JP2023146282A - 静電チャック装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板面内における電界強度分布が改善された静電チャック装置を提供する。【解決手段】誘電体基板と、吸着電極と、高周波電極とを有する静電チャックプレートと、金属基台と、フォーカスリングと、を備える静電チャック装置。静電チャックプレートは、平面視において、基板を支持する第1領域と、フォーカスリングが載置されるリング載置面を有する第2領域とに区画される。高周波電極は、第1領域内に配置される第1高周波電極と、第2領域内に配置される第2高周波電極とを有する。フォーカスリングは、載置面に基板が載置された状態で基板の外周端面と水平方向に対向する内周端面を有する。第2高周波電極の内周側の端縁は、平面視において、基板の外周端面と、フォーカスリングの内周端面との間に位置する。【選択図】図2
Description
本発明は、静電チャック装置に関する。
半導体ウエハ等の基板を支持する静電チャック装置として、特許文献1記載のように、基板を囲んで配置されるフォーカスリングを有する静電チャック装置が知られる。また、特許文献2記載のように、基板面内のイオンエネルギー密度分布を制御する電極構成を備える静電チャック装置が知られる。
基板の外周にフォーカスリングを配置することで、基板の外周部におけるイオン入射角のばらつきを軽減できる。しかし、フォーカスリングを設けることにより、基板外周部における電極構造に制約が生じるため、基板外周部において電界強度が不均一になりやすい課題があった。
本発明は、基板面内における電界強度分布が改善された静電チャック装置を提供することを目的とする。
本発明の1つの態様によれば、基板が載置される載置面を有する誘電体基板と、前記誘電体基板の内部に位置する吸着電極と、基板に高周波電圧を印加する高周波電極とを有する静電チャックプレートと、前記載置面と反対の裏面側から前記静電チャックプレートを支持する金属基台と、前記静電チャックプレートの外周部に設置され、前記載置面を囲むフォーカスリングと、を備える静電チャック装置が提供される。前記静電チャックプレートは、平面視において、基板を支持する第1領域と、前記第1領域を囲み前記フォーカスリングが載置されるリング載置面を有する第2領域とに区画される。前記高周波電極は、前記第1領域内に配置される第1高周波電極と、前記第2領域内に配置される第2高周波電極とを有する。前記フォーカスリングは、前記載置面に基板が載置された状態で前記基板の外周端面と水平方向に対向する内周端面を有する。前記第2高周波電極の内周側の端縁は、平面視において、前記基板の外周端面と、前記フォーカスリングの前記内周端面との間に位置する。
前記第1高周波電極と前記第2高周波電極とは、平面視において互いに離間して配置される構成としてもよい。
前記フォーカスリングは、平面視において、環状の内周領域と、前記内周領域の外周側に位置する環状の外周領域とに区画され、前記内周領域の上面は、前記外周領域の上面よりも下側に位置し、前記内周領域と前記外周領域との境界に位置する段差面が前記基板の外周端面と水平方向に対向し、前記内周領域の一部は、前記載置面に基板が載置された状態で前記基板の下側に位置する構成としてもよい。
前記第1高周波電極の外周側の端縁は、前記第1領域と前記第2領域との境界よりも内周側に位置し、前記第2高周波電極の内周側の端縁は、前記第1領域と前記第2領域との境界よりも外周側に位置する構成としてもよい。
前記吸着電極は、前記第1領域内に配置される第1吸着電極と、前記第2領域内に配置される第2吸着電極と、を有する構成としてもよい。
前記静電チャックプレートの厚さ方向において、前記載置面と反対側の裏面から前記第1高周波電極までの距離は、前記裏面から前記第2高周波電極までの距離よりも大きい構成としてもよい。
前記静電チャックプレートの厚さ方向において、前記第1領域の上面から前記第1高周波電極までの距離は、前記第2領域の上面から前記第2高周波電極までの距離とほぼ等しい構成としてもよい。
本発明の1つの態様によれば、基板面内における電界強度分布が改善された静電チャック装置が提供される。
以下、本発明の静電チャック装置の各実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせて表示する場合がある。
