JP2023152787A - 勾配ベースのcadモデル最適化 - Google Patents

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Abstract

【課題】勾配ベースのCADモデル最適化を用いて製品を設計するための方法、システムおよびプログラムを提供する。【解決手段】方法は、製品を表すCADモデルを提供するステップを含み、CADモデルは特徴木を含み、特徴木は、夫々が初期値を有する1つ又は複数のCADパラメータを有する。方法は、最適化プログラムを提供するステップを含み、最適化プログラムは、1又は複数の使用性能指標及び/又は製造性能指標によって指定され、前記指標は、1又は複数の目的関数及び/又は1又は複数の制約を含む。方法はさらに、勾配ベースの最適化法を用いて最適化プログラムを解くことにより1又は複数のCADパラメータの初期値を修正するステップを含み、最適化法は、1又は複数のCADパラメータを自由変数として有し、かつ、感度を使用し、各感度は、個別のCADパラメータに関する個別の性能指標の個別の導関数の近似値である。【選択図】図1

Description

本開示は、コンピュータプログラムおよびシステムの分野に関し、より詳細には、勾配ベースのCADモデル最適化を用いて製品を設計するための方法、システムおよびプログラムに関する。
数多くのシステムおよびプログラムが、オブジェクトの設計、エンジニアリングおよび製造のための市場に提供されている。CADは、コンピュータ支援設計(Computer-Aided Design)の略称であり、例えば、オブジェクトを設計するためのソフトウェア・ソリューションに関する。CAEは、コンピュータ支援エンジニアリング(Computer-Aided Engineering)の略称であり、例えば、将来の製品の物理的挙動をシミュレーションするためのソフトウェア・ソリューションに関する。CAMは、コンピュータ支援製造(Computer-Aided Manufacturing)の略称であり、例えば、製造のプロセスおよび作業を定義するためのソフトウェア・ソリューションに関する。このようなコンピュータ支援設計システムでは、グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、技術の効率化に関して重要な役割を果たす。これらの技術は、製品ライフサイクル管理(PLM)システム内に組み込まれる場合がある。PLMとは、企業が、拡張エンタープライズの概念にわたって、着想からサポート終了に至る製品開発のために、製品データを共有し、共通のプロセスを適用し、企業知識を活用することを支援する事業戦略のことである。ダッソー・システムズが(CATIA、ENOVIAおよびDELMIAの商標で)提供するPLMソリューションにより、製品エンジニアリングの知識を編成するエンジニアリングハブと、製品エンジニアリングの知識を管理する製造ハブと、エンジニアリングハブおよび製造ハブの両方への企業の統合および接続を可能にする企業ハブが提供される。これら全てを合わせて、システムは、製品定義、製造準備、生産およびサービスの最適化を促進するダイナミックかつ知識ベースの製品創造および意思決定サポートを可能にするために、製品、プロセス、リソースをリンクするオープンオブジェクトモデルを提供する。
製品の設計には、当該製品の使用指標および/または製造指標を最適化するために、基礎となるCADモデルの最適化を行うことが含まれ得る。
しかしながら、勾配ベースのCADモデル最適化を用いて製品を設計するための改良された方法がなお必要とされている。
したがって、製品を設計するためのコンピュータ実施方法が提供される。本方法は、当該製品を表すCADモデルを提供するステップを含む。当該CADモデルは、特徴木を含む。当該特徴木は、それぞれが初期値を有する1つまたは複数のCADパラメータを有する。本方法は、最適化プログラムを提供するステップも含む。当該最適化プログラムは、1つまたは複数の使用性能指標および/または製造性能指標によって指定される。当該1つまたは複数の指標は、1つまたは複数の目的関数および/または1つまたは複数の制約を含む。本方法は、勾配ベースの最適化法を用いて上記最適化プログラムを解くことにより当該1つまたは複数のCADパラメータの初期値を修正するステップをさらに含む。上記最適化法は、上記1つまたは複数のCADパラメータを自由変数として有する。上記最適化法は、感度を使用する。各感度は、個別のCADパラメータに関する個別の性能指標の個別の導関数の近似値である。
上記方法は、以下のうちの1つまたは複数を含んでもよい。
-上記感度は、
〇上記製品の陰関数表現(implicit representation)であるスカラーフィールドに関する個別の性能指標の近似された個別の導関数のそれぞれと、
〇個別のCADパラメータに関する上記スカラーフィールドの近似された個別の導関数のそれぞれとの合成であり、
上記感度は、
〇上記製品の材料密度の分布を表す密度フィールドに関する個別の性能指標の近似された個別の導関数のそれぞれと、
〇上記製品の外面表現に関する符号付き距離の分布である符号付き距離フィールドに関する上記密度フィールドの近似された個別の導関数のそれぞれと、
〇個別のCADパラメータに関する上記符号付き距離フィールドの近似された個別の導関数のそれぞれとの合成であり;
-上記密度フィールドは、
Figure 2023152787000002

Figure 2023152787000003
にマッピングし、かつ明確に定義された一次導関数を有する関数による上記符号付き距離フィールドの射影に対応し;
-上記関数は、平滑なヘビサイド射影であり;
-上記密度フィールドは、材料密度値
Figure 2023152787000004
の分布であり、
Figure 2023152787000005
は、以下のタイプの
Figure 2023152787000006
の平滑なヘビサイド射影であり、
Figure 2023152787000007
式中、上記符号付き距離フィールドは、それぞれが、上記製品の幾何学的表現を包含する領域の離散化
Figure 2023152787000008
の要素
Figure 2023152787000009
から上記製品の上記外面表現までの符号付き距離である符号付き距離
Figure 2023152787000010
の分布であり、
Figure 2023152787000011
は、上記平滑なヘビサイド射影の急峻度係数(steepness coefficient)であり、
Figure 2023152787000012
は、上記離散化における上記要素の平均サイズであり;
-上記符号付き距離フィールドに関する上記密度フィールドの各個別の近似された導関数
Figure 2023152787000013
は、以下のタイプであり;
Figure 2023152787000014
-個別のCADパラメータに関する上記符号付き距離フィールドの各個別の近似された導関数
Figure 2023152787000015
は、以下のタイプであり、
Figure 2023152787000016
式中、上記符号付き距離フィールドは、それぞれが、上記製品の幾何学的表現を包含する領域の離散化
Figure 2023152787000017
の要素
Figure 2023152787000018
から上記製品の上記外面表現までの符号付き距離である符号付き距離
Figure 2023152787000019
の分布であり、
Figure 2023152787000020
は、上記CADパラメータの集合であり、
Figure 2023152787000021
は、上記集合の個別のCADパラメータであり、
Figure 2023152787000022
は小摂動であり;
-各感度
Figure 2023152787000023
は、以下のタイプであり、
Figure 2023152787000024
式中、上記符号付き距離フィールドは、それぞれが、上記製品の幾何学的表現を包含する領域の離散化
Figure 2023152787000025
の要素
Figure 2023152787000026
から上記製品の上記外面表現までの符号付き距離である符号付き距離
Figure 2023152787000027
の分布であり、
Figure 2023152787000028
は上記CADパラメータの集合であり、
Figure 2023152787000029
は上記個別のCADパラメータであり、上記密度フィールドは、材料密度値
Figure 2023152787000030
の分布であり、
Figure 2023152787000031
は上記個別の性能指標であり、
Figure 2023152787000032
は、上記性能指標の集合であり;かつ/または
-本方法は、上記最適化プログラムを解くステップの前に、上記感度を計算するステップを含む。
本方法を実行するための命令を含むコンピュータプログラム、すなわち、コンピュータ上で実行されたときに、当該コンピュータに本方法を実行させるプログラムがさらに提供される。
上記コンピュータプログラムが記録されたコンピュータ可読記憶媒体がさらに提供される。
上記コンピュータプログラムが記録されたメモリに結合されたプロセッサを備えるシステムがさらに提供される。当該プロセッサは、グラフィカル・ユーザ・インターフェースにさらに結合されてもよい。
以下に、非限定的な例について添付の図面を参照しながら説明する。
上記方法を示す。 上記方法を示す。 上記方法を示す。 上記方法を示す。 上記方法を示す。 上記方法を示す。 上記方法を示す。 上記方法を示す。 上記方法を示す。 上記方法を示す。 上記方法を示す。 上記システムの例を示す。
製品を設計するためのコンピュータ実施方法が提供される。本方法は、当該製品を表すCADモデルを提供するステップを含む。当該CADモデルは、特徴木を含む。当該特徴木は、それぞれが初期値を有する1つまたは複数のCADパラメータを有する。本方法は、最適化プログラムを提供するステップも含む。当該最適化プログラムは、1つまたは複数の使用性能指標および/または製造性能指標によって指定される。当該1つまたは複数の指標は、1つまたは複数の目的関数および/または1つまたは複数の制約を含む。本方法は、勾配ベースの最適化法を用いて上記最適化プログラムを解くことにより当該1つまたは複数のCADパラメータの初期値を修正するステップをさらに含む。上記最適化法は、上記1つまたは複数のCADパラメータを自由変数として有する。上記最適化法は、感度を使用する。各感度は、個別のCADパラメータに関する個別の性能指標の個別の導関数の近似値である。
本方法は、勾配ベースのCADモデル最適化を用いて製品を設計するための改良されたソリューションを構成する。
特に、本方法は、製品の1つまたは複数の性能指標に対応する、CADモデルの1つまたは複数の性能指標を最適化する。本方法は、CADモデルのCADパラメータを自由変数として有し、したがって最適化のためにこれらのパラメータに作用する最適化法を用いて最適化プログラムを解くことによってこれを行うことで、最適なパラメータを見つけるか、または見つけやすい。したがって、本方法は、特徴木を含むCADモデルを直接的に最適化する。さらに、本本法が使用する最適化法は勾配ベースの最適化法であり、この最適化法は、多数の変数(ここでは多数のCADパラメータ)を用いた最適化を扱うことを可能にする効率的な(演算時間ならびにCPU資源および/またはメモリ資源の使用に関して)最適化法である。本方法により、このような効率的な最適化法を使用することが可能となる。なぜなら、本方法は CADパラメータ(すなわち、最適化の自由変数)に関する性能指標の導関数の近似値である感度を使用するからである。換言すれば、本方法は、CADモデルを、直接的にかつ勾配ベースの最適化を用いて、したがって効率的に最適化する。
したがって、本方法は、上記設計(例えば、物理的な目的および/もしくは幾何学的な目的ならびに/または制約)の性能指標(KPI(重要性能指標(Key Performance Indicators)とも称する))を、最適化される設計変数(すなわち、CADパラメータ)に関連付ける。本方法は、CADソフトウェアにおいて利用可能である任意の可能なCAD特徴に関連する任意のCADパラメータまたはCADパラメータの集合に関して最適化を行うことを可能にする。本方法はまた、非常に多くの数のCADパラメータに関して最適化を行うことも可能にする。なぜなら、本方法が提供する感度によって可能となる勾配ベースの最適化を使用することにより、組み合わせの爆発的増加や計算ランタイムの指数関数的増加を回避しながら、このような非常に多くの数を処理することも可能となるからである。後述する方法の例は、CADパラメータに関してKPIの導関数を数値的に、しかしながら、正確に近似するための高速かつ堅牢な方法を提供し、それにより、多くの設計変数を有するCADモデルの効率的な勾配ベースの最適化が可能となる。あらゆる可能なタイプのCADパラメータに関して各KPIの導関数を解析的に計算することは、非常に困難である。その上、CADパラメータは、CADモデルにおいて相互作用するか、あるいは互いを無効化する可能性があり、分析導関数の計算が概して実行不可能となる。後述する本方法の例は、これらの問題を解決することを可能にする。
