JP2023147801A - 表面被覆切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】高硬度かつ高靱性の表面被覆切削工具の提供【解決手段】被覆層は、平均厚さが1.0~20.0μmで、式:(TiaHfbX1cX2d)(CeNf)(X1、X2は異なる元素で、それぞれ、Zr、V、Nb、Taのいずれか)で表したとき、0.01≦a/(a+b+c+d)≦0.600.01≦b/(a+b+c+d)≦0.600.01≦c/(a+b+c+d)≦0.600.01≦d/(a+b+c+d)≦0.600.20≦e/(e+f)≦0.800.20≦f/(e+f)≦0.80Sconfig≧0.80R(Rは気体定数、lnは自然対数)で、NaCl型面心立方構造を有する結晶粒を含む表面被覆切削工具【選択図】図2

Description

本発明は、表面被覆切削工具(以下、被覆工具ということがある)に関するものである。
炭化タングステン(以下、WCで示す)基超硬合金等の基体の表面に、被覆層を形成した被覆工具が知られており、優れた耐摩耗性を発揮することが知られている。
そして、被覆工具の耐久性を向上させるべく、被覆層の改善についての種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、基体と該基体上に被覆層を有し、該被覆層は、格子定数が0.403~0.455nmの面心立方構造を有する(TiZr1-x)(C1-y)(0.4<x<0.95、0.2<y<0.9)または格子定数が0.430~0.450の面心立方構造を有する(TiHf1-x)(C1-y)(0.4<x<0.95、0.2<y<0.9)である被覆工具が記載され、前記被覆層は硬く、耐摩耗性を有するとされている。
また、例えば、特許文献2には、基体上に0.427~0.453nmの格子定数を有するfcc構造のTi1-xMeの窒化物(0.1≦x≦0.9、MeはZr、Hfの1種以上)を被覆した被覆工具(インサート)が記載され、該被覆工具の被覆層は硬く、ステンレス鋼の乾式切削に適するとされている。
特許第4028891号公報 米国特許出願公開第2016/0298233号明細書
本発明は、前記事情や前記提案を鑑みてなされたものであって、高硬度でかつ靭性を向上させた被覆層を有する被覆工具を提供することを目的する。
本発明の実施形態に係る表面被覆切削工具は、
基体と該基体の表面に被覆層を有し、
前記被覆層は複合窒化物層を有し、
前記複合窒化物層は、平均厚さが1.0μm以上、20.0μm以下であり、
その組成を式:(TiHfX1X2)(C)(X1、X2は異なる元素で、それぞれ、Zr、V、Nb、Taのいずれか)で表したとき、
0.01≦a/(a+b+c+d)≦0.60
0.01≦b/(a+b+c+d)≦0.60
0.01≦c/(a+b+c+d)≦0.60
0.01≦d/(a+b+c+d)≦0.60
0.20≦e/(e+f)≦0.80
0.20≦f/(e+f)≦0.80
config=-R/2{[a/(a+b+c+d)]ln[a/(a+b+c+d)]+[b/(a+b+c+d)]ln[b/(a+b+c+d)]+[c/(a+b+c+d)]ln[c/(a+b+c+d)]+[d/(a+b+c+d)]ln[d/(a+b+c+d)]+[e/(e+f)]ln[e/(e+f)]+[f/(e+f)]ln[f/(e+f)]}≧0.80R
(Rは気体定数、lnは自然対数である)
を満足し、かつ、
NaCl型面心立方構造を有する結晶粒を含む。
さらに、前記実施形態に係る表面被覆切削工具は、以下の(1)の事項を満足してもよい。
(1)前記複合窒化物層が0.50原子%以下のClを含むこと。
前記表面被覆切削工具は、被覆層が高硬度でかつ高靱性を有している。
TiNの結晶構造の模式図を示す。 (TiHfX1X2)(CN)の結晶構造の模式図を示す。
表面被覆切削工具の被覆層が高硬度であることと高靱性であることとは、二律背反の関係にあり、従来の固溶強化理論では、両者を両立することは困難と考えられている。
