JP2023161088A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電性能を向上させることができる燃料電池を提供する。【解決手段】発電部の形状が扁平長方形であり、酸化剤ガスと燃料ガスとを対向流に流し、冷却用流体を当該酸化剤ガス及び当該燃料ガスと交わる方向に流す燃料電池であって、前記燃料電池は、カソード側セパレータと、前記発電部と、アノード側セパレータと、をこの順に有し、前記アノード側セパレータは、前記発電部側の面に複数の燃料ガス流路を備える燃料ガス流路群を有し、且つ、前記酸化剤ガスと前記燃料ガスとが対向流となる領域の所定の領域に、当該燃料ガス流路群の内の少なくとも1つの燃料ガス流路から分岐して、別の燃料ガス流路に合流する少なくとも1つのバイパス流路を有することを特徴とする燃料電池。【選択図】図1

Description

本開示は、燃料電池に関する。
燃料電池の性能を向上させるために種々の研究がなされている。
例えば特許文献1では、カソード出口側で生じた水分を、アノードガス流路を介してカソード入口側へ効率的に運搬・供給して循環させることができ、電解質膜の湿潤状態を良好に維持して出力低下を抑止することが可能な燃料電池が開示されている。
特許文献2では、簡単な工程で、発電面内の水分分布を均一化することができ、良好な発電性能を維持することを可能にする燃料電池の運転方法が開示されている。
特許文献3では、電解質膜の水分状態を適切に維持できるとともに、燃料電池の運転時にカソードガス及びアノードガスの差圧が大きくても電解質膜が流路側に延びて流路を閉塞するおそれのない燃料電池が開示されている。
特開2013-054858号公報 特開2014-120387号公報 特開2009-037854号公報
冷却用流体流れ方向が反応ガス流れ方向に対して交わる方向の場合、セル面内が局所的に乾燥してセルの発電性能が低下してしまう。
冷却用流体流れ方向が反応ガス流れ方向に対して交わる方向のため、反応ガス流れ方向に対して交わる方向においてセル面内の温度分布が大きく、セル面内の温度を均一にできない。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、発電性能を向上させることができる燃料電池を提供することを主目的とする。
本開示の燃料電池は、発電部の形状が扁平長方形であり、酸化剤ガスと燃料ガスとを対向流に流し、冷却用流体を当該酸化剤ガス及び当該燃料ガスと交わる方向に流す燃料電池であって、
前記燃料電池は、カソード側セパレータと、前記発電部と、アノード側セパレータと、をこの順に有し、
前記アノード側セパレータは、前記発電部側の面に複数の燃料ガス流路を備える燃料ガス流路群を有し、且つ、前記酸化剤ガスと前記燃料ガスとが対向流となる領域の所定の領域に、当該燃料ガス流路群の内の少なくとも1つの燃料ガス流路から分岐して、別の燃料ガス流路に合流する少なくとも1つのバイパス流路を有することを特徴とする。
本開示の燃料電池によれば、発電性能を向上させることができる。
図1は、本開示の燃料電池の一例を示す平面模式図である。 図2は、上から順に従来の対向流の反応ガス流路を有する燃料電池の一例を示す平面模式図、当該燃料電池を所定の条件で発電したときの温度分布図、発電分布(電流密度分布)図、燃料ガス流路の湿度分布図、電解質膜の湿度分布図、酸化剤ガス流路の湿度分布図である。 図3は、上から順に本開示のバイパス流路を有する燃料電池の一例を示す平面模式図、当該燃料電池を所定の条件で発電したときの温度分布図、発電分布(電流密度分布)図、燃料ガス流路の湿度分布図、電解質膜の湿度分布図、酸化剤ガス流路の湿度分布図である。
以下、本開示による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本開示の実施に必要な事柄(例えば、本開示を特徴付けない燃料電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本開示は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