本方法は、高レベルのCAD表現を直接的に最適化することを可能にする。つまり、出力される最適化モデルは、(例えば、トポロジー最適化や他のノンパラメトリック最適化手法とは対照的に)依然としてCADモデルである。本方法は、改良された設計へと迅速に収束させる高効率の勾配ベースの最適化スキームを使用する。したがって、本方法は、簡単な最適化問題についてはより高速でありながらも、計算コストにおいて著しく良好なスケーリング性を有し、それにより、最適化問題は(試行錯誤型パラメトリック設計や他のゼロ次最適化手法とは対照的に)、はるかに多くの数の設計変数を有することが可能となる。
本方法は、実行可能解空間を効率的に移動するために最適化問題の「平滑性」を制御することを可能にする。特に、これにより、モデルがトポロジー的および幾何学的に不連続な立体として開始された場合であっても、これらを平滑に最適化することが可能となる。本方法は、(例えば、移動モーフィング可能コンポーネント(Moving Morphable Components)や類似の手法とは対照的に)CAD表現を用いた追加の実装またはインターフェース化を行うことなく、任意の実数値CADパラメータに適合する。すなわち、高レベルの設計パラメータがジオメトリを何らかの形で修正する限り、当該設計パラメータは、中間陰関数フィールド(implicit field)に影響を及ぼし、したがって、計算された勾配によって捉えられるはずである。数値的には、本方法は、異種パラメータ、および工業デザイン用途のCADモデルに予測される、ジオメトリまたはトポロジーの大きな変化に関して堅牢である。本方法は、例えば、本方法の例における中間陰関数フィールドの低レベルの変数に関する導関数などの、本方法で使用される感度を得ることが可能な任意の既存KPIに適合する。したがって、本方法の手法は、Abaqus/ToscaなどのFEAソフトウェアパッケージに存在する既存の商用コンポーネントと良好に共働し、かつこれらの恩恵を直接受けるものである。
本方法はまた、CADモデルの特性を保全することにより設計の製造性を保証することを可能にする。例えば、
-2Dスケッチによりトリミングされた薄板として定義されたCADモデルは、レーザ切断、プラズマ切断または2.5軸フライス加工によって必ず製造可能となり、
-軸周りの非重複プロファイルの回転として定義されたCADモデルは、ターニングまたは旋盤加工によって製造可能となり、あるいは
-オーバーハング領域を回避するオペレータによって定義されたCADモデルは、付加製造(additive manufacturing)、成形または鋳造によってより容易に製造可能となる。
本方法は、製品を設計するためのものである。「製品を設計する」とは、当該製品のモデル化オブジェクト(3Dまたは2D)を精巧にするプロセスの少なくとも一部である任意の作業または一連の作業を示す。本方法の場合、本方法は、(本方法に対する入力として提供される)CADモデルの最適化で構成される設計ステップを構成する。本方法は、製品を製造するための最適化CADモデルのさらなる使用の基礎となり得るCADモデルを出力する。したがって、本方法は、さらに後述するように、製品を生産するための生産プロセスに含まれてもよい。
本方法は、製品および最適化プログラムを表すCADモデルを提供するステップを含む。したがって、提供されたCADモデルおよび最適化プログラムは、本方法の入力を形成する。提供されたCADモデルは、「入力CADモデル」とも称される場合がある。提供されたCADモデルは、特徴木を含む特徴ベースのCADモデルである。特徴ベースのCADモデルの概念は、CADからそれ自体知られており、さらに後述する。同様に、特徴木の概念は、CADから周知である。特徴木は、それぞれが製品の一部分をモデル化するCAD特徴に対するCAD演算(例えば、ブール演算および非ブール演算を含む)の木構成である。より具体的には、特徴木は、CAD演算のシーケンス順序および組み合わせを記述した/捉えた有向非巡回グラフ(https://en.wikipedia.org/wiki/Directed_acyclic_graphにおいて説明されるような)である。CADからそれ自体知られているように、CAD特徴は、当該CAD特徴によってモデル化された/捉えられた製品の一部分を表すための形状/ジオメトリ情報およびパラメータ情報を含む。知られているように、CAD特徴は、CAD特徴によってモデル化された部分に対応するジオメトリ/形状の定義/仕様(例えば、定義/仕様の幾何プリミティブ)と、ジオメトリおよびそのトポロジーを指定する1つまたは複数のCADパラメータとを含んでもよい。したがって、特徴木は、特徴木の個別のCAD特徴にそれぞれが対応する1つまたは複数のCADパラメータを含む。このようなCADパラメータの非限定的な例には、スケッチにおける点の座標、プロファイルの押出し高さ、シェルの厚み、フィレットの半径、およびロフトサーフェスの平滑性が含まれる。入力CADモデルの各パラメータは、例えば、後述するように、以前の設計プロセスから得られ得る初期値を有する。
CADモデルは、2DCADモデルであってもよく(すなわち、製品の2DCAD表現を形成する)、あるいは3DCADモデルであってもよい(すなわち、製品の3DCAD表現を形成する)。CADモデルは、特徴木の他に、2D幾何学的表現(当該モデルが2Dである場合)または3D幾何学的表現(当該モデルが3Dである場合)、例えば、特徴木を実行することにより得られるB-repを含んでもよい。幾何学的表現は、上記製品の外面の幾何学的表現であってもよく、あるいは外面の幾何学的表現を含んでもよい。
入力CADモデルは、以前の設計プロセス(例えば、別のシステムまたはソフトウェア上で、例えば、別の設計セッション中に行われた)に由来するものであってもよい。CADモデルを提供するステップは、CADモデルが、その設計に続いて格納されていたメモリまたはサーバからCADモデルをダウンロードするステップを含んでもよい。あるいは、CADモデルを提供するステップは、CADモデルを設計するステップを含んでもよい。CADモデルを設計するステップは、CADシステム上で、例えば、特徴木を繰り返し構築することによりCADモデルを初めから設計するステップを含んでもよい。あるいは、CADモデルを設計するステップは、任意のCAEソフトウェア・ソリューションを用いてCAEシステム上で製品を表すCAEモデル(すなわち、有限要素モデル)をまず設計し、任意のCAD/CAE変換法を用いて当該CAEモデルをCADモデルに変換し、次いで、必要に応じてCADモデルをメモリまたはサーバに格納するステップを含んでもよい。CADモデルを提供するステップは、既に設計されているCAEモデルを、例えば、CAEモデルがその設計に続いて格納されていたメモリまたはサーバからダウンロードし、次いで、CAEモデルを入力CAEモデルに変換するステップをさらに含んでもよい。
最適化プログラムを提供するステップは、最適化プログラムを、当該プログラムが利用可能である任意のメモリまたはサーバからダウンロードするステップを含んでもよい。あるいは、最適化プログラムを提供するステップは、当該プログラムが実装された任意のソフトウェアを起動するステップを含んでもよい。またあるいは、最適化プログラムを提供するステップは、最適化プログラムを符号化する/プログラミングするか、あるいは既に符号化されている/プログラミングされている最適化プログラムをダウンロードする(および必要に応じて修正する)ステップを含んでもよい。
最適化プログラムは、最適化問題を解くための最適化アルゴリズムを含む。最適化問題は、1つまたは複数の目的関数を、必要に応じて1つまたは複数の制約下で、最小化するかあるいは最大化するステップ、または任意の他の量を当該制約下で最小化するかあるいは最大化するステップで構成される数学的な最適化問題を指す。したがって、最適化プログラムは、上記目的関数および/または上記制約を含む1つまたは複数の使用指標および/または製造指標によって指定される。最適化プログラムは、このような最小化または最大化を実行する最適化アルゴリズムを含む。最適化プログラムは、最適化プログラムを起動する前に、最適化に関するデータがユーザによって入力され得るように設計されてもよく、当該データは、上記目的関数、上記制約、任意の収束閾値、および/または上記アルゴリズムの反復ステップの任意の最大値を含む。本方法は、最適化ステップの前に、このようなデータの少なくとも一部をユーザが提供するステップを含んでもよい。最適化プログラムはまた、最適化を行うための最適化法をユーザが選択することができるように設計されてもよい。本方法は、ユーザが最適化法を選択するステップを含んでもよい。最適化法の選択は、予め定義された最適化法のリストに制限されてもよい。すなわち、ユーザは、当該リストに含まれる方法しか選択することができない。本方法が使用する最適化法は勾配ベースの最適化法であるため、このリストは、勾配ベースの最適化法のみで構成されてもよい。「勾配法」とも称される勾配ベースの最適化法の概念は周知である(例えば、https://en.wikipedia.org/wiki/Gradient_methodを参照)。本方法が使用する勾配ベースの最適化法は、以下のリスト(当該リストは、ユーザ選択のための前述のリストを形成してもよい)の方法のいずれかであってもよい。すなわち、勾配降下法、確率的勾配降下法、座標降下法、Frank-Wolfeアルゴリズム、Landweber反復、ランダム座標降下法、共役勾配法、共役勾配法の導出、非線形共役勾配法、双共役勾配法、安定化双共役勾配法、および移動漸近法である。
1つまたは複数の使用性能指標および/または製造性能指標は、基礎となる最適化問題を定義するデータである。すなわち、最適化問題は、結果的に、この/これらの性能指標に関するCADモデルによって表される製品の性能を最適化する。性能指標は、換言すれば、CADモデルによって表される製品が達成し、かつ/あるいは準拠すべき性能を測定するデータ(例えば、数学関数または制約(例えば、方程式または方程式系によって捉えられた)などの数式)である。性能は、使用および/または製造に関するものである。すなわち、この指標は使用性能指標および/または製造性能指標であるため、性能は、使用時および/または製造時の製品の物理的性能(例えば、挙動)である。使用時の製品の性能とは、例えば、製品が1つまたは複数の荷重 (例えば、熱力、構造荷重または流体流)を受けたときの製品の熱挙動、製品の空力挙動または製品の構造的挙動といった、製品の所与の使用に関する製品の物理的挙動である。製造時の製品の性能とは、製造プロセスの制約および/または当該プロセスを行う製造工具の仕様に対する製品のコンプライアンスといった、製品の所与の製造プロセスに関する製品の物理的挙動である。
1つまたは複数の指標は、1つまたは複数の目的関数を含む。本明細書において、目的関数とは、上記最適化によって値を最適化(すなわち、最小化または最大化)すべき関数である。目的関数は、製品の使用および/または製造に関する製品の性能を測定するものであり、当該関数は、CADモデルまたは1つまたは複数のCADパラメータを変数として有する。この関数は、性能が達成されたときに大きい値を出力し、その場合、関数は最大化され、あるいは、性能が達成されたときに小さい値を出力し、その場合、関数は最小化される。
1つまたは複数の指標は、これに加えて、またはこの代わりに、1つまたは複数の制約を含んでもよい。本明細書において、制約とは、最適化時に準拠すべき数式(例えば、方程式もしくは方程式の集合、またはパラメータの固定値)である。この制約は、製品の材料の所定の合計体積といった、製品が満たすべき(すなわち、義務的に)性能を捉える。上記最適化は、当該制約下で目的関数を最適化してもよい。すなわち、上記最適化は、当該制約を満たしながら目的関数を最適化する変数値を見つけることを目的とする。
機械的設計における性能指標(KPIとも称する)であって、本方法に含まれ得る性能指標の例は、剛性の最大化、質量の最小化、ピーク応力の最小化、熱伝達係数の最大化、コンプライアント機構における力伝達の最大化、コンプライアント機構における変位の最大化、一次固有振動数の最大化、フォトニック結晶構造におけるバンドギャップの最大化、最小または最大幾何学的長さスケールの確保、オーバーハング量の最小化、表面曲率の最小化、最小抜け勾配の施工、封入空隙体積の最小化(例えば、下流の付加製造または除去製造のための)である。
