JP2023148349A - 金属材料の熱処理方法および金属材料の熱処理装置 - Google Patents

金属材料の熱処理方法および金属材料の熱処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 金属材料の性能を向上させるために用いられるレーザー光の適用範囲を広げる。【解決手段】 レーザー光照射装置230は、レーザー光が照射される領域における金属材料510としての性質を発現または改善(改質)させることを目的として金属材料にレーザー光を照射することにより熱処理を行う。【選択図】 図2

Description

本発明は、金属材料の熱処理方法および金属材料の熱処理装置に関する。
特許文献1には、Co系アモルファス合金薄帯に対して0.5mmφ以下に絞ったレーザー光を照射して、点列状または線状の結晶化領域をCo系アモルファス合金薄帯に形成することにより、Co系アモルファス合金薄帯における磁区を細分化することが記載されている。特許文献1には、このような磁区の細分化により、Co系アモルファス合金薄帯の高周波磁気特性を向上させることができることが記載されている。また、特許文献2には、Fe系合金薄帯に対して0.5mmφ以下に絞ったレーザー光を照射して、点列状または線状の局部的な領域として歪みが導入された領域を形成することにより、Fe系合金薄帯の高周波磁気特性を向上させることができることが記載されている。
特開昭62-227070号公報 特開昭63-239906号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の技術は、特定の金属材料(Co系アモルファス合金薄帯やFe系合金薄帯)において特定の現象(磁区の細分化)を生じさせるためにレーザー光を用いる。したがって、金属材料の性能を向上させるために用いられるレーザー光の適用範囲が限られる。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、金属材料の性能を向上させるために用いられるレーザー光の適用範囲を広げることを目的とする。
本発明の金属材料の熱処理方法は、金属材料を熱処理する金属材料の熱処理方法であって、前記金属材料にレーザー光を照射することにより前記金属材料を熱処理する熱処理工程を有し、前記熱処理工程では、前記金属材料の領域のうち前記レーザー光が照射される領域における前記金属材料としての性質を発現または改善させることを目的として前記金属材料にレーザー光を照射する。
本発明の金属材料の熱処理装置は、金属材料を熱処理する金属材料の熱処理装置であって、前記金属材料にレーザー光を照射することにより前記金属材料を熱処理する熱処理手段を有し、前記熱処理手段は、前記金属材料の領域のうち前記レーザー光が照射される領域における前記金属材料としての性質を発現または改善させることを目的として前記金属材料にレーザー光を照射する。
本発明によれば、金属材料の性能を向上させるために用いられるレーザー光の適用範囲を広げることができる。
巻コアの製造工程の一例を説明する図である。 コア形成工程の一例を説明する図である。 X線回折プロファイルの一例を示す図である。 熱処理後のFe系アモルファス合金薄帯の表面の一例を示す画像である。 レーザー光の照射方法の一例を示す図である。 モータのステータコアを構成する珪素鋼板の形状の一例を示す図である。
(知見)
まず、後述する実施形態に至る際に本発明者らが得た知見について説明する。
特許文献1に記載されている技術においてレーザー光が照射される領域は結晶化されるのでアモルファス合金としての性質を有していない。すなわち、特許文献1に記載されている技術では、レーザー光が照射された領域だけを見た場合、当該領域は結晶化されているため(非晶質となっていないため)Co系アモルファス合金薄帯としての性質を有していない。また、特許文献2に記載されている技術においてレーザー光が照射される領域には歪みが導入されるので、当該領域の磁気特性はレーザー光が照射される前に比べて低下する。
このように特許文献1、2に記載の技術は、レーザー光が照射される領域における磁気特性を犠牲にして、レーザー光が照射されていない領域における磁気特性の向上を図ることを意図する技術である。また、特許文献1、2に記載の技術では、Co系アモルファス合金薄帯やFe系合金薄帯に対してレーザー光を照射する工程とは別に、Co系アモルファス合金薄帯やFe系合金薄帯としての性質を発現または改善させるために、Co系アモルファス合金薄帯またはFe系合金薄帯に対して熱処理を行う。なお、特許文献1に記載されている熱処理の目的は、結晶の生成を抑制しつつ歪みを低減することであり、特許文献2に記載されている熱処理の目的は、微細結晶を生成することである。
これに対し本発明者らは、金属材料(レーザー光の吸収率等)に応じてレーザー光の照射条件を調整することにより、レーザー光が照射される領域における当該金属材料としての性質を発現または改善(改質)させることができることを見出した。これにより、金属材料の性能を向上させるために用いられるレーザー光の適用範囲を広げることができる。また、例えば、金属材料としての性質を発現または改善する領域を任意に設定することができ、特許文献1、2に記載されている熱処理のように、必ずしも金属材料の全体の熱処理を行う必要がなくなる。また、例えば、金属材料としての性質を発現または改善するための熱処理の時間を、従来の加熱炉(例えば、電気炉、高周波誘導加熱炉、赤外線集光加熱炉)を用いる場合に比べて短くすることができる。以下に説明する本発明の実施形態は、このような知見に基づいてなされたものである。
