JP2023146739A - 基板を処理する装置、及び基板を処理する方法 - Google Patents

基板を処理する装置、及び基板を処理する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマにより基板の周縁部を処理することを可能とする技術を提供すること。【解決手段】基板を処理する装置は、処理容器内に保持された基板に処理ガスを供給するための処理ガス供給部と、基板の周縁部を囲むように配置され、誘電体からなる環状の壁部を有する囲み部材と、前記壁部に設けられ、処理ガスをプラズマ化してプラズマの流れを形成するプラズマアクチュエータと、壁部に沿って流れる前記プラズマを基板の周縁部へ向けて射出してプラズマによる処理を行うための射出機構と、を備える。プラズマアクチュエータは、高周波電源に接続され、前記壁部の表面側に設けられた環状の第1電極と、高周波電源に接続され、前記第1電極から見て、前記プラズマの流れを形成する方向の下流側へ離れた位置に配置されると共に、前記第1電極よりも、前記壁部の内部側に埋め込まれた環状の第2電極と、を備える。【選択図】 図7

Description

本開示は、基板を処理する装置、及び基板を処理する方法に関する。
半導体デバイスの製造工程においては、基板である半導体ウエハ(以下、「ウエハ」という)の周縁部に対する処理を行うものがある。
例えば特許文献1には、スピンチャックに保持されたウエハのベベル部に対してレーザー光を照射し、スピンチャックによりウエハを回転させながら、ベベル/バックサイドポリマーのエッチング除去を行う技術が記載されている。
特開2015-233064号公報
本開示は、プラズマにより基板の周縁部を処理することを可能とする技術を提供する。
本開示は、基板を処理する装置であって、
処理容器内に設けられ、前記基板を保持するための基板保持部と、
前記処理容器内に処理ガスを供給するための処理ガス供給部と、
前記基板保持部に保持された基板の周縁部を囲むように配置され、誘電体からなる環状の壁部を有する囲み部材と、
前記壁部に設けられ、前記処理ガス供給部から供給された処理ガスをプラズマ化すると共に、予め設定された方向へ向けて、前記壁部に沿った前記処理ガスのプラズマの流れを形成するプラズマアクチュエータと、
前記プラズマアクチュエータにより形成され、前記壁部に沿って流れる前記プラズマを、前記基板保持部に保持された前記基板の周縁部へ向けて射出して、前記プラズマによる処理を行うための射出機構と、を備え、
前記プラズマアクチュエータは、
高周波電源の一方側の極に接続され、前記壁部の表面側に設けられた環状の第1電極と、
前記高周波電源の他方側の極に接続され、前記第1電極から見て、前記プラズマの流れを形成する方向の下流側へ離れた位置に配置されると共に、前記第1電極よりも、前記壁部の内部側に埋め込まれた環状の第2電極と、を備える、装置である。
本開示によれば、プラズマにより基板の周縁部を処理することができる。
本開示のウエハ処理装置の構成例を示す縦断側面図である。 エッチング処理実施時のウエハの配置例を示す説明図である。 プラズマアクチュエータの作動原理を例示する説明図である。 プラズマアクチュエータが配置された囲み部材の構成例を示す斜視図である。 囲み部材の構成例を拡大して示した縦断側面図である。 囲み部材に設けられているプラズマアクチュエータの構成例を示す縦断側面図である。 プラズマアクチュエータが設けられた壁部の構成例を示す拡大縦断面図である。 プラズマアクチュエータの第1の作用例を示す説明図である。 プラズマアクチュエータの第2の作用例を示す説明図である。 プラズマアクチュエータの第3の作用例を示す説明図である。 他の構成に係るプラズマアクチュエータの作用例を示す説明図である。 誘電体バリア放電の実験例である。
<ウエハ処理装置>
初めに、本開示に係る「基板を処理する装置」の一実施形態であるウエハ処理装置1の全体構成例について、図1を参照しながら説明する。本例のウエハ処理装置1は、成膜ガスを用いてウエハWに対して成膜を行う機能と、プラズマアクチュエータ6を利用したプラズマエッチングにより、ウエハWの周縁部に形成された膜を除去する機能とを備えている。
ウエハWに形成する膜に特段の限定はなく、絶縁膜を形成するための金属酸化膜や金属窒化膜、配線層を形成するための金属膜や、エッチング処理を行う際に、除去されない領域を保護するハードマスクであってもよい。
このウエハ処理装置1は、ウエハWを収容して処理を行う処理容器11内に、金属化合物などの膜原料を含む原料ガスや反応ガスなどの成膜ガスを供給し、ウエハWの表面に所望の物質の膜を成膜するように構成されている。成膜を行う手法としては、成膜ガスを連続的に供給し、ウエハWの表面に膜物質を堆積させるCVD(Chemical Vapor Deposition)法であってもよい。また、原料ガスの供給と排気、反応ガスの供給と排気を交互に実施し、ウエハWへの原料ガスの吸着と、反応とを繰り返して、膜物質の薄膜を積層させるALD(Atomic Layer Deposition)法であってもよい。
本例の処理容器11は扁平な円筒状の金属により構成され、接地されている。処理容器11の側壁には、ウエハWの搬入出を行うための搬入出口12と、この搬入出口12を開閉するゲートバルブ13とが設けられている。搬入出口12よりも上部側には、平面視、円環状に構成された排気ダクト14が設けられている。排気ダクト14の内周面には、周方向に沿って伸びるスリット状の排気口141が形成されている。排気ダクト14の側壁面には開口部15が形成され、この開口部15を介して排気管16の一端が接続されている。この排気管16の他端には、圧力調節機構や真空ポンプを含む排気機構17が接続されている。
