JP2023144909A - ポリエステル成形体及びポリエステル成形体の製造方法 - Google Patents

ポリエステル成形体及びポリエステル成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バイオマス原料から製造可能な、透明性が高く、色調が良好なポリエステル成形体を安価に提供すること。【解決手段】2,5-フランジカルボン酸由来の構造単位と、脂肪族ジオール由来の構造単位とを有するポリエステルであって、当該ポリエステルの再生原料を1質量%~50質量%含有するポリエステル成形体である。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル成形体に関し、詳しくはフランジカルボン酸構造を有するポリエステル成形体に関するものであり、特に、フィルム、ボトル、繊維用途において、透明性が高く、色調が良好かつ低コストでの生産を可能にするポリエステル成形体及びポリエステル成形体の製造方法に関する。
近年、環境配慮の観点から、植物由来の原料を用いたポリエステルの需要が高まってきている。ポリエステルの植物由来の原料としては、ジカルボン酸としてコハク酸、グルタル酸、セバシン酸、フェルラ酸、カフェ酸、及び2,5-フランジカルボン酸などが挙げられる。ジオールとしては、エタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール、及びイソソルバイト等が挙げられる。これらの中でも2,5-フランジカルボン酸はテレフタル酸の代替原料として注目を集めている。
2,5-フランジカルボン酸を用いたポリエステルとしては、ポリブチレンフラノエート、ポリトリメチレンフラノエート、ポリエチレンフラノエート等のポリアルキレンフラノエート等が挙げられるが、中でもポリエチレンフラノエート(以下「PEF」と記載することがある。)は工業的に様々な用途で用いられているポリエチレンテレフタレート(PET)の代替ポリエステルとして期待されている。
例えば、特許文献1には、プラスチック容器を延伸ブロー成形法において製造するための、ポリエチレンフラノエートを含有するプリフォームが開示されている。具体的には、プリフォームの製造の際に、粘度0.75dL/g~0.9dL/gおよび含水量50ppm未満を有するプリフォームとすることにより、機械強度およびバリア性が高い容器が得られると記載されている。
また、特許文献2では、ポリエチレンフラノエートを用いた二軸延伸フィルムに関する検討が行われており、ポリエチレンテレフタレートよりも酸素バリア性が高いフィルムが記載されている。
特表2018-510800号公報 特表2017-536427号公報
しかしながら、ポリエチレンフラノエートは原料となる2,5-フランジカルボン酸が高価であることから、それを用いた成形体の製造コストは高く、普及の課題となっている。また、再生原料を用いることで原料コストを下げると不純物が増えることが多く、また、再生原料は一旦熱履歴を受けていることなどから、これを用いて製造したポリエチレンフラノエート成形体は、十分な透明性と色調を有することが難しかった。
本発明は、上記従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。すなわち、バイオマス原料から製造可能な、透明性が高く、色調が良好なポリエステル成形体を安価に提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、特定の組成のポリエチレンフラノエートを用いることで、透明性が高く、色調が良好なポリエステル成形体を安価に得ることができることを見出した。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1]2,5-フランジカルボン酸由来の構造単位と、脂肪族ジオール由来の構造単位とを有するポリエステルであって、当該ポリエステルの再生原料を1質量%~50質量%含有するポリエステル成形体。
[2]前記成形体がフィルムである、上記[1]に記載のポリエステル成形体。
[3]前記フィルムの表面の算術平均高さSaが0.1nm以上、40nm以下である、上記[2]に記載のポリエステル成形体。
[4]前記フィルムのヘーズが2.0%以下である、上記[2]または[3]に記載のポリエステル成形体。
[5]2,5-フランジカルボン酸由来の構造単位と、脂肪族ジオール由来の構造単位とを有するポリエステル成形体の製造方法であって、当該ポリエステルの再生原料を使用する、ポリエステル成形体の製造方法。
[6]押出機の吐出量Q(kg/h)とスクリュー回転数N(rpm)の比(Q/N)が、0.05~1.0である上記[5]に記載のポリエステル成形体の製造方法。
本発明によれば、バイオマス由来の原料を使用可能であり、透明性が高く、色調が良好なポリエステル成形体を安価に得ることが出来る。したがって、本発明のポリエステル成形体は、フィルム、ボトル、繊維用途において好適に用いることができる。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に限定はされない。