(実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
なお、以下の説明では、時間、温度、長さ、位置、大きさ、間隔等、比較対象が同じであることは、厳密に同じである場合の他、発明の主旨を逸脱しない範囲で異なるもの(例えば、設計時に定められる公差の範囲内で異なるもの)も含むものとする。また、以下の説明では、レーザー光が照射される領域における金属材料としての性質を発現または改善させることを目的としてレーザー光を照射することを、必要に応じてレーザー光による熱処理または単に熱処理と称する。また、各図では、説明および表記の都合上、各部の構成のうち説明に必要な部分のみを必要に応じて簡略化して示す。また、図2および図5に示すx-y-z座標は、図2および図5に示す構成の向きの関係を示すものであり、図5において白丸(〇)の中に黒丸(●)を付した記号は、紙面の奥側から手前側に向かう方向の矢印線を示す。
レーザー光による熱処理を行う金属材料は特に限定されないが、本実施形態では、Fe系アモルファス合金薄帯に対してレーザー光による熱処理を行う場合を例示する。また、レーザー光による熱処理を行う目的は、レーザー光が照射される領域における金属材料としての性質を発現または改善させることを目的としていれば特に限定されないが、本実施形態では、bccFe結晶の結晶化を抑制しつつ、Fe系アモルファス合金薄帯の内部応力(歪み)を抑制することを含む目的のためにレーザー光による熱処理を行う場合を例示する。また、本実施形態では、Fe系アモルファス合金薄帯から巻コア(巻鉄心)を製造する際にレーザー光による熱処理を行う場合を例示する。なお、アモルファス合金薄帯は、Fe系のものに限定されず、その他のもの(Co系等)であっても良い。
図1は、巻コアの製造工程の一例を説明する図である。
まず、S101において出発材料製造工程が行われる。出発材料製造工程では、Fe系アモルファス合金薄帯の出発材料を製造する。Fe系アモルファス合金薄帯の出発材料は、例えば、単ロール法や双ロール法等の公知の方法を用いて製造される。したがって、ここでは、Fe系アモルファス合金薄帯の出発材料の製造方法の詳細な説明を省略する。
なお、本実施形態では、コイル状に巻き回された状態でFe系アモルファス合金薄帯の出発材料が製造される場合を例示する。以下の説明では、コイル状に巻き回された状態のものを、必要に応じてコイルと称する。図1では、Fe系アモルファス合金薄帯の出発材料のコイル110を示す。なお、図1では、表記を簡単にするため、コイルの厚み(薄帯の厚み)の部分の表記を省略している。また、以下の説明では、Fe系アモルファス合金薄帯の出発材料のコイル110を、必要に応じて、出発材料のコイル110と称する。
次に、S102においてスリット工程が行われる。スリット工程では、コイルの幅を巻コアの幅に合わせるために、出発材料のコイル110を幅方向において切断して、1つの出発材料のコイル110から複数のコイル120a~120cを製造する。以下の説明では、スリット工程で製造される個々のコイル120a~120cを、必要に応じて、幅調整コイル120と称する。
次に、S103においてコア形成工程が行われる。コア形成工程では、幅調整コイル120を構成するFe系アモルファス合金薄帯を送り出すことと、送り出されたFe系アモルファス合金薄帯を巻き取ることと、巻コアの大きさに合わせて巻き取られたFe系アモルファス合金薄帯を、送り出し中のFe系アモルファス合金薄帯から切断することと、を少なくとも行うことにより、巻コアと同じ形状のコイル130a~130bを製造する。以下の説明では、コア形成工程で製造される個々のコイル130a~130cを、必要に応じて、巻コア形状コイル130と称する。図2を参照しながら後述するように本実施形態では、コア形成工程において巻コア形状コイル130を製造する間に、レーザー光による熱処理が行われる場合を例示する。
次に、S104において後工程が行われる。後工程では、巻コア形状コイル130から巻コアが製造される。後工程として、例えば、巻コア形状コイル130を含浸材に浸漬させる含浸工程が行われる。含浸工程により、巻コア形状コイル130の形状が崩れることを抑制することと、巻コア形状コイル130の電気的絶縁性を高めること等が実現される。また、含浸工程の前または後に、巻コア形状コイル130に対してギャップを形成するギャップ形成工程が後工程として行われても良い。図1では、巻コア形状コイル130に対してギャップを形成することにより製造された巻コア140を示す。ギャップ形成工程により、巻コア140のインダクタンスを調整すること等が実現される。なお、後工程に含まれる工程は、含浸工程およびギャップ形成工程に限定されない。例えば、ギャップを有していない巻コアを製造する場合にはギャップ形成工程は行われない。また、後工程自体を行わなくても良い。
