JP2023155940A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】クロスリークの発生を抑制することができる燃料電池を提供する。
【解決手段】カバーシートは、支持フレームおよび電解質膜側に配置される接着層と、第1ガス拡散層側に配置されるコア層の2層構造であり、前記カバーシートは、前記支持フレームおよび前記電解質膜または前記第1触媒層に対して前記反応ガスを通過させないように前記接着層を介して接着され、前記コア層の軟化点は、前記接着層の軟化点よりも20℃以上高い、燃料電池。
【選択図】図2

Description

本開示は、燃料電池に関する。
燃料電池については、様々な研究がなされている。
例えば特許文献1では、燃料電池の破損を抑制できる技術が開示されている。
特開2021-144854号公報
燃料電池の製造において、反応ガスのクロスリークを防ぐためのカバーシートを支持フレーム及び電解質膜又は第1触媒層と熱溶着する際に、入熱によりカバーシートが軟化するが、その後のセル化工程における熱圧着において、熱溶着時よりも高い温度の入熱がされると、カバーシートが変形し、燃料電池内において反応ガスのクロスリークが発生する。
従来技術では、燃料電池の製造時におけるカバーシートの熱による変形については考慮されていない。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、クロスリークの発生を抑制することができる燃料電池を提供することを主目的とする。
本開示においては、燃料電池であって、
第1触媒層と、第2触媒層と、前記第1触媒層と前記第2触媒層との間に配置される電解質膜と、を有する膜電極接合体と、
前記膜電極接合体の周囲に配置された支持フレームと、
前記第1触媒層に接して配置され、平面視において少なくとも一部が前記膜電極接合体の外縁を超えて設けられている第1ガス拡散層と、
前記第2触媒層に接して配置されている第2ガス拡散層と、
前記第1ガス拡散層と前記第2ガス拡散層と前記支持フレームとを挟持する一対のセパレータと、
積層方向における前記第1ガス拡散層と前記支持フレームとの間の第1領域から、積層方向における前記第1ガス拡散層と前記電解質膜または前記第1触媒層との間の第2領域に、面方向に連続して設けられ、前記燃料電池の反応ガスを透過しないカバーシートと、を備え、
前記カバーシートは、前記支持フレームおよび前記電解質膜側に配置される接着層と、前記第1ガス拡散層側に配置されるコア層の2層構造であり、
前記カバーシートは、前記支持フレームおよび前記電解質膜または前記第1触媒層に対して前記反応ガスを通過させないように前記接着層を介して接着され、
前記コア層の軟化点は、前記接着層の軟化点よりも20℃以上高い、燃料電池を提供する。
本開示の燃料電池は、クロスリークの発生を抑制することができる。
図1は、従来の燃料電池の一例を示す断面模式図である。 図2は、本開示の燃料電池の一例を示す断面模式図である。
以下、本開示による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本開示の実施に必要な事柄(例えば、本開示を特徴付けない燃料電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本開示は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
また、図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
本明細書において数値範囲を示す「~」とは、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
また、数値範囲における上限値と下限値は任意の組み合わせを採用できる。
本開示においては、燃料電池であって、
第1触媒層と、第2触媒層と、前記第1触媒層と前記第2触媒層との間に配置される電解質膜と、を有する膜電極接合体と、
前記膜電極接合体の周囲に配置された支持フレームと、
前記第1触媒層に接して配置され、平面視において少なくとも一部が前記膜電極接合体の外縁を超えて設けられている第1ガス拡散層と、
前記第2触媒層に接して配置されている第2ガス拡散層と、
前記第1ガス拡散層と前記第2ガス拡散層と前記支持フレームとを挟持する一対のセパレータと、
