JP2023140947A - タイミングチェーン機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】適正に潤滑することができるタイミングチェーン機構を提供する。【解決手段】タイミングチェーン機構は、タイミングチェーンと、テンショナアーム70と、油圧式テンショナ80と備える。テンショナアーム70は、油圧式テンショナ80側からタイミングチェーン側に貫通する貫通孔74を含む。油圧式テンショナ80は、内部にオイルが注入されるテンショナ本体部81、及び、テンショナ本体部81にスライド可能に設けられテンショナ本体部81に注入されたオイルの油圧によってテンショナアーム70をタイミングチェーンに押圧するプランジャ84と、を含む。プランジャ84は、筒状に形成されオイルを充填する筒部と、筒部のテンショナアーム70側を閉塞する閉塞板と、閉塞板に穿孔されたプランジャ孔843とを含み、プランジャ孔843が貫通孔74Aの第1開口部741と対向する。【選択図】図2

Description

本発明は、タイミングチェーン機構に関する。
従来、タイミングチェーン機構として、例えば、特許文献1には、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を可変する可変バルブタイミング機構を有するエンジンの制御機構が開示されている。このエンジンの制御機構は、クランクシャフトからカムシャフトに動力を伝達するタイミングチェーンの張力を補正する油圧式テンショナによる張力の補正量を測定する測定部と、測定部の測定結果に基づき、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転角における初期状態からの偏差を算出する偏差算出部と、偏差算出部の算出結果に基づき、偏差を補正する補正部とを備える。
特開2017-14917号公報
ところで、上述の特許文献1に記載のエンジンの制御機構は、例えば、油圧式テンショナがテンショナアームを介してタイミングチェーンを押圧するが、潤滑油によってテンショナアームとタイミングチェーンとの摩擦を抑制する点で更なる改善の余地がある。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、適正に潤滑することができるタイミングチェーン機構を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るタイミングチェーン機構は、クランク軸からカム軸に動力を伝達するタイミングチェーンと、前記タイミングチェーンに当接され当該タイミングチェーンに張力をかけるテンショナアームと、オイルの油圧によって前記テンショナアームを前記タイミングチェーンに押圧する油圧式テンショナと、を備え、前記テンショナアームは、前記油圧式テンショナ側から前記タイミングチェーン側に貫通する貫通孔を含み、前記油圧式テンショナは、内部にオイルが注入される本体部、及び、前記本体部にスライド可能に設けられ前記本体部に注入されたオイルの油圧によって前記テンショナアームを前記タイミングチェーンに押圧するプランジャと、を含み、前記プランジャは、筒状に形成されオイルが充填される筒部と、前記筒部の前記テンショナアーム側を閉塞する閉塞板と、前記閉塞板に穿孔されたプランジャ孔とを含み、前記プランジャ孔が前記貫通孔の開口部と対向することを特徴とする。
本発明に係るタイミングチェーン機構は、油圧式テンショナによってテンショナアームをタイミングチェーンに押圧してタイミングチェーンの張力を調整する際に、油圧式テンショナの本体部に注入されたオイルを、プランジャ孔及び貫通孔を経由してテンショナアーム及びタイミングチェーンに吐出することができる。これにより、タイミングチェーン機構は、プランジャを駆動させるオイルを利用してテンショナアーム及びタイミングチェーンを潤滑できるので、この結果、適正に潤滑することができる。