図1は、本実施形態の静電チャック装置の断面図である。図2は、静電チャック装置の外周部を拡大して示す部分断面図である。
図1に示す静電チャック装置1は、ウエハWが載置される載置面2aを上側に向けた状態でプラズマ処理装置の真空容器内に配置される。本明細書では、図1に示すZ軸は、鉛直方向に平行な方向である。載置面2aの中心軸Oは、Z軸に平行である。本明細書では、Z軸方向の上側を単に「上側」と呼び、Z軸方向の下側を単に「下側」と呼ぶ。また、載置面2aの中心軸Oが延びる方向を単に「軸方向」、中心軸Oを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ場合がある。静電チャック装置1の配置形態は一例であり、他の配置形態であってもよい。
静電チャック装置1は、ウエハW等の基板を吸着支持する静電チャックプレート10と、静電チャックプレート10を支持する金属基台11と、を備える。静電チャックプレート10の上面の外周部には、平面視で載置面2a(ウエハW)を囲むフォーカスリング5が配置される。
静電チャックプレート10は、ウエハWが載置される載置面2aを有する誘電体基板2と、誘電体基板2の内部に位置する吸着電極6および高周波電極7と、誘電体基板2の下面に位置するヒータ9とを有する。
誘電体基板2は、平面視で円形状である。誘電体基板2は、機械的な強度を有し、かつ腐食性ガスおよびそのプラズマに対する耐久性を有する複合焼結体からなる。誘電体基板2を構成する誘電体材料としては、機械的な強度を有し、しかも腐食性ガスおよびそのプラズマに対する耐久性を有するセラミックスが好適に用いられる。誘電体基板2を構成するセラミックスとしては、例えば、酸化アルミニウム焼結体、窒化アルミニウム焼結体、酸化アルミニウム-炭化ケイ素複合焼結体などが好適に用いられる。
誘電体基板2の上面が、ウエハWが載置される載置面2aである。載置面2aには、複数の突起部21が所定の間隔で形成されている。複数の突起部21のそれぞれは、ウエハWの厚さより小さい直径を有する。載置面2aの複数の突起部21がウエハWを支持する。
静電チャックプレート10は、ウエハWを支持する載置面2aからなる第1領域10aと、載置面2aの径方向外側に位置しフォーカスリング5を支持する第2領域10bと、を有する。本実施形態の場合、フォーカスリング5を支持する第2領域10bの上面は、図示上下方向において、載置面2a(第1領域10a)よりも低い位置にある。第1領域10aと第2領域10bとの間には、外周側を向く端面からなる段差面10cが形成されている。第2領域10b上にフォーカスリング5が配置される。第2領域10bに配置された状態のフォーカスリング5の上面の高さ位置(上下方向位置)は、載置面2aに載置されるウエハWの上面の高さ位置とほぼ一致する。
本実施形態では、静電チャックプレート10は、載置面2aとリング載置面2dとの間に段差を有する。この構成によれば、ウエハWよりも厚いフォーカスリング5を使用する場合に、ウエハWの上面とフォーカスリング5の上面との段差を解消しやすくなり、ウエハWの外周部におけるプラズマの偏りを抑制できる。また、上記段差によって、フォーカスリング5が平面方向に動きにくくなる。フォーカスリング5とウエハWとの適正な位置関係を維持しやすくなる。
静電チャックプレート10の第2領域10bの上面は、フォーカスリング5を吸着させるリング載置面2dである。本実施形態では、リング載置面2dには、リング載置面2dから下側へ凹む溝からなるガス流路2eが設けられる。ガス流路2eは、載置面2aの周囲を一周する円環状の溝である。ガス流路2eの上側を向く開口部は、リング載置面2dに吸着されるフォーカスリング5によって閉塞される。なお、静電チャックプレート10は、第2領域10bにガス流路2eを備えない構成とすることもできる。
フォーカスリング5は、例えば、載置面2aに載置されるウエハWと同等の電気伝導性を有する材料を形成材料とする。具体的には、シリコン、炭化ケイ素、石英、酸化アルミニウムなどをフォーカスリング5の構成材料として用いることができる。フォーカスリング5を配置することにより、ウエハWの周縁部において、プラズマに対する電気的な環境をウエハWと概ね一致させることができる。これにより、ウエハWの中央部と周縁部とでプラズマ処理の差や偏りが生じにくくなる。