上記入力を提供するステップに加えて、本方法は、1つまたは複数のCADパラメータの初期値を修正するステップを含む。1つまたは複数のCADパラメータの初期値の修正は、1つまたは複数のCADパラメータの最適化とも称する場合がある。実際、本ステップは、1つまたは複数の目的関数を最適化し、かつ/または1つまたは複数の制約を満たす最適化の自由変数である、1つまたは複数のCADパラメータの値を見つけるか、あるいは見つけやすい。したがって、初期値を修正するステップは、最適化プログラムを解く、すなわち、基礎となる最適化問題を解くための最適化プログラムの最適化アルゴリズムを実行する最適化で構成される。
上記最適化は、上述のように、勾配ベースの最適化法を使用する。最適化法は、最適化を行うために修正すべき値の1つまたは複数のCADパラメータを自由変数として有し、これらの変数(すなわち、導関数近似値)に関する性能指標の感度を用いて上記最適化を行う。なぜなら、本方法は、最適化の分野においてそれ自体知られているように勾配ベースであるからである。換言すれば、CADパラメータ(例えば、外殻/シェルの厚み、フィレット半径)は、性能指標を最適化するために最適化法が修正することが可能な(すなわち、最適化はCADパラメータの値を修正することが可能である)最適化の自由変数であり、感度は、自由変数に関して最適化する上記指標の偏導関数に対応する。各感度は、個別のCADパラメータに関する個別の導関数の個別の性能指標の近似値である。各個別の性能指標および各個別のCADパラメータについて、当該個別のCADパラメータに関する当該個別の性能指標の導関数の近似値である個別の感度が存在してもよい。感度は、個別の導関数の任意の適した近似値であってもよい。本方法は、上記最適化の前に、感度および/または性能指標を計算するステップを含んでもよい。
感度は、
-スカラーフィールドに関する個別の性能指標の近似された個別の導関数のそれぞれと、
-個別のCADパラメータに関する上記スカラーフィールドの近似された個別の導関数のそれぞれとの合成であってもよい。
スカラーフィールドは、製品の陰関数表現である。スカラーフィールドは、製品の(CADモデルが2Dであるかあるいは3Dであるかに応じた)上述の3Dまたは2Dの幾何学(例えば、外面)表現を含む、離散3D空間または離散2D空間上のスカラー値の分布であり、各スカラー値は、製品を構成する材料の存在の程度を示す。当該離散空間は、例えば、体積要素または面要素(例えば、当該要素は、四面体/三角形、六面体または正立方体/正四角形である)のメッシュであってもよく、各スカラー値は、個別の要素に対応してもよい。すなわち、個別の要素における製品を構成する材料の存在の程度を示してもよい。
スカラーフィールドは、感度を効率的に計算することを可能にし、それにより最適化に必要なCPU資源および/またはメモリ資源を節減することが可能となる。実際、スカラーフィールドに関する性能指標の、およびCADパラメータに関するスカラーフィールドの近似導関数の計算を効率的に行うことが可能である。上述の感度計算ステップは、任意の適した方法によって、陰関数フィールド表現を計算し、スカラーフィールドに関する性能指標の近似導関数およびCADパラメータに関するスカラーフィールドの導関数を計算するステップを含んでもよい。
上記感度は、
-密度フィールドに関する個別の性能指標の近似された個別の導関数のそれぞれと、
-符号付き距離フィールドに関する上記密度フィールドの近似された個別の導関数のそれぞれと、
-個別のCADパラメータに関する上記符号付き距離フィールドの近似された個別の導関数のそれぞれとの合成であってもよい。
密度フィールドは、製品の材料密度の分布を表す特定のスカラーフィールドである。換言すれば、密度フィールドは、製品の3Dまたは2Dの幾何学的表現を含む上記離散3D空間または離散2D空間上の密度値の分布であり、各値は製品の材料密度を示す。各密度値は、上記離散表現の個別の要素に対応していてもよい。すなわち、個別の要素における材料密度を示してもよい。符号付き距離フィールドは、公知の概念である。符号付き距離フィールドは、製品の外面表現に関する符号付き距離の分布である。換言すれば、符号付き距離フィールドは、上記離散3D空間または離散2D空間上の符号付き距離値の分布であり、後者は、製品の外面表現を含む。各符号付き距離値は、離散空間の要素に対応していてもよく、かつ当該要素の外面表現までの距離(例えば、ユークリッド距離、マンハッタン距離, ピクセル距離)の値を示してもよく、当該値は、当該要素が製品の内側部分に対応する場合は符号を有し、当該要素が製品の外側部分に対応する場合はその反対の符号を有する。
密度フィールドおよび符号付き距離フィールドを使用することにより、感度を効率的に計算することが可能となり、それにより、最適化に必要なCPU資源および/またはメモリ資源を節減することが可能となる。実際、密度フィールドに関する性能指標の近似導関数、符号付き距離フィールドに関する密度フィールドの近似導関数、およびCADパラメータに関する符号付き距離フィールドの近似導関数の計算を効率的に行うことが可能である。感度を計算する上述のステップは、任意の適した方法によって、密度フィールドおよび符号付き距離フィールドを計算し、密度フィールドに関する性能指標の近似導関数、符号付き距離フィールドに関する密度フィールドの近似導関数、およびCADパラメータに関する符号付き距離フィールドの近似導関数を計算するステップを含んでもよい。
上記離散空間は、特に符号付き距離フィールドの最も効率的な計算を可能にする任意の規則的なグリッド離散化またはメッシュ離散化であってもよい。
上記密度フィールドは、
Figure 2023152787000033

Figure 2023152787000034
にマッピングし、かつ明確に定義された一次導関数を有する関数による上記符号付き距離フィールドの射影に対応していてもよく、例えば、当該射影の結果または画像であってもよい。上記関数は、平滑なヘビサイド射影またはその任意の適した近似であってもよい。
上記密度フィールドは、例えば、材料密度値
Figure 2023152787000035
の分布であってもよく、
Figure 2023152787000036
は、以下のタイプの
Figure 2023152787000037
の平滑なヘビサイド射影であり、
Figure 2023152787000038
式中、上記符号付き距離フィールドは、それぞれが、上記製品の幾何学的表現を包含する領域の離散化
Figure 2023152787000039
の要素(例えば、上記離散空間が2Dであるか3Dであるかに応じて、体積要素または面要素)
Figure 2023152787000040
から(すなわち、
Figure 2023152787000041
は、上記3D離散空間または2D離散空間を表す)、上記製品の上記外面表現までの符号付き距離である符号付き距離
Figure 2023152787000042
の分布であり、
Figure 2023152787000043
は、上記平滑なヘビサイド射影の急峻度係数(steepness coefficient)であり、
Figure 2023152787000044
は、上記離散化における上記要素の平均サイズである。
Figure 2023152787000045
は、10未満、例えば5未満、例えば2未満、例えば1に等しくてもよい。急峻度係数の値を制御することによって、最適化プロセスの開始時において非線形性を「平滑化(smoothing out)」し、次いで、最適化が収束するにしたがって急峻度係数を漸進的に増加させることにより、高度に非線形的な解空間の移動を促進することが可能となる。この射影により、符号付き距離を物理的に解釈可能な密度値に変換することが可能となる。上記平滑なヘビサイド射影の代わりに、適切な出力範囲および明確に定義された一次導関数を用いてヘビサイド関数を近似する任意の他の関数が使用されてもよい。
上記符号付き距離フィールドに関する上記密度フィールドの各個別の近似された導関数
Figure 2023152787000046
は、以下のタイプであってもよい。
Figure 2023152787000047
SDFから密度射影を分離することにより、別個の微分方法を使用することが可能となる。このことは、有利である。なぜなら、有限差分スキームは、この密度射影ステップのような非線形性の高い関数に対して信頼性が劣る場合があるからである。一方、解析的導出は、平滑なヘビサイド射影のこの選択について非常に扱いやすく、無視できる計算コストで厳密解をもたらす。
個別のCADパラメータに関する上記符号付き距離フィールドの各個別の近似された導関数
Figure 2023152787000048
は、以下のタイプであってもよく、
Figure 2023152787000049
式中、
Figure 2023152787000050
は、上記CADパラメータの集合であり、
Figure 2023152787000051
は、上記集合の個別のCADパラメータであり、
Figure 2023152787000052
は小摂動である。換言すれば、CADパラメータに関する符号付き距離フィールドの近似導関数は、有限差分スキームを用いて計算されてもよい。上記式は中心(centered)有限差分スキームであるが、これに代えて他の有限差分スキームが使用されてもよい。定義上、符号付き距離は、CADモデルの表面に最も近接した点から離れるにつれて、線形変化する。したがって、有限差分スキームは、SDFの一次導関数を捉えるのに高い信頼性があることが分かる。さらに、有限差分スキームは、厳密に幾何学的プロセスであるため、多数のCADパラメータを設計変数として有する場合においても計算コストが低い。
各感度
Figure 2023152787000053
は、以下のタイプであってもよく、
Figure 2023152787000054
式中、
Figure 2023152787000055
は、その導関数が感度によって近似される上記個別の性能指標であり、
Figure 2023152787000056
は、上記性能指標の集合である。
上述のように、本方法は、上記最適化の前に、上記感度を計算するステップを含んでもよい。これは以下のステップを含んでもよい。
-CADモデルまたはその幾何学的表現(例えば、特徴木から得られたB-rep)を包含する空間領域または平面領域を上述の離散3D空間または離散2D空間に離散化するステップ、
-上記離散空間の要素における符号付き距離値の分布を計算することによって符号付き距離フィールドを計算するステップ、
-例えば上述した以下の式に従って、CADパラメータに関する符号付き距離フィールドの近似導関数を計算するステップ、
Figure 2023152787000057
-例えば上述した以下の式を用いて、符号付き距離フィールドに基づいて密度フィールドを計算するステップ、
Figure 2023152787000058
-例えば上述した以下の式を用いて、符号付き距離フィールドに関する密度フィールドの近似導関数を計算するステップ、
Figure 2023152787000059
-密度フィールドにおける上記性能指標を評価するステップ、
-密度フィールドに関する性能指標の近似導関数を計算するステップ、
-例えば上述した以下の式を用いて、上記感度を計算するステップ、
Figure 2023152787000060
密度フィールドにおける性能指標を評価するステップは、例えば、物理KPIの計算に有限要素解析を使用し、幾何学KPIの計算に有限要素モデルの計算ジオメトリを使用して、当該技術において公知である任意の適した方法によって行われてもよい。例えば以下が使用されてもよい。
Figure 2023152787000061
密度フィールドに関する性能指標の近似導関数を計算するステップは、例えば、物理KPIに随伴解析(Adjoint Analysis)を使用し、幾何学KPIに解析的導出を使用して、当該技術分野において知られているように行われてもよい。例えば以下が使用されてもよい。
Figure 2023152787000062
性能指標の評価および密度フィールドに関するこれらの指標の近似導関数の上述の方法例(有限要素解析、計算ジオメトリ、随伴感度(Adjoint sensitivity)および解析的導出)を用いた計算は、トポロジー最適化の分野においてそれ自体知られておりかつ文献Martin. P. Bendsoe and Ole Sigmund, Topology Optimization, Springer, 2004, ISBN: 978-3-662-05086-6に記載された方法であり、本文献は、参照により本明細書に援用される。
以下、本方法の実施形態について述べる。