図2は、図1のS103におけるコア形成工程の一例を説明する図である。
図2(a)において、幅調整コイル120は、送り出し側のリール210(送出部)にセットされる。リール210にセットされた幅調整コイル120を構成するFe系アモルファス合金薄帯はリール210から送り出されながら搬送され、巻き取り側のリール220(巻取部)で巻き取られる。図2において白抜きの矢印線は、幅調整コイル120を構成するFe系アモルファス合金薄帯の搬送方向を示す。すなわち、図2では、幅調整コイル120から送り出されたFe系アモルファス合金薄帯がy軸の正の方向に向かって搬送される場合を例示する。
リール210、220の間には、金属材料の熱処理装置を構成するレーザー光照射装置230が設置される。レーザー光照射装置230は、リール210から送り出された搬送中のFe系アモルファス合金薄帯の表面であって、リール220の手前の位置にある表面(すなわち、リール220に巻き取られていない状態の表面)に対してレーザー光を照射することができる位置に設置される。また、レーザー光照射装置230は、Fe系アモルファス合金薄帯の表面と間隔を有する位置に設置される。
ここで、レーザー光照射装置230によるレーザー光の照射条件およびその決定方法の一例を説明する。
本実施形態では、レーザー光による熱処理の目的が達成されるように金属材料(レーザー光の吸収率等)に応じてレーザー光の照射条件を調整するレーザー光照射条件調整工程が熱処理工程(コア形成工程(S103))の前に行われる。レーザー光の照射条件には、例えば、レーザー光の光源の種類、レーザー光の出力、レーザー光の照射時間、およびレーザー光の照射領域が含まれる。レーザー光の出力は、光源から発生するレーザー光が有するエネルギーである。レーザー光の照射時間は、レーザー光による熱処理の際に金属材料の同一位置にレーザー光が照射される時間である。レーザー光の照射領域は、金属材料の領域のうち、レーザー光による熱処理の際にレーザー光が照射される領域である。また、レーザー光の照射条件には、焦点距離、焦点深度、およびスポット径の少なくとも1つが含まれていても良い。また、レーザー光の照射条件には、デフォーカスを行う際のデフォーカスの程度が含まれていても良い。デフォーカスの程度は、例えば、金属材料におけるレーザー光が照射される位置と、焦点位置と、のずれ量で表される。
なお、金属材料の機械的な加工(例えば切断)を目的として金属材料にレーザー光を照射する場合と異なり、本実施形態のレーザー光による熱処理では、必ずしもレーザー光の焦点位置を金属材料(本実施形態ではFe系アモルファス合金薄帯)の位置に合わせる必要はない。例えば、レーザー光の焦点位置を金属材料の位置に合わせずに、レーザー光のスポット径を直径とする円の面積を上回る面積の領域(例えば、レーザー光のスポット径を直径とする円の面積の2倍以上の面積の領域)にレーザー光を一度に照射しても良い。
本実施形態では、レーザー光による熱処理の対象となるFe系アモルファス合金薄帯の出発材料と同種のFe系アモルファス合金薄帯の出発材料に対し、レーザー光の照射条件として仮の条件を定めて、当該仮の条件に従ってレーザー光による熱処理を行う。そして、レーザー光による熱処理後のFe系アモルファス合金薄帯の結晶構造を解析することにより、熱処理の目的(bccFe結晶の結晶化を抑制しつつ、Fe系アモルファス合金薄帯の内部応力(歪み)を抑制すること)が達成されているか否かを確認する。このような確認をレーザー光の照射条件(仮の条件)を構成する情報の少なくとも1つを変更して行い、レーザー光の照射条件として熱処理の目的を達成する条件を探索する。
図3は、X線回折プロファイルの一例を示す図である。なお、図3において横軸のθはブラッグ角であり、縦軸はX線の強度である。
図3に示すX線回折プロファイル310~330は、Fe系アモルファス合金薄帯の出発材料に対してレーザー光を走査しながら照射し、当該レーザー光を照射した領域をX線回折法により解析することにより得られる。X線回折プロファイル310~330を得る際には、レーザー光の走査速度のみを異ならせ、Fe系アモルファス合金薄帯の出発材料を含めその他の条件を同じにした。すなわち、X線回折プロファイル310~330を得る際には、レーザー光の照射時間以外の条件を同じにした。
図3において、X線回折プロファイル320、330を得た際のレーザー光の走査速度は、X線回折プロファイル310を得た際のレーザー光の走査速度に対し、それぞれ、3.75倍、25倍の走査速度である。図3において、X線回折プロファイル320では、電気炉等で熱処理が行われたFe系アモルファス合金薄帯のX線回折プロファイルと同等のX線回折プロファイルとなった。これに対し、レーザー光の走査速度を上げてレーザー光の照射時間を短くし過ぎると、X線回折プロファイル330のように、電気炉等で熱処理が行われたFe系アモルファス合金薄帯のX線回折プロファイルと大きく異なり、bccFe結晶の結晶化が殆ど起きていないことを示すX線回折プロファイルが得られた。一方、レーザー光の走査速度を下げてレーザー光の照射時間を長くし過ぎても、X線回折プロファイル310のように、電気炉等で熱処理が行われたFe系アモルファス合金薄帯のX線回折プロファイルと大きく異なり、bccFe結晶が多量に生成されることを示すX線回折プロファイルが得られた。したがって、この場合、X線回折プロファイル320を得たときの照射条件に従ってレーザー光照射装置230からレーザー光を照射すれば良いことになる。