処理容器11内にはウエハWを水平に載置するための載置台31が設けられている。載置台31の内部には、ウエハWを加熱するためのヒーター311が設けられている。載置台31の下面側中央部には、処理容器11の底部を貫通し、上下方向に伸びる棒状の支持部材32の上端部が接続されている。支持部材32の下端部には昇降機構33が接続され、この昇降機構33によって載置台31は、図1に一点鎖線で示す下方側の位置と、同図に実線で示す上方側の位置との間を昇降移動することができる。下方側の位置は、搬入出口12から処理容器11内に進入するウエハWの搬送機構(不図示)との間で当該ウエハWの受け渡しを行うための受け渡し位置である。また、上方側の位置は、ウエハWに対する成膜処理が行われる処理位置である。
ここで、本例の昇降機構33は、載置台31を支持部材32の中心軸周りに回転させる機能は備えていない。
また、載置台31は、昇降機構33によって昇降自在に構成する場合に限定されず、処理容器11内に固定配置されていてもよい。この場合には、例えば載置台31の上方側の空間に直接、ウエハWを搬入出可能な高さ位置に搬入出口12を設ける。一方、排気管16は処理容器11の底部側に設け、載置台31の側周領域を介して、下方側へと真空排気が行われるように構成する場合を例示できる。
載置台31の下方側には、昇降機構341によって昇降自在に構成された複数本の支持ピン34が配置されている。載置台31を受け渡し位置に位置させたとき、支持ピン34を昇降させると、載置台31に設けられた貫通孔312を介して支持ピン34が載置台31の上面から突没する。この動作により、載置台31と外部の搬送機構との間でウエハWの受け渡しを行うことができる。
さらに昇降機構341は、載置台31が処理位置に配置されている状態においても、当該載置台31の上面からも支持ピン34を突没させることができるように、支持ピン34の昇降移動範囲が設定されている。この構成を用い、ウエハWの周縁部の膜をプラズマエッチングにより除去する際には、図2に示すように支持ピン34により、載置台31の上面からウエハWを持ち上げる。こうして、後述の囲み部材23に設けられたプラズマアクチュエータ6に対してウエハWの周縁部を近づけた状態でプラズマエッチングを行う。この観点で、支持ピン34は、プラズマエッチングが行われるウエハWを保持する基板保持部に相当する。
<ガスシャワーヘッド2及びガス供給系4>
円環状に構成された排気ダクト14の内側、即ち、載置台31の上方側には、ガスシャワーヘッド2が設けられている。ガスシャワーヘッド2内にはガス拡散空間21が形成され、このガス拡散空間21の下面側には、多数のガス供給孔221が形成されたガス分散板22が設けられている。ガス拡散空間21内に供給された成膜ガスやエッチングガスは、これらのガス供給孔221を介して、載置台31上に載置されたウエハWや、支持ピン34に保持されたウエハWに向けて吐出される。
ガスシャワーヘッド2には、ガス拡散空間21に成膜ガスやエッチングガスを供給するためのガス供給系4が接続されている。ガス供給系4は、ウエハWに対して成膜処理を行うための成膜ガスの供給を行う成膜ガス供給部41と、プラズマエッチング用のエッチングガスの供給を行うエッチングガス供給部42とを備えている。成膜ガス供給部41には、成膜ガス供給ライン412の一端が接続され、この成膜ガス供給ライン412には、上流側から順に、流量調節部411及びバルブV1が介設されている。またエッチングガス供給部42にはエッチングガス供給ライン422の一端が接続され、このエッチングガス供給ライン422には、上流側から順に、流量調節部421及びバルブV2が介設されている。
成膜ガス供給部41から供給される成膜ガスとしては、ウエハWに形成される膜の膜物質の原料となるプリカーサ(膜原料)を含む原料ガス、プリカーサと反応して膜物質を得るための反応ガスや、反応ガスのプラズマ化を補助するために反応ガスに添加される補助ガスを例示することができる。ウエハWに対し、ハードマスクとしてカーボン膜の成膜を行う場合においては、原料ガスとしてC、反応ガスとしてH、補助ガスとしてArを供給する例を挙げることができる。図示の便宜上、図1、図2においては、1系統の成膜ガス供給部41のみを記載してあるが、これら原料ガス、反応安や補助ガスを供給するための複数系統の成膜ガス供給部41を設けてもよい。
また、エッチングガス供給部42から供給されるエッチングガスとしては、プラズマ化されたエッチングガスに含まれる活性種が、ウエハWに形成された膜と反応して、当該膜を除去することが可能なガス種が選択される。また後述するように、このエッチングガスは、ウエハWの周縁部の近傍領域にて局所的にプラズマ化されて膜のプラズマエッチングを行う。従って、エッチングガスは、プラズマ化されていない状態で膜と接触しても、当該膜との反応が進行しない、または反応の進行が極めて遅いガス種であることが好ましい。
例えばウエハに形成された膜がカーボン膜である場合には、エッチングガスとしてO(添加ガスとしてN、Ar)や、CO、NOなどの酸化ガスを用いる場合を例示できる。また、SiO膜やSiN膜、Si膜に対しては、エッチングガスとしてSF、NF、CF、ClFなどのフッ素系ガスを用いる例が挙げられる。このほか、SiOC膜、SiC膜に対しては、エッチングガスとしてSF、NF、CF、ClFなどのフッ素系ガスと、O、CO、NOなどの酸化ガスとを混合して用いる場合を例示できる。
エッチングガスは、プラズマアクチュエータ6を利用したプラズマ処理を実施するための処理ガスに相当する。また、エッチングガス供給部42、流量調節部421、エッチングガス供給ライン422などは、当該処理ガスの供給を行うための処理ガス供給部に相当する。
