JP2022072722A - 測距装置 - Google Patents

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琢麿 柳澤
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Abstract

【課題】複数のレーザ光とセンサを用いる場合のiFOIとiFOVを略一致させることができる測距装置を提供する。【解決手段】測距装置10は、照射部からのレーザ光を走査方向に走査する走査部と、レーザ光で走査される対象物から反射した一部の反射光を受光する光検出素子と、を含む。照射部は、走査方向に垂直な少なくとも2つのレンズ光軸を有し該レンズ光軸にそれぞれ交差する少なくとも2つの屈折面を含む入射部又は出射部を備えるレンズ素子と、2つの屈折面にレーザ光を供給し、且つ、レンズ光軸の間の互いに近づく位置又はレンズ光軸から互いに遠ざかる位置に偏芯し、且つ、レンズ光軸を含む平面から互いに反対方向に偏芯して、配置される2つの有効発光領域を有する光源と、を含む。2つの有効発光領域の各々の端は、レンズ光軸を含む平面上に揃い、且つ、2つの有効発光領域が端から互いに反対方向に伸長する。【選択図】図1

Description

本発明は、測距装置に関する。
従来から、例えば、特許文献1には、測距装置として、レーザダイオードから光を発して、対象物での反射光をフォトダイオードで受光するまでの時間を算出し、該時間に基づいて対象物までの距離を検出する物体検出装置(特許文献1の段落0030、参照)が知られている。
かかる物体検出装置において、各4個のレーザダイオードを有する2個のレーザダイオードモジュールからのレーザ光を、対応する上下2個の投光レンズにより、上下2つの瞬間照射野(各4×4のアレイ)として平面的に対象物に照射し、その反射光を16×2個のフォトダイオードに受光させている(特許文献1の段落0055、参照)。
特開2018-077073号公報
一般に、従来の物体検出装置における投受光装置は、個々のレーザ光を対象物に瞬間的に照射して瞬間照射野(instantaneous Field Of Illumination:以下、iFOIともいう)を作る。また、投受光装置は、当該対象物によって反射された光を瞬間的に見ることができる領域である瞬間視野(instantaneous Field Of View:以下iFOVともいう)内に入り込んだ光を検出する。投受光装置は、iFOIとiFOVを用いて、当該対象物までの距離を測定している。iFOIは、投光レンズによりレーザ光のエミッタ形状が投影される各々の面積範囲として表わされる。iFOVは、受光レンズにより受光部の受光面が見込む面積範囲として表わされる。
特許文献1では、物体検出装置において、iFOIの形状とiFOVの形状が互いに一致し、かつiFOIとiFOVが互いにずれることなく重なるように投受光装置を設計しても、実際には、光学系の光学素子の配置等の種々の要因によってiFOIの形状が設計上の形状から変形する等の記載はない。
近年、測距装置及びそれを用いた撮像装置における投光部及び受光部の構成としては、例えば、投光部が所定の鉛直方向に細長いビーム形状のレーザ光を対象領域に走査させるように投光し、受光部において一列に並べた複数の受光素子によって対象物からの反射光を受光する構成がある。しかしながら、iFOIの形状とiFOVの形状が互いに一致し、かつiFOIとiFOVが互いにずれることなく重なるように投光部及び受光部を設計ことは難しい。
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、複数のレーザ光とそれに対応するセンサを用いる場合にそれぞれのiFOIとiFOVを略一致させ得る測距装置を提供することを目的の1つとしている。
請求項1に記載の発明は、レーザ光を出力する照射部と、
前記レーザ光を走査方向に走査する走査部と、
前記レーザ光で走査される対象物から反射した一部の反射光を受光する光検出素子と、を含み、
前記照射部は、
前記走査方向に垂直な少なくとも2つのレンズ光軸を有し該レンズ光軸にそれぞれ交差する少なくとも2つの屈折面を含む入射部又は出射部を備えるレンズ素子と、
前記2つの屈折面に前記レーザ光を供給し、且つ、前記レンズ光軸の間の互いに近づく位置又は前記レンズ光軸から互いに遠ざかる位置に偏芯し、且つ、前記レンズ光軸を含む平面から互いに反対方向に偏芯して、配置される2つの有効発光領域を有する光源と、を含み、
前記2つの有効発光領域の各々の端が、前記レンズ光軸を含む平面上に揃い、且つ、前記2つの有効発光領域が前記端から互いに反対方向に伸長する
ことを特徴とする測距装置である。
実施例1に係る測距装置の全体構成を示す構成図である。 実施例1に係るレーザ素子からのレーザ光の軌跡で形成する走査領域と反射光を受光する受光ラインセンサとの関係を概念的に示す概略斜視図である。 実施例1に係る測距装置における一対のコリメートレンズとレーザ素子を示す斜視図である。 実施例1に係る測距装置におけるレーザ素子を示す斜視図である。 実施例1に係る測距装置における照射軸上から眺めた一対のコリメートレンズの正面模式図である。 実施例1に係る測距装置における照射軸上から眺めた一対のコリメートレンズを部分的に透視した2つのレーザ素子の正面模式図である。 実施例1に係る変形例としての測距装置における照射軸上から眺めた一対のコリメートレンズを部分的に透視した2つのレーザ素子の正面模式図である。 実施例1の測距装置におけるレーザ素子の有効発光領域とコリメートレンズとiFOIの関係を示す模式的三面図である。 実施例2に係る測距装置の全体構成を示す構成図である。 