本明細書において、「・・・由来の構造単位」とは、当該単量体(モノマー)に由来して、ポリマーであるポリエステルに取り込まれた構造単位をさす。以下、「・・・由来の構造単位」は単に「単位」または「構造単位」と称し、例えば、「ジオール由来の構造単位」を「ジオール単位」または「ジオール構造単位」、「ジカルボン酸由来の構造単位」を「ジカルボン酸単位」または「ジカルボン酸構造単位」、と各々称す場合がある。
また、本明細書において、「主たる構造単位」とは、当該「構造単位」の中で最も多くの割合を占める構造単位をさし、通常、当該構造単位中の50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90~100モル%を占める構造単位である。
[本発明のポリエステル成形体]
本発明のポリエステル成形体は、2,5-フランジカルボン酸由来の構造単位を、ポリエステルを構成する全ジカルボン酸単位の主たる構造単位とし、脂肪族ジオール由来の構造単位を、ポリエステルを構成する全ジオール単位の主たる構造単位としたポリエステル(以下、「本発明に係るポリエステル」と記載することがある。)を含有する。更に、本発明に係るポリエスエルの再生原料を含有する。
[再生原料]
再生原料とは、ポリエステル成形体を製造する際に発生した製品外品である。即ち、製造の際にトリミングされた端材や、規格から外れたポリエステル成形体等を示す。再生原料は、成形体の原料とするために、必要に応じて粉砕、リペレット化することが可能である。
(ポリエステル)
本発明に係るポリエステルは、2,5-フランジカルボン酸由来の構造単位を、ポリエステルを構成する全ジカルボン酸単位の主たる構造単位とし、脂肪族ジオール由来の構造単位を、ポリエステルを構成する全ジオール単位の主たる構造単位として有する。
<ジカルボン酸構造単位>
本発明に係るポリエステルは、ジカルボン酸構造単位として、2,5-フランジカルボン酸由来の構造単位を含む。2,5-フランジカルボン酸由来の構造単位を含むことにより、ガラス転移温度が上がり、耐熱性が良好になり、さらにガスバリア性も良好となる。本発明に係るポリエステルは、2,5-フランジカルボン酸由来の構造単位を主たるジカルボン酸単位とすることが好ましい。すなわち、2,5-フランジカルボン酸由来の構造単位は、全ジカルボン酸構造単位100モル%中に、通常50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90~100モル%含有するのがよい。
本発明に係るポリエステルは、ジカルボン酸単位として2,5-フランジカルボン酸由来の構造単位以外のジカルボン酸(「他のジカルボン酸」ともいう。)由来の構造単位を有していてもよい。他のジカルボン酸は、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカン二酸などの鎖状脂肪族ジカルボン酸;1,6-シクロヘキサンジカルボン酸等の環状脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸等が挙げられる。これらのジカルボン酸のうち、柔軟性に優れることから、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、鎖状脂肪族ジカルボン酸がより好ましい。
ジカルボン酸構造単位として他のジカルボン酸由来の構造単位を含む場合について、含まれる他のジカルボン酸由来の構造単位は、1種のみであっても、2種以上を任意の組み合わせと比率で含んでもよい。本発明に係るポリエステルが他のジカルボン酸由来の構造単位を含む場合の含有量は、2,5-フランジカルボン酸由来の構造単位を含有することによる上記の効果を十分に得やすい点では少ないことが好ましい。一方で、柔軟性等に優れる点では、多いことが好ましい。そこで、本発明に係るポリエステルが他のジカルボン酸由来の構造単位を含む場合、その含有量は、全ジカルボン酸構造単位100モル%中に、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上、更に好ましくは30モル%以上がよく、その上限は50モル%未満である。
ジカルボン酸構造単位は、本発明に係るポリエステルの製造原料として、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸の低級アルキルエステル(アルキル基の炭素数1~4)、ジカルボン酸の塩化物等のジカルボン酸成分を用いることにより、ポリエステルに導入することができる。
<ジオール構造単位>
本発明に係るポリエステルは、ジオール構造単位として、脂肪族ジオール由来の構造単位を含む。脂肪族ジオール由来の構造単位としては、2,2’-オキシジエタノール、2,2’-(エチレンジオキシ)ジエタノール、1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、イソソルバイド等が挙げられる。
本発明に係るポリエステルは、ジオール単位として脂肪族ジオール以外のジオール(「他のジオール」ともいう。)由来の構造単位を有していてもよい。
