JP2023150932A - 柱の設置方法、カーポートの設置方法、柱構造及びカーポート - Google Patents

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Abstract

【課題】 基礎の施工状態によらず適切な角度の柱を安価かつ簡易に設置する。【解決手段】 スタンション13を有する基礎1の上にスタンション13を囲む木枠18を設け、スタンション13に対応する位置にボルト孔21が開けられたコラム2を木枠18とスタンション13の間に差し込み、コラム2の外側からボルト孔21にボルト22をねじ込んでスタンション13に押しつけて、ボルト22のねじ込み量でコラム2を立てる角度を調整する。【選択図】図9

Description

本発明は、基礎の施工状態によらず適切な角度の柱を安価かつ簡易に設置することができる柱の設置方法、カーポートの設置方法、柱構造及びカーポートに関する。
例えば、カーポートのような構造物を設置するときには、金属製の角柱(コラム)や円柱(パイプ)のような柱を基礎に立て、その上に梁を架けてから金属製や樹脂製の屋根板を取り付けるような順序で施工が行われる。
ところで、降雪によりカーポートの上に積雪するような地域では、アルミニウム製の屋根板に積み上がった雪の重量によってカーポートが崩壊してしまうことがある。この場合、屋根板の下に駐車している自動車を破損することもあり、アルミニウム製の屋根板ではなく鉄製の屋根板が用いられることも多い。鉄製の屋根板などの重量を支えるためには柱に十分な強度が必要になることから、カーポートでも大きな荷重に耐える柱構造が採用される。例えば、基礎のコンクリートに鉄製の柱が差し込まれたような構造が採用される場合もある。また、特許文献1に開示されているように、カーポートに太陽光パネルを設置することで屋根が重量物となる場合もあり、これらのカーポートの大きな荷重に耐えるような構造物を設置するときには、柱の太さを太くしたり、柱の肉厚を厚くしたり、基礎に対して柱を深く埋めた構造とする必要が生じる。
特開2021-14764号公報
このような柱の構造を用いた場合に、既存の鉄骨構造でカーポートを作ろうとすると、高価な鉄製のコラムを屋根の高さ以上に用意し、基礎の中に埋めた構造にする必要があり、非常に高価になるという問題がある。また、例えば柱の位置や角度が設計通りでないときには柱の上端側の間隔が設計から外れてしまい、梁を適切に架けることができないこともある。このようなときには、柱の立て直しが必要になって工事が予定通りに行えなかったり、コストが増加したりし、または、専門職が現場で柱や梁を加工する必要が生じ、意図する強度の構造とすることができなかったりする場合も生じうる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、基礎の施工状態によらず適切な角度の柱を安価かつ簡易に設置することを目的とする。また、このような柱を用いることで、強度の高いカーポートのような構造物を安価に設置することを目的とする。
本発明に係る柱の設置方法は、第1の柱を有する基礎の上に当該第1の柱を囲む基準枠を設ける工程と、底無し筒形状を有し、前記第1の柱に対応する位置にボルト孔が開けられた第2の柱を、前記基準枠と前記第1の柱との間に差し込む工程と、前記第2の柱の外側から前記ボルト孔にボルトをねじ込んで前記第1の柱に向けて押しつけて、当該ボルトのねじ込み量で前記第2の柱を立てる角度を調整する工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る柱の設置方法は、時間経過により硬化する充填剤を前記第2の柱の上端から注入する工程をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明に係る柱の設置方法は、前記充填剤を前記ボルトの位置よりも低い位置まで注入することを特徴とする。
また、本発明に係る柱の設置方法は、前記充填剤の硬化後に前記ボルトを抜く工程をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明に係る柱の設置方法は、前記ボルトを抜いた前記ボルト孔を埋める工程をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明に係る柱の設置方法は、前記第1の柱は上部が開口する筒形状を有し、時間経過により硬化する充填剤を前記第1の柱の上端から注入する工程をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明に係る柱の設置方法は、前記充填剤は、コンクリート又はモルタルミルクであることを特徴とする。
また、本発明に係る柱の設置方法は、前記充填剤は、アルミナセメントを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る柱の設置方法は、前記第1の柱よりも外径が大きい筒部材を前記第1の柱に固定する工程をさらに含み、前記第2の柱の角度を調整する工程において、前記筒部材に前記ボルトを押しつけることを特徴とする。
また、本発明に係るカーポートの設置方法は、上記の柱の設置方法により複数の第2の柱を設置する工程と、前記複数の第2の柱に複数の梁を架ける工程と、前記梁の上に屋根板を設ける工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る柱構造は、基礎に設けられた第1の柱と、前記第1の柱を囲うように設けられた第2の柱と、前記第1の柱と前記第2の柱の間で硬化した充填剤とを有し、前記第2の柱には、前記第1の柱と重なる高さ位置で、前記充填剤の上面よりも上の位置にボルト孔が形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る柱構造は、前記第1の柱には、当該第1の柱よりも外径が大きい筒部材が前記ボルト孔に対応する位置に固定されていることを特徴とする。