図4は、熱処理後のFe系アモルファス合金薄帯の表面の一例を示す画像である。図4に示す画像は、走査型電子顕微鏡により撮影された画像(SEM画像)であり、X線回折プロファイル320が得られたFe系アモルファス合金薄帯の表面の画像である。図4において、領域410~450に示す概ね長方形の領域が、レーザー光が照射された領域である。なお、図4に示すSEM画像は、測定倍率を500倍として株式会社キーエンス製の超深度マルチアングル顕微鏡(品番:VHX-D500)を用いて撮影された画像である。
X線回折プロファイル320が得られたFe系アモルファス合金薄帯の表面粗さは、製品としてのFe系アモルファス合金薄帯に対して許容されている表面粗さ以下であった。本実施形態では、レーザー光の照射により生じる金属材料の変形は小さい方が好ましい。このような観点から、レーザー光による熱処理後の金属材料の算術平均粗さRaは、例えば、レーザー光による熱処理前の金属材料の算術平均粗さRaの1.5倍以下であるのが好ましく、1.3倍以下であるのがより好ましく、1.1倍以下であるのがより一層好ましい。また、金属材料の形状が板状または帯状である場合、レーザー光による熱処理前の金属材料の厚みに対する、レーザー光による熱処理後の金属材料の算術平均粗さRaの比は、0.5以下であるのが好ましく、0.3以下であるのがより好ましく、0.1以下であるのがより一層好ましい。なお、算術平均粗さRaは、JIS B 0601:2013により定義される。また、レーザー光による熱処理前の金属材料の厚みは、レーザー光による熱処理後の金属材料の算術平均粗さRaを算出する際に測定した位置での厚みの算術平均値である。
本実施形態では、熱処理の目的が達成されているか否かを確認するためにX線回折法により結晶構造を確認する場合を例示するが、結晶構造を確認する手法はX線回折法に限定されない。例えば、電子線回折法、ラマン分光法、固体核磁気共鳴法、電子スピン共鳴法等を用いて結晶構造を確認しても良い。また、熱処理の目的に応じて、結晶構造以外の金属材料の状態を確認しても良い。例えば、結晶構造上の性質以外の金属材料の性質(例えば、金属材料の表面性状、金属材料の機械的特性(強度)等)を確認しても良い。
図2の説明に戻り、レーザー光照射装置230は、前述したようにして事前に定められたレーザー光の照射条件に従って、リール210から送り出された搬送中のFe系アモルファス合金薄帯の表面であって、リール220の手前の位置にある表面に対してレーザー光を照射する。図2(a)では、レーザー光照射装置230がFe系アモルファス合金薄帯の幅方向(x軸方向)の全体にレーザー光が照射されるように、Fe系アモルファス合金薄帯の幅方向にレーザー光が走査される場合を例示する(図2(a)において太線で示すレーザー光の照射領域240を参照)。なお、図2(a)~図2(d)においてグレーで塗りつぶされている領域は、レーザー光が照射されたことを示す。また、Fe系アモルファス合金薄帯の幅方向(x軸方向)の全体にレーザー光が照射されなくても良いことについては図5を参照しながら後述する。
本実施形態のレーザー光照射装置230は、例えば、レーザー光の照射条件に従ってレーザー光を発生させる装置であるレーザー光発生装置と、レーザー光の照射条件に従ってレーザー光発生装置の動作を制御する制御装置と、を備える。
レーザー光発生装置は、例えば、ファイバーレーザー(光ファイバを増幅媒体としてレーザー光を発生させる装置)である。しかしながら、レーザー光を発生させる装置は、ファイバーレーザーに限定されない。例えば、ファイバーレーザー以外の固体レーザ(例えばYAGレーザー)であっても、気体レーザー(例えばCO2レーザー)であっても、その他のレーザーであっても良い。レーザー光の光源の種類は、レーザー光の照射条件の1つとして、熱処理による目的が達成されるように予め選択される。
制御装置は、例えば、コンピュータまたは専用の回路(例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit))を備える。制御装置は、レーザー光の照射条件を示す情報を入力し、当該レーザー光の照射条件を示す情報に基づいて、レーザー光発生装置を動作させる。
図2(a)において、リール210から送り出されたFe系アモルファス合金薄帯は、レーザー光が照射された後にリール220に巻き取られる。リール210から送り出されたFe系アモルファス合金薄帯の先端付近の領域を固定することを目的として、Fe系アモルファス合金薄帯の先頭がリール220に巻き取られた後、所定の条件が成立すると(例えば、リール220におけるFe系アモルファス合金薄帯の巻回数が所定数になると)、リール210から送り出されたFe系アモルファス合金薄帯の先端付近の領域に対して、スポット溶接機250を用いたスポット溶接が行われる。図2(a)においてスポット溶接機250の先に示す黒丸は溶接痕を示し、図2(a)ではFe系アモルファス合金薄帯の幅方向(x軸方向)に3つの溶接痕が形成されている場合を例示する。なお、スポット溶接が行われているときには、Fe系アモルファス合金薄帯の搬送(Fe系アモルファス合金薄帯のリール210からの送り出しおよびFe系アモルファス合金薄帯のリール220への巻き取り)は中断させるのが好ましい。
