JP2018051674A - 硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性、耐剥離性を発揮する表面被覆切削工具 - Google Patents

硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性、耐剥離性を発揮する表面被覆切削工具 Download PDF

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Abstract

【課題】高速断続切削加工において、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性、耐剥離性を備え、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具を提供する。【解決手段】 工具基体表面に、上部層、密着層α、下部層βが少なくとも設けられている表面被覆工具において、上部層は、少なくとも酸化アルミニウム層を含み、密着層αは、NaCl型の面心立方構造を有し、組成式:(Ti1−XαAlXα)(CYαN1−Yα)で表される(但し、Xαavg、Yαavgは原子比で、0.10≦Xαavg<0.65、0≦Yαavg≦0.005を満足する)層からなり、下部層βは、NaCl型の面心立方構造を有し、組成式:(Ti1−XβAlXβ)(CYβN1−Yβ)で表される(但し、Xβavg、Yβavgは原子比で、0.60≦Xβavg≦0.95かつXαavg≦Xβavg、0≦Yβavg≦0.005を満足する)層からなる。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、鋳鉄等の高熱発生を伴うとともに、切刃に対して断続的・衝撃的な高負荷が作用する高速断続切削加工で、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性、耐剥離性を備え、長期の使用に亘ってすぐれた切削性能を発揮する表面被覆切削工具(以下、被覆工具という)に関するものである。
従来、一般に、炭化タングステン(以下、WCで示す)基超硬合金、炭窒化チタン(以下、TiCNで示す)基サーメットあるいは立方晶窒化ホウ素(以下、cBNで示す)基超高圧焼結体で構成された工具基体(以下、これらを総称して工具基体という)の表面に、硬質被覆層として、Ti−Al系の複合窒化物層を物理蒸着法により被覆形成した被覆工具が知られており、これらは、すぐれた耐摩耗性を発揮することが知られている。
ただ、前記従来のTi−Al系の複合窒化物層を被覆形成した被覆工具は、比較的耐摩耗性にすぐれるものの、高速断続切削条件で用いた場合にチッピング、剥離等の異常損耗を発生しやすいことから、硬質被覆層の改善についての種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、TiCl、AlCl、NHの混合反応ガス中で、650〜900℃の温度範囲において化学蒸着を行うことにより、Alの含有割合xの値が0.65〜0.95である(Ti1−xAl)N層を蒸着形成できることが記載されているが、この文献では、この(Ti1−xAl)N層の上にさらにAl層を被覆し、これによって断熱効果を高めることを目的としているが、Alの含有割合xの値を0.65〜0.95まで高めた(Ti1−xAl)N層の形成によって、切削性能にどのような影響を及ぼすかについてまでは明らかにされていない。
また、例えば、特許文献2には、TiCN層、Al層を内層として、その上に、化学蒸着法により、立方晶構造あるいは六方晶構造を含む立方晶構造の(Ti1−xAl)N層(ただし、原子比で、xは0.65〜0.90)を外層として被覆するとともに該外層に100〜1100MPaの圧縮応力を付与することにより、被覆工具の耐熱性と疲労強度を改善することが提案されている。
特表2011−516722号公報 特表2011−513594号公報
近年の切削加工における省力化および省エネ化の要求は強く、これに伴い、切削加工は一段と高速化、高効率化の傾向にあり、被覆工具には、より一層、耐チッピング性、耐欠損性、耐剥離性等の耐異常損傷性が求められるとともに、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性が求められている。
しかし、前記特許文献1で提案される化学蒸着法で蒸着形成した(Ti1−xAl)N層については、Alの含有割合xを高めることができ、また、立方晶構造を形成させることができることから、所定の硬さを有し耐摩耗性にすぐれた硬質被覆層が得られるものの、鋳鉄等の切削加工に供した場合、上部Al層とTiAlN層の付着強度は十分でないため、チッピング、欠損、剥離等の異常損傷が発生しやすいという問題があった。
また、前記特許文献2で提案される被覆工具は、所定の硬さを有し耐摩耗性、耐熱性にすぐれ、鋼の断続切削加工ではすぐれた切削性能を発揮するものの、鋳鉄の断続切削加工等に供した場合には、チッピング、欠損、剥離等の異常損傷が発生しやすく、満足できる切削性能を発揮するとはいえないという問題があった。
そこで、本発明は、切れ刃に断続的・衝撃的な高負荷が作用する鋳鉄等の高速断続切削等に供した場合であっても、すぐれた耐チッピング性、耐剥離性を備え、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮する被覆工具を提供することを目的とする。
本発明者らは、前述の観点から、Al含有割合が比較的高いTiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物(以下、「(Ti,Al)(C,N)」あるいは「(Ti1−xAl)(C1−y)」で示すことがある)層を少なくとも下部層として含み、また、上部層として少なくともα型の結晶構造を有するAl層(以下、単に「α−Al層」で示すことがある)を含む硬質被覆層を化学蒸着で蒸着形成した被覆工具の耐チッピング性、耐剥離性の改善をはかるべく、鋭意研究を重ねた結果、次のような知見を得た。
即ち、本発明者らは、Al含有割合が比較的高い(Ti,Al)(C,N)層を下部層として、この上に、上部層としてα−Al層を蒸着形成した場合には、硬度が高く耐摩耗性は向上するが、下部層の(Ti,Al)(C,N)層とα−Al層との間の付着強度が十分でない。そこで、下部層の(Ti,Al)(C,N)層とα−Al層との間の付着強度を高めるために、下部層に比して相対的にAl含有割合の少ない(Ti,Al)(C,N)層を密着層として介在形成することにより、下部層と上部層の付着強度を高め得ることを見出した。
