JP2023148360A - 光学システム及びLiDARシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】走査系を使用することなく、広範囲にレーザー光を照射できる光学システム及びLiDARシステムを提供する。【解決手段】光学システムは、第1レーザー光を出射する複数のエミッターと、前記複数の第1レーザー光に基づいて、互いに異なる波長を有する複数の第2レーザー光が合成された合成レーザー光を生成する合成部と、前記合成レーザー光を受光し、前記複数の第2レーザー光を互いに異なる方向に出射させる分光素子と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、光学システム及びLiDARシステムに関する。
自動運転車には、周囲の物体及び物体位置を検出するセンサー技術が採用されている。このセンサー技術で用いられるセンサーには、例えば、レーダー、画像認識カメラ、及び、ソナー等がある。自動運転車は、これらのセンサーを有することで、衝突警告、自動緊急ブレーキ、車線逸脱警告、車線維持支援、及び、アダプティブクルーズコントロールなど、安全運転に関する動作の正確性が高まる。
自動運転に関わるセンサー技術の中で、測距(light detection and ranging:LiDAR)システムは、物体距離をリアルタイムに測定する上で重要な技術である。
特許文献1には、同一の波長のレーザー光を出射するレーザーダイオード(LaserDiode:LD)を複数備えるLiDARシステムが開示されている。特許文献1のLiDARシステムは、複数のレーザーダイオードから出射される複数のレーザー光の進行方向を制御して対象物に照射する走査系を備えている。走査系は、レーザー光の進行方向を変更する部材を機械的に駆動することで、レーザー光を広範囲に照射している。
特許文献2には、レーザー光を出射するエミッターが複数配置されたLDバーを複数備えるLiDARシステムが開示されている。また、特許文献2のLiDARシステムにおいて、異なる波長のレーザー光が出射されるLDバーが二次元的に並べられている。
特開平7-84045号公報 特表2019-516101号公報
特許文献1及び特許文献2のいずれのLiDARシステムにおいても、レーザー光を広範囲に照射させるためには、走査系が必要であった。
本開示は、走査系を使用することなく、広範囲にレーザー光を照射できる光学システム及びLiDARシステムを提供することを目的とする。
本開示の光学システムは、
第1レーザー光を出射する複数のエミッターと、
前記複数の第1レーザー光に基づいて、互いに異なる波長を有する複数の第2レーザー光が合成された合成レーザー光を生成する合成部と、
前記合成レーザー光を受光し、前記複数の第2レーザー光を互いに異なる方向に出射させる分光素子と、
を備える。
本開示のLiDARシステムは、上述の光学システムを備える。
本開示によれば、走査系を使用することなく、広範囲にレーザー光を照射できる光学システム及びLiDARシステムを提供することができる。
図1は、波長ビーム結合システムの模式図である。 図2は、第1実施形態に係るLiDARシステムを示す模式図である。 図3は、第1実施形態に係るLiDARシステムの測定精度を説明する模式図である。 図4は、第2実施形態に係るLiDARシステムを示す模式図である。 図5Aは、第2実施形態に係るLiDARシステムが備える光学素子を示す模式図であり、図5Bは、図5Aの光学素子をA方向から見た時の模式図である。 図6Aは、第2実施形態に係るLiDARシステムが備える光学素子を示す模式図である。図6Bは、図6Aの光学素子をB方向から見た時の模式図である
以下、本開示の各実施形態及び変形例について、図面を参照しながら説明する。
(波長ビーム結合システム)
まず、図1を参照しつつ、波長ビーム結合(Wavelength Beam Combining:WBC)システムについて説明する。図1は、WBCシステム300の模式図である。なお、CL1は、回折格子311の入出射面に垂直な軸であり、CL2は、回折格子311の入出射面に平行な軸である。
WBCシステム300は、異なる波長のレーザー光を複数個結合することで、高強度のレーザービームを得るシステムである。
図1では、WBCシステム300は、i個のLDバー301~3i、回折格子311、及び、外部共振ミラー312を備えている。
LDバー301~3iは、レーザーダイオードバーアレイであり、LDバー301~3iには、レーザー光を出射するエミッターが所定間隔毎に複数形成されている。図1では、各LDバーにj個のエミッターが形成されている。
