JP2023143276A - 表面形状測定装置及び表面形状測定方法 - Google Patents

表面形状測定装置及び表面形状測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】測定時に生じる振動による影響による誤差を軽減することできる表面形状測定装置及び表面形状測定方法を提供する。【解決手段】測定対象物の表面形状を測定する表面形状測定装置は、測定対象物に対して垂直方向に相対的に走査しながら所定の撮像間隔ごとに測定対象物を撮像する第1撮像系と、第1撮像系とは別体であり、第1撮像系と同期して測定対象物又は測定対象物の支持物を撮像する第2撮像系と、第1撮像系が撮像した複数の第1撮像画像に基づき、測定対象物の表面形状を算出する演算部と、第2撮像系の第2座標系を第1撮像系の第1座標系に変換するための座標系変換情報を記憶する記憶部と、第2撮像系が撮像した複数の第2撮像画像に基づき、第1撮像系の撮像中における測定対象物の変位を検出する変位検出部と、変位検出部が検出した変位の検出結果と、座標系変換情報とに基づき、演算部が算出した表面形状を補正する補正部と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は表面形状測定装置及び表面形状測定方法に関する。
フォーカスバリエーション(Focus Variation:FV)方式の顕微鏡、共焦点方式の顕微鏡、白色干渉顕微鏡、及びオートフォーカス(Auto Focus:AF)装置等の走査測定装置を用いて、測定対象物の測定面の三次元形状(全焦点画像及び表面形状等)を測定する走査測定方法が知られている(特許文献1から3参照)。このような測定装置は、カメラ付きの顕微鏡を走査方向に沿って走査しながら一定のピッチごとにカメラにより測定面を撮影し、ピッチごとの撮影画像に基づき各撮影画像の画素ごとに合焦度(顕微鏡の焦点位置)を演算或いは画素ごとに高さ情報を演算することで、測定面の三次元形状を測定する。これらの測定装置は、測定対象物の高さプロファイルを面で取得することができるため、微細な三次元形状や粗さを測定する際に、非常に有用な測定装置となっている。
特開2016-99213号公報 特開2015-84056号公報 特開2016-90520号公報
ところで、上述の測定装置では、高さ方向に光学系を走査する必要があり、走査中に、測定対象物の位置がずれたり、振動したりすると、その位置ずれ分が測定誤差となって顕在化しやすいという問題がある。
そのため、床からの振動を遮断するために除振台上に測定装置を設置したり、風や音響による振動を遮断するため、測定装置の周囲に防風カバーを設置したりすることが考えられる。
しかしながら、除振台や防風防音カバーの設置についてはスペースの制約が大きく、特に加工機内や工場ライン内の測定装置に除振台や防風防音カバーを設置することができないなどの問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、測定時に生じる振動の影響による誤差を軽減することが可能な表面形状測定装置及び表面形状測定方法を提供することを目的とする。
第1態様の測定対象物の表面形状を測定する表面形状測定装置は、測定対象物に対して垂直方向に相対的に走査しながら所定の撮像間隔ごとに測定対象物を撮像する第1撮像系と、第1撮像系とは別体であり、第1撮像系と同期して測定対象物又は測定対象物の支持物を撮像する第2撮像系と、第1撮像系が撮像した複数の第1撮像画像に基づき、測定対象物の表面形状を算出する演算部と、第2撮像系の第2座標系を第1撮像系の第1座標系に変換するための座標系変換情報を記憶する記憶部と、第2撮像系が撮像した複数の第2撮像画像に基づき、第1撮像系の撮像中における測定対象物の変位を検出する変位検出部と、変位検出部が検出した変位の検出結果と、座標系変換情報とに基づき、演算部が算出
した表面形状を補正する補正部と、を備える。
第2態様の表面形状測定装置において、座標系変換情報は、第2座標系を第1座標系に変換する変換行列である。
第3態様の表面形状測定装置において、校正ターゲットに対して第1撮像系及び第2撮像系が撮像した結果から座標系変換情報を取得する校正部を備える。
第4態様の表面形状測定装置において、第2撮像系が、単眼のカメラを備え、変位検出部はバンドル調整方式により測定対象物の変位を検出する。
第5態様の表面形状測定装置において、第2撮像系が、複眼のカメラを備え、変位検出部はステレオカメラ方式により測定対象物の変位を検出する。
第6態様の表面形状測定装置において、測定対象物又は測定対象物の支持物にマーカーが添付されている場合、変位検出部はマーカーを追跡することで測定対象物の変位を検出する。
第7態様の表面形状測定装置において、測定対象物又は測定対象物の支持物にマーカーが添付されていない場合、変位検出部は、測定対象物又は測定対象物の支持物に設定された特徴点を追跡することで前記測定対象物の変位を検出する。
第8態様の表面形状測定装置において、第1撮像系は白色干渉方式、レーザ共焦点方式、又は合焦点方式のいずれかの方式の顕微鏡。
第9態様の表面形状測定方法は、第1撮像系を測定対象物に対して垂直方向に相対的に走査しながら所定の撮像間隔ごとに測定対象物を撮像すると第1撮像工程と、第1撮像系とは別体の第2撮像系で、第1撮像系と同期して測定対象物又は測定対象物の支持物を撮像する第2撮像工程と、第1撮像工程で撮像された複数の第1撮像画像に基づき、測定対象物の表面形状を算出する演算工程と、第2撮像系が撮像した複数の第2撮像画像に基づき、第1撮像系の撮像中における測定対象物の変位を検出する変位検出工程と、変位検出工程検出結果と、第2撮像系の第2座標系を第1撮像画像の第1座標系に変換するための座標系変換情報とに基づき、演算工程が算出した表面形状を補正する補正工程と、を備える。
本発明によれば、測定時に生じる振動の影響による誤差を軽減することできる。
