JP2023144296A - 燃料電池スタック - Google Patents

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JP2023144296A JP2022051205A JP2022051205A JP2023144296A JP 2023144296 A JP2023144296 A JP 2023144296A JP 2022051205 A JP2022051205 A JP 2022051205A JP 2022051205 A JP2022051205 A JP 2022051205A JP 2023144296 A JP2023144296 A JP 2023144296A
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Abstract

【課題】一対のセパレータのシールラインリブ構造内における排水性を高めることができる燃料電池スタックを提供する。【解決手段】シールラインリブ構造内且つ平面視において第1反応ガス導出部を横断する領域の樹脂フレームの少なくとも一部に、当該樹脂フレームを積層方向に貫通する第1貫通孔が設けられ、一対のセパレータの内、シールラインリブ構造内において反応ガス導出部を有するセパレータと対向する対向セパレータのリブには、平面視においてシールライン上且つ第2反応ガス導出部を横断する領域の反応ガス排出マニホールド側の側面に当該リブを当該対向セパレータの面方向に貫通する第2貫通孔が設けられ、第2貫通孔は、第1貫通孔から流入してきた反応ガスを反応ガス排出マニホールドに流すことを可能にする、燃料電池スタック。【選択図】図1

Description

本開示は、燃料電池スタックに関する。
燃料電池については、様々な研究がなされている。
例えば特許文献1では、生成水が排出マニホールドに溜まることを抑制することができ、良好な排水性を確保することができる燃料電池が開示されている。
特許文献2では、燃料電池用のセパレータにおける排水性を高める技術が開示されている。
特開2017-107664号公報 特開2015-225709号公報
一対のセパレータのリブで構成されるシールラインリブ構造内の排水不良が発生するという問題がある。
シールラインリブ構造内の両面経路を効果的に使うためには、シールラインリブ構造内の樹脂フレームを挟んだ裏側からの排水も効果的に進められる構造とする必要がある。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、一対のセパレータのシールラインリブ構造内における排水性を高めることができる燃料電池スタックを提供することを主目的とする。
本開示においては、一対のセパレータと当該一対のセパレータの間に配置される樹脂フレーム及び膜電極ガス拡散層接合体とを備えた単セルを複数積層したセル積層体を有し、隣り合う単セル間のシールにシールシートを用いた燃料電池スタックであって、
前記燃料電池スタックは、反応ガス排出マニホールドを有し、
前記セパレータは反応ガス流路及び当該反応ガス流路から前記反応ガス排出マニホールドに反応ガスを排出する反応ガス導出部を有し、
前記反応ガス導出部は、平面視において前記反応ガス排出マニホールド近傍且つ当該反応ガス排出マニホールドの前記膜電極ガス拡散層接合体側の領域の所定の領域に配置される第1反応ガス導出部、及び、当該反応ガス排出マニホールドの前記膜電極ガス拡散層接合体側の領域と対向する側の領域の所定の領域に配置される第2反応ガス導出部を有し、
前記シールシートは、平面視において前記反応ガス排出マニホールドを囲いシールし、且つ、平面視において前記一対のセパレータの内の一方の前記セパレータの前記反応ガス導出部を横断し、且つ、前記セパレータのリブ上に配置されるシールラインを有し、
前記単セルは積層方向において隣り合う前記シールシートの前記シールライン間に前記一対のセパレータのリブで構成されるシールラインリブ構造を有し、
前記シールラインリブ構造内において、前記樹脂フレームが前記一対のセパレータに挟持され、
