JP2023143316A - 水洗大便器 - Google Patents

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Yoshikatsu Adachi
浩一 元岡
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【課題】デザイン性の低下を抑えることができるとともに、節電およびランニングコスト低減を図ることができる水洗大便器を提供すること。【解決手段】実施形態に係る水洗大便器は、便器本体と、溜水用ヒータと、余熱伝達手段と、タンク用ヒータとを備える。便器本体は、ボウル部と、ボウル部の後方に設けられ、洗浄水を貯留するタンクと、ボウル部から外部配管へ連通している排水管と、排水管に設けられ、溜水を溜める溜水部と、ボウル部の外側周部を覆い、少なくともボウル部および排水管を収容する袴部とを有する。溜水用ヒータは、便器本体に設けられ、溜水の凍結を防止する。余熱伝達手段は、便器本体に設けられ、溜水用ヒータの余熱をタンクへ伝達する。タンク用ヒータは、タンクの外側面に設けられ、タンク内の洗浄水の凍結を防止する。【選択図】図3

Description

開示の実施形態は、水洗大便器に関する。
水洗大便器には、寒冷地において便器周辺の温度が0℃以下に冷えることでタンク内の洗浄水が凍結する場合に備えて、タンクを防露材で覆い、冷気がタンク内へ伝達するのを抑えるものがある。
また、水洗大便器には、タンク内の洗浄水の凍結を防止するために、タンク内にヒータを設けたものがある(たとえば、特許文献1)。
特開2018-059299号公報
ところで、たとえば、トイレ空間が長時間0℃以下に冷え込むような場合、防露材でタンクを覆っていてもタンク内の洗浄水が凍結するおそれがある。タンク内の洗浄水が凍結すると、タンク内の洗浄水が膨張してタンクが破損するおそれがあり、また、次回の便器洗浄時に洗浄水を便器へ供給できなくなるおそれがある。このため、タンクに設けられた水抜き孔からタンク内の洗浄水を抜く(水抜き)などの凍結対策を行う必要がある。
一方で、便器の側方全周を便器と一体となった袴部で覆うことでデザイン性を高めた、いわゆるフル袴式便器の需要が増加している。
しかしながら、フル袴式便器では、袴部でタンクも覆っているため、使用者がタンクに触れることができない。このため、水抜き孔からの水抜きという凍結防止対策を行うことができず、水抜き以外の凍結防止対策が必要となる。
たとえば、タンク内にヒータを設けた従来の水洗大便器では、タンクが大型化するため、デザイン性が低下するおそれがある。また、たとえば、タンク外にヒータを設ける場合は、熱効率が低いことから熱量が必要となるため、節電の観点やランニングコストなどのコスト面の観点から好ましくない。
実施形態の一態様は、デザイン性の低下を抑えることができるとともに、節電およびランニングコスト低減を図ることができる水洗大便器を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る水洗大便器は、汚物を受けるボウル部と、前記ボウル部の後方に設けられ、洗浄水を貯留するタンクと、前記ボウル部から外部配管へ連通している排水管と、前記排水管に設けられ、溜水を溜める溜水部と、前記ボウル部の外側周部を覆い、少なくとも前記ボウル部および前記排水管を収容する袴部とを有する便器本体と、前記便器本体に設けられ、前記溜水の凍結を防止するための溜水用ヒータと、前記便器本体に設けられ、前記溜水用ヒータの余熱を前記タンクへ伝達する余熱伝達手段と、前記タンクの外側面に設けられ、前記タンク内の前記洗浄水の凍結を防止するためのタンク用ヒータとを備える。
このような構成によれば、溜水の凍結を防止するための溜水用ヒータの熱(余熱)をタンクへ伝達する余熱伝達手段を備えることで、タンク内の洗浄水の凍結を防止するためのタンク用ヒータを小型化することができる。また、タンク内の洗浄水の凍結を防止するために必要な熱量を抑えることができ、これにより、節電することができるとともに、ランニングコストを低減することができる。また、タンク内の洗浄水の凍結を防止するために必要な熱量を抑えても洗浄水の凍結を防止することができるため、タンクの外側面にタンク用ヒータを設けることが可能となる。また、タンクの外側面にタンク用ヒータを設けることができるため、タンクの大型化を抑えることができる。さらに、ボウル部の外側周部を覆う袴部を有するフル袴式便器において凍結対策に伴うタンクの大型化などのデザイン性の低下を抑えることができる。
