JP2023146705A - 含油アルミナ粒子粉末及びその製造方法並びに含油アルミナ粒子粉末を用いる樹脂複合組成物 - Google Patents

含油アルミナ粒子粉末及びその製造方法並びに含油アルミナ粒子粉末を用いる樹脂複合組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミナ粒子粉末を用いる熱放散性材料の製造工程において、設備の摩耗を低減することができる含油アルミナ粒子粉末とその製造方法を提供する。【解決手段】吸油量が0.5~3.0(ml/10g)であるアルミナ粒子粉末であって、前記アルミナ粒子粉末の吸油率が、10%以上60%以下であることを特徴とする、含油アルミナ粒子粉末。【選択図】なし

Description

本発明は、油脂等を吸油させた含油アルミナ粒子粉末およびその製造方法、並びに含油アルミナ粒子粉末を用いる樹脂複合組成物に関する。
近年、携帯電話などの電子機器の高機能化、高速化によって、電子機器内部の電子部品から発せられる熱量が増大している。電子機器が正常に動作するために、発せられる熱を効率よく外部へ放散させることが重要な課題となっている。熱を放散させるために多用されているのが、放熱シートや放熱接着剤と呼ばれるものである。これらを発熱体と放熱フィンの間に貼り付けるか、或いは塗布して圧着することによって、発熱体と放熱フィンとの隙間をなくし、効率よく熱を発散することができる。また電子部品の内部にある、半導体自体も電子機器と同じように、高機能化、高速化による発熱が著しく、半導体を保護する封止材についても熱放散性を付与することが求められている。本明細書では、これら熱放散性を付与する材料を総称して「熱放散性材料」という。
一般に、放熱シートや放熱接着剤、半導体封止材は、熱伝導性無機フィラーと樹脂から構成されている。熱伝導性無機フィラーとしては、安価な水酸化アルミニウムや酸化アルミニウム(以下、「アルミナ」という)、さらに高熱伝導を期待した炭化ケイ素や窒化ホウ素、窒化アルミニウムといった素材が使われている。特にアルミナは安価であり化学的に安定であることから、熱伝導性無機フィラーとしてよく用いられる。
特許文献1には、真球度を概ね保ったまま粒子材料をα化する方法が記載されている。また、α化度が高いと共に真球度の高いアルミナ粒子材料は、樹脂組成物のフィラーに採用する場合に高い熱伝導性を発揮でき、フィラーの充填性、樹脂組成物の流動性の向上、フィラーによる摩耗性の低減といった効果等が期待されることが記載されている。
一方αアルミナは非常に硬い物質であり、αアルミナの含有量が増えることにより、アルミナフィラーの硬度も上昇してしまう。その結果、上記熱放散性材料の製造工程において、混錬設備中で樹脂とアルミナを混錬する際に、高硬度のアルミナが混錬設備に衝突し混錬設備が摩耗し、設備の耐久性を著しく落とし、設備の故障や寿命を縮めてしまう恐れがある。
特許文献2では、アルミナを主成分とする粒子材料について、熱伝導率は高いが非常に硬く金属摩耗させやすいαアルミナの量を制御することによって設備への攻撃性の抑制ならびに樹脂組成物の良好な熱伝導率及び粘度を両立させることを目的とした研究がされている。
特許文献3では微量の吸油量になるように複数粒径のアルミナ粒子を組み合わせて無機充填材を構成することで、樹脂組成物の熱伝導率、流動性、絶縁性を両立させることを目的とした研究がされている。
特開2017-190267号公報 特許第6561220号公報 特開2018-159083号公報
酸化アルミニウム(アルミナ)は硬い物質であり、研磨剤としても用いられる素材のため、金属を摩耗することにより導電性の異物が発生し、電子部品中の配線を短絡させ誤動作の原因になるため問題である。つまり、設備を摩耗することにより発生する導電性異物は、少量であっても上記「熱放散性材料」中に混入した場合、当該熱放散性材料を使用した電子部品の性能に悪影響を及ぼす。その観点では、さらなる設備への摩耗性の低減が必要である。また、近年、電子部品の少量多品種化、小型軽量化が進んでいることから、これら電子部品に使用される熱伝導性無機フィラーも様々な性状のものが求められている。そこで本発明は、熱放散性材料の製造工程において、設備の摩耗を低減することができる含油アルミナ粒子粉末とその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、前述の課題を解決するため、鋭意検討の結果なされたものであり、その要旨とするところは特許請求の範囲に記載した通りの以下の内容である。
