JP2023146608A - ゲートドライブ回路、試験装置及び切替方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】パワー半導体の動特性試験を効率良く行える技術を提供する。【解決手段】ゲートドライブ回路は、パワー半導体の動特性試験に用いられ回路であって、パワー半導体のゲートのゲート電圧を変化させる電圧源と、電圧源とゲートとに並列接続された複数の抵抗設定回路と、複数の抵抗設定回路のうち少なくとも1つの抵抗設定回路を、電圧源とゲートとに接続する切替回路とを備える。【選択図】図2
Description
本発明は、ゲートドライブ回路、試験装置及び切替方法に関する。
特許文献1に記載されたパワー半導体の試験装置は、試験の測定に用いられる複数のユニットの一部が着脱可能に構成される。要求される試験の測定項目に応じて、必要なユニットが装着され、不要なユニットが取り外される。
特許文献1記載の装置においては、パワー半導体の動特性試験の測定項目に応じて構成変更のための着脱作業が必要となる。このため、試験に時間がかかるおそれがある。本発明は、パワー半導体の試験を効率良く行える技術を提供する。
本実施の形態の一態様であるゲートドライブ回路は、パワー半導体の動特性試験に用いられる回路であって、パワー半導体のゲートのゲート電圧を変化させる電圧源と、電圧源とゲートとに並列接続された複数の抵抗設定回路と、複数の抵抗設定回路のうち少なくとも1つの抵抗設定回路を電圧源とゲートとに接続する切替回路とを備える。
本実施の形態によれば、パワー半導体の動特性試験を効率良く行える技術を提供することができる。
(本実施の形態)
以下、図面を参照して、本実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は繰り返さない。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。「上」「下」「左」「右」の語は、図示する状態に基づくものであり、便宜的なものである。
以下、図面を参照して、本実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は繰り返さない。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。「上」「下」「左」「右」の語は、図示する状態に基づくものであり、便宜的なものである。
図1は、本実施の形態による試験装置1の外観を示す図である。試験装置1は、例えば、第1の筐体13、第2の筐体14、第3の筐体15及び第4の筐体16を備える。第1の筐体13は、パワー半導体100と試験装置1とを接続する接続部11と本体部12とを有する。試験装置1は、1つの筐体で構成されてもよい。
接続部11は、例えば、プローブなどを有し、様々な物理的な形状のパワー半導体と接続することができる。例えば、本体部12は、後述のゲートドライブ回路3とセンサ4とを有する。
例えば、第3の筐体15は、パワー半導体100の静特性を試験するための筐体とする。例えば、第2の筐体14は、後述のコントローラ2を有する。例えば、第4の筐体16は、試験装置1の使用者が試験の設定をするためのキーボード及びマウスといった入力装置を有する。
例えば、第4の筐体16は、設定及び設定の確認のうちの少なくとも1つを行うための提示装置(例えばスピーカ、マイク及びディスプレイのうちの少なくとも1つ)などを有する。例えば、入力装置及び提示装置は、試験装置1の使用者が後述の抵抗の値などを設定する際などに使用する。
図2は、実施形態に係る試験装置1の回路図の例を示す図である。図2に示す試験装置1は、パワー半導体100の試験を行うための装置である。例えば、パワー半導体100は、モータ、照明又はバッテリーなどの制御として、交流を直流にしたり電圧を5Vや3Vなどに降圧したりする電力の変換などを行う半導体であって、扱う電圧又は電流が大きい半導体を指す。
例えば、パワー半導体100は、エミッタ、コレクタ及びゲートを有するような、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)とする。パワー半導体100の試験は、静特性(DC:Direct Current)試験及び動特性(AC:Alternating Current)試験を含む。
