JP2023149235A - フィルム剥離装置 - Google Patents

フィルム剥離装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023149235A
JP2023149235A JP2022057694A JP2022057694A JP2023149235A JP 2023149235 A JP2023149235 A JP 2023149235A JP 2022057694 A JP2022057694 A JP 2022057694A JP 2022057694 A JP2022057694 A JP 2022057694A JP 2023149235 A JP2023149235 A JP 2023149235A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
curved
rotating roller
multilayer laminate
roller
peeling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022057694A
Other languages
English (en)
Inventor
円 湯浅
Madoka Yuasa
博之 林
Hiroyuki Hayashi
毅 齊藤
Takeshi Saito
直史 竹本
Naofumi Takemoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2022057694A priority Critical patent/JP2023149235A/ja
Publication of JP2023149235A publication Critical patent/JP2023149235A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Abstract

【課題】湾曲状態とされた湾曲基板に貼付されたフィルムを、この湾曲基板から円滑に剥離させることができるフィルム剥離装置を提供すること。【解決手段】本発明のフィルム剥離装置100は、湾曲多層積層体15および湾曲基板を搬送する搬送部20と、湾曲多層積層体15から保護フィルム12を剥離させる剥離部50とを備え、剥離部50が備える第1回転ローラ67は、剥離部50が備える第1移動手段の作動により、湾曲多層積層体15の搬送方向に直交方向に沿って移動可能に構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、フィルム剥離装置に関する。
近年、眼鏡、サングラスのようなアイウエアが備えるレンズとして、その意匠性の向上を図ることや、レンズに偏光性のような光学特性を付与することを目的に、意匠性や偏光性等の特性を備える光学シートを、その表面に備えるものが提案されている。
このような光学シートを表面に備えるレンズは、例えば、平面視で平板状をなす光学シートを用意し、この光学シートの両面に保護フィルムを貼付した状態で、平面視で円形状等の所定の形状に、光学シートを打ち抜く。その後、この光学シートに加熱下で熱曲げ加工を施すことで、熱曲げにより湾曲形状とされた、湾曲凸面と湾曲凹面とを備える湾曲光学シートとする。そして、湾曲光学シートから、保護フィルムを剥離させた後に、射出成形法等を用いて、この湾曲光学シートの凹面に樹脂材料を主材料として構成される樹脂層を形成することにより製造される(例えば、特許文献1参照)。
このようなレンズの製造方法では、前述の通り、光学シートを熱曲げする熱曲げ工程を経ることで得られた湾曲光学シートから、保護フィルムを剥離させ、その後、湾曲光学シートの凹面に、樹脂層を形成する樹脂層形成工程に移行する。このように、熱曲げ工程から樹脂層形成工程に移行する際に、光学シートが湾曲形状とされた湾曲光学シートから、保護フィルムを剥離させる必要がある。
この湾曲光学シートからの保護フィルムの剥離を、人の手により行うことが考えられるが、複数枚の光学シートからの剥離を、人の手により行うことは、非効率的である。そのため、例えば、特許文献2に記載されているような、フィルム剥離装置を用いることで、その効率化を図ることが考えられる。しかしながら、この場合、湾曲光学シートが湾曲形状をなしていることに起因して、湾曲光学シートから保護フィルムを、円滑に剥離させることができないと言う問題があった。
特開2009-294445号公報 特開2019-102626号公報
本発明の目的は、湾曲状態とされた湾曲基板に貼付されたフィルムを、この湾曲基板から円滑に剥離させることができるフィルム剥離装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)~(10)に記載の本発明により達成される。
(1) 一方の面側を湾曲凹面とし他方の面側を湾曲凸面とする湾曲状態とされた湾曲基板と、前記湾曲凹面に貼付された第1フィルムと、前記湾曲凸面に貼付された第2フィルムとからなる湾曲多層積層体から、前記第1フィルムおよび第2フィルムを剥離させて前記湾曲基板を得るのに用いられるフィルム剥離装置であって、
前記湾曲多層積層体および前記湾曲基板を搬送する搬送部と、前記湾曲多層積層体から前記第1フィルムおよび第2フィルムを剥離させる剥離部とを備え、
前記搬送部は、前記湾曲多層積層体を搬送する搬送方向の前記剥離部よりも上流側に配置され、前記湾曲多層積層体を前記剥離部に搬送・供給する第1搬送部と、前記搬送方向の前記剥離部よりも下流側に配置され、前記剥離部において前記湾曲多層積層体から前記第1フィルムおよび第2フィルムが剥離された前記湾曲基板を、前記剥離部から受け取り・搬送する第2搬送部とを有し、
前記剥離部は、前記搬送方向に直交する直交方向の前記湾曲凹面側に位置し、前記湾曲多層積層体から前記第1フィルムを剥離させる第1剥離部と、前記搬送方向に直交する直交方向の前記湾曲凸面側に位置し、前記湾曲多層積層体から前記第2フィルムを剥離させる第2剥離部とを有し、
前記第1剥離部は、前記搬送方向の上流側に位置し、粘着性を備える第1粘着シートが巻回された第1巻出ローラと、前記搬送方向の下流側に位置し、前記第1粘着シートを巻き取る第1巻取ローラと、前記搬送方向において前記第1巻出ローラと前記第1巻取ローラとの間に位置し、前記第1粘着シートの長手方向における途中が接触して、掛け回されつつ回転する第1回転ローラとを備え、
前記第2剥離部は、前記搬送方向の上流側に位置し、粘着性を備える第2粘着シートが巻回された第2巻出ローラと、前記搬送方向の下流側に位置し、前記第2粘着シートを巻き取る第2巻取ローラと、前記搬送方向において前記第2巻出ローラと前記第2巻取ローラとの間に位置し、前記第2粘着シートの長手方向における途中が接触して、掛け回されつつ回転する第2回転ローラとを備え、
前記第1剥離部は、さらに、前記第1回転ローラを前記直交方向に移動させる第1移動手段を備え、
前記第1回転ローラは、前記第1移動手段の作動により、前記直交方向に沿って移動可能に構成され、前記第1搬送部からの前記湾曲多層積層体の前記剥離部への供給の際に、前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとで、前記湾曲多層積層体を挟持し得る挟持距離となる位置に配置されており、この挟持と前記第1回転ローラおよび前記第2回転ローラの回転により、前記湾曲多層積層体が前記第2搬送部側に送り出されるとともに、前記第1粘着シートにより前記湾曲多層積層体から前記第1フィルムが剥離され、前記第2粘着シートにより前記湾曲多層積層体から前記第2フィルムが剥離されるよう構成されていることを特徴とするフィルム剥離装置。
(2) 前記第2剥離部は、さらに、前記第2回転ローラを前記直交方向に移動させる第2移動手段を備え、
前記第2回転ローラは、前記第2移動手段の作動により、前記直交方向に沿って移動可能に構成されており、
前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとは、前記第1回転ローラの前記直交方向に沿った中心軸と、前記第2回転ローラの前記直交方向に沿った中心軸とが、前記搬送方向において重なる位置に配置されている上記(1)に記載のフィルム剥離装置。
(3) 前記第1搬送部からの前記湾曲多層積層体の前記剥離部への供給に先立って、
前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとの離間距離は、前記挟持距離の大きさよりも大きく設定され、
前記第1回転ローラは、前記第1粘着シートに前記湾曲多層積層体が接触したとき、前記第1移動手段の作動により、前記第2搬送部側へ前記直交方向に沿って移動し、これにより、前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとの間への前記湾曲多層積層体の供給時には、前記離間距離が前記挟持距離となる位置に配置されるように構成されている上記(2)に記載のフィルム剥離装置。
(4) 前記第1搬送部からの前記湾曲多層積層体の前記剥離部への供給に先立って、
前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとの離間距離は、前記挟持距離の大きさに設定され、
前記第1回転ローラおよび前記第2回転ローラは、前記第1粘着シートに前記湾曲多層積層体が接触したとき、それぞれ、前記第1移動手段および前記第2移動手段の作動により、前記第2搬送部側へ前記直交方向に沿って移動し、これにより、前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとの間への前記湾曲多層積層体の供給時には、前記離間距離が前記挟持距離を維持するように構成されている上記(2)に記載のフィルム剥離装置。
(5) 前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとの間への前記湾曲多層積層体の供給時において、前記湾曲多層積層体の前記第1粘着シートに接触する端部における接線は、前記搬送方向に対して平行となっている上記(3)または(4)に記載のフィルム剥離装置。
(6) 前記第2剥離部は、さらに、前記第2回転ローラを前記搬送方向と前記直交方向とに独立して移動させる第2移動手段を備え、
前記第2回転ローラは、前記第2移動手段の作動により、前記搬送方向と前記直交方向とに沿って独立して移動可能に構成されており、
前記第2回転ローラは、前記第2回転ローラの前記直交方向に沿った中心軸が、前記第1回転ローラの前記直交方向に沿った中心軸よりも、前記搬送方向の下流側に位置する第1位置から、前記第2回転ローラの前記直交方向に沿った中心軸と、前記第1回転ローラの前記直交方向に沿った中心軸とが、前記搬送方向において重なる第2位置を通過して、前記第2回転ローラの前記直交方向に沿った中心軸が、前記第1回転ローラの前記直交方向に沿った中心軸よりも、前記搬送方向の上流側に位置する第3位置まで、連続的に移動し得るように構成されている上記(1)に記載のフィルム剥離装置。
(7) 前記第1搬送部からの前記湾曲多層積層体の前記剥離部への供給に先立って、
前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとの離間距離は、前記挟持距離の大きさに設定され、
前記第2回転ローラが前記第2移動手段の作動により、前記第1位置から前記第2位置まで移動する間、前記第1回転ローラおよび前記第2回転ローラは、それぞれ、前記第1移動手段および前記第2移動手段の作動により、前記第2搬送部側へ前記直交方向に沿って移動し、その後、
前記第2回転ローラが前記第2移動手段の作動により、前記第2位置から前記第3位置まで移動する間、前記第1回転ローラおよび前記第2回転ローラは、それぞれ、前記第1移動手段および前記第2移動手段の作動により、前記第1搬送部側へ前記直交方向に沿って移動し、
