JP2023148216A - タンク設備及び液体水素の払出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体水素を貯蔵するタンク設備において、ボイルオフガス圧縮機の消費電力を抑えて、タンク設備の経済的な運転が実現可能とする。【解決手段】タンク設備における液体水素の払出方法は、タンクから流出した液体水素のボイルオフガスを圧縮機で水素の臨界圧力を超える所定の圧縮後圧力まで圧縮すること、圧縮により超臨界流体状態となったボイルオフガスを水素の臨界温度より低い温度まで冷却すること、冷却により圧縮性液体状態となったボイルオフガスをポンプで水素の臨界圧力を超え且つ圧縮後圧力より高い所定の加圧後圧力まで加圧すること、加圧により再び超臨界流体状態となったボイルオフガスをタンクから払い出された液体水素と合流させる、又は、加圧により再び超臨界流体状態となったボイルオフガスを気化させたものとタンクから払い出された液体水素を気化させたものとを合流させること、を含む。【選択図】図1
Description
本開示は、液体水素を貯蔵するタンク設備、及び、当該タンク設備における液体水素の払出方法に関する。
LNG(Liquefied Natural Gas)等の低温液化ガスは、船などの液化ガス輸送手段によって受入基地へ輸送され、受入基地のタンク設備で一時的に貯蔵され、貯蔵された液化ガスは当該タンク設備で気化されて外部へ送出される。特許文献1には、この種のタンク設備が例示されている。
特許文献1に開示されたタンク設備は、低温液化ガスを貯蔵するタンクと、タンクから液化ガスを送出するインタンクポンプと、入熱によりタンクで自然発生するボイルオフガスを圧縮するボイルオフガス圧縮機と、圧縮されたボイルオフガスとインタンクポンプから送出された液化ガスの一部とを混合することによりボイルオフガスを再液化するリコンデンサ(直接接触式熱交換器)と、液化されたボイルオフガス及び液化ガスを気化する気化器とを備える。
液体水素についても、LNG等の低温の液化ガスと同様に、タンク設備で一時的に貯蔵され、タンク設備で気化して外部へ送出する方式が検討されている。しかし、液体水素はLNGと比較して蒸発潜熱が小さいため、タンクで外部からの入熱により自然発生するボイルオフガスの量がLNGよりも多くなることが想定される。LNGガスのタンク設備においてボイルオフガス圧縮機は消費電力の大きな機器の一つであるが、上記のように液体水素ではLNGと比較して発生するボイルオフガスの量が多くなることからボイルオフガス圧縮機の消費電力が更に嵩むことが想定される。
本開示は以上の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は液体水素を貯蔵するタンク設備、及び、当該タンク設備における液体水素の払出方法において、ボイルオフガス圧縮機の消費電力を抑えて、タンク設備の経済的な運転を実現可能とすることにある。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る液体水素の払出方法は、
タンクから流出した液体水素のボイルオフガスを圧縮機で水素の臨界圧力を超える所定の圧縮後圧力まで圧縮すること、
圧縮により超臨界流体状態となった前記ボイルオフガスを水素の臨界温度より低い温度まで冷却すること、
冷却により圧縮性液体状態となった前記ボイルオフガスをポンプで水素の臨界圧力を超え且つ前記圧縮後圧力より高い所定の加圧後圧力まで加圧すること、
加圧により再び超臨界流体状態となった前記ボイルオフガスを前記タンクから払い出された前記液体水素と合流させる、又は、前記加圧により再び超臨界流体状態となった前記ボイルオフガスを気化させたものと前記タンクから払い出された前記液体水素を気化させたものとを合流させること、を含むものである。
タンクから流出した液体水素のボイルオフガスを圧縮機で水素の臨界圧力を超える所定の圧縮後圧力まで圧縮すること、
圧縮により超臨界流体状態となった前記ボイルオフガスを水素の臨界温度より低い温度まで冷却すること、
冷却により圧縮性液体状態となった前記ボイルオフガスをポンプで水素の臨界圧力を超え且つ前記圧縮後圧力より高い所定の加圧後圧力まで加圧すること、