実施例2に係るレーザ素子からのレーザ光の軌跡で形成する走査領域と反射光を受光する受光ラインセンサとの関係を概念的に示す概略斜視図である。 実施例2に係る測距装置におけるレンズ素子とレーザ素子を示す斜視図である。 実施例2に係る測距装置における照射軸上から眺めたレンズ素子を部分的に透視した2つのレーザ素子の正面模式図である。 各々の円筒軸が直交する入射・出射シリンドリカルレンズが発散レーザ光をコリメートする様子を示す概略斜視図である。 実施例2に係る測距装置におけるレーザ素子の有効発光領域とレンズ素子とiFOIの関係を示す模式的三面図である。 実施例2に係る測距装置におけるレンズ素子の変形例を示す斜視図である。 実施例2に係る測距装置におけるレンズ素子の他の変形例を示す斜視図である。 実施例3に係る測距装置における二対のレーザ素子とレンズ素子を備えた照射部を示す斜視図である。 各々の円筒軸が直交する他の入射・出射シリンドリカルレンズが発散レーザ光をコリメートする様子を示す概略斜視図である。 実施例4に係る測距装置におけるレンズ素子とレーザ素子を示す斜視図である。
以下に本発明の実施例のライダ(LiDAR:Light Detection And Ranging)装置等の走査型の測距装置を詳細に説明する。なお、以下の実施例における説明及び添付図面においては、XYZ直交座標空間において、Z方向を基準の光の照射方向(照射軸Zともいう)としてX方向を水平方向とY方向を鉛直方向として説明する。また、実質的に同一または等価な構成要素には同一の参照符号を付しているので、それら構成要素の重複説明を省略する。
図1は、本実施例に係る測距装置10の全体構成を示す構成図である。
本実施例の測距装置10は、2本のレーザ光L1a、L1bの水平方向(X方向)の走査照射を行い、鉛直方向(Y方向)に重なる2つの矩形の走査領域Ra、Rbすなわち被走査面を形成し、走査領域Ra、Rb内に存在する対象物Obまでの距離を測定する一軸走査型の測距装置である。なお、本発明は一軸走査型の測距装置に限定されるものではない。
本実施例の測距装置10は、投受光光学系として、レーザ素子11a、11b及びレンズ素子BSを含む照射部SHと、偏向素子16を含む走査部SCNと、偏向素子16を介して対象物Obからの反射光の一部を受光する結像光学系17及び受光ラインセンサ18a、18bを含む受光部LRVとを有する。さらに、測距装置10は、かかる投受光光学系を制御する制御部20有する。
本実施例の測距装置10は、レーザ素子11a、11bからのレーザ光L1a、L1bの各々の対象物Obへの投光タイミングと対象物Obからの戻り光L2a、L2bの受光ラインセンサ18a、18bまで受光タイミングとの間の時間差を計測するTOF(Time of Flight)法に基づき、対象物Ob(又はその一部の表面領域)までの距離を測定する。なお、本実施例では2本のレーザ光L1a、L1bの走査照射により、鉛直方向に幅広い領域内を測距する場合について説明する。
図2は、光源のレーザ素子11a、11bからのレーザ光L1a、L1bの軌跡で形成する走査領域Ra、Rbと反射光を受光する受光ラインセンサ18a、18bとの関係を概念的に示す概略斜視図である。
図2に示すように、本実施例において、レーザ素子11a、11bは、Y方向を長手方向とし、X方向を短手方向とする長方形断面形状を有するライン状のレーザ光を走査領域Ra、Rbへ出射する。すなわち、照射部SHは走査部SCNを介して、レーザ素子11a、11bからのレーザ光L1a、L1bを、レンズ素子BSにより走査領域Ra、Rb内でiFOIfpa、fpbとして照射する。2つのiFOIfpa、fpbに対象物(図示せず)が存在する場合、iFOIfpa、fpbから対象物によって反射又は散乱された光の一部が戻り光として走査部SCNを介し受光部LRVに戻る。
受光部LRVは、iFOIfpa、fpbからの戻り光をそれぞれ、結像光学系17によって、Y方向に伸びる受光ラインセンサ18a、18bによるiFOVvFPa、vFPb内に入り込ませるように、構成されており、戻り光を受光ラインセンサ18a、18bで検知する。
[照射部]
図3は実施例1に係る測距装置の照射部SHにおけるレンズ素子BSのコリメートレンズBS1、BS2とレーザ素子11a、11bを示す斜視図である。
[光源]
図4は実施例1に係る測距装置における1つのレーザ素子を示す斜視図である。
測距装置10の光源としてのレーザ素子11a、11bの各々は、例えば、半導体レーザの端面発光レーザ素子である。レーザ素子11a、11bの各々は、赤外領域にピーク波長を有するレーザ光を生成し、これをパルス状に断続的に出射する。端面発光レーザ素子は、一般的に素子の劈開端面発光部より楕円錐状にレーザ光を放射する。放射レーザ光の断面の強度分布はファーフィールドパターンと呼ばれる。
図4に示すレーザ素子11a、11bの各々は、それぞれの発光のファーフィールドパターンffpの垂直方向(Y方向)が水平方向(X方向)よりも大きくなり、放射方向が共に平行となるように、配置されている。ここで当該素子の強度分布パターンのうち測距装置10が使う領域を有効発光領域EFEと称する。各レーザ素子から照射軸Zに平行に出射したレーザ光の中心をレーザ光軸Eaとも称する。レーザ光軸Eaは、有効発光領域EFEの中心を通過する。有効発光領域EFEは、Y方向を長手方向とし、X方向を短手方向とする長方形形状を有する。
なお、光源のレーザ素子としては、端面発光レーザ素子の他に、活性層の垂直方向に共振器を作り込んだ垂直共振器面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)すなわち面発光レーザ素子(図示せず)を用いることもできる。当該面発光レーザ素子では、その複数を平面アレイとしたレーザユニットすることができ、発光パターンすなわち有効発光領域EFEを様々な形状とすることができる。
