JP2023145340A - 硬質表面への汚れ付着抑制用液状洗浄剤組成物及び汚れ付着抑制方法 - Google Patents

硬質表面への汚れ付着抑制用液状洗浄剤組成物及び汚れ付着抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 浴室内の浴槽、浴槽蓋、床、壁、桶、椅子など親水性表面、疎水性表面を問わず硬質表面全般について、入浴洗浄時に身体より発生する皮脂汚れなどの皮脂汚れを付着しづらくする効果をもった硬質表面への汚れ付着抑制用液状洗浄剤組成物及び汚れ付着抑制方法の提供。【解決手段】 a)カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子:0.05~5重量%、b)カチオン性を有する状態にある界面活性剤、抗菌剤、及び高分子から選択される1又は2以上からなるカチオン性を有する状態にある基剤:0.02~10重量%、c)電解質:0.1~15重量%を含有し、pHが3~12である硬質表面用の汚れ付着抑制液状洗浄剤組成物。a)、b)、c)を含有し、pHが3~12である硬質表面用の皮脂汚れ付着抑制能を発揮する浴室用防汚洗浄剤組成物を用いて親水性材料又は疎水性材料からなる硬質表面を処理する汚れ付着抑制方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、硬質表面を処理することにより、汚れの付着抑制を行い得る洗浄剤組成物及び汚れ付着抑制方法に関する。
住居内では様々な場所で汚れが発生する。それらの汚れを除去するために各種の洗浄剤が提供されている。
特に浴室内や浴槽は、毎日のように使う場所であり、特に浴槽は毎日素肌が触れる場所であるから、最も汚れが気になる場所である。そのため、掃除頻度も高く、清潔を維持するのに手間のかかる場所となっている。
トイレの便器内のような親水性の硬質表面(陶器タイル)が主であるような対象面には多様な防汚製品が提案されているが、浴室内や浴槽のような疎水性の硬質表面(人工大理石、プラスチック、ステンレスなど)が主であるような対象表面に吸着して、表面を親水化し、皮脂汚れの付着を防止するような製品は、ほとんど認められない。
もともと、疎水性表面は油性の皮脂汚れとの親和性が高く、汚れが付着しやすいため、浴槽などでは使用する度に洗浄剤で擦り洗いなどを実施している方が多数存在する。特に高齢者や妊婦などにとっては、たいへん過酷な作業となっている。そのような中で、疎水性表面の親水化改質をもたらす技術も提案されている。
例えば、特表2008-523184には、疎水性基を含有するカチオン性アクリル系ポリマーを含む洗浄補助剤が記載されている。
特表2009-545642には、両親媒性ブロックコポリマーからなる組成物が記載されている。
特開2015-206020、特開2015-206021、特開2016-199679、特開2016-222773には、スルホベタイン構造を有するモノマーとアルキル基(疎水部)を有するモノマーとの共重合体を含有する洗浄剤が記載されている。
特許6960510には、カチオン化多糖類、アルカリ剤、アニオン性界面活性剤および水を含有し、pHが13.1~14である硬質表面用洗浄剤組成物が記載されている。
しかしながら、疎水性表面の防汚に関しては、実使用上、十分な防汚効果とその効果の持続性において課題があり、そのような製品はほとんど実用化されていない。また、例えば、浴室や浴槽の材質なども、鏡、タイル、ホーロー、人口大理石(ポリエステル、アクリルなど)、塩化ビニル、ステンレスなど様々あり、親水性面から疎水性面まであらゆる硬質表面の防汚性が、一つの洗浄剤で達成されることが望まれる。また、浴室や浴槽などで使用される一般家庭用の浴室用洗浄剤は、手肌への刺激や眼への安全性の観点から弱酸性~弱アルカリ性の液性の洗浄剤であることが好ましい。
また、例えば、特許2963065には、塩化ベンザルコニウム、金属キレート剤、水溶性溶剤、増粘多糖類(キサンタンガムなど)を含有し、pH6~8の台所用洗浄剤が記載されている。該明細書中の<発明の効果>では、特にケイ酸やカルシウムを主体とする無機複合汚れや水アカ等の汚れに対する高い洗浄力を有すると共に、すすぎ性、拭き取り性に優れ、仕上り性も良好との記載がある。実施例においても、一般家庭の流しに貼り付けたステンレスピースに付着した実際汚れの洗浄性を評価している。しかしながら、硬質表面の防汚に関する記載は認められない。
特許5779390には、有機酸および無機酸から選択される酸、アニオン性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、増粘多糖類(キサンタンガムなど)を必須とするpH3以下のトイレ用洗浄剤が開示されている。その段落0035には、便器への洗剤残留性、水垢抑制性、広がり性を向上させる目的で増粘性多糖類を用いることが記載されているが、油性汚れの防汚性、プラスチック面の防汚に関する記載は認められない。また、段落0044には、塩化ベンザルコニウム等のカチオン界面活性剤を用いると、アニオン界面活性剤の機能が低下し、洗剤残留性、水垢抑制性、広がり性を著しく低下するために、カチオン性界面活性剤を実質的に含有しないことが好ましいとの記載がある。
特許5637586には、スルファミン酸、アルキルアミンオキシド、プロピレングリコール、多糖類から選択される増粘剤(キサンタンガムなど)を必須とする洗浄剤が開示されている。該明細書中段落0006には、カルシウムやケイ酸等の除去しにくい蓄積無機汚れに対して高い洗浄力を持つとされるが、油性汚れの防汚性、プラスチックの防汚に関する記載は認められない。
特開2017-78134には、非イオン界面活性剤、グリコール系溶剤、アミノカルボン酸型キレート剤、水溶性高分子(キサンタンガムなど)を含有する、細管粘度計で測定される動粘度が1.5~20mm/sである浴室用洗浄剤が開示されている。その段落0006には、洗浄剤の付着滞留性と広がり性の両方を有することで、垂直面に対しても優れた洗浄力が得られることが記載されている。また段落0037には、水溶性高分子は、浴槽の垂直面における付着滞留性と広がり性を付与するために用いられると記載される。また、実施例では、ガラス繊維強化プラスチックのテストピースを用いた洗浄力評価が記載されている。一方、油性汚れ、皮脂汚れの防汚、プラスチック表面の防汚に関する記載は認められない。
特許6584004には、非石鹸系アニオン界面活性剤、水溶性溶剤、アミノカルボン酸型キレート剤、水溶性高分子を必須とし、pH10~12に調整された泡吐出洗浄剤が開示されている。当該発明では、水が入れられた浴槽内の喫水線部周囲に洗浄剤の泡を直接付着させ、ついで浴槽内から水を排出する洗浄方法を開示している。これにより、従来の擦り洗いを省く利便性を提供している。段落0030には、水溶性高分子は水溶性溶剤と併用することで、容器から吐出された泡が水中に拡散されるのを抑制し、泡の保持性が高められると記載される。一方、油性汚れ、皮脂汚れの防汚、プラスチック表面の防汚に関する記載は認められない。
特表2008-523184号公報 特表2009-545642号公報 特開2015-206020号公報 特開2015-206021号公報 特開2016-199679号公報 特開2016-222773号公報 特許2963065号公報 特許5779390号公報 特許5637586号公報 特開2017-78134号公報 特許6584004号公報 特許6960510号公報
本発明の課題は、シャワー室を含む浴室内又はその他の、親水性表面、疎水性表面を問わず硬質表面全般にわたり、処理対象の防汚性が長く継続し得、特に浴室での入浴や洗浄時に身体より発生する皮脂汚れなどの硬質表面への付着が効果的に抑制される洗浄剤組成物及び汚れ付着抑制方法を提供することにある。
本発明は、例えば次のように表すことができる。
a)カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子:0.05~5重量%
b)カチオン性を有する状態にある界面活性剤、抗菌剤、及び高分子から選択される1又は2以上からなるカチオン性を有する状態にある基剤:0.02~10重量%
c)電解質:0.1~15重量%
を含有し、pHが3~12である硬質表面への汚れ付着抑制用液状洗浄剤組成物。
本発明はまた、次のように表すことができる。
a)カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子:0.05~5重量%
b)カチオン性を有する状態にある界面活性剤、抗菌剤、及び高分子から選択される1又は2以上からなるカチオン性を有する状態にある基剤:0.02~10重量%
c)電解質:0.1~15重量%
を含有し、pHが3~12である液状組成物を用いて親水性材料又は疎水性材料からなる硬質表面を処理する汚れ付着抑制方法。
本発明によれば、親水性表面、疎水性表面を問わず硬質表面全般にわたり処理対象への汚れの付着が抑制され得る。
(1) 本発明の硬質表面への汚れ付着抑制用液状洗浄剤組成物及び本発明の親水性材料又は疎水性材料からなる硬質表面を処理する汚れ付着抑制方法に用いる液状組成物(以下、これらの「硬質表面への汚れ付着抑制用液状洗浄剤組成物」及び「汚れ付着抑制方法に用いる液状組成物」の両者を、「本発明における液状組成物」とも言う。)は、
a)カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子:0.05~5重量%
b)カチオン性を有する状態にある界面活性剤、抗菌剤、及び高分子から選択される1又は2以上からなるカチオン性を有する状態にある基剤:0.02~10重量%
c)電解質:0.1~15重量%
を含有するものであり、その、pHは3~12である。
(2) カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子
(2-1) 本発明において汚れ(特に皮脂汚れ)付着抑制機能を発現するのは前記「a)カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子」である。この水溶性高分子が硬質表面に吸着されると、その水溶性高分子が有するカルボン酸および/またはその塩のマイナス荷電が、当該硬質表面に親水化をもたらすものと推定される。
カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子としては、種々のものを使用することができる。天然高分子では、キサンタンガム、ペクチン、ジェランガム、ダイユータンガム、ウェランガム、アラビアガム、ヒアルロン酸、トラガカントガム、スクシノグリカン、アルギン酸ナトリウム(カリウム)、半合成高分子では、カルボキシメチルセルロースナトリウム(カリウム)、カルボキシエチルセルロースナトリウム(カリウム)、合成高分子では、カルボキシビニルポリマーのナトリウム塩(カリウム塩)、ポリアクリル酸ナトリウム(カリウム)、カルボン酸塩を有する変性ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
これらの中でも、キサンタンガム、ジェランガム、ダイユータンガム、スクシノグリカン、カルボキシメチルセルロースが好ましい。その中でもキサンタンガムは、更に好ましい。
これらのカルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子が、陶器タイルなどの親水性硬質表面からプラスチックやステンレス鋼などの疎水性硬質表面までを改質して、優れた防汚性を発揮できる点は従来知られていない。