また、前記密着層において、Alの含有割合を工具基体側から上部層側に向かって低減させる組成傾斜構造とすることによって、密着層自体の硬さを高め得るとともに、下部層−密着層−上部層間の付着強度をより一層高め得ることを見出した。
そして、工具基体表面に、少なくとも前記下部層、密着層及び上部層からなる層構造の硬質被覆層を形成することによって、切れ刃に断続的・衝撃的な高負荷が作用する鋳鉄等の高速断続切削等に供した場合であっても、すぐれた耐チッピング性、耐剥離性を備え、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮することを見出したのである。
本発明は、前記知見に基づいてなされたものであって、
「(1) 炭化タングステン基超硬合金、炭窒化チタン基サーメットまたは立方晶窒化ホウ素基超高圧焼結体のいずれかで構成された工具基体の表面に、硬質被覆層が設けられている表面被覆切削工具において、
(a)前記硬質被覆層は、表面側から工具基体側に向かって、上部層、密着層α、下部層βの3層からなり、該3層の合計平均層厚は1.2~20μmであり、
(b)前記上部層は、少なくとも酸化アルミニウム層を含んだ、1〜10μmの合計平均層厚の層からなり、
(c)前記密着層αは、TiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層からなり、NaCl型の面心立方構造を有する複合窒化物または複合炭窒化物の相を少なくとも含み、0.1〜10μmの合計平均層厚からなり、その組成を、
組成式:(Ti1−XαAlXα)(CYα1−Yα
で表した場合、AlのTiとAlの合量に占める平均含有割合XαavgおよびCのCとNの合量に占める平均含有割合Yαavg(但し、Xαavg、Yαavgはいずれも原子比)は、それぞれ、0.10≦Xαavg<0.65、0≦Yαavg≦0.005を満足し、
(d)前記下部層βは、TiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層からなり、NaCl型の面心立方構造を有する複合窒化物または複合炭窒化物の相を少なくとも含み、その組成を、
組成式:(Ti1−XβAlXβ)(CYβ1−Yβ
で表した場合、AlのTiとAlの合量に占める平均含有割合XβavgおよびCのCとNの合量に占める平均含有割合Yβavg(但し、Xβavg、Yβavgはいずれも原子比)は、それぞれ、0.60≦Xβavg≦0.95かつXαavg≦Xβavg、0≦Yβavg≦0.005を満足することを特徴とする表面被覆切削工具。
(2)前記密着層α内にはAl成分の組成傾斜が存在し、工具基体側から上部層側に向かってAlのTiとAlの合量に占める含有割合Xαが漸次減少していく層からなり、密着層α内のAlのTiとAlの合量に占める含有割合Xαの最大値Xαmaxは、下部層βのAlのTiとAlの合量に占める含有割合Xβの最小値をXβminとした場合、Xαmax≦Xβminを満たすことを特徴とする(1)に記載の表面被覆切削工具。
(3)前記Al成分の組成傾斜が存在する前記密着層αは、AlのTiとAlの合量に占める含有割合Xαが異なる複数の層からなり、工具基体側から上部層側に向かってAlのTiとAlの合量に占める含有割合Xαが漸次減少することを特徴とする(2)に記載の表面被覆切削工具。
(4)前記下部層βにおけるAlのTiとAlの合量に占める含有割合Xβavgは、0.70≦Xβavg≦0.95であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
(5) 前記密着層αおよび前記下部層βについて、該層の縦断面方向から観察した場合に、該層内のNaCl型の面心立方構造を有する個々の結晶粒の粒界部に、六方晶構造を有する微粒結晶粒が存在し、該微粒結晶粒の存在する面積割合は5面積%以下であり、該微粒結晶粒の平均粒径Rは0.01〜0.3μmであることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
(6)前記工具基体と前記下部層βの間に、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上のTi化合物層からなり、0.1〜20μmの合計平均層厚を有する下部層δが存在することを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
(7)前記工具基体と前記下部層βの間に、TiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層からなり、NaCl型の面心立方構造を有する複合窒化物または複合炭窒化物の相を少なくとも含む0.1〜10μmの平均層厚を有する密着層γが存在し、
(a)密着層γは、その組成を、
組成式:(Ti1−XγAlXγ)(CYγ1−Yγ
で表した場合、AlのTiとAlの合量に占める平均含有割合XγavgおよびCのCとNの合量に占める平均含有割合Yγavg(但し、Xγavg、Yγavgはいずれも原子比)は、それぞれ、0.1≦Xγavg<0.65、0≦Yγavg≦0.005を満足し、
(b)密着層γ内にはAl成分の組成傾斜が存在し、工具基体側から下部層β側に向かってAlのTiとAlの合量に占める含有割合Xγが増加していく層からなり、密着層γ内のAlのTiとAlの合量に占める含有割合Xγの最大値Xγmaxは、下部層βのAlのTiとAlの合量に占める含有割合Xβの最小値をXβminとした場合、Xγmax≦Xβminを満たすことを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
(8) 前記密着層γについて、該層の縦断面方向から観察した場合に、該層内のNaCl型の面心立方構造を有する個々の結晶粒の粒界部に、六方晶構造を有する微粒結晶粒が存在し、該微粒結晶粒の存在する面積割合は5面積%以下であり、該微粒結晶粒の平均粒径Rは0.01〜0.3μmであることを特徴とする(7)に記載の表面被覆切削工具。
(9)前記工具基体と前記密着層γの間に、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上のTi化合物層からなり、0.1〜20μmの合計平均層厚を有する下部層δが存在することを特徴とする(7)または(8)に記載の表面被覆切削工具。」
に特徴を有するものである。
本発明について、以下に詳細に説明する。
まず、本発明被覆工具の硬質被覆層の層構造の例を、図面とともに説明する。
図1〜図4に、本発明被覆工具の硬質被覆層の層構造のいくつかの態様の具体例を示す。