また、上記した水洗大便器において、前記余熱伝達手段は、前記排水管に設けられ、前記溜水用ヒータは、前記排水管の外側面に設けられ、前記タンクは、該タンクの外側面のうち少なくとも前記排水管側の外側面が該排水管に沿っている。
排水管が、配管内の空気が外気温よりも温かい外部配管と連通しているため、排水管は水洗大便器の構成の中でも冷えにくい部位である。このため、このような構成によれば、タンクの外側面のうち少なくとも排水管側の外側面が排水管に沿っていることで、冷えにくい排水管へ伝達される溜水用ヒータの余熱をタンクへより伝達することができる。この場合、排水管自体が冷たいと、外部配管から排水管へ上がってくる空気(凍らない温度の空気)が排水管に触れることで冷えてしまうが、溜水用ヒータが排水管の外側面に設けられることで、溜水用ヒータの余熱が排水管へ伝達され、凍らない温度である外部配管の空気が排水管に触れても冷やされずに排水管を流れるようになる。このように、タンクの外側面のうち少なくとも排水管側の外側面が排水管に沿っていることで、余熱伝達手段を新たな部材として設ける必要がないため、コスト低減を図ることができる。また、溜水用ヒータが排水管の外側面に設けられることで、タンクへ余熱を伝達しやすくなる。
また、上記した水洗大便器において、前記タンク用ヒータは、前記タンクにおける前記排水管側の外側面とは異なる外側面に設けられ、前記排水管側の外側面には設けられない。
このような構成によれば、タンクにおける排水管側の外側面が溜水用ヒータの余熱で温められているため、排水管側の外側面とは異なる外側面にのみタンク用ヒータが設けられることで、タンク内の洗浄水をより効率的に温めることができる。これにより、タンク用ヒータを小型化することができ、また、ランニングコストを低減することができる。さらに、タンク用ヒータの熱と溜水用ヒータの熱(余熱)とでタンクの外側面が温められることになるため、たとえば、一方向から高温でタンクを温めることがなく、タンクの熱劣化を抑えることができる。
また、上記した水洗大便器において、前記排水管は、前記ボウル部から延びた流入管と、前記流入管から斜め上方へ延びた上昇管と、前記上昇管の上端部に設けられる屈曲部とを有し、前記タンクは、少なくとも前記排水管側の外側面が前記屈曲部に沿っている。
溜水用ヒータによって溜水部へ熱を加えると溜水部が温められるが、溜水部の水面から伝達される熱や排水管自体から伝達される熱によって屈曲部内の空気も温められる。ここで、屈曲部は、排水管において最も高い位置にあり、暖かい空気は上方へ移動するため、屈曲部には暖かい空気が溜まりやすい。このため、このような構成によれば、タンクの少なくとも排水管側の外側面が屈曲部に沿っていることで、暖かい空気が溜まることで早期に温められる屈曲部に沿っていることになり、タンクへ余熱をより効率的に伝達することができる。
また、上記した水洗大便器において、前記袴部は、前記タンクの外側面のうち最も広い面と向かい合う部位がその内部に空気層を含む二枚壁として形成される。
このような構成によれば、熱が広い面から逃げやすいことから、袴部におけるタンクの外側面のうち最も広い面と向かい合う部位が二枚壁であることで、タンクの広い面からの放熱を抑えることができる。これにより、溜水用ヒータの余熱とタンク用ヒータの熱とによって温めたタンク内の洗浄水の保温状態を維持することができる。
また、上記した水洗大便器において、前記タンク内または該タンクの外表面を含む周辺の温度が所定温度以下となったことを検知する温度検知部と、前記温度検知部の検知結果に基づいて前記タンク用ヒータを制御する制御部とをさらに備え、前記制御部は、前記温度検知部が前記所定温度以下を検知し、かつ、便器洗浄していない場合において、前記タンクへの給水を止めた状態で該タンク内の水位を下げ、前記タンク用ヒータをオンにする。
このような構成によれば、タンク内の洗浄水が凍結するおそれがある場合に、タンク用ヒータをオンにすると共にタンク内の水位が下がるため、少量の洗浄水を小さな熱量で温めることとなり、ランニングコストを低減することができる。また、必要ない場合にはタンク用ヒータを使用しないため、タンクの熱劣化を抑えることができ、消費電力量を抑える(節電する)ことができる。また、使用者が便器周辺の温度を計測しなくても自動でタンク用ヒータがオンになるため、使用者が便器周辺の温度の低下に気付かなくてもタンク内の洗浄水の凍結を防ぐことができる。
