JP2023141445A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストでヒューズ部包埋用樹脂部材を最適な充填量で充填し、ヒューズ部の溶断に起因した周囲の部品の損傷を抑制した電力変換装置を得ること。【解決手段】電力用半導体素子と、電力用半導体素子が熱的に接続されたヒートシンクと、バスバーと、バスバーを一体成形したケースとを備え、バスバーは、本体部と電力用半導体素子に接続された接続端子とを有し、接続端子は、断面積が前後の部分よりも小さいヒューズ部を有し、ケースは、ヒューズ部を取り囲むヒューズ囲い部を有し、ヒューズ部はケースから露出し、ヒューズ囲い部は配置面とは反対側の第1端面を有し、第1端面における内周側の端部に、外周側及び配置面の側に引っ込んだ少なくとも一つの切り欠き部を有し、ヒューズ囲い部の内側には、ヒューズ部を包埋したヒューズ部包埋用樹脂部材が、配置面から切り欠き部の一部または全部が埋まる位置まで充填されている。【選択図】図5

Description

本願は、電力変換装置に関するものである。
近年、自動車業界において、環境に優しい自動車として、ハイブリッド自動車または電気自動車など、モータにより駆動される車両が盛んに開発されている。モータを駆動する電力変換装置は、バッテリを電源として、モータ駆動回路に高電圧の駆動電力を供給する。また、電力変換装置には、樹脂封止型の電力用半導体素子が用いられており、パワーエレクトロニクスの分野において、電力変換装置はキーデバイスとしての重要性がますます高まっている。
ここで、電力変換装置に用いられる電力用半導体素子は、他の構成部品と共に樹脂封止されている。こうした電力変換装置において、バッテリから電力が供給された状態で、電力用半導体素子またはスナバ回路を構成する平滑コンデンサなどの電子部品が短絡故障すると、過大な短絡電流が流れる。例えば、制御回路におけるゲート駆動回路の誤動作により、電力変換装置の上下アームが短絡すると電力用半導体素子に過電流が流れ、短絡故障が発生する。
短絡状態でバッテリとモータ駆動回路とを繋ぐリレーを接続するか、または接続を継続すると、大電流により電力変換装置が損傷することになる。また、定格を超える過電流が流れることにより、電力変換装置に接続されているバッテリが損害を受けることも考えられる。こうした事態を回避するために、通常は過電流を検知するセンサを用いて、過電流が流れた場合に電力用半導体素子のスイッチングを高速に制御して電流を遮断している。しかしながら、電力用半導体素子が短絡故障した場合でも、上述した損傷などの故障モードをより確実に防ぐことが望まれている。
具体的には、例えば、電力用半導体素子とバッテリとの間に過電流遮断用ヒューズを挿入すれば、電力変換装置とバッテリとの間に流れる過電流を阻止することができる。しかし、チップ型の過電流遮断用ヒューズは高価である。そのため、安価でありながら、電力用半導体素子が短絡故障した場合に、バッテリに流れ得る過電流を確実に遮断することができる過電流遮断手段が必要とされている。過電流遮断手段として、バッテリからの電力を電力用半導体素子に供給するバスバーの一部にヒューズ部を設け、ヒューズ部の周辺にヒューズ部包埋用樹脂部材を充填し、ヒューズ部が樹脂部材に包埋されている構成が開示されている(例えば特許文献1参照)。
特開2019-161967号公報
上記特許文献1においては、ヒューズ部がヒューズ部包埋用樹脂部材により包埋されているため、過電流によってヒューズ部が溶断する際に複数の球状の塊になって飛び散る溶融部材をヒューズ部包埋用樹脂部材にめり込ませて、ヒューズ部包埋用樹脂部材が溶融部材を分散させて保持するので、溶断後に溶融部材により通電経路が維持されることを防止し、速やかに通電経路を切断することができる。しかしながら、ヒューズ部の周囲を覆うヒューズ部包埋用樹脂部材を予め定めた量で充填することが難しいため、充填量が少ない場合、ヒューズ部包埋用樹脂部材から溶融部材が外部に飛び散って周囲の部品を損傷させるという課題があった。また、溶融部材がヒューズ部包埋用樹脂部材の内部で十分に分散されずに、ヒューズ部の溶断後もヒューズ部の溶断部における通電経路が維持された場合、溶断部に短絡電流が流れることで、溶断部が高温になり周囲の部品に熱が伝達され、周囲の部品を損傷させるという課題があった。
また、ヒューズ部包埋用樹脂部材の充填量が予め定めた量よりも多くなる場合、想定以上のコストが発生するという課題があった。ヒューズ部包埋用樹脂部材を予め定めた量で充填するためには、充填量または充填高さを管理する必要がある。上記特許文献1の構成では、直接充填高さを測定して充填高さを確認する必要があるので、充填高さを確認する検査設備が高価になるという課題があった。
そこで、本願は、低コストでヒューズ部包埋用樹脂部材を最適な充填量で充填し、ヒューズ部の溶断に起因した周囲の部品の損傷を抑制した電力変換装置を得ることを目的とする。
本願に開示される電力変換装置は、電力用半導体素子と、電力用半導体素子が熱的に接続された配置面を有したヒートシンクと、電力用半導体素子に電力を供給するバスバーと、配置面に配置され、バスバーを一体成形したケースとを備え、バスバーは、本体部と、本体部から延出し、電力用半導体素子の配線部材に接続された接続端子とを有し、接続端子は、配置面に沿って延出し、断面積が前後の部分よりも小さいヒューズ部を有し、ケースは、配置面に垂直な方向に見て、ヒューズ部の周囲を取り囲むヒューズ囲い部を有し、ヒューズ部は、ケースから露出し、ヒューズ囲い部は、配置面とは反対側の第1端面を有し、第1端面における内周側の端部に、外周側及び配置面の側に引っ込んだ少なくとも一つの切り欠き部を有し、ヒューズ囲い部の内側には、ヒューズ部を包埋したヒューズ部包埋用樹脂部材が、配置面から切り欠き部の一部または全部が埋まる位置まで充填されているものである。