前記シールラインリブ構造内且つ平面視において前記第1反応ガス導出部を横断する領域の前記樹脂フレームの少なくとも一部に、当該樹脂フレームを積層方向に貫通する第1貫通孔が設けられ、
前記一対のセパレータの内、前記シールラインリブ構造内において前記反応ガス導出部を有するセパレータと対向する対向セパレータのリブには、平面視において前記シールライン上且つ前記第2反応ガス導出部を横断する領域の前記反応ガス排出マニホールド側の側面に当該リブを当該対向セパレータの面方向に貫通する第2貫通孔が設けられ、
前記第2貫通孔は、前記第1貫通孔から流入してきた前記反応ガスを前記反応ガス排出マニホールドに流すことを可能にする、燃料電池スタックを提供する。
本開示の燃料電池スタックは、一対のセパレータのシールラインリブ構造内における排水性を高めることができる。
図1は、本開示の第1実施形態の燃料電池スタックの反応ガス排出マニホールド付近を平面視したときの一例を示す平面模式図である。 図2は、図1のA-A断面模式図である。 図3は、図1のB-B断面模式図である。 図4は、本開示の第2実施形態の燃料電池スタックの反応ガス排出マニホールド付近を平面視したときの一例を示す平面模式図である。 図5は、図4のB-B断面模式図である。
以下、本開示による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本開示の実施に必要な事柄(例えば、本開示を特徴付けない燃料電池スタックの一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本開示は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
また、図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
本明細書において数値範囲を示す「~」とは、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
また、数値範囲における上限値と下限値は任意の組み合わせを採用できる。
本開示においては、一対のセパレータと当該一対のセパレータの間に配置される樹脂フレーム及び膜電極ガス拡散層接合体とを備えた単セルを複数積層したセル積層体を有し、隣り合う単セル間のシールにシールシートを用いた燃料電池スタックであって、
前記燃料電池スタックは、反応ガス排出マニホールドを有し、
前記セパレータは反応ガス流路及び当該反応ガス流路から前記反応ガス排出マニホールドに反応ガスを排出する反応ガス導出部を有し、
前記反応ガス導出部は、平面視において前記反応ガス排出マニホールド近傍且つ当該反応ガス排出マニホールドの前記膜電極ガス拡散層接合体側の領域の所定の領域に配置される第1反応ガス導出部、及び、当該反応ガス排出マニホールドの前記膜電極ガス拡散層接合体側の領域と対向する側の領域の所定の領域に配置される第2反応ガス導出部を有し、
前記シールシートは、平面視において前記反応ガス排出マニホールドを囲いシールし、且つ、平面視において前記一対のセパレータの内の一方の前記セパレータの前記反応ガス導出部を横断し、且つ、前記セパレータのリブ上に配置されるシールラインを有し、
前記単セルは積層方向において隣り合う前記シールシートの前記シールライン間に前記一対のセパレータのリブで構成されるシールラインリブ構造を有し、
前記シールラインリブ構造内において、前記樹脂フレームが前記一対のセパレータに挟持され、
前記シールラインリブ構造内且つ平面視において前記第1反応ガス導出部を横断する領域の前記樹脂フレームの少なくとも一部に、当該樹脂フレームを積層方向に貫通する第1貫通孔が設けられ、
前記一対のセパレータの内、前記シールラインリブ構造内において前記反応ガス導出部を有するセパレータと対向する対向セパレータのリブには、平面視において前記シールライン上且つ前記第2反応ガス導出部を横断する領域の前記反応ガス排出マニホールド側の側面に当該リブを当該対向セパレータの面方向に貫通する第2貫通孔が設けられ、
前記第2貫通孔は、前記第1貫通孔から流入してきた前記反応ガスを前記反応ガス排出マニホールドに流すことを可能にする、燃料電池スタックを提供する。