他のジオールとしては、芳香族ジオールが挙げられる。例えば、キシリレングリコール、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、2,2-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4’-β-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-β-ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン等が挙げられる。
本発明に係るポリエステルが他のジオール由来の構造単位を含む場合における他のジオールは、1種のみでも、2種以上が任意の組み合わせと比率で含まれていてもよい。本発明に係るポリエステルが他のジオール由来の構造単位を含む場合の含有量は、脂肪族ジオール由来の構造単位を含有することによる上記の効果を十分に得やすい点では少ないことが好ましい。一方で、柔軟性等に優れる点では、多いことが好ましい。そこで、本発明に係るポリエステルが他のジオール由来の構造単位を含む場合、その含有量は、全ジオール構造単位100モル%中に、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上、更に好ましくは30モル%以上がよく、その上限は50モル%未満である。
<その他の共重合成分>
本発明に係るポリエステルは、ジカルボン酸とジオール以外の他の共重合成分に由来する構造単位を含んでもよい。他の共重合成分としては、3官能以上の官能基を含有する化合物が挙げられる。
3官能以上の官能基を有する化合物としては、3官能以上の多価アルコール、3官能以上の多価カルボン酸(或いはその無水物、酸塩化物、又は低級アルキルエステル)、3官能以上のヒドロキシカルボン酸(或いはその無水物、酸塩化物、又は低級アルキルエステル)、3官能以上のアミン類などが挙げられる。
3官能以上の多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせと比率で用いてもよい。
3官能以上の多価カルボン酸又はその無水物としては、トリメシン酸、プロパントリカルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタテトラカルボン酸無水物等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせと比率で用いてもよい。
3官能以上のヒドロキシカルボン酸としては、リンゴ酸、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキシメチルグルタル酸、酒石酸、クエン酸、ヒドロキシイソフタル酸、ヒドロキシテレフタル酸等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせと比率で用いてもよい。
本発明に係るポリエステルが3官能以上の官能基を有する化合物由来の構造単位を含む場合の含有量は、本発明に係るポリエステルの架橋が適度に進行し、安定にストランドを抜き出しやすく、成形性、機械物性等が良好となりやすい点では少ないことが好ましい。そこで、その含有量は、ポリエステルを構成する全構造単位の合計100モル%に対して、5モル%以下が好ましく、4モル%以下がより好ましく、3モル%以下がさらに好ましく、他の共重合成分を有さない二元系のポリエステルを用いるのが最も好ましい。
<鎖延長剤>
本発明に係るポリエステルの製造に際し、カーボネート化合物、ジイソシアネート化合物、ジオキサゾリン、珪酸エステル等の鎖延長剤を使用してもよい。例えば、ジフェニルカーボネート等のカーボネート化合物を、ポリエステルの全構造単位100モル%に対して、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下となるように用いることにより、ポリエステルカーボネートを得ることもできる。
この場合、カーボネート化合物としては、具体的には、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m-クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチレンカーボネート、ジアミルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート等が挙げられる。その他、フェノール類、アルコール類のようなヒドロキシ化合物から誘導される、同種又は異種のヒドロキシ化合物からなるカーボネート化合物も使用可能である。
また、ジイソシアネート化合物としては、具体的には、2,4-トリレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネートと2,6-トリレンジイソシアネートとの混合体、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の公知のジイソシアネートなどが挙げられる。
珪酸エステルとしては、具体的には、テトラメトキシシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジフェニルジヒドロキシラン等が挙げられる。
これらの鎖延長剤は、いずれも1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせと比率で用いてもよい。
<末端封止剤>
