JP2023142880A - 熱可塑性樹脂成型体及び包装材 - Google Patents

熱可塑性樹脂成型体及び包装材 Download PDF

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Abstract

【課題】包装材に必要な酸素バリア性を有し、多層構成を配した包装材構成においてヒートシール性を阻害しないバリア層とヒートシール層の層間剥離強度を保つ事が可能な熱可塑性樹脂成型体を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂成型体1は、水蒸気バリア性を有する樹脂(A)及び酸素バリア性を有する樹脂(B)を含み、樹脂(B)が樹脂(A)の中に島として存在して分散相を形成する酸素バリア層7を有し、分散相におけるアスペクト比の存在状態は、成形方向及び幅方向の任意の厚み断面における、分散層の各アスペクト比Aiの面積をSiとしたときのアスペクト比の合計Saと、観測範囲の分散層合計の面積Ssとから導かれる面積平均アスペクト(Aav=Sa/Ss)が酸素バリア層7の表層領域では1以上10以下、中央領域では5以上40以下であり、酸素バリア層7の厚みは20μm以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、本発明は、バリア性を有する熱可塑性樹脂成型体及び包装材に関する。
包装材(包装フィルムや包装体、容器)には内容物保護の観点から、ガスバリア性に優れた各種の樹脂フィルムや樹脂成型体が用いられている。包装材に一般的に用いられる材料としてはポリエチレン(以下「PE」)、ポリプロピレン(以下「PP」)等のオレフィン系樹脂を主体とした材料構成であり、これらオレフィン系樹脂は水蒸気に対してのバリア性に優れるが、酸素に対してのバリア性に劣る。一方、例えばエチレン-ビニルアルコール共重合体(以下「EVOH」)等の親水性樹脂では、酸素に対するバリア性に優れており、水蒸気に対しバリア性に劣る。
包装材として求められる特性として、ヒートシール性がありヒートシール性を一般的に得るためには、表層の樹脂がヒートシール性を阻害しない樹脂、および層構成にする必要がある。
包装材として求められるバリア性として、酸素バリア性と、水蒸気バリア性の両立が挙げられるが、従来は酸素バリア性を有する樹脂、水蒸気バリア性を有する樹脂を複数積層することで、酸素及び水蒸気を両立するバリア性を得る。またヒートシール性に特化した層を表面に配置する事で包装材に必要な特性を得てきた。
特許文献1、2,3においては、バリア性分散剤の海島構造形成によりバリア性を得る技術が開示されている。また特許文献4では、積層によりバリア性とヒートシール性を両立する技術が開示されている。
特開2003-146332号公報 特許第4165055号公報 特許第4003432号公報 特開平10-080984号公報
しかし、バリア性分散材を海島構造とする場合には、バリア性およびヒートシール層間の密着性(剥離強度)を得るためには、適切な形状を選択する必要がある。積層によるバリア性を両立する場合、積層フィルム各々に間に接着性、及び製造工程の複雑化する問題がある。
また、表層にPEやPP等のポリオレフィン樹脂、中間層にEVOH、MXDナイロンに複合材として酸変性等の相溶化剤を組成する場合も、積層フィルムの各々の層間の接着性、及び製造工程が複雑化する問題がある。
また、酸素バリア性を得る為に、酸素バリア性を有する材料と水蒸気バリア性を有する材料の混合では、単純に混ぜ合わせた溶融ブレンドでは、酸素バリア性が十分に得られない、酸素バリア性を有する材料がヒートシール性を阻害する問題がある。また、酸素バリア性を有する材料と水蒸気バリア性を有する材料の混合による、酸素バリア性を有する層とヒートシール性を有する層を積層した多層構造をとる場合、層界面の剥離強度不足によりヒートシール性を阻害する問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、酸素バリア性に優れた材料を水蒸気バリア性に優れた材料に分散させ、かつ分散相を酸素バリア層内の深さ方向で存在状態を制御することで、ヒートシール層/酸素バリア層と2層以上の多層構造を構成した場合でも、酸素バリア性に優れ、かつ包装体に必要なヒートシール性を得るために、酸素バリア層/ヒートシール層界面の剥離強度を向上させる事を特徴とした熱可塑性樹脂成型体、及びこれを用いた包装材を提供する事を目的とする。
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る熱可塑性樹脂成型体は、少なくとも酸素バリア性を有する酸素バリア層を含む多層構造をなし、
前記酸素バリア層が、水蒸気バリア性を有する樹脂(A)、及び酸素バリア性を有する樹脂(B)を含み、
前記酸素バリア性を有する樹脂が、前記水蒸気バリア性を有する樹脂の中に島として存在して分散相を形成し、