(2-2) 陶器タイル、陶磁器、ガラス、ホーローを含むセラミックス等の親水性硬質表面については、カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子単独での処理でも処理対象表面に吸着して汚れ(特に皮脂汚れ)付着抑制機能を発揮し得るが、アクリル系樹脂(アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂等)、ポリ塩化ビニル系樹脂等のプラスチック(合成樹脂)やステンレス鋼等の疎水性硬質表面について汚れ(特に皮脂汚れ)付着抑制機能を発揮するには、上記「b)カチオン性を有する状態にある界面活性剤、抗菌剤、及び高分子から選択される1又は2以上からなるカチオン性を有する状態にある基剤」を併用することを要する。なお、親水性硬質表面においても、水が多量にあるいは複数回に分けて、掛かったりするような場合は、カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子単独での処理で、汚れ付着抑制機能を持続的に発揮するのは困難である。
しかしながら、カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子と、前記カチオン性を有する状態にある基剤(以下、「カチオン状態基剤」とも言う。)が相当量併用された場合、直ちに不溶性のコンプレックスを形成してしまい、洗浄剤又は防汚剤として利用できなくなる。そこで、更に上記「c)電解質」を含有することが必要となる。
本発明における液状組成物は、電解質の作用により、カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子とカチオン状態基剤が複合体を形成せず、均一状に溶解したあるいは均一状に分散した液状組成物となる。例えば、この液状組成物を直接塗布やスプレー処理により硬質表面に適用し、その硬質表面をスポンジやたわしなどで擦るなどして、あるいは前記液状組成物が付着したスポンジやたわしなどで硬質表面に適用して擦るなどして、汚れを除去する洗浄操作がなされる。
上記のように硬質表面に適用処理された本発明の洗浄剤は、その後シャワー水などの水によって濯がれる。この際の希釈作用により、カチオン性を有する状態にある界面活性剤、抗菌剤、及び高分子から選択される1又は2以上からなるカチオン性を有する状態にある基剤とカルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子の複合体が層分離して不溶化し、対象面に残留しているものと推定している。
(2-3) 浴室空間及びその他の、水によるすすぎを伴うような洗浄操作の対象となる住宅空間の材質としては、陶器タイル、陶磁器、ガラス、ホーローを含むセラミックスや木材等の親水性硬質表面及びアクリル系樹脂(アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂等)、ポリ塩化ビニル系樹脂等のプラスチック(合成樹脂)やステンレス鋼等の疎水性硬質表面が挙げられる。
このように、本発明の硬質表面への汚れ付着抑制用液状洗浄剤組成物及び汚れ付着抑制方法は、特に、浴室や浴槽、風呂桶、風呂椅子、洗面台等の水回りにおける、ガラスや陶器、陶器タイル、ホーローなどの親水性硬質表面、並びに、人工大理石、FRP、塩化ビニルなどのプラスチック、ステンレス鋼等の疎水性硬質表面を改質して、身体洗浄に伴って発生する皮脂汚れの付着を効果的に抑制する防汚作用を発揮し得る。
また、本発明における液状組成物中のカチオン性を有する状態にある界面活性剤、抗菌剤、及び高分子から選択される1又は2以上からなるカチオン性を有する状態にある基剤は、浴室・浴槽の代表的な汚れである石鹸カスと称される脂肪酸金属塩の金属イオンと置換反応を起こして、汚れを除去しやすくする効果があると考えられる。更には、浴室の浴槽などに付着する皮脂汚れの付着力を弱めて浴槽表面から除去しやすくする効果も有する。
更に、本発明の洗浄剤組成物及び方法を、浴槽に多く用いられる種々の硬質表面に適用することにより、その硬質表面にカルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子を吸着させて、持続的な防汚効果を実現し得る。その硬質表面がプラスチックやステンレス鋼等の疎水性硬質表面であっても、水で繰り返し濯いだ場合に親水性を保ち、皮脂汚れなど油性汚れの付着が抑制される。
(2-4) 前記本発明における液状組成物中の「a)カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子」の濃度は、0.05~5重量%である。
0.05重量%未満であると、十分な汚れ(特に皮脂汚れ)付着抑制効果が発揮されない。5.0重量%を超えると、粘度が高くなりすぎて、前記液状組成物のハンドリング性を損なうことになる。好ましくは、0.1~3重量%、更に好ましくは0.2~1重量%、更に一層好ましくは0.25~0.6重量%である。
(2-5) カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子の中でも、特に好ましいキサンタンガムは低濃度で高粘度を示す特性を有する一方、攪拌等におけるシェア(shear 剪断力)がかかると急激に粘度が下がる性質を有する。そのため、キサンタンガムを含有させた液状組成物は、例えば、泡吐出容器などでのスムーズな吐出が可能である、界面活性剤による起泡性を損なわない、浴槽や浴室壁などの垂直面に留まりやすい等の性質を示し、洗浄性や皮脂汚れ付着抑制を始めとする防汚性の機能発現を、使いやすさの面から後押しするものである。
(3) カチオン性を有する状態にある基剤
(3-1) 前記本発明における液状組成物には、「b)カチオン性を有する状態にある界面活性剤、抗菌剤、及び高分子から選択される1又は2以上からなるカチオン性を有する状態にある基剤」が用いられる。
カチオン性を有する状態にある基剤というのは、カチオン性基を有する基剤の他、例えばpHが一定の範囲である場合にカチオン性を有する基剤を含む。しかしながら、例えば、pHが一定の範囲にあって、カチオン性のみ有する状態にある両性基剤は含むが、カチオン性とアニオン性を一分子内に同時に有するような状態の両性基剤は含まない。
前記本発明における液状組成物は、硬質表面に用いられた後に水で濯がれた際の希釈作用により、カチオン性を有する状態にある基剤とカルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子の複合体が層分離して不溶化し、対象面に残留するように挙動しているものと推定している。
前記本発明における液状組成物中の「b)カチオン性を有する状態にある界面活性剤、抗菌剤、及び高分子から選択される1又は2以上からなるカチオン性を有する状態にある基剤」の濃度は0.02~10重量%である。0.02重量%未満であると、疎水性表面でのキサンタンガムの防汚性が十分でなく、10.0重量%を超えると過剰量となる。好ましくは0.2~7重量%、更に好ましくは0.3~3重量%、なお一層好ましくは0.4~2重量%である。
(3-2) 前記本発明におけるb)の中の「カチオン性を有する状態にある界面活性剤」(以下、カチオン状態界面活性剤とも言う。)としては、pH8以下で使用されるアルキルアミンオキシド及びアルケニルアミンオキシド、並びに、アルキルアミン塩型若しくはアルケニルアミン塩型、第4級アンモニウム塩型、ピリジン環塩含有型が好ましいが、これらに限られるものではない。カチオン性を有する状態にある界面活性剤は、何れか1種を用いることができる他、複数を組み合わせて用いることもできる。
例えば、b)の中のカチオン状態界面活性剤が、アルキルアミンオキシド、アルケニルアミンオキシド、アルキルアミン塩型、アルケニルアミン塩型、第4級アンモニウム塩型、及び、ピリジン環塩含有型からなる群から選ばれる1又は2以上の界面活性剤であり、前記アルキルアミンオキシドおよび/またはアルケニルアミンオキシド(すなわちアルキルアミンオキシド及びアルケニルアミンオキシドの一方又は両方)を、前記カチオン性を有する状態にある界面活性剤中に50重量%以上(アルキルアミンオキシド及びアルケニルアミンオキシドの両方を含有する場合は両方の合計が50重量%以上)含有する場合は、前記pHを3~8に調整して使用することができる。
(i) アルキルアミンオキシド及びアルケニルアミンオキシドは、pHによって、カチオン性と非イオン性の両方の性質を示し、下記のように中性~酸性側のpHでカチオン性を呈する。
前記本発明における液状組成物中でアルキル(又はアルケニル)アミンオキシドがカチオン性を帯びるためには、その液状組成物のpHは3~8に調整されることが好ましい。より好ましくはpH3~6である。pHを中性~酸性側に調整する剤としては、有機酸又は無機酸を使用することができる。pHの安定性の点からは有機酸が好ましく、特にクエン酸が好ましい。
アルキルアミンオキシドにおけるアルキル基(又はアルケニルアミンオキシドにおけるアルケニル基)の炭素数は、6~18であることが好ましい。より好ましくは炭素数10~16である。具体的には、炭素数10~16のアルキル基を有するアミンオキシドがより好ましい。更には、ドデシル(ラウリル)アミンオキシドが特に好ましい。
(ii) アルキルアミン塩型及びアルケニルアミン塩型としては、モノアルキル(又はアルケニル)アミン、ジアルキル(又はジアルケニル)アミン、トリアルキル(又はトリアルケニル)アミンが好ましい。
アルキルアミン塩型におけるアルキル基(又はアルケニルアミン塩型におけるアルケニル基)の炭素数は、6~20であることが好ましい。より好ましくは炭素数10~18である。アルキル基(又はアルケニル基)は、直鎖又は分岐鎖とすることができるが、好ましくは直鎖である。好ましい具体例としては、LONZA社のLONZABAC12[N-(3-アミノプロピル)-N-ドデシルプロパン-1,3-ジアミン](「LONZABAC」は商標)が挙げられる。
(iii) 第4級アンモニウム塩型としては、テトラアルキル(又はテトラアルケニル)アンモニウム塩、あるいはベンジルトリアルキル(又はトリアルケニル)アンモニウム塩が好ましい。
第4級アンモニウム塩型におけるアルキル基またはアルケニル基の炭素数は、6~20であることが好ましい。より好ましくは炭素数8~18である。アルキル基(又はアルケニル基)は、直鎖又は分岐鎖とすることができるが、好ましくは直鎖である。好ましい具体例としては、塩化ドデシルトリメチル4級アンモニウム塩、塩化テトラデシルトリメチル4級アンモニウム塩、塩化ヘキサデシルトリメチル4級アンモニウム塩、ヤシアルキルトリメチル4級アンモニウム塩、パーム油またはパーム核油のアルキルトリメチル4級アンモニウム塩、牛脂アルキルトリメチル4級アンモニウム塩、炭素数8~18のアルキル基を有する塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、炭素数8~10のジアルキルジメチルアンモニウム塩、ジオクチルジメチルアンモニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウム塩、N,N-ジデシル-N-メチルポリ(オキシエチル)アンモニウムプロピオネート塩など、が挙げられる。