本実施形態では、CADモデルパラメータと評価済みKPIとの間の中間ステップとして、陰関数フィールド表現を導入する。この陰関数フィールドは、低レベル変数の集合を表現し、それらをCADパラメータおよびKPIスコアの両方に数学的に連結することを可能にする。この定式化は、最適化スキームにおいて適用すべき勾配を決定することも可能にする。図1は、陰関数フィールドがCADモデルパラメータとKPIとの間のピボット点として作用する様子を概念的に示す図である。同図は、CADモデルの効率的な最適化を可能にするためのピボットとして陰関数フィールド表現が導入される、本実施形態の戦略を示す。
本実施形態は、高レベルCAD表現を直接最適化することを可能にする。つまり、得られるオブジェクトは、(例えば、トポロジー最適化や他のノンパラメトリック最適化手法とは対照的に)依然としてCADモデルである。本実施形態では、改良された設計へと迅速に収束させる高効率の勾配ベースの最適化スキームを使用する。したがって、本手法は、簡単な最適化問題についてはより高速でありながら、計算コストにおいて著しく良好なスケーリング性を有し、それにより、最適化問題は(試行錯誤型パラメトリック設計や他のゼロ次最適化手法とは対照的に)、はるかに多くの数の設計変数を有することが可能となる。
本実施形態は、実行可能解空間を効率的に移動するための最適化問題の「平滑性」を制御することを可能にする。特に、これにより、モデルがトポロジー的および幾何学的に不連続な立体として開始された場合であっても、これらを平滑に最適化することが可能となる。本実施形態は、(例えば、移動モーフィング可能コンポーネントや類似の手法とは対照的に)CAD表現を用いた追加の実装またはインターフェース化を行うことなく、任意の実数値CADパラメータに適合する。高レベル設計パラメータがジオメトリを何らかの形で修正する限り、当該設計パラメータは、中間陰関数フィールドに影響を及ぼし、したがって、計算された勾配によって捉えられるはずである。数値的には、本実施形態は、異種パラメータ、および工業デザイン用途のCADモデルに予測される、ジオメトリまたはトポロジーの大きな変化に関して堅牢である。本実施形態は、中間陰関数フィールドの低レベル変数に関する導関数を得ることが可能な任意の既存KPIに適合する。したがって、本実施形態の手法は、Abaqus/ToscaなどのFEAソフトウェアパッケージに存在する既存の商用コンポーネントと良好に共働し、かつこれらの恩恵を直接受けるものである。
図2は、本実施形態が組み込まれかつ以下のステップを含む、全体的な最適化ループを示すフローチャートである。
(a)まず、CADモデルが入力として提供される。このCADモデルは、本実施形態によって最適化される特定の対象パラメータを含む。
(b)次いで、本実施形態は、シミュレーションのためにCADモデルの新たな表現を決定し、その時点でKPIが評価される。
(c)その後、本実施形態は、CADパラメータに関するKPIの導関数を推定する。
(d)最後に、導関数は、CADパラメータを更新するために勾配ベースの最適化スキームによって使用され、それにより、CADモデルが改良される。
数学的には、これは、CADパラメータの関数であるKPIスコアによって表すことが可能である。
Figure 2023152787000063
式中、
Figure 2023152787000064
は、所与の最適化問題のために考慮されるKPIスコア(すなわち、目的/制約に適用される物理KPIまたは/および幾何学KPI)の集合であり、
Figure 2023152787000065
は、最適化されているCADパラメータ(すなわち、高レベルの設計変数)の集合である。
加えて、本実施形態は、CADパラメータに関するKPIの導関数を評価する方法を提供する。
Figure 2023152787000066
これらの導関数により、効率的な勾配ベースの最適化スキーム(例えば、勾配降下法、または漸近線移動法などのより高度なスキーム)を採用することが可能となる。
<ワークフロー>
図3は、本実施形態のワークフローを説明するフローチャートを示す。本実施形態は、CADモデルからKPIへの関数の合成を定式化し、これらの関数の個別の導関数を、連鎖律を用いて組み合わせる前に評価または近似するための様々な戦略を適用する。以下、図3を参照してこのワークフローについて述べる。
・ステップ1
CADモデルを包含する空間領域は、体積要素(要素は四面体、六面体、正立方体であり得る)のメッシュに離散化される。各要素について、本実施形態は、CADモデルの表面までの当該要素の距離を評価する。この距離値には、当該要素がCADモデルによって記述される立体オブジェクトの内部にあるか外部にあるかを示す符号が付けられる。慣例により、負の距離は、CADモデルの内部にある要素を示す。別の慣例が使用されてもよい。符号付き距離フィールド(SDF)は、以下のようなCADパラメータの関数である。
Figure 2023152787000067
式中、
Figure 2023152787000068
は、上記所与の離散化(すなわち、低レベル変数)についての要素の集合である。なお、必須ではないが、規則的なグリッド離散は、符号付き距離フィールドの最も効率的な計算を可能にする。
・ステップ2
CADパラメータに関するSDFの導関数は、有限差分スキームを用いて推定される。これは、小摂動
Figure 2023152787000069
を各CADパラメータに順次適用し、以下のようなSDF値に対する影響を観察することにより実現される。
Figure 2023152787000070
定義上、符号付き距離は、CADモデルの表面に最も近接した点から離れるにつれて、線形変化する。したがって、有限差分スキームは、SDFの一次導関数を捉えるのに高い信頼性があることが分かる。なお、本実施形態の定式化は中心有限差分スキームを使用するが、他の有限差分スキームも適用可能である。さらに、本実施形態の有限差分スキームは、厳密に幾何学的プロセスであるため、多数のCADパラメータを設計変数として有する場合においても計算コストが低い。
・ステップ3
SDFは、以下のような平滑なヘビサイド射影を用いて、値
Figure 2023152787000071
を有する密度フィールドに変換される。
Figure 2023152787000072
式中、
Figure 2023152787000073
は、平滑なヘビサイド射影の急峻度係数であり、
Figure 2023152787000074
は、上記離散化における要素の平均サイズである。本実施形態において、
Figure 2023152787000075
は1に等しくてもよい。急峻度係数の値を制御するステップによって、最適化プロセスの開始時において非線形性を「平滑化」し、次いで、最適化が収束するにしたがって急峻度係数を漸進的に増加させることにより、高度に非線形的な解空間の移動を促進することが可能になる。この射影ステップにより、符号付き距離を物理的に解釈可能な密度値に変換することが可能となる。なお、適切な出力範囲および明確に定義された一次導関数を用いてヘビサイド関数を近似する任意の他の関数がこのステップにおいて使用されてもよい。
・ステップ4
SDFに関する密度フィールドの導関数は、以下のような解析微分によって計算される。
Figure 2023152787000076
SDFから密度射影を分離することにより、別個の微分方法を使用することが可能となる。このことは、有利である。なぜなら、有限差分スキームは、この密度射影ステップのような非線形の高い関数に対して信頼性が劣る場合があるからである。一方、解析的導出は、平滑なヘビサイド射影のこの選択について非常に扱いやすく、無視できる計算コストで厳密解をもたらす。
・ステップ5
各KPIは、典型的には、物理KPIの計算に有限要素解析を使用し、幾何学KPIの計算に有限要素モデルの計算ジオメトリを使用して、当該技術分野において公知である密度フィールドに基づいて評価される。すると、以下が得られる。
Figure 2023152787000077
・ステップ6
密度フィールドに関するKPIの導関数は、典型的には、物理KPIに随伴解析を使用し、幾何学KPIに解析的導出を使用して、当該技術分野において公知の方法で計算される。すると、以下が得られる。
Figure 2023152787000078
・ステップ7
ステップ2、ステップ4、およびステップ6で計算された導関数は、CADパラメータに関するKPIの導関数を計算するための連鎖律を用いて以下のように組み合わせられる。
Figure 2023152787000079
次いで、これらの導関数は、CADパラメータを設計変数として有する最適化ループを完成するための反復的な勾配ベースの最適化スキームにおいて適用されてもよい。
本実施形態は、CADモデルの特性を保全することにより設計の製造性を保証することを可能にする。例えば、
-2Dスケッチによりトリミングされた薄板として定義されたCADモデルは、レーザ切断、プラズマ切断または2.5軸フライス加工によって必ず製造可能となり、
-軸周りの非重複プロファイルの回転として定義されたCADモデルは、ターニングまたは旋盤加工によって製造可能となり、あるいは
-オーバーハング領域を回避するオペレータによって定義されたCADモデルは、付加製造、成形または鋳造によってより容易に製造可能となる。
以下、これらの特性を有するCADモデルの例について述べる。本実施形態によって生産される全ての最適化設計は、初期CADモデルと同じ性質のCADモデルであるため、これらをFusion360、FreeCAD、CATIA&SOLIDWORKSといったCAD/CAMソフトウェアにロードして、所望の製造プロセスのための製造命令および経路を自動生成することが可能である。
以下、本実施形態を使用する最適化シナリオの2Dの例について述べる。
最適化シナリオは、図4に示されるような、左下角部および右下角部において固定されるとともに、上部中央に物理的荷重が加えられた梁で構成される。MBB梁として知られるこの最適化シナリオは、航空宇宙会社であるMesserschmitt-Bolkow-Blohm(MBB)の支持梁の設計に基づく伝統的なベンチマーク問題である。KPIは、荷重がかかった点における変形、および梁の設計の合計質量を最小化するものである。
CADモデルは、図5に示すスケッチによってトリミングされた薄板として定義されており、当該薄板は28個の点で構成され、それらの位置は高レベルCADパラメータであると考えられ、最適化のための設計変数となる。CADの定義におけるこの特定の例は、得られる設計が薄板に小数の直線的な切り込みを入れることにより製造可能となることを確実にし、したがって、レーザ切断、プラズマ切断、または2.5軸フライス加工といった、高速かつ安価な製造プロセスに良く適している。
符号付き距離フィールドは、CADモデル上で計算され(ステップ1)、図6にグレイスケール画像として示す以下のフィールドが得られる。暗い領域は、これらが立体オブジェクトの内部にあることを示す負の符号を有する(反対に、CADモデルの外部の領域は正の符号を有し、より明るい領域として示されている)。
平滑なヘビサイド射影により、以下の密度フィールドが得られ(ステップ3)、当該フィールドでは、1に最も近い密度値は、図7において黒色で示されている(反対に、0に最も近い密度を有する領域は白色で示されている)。ヘビサイド射影関数の平滑性係数は、CADモデルの境界において中間相対密度を有する立体と空隙との間のバンドの厚みを制御する。
オブジェクトの物理的変形は、有限要素解析を用いて評価され(ステップ5)、図8に示されている。オブジェクトの質量は、密度フィールドに基づいて幾何学的に評価される。
3組の導関数が計算され(ステップ2、ステップ4、ステップ6)、各最適化反復における最適化スキームのための入力である合計導関数として組み合わせられる(ステップ7)。本実施形態は、最適化の収束に達するまで、CADパラメータを繰り返し更新する。本実施形態の梁設計は、約30回の最適化反復後に収束し、初期CADモデルと比較して、変形を35%低減させ、質量を20%減少させる。最適化CADモデルは、図9において、位置が最適化された28個の点で構成されるスケッチとして示されている。
上述のように、またさらに後述するように、本方法は、製品を生産する/製造するための生産プロセスに含まれてもよく、当該生産プロセスは、製造用の方法によって最適化されたCADモデルを使用するステップを含む。製造用のCADモデルを使用するステップは、製品を製造するステップを含んでもよい。上述の梁の例の場合、梁の製造は、レーザ切断、プラズマ切断または2.5軸フライス加工によって行われてもよい。
以下、本実施形態を使用する最適化シナリオの3Dの例について述べる。
図10は、GE Jet Engine Bracket Challenge(https://grabcad.com/challenges/ge-jet-engine-bracket-challenge)から着想を得た、この工業デザインシナリオでの本実施形態の結果を示す。以下の表は、初期設計(すなわち、入力CADモデル)と最適化設計(すなわち、最適化ステップの結果得られたCADモデル)との特性の比較を示す。