前記分散相は、前記酸素バリア層の厚み方向の深度により分布した分散相アスペクト比(長軸長さ/短軸長さ)の存在状態が異なり、
前記分散相アスペクト比の存在状態は、成形方向及び幅方向の任意の厚み断面における、分散層の各アスペクト比Aiの面積をSiとし、
観測範囲のn個の(n=観測範囲内の分散相個数)分散相の各面積により重み付されたアスペクト比の合計Saが下記式(1)で定義され、
観測範囲の分散層合計の面積Ssが下記式(2)で定義され、
Aav=Sa/Ssで定義された面積平均アスペクトAavが、
前記酸素バリア層の表層領域では1以上10以下、中央領域では5以上40以下であり、
前記酸素バリア層の厚みは20μm以上であることを要旨とする。
Figure 2023142880000002
Figure 2023142880000003
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る包装材は、上記熱可塑性樹脂成型体は、熱可塑性樹脂成型体を用いてなることを要旨とする。
本開示の一態様に係る熱可塑性樹脂成型体及びこれを用いた包装材であれば、ヒートシール層/酸素バリア層と機能分担した多層構造を配した場合において、酸素バリア性を有するエチレン-ビニルアルコール共重合体の厚み方向での分散存在状態を制御することにより、包装材に必要な酸素バリア性を有し、かつ包装材に必要なヒートシール性を発現するために必要な酸素バリア層と接地境界面を有する層との剥離強度を改善できる、熱可塑性樹脂成型体、及びこれを用いた包装材を提供できる。
本実施形態に係る熱可塑性樹脂成型体の一構成例を模式的に示す概略図である。 本実施形態に係る熱可塑性樹脂成型体の一構成例を模式的に示す断面図である。
本開示の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
以下、本発明について詳細に記述する。なお、図面に示す構成は模式的なものであり、各部の大きさや形状等は理解を容易にするため適宜誇張して示している。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに限定されるものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本実施形態に係る熱可塑性樹脂成型体の基本構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る熱可塑性樹脂成型体1の一構成例を説明するための概略図である。
熱可塑性樹脂成型体1は、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂(A)から成るヒートシール性を有する樹脂層(ヒートシール層6)、水蒸気バリア性を有する樹脂、官能基を有する樹脂、および酸素バリア性を有する樹脂層3から構成される。特に、本実施形態における熱可塑性樹脂成型体1における酸素バリア層7は、水蒸気バリア性を有するポリオレフィン系熱可塑性樹脂(A)と、オレフィンと官能基含有単量体との共重合体(C)と、酸素バリア性を有するエチレン-ビニルアルコール共重合体(B)とを備えている。図1に示すように、酸素バリア層7はオレフィンと官能基含有単量体との共重合体(C)4がエチレン-ビニルアルコール共重合体(B)5を包み込んだコアシェル構造体が、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂(A)を含む連続相3の中に島として存在する。
熱可塑性樹脂成型体1には、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂(A)、オレフィンと官能基含有単量体との共重合体(C)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(B)以外に、造核剤及び補強フィラー等の添加剤を使用してもよい。造核剤及び補強フィラーとしては、タルク、シリカ、クレー、モンモリロナイト、炭酸カルシウム、炭酸リチウムアルミナ、酸化チタン、アルミニウム、鉄、銀、銅等の金属、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、セルロースミクロフィブリル、酢酸セルロース等のセルロース類、ガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ナイロン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリアクリレート繊維等の繊維状フィラー、カーボンナノチューブ等のカーボン類等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、熱可塑性樹脂成型体1には、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤等の添加剤を配合してもよい。酸化防止剤としては、フェノール系化合物、有機ホスファイト系化合物、チオエーテル系化合物等が挙げられる。熱安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾエート系化合物等が挙げられる。帯電防止剤としては、ノニオン系化合物、カチオン系化合物、アニオン系化合物等が挙げられる。難燃剤としては、ハロゲン系化合物、リン系化合物、窒素系化合物、無機化合物、ホウ素系化合物、シリコーン系化合物、硫黄系化合物、赤リン系化合物等が挙げられる。難燃助剤としては、アンチモン化合物、亜鉛化合物、ビスマス化合物、水酸化マグネシウム、粘土質珪酸塩等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