(iv) ピリジン環塩含有型としては、アルキル(又はアルケニル)ピリジニウム塩が好ましい。アルキル基(又はアルケニル基)の炭素数は6~20であることが好ましい。より好ましくは炭素数10~18である。好ましい具体例としては、塩化セチルピリジニウムが挙げられる。
(3-3) 前記本発明におけるb)の中のカチオン性を有する状態にある抗菌剤の例としては、高分子以外のグアニジン骨格あるいはビグアニド骨格化合物(すなわち、グアニジン骨格あるいはビグアニド骨格を有する化合物であって、下記の「グアニジン骨格あるいはビグアニド骨格を有するカチオン性高分子」を除くもの)が挙げられる。その具体例としては、クロルヘキシジン又はその塩、例えばグルコン酸塩であるグルコン酸クロルヘキシジン(商品名:Spectradyne[「Spectradyne」は商標]、LONZA社製。以下同じ。)或いは塩酸塩、酢酸塩などが挙げられる。また、アレキシジン塩酸塩なども挙げられる。
(3-4) 前記本発明におけるb)の中のカチオン性を有する状態にある高分子としては、第4級アンモニウム塩を主鎖または側鎖に有するカチオン性高分子、グアニジン骨格あるいはビグアニド骨格を主鎖または側鎖に有するカチオン性高分子、アミンを主鎖に有するカチオン性高分子、あるいはアミノ基を側鎖に有するカチオン性高分子が好ましい。
主鎖に第4級アンモニウム塩を有するカチオン性高分子の具体例としては、N,N-ジメチル-2-プロピルアンモニウムクロライドポリマー(商品名:BarquatPQ[「Barquat」は商標]、LONZA社製。)が挙げられる。
側鎖に4級アンモニウム塩を有するカチオン性高分子の具体例としては、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドポリマー(商品名:Merquat100[「Merquat」は商標]、Lubrizol社製。)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドからなるコポリマー(商品名:Merquat550[「Merquat」は商標]、Lubrizol社製。)が挙げられる。
主鎖にアミンを有するカチオン性高分子としては、ポリエチレンイミンが挙げられる。
側鎖にアミノ基を有するカチオン性高分子としては、アミノ酸のリジンがアミド結合によって連なったε-ポリ-L-リジンが挙げられる。発酵法で作られたものが市販されている。また、グルコサミンのβ1→4結合からなるカチオン性高分子としては、キトサンが挙げられる。工業的には、カニやエビなどの甲殻類から得られるキチン(ポリ-β1→4-N-アセチルグルコサミン)を、濃アルカリ中での煮沸処理により脱アセチル化してキトサンを製造している。キチンのキトサンへの変換(脱アセチル化)は完全ではなく、キトサン中にキチンが3割程度残っている場合もある。
グアニジン骨格あるいはビグアニド骨格を有するカチオン性高分子の具体例としては、ポリヘキサメチレングアニジン又はその塩(例えばリン酸塩)、ポリヘキサメチレンビグアニド又はその塩、例えば塩酸塩(塩酸塩の製品の例:ProxelIB[商品名、「Proxel」は商標、LONZA社製。以下同じ。])が挙げられる。その他、ポリアミノプロピルビグアニド又はその塩(例えば塩酸塩)などが挙げられる。これらの中でもポリヘキサメチレングアニジンあるいはポリヘキサメチレンビグアニドが特に好ましい。
特にキッチンシンク、浴室、洗面台、トイレといった住宅空間では、洗浄操作時の水によるすすぎ作業にとどまらず、食器洗いや入浴などの使用時において温水の利用が一般的であり、トイレにおいては小便や大便などの水洗廃棄時に大量の流水が伴われ、そのような使用環境においても、グアニジン骨格あるいはビグアニド骨格を有するカチオン性高分子あるいは化合物は、その対象硬質表面に優れた防汚性を付与し得る。
本発明における液状組成物は、適用後に水で濯がれても、上記例示のような材質すべてを含む、住宅空間のものに限らない親水性硬質表面及び疎水性硬質表面に残留して、防汚性を発揮することができる。
さらに、本発明において、カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子は、対象面に抗菌性を付与することができる(或いは更に抗真菌性を付与するものともなり得る)カチオン性基を有する界面活性剤、抗菌剤及び高分子を硬質表面上に残留させる役割をもつ。
(4) 電解質
(4-1) 前記本発明における液状組成物には、「c)電解質」が用いられる。
上述のように、カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子とカチオン状態基剤が混合された状態においては、静電的な相互作用によりコンプレックスを形成して強固なゲルが生成してしまい、不均一組成となるために洗浄剤及び防汚剤としての機能を果たせなくなる。そこで、コンプレックス形成による強固なゲルの生成を抑制して、均一状態に混合し得るものとするために、前記液状組成物は、電解質を所要量含有することが必要となる。
前記本発明における液状組成物中の「c)電解質」の濃度は0.1~15重量%であり、カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子とカチオン状態基剤の濃度に依存する。好ましくは、0.5~12重量%、さらに好ましくは1~10重量%、更に一層好ましくは2~9重量%である。
前記本発明における液状組成物のpHは3~12である。より好ましくはpH4~12である。素手でも使用できるpHに調整することで、皮膚や眼などへの刺激を特に気にせずに手軽に安全に使用することができる。また、素手で掃除することができる場合、汚れの落ち方を指で触りながら確認することも可能となる。
(4-2) 前記本発明における「c)電解質」の例としては、無機酸および/またはその塩、一価の有機酸および/またはその塩、並びに、それぞれ金属キレート能を有するポリカルボン酸、ポリホスホン酸、及び、ポリリン酸(すなわち、金属イオンと結合してキレート化合物を形成する二座以上の配位子をもつ、二価以上のカルボン酸、ホスホン酸、及び、リン酸)および/またはそれぞれの塩が挙げられる。
(4-3) 無機酸および/またはその塩の好ましい例としては、塩酸、硫酸、炭酸、リン酸、及び、珪酸、並びに、それぞれのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及び、亜鉛塩が挙げられる。最終的な液状組成物の液性がpH3~12であることを考えると、無機塩を主に用いることが好ましい。
(4-4) 一価の有機酸および/またはその塩の好ましい例としては、ギ酸、酢酸、乳酸、プロピオン酸、これらよりも炭素数の多い脂肪酸、及び、安息香酸、並びに、それぞれのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及び、亜鉛塩等が挙げられる。
(4-5) 金属キレート能を有するポリカルボン酸および/またはその塩(ポリカルボン酸系金属キレート剤)の好ましい例としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、グルコン酸、リンゴ酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロトリ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレントリ酢酸、及び、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、並びに、それぞれの塩(例えばナトリウム塩)を挙げることができる。特に好ましい例としては、クエン酸3ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウムを挙げることができる。
(4-6) 金属キレート能を有するポリホスホン酸および/またはその塩(ポリホスホン酸系金属キレート剤)の好ましい例としては、エタン-1,1-ジホスホン酸、エタン-1,1,2-トリホスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、エタンヒドロキシ-1,1,2-トリホスホン酸、エタン-1,2-ジカルボキシ-1,2-ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、アミノポリメチレンホスホン酸、ポリエチレンポリアミンポリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、並びに、それぞれの塩が挙げられる。塩の例としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩又はモノエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩が挙げられる。
(4-7) 金属キレート能を有するポリリン酸および/またはその塩(ポリリン酸系金属キレート剤)の好ましい例としては、メタリン酸、オルトリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、ヘキサメタリン酸及びこれらそれぞれの塩が挙げられる。
「電解質」は、何れか1種を用いることができる他、複数を組み合わせて用いることもできる。
(5) 前記本発明における液状組成物が含有し得るa)、b)及びc)以外の成分の例
(5-1) 本発明においては、カチオン状態基剤の他に、起泡性と洗浄後のすすぎ性を向上させる観点から、非イオン性界面活性剤又は両性界面活性剤を用いることが好ましい。起泡性は、清掃対象面への洗浄剤の供給状態を分かり易く示し、またスポンジやブラシのスムーズな動きにも寄与する。
(i) 非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレン分岐アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシブチレンアルキルエーテル、ポリオキシブチレンアルケニルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪族アルカノールアミド、脂肪酸グリセリンモノエステル、及びアルキルグリコシドから選ばれる少なくとも1つ以上が好ましい。これらの非イオン性界面活性剤におけるアルキル基又はアルケニル基の炭素数は8~18であることが好ましい。
これらの中でも、起泡性、泡の維持性、洗剤の垂直硬質表面への付着性の観点から、アルキルグルコシドが特に好ましい。具体的には下記式(I)で表されるものが挙げられる。
-(OR)nGm
....(I)
[式(I)中、Rは炭素数8~18のアルキル基、Rは炭素数2~4のアルキレン基、Gは還元糖に由来する基、nは平均付加モル数(0~5)、mは平均縮合度(1~3)を示す。前記還元糖はアルドースとケトースの何れであってもよいが、好ましくはグルコースである。]
アルキルグルコシドとしては、例えば、オクチルポリグルコシド、2-エチルヘキシルポリグルコシド、デシルポリグルコシド、ラウリルポリグルコシド、ミリスチルポリグルコシド、パルミチルポリグルコシド、ステアリルポリグルコシド、オレイルポリグルコシド等が挙げられるが、アルキル基の炭素数が14以下のアルキルグルコシドがとりわけ好ましい。
アルキルグルコシドは、水によるすすぎを伴うような洗浄操作において、凝集物を発生させにくく、手で対象面を触った際の感触において、より良好な仕上がりをもたらす。アルキルグルコシドは前記本発明における液状組成物中に、0.5~10重量%含有されることが好ましい。0.5重量%未満では起泡性や泡の維持性、硬質表面に対する付着性が十分でない。10重量%を超えると泡の特性は変化しなくなる。