また例えば各ガス供給ライン412、422に対し、処理容器11からの成膜ガスやエッチングガスの排出を促進するパージガスを供給するためのパージガス供給ラインを合流させてもよい。パージガスとしては、アルゴンガスや窒素ガスなどの不活性ガスを例示することができる。
さらに、成膜ガスである原料ガスや反応ガスをプラズマ化して成膜処理を行う場合には、ウエハ処理装置1には、当該成膜ガスのプラズマ形成機構が設けられる。図1には、金属製のガス分散板22に対し、整合器51を介して高周波電源52を接続する一方、金属製の載置台31を接地して、平行平板型のプラズマ形成機構を設けた場合を例示してある。
<プラズマエッチング機構>
以上に説明した構成を備えるウエハ処理装置1は、ウエハWの周縁部の膜を除去するプラズマ処理を実施する機構を備える。以下、図4~図7を参照しながら、当該プラズマ処理を実施するための構成について説明する。
本開示のウエハ処理装置1は、処理ガスであるエッチングガスをプラズマ化し、予め設定された方法へ向けて、当該エッチングガスのプラズマの流れを形成するプラズマアクチュエータ6を利用して上述のプラズマ処理を実施する。
図3(a)、(b)は、プラズマアクチュエータ6の基本構成及び作動原理を模式的に示している。プラズマアクチュエータ6は、誘電体63を挟んで2つの電極(第1電極61、第2電極62)を配置した構成となっている。そして第1電極61が配置された一方の面(表面)に処理ガスを供給すると共に、これらの電極61、62間に高周波電力を印加して放電を発生させることにより、当該処理ガスをプラズマ化する。またプラズマアクチュエータ6において、第2電極62は、第1電極61から見て、プラズマの流れを形成する方向(図3(a)、(b)中に示す例ではX’方向)の下流側へ離れた位置に配置されている。
上記構成のプラズマアクチュエータ6において、電位がゼロと正電位との間で変化する矩形波のパルス電力を印加する場合を考える。例えば、図3(a)、(b)には、第1電極61が正電位となっているタイミングにおける誘電体63の表面の状態を模式的に示している。この場合には、第1電極61が正電位となっている期間中に、例えば誘電体バリア放電(DBD:Dielectric Barrier Discharge)が発生する。DBDにおいては、放電の持続時間が短く、ストリーマーによる電流パルスが1~10μs以下の不定期間隔で発現する。
誘電体63の表面付近に着目すると、第1電極61が正電位となっている期間中に処理ガスの弱電離が起こり、電流パルスが発生する(図3(a))。このとき、移動度の高い電子91は、第1電極61に移動し、弱電離領域では正イオン92が過剰となる。また、弱電離が生じた領域には、電極61、62間に印加された電界による静電力が作用する。正イオン92が静電力の作用を受けると、これらの正イオン92が中性粒子(電荷を持たない原子や分子)93にも衝突しエネルギーが伝達される。
電流パルスの発現は、断続して発生する現象であるが、既述のように1~10μs以下の短い間隔で発生するため、電子91や正イオン92には、ほぼ連続的にエネルギーが作用する。従って、正イオン92や正イオン92を含むバルク流体であるプラズマには体積力(ブローイング力)が発生することになる。この結果、図3(b)に示すように、第1電極61の配置位置から、第2電極62の配置位置へ向かうプラズマPの流れが形成される。
このことは、電位がゼロと負電位との間で変化する矩形波のパルス電力を印加する場合においても同様である。第1電極61が負電位となっているタイミングにて処理ガスの弱電離が発生し電流パルスが生じる。そして、電極61、62間に印加された電界による静電力が、例えば酸素などの負イオンに作用する。この結果、負イオンが中性粒子93へ衝突しエネルギーが伝達され、体積力が発生してプラズマPの流れが形成されることになる。
また、第1電極61の電位が正電位/負電位の間で変化する交流電力を印加する場合にも、同様の原理によりプラズマPの流れを形成することができる。例えば第1電極61が正電位となっている期間中、または負電位となっている期間中のいずれか一方で、処理ガスの弱電離が発生し、電流パルスが生じる場合には、当該電流パルスが発生する期間中に、上述の原理に基づく体積力が発生し、プラズマPの流れを形成することができる。
本例のウエハ処理装置1は、このプラズマアクチュエータ6を利用してエッチングガスをプラズマ化し、支持ピン34に保持されたウエハWの周縁部に供給して、当該周縁部の膜を除去する。この構成に関し、ウエハ処理装置1には、プラズマアクチュエータ6を配置するための囲み部材23が設けられている。図2、図4などに示すように、本例の囲み部材23は、誘電体部材により構成され、既述のガスシャワーヘッド2を外周側から囲むように配置された円環状の部材である。囲み部材23は、例えば石英、ガラス、アルミナからなる誘電体群から選択された誘電体により構成される。
囲み部材23は、例えば金属製の円環状の部材である支持リング24を介して排気ダクト14により支持され、さらにこの囲み部材23によってガスシャワーヘッド2が支持された状態となっている。この配置により、図2や、後述の図5に示すように、囲み部材23は、支持ピン34に保持されたウエハWの周縁部を囲んだ状態となる。
図4は、上記のガスシャワーヘッド2(ガス分散板22)及び囲み部材23を下面側から見た斜視図であり、図5は囲み部材23を拡大して示した縦断側面図である。これらの図に示すように、囲み部材23は、ガスシャワーヘッド2(ガス分散板22)の下面よりも下方側へ向けて突出する部分を有し、この突出部分の内周面には、プラズマアクチュエータ6を設けるための壁部231が形成されている。本例の壁部231は、縦断面が凹面状に形成され、この凹面が囲み部材23の周方向に沿って円環状に延在する構成となっている。