これにより、前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとの間に前記湾曲多層積層体が挟持されているときには、前記離間距離が前記挟持距離を維持するように構成されている上記(6)に記載のフィルム剥離装置。
(8) 前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとの間に前記湾曲多層積層体が挟持されているとき、前記湾曲多層積層体の前記搬送方向における一方の端部と、他方の端部とを結ぶ直線は、前記搬送方向に対して平行となっている上記(7)に記載のフィルム剥離装置。
(9) 一方の面側を湾曲凹面とし他方の面側を湾曲凸面とする湾曲状態とされた湾曲基板と、前記湾曲凹面に貼付された第1フィルムとを有する湾曲多層積層体から、前記第1フィルムを剥離させて前記湾曲基板を得るのに用いられるフィルム剥離装置であって、
前記湾曲多層積層体および前記湾曲基板を搬送する搬送部と、前記湾曲多層積層体から前記第1フィルムを剥離させる剥離部とを備え、
前記搬送部は、前記湾曲多層積層体を搬送する搬送方向の前記剥離部よりも上流側に配置され、前記湾曲多層積層体を前記剥離部に搬送・供給する第1搬送部と、前記搬送方向の前記剥離部よりも下流側に配置され、前記剥離部において前記湾曲多層積層体から前記第1フィルムが剥離された前記湾曲基板を、前記剥離部から受け取り・搬送する第2搬送部とを有し、
前記剥離部は、前記搬送方向に直交する直交方向の前記湾曲凹面側に位置し、前記湾曲多層積層体から前記第1フィルムを剥離させる第1剥離部を有し、
前記第1剥離部は、前記搬送方向の上流側に位置し、粘着性を備える第1粘着シートが巻回された第1巻出ローラと、前記搬送方向の下流側に位置し、前記第1粘着シートを巻き取る第1巻取ローラと、前記搬送方向において前記第1巻出ローラと前記第1巻取ローラとの間に位置し、前記第1粘着シートの長手方向における途中が接触して、掛け回されつつ回転する第1回転ローラと、前記第1回転ローラに対して前記直交方向の前記湾曲凸面側に位置する第2回転ローラと、前記第1回転ローラを前記直交方向に移動させる第1移動手段とを備え、
前記第1回転ローラは、前記第1移動手段の作動により、前記直交方向に沿って移動可能に構成され、前記第1搬送部からの前記湾曲多層積層体の前記剥離部への供給の際に、前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとで、前記湾曲多層積層体を挟持し得る挟持距離となる位置に配置されており、この挟持と前記第1回転ローラおよび前記第2回転ローラの回転により、前記湾曲多層積層体が前記第2搬送部側に送り出されるとともに、前記第1粘着シートにより前記湾曲多層積層体から前記第1フィルムが剥離されるよう構成されていることを特徴とするフィルム剥離装置。
(10) 一方の面側を湾曲凹面とし他方の面側を湾曲凸面とする湾曲状態とされた湾曲基板と、前記湾曲凸面に貼付された第2フィルムとを有する湾曲多層積層体から、前記第2フィルムを剥離させて前記湾曲基板を得るのに用いられるフィルム剥離装置であって、
前記湾曲多層積層体および前記湾曲基板を搬送する搬送部と、前記湾曲多層積層体から前記第2フィルムを剥離させる剥離部とを備え、
前記搬送部は、前記湾曲多層積層体を搬送する搬送方向の前記剥離部よりも上流側に配置され、前記湾曲多層積層体を前記剥離部に搬送・供給する第1搬送部と、前記搬送方向の前記剥離部よりも下流側に配置され、前記剥離部において前記湾曲多層積層体から前記第2フィルムが剥離された前記湾曲基板を、前記剥離部から受け取り・搬送する第2搬送部とを有し、
前記剥離部は、前記搬送方向に直交する直交方向の前記湾曲凸面側に位置し、前記湾曲多層積層体から前記第2フィルムを剥離させる第2剥離部を有し、
前記第2剥離部は、前記搬送方向の上流側に位置し、粘着性を備える第2粘着シートが巻回された第2巻出ローラと、前記搬送方向の下流側に位置し、前記第2粘着シートを巻き取る第2巻取ローラと、前記搬送方向において前記第2巻出ローラと前記第2巻取ローラとの間に位置し、前記第2粘着シートの長手方向における途中が接触して、掛け回されつつ回転する第2回転ローラと、前記第2回転ローラに対して前記直交方向の前記湾曲凹面側に位置する第1回転ローラと、前記第1回転ローラを前記直交方向に移動させる第1移動手段とを備え、
前記第1回転ローラは、前記第1移動手段の作動により、前記直交方向に沿って移動可能に構成され、前記第1搬送部からの前記湾曲多層積層体の前記剥離部への供給の際に、前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとで、前記湾曲多層積層体を挟持し得る挟持距離となる位置に配置されており、この挟持と前記第1回転ローラおよび前記第2回転ローラの回転により、前記湾曲多層積層体が前記第2搬送部側に送り出されるとともに、前記第2粘着シートにより前記湾曲多層積層体から前記第2フィルムが剥離されるよう構成されていることを特徴とするフィルム剥離装置。
本発明によれば、フィルムが貼付されている基板が、湾曲形状をなしている湾曲基板であったとしても、この湾曲基板からフィルムを、円滑に剥離させることができる。
本発明のフィルム剥離装置が用いられる、湾曲光学シートを備えるレンズの製造方法を説明するための模式図である。 本発明のフィルム剥離装置の第1実施形態の側面図である。 図2に示すフィルム剥離装置を用いて保護フィルムが剥離される湾曲多層積層体の一例を示す図((a):平面図、(b):側面図)である。 図2に示すフィルム剥離装置を用いて保護フィルムを剥離する剥離方法を説明するための側面図である。 図2に示すフィルム剥離装置を用いて保護フィルムを剥離する剥離方法を説明するための側面図である。 本発明のフィルム剥離装置の第2実施形態の側面図である。 図6に示すフィルム剥離装置を用いて保護フィルムを剥離する剥離方法を説明するための側面図である。 図6に示すフィルム剥離装置を用いて保護フィルムを剥離する剥離方法を説明するための側面図である。
以下、本発明のフィルム剥離装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明のフィルム剥離装置は、一方の面側を湾曲凹面とし他方の面側を湾曲凸面とする湾曲状態とされた湾曲基板と、湾曲基板に貼付されたフィルムとを有する多層積層体から、フィルムを剥離させて湾曲基板を得るのに用いられるものである。
このフィルム剥離装置は、例えば、平板状をなす基板としての光学シートを、湾曲状態とすることにより得られた湾曲基板としての湾曲光学シートからフィルムを剥離させた後に、湾曲光学シートの凹面に樹脂層を形成することでレンズ(眼鏡用レンズ)を形成するレンズの製造方法における、湾曲光学シートからのフィルムの剥離に用いられる。
そこで、以下では、本発明のフィルム剥離装置を説明するのに先立って、本発明のフィルム剥離装置が用いられる、レンズの製造方法について説明する。
<レンズの製造方法>
図1は、本発明のフィルム剥離装置が用いられる、湾曲光学シートを備えるレンズの製造方法を説明するための模式図である。なお、以下では、説明の都合上、図1の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、湾曲光学シート10を備えるレンズ17の製造方法の各工程を詳述する。
[1]まず、全体形状が平板状をなす光学シート11を用意し、その後、光学シート11の両面に、光学シート11を保護する保護フィルム12(マスキングテープ)を貼付することで、光学シート11の両面に保護フィルム12が貼付された多層積層体16を得る(図1(a)参照)。
[2]次に、図1(b)に示すように、用意した多層積層体16を、すなわち、光学シート11の両面に保護フィルム12を貼付した状態で光学シート11を、その厚さ方向に打ち抜くことで、多層積層体16を平面視で円形状をなすものに個片化する。
[3]次に、図1(c)に示すように、円形状とされた、すなわち個片化された多層積層体16に対して、加熱下で熱曲げ加工を施すことで、多層積層体16を、一方の面側が湾曲凹面とされ、他方の面側が湾曲凸面とされた湾曲形状をなす湾曲多層積層体15とする。これにより、平板状をなす光学シート11が、両面に保護フィルム12が貼付された状態で、湾曲形状をなす湾曲光学シート10とされる。
なお、この熱曲げ加工は、通常、プレス成形または真空成形により実施される。
[4]次に、熱曲げがなされた湾曲光学シート10から、保護フィルム12を剥離させる。
[5]次に、図1(d)に示すように、湾曲形状とされた湾曲凹面を備える金型18に、金型18の湾曲凹面と湾曲光学シート10の湾曲凸面とが当接するようにして、湾曲光学シート10を吸着させた状態で、例えば、インサート射出成形法を用いて、この湾曲光学シート10の湾曲凹面に、樹脂材料を主材料として構成される樹脂層14を射出成形する。すなわち、溶融状態とされた樹脂層14の構成材料を、湾曲光学シート10の湾曲凹面に、接触させた状態で冷却して固化させることにより、湾曲光学シート10の湾曲凹面に、接着剤層等を介することなく、樹脂層14を、直接、接触させた状態で成形する。これにより、熱曲げがなされた湾曲光学シート10と、樹脂層14とを備えるレンズ17が製造される。
以上のような、湾曲光学シート10を備えるレンズ17の製造方法において、前記工程[4]における、湾曲光学シート10からの保護フィルム12の剥離に、本発明のフィルム剥離装置100が用いられる。以下、このフィルム剥離装置100の各実施形態について詳述する。
<フィルム剥離装置>
<<第1実施形態>>
図2は、本発明のフィルム剥離装置の第1実施形態の側面図である。なお、以下では、説明の都合上、図2中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言い、左側を「左」、右側を「右」と言う。
フィルム剥離装置100は、湾曲多層積層体15および湾曲光学シート10を搬送する搬送部20と、湾曲多層積層体15から保護フィルム12を剥離させる剥離部50とを備えている。
また、このフィルム剥離装置100において、搬送部20は、湾曲多層積層体15を剥離部50に搬送・供給する第1搬送部30と、剥離部50において湾曲多層積層体15から保護フィルム12が剥離された湾曲光学シート10を、剥離部50から受け取り・搬送する第2搬送部40とを有している。
第1搬送部30は、湾曲多層積層体15を搬送する搬送方向の剥離部50よりも上流側(左方向側)に配置され、湾曲多層積層体15を、剥離部50に搬送(供給)するためのものである。
この第1搬送部30は、図2に示すように、無端ベルトで構成されたベルト33と、ベルト33の長手方向における途中が接触して、掛け回されつつ回転するテンショナ31、32(テンションローラ)と、ベルト33の長手方向における途中が接触して、掛け回された誘導部材34とを有している。
テンショナ31、32は、それぞれ、外形形状が円柱状をなす、回転可能なローラである。また、ベルト33は、無端ベルトであり、テンショナ31、32に、その長手方向の途中が接触して、ベルト33に張力が掛かるように、掛け回されている。これにより、テンショナ31、32の回転に伴って、ベルト33を送り出すことができる。
なお、テンショナ31、32は、それぞれ、例えば、ステンレス鋼等のような金属材料で構成されている。
また、テンショナ31、32は、回動軸(中心軸)同士が同じ方向を向いており、互いに離間して配置されている。さらに、テンショナ31、32は、例えばフィルム剥離装置100全体を支持するフレーム(図示せず)に回動可能に支持されている。
これらテンショナ31、32のうちの少なくとも1つにモータ(図示せず)が接続されており、このモータの作動により、モータが接続されたテンショナ31、32が回転し、その結果、ベルト33が送り出さされる。これにより、ベルト33上に配置された湾曲多層積層体15が、搬送方向の下流側に移動し、最終的には、剥離部50に搬送(供給)される。
