JP2023139993A - 包装材及び包装容器 - Google Patents

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真一朗 河野
Shinichiro Kono
祐也 高杉
Yuya Takasugi
慎吾 原田
Shingo Harada
啓太 後藤
Keita Goto
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Abstract

【課題】抗ウイルス剤を含む表面層の剥がれを抑制し得る、包装材を提供する。【解決手段】表面層、基材層、及びシーラント層をこの順に有する包装材であって、前記表面層は、バインダー樹脂としての硬化性樹脂組成物の硬化物と、有機系の抗ウイルス剤とを含み、厚みが0.2μm以上2.5μm以下である、包装材。【選択図】図1

Description

本開示は、包装材及び包装容器に関する。
従来より、衛生のため、石鹸等の日用品、及び食品等を収容する包装材の表面に、抗菌性を有する組成物を塗布し、抗菌処理を施す場合があった。
抗菌処理した包装材として、例えば、特許文献1~2が提案されている。
しかし、インフルエンザウイルス及び新型コロナウイルスに代表されるウイルスに対しては、抗菌性を備えるだけでは不十分な場合がある。すなわち、特許文献1~2の包装材は、抗ウイルス性を満足できない場合があった。
包装材に抗ウイルス性を付与するための手段として、包装材を構成するプラスチックフィルムに抗ウイルス剤を練り込む手段が考えられる。
しかし、プラスチックフィルムに抗ウイルス剤を練り込んだ場合、プラスチックフィルムの表面に抗ウイルス性を効率的に発現させることが難しいという問題がある。
特開平8-90726号公報 特開平11-138702号公報
包装材に抗ウイルス性を付与するための別の手段として、包装材の表面に、抗ウイルス剤を含む組成物を塗布し、抗ウイルス剤を含む層を形成する手段が考えられる。
しかし、表面に抗ウイルス剤を含む層を形成した包装材は、最終製品が完成するまでの過程において、抗ウイルス剤を含む層の一部が剥がれる問題が頻発した。
本開示は、抗ウイルス剤を含む表面層の剥がれを抑制し得る包装材、及びこれを用いた包装容器を提供することを目的とする。
本開示は、以下の[1]~[2]を提供する。
[1]表面層、基材層、及びシーラント層をこの順に有する包装材であって、
前記表面層は、バインダー樹脂としての硬化性樹脂組成物の硬化物と、有機系の抗ウイルス剤とを含み、厚みが0.2μm以上2.5μm以下である、包装材。
[2]包装容器であって、
前記包装容器を構成する部材の少なくとも一部に、[1]に記載の包装材を有し、
前記包装材の前記シーラント層の少なくとも一部が、前記包装容器内でヒートシールされてなる、包装容器。
本開示の包装材及びこれを用いた包装容器は、抗ウイルス剤を含む表面層の剥がれを抑制することができる。
本開示の包装材の実施の形態を示す概略断面図である。 本開示の包装材の他の実施の形態を示す概略断面図である。 本開示の包装容器の実施の形態を示す概略正面図である。 本開示の包装容器の他の実施の形態を示す概略正面図である。 本開示の包装容器の他の実施の形態を示す概略正面図である。
[包装材]
本開示の包装材は、表面層、基材層、及びシーラント層をこの順に有する包装材であって、前記表面層は、バインダー樹脂としての硬化性樹脂組成物の硬化物と、有機系の抗ウイルス剤とを含み、厚みが0.2μm以上2.5μm以下である、ものである。
図1及び図2は、本開示の包装材10の積層構成の実施の形態を示す概略断面図である。図1及び図2の包装材は、表面層20、基材層30、及びシーラント層70をこの順に有している。図2の包装材は、基材層30とシーラント層70との間に、装飾層40、接着剤層51、バリア層60及び接着剤層52を有している。
<包装材の層構成>
以下に、包装材の層構成の実施の形態を示す。下記(A1)~(A22)において、「/」は各層の境界を示す。下記(A1)~(A22)の実施形態では、層間密着性を良好にするために、任意の層間に接着剤層を有していてもよい。下記(A1)~(A22)において、表面層と基材層との間の装飾層は、マット層であることが好ましい。下記(A1)~(A22)において、基材層とシーラント層との間の装飾層は、絵柄印刷層及び/又は地色印刷層であることが好ましい。下記(A1)~(A22)において、中間基材層を有する実施の形態の場合、2枚以上の中間基材層を有していてもよい。
(A1)表面層/基材層/シーラント層
(A2)表面層/基材層/装飾層/シーラント層
(A3)表面層/装飾層/基材層/シーラント層
(A4)表面層/基材層/バリア層/シーラント層
(A5)表面層/基材層/装飾層/バリア層/シーラント層
(A6)表面層/装飾層/基材層/バリア層/シーラント層
(A7)表面層/基材層/バリア層/中間基材層/シーラント層
(A8)表面層/基材層/装飾層/バリア層/中間基材層/シーラント層
(A9)表面層/装飾層/基材層/バリア層/中間基材層/シーラント層
(A10)表面層/装飾層/基材層/装飾層/シーラント層
(A11)表面層/装飾層/基材層/装飾層/バリア層/シーラント層