[レンズ素子]
図3に示すように、測距装置10の照射部SHは、レーザ素子11a、11bから各々に通過するレーザ光L1a、L1bの光ビーム断面形状を変換する透光性のレンズ素子BSである一対のコリメートレンズBS1、BS2を含んでいる。レンズ素子BSの2つのコリメートレンズBS1、BS2の各々は、そのレンズ光軸Rsaについて回転対称の曲面を含み、どちらも同じ大きさの曲率の凸曲面(非球面の屈折面であることが好ましい)を有する。
コリメートレンズBS1、BS2は、入射部にレーザ素子11a、11bにそれぞれに対面する凸面の屈折面RFP1、RFP2(入射レンズ面RFP1、RFP2ともいう)を有する。これら屈折面RFP1、RFP2の2つの入射レンズ面は、正のパワーをそれぞれ有している。さらに、レンズ素子BSは、該入射レンズ面RFP1、RFP2の反対側の出射レンズ面RFP3、RFP4は、入射レンズ面と同一のレンズ面又は平面を有することができる。
コリメートレンズBS1、BS2の各々は、一対のレーザ素子11a、11bの有効発光領域EFEからのレーザ光L1a、L1bの長方形断面レーザビームを、図1に示す走査領域Ra、Rbを作る長さL及び幅Sを有する長方形形状のiFOIfpa、fpbの光ビームへ変換する。
コリメートレンズBS1、BS2は、それらのレンズ光軸Rsaが照射軸Zに平行となるように、例えば照射軸Zから等距離離れて配置される。2つのレンズ光軸Rsaの中間に平行に照射軸Zが位置するようにしてあれば、コリメートレンズBS1、BS2が別体でも一体でも限定されない。
図5は、測距装置における照射軸Z上から眺めた一対のコリメートレンズBS1、BS2の正面模式図である。図6は、測距装置における照射軸Z上(レーザ素子の出力側)から眺めたコリメートレンズBS1、BS2を部分的に透視した2つのレーザ素子11a、11bの正面模式図である。図7は、本実施例の変形例としての測距装置における照射軸上から眺めた一対のコリメートレンズを部分的に透視した2つのレーザ素子の正面模式図である。
レーザ素子11a、11bは、図6に示すように、照射軸Zから両レーザ光軸Eaが対称に配置され、更にコリメートレンズBS1、BS2のレンズ光軸RsaからX方向とY方向に平行に変位(D,Dy)されて、レンズ光軸Rsaの間で距離Dだけ互いに近づく位置に偏芯して配置される。なお、レーザ素子11a、11bの両者の距離D(X方向)は同一でも異なっていてもよいが、距離Dy(Y方向)は同一である。
なお、図7に示すように、レーザ素子11a、11bとコリメートレンズBS1、BS2の配置の変形例として、レーザ素子11a、11bが、コリメートレンズBS1、BS2のレンズ光軸RsaからX方向とY方向に平行に変位(D,Dy)されて、レンズ光軸Rsaから距離Dだけ互いに遠ざかる位置に偏芯して配置されてもよい。
[走査部]
図1に示すように、測距装置10は、走査部SCNとして、レーザ光L1a、L1bを方向可変に偏向して投光する一軸走査の偏向素子16を有する。すなわち、偏向素子16は、レーザ光L1a、L1bをX方向に沿って可変に偏向する。よって、測距装置10は、Y方向に延びるライン状のレーザ光L1a、L1bの出射方向をX方向に沿って変化・走査させることでそれぞれ走査領域Ra、Rbを画定する。
偏向素子16は、例えば、回動軸aY(Y方向)の周りに回動し、レーザ光L1a、L1bを反射させる少なくとも1つのガルバノミラーやポリゴンミラー等の回転ミラー16Aを有する。なお、偏向素子16は、回転ミラーの他に例えば、1軸回動式のMEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーであってもよい。
レーザ素子11a、11bは、回転ミラー16Aの回動軸aYの軸方向に沿って延びる長方形形状の断面形状(レーザ素子の長方形形状の有効発光領域)を有するレーザ光L1a、L1bを出射する。偏向素子16は、レーザ光L1a、L1bの偏向方向を周期的に変化させる。偏向素子16は、レーザ光L1a、L1bの進行方向を屈曲させつつ出射し、その屈曲方向を周期的に変化させる。偏向素子16によって偏向されたレーザ光L1a、L1bは、走査光としてそれぞれ2つの走査領域Ra、Rbに向けて投光される。
鉛直方向に重ねられた2つの走査領域Ra、Rbの各々は、レーザ光L1a、L1bの断面における長手方向に沿った垂直範囲及び偏向素子16によるレーザ光L1a、L1bの偏向方向の可変範囲に対応する走査方向SL(X方向)に沿った同断面における幅方向の水平範囲かなる仮想の被走査面と、レーザ光L1a、L1bが所定の強度を維持できる距離方向の奥行範囲と、を有する錐状の3次元空間でもある。
2つの走査領域Ra、Rbは、垂直方向においてレーザ素子11a、11bから出射されるレーザ光L1a、L1bの位置関係に対応して連続するようになる。また、2つの走査領域Ra、Rbは、水平方向においてレーザ光L1a、L1bの各々の光軸からのオフセット量に応じずれが生じる。
また、図1に示すように、2つの走査領域Ra、Rbに対象物Ob(すなわち走査するレーザ光に対して反射性又は散乱性を有する物体又は物質)が存在する場合、レーザ光L1a、L1bは、対象物Obによって反射又は散乱される。そして、対象物Obによって反射された光の一部が戻り光L2a、L2bとして、レーザ光L1a、L1bとほぼ同一の光路を反対の方向に向かって進み、偏向素子16に戻って来る。
[受光部]
図1に示すように、測距装置10は、投受光光学系の受光部LRVとして、偏向素子16と光分離素子SPと結像光学系17と互いに一端部で近接する2つの長方形の受光ラインセンサ18a、18bとを有する。