また、本発明に係る柱構造は、シール材で埋められた前記ボルト孔と、開口した前記ボルト孔とを有することを特徴とする。
また、本発明に係るカーポートは、上記の柱構造を有する複数の柱と、前記複数の柱の上端側に設けられた複数の梁と、前記複数の梁の上に設けられた屋根板と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、基礎の施工状態によらず適切な角度の柱を安価かつ簡易に設置することができる。
第1実施形態のカーポートを示す斜視図である。 柱の設置工程を説明するフローチャートである。 基礎の構造を示す断面図である。 スタンションにハネ返り板を固定した状態を示す断面図である。 スタンションに充填剤が充填された状態を示す断面図である。 基礎上に木枠を設置した状態を示す断面図である。 基礎上にコラムを設置した状態を示す断面図である。 コラムにボルトをねじ込んだ状態を示す断面図である。 ボルトでコラムを立てる角度を調整した状態を示す断面図である。 コラムの角度の調整方法を説明する断面図である。 コラムに充填剤が充填された状態を示す断面図である。 基礎上から木枠を取り外した状態を示す断面図である。 ボルトを抜いてボルト孔を埋めた状態を示す断面図である。 第2実施形態におけるカーポートを示す斜視図である。 変形例のハネ返り板の構造を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。なお、本発明は、これら実施形態に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の態様で実施し得る。
≪第1実施形態≫
<カーポートの説明>
図1は、第1実施形態のカーポートを示す斜視図である。カーポート100は、地中に大半が埋没した基礎1と、後述するような柱構造である複数の柱2と、複数の柱2の上端側に設けられた複数の梁3と、複数の梁3の上に設けられた波板である屋根板4とを有する。本実施形態における基礎1を除く各部は、一例として鉄製であり、豪雪地帯での積雪による荷重にも耐えられる構造として採用することもできる。なお、図1においては図示していないが、屋根板4の外周に設けられる鼻隠しや破風板を取り付けた構成としてもよい。カーポート100においては、屋根板4の下に自動車が駐車される。
このようなカーポート100を設置する方法としては、後述する工程により基礎1の上に複数の柱(コラム)2を設置する工程と、設置された複数のコラム2の上端側に複数の梁3を架ける工程と、複数の梁3の上に屋根板4を設ける工程とを含む工程を採用することができる。
<柱の設置工程の説明>
図2は、柱の設置工程を説明するフローチャートである。本実施形態における柱の設置方法は、後述する工程S1から工程S9までの各工程を含む。なお、現実的に不可能な場合を除き、各工程は入れ替えたり省いたりしてもよい。
図3は、柱を設置する基礎の構造を示す断面図である。基礎1はいわゆるフーチング基礎である。より具体的には、基礎1は、地中における深い位置に設けられて上部構造からの荷重を支持するフーチング下部10と、その上部に設けられて地面に一部が露出するフーチング上部11とを含むように主にコンクリートで構成される。フーチング下部10がフーチング上部11よりも幅広く形成されることで、基礎1は断面逆T字状となる。これにより、地盤の支持力を広く受けることができるとともに地盤の自重により姿勢を安定させることもできる。フーチング上部11には、中央鉄筋12とスタンション13と配筋14とがその一部で埋没するように設けられている。なお、中央鉄筋12はその下端がフーチング下部10にも埋没した構造となっている。このように、本実施形態における柱構造では、基礎1から上部に繋がる鉄筋構造が形成されることになる。
中央鉄筋12は、下端側において基礎1の内部に埋まるように、基礎1の略中央に設けられる。また、中央鉄筋12は、本実施形態における柱構造の鉄筋としてスタンション13と配筋14の位置決めに用いることもできる。例えば、中央鉄筋12を構造物全体の設計に合わせて正しい位置に設置することで、スタンション13と配筋14を容易に位置決めして設置することができる。なお、中央鉄筋12は必ずしも設ける必要はない。
スタンション(本発明における「第1の柱」)13は、筒形状を有する鉄製の角パイプであって、上下で開口する。スタンション13は、下端側においてフーチング上部11の高さ方向の厚み分だけ基礎1の内部に埋まるように基礎1の略中央に設けられる。スタンション13は、下部がフーチング上部11に支持されることで安定的に立設され、後述するコラム2の角度を調節することなどに用いられる。なお、スタンション13は、その外周側面から側方に向けて立設させるようにアンカー(不図示)を設けた構成とすることでフーチング上部11の内部において安定させてもよい。
なお、本実施形態の説明においては、基礎1の施工状態が良好でない構成であるものとして構成や作用効果の説明を行う。より具体的には、スタンション13が、図3に示すように、その中心線(同図の一点鎖線)で鉛直方向(同図の二点鎖線で示すZ軸方向)からθ度だけ傾いたような例について説明する。なお、スタンション13が鉛直方向に立てられた場合でも本実施形態と同様の作用効果を奏することができるのはもちろんである。
