範囲となるような混合比率でもあってもよい。
熱伝導性シート1中のバインダ樹脂2の含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、熱伝導性シート1中のバインダ樹脂2の含有量は、20体積%以上とすることができ、24体積%以上であってもよく、28体積%以上であってもよく、30体積%以上であってもよく、32体積%以上であってもよく、34体積%以上であってもよい。また、熱伝導性シート1中のバインダ樹脂2の含有量の上限値は、60体積%以下とすることができ、50体積%以下であってもよく、40体積%以下であってもよく、38体積%以下であってもよく、35体積%以下であってもよく、32体積%以下であってもよく、30体積%以下であってもよい。熱伝導性シート1中のバインダ樹脂2の含有量は、例えば、24~35体積%の範囲であってもよいし、24~32体積%の範囲であってもよい。バインダ樹脂2は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上のバインダ樹脂2を併用する場合、その合計量が上述した含有量を満たすことが好ましい。
<繊維状フィラー>
繊維状フィラー3は、繊維状であって必要な熱伝導性を有するものであれば特に限定されず、例えば、炭素繊維、窒化アルミニウムウィスカーなどが挙げられる。以下では、繊維状の熱伝導性フィラーとして、炭素繊維を用いた場合を例に挙げて詳述する。繊維状フィラー3とは、長軸と短軸とを有し、長軸と短軸の長さが異なりアスペクト比(平均長軸長さ/平均短軸長さ)が1を超える形状であるものを含む。繊維状フィラー3は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
炭素繊維は、例えば、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、PBO繊維を黒鉛化した炭素繊維、アーク放電法、レーザー蒸発法、CVD法(化学気相成長法)、CCVD法(触媒化学気相成長法)等で合成された炭素繊維を用いることができる。これらの中でも、熱伝導性の観点では、ピッチ系炭素繊維が好ましい。
繊維状フィラー3の平均繊維長(平均長軸長さ)は、例えば、50~250μmとすることができ、75~220μmであってもよい。また、繊維状フィラー3の平均繊維径(平均短軸長さ)は、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4~20μmとすることができ、5~14μmであってもよい。繊維状フィラー3のアスペクト比は、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱伝導性の観点では、8以上とすることができ、9~30の範囲であってもよい。繊維状フィラー3の平均長軸長さ及び平均短軸長さは、例えば、マイクロスコープや走査型電子顕微鏡(SEM)で測定できる。
熱伝導性シート1中の繊維状フィラー3の含有量は、熱伝導性シート1の熱伝導性の観点では、例えば、5体積%以上とすることができ、10体積%以上であってもよく、14積%以上であってもよく、20体積%以上であってもよく、22体積%以上であってもよく、24体積%以上であってもよく、26体積%以上であってもよい。また、熱伝導性シート1中の繊維状フィラー3の含有量は、熱伝導性シート1の成形性の観点では、例えば、30体積%以下とすることができ、28体積%以下であってもよく、26体積%以下であってもよく、20体積%以下であってもよく、18体積%以下であってもよい。熱伝導性シート1中の繊維状フィラー3の含有量は、例えば、14~28体積%の範囲であってもよく、14~26体積%の範囲であってもよい。2種以上の繊維状フィラー3を併用する場合、その合計量が上述した含有量を満たすことが好ましい。
<他の熱伝導性フィラー>
他の熱伝導性フィラー4は、繊維状フィラー3以外の熱伝導性フィラーである。他の熱伝導性フィラー4には、例えば、球状、粉末状、顆粒状、鱗片状などの熱伝導性フィラーが含まれる。他の熱伝導性フィラー4の材質は、熱伝導性シート1の熱伝導性の観点では、例えば、無機フィラーが挙げられ、セラミックフィラーが好ましく、具体例としては、酸化アルミニウム(アルミナ、サファイア)、窒化アルミニウム、アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素などが挙げられる。他の熱伝導性フィラー4は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。例えば、他の熱伝導性フィラー4として、平均粒子径が異なる2種以上の熱伝導性フィラーを併用してもよい。
特に、他の熱伝導性フィラー4としては、熱伝導性シート1の熱伝導率や、熱伝導性シート1の比重の観点などを考慮して、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、アルミニウム及び水酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種以上であることが好ましい。例えば、他の熱伝導性フィラー4としては、酸化アルミニウムと窒化アルミニウムとを併用してもよく、酸化アルミニウムと窒化アルミニウムとアルミニウムとを併用してもよく、水酸化アルミニウムを単独で使用してもよい。
窒化アルミニウムの平均粒子径は、例えば熱伝導性シート1の比重の観点では、0.1~10μmの範囲であってもよく、0.5~5μmの範囲であってもよく、0.5~3μmの範囲であってもよく、0.5~2μmの範囲であってもよい。酸化アルミニウムの平均粒子径は、例えば熱伝導性シート1の比重の観点では、0.1~10μmの範囲とすることができ、0.1~8μmの範囲であってもよく、0.1~7μmの範囲であってもよく、0.1~3μmの範囲であってもよい。水酸化アルミニウムの平均粒子径は、例えば熱伝導性シート1の比重の観点では、0.1~10μmの範囲であってもよく、0.5~5μmの範囲であってもよく、0.5~3μmの範囲であってもよく、0.5~2μmの範囲であってもよい。アルミニウムの平均粒子径は、例えば熱伝導性シート1の比重の観点では、15μm未満とすることができ、1~14μmの範囲であってもよい。