他にも、熱可塑性樹脂成型体1には、耐候剤、光安定剤、可塑剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、分散剤、銅害防止剤、中和剤、気泡防止剤、ウェルド強度改良剤、天然油、合成油、ワックス等の添加材を用いても良い。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂成型体1は、2層構成で用いられるだけでなく、他種樹脂成型体との積層体として使用されても良い。
(連続相)
連続相3は、水蒸気バリア性を有する樹脂を含み構成される。連続相3の主材料としては、熱可塑性樹脂成型体1が340℃まで加温可能な押出成形機により製膜されるため、一般的な熱可塑性樹脂であれば使用することが可能であるが、包装材料として好適に使用されるためには適度な柔軟性を持ちならびに加工性が良い必要がある。本実施形態において、連続相3は、水蒸気バリア性に優れたポリオレフィン系熱可塑性樹脂(A)を主材料としている。
〈ポリオレフィン系熱可塑性樹脂〉
ポリオレフィン系熱可塑性樹脂(A)は、オレフィン由来の構成単位を有するポリマーであれば良く、オレフィンをベースとした、低密度ポリエチレン(LDPE)、α-オレフィンとエチレンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー等を持つポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンとオレフィンを共重合したシクロオレフィンコポリマー及び、上記オレフィンと酢酸ビニルを共重合して得られるエチレン-酢酸ビニルコポリマーやオレフィンの側鎖を変性して得られる、エチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン-ブチルアクリレート共重合体(EBA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)等のうち単体並びに複数を選択し適宜使用することが可能である。
(ヒートシール層)
ヒートシール層6には、前記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂(A)のうち単体並びに複数を選択し適宜使用することが可能である。
(酸素バリア層)
ポリオレフィン系熱可塑性樹脂(A)の配合割合は、熱可塑性樹脂成型体1全体の質量に対して40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂(A)は、オレフィンと官能基含有単量体との共重合体(C)との合計が50質量%以上となることがさらに好ましい。ポリオレフィン系熱可塑性樹脂(A)の配合割合が85質量%以下である場合、エチレン-ビニルアルコール共重合体(B)の配合量を十分に確保し、バリア性を向上させることができる。エチレン-ビニルアルコール共重合体(B)の割合が50質量%以上となった場合、いわゆる海島構造の海と島が逆転する。すなわち、EVOHが連続相となり水蒸気を吸収し易くなり、一般的に水蒸気を吸収したEVOHは酸素バリア性が低下するため、この海島逆転現象を避ける必要がある。
(酸素バリア層-分散相)
図1に示すように、分散相2は、連続相3の中に分散するように存在している。
分散相の島は表層領域において、面積平均アスペクトが1以上10以下、中央領域で5以上25以下のアスペクトで分散している。また、表層領域の厚みは酸素バリア層全体の5%以上、25%以下、中央領域の厚みは酸素バリア層全体で75%以上、95%以下となる。
また、分散相2は酸素バリア性を有する樹脂及び官能基を有する樹脂を備えている。本実施形態において分散相2は、酸素バリア性に優れたエチレン-ビニルアルコール共重合体(B)単体と、オレフィンと官能基含有単量体との共重合体(C)とを含み構成されるコアシェル構造を取っても良い。図1に示すように、分散相2は、オレフィンと官能基含有単量体との共重合体(B)がエチレン-ビニルアルコール共重合体(C)を包み込んだコアシェル構造体、もしくはコアのみの構造となる。
〈オレフィンと官能基含有単量体との共重合体〉