図1は第1実施形態の表面形状測定装置の概略図である。 図2は第1撮像系を説明するための図である。 図3は第2撮像系を説明するための図である。 図4は第1実施形態の表面形状測定装置における制御装置の機能ブロック図である。 図5はオプティカルフローを説明するための図である。 図6はマーカーを説明するための図である。 図7は表面形状測定方法の一例を示すフローチャート図である。 図8は事前準備の校正について説明するための図である。 図9は第2実施形態の表面形状測定装置の概略図である。
以下、添付図面にしたがって本発明の好ましい実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の表面形状測定装置1の概略図である。なお、図中の互いに直交するXYZ方向のうち、XY方向は水平方向であり、Z方向は上下方向(垂直方向)である。
図1に示すように、表面形状測定装置1は、測定対象物Wの表面形状を測定するための測定装置であり、第1撮像系10と、第1撮像系10と別体の第2撮像系50と、制御装置90と、を備える。図1では、測定対象物Wは、治具72の上に載置されている。治具72は、本発明の測定対象物Wの支持物の一例である。測定対象物Wの支持物は、測定対象物Wを支持できる限り、大きさ、形状などは限定されない。
第1撮像系10は、測定対象物Wに対して垂直方向に相対的に走査しながら所定の撮像間隔ごとに測定対象物Wを撮像する。第1撮像系10は、実施形態では白色干渉方式の顕微鏡である。
第2撮像系50は、第1撮像系10と同期して測定対象物W又は治具72を撮像する。第2撮像系50は、第1実施形態では、2つのカメラ51及び52を備え、ステレオカメラ(複眼のカメラ)として構成されている。
制御装置90は、第1撮像系10及び第2撮像系50と接続されており、操作部91に対する入力操作に応じて、表面形状測定装置1を統括的に制御する。表示部92は、制御装置90の制御の下、各種情報を表示する。
第1実施形態の表面形状測定装置1は、第1撮像系10が測定対象物Wを撮像すると共に、第1撮像系10とは別体の第2撮像系50が第1撮像系10による撮像開始からの測定対象物Wの変位を撮像する。そして、表面形状測定装置1は、第1撮像系10が撮像した複数の撮像画像(本発明の第1撮像画像)に基づいて測定対象物Wの表面形状を算出する。表面形状測定装置1はさらに、第2撮像系50が撮像した撮像画像(本発明の第2撮像画像)に基づいて検出した変位(並進変位及び回転変位)に基づいて、上記のようにして算出した測定対象物Wの表面形状を補正する。
ここで、表面形状測定装置1では、測定の事前準備として、座標系変換情報(第2撮像系50の第2座標系を、第1撮像系10の第1座標系に変換するための座標系変換行列)を取得するための校正がなされており、後述する記憶部108には校正により取得された座標系変換情報が記憶されている。そして、表面形状測定装置1は、測定対象物Wの測定時には、第1撮像系10と第2撮像系50とにより測定対象物Wを撮像した撮像結果と、記憶部108に記憶されている座標系変換情報とにも基づいて、測定対象物Wの表面形状を補正する。なお、表面形状測定装置1の校正については後述する。
表面形状測定装置1は事前に校正されているので、測定時において第1撮像系10と第2撮像系50の相対位置は、校正時と同じであることが好ましい。したがって、第1撮像系10と第2撮像系50とは、同じ系、例えば、同じ架台等に設置される。
次に、第1撮像系10、第2撮像系50及び制御装置90の各構成を説明する。
<第1撮像系>
図2は、第1撮像系10を説明するための図である。図2に示すように、第1撮像系1
0は、測定対象物Wの測定面の三次元形状(表面形状)の測定を行うため、光学ヘッド12と、駆動部16と、エンコーダ18と、ステージ70と、ステージ駆動部74とを備える。ステージ70は光学ヘッド12に対しZ方向下側に配置されている。
光学ヘッド12は、図1に示すようにマイケルソン型の白色干渉顕微鏡で構成される。
光学ヘッド12は、カメラ14と、光源部26と、ビームスプリッタ28と、干渉対物レンズ30と、結像レンズ32と、を備える。
干渉対物レンズ30と、ビームスプリッタ28と、結像レンズ32と、カメラ14とが、測定対象物WからZ方向上方側に沿って、この順で配置されている。また、ビームスプリッタ28に対してX方向(Y方向でも可)に対向する位置に光源部26が配置される。
光源部26は、制御装置90の制御の下、ビームスプリッタ28に向けて平行光束の白色光(可干渉性の少ない低コヒーレンス光)を、測定光L1として出射する。この光源部26は、図示は省略するが、発光ダイオード、半導体レーザ、ハロゲンランプ、及び高輝度放電ランプなどの測定光L1を出射可能な光源と、この光源から出射された測定光L1を平行光束に変換するコレクタレンズと、を備える。
ビームスプリッタ28は、例えばハーフミラーが用いられる。ビームスプリッタ28は、光源部26から入射した測定光L1の一部をZ方向下方側の干渉対物レンズ30に向けて反射する。また、ビームスプリッタ28は、干渉対物レンズ30から入射する後述の合波光L3の一部をZ方向上方側に透過して、この合波光L3を結像レンズ32に向けて出射する。
干渉対物レンズ30は、マイケルソン型であり、対物レンズ30Aと、ビームスプリッタ30Bと、参照面30Cと、を備える。測定対象物WからZ方向上方側に沿ってビームスプリッタ30B及び対物レンズ30Aが順に配置される。また、ビームスプリッタ30Bに対してX方向(Y方向でも可)に対向する位置に参照面30Cが配置される。
対物レンズ30Aは、集光作用を有しており、ビームスプリッタ28から入射した測定光L1を、ビームスプリッタ30Bを通して測定対象物Wに集光させる。
ビームスプリッタ30Bは、例えばハーフミラーが用いられる。ビームスプリッタ30Bは、対物レンズ30Aから入射する測定光L1の一部を参照光L2として分割し、残りの測定光L1を透過して測定対象物Wに出射し且つ参照光L2を参照面30Cに向けて反射する。ビームスプリッタ30Bを透過した測定光L1は、測定対象物Wに照射された後、測定対象物Wにより反射されてビームスプリッタ30Bに戻る。
