JP2023147249A - グリース組成物、及び、グリース組成物の製造方法 - Google Patents

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【課題】音響特性がより向上したグリース組成物、及び、当該グリース組成物の製造方法の提供。【解決手段】基油(A)と、増ちょう剤(B)とを含有するグリース組成物であって、前記グリース組成物を共焦点レーザーで測定した際の体積が104μm3以上である粒子の割合が50vol%以下である、グリース組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、グリース組成物、及び、グリース組成物の製造方法に関する。
グリースは、基油に親油性の強い固体の増ちょう剤を分散させて半固体状にした潤滑剤である。グリースは、潤滑油に比べ潤滑部に付着しやすく、流出しにくい。そのため、グリースを用いることにより、潤滑システムの機械構造を簡略化できる。また、グリースは、潤滑油に比べ漏れも少なくクリーンな環境を実現でき、補給間隔も潤滑油に比べ少なくすることが可能である。
グリースは、主に転がり軸受、すべり軸受、ボールネジ、直動ガイド、及び歯車等の機械要素の潤滑に用いられる。転がり軸受は、工作機械の主軸、鉄道車両の車両、自動車のオルタネータ等のエンジン補機、等速ジョイント、及びホイール等に幅広く用いられている。
近年、車部品の静粛性向上と、車室内の静粛性の高まりから、従来車では問題視されなかった車部品より発せられる異雑音の低減が求められる。
また、家電においても、静音性が求められている。
音響特性をより向上させることを目的としたグリース組成物としては、例えば、特許文献1には、基油(A)及びウレア系増ちょう剤(B)を含有するグリース組成物であって、前記基油(A)は40℃動粘度が100mm/s以上であり、前記グリース組成物中の前記ウレア系増ちょう剤(B)を含む粒子が要件(I):「前記粒子をレーザー回折・散乱法により測定した際の面積基準での算術平均粒子径が2.0μm以下である」という要件を満たすグリース組成物が開示されている。
また、特許文献1の段落0125には、「ウレア系増ちょう剤(B)を含む粒子の比表面積が1.0×10cm/cm以上である実施例1~2の潤滑油組成物は、音響特性をより良好にできることが確認できる。」と開示されている。
国際公開第2020-179589号
グリース組成物中の増ちょう剤の大きさや形状を適切に制御することにより音響特性を改善できることは知られているが、どのようなパラメータでグリース組成物中の増ちょう剤の大きさや形状を評価するのかは、改善の余地がある。
例えば、特許文献1に開示されているようなレーザー回折・散乱法は、粒子の粒径を簡易に測定できる手法であるが、粒径分布の計算に用いる基本的な仮定においては、全ての分布が、測定対象の粒子の形状が球状である場合の分布と同じであるとしているため、測定対象の粒子の形状が球形ではなく、長かったり薄かったりする場合は、粒子の粒径を適切に測定できない問題がある。
また、電子顕微鏡で増ちょう剤のみの形状を観察した場合、一般的な増ちょう剤は、球状ではないため、レーザー回折・散乱法で増ちょう剤の粒子の粒径を正確に計測することはできない。
なお、電子顕微鏡で増ちょう剤のみの大きさや形状を観察することは可能であるが、真空中で基油が蒸発してしまうため、グリース組成物中の増ちょう剤の大きさや形状を観察することは困難である。
グリース組成物中の増ちょう剤の大きさや形状を適切に評価できない場合は、特定のパラメータを満たすように、グリース組成物製造時のせん断力の強弱等を制御した場合であっても、得られたグリース組成物は、目的の効果が得られない場合がある。
前述の通り、車及び家電等の部品から発生する音をより低減する観点から、音響特性(例えば、静粛性)がより向上したグリース組成物が求められているが、そのためにはより適切にグリース組成物中の増ちょう剤の大きさや形状を評価する必要がある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、音響特性がより向上したグリース組成物、及び、当該グリース組成物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者等はグリース組成物中の増ちょう剤の大きさや形状を評価する方法について鋭意検討を重ねた。その結果、特定の方法で測定したグリース組成物中の粒子の体積分布と、音響特性との相関性が非常に高いことを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は以下の構成を採用した。
[1]基油(A)と、増ちょう剤(B)とを含有するグリース組成物であって、前記グリース組成物を共焦点レーザーで測定した際の体積が10μm以上である粒子の割合が50vol%以下である、グリース組成物。
[2]前記増ちょう剤(B)は、ウレア系増ちょう剤(B1)である、[1]に記載のグリース組成物。
[3]前記ウレア系増ちょう剤(B1)は、ジウレア化合物である、[1]又は[2]に記載のグリース組成物。
