JP2023142411A - アルカリ可溶性感光性組成物、ドライフィルム、アルカリ可溶性感光性組成物の硬化物および硬化物を備えたプリント配線板 - Google Patents

アルカリ可溶性感光性組成物、ドライフィルム、アルカリ可溶性感光性組成物の硬化物および硬化物を備えたプリント配線板 Download PDF

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花菜 森
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Abstract

【課題】現像後に生じる白化を抑制し、絶縁信頼性および分散性に優れた硬化性樹脂組成物、硬化性樹脂組成物のドライフィルム、硬化物および硬化物を備えたプリント配線板を得る。【解決手段】カルボキシル基含有樹脂、多官能モノマー、光重合開始剤、艶消し剤を含み、艶消し剤が表面処理されたシリカであること、艶消し剤がポリジメチルシロキサンまたはシランカップリング剤で表面処理された沈降性シリカまたはコロイダルシリカのいずれかであること、艶消し剤がポリジメチルシロキサンまたはシランカップリング剤で表面処理されたコロイダルシリカであること、艶消し剤がポリジメチルシロキサンで疎水化処理されたコロイダルシリカであること、のいずれか1つ以上を満たすアルカリ可溶性感光性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、例えばプリント配線板のソルダーレジスト等の形成に用いられるアルカリ可溶性感光性組成物、ドライフィルム、アルカリ可溶性感光性組成物の硬化物および硬化物を備えたプリント配線板に関する。
現在、ほとんどのプリント配線板のソルダーレジストには、高精度、高密度化の観点から、液状アルカリ現像型ソルダーレジストインキが使用されており、具体的には前記インキを印刷、乾燥後の塗膜を露光、現像することにより画像形成し、加熱硬化して得られる。
ところで、ソルダーレジスト層を粗面化することにより、はんだフロー時の耐半田付着性や配線隠蔽性が向上することが知られている。また、粗面化されたソルダーレジスト層は光沢度が適度に抑制されるため、良好な意匠性が得られる。例えば、特許文献1には、感光性樹脂組成物中に艶消し剤を添加することによりソルダーレジスト層を粗面化により低光沢化することが提案されている。
また、近年では、部品実装時における歩留まり改善の観点から、乾燥後や硬化後の塗膜の膜厚は薄膜化している(例えば、特許文献2)。近年ではさらに薄膜化に伴い、分散性がより求められている。
特開平9-157574号公報 特開2003-147233号公報
しかしながら、従来の艶消し剤は親水性が高く、低光沢化のために感光性樹脂組成物中に艶消し剤を添加した場合、感光性樹脂組成物の親水性が高くなりすぎて現像に用いられる溶解液の影響で白化層が樹脂組成物表面に生じ、絶縁信頼性が低下することがあった。
また、一般に、部品実装時の反り低減や耐熱性向上を目的に、硬化性樹脂組成物中に無機フィラーや樹脂が含まれる。しかしながら、硬化性樹脂組成物中には、様々な要求特性を満たすために無機フィラーや樹脂以外にも複数の成分を混合しているため、各成分の分散性が悪い場合には、硬化性樹脂組成物中で濃度不均衡が起こることがあった。そのため、硬化性樹脂組成物を用いて基材等に塗布した乾燥前の塗膜(以下、乾燥前塗膜ともいう)の膜厚がばらつき、特に薄膜時には、例えば、その下の基板の金属(銅)配線がムラになって透けて見える「銅見え」による外観不良が問題であった。さらに硬化後の塗膜(以下、硬化 塗膜ともいう)が低光沢である場合は、硬化後の塗膜では上記外観不良の問題がより顕著であった。これは、塗膜が低光沢である程、コントラストとなり、下地の金属(銅)配線 の光沢がよりムラとなって透けて見えやすくなるものと推測される。
本発明は、現像後に生じる白化を抑制し、絶縁信頼性および分散性に優れたアルカリ可溶性感光性組成物、アルカリ可溶性感光性組成物のドライフィルム、硬化物および硬化物を備えたプリント配線板を提供することを目的とする。
本発明によるアルカリ可溶性感光性組成物は、カルボキシル基含有樹脂、多官能モノマー、光重合開始剤、艶消し剤を含み、前記艶消し剤が表面処理されたシリカであることを特徴とする。
本発明の態様においては、前記艶消し剤が、ポリジメチルシロキサンまたはシランカップリング剤で表面処理された、沈降性シリカまたはコロイダルシリカのいずれかであることが好ましい。
本発明の態様においては、前記艶消し剤がポリジメチルシロキサンまたはシランカップリング剤で表面処理された、コロイダルシリカであることが好ましい。
本発明の態様においては、前記艶消し剤がポリジメチルシロキサンで疎水化処理された、コロイダルシリカであることが好ましい。
本発明の態様においては、前記アルカリ可溶性感光性組成物はさらに液状の熱硬化成分を含有することが好ましい。
本発明の態様においては、 前記アルカリ可溶性感光性組成物はさらに黒色着色剤を含有することが好ましい。
本発明の別の態様によるドライフィルムは、前記アルカリ可溶性感光性組成物から得られる樹脂層を有することを特徴とする。
本発明の別の態様による硬化物は、前記硬化性樹脂組成物を硬化させて得られることを特徴とする。
本発明の別の態様によるプリント配線板は、前記硬化物を備えることを特徴とする。
本発明によれば、現像後に生じる白化を抑制し、絶縁信頼性および分散性に優れたアルカリ可溶性感光性組成物、ドライフィルム、アルカリ可溶性感光性組成物の硬化物および硬化物を備えたプリント配線板を得ることができる。
以下、本実施形態に係るアルカリ可溶性感光性組成物、ドライフィルム、アルカリ可溶性感光性組成物の硬化物および硬化物を備えたプリント配線板について説明する。
本発明によるアルカリ可溶性感光性組成物は、カルボキシル基含有樹脂、多官能モノマー、光重合開始剤、艶消し剤を必須成分として含むものである。以下、本発明によるアルカリ可溶性感光性組成物を構成する各成分について説明する。
(カルボキシル基含有樹脂)
カルボキシル基含有樹脂としては、分子中にカルボキシル基を有している従来公知の各種樹脂を使用できる。アルカリ可溶性感光性組成物が、カルボキシル基含有樹脂を含んでいるため、アルカリ現像性を発現することができる。特に、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂が、光硬化性や耐現像性の面から好ましい。エチレン性不飽和二重結合は、アクリル酸もしくはメタクリル酸またはそれらの誘導体由来であることが好ましい。エチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のみを用いる場合、組成物を光硬化性とするためには、後述する分子中に複数のエチレン性不飽和基を有する化合物、即ち光重合性モノマーを併用する必要がある。
カルボキシル基含有樹脂の具体例としては、以下のような化合物(オリゴマーおよびポリマーのいずれでもよい)を挙げることができる。
(1)(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α-メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレン等の不飽和基含有化合物との共重合により得られるカルボキシル基含有樹脂。