積層方向における前記第1ガス拡散層と前記支持フレームとの間の第1領域から、積層方向における前記第1ガス拡散層と前記電解質膜または前記第1触媒層との間の第2領域に、面方向に連続して設けられ、前記燃料電池の反応ガスを透過しないカバーシートと、を備え、
前記カバーシートは、前記支持フレームおよび前記電解質膜側に配置される接着層と、前記第1ガス拡散層側に配置されるコア層の2層構造であり、
前記カバーシートは、前記支持フレームおよび前記電解質膜または前記第1触媒層に対して前記反応ガスを通過させないように前記接着層を介して接着され、
前記コア層の軟化点は、前記接着層の軟化点よりも20℃以上高い、燃料電池を提供する。
本開示の燃料電池は、膜電極接合体と、支持フレームと、第1ガス拡散層と、第2ガス拡散層と、一対のセパレータと、カバーシートと、を備え、カバーシートを所定の二層構造とする。
これにより、カバーシートの熱変形を抑制でき、クロスリークの発生を抑制することができる。
膜電極接合体(MEA)は、第1触媒層と、第2触媒層と、前記第1触媒層と前記第2触媒層との間に配置される電解質膜と、を有する。
第1触媒層と、第2触媒層をまとめて触媒層と称する。第1触媒層と、第2触媒層は一方がカソード触媒層であり、もう一方がアノード触媒層である。カソード触媒層とアノード触媒層をまとめて触媒層と称する。
触媒層は、例えば、電気化学反応を促進する触媒金属、プロトン伝導性を有する電解質、及び、電子伝導性を有する担体等を備えていてもよい。
触媒金属としては、例えば、白金(Pt)、及び、Ptと他の金属とから成る合金(例えばコバルト、及び、ニッケル等を混合したPt合金)等を用いることができる。
電解質としては、フッ素系樹脂等であってもよい。フッ素系樹脂としては、例えば、ナフィオン溶液等を用いてもよい。
上記触媒金属は担体上に担持されており、各触媒層では、触媒金属を担持した担体(触媒担持担体)と電解質とが混在していてもよい。
触媒金属を担持するための担体は、例えば、一般に市販されているカーボンなどの炭素材料等が挙げられる。
電解質膜は、固体高分子電解質膜であってもよい。固体高分子電解質膜としては、例えば、水分が含まれたパーフルオロスルホン酸の薄膜等のフッ素系電解質膜、及び、炭化水素系電解質膜等が挙げられる。電解質膜としては、例えば、ナフィオン膜(デュポン社製)等であってもよい。
第1ガス拡散層は、第1触媒層に接して配置され、平面視において少なくとも一部が前記膜電極接合体の外縁を超えて設けられる。
第2ガス拡散層は、第2触媒層に接して配置される。
第1ガス拡散層及び第2ガス拡散層をまとめてガス拡散層と称する。
第1ガス拡散層と第2ガス拡散層は、一方がカソード側ガス拡散層であり、もう一方がアノード側ガス拡散層である。
カソード側ガス拡散層及びアノード側ガス拡散層をまとめてガス拡散層と称する。
ガス拡散層は、ガス透過性を有する導電性部材等であってもよい。
導電性部材としては、例えば、カーボンクロス、及びカーボンペーパー等のカーボン多孔質体、並びに、金属メッシュ、及び、発泡金属などの金属多孔質体等が挙げられる。
カソード(酸化剤極)は、カソード触媒層及びカソード側ガス拡散層を含む。
アノード(燃料極)は、アノード触媒層及びアノード側ガス拡散層を含む。
支持フレームは、膜電極接合体の周囲に配置される。
支持フレームは、カソードセパレータとアノードセパレータとの間に配置される。
支持フレームは、骨格部と、開口部と、孔を有していてもよい。
骨格部は、膜電極接合体と接続する支持フレームの主要部分である。
開口部は、膜電極接合体の保持領域であり、膜電極接合体を収納するために骨格部の一部を貫通する領域である。開口部は、支持フレームにおいて、膜電極接合体の周囲(外周部)に骨格部が配置される位置に配置されていればよく、支持フレームの中央に有していてもよい。
支持フレームの孔は、反応ガス、及び、冷媒等の流体を単セルの積層方向に流通させる。支持フレームの孔は、セパレータの孔と連通するように位置合わせされて配置されていてもよい。
支持フレームは、枠状の支持層と、支持層の両面に設けられた枠状の二つのシェル層、即ち、第1シェル層と第2シェル層とを含んでいてもよい。
第1シェル層及び第2シェル層は、支持層と同様に、支持層の両面に枠状に設けられていてもよい。
