JP2023151438A - 電気駆動式車両 - Google Patents

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Atsushi Kitaguchi
知範 高田
Tomonori Takada
和典 石原
Kazunori Ishihara
貴照 田中
Takateru Tanaka
充弘 門田
Michihiro Kadota
悟 金子
Satoru Kaneko
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Abstract

【課題】走行モータの回生電力が発生する機会を増やすことにより燃費を低減することが可能な電気駆動式車両を提供する。【解決手段】コントローラ100は、アクセルペダル70およびブレーキペダル71のいずれも操作されておらず、かつ車速が所定の閾値F以上である状態を惰性走行状態として検知し、前記惰性走行状態を検知した場合に、走行モータ35,36が回生電力を発生させるように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60を作動させ、前記回生電力が補機用モータ47~50に供給されるように補機用インバータ43~46を制御する。【選択図】 図3

Description

本発明は、ダンプトラック等の電気駆動式車両に関する。
電気駆動式車両であるダンプトラックは、4輪を配置した車体をベースとして、車体フレームの前方上部に運転室およびコントロールボックスを設置し、車体フレームの前方下部にはパワーユニットであるエンジンと発電機と油圧ポンプを配置し、車体フレームの後方下部には走行モータと減速機等で構成されたリアアクスルを設置し、車体フレーム上部の中央から後方にかけて油圧シリンダにより起伏可能な荷台を備え、荷台に砕石物または土砂等の運搬対象物を多量に積載し運搬するものである。
ダンプトラックの荷台への積み込みには、投入機(例えば油圧ショベル)により運搬対象物が大量に積載部に積み込まれる。ダンプトラックはその運搬対象物を目的地まで運搬し走行した後、油圧シリンダを伸長することにより、ヒンジピンを回転中心として荷台を起伏させて、運搬対象物を放土し運搬を完了し、また積込場に戻り、上記を繰り返す。
上記ダンプトラックはエンジンにより主発電機で電気を発電し、インバータとコントローラにより電力をリアアクスル内の電気モータに送電して電気モータを駆動させ、減速機を介してタイヤが回転することにより走行する。また、減速もしくは停止する場合には電気モータによる回生制動により減速する手段(電気ブレーキ)を使用する。そこで発電された回生電力は発熱ブレーキ抵抗装置の発熱抵抗体に通電され、熱に変換され、その熱が送風機で外部に排熱される。
また、発電機や走行モータは駆動により発熱するため、冷却する必要があり、その冷却システムを搭載している。冷却システムは主に空冷式であり、冷却ブロワは電気モータで駆動され、冷却風を送風する。その駆動電力は、主発電機とは異なる補助発電機で発電した電力であり、主に冷却対象物が任意の温度以下になるように補機用電気モータをインバータとコントローラで駆動制御される。
ダンプトラックの技術を開示する先行技術文献として、例えば特許文献1,2が挙げられる。特許文献1に記載のハイブリッド式ダンプトラックは、発電した電力もしくは減速時に回生した電力を蓄電池に蓄電し、加速走行時に放電して、電気モータを駆動させ走行する。
また、特許文献2に記載のハイブリッド車両は、走行時の駆動力が要求されない降坂路において、オートクルーズ状態の電気ブレーキ時の回生電力を蓄電池の充電する際、蓄電池の充電許容量がオーバーフローとなる前に、回生電力で電動ポンプ(補機)を駆動し、回生電力を消費する。
特開2000-299901号公報 特開2017-30595号公報
上記のように、電気駆動式車両であるダンプトラックは走行モータの駆動と制動により加速、走行、減速、停止等して積載物を運搬して稼働するが、ダンプトラックの燃費を低減して稼働させたい。そのためには車両駆動システムのエネルギーの有効利用が要求される。ここで、特許文献1,2のように蓄電池を搭載して、電気ブレーキ時の回生電力を蓄電池に充電し、その充電電力をモータ駆動時に利用する蓄電池の充放電制御により、燃費低減を図ることは可能であるが、蓄電池を搭載することによりその蓄電池の質量分だけ運搬対象物の積載量を減量することになるため、運搬効率が低下してしまう。
運搬対象物の積載量を維持するには、蓄電池を搭載しない、もしくは少量が求められる。しかし、言うまでもなく、蓄電池を搭載しないと電気ブレーキ時の回生電力を蓄電できず、燃費低減効果が得られない。もしくは蓄電池が少量の場合は回生電力を少量しか蓄電できないため、また蓄電池の充放電損失により一部の充放電エネルギーは熱に変換されるため、燃費低減が限られる。
一方で、電気ブレーキ時の回生電力を蓄電池に蓄電するのではなく、他の補機動力として直接利用する方法があり、蓄電池の利用による充放電損失がないためエネルギー効率は良いが、電気ブレーキ時間が限定されるため、燃費低減効果は限られる。
以上をまとめると、電気駆動式ダンプトラックの燃費低減を図る課題を解決するには、電気ブレーキ時の回生電力を大容量の蓄電池に蓄電することや、蓄電池に蓄電することを優先するのではなく、回生電力を発生させる機会を増加し、それを直ちに補機動力として利用することが求められる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、走行モータの回生電力が発生する機会を増やすことにより燃費を低減することが可能な電気駆動式車両を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、エンジンと、前記エンジンによって駆動される主発電機および補助発電機と、前記主発電機の発電電力を直流電力に変換する主整流器と、前記補助発電機の発電電力を直流電力に変換する補機整流器と、前記主整流器から直流電力が供給される主回路と、前記補機整流器から直流電力が供給される補機回路と、走行モータと、前記主回路の直流電力を交流電力に変換して前記走行モータに供給する走行用インバータと、補機用モータと、前記補機回路の直流電力を交流電力に変換して前記補機用モータに供給する補機用インバータと、前記主回路の直流電力を降圧して前記補機回路に供給するコンバータと、前記走行モータの増速を指示するアクセルペダルと、前記走行モータの減速を指示するブレーキペダルと、前記アクセルペダルおよび前記ブレーキペダルからの入力信号に応じて、前記主発電機、前記補助発電機、前記走行用インバータ、前記補機用インバータ、および前記コンバータを制御するコントローラとを備え、前記コントローラは、前記ブレーキペダルが操作された場合に、前記走行モータが回生電力を発生させるように前記走行用インバータを制御する電気駆動式車両において、車速を検知する車速センサを備え、前記コントローラは、前記アクセルペダルおよび前記ブレーキペダルのいずれも操作されておらず、かつ前記車速が所定の閾値以上である状態を惰性走行状態として検知し、前記惰性走行状態を検知した場合に、前記走行モータが回生電力を発生させるように前記走行用インバータを制御し、前記コンバータを作動させ、前記回生電力を前記補機用インバータに供給するものとする。