(2)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基含有ジアルコール化合物およびポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキサイド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(3)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸等のエチレン性不飽和二重結合を有するモノカルボン酸化合物との反応物の部分酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物およびジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
(4)前記(2)または(3)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子内に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
(5)前記(2)または(3)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物など、分子内に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
(6)2官能またはそれ以上の多官能(固形)エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
(7)2官能(固形)エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
(8)2官能オキセタン樹脂にアジピン酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等のジカルボン酸を反応させ、生じた1級の水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有ポリエステル樹脂。
(9)1分子中に複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物に、p-ヒドロキシフェネチルアルコール等の1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和基含有モノカルボン酸とを反応させ、得られた反応生成物のアルコール性水酸基に対して、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、アジピン酸等の多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(10)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドとを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(11)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(12)前記(1)~(11)の樹脂にさらに1分子内に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなるカルボキシル基含有感光性樹脂。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物を総称する用語で、他の類似の表現についても同様である。
この中でも、アルカリ可溶性感光性組成物が2種類以上のカルボキシル基含有樹脂を含むことが好ましい 。さらに前記2種類以上のカルボキシル基含有樹脂の少なくとも1種がカルボキシル基含有共重合樹脂であることが、より低光沢化しつつ均一に分散される点で好ましい。このことは以下のように推測される。すなわち、カルボキシル基含有共重合樹脂は相溶性が良くないため、該硬化性樹脂組成物から形成される塗膜中において、他のカルボキシル基含有樹脂中に分散した海島構造をとり、これらの屈折率の差により入射した光が乱反射するため優れた低光沢の効果を生じるものと考えられる。一方、カルボキシル基含有共重合樹脂の添加の場合は艶消し剤や無機フィラーが少ない配合であっても、低光沢化しつつ均一に分散できることより、銅見え現象もより抑制されるものと考えられる。
カルボキシル基含有共重合樹脂としては、(1)の樹脂や(12)の中の共重合樹脂が挙げられる。(12)の樹脂としては、(メタ)アクリル酸とメチル(メタ)アクリレートとの共重合により得られたカルボキシル基含有樹脂にさらにグリシジルメタクリレートまたは3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等脂環式エポキシ基を有する(メタ)アクリレートを付加してなるカルボキシル基含有感光性樹脂であることが好ましい。
また、カルボキシル基含有共重合樹脂と組合せの樹脂としては、より低光沢化しつつ均一に分散される点において好ましい。カルボキシル基含有共重合樹脂以外の樹脂との組合せが好ましい。具体的には、(2)~(11)の樹脂、(12)の共重合樹脂以外の樹脂が挙げられ、中でも(6)、(10)、(11)の樹脂、(12)の共重合樹脂以外の樹脂がより好ましい。
前記カルボキシル基含有樹脂の酸価は、30~150mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは50~120mgKOH/gである。カルボキシル基含有樹脂の酸価が30mgKOH/g以上であるとアルカリ現像が良好になる。また、酸価が150mgKOH/g以下であると良好なレジストパターンの描画をし易くできる。
また、前記カルボキシル基含有樹脂の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、一般的に2,000~150,000、さらには5,000~100,000の範囲にあるものが好ましい。重量平均分子量が2,000以上とすることにより、タックフリー性能や解像度を向上させることができる。一方、重量平均分子量が150,000とすることで、現像性や貯蔵安定性を向上させることができる。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
カルボキシル基含有樹脂の配合量は、アルカリ可溶性感光性組成物全量あたり固形分換算で、好ましくは20~80質量%であり、より好ましくは20~75質量%であり、さらに好ましくは20~50質量%である。20質量%以上とすることにより硬化塗膜の強度を向上さ せることができる。また80質量%以下とすることでアルカリ可溶性感光性組成物の粘性が適当となり加工性が向上する。
またカルボキシル基含有樹脂の中にカルボキシル基含有共重合樹脂を含む場合、カルボキシル基含有共重合樹脂の配合量は、より低光沢化しつつ銅見え現象が抑制される点において、固形分換算で、カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、5~90質量%が好ましく、10~70質量%がより好ましく、15~50質量%がより好ましい。
(多官能モノマー)