パワー半導体100の静特性試験とは、パワー半導体100に印加される電圧や通電さえる電流が一定であって、パワー半導体100に印加される電圧や通電される電流が変更されない試験を指す。
パワー半導体100の動特性試験とは、パワー半導体100に印加される電圧や通電される電流が変化し、パワー半導体100に印加される電圧や通電される電流が変更される試験を指す。
例えば、静特性試験として、パワー半導体100における、全ゲート電荷、コレクタ遮断電流、ゲートエミッタ間閾値電圧、ゲートエミッタ間漏れ電流、及びコレクタエミッタ間電圧Vceなどの特性が測定され得る。例えば、コレクタエミッタ間電圧Vceは、コレクタとエミッタとの間の電圧を指す。
例えば、動特性試験として、パワー半導体100における、ターンオン遅れ時間、ターンオン上昇時間、ターンオフ遅れ時間、ターンオフ下降時間、逆回復時間、逆回復電荷、スイッチング測定及び短絡耐量測定などが行われる。例えば、ターンオンは、パワー半導体100に対して通電を始めることを指し、ターンオフは、パワー半導体100に対して通電をやめることを指す。
静特性試験及び動特性試験の測定項目は、ユーザの要求仕様に応じて適宜選択される。以下では、例えば、パワー半導体100のコレクタエミッタ間電圧Vceを計測する動特性試験について説明するが、本実施の形態は、動特性試験に限定されない。
図2に示すように、試験装置1は、後述の切替処理を行うコントローラ2、ゲートドライブ回路3及びセンサ4を備える。コントローラ2は、例えば、ゲートドライブ回路3に接続される。
コントローラ2は、パワー半導体100のゲートのON/OFFを制御するゲート信号Sgeを出力する。例えば、ゲート信号Sgeは、パワー半導体100のゲートのONを示すON信号(例えば1)と、パワー半導体100のゲートのOFFを示すOFF信号(例えば0)とからなるパルス信号とする。
ゲートドライブ回路3においては、コントローラ2から出力されたゲート信号Sgeに応じて、パワー半導体100のゲートにゲート電圧Vgeが印加される。コントローラ2は、ゲート信号Sgeの他に、ゲートドライブ回路3の構成要素を駆動させる後述の他の信号も出力可能に構成される。
コントローラ2は、信号出力が可能であればハードウェアは特に限定されない。コントローラ2は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read onlymemory)、RAM(Random Access Memory)などを有するコンピュータとして構成されてもよいし、PLC(Programmable Logic Controller)又はFPGA(FieldProgramable Gate Array)などで構成されてもよい。
ゲートドライブ回路3は、電圧源、複数の抵抗設定回路及び切替回路を備え、例えばゲートドライブ回路3は、パワー半導体100を試験対象とした動特性試験に用いられる。例えば、電圧源から印加される電圧によって引き起こされるパワー半導体100のゲート電圧Vgeの変化によって、コレクタエミッタ間電圧Vceが変化する。電圧源からの電圧によってゲート電圧Vgeは変化するといえる。
例えば、複数の抵抗設定回路は電圧源とゲートとに並列接続され、切替回路は複数の抵抗設定回路のうち少なくとも1つの抵抗設定回路を電圧源とゲートとに接続される。抵抗設定回路と切替回路とを含む回路を抵抗回路と呼んでもよく、例えば、抵抗回路は、後述のON抵抗回路31及びOFF抵抗回路32のうちの少なくとも1つ以上を指す。
例えば、電圧源は後述のON電圧源VGP及びOFF電圧源VGNを指し、複数の抵抗設定回路は後述のON抵抗設定回路311,312及びOFF抵抗設定回路321,322を指す。例えば、切替回路はON抵抗切替回路313及び後述のOFF抵抗切替回路323を指す。
ゲートドライブ回路3は、コントローラ2から出力されたゲート信号Sgeに応じて、パワー半導体100のゲートにゲート電圧Vgeを印加してパワー半導体100のゲートをON/OFFにすることで、パワー半導体100の、例えば、コレクタエミッタ間電圧Vceを変化させる。ゲートドライブ回路3は、ゲート信号SgeがON信号である場合に動作する構成として、ON電圧源VGP及びON抵抗回路31を有する。