発明者ら上記状況に鑑み、アルミナ粒子粉末に油分を吸収させた含油アルミナ粒子粉末を用い、その吸油量と吸収率を特定することにより、この含油アルミナ粒子を熱放散性材料に用いた場合に、設備の摩耗を劇的に低減することができることを見出した。
本発明により以下が提供される。
(1)吸油量が0.5~3.0(ml/10g)であるアルミナ粒子粉末であって、前記アルミナ粒子粉末の吸油率が、10%以上60%以下であることを特徴とする、含油アルミナ粒子粉末。
(2)前記アルミナ粒子粉末の円形度が、0.8以上である、前記(1)に記載の含油アルミナ粒子粉末。
(3)前記アルミナ粒子粉末を構成する80質量%以上のアルミナ粒子のα化率が1%以上である、前記(1)に記載の含油アルミナ粒子粉末。
(4)前記アルミナ粒子粉末のメジアン粒径(D50)が、0.5~160μmである、前記(1)~(3)のいずれかに記載の含油アルミナ粒子粉末。
(5)前記アルミナ粒子粉末のメジアン粒径(D50)が、50~160μmである、前記(4)に記載の含油アルミナ粒子粉末。
(6)前記含油アルミナ粒子粉末に含まれる油分が、油脂、シリコーンオイル、鉱物油から成る群より選ばれる、前記(1)に記載の含油アルミナ粒子粉末。
(7)前記含油アルミナ粒子粉末に含まれる油分が、フタル酸ジオクチル、シリコーンオイル、ステアリン酸、リノール酸、オレイン酸から成る群より選ばれる1種類以上である、前記(6)に記載の含油アルミナ粒子粉末。
(8)吸油量が0.5~3.0(ml/10g)であるアルミナ粒子粉末に対して、前記アルミナ粒子粉末の吸油率10~60%に相当する油分を含有させ、そして両者を混錬することを特徴とする、前記(1)に記載の含油アルミナ粒子粉末の製造方法。
(9)樹脂中に、前記(1)~(7)のいずれかに記載された含油アルミナ粒子粉末を含有することを特徴とする、樹脂複合組成物。
(10)前記(9)に記載された樹脂複合組成物を硬化してなることを特徴とする、樹脂複合体。
(11)樹脂中に、前記(1)~(7)のいずれかに記載された含油アルミナ粒子粉末を含有させることを特徴とする、樹脂複合組成物の製造方法。
本発明の一実施態様によれば、設備への摩耗量をおさえつつ、高熱伝導率、高流動の含油アルミナ粒子粉末とその製造方法が提供される。
発明者らは、熱伝導性が高く、且つ、設備に対する摩耗性の小さいアルミナ粒子粉末を得るために、鋭意検討を行なった。その中で、アルミナ粒子粉末に対して油分を吸収させることによって、所望する熱伝導性が高く、且つ、設備摩耗の小さい含油アルミナ粒子粉末、及びその製造方法を完成させた。
本発明の一実施態様の含油アルミナ粒子粉末は、吸油量が0.5~3.0(ml/10g)であるアルミナ粒子粉末であって、前記アルミナ粒子粉末の吸油率が、10%以上60%以下であることを特徴とする。本明細書では、含油アルミナ粒子粉末とは、油分を含有したアルミナ粒子粉末を言う。以下、本発明の構成について説明する。
(アルミナ粒子粉末の吸油量が0.5~3.0(ml/10g)であること)
吸油量は、JISK 5101-13-1(2004)によれば、一定の条件のもとで顔料又は体質顔料によって吸収される精製あまに油の量をいうが、本明細書では、試料100gでなく、10g当たりの量を「吸油量」とする。本発明では、この吸油量を用いて含油アルミナ粒子粉末の潤滑性を特定する。
本発明に用いるアルミナ粒子粉末の吸油量は、0.5~3.0(ml/10g)である。吸油量が0.5(ml/10g)未満であるアルミナ粒子粉末は、粉末が吸収している油量が少ないため、吸収している油分によって、アルミナ粒子を包み込むことが十分にできない。このため、硬いアルミナ粒子表面が露出し、設備摩耗を低減することができない。また、吸油量が3.0(ml/10g)を超えるアルミナ粒子粉末は、吸収できる油量が多いため、粒子の摩耗性を低減されるためには、多量の油分を吸収させる必要があり、コストが増大する恐れがある。
また、樹脂複合組成物の製造時に、含油アルミナ粒子粉末と樹脂を混合すると、樹脂は粒子同士の隙間に入り込むものと粒子の外側に存在し流動に関与するものの2種類に分かれると考えられる。このとき粒子同士の隙間が大きい場合や、隙間が小さいが多く存在する場合は多くの樹脂が隙間に取り込まれやすく、流動に関与する樹脂が少なくなり流動性が悪化する。吸油量が3.0(ml/10g)を超えるアルミナ粒子粉末は、吸収できる油量が多く、油分だけでなく樹脂も粉末に多量に吸収され、流動に関与する樹脂が少なくなるので樹脂複合組成物の流動性が悪化する恐れがある。