配筋14は、スタンション13の外周においてこれを囲うように立設した鉄筋であり、基礎1とその上に設けられた構造材(部材)とを接続する機能を有する。配筋14は、スタンション13と同心となるように、基礎1に埋め込まれるように設けられる。より具体的には、配筋14は、その下端側で基礎1の外側に向けて折り曲げられフーチング上部11内に埋まった構造となっている。配筋14は、基礎1の上で鉛直方向に延びる複数の鉄筋だけでなく、これらに対して直交するように水平方向に延びる鉄筋も含んだ構成となっている。
本実施形態における柱の設置方法では、まず、図2に示す工程S1において、作業者がスタンション13にハネ返り板15を固定する。図4は、スタンションにハネ返り板を固定した状態を示す断面図である。ハネ返り板15は、その内径がスタンション13の外径よりも大きい筒状の鉄製部材(本発明における「筒部材」)である。ハネ返り板15は、後述するコラム2側のボルト22(図8参照)を押し当てやすくするために設けられている。なお、ハネ返り板15は後述する図15のような構成としてもよい。
本実施例におけるハネ返り板15は、軸方向断面が矩形の筒状に構成され、図4に示すように、外形の寸法が段状に大きくなる構成である。これにより、ハネ返り板15は、全体として一端側(例えば上側)よりも他端側(例えば下側)の外径が大きくなるような形状に構成される。ハネ返り板15の一端側は、その内径がスタンション13の外径よりもわずかに大きい寸法(例えば数mm程度大きい寸法)にすることで、スタンション13にハネ返り板15を円滑に差し込むことができるように構成されている。
また、ハネ返り板15の一端側(一部)にはボルト孔15aが形成されている。このボルト孔15aに締結具であるボルト16をねじ込むことで、スタンション13における任意の高さ位置にハネ返り板15が固定される。なお、ボルト孔15aは、図4では複数設けられている構成が示されているが、スタンション13へ固定するだけならボルト孔15aが1つだけ形成されている構成としてもよい。また、ハネ返り板15をスタンション13に固定する方法として、ボルト16を用いる構成だけでなく、ハネ返り板15とスタンション13との間にクサビを差し込む構成としてもよい。このように、スタンション13に対してハネ返り板15を締結具により自由な位置に固定できる構成とすることで、後述するコラム2のボルト孔21との位置合わせを容易にすることができる。
一方、ハネ返り板15の他端側は、外径が大きくなることで、側方(X軸方向またはY軸方向)から見てスタンション13の幅よりも広く構成される(図10参照)。これにより、仮に、コラム2の外側からスタンション13に向けてねじ込まれるボルト22がスタンション13に対してずれていたとしても、ボルト22をハネ返り板15に対して確実に押し当てることができる。この場合、ボルト22は、ハネ返り板15を介して間接的にスタンション13から反力を受けることになる。
このようなハネ返り板15を用いることでスタンション13として必要以上に太い鉄パイプを用いる必要がなくなり、柱構造のコストを下げることもできる。これに対し、スタンション13を太くするなどの方法でボルト22を押し当て易くすることで、ハネ返り板15を設けない構成としてもよい。
続いて、図2に示す工程S2において、作業者はスタンション13内に充填剤17を注入する。図5は、スタンションに充填剤が充填された状態を示す断面図である。この工程では、スタンション13の上端における開口部から同図に示す矢印のように、充填剤17が注入される。これにより、中央鉄筋12とスタンション13とを一体化させて強度を高めることができる。また、スタンション13に対して側面から圧力が加えられても充填剤17によって耐えられる構造とすることができる。
充填剤17は、時間経過により硬化する例えばコンクリート又はモルタルミルク(以下、単に「モルタル」という場合もある)である。コンクリートやモルタルは、硬化剤であるセメントを水で溶いて混ぜたセメントペーストに、砂や砂利といった骨材を混ぜたものである。コンクリートやモルタルは、セメントが凝固することで時間経過により硬化する。
続いて、図2に示す工程S3において、作業者はスタンション13を有する基礎1の上にスタンション13を囲む木枠(本発明における「基準枠」)18を設ける。図6は、基礎上に木枠を設置した状態を示す断面図である。木枠18は、合板などの木材を組み合わせることにより、コラム2の外形寸法より若干大きな寸法で、上方から見て矩形枠状に形成される。これにより、後述するコラム2を差し込む位置と角度を定めるための基準として機能する。木枠18は、ボルト19のような締結具により基礎1に一時的に固定される。この場合、木枠18は図6において断面を示すように矩形の断面構造を有するように形成してもよいが、コラム2の位置決めをする内周面(中央面)と基礎1に固定されるための面が設けられた構成であればよい。
木枠18は、スタンション13に対して略同心に設けられるが、スタンション13の位置が構造物全体の設計からずれているような場合は、木枠18を設計に合わせた位置に設置することで、コラム2を設計上正しい位置に設置することができる。これによれば、基礎1(特に、スタンション13)の設置されている位置が多少ずれていても工事を続けることができ、工事の進行を阻害することはない。
また、木枠18は、図11で後述するようにコラム2内に充填剤24を注入したときにコラム2の下端面と基礎1との間から充填剤24が漏れるのを防止する機能も有する。この場合、基礎1が傾いているなどの理由から、コラム2の下端面と基礎1の面とに隙間があるときは、ベニヤ板や合板といった板材で隙間を埋めて充填剤24が漏れるのを防止してもよい。