加圧により再び超臨界流体状態となった前記ボイルオフガスを前記タンクから払い出された前記液体水素と合流させる、又は、前記加圧により再び超臨界流体状態となった前記ボイルオフガスを気化させたものと前記タンクから払い出された前記液体水素を気化させたものとを合流させること、を含むものである。
また、本開示の一態様に係るタンク設備は、
液体入口、液体出口、及び気体出口を有し、液体水素が貯蔵されるタンクと、
前記タンクの前記液体入口と接続されて、前記タンクへ受け入れる前記液体水素が流れる受入ラインと、
前記タンクの前記液体出口と接続されて、前記液体水素を下流側へ圧送する第1ポンプと、前記液体水素を気化する第1気化器とを上流側から順に有し、前記タンクから払い出す前記液体水素が流れる払出ラインと、
前記タンクの前記気体出口と接続されて、前記タンクで前記液体水素の気化により生じたボイルオフガスが流入するBOGラインと、を備え、
前記BOGラインは、前記ボイルオフガスを水素の臨界圧力を超える所定の圧縮後圧力まで圧縮するBOG圧縮機と、圧縮により超臨界流体状態となった前記ボイルオフガスを水素の臨界温度より低い温度まで冷却する冷却器と、冷却により圧縮性液体状態となった前記ボイルオフガスを水素の臨界圧力を超え且つ前記圧縮後圧力より高い所定の加圧後圧力まで加圧する第2ポンプと、加圧により再び超臨界流体状態となった前記ボイルオフガスを気化する第2気化器とを上流側から順に有し、前記第2ポンプよりも下流側において前記払出ラインと接続されているものである。
液体入口、液体出口、及び気体出口を有し、液体水素が貯蔵されるタンクと、
前記タンクの前記液体入口と接続されて、前記タンクへ受け入れる前記液体水素が流れる受入ラインと、
前記タンクの前記液体出口と接続されて、前記液体水素を下流側へ圧送する第1ポンプと、前記液体水素を気化する第1気化器とを上流側から順に有し、前記タンクから払い出す前記液体水素が流れる払出ラインと、
前記タンクの前記気体出口と接続されて、前記タンクで前記液体水素の気化により生じたボイルオフガスが流入するBOGラインと、を備え、
前記BOGラインは、前記ボイルオフガスを水素の臨界圧力を超える所定の圧縮後圧力まで圧縮するBOG圧縮機と、圧縮により超臨界流体状態となった前記ボイルオフガスを水素の臨界温度より低い温度まで冷却する冷却器と、冷却により圧縮性液体状態となった前記ボイルオフガスを水素の臨界圧力を超え且つ前記圧縮後圧力より高い所定の加圧後圧力まで加圧する第2ポンプと、加圧により再び超臨界流体状態となった前記ボイルオフガスを気化する第2気化器とを上流側から順に有し、前記第2ポンプよりも下流側において前記払出ラインと接続されているものである。
上記した本開示の一態様によれば、液体水素を貯蔵するタンク設備、及び、当該タンク設備における液体水素の払出方法において、ボイルオフガス圧縮機の消費電力を抑えて、タンク設備の経済的な運転が実現可能となる。
次に、図面を参照して本開示の実施の形態を説明する。図1は、本開示の一実施形態に係るタンク設備1の概略構成を示す模式図である。この図では、タンク設備1におけるボイルオフガス300の流れが太線矢印で示されている。
図1に示すように、本開示に係るタンク設備1は、例えば、沿岸地域にある液化ガス受入基地11に設置される。本実施形態に係るタンク設備1では液体水素100が貯蔵される。液化ガス受入基地11には、アンローディングアーム5及びリターンガスアーム16と、タンク設備1とが設置されている。アンローディングアーム5及びリターンガスアーム16は、液化ガス輸送船などの液化ガス輸送手段10が着岸する岸壁に配置される。タンク設備1は、液化ガス輸送手段10が輸送してきた液体水素100を受け入れて貯蔵し、貯蔵している液体水素100を気化して外部へ送出する設備である。タンク設備1は、液化ガス輸送手段10に応じて、沿岸地域に限定されず、陸上や海上に設置されてもよい。
タンク設備1は、タンク2と、受入ライン3と、払出ライン7と、リターンガスライン15と、BOGライン12とを備える。
タンク2は、液体水素100を低温の液体状で貯蔵する容器である。タンク2内の液体水素100は概ね沸点で貯蔵されるため、タンク2内では液体水素100が自然気化してボイルオフガス300が生じ、ボイルオフガス300がタンク2の上部及び頂部に滞留している。タンク2は、液体入口24、液体出口25、及び気体出口26を有する。気体出口26は、タンク2の上部又は頂部に開口している。