[4]前記増ちょう剤(B)の含有量は、グリース組成物全量100質量%に対して、5質量%以上である、[1]~[3]のいずれか一項に記載のグリース組成物。
[5]基油(A)と、増ちょう剤(B)とを混合して、混合物を得る混合工程と、前記混合工程で得られた混合物を油圧ロールで混練する混練工程とを有し、前記混練工程において、前記混合物を共焦点レーザーで測定した際に、体積が10μm以上である粒子の割合が50vol%以下となるように混練する、グリース組成物の製造方法。
[6]さらに、前記混合工程の前に、前記増ちょう剤(B)を合成するため合成材料(B0)を準備する準備工程と、前記基油(A)中で、前記合成材料(B0)を反応させて、前記増ちょう剤(B)を合成する合成工程とを有する、[5]に記載のグリース組成物の製造方法。
[7]前記合成工程は、前記基油(A)中で、イソシアネートとアミンとを反応させてウレア系増ちょう剤(B1)を合成する工程である、[6]に記載のグリース組成物の製造方法。
本発明によれば、音響特性がより向上したグリース組成物、及び、当該グリース組成物の製造方法を提供することができる。
共焦点レーザーを用いて得た実施例1のグリース組成物の画像である。 共焦点レーザーを用いて得た実施例1のグリース組成物の画像である。 共焦点レーザーを用いて得た実施例1のグリース組成物の画像である。 共焦点レーザーを用いて得た実施例1のグリース組成物の画像である。 共焦点レーザーを用いて得た実施例1のグリース組成物の画像である。 実施例1のグリース組成物中の粒子体積のヒストグラムである。 比較例1のグリース組成物中の粒子体積のヒストグラムである。
(グリース組成物)
本実施形態のグリース組成物は、基油(A)と、増ちょう剤(B)とを含有する。
本実施形態のグリース組成物は、共焦点レーザーで測定した際の体積が10μm以上である粒子の割合が50vol%以下である。
該「粒子」は典型的には、増ちょう剤(B)の凝集物である。
本実施形態のグリース組成物は、一般的に「ダマ」と言われる増ちょう剤(B)の凝集物が少ない。
本実施形態のグリース組成物は、共焦点レーザーで測定した際の体積が10μm以上である粒子の割合が、該共焦点レーザーで検出される該グリース組成物中の全粒子の合計体積100vol%に対して、50vol%以下であり、30vol%以下であることが好ましく、10vol%以下であることがより好ましく、0vol%、すなわち、体積が10μm以上である粒子が確認されないことがさらに好ましい。
本実施形態のグリース組成物は、共焦点レーザーで測定した際の体積が10μm以上である粒子の割合が50vol%以下であることにより、音響特性が向上する。
また、本実施形態のグリース組成物は、共焦点レーザーで測定した際の体積が10μm以上である粒子の割合が上記の好ましい値以下であることにより、音響特性がより向上する。
[体積が10μm以上である粒子の割合の算出方法]
本実施形態のグリース組成物における体積が10μm以上である粒子の割合は、共焦点レーザーを用いることで算出することができる。共焦点レーザーとしては、市販のものを用いてもよい。
具体的な測定手順は以下の通りである。
グリースにレーザーを照射し、生じた蛍光を検出することにより観察を行う。
まず、特定の平面(XY平面)上に顕微鏡の焦点を合わせ、その焦点をXY平面上で走査して、平面的な画像を取得する。
次に、そのXY平面に垂直な方向(Z軸方向)に焦点を移動させ、各XY平面上において同様に平面的な画像を取得する。
そして、複数枚の平面的な画像をソフトウェア上で複合することにより、立体的な画像を得る。ここで、用いるレーザー光源の波長は、例えば、488nmである。また、Z軸方向の移動間隔は、例えば、0.125μmとする。
得られたグリース組成物中の粒子の立体的な画像を、画像解析ソフトを用いて解析し、該粒子の体積をそれぞれ算出する。次いで、体積が10μm以上である粒子の割合を算出する。
本実施形態のグリース組成物における共焦点レーザーで測定した際の体積が10μm以上である粒子の割合は、主にグリース組成物の製造条件により調整可能である。
具体的には、グリース組成物製造時に油圧式の3本ロールミルを用いる場合には、ローラー間の圧力を利用した圧縮力、ローラーの速度差によるせん断力、及び該油圧式の3本ロールミルを通す回数等を制御することで、該グリース組成物中の粒子の割合を制御することができる。
本実施形態のグリース組成物のちょう度は、150以上が好ましく、180以上がより好ましく、200以上がさらに好ましい。
一方で、本実施形態のグリース組成物のちょう度は、350以下が好ましく、300以下がより好ましく、250以下がさらに好ましい。
例えば、本実施形態のグリース組成物のちょう度は、150以上350以下が好ましく、180以上300以下がより好ましく、200以上250以下がさらに好ましい。
本実施形態のグリース組成物のちょう度が上記の好ましい下限値以上であると、該グリース組成物の移動をより抑制することができ、音響特性をより向上させることができる。例えば、該グリース組成物を軸受に用いる場合、軸受の回転抵抗をより抑えることができる。