熱伝導性シート1中の他の熱伝導性フィラー4の含有量は、目的に応じて適宜選択することができる。熱伝導性シート1中における他の熱伝導性フィラー4の含有量は、例えば、10体積%以上とすることができ、15体積%以上であってもよく、20体積%以上であってもよく、25体積%以上であってもよく、30体積%以上であってもよく、35体積%以上であってもよく、39体積%以上であってもよく、45体積%以上であってもよい。また、熱伝導性シート1中の他の熱伝導性フィラー4の含有量の上限値は、例えば、55体積%以下とすることができ、50体積%以下とすることができ、49体積%以下とすることができ、45体積%以下であってもよく、40体積%以下であってもよい。熱伝導性シート1中における他の熱伝導性フィラー4の含有量は、例えば、39~50体積%の範囲であってもよく、39~49体積%の範囲であってもよい。
他の熱伝導性フィラー4として、例えば、酸化アルミニウムと窒化アルミニウムとを併用する場合、熱伝導性シート1中、窒化アルミニウムの含有量を15~35体積%の範囲とし、酸化アルミニウムの含有量を5~25体積%の範囲とすることができる。また、他の熱伝導性フィラー4として、例えば、酸化アルミニウムと窒化アルミニウムとアルミニウムとを併用する場合、熱伝導性シート1中、窒化アルミニウムの含有量を10~30体積%の範囲とし、酸化アルミニウムの含有量を1~20体積%の範囲とし、アルミニウムの含有量を10~30体積%の範囲することができる。
<他の成分>
熱伝導性シート1は、本技術の効果を損なわない範囲で、上述した成分以外の他の成分をさらに含んでもよい。他の成分としては、例えば、カップリング剤、分散剤、硬化促進剤、遅延剤、粘着付与剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤、溶剤などが挙げられる。例えば、熱伝導性シート1は、繊維状フィラー3及び他の熱伝導性フィラー4の分散性をより向上させるために、カップリング剤で処理した繊維状フィラー3及び/又はカップリング剤で処理した他の熱伝導性フィラー4を用いてもよい。
このような熱伝導性シート1の硬度は、研磨のしやすさと、シートの柔軟性による被着体への追従性の観点から、例えばショアOO硬度として40~95であることが好ましい。
<熱伝導性シートの製造方法>
次に、熱伝導性シート1の製造方法について説明する。熱伝導性シート1の製造方法は、以下の工程Aと、工程Bと、工程Cとを有する。
<工程A>
工程Aでは、バインダ樹脂2と、繊維状フィラー3と、繊維状フィラー3以外の他の熱伝導性フィラー4とを含む熱伝導性組成物を所定の形状に成型して硬化することにより、熱伝導性組成物の成型体を得る。
工程Aの一例では、まず、繊維状フィラー3と他の熱伝導性フィラー4とをバインダ樹脂2に分散させることにより、バインダ樹脂2と、繊維状フィラー3と、他の熱伝導性フィラー4とを含む熱伝導性組成物を作製する。熱伝導性組成物は、バインダ樹脂2と、繊維状フィラー3と、他の熱伝導性フィラー4との他に、必要に応じて上述した他の成分を公知の手法により均一に混合することで調製できる。
続いて、調製した熱伝導性組成物を押出成形した後硬化し、柱状の硬化物(成形体)を得る。押出成形する方法は、特に制限されず、公知の各種押出成形法の中から、熱伝導性組成物の粘度や熱伝導性シート1に要求される特性等に応じて適宜採用できる。押出成形法において、熱伝導性組成物をダイより押し出す際、熱伝導性組成物中のバインダ樹脂2が流動し、その流動方向に沿って繊維状フィラー3が配向する。柱状の硬化物の大きさ・形状は、求められる熱伝導性シート1の大きさに応じて決めることができる。例えば、断面の縦の大きさが0.5~15cmで横の大きさが0.5~15cmの直方体が挙げられる。直方体の長さは必要に応じて決定すればよい。
<工程B>
工程Bでは、工程Aで得られた熱伝導性組成物の成型体をシート状に切断し、成型体シートを得る。工程Bの一例では、工程Aで得た柱状の硬化物を柱の長さ方向に対し所定の厚みに切断して成形体シートを得る。工程Bで得られる成形体シートの表面(切断面)には、繊維状フィラー3が露出する。成形体の切断方法は、特に制限されず、成形体の大きさや機械的強度により、公知のスライス装置の中から適宜選択できる。成形体を得る際に押出成形法を採用する場合、押出し方向に繊維状フィラー3が配向しているものもあるため、成形体の切断方向としては、押出し方向に対して60~120度であることが好ましく、70~100度の方向であることがより好ましく、90度(略垂直)の方向であることがさらに好ましい。成形体の切断方向は、上記の他は特に制限はなく、熱伝導性シート1の使用目的等に応じて適宜選択できる。
<工程C>
通常、工程Bで得られる成形体シートは、表面に凹凸が存在する。例えば、工程Bで得られる成形体シートは、図2に示すように、表面に複数の凸部1aと、凸部1aに隣接した凹部とを有する。そのため、通常、工程Bで得られる成形体シートは、ISO 25178に従って測定される突出山部の平均高さSpkが3μm超である。表面にこのような凹凸が存在する成形体シートを用いると、成形体シートと被着体との間にエアーが混入しやすくなり、成形体シートの接触熱抵抗を低減するのが難しい傾向にある。