(A12)表面層/装飾層/基材層/装飾層/バリア層/中間基材層/シーラント層
(A13)表面層/基材層/バリア層/中間基材層/装飾層/シーラント層
(A14)表面層/装飾層/基材層/バリア層/中間基材層/装飾層/シーラント層
(A15)表面層/基材層/熱可塑性樹脂層/シーラント層
(A16)表面層/基材層/装飾層/熱可塑性樹脂層/シーラント層
(A17)表面層/装飾層/基材層/熱可塑性樹脂層/シーラント層
(A18)表面層/装飾層/基材層/装飾層/熱可塑性樹脂層/シーラント層
(A19)表面層/基材層/熱可塑性樹脂層/バリア層/中間基材層/熱可塑性樹脂層/シーラント層
(A20)表面層/基材層/装飾層/熱可塑性樹脂層/バリア層/中間基材層/熱可塑性樹脂層/シーラント層
(A21)表面層/装飾層/基材層/装飾層/熱可塑性樹脂層/バリア層/中間基材層/熱可塑性樹脂層/シーラント層
(A22)表面層/装飾層/基材層/熱可塑性樹脂層/バリア層/中間基材層/熱可塑性樹脂層/シーラント層
包装材の総厚みは、30μm以上300μm以下であることが好ましく、50μm以上200μm以下であることがより好ましく、70μm以上130μm以下であることがさらに好ましい。
包装材の総厚みを30μm以上とすることにより、包装材の強度を良好にしやすくできる。包装材の総厚みを300μm以下とすることにより、パウチ化等の製袋時の作業性を良好にしやすくできる。なお、包装材の総厚みが300μm以下の場合、包装材の柔軟性が高くなる。そして、包装材の柔軟性が高い場合、表面層が剥がれやすくなる場合がある。しかし、本開示の包装材は、包装材の総厚みが300μm以下の場合であっても、表面層が剥がれることを抑制しやすくできる。
<表面層>
表面層は、バインダー樹脂としての硬化性樹脂組成物の硬化物と、有機系の抗ウイルス剤とを含み、厚みが0.2μm以上2.5μm以下である。
上述したように、表面に抗ウイルス剤を含む層を形成した包装材は、最終製品が完成するまでの過程において、抗ウイルス剤を含む層の一部が剥がれる場合がある。抗ウイルス剤を含む表面層が剥がれる原因としては、包装材をヒートシールする際等に表面層にかかる熱、包装材を搬送する際に表面層に生じる摩擦、基材層の変形に対する表面層の形状追従性の不足、等が考えられる。本開示の包装材は、表面層を上記構成とすることにより、抗ウイルス剤を含む表面層が剥がれることを抑制できる。
表面層は、包装材のシーラント層とは反対側の表面に位置することが好ましい。言い換えると、表面層は、包装材の外層側の表面に位置することが好ましい。
表面層は、包装材の面内の一部のみに形成されていてもよいが、抗ウイルス性のため、包装材の面内の全部に形成されていることが好ましい。
《バインダー樹脂》
表面層は、バインダー樹脂としての硬化性樹脂組成物の硬化物を含む。バインダー樹脂として硬化性樹脂組成物の硬化物を含まない場合、表面層の一部が剥がれることを抑制できない。
硬化性樹脂組成物の硬化物としては、熱硬化性樹脂組成物の硬化物又は電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が挙げられる。これらの中でも、熱硬化性樹脂組成物の硬化物が好ましい。熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、表面層が硬くなり過ぎることを抑制しやすくできるため、基材層の変形に対する表面層の形状追従性を良好にしやすくできる。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。
熱硬化性樹脂組成物は、主剤と硬化剤とを含む2液硬化性の組成物であることが好ましく、ポリオール及びイソシアネート系化合物を含む組成物がより好ましい。すなわち、バインダー樹脂は、ポリオール及びイソシアネート系化合物を含む熱硬化性組成物の硬化物であることが好ましい。
ポリオールとしては、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、エポキシポリオール等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。これらの中でも、塗膜の凝集力および柔軟性を高くできるため、ポリエステルポリオールが好ましい。
アクリルポリオールとしては、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルに、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート等のヒドロキシアクリレートを共重合させて複数の水酸基を導入したもの等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ブチレンアジペート)、ポリ(ネオペンチルアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(ブチレンアゼラエート)、ポリ(ブチレンセバケート)、ポリカプロラクトン等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシエチレンモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリセロールエーテル、ポリオキシエチレントリメチロールプロパンエーテル、ポリオキシエチレンネオペンチルグリセロールエーテル、ポリオキシエチレンペンタエリストリールエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ポリオールの水酸基価は、下限として好ましくは5mgKOH/g以上、より好ましくは10mgKOH/g以上、より好ましくは15mgKOH/g以上、より好ましくは20mgKOH/g以上であり、上限として好ましくは150mgKOH/g以下、より好ましくは120mgKOH/g以下、より好ましくは100mgKOH/g以下、より好ましくは80mgKOH/g以下である。