(吸油量の測定)
アルミナ粒子粉末をJIS-K-5101-13-1法に則り、精製アマニ油の代わりに、試薬一級のアマニ油(富士フイルム和光純薬株式会社製 和光一級)を用い、試料の量を100gでなく、10g用いて、吸油量を測定した。ガラス板上のアルミナ粒子粉末にアマニ油を滴下し、パレットナイフで練りこみながら、ペーストが滑らかな硬さになったところを終点とし。終点に達した時のアマニ油滴下量をアルミナ粒子粉末の吸油量として算出した。このペーストは,割れたり,ぼろぼろになったりせず広げることができ,かつ,測定板に軽く付着する程度のものとする。
アルミナ粒子粉末は一つ一つの粒子が独立して存在する一次粒子と、一次粒子が凝集して構成される二次粒子で構成されていると考えられる。吸油量は、アルミナ粒子粉末を構成している一次粒子のアルミナ粒子内部の細孔容積中の油分、二次粒子を構成している一次粒子同士の間に存在する空隙容積中の油分、および、二次粒子のアルミナ粒子表面全体を濡らす最低量の油分の合計量であると考えることができる。なお、吸油量は、JIS-K-5101-13-1法に則り測定される値であるため、アルミナ粒子粉末を測定して算出される細孔容積、比表面積、平均細孔径とは直接相関しない。
(含油アルミナ粒子粉末の吸油率が10~60%以下であること)
本一実施態様による、含油アルミナ粒子粉末は、概して、樹脂と混合されて、半導体封止材、放熱シート、放熱接着剤等の熱放散性材料として用いることができる。樹脂と混合された際に、その樹脂混合物の物性、とりわけ熱伝導率や樹脂混合物の流動性は、混合される含油アルミナ粒子粉末の量によって大きく変化してしまう。吸油量に対して吸油率が小さい含油アルミナ粒子粉末を用いると、油分が粒子表面に十分に被膜を形成することができず、設備表面に含油アルミナ粒子が接触した際に摩擦力が大きくなるため、期待される摩耗性の低減効果が得られない。また、吸油量に対して吸油率が大きい含油アルミナ粒子粉末を用いると単位体積当たりの油分の量が増え、相対的に粒子量が減少する。さらに粒子同士の接触点が少なくなるため、熱が移動する経路が少なくなるために、樹脂混合物の熱伝導率が低下する。さらに、流動性が高くなりすぎ、成型するための金型の隙間に樹脂が充填されるために、成型が困難になる恐れもある。
したがって、本一実施態様による、含油アルミナ粒子粉末は、樹脂混合物の熱伝導率を低下させないで、流動性を制御するために、吸油率の上限を60%とする。なお、樹脂混合物の熱伝導率の値や成型される金型の隙間寸法等の使用環境に応じて、吸油率の最大値を適宜調整してもよく、例えば、吸油率を、45%以下としてもよく、40%以下としてもよい。下限値に関しては摩耗性の低減の観点から、10%である。所望する吸油率に調整する場合は使用するアルミナ粒子粉末に吸収させる、油量で調整できる。
なお、吸油率は、アルミナ粒子粉末の吸油量に対して、当該アルミナ粒子粉末が実際に吸収している油量の割合を言い、吸油量を用いて以下のように求める。
吸油率(%)=アルミナ粒子粉末10gが吸収している油量(ml)/(当該アルミナ粒子粉末の吸油量(ml/10g))×100
(油分の種類)
本実施態様におけるアルミナ粒子粉末に吸収させる油分に特段の制限はないが、吸収させる油分は作業性の良さの観点から液体が好ましい。使用する油分の一例をあげるならば、油脂、シリコーンオイル、鉱物油等である。好ましくは、フタル酸ジオクチル、シリコーンオイル、ステアリン酸、リノール酸、オレイン酸が挙げられる。
(アルミナ粒子粉末)
本発明に用いるアルミナ粒子粉末の原料は、アルミナ粒子粉末や水酸化アルミニウム粒子粉末等を使用することができる。また金属アルミニウムを用いてもよい。
本発明に用いることができるアルミナ粒子粉末の一次粒子は、円形度が0.8以上であることが好ましい。本発明で規定する油分を含まないアルミナ粒子粉末では、アルミナ粒子の円形度が低い場合、当該アルミナ粒子粉末と樹脂とを混錬した際に、アルミナ粒子と混錬設備の接点において設備摩耗が発生しやすくなり、また、混錬してできた成型体樹脂複合組成物の硬度や液状混錬物の粘度が大きく悪化してしまうことがあるためである。角状粒子のような円形度の低い粒子は鋭利な角が存在しがちである。このときアルミナよりも柔らかい金属(例えばSUSや鉄、銅等)が接触すると、金属が削られ摩耗粉が発生する。また円形度の低い粒子は真球粒子に比べて粒子表面に平面が生じやすい。そのため粒子同士が接触したときに、真球粒子が点接触なのに対して、角状粒子のような円形度の低い粒子は面接触が形成され、摩擦が生じやすい。そのため粒子が流動しようとすると摩擦の大きい角状粒子は動きにくく、樹脂複合組成物成型体の硬度や粘度が悪化してしまう。なお、これらの不都合は、円形度は高いほど、生じにくくなると考えられるが、特許文献2には、円形度が高い場合でも、体積平均粒径及びα化率を特定の範囲としないと設備摩耗試験の結果が悪いことが開示されている。
