JP2023149881A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Kinya Inoue
貴之 城田
Takayuki Shirota
遼太 朝倉
Ryota Asakura
涼太 中田
Ryota Nakada
捷 飯塚
Sho Iizuka
和郎 倉田
Kazuo Kurata
大 田中
Masaru Tanaka
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Abstract

Figure 2023149881000001
【課題】様々な運転状況下において良好な燃焼を確保する。
【解決手段】主室1及び副室11を備えた燃焼室Cと、燃焼室Cに燃料を供給する噴射装置9と、前記副室内に臨む点火装置4とを備えたエンジン10と、ノッキングの発生を検出又は予測する手段と、ノッキングを回避する制御を行う制御手段とを備え、制御手段は、ノッキングの発生が検出又は予測された際に、噴射装置9により副室11へ燃料を供給する副室噴射の燃料の噴射量を低減する燃料噴射低減制御を行い、且つ、点火装置4による混合気への点火エネルギを増大させる点火エネルギ増大制御を行うエンジンの制御装置とした。
【選択図】図1

Description

この発明は、エンジンの制御装置に関する。
従来から、理論空燃比よりも燃料の比率が薄い(燃料に対して空気が過剰な)混合気を燃焼させる、リーン燃焼方式のエンジンが提案されている。また、そのリーンな混合気をより良好に燃焼させるために、燃焼室として主室と副室を備えた副室式エンジンが提案されている。副室式エンジンでは、主室と副室とを隔てる隔壁に連通路が設けられ、主室に噴射された燃料によって形成された混合気が連通路を介して副室内に供給され、副室内で点火プラグによって点火される。副室内で火炎が形成されると、その火炎は、連通路を介して主室に伝播して主室の混合気を着火する。これにより、より希薄な空燃比での運転が可能となり、燃費が向上するとされている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特許第4389777号公報 国際公開第2020/196206号公報
ところで、一般的なエンジンでは、高負荷でノッキングが発生すると点火時期をリタード(遅角)させて、筒内圧力を低下させることで、ノッキングを回避している。しかし、副室式エンジンの場合、点火時期をリタードさせると副室内がリーンな環境になってしまい、副室内での混合気への点火が不安定になりやすくなるという問題がある。また、刻々と変化する様々な運転状況下で、いかにしてノッキングを回避しつつ良好な燃焼を確保するかが求められている。
そこで、この発明の課題は、様々な運転状況下で良好な燃焼を確保することである。
上記の課題を解決するために、この発明は、シリンダの内周面、シリンダヘッドの内面及びピストンの頂面に囲まれて形成される主室と、前記主室と隔壁によって隔てられ前記主室の前記シリンダヘッド側の端部に形成される副室と、前記隔壁に設けられ前記主室と前記副室とを連通する連通路とを備えた燃焼室と、前記燃焼室に燃料を供給する噴射装置と、前記副室内に臨み前記副室内の混合気に点火を行う点火装置と、を備えたエンジンと、前記エンジンにおけるノッキングの発生を検出又は予測する手段と、前記ノッキングを回避する制御を行う制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記ノッキングの発生が検出又は予測された際に、前記噴射装置により前記副室へ燃料を供給する副室噴射の燃料噴射量を低減する燃料噴射低減制御を行い、且つ、前記点火装置による前記混合気への点火エネルギを増大させる点火エネルギ増大制御を行うエンジンの制御装置を採用した。
ここで、前記制御手段は、前記ノッキングの発生が検出又は予測された際に、前記点火装置による前記混合気への点火時期をリタードさせる点火時期遅角制御を行う構成を採用できる。
このとき、前記点火エネルギ増大制御は、前記点火時期遅角制御における点火時期のリタード量が大きいほど、点火エネルギの増大量を大きく設定する構成を採用できる。
また、前記点火時期遅角制御を行う際は、前記噴射装置による前記副室噴射の噴射時期をリタードさせる噴射時期遅角制御を行う構成を採用できる。