図1は、第1実施形態に係るタイミングチェーン機構の構成例を示す概略図である。 図2は、第1実施形態に係るテンショナアーム及び油圧式テンショナの構成例を示す斜視図である。 図3は、第1実施形態に係る油圧式テンショナの構成例を示す断面図である。 図4は、第1実施形態に係る油圧式テンショナの動作例を示すフローチャートである。 図5は、第2実施形態に係るタイミングチェーン機構の構成例を示す概略図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。更に、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔第1実施形態〕
図面を参照しながら第1実施形態に係るタイミングチェーン機構1について説明する。第1実施形態に係るタイミングチェーン機構1は、自動車等のエンジン(内燃機関)に設けられ、図1に示すように、タイミングチェーン10によりクランク軸Paの回転を吸気側カム軸Q1a及び排気側カム軸Q2aに伝達し、クランク軸Paの回転に対し一定比率で吸気側カム軸Q1a及び排気側カム軸Q2aを従動回転させるものである。これにより、タイミングチェーン機構1は、エンジンの吸気バルブ及び排気バルブを正確なタイミングで開閉させて、エンジンを適切な燃焼サイクルで運転させることができる。第1実施形態に係るタイミングチェーン機構1は、タイミングチェーン10を適正に潤滑させる点で特徴を有するものである。以下、タイミングチェーン機構1について詳細に説明する。
タイミングチェーン機構1は、図1に示すように、タイミングチェーン10と、支持アーム20と、オイル吐出部30と、張力センサ40と、油圧回路50と、ECU(Electronic Control Unit)60と、テンショナアーム70と、油圧式テンショナ80とを備える。
タイミングチェーン10は、クランク軸Paから吸気側カム軸Q1a及び排気側カム軸Q2aに動力を伝達するものである。タイミングチェーン10は、金属部材によって環状に形成され、クランク軸Paに固定されたクランクスプロケットPb、吸気側カム軸Q1aに固定された吸気側カムスプロケットQ1b、及び、排気側カム軸Q2aに固定された排気側カムスプロケットQ2bに巻きかけられている。タイミングチェーン10は、クランクスプロケットPb、吸気側カムスプロケットQ1b、及び、排気側カムスプロケットQ2bに巻きかけられた状態で、後述のテンショナアーム70の押圧によって所定の張力が作用した状態となっている。タイミングチェーン10は、クランク軸Paの回転を吸気側カム軸Q1a及び排気側カム軸Q2aに伝達し、クランク軸Paの回転に対し一定比率で吸気側カム軸Q1a及び排気側カム軸Q2aを従動回転させる。
次に、支持アーム20について説明する。支持アーム20は、タイミングチェーン10を支持するものである。支持アーム20は、湾曲したアーム状に形成され、テンショナアーム70とはタイミングチェーン10を挟んで反対側に設けられている。支持アーム20は、その本体部21の上側に設けられた上側固定部22と、当該本体部21の下側に設けられた下側固定部23によって、エンジン本体部(図示省略)に固定されている。支持アーム20は、当該支持アーム20の本体部21に設けられた湾曲面を、環状のタイミングチェーン10の外側に当接させ、当該環状のタイミングチェーン10を外側からテンショナアーム70側に向けて支持する。支持アーム20は、例えば、クランクスプロケットPb、吸気側カムスプロケットQ1b、及び、排気側カムスプロケットQ2bに巻きかけられた環状のタイミングチェーン10を、外側からテンショナアーム70側に向けて支持する。
次に、オイル吐出部30について説明する。オイル吐出部30は、オイル(潤滑油)をクランクスプロケットPb及びタイミングチェーン10に吐出するものである。オイル吐出部30は、環状のタイミングチェーン10の内側に設けられ、クランクスプロケットPbの近傍に配置されている。オイル吐出部30は、クランクスプロケットPb、及び、当該クランクスプロケットPbに噛み合わされるタイミングチェーン10に対してオイルを吐出する。これにより、オイル吐出部30は、クランクスプロケットPbとタイミングチェーン10との摩擦(フリクション)を抑制することができる。