本発明のアルカリ可溶性感光性組成物は、公知慣用の多官能モノマーを含む。多官能モノマーは、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物である。多官能モノマーは、活性エネルギー線照射により光硬化し、アルカリ可溶性感光性組成物を硬化させるものである。
前記光重合性多官能モノマーとして用いられる化合物としては、例えば、慣用公知のポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。具体的には、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのジアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス-ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコール又はこれらのエチレオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、もしくはε-カプロラクトン付加物などの多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、及びこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの多価アクリレート類;前記に限らず、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール、水酸基末端ポリブタジエン、ポリエステルポリオールなどのポリオールを直接アクリレート化、もしくは、ジイソシアネートを介してウレタンアクリレート化したアクリレート類及びメラミンアクリレート、及び前記アクリレートに対応する各メタクリレート類の少なくとも何れか一種などが挙げられる。このような多官能モノマーは、反応性希釈剤としても用いることができる。多官能モノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
多官能モノマーの配合量は、アルカリ可溶性感光性組成物全量あたり固形分換算で、好ましくは3~ 20質量%であり、より好ましくは5~15質量%である。多官能モノマーの配合量は、3質量%以上の場合、光硬化性が良好であり、活性エネルギー線照射後のアルカリ現像において、パターン形成がし易い。一方、20質量%以下の場合、ハレーションが生じにくく良好な解像性が得られ易い。
(光重合開始剤)
本発明のアルカリ可溶性感光性組成物は公知慣用の光重合開始剤を含む。光重合開始剤は、カルボキシル基含有樹脂や多官能モノマーを露光により反応させるためのものである。光重合開始剤としては、光重合開始剤や光ラジカル発生剤として公知の光重合開始剤であれば、いずれのものを用いることもできる。
光重合開始剤としては、例えば、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-1-ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド類;2,6-ジメトキシベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6-ジクロロベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、2-メチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のモノアシルフォスフィンオキサイド類;1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン等のヒドロキシアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn-プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn-ブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾインアルキルエーテル類;ベンゾフェノン、p-メチルベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、メチルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、4,4’-ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1,1-ジクロロアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-1-プロパノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル)-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、N,N-ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類;チオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アントラキノン、クロロアントラキノン、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-アミルアントラキノン、2-アミノアントラキノン等のアントラキノン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;エチル-4-ジメチルアミノベンゾエート、2-(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、p-ジメチル安息香酸エチルエステル等の安息香酸エステル類;1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル類;ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)-ビス[2,6-ジフルオロ-3-(2-(1-ピル-1-イル)エチル)フェニル]チタニウム等のチタノセン類;フェニルジスルフィド2-ニトロフルオレン、ブチロイン、アニソインエチルエーテル、アゾビスイソブチロニトリル、テトラメチルチウラムジスルフィド等を挙げることができる。光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
α-アミノアセトフェノン系光重合開始剤の市販品としては、IGM Resins社 製のOmnirad 907、369、369E、379等が挙げられる。また、アシル フォスフィンオキサイド系光重合開始剤の市販品としては、IGM Resins社製の Omnirad 819等が挙げられる。オキシムエステル系光重合開始剤の市 販品としては、BASFジャパン株式会社製のIrgacure OXE01、OXE0 2、株式会社ADEKA製N-1919、アデカアークルズ NCI-831、NCI- 831E、常州強力電子新材料社製TR-PBG-304などが挙げられる。
その他、特開2004-359639号公報、特開2005-097141号公報、特 開2005-220097号公報、特開2006-160634号公報、特開2008- 094770号公報、特表2008-509967号公報、特表2009-040762 号公報、特開2011-80036号公報記載のカルバゾールオキシムエステル化合物等 を挙げることができる。