これらの各態様において、前記エンジンにおけるトルク変動又は燃焼変動を検出する手段を備え、前記点火エネルギ増大制御は、前記トルク変動又は前記燃焼変動が所定値を超えた場合にのみ行われる構成を採用できる。
これらの各態様において、前記主室内の空燃比を検出又は推定する空燃比検出手段を備え、前記制御手段は、前記ノッキングの発生が検出又は予測された際に、前記空燃比が所定値よりも燃料が濃い状態であれば、前記点火時期遅角制御を行うとともに前記点火エネルギ増大制御は行わず、前記噴射装置から前記主室へ燃料を供給する主室噴射の燃料噴射量を低減し、さらに前記ノッキングの発生の検出又は予測が継続する場合は、さらなる前記点火時期遅角制御を行うとともに前記点火エネルギ増大制御を行う構成を採用できる。
この発明によれば、様々な運転状況下で良好な燃焼を確保できる。
副室式エンジンの縦断面図である。 図1のII-II断面図である。 副室式エンジンの燃焼状態を示す縦断面図である。 副室式エンジンの燃焼状態を示す縦断面図である。 副室式エンジンの燃焼状態を示す縦断面図である。 通常の運転状態での制御を示すグラフ図である。 この発明の制御を示すグラフ図である。 この発明の制御を示すグラフ図である。 この発明に係る車両の一例を示す模式図である。
この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態はハイブリッド車両60(以下、単に車両60と称する)であり、その車両60が搭載するエンジン10の要部を図1及び図2に示す。
車両60は、主として走行用の電源として用いるバッテリ50と、二つの回転電機30,40とを備えている。一方の回転電機30(以下、第1回転電機30と称する)はスタータとして機能し、その第1回転電機30の動作によりエンジン10が始動する。他方の回転電機40(以下、第2回転電機40と称する)は、走行用の駆動力を供給するモータである。また、第1回転電機30は、エンジン10の駆動力によって発電するジェネレータとしても機能する(図7参照)。
車両60は、電動走行モード(EVモード)・シリーズ走行モード・パラレル走行モードの3種類の走行モードが設定されているハイブリッド車両である。車両60が備える電子制御ユニット(Electronic Control Unit)20が、その時点での車両60の状態や走行状態、運転者の要求等に応じて最適な走行モードを選択する。選択された走行モードに応じて、エンジン10、第1回転電機30、及び第2回転電機40等が制御される。実施形態では、車両60として、家庭用コンセント等から差込プラグを用いて直接、バッテリ50に充電できるプラグインハイブリッドカー(plug-in hybrid car/PHEV車両)を想定している。
第1回転電機30は、電動機(モータ)としての機能と、発電機(ジェネレータ)としての機能を併せ持つ、電動発電機(モータ・ジェネレータ)である。第1回転電機30は、エンジン10を始動させる際に、スタータ用の電動機として機能する。このとき、バッテリ50、又は、別途搭載された補助バッテリからの電力を利用する。また、エンジン10の稼働時には、エンジン10の駆動力によって発電する機能を発揮する。第1回転電機30によって発電された電力は、第2回転電機40及びバッテリ50等に供給されるようになっている。第1回転電機30の回転軸は、ベルト等の無端状部材やギヤ等を介して、エンジン10のクランクシャフトに接続されている。第1回転電機30は、エンジン10の稼働中は、通常はクランクシャフトの回転に伴って連れ回される状態となる。
第2回転電機40は、車両60の走行用の駆動源として設けられている。第2回転電機40は、バッテリ50に蓄電されている電力や第1回転電機30で発電された電力を使用して駆動される。第2回転電機40は、図6に示すように、フロント側に一つのみ配置された例もあるし、フロント側及びリア側のそれぞれに設けられている例もあり、その設置数や設置箇所は様々である。また、第2回転電機40は、主に惰行時に回生電力を発生させる発電機としても機能する。