本実施形態のグリース組成物のちょう度が上記の好ましい上限値以下であると、潤滑性がより良好となり、音響特性をより向上させることができる。例えば、該グリース組成物を軸受に用いる場合、該グリース組成物が軸受の摺動部分から排除されて再び摺動部分に戻るときの振動をより抑制することができる。
本明細書におけるちょう度は、JIS K2220:2013に準拠して測定される混和ちょう度を意味する。
<基油(A)>
本実施形態のグリース組成物は、基油(A)を含有する。
基油(A)の40℃における動粘度は、好ましくは15mm/s以上、より好ましくは30mm/s以上である。
一方で、基油(A)の40℃における動粘度は、好ましくは100mm/s以下、より好ましくは70mm/s以下である。
例えば、基油(A)の40℃における動粘度は、好ましくは15mm/s以上100mm/s以下、より好ましくは30mm/s以上70mm/s以下である。
本実施形態のグリース組成物の基油(A)の40℃における動粘度が上記の好ましい下限値以上であると、該グリース組成物の移動をより抑制することができ、音響特性をより向上させることができる。例えば、該グリース組成物を軸受に用いる場合、該グリース組成物が軸受の摺動部分から飛び出す際の振動や再び摺動部分に戻るときの振動をより抑制することができる。
本実施形態のグリース組成物の基油(A)の40℃における動粘度が上記の好ましい上限値以下であると、潤滑性がより良好となり、音響特性をより向上させることができる。例えば、該グリース組成物を軸受に用いる場合、軸受の回転抵抗をより抑えることができる。
本明細書における40℃における動粘度は、JIS K2283:2000に準拠して測定された40℃における動粘度を意味する。
本実施形態のグリース組成物の基油(A)としては、合成油、鉱油が挙げられる。
≪合成油≫
合成油としては、例えば、ポリ-α-オレフィン等のポリオレフィン、ジエステル及びポリオールエステル等のエステル基油、ポリアルキレングリコール、アルキルベンゼン、並びにアルキルナフタレン等が挙げられる。
合成油としては、上記の中でも、入手性、コスト、粘度特性、及び酸化安定性の観点から、ポリオレフィンが好ましく、ポリ-α-オレフィン(PAO)がより好ましい。
本実施形態のグリース組成物の基油(A)としては、合成油を1種単独で用いてもよく、複数の合成油を混合して用いてもよい。
≪鉱油≫
鉱油としては、原油を常圧蒸留して得られる留出油を使用することができる。また、この留出油をさらに減圧蒸留して得られる留出油を、各種の精製プロセスで精製した潤滑油留分も使用することができる。
精製プロセスとしては、水素化精製、溶剤抽出、溶剤脱ろう、水素化脱ろう、硫酸洗浄、及び白土処理等を、適宜組み合わせることができる。これらの精製プロセスを適宜の順序で組み合わせて処理することにより、鉱油を得ることができる。
また、異なる原油又は留出油を異なる精製プロセスの組合せに供することにより得られた、性状の異なる複数の精製油の混合物を用いてもよい。
本実施形態のグリース組成物の基油(A)としては、鉱油を1種単独で用いてもよく、複数の鉱油を混合して用いてもよい。
本実施形態のグリース組成物の基油(A)としては、鉱油又は合成油のいずれかを用いてもよく、鉱油及び合成油を混合して用いてもよい。
本実施形態のグリース組成物の基油(A)としては、合成油であることが好ましい。
本実施形態のグリース組成物の基油(A)中の合成油の割合は、基油(A)全量に対して、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%、すなわち、合成油のみからなることがさらに好ましい。
一実施形態のグリース組成物としては、基油(A)として、鉱油を含有するグリース組成物は除かれる。
本実施形態のグリース組成物の基油(A)の含有量は、グリース組成物全量に対して、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上が特に好ましい。
一方で、本実施形態のグリース組成物の基油(A)の含有量は、グリース組成物全量に対して、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。
例えば、本実施形態のグリース組成物の基油(A)の含有量は、グリース組成物全量に対して、50質量%以上95質量%以下が好ましく、60質量%以上95質量%以下がより好ましく、70質量%以上95質量%以下がさらに好ましく、80質量%以上90質量%以下が特に好ましい。
本実施形態のグリース組成物の基油(A)の含有量が上記の好ましい範囲内であれば、グリース組成物における共焦点レーザーで測定した際の体積が10μm以上である粒子の割合を50vol%以下により制御しやすくなる。
<増ちょう剤(B)>
本実施形態のグリース組成物は、増ちょう剤(B)を含有する。
増ちょう剤(B)として、具体的には、ウレア系増ちょう剤(B1)、及び、金属石けん系増ちょう剤(B2)等が挙げられる。
≪ウレア系増ちょう剤(B1)≫
ウレア系増ちょう剤(B1)(以下、「(B1)成分」ともいう)としては、例えば、ジウレア化合物、及びポリウレア化合物が挙げられる。