また、本実施形態においては、ポリエステルの末端基をカルボジイミド、エポキシ化合物、単官能性のアルコール又はカルボン酸等で封止してもよい。末端封止剤を用いる場合、その含有量は、ポリエステルの全構造単位100モル%に対して、20モル%以下とすることが好ましく、10モル%以下とすることがより好ましい。
末端封止剤のカルボジイミド化合物としては、分子中に1個以上のカルボジイミド基を有する化合物(ポリカルボジイミド化合物を含む)が挙げられる。具体的には、モノカルボジイミド化合物として、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t-ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ-t-ブチルカルボジイミド、ジ-β-ナフチルカルボジイミド、N,N’-ジ-2,6-ジイソプロピルフェニルカルボジイミド等が挙げられる。
これらは、いずれも1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせと比率で用いてもよい。
なお、本発明に係るポリエステルの製造には、その特性が損なわれない範囲において、各種の添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、加水分解防止剤、難燃剤、帯電防止剤、離型剤、紫外線吸収剤等を用いてもよい。
[ポリエステルの製造方法]
本発明に係るポリエステルの製造方法としては、2,5-フランジカルボン酸と、脂肪族ジオールと、必要に応じて用いられる他の共重合成分等とを用いて、エステル化反応又はエステル交換反応工程を行い、引き続いて重縮合反応工程を行うことにより、製造することができる。
なお、エステル化反応又はエステル交換反応工程と、重縮合反応工程とを含めて、ポリエステル原料製造工程、ともいう。反応に際しては、必要に応じて、前述の鎖延長剤や末端封止剤を用いてもよい。また、固有粘度を高くする点では、ポリエステル原料製造工程の重縮合反応工程を行った後に、更に固相重合工程を行うことが好ましい。
<エステル化又はエステル交換反応工程>
エステル化又はエステル交換反応は、通常、ジカルボン酸成分及びジオール成分と、必要に応じて用いられるその他の共重合成分等を、攪拌機及び留出管を備えた反応槽に仕込み、好ましくは触媒の存在下、不活性ガス雰囲気の減圧下に攪拌しつつ、反応により生じた水分等の副生成物を系外へ留去しながら反応を進行させることにより行われる。原料の使用比率、すなわち、ジカルボン酸成分の合計に対するジオール成分の合計のモル比は、通常1.0~3.0モル倍である。ジオール成分が多い方がエステル化反応を十分に進行させやすく、脱炭酸末端が少なくなりやすく、また、重縮合反応により、カルボキシル末端がヒドロキシル末端より少ないポリエステルが得られやすい点で好ましい。
一方、脂肪族ジオール成分に由来する副反応によるエーテル構造の生成が起こり難い点では、ジオール成分は少ないことが好ましい。そこで、同モル比の下限は、好ましくは1.25モル倍、さらに好ましくは1.30モル倍である。また、一方で、上限は、好ましくは2.5モル倍、さらに好ましくは2.0モル倍である。
<重縮合反応工程>
重縮合反応工程は、通常、エステル化又はエステル交換反応工程に続けて、減圧下において行う。重縮合反応は、副生物が生じ難くなることから、減圧開始時の温度をより低温から行うことが好ましい。
反応温度は、得られるポリエステルの融点以上、融点+100℃以下とすることが好ましい。反応温度と得られるポリエステルの融点との関係が、上記好ましい範囲になっていたことは、得られるポリエステルの凡その融点を予測して反応させた後に、得られたポリエステルの融点を測定することにより確認できる。反応温度は、具体的には、230℃以上が好ましく、240℃以上がより好ましい。また、一方で280℃以下が好ましく、270℃以下がより好ましい。反応温度がこれらの範囲であることにより、熱分解や副反応等による着色などが起こり難い状態で且つ十分に速い速度で反応を行うことができる。
反応圧力は、任意の温度に到達した時点で減圧を開始する。最終的な圧力は、通常0.01×10Pa以上、好ましくは0.05×10Pa以上とすることがよい。また、通常1.4×10Pa以下、好ましくは0.6×10Pa以下、より好ましくは0.3×10Pa以下とすることがよい。反応時の圧力が低いと、短時間で重合が進み、ポリエステルの熱分解による分子量低下や着色が起こり難く、実用上十分な特性を示すポリエステルを得やすい。また、一方で、高額な設備を用いる必要がない点では、反応圧力は高めであることが好ましい。
反応時間は、通常、1時間以上、15時間以下である。好ましくは10時間以下、より好ましくは8時間以下である。反応時間が1時間以上であると、十分に反応が行われ、重合度が高く、機械物性に優れるポリエステルが得られやすい。また、一方で、反応時間が10時間以下であると、ポリエステルの熱分解による分子量低下が起こり難いために、機械物性に優れるポリエステルが得られやすい。
重縮合反応が終了したら、一般的に、ポリエステルを溶融状態でストランド状に抜き出し、冷却後、ペレット状にカッティングする。
<触媒>