支持層は、ガスシール性、絶縁性を有する構造部材であればよく、燃料電池の製造工程での熱圧着時の温度条件下でも構造が変化しない材料により形成されていてもよい。具体的には、支持層の材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、PC(ポリカーボネート)、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PA(ポリアミド)、PI(ポリイミド)、PS(ポリスチレン)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、シクロオレフィン、PES(ポリエーテルサルホン)、PPSU(ポリフェニルスルホン)、LCP(液晶ポリマー)、エポキシ樹脂等の樹脂等であってもよい。支持層の材料は、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、フッ素系ゴム、シリコン系ゴム等のゴム材であってもよい。
支持層の厚さは、絶縁性を担保する観点から、5μm以上であってもよく、30μm以上であってもよく、セル厚さを低減する観点から、100μm以下であってもよく、90μm以下であってもよい。
第1シェル層及び第2シェル層は、支持層とアノードセパレータ及びカソードセパレータとを接着してシール性を確保するために、他の物質との接着性が高く、熱圧着時の温度条件下で軟化し、支持層よりも粘度及び融点が低い性質を有していてもよい。具体的には、第1シェル層及び第2シェル層は、ポリエステル系及び変性オレフィン系等の熱可塑性樹脂であってもよく、変性エポキシ樹脂である熱硬化性樹脂であってもよい。
第1シェル層を構成する樹脂と第2シェル層を構成する樹脂とは、同種の樹脂であってもよく、異なる種類の樹脂であってもよい。支持層の両面にシェル層を設けることで、樹支持フレームと2つのセパレータとの間の加熱プレスによる接着が容易になる。
第1シェル層及び第2シェル層のそれぞれのシェル層の厚さは、接着性を担保する観点から、5μm以上であってもよく、30μm以上であってもよく、セル厚さを低減する観点から、100μm以下であってもよく、40μm以下であってもよい。
支持フレームにおいて、第1シェル層及び第2シェル層は、それぞれアノードセパレータ及びカソードセパレータと接着する部分にのみに設けられていてもよい。支持層の一方の面に設けられた第1シェル層は、カソードセパレータと接着していてもよい。支持層の他方の面に設けられた第2シェル層は、アノードセパレータと接着していてもよい。そして、支持フレームは、一対のセパレータにより挟持されてもよい。
単セルは、一対のセパレータを備える。
一対のセパレータは、前記第1ガス拡散層と前記第2ガス拡散層と前記支持フレームとを挟持する。
一対のセパレータは、一方がアノードセパレータであり、もう一方がカソードセパレータである。本開示では、アノードセパレータとカソードセパレータとをまとめてセパレータという。
セパレータは、反応ガス及び冷媒等の流体を単セルの積層方向に流通させるための供給孔及び排出孔等の孔を有していてもよい。冷媒としては、低温時の凍結を防止するために例えばエチレングリコールと水との混合溶液を用いることができる。
供給孔は、燃料ガス供給孔、酸化剤ガス供給孔、及び、冷媒供給孔等が挙げられる。
排出孔は、燃料ガス排出孔、酸化剤ガス排出孔、及び、冷媒排出孔等が挙げられる。
セパレータは、ガス拡散層に接する面に反応ガス流路を有していてもよい。また、セパレータは、ガス拡散層に接する面とは反対側の面に燃料電池の温度を一定に保つための冷媒流路を有していてもよい。
アノードセパレータは、アノード側ガス拡散層に接する面に燃料ガス流路を有していてもよい。また、アノードセパレータは、アノード側ガス拡散層に接する面とは反対側の面に燃料電池の温度を一定に保つための冷媒流路を有していてもよい。
カソードセパレータは、カソード側ガス拡散層に接する面に酸化剤ガス流路を有していてもよい。また、カソードセパレータは、カソード側ガス拡散層に接する面とは反対側の面に燃料電池の温度を一定に保つための冷媒流路を有していてもよい。
セパレータは、ガス不透過の導電性部材等であってもよい。導電性部材としては、例えば、熱硬化樹脂、熱可塑樹脂、及び、樹脂繊維等の樹脂材、カーボン粉末、及び、カーボン繊維等のカーボン材を圧縮してガス不透過とした緻密質カーボン、及び、プレス成形した金属(例えば、鉄、アルミニウム、及び、ステンレス等)板等であってもよい。また、セパレータが集電機能を備えるものであってもよい。