ジウレア化合物は、ジイソシアネートとモノアミンとの反応で得られる化合物であり、ウレア基(-NH-CO-NH-)を2つ有する化合物である。
本明細書において、ポリウレア化合物は、ジイソシアネートとモノアミン又はジアミンとの反応で得られる化合物であり、ウレア基(-NH-CO-NH-)を3つ以上有する化合物を意味する。
・ジイソシアネート
ジイソシアネートとは、炭化水素の2つの水素がイソシアネート基(-N=C=O)で置換された化合物である。
該炭化水素は、環状の炭化水素であっても、鎖状の炭化水素であってもよい。また、該炭化水素は、芳香族炭化水素であっても、脂肪族炭化水素であってもよい。
該炭化水素の炭素数は、好ましくは4~20であり、より好ましくは8~18である。なお、本発明において「炭素数4~20」とは、炭素原子を4個以上20個以下有することを意味する。
ジイソシアネートの好ましい具体例としては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート(ジフェニルジイソシアネート)、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート(MDI)、オクタデカンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネー卜等が挙げられる。
ジイソシアネートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
・モノアミン
モノアミンとは、1分子中に1個のアミノ基を有する化合物である。
モノアミンとしては、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン(オクタデシルアミン)、オレイルアミン、アニリン、p-トルイジン、及びシクロヘキシルアミン等が好ましい。
モノアミンは、環状のアミンであっても、鎖状のアミンであってもよい。また、モノアミンは、脂環式アミンであっても、芳香族アミンであっても、脂肪族アミンであってもよい。
該モノアミンの炭素数は、好ましくは4~20であり、より好ましくは8~18である。
・ジアミン
ジアミンとは、1分子中に2個のアミノ基を有する化合物である。
ジアミンとしては、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、ヘキサンジアミン、オクタンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、及びジアミノジフェニルメタン等が好ましい。
ジアミンは、環状のアミンであっても、鎖状のアミンであってもよい。また、ジアミンは、脂環式アミンであっても、芳香族アミンであっても、脂肪族アミンであってもよい。
該ジアミンの炭素数は、好ましくは4~20であり、より好ましくは8~18である。
(B1)成分は、1種単独で用いてもよく、複数を混合して用いてもよい。
(B1)成分としては、上記の中でも、ジウレア化合物が好ましい。
該ジウレア化合物としては、芳香族炭化水素基を有するジイソシアネートとモノアミンとの反応で得られる化合物であることが好ましい。
芳香族炭化水素基を有するジイソシアネートとしては、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート(MDI)が好ましい。
モノアミンとしては、脂環式アミン又は脂肪族アミンが好ましい。
≪金属石けん系増ちょう剤(B2)≫
金属石けん系増ちょう剤(B2)(以下、「(B2)成分」ともいう)としては、単一石けんとコンプレックス石けんが挙げられる。
単一石けんとは、脂肪酸又は油脂をアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物等でケン化した金属石けんである。
コンプレックス石けんとは、単一石けんで用いられている脂肪酸に加え、さらに異なった分子構造の有機酸とを組み合わせて複合化したものである。
該脂肪酸は、ヒドロキシ基等を有する脂肪酸誘導体であってもよい。
該脂肪酸としては、1価又は2価の脂肪族カルボン酸が好ましい。
該脂肪酸としては、炭素数6~20の脂肪族カルボン酸が好ましく、炭素数12~20の1価脂肪族カルボン酸又は炭素数6~14の2価脂肪族カルボン酸がより好ましい。
上記の中でも、該脂肪酸としては、1個のヒドロキシ基を含む1価脂肪族カルボン酸が好ましい。
コンプレックス石けんにおいて脂肪酸と組み合わせる有機酸としては、酢酸、アゼライン酸若しくはセバシン酸等の二塩基酸、又は安息香酸等が好ましい。
金属石けん系増ちょう剤の金属としては、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、又はアルミニウムのような両性金属が用いられる。
(B2)成分は、1種単独で用いてもよく、複数を混合して用いてもよい。
≪その他の増ちょう剤(B3)≫
その他の増ちょう剤(B3)(以下、「(B3)成分」ともいう)として、具体的には、ベントナイト、及び、シリカゲル等の無機系の増ちょう剤が挙げられる。