参照面30Cは、例えば反射ミラーが用いられ、ビームスプリッタ30Bから入射した参照光L2をビームスプリッタ30Bに向けて反射する。この参照面30Cは、不図示の位置調整機構によってX方向の位置を手動調整可能である。これにより、ビームスプリッタ30Bと参照面30Cとの間の参照光L2の光路長を調整することができる。この参照光路長は、ビームスプリッタ30Bと測定対象物Wとの間の測定光L1の光路長と一致(略一致を含む)するように調整される。
ビームスプリッタ30Bは、測定対象物Wから戻る測定光L1と参照面30Cから戻る参照光L2との合波光L3を生成し、この合波光L3をZ方向上方側の対物レンズ30Aに向けて出射する。この合波光L3は、対物レンズ30A及びビームスプリッタ28を透過して結像レンズ32に入射する。白色干渉顕微鏡の場合、合波光L3は干渉縞を含む干
渉光となる。
結像レンズ32は、ビームスプリッタ28から入射した合波光L3をカメラ14の撮像面(図示は省略)に結像させる。具体的には結像レンズ32は、対物レンズ30Aの焦点面上における点を、カメラ14の撮像面上の像点として結像する。
カメラ14は、図示は省略するがCCD(Charge Coupled Device)型又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の撮像素子を備える。カメラ14は、駆動部16により走査されている間、結像レンズ32により撮像面に結像された合波光L3を測定対象物Wの画像として複数の撮像画像を撮像する。
駆動部16は、公知のリニアモータ或いはモータ駆動機構により構成される。駆動部16は、光学ヘッド12を垂直な走査方向(光学ヘッド12の光軸方向)であるZ方向に、測定対象物Wに対して相対的に走査自在に保持する。駆動部16は、制御装置90の制御の下、測定対象物Wに対して光学ヘッド12を、設定された走査速度及び走査方向の範囲で、相対的に移動させる。
なお、駆動部16は、測定対象物Wに対して光学ヘッド12を走査方向に相対的に走査可能であればよく、例えば、測定対象物Wを支持するステージ70を走査方向に走査させてもよい。
ステージ70は、測定対象物Wを支持するステージ面を有する。ステージ面は、X方向及びY方向に略平行な平坦面で構成される。ステージ駆動部74は、公知のリニアモータ或いはモータ駆動機構により構成されており、制御装置90の制御の下、光学ヘッド12に対してステージ70を走査方向に垂直な面内(X方向及びY方向)で相対的に水平移動させる。
エンコーダ18は、測定対象物Wに対する光学ヘッド12の走査方向位置を検出する位置検出センサであり、例えば、光学式リニアエンコーダ(スケールとも称する)が用いられる。光学式リニアエンコーダは、例えば、一定間隔でスリットが形成されたリニアスケールと、リニアスケールを挟んで対向配置された受光素子及び発光素子と、により構成される。
<第2撮像系>
図3は、第2撮像系50を説明するための図である。図3に示すように、第2撮像系50は、2個の単眼のカメラ51及び52を備えており、ステレオカメラを構成する。カメラ51及び52は、CCD型又はCOMS型の撮像素子及びレンズ系を備える。第2撮像系50のカメラ51及び52カメラ52は、第1撮像系10が測定対象物Wを撮像する間、測定対象物W又は治具72を、複数の異なる方向から撮像する。第2撮像系50は撮像したステレオ画像SGを第2撮像画像として制御装置90に出力する。ステレオ画像SGは、カメラ51により撮像された第1ステレオ画像SG1と、カメラ52により撮像された第2ステレオ画像SG2とから構成される。ステレオ画像SGは両眼視差を含むので、ステレオ画像SGに基づいて制御装置90で処理することで立体的な空間における三次元座標を取得することが可能となる。
既述したように、第1撮像系10はカメラ14を備え、第2撮像系50は、カメラ51及び52を備える。しかしながら、カメラ14と、カメラ51及び52とは、第1撮像系10及び第2撮像系50の目的から、その特性が異なる。第1撮像系10は測定対象物Wの微細形状及び粗さを測定するため、カメラ14は空間を弁別できる高い分解能を必要とする。反面、高い分解能を備えるカメラ14の視野は狭くなり、第1撮像系10の撮像中
における測定対象物Wの変位(並進変位及び回転変位)を測定することが難しい。
第2撮像系50は第1撮像系10の撮像中における測定対象物Wの変位(並進変位及び回転変位)を測定するため、カメラ51及び52は、カメラ14に求めれる空間を弁別できるような高い分解能を必要としない。高い分解能を必要としないので、カメラ51及び52の視野は広くなり、第1撮像系10の撮像中における測定対象物Wの変位を検出することが可能となる。
したがって、第1撮像系10と第2撮像系50とは、その目的に応じて特性の異なるカメラを使用している。
<制御装置>
制御装置90は、各種のプロセッサ(Processor)及びメモリ等から構成された演算回路を備える。各種のプロセッサには、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びプログラマブル論理デバイス[例えばSPLD(Simple Programmable Logic Devices)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Arrays)]等が含まれる。なお、制御装置90の各種機能は、1つのプロセッサにより実現されてもよいし、同種または異種の複数のプロセッサで実現されてもよい。
図4は、第1実施形態の表面形状測定装置1における制御装置90の機能ブロック図である。図4に示すように、制御装置90には、第1撮像系10と、第2撮像系50と、操作部91が接続されている。
