JP2023146660A - 建具 - Google Patents
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Abstract
【課題】断熱性及び防火性の向上を図る。【解決手段】枠体10と、枠体10に対して開閉可能に配設された扉体20とを備え、枠体10を構成する縦枠13が、金属によって成形された枠本体部13Bと、樹脂によって成形された戸当り部13Cとを有する建具であって、枠本体部13Bとは別体の金属によって成形され、閉じた状態の扉体20に対して見込み方向に重複する見付け板部53を有するとともに、見付け板部53と扉体20との間に戸当り部13Cが介在した状態で枠本体部13Bに支持された台座部材50を備え、台座部材50において戸当り部13Cによって覆われる見付け面53aには、閉じた状態の扉体20に対して見込み方向に重複する位置に熱膨張性部材60が配設されている。【選択図】図4
Description
本発明は、枠体を構成する枠材が、金属によって成形された金属枠部と、樹脂によって成形された樹脂枠部とを有する建具に関するものである。
建具には、断熱性を考慮して、アルミニウム合金等の金属によって成形された室外側の金属枠部と、樹脂によって成形された室内側の樹脂枠部とを有した枠材によって枠体を構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
ところで、上述の構成を有する建具では、火災発生時等のように高温に晒された場合、樹脂枠部が溶融、もしくは焼失する事態が生じ得る。このため、扉体と枠体との隙間が外部に露出することとなり、室内外方向に火炎の貫通口が生じる懸念があり、防火性の点で不利となる。
本発明は、上記実情に鑑みて、断熱性及び防火性の向上を図ることのできる建具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る建具は、枠体と、前記枠体に対して開閉可能に配設された扉体とを備え、前記枠体を構成する枠材が、金属によって成形された金属枠部と、樹脂によって成形された樹脂枠部とを有する建具であって、前記金属枠部とは別体の金属によって成形され、閉じた状態の前記扉体に対して見込み方向に重複する見付け部分を有するとともに、前記見付け部分と前記扉体との間に前記樹脂枠部が介在した状態で前記金属枠部に支持された台座部材を備え、前記台座部材において前記樹脂枠部によって覆われる表面には、閉じた状態の前記扉体に対して見込み方向に重複する位置に熱膨張性部材が配設されていることを特徴とする。
本発明によれば、閉じた状態の扉体に対して見込み方向に重複するように台座部材が設けてあり、かつ台座部材に熱膨張性部材が設けてあるため、高温に晒されて樹脂枠部が溶融、もしくは焼失したとしても熱膨張性部材が膨張することで室内外方向に火炎の貫通口が生じる事態を防止することができ、断熱性を有した建具の防火性を向上させることが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る建具の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下においては便宜上、見込み方向及び見付け方向という用語を用いる場合がある。見込み方向とは、図中の矢印Aで示すように、建具の奥行きに沿った方向である。見込み方向に沿った面については見込み面と称する場合がある。見付け方向とは、下枠等のように水平方向に沿って延在するものの場合、見込み方向に直交した上下に沿う方向である。縦枠等のように上下方向に沿って延在するものの場合には、見込み方向に直交した水平に沿う方向を見付け方向という。見付け方向に沿った面については、見付け面と称する場合がある。
(実施の形態1)