(B3)成分は、1種単独で用いてもよく、複数を混合して用いてもよい。
本実施形態のグリース組成物の増ちょう剤(B)としては、(B1)成分、(B2)成分、及び(B3)成分のうちいずれか1種を用いてもよく、(B1)成分、(B2)成分、及び(B3)成分のうちいずれか2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態のグリース組成物の増ちょう剤(B)としては、耐熱性の観点から(B1)成分であることが好ましく、ジウレア化合物であることがより好ましい。
本実施形態のグリース組成物の増ちょう剤(B)中の(B1)成分の割合は、増ちょう剤(B)全量に対して、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%、すなわち、(B1)成分のみからなることがさらに好ましい。
一実施形態のグリース組成物としては、増ちょう剤(B)として、(B2)成分、及び(B3)成分を含有するグリース組成物は除かれる。
本実施形態のグリース組成物の増ちょう剤(B)の含有量は、グリース組成物全量に対して、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。
一方で、本実施形態のグリース組成物の増ちょう剤(B)の含有量は、グリース組成物全量に対して、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
例えば、本実施形態のグリース組成物の増ちょう剤(B)の含有量は、グリース組成物全量に対して、5質量%以上30質量%以下が好ましく、10質量%以上20質量%以下がより好ましい。
本実施形態のグリース組成物の増ちょう剤(B)の含有量が上記の好ましい範囲内であれば、グリース組成物における共焦点レーザーで測定した際の体積が10μm以上である粒子の割合を50vol%以下により制御しやすくなる。
<任意成分>
本実施形態のグリース組成物は、上述した基油(A)及び増ちょう剤(B)以外の任意成分を含有してもよい。該任意成分としては、固体潤滑剤、摩耗防止剤又は極圧剤、酸化防止剤、油性剤、防錆剤、並びに腐食防止剤等が挙げられる。
固体潤滑剤としては、例えば、黒鉛、フッ化黒鉛、メラミンシアヌレート、ポリテトラフルオロエチレン、二硫化モリブデン、硫化アンチモン、窒化ホウ素、アルカリ(土類)金属ホウ酸塩等が挙げられる。グリース組成物が固体潤滑剤を含有する場合、その含有量はグリース組成物全量に対して、例えば、0.1~20質量%である。固体潤滑剤は、1種単独で用いてもよく、複数の固体潤滑剤を混合して用いてもよい。
摩耗防止剤又は極圧剤としては、例えば、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛等の有機亜鉛化合物;ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン、ジハイドロカルビルポリサルファイド、硫化エステル、チアゾール化合物、チアジアゾール化合物等の硫黄含有化合物;リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、亜リン酸エステル等のリン系極圧剤等が挙げられる。グリース組成物が摩耗防止剤又は極圧剤を含有する場合、その含有量はグリース組成物全量に対して、例えば、0.1~10質量%である。摩耗防止剤又は極圧剤は、1種単独で用いてもよく、複数の摩耗防止剤又は極圧剤を混合して用いてもよい。
酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジ-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール等のフェノール系化合物;ジフェニルアミン、ジアルキルジフェニルアミン、フェニル-α-ナフチルアミン、p-アルキルフェニル-α-ナフチルアミン等のアミン系化合物等が挙げられる。グリース組成物が酸化防止剤を含有する場合、その含有量はグリース組成物全量に対して、例えば、0.5~10質量%である。酸化防止剤は、1種単独で用いてもよく、複数の酸化防止剤を混合して用いてもよい。
油性剤としては、例えば、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン等のアミン類;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール類;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸類;ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル等の脂肪酸エステル類;グリセリンオレート、グリセリンステアレート等の油脂等が挙げられる。グリース組成物が油性剤を含有する場合、その含有量はグリース組成物全量に対して、例えば、0.01~5質量%である。油性剤は、1種単独で用いてもよく、複数の油性剤を混合して用いてもよい。