一方で、本発明の含油アルミナ粒子粉末では、アルミナ粒子粉末表面を必要最小限の油分でコーティングすることにより、円形度によらず、粒子間、粒子-混錬設備間の摩擦の発生を抑えることができ、発明の効果を発現することができる。なお、上記理由から、円形度が0.8以上であると発明の効果がより優れるので好ましい。
円形度は理論的には、1.0が上限となるが、円形度を1.0にすることは現実的には困難である。また、アルミナ粒子の比表面積や粒子表面の凹凸を制御し樹脂との親和性を向上させる観点から、円形度の上限について、0.99以下、0.98以下、0.97以下としてもよい。それぞれのアルミナ粒子の円形度は溶射(火炎溶融法)等を用いて調整することができる。具体的には火炎の温度をアルミナの融点以上に保つことによって調整することができる。アルミナの融点以下の温度になるとアルミナ原料が溶融しなくなり、円形度が悪化する。火炎の温度は使用する燃料ガスの流量などによって調整することができる。
<円形度の測定>
円形度の測定は電子顕微鏡や光学顕微鏡と画像解析装置を用いて測定することができる。例えばシスメックス社製FPIA等である。これら装置を用いて粒子の円形度(相当円の周囲長/粒子の投映像の周囲長)を測定する。100個以上の粒子について円形度を測定し、その平均値をその粉末の円形度とする。
(アルミナ粒子粉末を構成する80質量%以上のアルミナ粒子のα化率が1%以上)
本発明に用いることができるアルミナ粒子粉末は、アルミナ粒子粉末を構成する80質量%以上のアルミナ粒子のα化率が1%以上であることが好ましい。本明細書中で「α化率」は、アルミナ粒子粉末に含まれるαアルミナ結晶の含有率のことをいう。
α化率が1%以上であると、高熱伝導率のαアルミナの含有量が高くなり、樹脂複合体の熱伝導率が高まるため、好ましい。より好ましくは5%以上、さらに好ましくは10%以上であってもよい。また、α化率の上限値は、特に限定されるものではなく、α化率を100%としてもよいが、吸油による設備摩耗性の低減効果がより大きくなるという観点で、90%以下がより好ましく、85%以下がさらに好ましい。
また、α化率が1%以上のアルミナ粒子が、アルミナ粒子粉末の80質量%以上含んでいれば、α化率が1%未満のアルミナ粒子を10質量%未満含んでいたとしても、粉末における高熱伝導率のαアルミナの含有量が高くなり、樹脂複合体の熱伝導率が高まるため、好ましい。より好ましくはα化率が1%以上のアルミナ粒子が、アルミナ粒子粉末の90質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上であり、さらに好ましくは97質量%以上であり、さらに好ましくは99質量%以上である。
<α化率の測定>
アルミナ粒子粉末のα化率は、粉末X線回折装置を用いて測定する。得られた回折ピークの積分面積を求め、その合計に対してαアルミナ由来の回折ピーク面積の割合をリートベルト法によって解析する。具体的にはBruker社製のD2PHASERを用いてX線回折パターンを2θが10°から90°の範囲で取得する。取得したパターンをBruker社製のDIFFRAC.TOPASを用いてリートベルト法にてα化率を算出する。算出の際にはαアルミナ、δアルミナ、θアルミナの3種類の結晶相のみが存在すると仮定して解析し、αアルミナの含有率を算出する。
(アルミナ粒子粉末のメジアン粒径(D50))
本発明に用いることができるアルミナ粒子粉末は、メジアン粒径(D50)が、0.5~160μmであることが好ましい。メジアン粒径が0.5μm未満の微小な粒子数が多く含まれるようになると、樹脂複合組成物に用いる場合、粘度が大きくなり、半導体封止材用途として用いる際に微小な隙間への充填自体が困難になるためである。また、逆に160μm超の粗大な粒子数が多く含まれるようになると、半導体封止を目的とする樹脂複合組成物に用いられると、封止されている半導体の配線間隔が粗大粒子の大きさよりも狭いために、粗大粒子が流動できなくなり、充填不良となるためである。
本発明に用いることができるアルミナ粒子粉末は、更に好ましくは、メジアン粒径(D50)が、50~160μmである。