さらに図2、図5に示すように、壁部231は、支持ピン34に保持されたウエハWの周縁部の上方領域を外周側から囲むように配置される。既述のように囲み部材23は、石英、ガラス、アルミナなどの誘電体により構成されているので、壁部231についても当該誘電体によって構成されている。
この壁部231に対し、図3を用いて説明した第1電極61、第2電極62を設けることによりプラズマアクチュエータ6が構成される。ここで既述のように、壁部231は円環状に設けられていることから、本例の第1電極61、第2電極62についても壁部231の周方向に沿って円環状に設けられる(図4)。図4には、第1電極61を実線、第2電極62を破線にて表記してある。また、第1電極61、第2電極62の配置を詳細に示した図7や、その作用図である図8~図10においては、各々3本の第1電極61a~61c、第2電極62a~62cを設けた例を示している。一方、図示の便宜上、図4、図5においては、2組のプラズマアクチュエータ6(6a、6b)の第1電極61、第2電極62のみを記載してある。
図6は、壁部231に設けられるプラズマアクチュエータ6の構成を示す縦断側面図である。プラズマアクチュエータ6を構成するにあたっては、壁部231が凹面状に形成されていることは必須の要件ではない。そこで説明の便宜上、図6においては平坦面で構成された壁部231にプラズマアクチュエータ6を設けた例を示してある。
図3を用いて説明したプラズマアクチュエータ6の構成に対応させて、壁部231にはその表面側に設けられた第1電極61と、第1電極61から見て、プラズマの流れを形成する方向の下流側(同図中のX’方法)へ離れた位置に配置された第2電極62とが設けられている。さらに図6に示すように、第2電極62は、壁部231の表面側に形成された第1電極61よりも、当該壁部231の内部側に埋め込まれた状態となっている。また図4を用いて説明したように、第1電極61、第2電極62は各々、環状、例えば円環状に構成されている。第1電極61、第2電極62の形成領域及びその他の囲み部材23の表面は、エッチングガスから保護するための誘電体膜232によって覆われている。
これら第1電極61、第2電極62は、銀薄膜などの金属膜により構成する場合を例示できる。この場合には、誘電体を加工して形成された囲み部材23の壁部231に対し、第1電極61、第2電極62を形成する領域に銀ペーストを塗布する手法を例示できる。このとき第1電極61を形成する領域には、壁部231の表面に銀ペーストを塗布する。一方、第2電極62を形成する領域には、壁部231の表面を削って凹部を形成しておき、この凹部内に銀ペーストを塗布する。この手法により、第1電極61よりも、壁部231の内部側に埋め込まれた状態の第2電極62を形成することができる。
上述の銀(Ag)の例の他、第1電極61、第2電極62は、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)および、それらの合金や、酸化インジウムスズ(ITO:indium tin oxide)等の導電性酸化物を用いることができる。また、第1電極61、第2電極62は、金属や導電性酸化物のペーストを塗布、焼成して電極膜を形成する方法の他に、めっきや溶射によっても形成することができる。
図6に示すように第1電極61は高周波電源60の一方側の極に接続され、第2電極62は高周波電源60の他方側の極、例えば接地端に接続される。高周波電源60からは、電圧が1~10kV程度の範囲、周波数が1~100kHz程度の範囲の、高周波のパルス電力や交流電力が印加される。図5、図6に示すように、囲み部材23には、第1電極61、第2電極62を、各々、高周波電源60に接続するための給電線611、621が設けられている。また、後述するように壁部231には複数組の第1電極61、第2電極62が設けられ、高周波電源60は高周波電力を印加する対象となる第1電極61、第2電極62を切り替えることができるように構成されている。
以上に説明した構成により、囲み部材23には、図6中に破線で囲んだ領域にプラズマアクチュエータ6が形成される。ここで、図3(b)を用いて説明したようにプラズマアクチュエータ6を用いて形成したプラズマは、壁部231に沿って流れていく。一方で、図2や図5に示すように、エッチング処理の対象となるウエハWの周縁部は、プラズマが流れる壁部231から離れた位置に配置されている。このため、ウエハWの周縁部にプラズマを供給するためには、壁部231に沿って流れるプラズマの流れ方向を変化させなければならない。
そこで本例のウエハ処理装置1は、壁部231に沿って流れるプラズマを、支持ピン34に保持されたウエハWの周縁部へ向けて射出して、プラズマによる処理を行うための射出機構を備えている。図8~図10を用いて説明する例では、複数のプラズマアクチュエータ6(第1プラズマアクチュエータ6a、第2プラズマアクチュエータ6b)を設けることにより、プラズマの射出機構を構成している。
上述した第1プラズマアクチュエータ6a、第2プラズマアクチュエータ6bの構成例を図7に示す。図7に示す囲み部材23の壁部231には、複数組の第1電極61、第2電極62が配置されている。当該例においては、壁部231の上部側から下部側へ向けて、第1電極61a、第2電極62a、第1電極61b、第2電極62b、第2電極62c、第1電極61cがこの順に配置されている。これらの第1電極61a~61c、第2電極62a~62cを用いてプラズマの射出を行う手法については、エッチング処理の動作に合わせて説明する。
<制御部>
図1、図2に示すようにウエハ処理装置1は、制御部100を備えている。制御部100は、CPUと記憶部とを備えたコンピュータにより構成され、ウエハ処理装置1の各部を制御するものである。記憶部にはウエハWの成膜処理や周縁部のエッチング処理などを制御するためのステップ(命令)群が組まれたプログラムが記録されている。このプログラムは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスク、メモリカード、不揮発メモリなどの記憶媒体に格納され、そこからコンピュータにインストールされる。