本願に開示される電力変換装置によれば、バスバーの本体部から延出した接続端子が、断面積が前後の部分よりも小さいヒューズ部を有し、ケースは、配置面に垂直な方向に見て、ヒューズ部の周囲を取り囲むヒューズ囲い部を有し、ヒューズ部は、ケースから露出し、ヒューズ囲い部は、配置面とは反対側の第1端面を有し、第1端面における内周側の端部に、外周側及び配置面の側に引っ込んだ少なくとも一つの切り欠き部を有し、ヒューズ囲い部の内側には、ヒューズ部を包埋したヒューズ部包埋用樹脂部材が、配置面から切り欠き部の一部または全部が埋まる位置まで充填されているため、切り欠き部を設ける高さを、ヒューズ部が溶断した際に溶断したヒューズ部の溶融部材がヒューズ囲い部の内部で十分に分散し、外部には飛散しないヒューズ部包埋用樹脂部材の充填高さとなるように設定することで、低コストでヒューズ部包埋用樹脂部材を最適な充填量で充填することができる。また、溶融部材がヒューズ囲い部の内部で十分に分散し、外部に飛散しないヒューズ部包埋用樹脂部材の充填高さが確保されるので、ヒューズ部の溶断に起因した周囲の部品の損傷を抑制することができる。
実施の形態1に係る電力変換装置の概略を示す斜視図である。 実施の形態1に係る電力変換装置の要部の概略を示す斜視図である。 実施の形態1に係る電力変換装置のバスバーの概略を示す斜視図である。 実施の形態1に係る電力変換装置の概略を示す平面図である。 図4のA-A断面位置で切断した電力変換装置の概略を示す断面図である。 実施の形態1に係る電力変換装置のヒューズ部の電流密度を説明する図である。 実施の形態1に係る電力変換装置の要部を示す図である。 実施の形態1に係る電力変換装置の要部を示す図である。 比較例の電力変換装置の要部を説明する図である。 実施の形態1に係る別の電力変換装置の概略を示す平面図である。 実施の形態1に係る別の電力変換装置の概略を示す平面図である。 実施の形態1に係る別の電力変換装置の要部を示す断面図である。 実施の形態2に係る電力変換装置の要部を示す図である。 実施の形態3に係る電力変換装置の要部を示す図である。 実施の形態4に係る電力変換装置の要部を示す図である。 実施の形態5に係る電力変換装置の要部を示す図である。
以下、本願の実施の形態による電力変換装置を図に基づいて説明する。なお、各図において同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。また、各図間の図示では、対応する各構成部のサイズ及び縮尺は、それぞれ独立している。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る電力変換装置1の概略を示す斜視図で、ヒューズ部包埋用樹脂部材25及びケース16の筒部16aの一部を取り除いて示した図、図2は電力変換装置1のバスバー11とケース16の概略を示す斜視図、図3は電力変換装置1のバスバー11の概略を示す斜視図、図4は電力変換装置1の概略を示す平面図で、ヒューズ部包埋用樹脂部材25及びケース16の筒部16aの一部を取り除いて示した図、図5は図4のA-A断面位置で切断した電力変換装置1の概略を示す断面図、図6は実施の形態1に係る電力変換装置1のヒューズ部23の電流密度を説明する図、図7は電力変換装置の要部を示す図で、図7(a)はヒューズ部包埋用樹脂部材25を取り除いてヒューズ部23の周囲の部分を示した斜視図、図7(b)はヒューズ部包埋用樹脂部材25を取り除いてヒューズ部23の周囲の部分を示した断面図、図8は電力変換装置1の要部を示す図で、図8(a)はヒューズ部23の周囲の部分を示した斜視図、図8(b)はヒューズ部23の周囲の部分を示した断面図である。電力変換装置1は、入力電流を直流から交流、交流から直流、または入力電圧を異なる電圧に変換する装置である。
<電力変換装置1>
電力変換装置1は、電力用半導体素子14と、バスバー11と、ヒートシンク13と、ケース16とを備える。筐体12は、図1に示すように、ヒートシンク13とケース16とから、有底筒状に形成される。筐体12は、電力用半導体素子14を有した電力変換モジュール10とバスバー11とを収容する。ヒートシンク13は、電力用半導体素子14が熱的に接続された配置面13aを有する。バスバー11は、電力用半導体素子14に電力を供給する。ケース16は、配置面13aに配置され、バスバー11を一体成形している。以下、各部の詳細について説明する。各部の説明において、「縦方向」は、筐体12の筒部16aが延出している方向を意味するものとし、「横方向」は、筐体12の底部であるヒートシンク13が延在している方向を意味するものとする。図5において、縦方向をAで示し、横方向をBで示す。
<電力変換モジュール10>
本実施の形態では、電力変換装置1は、2つの電力変換モジュール10を有する。電力変換装置1が有する電力変換モジュール10の個数は、2個に限るものではない。電力変換モジュール10は、図5に示すように、配線パターン状に形成された複数の配線部材17と、スイッチング動作の可能な電力用半導体素子14と、電力用半導体素子14と出力側の配線部材17bとを電気的に接続する半導体素子用配線部材18と、制御用端子19と、導電性接合材20と、これらを封止するモールド樹脂21とを備える。配線部材17は、温度センサなどの他の実装部品(図示せず)を有しても構わない。導電性接合材20は、正極側の配線部材17aと電力用半導体素子14、半導体素子用配線部材18と出力側の配線部材17b、及び半導体素子用配線部材18と電力用半導体素子14のそれぞれを相互に接合する。
ヒートシンク13の配置面13aにおける電力変換モジュール10と対向した部分に、縦方向に配置面13aから突出した突出部13bが設けられる。突出部13bと電力変換モジュール10の突出部13bの側とが、電気的絶縁性を有した放熱部材22を介して当接する。電力用半導体素子14とヒートシンク13とは、放熱部材22により電気的に絶縁される。電力用半導体素子14で発生する熱は、シート状に形成された放熱部材22を介してヒートシンク13に伝導する。ヒートシンク13は、電力用半導体素子14で発生した熱を外気へ効率よく放熱する。このように、電力変換モジュール10は、ヒートシンク13に対して電気的に絶縁され、熱的に接続された状態で、ヒートシンク13に固定されている。