吸着電極6は、誘電体基板2の内部に位置する。吸着電極6は、第1吸着電極61と、第2吸着電極62と、を有する。第1吸着電極61は、静電チャックプレート10の第1領域10aに位置する。第2吸着電極62は、静電チャックプレート10の第2領域10bに位置する。第1吸着電極61は、静電チャックプレート10の中央部に位置し、第2吸着電極62は静電チャックプレート10の外周部に位置する。
第1吸着電極61は、載置面2aの下側に位置する。第1吸着電極61は、例えば平面視円形である。第1吸着電極61は、ウエハWを載置面2aに吸着させる。第1吸着電極61は、単極型の吸着電極に限らず、平面視で半円状の2つの電極からなる双極型の吸着電極であってもよい。
第2吸着電極62は、リング載置面2dの下側に位置する。第2吸着電極62は、第2領域10bに沿って延びる円環板状である。第2吸着電極62は、フォーカスリング5をリング載置面2dに吸着させる。本実施形態では、ウエハWを吸着させる第1吸着電極61と、フォーカスリング5を吸着させる第2吸着電極62とを別々の電極として備える。これにより、ウエハWとフォーカスリング5とを適切な強さで静電チャックプレート10に吸着させることができる。ウエハWとフォーカスリング5の両方を安定に保持できる。
第2吸着電極62は、単極型の吸着電極に限らず、同心の2つの円環状電極からなる双極型の吸着電極であってもよい。フォーカスリング5は、フレーム、ネジ等を用いて固定される構成であってもよい。すなわち、静電チャック装置1は、第2吸着電極62を備えない構成とすることもできる。
高周波電極7は、誘電体基板2の内部に位置する。高周波電極7は、誘電体基板2の厚さ方向において、吸着電極6よりも下側に位置する。高周波電極7は、第1高周波電極71と、第2高周波電極72とを有する。第1高周波電極71は、静電チャックプレート10の第1領域10aに位置する。第2高周波電極72は、静電チャックプレート10の第2領域10bに位置する。第1高周波電極71は、平面視で第1吸着電極61とほぼ重なる位置に配置される。第2高周波電極72は、平面視で第2吸着電極62とほぼ重なる位置に配置される。
図2に、静電チャックプレート10の外周部を拡大して示す。図2では、図1では簡略化して表示されていたフォーカスリング5の形状および他の構成要素との位置関係を、詳細に表示している。一方、図2では、説明の簡単のために、吸着電極6、ガス流路2eなどの図示を省略している。
図2に示すように、フォーカスリング5は、平面視環状の内周領域5aと、内周領域5aの外周側に位置する平面視環状の外周領域5bとに区画される。内周領域5aの上面5cは、外周領域5bの上面5dよりも下側に位置する。すなわち、フォーカスリング5は、フォーカスリング5の上面の内周側に、下側へ凹む凹部5Aを有する。
フォーカスリング5は、内周領域5aと外周領域5bとの境界に、フォーカスリング5の内周側を向く段差面5eを有する。段差面5eは、ウエハWを外周側から囲む。段差面5eは、ウエハWの外周端面Waと水平方向に対向する。本実施形態において、段差面5eは、フォーカスリング5において内周側を向く内周端面でもある。したがってフォーカスリング5は、ウエハWの外周端面Waと水平方向に対向する内周端面を有する。
本実施形態では、フォーカスリング5の最も内周側の端部は、第1領域10aと第2領域10bとの間の段差面10cのごく近傍に位置する。ウエハWは、載置面2aに載置された状態で段差面10cよりも静電チャックプレート10の外周側に位置する。したがって、フォーカスリング5の内周側の一部は、載置面2aに載置されたウエハWの下側に位置する。載置面2aよりも外周側へ突出するウエハWの外周部分は、フォーカスリング5の凹部5A内に配置される。
載置面2aの下側に、第1高周波電極71が配置される。リング載置面2dの下側に、第2高周波電極72が配置される。第1高周波電極71と第2高周波電極72とは、誘電体基板2の内部において、互いに異なる上下方向位置に配置される。ただし、誘電体基板2の厚さ方向(上下方向)において、載置面2aから第1高周波電極71までの距離L1と、リング載置面2dから第2高周波電極72までの距離L2は、ほぼ同等である。すなわち、距離L1と距離L2とは、等しい、あるいは近接する値である。距離L1は、距離L2の0.9倍以上1.1倍以下であることが好ましい。距離L1は、距離L2の0.95倍以上、あるいは0.97倍以上としてもよい。距離L1は、距離L2の1.05倍以下、あるいは1.03倍以下としてもよい。