Figure 2023152787000080
本例のCADモデルは、リブの厚み、高さおよび姿勢を制御する20個の別個の異種CADパラメータを用いた3Dブラケット設計である。さらに、CAD特徴木の演算子は、立体オブジェクトの直交射影をZ平面に対して適用する。これは、オブジェクトにオーバーハングがなく、したがって、付加製造、成形、鋳造または2.5軸フライス加工によって製造することができることを確実にする効果を有する。上述のように、またさらに後述するように、本方法は、製品を生産する/製造するための生産プロセスに含まれてもよく、生産プロセスは、製造用の方法によって最適化されたCADモデルを使用するステップを含む。製造用のCADモデルを使用するステップは、製品を製造するステップを含んでもよい。3Dブラケットの場合、梁の製造は、付加製造、成形、鋳造または2.5軸フライス加工によって行われてもよい。なお、部品の製造後、ボルト連結用の機能的な円筒孔が別途フライス加工されるため、それらのオーバーハングは問題にはならない。図10の右側の図は、オーバーハングが回避されているため、製造可能性を示している。
上記表および図10に示される比較は、初期設計と最適化設計との間の形状およびKPIスコアの変化を示している。最大ミーゼス応力(peak von Mises stress )KPIの導入は、本手法が、追加の実装やインターフェース化を行うことなく多種多様のKPIに適合可能である様子を示している。
以下、3Dの比較例について述べる。
図11は、設計変数として作用する、半径の異なる20個のパラメータ化シリンダで構成されるロッドのCADモデルを最適化するための試行錯誤手法と本実施形態の手法との比較を示す。このCADモデル化戦略は、設計がその軸に関して半径方向対称となり、したがってターニングまたは旋盤加工によって製造可能となることを確実にするものである。本方法は、このような製造ステップを含む生産プロセスに含まれてもよい。ロッドは、一端(薄い灰色の長方形として示する)で固定されるとともに、他端(薄い灰色の矢印として示す)に曲げ力が加えられる。最適化の目標は、設計の構造的コンプライアンスおよび質量を最小化することであり、つまり、最適な設計は、コンプライアンス・質量散乱プロットの左下角部にある。試行錯誤手法による結果は、散乱プロットにおいて薄い灰色のドットで示されている。本実施形態の手法による結果は、散乱プロットにおいて濃い灰色のドットで示されており、初期3D設計および収束した3D設計はいずれも右側に視覚化されている。本実施形態は、解空間を通る平滑な経路をトレースすることによって設計のコンプライアンスおよび質量を繰り返し改良することを可能にすることが理解される。さらに、収束した設計により、試行錯誤手法を用いて得られるいずれの設計よりも著しく良好なKPIスコアが得られる。
上述のように、「製品を設計する」とは、製品のモデル化オブジェクト(3Dまたは2D)を精巧にするプロセスの少なくとも一部である作業または一連の作業を示す。本方法は係るプロセスの一部である。なぜなら、本方法は、CADモデルの1つまたは複数の性能指標を最適化するからである。
したがって、本方法は、概して、本方法に対する入力として提供されかつ処理される(本方法によって最適される)CADモデルなどのモデル化オブジェクトを操作する。モデル化オブジェクトは、例えば、上記データベースに記憶されたデータによって定義される任意のオブジェクトである。さらには、「モデル化オブジェクト」という表現は、データそのものを示す。システムのタイプに応じて、モデル化オブジェクトは、異なる種類のデータによって定義されてもよい。システムは、実際、CADシステム、CAEシステムならびに/またはCAMシステム、PDMシステムおよび/もしくはPLMシステムの任意の組み合わせであってもよい。これらの異なるシステムにおいて、モデル化オブジェクトは、対応するデータによって定義される。したがって、CADオブジェクト、PLMオブジェクト、PDMオブジェクト、CAEオブジェクト、CAMオブジェクト、CADデータ、PLMデータ、PDMデータ、CAMデータ、CAEデータと称され得る。しかし、これらのシステムは互いに排他的ではない。なぜなら、モデル化オブジェクトは、これらのシステムの任意の組み合わせに対応するデータによって定義され得るからである。したがって、システムは、CAD、CAE、PLMおよび/またはCAMシステムの両方であってもよい。
CADソリューション(例えば、CADシステムまたはCADソフトウェア)とは、モデル化オブジェクトをモデル化オブジェクトのグラフィック表現および/またはその構造化表現(例えば、特徴木)に基づいて少なくとも設計するのに適合した、CATIAなどの任意のシステム、ソフトウェアまたはハードウェアのことも意味する。この場合、モデル化オブジェクトを定義するデータは、モデル化オブジェクトの表現を可能にするデータを含む。CADシステムは、例えば、エッジやライン、場合によっては、面や表面を用いて、CADモデル化オブジェクトの表現を提供してもよい。ライン、エッジまたは表面は、例えば、非一様有理Bスプライン(NURBS)などの種々の方法で表現されてもよい。具体的には、CADファイルは、幾何学形状が生成され得る仕様を含み、それによって、表現の生成が可能となる。モデル化オブジェクトの仕様は、単一のCADファイルまたは多数個のCADファイルに格納されてもよい。CADシステムにおけるモデル化オブジェクトを表すファイルの典型的なサイズは、1つの部品につき1メガバイトの範囲である。また、モデル化オブジェクトは、典型的には、数千個の部品のアセンブリであってもよい。
CADシステムは、履歴ベースであってもよい。この場合、モデル化オブジェクトは、幾何学的特徴の履歴を含むデータによってさらに定義される。モデル化オブジェクトは、実際、標準的なモデル化特徴(例えば、押出し、回転、切断、および/もしくは丸め)ならびに/または標準的なサーフェシング特徴(surfacing features)(例えば、スィープ、ブレンド、ロフト、充填、変形および/もしくは平滑化)を用いて、自然人(すなわち、設計者/ユーザ)によって設計されてもよい。このようなモデル化機能をサポートする多くのCADシステムは、履歴ベースのシステムである。これは、設計特徴の作成履歴が、典型的には、上記の幾何学的特徴同士をリンクする非巡回データフローを通じて入力リンクおよび出力リンクを介して保存されることを意味する。履歴ベースのモデル化のパラダイムは、80年代初頭から周知である。モデル化オブジェクトは、2つの永続的なデータ表現である履歴およびB-rep(すなわち、境界表現)によって記述される。B-repは、履歴において定義された計算の結果である。モデル化されたオブジェクトを表す際、コンピュータの画面に表示される部品の形状はB-rep(の例えば、テッセレーション)である。部品の履歴は、設計意図である。基本的に、履歴は、モデル化オブジェクトに対して行われた操作の情報を収集する。B-repを履歴とともに保存して、複雑な部品の表示を容易にしてもよい。設計意図に従って部品の設計変更を可能とするために、履歴をB-repとともに保存してもよい。
CADの文脈では、モデル化オブジェクトは、典型的には、例えば、部品または部品のアセンブリ、場合によっては、製品のアセンブリといった製品を表す2Dまたは3Dモデル化オブジェクトであってもよい。2Dまたは3Dモデル化オブジェクトは、製品、すなわち、製造予定の製品であってもよい。「3Dモデル化オブジェクト」とは、オブジェクトによる3D表現を可能にするデータによってモデル化された任意のオブジェクトを意味する。3D表現により、部品を全ての角度から見ることが可能となる。例えば、3Dモデル化オブジェクトは、3Dで表現される場合、その軸のうちいずれの軸周り、または当該表現が表示される画面における任意の軸周りに、取り扱われ、かつ回転され得る。特に、3Dモデル化されていない2Dアイコンは、これから除外される。3D表現を表示することにより、設計が容易となる(すなわち、設計者が自身のタスクを統計に基づいて達成する速度が増加する)。これにより、業界における製造プロセスが迅速化される。製品の設計は、製造プロセスの一部であるからである。
2Dまたは3Dモデル化オブジェクトは、(例えば、機械)部品または部品のアセンブリ(すなわち、部品のアセンブリ。部品のアセンブリは、本方法の観点では部品自体としてみなされ得るか、あるいは本方法は、当該アセンブリの各部品に独立して適用され得るからである)、より一般的には任意の剛性体アセンブリ(例えば、可動機構)といった、例えば、CAD/CAEソフトウェア・ソリューションまたはCAD/CAEシステムを用いた仮想設計の完了後に実際に製造される製品の幾何学形状を表現し得る。CAD/CADソフトウェア・ソリューションにより、航空宇宙、建築、建設、消費材、ハイテク装置、産業機器、交通、船舶、および/または海上石油/ガス生産もしくは海上輸送を含む、種々の限定されない産業分野において製品を設計することが可能となる。したがって、本方法によって設計される3Dモデル化オブジェクトは、陸上車両(例えば、自動車・軽トラック機器、レーシングカー、オートバイ、トラック・モータ機器、トラックおよびバス、列車を含む)の部品、航空車両(例えば、機体機器、航空宇宙機器、推進機器、防衛機器、飛行機機器、宇宙機器を含む)の部品、海上車両(例えば、海軍装備、商船、海上機器、ヨットおよび労務用ボート、船舶機器を含む)の部品、一般機械部品(例えば、産業製造機械、重量型の可動機械または装置、設置済み装備、工業機器製品、組立機械製品、タイヤ製品を含む)、電気機械部品または電子部品(例えば、家電製品、セキュリティ製品および/または制御製品および/または計装製品、計算・通信機器、半導体、医療用の装置および設備を含む)といった任意の機械部品、消費財(例えば、家具、家庭・ガーデン製品、レジャー用品、ファッション製品、ハードグッズ小売製品、ソフトグッズ小売製品を含む)、包装(例えば、飲食品およびタバコ、美容およびパーソナルケア、家庭用品包装を含む)であり得る産業製品を表現し得る。
CAEソリューションとは、モデル化オブジェクトの物理的挙動の解析に適合した任意のソリューション、ソフトウェアまたはハードウェアも意味する。周知であり広く使用されている1つのCAE技術は有限要素モデル(FEM)であり、以降、これと同じ意味でCAEモデルと称する。FEMは、典型的には、モデル化オブジェクトを、方程式によって物理的挙動を計算およびシミュレーションすることが可能である要素、すなわち、有限要素メッシュに分割することを含む。このようなCAEソリューションは、商標SIMULIA(登録商標)でダッソー・システムズによって提供される。発展しつつある別のCAE技術は、CADジオメトリデータを用いずに、異なる物理学分野の複数の構成要素で構成される複雑なシステムをモデル化および解析することを含む。CAEソリューションにより、製造する製品のシミュレーション、ひいては、最適化、改善および検証が可能となる。このようなCAEソリューションは、商標DYMOLA(登録商標)でダッソー・システムズによって提供される。
CAMソリューションとは、製品の製造データを管理するのに適合した任意のソリューション、ソフトウェアまたはハードウェアを意味する。製造データは、一般に、製造する製品、製造プロセスおよび必要な資源に関連するデータを含む。CAMソリューションは、製品の製造プロセス全体を計画し、最適化するために用いられる。例えば、CAMソリューションは、実現可能性、製造プロセスの期間、または特定のロボットといった、製造プロセスの特定の工程で使用され得る資源の数についての情報をCAMユーザに提供することができ、それによって、管理または必要投資に関する決定を下すことが可能となる。CAMは、CAD処理、および場合によってはCAE処理の後に続く処理である。例えば、CAMソリューションは、機械加工パラメータ、またはCADモデルにおいて提供された押出し特徴に合致する成形パラメータに関する情報を提供してもよい。このようなCAMソリューションは、商標CATIA、Solidworksまたは商標DELMIA(登録商標)でダッソー・システムズによって提供される。
したがって、CADソリューションとCAMソリューションとは密接に関連している。実際、CADソリューションでは、製品または部品の設計に重点が置かれ、CAMソリューションでは、それをどのように作成するかに重点が置かれている。CADモデルを設計するステップは、コンピュータ支援製造に向けた第1のステップである。実際、CADソリューションは、特徴ベースのモデル化および境界表現(B-rep)といった、誤差のリスクやCAMソリューションを用いて処理される製造プロセス時の精度の損失を低減するための重要な機能を提供する。実際、CADモデルは、製造されることを意図したものである。したがって、CADモデルは、以下の2つの目的で製造されるオブジェクトのバーチャルツイン(デジタルツインとも呼ばれる)である。