放熱部材22は、熱伝導性が高く、かつ電気的絶縁性が高い材料により作製される。放熱部材22は、例えば、熱伝導率が0.1W/(m・K)から数十W/(m・K)であり、かつ絶縁性を有したシリコン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの樹脂材料からなる接着剤、グリス、または絶縁シートである。放熱部材22は、セラミック基板または金属基板などの熱抵抗が低く、かつ、絶縁性を有する他の材料と樹脂材料とを組み合わせて構成することも可能である。なお、ヒートシンク13が、電力変換モジュール10の被固定部に対向する面に絶縁層を有し、はんだ及び放熱グリスなどを介して、電力変換モジュール10が絶縁層に固定される構成でも構わない。
配線部材17は、導電性が良好で熱伝導率の高い、銅、アルミニウム、銅合金、またはアルミ合金などの金属により、平板状に作製される。配線部材17の表面は、Au、Ni、Snなどの金属材料でメッキされていても構わない。配線部材17には、数アンペアから数百アンペア程度の大電流が流れる。図1に示すように、制御用端子19及び配線部材17の端部は、モールド樹脂21から外部に突出している。制御用端子19及び配線部材17の端部は、モールド樹脂21から突出した後、ヒートシンク13の配置面13aと間隔を空けた状態で、ヒートシンク13の配置面13aに沿って横方向に延出し、その後、屈曲し、ヒートシンク13から離れる側に縦方向に延出している。制御用端子19は、電力用半導体素子14のゲート端子に接続されたゲート信号線、及び電力変換モジュール10における温度などの情報を外部に伝えるセンサ信号線などである。制御用端子19は、電力変換装置1に搭載された制御基板(図示せず)に接続される。制御基板は、電力用半導体素子14のオン/オフを制御する。
正極側の配線部材17aの端部のうちヒートシンク13から離れる側に縦方向に延出している部分である接続端部17a1は、図5に示すように、バスバー11に形成された接続端子11bに、溶接、はんだ付け、またはかしめなどによって接続される。正極側の配線部材17aは、バスバー11を介して外部に設けられた電力供給装置またはバッテリなどの電源に接続される。出力側の配線部材17bの端部のうちヒートシンク13から離れる側に縦方向に延出している部分である接続端部17b1は別の接続端子(図示せず)と、溶接、はんだ付け、またはかしめなどによって接続され、例えば、外部に設けられた回転電機と電気的に接続される。負極側の配線部材17cの端部のうちヒートシンク13から離れる側に縦方向に延出している部分である接続端部17c1は別の接続端子(図示せず)と、溶接、はんだ付け、またはかしめなどによって接続され、バッテリーアース、または電力変換装置1のアースの部分と電気的に接続される。負極側の配線部材17cの接続端部17c1をねじ止め等でヒートシンク13に直接接続して、接続端部17c1と電力変換装置1のアースとを電気的に接続しても構わない。
電力用半導体素子14は、例えば、電力用電界効果トランジスタ(パワーMOSFET、Power Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、または絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT、Insulated Gate Bipolar Transistor)である。これらは、モータなどの機器を駆動する電力変換装置に用いられる半導体素子であり、数アンペアから数百アンペアの定格電流を制御する。電力用半導体素子14の材料には、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、ガリウムナイトライド(GaN)などが用いられる。
電力用半導体素子14は、矩形平板のチップ状に形成される。電力用半導体素子14には、ヒートシンク13の側の面に主電極としてのドレイン端子が設けられ、ヒートシンク13とは反対側の面に主電極としてのソース端子が設けられる。また、ソース端子が設けられた面に、制御用端子19に接続されるゲート端子が設けられる。なお、主電極間を流れる電流を検出するためのセンサ端子、及び電力用半導体素子14の温度を検出するためのセンサ端子などがさらに設けられ、制御用端子19と接続されても構わない。本実施の形態では、1つの電力変換モジュール10に1つの電力用半導体素子14を設けたが電力用半導体素子14の数はこれに限るものではない。1つの電力変換モジュール10の内部に電力用半導体素子14が2つ設けられ、2つの電力用半導体素子14と配線部材17とが接合されることで、上下アームを形成する構成としても構わない。
電力用半導体素子14のドレイン端子は、導電性接合材20により正極側の配線部材17aの電極接続部分に接続される。電力用半導体素子14のソース端子は、半導体素子用配線部材18を介して出力側の配線部材17bに接続される。半導体素子用配線部材18には大電流が流れるため、半導体素子用配線部材18は、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、銅合金、またはアルミニウム合金の板材を加工して作製される。半導体素子用配線部材18を、ワイヤボンド、リボンボンドなどで形成しても構わない。ゲート端子及びセンサ端子は、例えば金、銅、アルミニウムなどからなるワイヤボンド、またはアルミニウムのリボンボンドによって制御用端子19に接続される。
本実施の形態では、正極側の配線部材17a及び出力側の配線部材17bにおけるヒートシンク13の側の面は、モールド樹脂21により封止されずに外側に露出している。正極側の配線部材17a及び出力側の配線部材17bの露出した部分は、放熱部材22を介して、ヒートシンク13の突出部13bに当接している。電力用半導体素子14の発熱は、正極側の配線部材17aの電極接続部分及び放熱部材22を介してヒートシンク13に伝達される。なお、正極側の配線部材17aのヒートシンク13側の面は、モールド樹脂21により覆われていても構わない。この際、正極側の配線部材17aのヒートシンク13側の面を覆うモールド樹脂21は、正極側の配線部材17aの電力用半導体素子14の側の面を覆うモールド樹脂21と異なる熱伝導率を有していても構わない。