触媒としては、ポリエステルの製造に用いることのできる任意の触媒を選択することができるが、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、アンチモン、スズ、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、コバルト、鉛、セシウム、マンガン、リチウム、カリウム、ナトリウム、銅、バリウム、カドミウム等の金属化合物が好適である。中でも、高活性である点から、ゲルマニウム化合物、チタン化合物、マグネシウム化合物、スズ化合物、亜鉛化合物、鉛化合物が好適であり、チタン化合物が最も好ましい。
触媒として使用されるチタン化合物としては、特に制限されるものではなく、好ましい例としてテトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラエチルチタネート、テトラヒドロキシエチルチタネート、テトラフェニルチタネート等のテトラアルコキシチタネート等の有機チタン化合物が挙げられる。これらの中では価格や入手の容易さ等から、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等が好ましく、高活性である点から、最も好ましい触媒はテトラブチルチタネートである。
これらの触媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。また、本発明の目的を損なわない限り、他の触媒の併用を妨げない。
触媒の使用量は、生成するポリエステルに対する触媒中の金属換算量で、下限値は好ましくは0.0001質量%、より好ましくは0.0005質量%、更に好ましくは0.001質量%である。また、上限値は好ましくは1質量%、より好ましくは0.5質量%、更に好ましくは0.1質量%である。触媒の使用量が上記下限値以上であることで、重合反応速度を上げることができ、また上記上限値以下であることで、触媒に関する製造コストが抑えられ、また触媒残渣が低減され、得られるポリエステルの安定性が良好となる傾向がある。
触媒の添加時期は、減圧反応開始以前であれば特に限定されず、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。原料仕込み時と減圧開始時に分けて添加してもよい。
[ポリエステルの物性]
<固有粘度(IV)>
本発明に係るポリエステルの固有粘度(IV)は、0.5dL/g以上であることが好ましく、より好ましくは0.6dL/g以上、さらに好ましくは0.8dL/g以上、最も好ましくは0.85dL/g以上である。また、一方で、本発明に係るポリエステルの固有粘度は、2.0dL/g以下であることが好ましく、より好ましくは1.5dL/g以下であり、最も好ましくは1.3dL/g以下である。上述の好ましい固有粘度とすることにより、溶融粘度が低くなり、成形しやすくなるとともに、ポリエステル成形体の機械強度を高くすることができる。本発明において、固有粘度は、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
<末端酸価>
本発明に係るポリエステルの末端酸価は、加水分解による粘度低下が起こり難いことから低いことが好ましい。具体的には、末端酸価は、70eq./ton以下であることが好ましく、より好ましくは50eq./ton以下、更に好ましくは40eq./ton以下、特に好ましくは30eq./ton以下、殊更好ましくは20eq./ton以下、最も好ましくは15eq./ton以下である。下限については、特に限定されず、0eq./tonであってもよい。
[ポリエステル成形体]
本発明におけるポエステル成形体は、フィルム、ボトル、繊維等の形態をとることができる。
ポリエステル成形体への再生原料の配合量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、最も好ましくは30質量%以下である。また、一方で、ポリエステル成形体への再生原料の配合量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、最も好ましくは10質量%以上である。上述の好ましい範囲とすることで、良好な色調、透明性の成形体を低コストで得ることができる。
[ポリエステルフィルム]
本発明におけるポエステルフィルムは、未延伸フィルム、1軸延伸フィルム、2軸延伸フィルム等が挙げられる。中でも、延伸配向により機械強度が良化することがから、2軸延伸フィルムが好ましい。
[ポリエステルフィルムの製造方法]
以下、本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。すなわち、先に述べた再生原料を含むポリエステル原料からなる乾燥したペレットを、単軸押出機を用いてダイから押し出し、溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が挙げられる。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法や液体塗布密着法が好ましく採用される。