図1~図4は、本発明の実施の形態1である建具を示したものである。ここで例示する建具は、玄関のドアとして用いられるもので、枠体10と、枠体10に対して開閉可能に配設した扉体20とを備えて構成してある。図には明示していないが、扉体20は、一方の側縁部がヒンジ1を介して枠体10に支持してあり、上下に沿ったヒンジ軸を中心として室外側に開くことが可能である。枠体10は、上枠11、下枠12及び左右の縦枠13,14を四周組することによって構成したものである。それぞれの枠材11,12,13,14は、閉じた状態の扉体20に対して外周となる部分に配置される枠本体部11B,12B,13B,14Bと、扉体20の室内に臨む表面に対向するように配置される戸当り部11C,12C,13C,14Cとを有している。戸当り部11C,12C,13C,14Cにおいて室外に臨む部分には、四周で一連となるようにタイト材Dが装着してある。枠体10に対して扉体20を閉じた場合には、タイト材Dが扉体20の周縁部に当接することにより、水密性及び気密性が確保されることになる。
図1~図4は、本発明の実施の形態1である建具を示したものである。ここで例示する建具は、玄関のドアとして用いられるもので、枠体10と、枠体10に対して開閉可能に配設した扉体20とを備えて構成してある。図には明示していないが、扉体20は、一方の側縁部がヒンジ1を介して枠体10に支持してあり、上下に沿ったヒンジ軸を中心として室外側に開くことが可能である。枠体10は、上枠11、下枠12及び左右の縦枠13,14を四周組することによって構成したものである。それぞれの枠材11,12,13,14は、閉じた状態の扉体20に対して外周となる部分に配置される枠本体部11B,12B,13B,14Bと、扉体20の室内に臨む表面に対向するように配置される戸当り部11C,12C,13C,14Cとを有している。戸当り部11C,12C,13C,14Cにおいて室外に臨む部分には、四周で一連となるようにタイト材Dが装着してある。枠体10に対して扉体20を閉じた場合には、タイト材Dが扉体20の周縁部に当接することにより、水密性及び気密性が確保されることになる。
本実施の形態1では下枠12として、アルミニウム合金等の金属によって枠本体部12B及び戸当り部12Cを一体に成形したものを適用している。これに対して、上枠11及び左右の縦枠13,14としては、枠本体部11B,13B,14Bをアルミニウム合金等の金属によって成形する一方、戸当り部11C,13C,14Cを樹脂によって成形したものを適用している。以下、縦枠13,14の構成について詳述し、併せて本願発明の特徴部分について説明を行う。なお、縦枠13,14として互いに対称形状となるものを適用しているため、以下には戸先となる縦枠13を代表して説明することとする。
縦枠13の枠本体部(金属枠部)13B及び戸当り部(樹脂枠部)13Cは、それぞれ押し出し形材であり、長手に沿った全長にわたってほぼ一様の断面形状を有するように形成してある。図示の例では枠本体部13Bとして、中空状を成す枠基部31と、戸当り部13Cとの連結部となる連結受ヒレ部32と、躯体Eに固定するための釘ヒレ部33とを一体に成形したものを適用している。枠基部31の室内に臨む見付け面31aは、縦枠13を躯体Eに取り付ける場合に躯体E側に向いた被覆面となるもので、見付け方向に沿って延在した平坦状を成している。枠基部31において扉体20に対向する内周側の見込み面31bは、見込み方向に沿って延在した平坦状を成している。枠基部31において内周側の見込み面31bと室外に臨む見付け面31cとが交わる部分には、扉体20を閉じた際に扉体20の煙返し21が配置される凹状の段部31dが設けてある。連結受ヒレ部32は、枠基部31の室内に臨む見付け面31aにおいて内周側となる部分から室内に向けて見込み方向に延在したものである。釘ヒレ部33は、枠基部31の室内に臨む見付け面31aと外周側の見込み面31eとが交わる出隅部から室内に向けて見込み方向に延在した後、外周側に向けて突出するように延在したものである。
縦枠13の戸当り部13Cは、見付け方向に沿って延在する戸当り基部41と、戸当り基部41の外周側となる縁部に設けた連結ヒレ部42とを一体に成形したもので、連結ヒレ部42の外周側となる見込み面42aを連結受ヒレ部32の内周側となる見込み面32aに重ね合わせた状態で枠本体部13Bに連結してある。戸当り基部41は、見込み方向に対して見付け方向の寸法が大きな長方形断面の中空状を成すものである。戸当り基部41の見付け方向に沿った寸法は、閉じた状態の扉体20に対して見込み方向に重複する位置まで延在するように設定してある。連結ヒレ部42は、戸当り基部41の外周側となる部分から室外に向けて見込み方向に延在したもので、枠本体部13Bの連結受ヒレ部32よりも大きな延在長さを有している。この連結ヒレ部42は、連結受ヒレ部32の内周側となる見込み面32aに重ね合わせた場合に、内周側となる見込み面42bが枠基部31の内周側となる見込み面31bとほぼ同一の平面上に位置するように構成してある。