(ii) 両性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミドプロピル-N,N-ジメチル酢酸ベタイン、アルキルアミドプロピル-N,N-ジメチル-2-ヒドロキシプロピルスルホベタイン、アルキルアミドプロピル-N,N-ジメチル-プロピルスルホベタインなどが好ましい。好ましい両性界面活性剤のより具体的な例としては、ラウリン酸アミドプロピル-N,N-ジメチル酢酸ベタイン、ミリスチン酸アミドプロピル-N,N-ジメチル酢酸ベタイン、コカミドアミドプロピル-N,N-ジメチル酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタインを挙げることができる。
(iii) また、前記本発明における液状組成物は、必要に応じてアニオン性界面活性剤を含有することもできる。含有し得るアニオン性界面活性剤の具体的な例としては、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、脂肪酸塩(石鹸)などが挙げられる。
なお、アニオン性界面活性剤は、前記「b)カチオン性を有する状態にある基剤」と不溶性のコンプレックスを形成する可能性があるため、「c)電解質」を配合することにより不溶性のコンプレックスの生成を抑制して、均一な液状組成物とする必要がある。
(5-2) 前記本発明における液状組成物は、液状組成物の均一溶解あるいは均一分散安定性に優れるものとし、また、更に石鹸カスや皮脂汚れの洗浄性を高めるために、水溶性溶剤を含有することが好ましい。本発明における液状組成物においては、水溶性溶剤を含有することで、電解質の含有率を減らしても均一溶解あるいは均一分散の安定性を高める効果がある。
本発明における液状組成物は、水溶性溶剤として、グリコールおよび/またはグリコールエーテル(すなわちグリコール及びグリコールエーテルの一方又は両方)を含有するものとすることができる。例えば、グリコールおよび/またはグリコールエーテルを2~30重量%(グリコール及びグリコールエーテルの両方を含有する場合は両方の合計が2~30重量%)含有するものとすることができる。
具体的には、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシエチレングリコールフェニルエーテル、フェニルカルビトール、フェニルセロソルブ、ベンジルカルビトール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。これらの中でも、洗浄力及びニオイや感触の点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ヘキシレングリコールが好ましい。その中でも、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが特に好ましい。水溶性溶剤は、前記液状組成物中に2~30重量%含有されるのが好ましい。2%未満では、油性汚れの洗浄力が十分に発揮されず、30重量%を超えると、起泡性や泡の維持性が低下したものとなりやすく、ニオイでも不快に感じる場面が生じることがある。更に好ましくは3~20重量%、なお一層好ましくは5~15重量%である。
前記本発明における液状組成物の粘度は、20~500mPa・sの範囲であることが好ましい。20mPa・s未満では、水による濯ぎ操作によって成分が流されやすく、500mPa・sを超えると、対象面に広く均一に塗布しづらくなる。さらには、50~400mPa・sの範囲が好ましく、とりわけ、70~350mPa・sの範囲が好ましい。なお、液状組成物の粘度は、B型粘度計(TVB-10M型 東機産業社製)により、TM2ローターを用いて、60回転の速度(rpm)で測定された値の範囲である。
(5-3) また、前記本発明における液状組成物には、石鹸カスや皮脂汚れの洗浄性を向上すべく、アルカノールアミン等のアルカリ剤を0.5~5重量%を配合し得、清涼感の向上や洗浄剤粘度の調整のためのエタノールやイソプロピルアルコールなどを0.5~10重量%配合し得、その他に、殺菌剤、防腐剤、消臭剤、香料、着色剤、顔料、カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子以外の増粘剤、水などを配合することができる。消臭剤としては、0.1~5重量%程度配合し得、例えば、緑茶エキスやシクロデキストリンなどが好ましい。
(6) 本発明の液状防汚洗浄剤組成物を硬質表面に使用する場合、及び、本発明の方法により液状組成物を用いて親水性材料又は疎水性材料からなる硬質表面を処理する場合に、硬質表面に対しそれぞれの液状組成物を供給する手段としては、例えば、トリガースプレーヤーやエアゾールスプレーヤー等のスプレーヤーを用いて対象硬質表面に直接スプレーすることにより供給する手段、スクイズボトルを用いてスクイズしながら対象硬質表面に直接吐出させて供給する手段、水洗オートクリーナー等のように洗浄水吐出時に水と共に対象硬質表面である便器に供給する手段等が挙げられ、好ましい手段としては、液状組成物の起泡性を利用して発生させた泡の付着性を塗布又は洗浄に活用することができる手段、すなわち、トリガー式やスクイズ式等の泡吐出器を用いて対象硬質表面に泡状の液状組成物を直接供給する手段が挙げられる。
硬質表面に供給された液状組成物は、例えば、布状、スポンジ状、ブラシ状又はその他の形態の洗浄若しくは塗布等のための用具を用いて又は素手で若しくはゴム手袋等を用いて対象硬質表面に適用し、洗浄又は塗布等を行なうことができる。或いは例えば、前記のような用具に液状組成物を供給した上で、その用具を用いて対象硬質表面に適用し、洗浄又は塗布等を行なうこともできる。
実施例1
カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子として、キサンタンガム(商品名:KELZAN AR[「KELZAN」は商標]、CP KELCO社製。以下同じ。)、
カチオン状態基剤として、カチオン状態界面活性剤である、塩化ベンザルコニウム塩(商品名:ハイアミン3500J[「ハイアミン」は商標]、LONZA社製。以下同じ。)、
塩化ドデシルトリメチル4級アンモニウム(商品名:ニッサンカチオンBB[「ニッサンカチオン」は商標]、日油株式会社製。以下同じ。)、
電解質として、金属キレート能を有するポリカルボン酸および/またはその塩であるクエン酸3ナトリウム(無水物)(試薬、和光純薬工業株式会社製)、及び
水溶性溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチルジグリコールNO[「ブチルジグリコールNO」は商標]、日本乳化剤株式会社製。以下同じ。)
を用いて、表1の実施例1に示す組成の洗浄剤(液状組成物である。以下の実施例及び比較例においても同様。)を調製した。
次いで、それぞれのpHを測定し、外観を観察した。その後、各洗浄剤を用いてアクリル板及び陶器タイル板の皮脂汚れ付着試験を実施した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1の塩化ベンザルコニウム塩単独およびキサンタンガム単独の組成で比較例1に示す組成の液状防汚洗浄剤を調製した。
次いで、それぞれのpHを測定し、外観を観察した。その後、各洗浄剤を用いてアクリル板及び陶器タイル板の皮脂汚れ付着試験を実施した。結果を表1に示す。
<皮脂汚れ付着試験>
浴槽のモデル皮脂汚れとして、下記の組成の汚れを調製した。
モデル皮脂汚れ:オレイン酸/リノール酸/パルミチン酸/コレステロール/流動パラフィン=20/40/20/10/10(wt%)
(試験方法)
硬質表面のテスト板として、50mm×50mm×3mmの黒色アクリル板(アクリル専門ストア ヒョーシン製)と45mm×45mm×7mmの白色陶器タイル(白色モザイクタイル)を用意した。
テスト板天面(アクリル板:50mm×50mm、陶器タイル:45mm×45mm)を覆うように、各洗浄剤を2ml塗布することにより、その硬質表面に処理を施した。3分間(180秒)放置した後、テスト板の天面全体を目掛けて水道水を25ml/秒の流量で8秒間(合計200ml)かけることにより濯いだ。更に、裏面についても3秒間、同様に水道水で濯いだ。その後、50℃で30分間乾燥させることにより、処理試験片を得た。
なお、テスト板に対し洗浄剤による処理を施さない未処理(ブランク)に関しては、テスト板の天面全体を目掛けて水道水を25ml/秒の流量で8秒間(合計200ml)かけるところ以降は同様の操作を行うことにより未処理(ブランク)試験片を得た。
モデル皮脂汚れは60℃程度に加温して撹拌溶解(液体状)しておいた。100mlビーカーにお湯をアクリル板の場合は80ml、陶器タイルの場合は70ml入れて、お湯の温度が43℃になったところで、加温溶解したモデル皮脂汚れをお湯に0.104g投入した。投入後、強撹拌で油性のモデル皮脂汚れを細かく分散させた。
その後、直ちに撹拌子による攪拌を中撹拌に切り替えて、洗浄剤による処理を施した処理試験片を、その処理面が攪拌中の撹拌子側に相対するようにして垂直に浸漬し、3分間これを維持することにより、処理試験片に対しモデル皮脂汚れを付着させた。
3分後に撹拌を停止させて、ゆっくりと処理試験片を引き上げ、処理試験片の裏側をティッシュペーパーで拭いて50℃で30分間乾燥させた。
乾燥終了後、30分間調湿して重量を測定し、汚れ付着操作後の処理試験片重量から洗浄剤による処理前のテスト板重量を差し引くことで汚れの付着量を算出した。未処理(ブランク)試験片についても同様の操作で汚れの付着量を算出した。
処理試験片及び未処理(ブランク)試験片のそれぞれにおけるモデル皮脂汚れの付着率は、下記の式で算出した。
皮脂汚れ付着率(%)=[汚れの付着量(g)/ビーカーに投入した汚れ量(0.104g)]×100(%)
結果を表1に示す。
Figure 2023145340000002
実施例1の洗浄剤で処理した場合、疎水性のアクリル板、親水性の陶器タイル板の両方の処理試験片において、未処理(ブランク)試験片(コントロール)よりも優位に少ない付着量を示した。すなわち、皮脂汚れの優位な付着抑制効果を認めた。
一方、比較例1のカチオン状態界面活性剤単独で処理した場合(比較例1-1、1-2)の付着量は、アクリル板、陶器タイルの両方のテスト板において未処理(ブランク)試験片(コントロール)の付着量に近い値を示し、優位な付着抑制効果を認めなかった。キサンタンガム単独で処理した場合(比較例1-3、1-4)の付着量は、アクリル板は未処理(コントロール)に近い値を示したのに対し、陶器タイル板は未処理(コントロール)の半分程度の付着量であった。
実施例2
カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子として、キサンタンガム(商品名:KELZAN AR)、
カチオン状態基剤として、カチオン状態界面活性剤である
ラウリルジメチルアミンオキシド(ユニセーフA-LM[「ユニセーフ」は商標]日油株式会社製)、
塩化ドデシルトリメチル4級アンモニウム(商品名:ニッサンカチオンBB)、
N,N-ジデシル-N-メチルポリ(オキシエチル)アンモニウムプロピオネート(商品名:Bardap26[「Bardap」は商標]、LONZA社製)、