実施形態の一態様によれば、デザイン性の低下を抑えることができるとともに、節電およびランニングコスト低減を図ることができる。
図1は、実施形態に係る水洗大便器を示す概略斜視図(その1)である。 図2は、実施形態に係る水洗大便器を示す概略斜視図(その2)である。 図3は、実施形態に係る水洗大便器を示す概略側断面図である。 図4は、タンクの説明図(その1)である。 図5は、タンクの説明図(その2)である。 図6は、タンク用ヒータの説明図である。 図7は、余熱伝達手段の説明図(その1)である。 図8は、余熱伝達手段の説明図(その2)である。 図9は、余熱伝達手段の説明図(その3)である。 図10は、タンク用ヒータの自動制御の説明図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する水洗大便器の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<水洗大便器の構成>
まず、図1~3を参照して実施形態に係る水洗大便器1の構成について説明する。図1および2は、実施形態に係る水洗大便器1を示す概略斜視図である。なお、図1には、前方斜め上方からの水洗大便器1を示し、図2には、後方斜め上方からの水洗大便器1を示している。図3は、実施形態に係る水洗大便器1を示す概略側断面図である。なお、図3には、便器本体2のみ断面としている。
また、各図には、鉛直上向き(上方)を正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を示している。以下では、説明の便宜上、X軸の正方向を左方、X軸の負方向を右方、Y軸の正方向を前方、Y軸の負方向を後方と規定し、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向という。
図1に示すように、水洗大便器1は、トイレ室の床面に設置される、いわゆる床置き式の便器である。また、水洗大便器1は、便器本体2の外側周部が後述する袴部24で覆われた、いわゆるフル袴式便器である。また、水洗大便器1は、たとえば、洗い落とし(ウォッシュダウン)式の便器でもよいし、サイホン式の便器でもよいし、他の方式の便器でもよい。
水洗大便器1は、便器本体2と、溜水用ヒータ41と、タンク用ヒータ42と、余熱伝達手段43とを備える。
便器本体2は、陶器製であり、ボウル部21と、リム部22と、吐水部(図示せず)と、導水路(図示せず)と、収納部23と、袴部24と、仕切板25と、タンク26と、排水管3とを備える。
ボウル部21は、汚物を受ける部位であり、ボウル形状に形成される。リム部22は、ボウル部21の上縁部に設けられる。リム部22は、洗浄水がボウル部21の外方へ飛び出さないように、ボウル部21の内側へ向けてオーバーハング形状に形成される。
吐水部は、後述するタンク26に貯留された洗浄水W1を吐水口(図示せず)からボウル部21へ吐出する。導水路は、たとえば、便器本体2の洗浄水W1の供給口(図示せず)から前方へ向けて延びており、リム部22のリム通水路(図示せず)に接続される。
収納部23は、ボウル部21の後方に形成され、ボウル部21の後方おいて上部が開放された部位(空間)である。収納部23には、便器洗浄装置の便器洗浄用のバルブなどの機能部などが収納される。なお、収納部23には、便器洗浄装置の機能部に加えて、水洗大便器1に取り付けられる、使用者の局部洗浄などを行うための便座装置の機能部などが収納されてもよい。
袴部24は、ボウル部21の外側周部を覆い、少なくともボウル部21および後述する排水管3を収容するように設けられる。袴部24は、便器本体2と一体的に設けられる。仕切板25は、便器本体2の後面を形成している。便器本体2は、前方および左右側方が袴部24によって覆われ、後方が仕切板25によって覆われる。
このように、便器本体2の後面も仕切板25で覆われているため、タンク26を収納している収納部23が上面以外閉鎖した空間となり、タンク26の周辺の放熱を抑えることができる。
タンク26は、樹脂製であり、ボウル部21の後方において収納部23に収納される。タンク26は、便器洗浄時にボウル部21へ供給される洗浄水W1を貯留する。