各LDバーにおいて、エミッターに対応して注入領域が形成されている。また、複数の注入領域は、LDバーのレーザー光出射端面(以下、「出射端面」と称することもある。)からレーザー光非出射端面(以下、「非出射端面」と称することもある。)にわたって延在し、ストライプ状に形成されている。注入領域に電圧が印加されることで、エミッターからレーザー光が出射される。
WBCシステム300には、LDバー301~3iそれぞれに対応してビームツイスターユニット(Beam Twister Lens Unit:BTU)(不図示)が配置されている。LDバー301~3iのエミッターから出射されたレーザー光は、BTUによって90度回転され、回折格子311に入射する。複数のレーザー光がBTUを透過することで、複数のレーザー光のスポットの相互干渉を防止できる。
回折格子311は、複数のレーザー光を集光し、出射させる素子である。複数のレーザー光は、回折格子311に集光され、複数のレーザー光に基づく合成レーザー光313が、回折格子311から外部共振ミラー312に向けて出射される。回折格子311は、例えば、図1に示されているように、透過型回折格子である。なお、回折格子311は、反射型回折格子であってもよい。
外部共振ミラー312は、部分透過ミラーである。外部共振ミラー312に入射する合成レーザー光313の一部が垂直反射される。その反射光は、回折格子311を介してLDバー301~3iの各エミッターに戻り、LDバー301~3iの非出射端面で反射される。このようにして、LDバー301~3iの各エミッターと外部共振ミラー312との間で外部共振が生じる。
一方、外部共振ミラー312に入射された合成レーザー光313の他の一部は、外部共振ミラー312を透過し、出力レーザー光として出力される。
合成レーザー光313は、異なる波長のレーザー光が複数個合成された光である。よって、WBCシステム300によれば、高強度のレーザー光を出力することができる。
<発振>
LDバー301~3iのエミッターから出射されるレーザー光のうち、回折格子311の回折条件を満たし、かつ、外部共振ミラー312によって垂直反射されるレーザー光が、出射元のエミッターに戻る。
回折格子311の回折条件は、回折格子311の回折溝の周期をd、回折格子311に対するレーザー光の入射角をα、回折格子311に対するレーザー光の出射角をβ、レーザー光の波長をλ、次数をm(mは整数)とすると、下記式(1)で表される。なお、一般には、式(1)において、mが1となるように回折格子311が配置されている。
d(sinα+sinβ)=mλ (1)
この回折条件を満たす波長をロック波長と呼ぶ。式(1)に示されているように、ロック波長は、LDバー301~3iのエミッター、及び、回折格子311の位置関係によって一意に決まる。
エミッターに戻ったレーザー光は、LDバーの非出射端面で反射され、対応するエミッターから回折格子311に向けて出射される。よって、LDバー301~3iの非出射端面と外部共振ミラー312との間で、各エミッターの位置に対応したロック波長で外部共振する。
例えば、図1には、LDバー301のj個のエミッターそれぞれと外部共振ミラー312との間において、波長λ11~λ1jでレーザー発振することが示されている。同様に、図1には、LDバー3iのj個のエミッターそれぞれと外部共振ミラー312との間において、波長λi1~λijでレーザー発振することが示されている。
なお、LDバー301~3iの構成に起因して決定されるゲインピーク波長と、外部共振のロック波長との差が大きい場合、レーザー発振ができなくなることがある。
(第1実施形態)
図2を参照しつつ、第1実施形態に係るLiDARシステム100について説明する。図2は、LiDARシステム100を示す模式図である。
LiDARシステム100は、例えば、自動運転車に搭載されるシステムであり、自動運転車と対象物105との距離をリアルタイムに測定する。LiDARシステム100は、光学システム110を備えている。光学システム110は、レーザー光を出射するエミッターを複数備えており、各エミッターからのレーザー光を集光した後、波長ごとに分光し、分光されたレーザー光を対象物105に照射する。
光学システム110は、WBCシステム400、及び、分光素子103を備えている。光学システム110は、WBCシステム400を利用して、異なる波長のレーザー光を複数合成する。そして、光学システム110は、合成により生成された合成レーザー光20を、分光素子103を利用して波長別に分光し、分光された各レーザー光を波長に応じて異なる方向に出射することで、対象物105に照射する。