図1は、上部層としてα−Al層が設けられ、その下に、NaCl型の面心立方構造を有するTiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物の相を少なくとも含み、AlのTiとAlの合量に占める平均含有割合(以下、「AlのTiとAlの合量に占める平均含有割合」を、単に、「Alの平均含有割合」という)Xαavgが相対的に少ない密着層αが設けられ、さらにその下に、NaCl型の面心立方構造を有するTiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物の相を少なくとも含み、Alの平均含有割合Xβavgが密着層αのAlの平均含有割合Xαavgに比して相対的に高い下部層βが設けられた硬質被覆層の層構造の態様の一例を示す。
前記密着層αには、工具基体側から上部層側に向かってAlの含有割合Xαが漸次減少していくAl成分の組成傾斜構造が存在することが好ましい。
前記密着層αにおけるAl成分の組成傾斜構造としては、Alの含有割合Xαが連続的に減少していく組成傾斜の形態をとることができ、また、不連続的(段階的)にAlの含有割合Xαが減少する組成傾斜の形態をとることもできる。不連続的な組成傾斜の形態においては、前記密着層αを、Alの含有割合Xαが異なる複数の層で構成するとともに、工具基体側から上部層側に向かってAlの含有割合Xαが減少するように前記複数の層を配列することによって形成することができる。
前記密着層α内のAlの含有割合Xαの最大値をXαmaxとし、また、下部層βのAlの含有割合Xβの最小値をXβminとした時、Xαmax≦Xβminを満たすことが好ましい。
さらに、前記密着層αおよび前記下部層βについて、該層の縦断面方向から観察した場合に、NaCl型の面心立方構造を有する個々の結晶粒の粒界部に、六方晶構造を有する微粒結晶粒が存在してもよいが、該微粒結晶粒の存在する面積割合は5面積%以下であること、該微粒結晶粒の平均粒径Rは0.01〜0.3μmであることが好ましい。
図2は、図1に示される層構造において、下部層βと工具基体間の付着強度を高めるために、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちから選ばれる1層または2層以上からなり、0.1〜20μmの合計平均層厚を有する下部層δを設けた別の態様を示す。
図3は、前記図1において、下部層βと工具基体との間に、密着層γを設けた本発明の層構造の別の態様を示す。
上部層、密着層αおよび下部層βについては前述のとおりであるが、密着層γは、下部層βとは逆に、工具基体側から下部層β側に向かってAlの含有割合Xγが増加していく組成傾斜構造を有する(Ti,Al)(C,N)層であって、しかも、密着層γ内のAlのTiとAlの合量に占める含有割合(以下、「AlのTiとAlの合量に占める含有割合」を、単に、「Alの含有割合」という)Xγの最大値Xγmaxは、下部層βのAlの含有割合Xβの最小値をXβminとした場合、Xγmax≦Xβminを満たすことが好ましい。
また、前記密着層α、下部層βと同様に、前記密着層γについて、該層の縦断面方向から観察した場合に、NaCl型の面心立方構造を有する個々の結晶粒の粒界部に、六方晶構造を有する微粒結晶粒が存在してもよいが、該微粒結晶粒の存在する面積割合は5面積%以下であること、該微粒結晶粒の平均粒径Rは0.01〜0.3μmであることが好ましい。
図4は、前記図3における前記密着層γと工具基体との間に、下部層δを設けた本発明の層構造のさらに別の態様を示す。
下部層δは、図2の場合と同様、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちから選ばれる1層または2層以上からなり、0.1〜20μmの合計平均層厚を有するTi化合物層として構成することができ、下部層δを設けることによって、工具基体と密着層γとの付着強度を高める効果を有する。
次に、本発明被覆工具の硬質被覆層のそれぞれの層について説明する。
上部層:
本発明の上部層αは、α−Al層で構成することによって、すぐれた高温硬さと耐高温酸化性を発揮するが、上部層αの平均層厚が1.0μm未満の場合には、長期にわたるすぐれた耐摩耗性を発揮することができず、一方、上部層αの平均層厚が10μmを超える場合には、チッピングを発生しやすくなるので、上部層αの平均層厚は1.0μm〜10μmとする。
密着層α:
密着層αは、NaCl型の面心立方構造を有するTiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物の相を少なくとも含む。
密着層αは、Alの平均含有割合Xβavgが、0.60≦Xβavg≦0.95である下部層βの直上にα−Al層からなる上部層を形成した場合には、その付着強度が十分でなく、高負荷が作用する切削加工において、チッピング、剥離等の異常損傷を発生しやすくなるため、下部層βと上部層の付着強度を高めるために設ける層である。
密着層αを、その組成を、
組成式:(Ti1−XαAlXα)(CYα1−Yα
で表した場合、Alの平均含有割合XαavgおよびCのCとNの合量に占める平均含有割合(以下、「CのCとNの合量に占める平均含有割合」を、単に、「Cの平均含有割合」という)Yαavg(但し、Xαavg、Yαavgはいずれも原子比)は、それぞれ、0.1≦Xαavg<0.65、0≦Yαavg≦0.005とする。
この理由は、密着層αを介在形成することによって下部層βと上部層の付着強度の向上を図る場合、下部層βと上部層との格子不整合に伴う歪を緩和するためには、少なくともXαavg≦Xβavgとするとともに、Xαavgは0.65未満とすることが必要であり、また、Xαavgが0.1未満となると、下部層βのAlの平均含有割合Xβavgが、0.60≦Xβavg≦0.95であるため格子不整合が大きくなり過ぎて、密着層αを介在させたことによる歪緩和効果が不十分となるからである。
密着層αに含まれるCの平均含有割合Yαavgは、0≦Yαavg≦0.005の範囲の微量であるとき、密着層αと上部層もしくは下部層βとの密着性が向上し、かつ、潤滑性が向上することによって切削時の衝撃を緩和し、結果として硬質被覆層全体としての耐チッピング性、耐剥離性が向上するが、C成分の平均含有割合Yαavgが0.005を超えると、密着層αの靭性が低下するため耐チッピング性、耐剥離性が逆に低下するため好ましくない。
したがって、密着層αにおけるAlの平均含有割合XαavgおよびCの平均含有割合Yαavg(但し、Xαavg、Yαavgはいずれも原子比)は、それぞれ、0.1≦Xαavg<0.65、0≦Yαavg≦0.005を満足する範囲内とする。