その後、図2(b)に示すように、リール210から送り出されたFe系アモルファス合金薄帯は、レーザー光が照射された後にリール220に順次巻き取られる。そして、リール220におけるFe系アモルファス合金薄帯の巻厚(または巻回数)が巻コア形状コイル130に対応する厚み(または回数)になると、図2(c)に示すように、リール220に巻き取られているFe系アモルファス合金薄帯の尾端付近の領域を固定することを目的として、当該領域に対して、スポット溶接機250を用いたスポット溶接が行われる。なお、スポット溶接が行われているときには、Fe系アモルファス合金薄帯の搬送(Fe系アモルファス合金薄帯のリール210からの送り出しおよびFe系アモルファス合金薄帯のリール220への巻き取り)は中断させるのが好ましい。
本実施形態では、Fe系アモルファス合金薄帯の先端付近の領域および尾端付近の領域を固定するために、当該領域に対してスポット溶接機250によりスポット溶接を行う場合を例示した。しかしながら、Fe系アモルファス合金薄帯の先端付近の領域および尾端付近の領域を固定する方法は、このような方法に限定されない。例えば、当該領域に対してレーザー溶接機によりレーザー光を照射することによりレーザー溶接を行っても良い。このようにすれば、Fe系アモルファス合金薄帯の固定と熱処理を共にレーザー光を用いて行うことができる。
その後、図2(d)に示すように、切断機260を用いて、リール220に巻き取られているFe系アモルファス合金薄帯をリール210から送り出されたFe系アモルファス合金薄帯から切り離す。これにより、図1に示す巻コア形状コイル130が1つ製造される。切断機260を用いたFe系アモルファス合金薄帯の切断は、例えば剪断機(シャー)を用いてFe系アモルファス合金薄帯を剪断することにより行われても、レーザー切断機(レーザー光)を用いてFe系アモルファス合金薄帯を溶融させることにより行われても良い。切断機260としてレーザー切断機を用いる場合、切断によりFe系アモルファス合金薄帯に内部応力が付与されるのを抑制することができると共に、Fe系アモルファス合金薄帯の熱処理および切断を共にレーザー光を用いて行うことができる。また、前述したようにFe系アモルファス合金薄帯の先端付近の領域および尾端付近の領域を固定することもレーザー光を用いて行う場合、Fe系アモルファス合金薄帯の熱処理、切断、および固定を、レーザー光を用いて一貫して行うことができる。図2に示す例では、Fe系アモルファス合金薄帯の領域のうち切断機260によって切断される領域は、レーザー光照射装置230から照射されるレーザー光によって熱処理された後、切断機260(レーザー切断機)から照射されるレーザー光によって切断される。なお、Fe系アモルファス合金薄帯の切断が行われているときには、Fe系アモルファス合金薄帯の搬送(Fe系アモルファス合金薄帯のリール210からの送り出しおよびFe系アモルファス合金薄帯のリール220への巻き取り)は中断させるのが好ましい。その後、リール220に巻き取られているFe系アモルファス合金薄帯から切り離されたFe系アモルファス合金薄帯の先端が再びリール220に巻き取られて図2(a)~図2(d)を参照しながら前述した処理が行われることにより、次のコア形状コイル130が製造される。
図2では、Fe系アモルファス合金薄帯の表面のうちの一方の面(z軸の正の方向側の面)に対してのみレーザー光を照射する場合を例示する。しかしながら、Fe系アモルファス合金薄帯の表面のうちの他方の面(z軸の負の方向側の面)に対してのみレーザー光を照射しても良い。また、Fe系アモルファス合金薄帯の表面のうちの一方の面および他方の面の両方にレーザー光を照射しても良い。
また、Fe系アモルファス合金薄帯の領域のうち、少なくとも熱処理工程が行われる領域(レーザー光が照射される領域)の周囲の領域は、真空であっても、不活性ガスで満たされていても、大気中であっても良い。また、Fe系アモルファス合金薄帯に対して直流磁界が印加された状態で熱処理が行われても良い。
図5は、レーザー光の照射方法の一例を示す図である。
図5(a)~図5(e)において、y軸の正の方向に向かって延びる矢印線よりも左側の領域に、レーザー光の照射が開始された直後の金属材料510の様子を示す。具体的に、図5(a)~図5(e)において、y軸の正の方向に向かって延びる矢印線よりも左側の領域に、搬送中の金属材料510の先頭がレーザー光の照射領域520a~520eに位置していることを示す。また、図5(a)~図5(e)において、y軸の正の方向に向かって延びる矢印線よりも右側の領域に、レーザー光が照射されているときの金属材料510の様子を示す。図5(a)~図5(e)のy軸の正の方向に向かって延びる矢印線よりも右側の領域において、レーザー光が既に照射された領域をグレーで塗りつぶして示す。
なお、図5(a)~図5(e)においても図2と同様に、y軸の正の方向に向かって搬送中の金属材料510に対して、z軸の正の方向から負の方向に向かってレーザー光が照射される場合を例示する。