本開示においては、反応ガス導出部を面方向において反応ガス排出マニホールドのMEGA側とは反対側にも設け、且つ、シールラインリブ構造内において第1反応ガス導出部近傍の樹脂フレームに第1貫通孔を設け、且つ、シールラインリブ構造内において反応ガス導出部を有するセパレータと対向する対向セパレータのリブにシールライン上且つ第2反応ガス導出部を横断する領域の反応ガス排出マニホールド側の側面に当該リブを当該対向セパレータの面方向に貫通する第2貫通孔を設けるか、又は、第2反応ガス導出部近傍の樹脂フレームに第1貫通孔を設けることで、シールラインリブ構造内の樹脂フレームを挟んだ裏側にも反応ガスが流れる構造とし、水頭圧差で排水を促進させることができる。
シールラインリブ構造内の樹脂フレームを挟んだ裏側を反応ガス流路として有効活用することができ、かつ、水頭圧差による水への駆動力を発生させることで、スムーズな排水をすることができる。
本開示においては、燃料ガス、及び、酸化剤ガスをまとめて反応ガスと称する。アノードに供給される反応ガスは、燃料ガスであり、カソードに供給される反応ガスは酸化剤ガスである。燃料ガスは、主に水素を含有するガスであり、水素であってもよい。酸化剤ガスは、酸素を含有するガスであり、酸素、空気、及び、乾燥空気等であってもよい。
本開示の燃料電池スタックは、一対のセパレータと当該一対のセパレータの間に配置される樹脂フレーム及び膜電極ガス拡散層接合体とを備えた単セルを複数積層したセル積層体を有し、隣り合う単セル間のシールにシールシートを用いる。
セル積層体は、単セルを複数個積層した積層体である。
セル積層体における単セルの積層数は特に限定されず、2~数百個であってもよい。
燃料電池の単セルは、膜電極ガス拡散層接合体(MEGA)を備える。
膜電極ガス拡散層接合体は、アノード側ガス拡散層及び、アノード触媒層及び、電解質膜及び、カソード触媒層及び、カソード側ガス拡散層をこの順に有する。
カソード(酸化剤極)は、カソード触媒層及びカソード側ガス拡散層を含む。
アノード(燃料極)は、アノード触媒層及びアノード側ガス拡散層を含む。
カソード触媒層及びアノード触媒層をまとめて触媒層と称する。
触媒層は、例えば、電気化学反応を促進する触媒金属、プロトン伝導性を有する電解質、及び、電子伝導性を有する担体等を備えていてもよい。
触媒金属としては、例えば、白金(Pt)、及び、Ptと他の金属とから成る合金(例えばコバルト、及び、ニッケル等を混合したPt合金)等を用いることができる。
電解質としては、フッ素系樹脂等であってもよい。フッ素系樹脂としては、例えば、ナフィオン溶液等を用いてもよい。
上記触媒金属は担体上に担持されており、各触媒層では、触媒金属を担持した担体(触媒担持担体)と電解質とが混在していてもよい。
触媒金属を担持するための担体は、例えば、一般に市販されているカーボンなどの炭素材料等が挙げられる。
カソード側ガス拡散層及びアノード側ガス拡散層をまとめてガス拡散層と称する。
ガス拡散層は、ガス透過性を有する導電性部材等であってもよい。
導電性部材としては、例えば、カーボンクロス、及びカーボンペーパー等のカーボン多孔質体、並びに、金属メッシュ、及び、発泡金属などの金属多孔質体等が挙げられる。
電解質膜は、固体高分子電解質膜であってもよい。固体高分子電解質膜としては、例えば、水分が含まれたパーフルオロスルホン酸の薄膜等のフッ素系電解質膜、及び、炭化水素系電解質膜等が挙げられる。電解質膜としては、例えば、ナフィオン膜(デュポン社製)等であってもよい。
単セルは、樹脂フレーム及び膜電極ガス拡散層接合体を挟持する一対のセパレータを備える。一対のセパレータは、一方がアノードセパレータであり、もう一方がカソードセパレータである。本開示では、アノードセパレータとカソードセパレータとをまとめてセパレータという。
セパレータは、反応ガス及び冷媒等の流体を単セルの積層方向に流通させるための供給孔及び排出孔等の孔を有していてもよい。冷媒としては、低温時の凍結を防止するために例えばエチレングリコールと水との混合溶液を用いることができる。
供給孔は、燃料ガス供給孔、酸化剤ガス供給孔、及び、冷媒供給孔等が挙げられる。