オレフィンと官能基含有単量体との共重合体(C)は、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂(A)と後述するエチレン-ビニルアルコール共重合体(B)とが非相溶系の材料となるため、混合時に2種ポリマー間の界面張力を低下させ、相分離構造を安定化させる。オレフィンと官能基含有単量体との共重合体(C)は、連続相3を構成するポリオレフィン系熱可塑性樹脂(A)とは異なる樹脂であって、エチレン-ビニルアルコール共重合体(B)と結合し得る反応基が付与された分子構造からなる共重合体熱可塑性樹脂であり、化学的相性が悪いオレフィン系樹脂とエチレン-ビニルアルコール共重合体の親和性を向上させる役目を担う相溶化剤として機能する。相溶化剤として機能する熱可塑性樹脂としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)エチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン-ブチルアクリレート共重合体(EBA)エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、マレイン酸変性ポリオレフィン(以下「PO-g-MAH」)等が挙げられる。なお、本実施形態においては、官能基を有する樹脂としてオレフィンと官能基含有単量体との共重合体(C)を使用しているがこれに限られない。例えば、官能基を有する樹脂として、水酸基やカルボニル基等を有する樹脂を使用することができる。
酸素バリア層7におけるオレフィンと官能基含有単量体との共重合体(C)の配合割合、すなわちオレフィンと官能基含有単量体との共重合体(C)の含有量は、熱可塑性樹脂成型体1全体の質量に対して0.5質量%以上15質量%以下であることが好ましい。オレフィンと官能基含有単量体との共重合体(C)の配合割合が0.5質量%以上である場合、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂(A)とエチレン-ビニルアルコール共重合体(B)との間に存在しポリオレフィン系熱可塑性樹脂(A)との界面張力を下げ、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂(A)とエチレン-ビニルアルコール共重合体(B)との間におけるデラミネーションの発生を抑制し、バリア性を向上させることができる。オレフィンと官能基含有単量体との共重合体(C)の配合割合が15質量%以下である場合、(B)の分散サイズが小さくなるのを防ぎ、特に酸素バリア層7の中央領域における迷路効果によるバリア性を獲得することにより、酸素バリア性が向上する。
〈エチレン-ビニルアルコール共重合体〉
エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)(B)は、エチレン及び酢酸ビニルのラジカル重合等により得られるエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)を鹸化することにより生成され得る。エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)の酸素バリア性は、よりエチレン含有量の少なさ、または高い加水分解度もしくは鹸化度、高い結晶性により改善され、20~50mol%のエチレン成分比率、90%以上の加水分解度を有するエチレン-ビニルアルコール共重合体の使用が好ましい。
エチレン-ビニルアルコール共重合体(B)の配合割合は、熱可塑性樹脂成型体全体の質量に対して、15質量%以上50質量%以下の範囲が好ましい。エチレン-ビニルアルコール共重合体(B)の配合割合が50質量%以下であれば、連続相において島として分散相を形成することができる。また、15質量%未満であると、分散相の重なりが不十分になりやすくなり、その結果、迷路効果によるバリア性も不十分となる場合がある。
なお、前記酸素バリア性を有する樹脂(B)の質量割合は、前記熱可塑性樹脂成型体全体の質量に対して、15質量%以上40質量%以下の範囲がより好ましい。
分散相2のコアシェル構造体中におけるエチレン-ビニルアルコール共重合体(B)は、図2に示すような酸素バリア層7の成形方向Dm、成形幅方向Dwにおける厚み部分の断面において、酸素バリア層全体厚みの5%以上、25%以下の領域である表層もしくは表裏層領域では、面積平均アスペクトが1以上10以下となる。酸素バリア層全体厚みの75%以上、95%以下の領域である中央領域では、面積平均アスペクトが5以上40以下となる。
Figure 2023142880000004
具体的には、成形方向Dm及び幅方向Dwの任意の厚み断面における、分散層の各アスペクト比Aiの面積をSiとしたとき、
観測範囲のn個の(n=観測範囲内の分散相個数)分散相の各面積により重み付されたアスペクト比の合計Saが下記式(1)で定義され、
観測範囲の分散層合計の面積Ssが下記式(2)で定義され、
Aav=Sa/Ssで定義された面積平均アスペクトAavが、