防錆剤としては、例えば、アミン類、中性又は過塩基性の石油系又は合成油系金属スルフォネート、カルボン酸金属塩類、エステル類、リン酸、リン酸塩等が挙げられる。グリース組成物が防錆剤を含有する場合、その含有量はグリース組成物全量に対して、例えば、0.005~5質量%である。防錆剤は、1種単独で用いてもよく、複数の防錆剤を混合して用いてもよい。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、トリルトリアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、及びイミダゾール系化合物等の公知の腐食防止剤を使用可能である。グリース組成物が腐食防止剤を含有する場合、その含有量はグリース組成物全量に対して、例えば、0.01~10質量%である。腐食防止剤は、1種単独で用いてもよく、複数の腐食防止剤を混合して用いてもよい。
(グリース組成物の製造方法)
本実施形態のグリース組成物の製造方法は、基油(A)と、増ちょう剤(B)とを混合して、混合物を得る混合工程と、前記混合工程で得られた混合物を油圧ロールで混練する混練工程とを有する。
<混合工程>
混合工程は、基油(A)と、増ちょう剤(B)とを混合する工程である。
混合工程は、例えば、マグネチックスターラーを用いて行うこともできるし、人手により混合してもよい。
混合工程は加熱して行うことが好ましい。加熱温度としては、50~80℃が好ましく、60~65℃がより好ましい。
<混練工程>
混練工程は、上記混合工程で得られた混合物を油圧ロールで混練する工程である。
混練工程において、前記混合物を共焦点レーザーで測定した際に、体積が10μm以上である粒子の割合が50vol%以下となるように混練する。
混合物中の粒子は、混練を行うことで一定の粒度まで解砕されるが、その状態からさらに混練を行うと、一定の粒度まで解砕された粒子が再び集まり再凝集する。
したがって、共焦点レーザーで測定した際の体積が10μm以上である粒子の割合を制御するには、混練工程における負荷を単に高めれば良いというわけではなく、混練工程における製造条件を適切に制御することが重要である。
混練工程は、3本ロールミルを用いて行う。3本ロールミルは油圧式のものと油圧式でないものがある。
油圧式でない3本ロールミルは、ロールとロールとの隙間を制御し、その狭いロール間の隙間に混練対象物が押し込まれることによる圧縮と、ロールの速度差によるせん断とで、混練対象物を粉砕、混練、分散、脱泡する装置である。
一方で、油圧式の3本ロールミル(以下、「油圧ロール」ともいう)は、ロール同士を油圧の力で押し付けることが可能な装置であり、上記油圧式でない3本ロールミルとは異なり、混練対象物にかかる負荷をより精度よく制御できる装置である。
本実施形態のグリース組成物の製造方法は、混練工程において、油圧ロールを用いているため、共焦点レーザーで測定した際の体積が10μm以上である粒子の割合を制御することができる。
<任意工程>
本実施形態のグリース組成物の製造方法は、混合工程及び混練工程に加えて任意工程を有してもよい。任意工程としては、上述した混合工程の前に、増ちょう剤(B)を合成するため合成材料(B0)を準備する準備工程と、基油(A)中で、合成材料(B0)を反応させて、増ちょう剤(B)を合成する合成工程と、混合工程で得られた混合物を冷却する冷却工程が挙げられる。
≪準備工程≫
準備工程は、上述した混合工程の前に、増ちょう剤(B)を合成するため合成材料(B0)を準備する工程である。
合成材料(B0)として、具体的には、上述した(B1)成分を合成するためのジイソシアネートとモノアミン又はジアミンとが挙げられる。
≪合成工程≫
合成工程は、基油(A)中で、合成材料(B0)を反応させて、増ちょう剤(B)を合成する工程である。
基油(A)と増ちょう剤(B)とをそれぞれ準備し、それらを混合するより、基油(A)中で、合成材料(B0)を反応させて、増ちょう剤(B)を合成する方が、増ちょう剤(B)の分散性が向上する。このとき、合成工程と混合工程は同時に行われる。
合成工程は、イソシアネートとアミンとを反応させてウレア系増ちょう剤(B1)を合成する工程であることが好ましく、ジイソシアネートとモノアミンとを反応させてジウレア化合物を合成する工程であることがより好ましい。
合成工程は、混合工程と同じく加熱して行うことが好ましい。加熱温度としては、50~80℃が好ましく、60~65℃がより好ましい。
≪冷却工程≫
冷却工程は、混合工程で得られた混合物を冷却する工程である。
混合物を冷却する方法は、冷却機を用いて冷却してもよいし、室温(25℃)で冷却してもよい。
本実施形態のグリース組成物の製造方法の好ましい態様は以下の通りである。
基油(A)と、イソシアネート及びアミンとを準備する準備工程と、
前記基油(A)中で、前記イソシアネートと前記アミンとを反応させてウレア系増ちょう剤(B1)を合成する合成工程と、
前記基油(A)と、前記合成工程で得られたウレア系増ちょう剤(B1)とを混合する混合工程と、
前記混合工程で得られた混合物を冷却する冷却工程と、
前記冷却工程で得られた混合物を油圧式の3本ロールミルで混練する混練工程とを有し、