一方、近年、ハイエントロピー合金といわれる5種類以上の元素がほぼ等しい原子割合で混ぜ合わせた合金をはじめとし、多種主要元素合金(Multi Principal Element Alloy)といわれる3種類以上の元素から構成され少なくとも2種類以上の主要元素から構成されている合金等の混合のエントロピーを高めた固溶体の研究がなされているが、被覆層について混合のエントロピーを高めた研究は未見である。
本発明者は、被覆層を構成する固溶体(合金)に対して、混合のエントロピーを高めることにより、従来の被覆層では実現できなかった二律背反の関係にある高硬度と高靱性を両立すべく鋭意検討を行った。
その結果、被覆層を構成する特定の組成の複合炭窒化物層において、混合エントロピーを高めると、
(i)特定の組成の複合炭窒化物層が原子半径の異なる複数種類の原子から構成されることになり結晶粒内に歪みが生じて硬さと靭性が向上すること、
(ii)高温下における複合炭窒化物層の熱的な安定性や耐酸化性が向上すること、
の知見を得た。
以下では、本発明の実施形態に係る表面被覆切削工具について説明する。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、数値範囲を「L~M」(L、Mは共に数値)で表現するときは、「L以上、M以下」と同義であって、その範囲は上限値(M)および下限値(L)を含んでおり、上限値(M)と下限値(L)の単位は同じである。
1.被覆層
以下、本実施形態に係る被覆層を構成する複合炭窒化物層を中心に説明する。
1-1.(TiHfX1X2)(CN)層
(1)結晶構造
図2に、(TiHfX1X2)(CN)の結晶構造の模式図を示す。図2から明らかなように、(TiHfX1X2)(CN)の結晶構造は原子半径の異なる原子(カチオンサイトはTi、Hf、X1、X2のいずれかの原子(4)、アニオンサイトはN原子(2)、C原子(3))が、カチオンサイト、アニオンサイト毎に規則性なくランダムに混ざりあって結晶格子を形成している。そのため、図1に模式的に示すTiNの結晶構造(Ti原子(1)、N原子(2))に比して、各原子が理想的な格子点の位置から変位をしている。これにより、結晶格子内に歪(図2では点線からのずれで示される)が生じており、この歪に起因して硬さと靭性が向上する。なお、図2において各原子の変位量も模式的に示されている。
(2)平均厚さ
被覆層を構成する前記式で表される複合炭窒化物層(以下、TiHfX1X2CNということがある。)の平均厚さは、1.0μm以上、20.0μm以下であることが好ましい。その理由は、平均厚さが1.0μm未満では、平均厚さが薄いため耐久性を十分確保することができず、一方、平均厚さが20.0μmを超えると、層の結晶粒が粗大化しやすくなり、チッピングを発生しやすくなるためである。複合炭窒化物層の平均厚さは3.0μm以上、16.0μm以下がより好ましい。
(3)組成
TiHfX1X2CN層は、組成を式:(TiHfX1X2)(C)(X1、X2は異なる元素で、それぞれ、Zr、V、Nb、Taのいずれか)で表したとき、
0.01≦a/(a+b+c+d)≦0.60
0.01≦b/(a+b+c+d)≦0.60
0.01≦c/(a+b+c+d)≦0.60
0.01≦d/(a+b+c+d)≦0.60
0.20≦e/(e+f)≦0.80
0.20≦f/(e+f)≦0.80
config=-R/2{[a/(a+b+c+d)]ln[a/(a+b+c+d)]+[b/(a+b+c+d)]ln[b/(a+b+c+d)]+[c/(a+b+c+d)]ln[c/(a+b+c+d)]+[d/(a+b+c+d)]ln[d/(a+b+c+d)]+[e/(e+f)]ln[e/(e+f)]+[f/(e+f)]ln[f/(e+f)]}≧0.80R
(Rは気体定数、lnは自然対数である)
であることが好ましい。
a、b、c、d、e、fの各値が上記関係を満足するとき、TiHfX1X2CN層の混合のエントロピーは高められ、このTiHfX1X2CN層は前記知見で得た(i)~(ii)の物性を有する。
(4)Clの含有