光分離素子SPは、偏向素子16とレンズ素子BSとの間のレーザ光L1a、L1b及び戻り光L2a、L2bに共通の照射軸Z上に設けられ、戻り光L2a、L2bだけを結像光学系17へ偏向する。例えば、光分離素子SPは、レーザ光L1a、L1bを透過させかつ戻り光L2a、L2bを反射させる、レーザ光L1a、L1b及び戻り光L2a、L2bを分離するビームスプリッタである。
結像光学系17は、光分離素子SPによって偏向された戻り光L2a、L2bを受光して、戻り光L2a、L2bを整形しつつ2つの受光ラインセンサ18a、18bの受光面にそれぞれ結像する。
2つの受光ラインセンサ18a、18bの各々は、戻り光L2a、L2bを検出するように、走査領域Ra、Rbにおけるレーザ光L1a、L1bのiFOIfpa、fpbの方向と同じY方向に一列又は複数列に配置された複数の受光セグメントSGが配列されたライン状の受光面を有する。2つの受光ラインセンサ18a、18bの光検出素子の受光面は、例えば、結像光学系17の結像面に配置されている。2つの受光ラインセンサ18a、18bの各々の光検出素子は、結像された戻り光L2a、L2bを検出し、これらに応じた電気信号を戻り光L2a、L2bの検出結果(受光結果)として生成する。受光セグメントの各々は、互いに独立して対象物Obからの反射光(戻り光L2a、L2b)を受光して、受光タイミングを検知する。当該光検出素子の受光セグメントとしては、ガイガーモードで動作するアバランシェフォトダイオードが用いられる。
[制御部]
図1に示すように、測距装置10は、照射部SHのレーザ素子11a、11b、走査部・受光部の偏向素子16及び2つの受光ラインセンサ18の駆動及びその制御を行う制御部20を有する。制御部20は、LSIチップ、マイクロプロセッサ等の集積部チップ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)等のロジックデバイス、集積部チップとロジックデバイスの組み合わせ等とそれらの制御のための制御プログラムソフトウエアで実現され得る。
制御部20は、レーザ素子11a、11bを駆動する光源駆動部21と、偏向素子16を駆動する偏向素子駆動部22と、対象物Obまでの距離を計算する測距部23を有する。また、制御部20は、2つの受光ラインセンサ18a、18bの各々の切り替え(スイッチング)駆動をそれぞれ独立して行う。
光源制御部21は、レーザ素子11a、11bの各々の駆動及び制御をそれぞれ独立して行う照射制御部である。光源駆動部21は、レーザ素子11a、11bの発光タイミングと発光強度を制御する。
偏向素子駆動部22は、偏向素子16の動き(または偏向角)を制御する。
測距部23は、2つの受光ラインセンサ18a、18bによる戻り光L2a、L2bの受光結果に基づいて対象物Obまでの距離を測定する。測距部23は、当該電気信号から戻り光L2a、L2b(レーザ光L1a、L1bの反射光の一部)を示すパルスを検出する。また、測距部23は、レーザ光L1a、L1bの投光タイミングと戻り光L2a、L2bの受光タイミング(検出パルス)との間の時間差に基づくTOF法によって、対象物Ob又はその一部の表面領域までの距離を測定し、レーザ光L1a、L1bに対応する距離を示す第1及び第2の測距データを生成する。
また、測距部23は、生成した第1及び第2の測距データと回転ミラー16Aの変位を示す情報とに基づいて、2つの走査領域Ra、Rbの測距画像を生成する。測距部23は、測距部23が生成した測距データと回転ミラー16Aの変位とを示す情報とを対応付け、測距データの距離値を画素として示す2つの走査領域Ra、Rbを含む全体の走査領域の2次元・3次元画像データである測距画像を生成する。
[光学系における有効発光領域/iFOI/センサ受光部]
測距装置10は、長方形形状の有効発光領域EFEからの上下2本のレーザ光により走査領域Ra、Rbの水平方向(X方向)の走査照射(長方形形状iFOI)を行い、それぞれのレーザ光による対象物Obからの反射光(戻り光)を上下2本の受光ラインセンサ18で検知している。
一般に、測距装置の投受光光学系において、レーザ素子の長方形形状の有効発光領域EFEの形状(位置関係)と対応する受光ラインセンサの形状(位置関係)を相似形にすること難しいが、その必要性がある。なぜならば、受光ラインセンサ(特にガイガーモードAPD(Avalanche PhotoDiode)ラインセンサの場合)を使うためには、以下の2条件(1)(2)がそれぞれ相似形でなければならず、相似形でないと信号振幅が小さくなったり、iFOVが小さくなったりするからである。
(1)レーザ素子の長方形形状の有効発光領域EFEの形状と照射レーザ光の長方形形状のiFOIの形状の相似形、及び
(2)当該長方形形状のiFOIの形状と受光ラインセンサの受光部の形状の相似形。
さらなる相似形への困難条件として、実際の端面発光レーザ素子や受光ラインセンサを単純に垂直方向(Y方向)にならべても必ずギャップ(隙間)ができてしまう(レーザ素子の発光部の周りの半導体部分やセンサ受光部の周りの枠などの構造物があるから)。よって、ギャップができないように端面発光レーザ素子又は受光ラインセンサは水平方向(X方向)にシフトさせて配置しなければならない。この場合、水平方向(X方向)のサイズのパラメータには以下の2つ(3)(4)がある。
(3)有効発光領域/iFOI/受光部の各横幅(X方向)、及び
(4)有効発光領域/iFOI/受光部の各間隔(X方向)。
これらのパラメータの制限で、ビーム径アスペクト比変換エキスパンダを投受光光学系に追加したとしても、上記条件(1)(2)を満たすことができない。例えば、ビーム径アスペクト比変換エキスパンダで有効発光領域と受光部の間隔を合わせてしまうと、iFOIと受光部の形状を相似形にすることができず、例えば、iFOI幅が狭くなり過ぎて受光部の横幅を満たす戻り光が得られずに信号振幅が小さくなったり、iFOVが小さくなったりする。