第1回転電機30及び第2回転電機40と電子制御ユニット20との間には、直流電流と交流電流とを変換するインバータを備えたコントロールユニット(図示せず)が設けられている。第1回転電機30及び第2回転電機40の駆動時における回転速度は、インバータを介して電子制御ユニット20によって制御される。
エンジン10は、ガソリンエンジンである。エンジン10のクランクシャフトの回転は、走行モードに応じて、トルクコンバータ、連続可変トランスミッション(Continuously Variable Transmission)、クラッチ、ディファレンシャル等を介して駆動輪に伝達される状態と、その伝達が遮断された状態とに切り替えられる。
バッテリ50は、第1回転電機30による発電電力及び第2回転電機40による回生電力の蓄電(充電)と、その蓄電された電力の放電が可能な高電圧電源である。バッテリ50は、主として走行用の電力を供給する電源として使用される。この実施形態では、バッテリ50は、プラグインハイブリッドカー(PHEV車両)に対応して、車両外部の電源、例えば、家庭用交流電源からの充電(普通充電)や、高圧直流電源からの充電(急速充電)等の外部充電が可能となっている。
車両60には、ドライバが操作するステアリング、ブレーキペダル及びアクセルペダル等が備えられている。ブレーキペダルには、ドライバによるブレーキペダルの踏み込み力を検知するブレーキセンサが設けられている。また、アクセルペダルには、ドライバによるアクセルペダルの踏み込み量を検知するアクセルポジションセンサが設けられている。ブレーキセンサによって検知されたブレーキ情報、及び、アクセルポジションセンサによって検知されたアクセル情報は、電子制御ユニット20に送られる。また、車両60は、車軸等に設けられて車両60の走行速度を検知する車速センサを備えている。車速センサによって検知された車速情報も、電子制御ユニット20に送られる。
また、車両60には、エンジン10の回転数を検出するエンジン回転数センサと、第1回転電機30、第2回転電機40の回転数をそれぞれ検出する回転数センサと、バッテリ50のセル電圧を検出する電圧センサと、バッテリ50の電流を検出する電流センサ等が設けられている。また、車両60は、エンジン10の冷却水の温度を検出する水温センサや、エンジンオイルの温度を検出する油温センサを備えている。これらのセンサ類からの情報も電子制御ユニット20に送られる。
電子制御ユニット20は、主としてエンジン10を制御するエンジン制御部21と、ハイブリッド車両全体の動作を制御する車両制御部22とを備えている。電子制御ユニット20は、車両60が備える各種装置を制御する電子制御装置(コンピュータ)の集合である。その内部には、バスを介して互いに接続されたインターフェイス、プロセッサ,メモリ等が内蔵されている。エンジン制御部21及び車両制御部22で実行される制御の内容は予めメモリに保存されており、また制御の進行とともに新たなデータが保存されて、それらのデータが以後の制御に活用されている。電子制御ユニット20は、ドライバの各種操作に基づく信号や、その時点での運転状態に対応して、電動走行モード(第2回転電機40の駆動力のみで走行するモード)、シリーズ走行モード(エンジン10の駆動力で第1回転電機30を作動させて発電しながら、その発電した電力を用いて、第2回転電機40の駆動力のみで走行するモード)、パラレル走行モード(エンジン10の駆動力で車両60を走行させ、必要に応じて第2回転電機40の駆動力で車両60の走行をアシストするモード)等の走行モードの選択、及び切り替えを行っている。
エンジン10は、副室式エンジンである。図1及び図2は、エンジン10の1つのシリンダ(気筒)2の要部を示している。その構成は、燃焼室C内に空気を送り込む吸気通路(吸気ポート)5、燃焼室Cから引き出された排気通路(排気ポート)6、燃焼室Cに燃料を供給する噴射装置9等を備えている。吸気通路5の燃焼室Cへの開口5aは、吸気バルブ7によって開閉する。また、排気通路6の燃焼室Cへの開口6aは、排気バルブ8によって開閉する。実施形態では、噴射装置9として、燃焼室C内に直接燃料を噴射する直噴式燃料噴射装置9aと、吸気通路5内に燃料を噴射するポート噴射式燃料噴射装置9bの両方を備えている。図では、この発明に直接関係する部材、手段のみを示し、他の部材等については図示省略している。エンジン10が備える気筒の数は、車両60やエンジン10の仕様に応じて自由に設定でき、例えば、3気筒、4気筒、また、それ以外の気筒数であってもよい。