次に、図2に示す工程S4において、作業者はコラム2を木枠18内に差し込む。図7は、基礎上にコラムを設置した状態を示す断面図である。この工程において、コラム2は、同図に示すように、木枠18とスタンション13との間に差し込まれる。この状態では、コラム2は、基礎1の上面(より具体的には、フーチング上部11の上面)に合わせた角度で立てられるため、鉛直に立てられないことも起こりうる。
コラム(本発明における「第2の柱」)2は、底無し筒状の鉄製角パイプ(鉄パイプ)であり、上下で開口する。コラム2には、スタンション13に対応する位置にタップでねじ切りが施されたボルト孔21が開けられている。より具体的には、コラム2には、これを基礎1上の設置した状態において、スタンション13の上端側の位置に重ねられる軸方向の位置にボルト孔21が形成されている。このため、例えばコラム2の端面を基準に、基礎1上のスタンション13の長さを超えない範囲の位置にボルト孔21が形成される。また、ボルト孔21は、コラム2における4つの側面のそれぞれ(各側面)において幅方向の略中央の位置に形成されることで、全部で4個形成されている(図10参照)。このような構成により、図7に示すようにハネ返り板15の下端側と同じ高さにボルト孔21を配置することが可能となっている。
続いて、図2に示す工程S5において、作業者はボルト22のねじ込みでコラム2の角度を調整する。この工程では、コラム2の外側からボルト孔21にボルト22をねじ込んでスタンション13に向けて押しつけ、ボルト22のねじ込み量でコラム2を立てる角度を調整する作業が行われる。
ここで、上述したようにハネ返り板15の一端側(上側)の内径がスタンション13の外径よりもわずかに大きい寸法に構成されているため、スタンション13に対してハネ返り板15がガタつかないようにしている。より具体的には、コラム2の外側からボルト22が押し込まれることでハネ返り板15に力が加えられても、スタンション13に対してハネ返り板15が傾いてしまうのを防止できる。これにより、スタンション13と別体のハネ返り板15を使っても、スタンション13に対するコラム2の位置合わせが可能となる。
図8は、コラムにボルトをねじ込んだ状態を示す断面図である。コラム2の各側面におけるボルト孔21に、ボルト22がそれぞれ4方向からねじ込まれた状態である。この状態において、ボルト22の先端がハネ返り板15に押し当てられている。コラム2の角度を調整するために、まず、同図に二点鎖線で示す下げ振り23をコラム2の上端側の側面に設置する。下げ振り23は、対象物に固定可能な固定部と逆円錐形状のおもりとの間が糸で結ばれた構成を有し、対象物と糸の距離を測ることで対象物の鉛直度合いを簡易に測ることができる。図8の段階ではコラム2の角度が鉛直に調整されていないため、コラム2の側面と下げ振り23の糸との間は、上端側と下端側で相違する。より具体的には下端側で糸がコラム2の側面に近い状態となっている。これにより、コラム2が傾いていることが確認される。
続いて、この工程S5では、ボルト22のねじ込み量(締め込み量)を調整することで、スタンション13に対するコラム2の角度(換言すれば、鉛直に対するコラム2の角度)が調整される。図9は、ボルトでコラムを立てる角度を調整した状態を示す断面図である。同図に示す構成では、X軸方向と同軸となるボルト22のねじ込み量に応じて、ボルト孔21の位置においてコラム2をX軸方向に移動させることができる。これに対し、コラム2はその下端側で木枠18により移動が規制されている。これにより、ボルト22のねじ込み量によってコラム2全体の傾きを調整することができ、コラム2の角度を簡易に調整することができる。
次に、図10を用いて、コラム2を立てる角度を調整する方法について具体的に説明する。図10は、コラムの角度の調整方法を説明する断面図である。X軸方向にねじ込まれる一対のボルト22は、同図に調整前として示すように、一対のボルト22の先端がハネ返り板15に当たる位置までねじ込まれている。調整前における各ボルト22のねじ込み量D1b、D2bは例えば同じであり図8の状態に相当する。この状態ではコラム2は鉛直でない。なお、ねじ込み量Dは、コラム2の外周面からボルト22がねじ込まれた量である。より具体的には、ねじ込み量Dは、ボルト22をねじ込んだ状態におけるコラム2の外周面からハネ返り板15の外周面までの距離である。
そして、コラム2の角度を調整するときに、例えばX軸方向にねじ込まれる一対のボルト22は、その先端がハネ返り板15に当てられた状態から、互いに反対方向に回転させられる。例えば、紙面左側の一方のボルト22がねじ込まれる向き(時計回り方向)に回転され、紙面右側の他方のボルト22は抜かれる向き(反時計回り)に回転される。これにより、図10に示す調整後におけるねじ込み量D1a、D2aは相互に異なることになる。例えば、X軸正方向にねじ込まれるボルト22のねじ込み量D1aは、X軸負方向にねじ込まれるボルト22のねじ込み量D2aよりも大きくなる。これにより、コラム2は、基準となるスタンション13の位置を基準として、この断面でX軸負方向に所定量Mx(Mx=|D1a―D1b|=|D2a―D2b|)だけ移動することになる。したがって、コラム2は、図9に示すように、木枠18に下端の移動が規制されることで傾けられる。上述したように、作業者が下げ振り23を確認しながらボルト22のねじ込み量Dを調整することで、コラム2の鉛直に対する角度が調整される。
同様に、Y軸方向のボルト22についても下げ振り23を確認しながらねじ込み量Dを調整することで、コラム2はX軸方向とY軸方向に任意に傾けることができる。以上の工程により、コラム2の角度を鉛直に調整できたところで、コラム2の角度の調整は終了する。なお、ボルト22をねじ込む手順は上述の手順以外にも任意の手順を採用することができる。例えば、一対のボルト22のうち、一方のボルト22で任意の角度にコラム2を傾けた後に、対向するボルト22をねじ込んで固定してもよい。