そこで、本実施例において、レーザ素子11a、11bの有効発光領域毎に対向するコリメートレンズBS1、BS2のレンズ素子BSを用い、当該2つのコリメートレンズBS1、BS2のレンズ光軸に対してレーザ素子の有効発光領域の相対位置を変える、すなわち偏芯させることで、相対的な形状を維持しつつ照射レーザ光の2つのiFOIの間隔を変えることができるようになる。
[本実施例の測距装置の動作]
図8は本実施例の測距装置における一対のレーザ素子11a、11bの有効発光領域EFEとレンズ素子の一対のコリメートレンズBS1、BS2とiFOIfpa、fpbaの関係を示す模式的三面図であり、レーザ光の光ビーム(Z方向)に直交するXY平面の正面図(図8(a))、照射軸Zを含むZX平面図(図8(b))及び照射軸Zを含むZY側面図(図8(c))である。
図8(a)(b)に示すように、レンズ素子BSの2つのコリメートレンズBS1、BS2は、幅方向(X方向)で隣り合う長方形形状iFOIfpa、fpbaの各々を互いに平行に相対的な形状を維持してレーザ光を両レンズ光軸Rsaから互いに遠ざかる位置へ送光する。なお、図7の変形例では長方形形状iFOIfpa、fpbaが両レンズ光軸Rsaから互いに近づく位置にレーザ光を送光する。
レーザ素子11a、11bは、その長手方向(Y方向)が互いに平行な有効発光領域EFEが、その短手方向(X方向)おいて互い違いにオフセットするように配置されている(図8(a))。
これにより、図1に示す鉛直方向(Y方向)に重なる2つの走査領域Ra、Rbの間の間隙(図8(c)参照)の発生が抑えられる。当該間隙を確実にするためには、図8(a)に示すように、レーザ素子11a、11bの長方形形状の有効発光領域EFEは、長さ方向(Y方向)において互いに反対方向に向き合った有効発光領域EFEの一端同士が一直線(ZX平面)に揃うように配置されることが好ましい。
このように、本実施例において、レーザ素子11a、11bは、その2つの有効発光領域EFEがレンズ光軸Rsaの間の互いに近づく位置(図7の変形例ではレンズ光軸Rsaから互いに遠ざかる位置)に偏芯し、且つ、両レンズ光軸Rsaを含む平面から互いに反対方向に偏芯して、そして、有効発光領域EFEの各々の端が、レンズ光軸Rsaを含む平面(ZX平面)上に揃い、且つ、有効発光領域EFEが前記端から互いに反対方向に伸長するように、配置される。
レーザ素子11a、11bの有効発光領域EFEが、レンズ素子BSに対して、照射軸Zに互いに近づいた位置(図6)又は遠ざかる位置(図7)に2つのレンズ光軸Rsaから距離Dで偏芯して配置されているので、当該距離Dを調整することより、受光ラインセンサ18a、18b(図2、参照)の左右ずれ(X方向)に合わせることができる。
本実施例によれば、レーザ素子11a、11bを、その長方形形状の有効発光領域EFEが偏芯するように配置させることで、鉛直方向(Y方向)に重なる2つの走査領域Ra、Rb(図1、参照)の垂直方向(Y方向)の連続性を保ったまま、左右(X方向)の間隔(角度)を変えたレーザ光のiFOIfpa、fpbaを形成することができる。有効発光領域のiFOIと受光部のiFOVの関係を相似形とできるので、受光ラインセンサの信号感度低下を抑制することができる測距装置が達成される。
また、本実施例によれば、コリメートレンズBS1、BS2毎に予めレーザ素子11a、11bと位置合わせして組立て、当該組立体ごとの光軸調整ができるようになる。
図9は、本実施例に係る測距装置10の全体構成を示す構成図である。本実施例の測距装置10は、その照射部SHのレンズ素子として、コリメートレンズBS1、BS2に代えて、出射部と入射部とで互いに直交する円筒軸を有するシリンドリカルレンズ面を備える1つのレンズ素子BS3を用いた以外、実施例1と同様の構成を有する。よって、変更した構成部分を主に説明する。
本実施例では、レンズ素子BS3として2つのコリメートレンズの代わりに、一軸方向のみに光学的パワーがあり、それと直交する軸方向では光に影響しないシリンドリカルレンズ面(屈折面)の対を備える透光性の光学素子を用いる。
図10は、光源のレーザ素子11a、11bからのレーザ光L1a、L1bの軌跡で形成する走査領域Ra、Rbと反射光を受光する受光ラインセンサ18a、18bとの関係を概念的に示す概略斜視図である。図11は、本実施例に係る測距装置におけるレンズ素子BS3とレーザ素子11a、11bを示す斜視図である。
図10、図11に示すように、レンズ素子BS3は、入射部にレーザ素子11a、11bにそれぞれに対面する凸円筒面の屈折面RFPa、RFPb(入射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPbともいう)を有する。図11に示すように、これら屈折面RFPa、RFPbの2つの入射シリンドリカルレンズ面は、走査方向(X方向)に垂直な垂直軸Vtaすなわち円筒軸上に曲率中心CoCを有し、正のパワーをそれぞれ有している。また、入射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPbは、入射部として同一の曲率の円筒面を有している。
さらに、レンズ素子BS3は、該入射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPbの反対側の出射部に凸円筒面の屈折面RFPc(出射シリンドリカルレンズ面RFPcともいう)を有する。出射シリンドリカルレンズ面RFPcは入射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPbに共通に対向している。この出射シリンドリカルレンズ面RFPcは、走査方向(X方向)に平行な円筒軸PLa上に曲率中心CoC2を有し、正のパワーの屈折面としている。出射シリンドリカルレンズ面RFPcの円筒軸PLaは、2つの入射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPbの円筒軸Vtaのそれぞれに対して垂直である。いずれの入射・出射シリンドリカルレンズ面も円筒面だけでなく非球面として構成することもできる。