また、放熱部材22の厚さを規定するために、モールド樹脂21のヒートシンク13の側、またはヒートシンク13の突出部13bの側に、突起(図示せず)を設けても構わない。モールド樹脂21に形成した突起をヒートシンク13または突出部13bに押し当てることで、突起の高さにより、放熱部材22の厚さを規定することができる。放熱部材22の厚さを規定することで、放熱部材22の絶縁性及び伝熱性を管理することができる。例えば、12V、24V、48Vなどのバッテリを使用する低耐圧系の自動車では、予め定められた絶縁耐圧を確保するために必要な沿面距離は10μm程度である。従って、低耐圧系の自動車の場合には、絶縁に必要な厚さを薄くするため、モールド樹脂21の突起を短くすることができ、電力変換装置1を薄型にすることができる。放熱部材22が剛性を有した材料からなり、放熱部材22を押圧した際に厚さの変化が小さい場合には、放熱部材22の厚さを予め管理できるため、モールド樹脂21の突起はなくても構わない。突起により、配線部材17とヒートシンク13との間の間隔を管理することができ、後述する接続端子11bに形成されたヒューズ部23とヒートシンク13との距離を管理することができるので、両者の間の絶縁性を管理することができる。
<筐体12>
ヒートシンク13は、例えば、アルミニウム、鉄、銅などの純金属、またはアルミニウム合金、鉄合金、銅合金など合金により作製される。これらの材料は、20W/(m・K)以上の熱伝導率を有する材料である。本実施の形態では、ヒートシンク13は矩形の平板状に形成される。ヒートシンク13の形状は、矩形の平板状に限るものではない。ヒートシンク13の配置面13aとは反対側の外面13cには、互いに間隔を空けて配列された平板状の複数のフィン15が設けられている。フィン15は外気に接しており、ヒートシンク13はフィン15から外部に放熱する。なお、ヒートシンク13に冷媒が流れる流路を形成しても構わない。
ケース16は、絶縁性が高く、熱可塑性を有した樹脂材料により作製される。樹脂材料は、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である。ケース16は、バスバー11を一体成形した部分、電力変換モジュール10及びバスバー11を取り囲む筒部16a、及び後述するヒューズ囲い部24を有する。ケース16は、ねじ止めまたは接着などにより、配置面13aに固定される。
<バスバー11>
バスバー11は、図3に示すように、本体部11aと、本体部11aから延出し、電力用半導体素子14を接続した正極側の配線部材17aに接続された接続端子11bとを有する。接続端子11bは、配置面13aに沿って延出し、断面積が前後の部分よりも小さいヒューズ部23を有する。バスバー11は、導電性が良好で熱伝導率の高い、銅、アルミニウム、銅合金、またはアルミ合金などの金属により作製される。本実施の形態では、バスバー11は板状に形成される。バスバー11の本体部11aは、板状に限るものではなく、柱状であっても構わない。バスバー11の表面は、Au、Ni、Snなどの金属材料でメッキされていても構わない。バスバー11には、数アンペアから数百アンペア程度の大電流が流れる。バスバー11は1つに限るものではなく、複数のバスバー11を設けても構わない。ヒューズ部23は、電力変換モジュール10の構成に応じて、単数または複数設けられる。
接続端子11bの一部であるヒューズ部23は、ヒューズとして機能する部分である。本実施の形態では、ヒューズ部23は、接続端子11bの配置面13aに沿って横方向に延出している部分に設けられている。ヒューズ部23は、電流の流れ方向の前後の部分よりも断面積が小さくなった接続端子11bの部分である。即ち、ヒューズ部23は、ヒューズ部23における電流の流れる方向の前側(上流側)及び後側(下流側)の部分よりも断面積が小さくなっている。図6に示すように、バスバー11に過電流が流れた際、前後よりも断面積が小さいヒューズ部23の電流密度が大きくなる。図6の矢印は、電流密度を表している。ヒューズ部23の電流密度が大きくなると、ヒューズ部23の温度が他の箇所と比べて局所的に上昇し、ヒューズ部23は溶断して過電流は遮断される。
バスバー11の部分であるヒューズ部23は、バスバー11と同様に、電気伝導性が高い銅、アルミニウム、銅合金、またはアルミ合金などの金属により作製される。ヒューズ部23は、バスバー11と異なる材料で構成してもよく、電気伝導性が高い金、銀により作製しても構わない。なお、これに限定されるものではないが、ヒューズ部23は、バスバー11の他の部分と同様に、0.5mmから1.5mm程度の厚みを有した銅または銅合金からなる平板を打ち抜き加工することにより容易に形成することができる。ヒューズ部23の形状は、断面積を減少させる形状であればどのような形状であっても構わない。図2に示すように、ヒューズ部23は縦方向においてケース16の部材はなく、横方向においてケース16の部材により取り囲まれている。
<ヒューズ囲い部24>
ケース16は、図4に示すように、配置面13aに垂直な方向に見て、ヒューズ部23の周囲を取り囲むヒューズ囲い部24を有する。ヒューズ部23は、ケース16から露出している。ヒューズ囲い部24は、ケース16におけるバスバー11を一体成形した部分と一体化されている。本実施の形態では、配置面13aに垂直な方向に見て、ヒューズ囲い部24の内周側の形状は矩形であるが、内周側の形状は矩形に限るものではない。ヒューズ囲い部24の内側には、図8(a)に示すように、ヒューズ部23を包埋したヒューズ部包埋用樹脂部材25が、配置面13aから後述する切り欠き部26の一部または全部が埋まる位置まで充填されている。ヒューズ部包埋用樹脂部材25により、ヒューズ部23は外気から遮断されている。このように構成することで、ヒューズ部23における電力用半導体素子14と筐体12との間での短絡、及び電力用半導体素子14内部の回路異常によるショートが生じて大電流が流れ、ヒューズ部23が溶断した際に溶断したヒューズ部23の溶融部材の外部への飛散を防止することができる。また、溶融部材がヒューズ部包埋用樹脂部材25の内部で十分に分散され、ヒューズ部23の溶断後のヒューズ部23の溶断部における通電経路の維持を防止することができる。
