JP2023145347A - レーザ照射装置、及びレーザ照射方法 - Google Patents

レーザ照射装置、及びレーザ照射方法 Download PDF

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正裕 森
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Abstract

【課題】レーザ照射に起因する不良を低減することを可能としたレーザ照射装置及びレーザ照射方法を提供する。【解決手段】レーザ照射装置(1)は、レーザ発振器(2A)により出射されたレーザ光を少なくとも2つ以上のレーザ光に分岐する光学素子と、光学素子の角度を変化させる駆動部(4)と、を含む分岐装置(18)と、分岐されたレーザ光の強度分布を変更可能な整形素子を有する複数の整形装置と、分岐されたレーザ光を同軸に重畳させることで、集光レンズの焦点で合成スポットを形成する合成装置(12)と、駆動部(4)を駆動させ、複数の整形装置のそれぞれに入射する分岐されたレーザ光のパワー比を変更することで、合成スポットの強度分布を制御する制御装置(7)と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示はレーザ光を部材に照射するレーザ照射装置及びレーザ照射方法に関する。
従来のレーザ照射装置として、レーザ光のエネルギーの強度分布(いわゆるプロファイル)を変化させて、電池のケースと蓋を溶接しているものがある(例えば、特許文献1参照。)。図17を参照する。図17は、特許文献1に記載された従来のレーザ照射装置を示す。
図17において、レーザ発振器110から出力されたレーザ光L0はビームスプリッタからなる分割器120により第1のレーザ光L1と第2のレーザ光L2との2つに分割される。第1のレーザ光L1はその強度分布がトップハット型のままレーザ溶接に用いられる。第2のレーザ光L2は強度分布変更器130により、その強度分布がガウシアン型に変更されてから、合成器210によりD6に示すプロファイルPを有する照射レーザ光Ltgを生成し、接合対象に照射してレーザ溶接をしている。
特許第6151660号
レーザ加工はレーザ光と材料との相互作用により加工精度が決定され、レーザ照射するときの材料の状態、例えば温度、表面状態、形状に起因する熱容量などの影響を受ける。そのため、レーザ照射中にも照射状態は逐次変化しており、加工開始から加工終了にかけて、最適な照射条件に逐次変化させながら加工することが理想である。
しかしながら、現実には、レーザ照射中には照射条件を変えずに、出来栄えが最も悪い状態であっても、許容できる照射条件を選択しているのが現状である。上述の従来の構成では、分割器120において、分割比率の異なるビームスプリッタを切替えるなど、プロファイル変更に時間を要することから、レーザ照射中にプロファイルを動的に変更することは困難であり、溶接前に設定したプロファイルでレーザ照射を完了させる必要がある。このように、照射状態に応じて照射条件を変化させることで、照射点の状態を一定に保ち、安定して均一な加工結果を得ることが課題である。
従って、本開示は、上述した従来の課題を解決するもので、レーザ照射に起因する不良を低減することを可能としたレーザ照射装置、及びレーザ照射方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示のレーザ照射装置は、レーザ発振器により出射されたレーザ光を少なくとも2つ以上のレーザ光に分岐する光学素子と、光学素子の角度を変化させる駆動部と、を含む分岐装置と、分岐された少なくとも1つのレーザ光の強度分布を変更可能な整形素子を有する整形装置と、分岐されたレーザ光を同軸に重畳させることで、集光レンズの焦点で合成スポットを形成する合成装置と、駆動部を駆動させ、整形装置に入射または出射する分岐されたレーザ光のパワー比を変更することで、合成スポットの強度分布を制御する制御装置と、を備える。
また、本開示のレーザ照射方法は、レーザ発振器により出射されたレーザ光を、光学素子により少なくとも2つ以上のレーザ光に分岐し、分岐された少なくとも1つのレーザ光の強度分布を、整形装置により変更し、分岐されたレーザ光を合成装置により同軸に重畳させることで、集光レンズの焦点で合成スポットを形成し、制御装置が光学素子の角度を変化させる駆動部を駆動させて、整形装置に入射または出射する分岐されたレーザ光のパワー比を変更することで、合成スポットの強度分布を制御する。
以上のように、本開示のレーザ照射装置、及びレーザ照射方法によれば、レーザ照射に起因する不良を低減することが可能となる。
本開示の実施の形態1における直線偏光を用いたレーザ照射装置の模式図 本開示の実施の形態1における直線偏光入射ときのブリュースター偏光子への入射角θと透過率/反射率の関係図 本開示の実施の形態1におけるレーザ照射方法の流れを示すフローチャート 本開示の実施の形態1におけるレーザビームプロファイルの合成方法 本開示の実施の形態1の変形例におけるランダム偏光を用いたレーザ照射装置の模式図 本開示の実施の形態1の変形例におけるランダム偏光を用いたレーザ照射装置の模式図 本開示の実施の形態1におけるランダム偏光入射のときのブリュースター偏光子への入射角θと透過率/反射率の関係図 本開示の実施の形態2におけるレーザ照射装置の模式図 本開示の実施の形態2における変形されたレーザ照射装置の模式図 本開示の実施の形態2における変形されたレーザ照射装置の模式図 本開示の実施の形態1及び2における効果を説明する模式図 本開示の実施の形態1及び2における効果を説明する模式図 本開示の実施の形態3におけるレーザ照射装置の模式図 透過光パワー及び反射光パワーの比の時間変化を示すグラフ 透過光パワー及び反射光パワーの比とガルバノミラーへの入射角との関係を示すグラフ 透過光のS偏光の透過率とP偏光の透過率との比とガルバノミラーへの入射角との関係を示すグラフ S偏光とP偏光とのパワー比の時間変化を示すグラフ 特許文献1に記載された従来のレーザ溶接装置を示す図