また、レンズ素子BS3は、出射シリンドリカルレンズ面RFPcの円筒軸PLaに直交し且つ入射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPbの2つの円筒軸Vtaにそれぞれ直交する平行な2つのレンズ光軸Rsaを有している。レンズ素子BS3は、2つのレンズ光軸Rsa(入射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPb)の中間に平行に照射軸Zが位置するように、測距装置10に配置されている。
レーザ素子11a、11bからのレーザ光L1a、L1bは、それぞれ入射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPbの各円筒軸方向Vta(図11においてはY方向)にはそのまま集光されることなく、同入射シリンドリカルレンズ面の各円筒軸方向に直交する方向(図11においてはX方向)にのみ集光されながら出射シリンドリカルレンズ面RFPcを介してそれぞれ出射される。出射されるレーザ光L1a、L1bは、出射シリンドリカルレンズ面RFPcの円筒軸方向Vtc(図11においてはX方向)にはそのまま集光されることなく、同入射出射シリンドリカルレンズ面の円筒軸方向に直交する方向(図11においてはY方向)にのみ集光されている。
図12は、照射軸Z上から眺めた測距装置10におけるレンズ素子BS3を部分的に透視した2つのレーザ素子11a、11bの正面模式図である。図12に示すように、レンズ素子BS3は、その2つのレンズ光軸Rsaが照射軸Zを含むXZ平面に共に位置するように配置される。さらに、レンズ素子BS3の入射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPbは、それらの2つのレンズ光軸Rsaが2つのレーザ素子11a、11bの有効発光領域EFE(レーザ光軸Ea)を挟むように配置される。レンズ素子BS3の平行な2つのレンズ光軸Rsaは、レーザ素子11a、11bのレーザ光軸Eaに一致しない。すなわち、レーザ素子11a、11bとレンズ素子BS3は、レーザ素子11a、11bの有効発光領域EFEがレンズ素子BS3の2つの円筒軸Vta(又はレンズ光軸Rsa)から近づく位置に距離Dだけ平行に偏芯し、且つ、有効発光領域EFEの端がレンズ光軸Rsaを含む平面(XZ面)に揃い、有効発光領域EFEが互いに反対方向(XZ面の垂直方向Y)に伸長するように配置される。このように、レーザ素子11a、11bの矩形の有効発光領域EFE(図4、参照)は、2つの入射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPbに両レーザ光軸Eaから偏芯しつつ対向している。
レンズ素子BS3のレンズ光軸Rsaがレーザ素子11a、11bのレーザ光軸Eaにそれぞれ一致しないが、レンズ素子BS3は、入射されるレーザ光をコリメートして出射させることができる。
図13は、各々の円筒軸が直交する入射・出射シリンドリカルレンズが発散レーザ光をコリメートする様子を示す概略斜視図である。
一般に、それぞれが出射シリンドリカルレンズ面と入射シリンドリカルレンズ面を有する平シリンドリカルレンズ(出射シリンドリカルレンズと入射シリンドリカルレンズ)の一組は、互いの円筒軸(X方向、Y方向)が垂直となる場合、レーザ光の発散入射ビームをコリメートすることができる。この場合、入射・出射シリンドリカルレンズ面を用いて、直交する共通のレンズ光軸からX方向、Y方向で光線を独立して処理すれば、真円や長円等の出射コリメートビームを得ることができる。一組の入射・出射シリンドリカルレンズ面の焦点距離の比をX方向とY方向のビーム拡散の比に合わせて、レーザ素子の有効発光領域を両レンズ面の円筒線に直交する光軸上に配置し、一組の入射シリンドリカルレンズ面の焦点距離(F1)と出射シリンドリカルレンズ面の焦点距離(F2)の焦点距離の差分(F2-F1)だけ離れるようにして入射・出射シリンドリカルレンズ面を配置して、所望の出射ビーム断面のレンズ素子を設計することができる。また、レンズ光軸から変位した入射ビームの偏芯点からの光線もコリメートビーム内の成分となる。
なお、レンズ素子BS3のみでコリメートビームの整形が不十分であれば、ビーム径アスペクト比変換エキスパンダ等を投受光光学系に追加してもよい。
[本実施例の測距装置の動作]
図14は本実施例の測距装置における一対のレーザ素子11a、11bの有効発光領域とレンズ素子BS3とiFOIfpa、fpbの関係を示す模式的三面図であり、レーザ光の光ビーム(Z方向)に直交するXY平面の正面図(図14(a))、照射軸Zを含むZX平面図(図14(b))及び照射軸Zを含むZY側面図(図14(c))である。
図14(a)(b)に示すように、レンズ素子BS3の2つの入射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPbと出射シリンドリカルレンズ面RFPcは、幅方向(X方向)で隣り合う長方形形状iFOIfpa、fpbaの各々を互いに平行に相対的な形状を維持してレーザ光を両レンズ光軸Rsaから互いに遠ざかる位置へ送光する。
レーザ素子11a、11bは、その長手方向(Y方向)が互いに平行な有効発光領域EFEが、その短手方向(X方向)おいて互い違いにオフセットするように配置されている(図14(a))。
