JP2023146543A - 画像読取装置 - Google Patents

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Kosuke Nakahara
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Abstract

Figure 2023146543000001
【課題】二値化画像の画像品質を向上させる画像読取装置を提供する。
【解決手段】多値の入力画像を二値化する画像読取装置であって、注目画素を含む複数の画素の階調値の分散値が分散閾値よりも大きいか否かを判定する判定部と、分散値が分散閾値よりも大きい場合に、注目画素の階調値に基づいて設定された第1閾値を用いて注目画素を二値化する第1二値化処理部と、分散値が分散閾値よりも小さい場合に、入力画像に含まれる入力画素の階調分布特性に基づいて設定された第2閾値を用いて注目画素を二値化する第2二値化処理部と、階調値毎に対応する分散閾値を決定する閾値決定部と、を備える。分散閾値の内、第1階調値に対応する第1分散閾値は、第1階調値よりも高階調値側の第2階調値に対応する第2分散閾値よりも小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像読取装置に関する。
媒体に形成された画像を読み取り、読み取った画像に対して二値化処理を実行することで、取得画像のファイルサイズの低減が可能な画像読取装置が知られている。
例えば、特許文献1には、画像を二値化する際に用いる適切な閾値を算出することで、二値化画像の画像品質の向上を可能とした画像読取装置が開示されている。
特開2017-169162号公報
しかしながら、二値化画像の画像品質の向上との観点において、特許文献1に記載の技術では十分でなく、改善の余地があった。
本発明に係る画像読取装置の一態様は、
多値の入力画像を二値化する画像読取装置であって、
注目画素を含む複数の画素の階調値の分散値が分散閾値よりも大きいか否かを判定する判定部と、
前記分散値が前記分散閾値よりも大きい場合に、前記注目画素の階調値に基づいて設定された第1閾値を用いて前記注目画素を二値化する第1二値化処理部と、
前記分散値が前記分散閾値よりも小さい場合に、前記入力画像に含まれる入力画素の階調分布特性に基づいて設定された第2閾値を用いて前記注目画素を二値化する第2二値化処理部と、
階調値毎に対応する前記分散閾値を決定する閾値決定部と、
を備え、
前記分散閾値の内、第1階調値に対応する第1分散閾値は、前記第1階調値よりも高階調値側の第2階調値に対応する第2分散閾値よりも小さい。
画像読取装置の機能構成の一例を示す図である。 画像読取装置が有する制御部における画像処理の一例を示す図である。 原稿の地色の算出の具体例を説明するための図である。 非エッジ画素における分散値σpxと階調値との関係を示す図である。 エッジ画素における分散値σpxと階調値との関係を示す図である。 分散閾値σthの一例を示す図である。 第2実施形態の画像読取装置が有する制御部における画像処理の一例を示す図である。 第2実施形態における分散閾値σthの一例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。用いる図面は説明の便
宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.第1実施形態
1.1 画像読取装置の概要
図1は、画像読取装置1の機能構成の一例を示す図である。画像読取装置1は、例えば、スキャナーやMFP(Multifunction Printer)等の機器であって、画像を読み取るスキャン機能を有する機器である。
図1に示すように、画像読取装置1は、制御部2、読取部3、表示部4、入力部5、及び通信部6を備える。また、制御部2は、画像取得部21、二値化処理部22、及び画像出力部23を有し、二値化処理部22は、判定部221、第1二値化処理部222、第2二値化処理部223、及び閾値決定部224を含む。
制御部2は、画像読取装置1の動作を統合的に制御する。制御部2は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置、RAM(Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性の記憶装置、制御部2と他のユニットを接続するインターフェイス回路、これらを互いに接続するバス、などを備えるコンピューターによって実現することができる。また、制御部2は、画像処理回路など各種の処理回路を備えていてもよく、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で実現されてもよい。
制御部2は、CPUがROMに格納された所定のプログラムをRAMに読み出し実行することで、画像取得部21、二値化処理部22、及び画像出力部23を含む各種機能の少なくとも一部を実行する。また、制御部2が読み出す所定のプログラムは、例えば、持ち運び可能な記憶媒体から読み出して画像読取装置1にインストールしたり、ネットワーク上のサーバーからダウンロードして画像読取装置1にインストールしたりすることができる。このような制御部2の機能の少なくとも一部は、画像処理回路等の処理回路によって実現されてもよい。さらに、制御部2の機能の少なくとも一部は、例えば、CPU及び処理回路の両方によって実現されてもよい。