そこで、工程Cでは、工程Bで得られた成形体シートを研磨することにより、成形体シートの表面の凸部1aから削り出たバインダ樹脂2、繊維状フィラー3及び他の熱伝導性フィラー4によって成形体シートの表面の凹部が被覆され(換言すると、凸部1aから削り出された研磨残渣5が凹部に留まる)ことで、熱伝導性シート1の突出山部の平均高さSpkを3μm以下とすることができ、熱伝導性シート1と被着体との接触面積が向上して、熱伝導性シート1と被着体との間にエアーが混入することを抑制し、熱伝導性シート1の接触熱抵抗を低減させることができる。また、これに加えて、ブリードしたバインダ樹脂2が熱伝導性シート1の表面を被覆することにより、熱伝導性シート1の突出山部の平均高さSpkの低減が促進されやすくなり、熱伝導性シート1と被着体との接触面積がより向上し、熱伝導性シート1と被着体との間にエアーが混入することがより効果的に抑制され、熱伝導性シート1の接触熱抵抗をさらに低減できると考えられる。
工程Cでは、例えば、工程Bで得られた成形体シートを研磨部材で研磨する。研磨部材としては、例えば、成形体シートの表面に面接触させ研磨することができるものが挙げられる。このような研磨部材としては、例えば、紙やすり、ラッピングフィルム、ブラシなどが挙げられ、耐久性や砥粒の粒度の精度、処理量に応じて適宜選択される。ラッピングフィルムとは、基材となる樹脂製フィルムに接着剤を用いて砥粒を固定したフィルムである。ラッピングフィルムのように成形体シートの表面に面接触させて研磨することができる研磨部材を用いることにより、成形体シートの表面の凸部1aから削り出たバインダ樹脂2、繊維状フィラー3及び他の熱伝導性フィラー4によって成形体シートの表面の凹部をより効率的に被覆できる。
ラッピングフィルムは、例えば、基材としてポリエステルフィルムを用い、砥粒として平均粒子径2~40μmの酸化アルミニウムを用いたものを用いることができる。あるいは、砥粒の粒度を示すものとして公称値で#400~#6000のラッピングフィルムを用いることができる。ラッピングフィルムのサイズや厚みは、研磨する成形体シートの大きさに応じて適宜変更することができる。例えば、ラッピングフィルムの厚みは、0.01~0.5mmとすることができる。
図3は、研磨部材の一例であるブラシ6の斜視図である。ブラシ6は、例えば図3に示すように、柱状の基材7の長さ方向に毛材8が配列した形状を有する。毛材8は、複数の毛の束であり、長さBと、奥行きCと、幅Aを有する。ブラシ6の材質は、特に限定されず、例えば、汎用性、耐摩耗性、柔軟性、曲げ復元性等の観点では、ナイロンが挙げられる。
図4は、成形体シート9の表面をブラシ6で研磨する方法の一例を説明するための斜視図である。研磨部材としてブラシ6を用いて、1枚ずつ成形体シート9において研磨処理を行なう場合、図示しない吸着パッドやテープなどの固定手段で、成形体シート9の研磨しようとする面の背面、または研磨処理を開始する側の端部を仮止めすることが好ましい。テープを用いた仮固定の例として、例えば図4中のD1の方向にブラシ6で研磨する場合は、成形体シート9の一端側9Aを仮固定し、固定されていない他端側9Bに向かってブラシ6を移動する。成形体シート9の背面を仮固定する場合は、ブラシ6の移動方向に制限はない。ブラシ6の移動手段は、手動であっても自動であってもよい。成形体シート9を研磨する場合には、毛材8の先端がA方向全体で成形体シート9の表面に接触するようにしならせつつ、毛材8の先端で撫でるように、ブラシ6を移動させることが好ましい。
研磨方法は、成形体シート9表面の一端側9Aから他端側9Bに一方向に研磨部材を移動させることに限定されない。例えば成形体シート9表面の一端側9Aから他端側9Bに亘って研磨部材で研磨することと、成形体シート9表面の他端側9Bから一端側9Aに亘って研磨部材で研磨することを繰り返す、すなわち、研磨部材を、成形体シート9表面の一端側9Aと他端側9Bに亘って往復して研磨してもよい。一例としてブラシ6を用いる場合、図4において成形体シート9表面の一端側9Aから他端側9Bに亘って、D1方向とD2方向に往復して研磨してもよい。図5は、複数の成形体シートの表面を連続してブラシで研磨する方法の一例を説明するための斜視図である。図5に示すように、複数の熱伝導性シート1を連続して研磨処理する場合には、例えば、研磨部材を固定し、成形体シート9をコンベア10上に複数枚配置し、コンベア10を移動させることで複数の成形体シート9を連続して研磨処理してもよい。コンベア10の移動方向は、図5中のD3方向またはD4方向の一方向であってもよいし、D3方向とD4方向に往復してもよい。また、複数のブラシを設置して使用することも可能である。更には、ロール状ブラシを回転させて使用しても良い。
研磨方法について、成形体シート9の片面のみを研磨処理してもよいし、成形体シート9の片面を研磨処理した後、他方の面も研磨処理してもよい。
研磨部材としてラッピングフィルムを用いる場合、成形体シート9の表面にラッピングフィルムを接触させ、成形体シート9及びラッピングフィルムの少なくともいずれか一方を移動させる限りにおいては、上述のブラシ6における研磨方法と同様に、移動方法や移動方向、配置や形状において各種の変形が可能である。
研磨回数は、研磨方法、研磨部材の種類、研磨部材の粒度などに応じて適宜変更することができる。研磨回数は、多いほど成形体シートの表面の凸部1aから削り出たバインダ樹脂2、繊維状フィラー3及び他の熱伝導性フィラー4によって成形体シート9の表面の凹部が被覆されやすいと考えられるため、一定回数以上とすることが好ましい。研磨回数は、例えば、1回以上とすることができ、10回以上としてもよく、20回以上としてもよく、30回以上としてもよく、40回以上としてもよく、50回以上としてもよく、60回以上としてもよく、70回以上としてもよく、80回以上としてもよく、90回以上としてもよく、100回以上としてもよく、200回以上としてもよく、300回以上としてもよく、400回以上としてもよく、100~1000回の範囲としてもよく、100~400回の範囲としてもよい。なお、本明細書において、研磨回数とは、例えば図4において、成形体シート9表面の一端側9Aから他端側9Bに亘って一方向に研磨することを1回とする。