以上のように構成した本発明によれば、ブレーキペダルの操作時の他、アクセルペダルおよびブレーキペダルのいずれも操作されていない惰性走行時に走行モータの回生電力を発生させ、当該回生電力で補機用モータの駆動電力の少なくとも一部を賄うことができる。その結果、補助発電機の発電が抑制され、エンジンの負荷が低減されるため、燃費を低減することが可能となる。
本発明に係る電気駆動式車両によれば、走行モータの回生電力が発生する機会を増やすことにより燃費を低減することが可能となる。
本発明の第1の実施例におけるダンプトラックの概略図 本発明の第1の実施例における電気駆動システムの構成図 本発明の第1の実施例における電気駆動システムの制御フロー図 本発明の第2の実施例における電気駆動システムの構成図 本発明の第2の実施例における電気駆動システムの制御フロー図 本発明の第3の実施例における電気駆動システムの構成図 本発明の第3の実施例における電気駆動システムの制御フロー図 本発明の第4の実施例における電気駆動システムの構成図 本発明の第4の実施例における電気駆動システムの制御フロー図 本発明の第5の実施例における電気駆動システムの構成図 本発明の第5の実施例における電気駆動システムの制御フロー図 本発明の第6の実施例における電気駆動システムの構成図 本発明の第6の実施例における電気駆動システムの制御フロー図 本発明の第7の実施例における電気駆動システムの構成図 本発明の第7の実施例における電気駆動システムの制御フロー図 本発明の第8の実施例における電気駆動システムの構成図 本発明の第8の実施例における電気駆動システムの制御フロー図 本発明の第9の実施例における電気駆動システムの構成図 本発明の第9の実施例における電気駆動システムの制御フロー図 本発明の第10の実施例における電気駆動システムの構成図 本発明の第10の実施例における電気駆動システムの制御フロー図 本発明の第11の実施例における電気駆動システムの構成図 本発明の第11の実施例における電気駆動システムの制御フロー図
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、各図中、同等の要素には同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。また、本実施形態は、本発明に係る電気駆動式車両をダンプトラックに適用したものであるが、本発明の適用対象はこれに限定されない。
図1は、本発明の第1の実施例におけるダンプトラックの側面図である。図1に示すように、ダンプトラックは、車体フレーム1と、土砂等の積荷2を載せる荷台3とを備えている。車体フレーム1と荷台3はホイストシリンダ4とヒンジピン5で連結されている。ホイストシリンダ4を伸縮動作させることにより、荷台3が車体フレーム1に対してヒンジピン5を支点に上下方向に回動動作し、積荷2を放土することができる。
車体フレーム1には、図示しない機構部品を介して、左右の前輪6L,6R、左右の後輪7L,7R、作動油タンク(図示せず)等が取り付けられている。後輪7L,7Rの回転軸部には、後輪7L,7Rを駆動する走行モータ35,36(図2に示す)と、後輪7L,7Rの回転数を調整する減速機が納められている。
ダンプトラックはまた、車体フレーム1の前側に一対の前輪サスペンションシリンダ9L,9Rを備え、車体フレーム1の後側に一対の後輪サスペンションシリンダ10L,10Rを備えている。前輪サスペンションシリンダ9L,9Rは、左右の前輪6L,6Rを独立して上下させることができる独立懸架式のサスペンションシリンダであり、その上端側は車体フレーム1に取り付けられ、下端側は左右の前輪6L,6Rを支持している車輪支持部材(図示せず)に取り付けられている。後輪サスペンションシリンダ10L,10Rは、左右の後輪7L,7Rを独立して上下させることができる独立懸架式のサスペンションシリンダであり、その上端側は車体フレーム1に取り付けられ、下端側は左右の後輪7L,7Rを支持している車輪支持部材(図示せず)に取り付けられている。
車体フレーム1の前側には、オペレータが歩行可能なデッキ11が取り付けられている。デッキ11上面には、ダンプトラックの操作を行うためにオペレータが搭乗するキャブ12、各種電力機器が収納されたコントロールキャビネット13、コントロールキャビネット13の余剰エネルギーを熱として放散するためのグリッドボックス14等が搭載されている。また、前輪6L,6Rにより隠れた部分には、主発電機30、補助発電機40(いずれも図2に示す)、油圧機器用油圧源としてのメインポンプ(図示せず)等からなるパワーユニット15が搭載されている。
図2は、本実施例における電気駆動システムの構成図である。図2において、電気駆動システムは、エンジン20と、主発電機30と、主整流器31と、主回路32と、走行用インバータ33,34と、走行モータ35,36と、チョッパ37と、熱抵抗器38と、補助発電機40と、補機整流器41と、補機回路42と、補機用インバータ43~46と、補機用モータ47~50と、コンバータ60と、アクセルペダル70と、ブレーキペダル71と、車速センサ72と、コントローラ100とを備えている。
主発電機30および補助発電機40は、エンジン20によって駆動される。主整流器31は、主発電機30の発電電力を直流電力に変換し、主回路32に供給する。補機整流器41は、補助発電機40の発電電力を直流電力に変換し、補機回路42に供給する。主回路32と補機回路42の電力や電圧は大きく異なり、主回路32の方が大電力、高電圧である。
走行用インバータ33,34は、主回路32の直流電力を交流電力に変換して走行モータ35,36に供給する。走行モータ35,36は、図示しない減速機を介して駆動輪である後輪7L,7Rを駆動する。また、走行モータ35,36を発電機として作動させることにより、電気ブレーキ力を後輪7L,7Rに作用させて車体を減速することができる。その際に走行モータ35,36で発生した回生電力は、走行用インバータ33,34で直流電力に変換され、主回路32に供給される。主回路32に供給された回生電力の大部分は、チョッパ37を介して熱抵抗器38に供給され、熱抵抗器38で熱に変換される。回生電力の残りの一部は、コンバータ60を介して補機回路42に供給される。補機回路42に供給された回生電力は、補機用インバータ43~46で交流電力に変換され、補機用モータ47~50に供給される。この時、補機用モータ47~50の駆動電力Qの少なくとも一部が回生電力で賄われるため、補助発電機40の発電を抑制または停止することにより、エンジン20の負荷を低減することができる。