本実施形態では、静電チャックプレート10の裏面2fから第1高周波電極71までの距離L1aは、裏面2fから第2高周波電極72までの距離L2aよりも大きい。この構成によれば、静電チャックプレート10の裏面2fを平坦化しやすくなる。ヒータ9による加熱の均一性、および金属基台11による冷却の均一性を高めやすくなる。裏面2fは、静電チャックプレート10の中心軸Oに直交する平坦面であることがより好ましい。
第1高周波電極71は、平面視において、第1領域10aと第2領域10bとの間の段差面10cよりも内周側に位置する。すなわち、第1高周波電極71の外周側の端縁71aと、段差面10cとの間には、誘電体基板2の一部が配置される。第1高周波電極71の外周側の端縁71aと段差面10cとの水平方向の間隔L3は、1mm以上であることが好ましく、1.5mm以上であることがより好ましい。第1高周波電極71の外周側の端縁71aと段差面10cとの水平方向の間隔L3は、3mm以下であることが好ましく、2.5mm以下であることがより好ましい。
第2高周波電極72は、平面視で第2領域10bの内側に位置する。すなわち、第2高周波電極72の内周側の端縁72aは、第1領域10aと第2領域10bとの間の段差面10cよりも外周側に位置する。第2高周波電極72の外周側の端縁72bは、第2領域10bの外周端よりも内周側に位置する。第2高周波電極72の外周側の端縁72bは、誘電体基板2の外周端から1mm以上内周側に位置することが好ましく、1.5mm以上内周側に位置することがより好ましい。
本実施形態では、第1高周波電極71は、第1領域10aと第2領域10bとの境界(段差面10c)よりも内周側に位置する。一方、第2高周波電極72は、第1領域10aと第2領域10bとの境界(段差面10c)よりも外周側に位置する。したがって、第1高周波電極71と第2高周波電極72とは、平面視において互いに離間して配置される。静電チャックプレート10の構造上の制約で、第1高周波電極71と第2高周波電極72とが離れて配置されると、ウエハWの外周部周辺において、高周波電極が存在しない平面領域が生じる。このような構成では、ウエハW上の電界強度に不均一が生じやすいが、後述する本実施形態の構成を採用することで、電界強度の均一性を改善することができる。
本実施形態において、第2高周波電極72の内周側の端縁72aは、平面視において、ウエハWの外周端面Waと、フォーカスリング5の段差面5e(外周端面Waと水平方向に対向するフォーカスリング5の内周端面)との間の区間R1内に位置する。より詳細には、区間R1の内周側の境界は、ウエハWの外周端面Waである。区間R1の外周側の境界は、フォーカスリング5の段差面5eの下端5fである。第2高周波電極72の内周側の端縁72aが区間R1内に位置することで、ウエハW上における垂直方向の電界強度分布をより均一な分布に近づけることができる。
第2高周波電極72の内周側の端縁72aの位置について、本発明者らは、電磁界シミュレーションを実施し、電界強度分布を改善可能な位置を得た。図3は、電磁界シミュレーションに用いた静電チャック装置のモデルを示す説明図である。図3に示すように、解析用のモデルでは、図1および図2に示す静電チャック装置1に、ウエハ用高周波給電端子、フォーカスリング用高周波給電端子、石英製の保護部材を配置した構成とした。周囲環境は、静電チャック装置の上方に高密度プラズマ、側方に低密度プラズマが分布し、金属基台の下側は真空である条件とした。
ウエハ径はφ300mmとした。図2に示す各部の位置は以下の通りである。
ウエハWの外周端面Waの径方向位置: 150mm
段差面5eの下端5fの径方向位置: 151mm
段差面5eの上端5hの径方向位置: 152mm
段差面10cの径方向位置: 148mm
第1高周波電極71の端縁71aの径方向位置: 146mm
第1高周波電極71および第2高周波電極72の厚さ: 50μm
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第1高周波電極71および第2高周波電極72の厚さ: 50μm
(シミュレーション条件)
解析ソフト: 高周波解析ソフト ANSYS HFSS(ANSYS社製)
解析周波数: 500kHz(高周波電力の入力値(W)は適宜調整)
モデル条件: 金属基台および各給電端子は金属とし、有限要素無し。
各部材の比誘電率、電気伝導率、誘電正接は表1に記載。
解析ソフト: 高周波解析ソフト ANSYS HFSS(ANSYS社製)
