JP2023149343A - 電極埋設部材、および基板保持部材 - Google Patents

電極埋設部材、および基板保持部材 Download PDF

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Abstract

【課題】載置された基板にシャープな温度勾配を設けることができる電極埋設部材および基板保持部材を提供する。【解決手段】電極埋設部材100であって、セラミックス焼結体により形成された基材10と、前記基材10に埋設されたヒーター電極20と、を備え、前記基材10は、前記基材10の内部に1または複数の管状の空洞30を有し、前記基材10の垂直な断面において、前記空洞30の天井部32は前記ヒーター電極20が埋設されたヒーター電極層24の上端面26より前記基材10の上面12に近い位置にあり、前記空洞30の底部34は前記ヒーター電極層24の下端面28より前記基材10の前記上面12に対向する下面14に近い位置にあり、前記ヒーター電極20は、前記空洞30によって複数の領域に区画される。【選択図】図1

Description

本発明は、電極埋設部材、および基板保持部材に関する。
半導体製造装置用部材として、電極(発熱抵抗体)が埋設されたヒータープレート(電極埋設部材)が用いられてきた。ヒータープレートは、載置した基板を加熱することができる。
ヒーターの基板載置面に載置した基板の特定領域に温度勾配を設けようとしたとき、ヒーター電極が複数の領域に分割されたマルチゾーンヒーターが適用され、各々の領域のヒーター電極に所定の電力を印加する。しかし、セラミックス基材の熱伝導率が高い場合、熱は水平方向にも拡散し所定の基板の領域にシャープな温度勾配を設けることができなかった。また、セラミックス基材の熱伝導率が低い場合、基板の温度を効率的に上げることは難しい。
特許文献1は、半導体プロセスにおいて、多様な環境化でウエハ等の精密な均熱制御を実現するセラミックスヒーターを提供することを目的として、セラミックス基材の内部に埋設された複数の発熱抵抗体と、セラミックス基材の表面に形成された被加熱物を載置する載置面と、載置面の反対面側に前記複数の発熱抵抗体の埋設された略平面を貫くように設けられ、発熱抵抗体の作用領域を仕切る少なくとも1つの仕切り溝と、を具備することを特徴とするセラミックスヒーターが開示されている。
特開2008-251707号公報
特許文献1は、溝によって発熱抵抗体が分離されて配置され、ヒーター電極から発生した熱量は水平方向に拡散は抑制されるものの、セラミックス基材の裏面より載置面方向に深い溝を形成する必要があり、基材自体の強度が低下する。そのため高温下で使用される環境下では、基材の破損リスクが増大する。また、分離されたヒーター電極間の電気的な接続や、基材の下面中央部に設けられたシャフトの内側からの電気的な配線が困難であった。
そこで、載置された基板にシャープな温度勾配を設けることができ、かつ、実用性、信頼性の高いヒーターが要望されてきた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、載置された基板にシャープな温度勾配を設けることができる電極埋設部材および基板保持部材を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明の電極埋設部材は、電極埋設部材であって、セラミックス焼結体により形成された基材と、前記基材に埋設されたヒーター電極と、を備え、前記基材は、前記基材の内部に1または複数の管状の空洞を有し、前記基材の垂直な断面において、前記空洞の天井部は前記ヒーター電極が埋設されたヒーター電極層の上端面より前記基材の上面に近い位置にあり、前記空洞の底部は前記ヒーター電極層の下端面より前記基材の前記上面に対向する下面に近い位置にあり、前記ヒーター電極は、前記空洞によって複数の領域に区画されることを特徴としている。
このように、基材の垂直な断面において、空洞の天井部がヒーター電極層の上端面より基材の上面に近い位置にあり、空洞の底部がヒーター電極層の下端面より基材の下面に近い位置にある管状の空洞を基材の内部に形成し、ヒーター電極を空洞によって複数の領域に区画することで、水平方向への熱の拡散を抑制できるので、電極埋設部材に載置される基板にシャープな温度勾配を設けることができる。
(2)また、本発明の電極埋設部材において、前記空洞は、前記上面から透視した形状で、円環状、直線状、またはこれらを組み合わせた形状を含むことを特徴としている。
このように、空洞を円環状に形成することで、ヒーター電極を空洞の内側と外側に区画することができ、基板の温度勾配を空洞の円の半径方向に設定することができる。また、空洞を直線状に形成することで、ヒーター電極を直線の両側に区画することができ、基板の温度勾配を直線に垂直方向に設定することができる。
(3)また、本発明の電極埋設部材において、前記空洞は、前記上面から透視した形状で、複数の円弧の形状を含むことを特徴としている。
このように、空洞を円弧状に形成することで、ヒーター電極やその導通のための配線を円弧の端部の外側に配置することができる。その結果、複数の電極領域への電力の印加が容易になる。また、電極埋設部材の機械的強度を高めることができる。
(4)また、本発明の電極埋設部材において、前記空洞は、前記基材を上面から透視した形状で、同心円状の複数の円環状または円弧状の形状を含むことを特徴としている。
このように、空洞を同心円状に形成することで、ヒーター電極を同心円状に区画することができる。これにより、基板Wの温度勾配を空洞の円の半径方向に精密に設定することができる。
(5)また、本発明の電極埋設部材において、前記基材は、静電吸着用電極または高周波電極がさらに埋設されることを特徴としている。
このように、基材に静電吸着用電極または高周波電極をさらに埋設することによって、基板の静電吸着機能や高周波電力によるバイアスの付与など半導体製造プロセスをより高機能なものにすることができる。
(6)また、本発明の電極埋設部材において、前記静電吸着用電極または前記高周波電極は、前記空洞の前記天井部より前記基材の前記上面に近い位置に埋設されることを特徴としている。