ヒューズ部包埋用樹脂部材25には、例えば、ゴム材、シリコンゴム、シリコンゲルが用いられる。このような材料をヒューズ部包埋用樹脂部材25に用いることで、過電流によってヒューズ部23が溶断する際に、複数の球状の塊になって飛び散る溶融部材を、ヤング率が低く柔らかいヒューズ部包埋用樹脂部材25の内部にめり込ませ、ヒューズ部包埋用樹脂部材25の内部に溶融部材を効果的に分散させて保持することができる。よって、ヒューズ部23の溶断後、溶融した部材により接続端子11bの通電経路が維持されるのが防止され、速やかに通電経路を切断することができる。
ヒューズ部包埋用樹脂部材25には、過電流によってヒューズ部23が溶断した時に生じるアーク放電の消弧作用を有するシリコン樹脂を用いるのが望ましい。この構成によれば、ヒューズ部23が溶断した後もアーク放電により通電が継続されることが抑制され、溶断後、速やかに電流を遮断することができる。従って、電力用半導体素子14の損傷をさらに抑制することができる。
図9(a)及び図9(b)に示すように、ヒューズ部包埋用樹脂部材25が少なすぎる場合、溶断したヒューズ部23の溶融部材が外部に飛散するのを防止することができない。図9は比較例の電力変換装置の要部を説明する図で、図9(a)はヒューズ部23の周囲の部分を示した斜視図、図9(b)はヒューズ部23の周囲の部分を示した断面図である。一方、ヒューズ部包埋用樹脂部材25が多すぎる場合、材料コストがかかること、及びヒューズ囲い部24からヒューズ部包埋用樹脂部材25が漏れ出すことでヒューズ部包埋用樹脂部材25が他の部品に付着するため、部品故障及び通電経路異常が生じるおそれがあることなどの課題が生じうる。ヒューズ部包埋用樹脂部材25を多量にヒューズ囲い部24に充填できるようにするためには、ヒューズ囲い部24における縦方向の高さを高くする必要がある。ヒューズ囲い部24の縦方向の高さを高くした場合、電力変換装置1を小型化できなくなる。そのため、ヒューズ囲い部24の縦方向の高さを適切に設けて、ヒューズ部包埋用樹脂部材25を適正な高さに充填することが求められる。
<切り欠き部26>
本願の要部である切り欠き部26について説明する。切り欠き部26は、ヒューズ部包埋用樹脂部材25の充填高さの精度を上げて、ヒューズ部包埋用樹脂部材25を適正な高さまで充填するための、ヒューズ囲い部24に設ける充填高さ確認用の部分である。ヒューズ囲い部24は、図7(a)及び図7(b)に示すように、配置面13aとは反対側の第1端面24aを有し、第1端面24aにおける内周側の端部に、外周側及び配置面13aの側に引っ込んだ少なくとも一つの切り欠き部26を有する。図7(a)及び図7(b)には、切り欠き部26を説明するために、ヒューズ部包埋用樹脂部材25を図示していない。図8(a)及び図8(b)に示すように、ヒューズ部包埋用樹脂部材25を充填する際、切り欠き部26の部分にヒューズ部包埋用樹脂部材25が充填されることを確認することで、予め定めたヒューズ部包埋用樹脂部材25の充填高さの精度を容易に確保することができる。
本実施の形態では、切り欠き部26の切り欠き面の断面は、配置面13aの側に向かう面と内周側に向かう面とからなる段差面である。切り欠き部26の切り欠き面の断面の形状は、段差面に限るものではない。切り欠き部26の切り欠き面の断面の形状を段差面にした場合、ヒューズ部包埋用樹脂部材25を充填する際、ヒューズ部包埋用樹脂部材25が切り欠き部26における内周側に向かう面に到達したときにヒューズ部包埋用樹脂部材25は内周側に向かう面において外周側に一気に広がるので、ヒューズ部包埋用樹脂部材25の切り欠き部26における内周側に向かう面の到達を容易に確認することができる。
切り欠き部26を設ける高さを、ヒューズ部23が溶断した際に溶断したヒューズ部23の溶融部材がヒューズ囲い部24の内部で十分に分散し、外部には飛散しないヒューズ部包埋用樹脂部材25の充填高さとなるように設定することで、低コストでヒューズ部包埋用樹脂部材25を最適な充填量で充填することができる。また、溶融部材がヒューズ囲い部24の内部で十分に分散し、外部に飛散しないヒューズ部包埋用樹脂部材25の充填高さが確保されるので、ヒューズ部23の溶断に起因した周囲の部品の損傷を抑制することができる。切り欠き部26を設ける高さは、予め実験等によって定められる。電力変換装置1の仕様により短絡時に流れる電流の大きさが異なるため、製品毎に切り欠き部26を設ける高さが定められる。本実施の形態では、配置面13aからヒューズ部23までの高さは、例えば、2.5mmから3.0mm程度であり、配置面13aからのヒューズ部包埋用樹脂部材25の充填高さは、例えば、5.5mmから6.5mm程度である。また、ヒューズ部23からヒューズ囲い部24までの距離は、例えば、3mm以上である。
ヒューズ部包埋用樹脂部材25の充填高さは、図8(a)、(b)と図9(a)、(b)との比較からわかるように、目視による切り欠き部26のみの確認で判断することができる。切り欠き部26により容易にヒューズ部包埋用樹脂部材25の充填高さが確保されるので、高さ測定などの高価な設備を用いる必要がないため、ヒューズ部包埋用樹脂部材25の充填高さの検査コストを抑制することができる。また、検査設備で充填高さを検査する場合でも、画像検査によりヒューズ部包埋用樹脂部材25が切り欠き部26まで充填されていることを確認すればよい。そのため、ヒューズ部23が複数あった場合でも、全てのヒューズ部23の周辺を一括して同時に確認することができるので、検査時間は短縮され、電力変換装置1の生産性を向上させることができる。
<変形例1>