図5(a)は、図2と同様に金属材料510の幅方向(x軸方向)の全体にレーザー光が照射される場合の金属材料510の様子を例示する。この場合、レーザー光が照射される1つの金属材料510(図2に示す例では幅調整コイル120)の表面のうちレーザー光が照射される側にある面(z軸の正の方向側の面)の100%の領域にレーザー光が照射される。
図5(b)は、金属材料510の幅方向(x軸方向)の両端の領域にはレーザー光が照射されず、金属材料510の幅方向(x軸方向)の中央側の領域にレーザー光が照射される場合の金属材料510の様子を例示する。例えば、結晶化の抑制と歪みの抑制とを目的とする熱処理が行われた後のアモルファス合金薄帯は脆い。したがって、例えば、金属材料510をアモルファス合金薄帯とする場合、一部の領域に対して熱処理を行わないことにより、熱処理後のアモルファス合金薄帯が脆くなることを抑制することができる。
図5(c)は、金属材料510の幅方向(x軸方向)においてレーザー光が照射される領域とレーザー光が照射されない領域とが交互に存在するように金属材料510に対してレーザー光が照射される場合の金属材料510の様子を例示する。
図5(d)は、図5(b)に対し、金属材料510の搬送方向(長手方向、y軸方向)においてレーザー光が照射される領域とレーザー光が照射されない領域とが交互に存在するように金属材料510に対してレーザー光が照射される場合の金属材料510の様子を例示する。図5(d)のy軸の正の方向に向かって延びる矢印線よりも左側の領域において、x軸の負の方向に延びる矢印線よりも上側の領域に、レーザー光の照射が開始された直後の金属材料510の様子を示し、当該矢印線よりも下側の領域に、その後、レーザー光が照射されなくなっているときの金属材料510の様子を示す。
また、図5(e)に示すように、レーザー光を点状に照射してもよい。図5(e)のy軸の正の方向に向かって延びる矢印線よりも左側の領域においても、図5(d)のy軸の正の方向に向かって延びる矢印線よりも左側の領域と同様に、x軸の負の方向に延びる矢印線よりも上側の領域に、レーザー光の照射が開始された直後の金属材料510の様子を示し、当該矢印線よりも下側の領域に、その後、レーザー光が照射されなくなっているときの金属材料510の様子を示す。
図5(b)~図5(e)に示すように、アモルファス合金薄帯の出発材料にレーザー光が照射される領域とされない領域とが存在するようにして、アモルファス合金薄帯としての性能を満たすようにしても良い。例えば、熱処理後のアモルファス合金薄帯全体における結晶化領域を5体積%以上20体積%以下、好ましくは5体積%以上10体積%以下にすることにより、アモルファス合金薄帯としての性能を満たすようにしても良い。
以上、図5を参照しながら金属材料510の領域のうちレーザー光が照射される領域の一例を説明した。しかしながら、レーザー光が照射される領域は、図5に例示する領域に限定されず、任意の箇所であって構わない。また、金属材料510の位置によって、レーザー光の照射条件(レーザー光の照射条件を構成する情報の少なくとも1つ)を異ならせても良い。
<まとめ>
以上のように本実施形態では、レーザー光照射装置230は、レーザー光が照射される領域における金属材料510としての性質を発現または改善(改質)させることを目的として金属材料510にレーザー光を照射することにより熱処理を行う。したがって、レーザー光の照射対象となる金属材料、およびレーザー光の照射により金属材料に生じさせる現象を限定せずに、金属材料510の性能を、レーザー光を用いて向上させることができる。よって、金属材料の性能を向上させるために用いられるレーザー光の適用範囲を広げることができる。また、本実施形態では、レーザー光を用いるので、加熱炉(例えば、電気炉、高周波誘導加熱炉、赤外線集光加熱炉)を用いる従来の熱処理に比べて熱処理を短時間で行うことができる。
また、本実施形態では、熱処理の対象となる1つの金属材料510の領域のうち熱処理を行う領域と熱処理を行わない領域とを定めることができる。したがって、電気炉等を用いる従来の熱処理のように、必ずしも熱処理の対象となる1つの金属材料510の全体を熱処理する必要がなくなる。したがって、熱処理の対象となる金属材料510および熱処理の目的に応じて、熱処理を行う領域を柔軟に変更することができる。
また、本実施形態では、搬送中の金属材料510がリール220に巻き取られる前に、当該金属材料510にレーザー光を照射する。したがって、金属材料510に対する熱処理を連続的に且つ高速に行うことができる。
また、本実施形態では、熱処理工程とは別の工程(本実施形態ではコア形成工程)が金属材料510に対して行われている間に熱処理工程を行う。その際、金属材料510の領域のうち、熱処理工程においてレーザー光が照射されている領域には、当該レーザー光が照射されているときに、当該レーザー光の照射とは別の手段による熱処理が行われないようにする。すなわち、本実施形態で説明したレーザー光による熱処理と、レーザー光の照射とは別の手段による熱処理とが、金属材料510の同じ領域に対して同時に行われないようにする。したがって、金属材料510から製造される製品(本実施形態では巻コア140)の全体の製造時間を短縮することができる。また、レーザー光の照射条件の調整を容易にすることができる。