このように、静電吸着用電極または高周波電極が空洞の天井部より基材の上面に近い位置に埋設されることで、静電吸着用電極または高周波電極の設計の自由度が増加する。
(7)また、本発明の電極埋設部材において、前記ヒーター電極層の上端面は、前記上面からの距離が1mm以上8mm以下であることを特徴としている。
ヒーター電極層がこのような範囲に配置されることで、基材の上面の強度を保ちつつ、水平方向の熱の拡散を適切に抑制できる。また、ヒーター電極層の上部に他の電極を埋設することができる。
(8)また、本発明の電極埋設部材において、前記上面と前記下面の平行距離をD、前記空洞の前記天井部と前記基材の前記上面との距離をT1、前記空洞の前記底部と前記基材の前記下面との距離をT2としたとき、0<(T1+T2)/D≦0.5であることを特徴としている。
T1およびT2をDに対して上記の範囲とすることで、水平方向の熱の拡散を十分に抑制できる。
(9)また、本発明の電極埋設部材において、前記基材は、前記基材の表面に開口部を備える流路を有し、前記空洞は、前記流路と連通することを特徴としている。
このように、基材の表面に開口部を有する流路が基材に形成され、空洞が流路と連通することで、流路から真空排気、または、所定のガスを供給し空洞の圧力を調整することができる。また、空洞を電極埋設部材が設置されるチャンバーに連通させることもできる。その結果、空洞の断熱性を調節することができるため、基板載置面上の基板の温度分布を調節することができる。
(10)また、本発明の電極埋設部材において、前記ヒーター電極は、異なる電力を印加できる複数の領域に分割されることを特徴としている。
これにより、電極埋設部材に載置される基板によりシャープな温度勾配を設けることができる。
(11)また、本発明の基板保持部材は、基板保持部材であって、上記(1)から(10)のいずれかに記載の電極埋設部材と、前記基材の前記下面に接合され、前記電極埋設部材を支持する支持部材と、を備えることを特徴としている。
これにより、基板にシャープな温度勾配を設けることができ、機械的強度の高い基板保持部材を構成できる。
本発明の電極埋設部材および基板保持部材によれば、載置された基板にシャープな温度勾配を設けることができる。
本発明の実施形態に係る電極埋設部材の一例を示した模式的な断面図である。 実施形態に係る電極埋設部材の上面の一例を示した模式図である。 実施形態に係る電極埋設部材のヒーター電極層の一例を示した模式的な断面図である。 実施形態に係る電極埋設部材の変形例を示した模式的な断面図である。 実施形態に係る電極埋設部材の上面の変形例を示した模式図である。 実施形態に係る電極埋設部材のヒーター電極層の変形例を示した模式的な断面図である。 実施形態に係る電極埋設部材のヒーター電極層の変形例を示した模式的な断面図である。 実施形態に係る電極埋設部材の変形例を示した模式的な断面図である。 実施形態に係る電極埋設部材の上面の変形例を示した模式図である。 実施形態に係る電極埋設部材のヒーター電極層の変形例を示した模式的な断面図である。 実施形態に係る電極埋設部材の変形例を示した模式的な断面図である。 実施形態に係る電極埋設部材の変形例を示した模式的な断面図である。 実施形態に係る電極埋設部材の変形例を示した模式的な断面図である。 実施形態に係る電極埋設部材の変形例を示した模式的な断面図である。 実施形態に係る電極埋設部材の下面の変形例を示した模式図である。 実施形態に係る基板保持部材の一例を示した模式的な断面図である。 (a)~(d)、それぞれ電極埋設部材の製造方法の一段階を示した模式的な断面図である。 電極埋設部材の製造方法の一段階を示した模式的な断面図である。 実施例および比較例の形状の特徴、空洞雰囲気および温度測定結果を示す表である。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。なお、構成図において、各構成要素の大きさは概念的に表したものであり、必ずしも実際の寸法比率を表すものではない。
[実施形態]
(電極埋設部材の構成)
本発明の実施形態に係る電極埋設部材について、図1から図3を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電極埋設部材の一例を示した模式的な断面図である。図2は、本発明の実施形態に係る電極埋設部材の上面の一例を示した模式図である。図1は、図2のAA線における断面を示している。図3は、本発明の実施形態に係る電極埋設部材のヒーター電極層の一例を示した部模式的な断面図である。本発明の実施形態に係る電極埋設部材100は、基材10、およびヒーター電極20を備えている。
基材10は、セラミックス焼結体により形成されている。基材10は略円板状のほか、多角形板状または楕円板状などのさまざまな形状であってもよい。なお、基材10は、空洞30や上面12に形成される凸部等を除いて平板状である。また、基材10は、基材10の中央に向かって凸形状または凹形状であってもよい。
基材10は、セラミックス焼結体により一体的に形成されることが好ましい。基材10がセラミックス焼結体により一体的に形成されるとは、後述する空洞30の天井部32を形成するセラミックス焼結体と空洞30の底部34を形成するセラミックス焼結体がセラミックスを含む接合材を用いてもしくは接合材を用いずに接合されていることをいう。これにより、基材10の機械的強度が高くなる。
ヒーター電極20は、基材10に埋設されている。ヒーター電極20は、基板(ウエハ)Wを加熱するために用いられる。
基材10は、基材の内部に1または複数の管状の空洞30を有する。基材10の垂直な断面において、空洞30の天井部32はヒーター電極20が埋設されたヒーター電極層24の上端面26より基材10の上面12に近い位置にある。また、空洞30の底部34はヒーター電極層24の下端面28より基材10の上面12に対向する下面14に近い位置にある。空洞30の幅Lは、1mm以上10mm以下であることが好ましく、1mm以上5mm以下であることがより好ましい。空洞30の断面形状は、矩形に限られず、円形、楕円形、半円形、段差付きの形状など、製造可能な形状であればどのようなものでもよい。