(アルミナ粒子の製造方法)
アルミナ粒子粉末の原料はアルミナ粉末や水酸化アルミニウム粉末等を使用することができる。また金属アルミニウムを用いてもよい。これら以外に少量のアルミナ以外の無機材料を含んでいても良い。例えば、アルミナ粉末にシリカを少量混合して、火炎溶融法により球状化することで、アルミナ表面にシリカコーティング層を形成することができる。アルミナ粒子粉末は、火炎溶融法又はVMC法により製造することができる。
火炎溶融法は、公知の溶射方法の一種であり、原料粒子を火炎中に噴射して、前記原料を球状化する。このとき、時間当たりの火炎への投入量や燃料ガス種によって平均球形度を調整することができる。また使用する原料粉末の粒径を調整することで、アルミナ粒子粉末の粒径を調整することができる。また固化した直後のアルミナ粒子を空気や水などの冷媒によって急冷することによって、含有率を下げることができる。冷媒は特に制限されるものではないが、アルミナ粒子の純度を低下させないという観点から、空気や不純物としてナトリウムイオンや塩素イオンなどを含まない蒸留水やイオン交換水が望ましい。
VMC法は、酸素を含む雰囲気中でバーナーにより化学炎を形成し、この化学炎中に金属粉末を粉塵雲が形成される程度の量投入し、爆燃を起こして球状の酸化物粒子を得る方法である。VMC法(爆燃法)により、アルミニウムなどの金属材料と酸素とを反応してアルミナなどの金属酸化物を得ることができる。
アルミナ粒子は必要に応じてサイクロン等によって粗粒・微粒に分離することができる。このようにして得られたアルミナ粒子を所定の目開きを持つ篩によるか、或いは風力分級機などを用いて、所望の粒径の粒子を分級することが可能である。
(吸油処理)
アルミナ粒子粉末に吸収させる油分の吸油方法についてはロッキングミキサーやナウターミキサー、ヘンシェルミキサー等公知の混合機で混合しながら、油分を噴霧させて吸収させる方法が挙げられる。吸油の際に、アルミナ粒子の円形度を低下することを、回避するために、混合条件を適宜調整してもよい。典型的には、混合時間および混合密度等を調整してもよい。また吸収させる油分によっては粘性が高すぎるために均一に霧状噴霧することが難しい場合がある。その場合には油分に溶剤を適宜混合して粘性を調整してもよい。溶剤を使用した場合吸油処理後、溶剤の沸点以上で乾燥することが好ましい。また使用する溶剤に特段の制限はないが、一例としてメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。
含油アルミナ粒子粉末の摩耗性の評価については、所定の条件で摩耗性を評価する。より具体的には、以下の手順で摩耗性を測定する。
<摩耗性の測定>
摩耗性を検証する含油アルミナ粒子粉末50質量部と、シリコーン樹脂A(東レダウコーニング社製CY-52-276A)50質量部を、大気圧条件下で混錬機によって混合し、得られた樹脂組成物30gと直径5mmの材質SUS304の鋼球(型番:1-9762-02、ミスミ製)約10gを採り、秤量した後、アイボーイ広口びん250ml(直径62mm、長さ132mm、アズワン製)の円筒容器に入れ、円筒容器の円筒の中心軸を回転軸とし、50rpmで48時間回転させた後、篩目1mmの篩で鋼球と含油アルミナ粒子粉末を分離し、鋼球を水洗・乾燥させ、摩耗試験前後の質量減少量を計測し、摩耗性を測定した。
(含油アルミナ粒子粉末の用途)
本発明の一態様によって、最終的に得られた含油アルミナ粒子粉末と樹脂との複合組成物、さらには当該樹脂複合組成物を硬化した樹脂複合体を製造することができる。樹脂複合組成物の組成等について、以下により詳細に説明する。
含油アルミナ粒子粉末と樹脂とを含むスラリー組成物を用いて、半導体封止材(特に固形封止材)、層間絶縁フィルム等の樹脂複合組成物を得ることができる。さらには、これらの樹脂複合体組成物を硬化させることで、封止材(硬化体)、半導体パッケージ用基板等の樹脂複合体を得ることができる。
前記樹脂複合組成物を製造する場合、例えば、含油アルミナ粒子粉末及び樹脂の他に、硬化剤、硬化促進剤、難燃剤、シランカップリング剤等を必要により配合し、混錬等の公知の方法で複合化する。そして、ペレット状、フィルム状等、用途に応じて成型する。