補機用インバータ43~46は、補機回路42の直流電力を交流電力に変換して補機用モータ47~50に供給する。補機用モータ47~50は、冷却ファン80~83等の補機を駆動する。コンバータ60は、主回路32の直流電力を降圧して補機回路42に供給する降圧装置である。コントローラ100は、アクセルペダル70、ブレーキペダル71、および車速センサ72からの入力信号に応じて、エンジン20、主発電機30、補助発電機40、走行用インバータ33,34、補機用インバータ43~46、およびコンバータ60を制御する。
コントローラ100は、ダンプトラックの惰性走行状態を検知する惰性走行検知部101を有する。惰性走行検知部101は、CPU等の演算装置がROMやRAM等の記憶装置に格納されたプログラムを実行することで実現される機能ブロックである。
図3は、本実施例における電気駆動システムの制御フロー図である。以下、各ステップの処理を順に説明する。
コントローラ100は、まず、ブレーキペダル71の操作が無いか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101でNoと判定した場合は、ブレーキペダル71の操作量に応じた回生電力が発生するように走行用インバータ33,34を制御し、チョッパ37をONにし、コンバータ60をONにし(ステップS102)、当該フローを終了する。これにより、ブレーキペダル71の操作量に応じた電気ブレーキ力が走行モータ35,36で生じ、車体が減速する。また、走行モータ35,36の回生電力の大部分は熱抵抗器38で消費され、回生電力の残りの一部は、コンバータ60で降圧された後に補機用モータ47~50の駆動に利用される。
ステップS101でYesと判定した場合は、アクセルペダル70の操作が無いか否かを判定する(ステップS103)。ステップS103でNoと判定した場合は、アクセルペダル70の操作量に応じた電力が走行モータ35,36に供給されるように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60をOFFにし(ステップS104)、当該フローを終了する。これにより、アクセルペダル70の操作量に応じて車体が加速する。
ステップS103でYesと判定した場合は、車速が所定の閾値F以上であるか否かを判定する(ステップS105)。ステップS105でNoと判定した場合はステップS104へ移行する。
ステップS105でYesと判定した場合は、回生電力が発生するように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60をONにし(ステップS106)、当該フローを終了する。ここでいう回生電力は、例えば惰性走行に影響を与えない程度の電気ブレーキ力に応じて発生する回生電力であり、一定でなくてもよい。これにより、惰性走行時に補機用モータ47~50の駆動電力Qの少なくとも一部が回生電力で賄われるため、補助発電機40の発電を停止または抑制することができる。
(まとめ)
本実施例では、エンジン20と、エンジン20によって駆動される主発電機30および補助発電機40と、主発電機30の発電電力を直流電力に変換する主整流器31と、補助発電機40の発電電力を直流電力に変換する補機整流器41と、主整流器31から直流電力が供給される主回路32と、補機整流器41から直流電力が供給される補機回路42と、走行モータ35,36と、主回路32の直流電力を交流電力に変換して走行モータ35,36とに供給する走行用インバータ33,34と、補機回路42の直流電力を交流電力に変換して補機用モータ47~50に供給する補機用インバータ43~46と、主回路32の直流電力を降圧して補機回路42に供給するコンバータ60と、走行モータ35,36の増速を指示するアクセルペダル70と、走行モータの減速を指示するブレーキペダル71と、アクセルペダル70およびブレーキペダル71からの入力信号に応じて、主発電機30、補助発電機40、走行用インバータ33,34、補機用インバータ43~46、およびコンバータ60を制御するコントローラ100とを備え、コントローラ100は、ブレーキペダル71が操作された場合に、走行モータ35,36が回生電力を発生させるように走行用インバータ33,34を制御する電気駆動式車両において、車速を検知する車速センサ72を備え、コントローラ100は、アクセルペダル70およびブレーキペダル71のいずれも操作されておらず、かつ前記車速が所定の閾値F以上である状態を惰性走行状態として検知し、前記惰性走行状態を検知した場合に、走行モータ35,36が回生電力を発生させるように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60を作動させ、前記回生電力が補機用モータ47~50に供給されるように補機用インバータ43~46を制御する。
以上のように構成した本実施例によれば、ブレーキペダル71の操作時の他、アクセルペダル70およびブレーキペダル71のいずれも操作されていない惰性走行時に走行モータ35,36の回生電力を発生させ、当該回生電力で補機用モータ47~50の駆動電力Qの少なくとも一部を賄うことができる。その結果、補助発電機40の発電が抑制され、エンジン20の負荷が低減されるため、燃費を低減することが可能となる。
なお、惰性走行時に発生させる回生電力は、補機用モータ47~50の駆動電力(数10kW)相当であり、ブレーキペダル71を踏み込んだ際に発生する回生電力(数1000kW)と比べて非常に小さいため、走行動作に与える影響はほとんど無い。また、回生電力を補機用モータ47~50に直接供給することにより、回生電力を蓄えるための蓄電池を小容量化できる。これにより、ダンプトラックの積載量が確保されるため、運搬効率を低下させることなく生産性を維持できる。
本発明の第2の実施例について、第1の実施例との相違点を中心に説明する。図4は、本実施例における電気駆動システムの構成図である。図4において、コントローラ100は、補機用モータ47~50の駆動電力Qを算出する補機電力演算部102を更に有している。駆動電力Qは、補機用インバータ43~46の出力電力を積算することにより求められる。なお、駆動電力Qは補助発電機40の発電電力とほぼ一致するため、補助発電機40の発電電力を駆動電力Qとして算出してもよい。
図5は、本実施例における電気駆動システムの制御フロー図である。図5において、ステップS201~S205の処理は、第1の実施例のステップS101~S105(図3に示す)と同一である。
ステップS205で車速が閾値F以上である(Yes)と判定した場合は、補機用モータ47~50の駆動電力Qを算出し、駆動電力Qに相当する回生電力が発生するように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60をONにし(ステップS206)、当該フローを終了する。これにより、惰性走行時に回生電力のみによって補機用モータ47~50の駆動電力Qが賄われるため、補助発電機40の発電を停止することができる。