受入ライン3は、アンローディングアーム5とタンク2とを接続している。受入ライン3の上流端部はアンローディングアーム5と接続されており、下流端部はタンク2の液体入口24と接続されている。受入ライン3の途中であって、下流部分には、当該受入ライン3の流路を開閉する受入弁4が設けられている。液体水素100の受入時には、受入弁4が開放され、液化ガス輸送手段10で輸送されてきた低温の液体水素100は、アンローディングアーム5を通じて受入ライン3へ供給され、受入ライン3を通じてタンク2へ流入し、タンク2に収容される。
払出ライン7は、タンク2の液体出口25と送ガスライン9とを接続している。送ガスライン9は、タンク設備1の外部へ水素ガス200を送る配管である。払出ライン7には払出ポンプ6が設けられている。但し、払出ポンプ6はタンク2に設けられていてもよい。払出ポンプ6は、液体水素100を送ガスに必要な圧力に高めて下流側へ圧送する。
払出ライン7の払出ポンプ6よりも下流側にはBOG冷却器62が配置されている。払出ライン7の液体水素100は、BOG冷却器62で冷媒として利用される。
払出ライン7のBOG冷却器62よりも下流側には、気化器8が配置されている。気化器8は、例えば外部から供給される水と、払出ライン7を通じて供給される液体水素100とを熱交換させることにより、液体水素100を強制的に気化して水素ガス200とする。
BOGライン12の上流端部は、タンク2の気体出口26と接続されている。BOGライン12には、タンク2内の上部に滞留しているボイルオフガス300が流出する。BOGライン12の下流端部は払出ライン7に配置された接続部71と接続されている。接続部71は、払出ライン7においてBOG冷却器62よりも下流側且つ気化器8よりも上流側に配置されている。
BOGライン12の途中には、BOG圧縮機14が設けられている。BOG圧縮機14は、例えば、低温のボイルオフガス300を吸入するシリンダと、吸入したボイルオフガス300を圧縮するピストンとを備えるレシプロ式であってよい。BOG圧縮機14は、BOGライン12を流れるボイルオフガス300を断熱圧縮する。
BOGライン12においてBOG圧縮機14の下流側にはBOG冷却器62が配置されている。BOG冷却器62は、払出ライン7を通る液体水素100とBOGライン12を通るボイルオフガス300とが直接接触せずに伝熱面を介して熱交換する表面熱交換器である。このような表面熱交換器として、シェル・チューブ熱交換器、フィン・チューブ熱交換器、フィン・プレート熱交換器、蓄熱式熱交換器などが例示される。
BOGライン12においてBOG冷却器62の下流側にはポンプ61が配置されている。ポンプ61は、BOGライン12を流れる流体を加圧する。ポンプ61は、液体を加圧して送り出すように構成されたポンプであってよい。
リターンガスライン15は、タンク2とリターンガスアーム16とを接続している。本実施形態に係るタンク設備1では、リターンガスライン15はBOGライン12の上流部分を介してタンク2の気体出口26と接続されている。リターンガスライン15の下流端部はリターンガスアーム16と接続されている。リターンガスライン15の途中には、リターンガスブロワ21が設けられている。リターンガスブロワ21は、例えば、後述する受入ライン3の予冷時や液体水素100の受入時に稼働される。液体水素100の受入時は、リターンガスブロワ21の稼働によって、タンク2のボイルオフガス300の一部が、リターンガスライン15及びリターンガスアーム16を通じて液化ガス輸送手段10の荷役タンクへ戻され、荷役に伴う荷役タンク圧力の低下が補われる。なお、ボイルオフガス300の圧力が十分に高い場合には、リターンガスブロワ21は省略されてもよい。
〔液体水素100の払出方法〕
ここで、図1及び図2を用いて、上記構成のタンク設備1における液体水素100の払出方法について説明する。図2は、水素の状態図である。
ここで、図1及び図2を用いて、上記構成のタンク設備1における液体水素100の払出方法について説明する。図2は、水素の状態図である。