排出孔は、燃料ガス排出孔、酸化剤ガス排出孔、及び、冷媒排出孔等が挙げられる。
セパレータは、ガス拡散層に接する面に反応ガス流路を有していてもよい。また、セパレータは、ガス拡散層に接する面とは反対側の面に燃料電池の温度を一定に保つための冷媒流路を有していてもよい。
セパレータは、反応ガス流路、冷媒流路等の流路を構成するリブを有していてもよい。
セパレータは、少なくとも冷媒流路側の面に供給孔及び排出孔等の孔を囲いシールシートのシールラインと位置合わせされたリブ(以下、シールラインリブと称する場合がある)を有していてもよい。シールラインリブは、平面視したときに、供給孔及び排出孔等の孔を囲うように配置されていてもよく、これらの複数の孔を全て囲うようにセパレータの外周縁部に沿って配置されていてもよい。また、シールラインリブは、シールシートのシールラインと位置合わせされて配置されていてもよい。
一対のセパレータのシールラインリブによりシールラインリブ構造が形成されてもよい。
アノードセパレータは、アノード側ガス拡散層に接する面に燃料ガス流路を有していてもよい。また、アノードセパレータは、アノード側ガス拡散層に接する面とは反対側の面に燃料電池の温度を一定に保つための冷媒流路を有していてもよい。
カソードセパレータは、カソード側ガス拡散層に接する面に酸化剤ガス流路を有していてもよい。また、カソードセパレータは、カソード側ガス拡散層に接する面とは反対側の面に燃料電池の温度を一定に保つための冷媒流路を有していてもよい。
セパレータは、ガス不透過の導電性部材等であってもよい。導電性部材としては、例えば、熱硬化樹脂、熱可塑樹脂、及び、樹脂繊維等の樹脂材、カーボン粉末、及び、カーボン繊維等のカーボン材を圧縮してガス不透過とした緻密質カーボン、及び、プレス成形した金属(例えば、鉄、アルミニウム、及び、ステンレス等)板等であってもよい。また、セパレータが集電機能を備えるものであってもよい。
セパレータの形状は、長方形、横長6角形、横長8角形、円形、及び、長丸形状等であってもよい。
セパレータは、反応ガスマニホールドに隣接して配置され反応ガスマニホールド及び反応ガス流路と連通する反応ガス導出入部を有していてもよい。
反応ガス導出入部の本数は、特に限定されず、反応ガス流路の本数と同じであってもよい。
反応ガス導出入部は、平面視において反応ガスマニホールドを囲うように配置されるセパレータのシールラインリブを、反応ガス流路(及びガス分配部)と反応ガスマニホールドが連通するように、セパレータの面方向に貫通することにより設けられていてもよい。
反応ガス導出入部は、反応ガス流路が酸化剤ガス流路の場合は、酸化剤ガスマニホールドと連通する酸化剤ガス導出入部であり、反応ガス流路が燃料ガス流路の場合は、燃料ガスマニホールドと連通する燃料ガス導出入部である。反応ガス導出入部は、反応ガスマニホールドが反応ガス供給マニホールドの場合は、反応ガス導入部であり、反応ガスマニホールドが反応ガス排出マニホールドの場合は、反応ガス導出部である。
セパレータは、反応ガス導出部を有し、反応ガス導出部は、反応ガス流路から反応ガス排出マニホールドに反応ガスを排出する。
反応ガス導出部は、平面視において反応ガス排出マニホールド近傍且つ当該反応ガス排出マニホールドの膜電極ガス拡散層接合体側の領域の所定の領域に配置される第1反応ガス導出部、及び、当該反応ガス排出マニホールドの膜電極ガス拡散層接合体側の領域と対向する側の領域の所定の領域に配置される第2反応ガス導出部を有する。
なお、第1反応ガス導出部は、平面視においてシールラインを横断するように、シールラインリブ構造内のセパレータのシールラインリブの反応ガス排出マニホールド側の側面と膜電極ガス拡散層接合体側の側面の両方をセパレータの面方向に貫通して、反応ガス排出マニホールドと反応ガス流路が連通するように配置されていてもよい。
また、第2反応ガス導出部は、シールラインリブ構造内のセパレータのシールラインリブの反応ガス排出マニホールド側の側面をセパレータの面方向に貫通して、シールラインリブ構造内の流路と反応ガス排出マニホールドが連通するように設けられていてもよい。