次に張力センサ40について説明する。張力センサ40は、タイミングチェーン10の張力を検出するものである。張力センサ40は、例えば、ロードセル等の圧力センサであり、荷重を電気信号に変換するものである。張力センサ40は、例えば、油圧式テンショナ80がテンショナアーム70から受ける反力(張力)を検出する。なお、張力センサ40は、油圧式テンショナ80がテンショナアーム70から受ける反力を検出する例に限定されず、例えば、タイミングチェーン10の張力を直接、検出するようなものであってもよい。張力センサ40は、ECU60に接続され、検出した張力をECU60に出力する。
次に、油圧回路50について説明する。油圧回路50は、油圧式テンショナ80にオイルを供給して、油圧式テンショナ80の油圧を調整するものである。油圧回路50は、ECU60及び油圧式テンショナ80に接続され、ECU60による制御によって油圧式テンショナ80に供給するオイル量を調整する。
次に、ECU60について説明する。ECU60は、油圧回路50を制御するものである。ECU60は、張力センサ40及び油圧回路50に接続され、張力センサ40から出力される張力に基づいて油圧回路50を制御する。ECU60は、例えば、張力センサ40から出力された張力と予め定められた基準張力とを比較し、張力センサ40から出力された張力が基準張力未満である場合、油圧回路50を制御して当該油圧回路50から油圧式テンショナ80にオイルを供給する。一方で、ECU60は、張力センサ40から出力された張力が基準張力以上である場合、油圧回路50を制御して当該油圧回路50から油圧式テンショナ80に供給するオイルを停止する。
次に、テンショナアーム70について説明する。テンショナアーム70は、タイミングチェーン10に張力をかけるものである。テンショナアーム70は、図1に示すように、湾曲したアーム状に形成され、支持アーム20とはタイミングチェーン10を挟んで反対側に設けられている。テンショナアーム70は、図2に示すように、アーム本体部71と、固定部72と、当接面73と、貫通孔74とを含んで構成される。
固定部72は、アーム本体部71の下端側に設けられ、エンジン本体部に固定される部分である。これにより、アーム本体部71は、下端側の固定部72を回動軸として回動することができる。当接面73は、アーム本体部71の長手方向に沿って湾曲状に形成された部分である。当接面73は、環状のタイミングチェーン10の外側に当接される。テンショナアーム70は、当接面73を環状のタイミングチェーン10の外側に当接させ、油圧式テンショナ80から受ける押圧力によって固定部72を回動軸として回動することで、環状のタイミングチェーン10を外側から支持アーム20側に向けて押圧する。テンショナアーム70は、例えば、クランクスプロケットPb、吸気側カムスプロケットQ1b、及び、排気側カムスプロケットQ2bに巻きかけられた環状のタイミングチェーン10を、外側から支持アーム20側に向けて押圧し、当該タイミングチェーン10に張力をかける。
ここで、テンショナアーム70は、貫通孔74を含んでいる。この貫通孔74は、油圧式テンショナ80側からタイミングチェーン10側に貫通するものである。すなわち、貫通孔74は、油圧式テンショナ80側からタイミングチェーン10側まで連通している。貫通孔74は、テンショナアーム70の長手方向において、当該テンショナアーム70のほぼ中央部に設けられている。貫通孔74は、油圧式テンショナ80側に設けられた第1開口部741と、タイミングチェーン10側に設けられた第2開口部742とを含み、テンショナアーム70の長手方向に交差する短手方向に沿って直線状に形成されている。貫通孔74は、その直径が5mm程度であり、後述する油圧式テンショナ80のプランジャ孔843の直径よりも大きく形成されている。貫通孔74は、油圧式テンショナ80から漏れるオイルが、油圧式テンショナ80側からタイミングチェーン10側まで流れる流路を構成している。