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1を参照して、本実施の形態1のレーザ照射装置1の構成を説明する。図1は、本開示の実施の形態1におけるレーザ照射装置1の模式図である。図1において、レーザ照射装置1はレーザ発振器2Aから出力されたレーザ光LB11に基づき生成されたレーザ光LB15を加工対象に照射してレーザ加工するものである。レーザ加工は、例えば、溶接に用いられる。
レーザ発振器2Aはレーザ光LB11を出射する。レーザ光LB11は、例えば、波長1070nmの平行光、あるいはコリメータ(図示せず)により平行光になされたものであり、かつ直線偏光である。
ガルバノミラー3はレーザ光LB11の入射角によって反射率、透過率を可変の比率で調整できるブリュースター偏光子(ブリュースターTFP)であり、駆動部4と接続されている。レーザ光LB12はガルバノミラー3を透過したレーザ光であり、レーザ光LB14はガルバノミラー3で反射されたレーザ光である。ガルバノミラー3と駆動部4とで分岐装置18を構成する。
駆動部4はガルバノミラー3を回転させるためのモータと、モータの回転量を検出するエンコーダとを備え、ガルバノミラー3を透過したレーザ光LB12に干渉しないように支持される。駆動部4は制御装置7に接続されており、制御装置7の指示により駆動部4はガルバノミラー3の角度を変化することができる。
ガルバノミラー5はレーザ光LB11の波長を90%以上反射可能なミラーであり、ガルバノミラー3からの反射光を反射できる位置、大きさで設置されており、駆動部6と接続されている。
駆動部6は、例えばガルバノミラー5を回転させるためのモータと、モータの回転量を検出するエンコーダとを備え、制御装置7に接続されている。制御装置7の指示により駆動部6はガルバノミラー5の角度を変化することができる。
制御装置7は、半導体素子などで構成される回路で実現可能である。制御装置7は、例えばCPU、マイクロコンピュータ、FPGA、あるいはコンピュータで実行可能な命令を実行できる処理装置であればよい。制御装置7の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。制御装置7は、内蔵または外部の記憶部に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、予め定められた機能を実現する。
プロファイル変更装置8はレーザ光LB12が透過する位置に設置される。1/2波長板9、及びプロファイル変更装置10は、レーザ光LB13が透過する位置に設置される。
プロファイル変更装置8、及びプロファイル変更装置10は、それぞれ、レーザ光の位相、振幅のうち少なくとも1つを変調する整形素子を有することで、レーザ光のプロファイル(強度分布)を変更することができる。本実施の形態において、プロファイル変更装置8及びプロファイル変更装置10は、それぞれ、レーザ光を透過させる際に位相変調可能な回折光学素子(DOE)を整形素子として有する。
1/2波長板9は、入射するレーザ光LB13の2つの垂直偏光成分間にπの位相差を与え、レーザ光透過ときの角度によって位相をπ進めることができ、直線偏光の偏光方向を変えることができる。本実施の形態において、1/2波長板9は、入射するレーザ光LB13を、例えば、P偏光からS偏光に変換する。
プロファイル変更装置8を透過したレーザ光LB14は、合成装置12に到達する。1/2波長板9及びプロファイル変更装置10を透過したレーザ光LB15はミラー11により折り曲げられ合成装置12に到達する。ミラー11は、レーザ光LB2をロス少なく反射することができる。
合成装置12はP偏光を透過、S偏光を反射することができる偏光子であり、レーザ光LB14を透過させ、レーザ光LB15を反射させる。また合成装置12は、2つのレーザ光の光軸を同一に合わせ、合成することができる。ここで、レーザ光LB14、LB15の光軸が同一になるように合成するとは、完全に同軸になる場合だけでなく略同一になる場合も含まれる。ここで、略同一とは、レーザ光LB14の光軸からレーザ光LB14の半径(短径)の50%以内の領域内にレーザ光LB15の光軸が含まれる。なお、図1において、合成装置12から出射するレーザ光LB16の進む光軸方向をZ軸方向とし、Z軸方向に垂直な平面をXY平面とする。図1において、レーザ発振器2Aから出射するレーザ光LB11もZ軸方向に進行する。
照射用スキャナ13は、X軸方向走査用のガルバノミラー14、及びY軸方向走査用のガルバノミラー15を含む。照射用スキャナ13は、各ガルバノミラー14、15をそれぞれ回転駆動する駆動部(図示せず)により各ガルバノミラーの角度が調整されることにより、反射したレーザ光LB16を所望の照射位置に照射させることができる。
集光レンズ16は、例えば、焦点距離255mmのfθレンズであり、レーザパワーロスを少なくレーザ光LB16の波長を透過することができ、ガルバノミラー14、15により反射されたレーザ光を焦平面上に集光することができる。
被加工材17は集光レンズ16により集光されたレーザ光LB17を吸収することで加工される材料である。被加工材17は、例えば、金属板である。
次に、本実施の形態1のレーザ照射装置1の動作について図2-図4を参照して説明する。
ステップS1において、レーザ発振器2Aから出射されたレーザ光LB11が、ステップS2において、制御装置7から指示された入射角θに調整されたガルバノミラー3に入射され、分岐する。