(まとめ)
本実施例におけるコントローラ100は、惰性走行状態を検知した場合に、補機用モータ47~50の駆動電力Qを算出し、走行モータ35,36から得られる回生電力が駆動電力Qと一致するように走行用インバータ33,34を制御する。
以上のように構成した本実施例によれば、惰性走行時に、補機用モータ47~50の駆動電力Qを回生電力のみで賄うことにより、補助発電機40の発電を停止させることができるため、エンジン20の燃費を第1の実施例よりも向上させることが可能となる。
本発明の第3の実施例について、第2の実施例との相違点を中心に説明する。図6は、本実施例における電気駆動システムの構成図である。図6において、電気駆動システムは、前輪サスペンションシリンダ9L,9Rおよび後輪サスペンションシリンダ10L,10Rの圧力を検出するサスペンション圧力センサ73を更に備え、コントローラ100は、走行面の降り傾斜角θを算出する降り傾斜角演算部103を更に有している。
図7は、本実施例における電気駆動システムの制御フロー図である。図6において、ステップS301~S305の処理は、第2の実施例のステップS201~S205(図5に示す)と同一である。
ステップS305で車速が閾値F以上である(Yes)と判定した場合は、降り傾斜角θが所定の閾値α(例えば、3°)以上であるか否かを判定する(ステップS306)。降り傾斜角θは、以下の式で求められる。
Figure 2023151438000002
ここで、前輪荷重Wfは、前輪サスペンションシリンダ9L,9Rの圧力から求められ、前輪荷重Wfは、後輪サスペンションシリンダ10L,10Rの圧力から求められる。
ステップS306でNoと判定した場合はステップS304の処理を実行し、当該フローを終了する。これにより、降り傾斜以外の惰性走行時は、回生電力は発生しない。
ステップS306でYesと判定した場合は、補機用モータ47~50の駆動電力Qを算出し、駆動電力Qに相当する回生電力が発生するように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60をONにし(ステップS307)、当該フローを終了する。これにより、降り傾斜の惰性走行時に、走行モータ35,36の回生電力のみによって補機用モータ47~50の駆動電力Qが賄われるため、補助発電機40の発電を停止することができる。
(まとめ)
本実施例における電気駆動式車両は、走行面の降り傾斜角θを検知するためのセンサ(サスペンション圧力センサ73)を備え、コントローラ100は、惰性走行状態を検知しかつ降り傾斜角θが所定の閾値α未満である場合は、回生電力が発生しないように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60を作動させない。
以上のように構成した本実施例によれば、降り斜面以外の(走行抵抗による減速度が大きい)惰性走行時は、回生電力が発生せず、走行モータ35,36が制動力を生じないため、走行動作への影響を防ぐことが可能となる。なお、本実施例では、サスペンション圧力センサ73の出力を用いて降り傾斜角θを算出したが、車体に搭載した傾斜センサの出力を用いて算出してもよい。
本発明の第4の実施例について、第3の実施例との相違点を中心に説明する。図8は、本実施例における電気駆動システムの構成図である。図8において、コントローラ100は、降り傾斜角演算部103(図6に示す)に代えて、荷台3の積荷量Wを算出する積荷量演算部104を有している。
図9は、本実施例における電気駆動システムの制御フロー図である。図7において、ステップS401~S405の処理は、第3の実施例のステップS301~S305(図7に示す)と同一である。
ステップS405で車速が閾値F以上である(Yes)と判定した場合は、荷台3の積荷量Wが所定の閾値M(例えば、100ton)以上であるか否かを判定する(ステップS406)。積荷量Wは、前輪サスペンションシリンダ9L,9Rの圧力から求められる前輪荷重Wfと後輪サスペンションシリンダ10L,10Rの圧力から求められる後輪荷重Wrとの合計値から、空荷状態での前輪荷重Wfおよび後輪荷重Wrの合計値を引くことにより求められる。
ステップS406でNoと判定した場合はステップS404の処理を実行し、当該フローを終了する。これにより、積荷量Wが大きい状態での惰性走行時は、回生電力は発生しない。
ステップS406でYesと判定した場合は、補機用モータ47~50の駆動電力Qを算出し、駆動電力Qに相当する回生電力が発生するように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60をONにし(ステップS307)、当該フローを終了する。これにより、積荷量Wが小さい状態での惰性走行時に走行モータ35,36の回生電力のみによって補機用モータ47~50の駆動電力Qが賄われるため、補助発電機40の発電を停止することができる。
(まとめ)
本実施例における電気駆動式車両は、荷台3と、荷台3の積荷量を検知するためのセンサ(サスペンション圧力センサ73)とを備え、コントローラ100は、惰性走行状態を検知しかつ積荷量Wが所定の閾値M以上である場合は、回生電力が発生しないように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60を作動させない。
以上のように構成した本実施例によれば、積荷量Wが大きい状態での(走行抵抗による減速度が大きい)惰性走行時は、回生電力が発生せず、走行モータ35,36が制動力を生じないため、走行動作への影響を防ぐことが可能となる。なお、本実施例では、惰性走行時に積荷量Wを基準に回生電力を発生させるか否かを判定しているが(ステップS406)、車体質量を基準に判定しても構わない。
本発明の第5の実施例について、第2の実施例との相違点を中心に説明する。図10は、本実施例における電気駆動システムの構成図である。図10において、コントローラ100は、補機電力演算部102(図4に示す)に代えて、補助発電機40の発電出力を検知する発電出力検知部105を有している。発電出力検知部105は、補助発電機40の発電作動を検知するセンサ(例えば、補助発電機40の発電電圧を検出する電圧センサ74)の出力に基づいて検知する。
図11は、本実施例における電気駆動システムの制御フロー図である。図11において、ステップS501~S505の処理は、第2の実施例のステップS201~S205(図5に示す)と同一である。
ステップS505で車速が閾値F以上である(Yes)と判定した場合は、補助発電機40の発電出力を検知したか否か(補助発電機40が発電中か否か)を判定する(ステップS506)。ステップS506でYesと判定した場合は、走行モータ35,36の回生電力が微小増加するように走行用インバータ33,34を制御し(ステップS507)、ステップS506へ戻る。これにより、走行モータ35,36の回生電力を補機用モータ47~50の駆動電力Qに一致させることができる。