また、誘導部材34は、全体形状が平板状をなし、先端側で厚さが漸減している部材であり、その先端側が、後述する、第1剥離部60が備える第1回転ローラ67に対応して配置されている。これにより、ベルト33上に配置された湾曲多層積層体15の剥離部50への搬送を、円滑に実施することができる。
なお、モータに印加する電圧の大きさを変更することにより、ベルト33の送出し速度、ひいては湾曲多層積層体15の搬送速度を所望の大きさに設定することができる。
第2搬送部40は、搬送方向の剥離部50よりも下流側(右方向側)に配置され、剥離部50において湾曲多層積層体15から保護フィルム12が剥離された湾曲光学シート10を、剥離部50から受け取り、搬送するためのものである。
この第2搬送部40は、図2に示すように、無端ベルトで構成されたベルト43と、ベルト43の長手方向における途中が接触して、掛け回されつつ回転するテンショナ(テンションローラ)41、42と、ベルト43の長手方向における途中が接触して、掛け回された導出部材44とを有している。
テンショナ41、42は、それぞれ、外形形状が円柱状をなす、回転可能なローラである。また、ベルト43は、無端ベルトであり、テンショナ41、42に、その長手方向の途中が接触して、ベルト43に張力が掛かるように、掛け回されている。これにより、テンショナ41、42の回転に伴って、ベルト43を送り出すことができる。
なお、テンショナ41、42は、それぞれ、例えば、ステンレス鋼等のような金属材料で構成されている。
また、テンショナ41、42は、回動軸(中心軸)同士が同じ方向を向いており、互いに離間して配置されている。さらに、テンショナ41、42は、例えばフィルム剥離装置100全体を支持するフレーム(図示せず)に回動可能に支持されている。
これらテンショナ41、42のうちの少なくとも1つにモータ(図示せず)が接続されており、このモータの作動により、モータが接続されたテンショナ41、42が回転し、その結果、ベルト43が送り出さされる。これにより、剥離部50において湾曲多層積層体15から保護フィルム12が剥離された湾曲光学シート10が、剥離部50から、ベルト43上に配置されることで、湾曲光学シート10を受け取り、その後、この湾曲光学シート10が、搬送方向の下流側に搬送される。
また、導出部材44は、全体形状が平板状をなし、先端側で厚さが漸減している部材であり、その先端側が、後述する、第1剥離部60が備える第1回転ローラ67に対応して配置されている。これにより、保護フィルム12が剥離された湾曲光学シート10の剥離部50からベルト43上への受け取りを、円滑に実施することができる。
なお、モータに印加する電圧の大きさを変更することにより、ベルト43の送出し速度、ひいては湾曲多層積層体15の搬送速度を所望の大きさに設定することができる。
また、このフィルム剥離装置100において、剥離部50は、湾曲多層積層体15から湾曲凹面側(下面側)の保護フィルム12(第1フィルム)を剥離させる第1剥離部60と、湾曲多層積層体15から湾曲凸面側(上面側)の保護フィルム12(第2フィルム)を剥離させる第2剥離部70とを有している。
第1剥離部60は、搬送方向(左右方向)に直交する直交方向(上下方向)の湾曲凹面側(下面側)に位置され、湾曲光学シート10の湾曲凹面(下面)に貼付された保護フィルム12(第1フィルム)を、湾曲多層積層体15から剥離させるためのものである。
この第1剥離部60は、図2に示すように、搬送方向の上流側(左側)に位置し、粘着性を備える第1粘着シート80が巻回された第1巻出ローラ61と、搬送方向の下流側(右側)に位置し、第1粘着シート80を巻き取る(巻回する)第1巻取ローラ62と、搬送方向において第1巻出ローラ61と第1巻取ローラ62との間に位置し、第1粘着シート80の長手方向における途中が接触して、掛け回されつつ回転する第1回転ローラ67と、第1巻出ローラ61と第1巻取ローラ62との間に配置されたテンショナ(テンションローラ)63、64、65、66と、第1回転ローラ67を回動可能に支持する第1エアーシリンダ68とを有している。
なお、各ローラは、それぞれ、例えば、ステンレス鋼等のような金属材料で構成されている。また、これらのローラは、回動軸(中心軸)同士が同じ方向を向いており、互いに離間して配置されている。さらに、第1回転ローラ67を除く、各ローラは、例えばフィルム剥離装置100全体を支持するフレーム(図示せず)に回動可能に支持されている。
第1巻出ローラ61は、外形形状が円柱状をなし、第1粘着シート80の搬送方向最上流側に位置して、第1粘着シート80がロール状に巻回されており、この第1粘着シート80を搬送方向に送り出すローラである。
テンショナ63~66は、それぞれ、外形形状が円柱状をなし、第1巻出ローラ61と第1巻取ローラ62との間に配置され、第1粘着シート80の長手方向の途中が接触して、掛け回されつつ回転するローラである。これにより、第1粘着シート80に張力を掛けつつ、第1粘着シート80を送り出す方向を変更して搬送することができる。なお、テンショナ63~66のうちの少なくとも1つは、第1巻出ローラ61、第1巻取ローラ62および第1回転ローラ67が配置される位置によっては、その配置が省略されていてもよい。
第1回転ローラ67は、第1巻出ローラ61と第1巻取ローラ62との間、より詳しくは、テンショナ65とテンショナ66との間に配置され、第1粘着シート80の長手方向の途中が接触して、掛け回されつつ回転するローラである。そして、この第1粘着シート80が掛け回されて第1回転ローラ67が回転する際に、第1粘着シート80を介して湾曲多層積層体15に接触して、湾曲凹面側に位置する保護フィルム12を第1粘着シート80に転写させることで、湾曲多層積層体15から保護フィルム12を剥離させるためのものである。
この第1回転ローラ67は、外形形状が円柱状をなすもの、すなわち、ストレートロールであってもよいが、ローラ中心の直径が大きく、端部側へ向かって直径が漸減するクラウンロールであることが好ましい。これにより、後述する第2工程において、湾曲多層積層体15における、湾曲凹面側に位置する保護フィルム12に対する第1粘着シート80の貼付を確実に実施することができる。そのため、この保護フィルム12を湾曲光学シート10から、より円滑に剥離させることができる。
さらに、第1回転ローラ67は、その幅、すなわち、搬送方向(流れ方向(MD))に直交した垂直方向(TD)の長さTrと、湾曲多層積層体15のTDに沿った長さTbとの関係式Tb/Trが、2.0<Tb/Tr<7.0なる関係を満足するのが好ましく、3.0<Tb/Tr<6.0なる関係を満足するのがより好ましい。湾曲多層積層体15は、流れ方向(MD)に沿って湾曲するだけでなく、垂直方向(TD)に沿っても湾曲しているため、第1回転ローラ67として、関係式Tb/Trが前記範囲内に設定されているものを用いることにより、保護フィルム12を湾曲光学シート10から、より円滑に剥離させることができる。なお、このような関係は、湾曲多層積層体15の湾曲凹面に対応する第1回転ローラ67に適用することで、保護フィルム12を湾曲光学シート10から、より円滑に剥離させることができるが、湾曲多層積層体15の湾曲凸面に対応する第2回転ローラ77にも適用することもできる。
第1エアーシリンダ68は、第1回転ローラ67に対して、直交方向の湾曲凹面側(下面側)に位置して、第1回転ローラ67を回動可能に支持するとともに、その作動により、第1回転ローラ67を、直交方向に沿って移動させる、移動手段(第1移動手段)を構成している。これにより、第1エアーシリンダ68を作動させることで、直交方向に沿って第1回転ローラ67を移動させることが可能となる。そのため、直交方向において、第1回転ローラ67を、所望の位置に配置させることができる。
さらに、第1巻取ローラ62は、外形形状が円柱状をなし、第1粘着シート80の搬送方向最下流側に位置して、搬送方向上流側から送り出されてきた第1粘着シート80を巻取るローラである。この第1巻取ローラ62にモータ(図示せず)が接続されており、このモータの作動により、第1粘着シート80が搬送される。また、モータに印加する電圧の大きさを変更することにより、第1粘着シート80の搬送速度を変更することができる。
第2剥離部70は、直交方向(上下方向)の湾曲凸面側(上面側)に位置され、湾曲光学シート10の湾曲凸面(上面)に貼付された保護フィルム12(第2フィルム)を、湾曲多層積層体15から剥離させるためのものである。
この第2剥離部70は、図2に示すように、搬送方向の上流側(左側)に位置し、粘着性を備える第2粘着シート90が巻回された第2巻出ローラ71と、搬送方向の下流側(右側)に位置し、第2粘着シート90を巻き取る(巻回する)第2巻取ローラ72と、搬送方向において第2巻出ローラ71と第2巻取ローラ72との間に位置し、第2粘着シート90の長手方向における途中が接触して、掛け回されつつ回転する第2回転ローラ77と、第2巻出ローラ71と第2巻取ローラ72との間に配置されたテンショナ(テンションローラ)73、74、75、76と、第2回転ローラ77を回動可能に支持する第2エアーシリンダ78とを有している。
なお、各ローラは、それぞれ、例えば、ステンレス鋼等のような金属材料で構成されている。また、これらのローラは、回動軸(中心軸)同士が同じ方向を向いており、互いに離間して配置されている。さらに、第2回転ローラ77を除く、各ローラは、例えばフィルム剥離装置100全体を支持するフレーム(図示せず)に回動可能に支持されている。
第2巻出ローラ71は、外形形状が円柱状をなし、第2粘着シート90の搬送方向最上流側に位置して、第2粘着シート90がロール状に巻回されており、この第2粘着シート90を搬送方向に送り出すローラである。
テンショナ73~76は、それぞれ、外形形状が円柱状をなし、第2巻出ローラ71と第2巻取ローラ72との間に配置され、第2粘着シート90の長手方向の途中が接触して、掛け回されつつ回転するローラである。これにより、第2粘着シート90に張力を掛けつつ、第2粘着シート90を送り出す方向を変更して搬送することができる。なお、テンショナ73~76のうちの少なくとも1つは、第2巻出ローラ71、第2巻取ローラ72および第2回転ローラ77が配置される位置によっては、その配置が省略されていてもよい。
第2回転ローラ77は、第2巻出ローラ71と第2巻取ローラ72との間、より詳しくは、テンショナ75とテンショナ76との間に配置され、第2粘着シート90の長手方向の途中が接触して、掛け回されつつ回転するローラである。そして、この第2粘着シート90が掛け回されて第2回転ローラ77が回転する際に、第2粘着シート90を介して湾曲多層積層体15に接触して、湾曲凸面側に位置する保護フィルム12を第2粘着シート90に転写させることで、湾曲多層積層体15から保護フィルム12を剥離させるためのものである。
この第2回転ローラ77は、外形形状が円柱状をなすもの、すなわち、ストレートロールであってもよいが、ローラ中心の直径が大きく、端部側へ向かって直径が漸減するクラウンロールであることが好ましい。これにより、後述する第2工程において、湾曲多層積層体15における、湾曲凸面側に位置する保護フィルム12に対する第2粘着シート90の貼付を確実に実施することができる。そのため、この保護フィルム12を湾曲光学シート10から、より円滑に剥離させることができる。
第2エアーシリンダ78は、第2回転ローラ77に対して、直交方向(上下方向)の湾曲凸面側(上面側)に位置して、第2回転ローラ77を回動可能に支持するとともに、その作動により、第2回転ローラ77を、直交方向に沿って移動させる、移動手段(第2移動手段)を構成している。これにより、第2エアーシリンダ78を作動させることで、直交方向に沿って第2回転ローラ77を移動させることが可能となる。そのため、直交方向において、第2回転ローラ77を、所望の位置に配置させることができる。