WBCシステム400は、上述のWBCシステム300と同じ原理で、異なる波長のレーザー光を複数合成し、合成されたレーザー光(以下、「合成レーザー光」と称す。)20を出射させるシステムである。
図2では、WBCシステム400は、複数のLDバー1~3、及び、合成部120を備えている。図2には、WBCシステム400が、3個のLDバー1~3を備えていることが示されているが、必ずしも3個に限定されない。
また、図2では、LDバー1~3には、それぞれ2個のエミッターが形成されている。LDバー1のエミッター11、12、LDバー2のエミッター21、22、LDバー3のエミッター31、32からそれぞれレーザー光が出射される。なお、LDバー1~3に形成されるエミッターの数は必ずしも2個に限定されない。
合成部120は、回折格子101、及び、外部共振ミラー102を備えている。
回折格子101には、回折溝が形成されている。エミッター11、12、21、22、31、32から出射されたレーザー光は、回折格子101にて集光され、合成レーザー光20として外部共振ミラー102に向けて出射される。
合成レーザー光は、異なる波長を有するレーザー光41~46が合成されたレーザー光である。レーザー光41~46の波長は、それぞれλL1、λL2、λL3、λL4、λL5、λL6である。波長λL1、λL2、λL3、λL4、λL5、λL6は、エミッター11、12、21、22、31、32と回折格子101との位置関係によって一意に決まるロック波長である。
外部共振ミラー102は部分反射ミラーであり、合成レーザー光20の一部は、外部共振ミラー102において反射し、波長λL1、λL2、λL3、λL4、λL5、λL6に対応するエミッター11、12、21、22、31、32にそれぞれ戻る。そして、LDバー1~3の非出射端面で反射され、エミッター11、12、21、22、31、32から回折格子101に向けて再度出射される。これにより、ロック波長にて、外部共振ミラー102と、ロック波長に対応するエミッターとの間で外部共振が生じる。
外部共振ミラー102に入射した合成レーザー光20の他の一部は、分光素子103に向けて外部共振ミラー102から出射される。
分光素子103は、例えば、回折格子である。分光素子103には回折溝M1(後述の図5A参照)が形成されている。分光素子103には、回折格子101と同じ溝間隔で回折溝M1が形成されてもよいし、異なる溝間隔で回折溝M1が形成されていてもよい。光学システム110には、レーザー光41~46の所望の照射範囲に適した溝間隔の分光素子103が用いられる。
図2では、分光素子103は、回折溝M1が水平面に平行となるように配置されている。後述する合成レーザー光20に含まれるレーザー光41~46の照射位置を鉛直方向にずらす場合、分光素子103は、回折溝M1が鉛直方向及び合成レーザー光20の進行方向に垂直な方向に平行となるように配置されればよい。また、例えば、合成レーザー光20に含まれるレーザー光41~46の照射位置を水平方向にずらす場合、分光素子103は回折溝M1が鉛直方向に平行となるように配置されればよい。
合成レーザー光20は、分光素子103にて波長ごとに分光される。その結果、合成レーザー光20がレーザー光41~46に分光され、波長に応じた出射角度の方向にレーザー光41~46がそれぞれ出射される。図2では、レーザー光41~46は、鉛直方向に広がり、対象物105に照射される。その結果、対象物105に対してレーザー光41~46が一次元的に照射される。
例えば、分光素子103の回折溝M1の溝間隔を狭くすることで、レーザー光41~46の出射角度の差を大きくすることができるので、レーザー光41~46の照射範囲が広がる。
光学システム110は、レーザー光を受光する受光装置104を備えている。受光装置104は、レーザー光41~46が対象物105に照射されたことによって生じる反射光51~56を受光する。受光装置104は、例えば、波長毎に強度を検出する分光器を備えていてもよい。これにより、波長ごとに反射光51~56の強度をモニターすることができる。
LiDARシステム100は、例えば、レーザー光41~46を対象物105にパルス照射し、反射光51~56の検出時刻のずれを解析することで、レーザー光41~46の出射部と対象物105との距離を測定する。出射部とは、例えば、分光素子103の出射面である。
<分解能>
<<ビームスポット間距離>>
以下、図3を参照しつつ、本実施形態に係るLiDARシステム100の分解能について説明する。図3は、LiDARシステム100の測定精度を説明する模式図である。