ステップS506でNoと判定した場合は、コンバータ60をONにし(ステップS609)、当該フローを終了する。これにより、惰性走行中時に走行モータ35,36の回生電力のみによって補機用モータ47~50の駆動電力Qが賄われるため、補助発電機40の発電を停止することができる。
(まとめ)
本実施例における電気駆動式車両は、前記補助発電機の発電出力を検知するためのセンサ(電圧センサ74)を備え、コントローラ100は、惰性走行状態を検知した場合に、補助発電機40の発電出力が検知されなくなるまで走行モータ35,36の回生電力が増加するように走行用インバータ33,34を制御する。
以上のように構成した本実施例によれば、惰性走行時に、補助発電機40が発電を停止するまで走行モータ35,36の回生電力を増加させることにより、補助発電機40の発電を停止させることができる。
本発明の第6の実施例について、第5の実施例との相違点を中心に説明する。図12は、本実施例における電気駆動システムの構成図である。図12において、電気駆動システムはサスペンション圧力センサ73を更に備え、コントローラ100は降り傾斜角演算部103を更に有している。
図13は、本実施例における電気駆動システムの制御フロー図である。図13において、ステップS601~S605の処理は、第5の実施例のステップS501~S505(図11に示す)と同一である。
ステップS605で車速が閾値F以上である(Yes)と判定した場合は、降り傾斜角θが閾値α以上であるか否かを判定する(ステップS606)。ステップS606でYesと判定した場合は、補助発電機40の発電出力を検知したか否か(補助発電機40が発電中か否か)を判定する(ステップS607)。
ステップS607でYesと判定した場合は、走行モータ35,36の回生電力が微小増加するように走行用インバータ33,34を制御し(ステップS608)、ステップS607へ戻る。これにより、走行モータ35,36の回生電力を補機用モータ47~50の駆動電力Qに一致させることができる。
ステップS607でNoと判定した場合は、コンバータ60をONにし(ステップS609)、当該フローを終了する。これにより、惰性走行時に走行モータ35,36の回生電力のみによって補機用モータ47~50の駆動電力Qが賄われるため、補助発電機40の発電を停止することができる。
(まとめ)
本実施例における電気駆動式車両は、補助発電機40の発電出力を検知するためのセンサ(電圧センサ74)を備え、コントローラ100は、惰性走行状態を検知しかつ降り傾斜角θが所定の閾値α以上である場合に、補助発電機40の発電出力が検知されなくなるまで走行モータ35,36の回生電力が増加するように走行用インバータ33,34を制御する。
以上のように構成した本実施例によれば、降り傾斜の惰性走行時に、補助発電機40が発電を停止するまで走行モータ35,36の回生電力を増加させることにより、補助発電機40の発電を停止させることができる。
また、本実施例における電気駆動式車両は、走行面の降り傾斜角θを検知するためのセンサ(サスペンション圧力センサ73)を備え、コントローラ100は、惰性走行状態を検知しかつ降り傾斜角θが所定の閾値α未満である場合は、回生電力が発生しないように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60を作動させない。これにより、降り傾斜以外の(走行抵抗による減速度が大きい)惰性走行時は、回生電力が発生せず、走行モータ35,36が制動力を生じないため、走行動作への影響を防ぐことが可能となる。
本発明の第7の実施例について、第5の実施例との相違点を中心に説明する。図14は、本実施例における電気駆動システムの構成図である。図14において、電気駆動システムはサスペンション圧力センサ73を更に備え、コントローラ100は積荷量演算部104を更に有している。
図15は、本実施例における電気駆動システムの制御フロー図である。図15において、ステップS701~S705の処理は、第5の実施例のステップS501~S505(図11に示す)と同一である。
ステップS705で車速が閾値F以上である(Yes)と判定した場合は、積荷量Wが閾値M以上であるか否かを判定する(ステップS706)。ステップS706でYesと判定した場合は、補助発電機40の発電出力を検知したか否か(補助発電機40が発電中か否か)を判定する(ステップS707)。
ステップS707でYesと判定した場合は、走行モータ35,36の回生電力が微小増加するように走行用インバータ33,34を制御し(ステップS708)、ステップS707へ戻る。これにより、走行モータ35,36の回生電力を補機用モータ47~50の駆動電力Qに一致させることができる。
ステップS707でNoと判定した場合は、コンバータ60をONにし(ステップS709)、当該フローを終了する。これにより、惰性走行時に走行モータ35,36の回生電力のみによって補機用モータ47~50の駆動電力Qが賄われるため、補助発電機40の発電を停止することができる。
(まとめ)
本実施例における電気駆動式車両は、補助発電機40の発電出力を検知するためのセンサ(電圧センサ74)を備え、コントローラ100は、惰性走行状態を検知しかつ積荷量Wが所定の閾値M未満である場合に、補助発電機40の発電出力が検知されなくなるまで走行モータ35,36の回生電力が増加するように走行用インバータ33,34を制御する。
以上のように構成した本実施例によれば、積荷量Wが小さい状態での惰性走行時に、補助発電機40が発電を停止するまで走行モータ35,36の回生電力を増加させることにより、補助発電機40の発電を停止させることができる。
また、本実施例における電気駆動式車両は、荷台3と、荷台3の積荷量Wを検知するためのセンサ(サスペンション圧力センサ73)とを備え、コントローラ100は、惰性走行状態を検知しかつ積荷量Wが所定の閾値M以上である場合は、回生電力が発生しないように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60を作動させない。これにより、積荷量Wが大きい状態での(走行抵抗による減速度が大きい)惰性走行時は、回生電力が発生せず、走行モータ35,36が制動力を生じないため、走行動作への影響を防ぐことが可能となる。
本発明の第8の実施例について、第3の実施例との相違点を中心に説明する。図16は、本実施例における電気駆動システムの構成図である。図16において、電気駆動システムは、蓄電池90と、双方向コンバータからなる充放電制御器91とを更に備えている。蓄電池90は、充放電制御器91を介して補機回路42に接続されている。充放電制御器91は、コントローラ100からの指令に応じて蓄電池90の充放電を行う。