読取部3は、制御部2からの指示に従って原稿から画像を読み取り、制御部2に出力する。読取部3は、例えば、イメージセンサーを用いたスキャンエンジンであり、機械部品、センサー、モーター、駆動回路、制御回路等により構成されている。本実施形態の読取部3は、例えば、8ビットの階調値のグレースケールで原稿から画像を取得し、取得した画像の情報を制御部2に出力する。なお、読取部3が取得する画像は、8ビットに限るものではない。
表示部4は、制御部2の処理結果を、文字、グラフ、表、アニメーション、その他の画像として表示する。表示部4は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、OLED(Organic Electroluminescence Display)などの出力装置である。
入力部5は、ユーザーの操作入力を受け付け、操作に応じた操作信号を制御部2に出力する。入力部5は、例えば、キー、タッチセンサー、タッチパネルなどの入力装置である。
通信部6は、外部の装置と情報を送受信する。通信部6は、例えば、無線LAN(Local Area Network)に準拠した通信モジュールである。なお、画像読取装置1は、通信部6に替えてあるいは加えて、有線LANに準拠した通信部を備えていてもよい。
画像取得部21は、読取部3から8ビットのグレースケールの画像をグレイ画像として取得する。すなわち、画像取得部21は、多値の入力画像として8ビットの階調値のグレイ画像を取得する。
二値化処理部22は、画像取得部21が取得したグレイ画像に二値化処理を実行する。判定部221は、グレイ画像に含まれる複数の画素の内、注目画素を含む近傍領域の階調値の分散値σpxが、分散閾値σthより大きいか否かを判定する。第1二値化処理部222は、注目画素の分散値σpxが所定の分散閾値σthよりも大きい場合に、適応型閾値Athを用いて注目画素を二値化し、第2二値化処理部223は、注目画素の分散値σpxが分散閾値σth以下の場合に、固定閾値Fthを用いて注目画素を二値化する。このとき、閾値決定部224は、階調値毎に対応する分散閾値σthを決定する。すなわち、二値化処理部22は、閾値決定部224が決定した階調値毎に対応する分散閾値σthに基づいて、グレイ画像に含まれる注目画素に対応する分散値σpxが、分散閾値σthより大きいか否かを判定する。そして、注目画素の分散値σpxが所定の分散閾値σthよりも大きいか否かの判定結果に応じて、異なる閾値を用いて当該注目画素の二値化を実行する。なお、二値化処理部22の処理の詳細については後述する。
画像出力部23は、二値化処理部22により二値化された注目画素を含む複数の画素から二値化画像を形成し、例えば、RAMやROM等の記憶装置、通信部6を介して通信可能な外部の機器等に出力する。また、画像読取装置1が印刷部を有する場合、画像出力部23は、二値化画像を印刷部に出力して印刷させてもよい。
以上のように、画像読取装置1は、多値の入力画像としてのグレイ画像を取得し、取得したグレイ画像を二値化する二値化処理を実行する。そして、二値化した二値化画像を出力する。
1.2 入力画像の二値化処理
制御部2が実行する二値化処理の具体例について説明する。
[全体フロー]
図2は、画像読取装置1が有する制御部2における画像処理の一例であって、画像取得部21が取得したグレイ画像を二値化する二値化処理の一例を示す図である。図2に示す二値化処理は、画像取得部21がグレイ画像を取得することで開始する。
画像取得部21は、グレイ画像として複数の画素のそれぞれに対応する8ビットの階調値を取得する。これにより、制御部2は、二値化処理を開始する。そして、画像取得部21は、取得したグレイ画像に含まれる複数の画素のそれぞれの階調値から、当該グレイ画像が形成されている原稿の地色を算出する(ステップS110)。また、画像取得部21は、算出した原稿の地色の情報に基づいて、グレイ画像に含まれる複数の画素の情報に含まれる原稿の地色の階調値の範囲を定義する(ステップS120)。
その後、第2二値化処理部223は、画像取得部21が取得したグレイ画像に含まれる複数の画素のそれぞれの階調値に基づいて、固定閾値Fthを算出する(ステップS130)。具体的には、第2二値化処理部223は、グレイ画像を構成する各画素の階調値の度数分布であって、グレイ画像に含まれる入力画素の階調分布特性に基づいて、固定閾値Fthを算出する。このとき、第2二値化処理部223は、グレイ画像の階調分布特性から原稿の地色の階調値の範囲を差し引きした分布特性に基づいて、固定閾値Fthを算出してもよい。
また、閾値決定部224は、画像取得部21が取得したグレイ画像に含まれる複数の画素のそれぞれの階調値と、当該グレイ画像が形成されている原稿の地色と、に基づいて、階調値毎に対応する分散閾値σthを決定する(ステップS140)。すなわち、閾値決定部224は、8ビットの階調値のそれぞれに対応する分散閾値σthを決定する。ここで、以下の説明において、8ビットの階調値を、低階調側から高階調側に向かい階調G[0]~G[255]と称する場合がある。また、階調G[0]~G[255]のそれぞれに対応する分散閾値σthを分散閾値σth[1]~σth[255]と称する場合がある。
ここで、閾値決定部224が決定する分散閾値σthとは、注目画素がエッジ画素であるのか非エッジ画素であるのかを判定するための閾値に相当する。また、エッジ画素とは、周辺画素の階調値に対して階調値の変位量が大きな画素であって、例えば、グレイ画像が形成された領域と、原稿の地色の領域との境界に位置する画素等が含まれる。一方で、非エッジ画素とは、周辺画素の階調値に対して階調値の変位量の小さな画素であって、例えば、原稿の地色の領域に位置する画素や、グレイ画像において一定の色調で塗りつぶされた領域に位置する画素等が含まれる。