本実施の形態における電力変換装置1の変形例について説明する。図10は実施の形態1に係る別の電力変換装置1の概略を示す平面図で、ヒューズ部包埋用樹脂部材25及びケース16の筒部16aの一部を取り除いて示した図である。電力変換装置1は、複数の電力用半導体素子(図示せず)を備え、複数の電力用半導体素子から一つの電力変換モジュール10が形成される。バスバー11は、複数の接続端子11bを有し、複数の接続端子11bは、複数の電力用半導体素子のそれぞれが接続された正極側の配線部材17aに接続される。複数の接続端子11bにおける複数のヒューズ部23のそれぞれを、ヒューズ囲い部24が取り囲んでいる。図10では電力変換装置1は2つの電力用半導体素子を備え、バスバー11は2つの接続端子11bを有しているが、電力用半導体素子と接続端子11bの個数はこれに限るものではなく、3つ以上であっても構わない。このように構成することで、複数の電力変換モジュールが1つの電力変換モジュール10で形成されるので、電力変換モジュール10を小型化することができる。電力変換モジュール10が小型化されるので、電力変換装置1を小型化することができる。
<変形例2>
本実施の形態における電力変換装置1の別の変形例について説明する。図11は実施の形態1に係る別の電力変換装置1の概略を示す平面図で、ヒューズ部包埋用樹脂部材25及びケース16の筒部16aの一部を取り除いて示した図である。電力変換装置1は、複数の電力用半導体素子(図示せず)を備え、複数の電力用半導体素子のそれぞれから電力変換モジュール10のそれぞれが形成される。バスバー11は、複数の接続端子11bを有し、複数の接続端子11bは、複数の電力用半導体素子のそれぞれが接続された正極側の配線部材17aに接続される。複数の接続端子11bにおける複数のヒューズ部23を、一つのヒューズ囲い部24が取り囲んでいる。このように構成することで、隣り合うヒューズ部23の距離を近くすることができるので、電力変換装置1を小型化することができる。また、ヒューズ囲い部24が一つにまとめられているため、ヒューズ部包埋用樹脂部材25の充填回数、及び充填時間を減らすことができるので、電力変換装置1の生産性を向上させることができる。
<変形例3>
本実施の形態における電力変換装置1のさらに別の変形例について説明する。図12は実施の形態1に係る別の電力変換装置1のヒューズ部23の周囲の部分を示した断面図である。変形例3におけるヒューズ部包埋用樹脂部材25は、粘度の異なる複数の樹脂部材からなる。図12に示した例では、ヒューズ部包埋用樹脂部材25は、粘度の異なる樹脂部材であるヒューズ部包埋用樹脂部材25aとヒューズ部下側用樹脂部材25bとから形成される。ヒューズ部下側用樹脂部材25bは、ヒューズ部23よりも配置面13aの側に、配置面13aに当接して配置される。ヒューズ部下側用樹脂部材25bは、ヒューズ部包埋用樹脂部材25aよりも高い粘度を有している。ヒューズ部包埋用樹脂部材25aとヒューズ部下側用樹脂部材25bは粘度の異なる異種の樹脂材料でもよく、粘度の異なる同種の樹脂材料(例えばシリコンゲル)であっても構わない。
ヒューズ部包埋用樹脂部材25を充填した際に、ヒューズ部23の周囲に空気が残留した場合、発熱等の不具合の原因になるおそれがある。そのため、ヒューズ部包埋用樹脂部材25が空気を残留させずにヒューズ部23の周囲に回り込むように、低粘度の材料からなるヒューズ部包埋用樹脂部材25aをヒューズ部包埋用樹脂部材25として選定する場合がある。一方、ケース16のヒューズ囲い部24とヒートシンク13の配置面13aと間にはそれぞれの部品の仕上がり精度のばらつきにより隙間部27が生じる場合がある。隙間部27が生じた場合、隙間部27から低粘度のヒューズ部包埋用樹脂部材25aが流れ出るおそれがある。低粘度のヒューズ部包埋用樹脂部材25aの隙間部27からの流出を防止するために、粘度が高く広がりにくいヒューズ部下側用樹脂部材25bを先に充填し、隙間部27を埋めることで、低粘度のヒューズ部包埋用樹脂部材25aが隙間部27から流れ出ないようにすることができる。
このように構成することで、ヒューズ部包埋用樹脂部材25を充填した際にヒューズ部23の周囲に空気が噛み込んで、ヒューズ部23の周囲に空気が残留しないため、通常の動作時にヒューズ部23に生じた熱をヒューズ部23の周囲のヒューズ部包埋用樹脂部材25を介して外部に容易に放熱することができる。ヒューズ部23に生じた熱が外部に放熱されるので、ヒューズ部23の発熱に起因した周囲の部品の破損を抑制することができる。なお、粘度の異なる樹脂部材は2種に限るものではなく、3種の異なる粘度を有した樹脂部材を配置面13aの側から段階的に充填しても構わない。また、筐体12の内部にヒューズ部包埋用樹脂部材25の部分と電力変換モジュール10とを包埋する別の樹脂部材をさらに充填しても構わない。これにより電力変換装置1の内部を被水等の影響から保護することができる。
以上のように、実施の形態1による電力変換装置1において、バスバー11の本体部から延出した接続端子11bが、断面積が前後の部分よりも小さいヒューズ部23を有し、ケース16は、配置面13aに垂直な方向に見て、ヒューズ部23の周囲を取り囲むヒューズ囲い部24を有し、ヒューズ部23は、ケース16から露出し、ヒューズ囲い部24は、配置面13aとは反対側の第1端面24aを有し、第1端面24aにおける内周側の端部に、外周側及び配置面13aの側に引っ込んだ少なくとも一つの切り欠き部26を有し、ヒューズ囲い部24の内側には、ヒューズ部23を包埋したヒューズ部包埋用樹脂部材25が、配置面13aから切り欠き部26の一部または全部が埋まる位置まで充填されているため、切り欠き部26を設ける高さを、ヒューズ部23が溶断した際に溶断したヒューズ部23の溶融部材がヒューズ囲い部24の内部で十分に分散し、外部には飛散しないヒューズ部包埋用樹脂部材25の充填高さとなるように設定することで、低コストでヒューズ部包埋用樹脂部材25を最適な充填量で充填することができる。また、溶融部材がヒューズ囲い部24の内部で十分に分散し、外部に飛散しないヒューズ部包埋用樹脂部材25の充填高さが確保されるので、ヒューズ部23の溶断に起因した周囲の部品の損傷を抑制することができる。
切り欠き部26の切り欠き面の断面が、配置面13aの側に向かう面と内周側に向かう面とからなる段差面である場合、ヒューズ部包埋用樹脂部材25を充填する際、ヒューズ部包埋用樹脂部材25が切り欠き部26における内周側に向かう面に到達したときにヒューズ部包埋用樹脂部材25は内周側に向かう面において外周側に一気に広がるので、ヒューズ部包埋用樹脂部材25の切り欠き部26における内周側に向かう面の到達を容易に確認することができる。