酸素バリア層7の表層領域では1以上10以下、中央領域では5以上40以下である。
Figure 2023142880000005
Figure 2023142880000006
表層領域におけるエチレン-ビニルアルコール共重合体(B)は、面積平均アスペクトAavが1以上の場合に低いバリア効果が付与され、面積平均アスペクトAavが10以下の場合、ヒートシール層6との界面における剥離強度をヒートシールに必要な強度に保持させる。
中央領域では、面積平均アスペクトが5以上の場合、迷路効果により高いバリア性を獲得することができる。面積平均アスペクトが40を超えると、分散が不十分であり、分散相の個数が減ることで分散相間の距離が非常に大きくなり、有効な迷路構造を形成することが難しくなってくる。面積平均アスペクト5以上、25以下において、安定した迷路構造の形成が可能となる。
表層領域の厚みは、酸素バリア層全体厚みの5%未満の場合は、ヒートシール層界面の剥離強度を落としヒートシール性を阻害する。25%を超える場合、酸素バリア性を阻害する。中央領域の厚みは、75%未満となると十分な酸素バリア性を満たせない。
酸素バリア層7の全体厚みは、20μm以上を超える必要があり、20μm未満の場合は、水蒸気バリア性が不十分となる。
また、表層領域および、中間領域のそれぞれにおける水蒸気バリア性を有する樹脂(A)の含有量が75質量%以上であり、官能基を有する樹脂(C)の含有量が10質量%以下であってもよい。このような構成比とすることによって、水蒸気バリア性を向上させることができる。
(熱可塑性樹脂成型体の製造方法)
本実施形態の熱可塑性樹脂成型体を製作する方法は特に制限されるものではなく、公知の方法を使用することが可能である。
成型体の作製方法としては、射出成型機や、押出成形機、ならびにフィードブロックまたはマルチマニホールドを介しTダイで製膜する方法や、インフレーション法を用いた製膜方法を用いることが可能である。本実施形態では、押出成形機を用いたフィルム状の成形方法を説明する。
本実施形態では、共押出成形にて上述した熱可塑性樹脂成型体1を成形する。酸素バリア層7およびヒートシール層3は上述した熱可塑性樹脂を混合し押出し、フィードブロック方式にて貼合される事で熱可塑性樹脂成型体1が作製される。押出成形機にはスクリューを樹脂が通過した後に、樹脂に負荷をかける昇圧を促すブレーカープレート等の圧縮機構を有する。
フィルムの冷却方法に関しては、上述成形機に準じて使用することが可能であり、例えばTダイ法では、エアーチャンバー、バキュームチャンバー、エアナイフ等の空冷方式、冷水パンへ冷却ロールをディッピングする等の水冷方式等特に制限されることはないが、賦形による表面凹凸形状を付与する場合には、シリコーンゴム、NBRゴム、またはフッ素樹脂等を加工したニップロールと、金属を切削加工した冷却ロールとを0.1MPa以上の圧力を印加した接触部に溶融樹脂を流入し、冷却する方式が特に好ましい。
本実施形態によって得られる熱可塑性樹脂成型体のフィルム形状では、単体フィルム、または他基材と積層して包装材とすることができる。単体フィルムまたは積層体として用いる場合、スタンディングパウチの他に、三方袋、合掌袋、ガゼット袋、スパウト付きパウチ、ビーク付きパウチ等に用いることが可能である。また、包装袋の製袋様式は特に制限されるものではない。
上述の様に、単体フィルム及び他基材と積層するどちらの場合でも、適宜、後工程適性を向上する表面改質処理を実施することが可能である。例えば、単体フィルム使用時の印刷適性向上、積層使用時のラミネート適性向上のために他基材と接触する面に対して表面改質処理を行うことが可能である。表面改質処理はコロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理等のフィルム表面を酸化させることにより官能基を発現させる手法や、易接着層のコーティング等のウェットプロセスによる改質を好適に用いることが可能である。
(包装材)
本発明の一態様としての包装材は、上述した熱可塑性樹脂成型体1を用いて形成される。このように構成することで、包装材に必要な酸素バリア性を備え、また、バリア層とヒートシール層間の密着状態を保ちヒートシール性を阻害しない熱可塑性樹脂成型体を包装材の形態で有効に利用できる。
以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
ヒートシール層および酸素バリア層共にポリオレフィン系熱可塑性樹脂(A)に用いる樹脂として、(株)プライムポリマー社製ホモポリプロピレン樹脂F-300SPを使用した。また、酸素バリア層のヒートシール面と接する領域の表層領域、および中央領域共にエチレン-ビニルアルコール共重合体(B)として三菱ケミカル(株)社製EVOH樹脂ソアノールD2908(エチレン比29mol%)を使用した。そして表層領域となる層にはオレフィンと官能基含有単量体との共重合体(B)として三井化学(株)社製無水マレイン酸変性ポリプロピレンのアドマーQE060を使用した。また、中間領域となる層にはオレフィンと官能基含有単量体との共重合体(B)として三井・ダウ・ポリケミカル(株)社製EVA樹脂エバフレックスEV450を使用した。