光重合開始剤の配合量は、アルカリ可溶性感光性組成物全量あたり固形分換算で、好ましくは0. 1~10質量%であり、より好ましくは1~5質量%である。光重合開始剤の配合量は、0.1質量%以上の場合、アルカリ可溶性感光性組成物の光硬化性が良好となり、耐薬品性等の塗膜特性も良好となる。一方、10質量%以下の場合、レジスト膜(硬化塗膜)表面での光吸収が良好となり、深部硬化性が低下しにくい。
上記した光重合開始剤と併用して、光開始助剤または増感剤を用いてもよい。光開始助剤または増感剤としては、ベンゾイン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ケタール化合物、ベンゾフェノン化合物、3級アミン化合物、およびキサントン化合物などを挙げることができる。特に、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン化合物を用いることが好ましい。チオキサントン化合物が含まれることにより、深部硬化性を向上させることができる。これらの化合物は、光重合開始剤として用いることができる場合もあるが、光重合開始剤と併用して用いることが好ましい。また、増感剤は1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(艶消し剤)
本発明のアルカリ可溶性感光性組成物は、艶消し剤を含む。艶消し剤を含有することにより、アルカリ現像性、塗膜外観等の基本諸特性を損なうことなく、光沢度を低減させつつ、はんだ耐熱性と熱衝撃耐性に優れた光硬化物を形成することができる。艶消し剤を配合することにより、塗膜の表面形状が凸凹となって粗面化(マット化)されることで、光沢度が低下し、艶消し外観を得ることができる。
本発明のアルカリ可溶性感光性組成物に用いられる艶消し剤は表面処理されたシリカであることを特徴とする。さらに、艶消し剤は、ポリジメチルシロキサンまたはシランカップリング剤で表面処理された、沈降性シリカまたはコロイダルシリカのいずれかであることが好ましく、ポリジメチルシロキサンで疎水化処理された、コロイダルシリカであることがより好ましい。
ポリジメチルシロキサンまたはシランカップリング剤で表面処理された、沈降性シリカまたはコロイダルシリカの市販品としては、富士シリシア化学株式会社製のサイロホービック200、水澤化学工業社製のコロイダルシリカNo.30などが挙げられる。後述する実施例では艶消し剤として富士シリシア化学株式会社製のSYLOPHOBIC200、水澤化学工業社製のコロイダルシリカNo.30を用いている。
艶消し剤の配合量は、例えば、カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、1.0~50質量部が好ましく、5. 0~40質量部がより好ましく、10質量部~20質量部が特に好ましい。1.0質量部以上とすることで硬化物の艶消し効果を確実に得ることができ、50質量部以下とすることで優れた塗工性を得ることができる。
(熱硬化成分)
本発明のアルカリ可溶性感光性組成物は熱硬化成分を含むことが好ましい。本発明のアルカリ可溶性感光性組成物に用いられる熱硬化成分としては、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、アミノ樹脂、マレイミド化合物、ベンゾオキサジン樹脂、カルボジイミド樹脂、シクロカーボネート化合物、エポキシ化合物、オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂などの公知慣用のものが挙げられる。これらの中でも好ましい熱硬化成分は、エポキシ樹脂である。
使用することができるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらエポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
市販されるエポキシ樹脂としては、例えば、三菱ケミカル株式会社製のjER 828、806、807、YX8000、YX8034、834、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製のYD-128、YDF-170、ZX-1059、ST-3000、DIC株式会社製のEPICLON 830、835、840、850、N-730A、N-695および日本化薬株式会社製のRE-306等が挙げられる。
エポキシ樹脂の固形分全体の配合量は、アルカリ可溶性感光性組成物の固形分全体に対して5~30質量部であることが好ましく、10~20質量部であることがより好ましい。
また、アルカリ可溶性感光性組成物の塗膜形成性、すなわち印刷適性等の塗布性を考慮すると、本発明において使用するエポキシ樹脂は、固体状よりも液状であることが好ましい。特に、エポキシ樹脂の粘度は20Pa・s以下である好ましく、10Pa・s以下であることがより好ましく、5Pa・s以下であることがさらに好ましい。なお、ここでの粘度とはJIS K8803:2011の10 円すい-平板形回転粘度計による粘度測定方法に準拠し、コーンプレート型粘度計(東機産業株式会社製、TV-33H)を用いて25±1℃、5rpm、30秒値で測定した粘度を言うものとする。
(着色剤)
本発明のアルカリ可溶性感光性組成物には、着色剤を配合することが好ましい着色剤としては、特に限定されず、赤、青、緑、黄等公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよいが、環境負荷の低減や人体への影響が少ない観点からハロゲンを含有しない着色剤であることが好ましい。
赤色着色剤としてはモノアゾ系、ジスアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系等があり、具体的には以下のようなカラ-インデックス(C.I.;ザ ソサイエティ オブ ダイヤーズ アンド カラリスツ(The Society of Dyersand Colourists)発行)番号が付されているものが挙げられる。
モノアゾ系赤色着色剤としては、Pigment Red 1,2,3,4,5,6,8,9,12,14,15,16,17,21,22,23,31,32,112,114,146,147,151,170,184,187,188,193,210,245,253,258,266,267,268,269等が挙げられる。また、ジスアゾ系赤色着色剤としては、Pigment Red 37,38,41等が挙げられる。また、モノアゾレーキ系赤色着色剤としては、Pigment Red 48:1,48:2,48:3,48:4,49:1,49:2,50:1,52:1,52:2,53:1,53:2,57:1,58:4,63:1,63:2,64:1,68等が挙げられる。また、ベンズイミダゾロン系赤色着色剤としては、Pigment Red 171,175,176、185、208等が挙げられる。また、ぺリレン系赤色着色剤としては、Solvent Red 135,179,Pigment Red 123,149,166,178,179,190,194,224等が挙げられる。また、ジケトピロロピロール系赤色着色剤としては、Pigment Red 254,255,264,270,272等が挙げられる。また、縮合アゾ系赤色着色剤としては、Pigment Red 220,144,166,214,220,221,242等が挙げられる。また、アントラキノン系赤色着色剤としては、Pigment Red 168,177,216、Solvent Red 52,149,150,207等が挙げられる。また、キナクリドン系赤色着色剤としては、Pigment Red 122,202,206,207,209等が挙げられる。