図1に示すように、燃焼室Cは、シリンダ(シリンダブロック)2の内周面2a、シリンダヘッド13の内面(下面)、及び、ピストン3の頂面3aに囲まれて形成される主室1と、主室1と隔てられ主室1のシリンダヘッド13側の端部に形成される副室11とを備えている。また、燃焼室Cは、主室1と副室11とを隔てる隔壁14と、その隔壁14を貫通する細孔からなる連通路12を備えている。連通路12によって、主室1の空間と副室11の空間とが連通している。また、副室11には、電気火花を飛ばすことでその副室11内の混合気を着火させる点火装置4が設けられている。
エンジン10の稼働状態を説明すると、まず、図3Aに示すように、吸気通路5から主室1内に空気が導入され、噴射装置9からの燃料の噴射によって主室1内にリーンな混合気が形成される。リーンな混合気は、図3Bに示すように、ピストン3が上昇する圧縮行程時に、主室1から副室11内へと押し込まれる。ここで、図3Cに示すように、点火装置4の電極4aでスパークが生じることで、副室11に導入された混合気が着火する。副室11内での混合気の着火により、その火炎は、連通路12を通じて主室1側へ噴射され、高速のジェット火炎となる。このジェット火炎により、混合気がリーンな状態(大量の排気還流ガス導入時を含む)においても、その燃焼が促進される。燃焼後のガスは、排気通路6を通じて外部へ排出される。なお、実施形態では、1燃焼サイクル中に、2度の燃料噴射が行われている。すなわち、主に主室1へ燃料を供給するための1回目の噴射と、主に副室11に燃料を供給するための2回目の噴射が行われている。1回目の燃料噴射は吸気行程に行われ、これを以下、主室噴射と称する。2回目の燃料噴射は圧縮行程に行われ、これを以下、副室噴射と称する。実施形態では、主室噴射は主としてポート噴射式燃料噴射装置9bによって、副室噴射は主として直噴式燃料噴射装置9aによって行われる。
ここで、前述のように、一般的なエンジンでは、高負荷でノッキングが発生すると点火時期をリタード(遅角)させて、筒内圧力を低下させることで、ノッキングを回避していた。しかし、副室式エンジンでは、燃焼室C内における火炎の伝播が速いため、ノッキングの発生はエンジン回転数の大小にはあまり影響されず、エンジン負荷の大小による影響が大きい。例えば、エンジン負荷が小さい領域では、エンジン回転数の大小に関わらず燃焼サイクル変動が大きくなる傾向がある。このため、燃料の噴射量(実施形態では、直噴式燃料噴射装置9aとポート噴射式燃料噴射装置9bの両方を備えているので、特に、直噴式燃料噴射装置9aによる燃料噴射量)を増大させることで対応している。また、例えば、エンジン負荷が大きい領域では、エンジン回転数の大小に関わらずノッキングの発生が顕著になる傾向がある。このため、燃料の噴射量(実施形態では、直噴式燃料噴射装置9aとポート噴射式燃料噴射装置9bの両方を備えているので、特に、直噴式燃料噴射装置9aによる燃料噴射量)を減少させることで対応している。
なお、電子制御ユニット20は、その時点でのエンジン10の回転数とエンジン負荷との関係から、ノッキングの発生を検出又は予測する手段を備えている。このようなノッキングの発生を検出又は予測する手段を、以下、ノッキング検出予測手段と称する。ノッキング検出予測手段としては、他にも、エンジン10の振動や筒内圧の変化、又は、クランクシャフトの回転角速度の変化等によってトルク変動又は燃焼変動を検出することで、ノッキングの発生を検出又は予測する装置を採用してもよい。ノッキングの発生が検出又は予測される運転領域を、以下、ノッキング発生領域と称する。
実施形態のエンジン10は、理論空燃比(A/F=14.7)よりも燃料の比率が低い(燃料が薄い)リーンな混合気を基本としている。その基本となるリーンな混合気の空燃比を、初期値とする。なお、空燃比とは、Air/fuel ratioであり、空気質量を燃料質量で割った無次元量で表される。電子制御ユニット20は、エンジン10周囲のセンサ類からの情報に基づいて、副室11内の空燃比、及び、燃焼室C全体の空燃比等を推定する機能を有している。