図3には、LiDARシステム100が備えるLDバーとして、30個のエミッター501~530が等間隔に形成されているLDバー500が示されている。以下、LDバー500において、エミッター501~530が順に並んでいるとして説明する。
隣接するエミッターそれぞれに対応するロック波長の差は、WBCシステム400内の光学部品の設計及び配置位置に応じて異なる。例えば、下記条件(1)~(4)が満たされるように、LDバー500、及び、回折格子101を採用し、かつ、配置位置を設定した場合、エミッター501に対応するロック波長は、850.00nmとなり、エミッター502に対応するロック波長は、850.57nmとなる。
(1)LDバー500における隣接エミッター間距離が500μm
(2)回折格子101の回折溝の周期が1500本/mm
(3)エミッター501~530は、850.00nm程度の波長のレーザー光を出射する構成
(4)回折格子101からのレーザー光の出射角βが50°
(5)LDバー500の出射端面から回折格子101までの距離L1が0.5m
また、LDバー500において、両端のエミッター501、530間のロック波長の差は、16.53nmとなる。
ここで、LiDARシステム100が、WBCシステム400で合成された合成レーザー光20を分光し、分光されたレーザー光541、542を、平面600に照射することを例に挙げて測定精度について説明する。レーザー光541、542は、それぞれ、エミッター501、502を出射元とするレーザー光である。平面600は、分光素子103の出射面に平行、かつ、分光素子103から距離L2離れている平面である。以下、距離L2が100mであるとする。この場合、互いに隣接するエミッター501、502を出射元とするレーザー光541、542の平面600に対する照射位置間の距離dは、約1cmである。
よって、本実施形態によれば、レーザー光541、542を含む合成レーザー光20が合成された場合、レーザー光541、542を分光素子103から100m程度離れた対象物に対して、1cm程度のビームスポット間距離の精度で照射することができる。
<<LDバーを5個備える光学システム>>
以下、光学システム110が、30個のエミッターが形成されたLDバーを5個備えている場合における照射範囲について説明する。以下、5個のLDバーを、「第1LDバー」、「第2LDバー」、「第3LDバー」、「第4LDバー」、及び、「第5LDバー」と称する。また、第1LDバー、第2LDバー、第3LDバー、第4LDバー、及び、第5LDバーの順に配列されているとして説明する。また、第1LDバー、第2LDバー、第3LDバー、第4LDバー、及び、第5LDバーの中の計150個のエミッターのうち、第1LDバーの1番目のエミッター、及び、第5LDバーの30番目のエミッターが両端に位置するように配置されているとする。
上述の条件(1)~(5)が満たされている場合、第1LDバーの1番目のエミッターと第5LDバーの30番目のエミッターとの間隔は、約7.45cmとなる。また、第1LDバーの1番目のエミッターのロック波長が、850.0nmである場合、第5LDバーの30番目のエミッターのロック波長は934.93nmとなる。
また、平面600において、第1LDバーの1番目のエミッター及び第5LDバーの30番目のエミッターを出射元とするレーザー光の照射位置の間隔は約149cmとなる。なお、これらの2つのレーザー光の波長の差は、約84.93nmである。
よって、光学システム110が、30個のエミッターが形成されたLDバーを5個備え、かつ、上述の条件(1)~(5)が満たされる場合、分光素子103から約100m離れた対象物に対して約150cmの範囲でレーザー光を照射できる。
なお、850.0nm程度の波長域のレーザー光において、外部共振可能なLDバーの波長の利得幅は、65nm程度である。第1~第5LDバーが特定波長のレーザー光を出射するLDバーであり、かつ、特定波長が850nm程度の波長域に含まれる場合、WBCシステム400は、最大で65nm程度の波長差のレーザー光が含まれる合成レーザー光20を出射できる。
約84.93nmの波長差を有するレーザー光を含む合成レーザー光20を出射させるためには、光学システム110は、5個のLDバーとして、複数種類の利得波長を有するLDバーを備えていればよい。例えば、光学システム110は、λ01の波長のレーザー光を出射するLDバーと、λ02(≠λ01)の波長のレーザー光を出射するLDバーとを合計で5個備えていればよい。すなわち、光学システム110によれば、850nm程度の波長域のレーザー光が出射されるLDバーを使用する場合、150個の異なる波長のレーザー光を、2種類のLDバーを用いて生成することができる。