制御装置90は、第1撮像系制御部100と、演算部102と、第2撮像系制御部104と、変位検出部106と、記憶部108と、制御部110と、補正部112と、校正部114と、測定部116と、を備え、記憶部108から読み出した不図示の制御プログラムを実行することで、それぞれの機能を実現し、処理を実行する。制御部110は制御装置90の全体の処理を制御する。また、記憶部108は、各種プログラム、測定結果などを記憶すると共に、後述する座標系変換情報を記憶する。座標系変換情報は、第2座標系から第1座標系への座標系変換行列である。なお、座標系変換情報は、第2座標系から第1座標系への座標系変換が可能な情報であれば特に限定されず、行列以外の形式であってもよい。例えば、数式やパラメータ表現などであってもよい。
第1撮像系制御部100は、第1撮像系10のカメラ14、駆動部16、光源部26、及びステージ駆動部74を制御して、測定対象物Wに対する複数の第1撮像画像を取得する。具体的には第1撮像系制御部100は、光源部26からの測定光L1の出射を開始させた後、駆動部16を制御して光学ヘッド12をZ方向に走査させる。また、第1撮像系制御部100は、駆動部16が光学ヘッド12をZ方向に走査する間、エンコーダ18による光学ヘッド12のZ方向位置の検出結果に基づき、所定の撮像間隔ごとに、カメラ14に測定対象物Wを撮像させ、制御装置90への第1撮像画像の出力を繰り返し実行させる。
演算部102は、干渉縞が発生している第1撮像画像の画素ごとの輝度値を検出する。そして、演算部102は、各第1撮像画像(カメラ14の撮像素子)の同一座標の画素ごとの輝度値(干渉信号)から、輝度値のエンベロープを比較する。演算部102は、第1撮像画像の同一座標の画素ごとにエンベロープが最大になるZ方向位置を決定することで、同一座標の画素ごとに測定対象物Wの高さ情報を演算し、測定対象物Wの表面形状(三次元形状)を算出する。
第2撮像系制御部104は、第2撮像系50のカメラ51及び52を制御し、第1撮像系10と同期させて、測定対象物Wを撮像し、制御装置90へ、ステレオ画像SGを第2撮像画像として出力する。
変位検出部106は、第2撮像系50の第2撮像画像に基づき、測定対象物Wの上に設定された注目ポイントの変位前の座標(初期位置)と変位後の座標(現在位置)を求め、初期位置に対する現在位置の変位(並進変位及び回転変位)を示す変位行列を算出(検出)する。
ここで、測定対象物Wの上に設定される注目ポイントの設定形態として、(A)測定対象物Wにマーカーを添付しない形態と、(B)測定対象物Wにマーカーを添付する形態と、がある。以下、各形態について説明する。
(A)測定対象物Wにマーカーを添付しない形態
第1撮像系10が測定対象物Wを撮像する際に、測定対象物Wが十分な精度でトラッキングできる特徴点を有する場合、その特徴点が注目ポイントとして設定される。
測定対象物Wにマーカーを添付しない形態では、オプティカルフロー法により、第2撮像系50により撮像された第2撮像画像から測定対象物Wの変位を検出できる。
図5はオプティカルフローを説明するための図である。図5に示すように、オプティカルフローとは、測定対象物W上の各特徴点に対する変位ベクトルである。オプティカルフロー法では、連続する撮像フレーム間で物体の画面上での輝度が変わらないことや、隣接する画素が見ている測定対象物Wの表面が同様の方向に動くといった仮定のもとに、その変位ベクトルを表す二次元ベクトル場を求めることができる。
なお、測定対象物Wの上に特徴点を設定することが難しい場合には、測定対象物Wを載置する治具72に特徴点を設定し、オプティカルフロー法で治具72の変位を検出してもよい。この場合に検出される治具72の変位は、測定対象物Wの変位と同等とみなすことが可能である。
(B)測定対象物Wにマーカーを添付する形態
第1撮像系10が測定対象物Wを撮像する際に、測定対象物Wが十分な精度でトラッキングできる特徴点を有さない場合には、測定対象物Wにマーカーを添付する。測定対象物Wに添付されたマーカーを注目ポイントとして追跡することにより、測定対象物Wの相対的な変位を検出できる。
図6は、マーカーの一例を示す図である。図6の6Aでは、二次元バーコード75がマーカーとして測定対象物Wに添付されている。二次元バーコード75として、例えば、図中の右側に示すQRコード(登録商標)76を使用できる。また、QRコード76に代えて、図中の左側に示すData Matrix(登録商標)77を使用することもできる。
図6の6Bでは、マーカーとして二次元バーコード75が治具72に添付されている。測定対象物Wが小型でマーカーを添付できない場合、二次元バーコード75を治具72に添付することで、測定対象物Wの変位として、治具72の変位を検出してもよい。二次元バーコード75を治具72に添付する形態においても、二次元バーコード75を測定対象物Wに添付する形態(図6の6A)と同様に、QRコード76又はData Matrix77を使用できる。
マーカーの一例として、二次元バーコード75を例示したが、単純な円形等の図形をマ
ーカーとして使用してもよい。測定開始時に認識したマーカーを追跡することができれば、二次元バーコード75であっても、図形であってもよい。
測定対象物Wの上に注目ポイントを設定する形態として、上述した2つの形態(A)、(B)のいずれかの形態が選択されると、変位検出部106は、第2撮像系50の撮像結果に基づき、ステレオカメラ方式により設定された注目ポイントの変位前後の座標(すなわち、注目ポイントの初期位置と現在位置)を求めることで、第1撮像系10のカメラ14の撮像中における測定対象物Wの変位を示す変位行列を算出する。なお、この変位行列は、第2撮像系50の撮像結果に基づいて算出されるものであり、第2座標系に基づいて定められるものであることから、以下では「第2座標系変位行列」という。
ここで、変位検出部106で求められる第2座標系変位行列の導出方法について説明する。
第2撮像系50のカメラ51及び52を使用して得られた、測定対象物Wの上の各注目ポイントの0フレームの変位前の座標(初期位置)をP(0)とし、nフレーム目に測定した際の変位後の座標(現在位置)をP(n)とすると、撮像した第2撮像画像から、P(0)は以下の式(1)で、P(n)は以下の式(2)で表現できる。添え字のiは注目ポイントの位置番号であり、括弧内のnは何フレーム目かを示している。