図17は、本実施例における電気駆動システムの制御フロー図である。図17において、ステップS801,S803~S806の処理は、第3の実施例のステップS301,S303~S306(図6に示す)と同一である。
ステップS801でNoと判定した場合は、ブレーキペダル71の操作量に応じた回生電力が発生するように走行用インバータ33,34を制御し、チョッパ37をONにし、コンバータ60をONにし、蓄電池90の充電をONにし(ステップS802)、当該フローを終了する。これにより、ブレーキペダル71の操作量に応じた電気ブレーキ力が走行モータ35,36で生じ、車体が減速する。また、走行モータ35,36の回生電力の大部分は熱抵抗器38で消費され、回生電力の残りの一部は、コンバータ60で降圧された後に補機用モータ47~50の駆動および蓄電池90の充電に利用される。
ステップS806で降り傾斜角θが閾値α以上である(Yes)と判定した場合は、降り傾斜角θが閾値β(>α)以上であるか否かを判定する(ステップS807)。ステップS807でNoと判定した場合は、補機用モータ47~50の駆動電力Qを算出し、駆動電力Qに相当する回生電力が発生するように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60をONにし、蓄電池90の充電をOFFにし(ステップS808)、当該フローを終了する。これにより、小さな降り傾斜の惰性走行時に、回生電力のみによって補機用モータ47~50の駆動電力Qが賄われるため、補助発電機40の発電を停止することができる。
ステップS807でYesと判定した場合は、走行モータ35,36の回生電力がさらに増加するように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60をONにし、蓄電池90の充電をONにし(ステップS1111)、当該フローを終了する。これにより、大きな降り傾斜の惰性走行時に、回生電力の一部によって補機用モータ47~50の駆動電力Qが賄われるとともに、蓄電池90が充電される。蓄電池90に充電した電力は、ブレーキペダル71を操作しない走行時に補機用モータ47~50の駆動電力として利用される。これにより、補助発電機40の発電電力が抑制されるため、補助発電機40を駆動するエンジン20の負荷が低減され、燃費が向上する。
(まとめ)
本実施例では、走行面の降り傾斜角θを検知するためのセンサ(サスペンション圧力センサ73)と、蓄電池90と、蓄電池90と補機回路42との間で電力の受給を行う充放電制御器91とを備え、コントローラ100は、惰性走行状態を検知しかつ降り傾斜角θが所定の第1閾値α以上でかつ所定の第2閾値β未満である場合は、走行モータ35,36から得られる回生電力が補機用モータ47~50の駆動電力Qと一致するように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60を作動させ、前記回生電力が補機用モータ47~50にのみ供給されるように補機用インバータ43~46および充放電制御器91を制御し、惰性走行状態を検知しかつ降り傾斜角θが第2閾値β以上である場合は、前記回生電力が駆動電力Qよりも大きくなるように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60を作動させ、前記回生電力が補機用モータ47~50と蓄電池90とに供給されるように補機用インバータ43~46および充放電制御器91を制御する。
以上のように構成した本実施例によれば、小さな降り傾斜の(走行抵抗による減速度が小さい)惰性走行時に、回生電力のみで補機用モータ47~50を駆動し、大きな降り傾斜の(走行抵抗による減速度が非常に小さい)惰性走行時は、回生電力のみで補機用モータ47~50を駆動しかつ蓄電池90を充電することが可能となる。
本発明の第9の実施例について、第8の実施例との相違点を中心に説明する。図18は、本実施例における電気駆動システムの構成図である。図18において、コントローラ100は、降り傾斜角演算部103(図16に示す)に代えて、積荷量演算部104を有している。
図19は、本実施例における電気駆動システムの制御フロー図である。図19において、ステップS901~S905の処理は、第8の実施例のステップS801~S805(図17に示す)と同一である。
ステップS905で車速が閾値F以上である(Yes)と判定した場合は、積荷量Wが閾値M未満であるか否かを判定する(ステップS906)。ステップS906でNoと判定した場合は、補機用モータ47~50の駆動電力Qを算出し、駆動電力Qに相当する回生電力が発生するように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60をONにし、蓄電池90の充電をOFFにし(ステップS907)、当該フローを終了する。これにより、積荷量Wが大きい状態での惰性走行時に、走行モータ35,36の回生電力のみによって補機用モータ47~50の駆動電力Qが賄われるため、補助発電機40の発電を停止することができる。
ステップS906でYesと判定した場合は、補機用モータ47~50の駆動電力Qを算出し、走行モータ35,36の回生電力が補機用モータ47~50の駆動電力Qよりも大きくなるように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60をONにし、蓄電池90の充電をONにし(ステップS907)、当該フローを終了する。これにより、積荷量Wが小さい状態での惰性走行時に、走行モータ35,36の回生電力の一部によって補機用モータ47~50の駆動電力Qが賄われるとともに、残りの回生電力が蓄電池90に充電される。
(まとめ)
本実施例では、荷台3と、荷台3の積荷量を検知するためのセンサ(サスペンション圧力センサ73)と、補機回路42に接続された蓄電池90とを備え、コントローラ100は、惰性走行状態を検知しかつ荷台3の積荷量Wが所定の閾値M以上である場合は、走行モータ35,36から得られる回生電力が補機用モータ47~50の駆動電力Qと一致するように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60を作動させ、前記回生電力が補機用モータ47~50にのみ供給されるように補機用インバータ43~46および充放電制御器91を制御し、惰性走行状態を検知しかつ積荷量Wが閾値M未満である場合は、前記回生電力が駆動電力Qよりも大きくなるように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60を作動させ、前記回生電力が補機用モータ47~50と蓄電池90とに供給されるように補機用インバータ43~46および充放電制御器91を制御する。
以上のように構成した本実施例によれば、積荷量Wが大きい状態での(走行抵抗による減速度が大きい)惰性走行時に、回生電力のみで補機用モータ47~50を駆動し、積荷量Wが小さい状態での(走行抵抗による減速度が小さい)惰性走行時は、回生電力のみで補機用モータ47~50を駆動しかつ蓄電池90を充電することが可能となる。