図2を参照する。図2は、ガルバノミラー3のブリュースターTFPの入射角θと透過率・反射率を示したものである。図2(a)は、レーザ光の波長が1070nmのときのブリュースターTFPにおけるP偏光とS偏光の反射率の関係を示す。図1の構成ではレーザ発振器2Aから出射されるレーザ光としてP偏光を用いることから、図2(b)にP偏光の透過率・反射率の関係を示す。図2(c)に入射角θと透過/反射の比率との関係を示す。
ガルバノミラー3のブリュースターTFPは、一般的にはP偏光=0となる入射角(ブリュースター角θB)でウィンドウを設置することで、入射ロスがゼロとなるという性質を利用することが多い。しかしながら、本実施の形態では、角度によって透過率/反射率を制御可能であるという性質を利用し、ステップS2において、制御装置7の指示によってガルバノミラー3へのレーザ光LB11の入射角θを変更することで、透過と反射の割合を連続的に変更することが可能となる。これにより、レーザ光LB11をレーザ光LB12とレーザ光LB13とに分岐する際に、それぞれのレーザ光LB12、LB13のパワー比を変更することができる。ここで、入射角θは図1に示したように、ガルバノミラー3の反射面の法線方向からの角度である。本実施形態におけるブリュースター角θBは、レーザ光の波長が1070nm、空気の屈折率を1.0、ガルバノミラー3の屈折率を1.45とした場合、約55.4度である。
また、レーザ光LB13はガルバノミラー3の角度θに応じて、制御装置7によって制御された駆動部6によってガルバノミラー5の角度が調整され、後に続く光学系に伝送される所定の光軸に調整することが可能である。
図4にレーザビームプロファイルの合成方法の一例を示す。ステップS3において、ガルバノミラー3を透過したレーザ光LB12は、プロファイル変更装置8を透過することで、集光レンズ16の焦点位置である集光点Fにおいて、図4(a-1)に示すプロファイルを有するレーザ光LB14であるとする。また、ガルバノミラー3により反射されたレーザ光LB13は1/2波長板9によりS偏光に変換された後、プロファイル変更装置10を透過することで、集光点Fにおいて、図4(a-2)に示すプロファイルを有するレーザ光LB15であるとする。
ステップS4において、レーザ光LB14と、ミラー11により進路方向を折り曲げられたレーザ光LB15とは、合成装置12に到達した後、P偏光であるレーザ光LB14は透過、S偏光であるレーザ光LB15は反射されることで同一の光軸に合わせられ、2つのレーザ光LB14及びLB15の外形が円形のとき、レーザ光LB16の外形はZ軸方向から見るとA-1に示すような略円形となる。合成装置12は、集光点Fにおいてレーザ光LB14及びLB15の合成スポットを形成する。なお、合成スポットを形成する位置は、集光レンズ16の焦点位置である集光点Fに限らずその近傍点も含む。
ステップS5において、集光レンズ16によりレーザ光Lb17が集光点Fに集光される。集光点Fにおけるレーザ光Lb17のプロファイルは、レーザ光LB14とレーザ光LB15の強度比を調整することで連続的に調整可能である。
図4(b-1)~(b-3)において、レーザ光LB14とレーザ光LB15のそれぞれの強度比により合成されたレーザ光の集光点Fでのビームプロファイルを示す。図4(b-1)に、レーザ光LB14:レーザ光LB15=95:5のときの集光点Fでのビームプロファイルを示す。図4(b-2)に、レーザ光LB14:レーザ光LB15=75:25のときの集光点Fでのビームプロファイルを示す。図4(b-3)に、レーザ光LB14:レーザ光LB15=50:50のときの集光点Fでのビームプロファイルを示す。
また、図2のそれぞれの関係図により、ガルバノミラー3の角度θは、図4(b-1)のとき、θ=50°、図4(b-2)のとき、θ=75.3°、図4(b-3)のとき、θ=83°である。
ガルバノミラー3の角度分解能を1μradとすると、角度1μradに応じたパワーの刻みでレーザ光LB14とレーザ光LB15のパワー調整が可能となる。なお、図4に示したレーザビームプロファイルは一例であり、任意の強度分布、形状を形成することができる。
本開示のレーザ照射装置1は、レーザ発振器2Aにより出射されたレーザ光LB11を少なくとも2つ以上のレーザ光LB12、LB13に分岐するガルバノミラー3と、ガルバノミラー3の角度を変化させる駆動部4と、を含む分岐装置18を備える。レーザ照射装置1は、さらに、分岐されたレーザ光LB12、LB13の強度分布をそれぞれ変更可能な整形素子をそれぞれ有する複数のプロファイル変更装置8、10と、分岐されたレーザ光を同軸に重畳させることで、集光レンズ16の焦点で合成スポットを形成する合成装置12と、駆動部4を駆動させ、複数のプロファイル変更装置8、10のそれぞれに入射する分岐されたレーザ光LB12、LB13のパワー比を変更することで、合成スポットの強度分布を制御する制御装置7と、を備える。
これにより、レーザ照射中にも集光スポットにおけるプロファイル、つまり強度分布を照射中においても連続的に変更することができ、レーザ照射に起因する不良を低減することを可能とするレーザ照射装置、およびレーザ照射方法を提供することができる。
次に図5A及び図5Bに、本実施の形態1の変形例を示す。なお、図5A及び図5Bにおいて、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図5Aにおいて、レーザ発振器2Bはランダム偏光のレーザ光LB21を出射するものとする。例えば、レーザ発振器2Bがファイバーレーザ装置である場合、ランダム偏光のレーザ光を出射することができる。図1と同様、ガルバノミラー3を透過したレーザ光LB22、及びガルバノミラー3で反射したレーザ光LB23は、ガルバノミラー3の角度によって透過率及び反射率が制御される。しかし、本実施形態の変形例は、レーザ光L21がランダム偏光のため、図2とは入射角に対する透過率及び反射率が異なる。