前記混練工程において、前記混合物を共焦点レーザーで測定した際に、体積が10μm以上である粒子の割合が50vol%以下となるように混練する、グリース組成物の製造方法。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<グリース組成物の配合>
実施例1のグリース組成物及び比較例1のグリース組成物を、表1に示す配合割合で、基油(A)、及び増ちょう剤(B)を配合することによって調製した。表1中の「成分」は、グリース組成物全量に対する配合割合である。得られた各例のグリース組成物に対して、以下に示す評価を行った。評価結果を表1、及び、図1~7に示す。
(1)基油(A)
・基油(A)-1:ポリ-α-オレフィン(40℃動粘度=46.4mm/s)
(2)増ちょう剤(B)
・増ちょう剤(B1)-1:ジウレア化合物(ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート(MDI)とシクロヘキシルアミンとの反応で得られるジウレア化合物)
<グリース組成物の製造>
(実施例1のグリース組成物)
・準備工程~冷却工程
増ちょう剤(B1)-1の原料となるジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート(MDI)とシクロヘキシルアミンとを、増ちょう剤(B1)-1の配合割合が表1に示す配合割合となるように、それぞれ準備した。基油(A)-1の配合割合が表1に示す配合割合となるように準備し、2つのステンレス製容器に二分した。基油(A)-1が入った一方のステンレス製容器にジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート(MDI)を加え、60~65℃に加熱し、マグネチックスターラーで撹拌して、混合液Pを得た。また、他方のステンレス製容器にシクロヘキシルアミンを加え、60~65℃に加熱し、マグネチックスターラーで撹拌して、混合液Qを得た。次いで、混合液P及び混合液Qを混合し、60~65℃で、マグネチックスターラーで撹拌することで、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート(MDI)とシクロヘキシルアミンとを基油(A)-1中で反応させて、増ちょう剤(B1)-1を合成しながら、基油(A)-1と増ちょう剤(B1)-1とを混合した。そして、室温に冷却することで半固体状の組成物を得た。
・混練工程
油圧式の3本ロールミルを用いて、以下の製造条件で、得られた半固形状の組成物を2回混練して実施例1のグリース組成物を調製した。
≪製造条件≫
ロール締め圧:4MPa
せん断速度:1本目のロールと2本目のロールとの間で5.8×10/s、2本目のロールと3本目のロールとの間で8.1×10/s
(実施例2のグリース組成物)
ロール締め圧を2/3倍にしたこと以外は実施例1と同様の方法で、実施例2のグリース組成物を調製した。
(実施例3のグリース組成物)
ロール締め圧を8/15倍にしたこと以外は実施例1と同様の方法で、実施例3のグリース組成物を調製した。
(比較例1のグリース組成物)
・準備工程~冷却工程
上記実施例1のグリース組成物と同様の方法で、半固体状の組成物を得た。
・混練工程
油圧式ではない3本ロールミルを用いて、以下の製造条件で、得られた半固形状の組成物を2回混練して比較例1のグリース組成物を調製した。
≪製造条件≫
せん断速度:1本目のロールと2本目のロールとの間で1.4×10/s、2本目のロールと3本目のロールとの間で1.2×10/s
ロール間距離:1本目のロールと2本目のロールとの間で0.15mm、2本目のロールと3本目のロールとの間で0.05mm
[共焦点レーザーによる粒子の大きさ測定]
各例のグリース組成物における体積が10μm以上である粒子の割合は、共焦点レーザーを用いて算出した。共焦点レーザーとしては、株式会社ニコン製のA1 HD25を用いた。
具体的な測定手順は以下の通りである。
株式会社ニコン製のA1 HD25を用い、グリースにレーザーを照射し、生じた蛍光を検出することにより観察を行った。
まず、特定の平面(XY平面)上に顕微鏡の焦点を合わせ、その焦点をXY平面上で走査して、平面的な画像を取得した。
次に、そのXY平面に垂直な方向(Z軸方向)に焦点を移動させ、各XY平面上において同様に平面的な画像を取得した。
そして、複数枚の平面的な画像をソフトウェア上で複合することにより、立体的な画像を得た。ここで、用いるレーザー光源の波長は、488nmとした。また、Z軸方向の移動間隔は、0.125μmとした。
得られたグリース組成物中の粒子の立体的な画像を、画像解析ソフト(ニコンソリューションズ社製、製品名「NIS-Elements General Analysis(GA3)」)を用いて解析し、該粒子の体積をそれぞれ算出した。次いで、体積が10μm以上である粒子の割合、及び、個数を算出した。その結果を表1に示した。
上記で得られた画像を図1~5に示した。また、上記で得られた実施例1のグリース組成物中の粒子体積のヒストグラムを図6に示した。また、上記で得られた比較例1のグリース組成物中の粒子体積のヒストグラムを図7に示した。