次に、油圧式テンショナ80について説明する。油圧式テンショナ80は、オイルの油圧によってテンショナアーム70をタイミングチェーン10に押圧するものである。油圧式テンショナ80は、テンショナアーム70に対向して配置され、当該テンショナアーム70のほぼ中央部に位置している。油圧式テンショナ80は、図3に示すように、本体部としてのテンショナ本体部81と、チェックボール82と、板バネ83と、プランジャ84とを含んで構成される。
テンショナ本体部81は、プランジャ84をスライド可能に支持するものである。テンショナ本体部81は、筒部811と、底板812と、開口孔813とを含んで構成される。
筒部811は、軸方向に沿って筒状に形成され、内側に内部空間部810を有している。筒部811は、軸方向においてプランジャ84とは反対側に底板812が設けられ、底板812によって一方側が閉塞されている。筒部811は、軸方向において底板812の反対側が開口され、当該開口にはプランジャ84が設けられている。
底板812は、板状に形成され、軸方向において筒部811の一方側に設けられている。底板812は、軸方向において筒部811の一方側を閉塞する。底板812は、開口孔813が穿孔されている。
開口孔813は、油圧回路50のオイル注入口が接続され、当該油圧回路50から供給されるオイルが当該開口孔813を介して筒部811の内部空間部810に注入される。
チェックボール82は、底板812の開口孔813を開閉するものである。チェックボール82は、球体状に形成され、その直径が開口孔813の直径よりも大きく形成されている。チェックボール82は、開口孔813に当接することで当該開口孔813を閉じ、開口孔813から離間することで当該開口孔813を開く。
板バネ83は、チェックボール82を開口孔813側に付勢するものである。板バネ83によって開口孔813側に付勢されたチェックボール82は、油圧回路50から供給されるオイルの油圧が、筒部811の内部空間部810の油圧未満の場合、底板812の開口孔813を閉じ、一方で、油圧回路50から供給されるオイルの油圧が、筒部811の内部空間部810の油圧以上である場合、底板812の開口孔813を開く。
プランジャ84は、テンショナ本体部81にスライド可能に設けられ、テンショナ本体部81に注入されたオイルの油圧によってテンショナアーム70をタイミングチェーン10に押圧するものである。プランジャ84は、筒部841と、閉塞板842と、プランジャ孔843とを含んで構成される。
筒部841は、軸方向に沿って筒状に形成され、テンショナ本体部81の内部空間部810にスライド可能に嵌合されている。筒部841は、軸方向においてテンショナ本体部81とは反対側、すなわちテンショナアーム70側に閉塞板842が設けられ、テンショナアーム70側が閉塞板842によって閉塞されている。筒部841は、軸方向において閉塞板842の反対側が開口されている。
閉塞板842は、板状に形成され、軸方向において筒部841のテンショナ本体部81とは反対側、すなわちテンショナアーム70側を閉塞するものである。閉塞板842は、プランジャ孔843が穿孔されている。
プランジャ孔843は、閉塞板842に穿孔された孔である。プランジャ孔843は、その直径が0.5mm程度であり、貫通孔74の直径(5mm程度)よりも小さく形成されている。プランジャ孔843は、図2に示すように、テンショナアーム70の貫通孔74の第1開口部741と対向している。プランジャ孔843は、筒部841の内部空間部840に充填されたオイルの油圧に応じて当該オイルを外部に逃がすものであり、タイミングチェーン10の張りすぎや緩みすぎを減衰(緩和)させる減衰機能の役割を果たしている。
上述のように構成されたプランジャ84は、筒部841の内部空間部840に充填されたオイルの油圧の上昇によってテンショナアーム70側にスライド移動し、テンショナアーム70をタイミングチェーン10に押圧する。また、プランジャ84は、筒部841の内部空間部840に充填されたオイルの油圧の低下によって、テンショナアーム70側とは反対側に付勢するバネ(図示省略)によって、テンショナアーム70側とは反対側にスライド移動する。