<<1550nm程度波長域のレーザー光を出射するLDバー>>
以下、光学システム110が、1550nm程度の波長帯域のレーザー光を出射するLDバーを5個備えている場合の対象物105の測定について説明する。
1550nm程度波長域のレーザー光において、外部共振可能なLDバーの波長の利得幅は、170nm程度である。
よって、第1~第5LDバーが特定波長のレーザー光を出射するLDバーであり、かつ、特定波長が1550nm程度の波長域に含まれる場合、WBCシステム400は、最大で170nm程度の波長差のレーザー光が含まれる合成レーザー光20を出射できる。
すなわち、1種類のLDバーを複数個準備するだけで、約84.93nmの波長差を有するレーザー光を含む合成レーザー光20を生成できる。よって、第1~第5LDバーを同じ種類のLDバーとするだけで、150個の異なる波長のレーザー光を生成することができる。したがって、長波長帯域のレーザー光が出射されるLDバーを用いることで、準備するLDバーの種類を少なくできるので、より低コストで、異なる波長を有するレーザー光を多数生成し、それらのレーザー光を対象物の測定に利用することができる。
以上、説明した通り、実施形態に係る光学システム110は、レーザー光を出射する複数のエミッター11、12、21、22、31、32と、それらのエミッターから出射されたレーザー光に基づいて、互いに異なる波長を有するレーザー光41~46が合成された合成レーザー光20を生成する合成部120と、合成レーザー光20を受光し、レーザー光41~46を互いに異なる方向に出射させる分光素子103と、を備える。
これにより、対象物105との距離の測定に用いる多数のレーザー光を、走査系を用いることなく、広範囲に照射することができる。また、走査系の部品の摩耗等による走査誤差が生じない。
また、分光素子103は、合成レーザー光20を波長に応じて決まる方向に各レーザー光の進行方向を制御するので、レーザー光41~46の間隔及び出射方向を、一定の条件に保持することができる。
光学システム110は、レーザー光41~46に基づく反射光51~56を受光する受光装置104を備える。
すなわち、広範囲に照射したレーザー光41~46に基づく反射光51~56を受光し、レーザー光41~46の出射面とレーザー光41~46の照射位置との距離を測定することができる。
また、受光装置104は、反射光51~56を波長毎に検出する。
すなわち、波長ごとにレーザー光の信号処理を行うことができるので、光学システム110の簡素化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、レーザー光の出射光源1つに対して1つの受光部を備えるシステムを準備しなくてよいので、光学システム110のコンパクト化及び低コスト化を図ることができる。
合成部120は、回折格子を備えている。複数のエミッターから出射されたレーザー光が、回折格子に入射することで、合成レーザー光20が形成される。合成レーザー光20は、エミッターの配置位置毎に決まる波長を有するレーザー光が複数合成されたレーザー光である。
すなわち、多数の波長に対応させてそれぞれ異なる構造を有するエミッターを作り分けることなく、互いに異なる波長のレーザー光41~46が合成された合成レーザー光20を生成できる。よって、多数の種類のエミッターを準備しなくても、広範囲にレーザー光を照射できる。
上述したように、特に、エミッター11、12、21、22、31、32が出射するレーザー光の波長が長い場合、外部共振可能なLDバーの波長の利得幅が広いので、特定の波長のレーザー光を出射するエミッターを1種類だけ、多数準備すればよい。
したがって、本実施形態によれば、出射光源の準備の点で、光学システム110の低コスト化を図ることができる。
また、合成部120は、回折格子101を用いるだけで、互いに異なる波長を有するレーザー光41~46が合成された合成レーザー光20を生成できるので、光学素子の準備という点でも光学システム110の低コスト化を図ることができる。
さらに、回折格子101とエミッター11、12、21、22、31、32との位置関係によりレーザー光の波長がロックされるので、出射するレーザー光同士の間隔、及び、出射方向を精度よく制御できる。
光学システム110は、エミッター11、12、21、22、31、32が複数配置されたLDバー1~3を複数備える。