ヒーター電極20は、空洞30によって複数の領域に区画される。ヒーター電極20が空洞30によって複数の領域に区画されるとは、ヒーター電極20上のある点と別の点を結ぶ直線上にヒーター電極層24を横切る空洞30が存在することをいう。したがって、電極埋設部材100の少なくとも一部の空洞30を跨ぐ位置にヒーター電極20が配置される形状であれば、ヒーター電極20が空洞30によって複数の領域に区画されるといってよい。これにより、ヒーター電極層24において、少なくとも熱の水平方向の拡散が抑制される。よって、ヒーター電極20が空洞30によって複数の領域に区画されることと、ヒーター電極20が異なる電力を印加できる複数の領域に分割されることは、異なる概念である。したがって、複数の領域に区画されたヒーター電極20は、異なる領域に含まれるヒーター電極20の一部または全体が電気的に接続されている場合も含む。
空洞30は、基材10を上面12から透視した形状で、円環状、直線状、またはこれらを組み合わせた形状を含むことが好ましい。空洞30を円環状に形成することで、ヒーター電極20を空洞30の内側と外側に区画することができる。これにより、基板Wの温度勾配を空洞30の円の半径方向に設定することができる。また、空洞30を直線状に形成することで、ヒーター電極20を直線の両側に区画することができる。これにより、基板Wの温度勾配を直線に垂直方向に設定することができる。図2の点線は、基材10を上面12から透視したときの空洞30の形状を示している。空洞30以外の透視される構造は省略している。
図1の電極埋設部材100は、図3に示されるように、ヒーター電極層24が空洞30によって内周側ヒーター電極領域21aおよび外周側ヒーター電極領域22aの2つの領域に区画されている。そして、それぞれの領域に内周側ヒーター電極21および外周側ヒーター電極22が形成されている。すなわち、ヒーター電極20が空洞30によって内周側ヒーター電極21および外周側ヒーター電極22の2つの領域に区画されている。図3において、内周側ヒーター電極21および外周側ヒーター電極22は、それぞれの領域内全体にヒーター電極20が埋設されてもよいが、それぞれの領域内で電極埋設部材100の設計に応じた形状のヒーター電極20が埋設されてもよい。
ヒーター電極20は、異なる電力を印加できる複数の領域に分割されることが好ましい。これにより、電極埋設部材100に載置される基板Wによりシャープな温度勾配を設けることができる。図1の電極埋設部材100は、ヒーター電極20が空洞30によって内周側ヒーター電極21および外周側ヒーター電極22の2つの領域に区画されるだけでなく、内周側ヒーター電極21および外周側ヒーター電極22は、異なる端子が接続され、異なる電力を印加できる例を示している。
図1では、内周側ヒーター電極21は端子50に直接接続され、外周側ヒーター電極22は、ビア62およびヒーター電極層24とは異なる層に埋設された配線60を通じて端子51に接続されている例を示している。しかし、ヒーター電極20と端子50、51との電気的接続の形状は、これに限られない。また、例えば、内周側ヒーター電極21と外周側ヒーター電極22は、同一の端子50に接続されてもよい。このように、電極埋設部材100は、空洞30の底部34と基材10の下面14との間に配線をすることができ、ヒーター電極20が区画または分割された場合であっても電気的接続が容易になる。
ヒーター電極層24の上端面26は、上面12からの距離が1mm以上8mm以下であることが好ましい。これにより、基材10の上面12の強度を保ちつつ、水平方向の熱の拡散を適切に抑制できる。また、ヒーター電極層24の上部に他の電極を埋設することができる。
基材10の上面12と下面14の平行距離をD、空洞30の天井部32と基材10の上面12との距離をT1、空洞30の底部34と基材10の下面14との距離をT2としたとき、0<(T1+T2)/D≦0.5であることが好ましい。これにより、電極埋設部材100の水平方向の熱の拡散を十分に抑制できる。(T1+T2)/Dが0.5より大きくなると、熱の水平方向の拡散が無視できなくなり、所定の領域の基板温度の維持が難しくなる場合がある。なお、天井部32が水平面ではない場合、天井部32と上面12との距離T1は、最も上面12に近い位置から計測することとする。また、底部34が水平面ではない場合、底部34と下面14との距離T2は、最も下面14に近い位置から計測することとする。
図4は、本発明の実施形態に係る電極埋設部材の変形例を示した模式的な断面図である。図5は、本発明の実施形態に係る電極埋設部材の上面の変形例を示した模式図である。図4は、図5のBB線における断面を示している。図6は、本発明の実施形態に係る電極埋設部材のヒーター電極層の一例を示した模式的な断面図である。
空洞30は、基材10を上面12から透視した形状で、複数の円弧の形状を含むことが好ましい。空洞30を円弧状に形成することで、ヒーター電極20やその導通のための配線を円弧の端部の外側に配置することができる。その結果、複数の電極領域への電力の印加が容易になる。また、円弧の端部の外側に基材10の一部が存在するので、基材10の機械的強度をより高めることができる。
空洞30が基材10を上面12から見たときに複数の円弧状の形状を含む場合、複数の円弧状の空洞30は、全体として円環状に配置されることが好ましい。これにより、円弧の端部の間隙の領域以外では、ヒーター電極20を円環状の空洞30の内側と外側に区画することができる。これにより、基板Wの温度勾配を空洞30の円の半径方向に設定することができる。図4の電極埋設部材100は、図5、図に示されるように、基材10の中心16を中心とする一重の円に沿った4つの円弧状の空洞30が形成されている。しかし、円弧状の空洞30の数は4つに限られない。
図4の電極埋設部材100は、図6に示されるように、ヒーター電極層24が空洞30によって内周側ヒーター電極領域21a、外周側ヒーター電極領域22a、および間隙ヒーター電極領域23a(隣接する円弧状の空洞30の端部の間隙の領域)の3つの領域に区画されている。そして、それぞれの領域に内周側ヒーター電極21、外周側ヒーター電極22、および間隙ヒーター電極23が形成されている。すなわち、ヒーター電極20が空洞30によって内周側ヒーター電極21、外周側ヒーター電極22、および間隙ヒーター電極23の3つの領域に区画されている。内周側ヒーター電極21と外周側ヒーター電極22は、間隙ヒーター電極23により電気的に接続されている。なお、間隙ヒーター電極領域23aに形成される電極は、間隙ヒーター電極23の代わりに内周側ヒーター電極21と外周側ヒーター電極22を電気的に接続する配線層であってもよい。また、外周側ヒーター電極22は、内周側ヒーター電極21と交わらない配線層を通じて、内周側ヒーター電極21が接続される端子50とは異なる端子に接続されるようにしてもよい。