-製造されるオブジェクトの特定の環境での正しい挙動を確認すること、および
-製造されるオブジェクトの製造可能性を保証すること。
PDMは、製品データ管理(Product Data Management)を意味する。PDMソリューションとは、特定の製品に関連するあらゆる種類のデータの管理に適合した任意のソリューション、ソフトウェアまたはハードウェアを意味する。PDMソリューションは、製品のライフサイクルに関わるあらゆる人物(主としてエンジニアであるが、プロジェクトマネージャ、財務担当者、販売担当者およびバイヤーも含む)によって使用され得る。PDMソリューションは、一般に、製品指向データベースに基づいている。これにより、上記の人物は、各自の製品について一致したデータを共有することが可能となり、したがって、これらの人物が相違したデータを使用することが防止される。このようなPDMソリューションは、商標ENOVIA(登録商標)でダッソー・システムズによって提供される。
本方法によって処理されるモデル化オブジェクトは、特徴木を含むCADモデルである。このようなモデルは、CAEモデルに由来するものであってもよく、本方法が、例えば、最初の段階で含み得る、CAEからCADへの変換プロセスから得られるものであってもよい。
本方法に含まれるCADモデルは、特徴ベースである(当該CADモデルは、特徴木、および必要に応じて、特徴木を実行することにより得られる対応するB-repを含む)。特徴ベースの3Dモデルは、 製造プロセスに影響するクラッシュなどの、CADモデルにおける幾何学誤差を(例えば、後述する製造ファイルまたはCAMファイルの決定ステップ中に)検出および自動的に解消することを可能にする。クラッシュとは、3Dモデルの2つの部品間における、例えばそれらの相対移動による相互貫通である。さらに、このクラッシュは、CAD特徴ベースのモデルに基づく有限要素解析によってしか検出できない場合がある。したがって、クラッシュの解消は、特徴のパラメータを繰り返し修正し、有限要素解析を行うことによって、CADソリューションとともに、あるいはCADソリューションによって自動的に行われてもよい。
別の例として、特徴ベースの3Dモデルは、(例えば、後述するような製造ファイルまたはCAMファイルの決定ステップ中に)コンピュータ数値制御(CNC)によって機械のための工具経路を自動的に生成することを可能にする。CNCでは、製造される各オブジェクトは、機械に取り付けられたマイクロコンピュータである機械制御ユニットに格納され、当該機械制御ユニットによって実行されるカスタムコンピュータプログラムを与えられる。このプログラムは、工作機械が従う命令およびパラメータを含む。CNCによって動作が自動化される工作機械の一般的な例は、フライス加工機、旋盤、ルータ、研削機およびレーザである。
CADファイルからのカスタムコンピュータプログラムの生成は、自動化されてもよい。したがって、このような生成は、誤差を生じ難くすることができ、製品を製造するためのCADモデルの完全な再現を保証し得る。CNCは、手動による機械加工によって可能なものと比べて、高い精度、複雑性および再現性を提供すると考えられている。その他の利点としては、より高い正確性、速度および柔軟性、ならびに、3D設計によって生産される形状を含む、輪郭を有する形状のフライス加工を可能にする輪郭加工といった能力が含まれる。
B-rep(すなわち、境界表現)は、機械部品の3D表現である。具体的には、B-repは、機械部品を表す3Dモデル化オブジェクトを記述する永続的なデータ表現である。B-repは、機械部品を表す3Dモデル化オブジェクトの設計段階において実行された計算および/または一連の演算の結果であってもよい。モデル化オブジェクトが表現される際、コンピュータの画面に表示される機械部品の形状は、B-rep(の例えば、テッセレーション)である。例では、B-repは、モデルオブジェクトの部品を表す。
B-repは、トポロジーエンティティおよびジオメトリエンティティを含む。トポロジーエンティティは、面、エッジ、および頂点である。ジオメトリエンティティは、3Dオブジェクト、すなわち、表面、平面、曲線、直線、点である。定義上、面とは、支持面と名付けられる表面の境界付けられた部分である。エッジとは、支持曲線と名付けられる曲線の境界付けられた部分である。頂点とは、3D空間における点である。これらは互いに以下のように関連している。曲線の境界付けられた部分は、当該曲線上にある2つの点(頂点)によって規定される。表面の境界付けられた部分は、その境界によって規定され、この境界は、当該表面上にあるエッジの集合である。面のエッジの境界は、頂点を共有することにより連結される。面は、エッジを共有することにより連結される。2つの面は、それらが1つのエッジを共有する場合、隣接している。同様に、2つのエッジは、それらが1つの頂点を共有する場合、隣接している。CADシステムにおいて、B-repは、適切なデータ構造において、「によって境界付けられた」関係、すなわち、トポロジーエンティティおよび支持ジオメトリと、支持ジオメトリの数学的記述との関係を集める。B-repの内部エッジとは、厳密に2つの面によって共有されたエッジである。定義上、境界エッジは共有されず、1つの面のみを境界付ける。定義上、境界面は、少なくとも1つの境界エッジによって境界付けられる。B-repは、そのエッジが全て内部エッジである場合、閉じているとされる。B-repは、少なくとも1つの境界エッジを含む場合、開いているとされる。閉じたB-repは、材料を(仮想的に)囲む空間の内側部分を定義するので、厚い3D体積をモデル化するために使用される。開いたB-repは、厚みが無視できるほどに小さい3Dオブジェクトを表す、3Dスキンをモデル化するために使用される。
CADモデル化において使用される他の表現タイプに対するB-repの重要な利点は、任意の形状を厳密に表現する能力である。点群、距離フィールドやメッシュといった、使用されている他の表現は全て、表現する形状の近似を離散化によって行う。一方、B-repは、厳密な設計を表す表面方程式を含み、したがって、これがCNCのための工具経路の生成であっても、あるいは所与の3Dプリンタ技術のための正確なサンプル密度への離散化であっても、さらなる製造のための真の「マスターモデル」を構成する。換言すれば、B-repを使用することにより、3Dモデルは、製造されたオブジェクトの厳密な表現となり得る。B-repは、3Dモデルの挙動のシミュレーションにも有利である。応力解析、熱解析、電磁解析あるいは他の解析に関して、B-repは、物理現象を捉えるためのシミュレーションメッシュの局所洗練をサポートするとともに、運動学については、曲面間の真の接触モデル化をサポートする。最終的に、B-repは、メモリおよび/またはファイルフットプリントの小型化を可能にする。第1の理由は、この表現がパラメータのみに基づく表面を含むからである。メッシュなどの他の表現においては、等価な表面は、最大で数千個の三角形を含む。第2の理由は、B-repは、履歴ベースの情報を含まないからである。
本方法は、生産プロセスに含まれてもよく、当該生産プロセスは、本方法の実行後に、本方法によって出力されたモデル化オブジェクトに対応する物理的製品を製造するステップを含んでもよい。生産プロセスは、以下のステップを含んでもよい。
-(例えば、自動的に)本方法を適用し、それにより、本方法によって出力される最適化CADモデルを得るステップと、
-得られたCADモデルを部品/製品の製造に使用するステップ。
CADモデルを製造に使用するステップとは、CADモデルによって表現される製品/部品の製造に含まれる/関与する実際の作業または一連の作業を示す。CADモデルを製造に使用するステップは、例えば、以下のステップを含んでもよい。
-得られたCADモデルを編集するステップ、
-CADモデルまたは対応するCADモデル(例えば、CAEからCADへの変換プロセス後に、CADモデルが由来するCAEモデル)に基づいて、機械特性、利用特性および/もしくは製造特性ならびに/または制約を確認するためのシミュレーション(例えば、構造シミュレーション、熱力学シミュレーション、空気力学シミュレーション)を行うステップ、
-当該シミュレーションの結果に基づいてCADモデルを編集するステップ、
-(すなわち、使用される生産プロセスによっては、機械製品の生産はこのステップ含んでも含まなくてもよい)製品の生産/製造用の(例えば、編集された)CADモデルに基づいて、(例えば、自動的に)製造ファイル/CAMファイルを決定するステップ、
-CADファイルおよび/または製造ファイル/CAMファイルを工場に送信するステップ、および/または
-決定された製造ファイル/CAMファイルまたは上記CADモデルに基づいて、本方法により出力されたモデルによって当初に表現された機械製品を(例えば、自動的に)生産する/製造するステップ。これには、製造ファイル/CAMファイルおよび/またはCADファイルを、製造プロセスを実行する機械に(例えば、自動的に)供給することが含まれる。
生産/製造のこの最後のステップは、製造ステップまたは生産ステップとも称する場合がある。このステップは、例えば、CADモデルおよび/またはCADファイルが1つまたは複数の製造機械または当該機械を制御するコンピュータシステムに供給された時点で、CADモデルおよび/またはCAMファイルに基づいて部品/製品を製造する/作製する。製造ステップは、例えば、1つもしくは複数の付加製造ステップ、1つまたは複数の切断ステップ(例えば、レーザ切断ステップまたはプラズマ切断ステップ)、1つもしくは複数のスタンピングステップ、1つもしくは複数の鍛造ステップ、1つもしくは複数の成形ステップ、1つもしくは複数の機械加工ステップ(例えば、フライス加工ステップ)および/または1つもしくは複数の打抜きステップといった、任意の公知の製造プロセスまたは一連の製造プロセスを行うステップを含んでもよい。本設計方法により、部品/製品を表すモデル(CAEまたはCAD)の設計が改良されるため、製造およびその生産性も改善される。
CADモデルを編集するステップは、例えばCADソリューションを用いて、ユーザ(すなわち、設計者)によってCADモデルのうち1つまたは複数を実行するステップを含んでもよい。CADモデルを修正するステップは、CADモデルのジオメトリおよび/またはパラメータのそれぞれの1つまたは複数の修正を含んでもよい。これらの修正は、当該モデルの特徴木に対して行われる任意の修正または一連の修正(例えば、パラメータおよび/もしくは仕様の修正)ならびに/またはCADモデルの表示された表現(例えば、B-rep)に対して行われる修正を含んでもよい。これらの修正は、部品/製品の技術的機能を維持する修正である。すなわち、ユーザは、当該モデルのジオメトリおよび/またはパラメータに影響する修正を行うことができるが、下流での仕様および/または部品/製品の製造に対してCADモデルを技術的により準拠したものとする目的でのみこれを行う。このような修正は、CADモデルを下流の製造プロセスで使用される機械の仕様に技術的に準拠したものにする任意の修正、または一連の修正を含んでもよい。このような修正は、これに加えて、またはこの代わりに、CADモデルを製造済みの製品/部品のさらなる使用に技術的に準拠したものとする任意の修正、または一連の修正を含んでもよく、当該修正または一連の修正は、例えば、上記シミュレーションの結果に基づくものである。
CAMファイルは、CADモデルから得られた製造ステップアップモデルを含んでもよい。製造ステップアップモデルは、CADモデルによって捉えられたものに対応する材料のジオメトリおよび/または分布を(場合によっては製造許容誤差まで)有するように機械製品を製造するために必要な全てのデータを含んでもよい。生産ファイルを決定するステップは、CADモデルから生産ファイルを(例えば、自動的に)決定するための任意の公知のCAM(コンピュータ支援製造)ソリューションまたはCAD/CAMソリューション(例えば、任意の自動化CAD/CAM変換アルゴリズム)を適用するステップを含んでもよい。このようなCAMソリューションまたはCAD/CAMソリューションは、製造するCADモデルに基づく所与の製造プロセスのための製造命令および工具経路の自動生成を可能にする、以下のソフトウェア・ソリューションのうち1つまたは複数を含んでもよい。
-Fusion360、
-FreeCAD、
-CATIA、
-SOLIDWORKS、
-https://my.3Dexperience.3Ds.com/welcome/fr/compass-world/rootroles/nc-shop-floor-programmerで説明されるダッソー・システムズのNC Shop Floor programmer
-https://my.3Dexperience.3Ds.com/welcome/fr/compass-world/rootroles/nc-mill-turn-machine-programmerで説明されるダッソー・システムズのNC Mill-Turn Machine programmer、および/または