(0)=[X(0),Y(0),Z(0),1]・・・(1)
(n)=[X(n),Y(n),Z(n),1]・・・(2)
測定対象物Wが0フレーム目からnフレーム目まで変位(並進変位及び回転変位)の量を表現する第2座標系変位行列をM(n)とすると、P(0)及びP(n)は、以下の式(3)で表現できる。
(n)=M(n)P(0)・・・(3)
そのため、4点以上の注目ポイントについて、それぞれ変位前後の座標としてP(0)とP(n)の変化を調べておくことで、以下の式(4)が成り立つ。
[P(n),P(n),…,P(n)]=M(n)[P(0),P(0),…,P(0)]・・・(4)
そして、式(4)をM(n)について解くことにより、測定対象物Wの変位(並進変位及び回転変位)の量を表現する第2座標系変位行列M(n)を求めることができる。
以上のような導出方法を利用して、変位検出部106は、第2撮像系50のカメラ51及び52を使用して得られた、測定対象物Wに設定した4点以上の注目ポイントの変位前後の座標(初期位置と現在位置)を求め、その求めた結果から、測定対象物Wの変位(並進変位及び回転変位)の量を表現する第2座標系変位行列M(n)を算出(検出)する。なお、変位検出部106で算出される第2座標系変位行列M(n)は、第2撮像系50の第2座標系に基づくものである。
補正部112は、変位検出部106が算出した第2座標系変位行列M(n)を用いて、演算部102が算出した測定対象物Wの表面形状を補正する。
補正部112は、記憶部108に記憶されている座標系変換行列Mct(座標系変換情報)を取得する。座標系変換行列Mctは、第2撮像系50の第2座標系を第1撮像系10の第1座標系に変換するための行列である。なお、座標系変換行列Mctは、事前準備の校正により取得されたものであり、測定対象物Wの測定時には記憶部108に記憶されている。なお、座標系変換行列Mctについては後述する。
補正部112は、補正後の座標群をPとすると、測定対象物Wの表面の座標群P(n)と、変位検出部106が検出した第2座標系変位行列M(n)と、座標系変換行列Mctとから、以下の式(5)により補正後の座標群Pを算出する。ここで、座標群P(n)は第1撮像系10が撮像したNフレーム目の撮像画像から演算部102により算出された測定対象物Wの表面の座標群である。
=Mct(n)P(n)・・・(5)
このようにして補正部112で算出された補正後の座標群Pは、第1撮像系10の撮像中に測定対象物Wに生じた変位(並進変位及び回転変位)による誤差が補正されたものとなる。
<表面形状測定方法>
次に、上記のように構成された表面形状測定装置1を用いて行われる表面形状測定方法について説明する。図7は、表面形状測定方法の一例を示すフローチャート図である。図7に示した表面形状測定方法は、主として、事前準備工程(ステップS1~ステップS7)と、測定工程(ステップS8~ステップS14)とに大別される。以下、各工程について説明する。
<事前準備工程>
本実施形態における表面形状測定方法では、測定工程が行われる前に事前準備工程が行われる。事前準備工程では、第2撮像系50の第2座標系を第1撮像系10の第1座標系に変換するため座標系変換情報(座標系変換行列Mct)を取得するための校正作業が行われる。
図8は、事前準備工程で行われる校正作業について説明するための図である。図8に示すように、校正作業を行う場合には、測定対象物Wの代わりに校正ターゲット80を設置する(ステップS1:校正ターゲット設置工程)。本例における校正ターゲット80には、Z方向上向きの面(第1撮像系10に対向する被測定面)に4つの半球82が設けられると共に、側面(第2撮像系50に対向する面)にはQRコード84が添付されている。4つの半球82は第1撮像系10の校正用であり、QRコード84は第2撮像系50の校正用である。
次に、測定対象物Wの測定時と同様にして、校正ターゲット80に対する測定を行う(ステップS2:校正ターゲット測定工程)。具体的には、校正部114は、第1撮像系制御部100を制御して、校正ターゲット80に対して垂直方向に相対的に走査しながら所定の撮像間隔ごとに校正ターゲット80を第1撮像系10により撮像すると共に、第2撮像系制御部104を制御して、第1撮像系10と同期しながら、校正ターゲット80を第2撮像系50により撮像する。
次に、校正部114は、校正ターゲット80に対する測定回数が2回目か否かを判断する(ステップ3:校正ターゲット判断工程)。校正ターゲット80に対する測定回数が1回目の場合(ステップS3においてNoの場合)、ステップS2からステップS3までの処理を繰り返す。一方、校正ターゲット80に対する測定回数が2回目の場合(ステップS3においてYesの場合)、次のステップS4に進む。なお、本例では校正ターゲット80に対する測定は2回繰り返し行われるが、3回以上繰り返し行われてもかまわない。ユーザは校正ターゲット判断工程における測定回数を任意(2回以上)に設定できる。
なお、ステップS2が実施されている間(すなわち、校正ターゲット80に対する測定が行われる間)は、校正ターゲット80には並進変位と回転変位とがともに生じているも
のとする。
次に、校正部114は、演算部102を制御して、第1撮像系10の撮像結果に基づき、校正ターゲット80に予め定められた4つの校正基準位置(三次元座標)を算出して記憶する(ステップS4:第1撮像系校正基準位置算出工程)。本例では、上述したように校正ターゲット80には4つの半球82が形成されており、校正部114は、4つの校正基準位置c(n)として、4つの半球82の各中心座標位置を測定回数毎に求める。なお、「c(n)」の添え字のiは校正基準位置の番号(1~4)を示し、括弧内のnは測定回数(1~2)を示している。
ここで、1回目の測定で得られた各校正基準位置の三次元座標をc(0)とし、2回目の測定で得られた各校正基準位置の三次元座標をc(1)とした場合、以下の式(6)が成り立つ。