また、戸当り部13Cには、装着溝41a、膨出部43及びカバーヒレ部44が設けてある。装着溝41aは、上述したタイト材Dを装着するための凹所であり、戸当り基部41の室外に臨む見付け面41bにおいて内周側となる部分に開口している。膨出部43は、戸当り基部41の外周側となる見込み面から突出した長方形断面の中空状を成すものである。この膨出部43は、連結ヒレ部42を連結受ヒレ部32の内周側となる見込み面32aに重ね合わせた場合に、連結受ヒレ部32よりも外周側に突出し、かつ見付け面43aと連結受ヒレ部32との間に隙間が確保される寸法に設定してある。カバーヒレ部44は、戸当り基部41の内周側となる部分から室内に向けて見込み方向に延在したものである。本実施の形態1では、戸当り基部41の室内に臨む見付け面41b、膨出部43の外周側となる見込み面43b、カバーヒレ部44の外周側となる見込み面44aが、縦枠13を躯体Eに取り付ける場合に躯体E側に向いた被覆面となるものである。
上述の構成を有する縦枠13には、枠本体部13Bに別体の台座部材50が取り付けてあるとともに、台座部材50を介して熱膨張性部材60が配設してある。台座部材50は、鋼材やアルミニウム等の金属によって成形した薄板状部材であり、長手に沿った寸法が縦枠13とほぼ同じとなるように設定してある。本実施の形態1では、見込み板部51、取付板部52及び見付け板部(見付け部分)53を有した台座部材50を適用している。見込み板部51は、戸当り部13Cにおいて戸当り基部41の室内に臨む見付け面41bから連結ヒレ部42の延在縁部までの見込み方向に沿った寸法よりも大きな長さを有した平板状を成すものである。取付板部52及び見付け板部53は、見込み板部51の端部から互いに離反する方向に向けて延在した平板状を成すものである。見付け板部53は、見込み板部51を戸当り部13Cの膨出部43に当接させた場合、戸当り基部41の室内に臨む見付け面41bのほぼ全面を覆うことができるように寸法が設定してある。図示の例では、見込み板部51が膨出部43に当接し、かつ見付け板部53が戸当り基部41の室内に臨む見付け面41bを覆う状態で取付板部52を介して枠基部31の見付け面31aに金属製のネジ54を螺合することにより、台座部材50が枠本体部13Bに取り付けてある。
熱膨張性部材60は、熱により膨張する不燃性または難燃性の耐火部材であり、例えば熱膨張性を有した黒鉛含有の発泡材を適用することができる。本実施の形態1では、一定の幅を有した帯状を成す熱膨張性部材60が、台座部材50の見付け板部53において室外に臨む見付け面53a、換言すれば戸当り基部41の室内に臨む見付け面41bに対向する面53aの長手に沿った全長にわたる部分に隙間無く連続して配設してある。図示の例では、枠基部31の内周側となる見込み面31bから扉体20の戸先面20aまでの距離よりも大きな幅を有した熱膨張性部材60を適用し、枠基部31の内周側となる見込み面31bと扉体20の戸先面20aとの間の隙間、並びに扉体20に対してそれぞれ見込み方向に重複するように台座部材50に熱膨張性部材60が配設してある。
図からも明らかなように、この縦枠13は、台座部材50の取付板部52を含む枠基部31の室内に臨む見付け面31a、台座部材50の見込み板部51の外周側となる見込み面51a、見付け板部53の室内に臨む見付け面53b、カバーヒレ部44の外周側となる見込み面44aがそれぞれ躯体Eに対向する状態で躯体Eに取り付けられた状態となる。