N-(3-アミノプロピル)-N-ドデシルプロパン-1,3-ジアミン(商品名:Lonzabac12[「Lonzabac12」は商標]、LONZA社製)、
電解質として、金属キレート能を有するポリカルボン酸および/またはその塩である
クエン酸3ナトリウム(無水物)(試薬、和光純薬工業株式会社製)、
クエン酸(無水物)(試薬、和光純薬工業株式会社製)
を用いて、表2に示す組成の洗浄剤を調製した。なお、試験No.1のジメチルアミンオキシドは、液性を弱酸性にすることで、カチオン性を帯びた状態に維持した。
次いで、洗浄剤の外観を観察し、pHを測定した。その後、実施例1と同じ試験法にて、各洗浄剤で処理したアクリル板の皮脂汚れ付着試験を実施した。
結果を表2に示す。
Figure 2023145340000003
実施例2の洗浄剤で処理した疎水性のアクリル板において、未処理(コントロール)よりも優位に少ない付着量を示した。
実施例3
カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子として、
キサンタンガム(商品名:KELZAN AR)、
ダイユータンガム(商品名:KELCO-CRETE DG[「KELCO」は商標]、CP KELCO社製)、
カルボキシメチルセルロース(商品名:FINNFIX[「FINNFIX」は商標]、CP KELCO社製)
カチオン状態基剤として、カチオン状態界面活性剤である
塩化ベンザルコニウム塩(商品名:ハイアミン3500J)及び
塩化ドデシルトリメチル4級アンモニウム(商品名:ニッサンカチオンBB)、並びに
電解質として、金属キレート能を有するポリカルボン酸および/またはその塩である
クエン酸3ナトリウム(無水物)(試薬、和光純薬工業株式会社製)
を用いて、表3に示す組成の洗浄剤を調製した。
次いで、それぞれのpHを測定し、外観を観察した。その後、実施例1と同じ試験法にて、各洗浄剤を用いてアクリル板の皮脂汚れ付着試験を実施した。結果を表3に示す。
比較例2
カルボン酸を有しない水溶性高分子として、
グアーガム(商品名:SUPERGEL CSA200、Pakistan Gum & Chemicals社製)、
ヒドロキシエチルセルロース(商品名:SANHEC[「SANHEC」は商標]、三晶株式会社製)、
カチオン状態界面活性剤として
塩化ベンザルコニウム塩(商品名:ハイアミン3500J)及び
塩化ドデシルトリメチル4級アンモニウム(商品名:ニッサンカチオンBB)
を用いて、表3に示す組成の洗浄剤を調製した。
次いで、それぞれのpHを測定し、外観を観察した。その後、実施例1と同じ試験法にて、各洗浄剤を用いてアクリル板の皮脂汚れ付着試験を実施した。結果を表3に示す。
Figure 2023145340000004
実施例3の洗浄剤で処理した疎水性のアクリル板において、未処理(コントロール)よりも優位に少ない付着量を示した。
一方、比較例2のグアーガムを配合した洗浄剤(比較例2-1)は、均一溶解状態にならず、かつ、その洗浄剤で処理したアクリル板は未処理に近い付着量を示した。ヒドロキシエチルセルロースを配合した洗浄剤(比較例2-2)で処理したアクリル板は、未処理(コントロール)を上回る付着量を示した。
実施例4
カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子として、キサンタンガム(商品名:KELZAN AR)、
カチオン状態基剤として、カチオン状態界面活性剤である塩化ベンザルコニウム塩(商品名:ハイアミン3500J)、
電解質として、金属キレート能を有するポリカルボン酸および/またはその塩である
クエン酸3ナトリウム(無水物)(試薬、和光純薬工業株式会社製)、及び
水溶性溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチルジグリコールNO)
を用いて、表4に示すようにカチオン状態界面活性剤の濃度を変えた組成の洗浄剤を調製した。
次いで、それぞれのpHを測定し、外観を観察した。その後、実施例1と同じ試験法にて、各洗浄剤を用いてアクリル板の皮脂汚れ付着試験を実施した。結果を表4に示す。
比較例3
カチオン状態界面活性剤である塩化ベンザルコニウムを配合しない以外は、実施例4と同じ組成の洗浄液を調製した。その組成を表4に示す。
次いで、そのpHを測定し、外観を観察した。その後、実施例1と同じ試験法にて、その洗浄剤を用いてアクリル板の皮脂汚れ付着試験を実施した。結果を表4に示す。
Figure 2023145340000005
実施例4のカチオン状態界面活性剤の配合濃度0.1~0.9重量%の範囲にある洗浄剤で処理した疎水性のアクリル板において、未処理(コントロール)よりも優位に少ない付着量を示した。一方、比較例3のカチオン状態界面活性剤を含まない洗浄剤で処理したアクリル板は、未処理に近い付着量を示した。
実施例5
カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子として、キサンタンガム(商品名:KELZAN AR)、
カチオン状態基剤として、カチオン状態界面活性剤である
塩化ベンザルコニウム塩(商品名:ハイアミン3500J)、
金属キレート能を有するポリカルボン酸および/またはその塩としてクエン酸3ナトリウム(無水物)(試薬、和光純薬工業株式会社製)、及び
水溶性溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチルジグリコールNO)
を用いて、表5に示すようにキサンタンガムの濃度を変えた組成の洗浄剤を調製した。
次いで、それぞれのpHを測定し、外観を観察した。その後、実施例1と同じ試験法にて、各洗浄剤を用いてアクリル板の皮脂汚れ付着試験を実施した。結果を表5に示す。
Figure 2023145340000006
実施例5のキサンタンガム配合濃度0.1~0.5重量%の範囲にある洗浄剤で処理した疎水性のアクリル板において、未処理(コントロール)よりも優位に少ない付着量を示した。
実施例6
カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子として、キサンタンガム(商品名:KELZAN AR)、
カチオン状態基剤として、カチオン状態界面活性剤である
ドデシルジメチルアミンオキシド(ユニセーフA-LM[「ユニセーフ」は商標] 日油株式会社製)、
塩化ベンザルコニウム塩(商品名:ハイアミン3500J)及び
ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド(商品名:ニッサンカチオンBB)、
電解質として、金属キレート能を有するポリカルボン酸および/またはその塩である
クエン酸3ナトリウム(無水物)(試薬、和光純薬工業株式会社製)及び
エチレンジアミン4酢酸ナトリウム(EDTA-4Na)(試薬、和光純薬工業株式会社製、
その他の界面活性剤として
ラウリルグルコシド(商品名:マイドール12、[「マイドール」は商標]、花王株式会社製。以下同じ。)、
水溶性溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチルジグリコールNO)、
pH調整剤としてクエン酸(無水物)(試薬、和光純薬工業株式会社製)を用いて、表6に示す浴室用洗浄剤を調製した。表6中の各成分の数値は重量%である。
次いで、各洗浄剤の外観を観察し、pHと粘度を測定した。なお、洗浄剤の粘度は、B型粘度計(TVB-10M型 東機産業社製)により、TM2ローターを用いて、60回転の速度(rpm)で測定を行った。その後、各洗浄剤を用いてアクリル板及び陶器タイル板に対する皮脂汚れ付着試験を実施例1と同様にして実施した。更に、以下に示す評価を行った。結果を表6に示す。
各洗浄剤を市販のトリガースプレー容器(コンドルCスプレー容器500[「コンドル」は商標]、山崎産業株式会社製)に入れて使用することにより、スプレーした際の泡立ち性と垂直面への泡の密着性を評価し、また、浴槽の洗浄力評価、洗浄剤で処理したアクリル板、陶器タイルの抗菌性試験及び洗浄剤で処理したアクリル板、陶器タイル板の皮脂汚れ付着試験を実施した。
<スプレー時の泡立ち性評価>
各洗浄剤100gを前記市販のトリガースプレー容器に入れて、垂直に立てかけた黒色のアクリル板(横32cm×縦55cm×厚み0.2cm、アクリル表面硬化板「801、MR00」、アクリサンデー株式会社製)に対して、20cm離れた位置にトリガーノズル先端を設定し、洗浄剤をスプレーしたときの泡立ち性と泡の密着性を下記の基準で観察した。
[泡立ち性の評価基準]
○:泡がしっかり形成される
△:泡の量が少なく、液体と混じった状態である
×:泡の量は非常に少なく、液に近い状態である
[泡の密着性の評価基準]
スプレーして30秒後の泡の付着状態を観察して評価する。
A:スプレー直後に付着した場所に、そのまま泡の状態で留まっている状態である
B:スプレー直後に付着した場所を起点として下方に泡がゆっくり垂れて広がっている状態
C:スプレー直後に付着した場所から、泡の状態でゆっくり下方に垂れて移動している状態
D:スプレー直後に付着した場所から、泡の状態ですばやく下方に垂れて移動している状態
E:スプレー直後に付着した場所から、下方に垂れて移動しており、かつ泡も消え始めている状態
<浴槽の洗浄力試験>
一般家庭の浴槽内側壁面に、テスト板としてポリエステル板(幅20cm×長さ20cm×厚み0.3cm)とアクリル板(幅16cm×長さ18cm×厚み0.3cm)を固定した。
成人男性2名、成人女性2名、中学生男子1名が3か月間毎日1回入浴(その間、風呂水は2日間に一回入れ替え、ポリエステル板、アクリル板は洗浄せずに使用)し、テスト板表面に皮脂汚れを付着させた。
この汚れが付着したテスト板を室温で自然乾燥させた後、テスト板上に実施例6の各洗浄剤1.0mlを円状に塗布し、幅1cm×長さ2cm×厚み2cmに裁断したスポンジで、軽く5回擦り洗いした。
その直後、35ml/秒の流量に定めた水道水ですすぎ流し、そのテスト板を乾燥させ、汚れの落ち具合を下記の基準で目視観察した。
[洗浄力の評価基準]
〇:汚れがきれいに落ちている
△:わずかに、汚れが残留している
×:汚れの残留が目立っている
<抗菌性試験と評価>
抗菌性試験とその評価は、JIS Z2801のプラスチック製品に対する抗菌性試験に準拠して実施した。
硬質表面のテスト板として50mm×50mm×2mmの白色アクリル板(アクリル専門ストア ヒョーシン製)及び45mm×45mm×7mmの白色陶器タイル(白色モザイクタイル)を用意した。
これらのテスト板の天面(アクリル板:50mm×50mm、陶器タイル:45mm×45mm)に、各洗浄剤を前記スプレー容器でスプレー塗布(1.4ml)することにより、その硬質表面に処理を施した。3分間(180秒)放置した後、直ちに、テスト板の天面全体を目掛けて水道水を25ml/秒の流量で8秒間(合計200ml)かけることにより濯いだ。さらに、裏面についても3秒間、同様に水道水で濯いだ。その後、直ちに処理した面を上側にしてテスト板を滅菌シャーレに入れて50℃に維持した恒温乾燥機にて12時間乾燥させることにより、処理試験片を得た。なお、テスト板に対し洗浄剤による処理を施さない未処理(ブランク)試験片に関しては、テスト板の天面全体を目掛けて水道水を25ml/秒の流量で8秒間(合計200ml)かけるところ以降は同様の操作を行うことにより未処理(ブランク)試験片を得た。
<抗菌性試験>