ノッキングの発生領域では、電子制御ユニット20が備える制御手段が、ノッキングを回避する制御を行う。制御手段は、まずは、ノッキングの発生領域に入った際に(ノッキングの発生が検出又は予測された際に)、直噴式燃料噴射装置9aによる副室噴射の燃料の噴射量を低減する燃料噴射低減制御を行い、ノッキングを回避する。しかし、燃料の噴射量を低減すると、燃焼室C内、副室11内がリーンな環境になってしまい、点火時期の設定可能な時期が非常に限定されてしまう。
図4は、燃料の噴射量を低減する前の空燃比の変化を示す空燃比曲線Gと、燃料の噴射量を低減した後の空燃比の変化を示す低減後空燃比曲線F、(直噴による)燃料の噴射時期C、最適点火時期Dを示している。空燃比曲線Gは、1燃焼サイクル中の経過で噴射時期Cから副室11内の空燃比が減少(燃料量が増加)し始め、おおよそ最適点火時期Dで空燃比が最小値(燃料量が最大値)となり、ピストン3が上死点Eに近づくにつれて、どんどん空燃比が増大(燃料量が減少)していく。ここで、副室11内の空燃比が最小値(最もリッチ)となる地点が、最適点火時期Dである。点火可能な副室内燃料量の上限ラインAと、副室11内の空燃比曲線Gで囲まれた範囲、すなわち、点sから点aの範囲Lでのみ、安定した点火が確保される。しかし、燃料の噴射量が低減されて、空燃比曲線Gから低減後空燃比曲線Fに移行すると、良好な燃焼が実現する適切な点火時期の範囲、すなわち、点sから点aの範囲Lはますます縮小し、燃焼が安定しない事態が生じやすくなる。
そこで、制御手段は、ノッキングの発生領域に入った際に(ノッキングの発生が検出又は予測された際に)、燃料噴射低減制御とともに、点火装置4による混合気への点火エネルギを増大させる点火エネルギ増大制御を行うようにしている。点火エネルギを増大させると、点火可能な副室内空燃比の上限ラインAは、グラフ上で上限ラインAよりもリーン側(下方側)にある修正上限ラインBに移行する。このため、良好な燃焼が実現する適切な点火時期の範囲を、修正上限ラインBと低減後空燃比曲線Fで囲まれる範囲、すなわち、点s’から点a’までの範囲Lに拡大でき、点火の安定性を確保できる。また、点火時期を設定できる範囲も拡大する。
従来は、いかなる点火時期(クランク角)に対しても、点火エネルギは一定であった。しかし、この発明では、ノッキング回避のために燃料の噴射量を低減する際に、点火エネルギを増大させることで、良好な燃焼を安定的に確保できるようになる。ただし、点火エネルギを常時増大させると点火装置4(点火プラグ)が溶損したり、電気を多く使うことで、エンジン10の熱効率が低下することが考えられる。このため、点火エネルギを増大する際には、必要最低限のエネルギ増強に留める必要がある。
点火エネルギ増大制御は、制御開始前の定常状態での点火エネルギC1(第1点火エネルギC1と称する。)に対し、制御開始後に相当する点火エネルギC2(第2点火エネルギC2と称する。)を相対的に大きく設定する。ここで、
(第2点火エネルギC2)=(第1点火エネルギC1)×α
とした場合に、α>1であり、例えば、そのαの値をそれぞれ、1.1、1.2、1.3、1.4,・・・等として、運転状態に応じた必要最小限の数値に設定することができる。
ここで、点火時期を設定できる範囲が、点s’から点a’までの範囲Lに拡大したことから、制御手段は、点火装置4による混合気への点火時期をリタードさせる点火時期遅角制御を行うことができる。点火時期遅角制御を行うことで、ノッキングの回避がさらに確実である。
点火時期遅角制御では、点火時期を、制御開始前の定常状態での点火時期B1(第1点火時期B1と称する)から、制御開始後に相当する点火時期B2(第2点火時期B2と称する)に遅角させる。第1点火時期B1は、図5に示すs点とa点との間、すなわち、副室11内の空燃比が、上限ラインAの数値を下回り(グラフ上でラインAよりもリッチ側(上方側)であり)、混合気への着火が円滑である時期であればよい。通常は、第1点火時期B1は、副室11内の空燃比が最もリッチとなる時期D(最適点火時期D)に一致させて熱効率を向上させている。第1点火時期B1は、できる限り最適点火時期Dに近いことが望ましい。第2点火時期B2は、図5に示すs’点とa’点との間、すなわち、副室11内の空燃比が、修正上限ラインBの数値を下回り(グラフ上でラインBよりもリッチ側(上方側)であり)、混合気への着火が円滑である時期であればよい。