上記のように構成した建具では、枠体10を構成する上枠11及び左右の縦枠13,14が、それぞれ金属によって成形した室外側の枠本体部13Bと、樹脂によって成形した室内側の戸当り部13Cとを有しているため、断熱性の点で有利となる。しかも、火災発生時等のように高温に晒されて戸当り部13Cが溶融、もしくは焼失したとしても、金属によって成形した台座部材50については枠本体部13Bに対して位置が維持されることになる。このため、台座部材50に配設した熱膨張性部材60が膨張することで扉体20との隙間が確実に塞がれることになり、室内外方向に火炎の貫通口が生じる事態を防止して防火性の点でも有利となる。加えて、台座部材50は、縦枠13の被覆面、つまり枠基部31の室内に臨む見付け面31a、戸当り基部41の室内に臨む見付け面41b、膨出部43の外周側となる見込み面43b、カバーヒレ部44の外周側となる見込み面44aに沿って配設してあるため、縦枠13を躯体Eに取り付けた場合に躯体Eよって覆われることになり、外部に露出することがない。熱膨張性部材60についても、戸当り部13Cの戸当り基部41によって覆われており、外部から視認することが困難である。従って、台座部材50及び熱膨張性部材60が建具の外観品質を損なう事態を招来するおそれもない。
なお、上述した実施の形態1では、取付板部52が直接枠基部31に当接した状態で枠本体部13Bに台座部材50を取り付けるようにしているが、図5に示す変形例のように、取付板部52と枠基部31との間に断熱材2を介在させるようにしても良い。この変形例によれば、台座部材50が熱橋となる事態を防止でき、断熱性の点でより有利になる。変形例において実施の形態1と同様の構成には同一の符号が付してある。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2である建具の縦枠部分を示したものである。ここで例示する建具は、図1に示した実施の形態1と同様、玄関のドアとして用いられるものである。図には明示していないが、本実施の形態2においても、アルミニウム合金等の金属によって枠本体部及び戸当り部を一体に成形した下枠を適用する一方、アルミニウム合金等の金属によって成形した枠本体部及び樹脂によって成形した戸当り部を備えて構成した上枠及び左右の縦枠を適用している。以下、実施の形態2の建具に適用する戸先側の縦枠113の構成について詳述し、併せて本願発明の特徴部分について説明を行う。
図6は、本発明の実施の形態2である建具の縦枠部分を示したものである。ここで例示する建具は、図1に示した実施の形態1と同様、玄関のドアとして用いられるものである。図には明示していないが、本実施の形態2においても、アルミニウム合金等の金属によって枠本体部及び戸当り部を一体に成形した下枠を適用する一方、アルミニウム合金等の金属によって成形した枠本体部及び樹脂によって成形した戸当り部を備えて構成した上枠及び左右の縦枠を適用している。以下、実施の形態2の建具に適用する戸先側の縦枠113の構成について詳述し、併せて本願発明の特徴部分について説明を行う。
縦枠113を構成する金属製の枠本体部(金属枠部)113B及び樹脂製の戸当り部(樹脂枠部)113Cは、それぞれ押し出し形材であり、長手に沿った全長にわたってほぼ一様の断面形状を有するように形成してある。縦枠113の枠本体部113Bは、中空状を成す枠基部131と、戸当り部113Cとの連結部となる連結受ヒレ部132及びフック部133と、躯体に固定するための釘ヒレ部134とを一体に成形したものである。枠基部131において扉体20に対向する内周側の見込み面131aは、見込み方向に沿って延在した平坦状を成している。連結受ヒレ部132は、枠基部131の室内に臨む見付け面131cのほぼ中央となる部分から室内に向けて見込み方向に延在したものである。連結受ヒレ部132の延在縁部には、内周側に向けて係合爪132aが突出するように設けてある。フック部133は、枠基部131の室内に臨む見付け面131cと内周側の見込み面131aとが交わる出隅部から室内に向けて延在した後、外周側に向けて屈曲したものである。釘ヒレ部134は、枠基部131の室内に臨む見付け面131cと外周側の見込み面131dとが交わる出隅部から外周側に向けて突出するように延在したものである。
縦枠113の戸当り部113Cは、見込み方向に沿って延在した連結部141と、連結部141の室内側となる部分から見付け方向に延在した戸当り基部142とを一体に成形したもので、連結部141の室外側となる部分を連結受ヒレ部132とフック部133との間に装着することによって枠本体部113Bに連結してある。連結部141の見付け方向に沿った寸法は、枠本体部113Bに装着した場合に、内周側となる見込み面141aが枠基部131の内周側となる見込み面131aとほぼ同一の平面上となるように設定してある。戸当り基部142の見付け方向に沿った寸法は、閉じた状態の扉体20に対して見込み方向に重複する位置まで延在するように設定してある。連結部141及び戸当り基部142は、互いに連通した中空状を成すものである。連結部141の中空内部には、支持壁部143が設けてある。支持壁部143は、見付け方向に沿って延在した板状を成すものである。