また、図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
本明細書において数値範囲を示す「~」とは、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
また、数値範囲における上限値と下限値は任意の組み合わせを採用できる。
本開示の燃料電池は、発電部の形状が扁平長方形であり、酸化剤ガスと燃料ガスとを対向流に流し、冷却用流体を当該酸化剤ガス及び当該燃料ガスと交わる方向に流す燃料電池であって、
前記燃料電池は、カソード側セパレータと、前記発電部と、アノード側セパレータと、をこの順に有し、
前記アノード側セパレータは、前記発電部側の面に複数の燃料ガス流路を備える燃料ガス流路群を有し、且つ、前記酸化剤ガスと前記燃料ガスとが対向流となる領域の所定の領域に、当該燃料ガス流路群の内の少なくとも1つの燃料ガス流路から分岐して、別の燃料ガス流路に合流する少なくとも1つのバイパス流路を有することを特徴とする。
本開示の燃料電池によれば、カソード側セパレータの酸化剤ガス流路とアノード側セパレータの燃料ガス流路を対向流で配置し、酸化剤ガス流路における水不足となる高温部に燃料ガス流路からの水が多めに供給されるように燃料ガス流路にバイパス流路を配置することで、セル面内の水分を均一化する。
図1は、本開示の燃料電池の一例を示す平面模式図である。
図1に示すように、本開示の燃料電池は、酸化剤ガスOGと燃料ガスFGとを対向流に流し、冷却用流体CFを当該酸化剤ガスOG及び当該燃料ガスFGと交わる方向に流す。
本開示においては、便宜的に冷却用流体流路の上流1/2は低温部、冷却用流体流路の下流1/2は高温部とする。
本開示においては、低温部且つ燃料ガス流路の上流1/2は過加湿領域とし、高温部且つ酸化剤ガス流路の上流1/2は過乾燥領域とする。
低温部且つ酸化剤ガス流路の下流には液体の水が過剰に存在する。
電解質膜を通して、酸化剤ガス流路下流側の水分が燃料ガス流路上流側へ移動して蒸発する。燃料ガス流路上流側へ移動した水分は、燃料ガスに乗って燃料ガス流路の下流に運ばれる。燃料ガスに乗って運ばれた水分は、燃料ガス流路の下流で電解質膜を通して対面の酸化剤ガス流路上流側で蒸発する。
本開示においては、酸化剤ガス流路の上流の過乾燥領域に、水分が多めに供給されるように燃料ガス流路に過加湿領域から過乾燥領域へと接続するバイパス流路を配置する。
酸化剤ガス流路の上流の過乾燥領域は水不足であるが、過加湿領域から過乾燥領域へと接続するバイパス流路を設けることにより、過乾燥領域において燃料ガスに乗って運ばれた水分が電解質膜を通して対面の酸化剤ガス流路上流側で蒸発し、酸化剤ガス流路の上流の過乾燥領域を加湿することができる。
これにより、燃料電池の発電体の面内の水分布が均一化し、発電体の発電性能を向上させることができる。
本開示の燃料電池は、発電部の形状が扁平長方形であり、酸化剤ガスと燃料ガスとを対向流に流し、冷却用流体を当該酸化剤ガス及び当該燃料ガスと交わる方向に流す燃料電池である。
燃料電池は、カソード側セパレータと、発電部と、アノード側セパレータと、をこの順に有する。
冷却用流体は、空気、酸素、及び、窒素からなる群より選ばれる少なくとも一種の気体である。空気の場合低温/高温の温度差が大きくなるので、本開示の効果が大きくなる。
本開示の燃料電池は、空冷式の燃料電池であってもよい。
空冷式の燃料電池は、冷却用流体(冷媒)として主に空気を用いる。
本開示においては、冷却用流体としての空気を冷却用空気と称する場合がある。本開示においては、酸化剤ガスとしての空気を反応用空気と称する場合がある。
本開示においては、燃料ガス、及び、酸化剤ガスをまとめて反応ガスと称する。アノードに供給される反応ガスは、燃料ガスであり、カソードに供給される反応ガスは酸化剤ガスである。燃料ガスは、主に水素を含有するガスであり、水素であってもよい。酸化剤ガスは、酸素を含有するガスであり、酸素、空気、及び、乾燥空気等であってもよい。