エミッターが一つ形成されたレーザーダイオード(LD)を複数配置する場合、エミッターが異なるLDに属するので、エミッター同士の間隔を狭くしにくい。本実施形態によれば、LDバー内においてエミッター同士の間隔を狭くすることができる。よって、合成レーザー光20に含まれるレーザー光同士の波長差を小さくすることができるので、分光素子103によって分光されたレーザー光の光軸間の距離を狭くすることができる。したがって、広範囲にレーザー光を照射できるだけでなく、分解能を高めることができる。すなわち、測距精度が高まるので、対象物105の表面状態(凹凸状態等)や形状を精度よく測定することができる。
LiDARシステム100は、上述の光学システム110を備える。よって、広範囲に測定用のレーザー光を照射するとともに、高い分解能を有するLiDARシステムが実現できる。
(第2実施形態)
図4、図5A、図5B、図6A、及び図6Bを参照しつつ、第2実施形態について、主に第1実施形態と異なる点を説明する。
図4は、第2実施形態に係るLiDARシステム200を示す模式図である。図5Aは、第2実施形態に係るLiDARシステム200が備える光学素子204を示す模式図であり、図5Bは、図5Aの光学素子204をA方向から見た時の模式図である。図6Aは、図5Aとは異なる光学状態にある光学素子204を示す模式図であり、図6Bは、図6Aの光学素子204をB方向から見た時の模式図である。
図5A、図5B、図6A、及び、図6BのF1は、分光されたレーザー光41~46の光軸が含まれる平面である。
第2実施形態に係るLiDARシステム200は、WBCシステム400、及び、分光素子103に加えて、光学素子204及び制御部205を備えている。
光学素子204は、例えば、音響光学素子である。光学素子204は、レーザー光41~46の進行方向下流側に配置されている。
光学素子204には、回折溝M2が形成されている。光学素子204は、図5A及び図6Aに示されているように、光学素子204の回折溝M2が、分光素子103の回折溝M1の延在方向に対して垂直方向に延在するように配置される。
レーザー光41~46は、光学素子204の光学状態に応じて進行方向が変化する。光学素子204は、制御部205からの電気信号に応じて光学状態が変化する。光学状態は、例えば、回折溝M2の溝間隔である。
制御部205は、光学素子204の光学状態を変化させる電気信号を出力する信号発生装置である。
<光学状態の変化>
制御部205は、電気信号の出力を変えることにより光学素子204に発生させる音響波を変化させることにより溝間隔を変化させることができる。図5Aには、溝間隔が比較的狭い状態の光学素子204が示されている。
図5Bに示されているように、光学素子204は、分光素子203によって分光されたレーザー光41~462の進行方向を平面F1に対してθ1度変化させる。これにより、レーザー光41~46は、平面F1からθ1度傾いた方向に出力され、対象物105に照射される。
図6Aには、溝間隔が比較的狭い状態の光学素子204が示されている。図6Bに示されているように、光学素子204は、分光素子203によって分光されたレーザー光41~46の進行方向を平面F1に対してθ2(<θ1)度変化させる。これにより、レーザー光41~46は、平面F1からθ2度傾いた方向に出力され、対象物105に照射される。
このように、制御部205は、分光素子203の回折溝M2の溝間隔を制御することで、分光後のレーザー光41~46の進行方向を、平面F1に対して変化させることができる。よって、レーザー光41~46の照射位置を、平面F1に対して垂直な方向にシフトさせることができる。
受光装置104は、レーザー光41~46が対象物105に照射されたことによって生じる反射光51~56を受光する。
LiDARシステム200において、溝間隔を変化させる電気信号と反射光51~56を受光するタイミングとを同期させることで、対象物105に2次元的に位置する照射位置と、レーザー光41~46の出射面との距離を導出することができる。
また、エミッター11、12、21、22、31、32同士の間隔を狭くすることで、測距精度を高めることができるので、対象物105の表面の凹凸部を精度よく測定できる。
以上、説明した通り、第2実施形態に係る光学システム210は、分光素子103よりもレーザー光41~46の進行方向下流側に配置され、光学状態に応じてレーザー光41~46の進行方向を切り替える光学素子204を備える。
これにより、光学素子204の光学状態を制御することで、分光されたレーザー光41~46の進行方向を変更することができる。よって、対象物105に対してレーザー光41~46を2次元的に照射することができる。