表層領域、および中央領域の材料はポリオレフィン系熱可塑性樹脂(A)、オレフィンと官能基含有単量体との共重合体(C)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(B)それぞれの混合割合(質量%)を、(A):(B):(C)=49.5:50:0.5に調整し、ドライブレンドして2台の単軸押出機に投入し、ヒートシール層はポリオレフィン系熱可塑性樹脂(A)単体を異なる1台の単軸押出機に投入した。スクリュー部以降に圧縮率65%の圧縮部を通過するよう流路を設定し、ヒートシール層/表層領域/中央領域の層構成、かつヒートシール層/表層領域/中央領域=10μm/1μm/19μmの厚みとなる様フィードブロック方式により多層化し、成形温度250℃でTダイキャスト法にてフィルムを製膜した。
(実施例2)
酸素バリア層の表層領域の厚みを5μm、中央領域の厚みを15μmとした以外は実施例1と同様にして実施例2のフィルムを形成した。
(実施例3)
混合割合を(A):(B):(C)=40:50:10に調整した以外は、実施例1と同様にして実施例3のフィルムを形成した。
(実施例4)
酸素バリア層の表層領域の厚みを5μm、中央領域の厚みを15μmとした以外は実施例3と同様にして実施例4のフィルムを形成した。
(実施例5)
混合割合を(A):(B):(C)=84.5:15:0.5に調整した以外は、実施例1と同様にして実施例5のフィルムを形成した。
(実施例6)
酸素バリア層の表層領域の厚みを5μm、中央領域の厚みを15μmとした以外は実施例5と同様にして実施例6のフィルムを形成した。
(実施例7)
混合割合を(A):(B):(C)=75:15:10に調整した以外は、実施例1と同様にして実施例6のフィルムを形成した。
(実施例8)
酸素バリア層の表層領域の厚みを5μm、中央領域の厚みを15μmとした以外は実施例7と同様にして実施例8のフィルムを形成した。
(実施例9)
混合割合を表層領域(A):(B):(C)=84.5:15:0.5、中央領域(A):(B):(C)=75:15:10に調整した以外は、実施例1と同様にして実施例9のフィルムを形成した。
(実施例10)
混合割合を表層領域(A):(B):(C)=75:15:10、中央領域(A):(B):(C)=84.5:15:0.5に調整した以外は、実施例1と同様にして実施例10のフィルムを形成した。
(実施例11)
表層領域/中央領域=3μm/27μmとした以外は、実施例1と同様にして実施例11のフィルムを形成した。
(実施例12)
表層領域/中央領域=1μm/29μmとした以外は、実施例1と同様にして実施例12のフィルムを形成した。
(実施例13)
表層領域/中央領域=8μm/27μmとした以外は、実施例1と同様にして実施例13のフィルムを形成した。
(実施例14)
表層領域/中央領域=1μm/29μm、混合割合を表層領域(A):(B):(C)=80:10:10、中央領域(A):(B):(C)=80:10:0.5に調整したとした以外は、実施例1と同様にして実施例14のフィルムを形成した。
(実施例15)
表層領域/中央領域=8μm/27μm、混合割合を表層領域(A):(B):(C)=80:10:10、中央領域(A):(B):(C)=80:10:0.5に調整したとした以外は、実施例1と同様にして実施例15のフィルムを形成した。
(比較例1)
表層領域に使用するオレフィンと官能基含有単量体との共重合体(B)として三井・ダウ・ポリケミカル(株)社製EVA樹脂エバフレックスEV450を使用した以外は、実施例1と同様にして比較例1のフィルムを形成した。
(比較例2)
混合割合を(A):(B):(C)=45:55:0に調整した以外は、実施例1と同様にして比較例2のフィルムを形成した。
(比較例3)
混合割合を(A):(B):(C)=90:10:0に調整した以外は、実施例1と同様にして比較例3のフィルムを形成した。
(比較例4)
混合割合を(A):(B):(C)=100:0:0に調整した以外は、実施例1と同様にして比較例4のフィルムを形成した。
(比較例5)
混合割合を(A):(B):(C)=0:100:0に調整した以外は、実施例1と同様にして比較例5のフィルムを形成した。
(比較例6)
表層領域の厚みが各々0μm、中央領域の厚みを20μmとなる様に調整した以外は、実施例1と同様にして比較例6のフィルムを形成した。
(比較例7)
表層領域が、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂(A)のみで構成される以外は実施例1と同様にして比較例7のフィルムを形成した。
(比較例8)
表層領域が、エチレン-ビニルアルコール共重合体(B)として三菱ケミカル(株)社製EVOH樹脂ソアノールD2908(エチレン比29mol%)のみで構成される以外は実施例1と同様にして比較例8のフィルムを形成した。