図6(a)にランダム偏光のP偏光とS偏光の比率が50:50であるとしたときの透過率と反射率を示す。これは、図2(a)で示した入射角θに対するP偏光の透過率とS偏光の透過率の和を図6(a)の透過率とし、P偏光の反射率とS偏光の反射率の和を図6(a)の反射率としたものである。また、図6(b)に入射角θと透過/反射の比率との関係を示す。
ここで示すように、ランダム偏光のレーザ光LB21を用いた場合でも、図1と同様にレーザ光LB22とレーザ光LB23の比率を調整することが可能である。すなわち、プロファイル変更装置8及び10を透過したレーザ光LB24、LB25を光軸が同軸になるように合成してレーザ光LB26を生成することで、図4に示したようなプロファイルの制御が可能となる。
2つのレーザ光LB24及びLB25の外形が円形のとき、レーザ光LB26の外形はA-2に示すような略円形となる。
レーザ光LB24及びLB25にはP偏光及びS偏光が混在している。合成する際には合成装置12によってLB24のS偏光成分が反射され、LB25のP偏光成分が透過する。このため、ロス光LB28が発生し、レーザ光の利用効率は約50%に低下する。
また、図5Bにおいて、分岐装置18はP偏光を透過したレーザ光LB32と、S偏光を反射したレーザ光LB33に分岐することができる偏光子であり、ミラー19はレーザ光LB33をロス少なく反射する。
ガルバノミラー20は制御装置7に通信可能に接続された駆動部21を備えており、レーザ光LB33がプロファイル変更装置10を透過したレーザ光LB35をロス少なく反射させ任意の角度でガルバノミラー22に入射させる。
ガルバノミラー22はブリュースター偏光子であり、制御装置7に通信可能に接続された駆動部23が設けられており、P偏光であるレーザ光LB32がプロファイル変更装置8を透過したレーザ光LB34を入射角θに応じた透過率で透過させ、S偏光であるレーザ光LB35がプロファイル変更装置10を透過したレーザ光LB35を入射角θに応じた反射率によって反射させ、同軸に調整されることで合成されたレーザ光LB36が生成される。2つのレーザ光LB34及びLB35の外形が円形のとき、レーザ光LB36の外形はA-3に示すような略円形となる。図5A同様にロス光LB38がガルバノミラー22で反射されたP偏光及び透過したS偏光の和により発生する。
図5A、図5Bにそれぞれ示した変形例においても、図4に一例を示したように、集光点Fにおいて一方のレーザ光で図4(a-1)、他方のレーザ光で図4(a-2)となるようなプロファイルを付与し、強度比率を変更することで図4(b-1)、図4(b-2)、図4(b-3)に示すようなプロファイルに連続的に変更できる。
なお、合成装置12、分岐装置18はP偏光を透過、S偏光を反射するとしたが、S偏光を反射、P偏光を透過するものとして、各レーザ光LB12とLB13、LB22とLB23、LB32とLB33の偏光成分を入れ替えてもよい。
(実施の形態2)
図7に、実施の形態2のレーザ照射装置1Dを示す。なお、図7において、図1、図5A及び5Bと同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
レーザ発振器2Bから出射されたランダム偏光であるレーザ光LB21は、偏光変換素子24によってP偏光に変換される。偏光変換素子24はP偏光を透過し、S偏光を反射させた後S偏光のみP偏光に変換し、偏光変換素子24を透過したレーザ光LB41はB-1にそのビーム断面を示すように、2つのレーザ光が平行に出射された形となる。
レーザ光LB41は実施の形態1の図1と同様に、ガルバノミラー3の角度、つまりガルバノミラー3へのレーザ光の入射角θによって決まる比率でレーザ光LB42とレーザ光LB43に分岐される。透過率・反射率の比率は図2(b)に示した値をとる。
ガルバノミラー3を透過したレーザ光LB42はプロファイル変更装置8でプロファイルを変更されたレーザ光LB44となる。ガルバノミラー3により反射されたレーザ光LB43は1/2波長板9でS偏光に変換された後、プロファイル変更装置10でプロファイルを変更されレーザ光LB45となる。レーザ光LB45は、合成装置12でレーザ光LB44と合成されてレーザ光LB46となる。
レーザ光LB46は紙面に垂直な方向をレーザ光の進む光軸方向であるZ軸とした場合、光軸に垂直なXY平面内の状態を示したA-4のように、B-1に示したレーザ光LB44とレーザ光LB45が同じ角度で重畳した形でもよいし、A-5に示すようにレーザ光LB44とレーザ光LB45が角度を持って重畳する形でもよい。レーザ光LB46は照射用スキャナ13及び集光レンズ16を透過した後集光されて、集光点Fでレーザ光LB47として被加工材17に照射される。
このように、分岐前のレーザ光LB21がランダム偏光である場合には、レーザ出射部であるレーザ発振器2Bから集光レンズ16までの間のいずれかの位置に、隣り合ったレーザ光が少なくとも2つ以上並行する。
図8、図9に図7で示した実施の形態2の変形例を示す。図1、図5A、図7と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図8のレーザ照射装置1Eにおいて、図5Aと同様に、レーザ発振器2Bはランダム偏光のレーザ光LB21を出射し、ガルバノミラー3を透過したレーザ光LB22、反射したレーザ光LB23はガルバノミラー3の角度によって透過率及び反射率が制御されている。レーザ光L21がランダム偏光のため、透過率及び反射率は図6(a)に示した値をとる。