また、戸当り部113Cには、装着溝142a及びカバーヒレ部144が設けてある。装着溝142aは、タイト材Dを装着するための凹所であり、戸当り基部142の室外に臨む見付け面142bにおいて内周側となる部分に開口している。カバーヒレ部144は、戸当り基部142の内周側となる部分から室内に向けて見込み方向に延在したものである。
上述の構成を有する縦枠113には、戸当り部113Cの中空内部に台座部材150が取り付けてあるとともに、台座部材150に熱膨張性部材160が配設してある。台座部材150は、鋼材やアルミニウム等の金属によって成形した薄板状部材であり、長手に沿った寸法が縦枠113とほぼ同じとなるように設定してある。本実施の形態2では、見込み板部151、取付板部152及び見付け板部(見付け部分)153を有した台座部材150を適用している。見込み板部151は、戸当り部113Cの中空内部において支持壁部143と室内側において見付け方向に延在する部分までの見込み方向に沿った寸法とほぼ一致する長さを有した平板状を成すものである。取付板部152及び見付け板部153は、見込み板部151の端部から互いに離反する方向に向けて延在した平板状を成すものである。見付け板部153は、取付板部152を支持壁部143のほぼ中央となる部分に配置した場合に、戸当り基部142の中空内部において室内側に位置する見付け面142cのほぼ全面を覆うことができるように寸法が設定してある。図示の例では、見付け板部153が戸当り基部142の見付け面142cのほぼ全面を覆った状態で、取付板部152、支持壁部143を介して枠基部131に金属製のネジ154を螺合することにより、台座部材150が枠本体部113Bに取り付けてある。熱膨張性部材160は、熱により膨張する不燃性または難燃性の耐火部材であり、例えば熱膨張性を有した黒鉛含有の発泡材を適用することができる。本実施の形態2では、一定の幅を有した帯状を成す熱膨張性部材160が、台座部材150の見付け板部153において室外に臨む見付け面153aの長手に沿った全長にわたる部分に隙間無く連続して配設してある。図示の例では、枠基部131の内周側となる見込み面131aから扉体20の戸先面20aまでの距離よりも大きな幅を有した熱膨張性部材160を適用し、枠基部131の内周側となる見込み面131aと扉体20の戸先面20aとの間の隙間、並びに扉体20に対してそれぞれ見込み方向に重複するように台座部材150に熱膨張性部材160が配設してある。
上記のように構成した建具では、枠体10を構成する縦枠113が、金属によって成形した室外側の枠本体部113Bと、樹脂によって成形した室内側の戸当り部113Cとを有しているため、断熱性の点で有利となる。しかも、火災発生時等のように高温に晒されて戸当り部113Cが溶融、もしくは焼失したとしても、金属によって成形した台座部材150については枠本体部113Bに対して位置が維持されることになる。このため、台座部材150に配設した熱膨張性部材160が膨張することで扉体20との隙間が確実に塞がれることになり、室内外方向に火炎の貫通口が生じる事態を防止して防火性の点でも有利となる。加えて、台座部材150及び熱膨張性部材160は、戸当り部113Cの中空内部に配設してあるため、外部に露出することがない。従って、台座部材150及び熱膨張性部材160が建具の外観品質を損なう事態を招来するおそれもない。さらに、台座部材の取付板部152と枠基部131との間に樹脂によって成形された戸当り部113Cが介在するため、台座部材150が熱橋となる事態を防止でき、断熱性の点でより有利になる。
図7は、実施の形態2の変形例を示すものである。この変形例では、実施の形態2の構成に加えて、装着溝142aに追加の熱膨張性部材161を配設するようにしている。その他の構成については実施の形態2と同様である。この変形例によれば、建具が高温に晒された場合、中空内部に配設した熱膨張性部材160に加えて、追加の熱膨張性部材161が膨張することで室内外方向に火炎の貫通口が生じる事態をより確実に防止することができるようになる。