さらに、点火時期遅角制御を行う際は、噴射装置9(特に、直噴式燃料噴射装置9a)による燃料の噴射時期をリタードさせる噴射時期遅角制御を併せて行うようにしてもよい。例えば、点火時期をクランク角で5(deg)だけリタードする場合に、燃料の噴射時期もクランク角で5(deg)だけリタードする等、点火時期のリタード量と同じ角度だけ、燃料の噴射時期をリタードする手法がある。また、点火時期のリタード量よりも少ない角度だけ、燃料の噴射時期をリタードする手法、あるいは、点火時期のリタード量よりも多い角度だけ、燃料の噴射時期をリタードする手法もある。これにより、点火時期における点火装置4周辺への燃料の残存量を多くすることができる。
また、点火時期遅角制御を行う際は、その点火時期のリタード量が大きいほど、点火エネルギ増大制御における点火エネルギの増大量を大きく設定する手法を採用してもよい。図6は、設定される点火時期と、その点火時期に対応して設定される点火エネルギの大きさを示している。点火エネルギの大きさを示すグラフHは、空燃比曲線Gの頂部b点(最適点火時期D)付近又はその遅角側に位置する基準点cで最小値となり、それよりも遅角側、進角側へ点火時期が異動するにつれて、点火エネルギが大きくなるように設定されている。また、例えば、点火時期をクランク角で5(deg)だけリタードする場合に、点火エネルギの増大の係数α=1.05とし、点火時期をクランク角で7.5(deg)だけリタードする場合に、点火エネルギの増大の係数α=1.075とする等、点火エネルギ増大量の元の点火エネルギに対する比率(%)を、クランク角のリタード量(deg)に比例させる手法を採用してもよい。
さらに、この車両60が、エンジン10におけるトルク変動又は燃焼変動を検出する手段(前述のノッキング検出予測手段がトルク変動又は燃焼変動を検出するものである場合はそれを用いてもよい)を備えている場合には、そのトルク変動又は燃焼変動の情報を用いて、点火エネルギ増大制御を行うかどうか、また、点火エネルギ増大制御を行う場合にはその増大の程度を決定する手法を採用してもよい。例えば、点火エネルギ増大制御を、トルク変動又は燃焼変動が所定値を超えた場合にのみ行う手法が考えられる。ここで所定値とは、燃焼室C内における混合気の燃焼が不安定であると認識できる下限のトルク変動又は燃焼変動の数値とし、事前のシミュレーション等でその数値を得ておく手法がある。また、その時点でのトルク変動又は燃焼変動の数値に基づいて、各数値と所定値との差(各数値>所定値)に基づいて、その差が大きいほど、点火エネルギの増大の係数αを大きくする手法がある。
また、点火時期遅角制御の際に、点火パターンを変更することで、リタード後の点火時期において失火を防止する手法も考えられる。点火パターンの変更とは、例えば、1燃焼サイクル中に複数回の点火を行うことで着火を促進する手法、1燃焼サイクル中に1回の放電があった後に別のコイルを用いて再放電を行うことでスパークを重ねる手法(ブースト)、点火装置4における放電時間を短縮することでより電流値の高い状態を作り出し着火を促進する手法等のように、1燃焼サイクル中のトータルとして点火エネルギを増大させる手法が挙げられる。
また、制御手段は、ノッキング発生領域に入った際に(ノッキングの発生が検出又は予測された際に)、主室1内の空燃比が所定値よりも燃料が濃いリッチな状態であれば、点火時期遅角制御を行うとともに点火エネルギ増大制御は行わず、ポート噴射式燃料噴射装置9bから主室1へ燃料を供給する主室噴射の燃料噴射量を低減し、さらにノッキングの発生の検出又は予測が継続する場合は、さらなる点火時期遅角制御を行うとともに点火エネルギ増大制御を行う。ここで、所定値は主室1内がリッチであると認定できる任意の数値としてよいが、例えば、理論空燃比の値としてもよい。主室1内が比較的リッチな環境である場合には、まずは、点火時期遅角制御と主室噴射の燃料噴射量の低減に留めてノッキングが回避できるかどうかの様子を見るようにすることで、点火エネルギの増大制御の機会を最小限に抑えるようにするものである。