ヒューズ部包埋用樹脂部材25が、粘度の異なる複数の樹脂部材からなる場合、空気がヒューズ部23の周囲に残留しないため、通常の動作時にヒューズ部23に生じた熱をヒューズ部23の周囲のヒューズ部包埋用樹脂部材25を介して外部に容易に放熱することができる。ヒューズ部23に生じた熱が外部に放熱されるので、ヒューズ部23の発熱に起因した周囲の部品の破損を抑制することができる。
バスバー11が有した複数の接続端子11bが、複数の電力用半導体素子のそれぞれが接続された正極側の配線部材17aに接続され、複数の接続端子11bにおける複数のヒューズ部23を、一つのヒューズ囲い部24が取り囲んでいる場合、隣り合うヒューズ部23の距離を近くすることができるので、電力変換装置1を小型化することができる。また、ヒューズ囲い部24が一つにまとめられているため、ヒューズ部包埋用樹脂部材25の充填回数、及び充填時間を減らすことができるので、電力変換装置1の生産性を向上させることができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る電力変換装置1について説明する。図13は実施の形態2に係る電力変換装置1の要部を示す図である。図13(a)はヒューズ部23の周囲の部分を示した斜視図で、ヒューズ部包埋用樹脂部材25を取り除いて示した図、図13(b)はヒューズ部23の周囲の部分を示した断面図で、ヒューズ部包埋用樹脂部材25を取り除いて示した図である。実施の形態2に係る電力変換装置1は、切り欠き部26の切り欠き面の断面の形状が、実施の形態1とは異なる形状になっている。
切り欠き部26の切り欠き面の断面は、外周側及び配置面13aの側に引っ込んだ曲面26aである。本実施の形態では、曲面26aの形状は、円柱の延出方向に沿った1/4の側面の形状である。曲面26aの形状は、これに限るものではない。成形型を用いてケース16を成形により製造することで、ケース16の製造コストを抑制することができる。実施の形態1における切り欠き部26の形状では成形後の金型からの離型の際の離型抵抗が大きいため、離型後の歩留まりが悪化するおそれがある。切り欠き部26の切り欠き面の断面を、外周側及び配置面13aの側に引っ込んだ曲面26aにすることで、離型抵抗を小さくし、歩留まりを改善することができる。歩留まりが改善するため、電力変換装置1のコストを抑制することができる。また、切り欠き部26の体積が小さくなるため、ヒューズ部包埋用樹脂部材25の充填量が削減されるので、電力変換装置1のコストを抑制することができる。
実施の形態3.
実施の形態3に係る電力変換装置1について説明する。図14は実施の形態3に係る電力変換装置1の要部を示す図である。図14(a)はヒューズ部23の周囲の部分を示した斜視図で、ヒューズ部包埋用樹脂部材25を取り除いて示した図、図14(b)はヒューズ部23の周囲の部分を示した断面図で、ヒューズ部包埋用樹脂部材25を取り除いて示した図である。実施の形態3に係る電力変換装置1は、切り欠き部26の切り欠き面の断面の形状が、実施の形態1とは異なる形状になっている。
切り欠き部26の切り欠き面の断面は、内周側に向かうに従って、配置面13aの側に向かう傾斜面26bである。傾斜面26bの配置面13aに対する小さい方の角度は、例えば、45度であるが、傾斜面26bの角度はこれに限るものではない。成形型を用いてケース16を成形により製造することで、ケース16の製造コストを抑制することができる。実施の形態1における切り欠き部26の形状では成形後の金型からの離型の際の離型抵抗が大きいため、離型後の歩留まりが悪化するおそれがある。切り欠き部26の切り欠き面の断面を、内周側に向かうに従って、配置面13aの側に向かう傾斜面26bにすることで、離型抵抗を小さくし、歩留まりを改善することができる。歩留まりが改善するため、電力変換装置1のコストを抑制することができる。また、切り欠き部26の体積は実施の形態2に示した曲面26aの場合よりもさらに小さくなるため、ヒューズ部包埋用樹脂部材25の充填量がさらに削減されるので、電力変換装置1のコストをさらに抑制することができる。
実施の形態4.
実施の形態4に係る電力変換装置1について説明する。図15は実施の形態4に係る電力変換装置1の要部を示す図である。図15(a)はヒューズ部23の周囲の部分を示した斜視図で、ヒューズ部包埋用樹脂部材25を取り除いて示した図、図15(b)はヒューズ部23の周囲の部分を示した平面図で、ヒューズ部包埋用樹脂部材25を取り除いて示した図である。実施の形態4に係る電力変換装置1は、切り欠き部26の個数が、実施の形態1とは異なる個数になっている。
ヒューズ囲い部24は、複数の切り欠き部26を有している。本実施の形態では、配置面13aに垂直な方向に見て、一つのヒューズ囲い部24の内周側の形状は矩形であり、4つの辺のうち3辺のそれぞれに一つの切り欠き部26が形成されている。切り欠き部26の個数は3つに限るものではなく、全ての辺に切り欠き部26を形成しても構わない。ヒューズ囲い部24に充填したヒューズ部包埋用樹脂部材25が硬化するまでの間に、電力変換装置1に微量な傾きが発生した場合、ヒューズ部包埋用樹脂部材25の充填高さがばらつくことになる。切り欠き部26が1つの場合、切り欠き部26がないヒューズ囲い部24の側におけるヒューズ部包埋用樹脂部材25の充填高さを切り欠き部26により確認することはできない。
複数の切り欠き部26を設けることで、電力変換装置1に微量な傾きが発生しても、複数の切り欠き部26のそれぞれでヒューズ部包埋用樹脂部材25の充填高さを確認することができる。複数の切り欠き部26のそれぞれでヒューズ部包埋用樹脂部材25の充填高さが確認できるので、ヒューズ部包埋用樹脂部材25の充填高さが確実に確保され、ヒューズ部包埋用樹脂部材25の充填高さのばらつきをさらに安定して管理することができる。なお、複数の箇所に形成される切り欠き部26の切り欠き面の断面の形状は、実施の形態1から3に示した何れの形状であっても構わない。
実施の形態5.