なお、上述した実施の形態1及び実施の形態2では、いずれも玄関のドアとして用いられる建具を例示しているが、本発明は、枠体を構成する枠材が、金属によって成形された金属枠部と、樹脂によって成形された樹脂枠部とを有するものであれば、その他の建具にも適用することが可能である。また、縦枠にのみ台座部材及び熱膨張性部材を設けるようにしているが、上枠に適用しても良いし、下枠が金属枠部と樹脂枠部とを有するものであれば下枠に適用しても構わない。この場合、枠体を構成する枠材のいずれか一つに台座部材が設けてあれば十分であり、必ずしも2以上の枠材に台座部材を設ける必要はない。
また、上述した実施の形態1及び実施の形態2では、見込み方向において扉体と枠体との隙間に重複する位置まで熱膨張性部材を設けるようにしているため、熱膨張性部材によって直接隙間を塞ぐことができる等の利点があるが、少なくとも閉じた状態の扉体に対して見込み方向に重複する位置に熱膨張性部材が配設されていれば良い。さらに、熱膨張性部材としては、枠材の長手に沿って一連となるように配設する必要はなく、膨張した際に連続するように複数に分割するように配設しても構わない。また、台座部材についても、枠材の長手に沿って連続している必要はない。
さらに、上述した実施の形態1及び実施の形態2で記載した金属枠部の具体的な形状、樹脂枠部の具体的な形状、台座部材の具体的な形状は、いずれも例示のために記載したものであり、その他の形状であっても構わない。
以上のように、本発明に係る建具は、枠体と、前記枠体に対して開閉可能に配設された扉体とを備え、前記枠体を構成する枠材が、金属によって成形された金属枠部と、樹脂によって成形された樹脂枠部とを有する建具であって、前記金属枠部とは別体の金属によって成形され、閉じた状態の前記扉体に対して見込み方向に重複する見付け部分を有するとともに、前記見付け部分と前記扉体との間に前記樹脂枠部が介在した状態で前記金属枠部に支持された台座部材を備え、前記台座部材において前記樹脂枠部によって覆われる表面には、閉じた状態の前記扉体に対して見込み方向に重複する位置に熱膨張性部材が配設されていることを特徴としている。
この発明によれば、閉じた状態の扉体に対して見込み方向に重複するように台座部材が設けてあり、かつ台座部材に熱膨張性部材が設けてあるため、高温に晒されて樹脂枠部が溶融、もしくは焼失したとしても熱膨張性部材が膨張することで室内外方向に火炎の貫通口が生じる事態を防止することができ、断熱性を有した建具の防火性を向上させることが可能となる。
この発明によれば、閉じた状態の扉体に対して見込み方向に重複するように台座部材が設けてあり、かつ台座部材に熱膨張性部材が設けてあるため、高温に晒されて樹脂枠部が溶融、もしくは焼失したとしても熱膨張性部材が膨張することで室内外方向に火炎の貫通口が生じる事態を防止することができ、断熱性を有した建具の防火性を向上させることが可能となる。
また本発明は、上述した建具において、前記熱膨張性部材は、前記枠材と前記扉体との間に構成される隙間の延長上となる部分にまで設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、熱膨張性部材が膨張することにより、直接枠体と扉体との間の隙間を塞ぐことが可能となる。
この発明によれば、熱膨張性部材が膨張することにより、直接枠体と扉体との間の隙間を塞ぐことが可能となる。
また本発明は、上述した建具において、前記金属枠部及び前記樹脂枠部は、躯体側に向く被覆面を有し、前記台座部材は、前記被覆面に沿って延在する状態で前記金属枠部に支持されていることを特徴としている。
この発明によれば、建具を躯体に取り付けた状態においては台座部材が躯体によって覆われた状態となり、建具の外観品質が損なわれる事態を招来する懸念がなくなる。
この発明によれば、建具を躯体に取り付けた状態においては台座部材が躯体によって覆われた状態となり、建具の外観品質が損なわれる事態を招来する懸念がなくなる。
また本発明は、上述した建具において、前記台座部材と前記金属枠部との連結部分には前記樹脂枠部とは別体の断熱材が介在されていることを特徴としている。