また、前記樹脂複合組成物を製造する場合、含油アルミナ粒子粉末及び樹脂の他に、他の無機フィラーを配合してもよい、前記無機フィラーとしては、非晶質球状シリカ粒子、結晶質球状シリカ粒子、チタニア粒子、マグネシア粒子、窒化アルミニウム粒子、窒化ホウ素粒子、チタン酸バリウム粒子、チタン酸カルシウム粒子が挙げられる。前記無機フィラーの配合比は、樹脂複合組成物の用途に応じて適宜調整できる。例えば、無機フィラーとして窒化アルミニウム粒子又は窒化ホウ素粒子を、所望の物性を損なわない範囲で配合することで、樹脂複合組成物の熱伝導率を向上することができる。
さらに、前記樹脂複合組成物を硬化して樹脂複合体を製造する場合、例えば、樹脂複合組成物に熱を加えて溶融して、用途に応じた形状に加工し、溶融時よりも高い熱を加えて完全に硬化させる。この場合、トランスファーモールド法等の公知の方法を使用することができる。
例えば、パッケージ用基板や層間絶縁フィルム等の半導体関連材料を製造する場合には、樹脂複合組成物に使用する樹脂として、公知の樹脂が適用できる。特に、エポキシ樹脂を採用することが好ましい。エポキシ樹脂は、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂等を用いることができる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる分子量を有する2種類以上を併用することもできる。これらの中でも、硬化性、耐熱性等の観点から、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂が好ましい。具体的には、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等のグリシジルエーテル、フタル酸やダイマー酸等の多塩基酸とエポクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルエステル酸エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、アルキル変性多官能エポキシ樹脂、β-ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、1,6-ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、2,7-ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、更には難燃性を付与するために臭素等のハロゲンを導入したエポキシ樹脂等が挙げられる。これら1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂中でも特にビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
また、半導体封止材用複合材料以外の用途、例えば、プリント基板用のプリプレグ、各種エンジニアプラスチックス等の樹脂複合組成物に使用する樹脂としては、エポキシ系以外の樹脂も適用できる。具体的には、エポキシ樹脂の他には、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリアミド;ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリフェニレンスルフィド、芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、マレイミド変成樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニトリルーアクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴム-スチレン)樹脂が挙げられる。
樹脂複合組成物に用いられる硬化剤としては、前記樹脂を硬化するために、公知の硬化剤を用いればよいが、例えばフェノール系硬化剤を使用することができる。フェノール系硬化剤としては、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、ポリビニルフェノール類等を、単独あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
前記フェノール硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂との当量比(フェノール性水酸基当量/エポキシ基当量)が0.1以上、1.0未満が好ましい。これにより、未反応のフェノール硬化剤の残留がなくなり、吸湿耐熱性が向上する。