すなわち、閾値決定部224は、注目画素がエッジ画素であるのか非エッジ画素であるかを判定する分散閾値σthを、8ビットの階調値のそれぞれに対応して決定する。ここで、閾値決定部224が決定した階調値毎の分散閾値σthは、階調値に紐づくデータテーブルとして不図示の記憶回路に記憶されていてもよく、階調値に対する関数として不図示の記憶回路に記憶されていてもよい。
その後、二値化処理部22は、グレイ画像に含まれる複数の画素の内の注目画素に対して、ステップS150~S180の処理を実行する。ここで、グレイ画像に含まれる全画素の各々が、グレイ画像に含まれる注目画素に相当する。具体的には、二値化処理部22は、グレイ画像に含まれる複数の画素の内のいずれか1つを注目画素として選択する。そして、二値化処理部22は、選択した注目画素に対して、ステップS150~S180の処理を実行する。その後、二値化処理部22は、グレイ画像に含まれる複数の画素の内の異なるいずれか1つを注目画素として選択し、同様に、ステップS150~S180の処理を実行する。二値化処理部22は、グレイ画像に含まれる複数の画素の全てが注目画素として選択されるまで、同様にステップS150~S180の処理を繰り返し実行する。
判定部221は、注目画素の近傍領域N×Nの分散値σpxを算出する(ステップS150)。ここで、近傍領域N×Nとは、例えば、注目画素と、当該注目画素を中心にして周囲に位置する複数の画素と、から構成される領域であって、合計N×N個の画素により構成されている。そして、判定部221は、近傍領域N×Nを構成するN×N個の画素のそれぞれの階調値の分散を算出する。この算出結果が注目画素の階調値の分散値σpxに相当する。
その後、判定部221は、ステップS150で算出した分散値σpxが分散閾値σthよりも大きいか否かを判定する(ステップS160)。分散値σpxが分散閾値σthよりも大きい場合(ステップS160のY)、判定部221は、注目画素がエッジ画素であると判定し、二値化処理をステップS170に進める。一方で、分散値σpxが分散閾値σth以下の場合(ステップS160のN)、判定部221は、注目画素は非エッジ画素であると判定して、二値化処理をステップS180に進める。
分散値σpxが分散閾値σthよりも大きい場合(ステップS160のY)、第1二値化処理部222は、適応型閾値Athを用いた注目画素の二値化処理を実行する(ス
テップS170)。適応型閾値Athとは、注目画素の階調値に基づいて設定された閾値であって、具体的には、注目画素を含む近傍画素の階調値に基づいて算出される閾値である。すなわち、適応型閾値Athは、注目画素を含む近傍画素の階調値に応じて変化する閾値である。そして、ステップS170では、注目画素の階調値が適応型閾値Athよりも大きい場合、当該注目画素が白と判定され、注目画素の階調値が適応型閾値Ath以下の場合、当該注目画素が黒と判定される。
一方、分散値σpxが分散閾値σth以下の場合(ステップS160のN)、第2二値化処理部223は、固定閾値Fthを用いた注目画素の二値化処理を実行する(ステップS180)。そして、ステップS180では、注目画素の階調値がステップS130で算出した固定閾値Fthよりも大きい場合、当該注目画素が白と判定され、注目画素の階調値が固定閾値Fth以下の場合、当該注目画素が黒と判定される。
そして、ステップS150~S180の処理によって二値化された注目画素の出力値は、画像出力部23によって例えばRAM等の記憶装置に出力される。このようにして二値化処理部22は、グレイ画像から二値化画像を生成し、本フローチャートの処理を終了する。
[原稿の地色の算出]
以上のようなグレイ画像の二値化処理の詳細について説明する。まず、原稿の地色の算出(ステップS110)の詳細について説明する。本実施形態の画像読取装置1では、グレイ画像の二値化処理を実行するに際して、グレイ画像が形成された原稿の地色の階調G[pw](pwは、0~255のいずれか)を推定し、推定した原稿の地色の階調G[pw]に基づいて、二値化処理を実行する。これにより、画像読取装置1が出力する二値化画像の画質を向上させることができる。
画像取得部21は、原稿の地色を算出するにあたり、まず、読取部3から取得したグレイ画像に含まれる複数の画素の内、階調値が階調G[0]~G[255]のそれぞれに対応する画素数をカウントする。その後、画像取得部21は、階調G[255]から階調G[0]に向かい、階調値毎に対応する画素数のカウント結果を加算した加算カウント値を算出する。そして、画像取得部21は、加算カウント値が所定の値を超えた階調値が、原稿の地色の階調G[pw]であると判断する。
原稿の地色の算出の詳細について、図面を用いて説明する。図3は、原稿の地色の算出の具体例を説明するための図である。図3は、階調G[0]~G[255]のそれぞれの階調値に対応して原稿に含まれる画素数を示した階調分布特性である。なお、画像取得部21が原稿の地色を算出する際に、階調分布特性を生成することが必須の要件ではない。
図3に示すように、画像取得部21が原稿の地色を算出するにあたり、画像取得部21は、階調G[0]~G[255]から原稿の地色の階調値を探索する探索範囲を決定する。具体的には、画像取得部21は、まず、探索範囲の起点となる起点階調値を定義する。起点階調値を定義するにあたり、画像取得部21は、階調G[255]から階調G[0]に向かい、対応する階調値の画素数をカウントするとともに、当該カウント値を加算することで加算カウント値を算出する。そして、画像取得部21は、算出した加算カウント値が、原稿に含まれる総画素数に所定の起点検出割合を掛け合わせた値を超えたときの階調値を、起点階調値として取得する。ここで、以下の説明では、起点階調値を階調G[sp](spは、0~255のいずれか)と称して説明を行う場合がある。