工程Cで得られる熱伝導性シート1は、上述のように、成形体シートの表面に存在していた凸部1aが研磨部材で研磨されたことにより発生した研磨残渣5を有する。このように、熱伝導性シート1は、表面に研磨残渣5を有することによって、上述した物性、すなわち、ISO 25178に従って測定される突出山部の平均高さSpkが3μm以下であり、ASTM-D5470に従って測定される1.4kgf/cm加圧時と、2.1kgf/cm加圧時の接触熱抵抗が0.10℃・cm/W以下であることを満たしやすい傾向にある。
熱伝導性シート1が表面に有する研磨残渣5の大きさは、使用する研磨部材の材質や粒度により適宜変更できる。例えば、研磨部材としてラッピングフィルムやブラシ6を用いる場合は、研磨残渣5の最大サイズを100μm以下とすることができ、0.5~100μmの範囲とすることもできる。
研磨部材は、研磨する工程(工程C)において同一の粗さを持つ研磨部材であってもよい。研磨する工程において同一の粗さを持つ研磨部材とは、例えば、工程Cにおいて、砥粒の粒度が異なる2種以上の研磨部材を併用するのではなく、砥粒の粒度が同一の研磨部材を用いることを意味する。熱伝導性シート1の製造方法では、工程Cにおいて、同一の粗さを持つ研磨部材を用いて成形体シート9を研磨した場合でも、ISO 25178に従って測定される熱伝導性シート1の突出山部の平均高さSpkを3μm以下とし、熱伝導性シート1の接触熱抵抗を低減することができる。このように、熱伝導性シート1の製造方法では、工程Cにおける研磨について、砥粒の粒度が異なる2種以上の研磨部材を併用しなくても熱伝導性シート1の突出山部の平均高さSpkを3μm以下にすることができるため、工程を簡素化できる。なお、熱伝導性シート1の製造方法の工程Cでは、砥粒の粒度が異なる2種以上の研磨部材を併用してもよい。
このような工程Aと、工程Bと、工程Cとを有する熱伝導性シートの製造方法によれば、上述した熱伝導性シート1が得られる。
熱伝導性シート1の製造方法は、上述した例に限定されず、プレスする工程Dをさらに有していてもよい。工程Dは、工程Bと工程Cとの間であってもよく、工程Cの後であってもよい。例えば、熱伝導性シート1の製造方法の一例は、上述した工程A~Cの他に、工程Bで得られた成形体シート9の表面をプレスする工程Dをさらに有し、工程Cでは、工程Dでプレスした成形体シート9の表面を研磨して熱伝導性シート1を得るようにしてもよい。プレスする工程Dをさらに有することで、得られる熱伝導性シート1の表面がより平滑化され、他の部材との密着性をより向上させることができる。プレスの方法としては、平盤と表面が平坦なプレスヘッドとからなる一対のプレス装置を使用することができる。また、ピンチロールでプレスしてもよい。プレスの際の圧力としては、例えば、0.1~100MPaとすることができる。プレスの効果をより高め、プレス時間を短縮するために、プレスは、バインダ樹脂2のガラス転移温度(Tg)以上で行うことが好ましい。例えば、プレス温度は、0~180℃とすることができ、室温(例えば25℃)~100℃の温度範囲内であってもよく、30~100℃であってもよい。
<電子機器>
熱伝導性シート1は、例えば、発熱体と放熱体との間に配置させることにより、発熱体で生じた熱を放熱体に逃がすためにそれらの間に配された構造の電子機器(サーマルデバイス)とすることができる。電子機器は、発熱体と放熱体と熱伝導性シート1とを少なくとも有し、必要に応じて、その他の部材をさらに有していてもよい。このように、熱伝導性シート1を適用した電子機器は、発熱体と放熱体との間に熱伝導性シート1が挟持されているため、熱伝導性シート1により高熱伝導性を実現しつつ、発熱体への熱伝導性シート1の密着性に優れ、熱伝導性シート1からのバインダ樹脂2の過剰なブリードを抑制できる。
特に、熱伝導性シート1を適用した電子機器は、上述のように、熱伝導性シート1の突出山部の平均高さSpkが3μm以下であるため、熱伝導性シート1と被着体である発熱体や放熱体との接触面積がより増大し、熱伝導性シート1と被着体との間にエアーが混入することが抑制されるため、低荷重(低加圧)時の接触熱抵抗をより効果的に低減できる。
発熱体としては、特に限定されず、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの集積回路素子、トランジスタ、抵抗器など、電気回路において発熱する電子部品等が挙げられる。また、発熱体には、通信機器における光トランシーバ等の光信号を受信する部品も含まれる。
放熱体としては、特に限定されず、例えば、ヒートシンクやヒートスプレッダなど、集積回路素子やトランジスタ、光トランシーバ筐体などと組み合わされて用いられるものが挙げられる。ヒートシンクやヒートスプレッダの材質としては、例えば、銅、アルミニウムなどが挙げられる。放熱体としては、ヒートスプレッダやヒートシンク以外にも、熱源から発生する熱を伝導して外部に放散させるものであればよく、例えば、放熱器、冷却器、ダイパッド、プリント基板、冷却ファン、ペルチェ素子、ヒートパイプ、ベーパーチャンバー、金属カバー、筐体等が挙げられる。ヒートパイプは、例えば、円筒状、略円筒状又は扁平筒状の中空構造体である。