なお、上部層と密着層αとの界面の密着層α内に、Alの拡散等により、微量のAl−richな異相が形成される場合もあるが、この異相の存在によって切削性能が低下することはない。
密着層αは、前述のように、Alの平均含有割合Xαavgを低く抑えているため、下部層βの直上にα−Al層からなる上部層を形成した場合に比して、上部層と下部層βの間に密着層αを介在形成した場合の方が付着強度は向上する。
また、より一層の付着強度向上を図るためには、密着層αに、工具基体側から上部層側に向かってAlの含有割合Xαが漸次減少していくAl成分の組成傾斜構造を構成することが好ましい。
ただ、組成傾斜構造を構成する場合、密着層α内のAlの含有割合Xαの最大値をXαmaxとし、また、下部層βのAlの含有割合Xβの最小値をXβminとしたとき、Xαmax≦Xβminを満たすこと、即ち、密着層α内のAlの含有割合Xαは、下部層βのAlの含有割合Xβを超えないことが必要である。
さらに、密着層αに、前記Al成分の組成傾斜構造を構成することによって、下部層βと上部層との格子不整合に伴う歪を緩和することができるが、下部層βと上部層との格子不整合に伴う歪を徐々に緩和するためにはXαavgは0.65未満であることが必要であり、一方、Xαavgが0.1未満となると、Alの平均含有割合Xβavgが、0.60≦Xβavg≦0.95である下部層βとの格子不整合が大きくなり過ぎるため、密着層αにAl成分の傾斜組成構造を形成したことによる歪緩和効果が不十分となる。
さらに、前記密着層αおよび前記下部層βについて、また、後記する密着層γについて、該層の縦断面方向から観察した場合に、NaCl型の面心立方構造を有する個々の結晶粒の粒界部に、六方晶構造を有する微粒結晶粒が存在してもよいが、該微粒結晶粒の存在する面積割合は5面積%以下であること、該微粒結晶粒の平均粒径Rは0.01〜0.3μmであることが好ましい。
これは、次のような理由による。
すなわち、NaCl型の面心立方構造を有する(Ti,Al)(C,N)結晶粒の粒界に靱性に優れた微粒六方晶が存在することで粒界における摩擦が低減し、靱性が向上する。ただし、六方晶構造の微粒結晶粒の面積割合が5面積%を超えると相対的に硬さが低下し好ましくなく、また、六方晶構造の微粒結晶粒の平均粒径Rが0.01μm未満であると靱性向上の効果が見られず、0.3μmを超えると、硬さが低下し、耐摩耗性が損なわれるため、平均粒径Rは0.01〜0.3μmとすることが好ましい。
なお、粒界中に存在する前記六方晶構造の微粒結晶粒は、透過型電子顕微鏡を用いて電子線回折図形を解析することにより同定することができ、また、六方晶構造の微粒結晶粒の平均粒子径は、粒界を含んだ1μm×1μmの測定範囲内に存在する粒子について、粒径を測定し、それらの平均値を算出することによって求めることができる。
前記密着層αにおけるAlの平均含有割合Xαavg、Alの含有割合Xαの最大値Xαmaxは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、加速電圧200kVの条件において密着層αの微小領域の観察を行い、エネルギー分散型X線分光法(EDS)を用いて算出することができる。具体的には元素マッピングを行い、密着層αを膜厚方向に等分に5点測定した各点のAl含有割合の平均値を10箇所測定し、密着層αのAlの平均含有割合Xαavgを求めることができ、あるいは、密着層αを膜厚方向に等分に5点測定した各点のAl含有割合の最大値を10箇所測定し、密着層αのAlの含有割合Xαの最大値Xαmaxを求めることができる。
後記する下部層βのAlの平均含有割合Xβavg、Alの含有割合Xβの最小値Xβmin、さらに、密着層γのAlの平均含有割合Xγavg、Alの含有割合Xγの最大値Xγmaxについても、前記と同様にして測定・算出することができる。
また、密着層αに、工具基体側から上部層側に向かってAlの含有割合Xαが漸次減少していくAl成分の組成傾斜構造を形成した場合、あるいは、後記する密着層γに、工具基体側から上部層側に向かってAlの含有割合Xγが漸次増加するAl成分の組成傾斜構造を形成した場合、密着層αあるいは密着層γからなる(Ti,Al)(C,N)層について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、加速電圧200kVの条件において(Al,Ti)(C,N)層の縦断面方向に対して、エネルギー分散型X線分光法(EDS)を用いて、元素の線分析を行うことによって、工具基体側から上部層側に向かうAl量の変化を測定することができる。
なお、Cの平均含有割合(Yαavg、YβavgおよびYγavg)については、二次イオン質量分析(SIMS,Secondary−Ion−Mass−Spectroscopy)を用い、イオンビームを試料表面側から70μm×70μmの範囲に照射し、スパッタリング作用によって放出された成分について深さ方向の濃度測定を行うことにより求めることができる。Cの平均含有割合は、(Ti,Al)(C,N)層についての深さ方向の平均値を示す。
下部層β:
下部層βは、NaCl型の面心立方構造を有するTiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物の相を少なくとも含む。
下部層βは、Alの平均含有割合Xβavgが、0.10≦Xβavg<0.65である密着層αの直下に設けられ、硬質被覆層全体としての硬さの向上、耐摩耗性の向上に寄与する。
前記下部層βは、その組成を、
組成式:(Ti1−XβAlXβ)(CYβ1−Yβ
で表した場合、Alの平均含有割合XβavgおよびCの平均含有割合Yβavg(但し、Xβavg、Yβavgはいずれも原子比)は、それぞれ、0.60≦Xβavg≦0.95、0≦Yβαavg≦0.005を満足し、さらに、Xαavg≦Xβavgを満足することが必要である。
その理由は、Alの平均含有割合Xβavgが0.60未満では、鋳鉄等の高速断続切削に供した場合には、耐摩耗性が十分でなく、一方、Alの平均含有割合Xβavgが0.95を超えると、硬さに劣る六方晶の析出量が増大し硬さが低下するため、耐摩耗性が低下するからである。さらに、本発明では、上部層と下部層βの間に、両層の付着強度を高めるために相対的に低硬度の密着層αを介在形成していることから、硬質被覆層全体としての耐摩耗性を高めるためには、Xαavg≦Xβavgとすることが必要である。
したがって、Alの平均含有割合Xβavgは、0.60≦Xβavg≦0.95かつXαavg≦Xβavgと定めた。