図6において、内周側ヒーター電極21、外周側ヒーター電極22、および間隙ヒーター電極23は、それぞれの領域内全体にヒーター電極20が埋設されてもよいが、それぞれの領域内で電極埋設部材100の設計に応じた形状のヒーター電極20が埋設されてもよい。
図7は、実施形態に係る電極埋設部材のヒーター電極層の変形例を示した模式的な断面図である。図7は、ヒーター電極層24が空洞30によって内周側ヒーター電極領域21a、外周側ヒーター電極領域22a、および間隙ヒーター電極領域23aの3つの領域に区画されている。そして、内周側ヒーター電極領域21aに内周側ヒーター電極21が、外周側ヒーター電極領域22aに外周側ヒーター電極22が形成されているものの、間隙ヒーター電極領域23aには間隙ヒーター電極23または配線層が形成されていない例を示している。すなわち、ヒーター電極20が空洞30によって内周側ヒーター電極21、および外周側ヒーター電極22の2つの領域に区画されている。空洞30が複数の円弧状に形成される場合でも、内周側ヒーター電極21と外周側ヒーター電極22とは接続されなくてもよい。また、これらのヒーター電極20について、異なる電力を印加できるようにしてもよい。
図8は、本発明の実施形態に係る電極埋設部材の変形例を示した模式的な断面図である。図9は、本発明の実施形態に係る電極埋設部材の上面の変形例を示した模式図である。図8は、図9のCC線における断面を示している。図8は、端子50および端子穴52は図示していない。図10は、本発明の実施形態に係る電極埋設部材のヒーター電極層の変形例を示した模式的な断面図である。
空洞30は、基材10を上面12から透視した形状で、同心円状の複数の円環状または円弧状の形状を含むことが好ましい。空洞30を同心円状に形成することで、ヒーター電極20を同心円状に区画することができる。これにより、基板Wの温度勾配を空洞30の円の半径方向に精密に設定することができる。空洞30が、基材10を上面12から透視した形状で円環状または円弧状の形状を含む場合、中心部に円形の空洞30があってもよい。
図8の電極埋設部材100は、図10に示されるように、ヒーター電極層24が空洞30によって4つの領域に区画されている。そして、それぞれの領域にヒーター電極20が形成されている。すなわち、ヒーター電極20が空洞30によって4つの領域に区画されている。図10において、ヒーター電極20は、それぞれの領域内全体に埋設されてもよいが、それぞれの領域内で電極埋設部材100の設計に応じた形状のヒーター電極20が埋設されてもよい。4つのヒーター電極20は、同じ端子50に接続されるものがあってもよいし、異なる端子50に接続されるものがあってもよい。
図1~図3の電極埋設部材100は、基材10の中心16を中心とする一重の円環状の空洞30が形成されている。図4~図7の電極埋設部材100は、基材10の中心16を中心とする一重の円に沿った4つの円弧状の空洞30が形成されている。また、図8~図10の電極埋設部材100は、基材10の中心16を中心とする三重の同心円状の円環状の空洞30が形成されている。しかし、空洞30の配置や形状はこれらに限られない。例えば、空洞30の同心円の数は、2や4以上であってもよい。また、円環状の空洞30と円弧状の空洞30を組み合わせて二重以上の同心円状に形成してもよい。また、円弧状の空洞30と直線状の空洞30を組み合わせてもよい。また、円環状の空洞30と円弧状の空洞30と直線状の空洞30を組み合わせてもよい。円環状の空洞30、円弧状の空洞30、および円形の空洞30と直線状の空洞30は、連通していてもよい。
図11~図13は、本発明の実施形態に係る電極埋設部材の変形例を示した模式的な断面図である。図11~図13に示されるように、基材10は、静電吸着用電極または高周波電極(他の電極70)がさらに埋設されることが好ましい。これにより、基板Wの静電吸着機能や高周波電力によるバイアスの付与など半導体製造プロセスをより高機能なものにすることができる。図11および図12は、他の電極70に接続される端子50および端子穴52は図示していない。図13は端子50および端子穴52は図示していない。
他の電極70は、空洞30の天井部32より基材10の上面12に近い位置に埋設されることが好ましい。これにより、静電吸着用電極または高周波電極の設計の自由度が増加する。図11~図13は、他の電極70が空洞30の天井部32より基材10の上面12に近い位置に埋設されている例を示している。
図14は、本発明の実施形態に係る電極埋設部材の変形例を示した模式的な断面図である。図14は、外周側ヒーター電極22に接続される端子等を省略している。図15は、本発明の実施形態に係る電極埋設部材の下面の変形例を示した模式図である。図15の点線は、基材10を下面14から透視したときの空洞30の形状および流路80の形状を示している。空洞30および流路80以外の透視できる構造や端子等は省略している。
基材10は、基材10の表面(上面12、下面14、または側面)に開口部82を備える流路80を有し、空洞30は、流路80と連通することが好ましい。これにより、流路80から真空排気、または、所定のガスを供給し空洞30の圧力を調整することができる。また、空洞30を電極埋設部材100が設置されるチャンバーに連通させることもできる。その結果、空洞30の断熱性を調節することができるため、基板載置面上の基板Wの温度分布を調節することができる。
空洞30が複数ある場合、流路80は複数の空洞30ごとに設けてもよい。また、1の空洞30ガス供給用の流路80とガス排出用の流路80をセットで設けてもよい。
電極埋設部材100は、ピン状凸部40を備えていてもよい。その場合、ピン状凸部40は、基材10の上面12から上方に突出して複数形成される。ピン状凸部40の形状は、円柱状、角柱状等の柱状、円錐状、角錐状等の錐状、円錐台状、角錐台状等の錐状の上部を切断した形状等から適宜選択される。