タンク設備1において、払出ポンプ6の稼働によってタンク2に貯溜されている液体水素100は払出ライン7へ流れ出て、払出ポンプ6によって送ガス上必要な圧力に加圧される。払出ポンプ6は、液体水素100を圧力P21から所定の圧縮後圧力P22まで加圧し、液体水素100は圧縮性液体状態となる。圧縮性液体状態の液体水素100は、BOG冷却器62を通じてから、気化器8に送られる。液体水素100は、気化器8で気化されて水素ガス200となって、送ガスライン9へ圧送される。
また、タンク設備1において、タンク2への入熱によりタンク2内の液体水素100が自然気化してボイルオフガス300が発生する。BOG圧縮機14の稼働によってボイルオフガス300はタンク2からBOGライン12へ流れ出て、BOG圧縮機14で圧縮される。
BOG圧縮機14は、ボイルオフガス300が圧力P11から圧縮後圧力P12となるまで断熱圧縮する。圧縮後圧力P12は、水素の臨界圧力Pcrである1.185MPaGを超える圧力である。よって、圧縮後圧力P12のボイルオフガス300は超臨界流体状態となる。ボイルオフガス300が超臨界流体状態を維持しながらBOG圧縮機14からBOG冷却器62までのBOGライン12を流れるように、圧縮後圧力P12は水素の臨界圧力Pcrよりも僅かに大きいことが望ましい。一方で、圧縮後圧力P12が過剰に高いと、BOG圧縮機14の消費電力が大きくなる。このような観点から、圧縮後圧力P12は、1.185MPaGより高く2.5MPaG以下、更に望ましくは、1.185MPaGより高く1.5MPaG以下である。
超臨界流体状態のボイルオフガス300は、BOG冷却器62で液体水素100と熱交換することにより冷却される。BOG冷却器62は、ボイルオフガス300を温度T12から温度T13まで冷却する。温度T13は、水素の臨界温度Tcrである-240.21℃よりも低い温度である。液体水素100の温度は-252.5℃であるから、温度T13は-252.5℃より高く-240.21℃より低い。超臨界流体状態のボイルオフガス300は、温度T13まで冷却されて圧縮性液体状態に変化する。
圧縮性液体状態のボイルオフガス300は、ポンプ61で加圧される。ポンプ61は、ボイルオフガス300を圧力P13から加圧後圧力P14まで昇圧する。圧力P13は、圧縮後圧力P12から圧損分だけ降圧しているが、圧縮後圧力P12と実質的に同一である。加圧後圧力P14は、払出ポンプ6で昇圧された後の液体水素100の圧力P22と実質的に同一である。加圧後圧力P14は、水素の臨界圧力Pcr、及び圧縮後圧力P12よりも高い。加圧後圧力P14は、ボイルオフガス300が気化器8で降圧することを考慮して、送ガス圧力よりも高い圧力に設定される。加圧後圧力P14は、送ガスを受ける設備の要求に応じた値であるが、一例として、3MPaG以上5MPaG以下である。圧縮性液体状態のボイルオフガス300は、加圧後圧力P14まで加圧されて再び超臨界流体状態に変化する。
超臨界流体状態のボイルオフガス300は、払出ライン7を流れる圧縮性液体状態の液体水素100と合流し、気化器8へ流入する。気化器8において、ボイルオフガス300は、液体水素100と同様に気化されて水素ガス200となって、送ガスライン9へ圧送される。
〔変形例1〕
ここで、上記実施形態の変形例1を説明する。図3は、変形例1に係るタンク設備1の概略構成を示す模式図である。この図では、タンク設備1におけるボイルオフガス300の流れが太線矢印で示されている。なお、本変形例の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
ここで、上記実施形態の変形例1を説明する。図3は、変形例1に係るタンク設備1の概略構成を示す模式図である。この図では、タンク設備1におけるボイルオフガス300の流れが太線矢印で示されている。なお、本変形例の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