プロファイル変更装置8を透過したレーザ光LB24は照射用スキャナ13に到達し、プロファイル変更装置10を透過したレーザ光LB25をミラー11により反射させ、さらに、ミラー25によりレーザ光LB24と平行な光路をとる。ここで、レーザ光LB25とレーザ光LB24とが平行な光路であるとは、完全に平行な場合だけでなく略平行な場合も含む。ここで略平行とは、例えば、レーザ照射装置1の全長が最短で0.5mで、ミラー直径がφ50mmの場合、±50mrad程度、すなわち、レーザ光LB25とレーザ光LB24との互いの光軸の傾きが±3度まで含まれる。このようにすることで、Z軸方向から見るとA-6に示すように、レーザ光LB24及びLB25はそれぞれ、光軸に垂直なXY平面内に並んだ状態で進行し、合成されレーザ光LB56を生成する。A-6は2つのレーザ光LB24及びLB25の外形が円形のときを示したものである。
図9のレーザ照射装置1Fにおいて、図5A、図8と同様にプロファイル変更装置8を透過したレーザ光LB24と、プロファイル変更装置10を透過したレーザ光LB25が得られる。これらのレーザ光LB24及びLB25は、球面を有する凹面ミラー26、及び非球面を有する凸面ミラー27により、図8に示したA-6と同様にA-7に示すように平行で横に並んだ形状に合成されたレーザ光LB66を得ることができる。
レーザ光LB66は球面ミラーの中央に設けられた出射口Cから出射され、照射用スキャナ13、集光レンズ16を透過した後、集光点Fで被加工材17に照射される。ここで、凹面ミラー26に球面ミラー、凸面ミラー27に非球面ミラーを用いたが、平行なレーザ光LB66を得られるものであれば、凹面ミラー26、及び凸面ミラー27は球面、非球面どちらを用いてもよい。
図7、図8、図9にそれぞれ示したレーザ照射装置1D~1Fの構成によれば、実施の形態1と同様に、図4に一例を示したように2つのレーザ光に図4(a-1)、図4(a-2)のような形状を付与し、その強度比率を調整し合成することで図4(b-1)、図4(b-2)、図4(b-3)に示すようなビームプロファイルを得ることが可能となる。
以上のように、レーザ照射装置が備える合成装置は、合成装置12である第一合成装置、第二合成装置、及び第三合成装置の少なくとも1つを含み、第一合成装置は偏光板であり、P波及びS波のいずれか一方を透過させ、他方を反射させることで同軸のレーザ光として合成する。第二合成装置はミラー25と集光レンズ16とを含み、複数のレーザ光をミラー25に入射して平行なレーザ光とし、平行なレーザ光を集光レンズ16で集光することで合成する。第三合成装置は凹面ミラー26と凸面ミラー27を用いた組み合わせミラーであり、入射光を平行なレーザ光とすることで合成する。合成装置は、第一~第三合成装置の少なくとも1つを含んでいるので、パワー比を偏光された複数のレーザ光を合成することができる。
分岐前のレーザ光LB11が直線偏光である場合には、第一合成装置を用いて少なくとも2つ以上に分岐されたレーザ光LB12、LB13の光軸を同軸にし、集光レンズ16の焦平面での集光スポットを重畳させる。
分岐前のレーザ光LB21がランダム偏光である場合には、第二合成装置または第三合成装置を用いて、少なくとも2つ以上に分岐されたレーザ光LB22、LB23の光軸を平行にし、焦平面での集光スポットを重畳させる。
図10及び図11に本開示の効果の一例を示す。図10(a)及び図10(b)は鉄の板材にレーザ光を集光し、一定条件で走査したものであり、図10(a)は上面写真、図10(b)は表面形状を示している。
図10(a)及び図10(b)において、走査の始端部31は凸形状となり、走査の終端部33は凹形状となっている。始端部31では、固相から液相への相変化ときに吸収率が急増することで、蒸発する鉄材が急増し、蒸発圧の反力によって溶融した金属の対流を増加させることで溶融金属が堆積し、凸形状となったためである。また、終端部33では、溶融した鉄材が凝固する際に、急冷されることによって溶融池に蒸発圧の反力によって生じる凹部が形状を維持したまま凝固したためである。
図11(b)にプロファイル制御の一例を示す。図11(b-1)に始端部31のビームプロファイルを示す。ビードの主な照射条件である図11(b-2)に比べ、レーザ集光プロファイルの幅W1を広く、ピーク強度H1を低く、かつ予熱ビームの強度h1を高くすることで、材料の相変化ときの急加熱を防止し、始端部31の凸形状を抑制することができる。
図11(b-3)に終端部のビームプロファイルを示す。図11(b-2)に比べ、幅W3を広く、ピーク強度H3を低くすることで急冷を防止し、終端部33の凹形状を抑制することができるという効果がある。なお、図11に示したプロファイル形状は一例であり、溶接不良に応じて適切なプロファイルを形成してもよい。
制御装置7は、駆動部4によるパワー比の変更をレーザ発振器2A、2Bからレーザ光を出射中に連続的に実施する。これにより、レーザ光を走査する被加工材17の始端部31と、中央部と、終端部33とで異なるプロファイルのレーザ光を容易に照射することができる。
(実施の形態3)
図12に、実施の形態3のレーザ照射装置1Gを示す。図12は、実施の形態3におけるレーザ照射装置1Gの模式図である。なお、図12において、図1、図5A及び図8と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
実施の形態3のレーザ照射装置1Gは、ガルバノミラー5及びミラー11Gから漏れたロス光を検出し、検出されたロス光のパワーに応じてガルバノミラー3及び5の角度を調整する構成である。
レーザ照射装置1Gは、レーザ発振器2B、ガルバノミラー3及び5、駆動部4及び65、制御装置7、プロファイル変更装置8及び10、ミラー11G及び25G、照射用スキャナ13、及び集光レンズ16を備える。ミラー11G及び25Gは、それぞれ、全反射ミラーである。