<成膜処理>
次いで、以上に説明した構成を備えるウエハ処理装置1を用い、ウエハWへの成膜処理を実施し、その後、ウエハWの周縁部のプラズマエッチングを実施する動作について説明する。
外部の真空搬送室に処理対象のウエハWが搬送されてきたら、ゲートバルブ13を開き、搬入出口12を介して、ウエハWを保持した搬送機構(不図示)を処理容器11内に進入させる。そして、下方位置にて待機している載置台31に対し、支持ピン34を用いてウエハWの受け渡しを行う。
しかる後、処理容器11から搬送機構を退出させ、ゲートバルブ13を閉じると共に、処理容器11内の圧力調節、ウエハWの温度調節を行う。次いで、成膜ガス供給部41からガスシャワーヘッド2を介して処理容器11内へ成膜ガスの供給を行うと共に、高周波電源52から上部電極であるガス分散板22に高周波電力を印加する。この結果、下部電極である載置台31との間の容量結合により、処理容器11内(ガス分散板22と載置台31との間の空間)に供給された成膜ガスをプラズマ化する。
このとき、CVD法により成膜を行う場合は、成膜ガスとして反応ガスの供給(補助ガスの供給を含む。以下の説明において同じ)と、原料ガスの供給とを並行して実施してもよい。また、ALD法により成膜を行う場合には、原料ガスの供給や反応ガスの供給、パージガスの供給によるこれら原料ガスや反応ガスのパージを所定の順番で実施するサイクルを繰り返す。この場合には、反応ガスの供給時など、予め設定されたタイミングにて成膜ガスをプラズマ化する。
こうして予め設定された期間、CVD法またはALD法による成膜を行ったら(成膜を行う工程)、成膜ガスの供給、及び高周波電力の供給を停止する。
<エッチング処理>
次いで、支持ピン34により載置台31の上面からウエハWを持ち上げ、図2に示す位置に配置する。しかる後、エッチングガス供給部42からガスシャワーヘッド2を介して処理容器11内へエッチングガスの供給を行う(処理ガスを供給する工程)と共に、高周波電源60から所定の第1電極61、第2電極62間に高周波電力を印加する。
図8~図10はプラズマアクチュエータ6を用いてエッチングガスをプラズマ化し、当該プラズマをウエハWの周縁部に供給する動作に係る作用説明図である。これらの図において、高周波電力が印加されている第1電極61、第2電極62には「ON」、印加が行われていない第1電極61、第2電極62には「OFF」の表示を併記してある。高周波電力の印加は、第1電極61については高周波電源60と接続することにより、第2電極62については接地端と接続することにより実施される。一方、高周波電力が印加されていない第1電極61、第2電極62は、高周波電源60や接地端から切り離されている。
図3の原理説明にて述べたように、プラズマアクチュエータ6は高周波電力を印加することにより、DBDが発生し、エッチングガスをプラズマ化してプラズマの流れを形成することができる。従って、高周波電力が印加されていない「OFF」の状態の第1電極61、第2電極62はプラズマアクチュエータ6として作動しない。そこで図8~図10には、高周波電力が印加され、「ON」の状態となっている第1電極61、第2電極62に対し、プラズマアクチュエータ6(第1プラズマアクチュエータ6a、第2プラズマアクチュエータ6b)の符号を付してある。
初めに、図8に示す例では、上部側から3段目に配置された第1電極61bと4段目に配置された第2電極62bとの間に高周波電力が印加され、第1プラズマアクチュエータ6aが形成されている。また、上部側から6段目に配置された第1電極61cと5段目に配置された第2電極62cとの間に高周波電力が印加され、第2プラズマアクチュエータ6bが形成されている。
上述の第1プラズマアクチュエータ6aについて、第1電極61bから見て第2電極62bは、壁部231の下部側へ離れた位置に配置されている。このことから、同図中に破線で示すように、第1プラズマアクチュエータ6aによって形成されるプラズマは、壁部231に沿って、第1電極61bから第2電極62bへ向けて下部側へ向けて流れる(プラズマの流れを形成する工程)。
また第2プラズマアクチュエータ6bについて、第1電極61cから見て第2電極62cは、壁部231の上部側へ離れた位置に配置されている。このことから、同図中に破線で示すように、第2プラズマアクチュエータ6bによって形成されるプラズマは、壁部231に沿って、第1電極61cから第2電極62cへ向けて上部側へ向けて流れる(プラズマの流れを形成する工程)。
このように、図8に示す第1プラズマアクチュエータ6a、第2プラズマアクチュエータ6bは、各々、互いに対向する方向へプラズマの流れを形成するように配置されている。そして、これら第1プラズマアクチュエータ6a、第2プラズマアクチュエータ6bを同時に作動させると、第1プラズマアクチュエータ6aにより形成されるプラズマの流れと、第2プラズマアクチュエータ6bにより形成されるプラズマの流れとが衝突する。この衝突により、双方のプラズマの流れを壁部231から剥離させ、ウエハWの周縁部へ向けて射出することができる。この観点で、第1プラズマアクチュエータ6a、第2プラズマアクチュエータ6bは、本例のプラズマ射出機構を構成している。