図3に示すように、変形例1に係るタンク設備1では、BOGライン12の下流端部は、払出ライン7の気化器8よりも下流側と接続されている。そして、BOGライン12のポンプ61よりも下流側には、払出ライン7の気化器8から独立した気化器80が設けられている。このように、変形例1に係るタンク設備1では、BOGライン12へ流出したボイルオフガス300は、BOG圧縮機14で圧縮されて超臨界流体となり、BOG冷却器62で冷却されて圧縮性液体となり、ポンプ61で加圧されて超臨界流体となり、気化器80で気化されてから、払出ライン7を流れる水素ガス200と合流する。
変形例1に係る構成においては、ポンプ61で加圧されたボイルオフガス300の加圧後圧力P14は、払出ライン7の液体水素100の圧力P22と同一でなくてもかまわない。
〔総括〕
以上に説明した通り、本開示に係る液体水素100の払出方法は、
タンク2から流出した液体水素100のボイルオフガス300を圧縮機14で水素の臨界圧力Pcrを超える圧縮後圧力P12まで圧縮すること、
圧縮により超臨界流体状態となったボイルオフガス300を水素の臨界温度Tcrより低い温度T13まで冷却すること、
冷却により圧縮性液体状態となったボイルオフガス300をポンプ61で水素の臨界圧力Pcrを超え且つ圧縮後圧力P12より高い加圧後圧力P14まで加圧すること、
加圧により再び超臨界流体状態となったボイルオフガス300をタンク2から払い出された液体水素100と合流させる、又は、加圧により再び超臨界流体状態となったボイルオフガス300を気化させたものとタンク2から払い出された液体水素100を気化させたものとを合流させること、を含む。
以上に説明した通り、本開示に係る液体水素100の払出方法は、
タンク2から流出した液体水素100のボイルオフガス300を圧縮機14で水素の臨界圧力Pcrを超える圧縮後圧力P12まで圧縮すること、
圧縮により超臨界流体状態となったボイルオフガス300を水素の臨界温度Tcrより低い温度T13まで冷却すること、
冷却により圧縮性液体状態となったボイルオフガス300をポンプ61で水素の臨界圧力Pcrを超え且つ圧縮後圧力P12より高い加圧後圧力P14まで加圧すること、
加圧により再び超臨界流体状態となったボイルオフガス300をタンク2から払い出された液体水素100と合流させる、又は、加圧により再び超臨界流体状態となったボイルオフガス300を気化させたものとタンク2から払い出された液体水素100を気化させたものとを合流させること、を含む。
同様に、本開示に係るタンク設備1は、
液体入口24、液体出口25、及び気体出口26を有し、液体水素100が貯蔵されるタンク2と、
タンク2の液体入口24と接続されて、タンク2へ受け入れる液体水素100が流れる受入ライン3と、
タンク2の液体出口25と接続されて、液体水素100を下流側へ圧送する第1ポンプ6と、液体水素100を気化する第1気化器8とを上流側から順に有し、タンク2から払い出す液体水素100が流れる払出ライン7と、
タンク2の気体出口26と接続されて、タンク2で液体水素100の気化により生じたボイルオフガス300が流入するBOGライン12と、を備える。
そして、BOGライン12は、ボイルオフガス300を水素の臨界圧力Pcrを超える圧縮後圧力P12まで圧縮するBOG圧縮機14と、圧縮により超臨界流体状態となったボイルオフガス300を水素の臨界温度Tcrより低い温度まで冷却するBOG冷却器62と、冷却により圧縮性液体状態となったボイルオフガス300を水素の臨界圧力Pcrを超え且つ圧縮後圧力P12より高い加圧後圧力P14まで加圧する第2ポンプ61と、加圧により再び超臨界流体状態となったボイルオフガス300を気化する第2気化器8,80とを上流側から順に有し、第2ポンプ61よりも下流側において払出ライン7と接続されている。
液体入口24、液体出口25、及び気体出口26を有し、液体水素100が貯蔵されるタンク2と、
タンク2の液体入口24と接続されて、タンク2へ受け入れる液体水素100が流れる受入ライン3と、
タンク2の液体出口25と接続されて、液体水素100を下流側へ圧送する第1ポンプ6と、液体水素100を気化する第1気化器8とを上流側から順に有し、タンク2から払い出す液体水素100が流れる払出ライン7と、
タンク2の気体出口26と接続されて、タンク2で液体水素100の気化により生じたボイルオフガス300が流入するBOGライン12と、を備える。