例えば、ON電圧源VGPは、エミッタ、コレクタ及びベースを有するようなトランジスタなどの半導体素子を介してON抵抗回路31に接続される。ON抵抗回路31は、予め設定された抵抗の値を有するゲート抵抗である。ゲート抵抗とはパワー半導体100のゲートに流れ込む電流を制限する抵抗を指す。
予め設定された抵抗の値とは、動特性試験前に設定された抵抗の値であり、動特性試験の内容に応じて決定される。以下、トランジスタは、特に断りのない限り、例えば、エミッタ、コレクタ及びベースを有するようなバイポーラトランジスタを指すものとする。
例えば、ON抵抗回路31は、直列的に接続された抵抗と、各抵抗に用意されたスイッチ及びリレーを含む。コントローラ2は、各抵抗のリレーを制御するOFF抵抗設定信号Sa,Sb、ON抵抗設定信号Sd,Seを出力する。OFF抵抗設定信号Sa,Sb、ON抵抗設定信号Sd,Seなどを単に抵抗設定信号と呼んでもよい。
コントローラ2は、OFF抵抗切替信号Sc及びON抵抗切替信号Sfを出力する。コントローラ2は、ON抵抗回路31及びOFF抵抗回路32のゲート抵抗の抵抗の値を動特性試験前に予め設定する。OFF抵抗切替信号Sc及びON抵抗切替信号Sfのうちの少なくとも1つ以上を単に切替信号と呼んでもよい。
ゲートドライブ回路3においては、ゲート信号SgeがON信号である場合、ON電圧源VGPに接続されたトランジスタが動作し、ON電圧源VGPからON抵抗回路31に電圧が印加され、パワー半導体100のゲート電圧Vgeの変化によって、例えばコレクタエミッタ間電圧Vceが変化する。例えば、ON抵抗回路31は、パワー半導体100の動特性試験の際、ゲート電圧Vgeのターンオンの際のゲート駆動条件を変更することができる。
ON抵抗回路31は、ON電圧源VGPとパワー半導体100のゲートとに並列接続された複数の抵抗設定回路を有する。例えば、ON抵抗回路31は、図2のように、第1の抵抗設定回路(以下、これをON抵抗設定回路と呼んでもよい)311及び第2の抵抗設定回路(以下、これをON抵抗設定回路と呼んでもよい)312を有する。
第1の抵抗設定回路311及び第2の抵抗設定回路312は、予め設定された抵抗の値を有するゲート抵抗である。第1の抵抗設定回路311は、直列的に接続された抵抗と、各抵抗に用意されたスイッチ及びリレーを含む。コントローラ2は、第1の抵抗設定回路311が有するリレーを制御するON抵抗設定信号Sdを出力する。
第2の抵抗設定回路312は、第1の抵抗設定回路311と同様に、直列的に接続された抵抗と、各抵抗に用意されたスイッチ及びリレーを含む。コントローラ2は、第2の抵抗設定回路312が有するリレーを制御するON抵抗設定信号Seを出力する。第1の抵抗設定回路311及び第2の抵抗設定回路312が有するそれぞれのゲート抵抗(第1の抵抗及び第2の抵抗)の抵抗の値は動特性試験前に予め設定される。
コントローラ2は、第1の抵抗設定回路311の第1抵抗の値と第2の抵抗設定回路312の第2の抵抗の値とが異なるように、各ON抵抗のリレーを制御するON抵抗設定信号Sd,Seを予め設定する。
例えば、ON抵抗回路31は、複数の抵抗設定回路のうち少なくとも1つの抵抗設定回路を、ON電圧源VGPとパワー半導体100のゲートとに接続するON抵抗切替回路313を有する。図2では、ON抵抗切替回路313は、第1の抵抗設定回路311及び第2の抵抗設定回路312を切り替える。
ON抵抗切替回路313は、第1の抵抗設定回路311及び第2の抵抗設定回路312のそれぞれの出力側に設けられる。例えば、図2に示すように、ON抵抗切替回路313は、コントローラ2によって出力されたON抵抗切替信号Sfに応じて動作する半導体素子を含んでもよい。例えば、半導体素子は、トランジスタとする。
ON抵抗回路31は、ゲート信号SgeがON信号である場合、ON電圧源VGPに接続されたトランジスタが動作することで動作する。また、ON抵抗切替信号Sfによって決定されたON抵抗回路31の抵抗の値及びON電圧源VGPによる電圧によってゲート電圧Vgeが決定され、ゲート電圧Vgeがパワー半導体100のゲートに印加される。
例えば、コントローラ2は、ゲート信号Sgeの開始から終了までの1つの試験、例えば1つの動特性試験の間に、ON抵抗切替信号Sfを出力する。ON抵抗切替回路313は、第1の抵抗設定回路311及び第2の抵抗設定回路312からON抵抗切替信号Sfに応じて選択された抵抗設定回路を、ON電圧源VGPとパワー半導体100のゲートとに接続する。例えば、本実施の形態における1つの試験とは任意の一連のゲート信号Sgeが送信されている間とする。