反応ガス排出マニホールドは、膜電極ガス拡散層接合体側の領域と、膜電極ガス拡散層接合体側の領域と対向する側の領域を有する。膜電極ガス拡散層接合体側の領域と対向する側の領域とは、単セルの面方向の外側の領域であってもよい。
膜電極ガス拡散層接合体側の領域の所定の領域は、膜電極ガス拡散層接合体側の領域の少なくとも一部の領域であればよい。
膜電極ガス拡散層接合体側の領域と対向する側の領域の所定の領域は、膜電極ガス拡散層接合体側の領域と対向する側の領域の少なくとも一部の領域であればよい。
セパレータは、反応ガス流路及び反応ガス導出入部と連通するガス分配部を有していてもよい。ガス分配部は、平面方向において、反応ガス導出入部の反応ガスマニホールドとは反対側の領域に隣接して配置され、反応ガスマニホールドから発電領域へガス流れを広げるか又は発電領域から反応ガスマニホールドへガス流れを収束させる部分である。ガス分配部は、反応ガスの入り口側ではガス流れを広げる構造を有する。ガス分配部は、反応ガスの出口側では、ガス流れを収束させる構造を有する。発電領域は、膜電極ガス拡散層接合体が配置されている領域である。
単セルは樹脂フレームを備える。
樹脂フレームは、膜電極ガス拡散層接合体の外周に配置され、且つ、カソードセパレータとアノードセパレータとの間に配置される。
樹脂フレームは、骨格部と、開口部と、孔を有していてもよい。
骨格部は、膜電極ガス拡散層接合体と接続する樹脂フレームの主要部分である。
開口部は、膜電極ガス拡散層接合体の保持領域であり、膜電極ガス拡散層接合体を収納するために骨格部の一部を貫通する領域である。開口部は、樹脂フレームにおいて、膜電極ガス拡散層接合体の周囲(外周部)に骨格部が配置される位置に配置されていればよく、樹脂フレームの中央に有していてもよい。
樹脂フレームの孔は、反応ガス、及び、冷媒等の流体を単セルの積層方向に流通させる。樹脂フレームの孔は、セパレータの孔と連通するように位置合わせされて配置されていてもよい。
樹脂フレームは、枠状のコア層と、コア層の両面に設けられた枠状の二つのシェル層、即ち、第1シェル層と第2シェル層とを含んでいてもよい。
第1シェル層及び第2シェル層は、コア層と同様に、コア層の両面に枠状に設けられていてもよい。
コア層は、ガスシール性、絶縁性を有する構造部材であればよく、燃料電池の製造工程での熱圧着時の温度条件下でも構造が変化しない材料により形成されていてもよい。具体的には、コア層の材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、PC(ポリカーボネート)、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PA(ポリアミド)、PI(ポリイミド)、PS(ポリスチレン)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、シクロオレフィン、PES(ポリエーテルサルホン)、PPSU(ポリフェニルスルホン)、LCP(液晶ポリマー)、エポキシ樹脂等の樹脂等であってもよい。コア層の材料は、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、フッ素系ゴム、シリコン系ゴム等のゴム材であってもよい。
コア層の厚さは、絶縁性を担保する観点から、5μm以上であってもよく、30μm以上であってもよく、セル厚さを低減する観点から、100μm以下であってもよく、90μm以下であってもよい。
第1シェル層及び第2シェル層は、コア層とアノードセパレータ及びカソードセパレータとを接着してシール性を確保するために、他の物質との接着性が高く、熱圧着時の温度条件下で軟化し、コア層よりも粘度及び融点が低い性質を有していてもよい。具体的には、第1シェル層及び第2シェル層は、ポリエステル系及び変性オレフィン系等の熱可塑性樹脂であってもよく、変性エポキシ樹脂である熱硬化性樹脂であってもよい。
第1シェル層を構成する樹脂と第2シェル層を構成する樹脂とは、同種の樹脂であってもよく、異なる種類の樹脂であってもよい。コア層の両面にシェル層を設けることで、樹脂フレームと2つのセパレータとの間の加熱プレスによる接着が容易になる。