それぞれ3重量%の普通ブイヨン液中に懸濁培養した黄色ブドウ球菌(s.aureus NBRC13276)と大腸菌(E.coli NBRC3972)を等量混合した後、生理食塩水にて400倍希釈することにより、2.5×10~1.0×10cfu/mlの菌液を調製した。
前記シャーレに収容された処理試験片(50×50mmのアクリル板あるいは45mm×45mmの陶器タイル板)の洗浄剤処理面に菌液0.4mlを接種して、その上に直ちに40mm×40mmの大きさに裁断した滅菌済ポリプロピレンフィルムを被せて密着させた後、シャーレの蓋をして密封した。
シャーレに密封した試験サンプルは35±1℃、90%湿度の環境に設定された恒温槽で24時間培養を行った。
24時間培養後に、フィルムでカバーしたままの試験片を、ピペットを用いて生理食塩水9.6mlで試験片天面全体にわたり洗うことによって、フィルムと試験片天面の間で培養された菌を生理食塩水中に洗い出した。
洗い出した菌液、その菌液をさらに生理食塩水で100倍に希釈した液、及び10000倍に希釈した液、それぞれ1.0mlを、SCDLP培地(Soybean Casein Digest Agar with Lecitin, polysorbate 80)の入ったシャーレに塗抹した。
その後、37℃の恒温槽で24時間培養して、コロニー数(生菌数)を測定した。
一方、ブランク(未処理)は、菌液接種直後の試験片及び35±1℃、90%湿度の環境に設定された恒温槽で24時間培養した試験片について、上記と同じ方法で抽出操作を行ってシャーレに塗抹、37℃の恒温槽で24時間培養してコロニー数(生菌数)を測定した。
本抗菌性評価試験から、下記式に基づいて、抗菌活性値を求めた。
抗菌活性値:log[未処理(ブランク)試験片の24時間後の生菌数]-log[処理試験片の24時間後の生菌数]
得られた抗菌活性値について、下記基準により抗菌性付与効果の評価を行った。
AAA:抗菌活性値4.0以上
(ブランクの生菌数の0.01%未満の生菌数)
AA :抗菌活性値3.0以上~4.0未満
(ブランクの生菌数の0.01%以上~0.1%未満の生菌数)
A :抗菌活性値2.0以上~3.0未満
(ブランクの生菌数の0.1%以上~1%未満の生菌数)
BB :抗菌活性値1.0以上~2.0未満
(ブランクの生菌数の1%以上~10%未満の生菌数)
B :抗菌活性値0.7以上~1.0未満
(ブランクの生菌数の10%以上~20%未満の生菌数)
C :抗菌活性値0.4以上~0.7未満
(ブランクの生菌数の20%以上~39.8%未満の生菌数)
D :抗菌活性値0.4未満
(ブランクの生菌数の39.8%以上の生菌数)
<抗真菌性試験>
実施例6-3の洗浄剤について、抗カビ性試験を実施した。
JIS Z2911:2018の附属書Aのプラスチック製品の試験方法の方法B(グルコース添加無機塩寒天培地)に従って、浴室等での繁殖が認められるクロカビ(Cladosporium sphaerospermum NBRC 6348)を対象に抗カビ性試験を実施した。
硬質表面のテスト板として、50mm×50mm×2mmの白色アクリル板(アクリル専門ストア ヒョーシン製)を用意した。
実施例6の抗菌性試験における方法と同様の方法にて、テスト板にスプレー塗布(3分放置)、すすぎ、乾燥することにより、アクリル板の処理試験片(5枚)を調製した。
なお、テスト板に対し洗浄剤による処理を施さない未処理(ブランク)試験片に関しては、テスト板の天面全体を目掛けて水道水を25ml/秒の流量で8秒間(合計200ml)かけることにより濯ぐ以降のところは同様の操作にて、アクリル板の試験片(5枚)を調製した。
<抗カビ性試験>
胞子懸濁液の調製は、JIS Z2911:2018の単一胞子懸濁液の調製方法に従った。懸濁液1mlあたり約10個cfu/mlになるように調製した。
別のシャーレに前記グルコース添加無機塩寒天培地を、その厚さが約5mmとなるように無菌的に分注して固化させ、その培地上に前記シャーレに収容された処理試験片(50mm×50mm×2mmのアクリル板)を取り出して、処理面を上側にして設置した。その後、処理面および寒天培地へ、前記胞子懸濁液0.1mlを噴霧器で接種して、シャーレの蓋をして密封した。なお、試験は実施例6-3の洗浄液で処理した試験片及び未処理の試験片、各5枚について行った。
シャーレに密封したこれらの試験サンプルを24±1℃、95%湿度の環境に設定された恒温槽で4週間培養した。
その後、本抗カビ性試験で培養した試料は、最初は肉眼によって観察し、必要に応じて実体顕微鏡で観察した。
クロカビの発育状態を、JISZ2911:2018の附属書Aに従って、下記基準により評価した。
菌糸の発育評価:カビ発育状態(0乃至5)
肉眼及び実体顕微鏡下でカビの発育は認められない。:0
肉眼ではカビの発育が認められないが、実体顕微鏡下では明らかに確認できる。:1
肉眼でカビの発育が認められ、発育部分の面積は試料の全面積の25%未満:2
肉眼でカビの発育が認められ、発育部分の面積は試料の全面積の25%以上50%未満:3
菌糸はよく発育し、発育部分の面積は試料の全面積の50%以上:4
菌糸の発育は激しく、試料全面を覆っている。:5
<皮脂汚れ付着試験>
前述のトリガースプレー容器を用いて、各洗浄剤を、テスト板天面を覆うように1回噴霧(1.4ml)することにより、アクリル板と陶器タイル板の表面に洗浄剤による処理を施した。その後は、実施例1と同様の操作で水すすぎと50℃で30分間の乾燥を行って試験片を調製した。
その後は、実施例1と同様の操作により皮脂汚れの付着量を測定した。ブランク(未処理)については、実施例1のブランク(アクリル板)及びブランク(陶器タイル板)の結果を用いた。
以上の試験評価結果を表6に示す。
Figure 2023145340000007
実施例6に示す浴室用の防汚洗浄剤は、スプレー容器を用いて硬質表面に噴霧した際の泡立ち性、泡密着性、浴槽付着汚れを想定した洗浄力、洗浄処理した硬質表面(アクリル板、陶器タイル板)の皮脂汚れ付着抑制効果、及び洗浄処理した硬質表面(アクリル板、陶器タイル板)の抗菌性付与効果において優れた性能を発揮した。また、実施例6-3の洗浄剤でスプレー塗布により処理した場合、カビの発育状態は、0,0,2,2,2(N=5)、ブランク(未処理)のカビの発育状態は4,4,4,4,4(N=5)となり、前記処理によって、カビの発育状態が優位に抑制され、優れた抗真菌性付与効果を示した。特に、実施例6に示されるように、本発明の洗浄剤組成物は、硬質表面への汚れ(特に皮脂汚れ)の付着抑制に優れるだけでなく、硬質表面に抗菌性・抗真菌性を付与する機能を有し得るものである。
参考例
次に市販の浴室用洗浄剤5品について、各社のスプレー容器を用いて、前記アクリル板に、それぞれの天面を覆うように1回噴霧することによりその硬質表面に処理を施したこと以外は、実施例1と同様の操作により、試験片を調製し、皮脂汚れ付着試験を実施した。ブランク(未処理)については、実施例1のブランク(アクリル板)の結果を用いた。
結果を表7に示す。なお、製品名称については明らかとせず、記号で表示した。
市販の浴室用洗浄剤は以下の製品を用いた。
・バスマジックリン(商標)泡立ちスプレー(花王株式会社製)
・バスマジックリン(商標)エアージェット ハーバルシトラスの香り(花王株式会社製)
・ルックplus(商標)バスタブクレンジング フローラルソープの香り(ライオン株式会社製)
・ルックplus(商標)バスタブクレンジング銀イオンプラス(ライオン株式会社製)
・おふろのルック(商標)(ライオン株式会社製)
Figure 2023145340000008
市販浴室用洗浄剤による処理は、疎水性のアクリル板において、未処理の付着率に近いあるいはそれを上回る付着率を示し、皮脂汚れの付着抑制効果を認めなかった。
実施例7
カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子として、キサンタンガム(商品名:KELZAN AR)を、
カチオン状態基剤として、
ビグアニド骨格を有するカチオン性高分子であるポリヘキサメチレンビグアニド(商品名:ProxelIB)、
同じくビグアニド骨格を有する抗菌剤として、高分子以外のビグアニド骨格化合物であるグルコン酸クロルヘキシジン(商品名:Spectradyne)を、
電解質として、金属キレート能を有するポリカルボン酸および/またはその塩であるクエン酸3ナトリウム(無水物)(試薬、和光純薬工業株式会社製)を、
その他の界面活性剤としてラウリルグルコシド(商品名:マイドール12)を、
水溶性溶剤として、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチルジグリコールNO)
を用いて表8の実施例7に示す洗浄剤を調製した。
比較例4
実施例7と同じ成分を用いて、表8の比較例4に示す組成の洗浄剤を調製した。
次いで、実施例7及び比較例4の各洗浄剤のpHを測定し、外観を観察した。その後、実施例1と同じ試験法にて、その洗浄剤を用いてアクリル板の皮脂汚れ付着試験を実施した。結果を表8に示す。
Figure 2023145340000009
実施例7のビグアニド骨格を有するカチオン性高分子および高分子以外のビグアニド骨格を有する抗菌剤を配合した各洗浄剤で処理された疎水性のアクリル板は、未処理(コントロール)よりも優位に少ない皮脂汚れ付着量を示した。一方、比較例4のキサンタンガムを含まない洗浄剤で処理したアクリル板は、未処理に近い付着量を示した。
実施例8
カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子として、キサンタンガム(商品名:KELZAN AR)を、
カチオン状態基剤として、カチオン性界面活性剤である、
ヤシアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリド(商品名:ハイアミン3500J)、
ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド(商品名:ニッサンカチオンBB)を、
電解質として、
金属キレート能を有するリン酸系キレート剤である、
トリポリリン酸ナトリウム(試薬、和光純薬工業株式会社製)、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸60%水溶液(試薬、東京化成工業社製)、
無機塩である塩化カリウム(試薬、和光純薬工業株式会社製)、塩化ナトリウム(試薬、和光純薬工業株式会社製)、炭酸水素ナトリウム(試薬、和光純薬工業株式会社製)、硫酸ナトリウム(試薬、和光純薬工業株式会社製)、塩化マグネシウム(試薬、和光純薬工業株式会社製)、塩化カルシウム(試薬、和光純薬工業株式会社製)、硫酸亜鉛七水和物(試薬、和光純薬工業株式会社製)を、
その他の界面活性剤として、ラウリルグルコシド(商品名:マイドール12)、
水溶性溶剤として、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチルジグリコールNO)、
pH調整剤として、10重量%の水酸化ナトリウム(試薬、和光純薬工業株式会社製)水溶液
を用いて、表9の実施例8に示す組成の洗浄剤を調製した。
次いで、そのpHを測定し、外観を観察した。その後、実施例1と同じ試験法にて、その洗浄剤を用いてアクリル板の皮脂汚れ付着試験を実施した。結果を表9に示す。
Figure 2023145340000010
実施例8に示すリン酸系キレート剤及び1価または2価の水溶性無機塩を配合した洗浄剤を用いて処理された疎水性のアクリル板は、未処理(コントロール)よりも優位に少ない付着量を示した。