燃料電池は、カソード側セパレータと、発電部と、アノード側セパレータと、をこの順に有する単セルを1つのみ有するものであってもよいし、単セルを複数個積層した積層体である燃料電池スタックであってもよい。
単セルの積層数は特に限定されず、例えば、2~数百個であってもよい。
本開示においては、単セル、及び、単セルを積層した燃料電池スタックのいずれも、燃料電池と呼ぶ場合がある。
燃料電池の単セルは、発電部を有する。
発電部の形状は扁平長方形であればよい。
発電部は、通常、膜電極ガス拡散層接合体(MEGA)を備える。
膜電極ガス拡散層接合体は、アノード側ガス拡散層及び、アノード触媒層及び、電解質膜及び、カソード触媒層及び、カソード側ガス拡散層をこの順に有する。
カソード(酸化剤極)は、カソード触媒層及びカソード側ガス拡散層を含む。
アノード(燃料極)は、アノード触媒層及びアノード側ガス拡散層を含む。
カソード触媒層及びアノード触媒層をまとめて触媒層と称する。
触媒層は、例えば、電気化学反応を促進する触媒金属、プロトン伝導性を有する電解質、及び、電子伝導性を有する担体等を備えていてもよい。
触媒金属としては、例えば、白金(Pt)、及び、Ptと他の金属とから成る合金(例えばコバルト、及び、ニッケル等を混合したPt合金)等を用いることができる。
電解質としては、フッ素系樹脂等であってもよい。フッ素系樹脂としては、例えば、ナフィオン溶液等を用いてもよい。
上記触媒金属は担体上に担持されており、各触媒層では、触媒金属を担持した担体(触媒担持担体)と電解質とが混在していてもよい。
触媒金属を担持するための担体は、例えば、一般に市販されているカーボンなどの炭素材料等が挙げられる。
カソード側ガス拡散層及びアノード側ガス拡散層をまとめてガス拡散層と称する。
ガス拡散層は、ガス透過性を有する導電性部材等であってもよい。
導電性部材としては、例えば、カーボンクロス、及びカーボンペーパー等のカーボン多孔質体、並びに、金属メッシュ、及び、発泡金属などの金属多孔質体等が挙げられる。
電解質膜は、固体高分子電解質膜であってもよい。固体高分子電解質膜としては、例えば、水分が含まれたパーフルオロスルホン酸の薄膜等のフッ素系電解質膜、及び、炭化水素系電解質膜等が挙げられる。電解質膜としては、例えば、ナフィオン膜(デュポン社製)等であってもよい。
単セルは、膜電極ガス拡散層接合体の両面を挟持する2枚のセパレータを備える。2枚のセパレータは、一方がアノード側セパレータであり、もう一方がカソード側セパレータである。本開示では、アノード側セパレータとカソード側セパレータとをまとめてセパレータという。
セパレータは、反応ガス及び冷却用流体等の流体を単セルの積層方向に流通させるための供給孔及び排出孔等の孔を有していてもよい。
供給孔は、燃料ガス供給孔、酸化剤ガス供給孔、及び、冷却用流体供給孔等が挙げられる。
排出孔は、燃料ガス排出孔、酸化剤ガス排出孔、及び、冷却用流体排出孔等が挙げられる。
セパレータは、ガス拡散層に接する面に反応ガス流路を有していてもよい。また、セパレータは、ガス拡散層に接する面とは反対側の面に燃料電池の温度を一定に保つための冷却用流体流路を有していてもよい。
セパレータは、ガス不透過の導電性部材等であってもよい。導電性部材としては、例えば、熱硬化樹脂、熱可塑樹脂、及び、樹脂繊維等の樹脂材、カーボン粉末、及び、カーボン繊維等のカーボン材を圧縮してガス不透過とした緻密質カーボン、及び、プレス成形した金属(例えば、鉄、アルミニウム、及び、ステンレス等)板等であってもよい。また、セパレータが集電機能を備えるものであってもよい。
セパレータの形状は、長方形、横長6角形、横長8角形、円形、及び、長丸形状等であってもよい。
アノード側セパレータは、発電部側の面に複数の燃料ガス流路を備える燃料ガス流路群を有し、且つ、酸化剤ガスと燃料ガスとが対向流となる領域の所定の領域に、当該燃料ガス流路群の内の少なくとも1つの燃料ガス流路から分岐して、別の燃料ガス流路に合流する少なくとも1つのバイパス流路を有する。
アノード側セパレータは、バイパス流路を複数有し、複数の当該バイパス流路は、平面視において互いに平行な直線であり、燃料ガス流路に対して傾斜して配置されていてもよい。