そして、BOGライン12は、ボイルオフガス300を水素の臨界圧力Pcrを超える圧縮後圧力P12まで圧縮するBOG圧縮機14と、圧縮により超臨界流体状態となったボイルオフガス300を水素の臨界温度Tcrより低い温度まで冷却するBOG冷却器62と、冷却により圧縮性液体状態となったボイルオフガス300を水素の臨界圧力Pcrを超え且つ圧縮後圧力P12より高い加圧後圧力P14まで加圧する第2ポンプ61と、加圧により再び超臨界流体状態となったボイルオフガス300を気化する第2気化器8,80とを上流側から順に有し、第2ポンプ61よりも下流側において払出ライン7と接続されている。
また、上記の液体水素100の払出方法及びタンク設備1において、圧縮後圧力P12が1.185MPaGより高く2.5MPaG以下であってよい。或いは、圧縮後圧力P12が1.185MPaGより高く1.5MPaG以下であってよい。
上記の液体水素100の払出方法及びタンク設備1によれば、BOGライン12へ流出したボイルオフガス300は、BOG圧縮機14で超臨界流体となるまで圧縮されたうえBOG冷却器62で冷却されることによってポンプ61で加圧可能な圧縮性液体状態となる。このように状態が変化したボイルオフガス300はポンプ61で加圧可能であるので、BOG圧縮機14のみで加圧後圧力P14まで昇圧する必要はなく、BOG圧縮機14及びポンプ61で段階的に加圧後圧力P14まで昇圧すればよい。流量1.2t/hで0.010MPaGのボイルオフガス300を送ガス圧力である3.5MPaGまで昇圧する事例において、具体的な数値を挙げて説明すると、BOG圧縮機14のみで送ガス圧力まで圧縮する場合のBOG圧縮機14の消費電力は900kWであるのに対し、BOG圧縮機14で1.4MPaGまで圧縮してからポンプ61で4.1MPaGまで加圧して気化器8,80で送ガス圧力まで降圧する場合のBOG圧縮機14及びポンプ61の消費電力は490kWであり、後者は前者に対して消費電力を約5割削減することができる。
このように、上記構成の液体水素100の払出方法及びタンク設備1では、BOG圧縮機14のみでボイルオフガス300を送ガス圧力まで昇圧する場合と比較して、BOG圧縮機14の消費電力を抑えることができ、タンク設備1の経済的な運転が実現可能となる。また、BOG圧縮機14として圧縮率の低いものを採用することができる。
更に、上記の液体水素100の払出方法及びタンク設備1によれば、BOG冷却器62へ流入するボイルオフガス300は超臨界流体状態となっている。超臨界流体はBOG冷却器62による冷却の過程で相変化を起こさないので、BOG冷却器62を安定して動作させることができる。
なお、LNGのタンク設備から発電所への送ガス圧力は、一般に、4~5MPaGである。LNGの主成分であるメタンの臨界圧力は4.60MPaGである。LNGの臨界圧力と送ガス圧力との間には、ポンプ61で加圧できる圧力差が殆ど無い。一方、水素の臨界圧力は1.185MPaGである。液体水素のボイルオフガスの臨界圧力と送ガス圧力との間には、ポンプ61で加圧できる圧力差が十分にある。よって、本開示の液体水素100の払出方法及びタンク設備1は、LNGには適用が難しく、液体水素100に特に好適である。
上記のタンク設備1において、加圧後圧力P14は、第1気化器8へ流入する液体水素100の圧力P22と実質的に同一であり、BOGライン12は、第1気化器8の入口で払出ライン7と接続されており、第2気化器80が第1気化器8と共用されていてよい。
上記構成のタンク設備1によれば、気化器8,80の数を低減することができる。
また、上記の液体水素100の払出方法において、超臨界流体状態のボイルオフガス300を冷却することが、超臨界流体状態のボイルオフガス300と液体水素100とを表面熱交換器で熱交換させることを含んでいてよい。
同様に、本開示に係るタンク設備1において、BOG冷却器62が、払出ライン7を流れる液体水素100とBOGライン12を流れるボイルオフガス300とを熱交換させる表面熱交換器であってよい。
上記の液体水素100の払出方法及びタンク設備1によれば、ボイルオフガス300と液体水素100との圧力の異なる流体を熱交換させることができる。