青色着色剤としてはフタロシアニン系、アントラキノン系があり、顔料系はピグメント(Pigment)に分類されている化合物が挙げられ、例えば、Pigment Blue 15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,60。染料系としては、Solvent Blue 35,63,67,68,70,83,87,94,97,122,136等を使用することができる。上記以外にも、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。
黄色着色剤としてはモノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、アントラキノン系等が挙げられ、例えば、アントラキノン系黄色着色剤としては、Solvent Yellow 163,Pigment Yellow 24,108,193,147,199,202等が挙げられる。イソインドリノン系黄色着色剤としては、Pigment Yellow 110,109,139,179,185等が挙げられる。縮合アゾ系黄色着色剤としては、Pigment Yellow 93,94,95,128,155,166,180等が挙げられる。ベンズイミダゾロン系黄色着色剤としては、Pigment Yellow 120,151,154,156,175,181等が挙げられる。また、モノアゾ系黄色着色剤としては、Pigment Yellow 1,2,3,4,5,6,9,10,12,61,62,62:1,65,73,74,75,97,100,104,105,111,116,167,168,169,182,183等が挙げられる。また、ジスアゾ系黄色着色剤としては、Pigment Yellow 12,13,14,16,17,55,63,81,83,87,126,127,152,170,172,174,176,188,198等が挙げられる。
その他、紫、オレンジ、茶色、黒、白等の着色剤を加えてもよい。具体的には、Pigment Black 1,6,7,8,9,10,11,12,13,18,20,25,26,28,29,30,31,32、Pigment Violet 19、23、29、32、36、38、42、Solvent Violet13,36、C.I.Pigment Orange 1,5,13,14,16,17,24,34,36,38,40,43,46,49,51,61,63,64,71,73、PigmentBrown 23,25,カーボンブラック、酸化チタン等が挙げられる。
本発明のアルカリ可溶性感光性組成物は、上記した中でも黒色着色剤を含むことが好ましい。後述する実施例においても、黒色着色剤のカーボンブラックを用いている。
着色剤の含有量は、例えば、アルカリ可溶性感光性組成物全体量の0.01~70質量%であることが好ましく、より好ましくは0.05~60質量%である。着色剤の含有率が70質量%以下の場合、組成物の印刷性が良好であり、一方、0.01質量%以上だと良好にパターニングできる。本発明において、着色剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(無機フィラー)
本発明のアルカリ可溶性感光性組成物は、無機フィラーを含んでいてもよい。また、無機フィラーとして、上述した(艶消し剤)に該当するものは除くものとする。
無機フィラーとしては、特に限定されず、公知慣用の充填剤、例えばシリカ、結晶性シリカ、ノイブルグ珪土、水酸化アルミニウム、ガラス粉末、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、天然マイカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化鉄、非繊維状ガラス、ハイドロタルサイト、ミネラルウール、アルミニウムシリケート、カルシウムシリケート、亜鉛華等の無機フィラーを用いることができる。中でも、耐熱性やめっき耐性を向上させるためには、硫酸バリウムが好ましい。
無機フィラーの配合量は、アルカリ可溶性感光性組成物全量あたり固形分換算で、40質量%以下、好ましくは5~35質量%である。
(消泡剤)
本発明のアルカリ可溶性感光性組成物は、消泡剤を含んでいてもよい。消泡剤としてはシリコーン、変性シリコーン、鉱物油、植物油、脂肪族アルコール、脂肪酸、金属石鹸、脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル等の化合物等が使用できる。消泡剤の市販品としては、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK-315N、ダウ・東レ株式会社製のDOWSILtm SH 200 FLUIDなどが挙げられる。
[その他の添加成分]
本発明のアルカリ可溶性感光性組成物には、必要に応じてさらに、有機溶剤、熱硬化触媒、シアネート化合物 、エラストマー、メルカプト化合物、ウレタン化触媒、チキソ化剤、密着促進剤、ブロッ ク共重合体、連鎖移動剤、重合禁止剤、銅害防止剤、酸化防止剤、防錆剤、微粉シリカ、 有機ベントナイト、モンモリロナイト等の増粘剤、イミダゾール系、チアゾール系 、トリアゾール系等のシランカップリング剤、フォスフィン酸塩、燐酸エステル誘導体、 フォスファゼン化合物等のリン化合物等の難燃剤などの成分を配合することができる。こ れらは、電子材料の分野において公知の物を使用することができる。
本発明のアルカリ可溶性感光性組成物は、ドライフィルム化して用いてもよい。
[調製方法]
本発明のアルカリ可溶性感光性組成物の調製には、各成分を秤量、配合した後、攪拌機にて予備撹拌する。続いて、混練機にて各成分を分散させ、混練を行うことで調製することができる 。
上記の混練機としては、例えばビーズミル、ボールミル、サンドミル、3本ロールミル 、2本ロールミル等を挙げることができる。これらの中でも、より低光沢でありながら、乾燥前や乾燥後の塗膜の膜厚のばらつきをより小さくし、銅見え現象を抑制する点において、ビーズミルを用いることが好ましい。ビーズミルのビーズの種類や粒径等の分散条件は、目的とする粘度に応じて適宜設定することができるが、ビーズの種類としては、例えば、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ等が挙げられる。ビーズの粒径としては、例えば、φ0.015~2.0mmの範囲が挙げられる。この中でもφ0.3~1.5mmの範 囲がより好ましい。ビーズの充填率は50~95%であり、ローターの回転数は800~ 1300rpmであることが好ましい。また、目的とする粘度としては、分散性向上や硬化塗膜がより低光沢となる点でビーズミル投入時の組成物粘度が200dPa・s以下で あることが好ましい。一方、下限としては、50dPa・s以上が好ましい。本発明における粘度は、JIS Z 8803:2011の10 円すい-平板形回転粘度計による粘度測定方法に準じ、50℃、100rpm、30秒とし、コーン・ロータとして3°× R9.7を用いたコーンプレート型粘度計(TVE-33H、東機産業社製)にて測定した値である。