[c(1),c(1),c(1),c(1)]=M[c(0),c(0),c(0),c(0)]・・・(6)
は、第1撮像系10が固有で持つ第1座標系内での変位(並進変位及び回転変位)を表現する変位行列(以下、「第1座標系変位行列」という。)である。すなわち、この第1座標系変位行列Mは、1回目の測定と2回目の測定との間に校正ターゲット80が変位した場合に、1回目の測定で得られた第1撮像系10の座標値と、2回目の測定で得られた第1撮像系10の座標値との相関関係を示す行列である。
校正部114は、上記のように1回目と2回目の測定で得られた各校正基準位置の三次元座標により定められる式(6)をMについて解くことにより、第1座標系内での変位(並進変位及び回転変位)を表現する第1座標系変位行列としてMを求める。
次に、校正部114は、変位検出部106を制御して、第2撮像系50の撮像結果に基づき、校正ターゲット80に予め定められた複数の校正基準位置(三次元座標)を算出して記憶する(ステップS5:第2撮像系校正基準位置算出工程)
本例では、上述したように校正ターゲット80の側面にはQRコード84が形成されており、校正部114は、校正基準位置として、QRコード84により定められる4つの校正基準位置d(n)を測定回数毎に求める。なお、「d(n)」の添え字のiは校正基準位置の番号(1~4)を示し、括弧内のnは測定回数(1~2)を示している。
ここで、1回目の測定で得られた各校正基準位置の三次元座標をd(0)とし、2回目の測定で得られた各校正基準位置の三次元座標をd(1)とした場合、以下の式(7)が成り立つ。
[d(1),d(1),d(1),d(1)]=M[d(0),d(0),d(0),d(0)]・・・(7)
は、第2撮像系50が固有で持つ第2座標系内での変位(並進変位及び回転変位)を表現する第2座標系変位行列である。すなわち、この第2座標系変位行列Mは、1回目の測定と2回目の測定との間に校正ターゲット80が変位した場合に、1回目の測定で得られた第2撮像系50の座標値と、2回目の測定で得られた第2撮像系50の座標値との相関関係を示す行列である。
校正部114は、上記のように1回目と2回目の測定で得られた各校正基準位置の三次元座標により定められる式(7)をMについて解くことにより、第2撮像系50内での変位(並進変位及び回転変位)を表現する第2座標系変位行列としてMを求める。
このようにして求められた第1座標系変位行列Mと第2座標系変位行列Mとは同じ校正ターゲット80を異なる座標系で見たときの変位行列であることから、以下の式(8)が成り立つ。
=Mct・・・(8)
ここで、Mctは、第2撮像系50の第2座標系を第1撮像系10の第1座標系に変換するための変換行列である。すなわち、この座標系変換行列Mctを用いることで、後述するように(式(9)参照)、第2撮像系50で得られた測定対象物Wの変位(並進変位及び回転変位)を第2座標系から第1座標系に変換することが可能となる。
校正部114は、式(8)から座標系変換行列Mctを求め、その結果を記憶部108に記憶する(ステップS6:変換行列算出工程、ステップS7:変換行列記憶工程)。
以上のようにして事前準備工程が終了する。なお、既に、校正部114により座標系変換行列Mctが求められ、その結果が記憶部108に記憶されている場合には、必ずしも事前準備工程を行わなくてもよい。すなわち、前回の校正作業が行われてから第1撮像系10と第2撮像系50の相対位置が変わらない場合(例えば、後述の測定工程が続けて行われる場合など)、座標系変換行列Mctは一定に保たれるため、上述の校正作業を省略することが可能であり、測定が行われる度に校正作業を行う必要はない。
<測定工程>
図1に示すように、測定対象物Wを表面形状測定装置1の測定位置に設置する(ステップS8:測定対象物設置工程)。なお、測定対象物Wは測定対象物Wにマーカーを添付しない形態でも、マーカーを添付する形態のいずれでもよい。また、測定対象物Wは治具72に載置されても、載置されていなくてもよい。
次に、設置された測定対象物Wに対する測定を行う(ステップS9:測定対象物測定工程)。具体的には、測定部116は、第1撮像系制御部100を制御して、測定対象物Wに対して垂直方向に相対的に走査しながら所定の撮像間隔ごとに測定対象物Wを第1撮像系10により撮像すると共に、第2撮像系制御部104を制御して、第1撮像系10と同期しながら、測定対象物Wを第2撮像系50により撮像する。
次に、演算部102は、測定対象物Wの表面形状を算出する(ステップS10:表面形状算出工程)。具体的には、演算部102は、第1撮像系10の撮像結果から測定対象物Wの測定面の三次元形状(表面形状)の測定し、測定対象物Wの表面の座標群P(n)を算出する。
次に、変位検出部106は、第2撮像系50の撮像結果から第2座標系変位行列M(n)を算出する(ステップS11:第2座標系変位行列算出工程)。具体的には、変位検出部106は、式(1)から式(4)に基づいて、第2座標系変位行列M(n)を算出する。
次に、補正部112は、座標系変換行列Mctを記憶部108から取得する(ステップS12:座標系変換行列取得工程)。座標系変換行列Mctは事前準備工程で取得され、記憶部108に記憶されている。
次に、補正部112は、座標系変換行列Mctと第2座標系変位行列M(n)から、第1座標系変位行列M(n)を算出する(ステップS13:第1座標系変位行列算出工程)。具体的には、補正部112は、以下の式(9)から第1座標系変位行列M(n)を算出する。
=Mct・・・(9)
次に、補正部112は、第1座標系変位行列M(n)を用いて測定対象物の表面形状を補正する(ステップS14:補正工程)。具体的には、補正部112は、補正後の座標群Pを座標群P(n)と第1座標系変位行列M(n)とから以下の式(10)により算出する。補正後の座標群Pを算出できれば処理を終了する。
=M(n)P(n)・・・(10)