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モデル条件: 金属基台および各給電端子は金属とし、有限要素無し。
各部材の比誘電率、電気伝導率、誘電正接は表1に記載。
図4は、電磁界シミュレーションにより得られたウエハ上の電界強度分布と、電界垂直性分布を示すグラフである。
「ウエハ上電界強度均一性」は、ウエハ上の各位置の垂直電界強度をウエハ中央の垂直電界強度で規格化し、得られた電界強度比率が100±0.2%である面積比率で評価した。
「ウエハ上電界垂直性」は、ウエハ上の電界の傾きが垂直方向に対して±0.1°である面積比率で評価した。
「ウエハ上電界強度均一性」および「ウエハ上電界垂直性」のいずれも、100%に近いほどウエハ上の電界の均一性が高いことを意味する。
「ウエハ上電界強度均一性」は、ウエハ上の各位置の垂直電界強度をウエハ中央の垂直電界強度で規格化し、得られた電界強度比率が100±0.2%である面積比率で評価した。
「ウエハ上電界垂直性」は、ウエハ上の電界の傾きが垂直方向に対して±0.1°である面積比率で評価した。
「ウエハ上電界強度均一性」および「ウエハ上電界垂直性」のいずれも、100%に近いほどウエハ上の電界の均一性が高いことを意味する。
図4に示すように、第2高周波電極72の内周側の端縁72aの径方向位置を変化させると、ウエハW上における電界強度分布と、電界の垂直性分布が変化する。「ウエハ上電界強度均一性」は、半径151mmの位置にピークを有し、半径148mm~152mmの範囲において、高い均一性を有する。「ウエハ上電界垂直性」は、ほぼ半径150mmの位置にピークを有し、ピーク位置から前後に離れるに従って均一性が低下する。
「ウエハ上電界強度均一性」が最大となる半径151mmの位置は、フォーカスリング5の段差面5eの下端5fの径方向位置である。また、「ウエハ上電界垂直性」が最大となる半径150mmの位置は、ウエハWの外周端面Waの径方向位置である。したがって、第2高周波電極72の内周側の端縁72aを、フォーカスリング5の段差面5e(ウエハWと対向する内周端面)と、ウエハWの外周端面Waとの間に配置することで、ウエハW上の電界強度の均一性と、ウエハW上における電界の垂直性との両方で、高い均一性を得ることができる。
図1に戻り、ヒータ9は、例えば平面視で概略円形状の薄膜ヒータである。ヒータ9は、誘電体基板2の下面に接着されている。ヒータ9は、平面視において載置面2aと重なる領域に位置する。すなわち、ヒータ9は、載置面2aに載置されるウエハWと平面視で重なる位置に配置される。
図1に示すヒータ9の構成および配置は一例であり、種々の変更が可能である。ヒータ9は、誘電体基板2の内部に設けてもよい。ヒータ9は、金属基台11に接着されていてもよい。ヒータ9は、金属基台11の内部に設けてもよい。ヒータ9は、セラミックスまたは金属線を用いて構成してもよい。静電チャック装置1は、ヒータ9を備えない構成とすることもできる。
金属基台11は、厚みのある円板状の金属部材からなる。本実施形態の金属基台11は、内部に水等の冷媒を循環させる流路11aを有する水冷ベースである。金属基台11は、流路11aを備えない構成であってもよい。金属基台11を構成する材料としては、熱伝導性、導電性、加工性に優れた金属、またはこれらの金属を含む複合材であれば特に制限はなく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ステンレス鋼等が好適に用いられる。
静電チャック装置1では、静電チャックプレート10の下面と、金属基台11の上面とが、接着層12を介して接着されている。接着層12は、ヒータ9を内部に封止する。接着層12は、例えば、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂等の耐熱性樹脂、あるいは、絶縁性を有するシート状またはフィルム状の接着性樹脂からなる。
以上の構成を備える静電チャック装置1によれば、フォーカスリング5の下側に位置する第2高周波電極72の径方向位置を適切に設定したことで、ウエハW上における電界強度の均一性と、電界の垂直性を高めることができる。
なお、本実施形態の静電チャックプレート10は、第1領域10aと第2領域10bとが、別々の部材からなる構成であってもよい。すなわち、誘電体基板2が、段差面10cの位置で、第1領域10aを構成する円板状の誘電体基板と、第2領域10bを構成する円環状の誘電体基板とに分割されていてもよい。