ここで、グレイ画像が形成された原稿の下方には、一般的に原稿を載置する載置板等の背景板が位置している。画像取得部21が、探索範囲を決定するにあたり、原稿に含まれ
る総画素数に所定の起点検出割合を掛け合わせた値を基点階調値と定義することで、原稿の地色の算出にあたり、背景板に相当する階調値の画素が混入するおそれが低減し、その結果、原稿の地色の算出精度が向上する。このような起点階調値の算出に用いられる起点検出割合は、例えば、2.5%等に設定される。なお、起点検出割合の値は、2.5%に限るものではなく、例えば、背景板と原稿との配置関係に基づいて、規定されてもよく、任意に設定可能なパラメーターであってもよい。
次に、画像取得部21は、探索範囲の終点となる終点階調値を定義する。終点階調値を定義するにあたり、画像取得部21は、起点階調値の算出に用いた加算カウント値が、原稿に含まれる総画素数に所定の終点検出割合を掛け合わせた値を超えたときの階調値を、終点階調値として取得する。ここで、以下の説明では、終点階調値を階調G[ep](spは、0~255のいずれか)と称して説明を行う場合がある。また、終点階調値の算出に用いられる終点検出割合は、例えば、85%等に設定される。なお、終点検出割合の値は、85%に限るものではなく、例えば、任意に設定可能なパラメーターであってもよい。
そして、画像取得部21は、起点階調値から終点階調値までの階調値の範囲であって、階調G[sp]から階調G[ep]までの階調値の範囲を、原稿の地色を探索する探索範囲として決定する。すわわち、画像取得部21は、原稿の地色を探索する探索範囲として、階調G[sp]から階調G[ep]までの階調値の範囲を算出する。
そして、画像取得部21は、決定した探索範囲から原稿の地色の階調値を算出する。具体的には、画像取得部21は、階調G[sp]から階調G[ep]までの階調値のそれぞれに対応する画素数をカウントし加算した加算カウント値を算出する。その後、画像取得部21は、算出した加算カウント値の中央値を算出し、当該中央値を検出度数として保持する。その後、画像取得部21は、階調G[sp]から階調G[ep]に向かい、階調値のそれぞれに対応する画素数をカウントし加算する。そして、画像取得部21は、加算したカウント値が、検出度数を超えたときの階調G[pw]を、原稿の地色として特定する。すなわち、図2のステップS110において、画像取得部21は、階調G[pw]が原稿の地色の階調値であると算出する。
[媒体の地色の定義]
次に、原稿の地色の階調値の範囲の定義(ステップS120)の詳細について説明する。画像取得部21が取得する原稿の地色の階調値には、原稿からグレイ画像を取得する読取部3の特性のばらつきや、原稿の地色のばらつき等に起因して、ばらつきが生じる。図2のステップS120では、このような原稿の地色の階調値に生じるばらつきを加味した、原稿の地色に対応する画素の階調値の範囲を定義する。
具体的には、本実施形態の画像読取装置1において読取部3が取得する画像は、前述のとおり、原稿に形成された8ビットのグレースケールのグレイ画像である。そのため、理想的には、原稿の地色よりも高階調側の階調値にグレイ画像に対応する画素は存在しない。すなわち、理想的には、原稿の地色の階調G[pw]よりも高階調側の階調値には、原稿に形成されたグレイ画像に対応する画素は存在しない。したがって、図3において、階調G[pw]よりも高階調側の階調値に対応する画素は、原稿の地色のばらつきにより検出された画素であると見做すことができる。すなわち、原稿の地色の階調G[pw]から階調G[sp]までの階調値に対応する画素を、原稿の地色に対応する画素の一部であると見做すことができる。
また、図3に示すように、階調G[pw]の近傍の階調値に対応する画素数は、階調G[pw]を中心に略対称に分布している。すなわち、原稿の地色の階調値は、略正規分布
に従いばらついていると見做すことができる。そうすると、階調G[pw]から階調G[sp]までの階調値の差をΔdとした場合に、原稿の地色の階調値のばらつきの範囲は、階調G[pw]を中心に±Δdの範囲であると見做せる。画像取得部21は、図2のステップS120において、この階調G[pw]を中心とした±Δdの範囲の階調値を、原稿の地色の階調値に生じるばらつきを加味した、原稿の地色に対応する画素の階調値の範囲として定義する。
[固定閾値Fthの算出]
次に、固定閾値Fthの算出(ステップS130)の詳細について説明する。固定閾値Fthは、画像取得部21が取得したグレイ画像に含まれる複数の画素のそれぞれの階調値に基づいて算出される。具体的には、第2二値化処理部223は、画像取得部21が取得したグレイ画像に含まれる複数の画素のそれぞれの階調値の階調分布特性に基づいて、固定閾値Fthを算出する。このとき、第2二値化処理部223は、大津の二値化を用いることで、固定閾値Fthを算出する。
グレイ画像から二値化画像生成する場合において、入力されるグレイ画像に依らず一定の閾値を用いて二値化処理を実行した場合、入力されるグレイ画像の明暗によって最適な二値化処理を実行できない場合がある。このような問題に対して、第2二値化処理部223が、グレイ画像に含まれる複数の画素のそれぞれの階調値の階調分布特性に基づいて、入力されるグレイ画像に応じた固定閾値Fthを大津の二値化に基づいて算出することで、入力されるグレイ画像の明暗によって二値化画像の画像品質が低下するおそれが低減される。