本発明の含油アルミナ粒子粉末の、樹脂複合組成物における添加量は、耐熱性、熱膨張率の観点から、多いことが好ましいが、通常、70質量%以上95質量%以下、好ましくは80質量%以上95質量%以下、更に好ましくは85質量%以上95質量%以下であるのが適当である。これは、低摩耗含油アルミナ粒子粉末の配合量が少なすぎると、封止材料の強度向上や熱膨張抑制などの効果が得られにくいためであり、また逆に多すぎると、低摩耗アルミナ粒子の表面処理に関わらず複合材料において低摩耗含油アルミナ粒子の凝集による偏析が起きやすく、複合材料の粘度も大きくなりすぎるなどの問題から、封止材料として実用が困難となるためである。
また樹脂のほかに、添加材、例えばシランカップリング剤、硬化剤、着色剤、硬化遅延材等の公知の添加剤を使用することができる。
また、シランカップリング剤については、公知のカップリング剤を用いればよいが、エポキシ系官能基を有するものが好ましい。
含油アルミナ粒子粉末と樹脂とを含むスラリー組成物を用いて、放熱シート、放熱グリース等を得ることができる。
前記放熱シートを得る際には、含油アルミナ粒子粉末と、樹脂のほかに、添加剤を適宜配合し、混錬等の公知の方法で複合化する。得られた複合体を公知の方法で、シート状に成型する。
例えば、放熱シートを製造する場合には、樹脂複合組成物に使用する樹脂として、公知の樹脂が適用できるが、具体的にシリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリアミド;ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリフェニレンスルフィド、芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、マレイミド変成樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニトリルーアクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴム-スチレン)樹脂が挙げられる。中でもシリコーン樹脂を用いることが好ましい。シリコーン樹脂は特に限定されないが、例えば、過酸化物硬化型、付加硬化型、縮合硬化型、紫外線硬化型等を用いることができる。
また樹脂のほかに、添加材、例えばシランカップリング剤、硬化剤、着色剤、硬化遅延材等の公知の添加剤を使用することができる。
前記放熱グリースを得る際には、含油アルミナ粒子粉末混合物と、樹脂のほかに、添加剤を適宜配合し、混錬等の公知の方法で複合化する。ここで、放熱グリースに使用する樹脂は基油ともいう。
例えば、放熱グリースを製造する場合には、樹脂複合組成物に使用する樹脂として、公知の樹脂ができるが、具体的にはシリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリアミド;ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリフェニレンスルフィド、芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、マレイミド変成樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニトリルーアクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴム-スチレン)樹脂、鉱油、合成炭化水素油、エステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、フッ素油が挙げられる。
また樹脂のほかに、添加材、例えばシランカップリング剤、着色剤、増ちょう剤等の公知の添加剤を使用することができる。増ちょう剤は、カルシウム石けん、リチウム石けん、アルミニウム石けん、カルシウムコンプレックス、アルミニウムコンプレックス、リチウムコンプレックス、バリウムコンプレックス、ベントナイト、ウレア、PTFE、ナトリウムテレフタラメート、シリカゲル、有機化ベントナイト等の公知のものを使用できる。
以上の構成において、本発明の含油アルミナ粒子粉末では、油分を吸収させていない未処理のアルミナ粒子粉末と比べて設備に対する摩耗性を低くすることが可能である。
以下の実施例、比較例を通じて、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