なお、ボルト22の差し込み方向は矩形断面を有する角パイプのコラム2であれば4方向となるが、それ以外の構成としてもよい。例えば、円形断面を有する柱用の鉄パイプの中心から180度ずつ傾けた3方向からボルト22で押しつける構成とすることもできる。この場合、ハネ返り板15も円形断面となる。
続いて、図2に示す工程S6において、作業者はコラム2内に充填剤24を注入する。 図11は、コラムに充填剤が充填された状態を示す断面図である。この工程において、同図に矢印で示すように、充填剤24がコラム2の上端から注入される。この工程では、充填剤24は、ボルト22の位置よりも低い位置まで注入され、コラム2内の下側に充填される。コラム2内に充填される充填剤24は、原則としてスタンション13内に充填される充填剤17と同様のコンクリート又はモルタルミルクを用いることができる。このため、充填剤24に関する重複する説明は省略する。充填剤24としては、コラム2内での充填性を考慮して、細かな骨材が配合されたモルタルを用いるのが好ましい。
コラム2やスタンション13の内部に注入する充填剤17、24に配合するセメントとしては、アルミナセメント(早強セメント)を含む構成とするのが特に好ましい。アルミナセメントは、例えば短時間で硬化できることから施工期間を短縮することができる。また、アルミナセメントは、還元力が強いことで充填剤17、24に接触する金属製の部材(特にコラム2内部)の錆による腐食を長期間にわたって防止することができる。また、アルミナセメントは、他のセメントと比較して硬化後の収縮がきわめて小さい無収縮であるという特徴を有することで柱に余計な応力を発生させるのを防止でき、柱の構造を安定させることができる。このため、アルミナセメントは、充填剤17、24やコラム2やスタンション13を組み合わせて構成される本実施形態における柱構造により適したセメント成分である。
ただし、アルミナセメントは他のセメントと比べ高価であるため、施工コストを重視する場合には、アルミナセメント以外のセメントを充填剤17の硬化剤として用いることもできる。また、例えばスタンション13内に充填する充填剤17の硬化剤としてアルミナセメントを用いず安価なポルトランドセメントのみを用い、コラム2内に充填する充填剤24の硬化剤としてアルミナセメントを配合して用いてもよい。例えば、アルミナセメントとポルトランドセメントとを体積比で1対3の配合比率として充填剤24に用いることができる。これにより、アルミナセメントとポルトランドセメントの両方の利点を活かした充填剤24とすることができる。このように、充填剤17と充填剤24とでセメントの配合比率を異ならせる構成とすることもできる。また、コラム2内の充填剤24とスタンション13内の充填剤17とを使い分けることもできる。
なお、強度の高い柱構造を適切に施工するためには、充填剤24の粘度が適切に管理される必要がある。具体的には、水とセメントを練り混ぜた直後の充填剤24のスランプ(粘度)は、コラム2内に隙間無く充填できる程度に低く、コラム2と基礎1との隙間から漏れ出しすぎない程度に高いことが好ましい。この場合、ある程度低い粘度としたセメントミルクを用いてもよい。充填剤24の粘度を調整する場合には、例えば砂や砂利のような骨材の配合量を少なくしたり水の配合量を多くしたりすることで、充填剤24の粘度を下げることができる。逆に、骨材の配合量を多くしたり水の配合量を少なくしたりすることで、充填剤24の粘度を上げることができる。なお、充填剤をモルタルミルク状にして空気量(ポアソン比)を小さくすることで錆の発生を防止することもできる。
このような充填剤24がコラム2内に充填されることで、基礎1に立設されたスタンション13や配筋14によって、コンクリートで構成された基礎1と充填剤24とが一体化する。これにより、コラム2を基礎1に強固に接続した構造(剛構造)とすることができ、基礎の内部にコラム2を埋没させるような構成と同等以上の強度を持つ柱構造とすることができる。
なお、充填剤24の粘度が高いときは、充填剤24がコラム2内で適切に充填されず意図する強度を得ることができなかったり、充填剤24の内部に空気が含まれたりするおそれがある。このような場合には、コラム2の外側から振動を与える工程を行ってもよい。これによれば、振動により充填剤24をコラム2内(特に下部)で充填させることができ、充填剤24内の空気を排出することもできる。
続いて、図2に示す工程S7において作業者は木枠18を取り外す。図12は、基礎上から木枠を取り外した状態を示す断面図である。木枠18を取り外すことで、コラム2の周囲に障害物がなくなり、カーポート100の屋根の下の空間を効率的に利用することができる。
続いて、図2に示す工程S8において、作業者は充填剤24の硬化後にボルト22をコラム2から抜く。この工程では、4本のボルト22がコラム2から抜かれることでコラム2にはボルト孔21だけが残ることになる。なお、上述した通り、コラム2内では、ボルト22よりも低い位置までしか充填剤24を充填していないため、充填剤24の硬化後であってもボルト22を抜くことができる。このように、ボルト22を抜くことでコラム2に突起がなくなり美観の高い柱とすることができる。このように、ボルト無し工法とすることで、スタイリッシュな柱とすることができる。
続いて、図2に示す工程S9において、作業者はボルト22を抜いたボルト孔21を埋める。図13は、ボルトを抜いてボルト孔を埋めた状態を示す断面図である。コラム2には4つのボルト孔21が形成されているが、そのうち3つのボルト孔21をシール材25で穴埋めし、1つのボルト孔21は開いたままにする。シール材25としては、シリコーン系のシーラントを用いることができる。また、シール材25が硬化した後に錆止め塗料を塗布してもよい。