次に、得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70~130℃、好ましくは80~140℃であり、延伸倍率は通常3.0~8倍、好ましくは4.0~6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70~150℃であり、延伸倍率は通常3.0~8倍、好ましくは3.5~7倍である。そして、引き続き120~210℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
押出機の吐出量Q(kg/h)とスクリュー回転数N(rpm)の比Q/Nは、スクリュー形状や押出機の形状により適する範囲は異なり一概には言えないが、通常1.0以下、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.6以下、最も好ましくは0.5以下である。
また、一方で、押出機のQ/Nは、通常0.05以上、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.20以上、最も好ましくは0.25以上である。
上述の好ましい範囲とすることで、押出工程における熱履歴によるポリエステルフィルムの熱劣化が抑制され、再生原料を含有していても色調が良好なポリエステルフィルムを得ることができる。
また、本発明におけるポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムの製造に関しては、同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70~120℃、好ましくは80~110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で9~50倍、好ましくは12~40倍、さらに好ましくは16~35倍である。
そして、引き続き、120~210℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
[インラインコーティング]
本発明に係るポリエステルフィルムには、表面に塗布層を設けても良い。塗布層に関しては、ポリエステルフィルムの製膜工程中にフィルム表面を処理する、インラインコーティングにより設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、オフラインコーティングを採用してもよい。製膜と同時に塗布が可能であるため、製造が安価に対応可能であることから、インラインコーティングが好ましく用いられる。
インラインコーティングについては、以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては、特に縦延伸が終了した横延伸前にコーティング処理を施すことができる。インラインコーティングによりポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、製膜と同時に塗布が可能になると共に、延伸後のポリエステルフィルムの熱処理工程で、塗布層を高温で処理することができるため、塗布層上に形成され得る各種の表面機能層との密着性や耐湿熱性等の性能を向上させることができる。また、延伸前にコーティングを行う場合は、塗布層の厚みを延伸倍率により変化させることもでき、オフラインコーティングに比べ、薄膜コーティングをより容易に行うことができる。すなわち、インラインコーティング、特に延伸前のコーティングにより、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造することができる。
[ポリエステルフィルムの物性]
<算術平均高さ(Sa)>
本発明のポリエステルフィルムの算術平均高さ(Sa)は、本発明に係るポリエステルの再生原料の配合比率を調整することで適切な範囲に抑えることができる。本発明のポリエステルフィルムの算術平均高さは、40nm以下が好ましく、より好ましくは30nm以下、さらに好ましくは25nm以下、最も好ましくは20nm以下である。また、一方で、本発明のポリエステルフィルムの算術平均高さは、0.1nm以上であることが好ましい。上述の好ましい範囲とすることにより、易滑性と加工性に優れたポリエステルフィルムとすることができる。
<b値>
本発明のポリエステルフィルムの色調は、透過法によるb値から確認することができる。再生原料は1度熱履歴が掛かっていることから、再生原料を使用したポリエステルフィルムは、b値が高くなる傾向にある。
<ヘーズ>
本発明のポリエステルフィルムのヘーズは、本発明に係るポリエステルの再生原料配合比率を調整することで適切な範囲に抑えることができる。本発明のポリエステルフィルムのヘーズは、2.0%以下が好ましく、より好ましくは1.5%以下、最も好ましくは1.3%以下である。下限については特に限定されず、低いほどよく、0.1%であってもよいし、0%であってもよい。
なお、本発明において、ポリエステルフィルムのヘーズは、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
<固有粘度(IV)>