第1シェル層及び第2シェル層のそれぞれのシェル層の厚さは、接着性を担保する観点から、5μm以上であってもよく、30μm以上であってもよく、セル厚さを低減する観点から、100μm以下であってもよく、40μm以下であってもよい。
樹脂フレームにおいて、第1シェル層及び第2シェル層は、それぞれアノードセパレータ及びカソードセパレータと接着する部分にのみに設けられていてもよい。コア層の一方の面に設けられた第1シェル層は、カソードセパレータと接着していてもよい。コア層の他方の面に設けられた第2シェル層は、アノードセパレータと接着していてもよい。そして、樹脂フレームは、一対のセパレータにより挟持されてもよい。
燃料電池スタックは、各供給孔が連通した供給マニホールド、及び、各排出孔が連通した排出マニホールド等の各孔が連通したマニホールドを有していてもよい。
供給マニホールドは、燃料ガス供給マニホールド、酸化剤ガス供給マニホールド、及び、冷媒供給マニホールド等が挙げられる。
排出マニホールドは、燃料ガス排出マニホールド、酸化剤ガス排出マニホールド、及び、冷媒排出マニホールド等が挙げられる。
本開示においては、燃料ガス供給マニホールド、及び、酸化剤ガス供給マニホールドをまとめて反応ガス供給マニホールドという。
本開示においては、燃料ガス排出マニホールド、及び、酸化剤ガス排出マニホールドをまとめて反応ガス排出マニホールドという。
本開示においては、燃料ガス供給マニホールド、及び、燃料ガス排出マニホールドをまとめて燃料ガスマニホールドという。
本開示においては、酸化剤ガス供給マニホールド、及び、酸化剤ガス排出マニホールドをまとめて酸化剤ガスマニホールドという。
本開示においては、燃料ガスマニホールド、及び、酸化剤ガスマニホールドをまとめて反応ガスマニホールドという。
本開示においては、冷媒供給マニホールド、及び、冷媒排出マニホールドをまとめて冷媒マニホールドという。
燃料電池スタックは、少なくとも反応ガス排出マニホールドを有し、通常さらに反応ガス供給マニホールド、冷媒マニホールドを有する。
シールシートは、隣り合う単セル間に配置され、隣り合う単セルのシール部材として用いられる。
シールシートは、ポリエステル系及び変性オレフィン系等の熱可塑性樹脂であってもよく、変性エポキシ樹脂である熱硬化性樹脂であってもよい。
シールシートの形状は、枠状であってもよい。シールシートのシールラインとなる枠は、セパレータのシールラインリブと位置合わせされていてもよい。シールシートは、セパレータの孔を除くセパレータの一面全体を覆う形状であってもよい。
シールシートのシールラインとなる枠の幅は、セパレータのシールラインリブの幅と同じであってもよく、セパレータのシールラインリブの幅よりも大きくてもよい。
シールシートは、平面視において反応ガス排出マニホールドを囲いシールし、且つ、平面視において一対のセパレータの内の一方のセパレータの反応ガス導出部を横断し、且つ、前記セパレータのリブ上に配置されるシールラインを有する。
一対のセパレータにおける平面視においてシールライン上に反応ガス導出部を有するセパレータに対向する対向セパレータは、当該シールライン上に反応ガス導出部を有していてもよく、有していなくてもよい。
ここでいう反応ガス排出マニホールドは、燃料ガス排出マニホールドであってもよく、酸化剤ガス排出マニホールドであってもよく、両方の排出マニホールドであってもよい。シールシートは、セパレータの孔を除くセパレータの一面全体を覆っていてもよい。
単セルは積層方向において隣り合うシールシートのシールライン間に一対のセパレータのリブで構成されるシールラインリブ構造を有する。
シールラインリブ構造内において、樹脂フレームが一対のセパレータに挟持される。
本開示の第1実施形態においては、シールラインリブ構造内且つ平面視において第1反応ガス導出部を横断する領域の樹脂フレームの少なくとも一部に、当該樹脂フレームを積層方向に貫通する第1貫通孔が設けられている。
すなわち、樹脂フレームは、シールラインリブ構造内且つ平面視において第1反応ガス導出部を横断する領域の少なくとも一部に、当該樹脂フレームを積層方向に貫通する第1貫通孔を有する。