ゲートドライブ回路3は、ゲート信号SgeがOFF信号である場合に動作する構成として、OFF電圧源VGN及びOFF抵抗回路32を有する。OFF電圧源VGNは、例えばトランジスタなどの半導体素子を介してOFF抵抗回路32に接続される。OFF抵抗回路32によって、パワー半導体100の動特性試験の際、ゲート電圧Vgeのターンオフの際のゲート駆動条件を変更することができる。
OFF抵抗回路32は、OFF電圧源VGNとパワー半導体100のゲートとに並列接続された複数の抵抗設定回路を有する。例えば、OFF抵抗回路32は、図2のように、第3の抵抗設定回路(以下、これをOFF抵抗設定回路と呼んでもよい)321及び第4の抵抗設定回路(以下、これをOFF抵抗設定回路と呼んでもよい)322を有する。
第3の抵抗設定回路321及び第4の抵抗設定回路322は、予め設定された抵抗の値を有するゲート抵抗である。第3の抵抗設定回路321は、直列的に接続された抵抗と、各抵抗に用意されたスイッチ及びリレーを含む。コントローラ2は、第3の抵抗設定回路321が有するリレーを制御するOFF抵抗設定信号Saを出力する。
第4の抵抗設定回路322は、第3の抵抗設定回路321と同様に、直列的に接続された抵抗と、各抵抗に用意されたスイッチ及びリレーを含む。コントローラ2は、第4の抵抗設定回路322が有する各抵抗のリレーを制御するOFF抵抗設定信号Sbを出力する。第3の抵抗設定回路321及び第4の抵抗設定回路322が有するそれぞれのゲート抵抗(第3の抵抗及び第4の抵抗)の抵抗の値は動特性試験前に予め設定される。
コントローラ2は、第3の抵抗設定回路321の第3の抵抗の値と第4の抵抗設定回路322の第4の抵抗の値とが異なるように、各OFF抵抗のリレーを制御するOFF抵抗設定信号Sa,Sbを予め設定する。
例えば、OFF抵抗回路32は、複数の抵抗設定回路のうち少なくとも1つの抵抗設定回路を、OFF電圧源VGNとパワー半導体100のゲートとに接続するOFF抵抗切替回路323を有する。図2では、OFF抵抗切替回路323は、第3の抵抗設定回路321及び第4の抵抗設定回路322を切り替える。
OFF抵抗切替回路323は、第3の抵抗設定回路321及び第4の抵抗設定回路322のそれぞれの出力側に設けられる。例えば、図2に示すように、OFF抵抗切替回路323は、コントローラ2によって出力されたOFF抵抗切替信号Scに応じて動作する半導体素子を含んでもよい。例えば、半導体素子は、トランジスタとする。
OFF抵抗回路32は、ゲート信号SgeがOFF信号である場合、OFF電圧源VGNに接続されたトランジスタが動作することで動作する。OFF抵抗切替信号Scによって決定されたOFF抵抗回路32の抵抗の値及びOFF電圧源VGNによる電圧によってゲート電圧Vgeが決定され、ゲート電圧Vgeがパワー半導体100のゲートに印加される。
例えば、コントローラ2は、ゲート信号Sgeの開始から終了までの1つの試験、例えば1つの動特性試験の間に、OFF抵抗切替信号Scを出力する。OFF抵抗切替回路323は、第3の抵抗設定回路321及び第4の抵抗設定回路322からOFF抵抗切替信号Scに応じて選択された抵抗設定回路を、OFF電圧源VGNとパワー半導体100のゲートとに接続する。例えば、ON抵抗切替回路313又はOFF抵抗切替回路323のような切替回路によって、1つの試験、例えば1つの動特性試験の間に、ゲート抵抗が、動的に切り替えられる。
センサ4は、パワー半導体100のコレクタエミッタ間電圧Vceを計測する電圧計である。センサ4の検出結果に基づいて、例えばコレクタエミッタ間電圧Vceの変化を検出するような動特性が試験される。
まず、動特性試験中にゲート抵抗の切替が発生しない例を説明する。図3は、試験装置1に係る信号の例である。図3の(A)はゲート信号Sgeを示す。図3の(A)のように、ゲート信号SgeはONとOFFとを繰り返すパルス信号となる。ゲート信号Sgeの開始から終了までの期間Tが1つの試験、例えば1つの動特性試験の期間(間)となる。例えば、期間Tは数十μs程度とする。
図3の(B)はOFF抵抗設定信号Saであって、第3の抵抗設定回路321の第3抵抗の値Aの一例であり、図3の(C)はOFF抵抗設定信号Sbであって、第4の抵抗設定回路322の第4の抵抗の値Bを示す。第3の抵抗の値A及び第4の抵抗の値Bは、動特性試験の開始前に決定され、動特性試験中に変更されないため、一定値となる。