本発明のポリエステルフィルムの固有粘度(IV)は、0.4dL/g以上であることが好ましく、より好ましくは0.5dL/g以上、さらに好ましくは0.6dL/g以上、最も好ましくは0.70dL/g以上である。また、一方で、本発明のポリエステルフィルムの固有粘度は、1.5dL/g以下であることが好ましく、より好ましくは1.0dL/g以下であり、最も好ましくは0.9dL/g以下である。上述の好ましい固有粘度とすることにより、溶融粘度が低いために成形しやすく、且つ本発明のポリエステルフィルムの機械強度を高くすることができる。本発明において、固有粘度は、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
<厚さ>
本発明のポリエステルフィルムの厚さは特に制限されないが、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上、最も好ましくは20μm以上である。また、一方で、本発明のポリエステルフィルムの厚さは、好ましくは250μm以下、より好ましくは200μm以下、最も好ましくは125μm以下である。
上記の範囲とすることで、ハンドリング性が良好でかつ、十分に生産速度を上げることができ、生産性が良好なポリエステルフィルムとすることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例における評価方法は下記のとおりである。
(1)ポリエステルまたはポリエステルフィルムの固有粘度の測定
ポリエステルまたはポリエステルフィルム0.25gを精秤し、フェノール/1,1,2,2-テトラクロロエタン=50/50(質量比)の混合溶媒50mlを加えて溶解させた溶液について、ウデローデ粘度管を用いて30℃で測定した。Huggins定数は0.32とした。
(2)算術平均高さ(Sa)
フィルム表面を、株式会社菱化システム製、非接触表面・層断面形状計測システム VertScan(登録商標)R550GMLを使用して、CCDカメラ:SONY HR-50 1/3’、対物レンズ:20倍、鏡筒:1X Body、ズームレンズ:No Relay、波長フィルター:530 white、測定モード:Waveにて測定し、4次の多項式補正による出力を用いた。(補正条件)
(3)b
コニカミノルタ株式会社製分光測色計CM-3700dの透過モードを用いて、フィルム単枚のbを測定した。
(4)ヘーズ
試料フィルムをJIS-K-7136に準じて、日本電色工業株式会社製ヘーズメーターNDH-20Dを用いて、ヘーズを測定した。
[実施例1]
<ポリエステルの製造>
<溶融重合>
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計、精留塔を備えた反応容器に、原料として、2,5-フランジカルボン酸(V&V PHARMA INDUSTRIES製)42.85kg、1,2-エタンジオール(三菱ケミカル株式会社製)30.6L、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド35質量%水溶液を14.3g仕込み、反応容器内を窒素雰囲気にした。
次に、撹拌しながら2時間かけて200℃まで昇温し、200℃で2時間30分間保持して留出液を回収し、エステル化反応を進行させた(加熱時間は合計4時間30分)。
続いて、この反応液を、減圧口と撹拌装置を備えた反応器に移送し、テトラブチルチタネートを2.0質量%溶解させた1,2-エタンジオール溶液888.5gを添加して撹拌を開始した(Tiの2,5-フランジカルボン酸に対するモル比は0.00019モル、生成したポリエステルに対するTi濃度は50ppm)。2時間かけて260℃まで昇温すると共に、圧力を常圧から1.5時間かけて130Pa程度になるように徐々に減圧し、その後130Paを保持した。減圧開始から3時間50分経過したところで撹拌を停止し、復圧して重縮合反応を終了し、反応槽下部より製造されたポリエステルをストランド状に抜き出し、冷却水槽を通して冷却した後、ペレタイザーによって切断し、2~3mm角程度のペレット状のポリエステル(A)を得た。ポリエステル(A)の固有粘度は0.74dL/gであった。
<固相重合>
ポリエステル(A)に対して、窒素ガスを30L/minの流量で導入しながら加熱することにより、予備結晶化を行った。具体的には、ポリエステル(A)10kgをイナートオーブン(ヤマト科学株式会社製「DN411I」)に入れ、120℃で3時間加熱後、常温(25℃)に冷却してから融着したペレット同士をほぐした。更にもう1回、このペレットを150℃で3時間加熱した後に常温(25℃)に冷却してから融着したペレット同士をほぐした。
次に、この予備結晶化させたポリエステル(A)10kgを前述のイナートオーブンに入れ、窒素ガスを30L/minの流量で導入させた状態で、120℃で1時間、150℃で1時間、180℃で3時間、200℃で6時間の順に加熱することにより固相重合を行い、ポリエステル(B)を得た。ポリエステル(B)の固有粘度は0.85dL/gであった。
<再生原料の調製>
ポリエステル(B)を原料として押出機に供給し、280℃に加熱溶融した後、吐出量30kg/h、スクリュー回転数200rpmで30℃に設定した冷却ロール上に押出し、冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度100℃で縦方向に4.5倍延伸した後、テンターに導き、横方向に120℃で4.7倍延伸し、200℃で10秒熱処理を行った後、横方向に3%弛緩し、厚さ50μmの再生原料を使用していないポリエステルフィルムを得た。