第1貫通孔は、少なくとも1つ設けられていればよく、所定の間隔を空けて等間隔に複数個設けられていてもよい。
一対のセパレータの内、シールラインリブ構造内において反応ガス導出部を有するセパレータと対向する対向セパレータのリブには、平面視においてシールライン上且つ第2反応ガス導出部を横断する領域の反応ガス排出マニホールド側の側面に当該リブを当該対向セパレータの面方向に貫通する第2貫通孔が設けられている。
第2貫通孔は、少なくとも1つ設けられていればよく、所定の間隔を空けて等間隔に複数個設けられていてもよい。
第2貫通孔は、第1貫通孔から流入してきた反応ガスを反応ガス排出マニホールドに流すことを可能にする。
本開示の第2実施形態においては、シールラインリブ構造内且つ平面視において第1反応ガス導出部を横断する領域の樹脂フレームの少なくとも一部、及び、シールラインリブ構造内且つ平面視において第2反応ガス導出部を横断する領域の樹脂フレームの少なくとも一部に、当該樹脂フレームを積層方向に貫通する第1貫通孔が設けられていてもよい。
図1は、本開示の第1実施形態の燃料電池スタックの反応ガス排出マニホールド付近を平面視したときの一例を示す平面模式図である。
図1で示すように本開示の燃料電池スタックのシールシートは、平面視において反応ガス排出マニホールド10を囲いシールするシールライン11を有する。
セパレータ20は第1反応ガス導出部21、第2反応ガス導出部25を有する。
図示しないが、冷媒マニホールド、反応ガス供給マニホールドは、シールライン11の外側の領域の任意の位置に設けられていてもよい。反応ガス排出マニホールド10は、燃料ガス排出マニホールドであってもよく、酸化剤ガス排出マニホールドであってもよい。
図2は、図1のA-A断面模式図である。図2中の矢印は、反応ガスの流れ方向を示す。図2において、右側が膜電極ガス拡散層接合体側であり、左側が反応ガス排出マニホールド側である。図2においては便宜のため単セルを1つのみ示したが、単セルが複数個積層されていてもよい。
図2で示すように、本開示の燃料電池スタックの単セルは、反応ガス排出マニホールド10付近においては、セパレータ20と対向セパレータ22と、セパレータ20と対向セパレータ22の間に配置された樹脂フレーム23とを有し、隣り合う単セルがシールシート24によりシールされている。単セルは積層方向において隣り合うシールシート24のシールライン11間にセパレータ20のシールラインリブと対向セパレータ22のシールラインリブで構成されるシールラインリブ構造40(一点鎖線で示す領域)を有する。
第1反応ガス導出部21は、シールラインリブ構造40内のセパレータ20のシールラインリブの反応ガス排出マニホールド10側の側面と膜電極ガス拡散層接合体側の側面の両方をセパレータ20の面方向に貫通して、反応ガス排出マニホールド10と反応ガス流路が連通するように配置されている。
シールラインリブ構造40内且つ平面視において第1反応ガス導出部21を横断する領域の樹脂フレーム23には、積層方向に貫通する第1貫通孔30が設けられている。図1で示すように樹脂フレーム23の第1貫通孔30は、シールライン11が第1反応ガス導出部21を横断する領域に等間隔に複数個設けられている。
図3は、図1のB-B断面模式図である。図3において図2と同じ構成については同じ符号を用い、その説明は省略する。図3において、右側が反応ガス排出マニホールド側であり、左側が単セルの外周側である。図3中の矢印は、反応ガスの流れ方向を示す。図3においては便宜のため単セルを1つのみ示したが、単セルが複数個積層されていてもよい。
図3で示すように、第2反応ガス導出部25は、シールラインリブ構造40内のセパレータ20のシールラインリブの反応ガス排出マニホールド10側の側面をセパレータ20の面方向に貫通して、シールラインリブ構造40内の流路と反応ガス排出マニホールド10が連通するように設けられている。
シールラインリブ構造40内において対向セパレータ22のシールラインリブには、シールライン11上且つ第2反応ガス導出部25を横断する領域の反応ガス排出マニホールド10側の側面に当該シールラインリブを対向セパレータ22の面方向に貫通する第2貫通孔31が設けられている。