図3の(D)はOFF抵抗切替信号Scの例であり、図3の(E)は1つの試験の際にゲートドライブ回路3で実際に出力されるゲート抵抗の値を制御するための信号であるOFF抵抗設定実出力信号を示す。
図3の(D)のように、OFF抵抗切替信号Scは一定値であり、OFF抵抗切替信号Scが一定値の場合、動特性試験中にOFF抵抗回路32においてゲート抵抗の切替が発生しない。
動特性試験中にOFF抵抗回路32においてゲート抵抗の切替が発生しないため、図3の(E)のように、動特性試験中はOFF抵抗回路32においてゲート抵抗の抵抗の値が第3の抵抗の値Aに設定されることになる。
図3の(F)はON抵抗設定信号Sdであって、第1の抵抗設定回路311の第1の抵抗の値Cを示し、図3の(G)はON抵抗設定信号Seであって、第2の抵抗設定回路312の第2の抵抗の値Dを示す。第1の抵抗の値C及び第2の抵抗の値Dは、動特性試験の開始前に決定され、動特性試験中に変更されないため、一定値となる。
図3の(H)はON抵抗切替信号Sfの例であり、図3の(I)は1つの試験の際にゲートドライブ回路3で実際に出力されるゲート抵抗の値を制御するための信号であるON抵抗設定実出力信号を示す。
図3の(H)のように、ON抵抗切替信号Sfは一定値であり、ON抵抗切替信号Sfは一定値の場合、動特性試験中にON抵抗回路31においてゲート抵抗の切替が発生しない。
動特性試験中にON抵抗回路31においてゲート抵抗の切替が発生しないため、図3の(I)のように、動特性試験中はON抵抗回路31においてゲート抵抗の抵抗の値が第1の抵抗の値Cに設定されることになる。
図3の(J)はゲート電圧Vge、図3の(G)はコレクタエミッタ間の電流であるコレクタエミッタ間電流Ice、図3の(L)はコレクタエミッタ間電圧Vceを示す。例えば、図3の(J)~(L)を参照することで動特性が評価される。
次に、動特性試験中にゲート抵抗の切替が発生する例を説明する。図4は、試験装置1に係る信号の他の例である。図4の(A)~(L)は、図3の(A)~(L)に対応する。図4の(D)に示すように、OFF抵抗切替信号Scは第3の抵抗の値Aから第4の抵抗の値Bへと切り替える信号であり、図4の(H)に示すように、ON抵抗切替信号Sfは第1の抵抗の値Cから第2の抵抗の値Dへと切り替える信号である。
ゲート抵抗の値が第3の抵抗の値Aから第4の抵抗の値Bへと切り替わる場合、動特性試験中にゲート抵抗の切替が発生し、図4の(E)に示すように、動特性試験中にOFF抵抗回路のゲート抵抗の値が第3の抵抗の値Aから第4の抵抗の値Bに設定されることになる。
ゲート抵抗の値が第1の抵抗の値Cから第2の抵抗の値Dへと切り替わる場合、動特性試験中にゲート抵抗の切替が発生し、図4の(I)に示すように、動特性試験中にON抵抗回路のゲート抵抗の値が第1の抵抗の値Cから第2の抵抗の値Dに設定されることになる。
図4の(J)~(L)に示される破線は、図3の(J)~(L)の結果である。図4の(J)に示すように、1つの試験の期間Tにおいて、ゲート電圧Vgeのターンオフの際の波形42,44が、第3の抵抗の値Aに対応する波形42と、第4の抵抗の値Bに対応する波形44との2つ波形となる。
図4の(K)に示すように、1つの試験の期間Tにおいて、コレクタエミッタ間電流Iceのターンオフの際の波形46,48が、第3の抵抗の値Aに対応する波形46と、第4の抵抗の値Bに対応する波形48との2つ波形となる。
図4の(L)に示すように、1つの試験の期間Tにおいて、コレクタエミッタ間電圧Vceのターンオンの際の波形50,52が、第3の抵抗の値Aに対応する波形50と、第4の抵抗の値Bに対応する波形52との2つ波形となる。
図4の(J)に示すように、1つの試験の期間Tにおいて、ゲート電圧Vgeのターンオンの際の波形41,43が、第1の抵抗の値Cに対応する波形41と、第2の抵抗の値Dに対応する波形43との2つ波形となる。
図4の(K)に示すように、1つの試験の期間Tにおいて、コレクタエミッタ間電流Iceのターンオンの際の波形45,47が、第1の抵抗の値Cに対応する波形45と、第2の抵抗の値Dに対応する波形47との2つ波形となる。