また、Cの平均含有割合Yβavgについては、密着層αにおけるYαavgの場合と同様、密着性向上、潤滑性向上、切削時の衝撃緩和による耐チッピング性、耐剥離性の観点から、0≦Yβavg≦0.005と定めた。
また、前記密着層αの平均層厚が0.1μm未満の場合には、下部層βと上部層との格子不整合に伴う歪の緩和効果が十分でなく、チッピングを発生しやすくなる。
下部層βの平均層厚が、0.1μm未満の場合には、高硬度である下部層βの耐摩耗性が発揮されなくなる。一方、前記上部層α、密着層αと下部層βの合計平均層厚が20.0μmを超える場合には、チッピングを発生しやすくなるので、上部層α、密着層αと下部層βの合計平均層厚は1.2μm〜20μmとした。
密着層γ:
密着層γは、前記下部層βと工具基体表面との付着強度をより高めるために形成するNaCl型の面心立方構造を有するTiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物の相を少なくとも含む層である。
密着層γは、その組成を、
組成式:(Ti1−XγAlXγ)(CYγ1−Yγ
で表した場合、Alの平均含有割合XγavgおよびCの平均含有割合Yγavg(但し、Xγavg、Yγavgはいずれも原子比)は、それぞれ、0.1≦Xγavg<0.65、0≦Yγavg≦0.005とする。
密着層γは、Alの平均含有割合Xβavgが、0.60≦Xβavg≦0.95である下部層βと工具基体との付着強度を高めるため、密着層γに、工具基体側から上部層側に向かってAlの含有割合Xγが漸次増加するAl成分の組成傾斜構造を構成することが好ましい。
ただ、この場合、密着層γ内のAlの含有割合Xγの最大値をXγmaxとし、また、下部層βのAlの含有割合Xβの最小値をXβminとしたとき、Xγmax≦Xβminを満たすこと、即ち、密着層γ内のAlの含有割合Xγは、下部層βのAlの含有割合Xβを超えないことが必要である。
さらに、密着層γに、前記Al成分の組成傾斜構造を構成することによって、下部層βと工具基体表面との格子不整合に伴う歪を緩和することができるが、下部層βと工具基体表面との格子不整合に伴う歪を徐々に緩和するためにはXγavgは0.65未満であることが必要であり、一方、Xγavgが0.1未満となると、Alの平均含有割合Xβavgが、0.60≦Xβavg≦0.95である下部層βとの格子不整合が大きくなり過ぎるため、密着層γにAl成分の傾斜組成構造を形成したことによる歪緩和効果が不十分となる。本発明の密着層γは、すぐれた密着性を発揮するが、平均層厚が0.1μm未満の場合には、長期にわたるすぐれた密着性を発揮することができず、一方、密着層γの平均層厚が10μmを超える場合には、チッピングを発生しやすくなるので、密着層γの平均層厚は0.1μm〜10μmとする。
前述した(Ti,Al)(C,N)層からなる密着層α、下部層βおよび密着層γは、例えば、工具基体表面において反応ガス組成を周期的に変化させる以下の化学蒸着法によって成膜することができる。
用いる化学蒸着反応装置へは、NHとHからなるガス群Aと、TiCl、AlCl、N、C4、からなるガス群B、および、おのおのガスの供給方法として、反応ガス組成(ガス群Aおよびガス群Bを合わせた全体に対する容量%)を、ガス群AとしてNH:2.0〜3.0%、H:65〜75%、ガス群BとしてAlCl:0.1〜0.99%、TiCl:0.1〜0.9%、N:0.0〜12.0%、C:0〜0.05%、H:残、反応雰囲気圧力:4.5〜5.0kPa、反応雰囲気温度:600〜800℃、供給周期1〜5秒、1周期当たりのガス供給時間0.15〜0.25秒、ガス群Aの供給とガス群Bの供給の位相差0.25〜0.30秒という範囲内の条件において、形成する層に応じて条件を調整して、所定時間、熱CVD法を行うことによって形成することができる。
下部層δ:
前記工具基体と前記密着層γの間に下部層δを形成することができる。
下部層δは、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちから選ばれる1層または2層以上からなり、0.1〜20μmの合計平均層厚を有する。
前記下部層δは、0.1〜20μmの合計平均層厚で形成した場合、工具基体と密着層γとの付着強度をさらに高める効果を有する。
本発明は、工具基体の表面に、硬質被覆層を設けた表面被覆切削工具において、硬質被覆層は、酸化アルミニウム層からなる上部層、Al含有割合が相対的に低い(Ti,Al)(C,N)層からなる密着層α、Al含有割合が相対的に高い(Ti,Al)(C,N)層からなる下部層βの3層から構成され、該3層の合計平均層厚は1〜20μmであって、前記密着層αと下部層βは、NaCl型の面心立方構造を有する複合窒化物または複合炭窒化物の相を少なくとも含み、前記密着層αは、その組成を、
組成式:(Ti1−XαAlXα)(CYα1−Yα
で表した場合、0.10≦Xαavg<0.65、0≦Yαavg≦0.005(但し、Xαavg、Yαavgはいずれも原子比)を満足し、また、前記下部層βは、その組成を、
組成式:(Ti1−XβAlXβ)(CYβ1−Yβ
で表した場合、0.60≦Xβavg≦0.95かつXαavg≦Xβavgであって、0≦Yβavg≦0.005(但し、Xβavg、Yβavgはいずれも原子比)を満足することから、上部層−密着層α−下部層β−工具基体間の付着強度が向上する。
また、本発明では、前記密着層αに組成傾斜構造を形成することによって、上部層−密着層α−下部層β間の付着強度をより向上させることができる。
また、本発明では、下部層βと工具基体との間に、組成傾斜構造を有する(Ti,Al)(C,N)層からなる密着層γを設けることができ、これによって、下部層β−工具基体間の付着強度をより向上させることができる。
さらに、本発明では、前記下部層βと工具基体との間、あるいは、前記密着層γと工具基体との間に、Tiの化合物層からなる下部層δを設けることにより、下部層βと工具基体間、あるいは、密着層γと工具基体間の付着強度をより一段と向上させることができる。
その結果、本発明被覆工具を、切れ刃に断続的・衝撃的な高負荷が作用する鋳鉄等の高速断続切削等に供した場合であっても、すぐれた耐チッピング性、耐剥離性を備え、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮する。
本発明の硬質被覆層の層構造の縦断面模式図の一つ態様を示す。 図1に示す本発明の硬質被覆層の層構造において、下部層βと工具基体との間に、下部層δを設けた別の態様を示す。 図1に示す本発明の硬質被覆層の層構造において、下部層βと工具基体との間に、密着層γを設けたさらに別の態様を示す。 図3に示す本発明の硬質被覆層の層構造において、密着層γと工具基体との間に、下部層δを設けた本発明の層構造のさらに別の態様を示す。