本開示の前述の議論は、例示及び説明の目的で提示されたものであり、本開示を本明細書に開示される形態に限定することを意図するものではない。例えば、前述の詳細な説明では、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で1つの実施形態にまとめられている。但し、本開示に含まれる複数の特徴は、上記で論じたもの以外の代替の実施形態、構成、又は態様に組み合わせることができる。
1 :タンク設備
2 :タンク
3 :受入ライン
6 :ポンプ
7 :払出ライン
8,80:気化器
12 :BOGライン
14 :BOG圧縮機
24 :液体入口
25 :液体出口
26 :気体出口
61 :ポンプ
62 :BOG冷却器
100 :液体水素
300 :ボイルオフガス
2 :タンク
3 :受入ライン
6 :ポンプ
7 :払出ライン
8,80:気化器
12 :BOGライン
14 :BOG圧縮機
24 :液体入口
25 :液体出口
26 :気体出口
61 :ポンプ
62 :BOG冷却器
100 :液体水素
300 :ボイルオフガス
Claims (9)
- タンクから流出した液体水素のボイルオフガスを圧縮機で水素の臨界圧力を超える所定の圧縮後圧力まで圧縮すること、
圧縮により超臨界流体状態となった前記ボイルオフガスを水素の臨界温度より低い温度まで冷却すること、
冷却により圧縮性液体状態となった前記ボイルオフガスをポンプで水素の臨界圧力を超え且つ前記圧縮後圧力より高い所定の加圧後圧力まで加圧すること、
加圧により再び超臨界流体状態となった前記ボイルオフガスを前記タンクから払い出された前記液体水素と合流させる、又は、前記加圧により再び超臨界流体状態となった前記ボイルオフガスを気化させたものと前記タンクから払い出された前記液体水素を気化させたものとを合流させること、を含む、
液体水素の払出方法。 - 超臨界流体状態の前記ボイルオフガスを冷却することが、超臨界流体状態の前記ボイルオフガスと前記液体水素とを表面熱交換器で熱交換させることを含む、
請求項1に記載の液体水素の払出方法。 - 前記圧縮後圧力が1.185MPaGより高く2.5MPaG以下である、
請求項1又は2に記載の液体水素の払出方法。 - 前記圧縮後圧力が1.185MPaGより高く1.5MPaG以下である、
請求項1又は2に記載の液体水素の払出方法。 - 液体入口、液体出口、及び気体出口を有し、液体水素が貯蔵されるタンクと、
前記タンクの前記液体入口と接続されて、前記タンクへ受け入れる前記液体水素が流れる受入ラインと、
前記タンクの前記液体出口と接続されて、前記液体水素を下流側へ圧送する第1ポンプと、前記液体水素を気化する第1気化器とを上流側から順に有し、前記タンクから払い出す前記液体水素が流れる払出ラインと、
前記タンクの前記気体出口と接続されて、前記タンクで前記液体水素の気化により生じたボイルオフガスが流入するBOGラインと、を備え、
前記BOGラインは、前記ボイルオフガスを水素の臨界圧力を超える所定の圧縮後圧力まで圧縮するBOG圧縮機と、圧縮により超臨界流体状態となった前記ボイルオフガスを水素の臨界温度より低い温度まで冷却する冷却器と、冷却により圧縮性液体状態となった前記ボイルオフガスを水素の臨界圧力を超え且つ前記圧縮後圧力より高い所定の加圧後圧力まで加圧する第2ポンプと、加圧により再び超臨界流体状態となった前記ボイルオフガスを気化する第2気化器とを上流側から順に有し、前記第2ポンプよりも下流側において前記払出ラインと接続されている、
タンク設備。 - 前記冷却器が、前記払出ラインを流れる前記液体水素と前記BOGラインを流れる前記ボイルオフガスとを熱交換させる表面熱交換器である、
請求項5に記載のタンク設備。 - 前記加圧後圧力は、前記第1気化器へ流入する前記液体水素の圧力と実質的に同一であり、
前記BOGラインは、前記第1気化器の入口で前記払出ラインと接続されており、前記第2気化器が前記第1気化器と共用されている、
請求項5又は6に記載のタンク設備。 - 前記圧縮後圧力が1.185MPaGより高く2.5MPaG以下である、
請求項5~7のいずれか一項に記載のタンク設備。 - 前記圧縮後圧力が1.185MPaGより高く1.5MPaG以下である、
請求項5~7のいずれか一項に記載のタンク設備。
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