さらに、第2巻取ローラ72は、外形形状が円柱状をなし、第2粘着シート90の搬送方向最下流側に位置して、搬送方向上流側から送り出されてきた第2粘着シート90を巻取るローラである。この第2巻取ローラ72にモータ(図示せず)が接続されており、このモータの作動により、第2粘着シート90が搬送される。また、モータに印加する電圧の大きさを変更することにより、第2粘着シート90の搬送速度を変更することができる。
また、上述したような構成をなしている第1剥離部60と第2剥離部70とにおいて、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とは、本実施形態では、第1回転ローラ67の直交方向に沿った中心軸と、第2回転ローラ77の直交方向に沿った中心軸とが、搬送方向において重なる位置に配置されている。これにより、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とを、それぞれ、第1エアーシリンダ68と第2エアーシリンダ78との作動により、同一の中心軸上に沿って、直交方向(上下方向)に移動させることができる。
以上のようなフィルム剥離装置100を用いて、湾曲多層積層体15から保護フィルム12が剥離された、湾曲光学シート10を得ることができる。
以下、フィルム剥離装置100を用いて、湾曲多層積層体15から保護フィルム12を剥離する方法について、順次説明する。
(フィルム剥離装置を用いた保護フィルムの剥離方法)
図3は、図2に示すフィルム剥離装置を用いて保護フィルムが剥離される湾曲多層積層体の一例を示す図((a):平面図、(b):側面図)、図4、図5は、図2に示すフィルム剥離装置を用いて保護フィルムを剥離する剥離方法を説明するための側面図である。なお、以下では、説明の都合上、図3(a)中の紙面手前側、図3(b)、図4、図5中の上側を「上」または「上方」、図3(a)中の紙面奥側、図3(b)、図4、図5中の下側を「下」または「下方」と言い、図3~図5中の左側を「左」、図3~図5中の右側を「右」と言う。
なお、以下では、湾曲多層積層体15において、保護フィルム12で両面が保護された湾曲光学シート10は、一方の面側を湾曲凹面とし他方の面側を湾曲凸面とする湾曲状態とされた湾曲樹脂基板であれば特に限定されないが、以下では、図3に示すように、その平面視形状がほぼ円形状をなしているもの、より詳しくは、対向する2つの短辺が直線をなし、対向する2つの長辺が円弧をなすものである。そして、この湾曲多層積層体15を、湾曲凹面をフィルム剥離装置100の第1搬送部30が備えるベルト33側とし、さらに、ベルト33の搬送方向に、直線をなす前記短辺が沿うように、ベルト33上に配置させて、湾曲多層積層体15から保護フィルム12を剥離させる場合を、一例に説明する。
このフィルム剥離装置100を用いた保護フィルム12の剥離方法は、本実施形態では、第1搬送部30が備えるベルト33上に配置された湾曲多層積層体15を、剥離部50に搬送・供給する第1工程と、剥離部50において、第1搬送部30から搬送された湾曲多層積層体15を、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで挟持しつつ、第2搬送部40側に送り出すことで、湾曲多層積層体15から保護フィルム12を剥離することで湾曲光学シート10を得る第2の工程と、剥離部50で得られた湾曲光学シート10を、第2搬送部40が備えるベルト43上に配置させることで、剥離部50から受け取り・搬送する第3工程とを有する。
以下、フィルム剥離装置100を用いた保護フィルム12の剥離方法の各工程について、順次、説明する。
(第1工程)
まず、第1搬送部30が備えるベルト33上に配置された湾曲多層積層体15を、剥離部50に搬送・供給する。
(1A-1)まず、第1搬送部30が備えるベルト33上に、湾曲多層積層体15を、配置する。なお、このとき、湾曲多層積層体15の湾曲凹面をベルト33側とし、さらに、ベルト33の搬送方向に、湾曲多層積層体15の直線をなす短辺が沿うように、湾曲多層積層体15をベルト33上に配置する(図3参照)。
また、これとは別に、第1粘着シート80が予め巻回された第1巻出ローラ61から、第1粘着シート80を、その巻出し方向に沿ってテンショナ63~66および第1回転ローラ67にその途中が接触するように巻出し、その先端を第1巻取ローラ62に装着する。さらに、第2粘着シート90が予め巻回された第2巻出ローラ71から、第2粘着シート90を、その巻出し方向に沿ってテンショナ73~76および第2回転ローラ77にその途中が接触するように巻出し、その先端を第2巻取ローラ72に装着する。
そして、第1搬送部30、第1剥離部60および第2剥離部70が、それぞれ備える各モータの作動により、ベルト33上の湾曲多層積層体15を、搬送方向に搬送させるとともに、第1粘着シート80および第2粘着シート90を、それぞれ、第1回転ローラ67および第2回転ローラ77に掛け回しつつ、第1巻取ローラ62および第2巻取ローラ72に送り出す。
(1A-2)次いで、ベルト33上で湾曲多層積層体15を、搬送方向の下流側に搬送させることで、搬送方向側の第1搬送部30の先端から、その先端部を突出させる。そして、図4(a)に示すように、テンショナ65と第1回転ローラ67との間の第1粘着シート80に、湾曲多層積層体15の先端部を接触させることで、湾曲多層積層体15を、第1搬送部30から剥離部50に供給する。
この湾曲多層積層体15の先端部の第1粘着シート80に対する接触に先立って、第1回転ローラ67は、図4(a)に示すように、第1搬送部30が備える誘導部材34に対して、その頂部が直交方向(上下方向)の湾曲凸面側(上面側)に配置されている。また、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との離間距離は、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで湾曲多層積層体15を挟持する挟持距離の大きさよりも大きく設定されている。
そして、上記の通り、第1粘着シート80に湾曲多層積層体15が接触したとき、第1エアーシリンダ68を作動させることで、第1回転ローラ67を、湾曲凸面側(上側)へ直交方向に沿って移動させる。これにより、後工程(2A-2)において、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との間に、湾曲多層積層体15を供給する際に、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との離間距離を、前記挟持距離となる位置に、第1回転ローラ67を移動させることができる。
このような工程(1A-1)、工程(1A-2)を経ることで、湾曲多層積層体15が剥離部50に搬送・供給される。
(第2工程)
次に、剥離部50において、第1搬送部30から搬送された湾曲多層積層体15を、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで挟持しつつ、第2搬送部40側に送り出すことで、湾曲多層積層体15から保護フィルム12を剥離することで湾曲光学シート10を得る。
(2A-1)まず、湾曲多層積層体15の先端部が第1粘着シート80に接触することで接着した湾曲多層積層体15を、第1粘着シート80の送り出しにより、湾曲多層積層体15の先端部を、搬送方向において、第1回転ローラ67に対応する位置まで移動させる。
このとき、前記工程(1A-2)で記載の通り、第1エアーシリンダ68の作動により、第1回転ローラ67は、湾曲凸面側(上側)へ直交方向に沿って移動している。
したがって、本工程(2A-1)において、湾曲多層積層体15は、第1粘着シート80の送り出し、および、第1回転ローラ67の移動に伴って、搬送方向の下流側と、直交方向の湾曲凸面側(上側)との双方に向かって移動する。
(2A-2)次いで、搬送方向(左右方向)の下流側において、図4(b)に示すように、第1回転ローラ67に対応する位置まで、湾曲多層積層体15の先端部が移動(到達)した際に、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで、湾曲多層積層体15の先端部を挟持する。
ここで、第1回転ローラ67に対応する位置まで、湾曲多層積層体15の先端部が到達したとき、第1回転ローラ67の湾曲凸面側(上側)への移動により、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との離間距離が、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで湾曲多層積層体15が挟持される挟持距離の大きさとなるように設定されている。そのため、第1回転ローラ67に対応する位置への、湾曲多層積層体15の先端部の到達と、ほぼ同時に、湾曲多層積層体15の先端部を、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで挟持することができる。
また、この挟持距離は、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との間で、第1粘着シート80と、湾曲多層積層体15と、第2粘着シート90とを、圧縮し得る程度の大きさに設定されている。そのため、この圧縮により、湾曲多層積層体15の湾曲凹面側に位置する保護フィルム12を、第1粘着シート80に貼付し、さらに、湾曲多層積層体15の湾曲凸面側に位置する保護フィルム12を、第2粘着シート90に貼付することができる。すなわち、第1回転ローラ67および第2回転ローラ77は、それぞれ、第1粘着シート80と、湾曲多層積層体15と、第2粘着シート90とを圧縮することで、湾曲多層積層体15の湾曲凹面側に位置する保護フィルム12を、第1粘着シート80に貼付し、さらに、湾曲多層積層体15の湾曲凸面側に位置する保護フィルム12を、第2粘着シート90に貼付する圧縮ローラとしての機能も発揮する。
さらに、この挟持距離で、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで、湾曲多層積層体15の先端部を挟持するとき、本実施形態では、直交方向(上下方向)における第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との配置位置は、湾曲多層積層体15の先端部における接線が、搬送方向に対してほぼ平行となる位置に設定されている。これにより、第1回転ローラ67の直交方向に沿った中心軸と、第2回転ローラ77の直交方向に沿った中心軸とが搬送方向において重なる位置に配置されている、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との双方に対して、湾曲多層積層体15の先端部がほぼ平行をなした状態を維持して、湾曲多層積層体15の先端部が第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで挟持されることとなる。したがって、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との挟持により、湾曲多層積層体15の湾曲凹面側に位置する保護フィルム12を、第1粘着シート80に確実に貼付し、さらに、湾曲多層積層体15の湾曲凸面側に位置する保護フィルム12を、第2粘着シート90に確実に貼付することができる。すなわち、湾曲多層積層体15の先端部における、湾曲凹面側に位置する保護フィルム12に対する第1粘着シート80の貼付と、湾曲凸面側に位置する保護フィルム12に対する第2粘着シート90の貼付とにより、双方の保護フィルム12を、湾曲光学シート10から剥離させる起点を確実に形成することができる。そのため、次工程(2A-3)において、湾曲多層積層体15の先端部における起点から、双方の保護フィルム12を確実に剥離させ得ることから、湾曲光学シート10が湾曲凹面と湾曲凸面とを有する湾曲基板であったとしても、湾曲光学シート10から円滑に保護フィルム12を剥離させることができる。