本発明の第10の実施例について、第8の実施例との相違点を中心に説明する。図20は、本実施例における電気駆動システムの構成図である。図20において、コントローラ100は、補機電力演算部102(図16に示す)に代えて、発電出力検知部105を有している。
図21は、本実施例における電気駆動システムの制御フロー図である。図21において、ステップS1001~S1006の処理は、第8の実施例のステップS801~S806(図17に示す)と同一である。
ステップS1006で降り傾斜角θが閾値α以上である(Yes)と判定した場合は、補助発電機40の発電出力を検知したか否か(補助発電機40が発電中か否か)を判定する(ステップS1007)。ステップS1007でYesと判定した場合は、走行モータ35,36の回生電力が微小増加するように走行用インバータ33,34を制御し(ステップS1008)、ステップS1007へ戻る。これにより、走行モータ35,36の回生電力を補機用モータ47~50の駆動電力Qに一致させることができる。
ステップS1007でNoと判定した場合は、降り傾斜角θが閾値β以上であるか否かを判定する(ステップS1009)。ステップS1009でNoと判定した場合は、コンバータ60をONにし、蓄電池90の充電をOFFにし(ステップS1010)、当該フローを終了する。これにより、小さな降り傾斜の惰性走行時に、走行モータ35,36の回生電力によって補機用モータ47~50の駆動電力Qが賄われるため、補助発電機40の発電を停止することができる。
ステップS1009でYesと判定した場合は、走行モータ35,36の回生電力がさらに増加するように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60をONにし、蓄電池90の充電をONにし(ステップS1011)、当該フローを終了する。これにより、大きな降り傾斜の惰性走行中に、走行モータ35,36の回生電力によって補機用モータ47~50の駆動電力Qが賄われるとともに、残りの回生電力が蓄電池90に充電される。
(まとめ)
本実施例では、走行面の降り傾斜角θを検知するためのセンサ(サスペンション圧力センサ73)と、蓄電池90と、蓄電池90と補機回路42との間で電力の受給を行う充放電制御器91とを備え、コントローラ100は、惰性走行状態を検知しかつ降り傾斜角θが所定の第1閾値α以上でかつ所定の第2閾値β未満である場合は、走行モータ35,36から得られる回生電力が補機用モータ47~50の駆動電力Qと一致するように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60を作動させ、前記回生電力が補機用モータ47~50にのみ供給されるように補機用インバータ43~46および充放電制御器91を制御し、惰性走行状態を検知しかつ降り傾斜角θが第2閾値β以上である場合は、前記回生電力が駆動電力Qよりも大きくなるように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60を作動させ、前記回生電力が補機用モータ47~50と蓄電池90とに供給されるように補機用インバータ43~46および充放電制御器91を制御する。
以上のように構成した本実施例によれば、小さな降り傾斜の(走行抵抗による減速度が小さい)惰性走行時に、回生電力のみで補機用モータ47~50を駆動することができ、大きな降り傾斜の(走行抵抗による減速度が非常に小さい)惰性走行時は、回生電力のみで補機用モータ47~50を駆動しかつ蓄電池90を充電することが可能となる。
本発明の第11の実施例について、第10の実施例との相違点を中心に説明する。図22は、本実施例における電気駆動システムの構成図である。図22において、コントローラ100は、降り傾斜角演算部103(図20に示す)に代えて、積荷量演算部104を有している。
図23は、本実施例における電気駆動システムの制御フロー図である。図23において、ステップS1101~S1105の処理は、第10の実施例のステップS1001~S1005(図21に示す)と同一である。
ステップS1105で車速が閾値F以上である(Yes)と判定した場合は、補助発電機40の発電出力を検知したか否か(補助発電機40が発電中か否か)を判定する(ステップS1106)。ステップS1106でYesと判定した場合は、走行モータ35,36の回生電力が微小増加するように走行用インバータ33,34を制御し(ステップS1107)、ステップS1106へ戻る。これにより、走行モータ35,36の回生電力を補機用モータ47~50の駆動電力Qに一致させることができる。
ステップS1106でNoと判定した場合は、積荷量Wが閾値M未満であるか否かを判定する(ステップS1108)。ステップS1108でNoと判定した場合は、コンバータ60をONにし、蓄電池90の充電をOFFにし(ステップS1109)、当該フローを終了する。これにより、積荷量Wが大きい状態での惰性走行時に、回生電力のみによって補機用モータ47~50の駆動電力Qが賄われる。
ステップS1108でYesと判定した場合は、走行モータ35,36の回生電力がさらに増加するように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60をONにし、蓄電池90の充電をONにし(ステップS1110)、当該フローを終了する。これにより、積荷量Wが小さい状態での惰性走行時に、回生電力の一部によって補機用モータ47~50の駆動電力Qが賄われるとともに、残りの回生電力が蓄電池90に充電される。
(まとめ)
本実施例では、荷台3と、荷台3の積荷量Wを検知するためのセンサ(サスペンション圧力センサ73)と、補機回路42に接続された蓄電池90とを備え、コントローラ100は、惰性走行状態を検知しかつ積荷量Wが所定の閾値M以上である場合は、走行モータ35,36から得られる回生電力が補機用モータ47~50の駆動電力Qと一致するように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60を作動させ、前記回生電力が補機用モータ47~50にのみ供給されるように補機用インバータ43~46および充放電制御器91を制御し、惰性走行状態を検知しかつ積荷量Wが閾値M未満である場合は、前記回生電力が前記駆動電力Qよりも大きくなるように走行用インバータ33,34を制御し、コンバータ60を作動させ、前記回生電力が補機用モータ47~50と蓄電池90とに供給されるように補機用インバータ43~46および充放電制御器91を制御する。