壁部231から射出されたプラズマがウエハWの周縁部に到達すると、当該到達領域において先行する成膜処理で形成された膜が除去される(基板を処理する工程)。既述のように第1電極61a、61b、第2電極62a、62bは各々、円環状に構成されているので、第1プラズマアクチュエータ6a、第2プラズマアクチュエータ6bによって形成されるプラズマも円環状となる。そして、これら円環状のプラズマ同士を衝突させることにより、円環状に延在する衝突位置からウエハWの周縁部へ向けてプラズマが射出される。この作用により、ウエハWを垂直軸周りに回転させることなく、ウエハWの周縁部に沿ってエッチング処理を行うことができる。
第1プラズマアクチュエータ6a、第2プラズマアクチュエータ6bを配置する位置や、プラズマが衝突する位置における壁部231の凹面の接線方向の角度は、プラズマの衝突位置とウエハW側のプラズマ供給領域との位置関係から逆算して設定することができる。
図9は、図8と比較して、ウエハWの上面側の領域にプラズマを供給する場合の例である。この例では、図8の例と同様に、上部側から6段目に配置された第1電極61cと5段目に配置された第2電極62cとの間に高周波電力を印加して第2プラズマアクチュエータ6bを形成している。
一方で、第1プラズマアクチュエータ6aの形成位置は、図8の例よりも壁部231の上部側へ移動させ、上部側から1段目に配置された第1電極61aと2段目に配置された第2電極62aとの間に高周波電力を印加している。このように、第1プラズマアクチュエータ6aの形成位置を上部側に移動させることにより、第1プラズマアクチュエータ6a、第2プラズマアクチュエータ6bにより形成されるプラズマの流れが衝突する位置も上部側へ移動する。
以上に説明したように、共通の壁部231に対して、第1プラズマアクチュエータ6aと第2プラズマアクチュエータ6bとの少なくとも一方を複数設けてもよい。図8、図9に示す例では、第1電極61a-第2電極62a、第1電極61b-第2電極62bにより構成される2つの第1プラズマアクチュエータ6aが設けられている。これら複数のプラズマアクチュエータ6(第1プラズマアクチュエータ6a、第2プラズマアクチュエータ6b)のうち、高周波電源60から高周波電力を印加する対象を切り替えることにより、プラズマの射出位置を移動させることができる。すなわち、第1プラズマアクチュエータ6aにより形成されるプラズマの流れと、第2プラズマアクチュエータ6bにより形成されるプラズマの流れとが衝突し、双方のプラズマの流れが壁部231から剥離する位置を移動させることができる。
また、壁部231は、縦断面が凹面状に形成されていることにより、プラズマの射出位置を移動させると、プラズマの射出方向が変化するように構成されている。図8~図9に示す例では、プラズマの射出位置が上部側へ移動するに連れて、プラズマが到達する位置から見た、プラズマの射出位置の仰角が大きくなっていく。この構成により、プラズマの射出位置の上部側への移動に伴って、プラズマの到達位置がウエハWの中央側へ移動することを避け、常に周縁部領域のエッチング処理を行うことができる。
なお、壁部231の縦断面を凹面状に形成することは必須の要件ではない。例えば、プラズマの射出位置を上部側へ移動させるにしたがって、エッチング処理を行う位置をウエハWの中央側へ移動させたい場合には、縦断面の傾斜角度が一定の傾斜面となるように壁部231を構成してもよい。
次いで図10に示す例では上部側から1段目に配置された第1電極61aと2段目に配置された第2電極62aとの間に高周波電力が印加され、第1プラズマアクチュエータ6aが形成されている。また、上部側から3段目に配置された第1電極61bと、2段目に配置された第2電極62aとの間に高周波電力が印加され、第2プラズマアクチュエータ6bが形成されている。即ち、この例では、第1プラズマアクチュエータ6aと、第2プラズマアクチュエータ6bとの間で、第2電極62aが共通化されている。このように、第2電極62aが共通化されている場合にも、互いに対向する方向へプラズマの流れを形成し、これらのプラズマを衝突させてウエハWの周縁部へ向けてプラズマを射出することができる。
こうして、予め設定された時間、ウエハWの周縁部のプラズマエッチングを実行したら、エッチングガスの供給、第1電極61、第2電極62への高周波電力の印加を停止する。しかる後、パージガスを供給して処理容器11内に残存するエッチングガスを排出した後、搬入時とは反対の手順にて、成膜処理及び周縁部の膜のプラズマエッチングが行われたウエハWを処理容器11から搬出する。
<効果>
本実施の形態に関わるウエハ処理装置1によれば以下の効果がある。支持ピン34に保持されたウエハWの周縁部を囲むように環状のプラズマアクチュエータ6を設けてプラズマを発生させ、射出機構を用いて当該プラズマをウエハWの周縁部に供給している。この構成により、鉛直軸周りにウエハWを回転させる回転機構を設けなくても、ウエハWの周縁部に沿ってエッチング処理を行うことができる。
なお、図8~図10を用いて説明した実施の形態では、壁部231に対して3組以上のプラズマアクチュエータ6を設け、高周波電力を供給する第1プラズマアクチュエータ6a、第2プラズマアクチュエータ6bの選択に応じてプラズマの射出位置を移動させる例を示した。一方で、プラズマの射出位置を移動させる必要がない場合には、壁部231に対しては、互いに対向する方向へプラズマの流れを形成する少なくとも2組のプラズマアクチュエータ6(第1プラズマアクチュエータ6a、第2プラズマアクチュエータ6b)が設けられていればよい。
<他の実施形態>
図11は、図7~図10にて説明した例とは異なる構成の射出機構を用いてウエハWの周縁部に向けてプラズマを射出する例を示している。本例の囲み部材23は、その内周面側に形成された壁部231に加え、囲み部材23の下面にも第1電極61d、第2電極62dが設けられ、壁部231aとなっている。本例の囲み部材23において、下面側に形成された壁部231aは、平坦面として構成され、支持ピン34に保持されたウエハWの周縁部を外周側から囲むように配置されている。