これにより、図9に示す鉛直方向(Y方向)に重なる2つの走査領域Ra、Rbの間の間隙(図14(c)参照)の発生が抑えられる。当該間隙を確実にするためには、図14(a)に示すように、レーザ素子11a、11bの長方形形状の有効発光領域EFEは、長さ方向(Y方向)において互いに反対方向に向き合った有効発光領域EFEの一端同士が一直線(ZX平面)に揃うように配置されることが好ましい。
このように、本実施例において、レーザ素子11a、11bは、その2つの有効発光領域EFEがレンズ光軸Rsaの間の互いに近づく位置に偏芯し、且つ、両レンズ光軸Rsaを含む平面から互いに反対方向に偏芯して、そして、有効発光領域EFEの各々の端が、レンズ光軸Rsaを含む平面(ZX平面)上に揃い、且つ、有効発光領域EFEが前記端から互いに反対方向に伸長するように、配置される。
レーザ素子11a、11bの有効発光領域EFEが、レンズ素子BS3に対して、照射軸Zに互いに近づいた位置(図12の距離Dだけ)又は遠ざかる位置(図示せず)に2つのレンズ光軸Rsaから偏芯して配置され得るので、当該距離Dを調整することより、受光ラインセンサ18a、18b(図10、参照)の左右ずれ(X方向)に合わせることができる。
本実施例によれば、レーザ素子11a、11bを、その長方形形状の有効発光領域EFEが偏芯するように配置させることで、鉛直方向(Y方向)に重なる2つの走査領域Ra、Rb(図9、参照)の垂直方向(Y方向)の連続性を保ったまま、左右(X方向)の間隔(角度)を変えたレーザ光のiFOIfpa、fpbaを形成することができる。有効発光領域のiFOIと受光部のiFOVの関係を相似形とできるので、受光ラインセンサの信号感度低下を抑制することができる測距装置が達成される。すなわち、本実施例において、レーザ素子11a、11bの有効発光領域毎に対向する受光側の屈折面を有するレンズ素子BS3を用い、当該2つの受光側の屈折面(レンズ光軸)の相対位置を変える、すなわち偏芯させることで、相対的な形状を維持しつつ照射レーザ光の2つのiFOIの間隔を変えることができるようになる。
[レンズ素子BS3の変形例]
図15及び図16は、レンズ素子BS3の変形例を示す斜視図である。入射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPbと出射シリンドリカルレンズ面RFPcを有するレンズ素子BS3は一体的に形成されても、複数の部分からなる組立体で構成されてもよい。
図15に示すように、レンズ素子BS3は、装置の照射軸Zを含むZX平面を境に部分レンズ素子BSa、BSbに2分割され組立てられた組立体のレンズ素子であってもよい。部分レンズ素子BSa、BSbの入射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPbと出射シリンドリカルレンズ面RFPcの曲率はそれぞれ同一である。
図16に示すように、レンズ素子BS3は、装置の走査方向(X方向)を含むXY平面を境に出射シリンドリカルレンズ面RFPcを含む部分レンズ素子BSc(平凸シリンドリカルレンズ)と、装置の照射軸Zを含むZX平面を境に2分割されそれぞれ入射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPbを含む部分レンズ素子BSe、BSd(平凸シリンドリカルレンズ)と、に3分割され組立てられた組立体のレンズ素子であってもよい。部分レンズ素子BSe、BSdの入射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPbの曲率は同一である。
これらの変形例によれば、入射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPbを含む部分レンズ素子毎に予めレーザ素子11a、11bと位置合わせして組立て、当該組立体ごとのレーザ光の光路調整ができるようになる。
図17は、実施例3に係る測距装置10の二対のレーザ素子(11a、11b)(11c、11d)とレンズ素子BS3を備えた照射部SHを示す斜視図である。
本実施例は、実施例2の2つのレーザ素子(11a、11b)に加え、照射軸Zに点対称に配置された追加のレーザ素子(11c、11d)を用いた以外、実施例2と同様の構成を有する。よって、変更した構成部分を説明する。
4個のレーザ素子(11c、11a、11b、11d)は、それぞれの長方形形状の有効発光領域EFEがY方向において互い違いにオフセットするようにレンズ素子BS3の入射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPbに向けて配置されている。
追加のレーザ素子(11c、11d)は、レーザ素子11a、11bと同様に、それらの有効発光領域EFE(図4、参照)が偏芯しつつ2つの入射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPbに対向している。すなわち、追加のレーザ素子11c、11dは、それらの有効発光領域EFEがレンズ素子BS3の2つの円筒軸Vta(すなわち2つのレンズ光軸Rsa)から照射軸Zに近づく位置に距離Dだけ偏芯して配置されている。
これによって、図17に示すように、レンズ素子BS3は、長方形形状iFOIfpc、fpa、fpb、fpdの光ビームのレーザ光を長さ方向(Y方向)において互い違いにオフセットするように出射する。本実施例によれば、図1には示さないが、鉛直方向(Y方向)に重なる2つの走査領域Ra、Rbの上下に追加のレーザ素子(11c、11d)に由来する2つの追加の走査領域が生成される。