図6は、熱伝導性シートを適用した半導体装置の一例を示す断面図である。例えば、熱伝導性シート1は、図6に示すように、各種電子機器に内蔵される半導体装置50に実装され、発熱体と放熱体との間に挟持される。図6に示す半導体装置50は、電子部品51と、ヒートスプレッダ52と、熱伝導性シート1とを備え、熱伝導性シート1がヒートスプレッダ52と電子部品51との間に挟持される。熱伝導性シート1が、ヒートスプレッダ52とヒートシンク53との間に挟持されることにより、ヒートスプレッダ52とともに、電子部品51の熱を放熱する放熱部材を構成する。熱伝導性シート1の実装場所は、ヒートスプレッダ52と電子部品51との間や、ヒートスプレッダ52とヒートシンク53との間に限らず、電子機器や半導体装置の構成に応じて、適宜選択できる。ヒートスプレッダ52は、例えば方形板状に形成され、電子部品51と対峙する主面52aと、主面52aの外周に沿って立設された側壁52bとを有する。ヒートスプレッダ52は、側壁52bに囲まれた主面52aに熱伝導性シート1が設けられ、主面52aと反対側の他面52cに熱伝導性シート1を介してヒートシンク53が設けられる。
以下、本技術の実施例について説明する。なお、本技術は、これらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
シリコーン樹脂32体積%と、酸化アルミニウム(平均粒子径:約2μm)14体積%と、窒化アルミニウム(平均粒子径:約1μm)25体積%と、炭素繊維(平均繊維長:約150μm)28体積%と、カップリング剤1体積%とを均一に混合することにより熱伝導性組成物を調製した。この熱伝導性組成物を、押出成形法により、直方体状の内部空間を有する金型(開口部:50mm×50mm)中に流し込み、100℃のオーブンで6時間加熱して、柱状の硬化物(成形体ブロック)を形成した。なお、金型の内面には、剥離処理を行なったポリエチレンテレフタレートフィルムを、剥離処理面が内側となるように貼り付けておいた。得られた柱状の硬化物を柱の長さ方向に対し略直交する方向に、柱状の硬化物をスライサーで0.2mm厚のシート状に切断(スライス)することにより、炭素繊維がシートの厚み方向に配向した成形体シートを得た。この成形体シートの表面の両表面につき、片面ずつ、一端側から他端側にわたって一方向に、厚みが約100μmである4000番(#4000)のラッピングフィルム(3M社製)により400回擦り、熱伝導性シートを得た。このように、実施例1で得られた熱伝導性シートは、表面が研磨面であり、表面に研磨残渣を有していた。
<実施例2>
熱伝導性シートの厚みを0.3mmに変更したこと以外は、実施例1と同様に成形体シートの表面を研磨した熱伝導性シートを得た。このように、実施例2で得られた熱伝導性シートは、表面が研磨面であり、表面に研磨残渣を有していた。
<実施例3>
熱伝導性シートの厚みを0.5mmに変更したこと以外は、実施例1と同様に成形体シートの表面を研磨した熱伝導性シートを得た。このように、実施例3で得られた熱伝導性シートは、表面が研磨面であり、表面に研磨残渣を有していた。
<実施例4>
シリコーン樹脂24体積%と、酸化アルミニウム(平均粒子径:約2μm)10体積%と、窒化アルミニウム(平均粒子径:約1μm)20体積%と、アルミニウム(平均粒子径:約6μm)19体積%と、炭素繊維(平均繊維長:約150μm)26体積%と、カップリング剤1体積%とを均一に混合することにより熱伝導性組成物を調製した。この熱伝導性組成物を、押出成形法により、直方体状の内部空間を有する金型(開口部:50mm×50mm)中に流し込み、100℃のオーブンで6時間加熱して、柱状の硬化物(成形体ブロック)を形成した。なお、金型の内面には、剥離処理を行なったポリエチレンテレフタレートフィルムを、剥離処理面が内側となるように貼り付けておいた。得られた柱状の硬化物を柱の長さ方向に対し略直交する方向に、柱状の硬化物をスライサーで0.3mm厚のシート状に切断(スライス)することにより、炭素繊維がシートの厚み方向に配向した成形体シートを得た。この成形体シートの両表面につき、片面ずつ、表面の一端側から他端側にわたって一方向に、表面を4000番(#4000)のラッピングフィルム(3M社製)により100回擦り、熱伝導性シートを得た。このように、実施例4で得られた熱伝導性シートは、表面が研磨面であり、表面に研磨残渣を有していた。
<実施例5>
シリコーン樹脂35体積%と、水酸化アルミニウム(平均粒子径:約1μm)50体積%と、炭素繊維(平均繊維長:約150μm)14体積%と、カップリング剤1体積%とを均一に混合することにより熱伝導性組成物を調製した。この熱伝導性組成物を、押出成形法により、直方体状の内部空間を有する金型(開口部:50mm×50mm)中に流し込み、100℃のオーブンで6時間加熱して、柱状の硬化物(成形体ブロック)を形成した。なお、金型の内面には、剥離処理を行なったポリエチレンテレフタレートフィルムを、剥離処理面が内側となるように貼り付けておいた。得られた柱状の硬化物を柱の長さ方向に対し略直交する方向に、柱状の硬化物をスライサーで0.3mm厚のシート状に切断(スライス)することにより、炭素繊維がシートの厚み方向に配向した成形体シートを得た。この成形体シートの両表面につき、片面ずつ、表面を4000番(#4000)のラッピングフィルム(3M社製)により400回擦り、熱伝導性シートを得た。このように、実施例5で得られた熱伝導性シートは、表面が研磨面であり、表面に研磨残渣を有していた。
<実施例6>
シリコーン樹脂28体積%と、酸化アルミニウム(平均粒子径:約2μm)22体積%と、窒化アルミニウム(平均粒子径:約1μm)23体積%と、炭素繊維(平均繊維長:約150μm)26体積%と、カップリング剤1体積%とを均一に混合することにより熱伝導性組成物を調製した。この熱伝導性組成物を、押出成形法により、直方体状の内部空間を有する金型(開口部:50mm×50mm)中に流し込み、100℃のオーブンで6時間加熱して、柱状の硬化物(成形体ブロック)を形成した。なお、金型の内面には、剥離処理を行なったポリエチレンテレフタレートフィルムを、剥離処理面が内側となるように貼り付けておいた。得られた柱状の硬化物を柱の長さ方向に対し略直交する方向に、柱状の硬化物をスライサーで1.0mm厚のシート状に切断(スライス)することにより、炭素繊維がシートの厚み方向に配向した成形体シートを得た。この成形体シートの両表面につき、片面ずつ、表面の一端側から他端側にわたって一方向に、厚みが約100μmである4000番(#4000)のラッピングフィルム(3M社製)により200回擦り、熱伝導性シートを得た。このように、実施例6で得られた熱伝導性シートは、表面が研磨面であり、表面に研磨残渣を有していた。