-https://my.3Dexperience.3Ds.com/welcome/fr/compass-world/rootroles/powder-bed-machine-programmerで説明されるダッソー・システムズのPowder Bed Machine programmer。
製品/部品は、付加製造可能な部品、すなわち、付加製造(すなわち、3D印刷)によって製造される部品であってもよい。この場合、生産プロセスは、CAMファイルを決定するステップを含まず、3DプリンタにCADモデルを直接(例えば、自動的に)供給することによって、生産/製造ステップに直接進む。3Dプリンタは、機械製品を表すCADモデルが供給された時点で(例えば、3Dプリンタの操作者によって3D印刷が始動された時点で)、CADモデルに従って機械製品を直接かつ自動的に3D印刷するように構成される。換言すれば、3Dプリンタは、自身に(例えば、自動的に)供給されたCADモデルを受信し、CADモデルを(例えば、自動的に)読み出し、かつ、材料を例えば一層ずつ一体に付加することによって部品を(例えば、自動的に)印刷して、CADモデルによって捉えられた材料のジオメトリおよび/または分布を再現する。3Dプリンタは、材料を付加し、それにより、CADモデルによって捉えられたジオメトリおよび/または分布を、3Dプリンタの解像度まで、また必要に応じて許容誤差および/または製造補正を行うかあるいは行わずに、実際に再現する。製造ステップは、例えば、ユーザ(例えば、3Dプリンタの操作者)によって、または自動的に(3Dプリンタまたは当該3Dプリンタを制御するコンピュータシステムによって)、例えば3Dプリンタの仕様に適合するようにCADファイルを修正することにより、このような製造補正および/または許容誤差を決定するステップを含んでもよい。生産プロセスは、これに加えて、またはこの代わりに、例えばオーバーハング量(参照により本明細書に援用される欧州特許第3327593号に記載されるような)を最小化する印刷方向、層スライシング(すなわち、各層の厚み、ならびに層ごとの経路/軌道)および3Dプリンタのヘッドの他の特性(例えばレーザビームの場合は、例えば経路、速度、強度/温度、および他のパラメータ)をCADモデルから(例えば、3Dプリンタによって自動的に、あるいは当該3Dプリンタを制御するコンピュータシステムによって)決定するステップを含んでもよい。
製品/部品は、あるいは、フライス加工部品(すなわち、フライス加工によって製造された部品)などの機械加工部品(すなわち、機械加工によって製造された部品)であってもよい。このような場合、生産プロセスは、CAMファイルを決定するステップを含んでもよい。このステップは、機械加工部品のCADモデルからCAMファイルを自動的に得るための任意の適したCAMソリューションによって自動的に行われてもよい。CAMファイルを決定するステップは、生産プロセスに影響し得る幾何学的特異点(例えば、誤差またはアーチファクト)をCADモデルが有しているか否かを(例えば、自動的に)確認し、係る特異点を(例えば、自動的に)補正するステップを含んでもよい。例えば、CADモデルに基づく機械加工またはフライス加工は、CADモデルが鋭いエッジを依然として有する場合は行われなくてもよく(なぜなら、機械加工またはフライス加工の工具は、鋭いエッジを形成することはできないからである)、そのような場合、CAMファイルを決定するステップは、CADモデルに基づいて機械加工またはフライス加工を行うことができるように、そのような鋭いエッジを(例えば、フライス加工工具の切断ヘッドの半径に対応する、例えば、許容誤差にほぼ等しい、丸め半径またはフィレット半径で)(例えば、自動的に)丸め加工するかあるいはフィレット加工するステップを含んでもよい。より一般的には、CAMファイルを決定するステップは、機械加工工具またはフライス加工工具の半径に合致しないCADモデル内のジオメトリを丸め加工するかあるいはフィレット加工して、機械加工/フライス加工を可能にするステップを自動的に含んでもよい。このような確認および場合によっては補正(例えば、ジオメトリの丸め加工またはフィレット加工)は、上述のように自動的に行われてもよいが、CADソリューションおよび/またはCAMソリューション、例えば、機械加工プロセスで使用される工具の仕様にCADモデルを準拠させる補正がユーザによって行われるように制限されているソリューションに対して手動で補正を行うユーザ(例えば、機械加工エンジニア)によって行われてもよい。
上記確認ステップに加えて、CAMファイルを決定するステップは、機械加工経路またはフライス加工経路、すなわち、製品を機械加工するために機械加工工具が取るべき経路を(例えば、自動的に)決定するステップを含んでもよい。当該経路は、座標の集合および/または機械加工のために機械加工工具が追従すべきパラメータ化された軌道を含んでもよく、経路を決定するステップは、これらの座標および/または軌道をCADモデルに基づいて(例えば、自動的に)計算するステップを含んでもよい。この計算は、例えば、2021年12月13日にダッソー・システムズによって出願された欧州特許出願第21306754.9号(本文献は、参照により本明細書に援用される)に記載されるような、機械加工工具のCADモデル表現によるCADモデルのミンコフスキー減算の境界の計算に基づくものであってもよい。なお、上記経路は、例えば、上記工具が、切断すべき材料との接触を断つことなく連続的に追従する単一の経路であってもよい。あるいは、上記経路は、上記工具が一定の順序で追従すべき一連の副経路の連結であってもよく、例えば、各副経路は、当該工具が、切断すべき材料との接触を断つことなく連続的に追従する経路である。必要に応じて、CAMファイルを決定するステップは、次いで、切断速度、切断/貫通高さ、および/または型開き工程を含む機械パラメータを、例えば、決定された経路および機械の仕様に基づいて(例えば、自動的に)設定するステップを含んでもよい。必要に応じて、CAMファイルを決定するステップは、次いで、部品が機械加工効率を最大化するのに最良の姿勢をCAMソリューションが決定するネスティングを(例えば、自動的に)構成するステップを含んでもよい。
したがって、機械加工部品またはフライス加工部品のこのような場合において、CAMファイルの決定ステップは、機械加工経路、ならびに、必要に応じて、設定された機械パラメータおよび/または構成されたネスティングの仕様を含むCAMファイルをもたらし、かつ出力する。この出力されたCAMファイルは、次いで、機械加工工具に(例えば、直接かつ自動的に)供給されてもよく、かつ/または、機械加工工具は、次いで、当該ファイルを読み出すことにより(例えば、直接かつ自動的に)プログラミングされてもよく、この時点で、生産プロセスは、上記生産/製造ステップを含み、当該ステップにおいて、上記機械は、例えば、生産ファイルを直接かつ自動的に実行することにより、生産ファイルに従って製品の機械加工を行う。機械加工プロセスは、CADモデルによって捉えられた材料のジオメトリおよび/または分布を、例えば、許容誤差(例えば、フライス加工の場合、数十ミクロン)まで再現するために、機械加工工具が実際の材料のブロックを切断するステップを含む。
あるいは、製品/部品は、成形部品、すなわち、成形(例えば、射出成形)によって製造された部品であってもよい。このような場合、生産プロセスは、上記のCAMファイルを決定するステップを含んでもよい。このステップは、成形部品のCADモデルからCAMファイルを自動的に得るための任意の適したCAMソリューションによって自動的に行われてもよい。CAMファイルを決定するステップは、CADモデルによって捉えられた材料のジオメトリおよび/または分布が成形に適合していることを確認するために、CADモデルに基づいて一連の成形チェックを(例えば、自動的に)行い、CADモデルが成形に適合していない場合には適切な補正を(例えば、自動的に)行うステップを含んでもよい。確認および適切な補正を行うステップ(存在する場合)は、例えば、ユーザがCADモデルに対して適切な補正を行うことを許可しながらも、ユーザによる補正を成形工具の仕様にCADモデルを準拠させるような補正に制限するCADソリューションおよび/またはCAMソリューションを用いて、自動的に、あるいは、ユーザ(例えば、成形エンジニア)によって行われてもよい。この確認は、CADモデルによって表現された仮想製品が金型の寸法に合致しているかを検証し、かつ/または、成形からそれ自体知られている、製品の離型に必要な全ての抜け勾配をCADモデルが含んでいるかを検証するステップを含んでもよい。CAMファイルを決定するステップは、CADモデルに基づいて、成形に使用される液体材料の量および/または金型内で液体材料を硬化/固化させる時間を決定し、これらのパラメータを含むCAMファイを出力するステップをさらに含んでもよい。生産プロセスは、次いで、出力されたファイルに基づいて成形を(例えば、自動的に)行うステップを含み、当該成形ステップは、決定された硬化時間にわたって、CADモデルによって捉えられた材料のジオメトリおよび/または分布に対応する形状に液体材料を、例えば、許容誤差(例えば、離型の場合、抜け勾配の導入、あるいは抜け勾配の修正)まで、成形する。
あるいは、製品/部品は、スタンピングされた部品であってもよく、当該部品は、「スタンピング部品」、すなわち、スタンピングプロセスによって製造される部品とも称され得る。この場合、生産プロセスは、CADモデルに基づいてCAMファイルを(例えば、自動的に)決定するステップを含んでもよい。CADモデルは、例えば、場合によっては、1つまたは複数のフランジと、当該部品がいくらかの、この後者のケースではおそらく、スタンピングからそれ自体知られるように、当該部品の1つまたは複数のフランジの折り畳まれていない状態を形成するために除去すべき余分な材料とを含むスタンピング部品を表す。したがって、CADモデルは、フランジ(一部のケースでは、部品全体である)を有しない部品を表す部分と、場合によっては、余剰の材料(存在する場合)を含むフランジ(存在する場合)を表す余分の外側パッチ部分とを含む。この余分のパッチ部分は、一定の長さにわたってg2連続性を示してもよく、次いで、一定の長さにわたってg1連続性を示してもよい。
このスタンピングのケースでは、CAMファイルを決定するステップは、CADモデルによって捉えられた仮想製品の材料のジオメトリおよび/または分布に基づいて、スタンピング機のパラメータ、例えば スタンピング型の大きさ、あるいは打抜き力および/もしくはスタンピング力を(例えば、自動的に)決定するステップを含んでもよい。CADモデルが、部品の1つまたは複数のフランジの折り畳まれていない状態を形成するために除去すべき余剰の材料の表現も含む場合、除去すべき余剰の材料は、例えば、機械加工によって切断されてもよく、CAMファイルを決定するステップは、例えば、上述のような、対応する機械加工CAMファイルを決定するステップも含んでもよい。1つまたは複数のフランジが存在する場合、CAMファイルを決定するステップは、スタンピングそれ自体および余剰の材料の除去が行われた後に、折り畳みプロセスにおいて上記フランジをスタンピングされた部品の内面に向かってかつg2連続性の長さに沿って折り畳むことを可能にする、g2連続性部分およびg1連続性部分の幾何学的仕様を決定するステップを含んでもよい。したがって、それによって決定されたCAMファイルは、スタンピング工具のパラメータと、必要に応じて、フランジ(存在する場合)を折り畳むための上記仕様と、必要に応じて、余剰の材料(存在する場合)を除去するため機械加工生産ファイルとを含む。
スタンピング生産プロセスは、次いで、CAMファイルを、例えば、直接かつ自動的に出力し、当該ファイルに基づいてスタンピングプロセスを(例えば、自動的に)行ってもよい。スタンピングプロセスは、CADファイルによって表現された製品を形成する材料の部分をスタンピングする(例えば、打ち抜く)ステップを含んでもよく、当該部分は、折り畳まれていないフランジおよび余剰の材料(存在する場合)を場合によっては含む。適切な場合、スタンピングプロセスは、次いで、機械加工生産ファイルに基づいて余剰の材料を切断し、フランジを折り畳むための上記仕様に基づいてフランジを折り畳み、それにより、フランジをそれらのg2連続性の長さにわたって折り畳み、部品の外側境界に平滑な外観を与えるステップを含んでもよい。この後者の場合、余剰の材料が除去され、フランジが折り畳まれているのに対し、CADモデルは、余剰の材料を含む部品を表し、フランジが折り畳まれていない状態であるという点において、製造済み部品の形状はCADモデルによって表現されたその仮想同等物とは異なる。