排水管3は、ボウル部21から便器本体2の外部配管(下水管ともいう)50へ連通している管路である。排水管3は、溜水部31と、排水部32とを備える。溜水部31は、
便器本体2へ供給された洗浄水W1の一部が溜まり(溜まった水を「溜水」という)、溜水W2が封水として機能することで、排水管3から臭気などがボウル部21側へ逆流することを防止する。
溜水部31は、上流側がボウル部21に接続される。排水部32は、上流側が溜水部31に接続され、下流側が外部配管50に接続される。
溜水部31は、流入管311と、上昇管312とを備える。流入管311は、溜水部31の上流側を形成し、ボウル部21から延びている。上昇管312は、溜水部31の下流側を形成し、後方(下流側)へ向かうにつれて上方へ傾斜しながら延びている。
排水部32は、屈曲部321と、下降管322とを備える。屈曲部321は、排水部32の上流側を形成し、上昇管312の上端部に設けられ、後方(下流側)へ向かうにつれて、上昇し、その後、下降する。下降管322は、排水部32の下流側を形成し、後方(下流側)へと下降して外部配管に接続される。
溜水用ヒータ41は、溜水部31に溜まった溜水W2の凍結を防止するためのヒータである。溜水用ヒータ41は、便器本体2に設けられる。具体的には、溜水用ヒータ41は、排水管3の外側面に設けられる。また、溜水用ヒータ41の外周には、結露防止のために発砲スチロールなどの断熱材44が設けられる。断熱材44は、溜水部31を下方から覆っている。なお、断熱材44は、排水管3に当接、または空間を開けて配置されるのどちらでもよい。断熱材44は、溜水部31が外部の空気と置換して、排水管3に結露が発生しないように、溜水部31とその周辺空間とを区切られるように覆う構造である。
溜水用ヒータ41は、たとえば、シート状の発熱体である。溜水用ヒータ41は、たとえば、矩形や円形状シートであり、発熱することで、取り付けられた箇所を温めることができる。溜水用ヒータ41としては、たとえば、シートに電熱線が張り巡らされたものがある。また、溜水用ヒータ41は、たとえば、粘着剤で取り付けられる。粘着剤は、熱伝導性のよいものが好ましい。
また、図示しないが、水洗大便器1では、溜水用ヒータ41に接続され、溜水部31の外表面の温度や溜水W2の温度の低下を検知し、また一定温度に到達したら通電を止めるための温度制御部材を有し、凍結が予測される温度低下時のみ溜水用ヒータ41への通電を行う構造である。
タンク用ヒータ42は、タンク26内の洗浄水W1の凍結を防止するためのヒータである。タンク用ヒータ42は、タンク26の外側面261に設けられる。
余熱伝達手段43は、溜水用ヒータ41の余熱をタンク26へ伝達する。余熱伝達手段43は、便器本体2に設けられる。具体的には、余熱伝達手段43は、排水管3に設けられる。余熱伝達手段43では、溜水W2を温める溜水用ヒータ41の余熱が陶器製の排水管3へ伝達され、溜水用ヒータ41の余熱を排水管3からタンク26へ伝達する。
<タンクおよびタンク用ヒータ>
次に、図4~6を参照してタンク26およびタンク用ヒータ42について説明する。図4および5は、タンク26の説明図である。なお、図4には、タンク26の斜視図を示し、図5には、タンク26の側面図を示している。図6は、タンク用ヒータ42の説明図である。
図4および5に示すように、タンク26は、便器洗浄装置の機能部などと共に便器本体2の収納部23に収納される。タンク26には、タンク用ヒータ42が設けられる。タンク用ヒータ42は、タンク26における排水管3側の外側面261a(図8参照)とは異なる外側面261に設けられる。すなわち、タンク用ヒータ42は、排水管3側の外側面261aには設けられない。
タンク用ヒータ42は、タンク26の外側面261のうち、袴部24の内側面と向かい合う外側面261に設けられる。
また、図6に示すように、タンク用ヒータ42は、溜水用ヒータ41と同様、電熱線421を有し、電熱線421が発熱することで、取り付けられた箇所を温めることができる。また、タンク用ヒータ42の消費電力は、溜水用ヒータ41が20~30W程度であるのに対し、余熱伝達手段43によるタンク26への余熱伝達が行われるため、約5分の1の5W程度に抑えることができる。