微量のClを含有してもよい。Clは塩化物を原料ガスとするCVD法により成膜すればごく微量(単元素分析によってその存在が確認できる量)含まれるものである。そして、Clの含有量が、分析装置の定量精度の含有量以上であって、0.50原子%以下であれば、ClによってTiHfX1X2CN層が潤滑性を有する。
(5)NaCl型面心立方構造
TiHfX1X2CN層は、NaCl型面心立方構造の結晶粒を有していることが好ましい。ただし、NaCl型面心立方構造以外の結晶粒を含有していても構わないが、NaCl型面心立方構造以外の結晶粒の存在は意図しないものである。本明細書で実質的にNaCl型面心立方構造の結晶粒を有しているとは、NaCl型面心立方構造の結晶粒の他に、この意図しないNaCl型面心立方構造以外の結晶粒は存在することをいう。
1-2.その他の層
(1)下部層
Tiの窒化物層、炭化物層、炭窒化物層のうちの1層以上のTi化合物(化学量論的組成に限定されない)層からなり、その合計平均厚さが0.1~20.0μmである下部層を基体とTiHfX1X2CN層との間に設けた場合には、基材とTiHfX1X2CN層の密着性が向上し、より一層優れた耐久性が発揮される。ここで、下部層の合計平均厚さが0.1μm未満では、下部層による密着性の向上が十分ではなく、一方、20.0μmを超えると下部層の結晶粒が粗大化しやすくなり、チッピングを発生しやすくなる。
(2)上部層
TiHfX1X2CN層の上部に、Tiの窒化物層、炭化物層、炭窒化物層、および酸化物層のうちの1種以上のTi化合物(化学量論的組成に限定されない)層、および/または、酸化アルミニウム(化学量論的組成に限定されない)層からなり、その合計平均厚さが0.1~25.0μmである上部層を設けると、より一層優れた耐チッピング性、耐摩耗性が発揮されて好ましい。ここで、合計平均厚さが0.1μm未満であると、上部層を設けても、耐チッピング性、耐摩耗性の一層の向上が達成されず、一方、25.0μmを超えると、上部層に起因するチッピングが発生しやすくなる。
(3)意図せずに生じる層
CVD炉内のガス圧や温度が不安定になるとき、TiHfX1X2CN層、下部層、上部層とは異なる層が意図せずにごくわずか製造されることがある。
2.基体
(1)材質
材質は、従来公知の基体の材質であれば、本発明の目的を達成することを阻害するものでない限り、いずれのものも使用可能である。一例をあげるならば、超硬合金(WC基超硬合金、WCの他、Coを含み、さらに、Ti、Zr、Ta、Nb、Cr等の炭化物または窒化物を添加したものも含むもの等)、サーメット(TiC、TiN、TiCN等を主成分とするもの等)、セラミックス(炭化チタン、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムなど)、cBN焼結体のいずれかであることが好ましい。
(2)形状
基体の形状は、切削工具として用いられる形状であれば特段の制約はなく、インサートの形状、ソリッド工具の形状が例示できる。
3.測定方法
以下のようにして、本実施形態のTiHfX1X2CN層の平均厚さ、各元素含有量、平均塩素含有量を求める。
(1)平均厚さ
ここで、TiHfX1X2CN層等の平均厚さは以下のようにして求めることができる。クロスセクションポリッシャー装置(Cross section Polisher:CP)等を用いて、被覆層の縦断面の観察用の試料を作製し、その断面を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)により観察し、複数箇所(例えば、5箇所)の層の厚さを測定して、これらを単純平均することによりTiHfX1X2CN層の平均厚さとする。なお、基体の表面の定義は後述する。
ここで、縦断面とは、インサートでは基体の表面における微小な凹凸を無視し、平らな面として扱ったときの基体の表面に垂直な断面をいう。
本明細書において、基体の表面とは、縦断面の観察像における、基体と被覆層の界面粗さの平均線(直線)とする。
すなわち、前記縦断面の観察像より被覆層(下部層が存在すれば、被覆層の代わりに下部層を用いる)と基体の界面を定め、得られた表面被覆層と基体との界面の粗さ曲線について、平均線を引き、これを基体の表面とする。そして、この平均線に対して、垂直な方向を基体に垂直な方向(層の厚さ方向)とする。