実施例9
カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子として、キサンタンガム(商品名:KELZAN AR)を、
カチオン状態基剤として、カチオン性界面活性剤である
ヤシアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリド(商品名:ハイアミン3500J)及び
ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド(商品名:ニッサンカチオンBB)、またカチオン性高分子抗菌剤であるビグアニド骨格を有するポリヘキサメチレンビグアニド(商品名:ProxelIB)を、
電解質として、金属キレート能を有するポリカルボン酸および/またはその塩である
クエン酸3ナトリウム(無水物)(試薬、和光純薬工業株式会社製)、
エチレンジアミン4酢酸ナトリウム(EDTA-4Na)(試薬、和光純薬工業株式会社製)及びクエン酸(無水物)(試薬、和光純薬工業株式会社製)
を、
その他の界面活性剤としてラウリルグルコシド(商品名:マイドール12)、
水溶性溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチルジグリコールNO)
を用いて表10の実施例9に示す浴室用の洗浄剤を調製した。表10中の各成分の数値は重量%である。
次いで、洗浄剤の外観を観察し、pHと粘度を測定した。その後、実施例6と同様の試験方法により、スプレーした際の泡立ち性と垂直面への泡の付着性を評価し、また、浴槽の洗浄力及び浴槽モデル汚れ付着抑制効果の評価を行った。更に、実施例6と同様の方法にて抗菌性試験及び評価、抗真菌性試験及び評価を実施した。その結果を表10に示す。
<ロドトルラ菌に対する抗菌性試験と評価>
浴室などの湿気の多い場所では、石鹸カスや皮脂汚れを栄養源として、酵母菌の一種であるロドトルラという菌が繁殖することがある。この菌は、繁殖するとピンク色を呈し、見た目においても不快な気持ち悪い汚れとして認識されている。
ロドトルラ菌の抗菌性試験とその評価は、実施例6と同じくJIS Z2801のプラスチック製品に対する抗菌性試験に準拠して実施した。
硬質表面のテスト板として、50mm×50mm×2mmの白色アクリル板(アクリル専門ストア ヒョーシン製)を用意した。
硬質表面に対する処理は、実施例6と同じくアクリル板へのスプレー塗布にて3分間放置した後、直ちに、テスト板の天面全体を目掛けて水道水を25ml/秒の流量で8秒間(合計200ml)かけることにより濯いだ。さらに、裏面についても3秒間、同様に水道水で濯いだ。その後、直ちに処理した面を上側にしてテスト板を滅菌シャーレに入れて50℃に維持した恒温乾燥機にて12時間乾燥させることにより、処理試験片を得た。
なお、テスト板に対し洗浄剤による処理を施さない未処理(ブランク)試験片に関しては、テスト板の天面全体を目掛けて水道水を25ml/秒の流量で8秒間(合計200ml)かけることにより濯ぐ以降のところは同様の操作にて、アクリル板の未処理(ブランク)試験片を調製した。
<抗菌性試験>
NB(ニュートリエントブロス)培地で培養したロドトルラ菌(Rhodotorula mucilaginosa NBRC0909)を精製水で500倍希釈することにより、3.5×10cfu/mlの菌液を調製し、抗菌性試験及び評価を実施例6と同様に行った。
結果を表10に示す。
Figure 2023145340000011
実施例9に示す浴室での使用に適する洗浄剤は、スプレー容器を用いて硬質表面に噴霧した際の泡立ち性、泡密着性、洗浄力において優れた性能を示した。
また、スプレー塗布による処理において、実施例9の洗浄剤で処理した場合、アクリル板とタイル板の両方で抗菌活性値4以上の優れた抗菌性付与効果を示した。一方、ロドトルラ菌についても、アクリル板で抗菌活性値4以上の優れた抗菌性付与効果を示した。さらに、スプレー塗布による処理において、カビの発育状態は、0,0,0,0,0(N=5)、ブランク(未処理)のカビの発育状態は4,4,4,4,4(N=5)となり、前記処理によって、カビの発育状態が優位に抑制され、優れた抗真菌性付与効果を示した。実施例9は、実施例6-3と類似した中性の洗浄剤組成であるが、ポリヘキサメチレンビグアニドが配合されたことで、より優れた抗菌性付与効果及び抗真菌性付与効果を示した。
更に、洗浄剤をスプレーして処理したアクリル板への皮脂付着率が、未処理のアクリル板に比べて2.5割程度に低下しており、優れた皮脂汚れ付着抑制効果も示した。
実施例10
実施例10-1として実施例6-3の洗浄剤を、実施例10-2として実施例9の洗浄剤を、実施例10-3として、実施例9の洗浄剤におけるポリヘキサメチレンビグアニドに替えてグルコン酸クロルヘキシジン(商品名:Spectradyne)を配合した洗浄剤を、比較例4として、キサンタンガムを含まない以外は実施例10-2と同じ組成の洗浄剤を、それぞれ調製した。各々の洗浄剤組成を表11に示す。表11中の各成分の数値は重量%である。
次いで、洗浄剤の外観を観察し、pHと粘度を測定した。その結果を表11に示す。
<浴槽モデル汚れ付着試験>
皮脂付着試験1では、実施例6と同様に、トリガースプレー容器(コンドルCスプレー容器500)を用いて洗浄剤を黒色アクリル板の天面にスプレー塗布して3分間(180秒)放置した後、直ちに、予め40℃の水温に調整した水道水を、洗瓶(商品名:J洗浄瓶500ml)を用いて、アクリル板の天面を目掛けて200mlの水量かけることにより濯いだ。裏面についても、同じく40℃に調整した20mlの水量の水道水で濯いだ。その後、50℃で30分間乾燥させることにより処理試験片を得た。
皮脂付着試験2では、上記皮脂付着試験1と同様の操作にて得た処理試験片を、水温を40℃に維持したお湯(水道水)の中に30分間浸漬した。その後、50℃で30分間乾燥させることにより処理試験片を得た。
また、洗浄剤による処理を施さずに、同様に40℃の水温に調整した水道水による濯ぎ及び50℃で30分間の乾燥を行って未処理(ブランク)試験片を得た。
得られた処理試験片及び未処理(ブランク)試験片を用いて、実施例1と同様の方法により浴槽モデル汚れ付着試験を行い、浴槽モデル汚れ付着抑制効果の評価を行った。
結果を表11に示す。
Figure 2023145340000012
皮脂汚れ付着試験1,2の結果より、ポリヘキサメチレンビグアニドあるいはグルコン酸クロルヘキシジンを配合した実施例10-2(試験No.2),実施例10-3(試験No.3)の洗浄剤は、洗浄剤がスプレー塗布された天面を、水温40℃の200mlの水で濯いだ場合も、優れた皮脂付着抑制効果を示した。さらに、水温40℃、水量200mlで天面を濯いだ後に、一度乾燥させて、40℃の水温に維持されたお湯に30分間浸漬した場合も、優れた皮脂付着抑制効果を示した。なお、この試験の際の未処理(ブランク)試験片の皮脂汚れ付着率は25%であった。
また、キサンタンガムを含まない以外は試験No.2と同じ組成の比較例4の洗浄剤で処理したアクリル板への皮脂汚れ付着率は、付着試験1,2の何れの処理条件においても未処理(ブランク)とほぼ同じ皮脂付着率に留まった。
実施例11
実施例9の洗浄剤を用いて、以下のような操作で処理したアクリル板及びタイル板について、皮脂汚れ付着率と抗菌性能を評価した。その結果を表12に示す。表12中の各成分の数値は重量%である。
<浴槽モデル汚れ付着試験>
実施例6と同様に、トリガースプレー容器(コンドルCスプレー容器500)を用いてテスト板(50mm×50mm×3mmの黒色アクリル板及び45mm×45mm×7mmの白色陶器タイル)に対して、以下のような操作で塗布処理を行った。
試験No.1では、実施例10と同じくテスト板天面(水平状の天面)を覆うように洗浄剤を1回スプレー噴霧により塗布し、3分間放置した後、直ちに、予め水温を40℃に調整した水道水を、洗瓶(商品名:J洗浄瓶500ml)を用いて、テスト板の天面を目掛けて200mlの水量かけることにより濯ぎ、裏面も同じく40℃に調整した水道水を20mlの水量かけることにより濯いだ後、50℃の恒温槽で30分間乾燥させて洗浄剤処理板を調製した。次いで、皮脂付着試験1乃至4の試験に関する処理を次のように施した。
皮脂付着試験1(アクリル板)と皮脂付着試験2(タイル板)の試験については、テスト板の天面を、常温(31℃)水道水により25ml/秒の流量で80秒間(2000ml)濯いだ後、50℃の恒温槽で30分間乾燥させることにより、処理試験片を得た。
一方、皮脂付着試験3(アクリル板)と皮脂付着試験4(タイル板)の試験では、水温を40℃に維持したお湯(水道水)の中にテスト板を30分間浸漬した後、50℃の恒温槽で30分間乾燥させることにより、処理試験片を得た。
次に、試験No.2では、天面が垂直となるように立てかけたテスト板の垂直状の天面に対して、全体を覆うように洗浄剤を1回スプレー噴霧により塗布した後、直ちに、少量の水を含ませた幅1cm×長さ2cm×厚み2cmに裁断したスポンジにて、洗浄剤を塗布した前記垂直状の天面全体を3往復擦り洗いし、3分間放置した。その後直ちに、試験No.1と同様にして、前記天面及び裏面の濯ぎ及び乾燥を施して洗浄剤処理板を調製し、次いで、皮脂付着試験1乃至4の試験に関する処理を行うことにより、処理試験片を得た。
また、洗浄剤による処理を施さずに、同様に40℃の水温に調整した水道水を、洗瓶(商品名:J洗浄瓶500ml)を用いて、テスト板(アクリル板及びタイル板)の天面を目掛けて200mlの水量かけることにより濯ぎ、裏面も20mlの水量かけることにより濯いだ後、50℃の恒温槽で30分間乾燥させて未処理(ブランク)試験片を得た。
その後、各処理試験片について、実施例1と同様の方法にて皮脂汚れ付着試験を実施した。その結果を表12に示す。
<抗菌性試験と評価>
試験No.1および試験No.2において、浴槽モデル汚れ付着試験と同じ操作で各々の洗浄剤処理板を調製した。次いで、皮脂付着試験3(アクリル板)と皮脂付着試験4(タイル板)と同様の処理を施した後、処理した面を上側にしてテスト板を滅菌シャーレに入れて50℃に維持した恒温乾燥機にて12時間乾燥させて、抗菌性試験3と抗菌性試験4の処理試験片を得た。また、前記と同様にテスト板の天面を目掛けて200mlの水量かけることにより濯ぎ、裏面も20mlの水量かけることにより濯いだ後、処理した面を上側にしてテスト板を滅菌シャーレに入れて50℃に維持した恒温乾燥機にて12時間乾燥させて未処理(ブランク)試験片を得た。
その後、各処理試験片について、実施例6と同様の方法にて抗菌性試験および評価を実施した。その結果を表12に示す。
試験No.1では、皮脂付着試験1,2より、ポリヘキサメチレンビグアニドを含む洗浄剤で処理したアクリル板、タイル板の両方において、洗浄剤塗布処理面が2000mlという大量の水で濯がれても、優れた皮脂付着抑制効果を持続した。なお、この試験の際の未処理(ブランク)試験片の皮脂汚れ付着率は、アクリル板が28.5%、タイル板が9.3%であった。
また、皮脂付着試験3,4より、40℃の水温に維持されたお湯に30分間浸漬されても、優れた皮脂付着抑制効果を持続した。また、同様の濯ぎと浸漬処理を施されたアクリル板とタイル板の両方において、優れた抗菌性付与効果を維持した。