本実施例によれば、レーザ素子対毎にシリンドリカルレンズの組を配置する際、図17のようにレーザ素子の長方形形状の有効発光領域EFEを偏芯させることで、垂直方向(Y方向)の連続性を保ったまま、左右(X方向)の間隔(角度)を変えたレーザ光のiFOIを形成でき、上下(Y方向)に走査領域を拡大することができる。
[他の実施例]
上記の実施例2~3では、出射部で走査方向に平行な円筒軸を有する走査方向伸長シリンドリカルレンズ面RFPcを、入射部で2つの屈折面の各々が走査方向に垂直方向に伸長する円筒軸を有するシリンドリカルレンズ面RFPa、RFPbを備える1つのレンズ素子BS3を用いている。
更に、一般的に図18に示すように、図13の直交する入射・出射シリンドリカルレンズの対をレンズ光軸の回りに90度回転させた、他の直交する入射・出射シリンドリカルレンズの原理でも発散レーザ光をコリメートできる。
よって、上記の実施例2を利用して、図11に示すレンズ素子BS3に代えて、図19に示すような、入射部が走査方向SL(X方向)に平行な円筒軸PLaを有する走査方向伸長シリンドリカルレンズ面RFPcを有し、出射部の2つの屈折面RFPa、RFPbの各々が垂直方向に伸長する円筒軸Vtaを有するシリンドリカルレンズ面を備える1つのレンズ素子BS4を用いた、実施例4の測距装置を構成することができる。レンズ素子BS4は、2つのレンズ光軸Rsa(出射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPb)の中間に平行に照射軸Zが位置するように、測距装置10に配置されている。
すなわち、レーザ素子11a、11bは、それらの有効発光領域EFEがレンズ素子BS4の出射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPbの2つの円筒軸Vta(又はレンズ光軸Rsa)から近づく位置に所定距離だけ平行に偏芯し、且つ、有効発光領域EFEの端がレンズ光軸Rsaを含む平面(XZ面)に揃い、有効発光領域EFEが互いに反対方向(XZ面の垂直方向Y)に伸長するように配置される。レーザ素子11a、11bの有効発光領域EFEはそれぞれ、2つの屈折面(出射シリンドリカルレンズ面RFPa、RFPb)にレーザ光を、入射シリンドリカルレンズ面RFPcを介して供給している。
上記の実施例1~3では、照射部SH、走査部SCN及び受光部LRVを含む光照射系と光受光系を共通にした投受光光学系を有する場合を説明したが、対象物からの戻り光を受光する光受光系を光照射系と別光学系にしたバイアキシャル系の測距装置でも、本発明を利用することができる。
10 測距装置
11a、11b、11c、11d レーザ素子
16 偏向素子
17 集光光学系
18a、18b 受光ラインセンサ
20 制御部
21 光源駆動部
22 偏向素子駆動部
23 測距部
Ob 対象物
BS1、BS2 コリメートレンズ
BS、BS3、BS4 レンズ素子
Rsa レンズ光軸
Ea レーザ光軸
Z 照射軸
SG 受光セグメント
Ra、Rb 走査領域

Claims (9)

  1. レーザ光を出力する照射部と、
    前記レーザ光を走査方向に走査する走査部と、
    前記レーザ光で走査される対象物から反射した一部の反射光を受光する光検出素子と、を含み、
    前記照射部は、
    前記走査方向に垂直な少なくとも2つのレンズ光軸を有し該レンズ光軸にそれぞれ交差する少なくとも2つの屈折面を含む入射部又は出射部を備えるレンズ素子と、
    前記2つの屈折面に前記レーザ光を供給し、且つ、前記レンズ光軸の間の互いに近づく位置又は前記レンズ光軸から互いに遠ざかる位置に偏芯し、且つ、前記レンズ光軸を含む平面から互いに反対方向に偏芯して、配置される2つの有効発光領域を有する光源と、を含み、
    前記2つの有効発光領域の各々の端が、前記レンズ光軸を含む平面上に揃い、且つ、前記2つの有効発光領域が前記端から互いに反対方向に伸長する
    ことを特徴とする測距装置。
  2. 前記レンズ素子は、前記屈折面が前記レンズ光軸について回転対称の曲面を含むコリメートレンズである
    ことを特徴とする請求項1に記載の測距装置。
  3. 前記レンズ素子は、前記出射部と前記入射部とで互いに直交する円筒軸を有するシリンドリカルレンズ面を有するように構成された透光性の光学素子である
    こと特徴とする請求項1に記載の測距装置。
  4. 前記レンズ素子は、前記2つの屈折面の間で前記走査方向に垂直な垂直方向に分割されている
    こと特徴とする請求項3に記載の測距装置。
  5. 前記レンズ素子は、前記レンズ光軸に直交して前記出射部側と前記入射部側に分割された部分シリンドリカルレンズを有する
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の測距装置。
  6. 前記2つの有効発光領域の対が前記シリンドリカルレンズ面に沿って複数対、設けられている
    ことを特徴とする請求項3乃至5の何れか1つに記載の測距装置。
  7. 前記走査部は、前記レーザ光を前記走査方向に走査する偏向素子を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1つに記載の測距装置。
  8. 前記光検出素子は、各々がその端部で近接し且つ前記走査方向に垂直な垂直方向に反対側に該端部から伸長し且つ前記反射光を受光する少なくとも2つの受光ラインセンサを含む
    ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1つに記載の測距装置。
  9. 前記2つの受光ラインセンサによる前記反射光の受光結果に基づいて前記対象物までの距離を測定する測距部と、を有する請求項8に記載の測距装置。
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