以上のように構成した本実施例によれば、積荷量Wが大きい状態での(走行抵抗による減速度が大きい)惰性走行時に、回生電力のみで補機用モータ47~50を駆動し、積荷量Wが小さい状態での(走行抵抗による減速度が小さい)惰性走行時は、回生電力のみで補機用モータ47~50を駆動しかつ蓄電池90を充電することが可能となる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、本発明は必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成の一部を加えることも可能であり、ある実施例の構成の一部を削除し、あるいは、他の実施例の一部と置き換えることも可能である。
1…車体フレーム、2…積荷、3…荷台、4…ホイストシリンダ、5…ヒンジピン、6L,6R…前輪、7L,7R…後輪、9L,9R…前輪サスペンションシリンダ、10L,10R…後輪サスペンションシリンダ、11…デッキ、12…キャブ、13…コントロールキャビネット、14…グリッドボックス、15…パワーユニット、20…エンジン、30…主発電機、31…主整流器、32…主回路、33,34…走行用インバータ、35,36…走行モータ、37…チョッパ、38…熱抵抗器、40…補助発電機、41…補機整流器、42…補機回路、43~46…補機用インバータ、47~50…補機用モータ、60…コンバータ、70…アクセルペダル、71…ブレーキペダル、72…車速センサ、73…サスペンション圧力センサ、74…電圧センサ、80~83…冷却ファン、90…蓄電池、91…充放電制御器、100…コントローラ、101…惰性走行検知部、102…補機電力演算部、103…降り傾斜角演算部、104…積荷量演算部、105…発電出力検知部。

Claims (7)

  1. エンジンと、
    前記エンジンによって駆動される主発電機および補助発電機と、
    前記主発電機の発電電力を直流電力に変換する主整流器と、
    前記補助発電機の発電電力を直流電力に変換する補機整流器と、
    前記主整流器から直流電力が供給される主回路と、
    前記補機整流器から直流電力が供給される補機回路と、
    走行モータと、
    前記主回路の直流電力を交流電力に変換して前記走行モータに供給する走行用インバータと、
    補機用モータと、
    前記補機回路の直流電力を交流電力に変換して前記補機用モータに供給する補機用インバータと、
    前記主回路の直流電力を降圧して前記補機回路に供給するコンバータと、
    前記走行モータの増速を指示するアクセルペダルと、
    前記走行モータの減速を指示するブレーキペダルと、
    前記アクセルペダルおよび前記ブレーキペダルからの入力信号に応じて、前記主発電機、前記補助発電機、前記走行用インバータ、前記補機用インバータ、および前記コンバータを制御するコントローラとを備え、
    前記コントローラは、前記ブレーキペダルが操作された場合に、前記走行モータが回生電力を発生させるように前記走行用インバータを制御する電気駆動式車両において、
    車速を検知する車速センサを備え、
    前記コントローラは、
    前記アクセルペダルおよび前記ブレーキペダルのいずれも操作されておらず、かつ前記車速が所定の閾値以上である状態を惰性走行状態として検知し、
    前記惰性走行状態を検知した場合に、前記走行モータが回生電力を発生させるように前記走行用インバータを制御し、前記コンバータを作動させ、前記回生電力を前記補機用モータに供給する
    ことを特徴とする電気駆動式車両。
  2. 請求項1に記載の電気駆動式車両において、
    前記コントローラは、前記惰性走行状態を検知した場合に、前記補機用モータの駆動電力を算出し、前記回生電力が前記駆動電力と一致するように前記走行用インバータを制御する
    ことを特徴とする電気駆動式車両。
  3. 請求項1に記載の電気駆動式車両において、
    前記補助発電機の発電出力を検知するためのセンサを備え、
    前記コントローラは、前記惰性走行状態を検知した場合に、前記補助発電機の発電出力が検知されなくなるまで前記走行モータの回生電力が増加するように前記走行用インバータを制御する
    ことを特徴とする電気駆動式車両。
  4. 請求項1に記載の電気駆動式車両において、
    走行面の降り傾斜角を検知するためのセンサを備え、
    前記コントローラは、前記惰性走行状態を検知しかつ前記降り傾斜角が所定の閾値未満である場合は、前記回生電力が発生しないように前記走行用インバータを制御し、前記コンバータを作動させない
    ことを特徴とする電気駆動式車両。
  5. 請求項1に記載の電気駆動式車両において、
    荷台と、
    前記荷台の積荷量を検知するためのセンサとを備え、
    前記コントローラは、前記惰性走行状態を検知しかつ前記積荷量が所定の閾値以上である場合は、前記回生電力が発生しないように前記走行用インバータを制御し、前記コンバータを作動させない
    ことを特徴とする電気駆動式車両。
  6. 請求項1に記載の電気駆動式車両において、
    走行面の降り傾斜角を検知するためのセンサと、
    蓄電池と、
    前記蓄電池と前記補機回路との間で電力の受給を行う充放電制御器とを備え、
    前記コントローラは、
    前記惰性走行状態を検知しかつ前記降り傾斜角が所定の第1閾値以上でかつ所定の第2閾値未満である場合は、前記回生電力が前記補機用モータの駆動電力と一致するように前記走行用インバータを制御し、前記コンバータを作動させ、前記回生電力が前記補機用モータにのみ供給されるように前記補機用インバータおよび前記充放電制御器を制御し、
    前記惰性走行状態を検知しかつ前記降り傾斜角が前記第2閾値以上である場合は、前記回生電力が前記駆動電力よりも大きくなるように前記走行用インバータを制御し、前記コンバータを作動させ、前記回生電力が前記補機用モータと前記蓄電池とに供給されるように前記補機用インバータおよび前記充放電制御器を制御する
    ことを特徴とする電気駆動式車両。
  7. 請求項1に記載の電気駆動式車両において、
    荷台と、
    前記荷台の積荷量を検知するためのセンサと、
    蓄電池と、
    前記蓄電池と前記補機回路との間で電力の受給を行う充放電制御器とを備え、
    前記コントローラは、
    前記惰性走行状態を検知しかつ前記積荷量が所定の閾値以上である場合は、前記回生電力が前記補機用モータの駆動電力と一致するように前記走行用インバータを制御し、前記コンバータを作動させ、前記回生電力を前記補機用モータにのみ供給し、
    前記惰性走行状態を検知しかつ前記積荷量が前記閾値未満である場合は、前記回生電力が前記駆動電力よりも大きくなるように前記走行用インバータを制御し、前記コンバータを作動させ、前記回生電力を前記補機用モータと前記蓄電池とに供給されるように前記補機用インバータおよび前記充放電制御器を制御する
    ことを特徴とする電気駆動式車両。
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