このとき、第2二値化処理部223は、画像取得部21が取得したグレイ画像に含まれる複数の画素のそれぞれの階調値の階調分布特性から、図2のステップS120において定義した、原稿の地色に対応する画素の階調値の範囲における階調分布特性を差し引いた新たな階調分布特性に基づいて、固定閾値Fthを算出してもよい。これにより、固定閾値Fthの算出にあたり、原稿の地色の影響を低減することができる。換言すれば、原稿の地色に依らず、グレイ画像の階調分布特性に基づいて、固定閾値Fthを算出することができる。その結果、二値化画像の画像品質が向上する。
[分散閾値σthの算出]
次に、階調値毎の分散閾値σthの決定方法(ステップS140)の詳細について説明する。前述のとおり、分散閾値σthは、注目画素がエッジ画素であるのか非エッジ画素であるのかを判定するための閾値に相当し、閾値決定部224により決定される。そこで、まず注目画素がエッジ画素の場合の階調値の分散値σpxと、注目画素が非エッジ画素の場合の階調値の分散値σpxと、の一例について説明を行い、その後、エッジ画素の場合の階調値の分散値σpxと非エッジ画素の場合の階調値の分散値σpxとの特徴に基づいて、閾値決定部224が決定する分散閾値σthの一例について説明する。
図4は、非エッジ画素における分散値σpxと階調値との関係を示す図である。図4には、多段階の濃度で塗りつぶされた塗りつぶし画像を有する原稿から、当該原稿の各画素に対する階調値と分散値σpxとを取得し、取得した階調値に対する分散値σpxの分布を示している。なお、図4では、階調値の高低に合わせて、濃度の比率が小さいほど黒に近く、濃度の比率が大きいほど白に近いとして図示している。すなわち、濃度100%が原稿の地色に相当する。
前述の通り、分散閾値σthが、注目画素がエッジ画素であるのか非エッジ画素であるのかを判定するための閾値である。係る点に鑑みると、非エッジ画素に対する理想的な
分散閾値σthは、多くの画素を非エッジ画素として抽出可能な閾値であることが好ましく、極力大きな値であることが好ましい。また、図4に示すように、非エッジ画素における分散値σpxは、当該非エッジ画素の階調値が高くなるにつれて大きくなる。したがって、非エッジ画素に対する分散閾値σthは、階調値が高くなるにつれて高くなることが好ましい。以上より、非エッジ画素に対する理想的な分散閾値σthは、図4に(a)で示すように、極力大きな値であって、階調値の増加に伴って大きくなる値である。
図5は、エッジ画素における分散値σpxと階調値との関係を示す図である。図5には、多くのエッジ画素を含む特定の文字を含む画像を有する原稿から、当該原稿の各画素に対する階調値と分散値σpxとを取得し、取得した階調値に対する分散値σpxの分布を示している。
前述の通り、分散閾値σthが、注目画素がエッジ画素であるのか非エッジ画素であるのかを判定するための閾値である。係る点に鑑みると、エッジ画素に対する理想的な分散閾値σthは、多くの画素をエッジ画素として抽出可能な閾値であることが好ましく、極力小さな値であることが好ましい。また、図5に示すように、エッジ画素における分散値σpxは、広い領域に分布する。したがって、エッジ画素に対する分散閾値σthは、階調値が高くなった場合であっても、一定であることが好ましい。以上より、エッジ画素に対する理想的な分散閾値σthは、図5に(b)で示すように、極力小さな値であって、階調値の増加に伴って一定の値である。
図6は、分散閾値σthの一例を示す図である。前述のとおり、注目画素が非エッジ画素の場合の理想的な分散閾値σthは、極力大きな値であって、階調値が高くなるにつれて大きくなるのに対して、注目画素がエッジ画素の場合の理想的な分散閾値σthは、階調値に依らず極力小さい値である。係る点を加味して、本実施形態における閾値決定部224は、図6に(c)で示すように階調値が高くなるにつれて大きくなる分散閾値σthを決定する。すなわち、閾値決定部224が決定する分散閾値σthは、分散閾値σthの内、階調G[0]に対応する分散閾値σth[0]が、階調G[0]よりも高階調値側の階調G[p](pは1~255のいずれか)に対応する分散閾値σth[p]以下の値となる。
具体的には、閾値決定部224は、図4の(a)に示した非エッジ画素に対する理想的な分散閾値σthに対して、低階調値、及び中間階調値において、図5に(b)に示すエッジ画素に対する理想的な分散閾値σthに近づくように変化する分散閾値σthであって、例えば、指数関数に則り規定される分散閾値σthを決定する。
詳細には、閾値決定部224は、階調G[0]の場合に分散閾値σth[0]を通過し、階調G[p]の場合に分散閾値σth[p]を通過する指数関数を、分散閾値σthとして決定する。このとき、閾値決定部224は、階調G[0]の場合の分散閾値σth[0]と、階調G[p]の場合の分散閾値σth[p]とを以下の式(1)、式(2)を用いて指数関数に変換する。
Figure 2023146543000002
Figure 2023146543000003
また、閾値決定部224は、階調G[0]の場合の分散閾値σth[0]と、階調G[p]の場合の分散閾値σth[p]との2点間における分散閾値σthの増加量pを、以下の式(3)に則り算出する。
Figure 2023146543000004