また、基体が曲面の表面を有する場合であっても、被覆層の厚さに対して曲面の曲率半径が十分に大きければ、測定領域における表面被覆層と基体との間の界面は略平面となることから、同様の手法により基体の表面を決定することができる。
(2)元素割合および塩素含有量
TiHfX1X2CN層の元素割合および塩素含有量は、以下のようにして求める。
Ti、Hf、X1、X2の元素割合a/(a+b+c+d)、b/(a+b+c+d)、c/(a+b+c+d)、d/(a+b+c+d)およびC、Nの元素割合e/(e+f)、f/(e+f)、及び塩素含有量については、電子線マイクロアナライザ(EPMA:Electron Probe Micro Analyser)を用い、表面を研磨した試料において、電子線を試料表面側から照射し、得られた特性X線の解析結果の10点の平均値とする。
(3)TiHfX1X2CN層の結晶構造の同定
TiHfX1X2CN層について、X線回折装置を用いてX線回折試験を実施し、NaCl型の面心立方構造を有していることを確認する。
4.製造方法
本実施形態のTiHfX1X2CN層の製造方法は、例えば、TiCl、HfCl、ZrCl、VCl、NbCl、TaCl、H、HCl、N、CHCN、Ar、Hの各ガスを用いて、CVD法により行うことができる。
以下、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。すなわち、基体としてWC基超硬合金を用いたインサート切削工具をあげるが、基体の材質は前述のものであればよく、その形状は前述のとおりソリッド工具等の形状であってもよい。
1.基体の製造
原料粉末として、WC粉末、TiC粉末、ZrC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr粉末、TiN粉末およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、98MPaの圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形した。
その後、この圧粉体を真空焼結し、焼結後、切刃部にR:0.05mmのホーニング加工を施し、三菱マテリアル社製CNMG120408-MAのインサート形状をもったWC基超硬合金製の基体A~Cをそれぞれ製造した。
2.成膜
基体A~Cの表面に、CVD装置を用いて、TiHfX1X2CN層を成膜し、表5に示す実施例1~10を得た。成膜条件は、表2に示すとおりであったが、概ね、次のとおりであった。
反応ガス組成(ガス成分の含有量は、容量%である):
TiCl:0.02~0.10%
HfCl:0.20~1.00%
*ZrCl:0.10~0.50%
*VCl:0.02~0.10%
*NbCl:0.02~0.10%
*TaCl:0.02~0.10%
CHCN:0.10~0.50%、
HCl:0.10~0.50%
:0.0~12.0%
Ar:10.0~50.0%
:残
*ZrCl、VCl、NbCl、TaClは、TiHfX1X2CN層の組成に応じて選択する。
反応雰囲気圧力:4.5~12.0kPa
反応雰囲気温度:800~950℃
なお、実施例4~10については、表3に示す条件により表4に示す下部層および/または上部層を成膜した。
比較のために、基体A~Cの表面に表2に示す成膜条件によって、TiHfX1X2CN層を成膜し、表5に示す比較例1~10を得た。
比較例の製造工程については原料ガスの組成を実施例とは変えた。
なお、比較例4~10については、表3に示す条件により表4に示す下部層および/または上部層を成膜した。
さらに、従来技術と対比すべく、基体A、Cの表面に表3に示す条件によって、TiCN層と、表4に示す下部層、下部層および上部層を成膜し、表5に示す従来例1~2を作製した。
前記実施例1~10、比較例1~10、および、従来例1~2について、前述した方法を用いて、各層の平均厚さ、各元素含有量、平均塩素含有量、NaCl型面心立方構造を有するかを測定した。
これらの結果を表5にまとめた。