なお、本実施形態では、湾曲多層積層体15の先端部の第1粘着シート80に対する接触に先立って、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との離間距離を、前記挟持距離の大きさよりも大きく設定し、そして、前記接触の後に、第1回転ローラ67を、湾曲凸面側(上側)へ直交方向に沿って移動させことで、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との間に、湾曲多層積層体15を供給する際に、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との離間距離が、前記挟持距離となる位置に、第1回転ローラ67を移動させることとしたが、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との間に、湾曲多層積層体15を供給するまでの第1回転ローラ67および第2回転ローラ77の動作は、上記の場合に限らず、例えば、以下のようにすることもできる。すなわち、湾曲多層積層体15の先端部の第1粘着シート80に対する接触に先立って、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との離間距離を、前記挟持距離の大きさに設定し、そして、前記接触の後に、第1回転ローラ67および第2回転ローラ77を、湾曲凸面側(上側)へ直交方向に沿って移動させことで、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との間への湾曲多層積層体15の供給時においても、前記離間距離が前記挟持距離を維持するように設定されていてもよい。
(2A-3)次いで、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで挟持された湾曲多層積層体15の先端部を、第1回転ローラ67および第2回転ローラ77の回転により、図3(c)に示すように、搬送方向(左右方向)の下流側に送り出す。すなわち、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで挟持された湾曲多層積層体15を、先端部から基端部に向かって、搬送方向に沿って連続的に送り出す。
ここで、第1回転ローラ67は、この第1回転ローラ67に掛け回された第1粘着シート80の送り出しに伴って回転しており、また、第2回転ローラ77は、この第2回転ローラ77に掛け回された第2粘着シート90の送り出しに伴って回転している。そして、前記工程(2A-2)において、湾曲多層積層体15の先端部に対応する位置における、湾曲凹面側の保護フィルム12が第1粘着シート80に貼付し、湾曲凸面側の保護フィルム12が第2粘着シート90に貼付している。そのため、第1粘着シート80および第2粘着シート90の送り出しに伴って、湾曲多層積層体15の先端部に対応する位置において、双方の面側の保護フィルム12は、湾曲多層積層体15から剥離される。
したがって、先端部から基端部に向かった、湾曲多層積層体15の搬送方向に沿った送り出しにより、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とによる湾曲多層積層体15の挟持と、第1粘着シート80と第2粘着シート90とによる保護フィルム12の剥離とが、連続的に実施される。すなわち、先端部から基端部に向かった湾曲多層積層体15の連続的な送り出しにより、湾曲光学シート10からの第1粘着シート80による湾曲凹面側の保護フィルム12(第1フィルム)の剥離と、湾曲光学シート10からの第2粘着シート90による湾曲凸面側の保護フィルム12(第2フィルム)の剥離とを、連続的に実施することができる。
(2A-4)次いで、第1回転ローラ67および第2回転ローラ77の回転による、湾曲多層積層体15の搬送方向の下流側への送り出しを、図3(d)に示すように、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで挟持される位置が、湾曲多層積層体15の基端部に到達するまで、連続的に実施する。
ここで、第1回転ローラ67および第2回転ローラ77の回転による、湾曲多層積層体15の搬送方向の下流側への連続的な送り出しにより、前記工程(2A-3)で説明した通り、湾曲光学シート10からの第1粘着シート80による湾曲凹面側の保護フィルム12(第1フィルム)の剥離と、湾曲光学シート10からの第2粘着シート90による湾曲凸面側の保護フィルム12(第2フィルム)の剥離とを、連続的に実施することができる。
したがって、第1回転ローラ67および第2回転ローラ77の回転による、湾曲多層積層体15の搬送方向の下流側への連続的な送り出しを、湾曲多層積層体15の基端部に到達するまで実施することで、湾曲光学シート10からの双方の保護フィルム12の剥離を、湾曲多層積層体15の先端部から基端部に至るまで、すなわち湾曲多層積層体15の全面に至って実施することができる。よって、この湾曲多層積層体15の送り出しにより、湾曲多層積層体15から保護フィルム12が剥離された湾曲光学シート10を得ることができる。
このような工程(2A-1)~工程(2A-4)を経ることで、湾曲多層積層体15から保護フィルム12が剥離された湾曲光学シート10を得ることができる。
(第3工程)
次に、剥離部50で得られた湾曲光学シート10を、第2搬送部40が備えるベルト43上に配置させることで、剥離部50から受け取り・搬送する。
(3A-1)まず、剥離部50において、保護フィルム12を剥離させることで得られた湾曲光学シート10の先端部を、図4(d)に示すように、搬送方向の上流側に位置する、第2搬送部40の導出部材44側におけるベルト43上に接触させる。
このとき、第2搬送部40が備えるモータの作動により、無端ベルトからなるベルト43は、テンショナ41、42および導出部材44に掛け回されて回転している。そのため、湾曲光学シート10の先端部がベルト43上に接触すると、湾曲光学シート10の先端部は、ベルト43の移動に伴い、第2搬送部40の搬送方向側に引き込まれ、最終的には、湾曲光学シート10の全体がベルト43上に配置され、これにより、剥離部50からの第2搬送部40による湾曲光学シート10の受け取りが完了する。
る。
なお、湾曲光学シート10の先端部がベルト43上に接触するとき、第1回転ローラ67は、図5(b)に示すように、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで湾曲多層積層体15を挟持する挟持距離となる位置に配置されているが、ベルト43の移動に伴う、第2搬送部40の搬送方向側への湾曲光学シート10の引き込みに応じて、直交方向の湾曲凹面側(下側)への第1回転ローラ67の移動を、実施してもよいし、実施しなくてもよい。
(3A-2)次いで、第2搬送部40が備えるベルト43上に、配置された湾曲光学シート10を、ベルト43上において、搬送方向に沿って搬送する。
そして、ベルト43上で搬送されている湾曲光学シート10を、手やピックアップ装置等を用いてピックアップすることで、フィルム剥離装置100を用いた保護フィルムの剥離方法が完了する。
このような工程(3A-1)、工程(3A-2)を経ることで、湾曲光学シート10が、剥離部50から第2搬送部40により受け取られ、その後、第2搬送部40により搬送される。
以上のような、フィルム剥離装置100を用いた、第1工程~第3工程を経ることで、湾曲多層積層体15から保護フィルム12が剥離された湾曲光学シート10を円滑に得ることができる。
また、フィルム剥離装置100は、前述したような第1実施形態の構成のものの他、以下に示すような第2実施形態の構成のものとしても、保護フィルム12が剥離された湾曲光学シート10を得ることができる。
<第2実施形態>
図6は、本発明のフィルム剥離装置の第2実施形態の側面図である。なお、以下では、説明の都合上、図6中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言い、左側を「左」、右側を「右」と言う。
以下、図6に示す第2実施形態のフィルム剥離装置100について説明するが、図2に示す第1実施形態のフィルム剥離装置100との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図6に示すフィルム剥離装置100では、剥離部50が備える第1剥離部60および第2剥離部70の構成が異なること以外は、図2に示したフィルム剥離装置100と同様である。
すなわち、第1剥離部60は、第1エアーシリンダ68を、搬送方向の上流側と下流側との双方に沿って移動させるアクチュエータ(図示せず)を備えており、このアクチュエータと第1エアーシリンダ68とにより、搬送方向と直交方向とに独立して移動させる、移動手段(第1移動手段)を構成している。これにより、第1エアーシリンダ68を作動させることで、直交方向に沿って第1回転ローラ67を移動させることが可能となる。そのため、直交方向において、第1回転ローラ67を、所望の位置に配置させることができる。また、第1エアーシリンダ68に接続されたアクチュエータを作動させることで、搬送方向に沿って、その上流側と下流側とに、第1エアーシリンダ68ひいては第1回転ローラ67を移動させることが可能となる。そのため、搬送方向において、第1回転ローラ67を、所望の位置に配置させることができる。
また、第2剥離部70は、第2エアーシリンダ78を、搬送方向の上流側と下流側との双方に沿って移動させるアクチュエータ(図示せず)を備えており、このアクチュエータと第2エアーシリンダ78とにより、搬送方向と直交方向とに独立して移動させる、移動手段(第2移動手段)を構成している。これにより、第2エアーシリンダ78を作動させることで、直交方向に沿って第2回転ローラ77を移動させることが可能となる。そのため、直交方向において、第2回転ローラ77を、所望の位置に配置させることができる。また、第2エアーシリンダ78に接続されたアクチュエータを作動させることで、搬送方向に沿って、その上流側と下流側とに、第2エアーシリンダ78ひいては第2回転ローラ77を移動させることが可能となる。そのため、搬送方向において、第2回転ローラ77を、所望の位置に配置させることができる。
したがって、本実施形態では、第1移動手段および第2移動手段の作動により、フィルム剥離装置100において、第1剥離部60が備える第1回転ローラ67と、第2剥離部70が備える第2回転ローラ77とを、それぞれ、直交方向に独立して移動させつつ、図6に示すように、第1回転ローラ67の直交方向に沿った中心軸と、第2回転ローラ77の直交方向に沿った中心軸とが、搬送方向において重ならない位置に配置させることができる。
以上のようなフィルム剥離装置100を用いて、本実施形態では、以下に示すような、フィルム剥離装置100を用いた保護フィルム12の剥離方法を適用することで、湾曲多層積層体15から保護フィルム12が剥離された、湾曲光学シート10を得ることができる。
(フィルム剥離装置を用いた保護フィルムの剥離方法)
図7、図8は、図6に示すフィルム剥離装置を用いて保護フィルムを剥離する剥離方法を説明するための側面図である。なお、以下では、説明の都合上、図3(a)中の紙面手前側、図3(b)、図7、図8中の上側を「上」または「上方」、図3(a)中の紙面奥側、図3(b)、図7、図8中の下側を「下」または「下方」と言い、図3~図8中の左側を「左」、図3~図8中の右側を「右」と言う。