また、図示しないが、水洗大便器1では、タンク用ヒータ42に接続され、タンク26の外表面の温度やタンク26内の残水(洗浄水W1)温度の低下を検知し、また一定温度に到達したら通電を止めるための温度制御部材を有し、凍結が予測される温度低下時のみタンク用ヒータ42への通電を行う構造である。
なお、タンク26以外のバルブやポンプなどのような残水が残りやすい部品においてもヒータが取り付けられてもよい。この場合、取り付けられたヒータの余熱を有効活用することも可能である。
また、タンク用ヒータ42は、溜水用ヒータ41と共通の電源コード45が用いられ、溜水用ヒータ41およびタンク用ヒータ42が直列および並列回路のいずれかで構成される。これにより、複数のヒータ(溜水用ヒータ41およびタンク用ヒータ42)であっても、電源コード45の見栄えを損なわないようにしている。
また、タンク用ヒータ42を小型で低出力のものを用いなくても、タンク用ヒータ42の出力を高くして、温度制御装置を組み込むことも可能である。しかしながら、温度制御装置が故障などした場合にはタンク26が高温になり、変形や破損の原因となり、漏水してしまうおそれもあるため、タンク26などの樹脂部品で構成される場合は、できるだけ低出力として樹脂への影響を及ぼさない温度でタンク用ヒータ42を構成することが望ましい。
また、水洗大便器1において、溜水用ヒータ41を備えず、タンク用ヒータ42のみ備える構成としてもよい。この場合も、タンク用ヒータ42は、陶器(袴部24)に面した位置に設けられる。また、タンク用ヒータ42は、タンク26内の下部(たとえば、ポンプ給水部)または上部(たとえば、ボールタップ部)に設けられる。
<余熱伝達手段>
次に、図7~9を参照して余熱伝達手段43について説明する。図7~9は、タンク26への余熱伝達手段43の説明図である。図7は、水洗大便器1の側断面図を用いた余熱伝達手段43の説明図であり、図8および9は、水洗大便器1の背断面図を用いた余熱伝達手段43の説明図である。なお、図9は、図8の一部拡大図である。
図7に示すように、溜水用ヒータ41の余熱は、余熱伝達手段43を構成する排水管3によって、後方のタンク26へ伝達される。
図8および9に示すように、タンク26の外側面261のうち少なくとも排水管3(屈曲部321)側の外側面261aは、排水管3(屈曲部321)に沿っている。この場合、タンク26の外側面261aは、屈曲部321の外側面から所定距離以上は離れないように、屈曲部321の外側面に沿うように形成される。
これにより、図9に矢線で示すように、屈曲部321の熱が空気層を介してタンク26の外側面261aへ伝達され、タンク26の外側面261aが徐々に加温される。
また、タンク26の残水部分と対向する範囲で部分的に屈曲部321の外側面に近接させていてもタンク26へ余熱を伝達することができるため、タンク26の外側面261aが完全に屈曲部321の外側面に沿う形状でなくてもよい。
また、図8および9に示すように、袴部24は、タンク26の外側面261のうち最も広い面と向かい合う部位がその内部に空気層を含む二枚壁241として形成される。これにより、タンク26の広い面(外側面261)からの放熱を抑えることができる。
また、タンク26においてタンク用ヒータ42が設けられた外側面261aと対面する袴部24は、二枚壁241で構成されることが好ましい。二枚壁241とすることで放熱を抑えることができる他、タンク用ヒータ42が故障した場合にも、二枚壁241とすることで、タンク用ヒータ42の異常発熱が陶器の袴部24の表面(外側面)へ伝達することがなくなり、使用者のやけどなどの心配がなくなる。
なお、タンク26の周辺には、給水制御用のバルブユニットや加圧用のポンプなどのような残水が残りやすい部品がある。このような部品にヒータを取り付けてもよく、ヒータを取り付けた場合、ヒータの余熱を有効活用することも含まれる。また、各ヒータの取り付け(貼り付け)向きについては、タンク26に対向する部分に配置することで、ヒータの余熱をタンク26の凍結防止に有効活用することができる。
<タンク用ヒータの自動制御>
次に、図10を参照してタンク用ヒータ42の自動制御について説明する。図10は、タンク用ヒータ42の自動制御の説明図である。
図10に示すように、水洗大便器1は、制御部60と、温度検知部70とを備える。制御部60は、タンク用ヒータ42を制御する。