穴埋めされない1つのボルト孔21は、コラム2内で結露により集まった水分などをコラム2の外部に排出する排水口として機能する。これにより、コラム2内部で水が貯まってコラム2が錆びて腐食するのを防止することができる。このような観点から、コラム2内で充填剤24を充填する高さは、ボルト22の下側のできるだけ近い位置とするのが好ましい。ただし、コラム2にボルト22を残してもよい場合には、ボルト22のねじ部分が充填剤24に埋まってしまう高さまで充填剤24を充填してもよい。
以上において説明したとおり、最初の工程S1から最後の工程S9までが行われることで、柱の設置の全行程が完了する。以上の工程で示された本実施形態の柱の設置方法では、スタンション13を有する基礎1の上にスタンション13を囲む木枠18を設ける工程S3と、コラム2を木枠18とスタンション13との間に差し込む工程S4と、コラム2の外側からボルト孔21にボルト22をねじ込んでスタンション13に向けて押しつけて、ボルト22のねじ込み量でコラム2を立てる角度を調整する工程S5とが含まれることで、ボルト22をねじ込み量の簡易な調整だけで、基礎1の施工状態によらず適切な角度のコラム2を安価かつ簡易に設置することができる。
<柱構造の説明>
本実施形態において上述した工程により設置される柱構造は、上述した通りの構成を有するが主要な構成として図13に示すように、基礎1に設けられたスタンション13と、スタンション13を囲うように設けられたコラム2と、スタンション13とコラム2の間で硬化した充填剤24と主要な構造として有する。また、コラム2には、同図に示すように、スタンション13と重なる高さ位置で、充填剤24の上面よりも上の位置にボルト孔21が形成されることになる。これにより、上述した作用効果だけでなく、ボルトなしの鉄筋構造とすることができ、柱をスタイリッシュなデザインとすることで、一般家屋にマッチしたデザインとすることもできる。
また、充填剤24を含む鉄筋構造によりコラム2の根元を剛構造にすることができる。これにより、柱の本数を減らしたり、筋交いを不要な構造としたりすることができる。この場合、例えばカーポート100に設置した自動車のドアの開閉をし易くしたり、カーポート100のユーザが通る道を確保したり、土地を有効に利用できるようにするなどの種々の効果を奏することもできる。よって、カーポート100の付加価値を高めることができる。
また、スタンション13には、スタンション13よりも外径が大きいハネ返り板15がボルト22に対応する位置に固定されている。また、上述した工程S9により、ボルト22を抜いた孔がシール材25で埋められたボルト孔21と、開口したボルト孔21とを有することになり、コラム2内から水抜きをすることができる。
<本実施形態の効果>
以上で説明したとおり、本実施形態の柱の設置方法、カーポートの設置方法、柱構造及びカーポートによれば、ボルト22のねじ込み量(ねじ込み具合)によってコラム2の角度(傾き)を調節することができる。これにより、例えば基礎1の施工状態によらずコラム2を適切な角度で設置でき、基礎1の設置位置が所定の位置からずれていても構造物の柱となるコラム2を適切に立てることもできる。また、コラム2を基礎1に埋めない構造であることから外径の大きく価格の高い鉄パイプであるコラム2の使用量を減らすことができ、積雪によっても崩壊してしまうようなことのない強度の高い柱構造を安価に実現することもできる。また、基礎1に安定的に立てられたスタンション13があることで、カーポート100を建てるときにコラム2をスタンション13で支えることができ、意図せずコラム2が転倒してしまうのを防止することができる。これにより、構造物を建てる前段階である建方工事の安全性を高めることができるとともに、工事の難易度を下げることもできる。
また、本実施形態によれば、上述した通り簡易な工程で柱の設置を行うことができ、鉄骨加工技術、建方工事から完成に至るまで、各工程の専門職を要することなく、短期の学習で施工できる工法を提供することができる。
また、本実施形態によれば、コラム2の上端から充填剤24を注入することにより、充填剤24の上面より下の部分はきわめて強度の高い構造にすることができ、この部分でコラム2が座屈してしまうようなことはなくなる。これにより、充填剤24の上側の部分のコラム2だけでしか座屈する可能性がなくなるので、充填剤24の充填量が多いほど強い構造にすることができる。なお、カーポート100に用いられるコラム2の長さを3m程度としたときには、基礎1上のスタンション13の長さを1m程度とし充填剤24を充填すれば(充填剤24の充填高さを例えばコラム2の高さの約1/3とすれば)、十分な強度を得ることができる。また、コラム2内部の下底に充填剤24を充填していることで、コラム2のねじれや抜け上がりが発生するのを防止することができる。また、アルミナセメントを含む充填剤24により根元内部の錆を防いでコラム2の強度を高めることができる。また、基礎1から上部に繋がる鉄筋構造が形成されることで、後述するコラム2に衝撃が加えられたときにもその内部に充填された充填剤24が破砕するのを防止することができる。
また、本実施形態によれば、通常の鉄骨構造においてコラム2が基礎1の内部に埋まった部分とその上側の間(換言すれば基礎1の上面)において錆びて腐食し、コラム2が折れてしまうようなことはなく、コラム2を高い強度に維持することもできる。
≪第2実施形態≫