このフィルム剥離装置100を用いた保護フィルム12の剥離方法は、本実施形態においても同様に、第1搬送部30が備えるベルト33上に配置された湾曲多層積層体15を、剥離部50に搬送・供給する第1工程と、剥離部50において、第1搬送部30から搬送された湾曲多層積層体15を、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで挟持しつつ、第2搬送部40側に送り出すことで、湾曲多層積層体15から保護フィルム12を剥離することで湾曲光学シート10を得る第2の工程と、剥離部50で得られた湾曲光学シート10を、第2搬送部40が備えるベルト43上に配置させることで、剥離部50から受け取り・搬送する第3工程とを有する。
以下、本実施形態のフィルム剥離装置100を用いた保護フィルム12の剥離方法の各工程について、順次、説明する。
(第1工程)
まず、第1搬送部30が備えるベルト33上に配置された湾曲多層積層体15を、剥離部50に搬送・供給する。
(1B-1)まず、前記工程(1A-1)と同様にして、第1搬送部30が備えるベルト33上に、湾曲多層積層体15を、配置する。
(1B-2)次いで、ベルト33上で湾曲多層積層体15を、搬送方向の下流側に搬送させることで、搬送方向側の第1搬送部30の先端から、その先端部を突出させる。そして、図7(a)に示すように、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との間に、湾曲多層積層体15の先端部を挿入させることで、湾曲多層積層体15を、第1搬送部30から剥離部50に供給する。
この湾曲多層積層体15の先端部の第1粘着シート80に対する接触に先立って、第1回転ローラ67は、図7(a)に示すように、第1搬送部30が備える誘導部材34に対して、その頂部が直交方向(上下方向)において、ほぼ一致する位置(高さ)に配置されている。
また、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とは、第2回転ローラ77の直交方向に沿った中心軸が、第1回転ローラ67の直交方向に沿った中心軸に対して、搬送方向において下流側に位置する第1の位置に配置されている。さらに、この第1の位置において、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との離間距離は、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで湾曲多層積層体15を挟持する挟持距離の大きさに設定されている。
上記の通りにして、湾曲多層積層体15の先端部の第1粘着シート80に対する接触に先立って、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とを、前記第1の位置に配置させることで、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との間に、湾曲多層積層体15の先端部を、これら同士で挟持した状態で挿入させることができる。
このような工程(1B-1)、工程(1B-2)を経ることで、湾曲多層積層体15が剥離部50に搬送・供給される。
(第2工程)
次に、剥離部50において、第1搬送部30から搬送された湾曲多層積層体15を、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで挟持しつつ、第2搬送部40側に送り出すことで、湾曲多層積層体15から保護フィルム12を剥離することで湾曲光学シート10を得る。
(2B-1)まず、前記工程(1B-2)で説明した通り、第1搬送部30から搬送されてきた、湾曲多層積層体15を、搬送方向(左右方向)の下流側に位置する剥離部50において、図7(a)に示すように、第1回転ローラ67および第2回転ローラ77に対応する位置まで、その先端部が移動(到達)した際に、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで、湾曲多層積層体15の先端部を挟持する。
ここで、この第1の位置において、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との離間距離は、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで湾曲多層積層体15を挟持する挟持距離の大きさに設定されている。そのため、第1回転ローラ67および第2回転ローラ77に対応する位置への、湾曲多層積層体15の先端部の到達と、ほぼ同時に、湾曲多層積層体15の先端部を、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで挟持することができる。
また、この挟持距離は、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との間で、第1粘着シート80と、湾曲多層積層体15と、第2粘着シート90とを、圧縮し得る程度の大きさに設定されている。そのため、この圧縮により、湾曲多層積層体15の湾曲凹面側に位置する保護フィルム12を、第1粘着シート80に貼付し、さらに、湾曲多層積層体15の湾曲凸面側に位置する保護フィルム12を、第2粘着シート90に貼付することができる。
さらに、この挟持距離で、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで、湾曲多層積層体15の先端部を挟持するとき、本実施形態では、搬送方向における第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との配置位置は、湾曲多層積層体15の先端部における接線が、第1回転ローラ67の中心と第2回転ローラ77の中心との双方を通過する中心軸が交わる位置における第1回転ローラ67および第2回転ローラ77の接線に対して、ほぼ平行となる位置に設定されている。これにより、第2回転ローラ77の直交方向に沿った中心軸が、第1回転ローラ67の直交方向に沿った中心軸が、搬送方向において下流側に位置する第1の位置に配置されている、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との双方に対して、湾曲多層積層体15の先端部がほぼ平行をなした状態を維持して、湾曲多層積層体15の先端部が第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで挟持されることとなる。したがって、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との挟持により、湾曲多層積層体15の湾曲凹面側に位置する保護フィルム12を、第1粘着シート80に確実に貼付し、さらに、湾曲多層積層体15の湾曲凸面側に位置する保護フィルム12を、第2粘着シート90に確実に貼付することができる。すなわち、湾曲多層積層体15の先端部における、湾曲凹面側に位置する保護フィルム12に対する第1粘着シート80の貼付と、湾曲凸面側に位置する保護フィルム12に対する第2粘着シート90の貼付とにより、双方の保護フィルム12を、湾曲光学シート10から剥離させる起点を確実に形成することができる。
(2B-2)次いで、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで挟持された湾曲多層積層体15の先端部を、第1回転ローラ67および第2回転ローラ77の回転により、図7(b)に示すように、搬送方向の下流側に送り出す。すなわち、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで挟持された湾曲多層積層体15を、先端部から基端部に向かって、搬送方向に沿って連続的に送り出す。
ここで、第1回転ローラ67は、この第1回転ローラ67に掛け回された第1粘着シート80の送り出しに伴って回転しており、また、第2回転ローラ77は、この第2回転ローラ77に掛け回された第2粘着シート90の送り出しに伴って回転している。そして、前記工程(2B-1)において、湾曲多層積層体15の先端部に対応する位置における、湾曲凹面側の保護フィルム12が第1粘着シート80に貼付し、湾曲凸面側の保護フィルム12が第2粘着シート90に貼付している。そのため、第1粘着シート80および第2粘着シート90の送り出しに伴って、湾曲多層積層体15の先端部に対応する位置において、双方の面側の保護フィルム12は、湾曲多層積層体15から剥離される。
したがって、先端部から基端部に向かった、湾曲多層積層体15の搬送方向に沿った送り出しにより、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とによる湾曲多層積層体15の挟持と、第1粘着シート80と第2粘着シート90とによる保護フィルム12の剥離とが、連続的に実施される。すなわち、先端部から基端部に向かった湾曲多層積層体15の連続的な送り出しにより、湾曲光学シート10からの第1粘着シート80による湾曲凹面側の保護フィルム12(第1フィルム)の剥離と、湾曲光学シート10からの第2粘着シート90による湾曲凸面側の保護フィルム12(第2フィルム)の剥離とを、連続的に実施することができる。
(2B-3)次いで、第1回転ローラ67および第2回転ローラ77の回転による、湾曲多層積層体15の搬送方向の下流側への送り出しを、図7(b)~図8(b)に示すように、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで挟持される位置が、湾曲多層積層体15の基端部に到達するまで、連続的に実施する。
ここで、第1回転ローラ67および第2回転ローラ77の回転による、湾曲多層積層体15の搬送方向の下流側への連続的な送り出しにより、前記工程(2B-3)で説明した通り、湾曲光学シート10からの第1粘着シート80による湾曲凹面側の保護フィルム12(第1フィルム)の剥離と、湾曲光学シート10からの第2粘着シート90による湾曲凸面側の保護フィルム12(第2フィルム)の剥離とを、連続的に実施することができる。
したがって、第1回転ローラ67および第2回転ローラ77の回転による、湾曲多層積層体15の搬送方向(左右方向)の下流側への連続的な送り出しを、湾曲多層積層体15の基端部に到達するまで実施することで、湾曲光学シート10からの双方の保護フィルム12の剥離を、湾曲多層積層体15の先端部から基端部に至るまで、すなわち湾曲多層積層体15の全面に至って実施することができる。よって、この湾曲多層積層体15の送り出しにより、湾曲多層積層体15から保護フィルム12が剥離された湾曲光学シート10を得ることができる。
また、本実施形態では、前記工程(2B-1)において、湾曲多層積層体15の先端部を、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで挟持した際には、前述の通り、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とは、第2回転ローラ77の直交方向に沿った中心軸が、第1回転ローラ67の直交方向に沿った中心軸に対して、搬送方向において下流側に位置する第1の位置に配置されている。これに対して、前記工程(2B-2)から本工程(2B-3)において、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで挟持される位置を、湾曲多層積層体15の先端部から基端部まで変化させて、湾曲多層積層体15を、搬送方向の下流側へ連続的に送り出す際には、第2移動手段による作動により、第2回転ローラ77は、図7(a)、図7(b)に示す前記第1位置から、図7(c)に示す、第2回転ローラ77の直交方向に沿った中心軸と、第1回転ローラ67の直交方向に沿った中心軸とが、搬送方向において重なる第2位置を通過して、図8(d)、図8(e)に示す、第2回転ローラ77の直交方向に沿った中心軸が、第1回転ローラ67の直交方向に沿った中心軸よりも、搬送方向の上流側に位置する第3位置まで、連続的に移動し得るように構成されている。