次に、図4を参照してタイミングチェーン機構1の動作例について説明する。タイミングチェーン機構1において、張力センサ40は、油圧式テンショナ80がテンショナアーム70から受ける張力(反力)を検出し、検出した張力をECU60に出力する(ステップS1)。ECU60は、張力センサ40から出力された張力と基準張力とを比較し、張力センサ40から出力された張力が基準張力未満であるか否かを判定する(ステップS2)。ECU60は、張力センサ40から出力された張力が基準張力未満である場合(ステップS2;Yes)、油圧回路50を制御して当該油圧回路50から油圧式テンショナ80にオイルを供給する(ステップS3)。油圧式テンショナ80は、油圧回路50から供給されたオイルによって、テンショナ本体部81の内部空間部810及びプランジャ84の内部空間部840に充填されたオイルの油圧が上昇し、プランジャ84がテンショナアーム70側にスライド移動する(ステップS4)。これにより、油圧式テンショナ80は、テンショナアーム70を介してタイミングチェーン10の張力を相対的に強くして基準張力に近づけることができる。このとき、油圧式テンショナ80は、プランジャ84の内部空間部840に充填されたオイルの油圧に応じて当該オイルを、プランジャ孔843を介してテンショナアーム70の貫通孔74に吐出する。これにより、油圧式テンショナ80は、クランク軸Paの回転変動に起因してタイミングチェーン10を張りすぎることを減衰(緩和)させる減衰機能の役割を果たすことができる。テンショナアーム70の貫通孔74は、プランジャ孔843を介して吐出されたオイルを、テンショナアーム70及びタイミングチェーン10に吐出する。これにより、タイミングチェーン機構1は、プランジャ84を駆動させるオイルを利用してテンショナアーム70及びタイミングチェーン10を潤滑できる。
なお、上述のステップS2で、ECU60は、張力センサ40から出力された張力が基準張力以上である場合(ステップS2;No)、油圧回路50を制御して当該油圧回路50から油圧式テンショナ80に供給するオイルを停止する(ステップS5)。油圧式テンショナ80は、油圧回路50から供給されるオイルの停止によって、テンショナ本体部81の内部空間部810及びプランジャ84の内部空間部840に充填されたオイルの油圧が低下し、プランジャ84がテンショナアーム70側とは反対側にスライド移動する(ステップS6)。これにより、油圧式テンショナ80は、テンショナアーム70を介してタイミングチェーン10の張力を相対的に弱くして基準張力に近づけることができる。このとき、油圧式テンショナ80は、プランジャ84の内部空間部840に充填されたオイルの油圧に応じて当該オイルを、プランジャ孔843を介してテンショナアーム70の貫通孔74に吐出する。これにより、油圧式テンショナ80は、クランク軸Paの回転変動に起因してタイミングチェーン10を緩めすぎることを減衰(緩和)させる減衰機能の役割を果たすことができる。テンショナアーム70の貫通孔74は、プランジャ孔843を介して吐出されたオイルを、テンショナアーム70及びタイミングチェーン10に吐出する。これにより、タイミングチェーン機構1は、プランジャ84を駆動させるオイルを利用してテンショナアーム70及びタイミングチェーン10を潤滑できる。
以上のように、第1実施形態に係るタイミングチェーン機構1は、タイミングチェーン10と、テンショナアーム70と、油圧式テンショナ80と備える。タイミングチェーン10は、クランク軸Paから吸気側カム軸Q1a及び排気側カム軸Q2aに動力を伝達する。テンショナアーム70は、タイミングチェーン10に当接され当該タイミングチェーン10に張力をかける。油圧式テンショナ80は、オイルの油圧によってテンショナアーム70をタイミングチェーン10に押圧する。ここで、テンショナアーム70は、油圧式テンショナ80側からタイミングチェーン10側に貫通する貫通孔74を含む。油圧式テンショナ80は、内部にオイルが注入されるテンショナ本体部81、及び、テンショナ本体部81にスライド可能に設けられテンショナ本体部81に注入されたオイルの油圧によってテンショナアーム70をタイミングチェーン10に押圧するプランジャ84と、を含む。プランジャ84は、筒状に形成されオイルを充填する筒部841と、筒部841のテンショナアーム70側を閉塞する閉塞板842と、閉塞板842に穿孔されたプランジャ孔843とを含み、プランジャ孔843が貫通孔74の第1開口部741と対向する。