一方、3本ロールミルの各ロールの回転比等の分散条件も、目的とする粘度に応じて適宜設定することができる。
また、分散性をより向上させるため、先ずは原料をビーズミルや3本ロールミル等の混 練機を用いてスラリー化したものを秤量、配合した後、攪拌機にて予備撹拌してもよい。 原料をスラリー化する際は、シランカップリング剤等の湿潤分散剤も秤量、配合してからビーズミル等により混練することが好ましい。続いて、上記例示にあるような混練機にてスラリー化したものを含む各成分を分散させ、ビーズミル等により混練を行うことで調製してもよい。
[用途]
本発明によるアルカリ可溶性感光性組成物は、ソルダーレジストやカバーレイ、層間絶縁層等のプリント配線板の永久被膜としてのパターン層を形成するために有用であり、特にソルダー レジストの形成に有用である。また、本発明のアルカリ可溶性感光性組成物は、薄膜でも膜強度に優れた硬化物を形成できることから、薄膜化が要求されるプリント配線板、例えばパッケー ジ基板(半導体パッケージに用いられるプリント配線板)におけるパターン層の形成にも 好適に用いることができる。
また、本発明のアルカリ可溶性感光性組成物は、硬化塗膜のパターン層を形成する用途だけでなく 、パターン層を形成しない用途、例えばモールド用途(封止用途)に用いることができる 。
[ドライフィルム]
本発明のアルカリ可溶性感光性組成物は、第一のフィルムと、この第一のフィルム上に形成された上記アルカリ可溶性感光性組成物の乾燥塗膜からなる樹脂層とを備えたドライフィルムの形態とすることもできる。ドライフィルム化に際しては、本発明のアルカリ可溶性感光性組成物を上記有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整し、コンマコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等で第一のフィルム上に均一な厚さに塗布し、通常、50~130℃の温度で1~30分間乾燥して膜を得ることができる。塗布膜厚については特に制限はないが、一般に、乾燥後膜厚で、1~150μm、好ましくは5~60μmの範囲で適宜選択される。本発明のアルカリ可溶性感光性組成物を用いることで、乾燥前塗膜のばらつきを小さくすることができるため、乾燥塗膜からなる樹脂層が薄膜であってもばらつきを小さくすることができる。例えば、12μm以下の薄膜の樹脂層を備える ドライフィルムの形態とすることもできる。
第一のフィルムとしては、公知のものであれば特に制限なく使用することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の熱可塑性樹脂からなるフィルムを好適に使用することができる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度、取扱性等の観点から、ポリエステルフィルムが好ましい。また、これらフィルムの積層体を支持フィルムとして使用することもできる。
また、上記したような熱可塑性樹脂フィルムは、機械的強度向上の観点から、一軸方向または二軸方向に延伸されたフィルムであることが好ましい。
第一のフィルムの厚さは、特に制限されるものではないが、例えば、10μm~150μmとすることができる。
第一のフィルム上に本発明のアルカリ可溶性感光性組成物の乾燥塗膜からなる樹脂層を形成した後、さらに、樹脂層の表面に塵が付着するのを防ぐなどの目的で、樹脂層の表面に剥離可能な第二のフィルムを積層することが好ましい。剥離可能な第二のフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面処理した紙等を用いることができ、第二のフィルムを剥離するときに樹脂層と第一のフィルムとの接着力よりも樹脂層と第二のフィルムとの接着力がより小さいものであればよい。
第二のフィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、10μm~150μmとすることができる。
ドライフィルムを用いてプリント配線板上に硬化塗膜を作製するには、ドライフィルムから第二のフィルムを剥離し、ドライフィルムの露出した樹脂層を回路形成された基材に重ね、ラミネーター等を用いて貼り合わせ、回路形成された基材上に樹脂層を形成する。次いで、形成された樹脂層に対し、露光、現像、加熱硬化すれば、硬化塗膜を形成することができる。第二のフィルムは、露光前または露光後のいずれかで剥離すればよい。
[硬化物]
本発明の硬化物は、上記本発明のアルカリ可溶性感光性組成物、または、上記本発明のドライフィルムの樹脂層を硬化して得られるものである。本発明の硬化物は、プリント配線板や電子部品等に好適に用いることができる。
[プリント配線板]
本発明のプリント配線板は、本発明のアルカリ可溶性感光性組成物またはドライフィルムの樹脂層から得られる硬化物を有するものである。本発明のプリント配線板の製造方法としては、例えば、本発明のアルカリ可溶性感光性組成物を、上記有機溶剤を用いて塗布方法に適した粘度に調整して、基材上に、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法等の方法により塗布した後、60~100℃の温度で15~90分間、組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥(仮乾燥)させることで、タックフリーの樹脂層を形成する。また、ドライフィルムの場合、ラミネーター等により樹脂層が基材と接触するように基材上に貼り合わせた後、第一のフィルムを剥がすことにより、基材上に樹脂層を形成する。
上記基材としては、あらかじめ銅等により回路形成されたプリント配線板やフレキシブルプリント配線板の他、紙フェノール、紙エポキシ、ガラス布エポキシ、ガラスポリイミド、ガラス布/不繊布エポキシ、ガラス布/紙エポキシ、合成繊維エポキシ、フッ素樹脂・ポリエチレン・ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキサイド・シアネート等を用いた高周波回路用銅張積層板等の材質を用いたもので、全てのグレード(FR-4等)の銅張積層板、その他、金属基板、ポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ガラス基板、セラミック基板、ウエハ板等を挙げることができる。
ドライフィルムの基材上への貼合は、真空ラミネーター等を用いて、加圧および加熱下で行うことが好ましい。このような真空ラミネーターを使用することにより、回路形成された基板を用いた場合に、回路基板表面に凹凸があっても、ドライフィルムが回路基板に密着するため、気泡の混入がなく、また、基板表面の凹部の穴埋め性も向上する。加圧条件は、0.1~2.0MPa程度であることが好ましく、また、加熱条件は、40~120℃であることが好ましい。
本発明のアルカリ可溶性感光性組成物を基材上に塗布した後に行う揮発乾燥は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用いて乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法およびノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。装置としては、熱風循環乾燥炉として、ヤマト科学株式会社製DF610等が挙げられる。