ピン状凸部40の配置は特に限定されない。既知の形態またはそれに類似する形態であればよく、例えば、図2に示されるような同心円状のほか、正方格子状、三角格子状など規則的な配置であってもよいし、局部的に疎密が生じているような不規則的な配置であってもよい。
基材10にピン状凸部40が形成される場合、複数のピン状凸部の上端は、全体として基板Wを載置する所定の形状の平面または曲面(基板載置面)を形成する。これによって、複数のピン状凸部40は、基板Wを支持する。すなわち、複数のピン状凸部の上端により形成される基板載置面が決定される。これにより、複数のピン状凸部の上端と基板Wとが当接し、基板Wが支持される。なお、複数のピン状凸部40のうち、上端が基板Wと当接しないものがあってもよい。これは、そのような凸部があっても、周りのピン状凸部40の配置によっては、基板Wを支持することが可能だからである。ピン状凸部の上端は、全面が基板Wと当接していてもよいし、一部のみが基板Wと当接していてもよい。
ピン状凸部40の高さは、10μm以上500μm以下であることが好ましい。なお、ピン状凸部40の高さとは、基材10の上面12からピン状凸部の上端までの距離をいう。ピン状凸部の上端は、所定の大きさの平面になっていることが好ましい。その場合、ピン状凸部の上端の平面の最大径は、100μm以上5mm以下であることが好ましい。ピン状凸部の上端の平面の表面粗さは、Ra0.01μm以上1.6μm以下であることが好ましい。
電極埋設部材100は、図示しないリフトピン孔や、真空チャックとして使用する場合の通気孔、環状凸部等を備えていてもよい。
(基板保持部材の構成)
次に、実施形態に係る基板保持部材の構成を説明する。図16は、本発明の実施形態に係る基板保持部材の一例を示した模式的な断面図である。基板保持部材200は、電極埋設部材100と、支持部材110と、を備える。電極埋設部材100の基本的構成は、上記のとおりである。図16の基板保持部材200は、図11の電極埋設部材100を用いた例を示している。
支持部材110は、セラミックス焼結体からなり、電極埋設部材100を支持する。これにより、基板保持部材200は、シャフト付ヒーター等に適用される。支持部材110は、電極埋設部材100の下面14の所定の位置に接合されている。接合は、固相接合であってもよいし、接合材を用いた接合であってもよい。支持部材110は、電極埋設部材100の基材10と同一の主成分を有するセラミックス焼結体で形成されていることが好ましい。
[電極埋設部材の製造方法]
次に、本発明の実施形態に係る電極埋設部材の製造方法を説明する。本発明の実施形態に係る電極埋設部材は、例えば、以下に説明する成形体ホットプレス法によって作製された基材前駆体を積層し、接合することで作製される。なお、基材前駆体の製法は本方法に限られず、例えば、粉末ホットプレス法や従前のグリーンシート積層法等であってもよい。粉末ホットプレス法は、セラミックス原料粉と所定の発熱抵抗体や電極を交互に重ねることにより発熱抵抗体や電極をセラミックスの内部に埋設し、それを1軸ホットプレス焼成する方法である。
成形体ホットプレス法による本発明の実施形態に係る電極埋設部材の製造方法は、セラミックス成形体形成工程、セラミックス脱脂体作製工程、積層体形成工程、積層体焼成工程、基材前駆体加工工程、基材前駆体接合工程、基材加工工程を備えている。
セラミックス成形体形成工程では、例えば、AlNを主成分とするセラミックス原料粉から複数のセラミックス成形体を形成する。必要に応じて焼結助剤が添加されてもよい。例えば、AlNセラミックス原料粉末に焼結助剤のY成分としてY、バインダ、可塑剤、分散剤などの添加剤を適宜添加して混合して、スラリーを作製し、スプレードライ法等により顆粒(セラミックス原料粉)を造粒する。その後、造粒粉を加圧成形して複数のセラミックス成形体を形成することができる。原料となるセラミックス粉末としては、窒化アルミニウム以外には、例えば、炭化珪素、酸化アルミニウム、窒化珪素などが用いられる。
セラミックス原料粉末は、高純度であることが好ましく、その純度は、好ましくは96%以上、より好ましくは98%以上である。また、セラミックス原料粉末の平均粒径は、好ましくは0.1μm以上1.0μm以下である。
混合方法は、湿式、乾式の何れであってもよく、例えばボールミル、振動ミルなどの混合器を用いることができる。成形方法としては、例えば、一軸加圧成形や冷間静水等方圧加圧(CIP:Cold Isostatic Pressing)法などの公知の方法を用いればよい。なお、セラミックス成形体を形成する方法は、加圧成形に限らず、例えば、グリーンシート積層、または鋳込み成形であっても適用が可能であり、これらを適宜脱脂、またはさらに仮焼する工程により、セラミックス成形体を製造することができる。
セラミックス成形体は、成形後、機械加工により成形体の形状が整えられてもよい。また、セラミックス成形体の片面または両面(他のセラミックス成形体との接合面)に、ヒーター電極や他の電極、ビア、配線等の形状に合わせた形状の溝が形成されてもよい。機械加工は、脱脂後に行なってもよい。
セラミックス脱脂体作製工程では、複数のセラミックス成形体を所定の温度以上、所定の時間以上脱脂処理して複数のセラミックス脱脂体を作製する。
セラミックス成形体は、例えば、500℃以上900℃以下の温度で熱処理され、セラミックス脱脂体となる。脱脂時間は、1時間以上120時間以下であることが好ましい。脱脂には、大気炉または窒素雰囲気炉を用いることができるが、バインダの有機成分を除去するために、大気炉の方が好ましい。
積層体形成工程では、ヒーター電極および必要な場合、他の電極、ビアの材料、配線を準備し、これらと複数のセラミックス脱脂体を組み合わせ、平板状に形成された複数の積層体を形成する。複数の積層体は、例えば、上面に基板載置面を有し、他の電極が埋設された積層体、ヒーター電極が埋設された積層体、配線が埋設された積層体などである。積層体は、1のセラミックス脱脂体からなるものがあってもよい。他の電極、ビアの材料、配線はモリブデンやタングステンなどの箔、薄板、ワイヤー、メッシュまたはこれら材質の多孔体、ペースト充填、印刷により形成される。