この構成により、タイミングチェーン機構1は、油圧式テンショナ80によってテンショナアーム70をタイミングチェーン10に押圧してタイミングチェーン10の張力を調整する際に、油圧式テンショナ80のテンショナ本体部81に注入されたオイルを、プランジャ孔843及び貫通孔74を経由してテンショナアーム70及びタイミングチェーン10に吐出することができる。特に、タイミングチェーン機構1は、タイミングチェーン10の張力を相対的に強くする場合、テンショナアーム70がタイミングチェーン10側に強く押し込まれ、テンショナアーム70の当接面73とタイミングチェーン10との摩擦荷重が相対的に高くなるが、この場合に油圧が高くなった油圧式テンショナ80からより多くのオイルを貫通孔74からテンショナアーム70及びタイミングチェーン10に吐出することができるので、より有効である。また、従来では、クランクスプロケットPbの遠心力が大きいためにクランクスプロケットPbでオイルの飛び跳ねが発生し、クランクスプロケットPbの通過後に設けられるテンショナアーム70に対する潤滑が乏しくなる場合がある。タイミングチェーン機構1は、このような場合でも、油圧式テンショナ80のプランジャ84を駆動させるオイルを利用してテンショナアーム70及びタイミングチェーン10を潤滑できる。この結果、タイミングチェーン機構1は、適正に潤滑することができる。
上記タイミングチェーン機構1は、クランク軸Paに設けられるクランクスプロケットPb、及び、当該クランクスプロケットPbに噛み合わされるタイミングチェーン10に対してオイルを吐出するオイル吐出部30をさらに備える。この構成により、タイミングチェーン機構1は、オイル吐出部30によってクランクスプロケットPbとタイミングチェーン10との摩擦をより抑制することができる。
なお、上記説明では、油圧式テンショナ80及び貫通孔74は、テンショナアーム70のほぼ中央部に位置する例について説明したが、これに限定されず、例えば、テンショナアーム70の上端部に位置するようにしてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、図5を参照して第2実施形態に係るタイミングチェーン機構1Aについて説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と同等の構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。第2実施形態に係るタイミングチェーン機構1Aは、テンショナアーム70Aが、上端側の固定部72Aを回動軸として回動し、かつ、油圧式テンショナ80及び貫通孔74Aが上端側の固定部72Aとは反対側(下端側)に設けられる点で第1実施形態に係るタイミングチェーン機構1とは異なる。
タイミングチェーン機構1Aは、図5に示すように、タイミングチェーン10と、支持アーム20と、張力センサ40と、油圧回路50と、ECU60と、テンショナアーム70Aと、油圧式テンショナ80とを備える。
テンショナアーム70Aは、タイミングチェーン10に張力をかけるものである。テンショナアーム70Aは、湾曲したアーム状に形成され、支持アーム20とはタイミングチェーン10を挟んで反対側に設けられている。テンショナアーム70Aは、アーム本体部71Aと、固定部72Aと、当接面73Aと、貫通孔74Aとを含んで構成される。
固定部72Aは、アーム本体部71Aの上端側に設けられ、エンジン本体部に固定される部分である。これにより、アーム本体部71Aは、上端側の固定部72Aを回動軸として回動することができる。当接面73Aは、アーム本体部71Aの長手方向に沿って湾曲状に形成された部分である。当接面73Aは、環状のタイミングチェーン10の外側に当接される。テンショナアーム70Aは、当接面73Aを環状のタイミングチェーン10の外側に当接させ、油圧式テンショナ80から受ける押圧力によって固定部72Aを回動軸として回動することで、環状のタイミングチェーン10を外側から支持アーム20側に向けて押圧する。テンショナアーム70Aは、例えば、クランクスプロケットPb、吸気側カムスプロケットQ1b、及び、排気側カムスプロケットQ2bに巻きかけられた環状のタイミングチェーン10を、外側から支持アーム20側に向けて押圧し、当該タイミングチェーン10に張力をかける。