(比較例9)
中央領域において、オレフィンと官能基含有単量体との共重合体(B)として三井化学(株)社製無水マレイン酸変性ポリプロピレンのアドマーQE060を使用し、混合割合を(A):(B):(C)=45:50:5に調整した以外は実施例1と同様にして比較例9のフィルムを形成した。
(比較例10)
バリア層の全体の厚みが19μm、表層領域の厚みが1μm、中央領域の厚みが18μmとなるように調整した以外は実施例1と同様にして比較例10を形成した。
〈評価〉
上述した実施例1~15、比較例1~10で得られたフィルムについて、次の評価を実施した。
[エチレン-ビニルアルコール共重合体(B)の断面測定]
次に、エチレン-ビニルアルコール共重合体(C)の断面面積について測定した。エチレン-ビニルアルコール共重合体(C)の成形方向及び成形幅方向の断面観察は、2mm×5mm(観察部が2mm)になるように実施例及び比較例のフィルムを切り出し、日本電子株式会社製可視光硬化性包埋樹脂D-800で包埋したものを、ライカマイクロシステムズ製ウルトラミクロトームEM UC7iを用いてガラスナイフ並びにダイヤモンドナイフで断面出しすることで実施した。観察試験片切出し箇所は、各フィルム成形方向、成形幅方向共に無作為に選んだ10箇所とした。観察には、日立ハイテクノロジーズ製走査型電子顕微鏡(SEM)S-4800を用い、3000倍観察画像及び10万倍観察画像を得た後、画像内の無作為に選択した20個の分散相の断面積を計測した。アスペクト比は、同様に無作為に選択した20個の分散相の断面について長軸長さ、短軸長さ及びアスペクト比について測定した。
[酸素バリア性評価]
実施例及び比較例において得られたフィルムをA4サイズにカットし、GTRテック株式会社製高感度水蒸気透過度測定装置GTR-3000を使用し、30℃、ドライ環境下でのポリプロピレン単体比としての酸素透過度(cc/m・day・atm)を測定した。測定した酸素透過度を(測定試料/ポリプロピレン単体)とし以下の◎、○、△、×の4段階で評価した。下記評価基準が◎、○、△であるものが本発明の目的を達成する評価である。
<評価基準>
◎:酸素透過度がポリプロピレン単体比0.02(1/50)以下となる場合。
○:酸素透過度がポリプロピレン単体比0.05(1/20)以下となる場合。
△:酸素透過度がポリプロピレン単体比0.1(1/10)以下となる場合。
×:酸素透過度がポリプロピレン単体比0.05より大きくなる場合。
[水蒸気バリア性]
実施例及び比較例において得られたフィルムをA4サイズにカットし、GTRテック株式会社製高感度水蒸気透過度測定装置GTR-3000を使用し、40℃、90%RH環境下でのポリプロピレン単体比としての水蒸気透過度(g/m/day)を測定した。測定した水蒸気透過度を(ポリプロピレン単体/測定試料)とし以下の◎、○、△、×の4段階で評価した。
<評価基準>
◎:水蒸気透過度が0.7以上となる場合。
○:水蒸気透過度が0.5以上となる場合。
△:水蒸気透過度が0.3以上となる場合。
×:水蒸気透過度が0.5未満の範囲となる場合。
[ヒートシール層/酸素バリア層間の剥離強度-評価基準]
ヒートシール試験を実施しn=5回試験において、ヒートシール層/酸素バリア層界面で剥離が5回中5回発生しないサンプルを○とし、5回中2回以上発生しないサンプルを△とし、それ以外を×とした。
(ヒートシール試験条件)
JIS Z0238に記載される方法にて、試料フィルムを2枚準備しヒートシール面/ヒートシール面を合わせ、2枚の試料上下を12μmのPETで挟み、上側シールバーのみ180℃に加熱した5mm幅のシールバーで、1秒加熱シール後のサンプルを測定した。
(評価結果)
各実施例及び、比較例の酸素バリア性、水蒸気バリア性、ヒートシール層/酸素バリア層間の剥離強度の評価結果を表1~4に示す。
Figure 2023142880000007
Figure 2023142880000008
Figure 2023142880000009
Figure 2023142880000010
実施例1~15では酸素バリア性を有し、水蒸気バリア性を有し、かつ良好なヒートシール層/酸素バリア層間の剥離強度を得られた。
比較例1では、表層領域の分散相が粗大化しヒートシール層間の剥離強度を低下させるため、ヒートシール性が阻害された。
比較例2では、表層領域、中央領域共にホモプロピレン樹脂が分散相になるため、水蒸気バリアが得られなかった、またヒートシール層間の剥離強度を低下させヒートシール性が阻害された。
比較例3では、表層領域の分散相が粗大化するため、ヒートシール相関の剥離強度を低下させヒートシール性が阻害された。
比較例4~5では、単一樹脂相となり、酸素バリア性もしくは、水蒸気バリア性が得られていない。特にEVOH単層となる場合は、ヒートシール層間の剥離強度を低下させヒートシール性が阻害された。