ヒーター電極は、電極埋設部材の設計に応じた形状に加工されたものを準備する。ヒーター電極の形状は、メッシュ状や箔状など、様々な形状とすることができる。また、材質も、モリブデン、タングステンなど、様々な材質とすることができる。
積層体焼成工程では、形成された積層体を、それぞれ積層方向に一軸加圧焼成して基材前駆体を形成する。焼成条件は材質によって異なるが、AlNを主成分とするセラミックスを使用する場合、加圧する力は、1MPa以上であることが好ましい。また、焼成温度は、1700℃以上2000℃以下であることが好ましい。焼成時間は、1時間以上12時間以下であることが好ましく、1時間以上5時間以下であることがより好ましい。焼成雰囲気は、例えば、窒素や不活性ガス雰囲気であるが、真空などの雰囲気であってもよい。これにより、それぞれの積層体で1または複数のセラミックス脱脂体が焼結してセラミックス焼結体となり、これらが一体化され、複数の基材前駆体を得ることができる。
複数の基材前駆体とは、例えば、他の電極が埋設された基材前駆体、ヒーター電極が埋設された基材前駆体、配線が埋設された基材前駆体などである。図17(a)~(d)、および図18は、それぞれ電極埋設部材の製造工程の一段階を示す模式的な断面図である。図17(a)は、他の電極が埋設された基材前駆体101、ヒーター電極が埋設された基材前駆体102、配線が埋設された基材前駆体103の断面を示している。図17は、3つの基材前駆体を用いて基材を作製しているが、基材前駆体の数は、電極埋設部材の設計に応じて2でも4以上でもよい。
基材前駆体加工工程では、複数の基材前駆体に対し、それぞれ必要な加工を行なう。例えば、接合後空洞となる溝の形成をしたり、ビアが配置される位置に穴を設けてビアの材料を充填したりする。図17(b)は、基材前駆体102に接合後空洞となる溝105が形成された断面を示している。また、基材前駆体102、103のビアが配置される位置に穴107が設けられ、ビアの材料が充填された断面を示している。図17では、溝105に他の基材前駆体が蓋をすることで空洞が形成されているが、2つの基材前駆体にそれぞれ形成された溝が組み合わさって空洞が形成されてもよい。このような方法によると、様々な形状の空洞を形成することができる。
基材前駆体接合工程では、複数の基材前駆体を接合して、基材を作製する。接合は、接合材を用いた接合方法、および接合材を用いない接合方法のいずれかを用いることができる。図17(c)は、接合前の複数の基材前駆体を配置した様子を示している。図17(d)は、接合後の基材を示している。なお、これらの接合方法は、電極埋設部材と支持部材を接合して基板保持部材を作製する方法に適用できる。
最初に接合材を用いた接合方法を説明する。まず、接合材を準備し、基材前駆体の接合する側の端面の少なくとも一方に接合材を塗布する。基材前駆体の接合する側の端面は、表面粗さRaを1.6μm以下にすることが好ましく、0.4μm以下に研磨することがより好ましい。塗布する接合材の厚さは、5μm以上30μm以下であることが好ましい。
次に、複数の基材前駆体を配置し、基板載置面に垂直方向に加圧しつつ加熱する。接合条件は材質によって異なるが、AlNを主成分とするセラミックスを使用する場合、加圧する力は、5kPa以上であることが好ましい。また、加熱温度は、1500℃以上1800℃以下であることが好ましい。加熱時間は、0.5時間以上5時間以下であることが好ましい。加熱雰囲気は、例えば、窒素や不活性ガス雰囲気であるが、真空などの雰囲気であってもよい。これにより、複数の基材前駆体を接合することができる。
接合材は、基材前駆体同士を接合できればどのようなものであってもよい。例えば、基材前駆体をAlNを主成分とするセラミックスで形成した場合、これらと同一の主成分であるAlN粉末にY粉末を少なくとも含む混合粉末のペーストであってもよい。また、AlN90wt%以上95wt%以下で、Yを5wt%以上含み、必要に応じて接合時融液となる温度を調節するためにCaO、MgO、ZrO、SiOを含むペーストであってもよい。
次に、接合材を用いない接合方法を説明する。まず、複数の基材前駆体を配置する。基材前駆体の接合する側の端面は、表面粗さRaを0.1μm以下に研磨することが好ましい。次に、基板載置面に垂直方向に加圧しつつ加熱する。接合条件は材質によって異なるが、AlNを主成分とするセラミックスを使用する場合、加圧する力は、1MPa以上であることが好ましい。また、加熱温度は、1600℃以上2000℃以下であることが好ましい。加熱時間は、0.5時間以上6時間以下であることが好ましい。加熱雰囲気は、例えば、窒素や不活性ガス雰囲気であるが、真空などの雰囲気であってもよい。これにより、複数の基材前駆体を接合することができる。
基材加工工程では、基材の外形の加工をする。また、必要な場合、ピン状凸部等を形成する。また、下面の所定の位置に端子を接続するための端子穴の穿設を行なう。
そして、端子穴にロウ材等で端子を接続する。端子は、Ni等を用いることができる。また、ロウ材はAuロウ等を用いることができる。図18は、ピン状凸部を形成し、端子を接続した基材の断面を示している。
なお、セラミックス脱脂体作製工程と、積層体形成工程との間に、セラミックス仮焼体作製工程を設けてもよい。セラミックス仮焼体作製工程を設ける場合、セラミックス脱脂体を所定の温度で仮焼してセラミックス仮焼体を作製する。これにより、電極埋設部材の寸法精度をより高くすることができる。仮焼条件は材質によって異なるが、AlNを主成分とするセラミックスを使用する場合、仮焼温度は1200℃以上1700℃以下であることが好ましい。仮焼時間は、0.5時間以上12時間以下であることが好ましい。仮焼雰囲気は、窒素や不活性ガス雰囲気であることが好ましいが、真空などの雰囲気であってもよい。仮焼体作製工程を設ける場合、機械加工は仮焼体作製工程の後に行なってもよい。
また、上述した方法では、基材前駆体をセラミックス焼結体で形成して、それらを接合して基材としたが、基材前駆体をセラミックス仮焼体で形成して、それらを接合しつつ焼結させて基材を作製してもよい。また、空洞や配線の構造が単純な場合は、セラミックス脱脂体を加工して、積層、焼結して基材を作製することもできる。空洞や配線の構造が複雑な場合や流路を設ける場合、空洞の寸法精度を高くする場合は、セラミックス焼結体を接合する方法のほうが好ましい。