ロータリーカッター(RC250 有限会社吉工製)を用いて、再生原料を使用していないポリエステルフィルムを約4mm角に粉砕し、再生原料を得た。
なお、再生原料は、上述のように、ポリエステル成形体を製造する際に発生した製品外品をいうが、本実施例においては、実施例及び比較例に供するために、製造したポリエステルフィルムを裁断して、意図的に再生原料を調製するものである。
<プライマー液(A)の製造>
下記に記載のアクリル樹脂、オキサゾリン化合物、およびシリカ粒子をそれぞれ87質量部(アクリル樹脂の固形物として)、10質量部、3質量部混合してプライマー液(A)を製造した。
・アクリル樹脂
メチルメタクリレート:エチルメタクリレート:エチルアクリレート:アクリロニトリル:N-メチロールアクリルアミド:アクリル酸=40:22:21:10:3:4(モル%)から形成されるアクリル樹脂の水分散体(乳化剤:アニオン系界面活性剤)
・オキサゾリン化合物
オキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリルポリマー。オキサゾリン基量=4.5mmol/g
・シリカ粒子
平均粒径70nmのコロイダルシリカ
ポリエステル(B):再生原料=20質量%:80質量%となるように、それぞれを押出機に供給し、280℃に加熱溶融した後、吐出量(Q)30kg/h、スクリュー回転数(N)150rpmで30℃に設定した冷却ロール上に押出し、冷却固化させて未延伸シートを得た。
次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度100℃で縦方向に4.5倍延伸した後、この縦延伸フィルムの片面に、プライマー液(A)を塗布し、テンターに導き、横方向に120℃で4.7倍延伸し、200℃で10秒熱処理を行った後、横方向に3%弛緩し、プライマー層を有する厚さ50μmの再生原料を使用したポリエステルフィルム(A)を得た。得られたポリエステルフィルムの算術平均高さ(Sa)は16.5nm、ヘーズは1.22%となり十分に低いものとなった。
[実施例2]
ポリエステル(B):再生原料=50質量%:50質量%となるように、それぞれを押出機に供給し、280℃に加熱溶融した後、吐出量(Q)30kg/h、スクリュー回転数(N)120rpmで30℃に設定した冷却ロール上に押出し、冷却固化させて未延伸シートを得た。
次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度100℃で縦方向に4.5倍延伸した後、この縦延伸フィルムの片面に、プライマー液(A)を塗布し、テンターに導き、横方向に120℃で4.7倍延伸し、200℃で10秒熱処理を行った後、横方向に3%弛緩し、プライマー層を有する厚さ50μmの再生原料を使用したポリエステルフィルム(B)を得た。得られたポリエステルフィルムの算術平均高さ(Sa)は15.1nm、ヘーズは1.39%となり十分に低いものとなった。
[比較例1]
再生原料を使用したポリエステルフィルムの原料として再生原料のみを使用した以外は実施例2と同様にして、再生原料を用いたポリエステルフィルム(C)を得た。得られたポリエステルの算術平均高さ(Sa)は47.6nmと高く、ヘーズも2.44%と高いことから透明性、色調、表面平滑性が要求される用途への適用は難しいと考えられる。
[参考例1]
実施例で使用したポリエステルフィルムの各種条件、物性を表1に示した。再生原料を使用していないポリエステルフィルムのb値は3.54であった。一方で、再生原料を20質量%使用したポリエステルフィルム(A)のb値は3.31である。一般的に、再生原料を使用することでbは悪化するが、Q/Nを上げることによって、ポリエステルフィルムのb値の悪化を抑制できていることが確認できた。
本発明によれば、バイオマス原料から製造可能な、透明性が高く、色調が良好なポリエステル成形体を安価に提供することができる。すなわち、本発明のポリエステル成形体は、環境負荷が低く、かつ従来のポリエステルと同等の性能を安価に製造できるため、工業的に有用である。

Claims (6)

  1. 2,5-フランジカルボン酸由来の構造単位と、脂肪族ジオール由来の構造単位とを有するポリエステルであって、当該ポリエステルの再生原料を1質量%~50質量%含有するポリエステル成形体。
  2. 前記成形体がフィルムである、請求項1に記載のポリエステル成形体。
  3. 前記フィルムの表面の算術平均高さSaが0.1nm以上、40nm以下である、請求項2に記載のポリエステル成形体。
  4. 前記フィルムのヘーズが2.0%以下である、請求項2または3に記載のポリエステル成形体。
  5. 2,5-フランジカルボン酸由来の構造単位と、脂肪族ジオール由来の構造単位とを有するポリエステル成形体の製造方法であって、当該ポリエステルの再生原料を使用する、ポリエステル成形体の製造方法。
  6. 押出機の吐出量Q(kg/h)とスクリュー回転数N(rpm)の比(Q/N)が、0.05~1.0である請求項5に記載のポリエステル成形体の製造方法。
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