レーザ発振器2Bから出射されたランダム偏光のレーザ光LB21は、ガルバノミラー3を透過したレーザ光LB22とガルバノミラー3で反射したレーザ光LB23とに分岐される。ガルバノミラー3を透過したレーザ光LB22、及びガルバノミラー3で反射したレーザ光LB23は、ガルバノミラー3の角度によって透過率及び反射率が異なる。
ガルバノミラー3で反射したレーザ光LB23は、ガルバノミラー5でさらに反射されるが、ガルバノミラー5を透過する僅かのロス光LB51が発生する。また、ガルバノミラー3を透過してプロファイル変更装置8でプロファイルが変更されたレーザ光LB24がミラー11Gで反射されるが、ミラー11Gを透過する僅かのロス光LB54が発生する。例えば、レーザ光LB24の光量の1%程度がロス光LB54としてミラー11Gを透過する。これらのロス光LB51及びロス光LB54のパワーを検出することで、ガルバノミラー3及び5の角度のずれを検出する。
プロファイル変更装置10を透過したレーザ光LB25は照射用スキャナ13に到達し、プロファイル変更装置8を透過したレーザ光LB24をミラー11Gにより反射させ、さらに、ミラー25Gにより反射させてレーザ光LB25と平行な光路をとって照射用スキャナ13に到達する。
レーザ照射装置1Gは、さらに、偏光ビームスプリッタ52、センサ53p及び53s、偏光ビームスプリッタ55、センサ56p及び56sを備える。偏光ビームスプリッタ52及び55は、それぞれ、キューブ型でもよいし、プレート型でもよい。
センサ53p、53s、56p及び56sは、それぞれ、レーザ発振器2Bから出射されるレーザ光LB21のレーザ波長に対して感度を有し、レーザ強度に応じた電圧値を検出することでレーザ光のパワー測定が可能である。
偏光ビームスプリッタ52は、ガルバノミラー5を透過したロス光LB51の光路上の位置に配置され、ロス光LB51を、P偏光のロス光LB51pとS偏光のロス光LB51sとに分離する。
センサ53pは、分離されたロス光LB51pの光路上に配置され、P偏光のロス光LB51pのパワーRpを測定する。測定されたパワーRpは、センサ53pから制御装置7へ送信される。センサ53sは、分離されたロス光LB51sの光路上に配置され、S偏光のロス光LB51sのパワーRsを測定する。測定されたパワーRsは、センサ53sから制御装置7へ送信される。
偏光ビームスプリッタ55は、ミラー11Gを透過したロス光LB54の光路上の位置に配置され、ロス光LB54を、P偏光のロス光LB54pとS偏光のロス光LB54sとに分離する。
センサ56pは、分離されたロス光LB54pの光路上に配置され、P偏光のロス光LB54pのパワーTpを測定する。測定されたパワーTpは、センサ56pから制御装置7へ送信される。センサ53sは、分離されたロス光LB54sの光路上に配置され、S偏光のロス光LB54sのパワーTsを測定する。測定されたパワーTsは、センサ56sから制御装置7へ送信される。
制御装置7は、受信したパワーRp、Rs、Ts、Tpを用いてガルバノミラー3の角度θのずれを判定するパラメータを算出する。以下に、判定方法を説明する。
第1の判定方法は、ガルバノミラー3の反射光のパワーと透過光のパワーとの比から角度θのずれを推定する。制御装置7は、反射光パワーPr、透過光パワーPtを以下の式から算出する。
Pr=Rs+Rp・・・(1)式
Pt=Ts+Tp・・・(2)式
制御装置7は、(1)式及び(2)式を基に、反射光パワーと透過光パワーとの比G1を以下の式から算出する。
G1=Pr/Pt=(Rs+Rp)/(Ts+Tp)・・・(3)式
予めガルバノミラー3の角度θと、反射光パワーと透過光パワーとの比G1とを関連付けた測定データを取得しておき、制御装置7にこの測定データが記憶されている。制御装置7は、算出された比G1と記憶されている測定データとからガルバノミラー3の角度θaを取得する。制御装置7は、この角度θaと理想のガルバノミラー3の角度θとの差である角度補正値Δθをゼロに補正するように駆動部4及び6を駆動制御する。
図13及び図14を参照する。図13は透過光パワー及び反射光パワーの比の時間変化を示すグラフである。図14は透過光パワー及び反射光パワーの比G1とガルバノミラー3への入射角θとの関係を示すグラフである。
例えば、ガルバノミラー3の理想の角度θで正常なパワー比G1aが検出されていた状態で、外乱等による振動でガルバノミラー3の角度θが時間T1で角度θaへ変わる場合がある。この場合、エンコーダでは正確に回転位置を検出することができないので、制御装置7がパワー比の変化を検出して、ブリュースター角θBの異常が発生していることを認識する。制御装置7は、検出されたパワー比G1bから正常なパワー比G1aへ戻すために、記憶されている測定データから角度補正値Δθを取得して、時間T2のタイミングで駆動部4及び6を駆動制御する。制御装置7はフィードバック制御を実施することで、パワー比がG1aに近づいてやがてG1aに戻すことができる。
次に第2の判定方法を説明する。第2の判定方法は、反射光のS偏光とP偏光とのパワー比G2、及び、透過光のS偏光とP偏光とのパワー比G3の少なくとも1つから角度θのずれを推定する。ガルバノミラー3の角度θがブリュースター角θB以下の場合、第1の判定方法での比率変化が小さいので、第2の判定方法を用いて角度θのずれの検出の精度を上げることができる。制御装置7は、パワー比G2及びG3を以下の式から算出する。
G2=Rs/Rp・・・(4)式
G3=Ts/Tp・・・(5)式
予めガルバノミラー3の角度θと、反射光のS偏光とP偏光のパワー比G2、及び、透過光のS偏光とP偏光のパワー比G3とをそれぞれ関連付けた測定データを取得しておき、制御装置7にこの測定データが記憶されている。制御装置7は、算出されたパワー比G2及びG3と記憶されている測定データとからガルバノミラー3の角度θaを取得する。パワー比G2及びG3のいずれか一方と測定データとからガルバノミラー3の角度θaを取得してもよいし、パワー比G2及びG3の両方と測定データとからガルバノミラー3の角度θaを取得してもよい。制御装置7は、取得した角度θaと理想のガルバノミラー3の角度θとの差の角度補正値Δθをゼロに補正するように駆動部4及び6を駆動制御する。