つぎに、本発明の被覆工具を実施例により具体的に説明する。
なお、以下の実施例では、工具基体として、炭化タングステン基超硬合金(以下、「WC基超硬合金」で示す。)あるいは炭窒化チタン基サーメット(以下、「TiCN基サーメット」で示す。)を用いた場合について説明するが、立方晶窒化ホウ素基超高圧焼結体を工具基体として用いた場合も同様である。
原料粉末として、いずれも1〜3μmの平均粒径を有するWC粉末、TiC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr32粉末およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、98MPaの圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を5Paの真空中、1370〜1470℃の範囲内の所定の温度に1時間保持の条件で真空焼結し、焼結後、ISO規格SEEN1203AFSNのインサート形状をもったWC基超硬合金製の工具基体A〜Cをそれぞれ製造した。
また、原料粉末として、いずれも0.5〜2μmの平均粒径を有するTiCN(質量比でTiC/TiN=50/50)粉末、Mo2C粉末、ZrC粉末、NbC粉末、WC粉末、Co粉末およびNi粉末を用意し、これら原料粉末を、表2に示される配合組成に配合し、ボールミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、98MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を1.3kPaの窒素雰囲気中、温度:1500℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、ISO規格SEEN1203AFSNのインサート形状をもったTiCN基サーメット製の工具基体Dを作製した。
つぎに、これらの工具基体A〜Dの表面に、表3に示されるガス条件及び表4に示される形成条件で、表9に示される(Ti,Al)(C,N)層からなる下部層βを形成した。
次いで、表5に示されるガス条件及び表6に示される形成条件で、表9に示される(Ti,Al)(C,N)層からなる密着層αを形成した。
なお、密着層αの形成に際し、表5、表6に示す条件Aα、Bαにおいては、成膜条件を一定とし、層厚方向にわたって一定の組成を有する密着層αを形成した。
また、表5、表6に示す条件Cα、Dαにおいては、密着層αを、Alの含有割合Xαが異なる複数の層、具体的には、工具基体側から硬質被覆層表面に向けて、下位層、中位層、上位層からなる三層で成膜し、組成傾斜構造を有する密着層αを形成した。
さらに、表5、表6に示す条件Eα、FαおよびGαにおいては、成膜初期から成膜終期にかけて蒸着条件を次第に変更して組成傾斜構造を有する密着層αを形成した。
次いで、表7に示される通常の化学蒸着条件で、α−Al層からなる上部層を形成した。
上記の各成膜工程により、WC基超硬合金あるいはTiCN基サーメットからなる工具基体の表面に、下部層β、密着層αおよび上部層からなる硬質被覆層を形成することにより、表9に示す本発明被覆工具1〜7を作製した。
また、前記工具基体A〜Dの表面に、まず、表7に示される形成条件でTi化合物からなる下部層δを形成し、ついで、表3に示されるガス条件及び表4に示される形成条件で、表9に示される(Ti,Al)(C,N)層からなる下部層βを形成した。
次いで、表5に示されるガス条件及び表6に示される形成条件で、表9に示される(Ti,Al)(C,N)層からなる密着層αを形成した。
なお、密着層αとしては、条件を選択して、層厚方向にわたって一定組成の密着層α、三層構造の密着層α、組成傾斜構造を有する密着層αのいずれかを形成した。
次いで、表7に示される通常の化学蒸着条件で、α−Al層からなる上部層を形成した。
上記の各成膜工程により、WC基超硬合金あるいはTiCN基サーメットからなる工具基体の表面に、下部層δ、下部層β、密着層αおよび上部層からなる硬質被覆層を形成することにより、表9に示す本発明被覆工具8〜15を作製した。
比較の目的で、工具基体A〜Dの表面に、表7に示される形成条件でTi化合物からなる下部層δを形成し、あるいは、形成せずに、化学蒸着装置を用い、表3に示されるガス条件及び表4に示される形成条件で下部層βを成膜し、ついで、表7に示される形成条件で、α−Alからなる上部層を成膜することで、表10に示す比較例被覆工具1〜15を作製した。
本発明被覆工具1〜15、比較例被覆工具1〜15の各構成層の工具基体に垂直な方向の断面を、走査型電子顕微鏡(倍率5000倍)を用いて測定し、観察視野内の5点の層厚を測って平均して平均層厚を求めた。表9および表10にその結果を示す。
また、本発明被覆工具1〜15の下部層βと密着層α、比較例被覆工具1〜15の下部層βを構成する(Ti,Al)(C,N)層の平均Al含有割合Xβavg、Xαavgについては、電子線マイクロアナライザ(EPMA,Electron−Probe−Micro−Analyser)を用い、表面を研磨した試料において、電子線を試料表面側から照射し、得られた特性X線の解析結果の10点平均からAlの平均Al含有割合Xβavg、Xαavgを求めた。平均C含有割合Yβavg、Yαavgについては、二次イオン質量分析(SIMS,Secondary−Ion−Mass−Spectroscopy)により求めた。イオンビームを試料表面側から70μm×70μmの範囲に照射し、スパッタリング作用によって放出された成分について深さ方向の濃度測定を行った。平均C含有割合Yβavg、Yαavgは(Ti,Al)(C,N)層についての深さ方向の平均値を示す。
また、前記下部層β、密着層αを構成する(Ti,Al)(C,N)層の結晶構造については、X線回折により測定した回折ピークより同定し、NaCl型の立方晶構造の単相であるか六方晶結晶構造の(Ti,Al)(C,N)結晶粒が含まれているかを調査した。なお、X線回折は、X線回折装置としてスペクトリス社PANalytical Empyreanを用いて、CuKα線による2θ‐θ法で測定し、測定条件として、測定範囲(2θ):30〜130度、X線出力:45kV、40mA、発散スリット:0.5度、スキャンステップ:0.013度、1ステップ辺り測定時間:0.48sec/stepという条件で測定した。