上述した下面側の壁部231aには、円環状の第1電極61dが配置され、この第1電極61dの内側に円環状の第2電極62dが配置されている。この構成の第1電極61d、第2電極62dに高周波電力を印加し、プラズマアクチュエータ6として作動させると、壁部231aには、外周側の第1電極61dから内周側の第2電極62dへ向かうプラズマの流れが形成される。そしてこのプラズマは第2電極62dを通過してさらに内周側へと流れていく。
一方、図4に示すように囲み部材23は環状に形成され、その内周面は壁部231となっていることから、下面側の壁部231aは、内周面側の壁部231の形成位置に端部233を有している。壁部231aに沿って流れるプラズマから見ると、端部233では、流れの経路上にて壁部231が途絶した状態となっている。
この構成により、端部233に到達したプラズマは、壁部231aを離れてウエハWの配置方向へ向けて射出される。この際、端部233における壁部231aの接線方向が、支持ピン34に保持されたウエハWの周縁部を向くように設定することにより、プラズマを当該周縁部へ向けて射出する射出台を構成することができる。
またここで、図11に示すように、内周面側の壁部231に設けられた第1プラズマアクチュエータ6aからのプラズマの流れと、下面側の壁部231に設けられた第2プラズマアクチュエータ6bからのプラズマの流れとを衝突させてもよい。端部233位置にてプラズマ同士を衝突させることにより、射出台からのプラズマの射出角度を調節することができる。
図11に示す例では、端部233から最も遠い位置にある第1プラズマアクチュエータ6a(第1電極61a、第2電極62a)に高周波電力を印加してプラズマの流れを形成し、端部233に到達する際のプラズマの体積力を低減している。この調節により、下面側の壁部231aを流れるプラズマと衝突する際の勢いを低減して、プラズマの射出角度の変化を小さく抑えている。
一方、プラズマの射出角度をより大きく変化させたい場合には、端部233により近い第1電極61b、第2電極62bに高周波電力を印加してプラズマの流れ形成するとよい。
一方で、囲み部材23の下面側の壁部231aと、内周面側の壁部231との双方にプラズマアクチュエータ6を設けることは必須の要件ではない。図11に示す例では、下面側の壁部231aのみに対して少なくとも1組のプラズマアクチュエータ6を設けることにより、端部233からウエハWの周縁部へ向けてプラズマを射出することができる。また、下面側の壁部231aに替えて、内周面側の壁部231について、端部233における接線方向の傾きが、ウエハWの周縁部を向くように設定してもよい。この場合には、囲み部材23に対して、端部233へ向けて流れるプラズマを形成する、少なくとも1組のプラズマアクチュエータ6を設ければよい。
<バリエーション>
ここでプラズマアクチュエータ6は、誘電体バリア放電を発生させせる構成に限定されるものではない。例えば、壁部231の表面側において、プラズマの流れ方向に沿った第1電極61aの下流側に、放電ギャップを開けてスライディング電極を配置し、スライディング放電を発生させる構成のプラズマアクチュエータ6を設けてもよい。
また図4には、各々、周方向につながって伸びるように形成された電極線により環状の第1電極61、第2電極62を構成する場合を例示した。これに対して、複数の円弧状の電極線を互いに離間させて環状に配置し、これら複数の電極線により、環状の第1電極61や第2電極62を構成してもよい。
また、図1、図2を用いて説明した例では、ウエハWに対する成膜処理と、ウエハWの周縁部のエッチング処理とを共通の処理容器11内にて実施することが可能な構成のウエハ処理装置1を示した。一方で、1つのウエハ処理装置1にて、これら成膜処理とエッチング処理との双方を実施可能に構成することは必須の要件ではない。例えば、ウエハ処理装置1において、ウエハWの周縁部のエッチング処理のみを実施する構成としてもよい。この場合には、図2にて説明した成膜ガス供給部41、成膜ガス供給ライン412、流量調節部411などの機器は、設置を省略することができる。
さらに、プラズマアクチュエータ6用いて形成したプラズマを用いてウエハWの周縁部に対して実施するプラズマ処理は、エッチング処理に限定されない。例えば、成膜ガスをプラズマ化して、ウエハWの周縁部に成膜を行う成膜処理を実施してもよい。また、改質ガスをプラズマ化して、ウエハWの周縁部表面を改質する改質処理を実施してもよい。
この他、プラズマアクチュエータ6にて発生させたプラズマによりウエハWの周縁部のプラズマ処理を実施するにあたり、ウエハWを静止させた状態とすることは必須の要件ではない。必要に応じ、ウエハWを鉛直軸周りに回転させる回転機構を設け、ウエハWを回転させながらプラズマアクチュエータ6からプラズマを供給する構成を採用してもよい。
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
<誘電体バリア放電実験>
図7に例示するプラズマアクチュエータ6を構成するための基礎実験として、誘電体バリア放電の確認実験を行った。囲み部材23に相当するアルミナセラミックス基材の表面に線幅1mm、間隔1mmで櫛歯状に電極(第1電極61、第2電極62に相当する)を配置した。その表面にガラスペーストを焼成し誘電体膜232を形成した。この基材を放電室に配置し、電極間に1kV、20kHzの交流電力(矩形波)を印加した。放電室内はキセノン5%、ネオン95%の混合ガス雰囲気とし、圧力を0.4kPa(3Torr)、4kPa(30Torr)の条件下で変化させて各々、放電実験を行った。