ここで、テンショナアーム70Aは、貫通孔74Aを含んでいる。この貫通孔74Aは、油圧式テンショナ80側からタイミングチェーン10側に貫通するものである。すなわち、貫通孔74Aは、油圧式テンショナ80側からタイミングチェーン10側まで連通している。貫通孔74Aは、テンショナアーム70Aの長手方向において、当該テンショナアーム70Aの下端部側に設けられている。貫通孔74Aは、油圧式テンショナ80側に設けられた第1開口部741と、タイミングチェーン10側に設けられた第2開口部742とを含み、テンショナアーム70Aの長手方向に交差する短手方向に沿って直線状に形成されている。貫通孔74Aは、油圧式テンショナ80から漏れるオイルが、油圧式テンショナ80側からタイミングチェーン10側まで流れる流路を構成している。
油圧式テンショナ80は、プランジャ孔843が、テンショナアーム70の貫通孔74Aの第1開口部741と対向している。油圧式テンショナ80は、プランジャ84の内部空間部840に充填されたオイルの油圧に応じて当該オイルを、プランジャ孔843を介してテンショナアーム70の貫通孔74Aに吐出する。これにより、油圧式テンショナ80は、タイミングチェーン10の張りすぎや緩みすぎを減衰(緩和)させる減衰機能の役割を果たすことができる。テンショナアーム70の貫通孔74Aは、プランジャ孔843を介して吐出されたオイルを、テンショナアーム70A、タイミングチェーン10、及びクランクスプロケットPbに吐出する。これにより、タイミングチェーン機構1Aは、プランジャ84を駆動させるオイルを利用してテンショナアーム70A及びタイミングチェーン10を潤滑できると共に、クランクスプロケットPbも潤滑できる。これにより、タイミングチェーン機構1Aは、第1実施形態に係るオイル吐出部30を省略することができるので、部品点数の増加を抑制することができる。
1 タイミングチェーン機構
10 タイミングチェーン
30 オイル吐出部
70、70A テンショナアーム
74、74A 貫通孔
80 油圧式テンショナ
81 テンショナ本体部(本体部)
84 プランジャ
841 筒部
842 閉塞板
843 プランジャ孔
Pa クランク軸
Q1a 吸気側カム軸(カム軸)
Q2a 排気側カム軸(カム軸)

Claims (2)

  1. クランク軸からカム軸に動力を伝達するタイミングチェーンと、
    前記タイミングチェーンに当接され当該タイミングチェーンに張力をかけるテンショナアームと、
    オイルの油圧によって前記テンショナアームを前記タイミングチェーンに押圧する油圧式テンショナと、を備え、
    前記テンショナアームは、前記油圧式テンショナ側から前記タイミングチェーン側に貫通する貫通孔を含み、
    前記油圧式テンショナは、内部にオイルが注入される本体部、及び、前記本体部にスライド可能に設けられ前記本体部に注入されたオイルの油圧によって前記テンショナアームを前記タイミングチェーンに押圧するプランジャと、を含み、
    前記プランジャは、筒状に形成されオイルを充填する筒部と、前記筒部の前記テンショナアーム側を閉塞する閉塞板と、前記閉塞板に穿孔されたプランジャ孔とを含み、前記プランジャ孔が前記貫通孔の開口部と対向することを特徴とするタイミングチェーン機構。
  2. 前記クランク軸に設けられるクランクスプロケット、及び、前記クランクスプロケットに噛み合わされる前記タイミングチェーンに対してオイルを吐出するオイル吐出部をさらに備える請求項1に記載のタイミングチェーン機構。
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