なお、制御部60は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、記憶部(図示せず)に記憶されたプログラムを、RAM(Random Access Memory)を作業領域として実行することで実現される。また、記憶部は、たとえば、RAMやフラッシュメモリなどの半導体メモリ素子などによって実現される。
温度検知部70は、たとえば、室温なども検知可能なサーミスタであり、タンク26内またはタンク26の外表面を含む周辺の温度が所定温度以下となったことを検知する。なお、制御部60は、温度検知部70の検知結果に基づいてタンク用ヒータ42を制御する。
制御部60は、温度検知部70が所定温度以下を検知し、かつ、便器洗浄していない場合に、タンク26への給水を止めた状態で、タンク26内の洗浄水W1を流してタンク26内の水位を下げ、タンク用ヒータ42をオンにする。
なお、制御部60によってタンク26内の洗浄水W1を自動で流す場合は、便器への給水を止めたうえで、室温が検知可能なサーミスタによって凍結が予測される室温の場合に便器洗浄信号を出力することで、タンク26内の水位を下げることができる。
以上説明したような実施形態に係る水洗大便器1によれば、溜水用ヒータ41の余熱をタンク26へ伝達する余熱伝達手段43を備えることで、タンク26内の洗浄水W1の凍結を防止するためのタンク用ヒータ42を小型化することができる。また、タンク26内の洗浄水W1の凍結を防止するために必要な熱量を抑えることができ、これにより、節電することができるとともに、ランニングコストを低減することができる。また、タンク26内の洗浄水W1の凍結を防止するために必要な熱量を抑えても洗浄水W1の凍結を防止することができるため、タンク26の外側面261にタンク用ヒータ42を設けることが可能となる。また、タンク26の外側面261にタンク用ヒータ42を設けることができるため、タンク26の大型化を抑えることができる。さらに、ボウル部21の外側周部を覆う袴部24を有するフル袴式便器において凍結対策に伴うタンク26の大型化などのデザイン性の低下を抑えることができる。
また、排水管3が、配管内の空気が外気温よりも温かい外部配管50と連通しているため、排水管3は水洗大便器1の構成の中でも冷えにくい部位である。このため、タンク26の外側面261のうち少なくとも排水管3側の外側面261aが排水管3に沿っていることで、冷えにくい排水管3へ伝達される溜水用ヒータ41の余熱をタンク26へより効率的に伝達することができる。この場合、排水管3自体が冷たいと、外部配管50から排水管3へ上がってくる空気(凍らない温度の空気)が排水管3に触れることで冷えてしまうが、溜水用ヒータ41が排水管3の外側面に設けられることで、溜水用ヒータ41の余熱が排水管3へ伝達され、凍らない温度である外部配管50の空気が排水管3に触れても冷やされずに排水管3を流れるようになる。このように、タンク26の外側面261のうち少なくとも排水管3側の外側面261aが排水管3に沿っていることで、余熱伝達手段43を新たな部材として設ける必要がないため、コスト低減を図ることができる。また、溜水用ヒータ41が排水管3の外側面に設けられることで、タンク26へ余熱を伝達しやすくなる。
また、タンク26における排水管3側の外側面261aが溜水用ヒータ41の余熱で温められているため、排水管3側の外側面261aとは異なる外側面261にのみタンク用ヒータ42が設けられることで、タンク26内の洗浄水W1をより効率的に温めることができる。これにより、タンク用ヒータ42を小型化することができ、また、ランニングコストを低減することができる。さらに、タンク用ヒータ42の熱と溜水用ヒータの余熱とでタンク26の外側面261aが温められることになるため、たとえば、一方向から高温でタンク26を温めることがなく、タンク26の熱劣化を抑えることができる。
また、溜水用ヒータ41によって溜水部31へ熱を加えると溜水部31が温められるが、溜水部31の水面から伝達される熱や排水管3自体から伝達される熱によって屈曲部321内の空気も温められる。ここで、屈曲部321は、排水管3において最も高い位置にあり、暖かい空気は上方へ移動するため、屈曲部321には暖かい空気が溜まりやすい。このため、タンク26の少なくとも排水管3側の外側面261aが屈曲部321に沿っていることで、暖かい空気が溜まることで早期に温められる屈曲部321に沿っていることになり、タンク26へ余熱をより効率的に伝達することができる。