本実施形態では、第1撮像系10が撮像した第1撮像画像から演算した測定対象物Wの表面形状を、第1撮像系10とは別体の第2撮像系50が撮像した第2撮像画像に基づいて検出した測定対象物Wの変位と、第2撮像系50の第2座標系を第1撮像系10の第1座標系に変換するための座標系変換情報とから補正するので、精度の高い表面形状の測定ができる。
<第2実施形態>
第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の作用を奏する部分には、同一の符号を付することによりその部分の詳細な説明を省略し、主に他の実施形態と異なる点を説明する
図9は、測定対象物Wの表面形状を測定する表面形状測定装置2の概略図である。なお、第2実施形態の表面形状測定装置2は、第1実施形態の表面形状測定装置1とは、第2撮像系50の構成が異なる。第2実施形態の第2撮像系50は、1台のカメラ53(単眼のカメラ)で構成され、撮像指示により一枚の画像Gを第2撮像画像として撮像し、制御装置90に出力する。第2実施形態は、設置のスペースの制限によっては1台のカメラを備えた構成しか選択できない場合に、特に有用である。また、第1実施形態と第2実施形態とでは、変位検出部106の処理が異なっている。
第2実施形態の第1撮像系10及び演算部102は第1実施形態と同様である。第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、測定対象物Wの上に注目ポイントを設定する形態として、測定対象物Wにマーカーを添付する形態と、測定対象物Wにマーカーを添付しない形態と、を選択できる。
変位検出部106は、第2実施形態では、例えば、以下の手順で変位(並進変位と回転変位)を検出する。
第2撮像系50のカメラ53を使用して得られた、測定対象物Wの上の各注目ポイントの0フレームの変位前の座標(初期位置)をp(0)とし、nフレーム目に測定した際の変位後の座標(現在位置)をp(n)とすると、第2撮像系50のカメラ53が撮像した第2撮像画像から、p(0)は以下の式(11)で、p(n)は以下の式(12)で表現できる。添え字のiは注目ポイントの位置番号であり、括弧内のnは何フレーム目かを示している。
(0)=[x(0),y(0),1]・・・(11)
(n)=[x(n),y(n),1]・・・(12)
変位前の座標p(0)及び変位後の座標p(n)は、1台のカメラ53で撮像された画像(第2撮像画像)の画像内での二次元座標として取得される。そのため、第1実施形態とは異なり以下の処理が必要となる。
まず三次元空間の点P(n)をカメラ53が撮像して二次元の画像上の点p(n)に投影する場合を考える。三次元空間のP(n)を二次元のp(n)に投影する行列
をA[R(n)|t(n)]とすると、P(n)及びp(n)に関して以下の式(13)が成り立つ。
(n)=A[R(n)|t(n)]P(n)・・・(13)
ここで、Aは内部パラメータ又はカメラ行列と呼ばれ、レンズの焦点距離や撮像素子のピクセル数に依存した固有の3×3の行列である。R(n)は回転変位を表す3×3の行列であり、t(n)は並進変位を表す3×1のベクトルである。ここで、[R(n)|t(n)]は三次元空間上での回転変位と並進変位を表現する3×4の回転並進行列となる。
カメラ行列Aは、一般的に以下の式(14)で示され、三次元空間から二次元への写像を表現する。
Figure 2023143276000002
また、R(n)はθ等を用いて表現すると、一般化して以下の式(15)のように各軸周りの回転行列の積となる。
R(n)=R(α)R(β)R(γ)・・・(15)
(α)、R(β)及びR(γ)のそれぞれの角度をθとすると、以下の式(16)で表現できる。
Figure 2023143276000003
また、t(n)は並進変位を表す3×1のベクトルであるので以下の式(17)で表現できる。
t(n)=[x,y,z]・・・(17)
したがって、式(13)は、三次元空間上の点を二次元へ写像する行列となる。
次に、測定対象物Wにマーカーを添付する形態と測定対象物Wにマーカーを添付しない形態とについて、それぞれ説明する。
まず、測定対象物Wにマーカーを添付する形態について説明する。カメラ行列Aは既知のカメラキャリブレーションと呼ばれる方法で事前に求めることができる。そのため、マーカーを用いる場合は、三次元空間のP(n)及び二次元のp(n)は既知の値となる。その結果、式(13)において、未知数はR(n)及びt(n)となり、以下の式(18)が成り立つ。
-1[p(n),p(n),…,p(n)]=[R(n)|t(n)][P(n),P(n),…,P(n)]・・・(18)
そして、式(18)をR(n)|t(n)]について解くことにより、回転並進行列[R(n)|t(n)]を求めることができる。
次に、測定対象物Wにマーカーを添付しない形態について説明する。マーカーを用いない形態の場合には、式(13)において、未知数はR(n)及びt(n)に加えて、P(n)も未知数として含まれるため、式(13)を直接解くことができない。その結果、回転並進行列[R(n)|t(n)]を直接求めることができない。
そこで、バンドル調整方式を適用することで、n=0からの相対的なR(n)、t(n)及びP(n)を求める。なお、バンドル調整方式は既知の技術(岩元祐輝, 菅谷保之, 金谷健一. “3 次元復元のためのバンドル調整の実装と評価.” コンピュータビジョンとイメージメディア (CVIM) 2011.19 (2011): 1-8.)として存在する。
測定対象物Wにマーカーを添付する形態及び測定対象物Wにマーカーを添付しない形態のいずれにおいても、回転並進行列[R(n)|t(n)]を求めることができる。そして、上述の方法により得られた回転並進行列[R(n)|t(n)]を用いて、変位検出部106は、測定対象物Wの変位(並進変位及び回転変位)として、以下の式(19)により、第2座標系変位行列M(n)を算出(検出)する。
(n)=[R(n)|t(n);0|1]-1・・・(19)