そして、前記工程(2B-2)から本工程(2B-3)における、第2回転ローラ77の前記第1の位置から前記第3の位置への連続的な移動の際に、第2回転ローラ77が、前記第1位置から前記第2位置まで移動する間、第1回転ローラ67および第2回転ローラ77は、それぞれ、第1移動手段および第2移動手段の作動により、湾曲凸面側(上側)へ直交方向に沿って移動する。その後、第2回転ローラ77が、前記第2位置から前記第3位置まで移動する間、第1回転ローラ67および第2回転ローラ77は、それぞれ、第1移動手段および第2移動手段の作動により、湾曲凹面側(下側)へ直交方向に沿って移動する。第2回転ローラ77が第1の位置から第3の位置まで搬送方向に連続的に移動する際に、第1回転ローラ67および第2回転ローラ77を、このように直交方向に対して移動させることで、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との離間距離を、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とで湾曲多層積層体15を挟持する挟持距離の大きさに、確実に維持することができる。
また、前記工程(2B-2)から本工程(2B-3)における、第2回転ローラ77の搬送方向に沿った第1の位置から第3の位置への移動、さらには、この第1の位置から第3の位置への移動に対応した、第1回転ローラ67および第2回転ローラ77の直交方向に沿った移動により、
湾曲多層積層体15の先端部から基端部に至るまで、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77との間に、湾曲多層積層体15が挟持されている際、すなわち、第1回転ローラ67と第2回転ローラ77とによる湾曲光学シート10からの保護フィルム12の剥離の開始から終了までの間、湾曲多層積層体15の先端部と基端部とを結ぶ直線を、搬送方向に対してほぼ平行に設定することができる。そのため、第1搬送部30から剥離部50への湾曲多層積層体15の供給、剥離部50における湾曲光学シート10からの保護フィルム12の剥離、さらには、第2搬送部40による剥離部50からの湾曲光学シート10の受け取りを、より円滑に実施することができる。
このような工程(2B-1)~工程(2B-3)を経ることで、湾曲多層積層体15から保護フィルム12が剥離された湾曲光学シート10を得ることができる。
(第3工程)
次に、剥離部50で得られた湾曲光学シート10を、第2搬送部40が備えるベルト43上に配置させることで、剥離部50から受け取り・搬送する。
(3B-1)まず、前記工程(3A-1)と同様にして、湾曲光学シート10の先端部を、図8(d)に示すように、搬送方向の上流側に位置する、第2搬送部40の導出部材44側におけるベルト43上に接触させる。
(3B-2)次いで、前記工程(3A-2)と同様にして、第2搬送部40が備えるベルト43上に、配置された湾曲光学シート10を、ベルト43上において、搬送方向に沿って搬送する。
そして、ベルト43上で搬送されている湾曲光学シート10を、手やピックアップ装置等を用いてピックアップすることで、フィルム剥離装置100を用いた保護フィルムの剥離方法が完了する。
このような工程(3B-1)、工程(3B-2)を経ることで、湾曲光学シート10が、剥離部50から第2搬送部40により受け取られ、その後、第2搬送部40により搬送される。
以上のような、フィルム剥離装置100を用いた、第1工程~第3工程を経ることで、湾曲多層積層体15から保護フィルム12が剥離された湾曲光学シート10を円滑に得ることができる。
なお、前記第1実施形態および第2実施形態では、それぞれ、湾曲光学シート10の湾曲凹面と湾曲凸面との双方が保護フィルム12で被覆(保護)された湾曲多層積層体15から、フィルム剥離装置100を用いて、双方の保護フィルム12を剥離させる場合について説明したが、湾曲凹面を保護する保護フィルム12(第1フィルム)および湾曲凸面を保護する保護フィルム12(第2フィルム)のうちのいずれか一方を、単独で剥離させてもよい。
これらのうち、湾曲凹面を保護する保護フィルム12(第1フィルム)を、湾曲光学シート10から単独で剥離させる場合には、例えば、以下のようにすることで、実施することが可能である。
すなわち、第2巻出ローラ71に巻回され、第2回転ローラ77に掛け回された後に、第2巻取ローラ72に巻き取られる第2粘着シート90に代えて、粘着性を有しない非粘着シートを用いることで、保護フィルム12(第1フィルム)を、単独で剥離させることができる。
また、これとは別に、フィルム剥離装置100として、剥離部50が、第2剥離部70を有しておらず、第1剥離部60を単独で有し、さらに第1剥離部60が、上記の構成の他、さらに、第2回転ローラ77および第2エアーシリンダ78を備える構成をなすものを用いることによっても、保護フィルム12(第1フィルム)を、単独で剥離させることができる。
なお、湾曲凹面を保護する保護フィルム12(第1フィルム)を単独で剥離させる場合、湾曲多層積層体15は、湾曲凸面を保護する保護フィルム12(第2フィルム)を有していても、有していなくてもいずれであってもよい。
これに対して、湾曲凸面を保護する保護フィルム12(第2フィルム)を、湾曲光学シート10から単独で剥離させる場合には、例えば、以下のようにすることで、実施することが可能である。
すなわち、第1巻出ローラ61に巻回され、第1回転ローラ67に掛け回された後に、第1巻取ローラ62に巻き取られる第1粘着シート80に代えて、粘着性を有しない非粘着シートを用いることで、保護フィルム12(第2フィルム)を、単独で剥離させることができる。
また、これとは別に、フィルム剥離装置100として、剥離部50が、第1剥離部60を有しておらず、第2剥離部70を単独で有し、さらに第2剥離部70が、上記の構成の他、さらに、第1回転ローラ67および第1エアーシリンダ68を備える構成をなすものを用いることによっても、保護フィルム12(第2フィルム)を、単独で剥離させることができる。
なお、湾曲凹面を保護する保護フィルム12(第2フィルム)を単独で剥離させる場合、湾曲多層積層体15は、湾曲凸面を保護する保護フィルム12(第1フィルム)を有していても、有していなくてもいずれであってもよい。
以上、本発明のフィルム剥離装置について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、フィルム剥離装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
なお、前記実施形態では、第1回転ローラ67および第2回転ローラ77を、直交方向に沿って移動させる、移動手段として、それぞれ、第1エアーシリンダ68および第2エアーシリンダ78を、フィルム剥離装置100が備える場合について説明したが、移動手段としては、これに限定されず、第1回転ローラ67および第2回転ローラ77を、より優れた精度で位置決めする場合には、アクチュエータ等で構成されていてもよい。
10 湾曲光学シート
11 光学シート
12 保護フィルム
14 樹脂層
15 湾曲多層積層体
16 多層積層体
17 レンズ
18 金型
20 搬送部
30 第1搬送部
31 テンショナ
32 テンショナ
33 ベルト
34 誘導部材
40 第2搬送部
41 テンショナ
42 テンショナ
43 ベルト
44 導出部材
50 剥離部
60 第1剥離部
61 第1巻出ローラ
62 第1巻取ローラ
63 テンショナ
64 テンショナ
65 テンショナ
66 テンショナ
67 第1回転ローラ
68 第1エアーシリンダ
70 第2剥離部
71 第2巻出ローラ
72 第2巻取ローラ
73 テンショナ
74 テンショナ
75 テンショナ
76 テンショナ
77 第2回転ローラ
78 第2エアーシリンダ
80 第1粘着シート
90 第2粘着シート
100 フィルム剥離装置

Claims (10)

  1. 一方の面側を湾曲凹面とし他方の面側を湾曲凸面とする湾曲状態とされた湾曲基板と、前記湾曲凹面に貼付された第1フィルムと、前記湾曲凸面に貼付された第2フィルムとからなる湾曲多層積層体から、前記第1フィルムおよび第2フィルムを剥離させて前記湾曲基板を得るのに用いられるフィルム剥離装置であって、
    前記湾曲多層積層体および前記湾曲基板を搬送する搬送部と、前記湾曲多層積層体から前記第1フィルムおよび第2フィルムを剥離させる剥離部とを備え、
    前記搬送部は、前記湾曲多層積層体を搬送する搬送方向の前記剥離部よりも上流側に配置され、前記湾曲多層積層体を前記剥離部に搬送・供給する第1搬送部と、前記搬送方向の前記剥離部よりも下流側に配置され、前記剥離部において前記湾曲多層積層体から前記第1フィルムおよび第2フィルムが剥離された前記湾曲基板を、前記剥離部から受け取り・搬送する第2搬送部とを有し、
    前記剥離部は、前記搬送方向に直交する直交方向の前記湾曲凹面側に位置し、前記湾曲多層積層体から前記第1フィルムを剥離させる第1剥離部と、前記搬送方向に直交する直交方向の前記湾曲凸面側に位置し、前記湾曲多層積層体から前記第2フィルムを剥離させる第2剥離部とを有し、
    前記第1剥離部は、前記搬送方向の上流側に位置し、粘着性を備える第1粘着シートが巻回された第1巻出ローラと、前記搬送方向の下流側に位置し、前記第1粘着シートを巻き取る第1巻取ローラと、前記搬送方向において前記第1巻出ローラと前記第1巻取ローラとの間に位置し、前記第1粘着シートの長手方向における途中が接触して、掛け回されつつ回転する第1回転ローラとを備え、
    前記第2剥離部は、前記搬送方向の上流側に位置し、粘着性を備える第2粘着シートが巻回された第2巻出ローラと、前記搬送方向の下流側に位置し、前記第2粘着シートを巻き取る第2巻取ローラと、前記搬送方向において前記第2巻出ローラと前記第2巻取ローラとの間に位置し、前記第2粘着シートの長手方向における途中が接触して、掛け回されつつ回転する第2回転ローラとを備え、
    前記第1剥離部は、さらに、前記第1回転ローラを前記直交方向に移動させる第1移動手段を備え、
    前記第1回転ローラは、前記第1移動手段の作動により、前記直交方向に沿って移動可能に構成され、前記第1搬送部からの前記湾曲多層積層体の前記剥離部への供給の際に、前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとで、前記湾曲多層積層体を挟持し得る挟持距離となる位置に配置されており、この挟持と前記第1回転ローラおよび前記第2回転ローラの回転により、前記湾曲多層積層体が前記第2搬送部側に送り出されるとともに、前記第1粘着シートにより前記湾曲多層積層体から前記第1フィルムが剥離され、前記第2粘着シートにより前記湾曲多層積層体から前記第2フィルムが剥離されるよう構成されていることを特徴とするフィルム剥離装置。
  2. 前記第2剥離部は、さらに、前記第2回転ローラを前記直交方向に移動させる第2移動手段を備え、
    前記第2回転ローラは、前記第2移動手段の作動により、前記直交方向に沿って移動可能に構成されており、
    前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとは、前記第1回転ローラの前記直交方向に沿った中心軸と、前記第2回転ローラの前記直交方向に沿った中心軸とが、前記搬送方向において重なる位置に配置されている請求項1に記載のフィルム剥離装置。
  3. 前記第1搬送部からの前記湾曲多層積層体の前記剥離部への供給に先立って、
    前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとの離間距離は、前記挟持距離の大きさよりも大きく設定され、