比較例6では、ヒートシール層界面が中央層となり、中央層は酸素バリア性を必要とするため分散相が粗大化している。分散相が粗大化している事により、ヒートシール層間の剥離強度を低下させヒートシール性が阻害された。
比較例7では、表層領域がポリプロピレン単体となるため、表層領域と中央領域間での剥離強度は低下するため、ヒートシール性が阻害された。
比較例8では、表層領域がEVOHで構成されるため、ヒートシール層間の剥離強度を低下させ、ヒートシール性が阻害された。また、ポリプロピレン量が低下するため、水蒸気バリア性が低下した。
比較例9では、中央領域の分散相の面積平均アスペクトが低いため、十分な酸素バリア性が得られなかった。
比較例10では、酸素バリア層の全体厚みが薄くなるため、ポリプロピレン量の減少により水蒸気バリア性が低下した。
なお、本開示の熱可塑性樹脂成型体及び熱可塑性樹脂成型体を用いた包装材は、上記の実施形態及び実施例に限定されるものではなく、発明の特徴を損なわない範囲において種々の変更が可能である。
1・・・ 熱可塑性樹脂成型体
2・・・ 分散相(オレフィンと官能基含有単量体との共重合体(C)及びエチレン-ビニルアルコール共重合体(B))
3・・・ 連続相(ポリオレフィン系熱可塑性樹脂(A))
4・・・ オレフィンと官能基含有単量体との共重合体(C)
5・・・ エチレン-ビニルアルコール共重合体(B)
6・・・ ヒートシール層
7・・・ 酸素バリア層

Claims (8)

  1. 少なくとも酸素バリア性を有する酸素バリア層を含む多層構造をなし、
    前記酸素バリア層が、水蒸気バリア性を有する樹脂(A)、及び酸素バリア性を有する樹脂(B)を含み、
    前記酸素バリア性を有する樹脂が、前記水蒸気バリア性を有する樹脂の中に島として存在して分散相を形成し、
    前記分散相は、前記酸素バリア層の厚み方向の深度により分布した分散相アスペクト比(長軸長さ/短軸長さ)の存在状態が異なり、
    前記分散相アスペクト比の存在状態は、成形方向及び幅方向の任意の厚み断面における、分散層の各アスペクト比Aiの面積をSiとし、
    観測範囲のn個の(n=観測範囲内の分散相個数)分散相の各面積により重み付されたアスペクト比の合計Saが下記式(1)で定義され、
    観測範囲の分散層合計の面積Ssが下記式(2)で定義され、
    Aav=Sa/Ssで定義された面積平均アスペクトAavが、
    前記酸素バリア層の表層領域では1以上10以下、中央領域では5以上40以下であり、
    前記酸素バリア層の厚みは20μm以上であることを特徴とする熱可塑性樹脂成型体。
    Figure 2023142880000011

    Figure 2023142880000012
  2. 前記分散相を形成する前記酸素バリア性を有する樹脂(B)は、前記酸素バリア層の前記表層領域と前記中間領域との少なくとも2領域に分かれている事を特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂成型体。
  3. 前記表層領域の厚みは前記酸素バリア層全体の5%以上、25%以下である事を特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂成型体。
  4. 前記中間領域の厚みは前記酸素バリア層全体の75%以上、95%以下である事を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂成型体。
  5. 前記表層領域および、前記中間領域のそれぞれにおける前記酸素バリア性を有する樹脂(B)の含有量は15質量%以上、50質量%以下である事を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂成型体。
  6. 前記酸素バリア層に、オレフィンと官能基含有単量体との共重合体を含む官能基を有する樹脂(C)をさらに含み、
    前記官能基を有する樹脂(C)は、前記水蒸気バリア性を有する樹脂(A)と異なる樹脂であり、
    前記官能基は、前記酸素バリア性を有する樹脂(B)と結合し得る反応基を有し、
    前記官能基を有する樹脂(C)が、前記酸素バリア性を有する樹脂(B)を包み込んだコアシェル構造体となる事を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂成型体。
  7. 前記表層領域および、前記中間領域のそれぞれにおける前記水蒸気バリア性を有する樹脂(A)の含有量が75質量%以上であり、官能基を有する樹脂(C)の含有量が10質量%以下である事を特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂成型体。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂成型体を用いてなることを特徴とする包装材。
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