そして、閾値決定部224は、式(1)、式(2)、式(3)より、分散閾値σthの内、階調G[r](rは1~255のいずれか)に対応する分散閾値σth[r]を、以下の式(4)により決定する。
Figure 2023146543000005
閾値決定部224は、式(4)に則り、階調G[1]~G[255]のそれぞれに対応する分散閾値σth[0]~σth[255]を決定する。すなわち、閾値決定部224は、階調G[0]の場合の分散閾値σth[0]と、階調G[p]の場合の分散閾値σth[p]との2点に基づいて、階調G[0]~G[255]のそれぞれに対応する分散閾値σth[0]~σth[255]を決定する。
ここで、閾値決定部224が階調G[0]~G[255]のそれぞれに対応する分散閾値σth[0]~σth[255]を決定する際に用いられる階調G[0]の場合の分散閾値σth[0]と、階調G[p]の場合の分散閾値σth[p]との2点について説明する。
まず、階調G[0]の場合の分散閾値σth[0]について説明する。階調G[0]の場合の分散閾値σth[0]としては、原稿の地色の分散値σpwを用いることが好ましい。原稿にエッジ画素を多く含む文字画像が形成されている場合、当該エッジ画素の分散値σpxは、原稿の分散値σpwよりも大きい。一方で、図4に示すように、濃度0%の塗りつぶし領域に含まれる画素の分散値σpxは、原稿の地色の分散値σpw以下の値となる。したがって、階調G[0]の場合の分散閾値σth[0]として、原稿の地色の分散値σpwを用いることで、エッジ画素、及び非エッジ画素の抽出精度が向上する。
ここで、原稿の地色の分散値σpwは、例えば、上述した原稿の地色の階調値の範囲の定義(ステップS120)により算出した階調G[pw]を中心とした±Δdの範囲に含まれる複数の画素の階調値のばらつきに基づいて算出される。すなわち、閾値決定部224は、グレイ画像が形成された原稿の地色の情報である原稿の地色の分散値σpwに基づいて、分散閾値σthを決定する。
次に、階調G[p]の場合の分散閾値σth[p]について説明する。階調G[p]の場合の分散閾値σth[p]は、原稿に含まれる薄文字、及び原稿に生じた裏写りに基づいて規定されるパラメーターであって、使用者が原稿に応じて任意に設定可能であってもよい。また、階調G[p]の場合の分散閾値σth[p]は、閾値決定部224が、グレイ画像に薄文字が含まれているか否か、又は裏写りが生じているか否かを判定し、判定結果に基づいて決定されてもよい。
以上のように、閾値決定部224は、ステップS140において、画像取得部21が取得したグレイ画像に含まれる複数の画素のそれぞれの階調値と、当該グレイ画像が形成されている原稿の地色と、に基づいて、階調G[0]の場合の分散閾値σth[0]と、階調G[p]の場合の分散閾値σth[p]と、を規定し、規定された階調G[0]の場合の分散閾値σth[0]と、階調G[p]の場合の分散閾値σth[p]とに基づいて階調値毎に対応する分散閾値σthを決定する。
[注目画素の分散値σpxの算出]
次に、注目画素の分散値σpxの算出(ステップS150)の詳細について説明する。注目画素の分散値σpxを算出するにあたり、判定部221は、注目画素を含む近傍領域N×Nに含まれるN×N個の画素のそれぞれの階調値を取得する。そして、判定部221は、取得したN×N個の画素のそれぞれの階調値の分散を算出する。判定部221は算出したN×N個の画素の階調値の分散を注目画素の階調値の分散値σpxとして保持する。
[分散値σpxに基づく注目画素のエッジ判定]
次に、分散値σpxが分散閾値σthよりも大きいか否かの判定(ステップS160)の詳細について説明する。前述のとおり、分散閾値σthは、注目画素がエッジ画素であるのか非エッジ画素であるのかを判定するための閾値に相当する。ステップS160において、判定部221は、分散値σpxが分散閾値σthよりも大きい場合、分散値σpxに対応する注目画素がエッジ画素であると判定する。一方で、判定部221は、分散値σpxが分散閾値σth以下の場合、分散値σpxに対応する注目画素が非エッジ画素であると判定する。
[適応型閾値Athによる二値化]
次に、適応型閾値Athによる二値化処理(ステップS170)の詳細について説明する。適応型閾値Athによる二値化処理は、判定部221によって注目画素がエッジ画素であると判定された場合に、第1二値化処理部222によって実行される。
具体的には、第1二値化処理部222は、判定部221が、注目画素はエッジ画素であると判定した場合、適応型閾値Athを用いた二値化処理を実行する。適応型閾値Athは、注目画素の局所的な階調値の変化に対応する閾値であって、注目画素の階調値と、当該注目画素の近傍に位置する周辺画素の階調値によって変化する閾値である。
このような適応型閾値Athは、例えば、注目画素と周辺画素とにガウシアンフィルターをかけることにより算出される。ガウシアンフィルターとは、注目画素からの距離に応じて重みづけを変更するフィルターであって、ガウス分布に基づいて重みづけの値が算出される。
これにより、適応型閾値Athは、注目画素の階調値と、当該注目画素の近傍に位置する周辺画素の階調値によって決定される。これにより、注目画素が近傍の画素より階調値が低い場合、注目画素が黒くなり易いように高い閾値が設定され、注目画素が近傍の画素より階調値が高い場合、注目画素が白くなり易いように低い閾値が設定される。これにより、エッジ画素を白とするのか黒とするのかが近傍の画素の階調値に応じて設定される。その結果、ノイズ等の影響により二値化画像の画質が低下するおそれが低減される。