さらに、本発明被覆工具1〜15のうちの多層(三層)構造からなる密着層α、あるいは、組成傾斜構造を有する密着層αについては、次のようにしてAlの含有割合Xαを測定した。二次イオン質量分析(SIMS,Secondary−Ion−Mass−Spectroscopy)を用いて、イオンビームを試料表面側から70μm×70μmの範囲に照射し、スパッタリング作用によって放出された成分について深さ方向の濃度測定を行った。深さ方向におけるXαのプロファイルから、多層(三層)構造からなる密着層αの各層のXα、組成傾斜構造を有する密着層αの成膜初期・終期のXαをそれぞれ求めた。
表9、表10に、これらの値を示す。
また、電子線後方散乱回折装置を用いて、下部層β、密着層αの工具基体表面に垂直な方向の断面を研磨面とした状態で、電界放出型走査電子顕微鏡の鏡筒内にセットし、前記研磨面に70度の入射角度で15kVの加速電圧の電子線を1nAの照射電流で、前記断面研磨面の測定範囲内に存在する結晶粒個々に照射し、工具基体と水平方向に長さ100μm、工具基体表面と垂直な方向の断面に沿って膜厚以下の距離の測定範囲内の下部層β、密着層αについて0.01μm/stepの間隔で、電子線後方散乱回折像を測定し、個々の結晶粒の結晶構造を解析することで、六方晶構造を有する微粒結晶粒の面積割合を求めた。
また、六方晶構造の微粒結晶粒の平均粒径Rは、粒界を含んだ1μm×1μmの測定範囲内に存在する粒子について、粒径を測定し、それらの平均値を算出することによって求めた。なお、粒径は六方晶と同定した各々の結晶粒に対して外接円を作成し、その外接円の半径を求め、その平均値を粒径とした。
表9、表10に、これらの値を示す。








つぎに、前記各種の被覆工具をいずれもカッタ径125mmの工具鋼製カッタ先端部に固定治具にてクランプした状態で、本発明被覆工具1〜15、比較例被覆工具1〜15について、以下に示す、鋳鉄の高速断続切削の一種である乾式高速正面フライス、センターカット切削加工試験を実施し、切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
表11に、その結果を示す。
切削試験: 乾式高速正面フライス、センターカット切削加工、
カッタ径: 125 mm、
被削材: JIS・FCD700幅100mm、長さ400mmのブロック材、
回転速度: 713 min−1
切削速度: 280 m/min、
切り込み: 2.5 mm、
一刃送り量: 0.3 mm/刃、
切削時間: 8分、
(通常の切削速度は、 180m/min)

表11に示される結果から、本発明被覆工具は、下部層βがNaCl型立方晶構造の単相であって高硬度を有し、さらに、密着層αが下部層βと上部層との付着強度を高め、あるいは、さらに、下部層δが工具基体と下部層βの付着強度を高めるため、切れ刃に断続的・衝撃的な高負荷が作用する高速断続切削加工において、すぐれた耐チッピング性、耐剥離性を備え、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮する。
これに対して、比較例被覆工具においては、チッピング、剥離等の異常損傷の発生を原因として、短期間で使用寿命に至る。
実施例1で作製した表1に示す工具基体A〜Cおよび表2に示す工具基体Dの表面に、表7に示す条件で、表14に示すTi化合物層からなる下部層δを形成し、あるいは、形成せずに、表12に示されるガス条件及び表13に示される形成条件で、表14に示す(Ti,Al)(C,N)層からなる密着層γを形成した。
ついで、表3に示されるガス条件及び表4に示される形成条件で、表15に示される(Ti,Al)(C,N)層からなる下部層βを形成した。
次いで、表5に示されるガス条件及び表6に示される形成条件で、表15に示される(Ti,Al)(C,N)層からなる密着層αを形成した。
なお、密着層αとしては、一定組成の密着層α、三層構造の密着層α、組成傾斜構造を有する密着層αのいずれかを形成した。
次いで、表7に示される通常の化学蒸着条件で、表15に示されるα−Al層からなる上部層を形成した。
上記の各成膜工程により、WC基超硬合金あるいはTiCN基サーメットからなる工具基体の表面に、密着層γ、下部層β、密着層αおよび上部層からなる硬質被覆層、あるいは、さらに、下部層δを備える硬質被覆層を形成することにより、表14、表15に示す本発明被覆工具21〜35を作製した。
本発明被覆工具21〜35について、実施例1の場合と同様にして、以下の各測定を行った。
まず、各層の平均層厚を求めた。表14、表15にその結果をしめす。
また、密着層γ、下部層βおよび密着層αを構成する(Ti,Al)(C,N)層について、実施例1と同様にしてAlの含有割合Xα、平均Al含有割合Xγavg、Xβavg、Xαavg、平均C含有割合Yγavg、Yβavg、Yαavgを求め、表14、表15にその結果を示した。
また、密着層γ、下部層βおよび密着層αに含まれる六方晶構造を有する微粒結晶粒について、その面積割合と平均粒径の値を、実施例1と同様な方法により測定し、表14、表15にその結果を示した。



つぎに、前記本発明被覆工具21〜35をいずれも工具鋼製バイトの先端部に固定治具にてネジ止めした状態で、以下に示す、鋳鉄の乾式高速断続切削試験を実施し、いずれも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
被削材:JIS・FCD700の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度:280 m/min、
切り込み:3.0 mm、
送り:0.3 mm/rev、
切削時間:5 分、
(通常の切削速度は、200m/min)、
表16に、前記切削試験の結果を示す。
表16に示される結果から、密着層γあるいは下部層δをさらに設けた本発明の被覆工具においては、硬質被覆層を構成する各構成層の付着強度が一段と向上し、切れ刃に断続的・衝撃的な高負荷が作用する高速断続切削加工において、すぐれた耐チッピング性、耐剥離性を備え、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮することがわかる。
前述のように、本発明の被覆工具は、切れ刃に断続的・衝撃的負荷が作用する高速断続切削加工において、すぐれた耐チッピング性、耐剥離性を備え、長期の使用にわたってすぐれた耐摩耗性を発揮するから、切削装置の高性能化並びに切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対応できるものである。





Claims (9)