<変形例>
本実施形態では、bccFe結晶の結晶化を抑制しつつ、Fe系アモルファス合金薄帯の内部応力(歪み)を抑制することを含む目的のための熱処理として、レーザー光による熱処理のみを、コア形成工程(S103)が行われている間に、Fe系アモルファス合金薄帯に対して行う場合を例示した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、コア形成工程(S103)以外の工程が行われている間に本実施形態で説明したレーザー光による熱処理を行っても良い。例えば、出発材料製造工程(S101)において、Fe系アモルファス合金薄帯の出発材料を不図示にリールに巻き取る際に、当該Fe系アモルファス合金薄帯の出発材料に対して本実施形態で説明したレーザー光による熱処理を行っても良い。また、本実施形態で説明したレーザー光による熱処理とは別の手段(例えば、電気炉、高周波誘導加熱炉、赤外線集光加熱炉)を用いた熱処理を、本実施形態で説明したレーザー光による熱処理の前、途中、および後のうちのいずれかにおいて行っても良い。また、熱処理工程を単独で行っても良い(すなわち、Fe系アモルファス合金薄帯に対してレーザー光による熱処理を行っているときにその他の工程を行わないようにしても良い)。
また、本実施形態では、アモルファス合金薄帯を熱処理する場合を例示した。しかしながら、熱処理の対象となる金属材料はアモルファス合金薄帯に限定されない。
例えば、熱処理の対象となる金属材料はナノ結晶合金薄帯(Fe系ナノ結晶合金薄帯)であっても良い。Fe系ナノ結晶合金薄帯における熱処理は、bccFe結晶の結晶化を促進しつつ、内部応力(歪み)を抑制することを含む目的のために行われる。レーザー光が照射される領域が結晶化されることにより、当該領域にナノ結晶が生成される。したがって、レーザー光による熱処理により、当該レーザー光が照射される領域に、ナノ結晶合金薄帯としての性質を発現させることができる。この場合、熱処理後のナノ結晶合金薄帯全体における結晶化領域が30体積%以上、好ましくは50体積%以上、より好ましくは70体積%以上になるようにレーザー光の照射領域を定めるのが好ましい。
また、金属材料はパーマロイであっても良い。パーマロイにおける熱処理は、レーザー光が照射される領域の磁気特性を発現させることを含む目的のために行われる。また、金属材料はフェライトであっても良い。フェライトにおける熱処理は、焼結(焼成)の際に行われても、焼結後に行われても良い。いずれの場合においても熱処理は、レーザー光が照射される領域の磁気特性の改善をその目的の1つとして行われる。
また、金属材料は珪素鋼であっても良い。珪素鋼における熱処理は、内部応力(歪み)を抑制することを含む目的のために行われる。例えば、珪素鋼板(電磁鋼板)はコアの形状に合わせて打ち抜き加工が施されるため、珪素鋼板に内部応力(歪み)が導入される。例えば、モータのステータコアの形状に合わせて撃ち抜かれた珪素鋼板610の輪郭部分に内部応力(歪み)が導入される場合、図6においてグレーで塗りつぶした領域に対してレーザー光を照射してレーザー光による熱処理を行うことにより、当該領域における内部応力(歪み)を抑制することができる。なお、このように、珪素鋼板610の一部の領域のみを熱処理しても良いが、珪素鋼板610の全体を熱処理しても良い。また、珪素鋼板610の位置を固定した状態で珪素鋼板610を熱処理しても、珪素鋼板610を動かしなら熱処理しても良い。例えば、珪素鋼板610をその中心線(モータの回転軸に対応する線)を回転軸として回転させながら珪素鋼板610を熱処理しても良い。
また、金属材料は軟磁性材料に限定されない。例えば、金属材料は、リチウムイオン二次電池の正極に使用されるアルミニウム箔や負極に使用される銅箔であっても良い。これらのアルミニウム箔や銅箔は、ペースト状の活物質(リチウムイオンを吸蔵および放出することが可能な物質)でコーティングされる。アルミニウム箔や銅箔における熱処理は、活物質との密着性を高めるために行われる。
また、材料特性(磁気特性等)の発現または改善、組成のバラツキの改善、および歪みの低減(好ましくは除去)等、金属材料としての性質を発現または改善させることを目的として金属材料に対してレーザー光による熱処理を行うものであれば、熱処理の対象となる金属材料および熱処理の具体的な目的は、前述したものに限定されない。金属材料としての性質には、例えば、結晶構造を含む構造上の性質と、物理的性質(電気的性質、磁気的性質、機械的性質、熱的性質、光学的性質)と、化学的性質と、のうち、少なくとも1つが含まれる。また、金属材料としての性質を発現または改善させることがレーザー光による熱処理に起因していれば、金属材料としての性質の発現または改善は、必ずしもレーザー光による熱処理の最中や直後に行われている必要はない。例えば、金属材料としての性質を発現または改善させることがレーザー光による熱処理に起因していれば、熱処理工程よりも後の工程において金属材料としての性質を発現または改善させることを目的として金属材料に対してレーザー光による熱処理を行うものであっても良い。