セパレータの形状は、長方形、横長6角形、横長8角形、円形、及び、長丸形状等であってもよい。
本開示においては、燃料ガス、及び、酸化剤ガスをまとめて反応ガスと称する。アノードに供給される反応ガスは、燃料ガスであり、カソードに供給される反応ガスは酸化剤ガスである。燃料ガスは、主に水素を含有するガスであり、水素であってもよい。酸化剤ガスは、酸素を含有するガスであり、酸素、空気、及び、乾燥空気等であってもよい。
カバーシートは、積層方向における前記第1ガス拡散層と前記支持フレームとの間の第1領域から、積層方向における前記第1ガス拡散層と前記電解質膜または前記第1触媒層との間の第2領域に、面方向に連続して設けられ、前記燃料電池の反応ガスを透過しない。
平面視において第1触媒層の外周縁部は電解質膜の外周縁部よりも内側であってもよく、この場合第2領域は、積層方向における第1ガス拡散層と電解質膜との間の領域であってもよい。
カバーシートは、支持フレームおよび電解質膜側に配置される接着層と、第1ガス拡散層側に配置されるコア層の2層構造である。
カバーシートは、支持フレームおよび電解質膜または前記第1触媒層に対して反応ガスを通過させないように接着層を介して接着される。平面視において第1触媒層の外周縁部が電解質膜の外周縁部よりも内側である場合は、カバーシートは、支持フレームおよび電解質膜に対して反応ガスを通過させないように接着層を介して接着されていてもよい。
コア層の軟化点は、接着層の軟化点よりも20℃以上高ければよく、85℃以上高くてもよい。
コア層の材料は、接着層の軟化点よりも20℃以上高いものであればよく、例えば、ナイロン9T(軟化点:135℃)、PPSU(ポリフェニルサルフォン、軟化点:207℃)、PPS(ポリフェニレンサルファイド、軟化点:105-135℃)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン、軟化点:160℃)、テレフタル酸洗浄ポリエステル樹脂(軟化点:160℃)等が挙げられ、ナイロン9T(軟化点:135℃)であってもよい。
コア層の厚みは特に限定されず、1~100μmであってもよい。
接着層の材料は、コア層の軟化点よりも20℃以上低いものであればよく、例えば、ナイロン12(軟化点:50℃)等が挙げられる。
接着層の厚みは特に限定されず、1~100μmであってもよい。
カバーシートは、コア層と接着層の共押し出し2層成型品であってもよい。
カバーシートが、コア層としてナイロン9T(軟化点:135℃)と接着層としてナイロン12(軟化点:50℃)を有することで、支持フレーム及び電解質膜又は第1触媒層との接着時の条件が例えば140℃、5秒とすると接着層が軟化し電解質膜と熱接着するが、セル化工程時の条件が例えば160℃、15秒であれば、セル化工程時のセパレータ及び支持フレームのシールラインの熱圧着(シールラインプレス)時の余熱はコア層の軟化点に届かず、当該余熱ではコア層が軟化せず、カバーシートの変形を抑制することができる。
本開示の燃料電池の製造方法は、例えば以下の工程を有していてもよい。
(1)第1触媒層と、第2触媒層と、前記第1触媒層と前記第2触媒層との間に配置される電解質膜と、を有する膜電極接合体を準備する工程。
(2)膜電極接合体の周囲に支持フレームを配置する工程。
(3)第1触媒層上に第1ガス拡散層を配置する工程。
(4)第2触媒層上に第2ガス拡散層を配置する工程。
(5)一対のセパレータで第1ガス拡散層と第2ガス拡散層と支持フレームとを挟持し、セパレータ及び支持フレームのシールラインを熱圧着する工程(セル化工程)。熱圧着時の温度は、カバーシートのコア層に伝わる余熱がコア層の軟化点未満の温度となるように設定してもよく、コア層がナイロン9Tの場合は例えば135~160℃であってもよい。熱圧着の時間は例えば5~15秒であってもよい。これによりカバーシートに伝わる余熱はコア層の軟化点未満となり、カバーシートの変形を抑制することができ、クロスリークの発生を抑制することができる。