このようにして、載置された基板にシャープな温度勾配を設けることができる電極埋設部材を製造することができる。
[基板保持部材の製造方法]
次に、実施形態に係る基板保持部材の製造方法を説明する。本発明の実施形態に係る基板保持部材の製造方法は、電極埋設部材準備工程、支持部材成形体形成工程、支持部材脱脂体作製工程、支持部材焼成工程、および接合工程を含む。
電極埋設部材準備工程では、上記のように製造された電極埋設部材を準備する。基板保持部材を製造する場合、電極埋設部材の端子穴の穿設は、支持部材との接合工程の後に行なってもよい。また、端子の接続は、支持部材との接合工程の後に行なうことが好ましい。
支持部材成形体形成工程では、例えば、AlNを主成分とするセラミックス原料粉から支持部材成形体を形成する。セラミックス原料粉の作製方法や支持部材成形体の成形方法等は、セラミックス成形体形成工程と同じでよい。セラミックス原料粉は、焼結助剤を含まないことが好ましい。
支持部材脱脂体作製工程では、支持部材成形体を所定の温度以上、所定の時間以上脱脂処理して支持部材脱脂体を作製する。支持部材成形体の脱脂条件の数値範囲等は、電極埋設部材の製造方法のセラミックス脱脂体作製工程と同じでよい。なお、支持部材脱脂体作製工程を、セラミックス脱脂体作製工程と同時に行ってもよい。
支持部材焼成工程では、支持部材脱脂体を焼成してセラミックス基材を支持する支持部材を焼成する。焼成条件は材質によって異なるが、AlNを主成分とするセラミックスを使用する場合、支持部材の焼成は常圧焼成であることが好ましい。また、焼成温度は、1800℃以上2000℃以下であることが好ましい。焼成時間は、1時間以上12時間以下であることが好ましい。焼成雰囲気は、例えば、窒素や不活性ガス雰囲気であるが、真空などの雰囲気であってもよい。
接合工程では、電極埋設部材と支持部材とを接合する。接合は、上述した接合方法を用いることができる。
電極埋設部材に端子穴を設けていない場合、支持部材との接合後に端子穴を設ける。また、必要な場合、ピン状凸部等を形成する。そして、端子穴にロウ材等で端子を接続する。端子は、Ni等を用いることができる。また、ロウ材はAuロウ等を用いることができる。
このようにして、載置された基板にシャープな温度勾配を設けることができる基板保持部材を製造することができる。
[実施例および比較例]
(実施例1)
実施例1は、図16に示されるような4つの円弧状の空洞が形成された基板保持部材である。基材および支持部材の材質は、窒化アルミニウム(AlN)を主成分とするセラミックス焼結体からなる。ヒーター電極は、円弧を基調とした形状に加工したMoメッシュ(線径0.1mm)を用いた。内周側ヒーター電極領域に埋設する内周側ヒーター電極は、外径がおよそ210mmの範囲に収まる形状とした。また、外周側ヒーター電極領域に埋設する外周側ヒーター電極は内径がおよそ225mm、外径がおよそ300mmの範囲に収まる形状とした。
高周波電極は、外径およそ300mmに加工した厚み0.1mmのMo箔を用いた。高周波電極は、空洞の天井部より基材の上面に近い位置に埋設されるようにした。円弧状の空洞は、空洞の中心線が二つのヒーター電極が埋設された領域の中間の位置(φ217.5mm)になるように、幅2mmで形成した。また、空洞の位置は、空洞の天井部とブラスト加工後の基材の上面との距離T1が2mm、空洞の底部と基材の下面との距離T2が5mmとなるように形成した。
上記のヒーター電極および高周波電極が基材に埋設された直径φ310mm、厚さ25mmの略円板状に形成された電極埋設部材となるように、3つの基材前駆体を接合した。また、支持部材を準備した。そして、電極埋設部材と支持部材とを接合した。3つの基材前駆体の接合、および電極埋設部材と支持部材との接合は、接合材を用いずに行なった。
電極埋設部材と支持部材とを接合後、ブラスト加工することで、複数のピン状凸部が形成された。複数のピン状凸部は、基材の中心からφ290mm以内となる領域に同心円状にφ2mm、上面からの高さ150μmとなるように形成された。複数のピン状凸部の表面粗さRaは、0.1μmとなるようにした。
内周側ヒーター電極は、下面側から基材に端子挿入のための端子穴を穿設して、Ni製の端子を挿入することによって端子と接続した。外周側ヒーター電極は、空洞の底部と基材の下面の間に埋設したMoの導電層(配線)と外周側ヒーター電極とをビア構造によって接続した。そして、導電層は、下面側から基材に端子挿入のための端子穴を穿設して、Ni製の端子を挿入することによって端子と接続した。ヒーター電極とヒーター電源との接続は、二つのヒーター電極について、それぞれ別個のヒーター電源を、端子を介して接続し電力を調整できるようにした。高周波電極は、下面側から基材に端子挿入のための端子穴を穿設して、Ni製の端子を挿入することによって端子と接続した。いずれの端子も支持部材の筒の内部に収めるように形成した。
(比較例1)
比較例1は、空洞が形成されなかった以外は、実施例1と同様の条件で基板保持部材を作製した。
実施例2は、空洞の位置をT1が5mm、T2が6mmとなるように形成したこと以外は、実施例1と同様の条件で基板保持部材を作製した。
実施例3は、空洞の位置をT1が8mm、T2が6mmとなるように形成したこと以外は、実施例1と同様の条件で基板保持部材を作製した。
実施例4は、空洞の幅Lを5mm、空洞の位置をT1が3mm、T2が3mmとなるように形成したこと以外は、実施例1と同様の条件で基板保持部材を作製した。
実施例5は、基材の下面に開口部を有し、空洞に連通する流路を空洞ごとに1つずつ形成した。それ以外は、実施例1と同様の条件で基板保持部材を作製した。流路の開口部には、真空排気装置を接続した。そして、後述する評価試験を、流路から空洞内の気体を排出することで、空洞内の気圧を10Pa未満に保持して行なった。なお、実施例1から4の評価試験時の空洞内は、N雰囲気、1気圧であった。
実施例6は、実施例5と同様の条件で基板保持部材を作製した。ただし、流路の開口部には、ガス供給装置を接続した。そして、評価試験を、流路から空洞内にHeを供給することで、空洞内の気圧を13332Paに保持して行なった。