  1. 炭化タングステン基超硬合金、炭窒化チタン基サーメットまたは立方晶窒化ホウ素基超高圧焼結体のいずれかで構成された工具基体の表面に、硬質被覆層が設けられている表面被覆切削工具において、
    (a)前記硬質被覆層は、表面側から工具基体側に向かって、上部層、密着層α、下部層βの3層からなり、該3層の合計平均層厚は1.2〜20μmであり、
    (b)前記上部層は、少なくとも酸化アルミニウム層を含んだ、1〜10μmの合計平均層厚の層からなり、
    (c)前記密着層αは、TiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層からなり、NaCl型の面心立方構造を有する複合窒化物または複合炭窒化物の相を少なくとも含み、0.1〜10μmの合計平均層厚からなり、その組成を、
    組成式:(Ti1−XαAlXα)(CYα1−Yα
    で表した場合、AlのTiとAlの合量に占める平均含有割合XαavgおよびCのCとNの合量に占める平均含有割合Yαavg(但し、Xαavg、Yαavgはいずれも原子比)は、それぞれ、0.10≦Xαavg<0.65、0≦Yαavg≦0.005を満足し、
    (d)前記下部層βは、TiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層からなり、NaCl型の面心立方構造を有する複合窒化物または複合炭窒化物の相を少なくとも含み、その組成を、
    組成式:(Ti1−XβAlXβ)(CYβ1−Yβ
    で表した場合、AlのTiとAlの合量に占める平均含有割合XβavgおよびCのCとNの合量に占める平均含有割合Yβavg(但し、Xβavg、Yβavgはいずれも原子比)は、それぞれ、0.60≦Xβavg≦0.95かつXαavg≦Xβavg、0≦Yβavg≦0.005を満足することを特徴とする表面被覆切削工具。
  2. 前記密着層α内にはAl成分の組成傾斜が存在し、工具基体側から上部層側に向かってAlのTiとAlの合量に占める含有割合Xαが漸次減少していく層からなり、密着層α内のAlのTiとAlの合量に占める含有割合Xαの最大値Xαmaxは、下部層βのAlのTiとAlの合量に占める含有割合Xβの最小値をXβminとした場合、Xαmax≦Xβminを満たすことを特徴とする請求項1に記載の表面被覆切削工具。
  3. 前記Al成分の組成傾斜が存在する前記密着層αは、AlのTiとAlの合量に占める含有割合Xαが異なる複数の層からなり、工具基体側から上部層側に向かってAlのTiとAlの合量に占める含有割合Xαが漸次減少することを特徴とする請求項2に記載の表面被覆切削工具。
  4. 前記下部層βにおけるAlのTiとAlの合量に占める含有割合Xβavgは、0.70≦Xβavg≦0.95であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表面被覆切削工具。
  5. 前記密着層αおよび前記下部層βについて、該層の縦断面方向から観察した場合に、該層内のNaCl型の面心立方構造を有する個々の結晶粒の粒界部に、六方晶構造を有する微粒結晶粒が存在し、該微粒結晶粒の存在する面積割合は5面積%以下であり、該微粒結晶粒の平均粒径Rは0.01〜0.3μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表面被覆切削工具。
  6. 前記工具基体と前記下部層βの間に、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上のTi化合物層からなり、0.1〜20μmの合計平均層厚を有する下部層δが存在することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表面被覆切削工具。
  7. 前記工具基体と前記下部層βの間に、TiとAlの複合窒化物または複合炭窒化物層からなり、NaCl型の面心立方構造を有する複合窒化物または複合炭窒化物の相を少なくとも含む0.1〜10μmの平均層厚を有する密着層γが存在し、
    (a)密着層γは、その組成を、
    組成式:(Ti1−XγAlXγ)(CYγ1−Yγ
    で表した場合、AlのTiとAlの合量に占める平均含有割合XγavgおよびCのCとNの合量に占める平均含有割合Yγavg(但し、Xγavg、Yγavgはいずれも原子比)は、それぞれ、0.1≦Xγavg<0.65、0≦Yγavg≦0.005を満足し、
    (b)密着層γ内にはAl成分の組成傾斜が存在し、工具基体側から下部層β側に向かってAlのTiとAlの合量に占める含有割合Xγが増加していく層からなり、密着層γ内のAlのTiとAlの合量に占める含有割合Xγの最大値Xγmaxは、下部層βのAlのTiとAlの合量に占める含有割合Xβの最小値をXβminとした場合、Xγmax≦Xβminを満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表面被覆切削工具。
  8. 前記密着層γについて、該層の縦断面方向から観察した場合に、該層内のNaCl型の面心立方構造を有する個々の結晶粒の粒界部に、六方晶構造を有する微粒結晶粒が存在し、該微粒結晶粒の存在する面積割合は5面積%以下であり、該微粒結晶粒の平均粒径Rは0.01〜0.3μmであることを特徴とする請求項7に記載の表面被覆切削工具。
  9. 前記工具基体と前記密着層γの間に、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上のTi化合物層からなり、0.1〜20μmの合計平均層厚を有する下部層δが存在することを特徴とする請求項7または8に記載の表面被覆切削工具。












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JP2016189597A Active JP6774649B2 (ja) 2016-09-28 2016-09-28 硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性、耐剥離性を発揮する表面被覆切削工具

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113924179A (zh) * 2020-04-10 2022-01-11 住友电工硬质合金株式会社 切削工具
CN114173970A (zh) * 2019-10-10 2022-03-11 住友电工硬质合金株式会社 切削工具

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