(6)カバーシートは、支持フレームおよび電解質膜または第1触媒層上に配置し、支持フレームおよび電解質膜または第1触媒層に対して反応ガスを通過させないように接着層を介して接着する工程(カバーシート配置工程)。接着時の熱溶着の温度はカバーシートの接着層が軟化する温度以上であればよく、例えば50~140℃であってもよい。熱溶着の時間は例えば5~15秒であってもよい。
上記(6)の工程は、(1)の工程後且つ(5)の工程の前の任意の時期に行ってもよく、(2)の工程の後に行ってもよく、(2)の工程の後且つ(3)の工程の前に行ってもよく、(2)の工程及び(3)の工程の後に行ってもよい。(3)の工程と(4)の工程は、同時に行ってもよく、それぞれ(2)の工程の前に行ってもよいし、(2)の工程の後に行ってもよい。
図1は、従来の燃料電池の一例を示す断面模式図である。
図1で示すように従来の燃料電池100は、膜電極接合体14と、支持フレーム11と、第1ガス拡散層12と、第2ガス拡散層13と、一対のセパレータ10と、カバーシート18と、を備える。
膜電極接合体14は、第1触媒層15と、第2触媒層16と、前記第1触媒層15と前記第2触媒層16との間に配置される電解質膜17と、を有する。第1触媒層15の外周縁部は電解質膜17の外周縁部よりも内側である。
接着層20で構成されるカバーシート18は、積層方向における第1ガス拡散層12と支持フレーム11との間の第1領域21から、積層方向における第1ガス拡散層12と電解質膜17との間の第2領域22に、面方向に連続して設けられ、燃料電池100の反応ガスを透過しない。
カバーシート18は、支持フレーム11および電解質膜17に対して反応ガスを通過させないように接着層20を介して接着されている。
従来の燃料電池100は、カバーシート18が軟化点の低い接着層20のみで構成されているため、セル化時のシールラインプレスの余熱により接着層20が軟化し、カバーシート18が変形する。
図2は、本開示の燃料電池の一例を示す断面模式図である。図2において図1と同じ構成については同じ符号を用い、その説明は省略する。
本開示の燃料電池200において、カバーシート18は、支持フレーム11および電解質膜17側に配置される接着層20と、第1ガス拡散層15側に配置されるコア層19の2層構造である。
カバーシート18が、コア層19と接着層20の2層構造であり、コア層19の軟化点は、接着層20の軟化点よりも20℃以上高いものとするため、セル化工程時のシールラインプレスの余熱はコア層19の軟化点に届かず、当該余熱ではコア層19が軟化せず、カバーシート18の変形を抑制することができ、クロスリークの発生を抑制することができる。
10 セパレータ
11 支持フレーム
12 第1ガス拡散層
13 第2ガス拡散層
14 膜電極接合体
15 第1触媒層
16 第2触媒層
17 電解質膜
18 カバーシート
19 コア層
20 接着層
21 第1領域
22 第2領域
100 燃料電池
200 燃料電池

Claims (1)

  1. 燃料電池であって、
    第1触媒層と、第2触媒層と、前記第1触媒層と前記第2触媒層との間に配置される電解質膜と、を有する膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体の周囲に配置された支持フレームと、
    前記第1触媒層に接して配置され、平面視において少なくとも一部が前記膜電極接合体の外縁を超えて設けられている第1ガス拡散層と、
    前記第2触媒層に接して配置されている第2ガス拡散層と、
    前記第1ガス拡散層と前記第2ガス拡散層と前記支持フレームとを挟持する一対のセパレータと、
    積層方向における前記第1ガス拡散層と前記支持フレームとの間の第1領域から、積層方向における前記第1ガス拡散層と前記電解質膜または前記第1触媒層との間の第2領域に、面方向に連続して設けられ、前記燃料電池の反応ガスを透過しないカバーシートと、を備え、
    前記カバーシートは、前記支持フレームおよび前記電解質膜側に配置される接着層と、前記第1ガス拡散層側に配置されるコア層の2層構造であり、
    前記カバーシートは、前記支持フレームおよび前記電解質膜または前記第1触媒層に対して前記反応ガスを通過させないように前記接着層を介して接着され、
    前記コア層の軟化点は、前記接着層の軟化点よりも20℃以上高い、燃料電池。
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