また、レーザー光41~46の進行方向を光学的に変更できるので、機械的な走査系を使用してレーザー光41~46を走査する場合と比べて、走査系の部品の摩耗等による走査誤差が生じない。
光学システム210は、光学素子204の光学状態を変化させる信号を光学素子204に出力する制御部205を備える。光学素子204は、音響光学素子である。
これにより、電気信号により光学素子204の光学状態を自在に制御することができる。
分光素子103及び光学素子204には、それぞれ回折溝M1、M2が形成されており、光学素子204は、分光素子103の回折溝M1の延在方向に対して光学素子204の回折溝M1の延在方向が垂直となるように配置されている。
よって、分光されたレーザー光41~46の進行方向を、レーザー光41~46の光軸が含まれる平面F1に対して、回折溝M2の溝間隔及び波長に応じた角度、変更することができる。よって、対象物105に対してレーザー光41~46をより広範囲に照射することができる。
(変形例)
実施形態では、光学システム110は、複数のエミッターが形成されているLDバーを1つのみ備えていてもよい。また、光学システム110は、LDバーに替えて、1つのエミッターが形成されているレーザーダイオード(LD)を複数個備えていてもよい。これらのいずれの場合であっても、光学システム110は、広範囲にレーザー光を照射させることができる。
上記各実施形態及び各変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
本開示は、多数のレーザー光を対象物に照射して、物体までの距離及び対象物の凹凸・形状を測定する光学システム、及び、LiDARシステムに好適に適用できる。
1~3 LDバー
301~3i LDバー
11、12、21、22、31、32 エミッター
20 合成レーザー光
41~46 レーザー光
51~56 反射光
100 LiDARシステム
101 回折格子
102 外部共振ミラー
103 分光素子
104 受光装置
105 対象物
110 光学システム
113 合成レーザー光
120 合成部
200 LiDARシステム
203 分光素子
204 光学素子
205 制御部
210 光学システム
300 WBCシステム
301 LDバー
311 回折格子
312 外部共振ミラー
313 合成レーザー光
400 WBCシステム
500 LDバー
501~530 エミッター
541~542 レーザー光
600 平面
F1 平面
M1 回折溝
M2 回折溝

Claims (9)

  1. 第1レーザー光を出射する複数のエミッターと、
    前記複数の第1レーザー光に基づいて、互いに異なる波長を有する複数の第2レーザー光が合成された合成レーザー光を生成する合成部と、
    前記合成レーザー光を受光し、前記複数の第2レーザー光を互いに異なる方向に出射させる分光素子と、
    を備える光学システム。
  2. 前記複数の第2レーザー光に基づく複数の反射光を受光する受光装置をさらに備える、
    請求項1に記載の光学システム。
  3. 前記受光装置は、前記複数の反射光を波長毎に検出する、
    請求項2に記載の光学システム。
  4. 前記分光素子よりも前記第2レーザー光の進行方向下流側に配置され、光学状態に応じて前記複数の第2レーザー光の進行方向を切り替える光学素子をさらに備える、
    請求項1から3のいずれかに記載の光学システム。
  5. 前記光学状態を変化させる信号を前記光学素子に出力する制御部をさらに備え、
    前記光学素子は、音響光学素子である、
    請求項4に記載の光学システム。
  6. 前記分光素子及び前記光学素子には、回折溝が形成されており、
    前記光学素子は、前記分光素子の回折溝の延在方向に対して前記光学素子の回折溝の延在方向が垂直となるように配置されている、
    請求項4または5に記載の光学システム。
  7. 前記合成部は、回折格子を備えている、
    請求項1から6のいずれかに記載の光学システム。
  8. 前記エミッターが複数配置されたレーザーダイオードバーを複数備える、
    請求項1から7のいずれかに記載の光学システム。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の光学システムを備えるLiDARシステム。
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