このとき、燃料の噴射量の低減の対象を(主としてポート噴射式燃料噴射装置9bによる)主室噴射のみとしたのは、直噴式燃料噴射装置9aとポート噴射式燃料噴射装置9bの両方を備える場合、直噴式燃料噴射装置9aからの燃料の噴射割合は全体の5~10%程度であり、直噴式燃料噴射装置9aは主室1内のリッチな環境づくりにあまり寄与していないからである。ここで、さらにノッキングの発生の検出又は予測が継続する場合は、さらなる点火時期遅角制御を行うとともに、点火エネルギ増大制御を行うことで、ノッキングを確実に回避するようにするものである。
上記の実施形態では、噴射装置9として、直噴式燃料噴射装置9aとポート噴射式燃料噴射装置9bの両方を備えた構成としたが、この実施形態には限定されず、噴射装置9として直噴式燃料噴射装置9aのみを備えた構成も考えられる。また、噴射装置9として、直噴式燃料噴射装置9aとポート噴射式燃料噴射装置9bの両方を備えた構成とする場合は、直噴式燃料噴射装置9aは、主室1内又は副室11内の何れに配置されても良い。また、上記の実施形態では、車両60として、少なくとも電動走行モード、シリーズ走行モード、パラレル走行モードの3種類の走行モードを備えたプラグインハイブリッド車両を採用したが、他の形式のハイブリッド車両や、ハイブリッド車両以外の一般的なエンジン搭載車両においても、この発明を適用できる。
1 主室
2 シリンダ
3 ピストン
4 点火装置
9 噴射装置
10 エンジン
11 副室
12 連通路
20 電子制御ユニット
30 第1回転電機
40 第2回転電機
50 バッテリ
60 ハイブリッド車両(車両)
C 燃焼室

Claims (6)

  1. シリンダの内周面、シリンダヘッドの内面及びピストンの頂面に囲まれて形成される主室と、前記主室と隔壁によって隔てられ前記主室の前記シリンダヘッド側の端部に形成される副室と、前記隔壁に設けられ前記主室と前記副室とを連通する連通路とを備えた燃焼室と、
    前記燃焼室に燃料を供給する噴射装置と、
    前記副室内に臨み前記副室内の混合気に点火を行う点火装置と、を備えたエンジンと、
    前記エンジンにおけるノッキングの発生を検出又は予測する手段と、
    前記ノッキングを回避する制御を行う制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記ノッキングの発生が検出又は予測された際に、前記噴射装置により前記副室へ燃料を供給する副室噴射の燃料噴射量を低減する燃料噴射低減制御を行い、且つ、前記点火装置による前記混合気への点火エネルギを増大させる点火エネルギ増大制御を行うエンジンの制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記ノッキングの発生が検出又は予測された際に、前記点火装置による前記混合気への点火時期をリタードさせる点火時期遅角制御を行う請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記点火エネルギ増大制御は、前記点火時期遅角制御における点火時期のリタード量が大きいほど、点火エネルギの増大量を大きく設定する請求項2に記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記点火時期遅角制御を行う際は、前記噴射装置による前記副室噴射の噴射時期をリタードさせる噴射時期遅角制御を行う請求項2又は3に記載のエンジンの制御装置。
  5. 前記エンジンにおけるトルク変動又は燃焼変動を検出する手段を備え、
    前記点火エネルギ増大制御は、前記トルク変動又は前記燃焼変動が所定値を超えた場合に行われる請求項1から4の何れか1項に記載のエンジンの制御装置。
  6. 前記主室内の空燃比を検出又は推定する空燃比検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記ノッキングの発生が検出又は予測された際に、前記空燃比が所定値よりも燃料が濃い状態であれば、前記点火時期遅角制御を行うとともに前記点火エネルギ増大制御は行わず、前記噴射装置から前記主室へ燃料を供給する主室噴射の燃料噴射量を低減し、さらに前記ノッキングの発生の検出又は予測が継続する場合は、さらなる前記点火時期遅角制御を行うとともに前記点火エネルギ増大制御を行う請求項2から4のいずれか1項に記載のエンジンの制御装置。
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