そして、第1二値化処理部222は、注目画素の階調値が適応型閾値Athよりも大きい場合に当該注目画素は白であると判定し、注目画素の階調値が適応型閾値Ath以下の場合に当該注目画素は黒であると判定する。
[固定閾値Fthによる二値化]
次に、固定閾値Fthによる二値化処理(ステップS180)の詳細について説明する。固定閾値Fthによる二値化処理は、判定部221によって注目画素が非エッジ画素であると判定された場合に、第2二値化処理部223によって実行される。
判定部221によって注目画素が非エッジ画素であると判定された場合、第2二値化処理部223は、注目画素の階調値とステップS130で算出した固定閾値Fthとを比較する。そして、第2二値化処理部223は、注目画素の階調値が固定閾値Fthよりも大きい場合に当該注目画素は白であると判定し、注目画素の階調値が固定閾値Fth以下の場合に当該注目画素は黒であると判定する。
ここで、適応型閾値Athが第1閾値の一例であり、固定閾値Fthが第2閾値の一例であり、階調G[0]が第1階調値の一例であり、階調G[0]に対応する分散閾値σth[0]が第1分散閾値の一例であり、階調G[1]~G[255]のいずれかが第2階調値の一例であり、第2階調値に相当するG[1]~G[255]に対応する分散閾値σth[1]~σth[255]が第2分散閾値の一例である。
1.3 作用効果
以上のように本実施形態における画像読取装置1では、閾値決定部224が、階調値が高くなるにつれて大きくなる分散閾値σthを決定する。具体的には、閾値決定部224は、分散閾値σthの内、階調G[0]に対応する分散閾値σth[0]が、階調G[0]よりも高階調値側の階調G[p](pは1~255のいずれか)に対応する分散閾値σth[p]以下の分散閾値σthを決定する。これにより、非エッジ画素の検出精度が向上する。その結果、画像読取装置1が出力する二値化画像のデータサイズが大きくなるおそれを低減しつつ、当該二値化画像の画像品質を高めることができる。
また、本実施形態における画像読取装置1では、閾値決定部224が分散閾値σthを原稿の地色に基づいて決定することで、原稿の地色に応じた分散閾値σthによって、注目画素がエッジ画素であるのか非エッジ画素であるのか判別することができ、これにより、非エッジ画素とエッジ画素との判別精度が向上する。その結果、画像読取装置1が出力する二値化画像のデータサイズが大きくなるおそれを低減しつつ、当該二値化画像の画像品質を高めることができる。
また、本実施形態における画像読取装置1では、閾値決定部224が指数関数に基づいて変化する分散閾値σthを決定することで、注目画素がエッジ画素であるのか非エッジ画素であるのか判別精度がさらに向上し、その結果、画像読取装置1が出力する二値化画像のデータサイズが大きくなるおそれを低減しつつ、当該二値化画像の画像品質を高めることができる。
2.第2実施形態
次に、第2実施形態の画像読取装置1について説明する。第2実施形態の画像読取装置1では、原稿の地色の情報に基づいて、原稿に生じた皺の情報を算出し、当該皺の情報に基づいて分散閾値σthを決定する点で第1実施形態の画像読取装置1と異なる。なお、第2実施形態の画像読取装置1を説明するにあたり、第1実施形態の画像読取装置1と同様の構成には同じ符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図7は、第2実施形態の画像読取装置1が有する制御部2における画像処理の一例であって、画像取得部21が取得したグレイ画像を二値化する二値化処理の一例を示す図である。図7に示すように、第2実施形態の画像読取装置1は、第1実施形態の画像読取装置
1と同様に、ステップS110において、画像取得部21が、グレイ画像に含まれる複数の画素のそれぞれの階調値から、当該グレイ画像が形成されている原稿の地色を算出し、ステップS120において、画像取得部21は、算出した原稿の地色の情報に基づいて、グレイ画像に含まれる複数の画素の情報に含まれる原稿の地色の階調値の範囲を定義する。その後、第2実施形態の画像読取装置1では、画像取得部21が、原稿に含まれる皺の階調値の範囲を定義するステップS125を含む。
原稿に皺が生じている場合、当該原稿から取得した階調値の階調分布特性には、原稿の地色の階調値の分布に重なるように皺の階調値の分布が位置する。このような原稿に生じた皺は、原稿に形成されたグレイ画像ではないが故に、二値化画像では白と判定されることが好ましく、非エッジ画素であると検出されることが好ましい。
そこで、画像読取装置1は、上述した原稿の地色の階調値の範囲の定義(ステップS120)により画像取得部21が算出した階調G[pw]を中心とした±Δdの範囲に含まれる複数の画素の階調値のばらつきに基づいて、画像取得部21は、原稿の地色の分散値σpwを算出し、算出した原稿の地色の分散値σpwから、原稿の地色の標準偏差σpwを算出する。そして、画像取得部21は、原稿の地色の階調値である階調G[pw]±n×σthの範囲を、皺が生じた原稿の階調値の範囲と定義する。
ここで、原稿の地色の階調値が正規分布である点に鑑みると、係数nを3とすることで、皺が生じていない原稿の約99%を抽出することができる。しかしながら、原稿に皺が生じている場合、当該皺により生じた影等の影響により階調値のばらつきが大きくなる。係る点を加味して、画像取得部21は、係数nを3以上であって好ましくは4.5に設定する。すなわち、画像取得部21は、ステップS125において、階調G[pw]±n×σthの範囲であって、好ましくは、階調G[pw]±4.5×σthの範囲を、皺が生じた原稿の階調値の範囲であると定義する。