1…静電チャック装置、2…誘電体基板、2a…載置面、2d…リング載置面、2e…ガス流路、2f…裏面、5…フォーカスリング、5a…内周領域、5b…外周領域、5c,5d…上面、5e,10c…段差面、5f…下端、5h…上端、5A…凹部、6…吸着電極、7…高周波電極、9…ヒータ、10…静電チャックプレート、10a…第1領域、10b…第2領域、11…金属基台、11a…流路、12…接着層、21…突起部、61…第1吸着電極、62…第2吸着電極、71…第1高周波電極、71a,72a,72b…端縁、72…第2高周波電極、L1,L2,L1a,L2a…距離、L3…間隔、O…中心軸、R1…区間、W…ウエハ、Wa…外周端面
Claims (7)
- 基板が載置される載置面を有する誘電体基板と、前記誘電体基板の内部に位置する吸着電極と、基板に高周波電圧を印加する高周波電極とを有する静電チャックプレートと、
前記載置面と反対の裏面側から前記静電チャックプレートを支持する金属基台と、
前記静電チャックプレートの外周部に設置され、前記載置面を囲むフォーカスリングと、
を備える静電チャック装置であって、
前記静電チャックプレートは、平面視において、基板を支持する第1領域と、前記第1領域を囲み前記フォーカスリングが載置されるリング載置面を有する第2領域とに区画され、
前記高周波電極は、前記第1領域内に配置される第1高周波電極と、前記第2領域内に配置される第2高周波電極とを有し、
前記フォーカスリングは、前記載置面に基板が載置された状態で前記基板の外周端面と水平方向に対向する内周端面を有し、
前記第2高周波電極の内周側の端縁は、平面視において、前記基板の外周端面と、前記フォーカスリングの前記内周端面との間に位置する、
静電チャック装置。 - 前記第1高周波電極と前記第2高周波電極とは、平面視において互いに離間して配置される、
請求項1に記載の静電チャック装置。 - 前記フォーカスリングは、平面視において、環状の内周領域と、前記内周領域の外周側に位置する環状の外周領域とに区画され、前記内周領域の上面は、前記外周領域の上面よりも下側に位置し、
前記内周領域と前記外周領域との境界に位置する段差面が前記基板の外周端面と水平方向に対向し、前記内周領域の一部は、前記載置面に基板が載置された状態で前記基板の下側に位置する、
請求項1または2に記載の静電チャック装置。 - 前記第1高周波電極の外周側の端縁は、前記第1領域と前記第2領域との境界よりも内周側に位置し、
前記第2高周波電極の内周側の端縁は、前記第1領域と前記第2領域との境界よりも外周側に位置する、
請求項2または3に記載の静電チャック装置。 - 前記吸着電極は、前記第1領域内に配置される第1吸着電極と、前記第2領域内に配置される第2吸着電極と、を有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の静電チャック装置。 - 前記静電チャックプレートの厚さ方向において、前記載置面と反対側の裏面から前記第1高周波電極までの距離は、前記裏面から前記第2高周波電極までの距離よりも大きい、
請求項1から5のいずれか1項に記載の静電チャック装置。 - 前記静電チャックプレートの厚さ方向において、前記第1領域の上面から前記第1高周波電極までの距離は、前記第2領域の上面から前記第2高周波電極までの距離とほぼ等しい、
請求項6に記載の静電チャック装置。
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JP2022053390A JP2023146282A (ja) | 2022-03-29 | 2022-03-29 | 静電チャック装置 |
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JP2022053390A Pending JP2023146282A (ja) | 2022-03-29 | 2022-03-29 | 静電チャック装置 |
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2022
- 2022-03-29 JP JP2022053390A patent/JP2023146282A/ja active Pending
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