酸化剤ガスと燃料ガスとが対向流となる領域は、平面視において発電部が配置される領域の少なくとも一部であってもよく、発電部が配置される領域の全域であってもよい。
酸化剤ガスと燃料ガスとが対向流となる領域の所定の領域は、例えば、過加湿領域と過乾燥領域との間の領域であってもよい。
バイパス流路は、過加湿領域から過乾燥領域へと接続されていてもよい。
燃料ガス流路群は、アノード側セパレータの燃料ガス供給孔と燃料ガス排出孔とを面方向に接続し、燃料ガス供給孔から発電部が配置される領域の入口に至るまで発電部が配置される領域に向かって各燃料ガス流路が放射状に広がり、発電部が配置される領域においては、各燃料ガス流路が互いに平行に配置され、発電部が配置される領域の出口から燃料ガス排出孔に至るまで燃料ガス排出孔に向かって各燃料ガス流路が集束していてもよい。
また、アノード側セパレータは、発電部側の面とは反対側の面に燃料電池の温度を一定に保つための冷却用流体流路を有していてもよい。冷却用流体流路は、燃料ガス流路と交わる方向に配置されていればよい。
カソード側セパレータは、発電部側の面に複数の酸化剤ガス流路を備える酸化剤ガス流路群を有する。
酸化剤ガス流路群は、カソード側セパレータの酸化剤ガス供給孔と酸化剤ガス排出孔とを面方向に接続し、酸化剤ガス供給孔から発電部が配置される領域の入口に至るまで発電部が配置される領域に向かって各酸化剤ガス流路が放射状に広がり、発電部が配置される領域においては、各酸化剤ガス流路が互いに平行に配置され、発電部が配置される領域の出口から酸化剤ガス排出孔に至るまで酸化剤ガス排出孔に向かって各酸化剤ガス流路が集束していてもよい。
また、カソード側セパレータは、発電部側の面とは反対側の面に燃料電池の温度を一定に保つための冷却用流体流路を有していてもよい。冷却用流体流路は、酸化剤ガス流路と交わる方向に配置されていればよい。
単セルは樹脂フレームを備える。
樹脂フレームは、膜電極ガス拡散層接合体の外周に配置され、且つ、カソード側セパレータとアノード側セパレータとの間に配置される。
樹脂フレームは、骨格部と、開口部と、孔を有していてもよい。
骨格部は、膜電極ガス拡散層接合体と接続する樹脂フレームの主要部分である。
開口部は、膜電極ガス拡散層接合体の保持領域であり、膜電極ガス拡散層接合体を収納するために骨格部の一部を貫通する領域である。開口部は、樹脂フレームにおいて、膜電極ガス拡散層接合体の周囲(外周部)に骨格部が配置される位置に配置されていればよく、樹脂フレームの中央に有していてもよい。
樹脂フレームの孔は、反応ガス、及び、冷却用流体等の流体を単セルの積層方向に流通させる。樹脂フレームの孔は、セパレータの孔と連通するように位置合わせされて配置されていてもよい。
樹脂フレームは、枠状のコア層と、コア層の両面に設けられた枠状の二つのシェル層、即ち、第1シェル層と第2シェル層とを含んでいてもよい。
第1シェル層及び第2シェル層は、コア層と同様に、コア層の両面に枠状に設けられていてもよい。
コア層は、ガスシール性、絶縁性を有する構造部材であればよく、燃料電池の製造工程での熱圧着時の温度条件下でも構造が変化しない材料により形成されていてもよい。具体的には、コア層の材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、PC(ポリカーボネート)、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PA(ポリアミド)、PI(ポリイミド)、PS(ポリスチレン)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、シクロオレフィン、PES(ポリエーテルサルホン)、PPSU(ポリフェニルスルホン)、LCP(液晶ポリマー)、エポキシ樹脂等の樹脂等であってもよい。コア層の材料は、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、フッ素系ゴム、シリコン系ゴム等のゴム材であってもよい。
コア層の厚さは、絶縁性を担保する観点から、20μm以上であってもよく、50μm以上であってもよく、セル厚さを低減する観点から、200μm以下であってもよく、150μm以下であってもよい。