図4の(L)に示すように、1つの試験の期間Tにおいて、コレクタエミッタ間電圧Vceのターンオフの際の波形49,51が、第1の抵抗の値Cに対応する波形49と、第2の抵抗の値Dに対応する波形51との2つ波形となる。波形41~52は、例えばパワー半導体100に印加される電圧又は通電される電流の単位時間当たりの変化量を示す。
1つの試験、例えば、1つの動特性試験で2パターンのゲート電圧条件で試験を行うことができる。このため、例えば、図4の(J)に示すように、1つの動特性試験で、ターンオフの際のコレクタエミッタ間電圧Vceを2パターンのゲート電圧条件で評価でき、ターンオンの際のコレクタエミッタ間電圧Vceに関しても2パターンのゲート電圧条件で評価できる。コレクタエミッタ間電流Iceに関してもコレクタエミッタ間電圧Vceと同様に評価できる。
パワー半導体100の動特性試験では、動特性試験の内容及び検査対象の特性に応じて、ゲート駆動条件(例えばゲート抵抗)を変更する必要があるが、ゲート駆動条件の設定は、一般的にリレーを使用するため時間がかかる。
図2~図4に示すように、本実施の形態におけるゲートドライブ回路3や試験装置1においては、ゲート信号Sge、OFF抵抗設定信号Sa,Sb、OFF抵抗切替信号Sc、ON抵抗設定信号Sd,Se及びON抵抗切替信号Sfなどが入力となり、ゲート電圧Vge、コレクタエミッタ間電流Ice及びコレクタエミッタ間電圧Vceが出力となる。本実施の形態におけるゲートドライブ回路3及び試験装置1は、動特性試験中に複数のゲート駆動条件での試験が行えるため、試験を効率良く行える。
次に図5を用いてゲート信号SgeがOFF信号の際の、1つの動特性試験におけるコントローラ2が行う切替処理について説明する。図5は切替処理を示すフローチャートである。
切替処理は、概要としては、コントローラ2によって行われる切替方法であって、抵抗設定信号を出力する第1のステップ(ステップS1)と、ゲート信号Sgeを出力する第2のステップ(ステップS2)と、抵抗切り替え信号を出力する第3のステップ(ステップS3)と、を備える。
例えば、コントローラ2が備えるRAMにOFF抵抗設定信号Sa,SbやOFF抵抗切替信号ScやON抵抗設定信号Sd,SeやON抵抗切替信号Sfなどが保存されているものとする。
例えば、OFF抵抗設定信号Sa,SbやOFF抵抗切替信号ScやON抵抗設定信号Sd,SeやON抵抗切替信号Sfなどは、通信によって試験装置1とは別の装置から送信されるものとする。
まず、コントローラ2は、OFF抵抗設定信号Sa,Sb及びON抵抗設定信号Sd,Seを例えばROMから読み出して、OFF抵抗設定信号Sa,Sb及びON抵抗設定信号Sd,Seを第3の抵抗設定回路321及び第4の抵抗設定回路322並びに第1の抵抗設定回路311及び第2の抵抗設定回路312に出力する(ステップS1)。次に、コントローラ2は、ゲート信号Sgeを出力する(ステップS2)。
次に、コントローラ2は、OFF抵抗切替信号Sc及びON抵抗切替信号Sfを例えばRAMから読み出して、OFF抵抗切替信号Sc及びON抵抗切替信号Sfをゲートドライブ回路3のOFF抵抗切替回路323に出力する(ステップS3)。
例えば、OFF抵抗切替回路323は、OFF抵抗切替信号Sc及びON抵抗切替信号Sfが出力されると、通電されるゲート抵抗を第3の抵抗設定回路321から第4の抵抗設定回路322へと切り替えたり、第1の抵抗設定回路311から第2の抵抗設定回路312へと切り替えたりする。
例えば、ステップS1は、抵抗設定信号出力部が実行し、ステップS2は、ゲート信号出力部が実行し、ステップS3は、抵抗切替信号出力部が実行してもよいものとする。例えば、ゲート信号出力部、抵抗設定信号出力部、及び抵抗切替信号出力部などは、プログラムであってROMに保存され、RAMへ展開されることで、RAMからCPUに読み出されて実行されるものとする。ゲート信号出力部、抵抗設定信号出力部、及び抵抗切替信号出力部などは、それぞれが独立した論理回路などの回路であってもよいものとする。
ゲート駆動条件の設定は、一般的にリレーを使用するため時間がかかるため、ゲート駆動条件は、動特性試験前に予め設定され、動特性試験の最中は変更できない。ゲート駆動条件は動特性試験の最中に変更できないため、従来の装置では、1つの動特性試験で単一のゲート駆動条件でしか特性を測定できず、同一動作の動特性試験であってもゲート駆動条件を変更して動特性試験を複数回行わなければならない。