また、金属材料の形状は、板状または帯状であっても、その他の形状であっても良い。
以上のように本実施形態の熱処理は、種々の金属材料に対して種々の目的に応じて行うことが可能である。また、熱処理は、金属材料を加熱することを含む処理であれば、どのような処理であっても良い。また、レーザー光の照射条件は、金属材料および熱処理の目的に応じて適宜定めれば良いが、レーザー光が照射される領域の金属材料としての性質を発現および改善することを熱処理の目的とする観点から、レーザー光が照射される領域は、特許文献1、2に記載されているような狭い領域でないのが好ましい。例えば、1つの金属材料のレーザー光照射側表面の面積に対する、当該レーザー光照射側表面の領域のうちのレーザー光が照射される領域の面積の比を百分率で表した値は、5%以上100%以下の範囲から定められるのが好ましく、10%以上100%以下の範囲から定められるのがより好ましい。
ここで、本明細書における1つの金属材料は、レーザー光による熱処理の対象となる金属材料であって、レーザー光による熱処理を開始する段階で物理的に分離されていない金属材料である。図2に示す例ではリール210からの送り出しが開始する段階での幅調整コイル120(切断機260による切断が一度も行われていない段階での幅調整コイル120)が1つの金属材料である。
また、レーザー光照射側表面は、1つの金属材料の表面のうち、当該レーザー光が照射される側に位置する表面である。例えば、レーザー光照射側表面は、1つの金属材料の表面のうち、レーザー光による熱処理が行われているときに当該レーザー光を発生させる光源と間隔を有して対向する位置になる表面である。なお、金属材料の表面を構成する1つの平面および1つの曲面を1つのレーザー光照射側表面として定めても良い。例えば、金属材料の形状が板状および帯状である場合、金属材料の表側の表面と裏側の表面とのそれぞれがレーザー光照射側表面として個別に定められる。すなわち、金属材料の表側の表面のみ(または裏側の表面のみ)にレーザー光を照射する場合、金属材料の表側の表面のみ(または裏側の表面のみ)において、前述した範囲(5%以上100%以下、10%以上100%以下)が定められる。また、金属材料の表側の表面と裏側の表面との双方にレーザー光を照射する場合、金属材料の表側の表面と裏側の表面とのそれぞれにおいて、前述した範囲(5%以上100%以下、10%以上100%以下)が個別に定められる。
なお、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。また、以上説明した本発明の実施形態のうちレーザー光照射装置230が備える制御装置は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
110 Fe系アモルファス合金薄帯の出発材料
120 幅調整コイル
130 巻コア形状コイル
140 巻コア
210~220 リール
230 レーザー光照射装置
240 レーザー光の照射領域
250 スポット溶接機
260 切断機
310~330 X線回折プロファイル
410~450 レーザー光が照射された領域
510 金属材料
520a~520e レーザー光の照射領域

Claims (6)

  1. 金属材料を熱処理する金属材料の熱処理方法であって、
    前記金属材料にレーザー光を照射することにより前記金属材料を熱処理する熱処理工程を有し、
    前記熱処理工程では、前記金属材料の領域のうち前記レーザー光が照射される領域における前記金属材料としての性質を発現または改善させることを目的として前記金属材料にレーザー光を照射する、金属材料の熱処理方法。
  2. 1つの前記金属材料の表面のうち、当該レーザー光が照射される側に位置する表面であるレーザー光照射側表面の面積に対する、当該レーザー光照射側表面の領域のうちのレーザー光が照射される領域の面積の比を百分率で表した値は、5%以上100%以下である、請求項1に記載の金属材料の熱処理方法。
  3. 前記金属材料の形状は、帯状であり、
    前記熱処理工程では、搬送中の前記金属材料が巻取部で巻き取られる前に、当該金属材料にレーザー光を照射する、請求項1または2に記載の金属材料の熱処理方法。
  4. 前記熱処理工程は、前記熱処理工程とは別の工程が前記金属材料に対して行われている間に行われ、
    前記金属材料の領域のうち、前記熱処理工程において前記レーザー光が照射されている領域には、当該レーザー光が照射されているときに、当該レーザー光の照射とは別の手段による熱処理が行われない、請求項1~3のいずれか1項に記載の金属材料の熱処理方法。
  5. 前記金属材料は、軟磁性材料である、請求項1~4のいずれか1項に記載の金属材料の熱処理方法。
  6. 金属材料を熱処理する金属材料の熱処理装置であって、
    前記金属材料にレーザー光を照射することにより前記金属材料を熱処理する熱処理手段を有し、
    前記熱処理手段は、前記金属材料の領域のうち前記レーザー光が照射される領域における前記金属材料としての性質を発現または改善させることを目的として前記金属材料にレーザー光を照射する、金属材料の熱処理装置。
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