また、熱が広い面から逃げやすいことから、袴部24におけるタンク26の外側面261のうち最も広い面と向かい合う部位が二枚壁241であることで、タンク26の広い面からの放熱を抑えることができる。これにより、溜水用ヒータ41の余熱とタンク用ヒータ42の熱とによって温めたタンク26内の洗浄水W1の保温状態を維持することができる。
また、タンク26内の洗浄水W1が凍結するおそれがある場合に、タンク用ヒータ42をオンにすると共にタンク26内の水位が下がるため、少量の洗浄水W1を小さな熱量で温めることとなり、ランニングコストを低減することができる。また、必要ない場合にはタンク用ヒータ42を使用しないため、タンク26の熱劣化を抑えることができ、消費電力量を抑える(節電する)ことができる。また、使用者が便器周辺の温度を計測しなくても自動でタンク用ヒータ42がオンになるため、使用者が便器周辺の温度の低下に気付かなくてもタンク26内の洗浄水W1の凍結を防ぐことができる。なお、タンク26の形状またはポンプの空転防止などの理由でタンク26内の洗浄水W1をすべて抜くことができない場合においてとくに有効となる。なお、本構成においては、溜水用ヒータ41やタンク用ヒータ42に温度制御部材は設けなくてよく、複数のヒータに対して温度検知部70と制御部60があれば複数のヒータを同時に制御することが可能である。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 水洗大便器
2 便器本体
3 排水管
21 ボウル部
24 袴部
26 タンク
31 溜水部
41 溜水用ヒータ
42 タンク用ヒータ
43 余熱伝達手段
50 外部配管
60 制御部
70 温度検知部
241 二枚壁
261 外側面
261a 外側面
311 流入管
312 上昇管
321 屈曲部
W1 洗浄水
W2 溜水

Claims (6)

  1. 汚物を受けるボウル部と、前記ボウル部の後方に設けられ、洗浄水を貯留するタンクと、前記ボウル部から外部配管へ連通している排水管と、前記排水管に設けられ、溜水を溜める溜水部と、前記ボウル部の外側周部を覆い、少なくとも前記ボウル部および前記排水管を収容する袴部とを有する便器本体と、
    前記便器本体に設けられ、前記溜水の凍結を防止するための溜水用ヒータと、
    前記便器本体に設けられ、前記溜水用ヒータの余熱を前記タンクへ伝達する余熱伝達手段と、
    前記タンクの外側面に設けられ、前記タンク内の前記洗浄水の凍結を防止するためのタンク用ヒータと
    を備える
    ことを特徴とする水洗大便器。
  2. 前記余熱伝達手段は、前記排水管に設けられ、
    前記溜水用ヒータは、前記排水管の外側面に設けられ、
    前記タンクは、該タンクの外側面のうち少なくとも前記排水管側の外側面が該排水管に沿っている
    ことを特徴とする請求項1に記載の水洗大便器。
  3. 前記タンク用ヒータは、前記タンクにおける前記排水管側の外側面とは異なる外側面に設けられ、前記排水管側の外側面には設けられない
    ことを特徴とする請求項2に記載の水洗大便器。
  4. 前記排水管は、前記ボウル部から延びた流入管と、前記流入管から斜め上方へ延びた上昇管と、前記上昇管の上端部に設けられる屈曲部とを有し、
    前記タンクは、少なくとも前記排水管側の外側面が前記屈曲部に沿っている
    ことを特徴とする請求項3に記載の水洗大便器。
  5. 前記袴部は、前記タンクの外側面のうち最も広い面と向かい合う部位がその内部に空気層を含む二枚壁として形成される
    ことを特徴とする請求項4に記載の水洗大便器。
  6. 前記タンク内または該タンクの外表面を含む周辺の温度が所定温度以下となったことを検知する温度検知部と、
    前記温度検知部の検知結果に基づいて前記タンク用ヒータを制御する制御部と
    をさらに備え、
    前記制御部は、前記温度検知部が前記所定温度以下を検知し、かつ、便器洗浄していない場合において、前記タンクへの給水を止めた状態で該タンク内の水位を下げ、前記タンク用ヒータをオンにする
    ことを特徴とする請求項5に記載の水洗大便器。
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