実施の形態5に係る電力変換装置1について説明する。図16は実施の形態5に係る電力変換装置1の要部を示す図である。図16(a)はヒューズ部23の周囲の部分を示した斜視図で、ヒューズ部包埋用樹脂部材25を取り除いて示した図、図16(b)はヒューズ部23の周囲の部分を示した平面図で、ヒューズ部包埋用樹脂部材25を取り除いて示した図である。実施の形態5に係る電力変換装置1は、切り欠き部26が特定の箇所に形成された構成になっている。
切り欠き部26は、配置面13aに垂直な方向に見て、ヒューズ部23の延出方向に垂直な方向に対向したヒューズ囲い部24の部分に形成されている。切り欠き部26は、ヒューズ部23を有した接続端子11bが露出した側のヒューズ囲い部24の部分には形成されていない。本実施の形態では、配置面13aに垂直な方向に見て、一つのヒューズ囲い部24の内周側の形状は矩形であり、4つの辺のうちヒューズ部23の延出方向に垂直な方向に対向した2辺のそれぞれに一つの切り欠き部26が形成されている。切り欠き部26の切り欠き面の断面の形状は、実施の形態1から3に示した何れの形状であっても構わない。
ヒューズ部23は通電部の断面積が狭いため、通常動作時においても発熱が大きく、接続端子11bを介しての周囲の部材の温度を上昇させる傾向がある。接続端子11bが露出した側のヒューズ囲い部24の部分に切り欠き部26を設けた場合、接続端子11bから伝わるヒューズ部23の熱を逃がす周辺部材であるヒューズ囲い部24の部分の体積が減少するため、周辺部材のさらなる温度上昇を招くことになる。切り欠き部26を、配置面13aに垂直な方向に見て、ヒューズ部23の延出方向に垂直な方向に対向したヒューズ囲い部24の部分に形成することで、接続端子11bから伝わるヒューズ部23の熱を逃がす周辺部材であるヒューズ囲い部24の部分の体積が減少しないので、接続端子11bを介した周囲の部材の温度上昇を抑制することができる。
また本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 電力変換装置、10 電力変換モジュール、11 バスバー、11a 本体部、11b 接続端子、12 筐体、13 ヒートシンク、13a 配置面、13b 突出部、13c 外面、14 電力用半導体素子、15 フィン、16 ケース、16a 筒部、17 配線部材、17a 正極側の配線部材、17a1 接続端部、17b 出力側の配線部材、17b1 接続端部、17c 負極側の配線部材、17c1 接続端部、18 半導体素子用配線部材、19 制御用端子、20 導電性接合材、21 モールド樹脂、22 放熱部材、23 ヒューズ部、24 ヒューズ囲い部、24a 第1端面、25 ヒューズ部包埋用樹脂部材、25a ヒューズ部包埋用樹脂部材、25b ヒューズ部下側用樹脂部材、26 切り欠き部、26a 曲面、26b 傾斜面、27 隙間部
本願に開示される電力変換装置は、電力用半導体素子と、電力用半導体素子が熱的に接続された配置面を有したヒートシンクと、電力用半導体素子に電力を供給するバスバーと、配置面に配置され、バスバーを一体成形したケースとを備え、バスバーは、本体部と、本体部から延出し、電力用半導体素子の配線部材に接続された接続端子とを有し、接続端子は、配置面に沿って延出し、断面積が前後の部分よりも小さいヒューズ部を有し、ケースは、配置面に垂直な方向に見て、バスバーが一体成形されたケース本体部から電力用半導体素子の方向に突出してヒューズ部の周囲を取り囲むヒューズ囲い部を有し、ヒューズ部は、ケースから露出し、ヒューズ囲い部は、筒状に形成されてヒューズ部の周囲を取り囲み、ヒューズ囲い部は、配置面とは反対側の第1端面を有し、第1端面における内周側の端部に、外周側及び配置面の側に引っ込んだ少なくとも一つの切り欠き部を有し、ヒューズ囲い部の内側には、ヒューズ部を包埋したヒューズ部包埋用樹脂部材が、配置面から切り欠き部の一部または全部が埋まる位置まで充填されているものである。

Claims (8)

  1. 電力用半導体素子と、
    前記電力用半導体素子が熱的に接続された配置面を有したヒートシンクと、
    前記電力用半導体素子に電力を供給するバスバーと、
    前記配置面に配置され、前記バスバーを一体成形したケースと、を備え、
    前記バスバーは、本体部と、前記本体部から延出し、前記電力用半導体素子の配線部材に接続された接続端子と、を有し、
    前記接続端子は、前記配置面に沿って延出し、断面積が前後の部分よりも小さいヒューズ部を有し、
    前記ケースは、前記配置面に垂直な方向に見て、前記ヒューズ部の周囲を取り囲むヒューズ囲い部を有し、前記ヒューズ部は、前記ケースから露出し、
    前記ヒューズ囲い部は、前記配置面とは反対側の第1端面を有し、前記第1端面における内周側の端部に、外周側及び前記配置面の側に引っ込んだ少なくとも一つの切り欠き部を有し、
    前記ヒューズ囲い部の内側には、前記ヒューズ部を包埋したヒューズ部包埋用樹脂部材が、前記配置面から前記切り欠き部の一部または全部が埋まる位置まで充填されている電力変換装置。
  2. 前記切り欠き部の切り欠き面の断面は、外周側及び前記配置面の側に引っ込んだ曲面である請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記切り欠き部の切り欠き面の断面は、内周側に向かうに従って、前記配置面の側に向かう傾斜面である請求項1に記載の電力変換装置。
  4. 前記切り欠き部の切り欠き面の断面は、前記配置面の側に向かう面と内周側に向かう面とからなる段差面である請求項1に記載の電力変換装置。
  5. 前記ヒューズ部包埋用樹脂部材は、粘度の異なる複数の樹脂部材からなる請求項1から4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記ヒューズ囲い部は、複数の前記切り欠き部を有している請求項1から4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記切り欠き部は、前記配置面に垂直な方向に見て、前記ヒューズ部の延出方向に垂直な方向に対向した前記ヒューズ囲い部の部分に形成されている請求項1から4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 複数の前記電力用半導体素子を備え、
    前記バスバーは、複数の前記接続端子を有し、
    複数の前記接続端子は、複数の前記電力用半導体素子のそれぞれの前記配線部材に接続され、
    複数の前記接続端子における複数の前記ヒューズ部を、前記ヒューズ囲い部が取り囲んでいる請求項1から4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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