    前記第1回転ローラは、前記第1粘着シートに前記湾曲多層積層体が接触したとき、前記第1移動手段の作動により、前記第2搬送部側へ前記直交方向に沿って移動し、これにより、前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとの間への前記湾曲多層積層体の供給時には、前記離間距離が前記挟持距離となる位置に配置されるように構成されている請求項2に記載のフィルム剥離装置。
  4. 前記第1搬送部からの前記湾曲多層積層体の前記剥離部への供給に先立って、
    前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとの離間距離は、前記挟持距離の大きさに設定され、
    前記第1回転ローラおよび前記第2回転ローラは、前記第1粘着シートに前記湾曲多層積層体が接触したとき、それぞれ、前記第1移動手段および前記第2移動手段の作動により、前記第2搬送部側へ前記直交方向に沿って移動し、これにより、前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとの間への前記湾曲多層積層体の供給時には、前記離間距離が前記挟持距離を維持するように構成されている請求項2に記載のフィルム剥離装置。
  5. 前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとの間への前記湾曲多層積層体の供給時において、前記湾曲多層積層体の前記第1粘着シートに接触する端部における接線は、前記搬送方向に対して平行となっている請求項3または4に記載のフィルム剥離装置。
  6. 前記第2剥離部は、さらに、前記第2回転ローラを前記搬送方向と前記直交方向とに独立して移動させる第2移動手段を備え、
    前記第2回転ローラは、前記第2移動手段の作動により、前記搬送方向と前記直交方向とに沿って独立して移動可能に構成されており、
    前記第2回転ローラは、前記第2回転ローラの前記直交方向に沿った中心軸が、前記第1回転ローラの前記直交方向に沿った中心軸よりも、前記搬送方向の下流側に位置する第1位置から、前記第2回転ローラの前記直交方向に沿った中心軸と、前記第1回転ローラの前記直交方向に沿った中心軸とが、前記搬送方向において重なる第2位置を通過して、前記第2回転ローラの前記直交方向に沿った中心軸が、前記第1回転ローラの前記直交方向に沿った中心軸よりも、前記搬送方向の上流側に位置する第3位置まで、連続的に移動し得るように構成されている請求項1に記載のフィルム剥離装置。
  7. 前記第1搬送部からの前記湾曲多層積層体の前記剥離部への供給に先立って、
    前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとの離間距離は、前記挟持距離の大きさに設定され、
    前記第2回転ローラが前記第2移動手段の作動により、前記第1位置から前記第2位置まで移動する間、前記第1回転ローラおよび前記第2回転ローラは、それぞれ、前記第1移動手段および前記第2移動手段の作動により、前記第2搬送部側へ前記直交方向に沿って移動し、その後、
    前記第2回転ローラが前記第2移動手段の作動により、前記第2位置から前記第3位置まで移動する間、前記第1回転ローラおよび前記第2回転ローラは、それぞれ、前記第1移動手段および前記第2移動手段の作動により、前記第1搬送部側へ前記直交方向に沿って移動し、
    これにより、前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとの間に前記湾曲多層積層体が挟持されているときには、前記離間距離が前記挟持距離を維持するように構成されている請求項6に記載のフィルム剥離装置。
  8. 前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとの間に前記湾曲多層積層体が挟持されているとき、前記湾曲多層積層体の前記搬送方向における一方の端部と、他方の端部とを結ぶ直線は、前記搬送方向に対して平行となっている請求項7に記載のフィルム剥離装置。
  9. 一方の面側を湾曲凹面とし他方の面側を湾曲凸面とする湾曲状態とされた湾曲基板と、前記湾曲凹面に貼付された第1フィルムとを有する湾曲多層積層体から、前記第1フィルムを剥離させて前記湾曲基板を得るのに用いられるフィルム剥離装置であって、
    前記湾曲多層積層体および前記湾曲基板を搬送する搬送部と、前記湾曲多層積層体から前記第1フィルムを剥離させる剥離部とを備え、
    前記搬送部は、前記湾曲多層積層体を搬送する搬送方向の前記剥離部よりも上流側に配置され、前記湾曲多層積層体を前記剥離部に搬送・供給する第1搬送部と、前記搬送方向の前記剥離部よりも下流側に配置され、前記剥離部において前記湾曲多層積層体から前記第1フィルムが剥離された前記湾曲基板を、前記剥離部から受け取り・搬送する第2搬送部とを有し、
    前記剥離部は、前記搬送方向に直交する直交方向の前記湾曲凹面側に位置し、前記湾曲多層積層体から前記第1フィルムを剥離させる第1剥離部を有し、
    前記第1剥離部は、前記搬送方向の上流側に位置し、粘着性を備える第1粘着シートが巻回された第1巻出ローラと、前記搬送方向の下流側に位置し、前記第1粘着シートを巻き取る第1巻取ローラと、前記搬送方向において前記第1巻出ローラと前記第1巻取ローラとの間に位置し、前記第1粘着シートの長手方向における途中が接触して、掛け回されつつ回転する第1回転ローラと、前記第1回転ローラに対して前記直交方向の前記湾曲凸面側に位置する第2回転ローラと、前記第1回転ローラを前記直交方向に移動させる第1移動手段とを備え、
    前記第1回転ローラは、前記第1移動手段の作動により、前記直交方向に沿って移動可能に構成され、前記第1搬送部からの前記湾曲多層積層体の前記剥離部への供給の際に、前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとで、前記湾曲多層積層体を挟持し得る挟持距離となる位置に配置されており、この挟持と前記第1回転ローラおよび前記第2回転ローラの回転により、前記湾曲多層積層体が前記第2搬送部側に送り出されるとともに、前記第1粘着シートにより前記湾曲多層積層体から前記第1フィルムが剥離されるよう構成されていることを特徴とするフィルム剥離装置。
  10. 一方の面側を湾曲凹面とし他方の面側を湾曲凸面とする湾曲状態とされた湾曲基板と、前記湾曲凸面に貼付された第2フィルムとを有する湾曲多層積層体から、前記第2フィルムを剥離させて前記湾曲基板を得るのに用いられるフィルム剥離装置であって、
    前記湾曲多層積層体および前記湾曲基板を搬送する搬送部と、前記湾曲多層積層体から前記第2フィルムを剥離させる剥離部とを備え、
    前記搬送部は、前記湾曲多層積層体を搬送する搬送方向の前記剥離部よりも上流側に配置され、前記湾曲多層積層体を前記剥離部に搬送・供給する第1搬送部と、前記搬送方向の前記剥離部よりも下流側に配置され、前記剥離部において前記湾曲多層積層体から前記第2フィルムが剥離された前記湾曲基板を、前記剥離部から受け取り・搬送する第2搬送部とを有し、
    前記剥離部は、前記搬送方向に直交する直交方向の前記湾曲凸面側に位置し、前記湾曲多層積層体から前記第2フィルムを剥離させる第2剥離部を有し、
    前記第2剥離部は、前記搬送方向の上流側に位置し、粘着性を備える第2粘着シートが巻回された第2巻出ローラと、前記搬送方向の下流側に位置し、前記第2粘着シートを巻き取る第2巻取ローラと、前記搬送方向において前記第2巻出ローラと前記第2巻取ローラとの間に位置し、前記第2粘着シートの長手方向における途中が接触して、掛け回されつつ回転する第2回転ローラと、前記第2回転ローラに対して前記直交方向の前記湾曲凹面側に位置する第1回転ローラと、前記第1回転ローラを前記直交方向に移動させる第1移動手段とを備え、
    前記第1回転ローラは、前記第1移動手段の作動により、前記直交方向に沿って移動可能に構成され、前記第1搬送部からの前記湾曲多層積層体の前記剥離部への供給の際に、前記第1回転ローラと前記第2回転ローラとで、前記湾曲多層積層体を挟持し得る挟持距離となる位置に配置されており、この挟持と前記第1回転ローラおよび前記第2回転ローラの回転により、前記湾曲多層積層体が前記第2搬送部側に送り出されるとともに、前記第2粘着シートにより前記湾曲多層積層体から前記第2フィルムが剥離されるよう構成されていることを特徴とするフィルム剥離装置。
JP2022057694A 2022-03-30 2022-03-30 フィルム剥離装置 Pending JP2023149235A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022057694A JP2023149235A (ja) 2022-03-30 2022-03-30 フィルム剥離装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022057694A JP2023149235A (ja) 2022-03-30 2022-03-30 フィルム剥離装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023149235A true JP2023149235A (ja) 2023-10-13

Family

ID=88288190

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022057694A Pending JP2023149235A (ja) 2022-03-30 2022-03-30 フィルム剥離装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023149235A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI589507B (zh) 用於應用處理片至連續玻璃帶的方法及裝置
US8171974B2 (en) Film laminating apparatus
EP1833745A1 (en) Method for splicing a web material
TWI582031B (zh) 網膜接續裝置
JP5218780B2 (ja) 多層長尺テープ体が巻かれた新旧ロール材の交換方法
TW201609518A (zh) 半切雙面條帶以及其製造方法
KR20190047105A (ko) 광학적 표시 유닛의 제조 장치 및 제조 방법
JP4749033B2 (ja) ロール物製造装置
JP2013169792A (ja) 半製品ウエブを製造するための方法および装置、そして複合材料を製造するための方法
US20090250544A1 (en) Tail Free Transfer Winder
JP3905628B2 (ja) フィルム張付制御方法
JP2023149235A (ja) フィルム剥離装置
JP4952917B2 (ja) 積層成形装置および積層成形方法
JP5647495B2 (ja) 枚葉フィルムの加工装置
JP4373372B2 (ja) ラミネート貼着装置およびその方法
JP2772938B2 (ja) 両面粘着テープの粘着剤層の転写方法及び装置
JP2005060197A (ja) 養生膜貼付け装置及び養生膜貼付け方法
JP2024025523A (ja) 微細構造形成装置
JP5645225B2 (ja) 積層成形システムおよび積層成形方法
JP3990803B2 (ja) フィルム張付方法
JP3834696B2 (ja) フィルム巻取機の自動巻付装置
JP3779569B2 (ja) 未加硫シートの筒状成形方法及び装置
JP6538014B2 (ja) 光学的表示ユニットの連続製造装置及び連続製造方法
JP2018187797A (ja) ガラスロールの製造方法
JP2005272031A (ja) 帯状物接続装置