第1実施形態と同様に、補正部112は、変位検出部106が算出した第2座標系変位行列M(n)と、記憶部108に記憶されている座標系変換行列Mctとを用いて、演算部102が算出した測定対象物Wの表面形状を補正する。具体的には、補正部112は、以下の式(20)により、測定対象物Wの表面の座標群P(n)に対して補正後の座標群Pを算出する。
=Mct(n)P(n)・・・(20)
第2実施形態でも、第1実施形態と同様に事前準備工程が実施される。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、事前準備工程では図9に示す表面形状測定装置2が適用される。
第2撮像系50が1台のカメラ53で構成される第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1撮像系10が撮像した第1撮像画像から演算した測定対象物Wの表面形状を、第1撮像系10とは別体の第2撮像系50が撮像した第2撮像画像に基づいて検出した測定対象物Wの変位と、第2撮像系50の第2座標系を第1撮像系10の第1座標系に変換するための座標系変換情報とから補正するので、精度の高い表面形状の測定ができる。
なお、第1撮像系10の光学ヘッド12がマイケルソン型の白色干渉顕微鏡である場合を説明したが、ミラウ型の白色干渉顕微鏡であっても、リニック型の白色干渉顕微鏡であってもよい。また光学ヘッド12はレーザ共焦点方式、又は合焦点方式のいずれかの方式の顕微鏡、であってもよい。
1…表面形状測定装置、2…表面形状測定装置、10…第1撮像系、12…光学ヘッド、14…カメラ、16…駆動部、18…エンコーダ、26…光源部、28…ビームスプリッタ、30…干渉対物レンズ、30A…対物レンズ、30B…ビームスプリッタ、30C…参照面、32…結像レンズ、50…第2撮像系、51、52、53…カメラ、70…ステージ、72…治具、74…ステージ駆動部、75…二次元バーコード、76…QRコード、77…Data Matrix、80…校正ターゲット、82…半球、84…QRコード、90…制御装置、91…操作部、92…表示部、100…第1撮像系制御部、102…演算部、104…第2撮像系制御部、106…変位検出部、108…記憶部、110…制御部、112…補正部、114…校正部、116…測定部、W…測定対象物

Claims (9)

  1. 測定対象物の表面形状を測定する表面形状測定装置において、
    前記測定対象物に対して垂直方向に相対的に走査しながら所定の撮像間隔ごとに前記測定対象物を撮像する第1撮像系と、
    前記第1撮像系とは別体であり、前記第1撮像系と同期して前記測定対象物又は前記測定対象物の支持物を撮像する第2撮像系と、
    前記第1撮像系が撮像した複数の第1撮像画像に基づき、前記測定対象物の表面形状を算出する演算部と、
    前記第2撮像系の第2座標系を前記第1撮像系の第1座標系に変換するための座標系変換情報を記憶する記憶部と、
    前記第2撮像系が撮像した複数の第2撮像画像に基づき、前記第1撮像系の撮像中における前記測定対象物の変位を検出する変位検出部と、
    前記変位検出部の検出結果と前記座標系変換情報とに基づき、前記演算部が算出した前記表面形状を補正する補正部と、
    を備える、表面形状測定装置。
  2. 前記座標系変換情報は、前記第2座標系を前記第1座標系に変換する変換行列である、
    請求項1に記載の表面形状測定装置。
  3. 校正ターゲットに対して前記第1撮像系及び前記第2撮像系が撮像した結果から前記座標系変換情報を取得する校正部を備える、
    請求項1又は2に記載の表面形状測定装置。
  4. 前記第2撮像系が、単眼のカメラを備え、前記変位検出部はバンドル調整方式により前記測定対象物の変位を検出する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の表面形状測定装置。
  5. 前記第2撮像系が、複眼のカメラを備え、前記変位検出部はステレオカメラ方式により前記測定対象物の変位を検出する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の表面形状測定装置。
  6. 前記測定対象物又は前記測定対象物の支持物にマーカーが添付されている場合、前記変位検出部は前記マーカーを追跡することで前記測定対象物の変位を検出する、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の表面形状測定装置。
  7. 前記測定対象物又は前記測定対象物の支持物にマーカーが添付されていない場合、前記変位検出部は、前記測定対象物又は前記測定対象物の支持物に設定された特徴点を追跡することで前記測定対象物の変位を検出する、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の表面形状測定装置。
  8. 前記第1撮像系は白色干渉方式、レーザ共焦点方式、又は合焦点方式のいずれかの方式の顕微鏡、である、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の表面形状測定装置。
  9. 第1撮像系を測定対象物に対して垂直方向に相対的に走査しながら所定の撮像間隔ごとに前記測定対象物を撮像すると第1撮像工程と、
    前記第1撮像系とは別体の第2撮像系で、前記第1撮像系と同期して前記測定対象物又は前記測定対象物の支持物を撮像する第2撮像工程と、
    前記第1撮像工程で撮像された複数の第1撮像画像に基づき、前記測定対象物の表面形
    状を算出する演算工程と、
    前記第2撮像系が撮像した複数の第2撮像画像に基づき、前記第1撮像系の撮像中における前記測定対象物の変位を検出する変位検出工程と、
    前記変位検出工程の検出結果と、前記第2撮像系の第2座標系を前記第1撮像系の第1座標系に変換するための座標系変換情報とに基づき、前記演算工程が算出した前記表面形状を補正する補正工程と、
    を備える、表面形状測定方法。
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