[レーザー回折による粒子の大きさ測定]
各例のグリース組成物における粒径が10μm以上である粒子の割合は、レーザー回折により算出した。レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置としては、株式会社堀場製作所製のLA-960V2を用いた。
まず、各例のグリース組成物を十分に混和し、真空脱泡した後、1mLシリンジに充填し、ペーストセル用固定治具の板状のセルの表面に、シリンジから各例のグリース組成物を0.10~0.15mL押し出した。次いで、各例のグリース組成物の上に、別の板状のセルを重ねて、2枚のセルで各例のグリース組成物を挟持した測定用セルをそれぞれ得た。次いで、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて、各例のグリース組成物中の粒子の体積基準での算術平均粒子径を測定した。次いで、粒径が10μm以上である粒子の割合を算出した。その結果を表1に示した。
[音響特性の評価]
各例のグリース組成物の音響特性は、株式会社菅原研究所製の音響試験機を使用して評価した。
具体的には、各例のグリース組成物を、それぞれ0.16g軸受に封入し、荷重20Nを負荷した状態で、回転数1800rpmで内輪を回転させた。そのとき、軸受で生じている振動を、外輪の振動センサーを用いて測定した。
音響試験機、及び軸受の詳細は以下の通りである。
・音響試験機
ADM103(駆動部)、ADM105(アナライザ部)、ADC101(アンデロン校正器)
・軸受
NSK製BEARINGS 608U-H-MC3*MAZ P 品番:SS608
[ちょう度の評価]
JIS K2220:2013に準拠して測定した各例のグリース組成物の混和ちょう度を表1に示した。
Figure 2023147249000001
図1は、共焦点レーザーを用いて得た実施例1のグリース組成物の平面画像である。
図2は、図1の画像を縦軸中心に45°回転させた画像である。
図3は、図1の画像を縦軸中心に90°回転させた画像である。
図4は、図1の画像を縦軸中心に135°回転させた画像である。
図5は、図1の画像を縦軸中心に180°回転させた画像である。
図1~5に示す通り、グリース組成物中の粒子(増ちょう剤(B1)-1の粒子)は、球形の粒子ではなく、扁平状の粒子や棒状の粒子であった。
図6及び7に示す通り、実施例のグリース組成物は、比較例のグリース組成物に比べて、大きい体積の粒子が少ないことが確認できた。
表1に示す通り、体積が10μm以上である粒子の割合が50vol%以下である実施例のグリース組成物は、体積が10μm以上である粒子の割合が81.2vol%である比較例のグリース組成物に比べて、アンデロン値(H)初動及びアンデロン値(H)安定値が低い値であり、軸受振動の大きさを低減できていることが確認できた。
したがって、実施例のグリース組成物は音響特性が良好であることが確認できた。
また、表1に示す通り、共焦点レーザーで測定した際の体積が10μm以上である粒子の割合が少ないほど、音響特性がより向上している。しかしながら、レーザー回折・散乱法で測定した際の粒径が10μm以上の粒子の割合は、音響特性と相関していない。すなわち、グリース組成物中の粒子の粒径は、レーザー回折・散乱法では正確に計測することができないことが分かった。

Claims (7)

  1. 基油(A)と、増ちょう剤(B)とを含有するグリース組成物であって、
    前記グリース組成物を共焦点レーザーで測定した際の体積が10μm以上である粒子の割合が50vol%以下である、グリース組成物。
  2. 前記増ちょう剤(B)は、ウレア系増ちょう剤(B1)である、請求項1に記載のグリース組成物。
  3. 前記ウレア系増ちょう剤(B1)は、ジウレア化合物である、請求項2に記載のグリース組成物。
  4. 前記増ちょう剤(B)の含有量は、グリース組成物全量100質量%に対して、5質量%以上である、請求項1又は2に記載のグリース組成物。
  5. 基油(A)と、増ちょう剤(B)とを混合して、混合物を得る混合工程と、
    前記混合工程で得られた混合物を油圧ロールで混練する混練工程とを有し、
    前記混練工程において、前記混合物を共焦点レーザーで測定した際に、体積が10μm以上である粒子の割合が50vol%以下となるように混練する、グリース組成物の製造方法。
  6. さらに、前記混合工程の前に、
    前記増ちょう剤(B)を合成するため合成材料(B0)を準備する準備工程と、
    前記基油(A)中で、前記合成材料(B0)を反応させて、前記増ちょう剤(B)を合成する合成工程とを有する、請求項5に記載のグリース組成物の製造方法。
  7. 前記合成工程は、前記基油(A)中で、イソシアネートとアミンとを反応させてウレア系増ちょう剤(B1)を合成する工程である、請求項6に記載のグリース組成物の製造方法。
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