第1シェル層及び第2シェル層は、コア層とアノード側セパレータ及びカソード側セパレータとを接着してシール性を確保するために、他の物質との接着性が高く、熱圧着時の温度条件下で軟化し、コア層よりも粘度及び融点が低い性質を有していてもよい。具体的には、第1シェル層及び第2シェル層は、ポリエステル系及び変性オレフィン系等の熱可塑性樹脂であってもよく、変性エポキシ樹脂である熱硬化性樹脂であってもよい。
第1シェル層を構成する樹脂と第2シェル層を構成する樹脂とは、同種の樹脂であってもよく、異なる種類の樹脂であってもよい。コア層の両面にシェル層を設けることで、樹脂フレームと2つのセパレータとの間の加熱プレスによる接着が容易になる。
第1シェル層及び第2シェル層のそれぞれのシェル層の厚さは、接着性を担保する観点から、5μm以上であってもよく、30μm以上であってもよく、セル厚さを低減する観点から、100μm以下であってもよく、40μm以下であってもよい。
樹脂フレームにおいて、第1シェル層及び第2シェル層は、それぞれアノード側セパレータ及びカソード側セパレータと接着する部分にのみに設けられていてもよい。コア層の一方の面に設けられた第1シェル層は、カソード側セパレータと接着していてもよい。コア層の他方の面に設けられた第2シェル層は、アノード側セパレータと接着していてもよい。そして、樹脂フレームは、一対のセパレータにより挟持されてもよい。
図2は、上から順に従来の対向流の反応ガス流路を有する燃料電池の一例を示す平面模式図、当該燃料電池を所定の条件で発電したときの温度分布図、発電分布(電流密度分布)図、燃料ガス流路の湿度分布図、電解質膜の湿度分布図、酸化剤ガス流路の湿度分布図である。図2においては、燃料ガスとして水素(H)を用い、酸化剤ガスとして反応用の空気(Air)を用い、冷却用流体として冷却用空気を用いた。
図2の燃料ガス流路の湿度分布、電解質膜の湿度分布、酸化剤ガス流路の湿度分布において示すように従来の燃料電池は、高温部での湿度低下が認められる。
また、図2の発電分布において示すように従来の燃料電池は、高温部での電流低下が認められ、発電性能が低下している。これは、高温部での湿度低下による影響と考えられる。
図3は、上から順に本開示のバイパス流路を有する燃料電池の一例を示す平面模式図、当該燃料電池を所定の条件で発電したときの温度分布図、発電分布(電流密度分布)図、燃料ガス流路の湿度分布図、電解質膜の湿度分布図、酸化剤ガス流路の湿度分布図である。図3においては、バイパス流路を有すること以外は図2に示す従来の燃料電池と同様の構成とし、発電条件も従来の燃料電池と同じ条件で発電を行った。
図3の燃料ガス流路の湿度分布、電解質膜の湿度分布、酸化剤ガス流路の湿度分布において示すように本開示の燃料電池は、従来の燃料電池と比較して高温部での湿度が高いことが認められる。
また、図3の発電分布において示すように本開示の燃料電池は、高温部での電流低下が認められず、従来の燃料電池と比較して発電性能が向上している。
したがって、本開示の燃料電池によれば、燃料電池の発電部の湿度を均一に保つことができ、発電性能を向上させることができる。
FG 燃料ガス
OG 酸化剤ガス
CF 冷却用流体

Claims (1)

  1. 発電部の形状が扁平長方形であり、酸化剤ガスと燃料ガスとを対向流に流し、冷却用流体を当該酸化剤ガス及び当該燃料ガスと交わる方向に流す燃料電池であって、
    前記燃料電池は、カソード側セパレータと、前記発電部と、アノード側セパレータと、をこの順に有し、
    前記アノード側セパレータは、前記発電部側の面に複数の燃料ガス流路を備える燃料ガス流路群を有し、且つ、前記酸化剤ガスと前記燃料ガスとが対向流となる領域の所定の領域に、当該燃料ガス流路群の内の少なくとも1つの燃料ガス流路から分岐して、別の燃料ガス流路に合流する少なくとも1つのバイパス流路を有することを特徴とする燃料電池。
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