第2貫通孔31は、第1貫通孔30から流入してきた反応ガスを反応ガス排出マニホールド10に流すことを可能にする。これにより、水頭圧差を利用して、スムーズな排水をすることができる。
図4は、本開示の第2実施形態の燃料電池スタックの反応ガス排出マニホールド付近を平面視したときの一例を示す平面模式図である。図4において図1と同じ構成については同じ符号を用い、その説明は省略する。
図5は、図4のB-B断面模式図である。図5において図3と同じ構成については同じ符号を用い、その説明は省略する。図5中の矢印は、反応ガスの流れ方向を示す。図5においては便宜のため単セルを1つのみ示したが、単セルが複数個積層されていてもよい。なお、図4のA-A断面模式図は、図2と同じである。
図4~5に示すように、本開示の第2実施形態においては、シールラインリブ構造40内且つ平面視において第1反応ガス導出部21を横断する領域の樹脂フレーム23、及び、シールラインリブ構造40内且つ平面視において第2反応ガス導出部25を横断する領域の樹脂フレーム23には、積層方向に貫通する第1貫通孔30が設けられている。図4で示すように樹脂フレーム23の第1貫通孔30は、シールラインリブ構造40内且つ平面視において第1反応ガス導出部21を横断する領域、及び、第2反応ガス導出部25を横断する領域において、等間隔に複数個設けられている。これにより、水頭圧差を利用して、スムーズな排水をすることができる。
10 反応ガス排出マニホールド
11 シールライン
20 セパレータ
21 第1反応ガス導出部
22 対向セパレータ
23 樹脂フレーム
24 シールシート
25 第2反応ガス導出部
30 第1貫通孔
31 第2貫通孔
40 シールラインリブ構造

Claims (1)

  1. 一対のセパレータと当該一対のセパレータの間に配置される樹脂フレーム及び膜電極ガス拡散層接合体とを備えた単セルを複数積層したセル積層体を有し、隣り合う単セル間のシールにシールシートを用いた燃料電池スタックであって、
    前記燃料電池スタックは、反応ガス排出マニホールドを有し、
    前記セパレータは反応ガス流路及び当該反応ガス流路から前記反応ガス排出マニホールドに反応ガスを排出する反応ガス導出部を有し、
    前記反応ガス導出部は、平面視において前記反応ガス排出マニホールド近傍且つ当該反応ガス排出マニホールドの前記膜電極ガス拡散層接合体側の領域の所定の領域に配置される第1反応ガス導出部、及び、当該反応ガス排出マニホールドの前記膜電極ガス拡散層接合体側の領域と対向する側の領域の所定の領域に配置される第2反応ガス導出部を有し、
    前記シールシートは、平面視において前記反応ガス排出マニホールドを囲いシールし、且つ、平面視において前記一対のセパレータの内の一方の前記セパレータの前記反応ガス導出部を横断し、且つ、前記セパレータのリブ上に配置されるシールラインを有し、
    前記単セルは積層方向において隣り合う前記シールシートの前記シールライン間に前記一対のセパレータのリブで構成されるシールラインリブ構造を有し、
    前記シールラインリブ構造内において、前記樹脂フレームが前記一対のセパレータに挟持され、
    前記シールラインリブ構造内且つ平面視において前記第1反応ガス導出部を横断する領域の前記樹脂フレームの少なくとも一部に、当該樹脂フレームを積層方向に貫通する第1貫通孔が設けられ、
    前記一対のセパレータの内、前記シールラインリブ構造内において前記反応ガス導出部を有するセパレータと対向する対向セパレータのリブには、平面視において前記シールライン上且つ前記第2反応ガス導出部を横断する領域の前記反応ガス排出マニホールド側の側面に当該リブを当該対向セパレータの面方向に貫通する第2貫通孔が設けられ、
    前記第2貫通孔は、前記第1貫通孔から流入してきた前記反応ガスを前記反応ガス排出マニホールドに流すことを可能にする、燃料電池スタック。
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