本方法は、コンピュータによって実施される。これは、本方法のステップ(または実質的に全てのステップ)が少なくとも1つのコンピュータまたは任意の同様のシステムによって実行されることを意味する。したがって、本方法のステップは、上記コンピュータにより、場合によっては、全自動または半自動で実施される。例では、本方法のうちの少なくともいくつかのステップの起動は、ユーザとコンピュータとの対話によって行われてもよい。ユーザとコンピュータとの対話の必要なレベルは、想定される自動化のレベルに依存するものであってもよく、また、ユーザの意向を実現する必要性との間でバランスが取られてもよい。例では、このレベルは、ユーザによって定義され、かつ/あるいは予め定義されてもよい。
方法をコンピュータによって実施する典型的な例は、この目的に適合したシステムを用いて本方法を実施することである。このシステムは、本方法を実施するための命令を含むコンピュータプログラムが記録されたメモリとグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)とに結合されたプロセッサを備えてもよい。このメモリは、データベースも格納していてもよい。メモリは、係る格納に適合した任意のハードウェアであり、場合によっては、いくつかの物理的に別個の部分(例えば、プログラム用の部分、そして場合によっては、データベース用の部分)を含む。
図12は、上記システムの一例を示し、本例において、システムは、クライアント・コンピュータ・システム、例えば、ユーザのワークステーションである。
本例のクライアントコンピュータは、内部通信バス1000に接続された中央処理装置(CPU)1010および同じく当該バスに接続されたランダム・アクセス・メモリ(RAM)1070を備える。このクライアントコンピュータは、上記バスに接続されたビデオ・ランダム・アクセス・メモリ1100に関連付けられたグラフィック処理ユニット(GPU)1110をさらに備える。ビデオRAM1100は、当該技術分野においてフレームバッファとしても知られている。大容量記憶装置コントローラ1020は、ハードドライブ1030といった大容量メモリ装置に対するアクセスを管理する。コンピュータのプログラム命令およびデータの具現化に適した大容量メモリ装置としては、あらゆる形態の不揮発性メモリが含まれ、例としては、EPROM、EEPROMやフラッシュメモリ装置といった半導体メモリ装置;内蔵ハードディスクやリムーバブルディスクといった磁気ディスク;光磁気ディスクが挙げられる。上記のいずれも、専用に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)によって補足されるか、あるいはこれに組み込まれてもよい。ネットワークアダプタ1050は、ネットワーク1060に対するアクセスを管理する。クライアントコンピュータは、カーソル制御装置、キーボード等といった触覚装置1090も備えてもよい。カーソル制御装置は、ユーザがディスプレイ1080上の所望の位置にカーソルを選択的に配置できるようにするために、クライアントコンピュータにおいて使用される。さらに、カーソル制御装置は、ユーザが種々のコマンドを選択し、制御信号を入力することを可能にする。カーソル制御装置は、システムに対して制御信号を入力するための多数の信号生成装置を有する。典型的には、カーソル制御装置は、マウスであってもよく、上記信号を生成するためにマウスのボタンが使用される。これに代えて、あるいはこれに加えて、クライアント・コンピュータ・システムは、センシティブパッドおよび/またはセンシティブスクリーンを備えてもよい。
上記コンピュータプログラムは、上記システムに本方法を実施させるための手段を含む、コンピュータによって実行可能な命令を含んでもよい。上記プログラムは、上記システムのメモリを含む、任意のデータ記憶媒体に記録可能であってもよい。上記プログラムは、例えば、デジタル電子回路もしくはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせで実装されてもよい。上記プログラムは、装置として、例えば、プログラマブルプロセッサによる実行のために機械可読記憶装置において具現化された製品として実装されてもよい。方法のステップは、入力データに対して操作を行い、出力を生成することによって、本方法の機能を実施するための命令のプログラムをプログラマブルプロセッサが実行することによって実行されてもよい。したがって、上記プロセッサは、プログラマブルであってもよく、また、データ記憶システム、少なくとも1つの入力装置および少なくとも1つの出力装置からデータおよび命令を受信し、それらにデータおよび命令を送信するように結合されてもよい。アプリケーションプログラムは、高水準の手続き型またはオブジェクト指向型のプログラム言語で、あるいは、必要に応じて、アセンブリ語または機械語で実装されてもよい。いずれの場合も、言語は、コンパイルされた言語または翻訳された言語であってもよい。上記プログラムは、完全インストールプログラムまたは更新プログラムであってもよい。いずれの場合も、上記システムにプログラムを適用することにより、本方法を実施するための命令が得られる。あるいは、コンピュータプログラムは、1つまたは複数のクライアントとネットワークを介した通信状態にある、クラウドコンピューティング環境のサーバに格納されかつ当該サーバ上で実行されてもよい。このような場合、処理ユニットは、プログラムで構成される命令を実行し、それにより、本方法をクラウドコンピューティング環境上で実行させる。

Claims (13)

  1. 製品を設計するためのコンピュータ実施方法であって、
    -以下を提供するステップであって、
    ○前記製品を表すCADモデルであって、それぞれが初期値を有する1つまたは複数のCADパラメータを有する特徴木を含むCADモデルと、
    ○1つまたは複数の目的関数および/または1つまたは複数の制約を含む1つまたは複数の使用性能指標および/または製造性能指標によって指定される最適化プログラムと、を提供するステップと、
    -勾配ベースの最適化法を用いて前記最適化プログラムを解くことにより前記1つまたは複数のCADパラメータの前記初期値を修正するステップであって、前記最適化法は前記1つまたは複数のCADパラメータを自由変数として有し、前記最適化法は感度を使用し、各感度は、個別のCADパラメータに関する個別の性能指標の個別の導関数の近似値であるステップと
    を含む方法。
  2. 前記感度は、
    -前記製品の陰関数表現(implicit representation)であるスカラーフィールドに関する個別の性能指標の近似された個別の導関数のそれぞれと、
    -個別のCADパラメータに関する前記スカラーフィールドの近似された個別の導関数のそれぞれとの合成である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記感度は、
    -前記製品の材料密度の分布を表す密度フィールドに関する個別の性能指標の近似された個別の導関数のそれぞれと、
    -前記製品の外面表現に関する符号付き距離の分布である符号付き距離フィールドに関する前記密度フィールドの近似された個別の導関数のそれぞれと、
    -個別のCADパラメータに関する前記符号付き距離フィールドの近似された個別の導関数のそれぞれとの合成である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記密度フィールドは、
    Figure 2023152787000081

    Figure 2023152787000082
    にマッピングし、かつ明確に定義された一次導関数を有する関数による前記符号付き距離フィールドの射影に対応する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記関数は、平滑なヘビサイド射影である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記密度フィールドは、材料密度値
    Figure 2023152787000083
    の分布であり、
    Figure 2023152787000084
    は、以下のタイプの
    Figure 2023152787000085
    の平滑なヘビサイド射影であり、
    Figure 2023152787000086
    式中、前記符号付き距離フィールドは、それぞれが、前記製品の幾何学的表現を包含する領域の離散化
    Figure 2023152787000087
    の要素
    Figure 2023152787000088
    から前記製品の前記外面表現までの符号付き距離である符号付き距離
    Figure 2023152787000089
    の分布であり、
    Figure 2023152787000090
    は、前記平滑なヘビサイド射影の急峻度係数(steepness coefficient)であり、
    Figure 2023152787000091
    は、前記離散化における前記要素の平均サイズである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記符号付き距離フィールドに関する前記密度フィールドの各個別の近似された導関数
    Figure 2023152787000092
    は、以下のタイプである、請求項6に記載の方法。
    Figure 2023152787000093
  8. 個別のCADパラメータに関する前記符号付き距離フィールドの各個別の近似された導関数
    Figure 2023152787000094
    は、以下のタイプであり、
    Figure 2023152787000095
    式中、前記符号付き距離フィールドは、それぞれが、前記製品の幾何学的表現を包含する領域の離散化
    Figure 2023152787000096
    の要素
    Figure 2023152787000097
    から前記製品の前記外面表現までの符号付き距離である符号付き距離
    Figure 2023152787000098
    の分布であり、
    Figure 2023152787000099
    は、前記CADパラメータの集合であり、
    Figure 2023152787000100
    は、前記集合の個別のCADパラメータであり、
    Figure 2023152787000101
    は小摂動である、請求項3から請求項7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 各感度
    Figure 2023152787000102
    は、以下のタイプであり、
    Figure 2023152787000103
    式中、前記符号付き距離フィールドは、それぞれが、前記製品の幾何学的表現を包含する領域の離散化
    Figure 2023152787000104
    の要素
    Figure 2023152787000105
    から前記製品の前記外面表現までの符号付き距離である符号付き距離
    Figure 2023152787000106
    の分布であり、
    Figure 2023152787000107
    は前記CADパラメータの集合であり、
    Figure 2023152787000108
    は前記個別のCADパラメータであり、前記密度フィールドは、材料密度値
    Figure 2023152787000109
    の分布であり、
    Figure 2023152787000110
    は前記個別の性能指標であり、
    Figure 2023152787000111
    は、前記性能指標の集合である、請求項3から請求項8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記最適化プログラムを解くステップの前に、前記感度を計算するステップを含む、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 命令を含むコンピュータプログラムであって、コンピュータ上で実行されたときに、前記コンピュータに請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の方法を実行させるプログラム。
  12. 請求項11に記載のコンピュータプログラムが記録されたコンピュータ可読記憶媒体。
  13. 請求項11に記載のコンピュータプログラムが記録されたメモリに結合されたプロセッサを備えるシステム。
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