その後の、ステップS140において、閾値決定部224は、図8の(d)に示すような分散閾値σthを決定する。図8は、第2実施形態における分散閾値σthの一例を示す図である。図8に示すように、第2実施形態の画像読取装置1において、閾値決定部224は、階調値が階調G[pw]±4.5×σthの範囲において、非エッジ画素と判定されるような分散閾値σthを決定する。具体的には、閾値決定部224は、以下の式(5)に示す関係の分散閾値σthを決定する。
Figure 2023146543000006
すなわち、閾値決定部224は、G[r]が階調G[pw]±4.5×σth以下の範囲において、上述した式(4)に則り算出される分散閾値σthを決定し、G[r]が階調G[pw]±4.5×σth以上の範囲において、分散閾値σth=255となる分散閾値σthを決定する。換言すれば、第2実施形態の画像読取装置1では、閾値決定部224は、原稿に生じた皺の情報に基づいて分散閾値σthを決定する、
これにより、第2実施形態の画像読取装置1では、第1実施形態の画像読取装置1の作用効果に加えて、皺が生じた原稿において当該皺に対応する画素を非エッジ画素と判定することが可能となり、二値化画像に対する皺の影響を低減することができる。
以上、実施形態及び変形例について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能であ
る。例えば、上記の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
上述した実施形態から以下の内容が導き出される。
画像読取装置の一態様は、
多値の入力画像を二値化する画像読取装置であって、
注目画素を含む複数の画素の階調値の分散値が分散閾値よりも大きいか否かを判定する判定部と、
前記分散値が前記分散閾値よりも大きい場合に、前記注目画素の階調値に基づいて設定された第1閾値を用いて前記注目画素を二値化する第1二値化処理部と、
前記分散値が前記分散閾値よりも小さい場合に、前記入力画像に含まれる入力画素の階調分布特性に基づいて設定された第2閾値を用いて前記注目画素を二値化する第2二値化処理部と、
階調値毎に対応する前記分散閾値を決定する閾値決定部と、
を備え、
前記分散閾値の内、第1階調値に対応する第1分散閾値は、前記第1階調値よりも高階調値側の第2階調値に対応する第2分散閾値よりも小さい。
この画像読取装置によれば、分散閾値の内、第1階調値に対応する第1分散閾値は、第1階調値よりも高階調値側の第2階調値に対応する第2分散閾値よりも小さいことで、分散閾値は、階調値が高階調になるにつれ大きくなる。その結果、非エッジ画素の検出精度が向上し、その結果、画像読取装置が出力する二値化画像のデータサイズが大きくなるおそれを低減しつつ、当該二値化画像の画像品質を高めることができる。
前記画像読取装置の一態様において、
前記閾値決定部は、前記入力画像が形成された原稿の地色の情報に基づいて、前記分散閾値を決定してもよい。
この画像読取装置によれば、分散閾値が媒体の地色の情報に基づいて決定されることで、非エッジ画素とエッジ画素との判別精度が向上する。その結果、画像読取装置が出力する二値化画像のデータサイズが大きくなるおそれを低減しつつ、当該二値化画像の画像品質をさらに高めることができる。
前記画像読取装置の一態様において、
前記閾値決定部は、原稿に生じた皺の情報に基づいて前記分散閾値を決定してもよい。
この画像読取装置によれば、分散閾値が媒体に生じた皺の情報に基づいて決定されることで、画像読取装置が二値化画像を出力するに際して、媒体に生じた皺の影響を低減することができる。これにより、画像読取装置が出力する二値化画像のデータサイズが大きくなるおそれを低減しつつ、当該二値化画像の画像品質をさらに高めることができる。
1…画像読取装置、2…制御部、3…読取部、4…表示部、5…入力部、6…通信部、
21…画像取得部、22…二値化処理部、23…画像出力部、221…判定部、222…第1二値化処理部、223…第2二値化処理部、224…閾値決定部

Claims (3)

  1. 多値の入力画像を二値化する画像読取装置であって、
    注目画素を含む複数の画素の階調値の分散値が分散閾値よりも大きいか否かを判定する判定部と、
    前記分散値が前記分散閾値よりも大きい場合に、前記注目画素の階調値に基づいて設定された第1閾値を用いて前記注目画素を二値化する第1二値化処理部と、
    前記分散値が前記分散閾値よりも小さい場合に、前記入力画像に含まれる入力画素の階調分布特性に基づいて設定された第2閾値を用いて前記注目画素を二値化する第2二値化処理部と、
    階調値毎に対応する前記分散閾値を決定する閾値決定部と、
    を備え、
    前記分散閾値の内、第1階調値に対応する第1分散閾値は、前記第1階調値よりも高階調値側の第2階調値に対応する第2分散閾値よりも小さい、
    ことを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記閾値決定部は、前記入力画像が形成された原稿の地色の情報に基づいて、前記分散閾値を決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記閾値決定部は、原稿に生じた皺の情報に基づいて前記分散閾値を決定する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取装置。
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