図14は、第2実施形態におけるカーポートを示す斜視図である。なお、同図におけるカーポート101では基礎1の図示は省略している。また、同図において、上述の実施形態と同一の符号が付された構成は、追加の説明がない限り同様の機能を有する。カーポート101は、柱の構造や設置方法については第1実施形態と同様であるが、屋根板4の上面を平坦にし、屋根板4の外周に手すり5を設けることで、カーポート101のユーザが屋根の上をベランダとして利用できるようにしている。また、カーポート101の側方には、屋根板4の上と地面とをつなぐ階段6が設けられている。このようなカーポート101とすることで、カーポート101の屋根の上に利用可能なスペースを設けることができる。このような場合には、屋根板4の荷重だけでなくユーザが屋根の上で移動することにより生じる不均一な荷重が柱2に加えられる。しかしながら、上述した強度の高い柱構造を採用していることで柱2の座屈などを防止することができる。なお、このような構成のときには、筋交い(図示せず)などを設けてさらに強度を高めてもよい。また、カーポート101のように、屋根板4の上に別の機能を設けてもよく、ソーラーパネルを搭載して太陽光発電機能を有するカーポートとすることもできる。
≪変形例≫
また、上述した実施形態において、基礎1上の構造として4本の柱(コラム2)と梁3だけで屋根板4を支える構成について説明したが、コラム2の数を増やしたりコラム2の間に筋交いを入れたりすることで強度を確保した構造においても本発明を実施することができる。また、本発明は、肉厚が6mm以上の厚い鉄製のコラムを用いた重量鉄骨構造で実施してもよく、肉厚が6mm未満の薄い鉄製のコラムを用いた軽量鉄骨構造で実施してもよい。なお、上述した実施形態における鉄製の構造材を他の金属製の構造材を用いて本発明を実施することもできる。例えば、アルミニウム製のコラムやスタンションといった構造材を用いた構造であっても本発明を実施することができる。
また、上述した実施形態においては、ハネ返り板15とスタンション13を別に構成し、スタンション13にハネ返り板15を固定する構成例について説明したが、スタンション13とハネ返り板15が一体構造になっていてもよい。
また、上述した実施形態では、外形寸法が段状に大きくなるハネ返り板15を用いた構成について説明したが、図15に示すように複数の部材を組み合わせる構成としてもよい。同図に示すハネ返り板15は、4個の変動安定プレート151と、4個の固定プレート152と、8個の締結具153と、1個の角パイプ154とを備えて構成される。
変動安定プレート151は、断面L字状の金属製アングル材である。変動安定プレート151は、その一辺がスタンション13の側面に4本のボルト16で固定される。変動安定プレート151は、その一辺に対して直角に折れ曲がって図15において側方に延在する他辺で固定プレート152と角パイプ154を支持する。なお、変動安定プレート151は、各辺に図示しない長孔が設けられている。変動安定プレート151は、一辺に設けられた長孔にボルト16が差し込まれてスタンション13に固定されることで、高さ方向における任意の位置に固定可能に構成される。
固定プレート152は、断面L字状の金属製アングル材である。固定プレート152は、その一辺が締結具(例えばボルトとナット)153で変動安定プレート151の他辺に固定される。固定プレート152の他辺が起立した状態となることで、角パイプ154の位置を内側から規制可能に構成される。角パイプ154は、スタンション13よりも外径が大きくコラム2よりも外径が小さい鉄製の角パイプである。角パイプ154がハネ返り板15においてボルト22が押し当てられる筒部材に相当する。角パイプ154は、変動安定プレート151と固定プレート152とにより下端と内周面から支持されることで、スタンション13に対して固定的に支持される。なお、これらの部材は説明した順番に組み立てることでスタンション13に対してハネ返り板15(角パイプ154)を固定することができる。
以上のような構成により、ハネ返り板15は、外側に配置される矩形筒部と、この各辺から内側に向けて延在する4本の接続部と、接続部から直角に折れ曲がって延在しスタンション13に固定される4本の固定部とを備えた構成となる。これにより、ハネ返り板15は、図15のB-B断面においてスタンション13を挟む一対のU字断面を構成する。このような構成によれば、簡易な構成を組み合わせることで安価にハネ返り板15を実現することができる。また、部材を分割した構造としているため設置も容易である。また、変動安定プレート151の長孔によりスタンション13に固定する位置や、固定プレート152を取り付ける位置を調整することもできる。これにより、角パイプ154を固定する位置も自由に調整することができる。
また、上述した実施形態においては、スタンション13が垂直に近い角度で設置されている構成例について説明したが、スタンション13を基礎1や地面に対して意図的に傾けて配置して、コラム2に対する角度を大きくすることでコラム2が基礎1から抜けてしまうのを防止してもよい。
また、上述した実施形態においては、ボルト22をコラム2の各側面に1本ずつ設ける構成例について説明したが、ボルト22をコラム2の各側面において平面方向に複数並べて設けてもよい。この場合、コラム2の軸方向(鉛直方向)を中心とした回転方向の位置を調整することができる。
また、上述した実施形態においては、本発明に係る柱構造を用いたカーポートの構成例について説明したが、本発明に係る柱構造は、太陽光発電施設や仮設住宅といった他の構造物にも適用することもできる。この場合、木枠18に相当するコラム2の位置基準となる基準枠を固定したままとして充填剤24を充填せずに柱の設置を完了してもよい。これにより、ボルト22と基準枠をそのままにして仮設的に使ってもよい。例えば、太陽光発電施設や仮設住宅のように仮設的に設ける構造物を撤去するときには、ボルト22を抜くことでコラム2を外せるようにして、構造物を解体可能とすることもできる。