Figure 2023147801000002
Figure 2023147801000003
Figure 2023147801000004
Figure 2023147801000005
表4において、「-」は存在しないことを示す。
Figure 2023147801000006
表5において、従来例1~2は、Hf、X1及びX2を含まないため(X1とX2の欄が「-」である)、Sconfigは、-R/2{[e/(e+f)]ln[e/(e+f)]+[f/(e+f)]ln[f/(e+f)]}より算出した結果である。
「**」は、分析装置の定量精度以下の含有量であったため、塩素のみの単元素検出による分析によって塩素の特性X線スペクトルによるピークを確認し塩素が微量に含有されていることを確認したことを示す。
また、全ての実施例、比較例、従来例のいずれもが、実質的にNaCl型面心立方構造の結晶粒を有することを確認した。
続いて、実施例1~10、比較例1~10、および、従来例1~2について、いずれも工具鋼製バイトの先端部に固定治具にてネジ止めした状態で、炭素鋼S45Cの等間隔2本溝入り中空丸棒の湿式端面切削加工試験を実施し、切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
この切削試験は逃げ面摩耗が進行しやすい加工であるとともに断続加工を含むため刃先がチッピングしやすい。そのため、耐摩耗性と耐チッピング性の双方が求められる加工であるため、硬さと靭性の評価に適している。
切削試験
被削材:JIS・S45C
等間隔2本溝(幅20mm)入り中空丸棒(外径Φ180、内径Φ50)
切削速度:270m/min.
切り込み:1.5mm
送り量:0.3mm/rev.
切削回数:20パス
表6に、切削試験の結果を示す。なお、比較例1~10および従来例1~2については、チッピングまたは逃げ面摩耗(寿命判定基準:逃げ面摩耗幅0.4mm)が原因で寿命に至るまでの切削パス数を示す。
Figure 2023147801000007
表6に示す結果から明らかなように、実施例はいずれも摩耗量が少なく、チッピングの発生がなく、硬さと靭性が共に向上しており、長期にわたって優れた切削性能を発揮する。
これに対して、比較被例1~10および従来例1~2は、いずれも摩耗量が多く、または、チッピングが発生し、短時間で使用寿命に至っている。
1 Ti原子
2 N原子
3 C原子
4 Ti、Hf、X1、X2のいずれかの原子(X1、X2は異なる元素でV、Zr、Nb、Taのいずれか)

Claims (2)

  1. 基体と該基体の表面に被覆層を有する表面被覆切削工具であって、
    前記被覆層は複合窒化物層を有し、
    前記複合窒化物層は、平均厚さが1.0μm以上、20.0μm以下であり、
    その組成を式:(TiHfX1X2)(C)(X1、X2は異なる元素で、それぞれ、Zr、V、Nb、Taのいずれか)で表したとき、
    0.01≦a/(a+b+c+d)≦0.60
    0.01≦b/(a+b+c+d)≦0.60
    0.01≦c/(a+b+c+d)≦0.60
    0.01≦d/(a+b+c+d)≦0.60
    0.20≦e/(e+f)≦0.80
    0.20≦f/(e+f)≦0.80
    config=-R/2{[a/(a+b+c+d)]ln[a/(a+b+c+d)]+[b/(a+b+c+d)]ln[b/(a+b+c+d)]+[c/(a+b+c+d)]ln[c/(a+b+c+d)]+[d/(a+b+c+d)]ln[d/(a+b+c+d)]+[e/(e+f)]ln[e/(e+f)]+[f/(e+f)]ln[f/(e+f)]}≧0.80R
    (Rは気体定数、lnは自然対数である)
    を満足し、
    NaCl型面心立方構造を有する結晶粒を含む
    ことを特徴とする表面被覆切削工具。
  2. 前記複合窒化物層が0.50原子%以下のClを含むことを特徴とする請求項1に記載された表面被覆切削工具。
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