<実施例7>
成形体シートの厚みを2.0mm厚に変更したこと以外は、実施例6と同様に成形体シートの表面を研磨した熱伝導性シートを得た。このように実施例7で得られた熱伝導性シートは、表面が研磨面であり、表面に研磨残渣を有していた。
<比較例1>
比較例1では、実施例2と同様の方法で得られた、炭素繊維がシートの厚み方向に配向した成形体シートをプレスした。このように、比較例1では、柱状の硬化物を0.3mm厚にスライスした成形体シートの表面をラッピングフィルムで研磨せずにプレスを行った。そのため、比較例1で得られた成形体シートは、表面に研磨残渣を有していなかった。
<比較例2>
比較例2では、シリコーン樹脂と、炭素繊維と、他の無機フィラーとを混合した組成物を、金型に注入し、磁場を厚さ方向に印加して炭素繊維を厚さ方向に磁場配向させた後に硬化して、柱状の硬化物を形成した。得られた柱状の硬化物を柱の長さ方向に対し略直交する方向に、柱状の硬化物をスライサーで0.3mm厚のシート状に切断(スライス)することにより、炭素繊維がシートの厚み方向に配向した成形体シートを得た。このように、比較例2では、柱状の硬化物を0.3mm厚にスライスした後に、成形体シートの表面をラッピングフィルムで研磨しなかった。そのため、比較例2で得られた成形体シートは、表面に研磨残渣を有していなかった。
<比較例3>
シリコーン樹脂28体積%と、酸化アルミニウム(平均粒子径:約2μm)22体積%と、窒化アルミニウム(平均粒子径:約1μm)23体積%と、炭素繊維(平均繊維長:約150μm)26体積%と、カップリング剤1体積%とを均一に混合することにより熱伝導性組成物を調製した。この熱伝導性組成物を、押出成形法により、直方体状の内部空間を有する金型(開口部:50mm×50mm)中に流し込み、100℃のオーブンで6時間加熱して、柱状の硬化物(成形体ブロック)を形成した。なお、金型の内面には、剥離処理を行なったポリエチレンテレフタレートフィルムを、剥離処理面が内側となるように貼り付けておいた。得られた柱状の硬化物を柱の長さ方向に対し略直交する方向に、柱状の硬化物をスライサーで1.0mm厚のシート状に切断(スライス)することにより、炭素繊維がシートの厚み方向に配向した成形体シートを得た。このように、比較例3では、柱状の硬化物を1.0mm厚にスライスした後に、成形体シートの表面をラッピングフィルムで研磨しなかった。そのため、比較例3で得られた成形体シートは、表面に研磨残渣を有していなかった。
<比較例4>
柱状の硬化物をシート状に切断(スライス)する際の厚みを2.0mm厚としたほかは、比較例3と同様に成形体シートを得た。このように、比較例4では、柱状の硬化物を2.0mm厚にスライスした後に、成形体シートの表面をラッピングフィルムで研磨しなかった。そのため、比較例4で得られた成形体シートは、表面に研磨残渣を有していなかった。
<熱伝導性シートの表面性状パラメータ>
各実施例で得られた熱伝導性シートと、各比較例で得られた成形体シートの表面性状パラメータを測定した。具体的には、熱伝導性シート(成形体シート)の突出山部の平均高さSpk(μm)、突出谷部の平均深さSvk(μm)、突出山部の体積Vmp(ml/m)、二乗平均平方根勾配Sdq、山頂の算術平均曲率Spc(1/mm)、界面の展開面積比Sdr(%)を測定した。これらは、走査型白色干渉顕微鏡(ナノ3D光干渉計測システム。装置名:VS-1800、日立ハイテク社製、測定モード:waveモード)を用いて、ISO 25178に従って測定した。レンズ倍率は鏡筒内レンズ0.5倍、対物レンズ20倍であり、562μm×562μmのXY領域に対し、Z軸の高さ方向50μm、深さ方向50μmの範囲で表面性状パラメータを測定した。突出山部の体積Vmpは、不可面積率10%値を適用した。結果を表1に示す。
<接触熱抵抗>
各実施例で得られた熱伝導性シートと、各比較例で得られた成形体シートについて、ASTM-D5470に従って測定される、所定の加圧時(1.4kgf/cm加圧時、2.1kgf/cm加圧時、2.8kgf/cm加圧時、3.5kgf/cm加圧時)の総熱抵抗値[℃・cm/W]からバルク熱抵抗[℃・cm/W]を差し引くことで接触熱抵抗[℃・cm/W]を求めた。前記の測定において、直接測定されるのが総熱抵抗値である。接触熱抵抗の算出時に使用する式を下記の式A、式Bに示す。なお、総熱抵抗の測定は、ASTM-D5470に準拠した熱抵抗測定装置(デクセリアルズ株式会社製)を用いて行った。測定時の加圧時間は250秒間とし、201秒から250秒の間の測定値の平均値を測定値とした。測定は、1枚の熱伝導性シートに対して、順次加圧条件を変えながら行なった。
式A:接触熱抵抗[℃・cm/W]=総熱抵抗値[℃・cm/W]―バルク熱抵抗[℃・cm/W]
式B:バルク熱抵抗[℃・cm/W]=シート厚み[m]/バルク熱伝導率[W/(m・K)]=10-4×℃・m/W
バルク熱伝導率[W/(m・K)]は、各実施例で得られた熱伝導性シートと、各比較例で得られた成形体シートについて、シート厚みを0.5mm、1.0mm、1.5mmにそれぞれ変更したものを作製し、各シートの初期厚みから4~12%圧縮したときの厚み[mm]を横軸に、シートの初期厚みから4~12%圧縮したときの総熱抵抗値[℃・cm/W]を縦軸にして、得られたデータをプロットし、近似直線の傾きの逆数から算出した。ここで、総熱抵抗値は、ASTM D5470に準拠して測定された、バルク熱抵抗値と接触熱抵抗値の合計の熱抵抗値であり、バルク熱抵抗値は熱伝導シートそのものが有する熱抵抗値である。バルク熱伝導率[W/(m・K)]は、測定における治具との接触などを考慮しない、熱伝導シートそのものが有する熱伝導率を示す。結果を表1に示す。