上述のように、本実施の形態によるゲートドライブ回路3では、例えば、OFF抵抗切替回路323のような切替回路によって、電圧源とパワー半導体100に並列接続された複数の抵抗設定回路のうち、少なくとも1つの抵抗設定回路が電圧源とパワー半導体100に接続される。
例えば、具体的には、ゲートドライブ回路3では、OFF抵抗切替回路323によって、OFF電圧源VGNとパワー半導体100のゲートとに並列接続された第3の抵抗設定回路321及び第4の抵抗設定回路322のうちの一方の抵抗設定回路がOFF電圧源VGNとパワー半導体100のゲートとに接続される。
これにより、電圧源とパワー半導体100のゲートとの間の抵抗の値は、並列接続された全ての複数の抵抗設定回路から導出される値ではなく、切替回路によって接続された少なくとも1つの抵抗設定回路から導出される値となる。
例えば、具体的には、OFF電圧源VGNとパワー半導体100のゲートとの間の抵抗の値は、並列接続された全ての抵抗設定回路から導出される値ではなく、OFF抵抗切替回路323によって接続された抵抗設定回路から導出される値となる。
ゲートドライブ回路3は、電圧源とパワー半導体100のゲートとに接続する複数の抵抗設定回路の接続を、切替回路によって切り替えることにより、電圧源とパワー半導体のゲートとの間の抵抗の値を適宜設定できる。
例えば、具体的には、ゲートドライブ回路3は、OFF電圧源VGNとパワー半導体100のゲートとに接続する複数の抵抗設定回路の接続を、OFF抵抗切替回路323によって切り替えることにより、OFF電圧源VGNとパワー半導体100のゲートとの間の抵抗の値を適宜設定できる。
例えば、ゲートドライブ回路3は、切替回路によって、パワー半導体100に印加される電圧又は通電される電流の単位時間当たりの変化量を変更できる。例えば、具体的には、ゲートドライブ回路3は、ON抵抗切替回路313及びOFF抵抗切替回路323などによって、パワー半導体100のゲート電圧Vge、コレクタエミッタ間電流Ice、又はコレクタエミッタ間電圧Vceなどの単位時間当たりの変化量を変更できる。
以上のように、本実施の形態によるゲートドライブ回路3は、パワー半導体100のゲートに印加されるゲート電圧Vgeを電気的に変更できるため、例えば動特性試験を効率良く行える。これにより、高速にゲート抵抗を切り替えることができるので、1つの試験内で複数のゲート駆動条件で特性測定ができる。
また、上述のように、本実施の形態による試験装置1は、コントローラ2、ゲートドライブ回路3及びセンサ4を備える。コントローラ2は、パワー半導体100のゲートのON/OFFが制御されるゲート信号Sgeを出力する。
センサ4は、パワー半導体100のコレクタエミッタ間電圧Vceを計測する。ゲートドライブ回路3は、電圧源、複数の抵抗設定回路及び切替回路を備える。複数の抵抗設定回路は、電圧源とゲートとに並列接続される。
切替回路は、複数の抵抗設定回路のうち少なくとも1つの抵抗設定回路を電圧源とゲートとに接続する。ゲートドライブ回路3では、切替回路によって、電圧源とパワー半導体100のゲートとに並列接続された複数の抵抗設定回路のうち、少なくとも1つの抵抗設定回路が電圧源とパワー半導体100のゲートとに接続される。
以上のように、本実施の形態による試験装置1においては、例えば、パワー半導体のコレクタエミッタ間電圧Vceが計測される。パワー半導体のコレクタエミッタ間電圧Vceが計測される際、ゲートドライブ回路3は、電圧源とパワー半導体のゲートとに接続する複数の抵抗設定回路の接続を、切替回路によって切り替えることにより、電圧源とパワー半導体のゲートとの間の抵抗の値を適宜設定できる。
試験装置1及びゲートドライブ回路3は、切替回路によって、パワー半導体100のゲートに印加されるゲート電圧Vgeを電気的に変更できるため、試験装置1及びゲートドライブ回路3は、例えばゲート電圧Vgeを変更する必要のあるパワー半導体の試験を効率良く行える。
OFF抵抗切替回路323などの切替回路が、OFF抵抗切替信号Scなどの切替信号に応じて動作する半導体素子を含む場合、ゲートドライブ回路3は、パワー半導体100のゲートに印加されるゲート電圧Vgeを、切替回路に半導体素子を含まずリレーなどのみから構成される場合に比べ、より素早く変更できる。