(基板保持部材の評価方法)
チャンバー内に比較例の基板保持部材を設置した。基板保持部材の基板載置面に、熱電対が外側および内側領域に複数配置された基板温度測定用ウエハ(直径300mm×厚さ0.75mm)を載置した。真空中で基板保持部材に埋設した内側および外側の熱電対がそれぞれ500℃になるように内周側ヒーター電極と外周側ヒーター電極に印加する電力を調節した。ヒーター温度が定常状態になったのち、基板温度測定用ウエハを用いて温度を測定した。そして、このときの電力を記録した。
実施例の基板保持部材では、このときの電力をそれぞれ内周側ヒーター電極と外周側ヒーター電極に印加した。そして、そのときの基板の外側と内側の温度を基板温度測定用ウエハを用いて測定した。すなわち、空洞が設けられることによって、外側の基板温度が内側の基板温度に対してどの程度勾配をつけることができるかを評価した。
(基板保持部材の評価)
空洞がない比較例の基板保持部材では、外側と内側の電力を調節することにより、基板の温度は均一化された。本発明のように空洞を設けると、比較例とそれぞれ同一の電力を印加した場合でも、内側に対し外側の基板温度を高めることができた。すなわち、ヒーター電極からの熱量の水平方向の拡散を空洞によって抑制し、基板の平面で温度勾配を設けることができることが確かめられた。
実施例を比較すると、T1+T2が大きくなると、温度差が小さくなることが分かった。実施例は基材の上面と下面の平行距離Dが一定であるため、(T1+T2)/Dが大きくなった結果、熱の水平方向の拡散が大きくなったものと推定される。また、実施例5、6により、空洞のガス圧力を調節することによっても、基板の温度分布を調節することができることが確かめられた。
また、高周波電極は、いずれの基板保持部材も空洞に影響されず、基板に対してプラズマプロセスを問題なく行うことができた。よって、基板保持部材の設計に応じて、空洞の位置や大きさを様々変更できることが確かめられた。
以上により、本発明の電極埋設部材および基板保持部材は、載置された基板にシャープな温度勾配を設けることができることが確かめられた。
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形および均等物に及ぶことはいうまでもない。また、各図面に示された構成要素の構造、形状、数、位置、大きさ等は説明の便宜上のものであり、適宜変更しうる。
10 基材
12 上面
14 下面
16 中心
18 端部
20 ヒーター電極
21 内周側ヒーター電極
21a 内周側ヒーター電極領域
22 外周側ヒーター電極
22a 外周側ヒーター電極領域
23 間隙ヒーター電極
23a 間隙ヒーター電極領域
24 ヒーター電極層
26 上端面
28 下端面
30 空洞
32 天井部
34 底部
40 ピン状凸部
50、51 端子
52 端子穴
60 配線
62 ビア
70 他の電極
80 流路
82 開口部
100 電極埋設部材
101、102、103 基材前駆体
105 溝
107 穴
110 支持部材
200 基板保持部材

Claims (11)

  1. 電極埋設部材であって、
    セラミックス焼結体により形成された基材と、
    前記基材に埋設されたヒーター電極と、を備え、
    前記基材は、前記基材の内部に1または複数の管状の空洞を有し、
    前記基材の垂直な断面において、前記空洞の天井部は前記ヒーター電極が埋設されたヒーター電極層の上端面より前記基材の上面に近い位置にあり、前記空洞の底部は前記ヒーター電極層の下端面より前記基材の前記上面に対向する下面に近い位置にあり、
    前記ヒーター電極は、前記空洞によって複数の領域に区画されることを特徴とする電極埋設部材。
  2. 前記空洞は、前記上面から透視した形状で、円環状、直線状、またはこれらを組み合わせた形状を含むことを特徴とする請求項1に記載の電極埋設部材。
  3. 前記空洞は、前記上面から透視した形状で、複数の円弧の形状を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電極埋設部材。
  4. 前記空洞は、前記基材を上面から透視した形状で、同心円状の複数の円環状または円弧状の形状を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電極埋設部材。
  5. 前記基材は、静電吸着用電極または高周波電極がさらに埋設されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電極埋設部材。
  6. 前記静電吸着用電極または前記高周波電極は、前記空洞の前記天井部より前記基材の前記上面に近い位置に埋設されることを特徴とする請求項5に記載の電極埋設部材。
  7. 前記ヒーター電極層の上端面は、前記上面からの距離が1mm以上8mm以下であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の電極埋設部材。
  8. 前記基材の前記上面と前記下面の平行距離をD、前記空洞の前記天井部と前記基材の前記上面との距離をT1、前記空洞の前記底部と前記基材の前記下面との距離をT2としたとき、
    0<(T1+T2)/D≦0.5
    であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の電極埋設部材。
  9. 前記基材は、前記基材の表面に開口部を備える流路を有し、
    前記空洞は、前記流路と連通することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の電極埋設部材。
  10. 前記ヒーター電極は、異なる電力を印加できる複数の領域に分割されることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の電極埋設部材。
  11. 基板保持部材であって、
    請求項1から請求項10のいずれかに記載の電極埋設部材と、
    前記基材の前記下面に接合され、前記電極埋設部材を支持する支持部材と、を備えることを特徴とする基板保持部材。
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