この発明によれば、台座部材が熱橋となる事態を防止でき、断熱性の点でより有利となる。
この発明によれば、台座部材が熱橋となる事態を防止でき、断熱性の点でより有利となる。
また本発明は、上述した建具において、前記樹脂枠部には、見込み方向において前記扉体に対向する部分に中空部が設けられ、前記中空部の内部に前記台座部材及び前記熱膨張性部材が配設されていることを特徴としている。
この発明によれば、台座部材が外部に露出することがなく、建具の外観品質が損なわれる事態を招来する懸念がなくなる。
この発明によれば、台座部材が外部に露出することがなく、建具の外観品質が損なわれる事態を招来する懸念がなくなる。
また本発明は、上述した建具において、前記台座部材と前記金属枠部との連結部分には前記樹脂枠部が介在されていることを特徴としている。
この発明によれば、台座部材が熱橋となる事態を防止でき、断熱性の点でより有利となる。
この発明によれば、台座部材が熱橋となる事態を防止でき、断熱性の点でより有利となる。
また本発明は、上述した建具において、前記樹脂枠部において前記扉体に対向する部分には、タイト材を装着する装着溝が設けられ、前記装着溝において前記タイト材によって覆われる位置に追加の熱膨張性部材が配設されていることを特徴としている。
この発明によれば、追加の熱膨張性部材が膨張することで室内外方向に火炎の貫通口が生じる事態をより確実に防止することができる。
この発明によれば、追加の熱膨張性部材が膨張することで室内外方向に火炎の貫通口が生じる事態をより確実に防止することができる。
2 断熱材、10 枠体、13,113 縦枠、13B,113B 枠本体部、13C,113C 戸当り部、20 扉体、31a 枠基部の見付け面(被覆面)、41a,142a 装着溝、41b 戸当り基部の見付け面(被覆面)、43b 膨出部の見込み面(被覆面)、44a カバーヒレ部の見込み面(被覆面)、50,150 台座部材、53,53a 見付け面、60,160,161 熱膨張性部材、153,153a 見付け面、D タイト材、E 躯体
Claims (7)
- 枠体と、前記枠体に対して開閉可能に配設された扉体とを備え、
前記枠体を構成する枠材が、金属によって成形された金属枠部と、樹脂によって成形された樹脂枠部とを有する建具であって、
前記金属枠部とは別体の金属によって成形され、閉じた状態の前記扉体に対して見込み方向に重複する見付け部分を有するとともに、前記見付け部分と前記扉体との間に前記樹脂枠部が介在した状態で前記金属枠部に支持された台座部材を備え、
前記台座部材において前記樹脂枠部によって覆われる表面には、閉じた状態の前記扉体に対して見込み方向に重複する位置に熱膨張性部材が配設されていることを特徴とする建具。 - 前記熱膨張性部材は、前記枠材と前記扉体との間に構成される隙間の延長上となる部分にまで設けられていることを特徴とする請求項1に記載の建具。
- 前記金属枠部及び前記樹脂枠部は、躯体側に向く被覆面を有し、
前記台座部材は、前記被覆面に沿って延在する状態で前記金属枠部に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の建具。 - 前記台座部材と前記金属枠部との連結部分には前記樹脂枠部とは別体の断熱材が介在されていることを特徴とする請求項1に記載の建具。
- 前記樹脂枠部には、見込み方向において前記扉体に対向する部分に中空部が設けられ、
前記中空部の内部に前記台座部材及び前記熱膨張性部材が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の建具。 - 前記台座部材と前記金属枠部との連結部分には前記樹脂枠部が介在されていることを特徴とする請求項1に記載の建具。
- 前記樹脂枠部において前記扉体に対向する部分には、タイト材を装着する装着溝が設けられ、
前記装着溝において前記タイト材によって覆われる位置に追加の熱膨張性部材が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の建具。
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