上述のように、コントローラ2は、ゲート信号Sgeの開始から終了までの1つの動特性試験の間にOFF抵抗切替信号Scのような切替信号を出力し、切替回路は、複数の抵抗設定回路からOFF抵抗切替信号Scに応じて選択された少なくとも1つの抵抗設定回路を、電圧源とゲートとに接続してもよい。
試験装置1は、動特性試験などの試験中において切替回路を用いてゲートに印加されるゲート電圧Vgeを変更できるため、例えば、ゲート電圧Vgeを変更する必要のあるパワー半導体100の動特性試験などの試験を効率良く行える。
上述した実施の形態による試験装置1及びゲートドライブ回路3などは、実施の形態の態様を示すものである。試験装置1は、上述の実施の形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、実施の形態に係る試験装置1又はゲートドライブ回路3を変形し、又は、他のものに適用したものであってもよい。
例えば、OFF抵抗回路32は、第3の抵抗設定回路321及び第4の抵抗設定回路322の2つの抵抗設定回路を有する例を説明したが、3つ以上の抵抗設定回路を有してもよい。ON抵抗回路31も、OFF抵抗回路32と同様に3つ以上の抵抗設定回路を有してもよい。
OFF抵抗切替回路323及びON抵抗切替回路313は、3つ以上の抵抗設定回路から少なくとも1つの抵抗設定回路を選択し、OFF電圧源VGNとパワー半導体100のゲートとの間に接続するようにすればよい。試験装置1は、3つ以上の抵抗設定回路から選択することにより、ゲート抵抗をよりきめ細かく切り替えることができる。
切替回路に限らず、抵抗設定回路も半導体素子を含んでよい。抵抗設定回路が半導体素子を含む場合、ゲートドライブ回路3は、パワー半導体100のゲートに印加されるゲート電圧Vgeを、抵抗設定回路に半導体素子を含まずリレーなどのみから構成される場合に比べ、より素早く変更できる。
また、上述の半導体素子は、エミッタ、コレクタ及びベースを有するトランジスタでなくてもよく、例えばエミッタ、コレクタ及びゲートを有するIGBTやドレイン、ソース及びゲートを有する金属酸化膜半導体FET(MOSFET:Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)のような電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor)などであってもよいものとする。
1…試験装置、2…コントローラ、3…ゲートドライブ回路、4…センサ、100…パワー半導体。
Claims (5)
- パワー半導体の動特性試験に用いられるゲートドライブ回路であって、
前記パワー半導体のゲートのゲート電圧を変化させる電圧源と、
前記電圧源と前記ゲートとに並列接続された複数の抵抗設定回路と、
前記複数の抵抗設定回路のうち少なくとも1つの抵抗設定回路を、前記電圧源と前記ゲートとに接続する切替回路と、
を備える、ゲートドライブ回路。 - 前記切替回路は、切替信号に応じて動作する半導体素子を含む、請求項1に記載のゲートドライブ回路。
- パワー半導体の動特性試験に用いられる試験装置であって、
前記パワー半導体のゲートのON/OFFが制御されるゲート信号を出力するコントローラと、
前記コントローラから出力された前記ゲート信号に応じて、前記ゲートにゲート電圧を印加するゲートドライブ回路と、
前記パワー半導体のコレクタエミッタ間の電圧を計測するセンサと、
を備え、
前記ゲートドライブ回路は、
前記ゲートのゲート電圧を変化させる電圧源と、
前記電圧源と前記ゲートとに並列接続された複数の抵抗設定回路と、
前記複数の抵抗設定回路のうち少なくとも1つの抵抗設定回路を、前記電圧源と前記ゲートとに接続する切替回路と、
を有する、試験装置。 - 前記コントローラは、前記ゲート信号の開始から終了までの1つの前記動特性試験の間に切替信号を出力し、
前記切替回路は、前記複数の抵抗設定回路から前記切替信号に応じて選択された前記少なくとも1つの抵抗設定回路を、前記電圧源と前記ゲートとに接続する、請求項3に記載の試験装置。 - パワー半導体の動特性試験に用いられるコントローラによって行われる切替方法であって、
抵抗設定信号を出力する第1のステップと、
ゲート信号を出力する第2のステップと、
抵抗切り替え信号を出力する第3のステップと、
を備える切替方法。
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