基材上に組成物層を形成後、所定のパターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光し、未露光部を希アルカリ水溶液(例えば、0.3~3.0質量%炭酸ソーダ水溶液)により現像して硬化物のパターンを形成する。ドライフィルムの場合には、露光後、ドライフィルムから第一のフィルムを剥離して現像を行うことにより、基材上にパターニングされた硬化物を形成する。なお、特性を損なわない範囲であれば、露光前にドライフィルムから支持フィルムを剥離して、露出した組成物層を露光および現像してもよい。
上記活性エネルギー線照射に用いられる露光機としては、高圧水銀灯ランプ、超高圧水銀灯ランプ、メタルハライドランプ、水銀ショートアークランプ等を搭載し、350~450nmの範囲で紫外線を照射する装置であればよく、さらに、直接描画装置(例えば、コンピューターからのCADデータにより直接レーザーで画像を描くレーザーダイレクトイメージング装置)も用いることができる。直描機のランプ光源またはレーザー光源としては、最大波長が350~450nmの範囲にあるものでよい。画像形成のための露光量は膜厚等によって異なるが、一般には10~1,000mJ/cm 2 、好ましくは20~800mJ/cm 2 の範囲内とすることができる。装置としては、メタルハライドランプ搭載の露光装置として、株式会社オーク製作所製HMW-680-GW20等が挙げられる 。
上記現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等によることができ、現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類等のアルカリ水溶液が使用できる。
さらに、硬化物に活性エネルギー線を照射後に加熱硬化(例えば、100~220℃の温度で30~90分間)、もしくは加熱硬化後に活性エネルギー線を照射(例えば、1,000~2,000mJ/cm 2 )、または、加熱硬化のみで最終仕上げ硬化(本硬化)させることにより、密着性 、 硬度等の諸特性に優れた硬化被膜を形成する。装置としては、高圧水銀ランプを用いたUVコンベアとして、株式会社オーク製作所製QRM-2082等が挙げられる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
(カルボキシル基含有樹脂の樹脂ワニス1の合成)
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EPICLON N-695、エポキシ当量:214、平均官能基数7.6)220gを撹拌機および還流冷却器の付いた四つ口フラスコに入れ、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート214gを加え、加熱溶解した。次に、重合禁止剤としてハイドロキノン0.1gと、反応触媒としてジメチルベンジルアミン2.0gを加えた。この混合物を95~105℃に加熱し、アクリル酸72gを徐々に滴下し、16時間反応させた。この反応生成物を80~90℃まで冷却し、テトラヒドロフタル酸無水物106gを加え、8時間反応させ、冷却後、取り出した。このようにして、固形分65%、固形物の酸価100mgKOH/g、重量平均分子量Mw約3,500のカルボキシル基含有樹脂の樹脂ワニス1を得た。
(カルボキシル基含有樹脂の樹脂ワニス2の合成)
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート650質量部にオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EPICLON N-695、軟化点95℃、エポキシ当量214、平均官能基数7.6)1070g、アクリル酸360g、及びハイドロキノン1.5gを仕込み、100℃に加熱攪拌し、均一溶解した。次いで、トリフェニルフォスフィン4.3質量部を仕込み、110℃に加熱して2時間反応後、更にトリフェニルフォスフィン1.6質量部を追加し、120℃に昇温してさらに12時間反応を行った。得られた反応液に芳香族系炭化水素(株式会社スタンダード石油大阪発売所製、ティーソル150)525g、テトラヒドロ無水フタル酸608g(4.0モル)を仕込み、110℃で4時間反応を行った。さらに、得られた反応液にグリシジルメタクリレート142.0gを仕込み、115℃で4時間反応を行った。このようにして、固形分酸価77mgKOH/g、固形分65%であるカルボキシル基含有樹脂の樹脂ワニス2を得た。
(カルボキシル基含有樹脂の樹脂ワニス3の合成)
温度計、撹拌機、滴下ロートおよび還流冷却器を備えたフラスコに、溶媒としてのジプロピレングリコールモノメチルエーテル325.0質量部を110℃まで加熱し、メタクリル酸174.0質量部、ε-カプロラクトン変性メタクリル酸(平均分子量314)174.0質量部、メタクリル酸メチル77.0質量部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル222.0質量部、および、重合触媒としてのt-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート(日油(株)製、パーブチルO)12.0質量部の混合物を、3時間かけて滴下し、さらに110℃で3時間攪拌し、重合触媒を失活させて、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を冷却後、(株)ダイセル製サイクロマーM100(3,4―エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート)を289.0質量部、トリフェニルフォスフィン3.0質量部およびハイドロキノンモノメチルエーテル1.3質量部を加え、100℃に昇温し、攪拌することによってエポキシ基の開環付加反応を行った。このようにして、不揮発分45.5質量%、固形物の酸価が79.8mgKOH/gのカルボキシル基含有樹脂ワニス3を得た。
(アルカリ可溶性感光性組成物の調整)
各組成物について、下記表1中に示す配合に従って各成分を配合し、さらに必要に応じて有機溶剤(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)を配合し、攪拌機にて予備混合した。続いて、各組成物はいずれもビーズミルにより70℃以下で分散させ、混練して、調整した。
上記のビーズミルによる分散は、次の条件で行った。有機溶剤(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)により粘度を100dPa・sに調整した各組成物を粒径φ1.0mmのジルコニアビーズを用いて、表2に記載する平均粒子径D 5 0 になるように分散処理を行った。ジルコニアビーズの充填率は85%であり、ローターの回転数は1000rpmであった。なお、粘度は、JIS Z 8803:2011の10 円すい-平板形回転粘度計による粘度測定方法に準じ、50℃、100rpm、30秒とし、コーン・ロータとして3°×R9.7を用いたコーンプレート型粘度計(TVE-33H 、東機産業株式会社製)にて測定した。