実施例1~7の結果から、バインダ樹脂と、繊維状フィラーと、繊維状フィラー以外の熱伝導性フィラーとを含む熱伝導性組成物の硬化物からなる熱伝導性シートであって、繊維状フィラーが熱伝導性シートの厚み方向に配向しており、ISO 25178に従って測定される熱伝導性シートの突出山部の平均高さSpkが3μm以下であることにより、ASTM-D5470に従って測定される、1.4kgf/cm加圧時と、2.1kgf/cm加圧時の接触熱抵抗が0.10℃・cm/W以下であることが分かった。
また、実施例1~7で得られた熱伝導性シートは、ASTM-D5470に従って測定される2.8kgf/cm加圧時の接触熱抵抗が0.072℃・cm/W以下であることが分かった。
実施例1~7で得られた熱伝導性シートは、表面が研磨面であり、表面に研磨残渣を有していた。この研磨残渣は、研磨によって生じた、シリコーン樹脂、炭素繊維及び他の熱伝導性フィラー(酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、アルミニウム、水酸化アルミニウムなど)を含む塊状物であることが確認された。
図7は、熱伝導性シートの山頂の算術平均曲率Spc(1/mm)を横軸、熱伝導性シートの界面の展開面積比Sdr(%)を縦軸として実施例及び比較例の結果をプロットしたグラフである。図7に示すように、実施例1~7で得られた熱伝導性シートは、ISO 25178に従って測定される山頂の算術平均曲率Spc(1/mm)と、界面の展開面積比Sdr(%)とを、Spcを横軸、Sdrを縦軸として値をプロットしたグラフを作成した場合に、SpcとSdrが上述した式1を満たすことが分かった。
比較例1,2で得られた成形体シートは、ISO 25178に従って測定される突出山部の平均高さSpkが3μm以下を満たさず、ASTM-D5470に従って測定される、1.4kgf/cm加圧時と、2.1kgf/cm加圧時の接触熱抵抗が0.10℃・cm/W以下を満たさないことが分かった。また、比較例3,4で得られた成形体シートは、ISO 25178に従って測定される突出山部の平均高さSpkが3μm以下を満たさないことが分かった。比較例1~4では、成形体シートを研磨部材(ラッピングフィルム)によって研磨しなかったため、成形体シートの表面には研磨残渣が残留しなかったことが原因と考えられる。
図7に示すように、比較例1~4で得られた成形体シートは、ISO 25178に従って測定される山頂の算術平均曲率Spc(1/mm)と、界面の展開面積比Sdr(%)とを、Spcを横軸、Sdrを縦軸として値をプロットしたグラフを作成した場合に、SpcとSdrが上述した式1を満たさない(式1中、0≦X≦2500、かつ、0≦Y≦20を満たさない)ことが分かった。
1 熱伝導性シート、1a 凸部、2 バインダ樹脂、3 繊維状フィラー、4 他の熱伝導性フィラー、5 研磨残渣、6 ブラシ、7 基材、8 毛材、9 成形体シート、10 コンベア、50 半導体装置、51 電子部品、52 ヒートスプレッダ、52a 主面、52b 側壁、52c 他面、53 ヒートシンク

Claims (13)

  1. バインダ樹脂と、繊維状フィラーと、上記繊維状フィラー以外の他の熱伝導性フィラーとを含む熱伝導性組成物の硬化物からなる熱伝導性シートであって、
    上記繊維状フィラーが当該熱伝導性シートの厚み方向に配向しており、
    対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡を用いて、ISO 25178に従って測定される、当該熱伝導性シートの突出山部の平均高さSpkが3μm以下であり、
    ASTM-D5470に従って測定される、1.4kgf/cm加圧時と、2.1kgf/cm加圧時の接触熱抵抗が0.10℃・cm/W以下である、熱伝導性シート。
  2. ASTM-D5470に従って測定される、2.8kgf/cm加圧時の接触熱抵抗が0.072℃・cm/W以下である、請求項1に記載の熱伝導性シート。
  3. 対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡を用いて、ISO 25178に従って測定される、当該熱伝導性シートの山頂の算術平均曲率Spc(1/mm)と、界面の展開面積比Sdr(%)とを、Spcを横軸、Sdrを縦軸として値をプロットしたグラフを作成した場合に、SpcとSdrが下記式1を満たす、請求項1又は2に記載の熱伝導性シート。
    式1:Y=0.0153X-(15.547±10)
    (式1中、0≦X≦2500、かつ、0≦Y≦20である。)
  4. 表面が研磨面である、請求項1又は2に記載の熱伝導性シート。
  5. 表面に研磨残渣を有する、請求項1又は2に記載の熱伝導性シート。
  6. 上記研磨残渣は、上記バインダ樹脂、上記繊維状フィラー及び上記他の熱伝導性フィラーを含む、請求項5に記載の熱伝導性シート。
  7. 上記繊維状フィラーが炭素繊維である、請求項1又は2に記載の熱伝導性シート。
  8. バインダ樹脂と、繊維状フィラーと、上記繊維状フィラー以外の他の熱伝導性フィラーとを含む熱伝導性組成物を所定の形状に成型して硬化することにより、上記熱伝導性組成物の成型体を得る工程と、
    上記成型体をシート状に切断し、成型体シートを得る工程と、
    上記成形体シートを研磨部材によって研磨することにより、熱伝導性シートを得る工程とを含み、