LPGと酸素によって形成される高温火炎中に、アルミナ粒子原料を投入し、球状化処理を行った。投入するアルミナ粒子原料の粒径を制御することで、アルミナ粒子粉末を製造した。得られたアルミナ粒子粉末は、サイクロンで粗粒と微粒に分離し、粗粒、微粒どちらも任意の目開きの篩にかけ、篩下のみ回収することで表1にあるアルミナ粒子粉末1~5を得た。
表1のアルミナ粒子粉末1~5について、上述した方法により、粒径(D50)、円形度、α化率をそれぞれ測定した。また上述した吸油量の測定方法によりこれらの粒子粉末の吸油量も測定した。結果を表1に合わせて記載する。
得られた表1に記載のアルミナ粒子粉末1~5をロッキングミキサーで混合しながら、シリコーンオイルをスプレーで噴霧して吸収させ、含油アルミナ粒子粉末1~5を得た。このときの吸収させた油分の種類と吸油率を表2にまとめた。
得られた含油アルミナ粒子粉末1~5及び油分を吸収させていない未処理のアルミナ粒子粉末について摩耗性試験を行い、以下の方法に従い、測定した。実施例1~5は表2にある含油アルミナ粒子粉末を用いて、比較例1~5は表1の未処理アルミナ粒子を用いて、摩耗性試験を実施した。
(摩耗性試験)
未処理のアルミナ粒子粉末または含油アルミナ粒子粉末50質量部と、シリコーン樹脂A(東レダウコーニング社製CY-52-276A)50質量部を大気圧条件下で混錬機によって混合し、得られた樹脂組成物30gと直径5mmの材質SUS304の鋼球(型番:1-9762-02、ミスミ製)約10gを採り、秤量した後、アイボーイ広口びん250ml(直径62mm、長さ132mm、アズワン製)の円筒容器に入れ、円筒容器の円筒の中心軸を回転軸とし、50rpmで48時間回転させた後、篩目1mmの篩で鋼球とアルミナ粒子粉末を分離し、鋼球を水洗し、乾燥させ、摩耗試験前後の質量減少量を計測し、摩耗量を測定した。摩耗性試験の結果は表3にまとめた。
表3にあるように、本発明の含油アルミナ粒子粉末を用いた樹脂組成物は未処理アルミナ粒子粉末を用いた樹脂組成物よりもSUS304の鋼球を摩耗しないことが分かる。
Figure 2023146705000001
Figure 2023146705000002
Figure 2023146705000003
実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3、実施例4と比較例4、実施例5と比較例5をそれぞれ比較すると、いずれの場合も摩耗が低減されており、設備摩耗性の低減効果は粒子径、α化率に関係なく現れている。これは粒子表面が十分油分によって被膜されているので、予想された効果が得られたと考える。

Claims (11)

  1. 吸油量が0.5~3.0(ml/10g)であるアルミナ粒子粉末であって、前記アルミナ粒子粉末の吸油率が、10%以上60%以下であることを特徴とする、含油アルミナ粒子粉末。
  2. 前記アルミナ粒子粉末の円形度が、0.8以上である、請求項1に記載の含油アルミナ粒子粉末。
  3. 前記アルミナ粒子粉末を構成する80質量%以上のアルミナ粒子のα化率が1%以上である、請求項1に記載の含油アルミナ粒子粉末。
  4. 前記アルミナ粒子粉末のメジアン粒径(D50)が、0.5~160μmである、請求項1~3のいずれか1項に記載の含油アルミナ粒子粉末。
  5. 前記アルミナ粒子粉末のメジアン粒径(D50)が、50~160μmである、請求項4に記載の含油アルミナ粒子粉末。
  6. 前記含油アルミナ粒子粉末に含まれる油分が、油脂、シリコーンオイル、鉱物油から成る群より選ばれる、請求項1に記載の含油アルミナ粒子粉末。
  7. 前記含油アルミナ粒子粉末に含まれる油分が、フタル酸ジオクチル、シリコーンオイル、ステアリン酸、リノール酸、オレイン酸から成る群より選ばれる1種類以上である、請求項6に記載の含油アルミナ粒子粉末。
  8. 吸油量が0.5~3.0(ml/10g)であるアルミナ粒子粉末に対して、前記アルミナ粒子粉末の吸油率10~60%に相当する油分を含有させ、そして両者を混錬することを特徴とする、請求項1に記載の含油アルミナ粒子粉末の製造方法。
  9. 樹脂中に、請求項1~7のいずれか1項に記載された含油アルミナ粒子粉末を含有することを特徴とする、樹脂複合組成物。
  10. 請求項9に記載された樹脂複合組成物を硬化してなることを特徴とする、樹脂複合体。
  11. 樹脂中に、請求項1~7のいずれか1項に記載された含油アルミナ粒子粉末を含有させることを特徴とする、樹脂複合組成物の製造方法。
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