表1中の配合量は、質量部を示す。
表1中の各成分の詳細は、以下の通りである。
※1:上記で合成したカルボキシル基含有樹脂ワニス1、配合量は固形分換算の値
※2:上記で合成したカルボキシル基含有樹脂ワニス2、配合量は固形分換算の値
※3:上記で合成したカルボキシル基含有樹脂ワニス3、配合量は固形分換算の値
※4:光重合性モノマー(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、日本化薬株式会社製))
※5:2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-4‘-モルホリノブチロフェノン(IGM Resins株式会社製、Omnirad 369)
※6:エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾー ル-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)(BASFジャパン株式会社製、Irgacure OXE02)
※7:シリカ(ジメチルシロキサン処理) (富士シリシア化学株式会社製、SYLOPHOBIC200)
※8:シリカ(カップリング剤処理)(水澤化学工業株式会社製、コロイダルシリカNo.30)
※9:フェノールノボラック型エポキシ樹脂(液状)(DIC株式会社製、EPICLON-770)
※10:カーボンブラック(三菱ケミカル株式会社製、MA-100)
※11:青色着色剤(DIC株式会社製、FastgenBlue5380)
※12:シリカ(未処理)(富士シリシア化学株式会社製、SYLYSIA 350)
※13:非晶質シリカ(エボニック・ジャパン株式会社製、ACEMATT OK500)
※14:硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製、B-30)
※15:アクリルポリマー系消泡剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製、BYK-315N)
※16:シリコーン系消泡剤(ダウ・東レ株式会社製、DOWSILtm SH 200 FLUID)
(分散性)
薄膜時の乾燥前塗膜のばらつきを簡易的に確認する方法として、アルカリ可溶性感光性組成物中の粉体のばらつきを確認する方法を採用し、アルカリ可溶性感光性組成物について分散度を測定した。
具体的には、各実施例および比較例のアルカリ可溶性感光性組成物について、JIS K5101-5-2:2004およびJIS K5600-2-5:1999に準拠して幅90mm、長さ240mm、最大深さ25μmの粒度ゲージ(株式会社第一測範製作所製)を用いることにより、分散度を測定した。なお、分散度は、前記ゲージにおいて顕著な斑点が現れ始める点を観察する。特に前記ゲージの溝に沿って3mmの幅に5~10個の粒子を含む点を観察し、かかる点を分散度とする。前記顕著な斑点が現れ始める点の前に、まばらに現れる斑点は無視する。3回の測定の平均値を算出する。算出結果を表1に示した。
(印刷性)
表面をCZ8101により化学研磨した銅厚35μmの回路形成された銅張積層基板(95mm×150mm×1.6mmt)に、乾燥後膜厚が15μmになるように150メッシュのポリエステル版(バイアス有)を用いてスクリーン印刷でベタ印刷し、その印刷具合を以下の基準で評価した。
○:印刷した際の基板の版離れ、基板へ印刷したインキの泡ヌケ性、ダレ性が良好。
×:印刷した際の基板の版離れ、基板へ印刷したインキの泡ヌケ性、ダレ性のいずれかが悪い。
(硬化被膜の作製)
銅張積層基板(95mm×150mm×1.6mmt)表面をCZ8101により化学研磨し、乾燥後膜厚が15μmとなるようにアルカリ可溶性感光性組成物をスクリーン印刷(150メッシュ、テトロン)した。
次に、高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて、フォトマスク上から露光した後、1重量%Na2CO3水溶液を用いて、30℃、スプレー圧2kg/cm2の条件で120秒間現像を行い、樹脂層を形成した。ここでフォトマスクは後述するフォトマスクを用いた。続いて、高圧水銀灯を備えたUVコンベア炉にて1J/cm2の露光量で樹脂層に照射した後、150℃で60分加熱して樹脂層を完全硬化させて硬化被膜を形成した。完全硬化させた際に、25℃50%RHの環境下で、前述した室温まで冷却した硬化性樹脂層の表面に、イソプロピルアルコール(IPA)を含ませたウエスを載せ、さらに、その上に500gのおもりを載せて1分間静置した後に、ウエスをはがし、ウエスの硬化被膜と接触していた面に感光性樹脂層の全部または一部が付着していない状態であることを確認した。得られた硬化被膜の表面を目視にて確認したところ、良好なマット感を有していた。
(光沢度)
デジタル変角光沢度計(Micro-Tri-Gloss、BYK Gardener社製)を用いて、硬化被膜表面のGs(20°)、Gs(60°)、およびGs(85°)を測定した。測定結果は下記の表1に示されるとおりであった。
(現像後白化)
アルカリ可溶性感光性組成物を銅箔上に全面塗布し、80℃30分で乾燥し、マイラーフィルム上600mJ/cm2で高圧水銀灯により光照射し、30℃の1wt%炭酸ナトリウム水溶液にて現像した。その後、硬化被膜表面に白化の有無を目視にて確認し、以下の基準で評価を行った。評価結果は表1に示す通りである。
○:白化しない。
×:白化する。
(絶縁信頼性)
L/S=10/10μmの櫛形パターンが形成された、FR-4 1.6mm厚 銅箔18μm厚の銅張積層板に電解銅めっき17μm厚でつけた基板用いた以外は硬化被膜の作製と同様に硬化被膜を有する基板を作製した。そして、130℃、85%RH、印加電圧3.5V、槽内測定の条件でHASTを行い、短絡までの時間を測定した。測定結果は表1に示す通りである。

Claims (9)

  1. カルボキシル基含有樹脂、
    多官能モノマー、
    光重合開始剤、
    艶消し剤を含み、
    前記艶消し剤が表面処理されたシリカであることを特徴とするアルカリ可溶性感光性組成物。
  2. 前記艶消し剤がポリジメチルシロキサンまたはシランカップリング剤で表面処理された、沈降性シリカまたはコロイダルシリカのいずれかである請求項1に記載のアルカリ可溶性感光性組成物。
  3. 前記艶消し剤がポリジメチルシロキサンまたはシランカップリング剤で表面処理された、コロイダルシリカである請求項1に記載のアルカリ可溶性感光性組成物。
  4. 前記艶消し剤がポリジメチルシロキサンで疎水化処理された、コロイダルシリカである請求項1に記載のアルカリ可溶性感光性組成物。
  5. さらに液状の熱硬化成分を含有する請求項1に記載のアルカリ可溶性感光性組成物。
  6. さらに着色剤を含有する請求項1に記載のアルカリ可溶性感光性組成物。
  7. 請求項1に記載のアルカリ可溶性感光性組成物から得られる樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
  8. 請求項1に記載のアルカリ可溶性感光性組成物の硬化物。
  9. 請求項8に記載の硬化物を備えたプリント配線板。

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