図15は、ガルバノミラー3の透過光のS偏光の透過率TspとP偏光の透過率Tppとガルバノミラーへの入射角との関係を示すグラフである。パワー比G3は、透過率Tspと透過率Tppの比Tsp/Tppと比例関係にある。例えば、ガルバノミラー3の理想の角度θで正常なパワー比G3aが検出されていた状態で、外乱等による振動でガルバノミラー3の角度θが角度θaへ変わる場合がある。この場合、制御装置7がパワー比の変化を検出して、ブリュースター角θBの異常が発生していることを認識する。制御装置7は、検出されたパワー比G3bから正常なパワー比G3aへ戻すために、記憶されている測定データから角度補正値Δθを取得して、駆動部4及び6を駆動制御する。制御装置7はフィードバック制御を実施することで、パワー比がG3aに近づいてやがてG3aに戻すことができ、理想の角度θへ戻すことができる。
次に、レーザ発振器の故障を判定する方法を説明する。この判定方法は、反射光及び透過光のそれぞれのS偏光の合計パワーPsと反射光及び透過光のそれぞれのP偏光の合計パワーPpとの比G4から角度θのずれを推定する。制御装置7は、合計パワーPs及びPpを以下の式から算出する。
Ps=Rs+Ts・・・(6)式
Pp=Rp+Tp・・・(7)式
制御装置7は、(6)式及び(7)式を基に、S偏光の合計パワーPsとP偏光の合計パワーPpとの比G4を以下の式から算出する。
G4=Ps/Pp=(Rs+Ts)/(Rp+Tp)
なお、比G4は、Pp/Psの比でもよい。
S偏光の合計とP偏光の合計との比G4は、レーザ発振器固有の数値であり、ランダム偏光を出射するレーザ発振器の場合、図16に示すように、0.5近傍の値となる。時間T3において、算出した比G4とこの固有の数値とのずれが大きくなった場合、レーザ発振器の故障や、レーザ発振器内のファイバーや、ブリュースター角に影響するガルバノミラー3などの光学素子が損傷を受けていることが考えられ、これらの故障や損傷を検出することができる。
制御装置7は、固有値と算出した比G4との差の絶対値を予め定められた閾値と比較して、差の絶対値が閾値以上であると判定した場合に、レーザ照射装置に設けられたモニタやスピーカからユーザにレーザ発振器の故障や光学素子の損傷を示すエラーを示してもよい。
このように、実施の形態3のレーザ照射装置1Gは、ガルバノミラー3を透過または反射したレーザ光を反射するガルバノミラー5及びミラー11Gと、ガルバノミラー5及びミラー11Gからそれぞれ漏れたロス光LB51及びLB54のパワーを検出するセンサ53p、53s、56p、56sと、を備える。分岐前のレーザ光LB21がランダム偏光である場合に、制御装置7は、センサ53p、53s、56p、56sにより検出された光のパワーを基に、ガルバノミラー3の角度θを補正する。これにより、ガルバノミラーの角度を高精度に調整することができる。
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
本実施の形態1~3において、レーザ発振器2A、2Bから出射されるレーザとして波長1070nmのレーザを用いたが、材料が吸収できる波長であれば1070nmに限らない。また、レーザの種類も、ファイバーレーザ、ディスクレーザ、Nd:YAGレーザなど連続波やパルス波を出射し、被加工材を溶接など加工可能なものであれば使用可能である。
上述した各実施の形態において、パワー比率を変更するためにブリュースター偏光子をガルバノミラー3として高速に角度変更をすることで用いたが、ブリュースター偏光子の角度を変更できるものであればガルバノミラー以外の駆動方法を用いてもよい。
また、プロファイル変更装置8、及びプロファイル変更装置10は、整形素子として回折光学素子(DOE)を用いたが、振幅、位相のいずれか、あるいは両方を制御できるものであれば透過型、反射型に限らず、空間光位相変調器(LCOS-SLM;Liquid Crystal on Silicon - Spatial Light Modulator)、デフォーマブルミラー、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD;Digital Micromirror Device)等を使用することができる。
また、ガルバノミラー3で分岐されるレーザ光について、レーザ光LB12とLB13、LB22とLB23、LB32とLB33、LB42とLB43は、それぞれ特性が入れ替わってもよい。その際には、ガルバノミラー3の設置角度や、合成装置12の光学特性、ガルバノミラー22の設置角度などを適宜調整し、制御装置7による制御方法を調整することで同様の効果を得ることができる。
また、ガルバノミラー3で分岐された2つのレーザ光のそれぞれに対して、プロファイル変更装置8及び10によって各レーザ光のプロファイルが変更されていたがこれに限らない。ガルバノミラー3で分岐された2つのレーザ光のいずれか一方だけをプロファイル変更装置によってプロファイルを変更し、他方のレーザ光についてはプロファイルを変更しないまま、プロファイルを変更したレーザ光と合成してもよい。
照射用スキャナ13や集光レンズ16については、集光位置でのレーザスポットのサイズや形状に応じて、所望の加工に応じた特性のものを選択することができる。
本開示のレーザ照射方法及びレーザ照射装置は、レーザを照射するときの加工欠陥を削減することができる動的なプロファイル制御機能を有し、車載用電池などに用いられるレーザ溶接用途にも適用できる。