いずれの条件下でも誘電体バリア放電が見られた。放電室の圧力を相違させた場合の放電状態を比較すると、低圧雰囲気下(0.4kPa)では電極周辺での放電の広がりが見られた。一方、高圧雰囲気下(4kPa)では電極形状が誘電体膜を介して見て取れる放電状態であった。
W ウエハ
1 ウエハ処理装置
23 囲み部材
231 壁部
32 支持部材
42 エッチングガス供給部
6 プラズマアクチュエータ
6a 第1プラズマアクチュエータ
6b 第2プラズマアクチュエータ
60 高周波電源
61、61a~61d
第1電極
62、62a~62d
第2電極

Claims (13)

  1. 基板を処理する装置であって、
    処理容器内に設けられ、前記基板を保持するための基板保持部と、
    前記処理容器内に処理ガスを供給するための処理ガス供給部と、
    前記基板保持部に保持された基板の周縁部を囲むように配置され、誘電体からなる環状の壁部を有する囲み部材と、
    前記壁部に設けられ、前記処理ガス供給部から供給された処理ガスをプラズマ化すると共に、予め設定された方向へ向けて、前記壁部に沿った前記処理ガスのプラズマの流れを形成するプラズマアクチュエータと、
    前記プラズマアクチュエータにより形成され、前記壁部に沿って流れる前記プラズマを、前記基板保持部に保持された前記基板の周縁部へ向けて射出して、前記プラズマによる処理を行うための射出機構と、を備え、
    前記プラズマアクチュエータは、
    高周波電源の一方側の極に接続され、前記壁部の表面側に設けられた環状の第1電極と、
    前記高周波電源の他方側の極に接続され、前記第1電極から見て、前記プラズマの流れを形成する方向の下流側へ離れた位置に配置されると共に、前記第1電極よりも、前記壁部の内部側に埋め込まれた環状の第2電極と、を備える、装置。
  2. 前記射出機構は、各々、互いに対向する方向へ前記プラズマの流れを形成するように配置された前記プラズマアクチュエータである、第1プラズマアクチュエータ及び第2プラズマアクチュエータにより構成され、
    前記第1プラズマアクチュエータにより形成されるプラズマの流れと、前記第2プラズマアクチュエータにより形成されるプラズマの流れとを衝突させることにより、これらプラズマの流れを前記壁部から剥離させ、前記プラズマの射出を行う、請求項1に記載の装置。
  3. 前記第1プラズマアクチュエータと、前記第2プラズマアクチュエータとの間で、前記第2電極が共通化されている、請求項2に記載の装置。
  4. 前記第1プラズマアクチュエータと、前記第2プラズマアクチュエータとの少なくとも一方が複数設けられ、これら複数のプラズマアクチュエータのうち、前記高周波電源から高周波電力を供給するプラズマアクチュエータを切り替えることにより、前記プラズマの射出位置を移動させることができるように構成された、請求項2または3に記載の装置。
  5. 前記壁部は、縦断面が凹面状に形成されていることにより、前記射出位置を移動させると、前記プラズマの射出方向が変化するように構成された、請求項4に記載の装置。
  6. 前記壁部は、前記プラズマの流れの経路上にて当該壁部が途絶する端部を備え、
    前記射出機構は、前記端部における前記壁部の接線方向が、前記基板保持部に保持された基板の周縁部を向くように設定された射出台として構成されている、請求項1または2に記載の装置。
  7. 前記第1電極及び前記第2電極は、銀薄膜により構成される、請求項1ないし6のいずれか一つに記載の装置。
  8. 前記壁部は、石英、ガラス、アルミナからなる誘電体群から選択された誘電体により構成される、請求項1ないし7のいずれか一つに記載の装置。
  9. 前記処理ガスは、前記基板の周縁部に形成された膜をエッチングするためのエッチングガスである、請求項1ないし8のいずれか一つに記載の装置。
  10. 前記処理容器内に、前記基板への成膜を行うための成膜ガスを供給する成膜ガス供給部を備え、
    前記エッチングガスは、前記成膜ガスにより形成された膜をエッチングするためのエッチングガスである、請求項9に記載の装置。
  11. 基板を処理する方法であって、
    前記基板が保持された処理容器内に処理ガスを供給する工程と、
    前記処理容器内に保持された基板の周縁部を囲むように配置され、誘電体からなる環状の壁部を有する囲み部材に設けられたプラズマアクチュエータを用い、前記処理容器内に供給された処理ガスをプラズマ化すると共に、予め設定された方向へ向けて、前記壁部に沿った前記処理ガスのプラズマの流れを形成する工程と、
    前記プラズマアクチュエータにより形成され、前記壁部に沿って流れる前記プラズマを、前記処理容器内に保持された前記基板の周縁部へ向けて射出し、前記プラズマにより前記基板を処理する工程と、を含み、
    前記プラズマの流れを形成する工程では、
    高周波電源の一方側の極に接続され、前記壁部の表面側に設けられた環状の第1電極と、前記高周波電源の他方側の極に接続され、前記第1電極から見て、前記プラズマの流れを形成する方向の下流側へ離れた位置に配置されると共に、前記第1電極よりも、前記壁部の内部側に埋め込まれた環状の第2電極と、を備えた前記プラズマアクチュエータを使用する、方法。
  12. 前記処理ガスは、前記基板の周縁部に形成された膜をエッチングするためのエッチングガスである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記処理ガスを供給する工程の前に、前記基板が保持された処理容器内に成膜ガスを供給し、前記基板への成膜を行う工程を含み、
    前記エッチングガスは、前記成膜を行う工程にて形成された膜をエッチングするためのエッチングガスである、請求項12に記載の方法。
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