    上記熱伝導性シートの表面には、上記研磨によって生じた、上記バインダ樹脂、上記繊維状フィラー及び上記他の熱伝導性フィラーを含む研磨残渣が残留する、熱伝導性シートの製造方法。
  9. 上記研磨部材がラッピングフィルムである、請求項8に記載の熱伝導性シートの製造方法。
  10. 上記研磨部材が、上記研磨する工程において同一の粗さを持つ研磨部材である、請求項8又は9に記載の熱伝導性シートの製造方法。
  11. 上記繊維状フィラーが炭素繊維である、請求項8又は9に記載の熱伝導性シートの製造方法。
  12. 上記繊維状フィラーが上記熱伝導性シートの厚み方向に配向している、請求項8又は9に記載の熱伝導性シートの製造方法。
  13. 上記熱伝導性シートは、対物レンズを20倍とした走査型白色干渉顕微鏡を用いて、ISO 25178に従って測定される、突出山部の平均高さSpkが3μm以下であり、ASTM-D5470に従って測定される、1.4kgf/cm加圧時と、2.1kgf/cm加圧時の接触熱抵抗が0.10℃・cm/W以下である、請求項8に記載の熱伝導性シートの製造方法。
JP2023052788A 2022-03-30 2023-03-29 熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法 Pending JP2023152928A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2023/012900 WO2023190726A1 (ja) 2022-03-30 2023-03-29 熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022055354 2022-03-30
JP2022055354 2022-03-30

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023152928A true JP2023152928A (ja) 2023-10-17

Family

ID=88349363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023052788A Pending JP2023152928A (ja) 2022-03-30 2023-03-29 熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023152928A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105378914B (zh) 导热性片材
JP5779693B2 (ja) 熱伝導性シート、及びその製造方法、並びに半導体装置
CN110198820B (zh) 三维成型的导热模制体及其制造方法
JP2016121341A (ja) 熱伝導シートの製造方法、熱伝導シート、及び半導体装置
KR20210084424A (ko) 열전도성 시트 및 그의 제조 방법, 열전도성 시트의 실장 방법
KR101706756B1 (ko) 방열 점착 테이프 및 이의 제조방법
WO2023190726A1 (ja) 熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法
WO2023190751A1 (ja) 熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法
JP2023152928A (ja) 熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法
JP2023152951A (ja) 熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法
WO2022044724A1 (ja) 熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法
US20240116146A1 (en) Heat transfer sheet, method for producing heat transfer sheet, heat transfer sheet package, and method for producing heat transfer sheet package
WO2023190756A1 (ja) 熱伝導性シート、熱伝導性シートの製造方法及び熱伝導性シートの表面の平滑度の検査方法
WO2022054478A1 (ja) 熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法
JP6986648B2 (ja) 熱伝導シート及びその製造方法、並びに放熱構造体及び電子機器
JP2023152954A (ja) 熱伝導性シート、熱伝導性シートの製造方法及び熱伝導性シートの表面の平滑度の検査方法
JP6999054B1 (ja) 熱伝導シートの供給形態及び熱伝導シート
WO2022181172A1 (ja) 熱伝導シート及び熱伝導シートの製造方法
WO2022181171A1 (ja) 熱伝導シート及び熱伝導シートの製造方法
JP6999003B1 (ja) 熱伝導性シート及び熱伝導性シートの製造方法
JP2022129325A (ja) 熱伝導シート及び熱伝導シートの製造方法
JP2005194479A (ja) 放熱成形品用の混練剤及び放熱成形品
KR20220027997A (ko) 열전도 시트 및 그 제조 방법, 그리고 방열 구조체 및 전자 기기
TW202223063A (zh) 導熱性片材及導熱性片材之製造方法
TW202218071A (zh) 熱傳導構件及其製造方法、以及散熱結構體