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G レーザ照射装置
2A、2B レーザ発振器
3 ガルバノミラー
4 駆動部
5 ガルバノミラー
6 駆動部
7 制御装置
8 プロファイル変更装置
9 1/2波長板
10 プロファイル変更装置
11 ミラー
12 合成装置
13 照射用スキャナ
14 ガルバノミラー
15 ガルバノミラー
16 集光レンズ
17 被加工材
18 分岐装置
24 偏光変換素子
25 ミラー
26 凹面ミラー
27 凸面ミラー
31 始端部
32 中央部
33 終端部
C 出射口

Claims (13)

  1. レーザ発振器により出射されたレーザ光を少なくとも2つ以上のレーザ光に分岐する光学素子と、前記光学素子の角度を変化させる駆動部と、を含む分岐装置と、
    分岐された少なくとも1つの前記レーザ光の強度分布を変更可能な整形素子を有する整形装置と、
    分岐された前記レーザ光を同軸に重畳させることで、集光レンズの焦点で合成スポットを形成する合成装置と、
    前記駆動部を駆動させ、前記整形装置に入射または出射する分岐された前記レーザ光のパワー比を変更することで、前記合成スポットの強度分布を制御する制御装置と、を備える、
    レーザ照射装置。
  2. 前記制御装置は、前記駆動部による前記パワー比の変更をレーザ発振器からレーザ光を出射中に連続的に実施する、
    請求項1に記載のレーザ照射装置。
  3. 前記光学素子がブリュースター偏光子である、
    請求項1に記載のレーザ照射装置。
  4. 前記合成装置は、第一合成装置、第二合成装置、及び第三合成装置の少なくとも1つを含み、
    前記第一合成装置は偏光板であり、P波及びS波のいずれか一方を透過させ、他方を反射させることで同軸のレーザ光として合成し、
    前記第二合成装置はミラーとレンズとを含み、複数のレーザ光をミラーにより平行なレーザ光とし、前記平行なレーザ光を前記レンズで集光することで合成し、
    前記第三合成装置は凹面ミラーと凸面ミラーを用いた組み合わせミラーであり、入射光を平行なレーザ光とすることで合成する、
    請求項1に記載のレーザ照射装置。
  5. 分岐前の前記レーザ光がランダム偏光である場合には、前記レーザ発振器から前記集光レンズまでの間のいずれかの位置に、隣り合ったレーザ光が少なくとも2つ以上並行する
    請求項1に記載のレーザ照射装置。
  6. 分岐前の前記レーザ光が直線偏光である場合には、前記第一合成装置を用いて少なくとも2つ以上に分岐された前記レーザ光の光軸を同軸にし、焦平面での集光スポットを重畳させる、
    請求項4に記載のレーザ照射装置。
  7. 分岐前の前記レーザ光がランダム偏光である場合には、前記第二合成装置または前記第三合成装置を用いて、少なくとも2つ以上に分岐された前記レーザ光の光軸を平行にし、焦平面での集光スポットを重畳させる、
    請求項4に記載のレーザ照射装置。
  8. 前記整形素子が、位相、振幅のうち少なくとも1つを変調させる素子である、
    請求項1に記載のレーザ照射装置。
  9. 前記整形素子が、回折光学素子、空間光位相変調器、デフォーマブルミラー、デジタルマイクロミラーデバイスのいずれかである、
    請求項8に記載のレーザ照射装置。
  10. 前記光学素子を透過または反射したレーザ光を反射するミラーと、
    前記ミラーから漏れた光のパワーを検出するセンサと、を備え、
    分岐前の前記レーザ光がランダム偏光である場合に、前記制御装置は、前記センサにより検出された光のパワーを基に、前記光学素子の角度を補正する、
    請求項1に記載のレーザ照射装置。
  11. 前記光学素子を透過したレーザ光を反射する第1のミラーと、
    前記光学素子を反射したレーザ光を反射する第2のミラーと、
    前記第1のミラーから漏れた光のP偏光のパワーを検出する第1のセンサと、
    前記第1のミラーから漏れた光のS偏光のパワーを検出する第2のセンサと、
    前記第2のミラーから漏れた光のP偏光のパワーを検出する第3のセンサと、
    前記第2のミラーから漏れた光のS偏光のパワーを検出する第4のセンサと、を備え、
    分岐前の前記レーザ光がランダム偏光である場合に、前記制御装置は、前記第1、第2、第3、及び第4のセンサにより検出されたそれぞれの光のパワーを基に、前記光学素子の角度を補正する、
    請求項1に記載のレーザ照射装置。
  12. レーザ発振器により出射されたレーザ光を、光学素子により少なくとも2つ以上のレーザ光に分岐し、
    分岐された少なくとも1つの前記レーザ光の強度分布を整形装置により変更し、
    分岐された前記レーザ光を合成装置により同軸に重畳させることで、集光レンズの焦点で合成スポットを形成し、
    制御装置が前記光学素子の角度を変化させる駆動部を駆動させて、前記整形装置に入射または出射する分岐された前記レーザ光のパワー比を変更することで、前記合成スポットの強度分布を制御する、
    レーザ照射方法。
  13. 前記合成装置は、第一合成装置、第二合成装置、及び第三合成装置の少なくとも1つを含み、
    前記第一合成装置は偏光板であり、P波及びS波のいずれか一方を透過させ、他方を反射させることで同軸のレーザ光として合成し、
    前記第二合成装置はミラーとレンズとを含み、複数のレーザ光をミラーにより平行なレーザ光とし、前記平行なレーザ光を前記レンズで集光することで合成し、
    前記第三合成装置は凹面ミラーと凸面ミラーを用いた組み合わせミラーであり、入射光を平行なレーザ光とすることで合成する、
    請求項12に記載のレーザ照射方法。
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