また、上述した実施形態では、コラム2の外側を囲む木枠18が基礎1にボルト19で固定される構成について説明したが、他の構成や材質を用いた基準枠としてもよい。例えば、基準枠をコラム2の内側に設けてもよい。また、木枠18に替えて、基準枠としてコラム2の断面形状に対応した凹凸をフーチング上部11上面に設ける構成としてもよい。この場合、上述した工程S4において、スタンション13の位置と関係なく、基準枠に合わせてコラム2を設置することになる。
例えば、フーチング上部11にコラム2の断面形状と同じ形状の溝を設け、コラム2の下端をその溝に差し込むことで、コラム2の下端位置の移動が規制されるようにしてもよい。また、フーチング上部11にコラム2の外周面の外側に沿うように突起を設けて、コラム2外の突起でコラム2の下端位置の移動が規制される枠としてもよい。この場合、突起がコラム2の外周を囲うように、コラム2の形状に合わせフーチング上部11を凹ませた構成とすることで、コラム2に注入した充填剤24が漏れ出すのを防止することもできる。また、基準枠は必ずしも基礎1に接するように設けなくてもよく、基礎1の上で基礎1から離れた位置においてコラム2の下端位置の移動を規制する任意の構成を採用することができる。
本発明の柱の設置方法、カーポートの設置方法、柱構造及びカーポートは、基礎の施工状態によらず適切な角度の柱を安価かつ簡易に設置することができ、強度の高いカーポートのような構造物を安価に設置することを目的とする。
1 基礎
2 コラム(第2の柱)
3 梁
4 屋根板
5 手すり
6 階段
10 フーチング下部
11 フーチング上部
12 中央鉄筋
13 スタンション(第1の柱)
14 配筋
15 ハネ返り板(筒部材)
15a、21 ボルト孔
16、19、22 ボルト
17、24 充填剤
18 木枠
23 下げ振り
25 シール材
100、101 カーポート
151 変動安定プレート
152 固定プレート
153 締結具
154 角パイプ
D、D1a、D2a、D1b、D2b ねじ込み量
本発明に係る柱の設置方法は、第1の柱を有する基礎の上に当該第1の柱を囲む基準枠を設ける工程と、底無し筒形状を有し、前記第1の柱に対応する位置にボルト孔が開けられた第2の柱を、前記基準枠と前記第1の柱との間に差し込む工程と、前記第2の柱の外側から前記ボルト孔にボルトをねじ込んで前記第1の柱に向けて押しつけて、当該ボルトのねじ込み量で前記第2の柱を立てる角度を調整する工程と、時間経過により硬化する充填剤を前記第2の柱の上端から注入する工程と、を含、前記充填剤を前記ボルトの位置よりも低い位置まで注入することを特徴とする。

Claims (14)

  1. 第1の柱を有する基礎の上に当該第1の柱を囲む基準枠を設ける工程と、
    底無し筒形状を有し、前記第1の柱に対応する位置にボルト孔が開けられた第2の柱を、前記基準枠と前記第1の柱との間に差し込む工程と、
    前記第2の柱の外側から前記ボルト孔にボルトをねじ込んで前記第1の柱に向けて押しつけて、当該ボルトのねじ込み量で前記第2の柱を立てる角度を調整する工程と、
    を含む柱の設置方法。
  2. 時間経過により硬化する充填剤を前記第2の柱の上端から注入する工程をさらに含む請求項1記載の柱の設置方法。
  3. 前記充填剤を前記ボルトの位置よりも低い位置まで注入する請求項2記載の柱の設置方法。
  4. 前記充填剤の硬化後に前記ボルトを抜く工程をさらに含む請求項2又は3記載の柱の設置方法。
  5. 前記ボルトを抜いた前記ボルト孔を埋める工程をさらに含む請求項4記載の柱の設置方法。
  6. 前記第1の柱は上部が開口する筒形状を有し、
    時間経過により硬化する充填剤を前記第1の柱の上端から注入する工程をさらに含む請求項1乃至5のいずれか一項に記載の柱の設置方法。
  7. 前記充填剤は、コンクリート又はモルタルミルクである請求項2乃至6のいずれか一項に記載の柱の設置方法。
  8. 前記充填剤は、アルミナセメントを含む請求項2乃至6のいずれか一項に記載の柱の設置方法。
  9. 前記第1の柱よりも外径が大きい筒部材を前記第1の柱に固定する工程をさらに含み、
    前記第2の柱の角度を調整する工程において、前記筒部材に前記ボルトを押しつける請求項1乃至8のいずれか一項に記載の柱の設置方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の柱の設置方法により複数の第2の柱を設置する工程と、
    前記複数の第2の柱に複数の梁を架ける工程と、
    前記梁の上に屋根板を設ける工程と、
    を含むカーポートの設置方法。
  11. 基礎に設けられた第1の柱と、
    前記第1の柱を囲うように設けられた第2の柱と、
    前記第1の柱と前記第2の柱の間で硬化した充填剤とを有し、
    前記第2の柱には、前記第1の柱と重なる高さ位置で、前記充填剤の上面よりも上の位置にボルト孔が形成されている柱構造。
  12. 前記第1の柱には、当該第1の柱よりも外径が大きい筒部材が前記ボルト孔に対応する位置に固定されている請求項11記載の柱構造。
  13. シール材で埋められた前記ボルト孔と、開口した前記ボルト孔とを有する請求項11又は12記載の柱構造。
  14. 請求項11乃至13のいずれか一項に記載の柱構造を有する複数の柱と、
    前記複数の柱の上端側に設けられた複数の梁と、
    前記複数の梁の上に設けられた屋根板と、
    を有するカーポート。
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