一方、試験No.2では、テスト板を垂直に立てて、洗浄剤を塗布した垂直状の天面全体をスポンジで3往復擦ったことにより、テスト板上に塗布された洗浄剤量は、試験No.1に比較して減少したと考えられるが、そのような塗布操作条件においても、優れた皮脂付着抑制効果を維持した。また、同様の濯ぎと浸漬処理を施されたアクリル板とタイル板の両方において、優れた抗菌性付与効果を維持した。浴室用洗浄剤においては、スポンジ等の道具を使用して、対象面を擦り洗いすることが一般的であるが、そのような洗浄操作においても、優れた皮脂付着抑制効果、並びに優れた抗菌性付与効果を提供できることが示唆された。
実施例12
便器内側の便付着抑制効果発揮を目的として、実施例12の試験No.1、2として表13に示す組成のトイレ用の洗浄剤を調製した。表13中の各成分の数値は重量%である。試験No.1の洗浄剤は、実施例9の洗浄剤と同じ組成であり、試験No.2の洗浄剤は、No.1の組成に比較して、キサンタンガムを0.1重量%増量した組成である。
次いで、洗浄剤の外観を観察し、pHと粘度を測定した。その結果を表13に示す。
<油性汚れ付着抑制効果>
便器に沈着する汚れは便中に含まれる油性汚れが主であることから、便付着抑制効果の試験として、実施例1の浴室用のモデル皮脂汚れで代用した。また、便器基材の材質としては、陶器が主要であるが、アクリル樹脂系のものも販売されて普及してきている。油性汚れは、一般に陶器よりもプラスチック樹脂の材質の方が付着しやすいことから、今回はアクリル板を用いて試験を行った。
実施例6と同様に、トリガースプレー容器(コンドルCスプレー容器500)を用いてテスト板(50mm×50mm×3mmの黒色アクリル板)に対して、テスト板の天面を覆うように洗浄剤を1回スプレー噴霧により塗布し、3分間放置した後、直ちに、テスト板の天面を常温(11℃)水道水により100ml/秒の流量で150秒間(15L:皮脂付着試験1)、300秒間(30L:皮脂付着試験2)、又は、450秒間(45L:皮脂付着試験3)濯いだ。次いで、それぞれのテスト板の裏面を同じ流量及び温度の水道水により5秒間濯いだ。その後、50℃の恒温槽で30分間乾燥させることにより、処理試験片を得た。それらの各処理試験片について実施例1と同様の方法にて皮脂付着試験を実施した。その結果を表13に示す。
また、洗浄剤による処理を施さずに、テスト板の天面を常温(11℃)水道水により100ml/秒の流量で150秒間(15L:皮脂付着試験1)、300秒間(30L:皮脂付着試験2)、又は、450秒間(45L:皮脂付着試験3)濯ぎ、次いで、それぞれのテスト板の裏面を同じ流量及び温度の水道水により5秒間濯いだ。その後、50℃の恒温槽で30分間の乾燥を行うことにより、未処理(ブランク)試験片を得た。それらの各未処理(ブランク)試験片について実施例1と同様の方法にて皮脂付着試験を実施した。その結果を表13に示す。
Figure 2023145340000014
東京都水道局の「生活用水実態調査」によると、家庭で1人が1日に使う水の量は平均214リットル(令和元年度)とされ、そのうちトイレでは21%(平成27年度の同調査)が使用されているということから、この試験では45Lの濯ぎ水量までの試験を行った。
試験No.1の洗浄剤、試験No.2の洗浄剤ともに、何れのすすぎ水量においても、未処理に比較して、優れた皮脂付着抑制効果を維持した。キサンタンガムを0.1%増量したNo.2の洗剤は、No.1の洗剤に比較して、より優れた皮脂付着抑制効果を維持した。
便器のように、大量の水が流れるような使用環境においても、良好な皮脂付着抑制効果、すなわち油性汚れ付着抑制効果を提供できることが示唆された。

Claims (24)

  1. a)カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子:0.05~5重量%
    b)カチオン性を有する状態にある界面活性剤、抗菌剤、及び高分子から選択される1又は2以上からなるカチオン性を有する状態にある基剤:0.02~10重量%
    c)電解質:0.1~15重量%
    を含有し、pHが3~12である硬質表面への汚れ付着抑制用液状洗浄剤組成物。
  2. 硬質表面に適用された後、水による濯ぎを経た状態において、前記硬質表面に対する皮脂汚れ付着を抑制し得るものである請求項1記載の組成物。
  3. 硬質表面に適用された後、水による濯ぎを経た状態において、前記硬質表面が抗菌性を有するものとすることができるものである請求項1記載の組成物。
  4. 硬質表面に適用された後、水による濯ぎを経た状態において、前記硬質表面が抗菌性及び抗真菌性を有するものとすることができるものである請求項1記載の組成物。
  5. 上記b)のカチオン性を有する状態にある界面活性剤、抗菌剤、及び高分子から選択される1又は2以上からなるカチオン性を有する状態にある基剤が、
    アルキルアミンオキシド、アルケニルアミンオキシド、アルキルアミン塩型界面活性剤、アルケニルアミン塩型界面活性剤、第4級アンモニウム塩型界面活性剤、ピリジン環塩含有型界面活性剤、第4級アンモニウム塩を主鎖または側鎖に有するカチオン性高分子、グアニジン骨格あるいはビグアニド骨格を主鎖または側鎖に有するカチオン性高分子、アミンを主鎖に有するカチオン性高分子、アミノ基を側鎖に有するカチオン性高分子、及び、高分子以外のグアニジン骨格あるいはビグアニド骨格化合物
    から選択される1又は2以上からなるカチオン性を有する状態にある基剤である請求項1乃至4の何れか1項に記載の組成物。
  6. 上記b)のカチオン性を有する状態にある基剤が、
    炭素数6~20の直鎖または分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を少なくとも1つ有するカチオン性界面活性剤、及び、グアニジン骨格あるいはビグアニド骨格を有するカチオン性高分子の一方又は両方を含む請求項1乃至4の何れか1項に記載の組成物。
  7. 上記b)のカチオン性を有する状態にある基剤が、
    ポリヘキサメチレングアニジン若しくはその塩、ポリアミノプロピルビグアニド若しくはその塩、ポリヘキサメチレンビグアニド若しくはその塩、又は、クロルヘキシジン若しくはその塩から選ばれる1又は2以上を含む請求項1乃至4の何れか1項に記載の組成物。
  8. 上記b)のカチオン性を有する状態にある基剤が、
    更に第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤を含む請求項7記載の組成物。
  9. 上記a)のカルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子が、キサンタンガム、ペクチンおよび/またはその塩、ジェランガムおよび/またはその塩、ダイユータンガム、ウェランガム、アラビアガムおよび/またはその塩、アルギン酸および/またはその塩、ヒアルロン酸および/またはその塩、トラガカントガムおよび/またはその塩、スクシノグリカンおよび/またはその塩、カルボキシメチルセルロースおよび/またはその塩、カルボキシエチルセルロ-スおよび/またはその塩、カルボキシビニルポリマーおよび/またはその塩、又は、ポリアクリル酸および/またはその塩である請求項1乃至4の何れか1項に記載の組成物。
  10. 上記a)のカルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子が、キサンタンガムである請求項1乃至4の何れか1項に記載の組成物。
  11. 上記c)の電解質が、無機酸および/またはその塩、一価の有機酸および/またはその塩、金属キレート能を有するポリカルボン酸および/またはその塩、金属キレート能を有するポリホスホン酸および/またはその塩、並びに、金属キレート能を有するポリリン酸および/またはその塩からなる群から選ばれる1又は2以上の電解質である請求項1乃至4の何れか1項に記載の組成物。
  12. 上記c)の電解質が、
    塩酸、硫酸、炭酸、リン酸、及び、珪酸、並びに、それぞれのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及び、亜鉛塩;
    ギ酸、酢酸、乳酸、プロピオン酸、及び、安息香酸、並びに、それぞれのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及び、亜鉛塩;
    ポリカルボン酸系金属キレート剤としての、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、グルコン酸、リンゴ酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロトリ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレントリ酢酸、及び、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、並びに、それぞれの塩;
    ポリホスホン酸系金属キレート剤としての、ポリホスホン酸および/またはその塩;並びに、
    ポリリン酸系金属キレート剤としての、ポリリン酸および/またはその塩
    から選ばれる1又は2以上の電解質である請求項11項記載の組成物。
  13. アルキルグルコシドを0.5~10重量%含有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の組成物。
  14. グリコールおよび/またはグリコールエーテルを2~30重量%含有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の組成物。
  15. 上記グリコールがヘキシレングリコールであり、上記グリコールエーテルがジエチレングリコールモノブチルエーテルおよび/またはプロピレングリコールモノメチルエーテルである請求項14記載の組成物。
  16. 少なくとも硬質表面に適用される状態において泡状をなし得る請求項1乃至4の何れか1項に記載の組成物。
  17. 上記硬質表面が、親水性材料又は疎水性材料からなるものである請求項1乃至4の何れか1項に記載の組成物。
  18. 上記硬質表面が、木、陶器、陶器タイル、ホーロー、合成樹脂、セラミックス、ステンレス鋼又はアルミニウムからなるものである請求項1乃至4の何れか1項に記載の組成物。
  19. 上記合成樹脂が、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂又はウレタン樹脂である請求項18記載の組成物。
  20. 浴室又はシャワー室用である請求項1乃至4の何れか1項に記載の組成物。
  21. 硬質表面への皮脂汚れ付着抑制用である請求項1乃至4の何れか1項に記載の組成物。
  22. a)カルボン酸および/またはその塩を有する水溶性高分子:0.05~5重量%
    b)カチオン性を有する状態にある界面活性剤、抗菌剤、及び高分子から選択される1又は2以上からなるカチオン性を有する状態にある基剤:0.02~10重量%
    c)電解質:0.1~15重量%
    を含有し、pHが3~12である液状組成物を用いて親水性材料又は疎水性材料からなる硬質表面を処理する汚れ付着抑制方法。
  23. 上記硬質表面が、合成樹脂、セラミックス又はステンレス鋼からなるものである請求項22記載の方法。
  24. 上記汚れ付着抑制が、皮脂汚れ付着抑制である請求項22又は23記載の方法。
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