ポリオールの水酸基価を前記範囲とすることにより、表面層の剥がれを抑制しやすくできる。
イソシアネート系化合物は、イソシアネート基を有する化合物である。
イソシアネート系化合物としては、イソシアネート基を2以上有する多価イソシアネート系化合物が好ましい。
イソシアネート系化合物としては、脂肪族イソシアネート及び芳香族イソシアネートから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。これらの中でも、塗膜の柔軟性付与のため、脂肪族イソシアネートが好ましい。
脂肪族ジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、4-メチル-1,3-シクロヘキシレンジイソシアネート、1,2-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環式ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の直鎖状又は分岐状の鎖状脂肪族ジイソシアネート;が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソシアネートが挙げられる。
イソシアネート系化合物に含まれるイソシアネート基(-NCO)の含有割合は、下限として好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、上限として好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。イソシアネート基の含有割合を前記範囲とすることにより、表面層の剥がれを抑制しやすくできる。
ポリオール100質量部に対する、イソシアネート系化合物の含有量は、下限として好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、より好ましくは4質量部以上であり、上限として好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。
イソシアネート系化合物の含有量を1質量部以上とすることにより、表面層の耐熱性及び耐摩擦性を良好にしやすくできるため、表面層の剥がれを抑制しやすくできる。イソシアネート系化合物の含有量を30質量部以下とすることにより、基材層に対する表面層の形状追従性を良好にしやすくできるため、表面層の剥がれを抑制しやすくできる。また、イソシアネート系化合物の含有量を30質量部以下とすることにより、表面層が過度に硬化収縮することにより塗膜表面が荒れることを抑制できるため、耐摩擦性を良好にしやすくできる。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性樹脂組成物としては、電子線硬化性樹脂組成物及び紫外線硬化性樹脂組成物が挙げられる。
電離放射線硬化性官能基とは、電離放射線の照射によって架橋硬化する基であり、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などのエチレン性二重結合を有する官能基などが好ましく挙げられる。また、電離放射線硬化性官能基としては、エポキシ基及びオキセタニル基も挙げられる。
本明細書において、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクロイル基を示す。本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを示す。
電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味する。電離放射線としては、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も含まれる。
電離放射線硬化性化合物は、電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー、重合性オリゴマーの中から適宜選択して用いることができる。電離放射線硬化性化合物は、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物がさらに好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
多官能性(メタ)アクリレート系化合物のオリゴマーは、耐擦傷性、加工適性、及び抗ウイルス性のため、重量平均分子量が、好ましくは1,000以上10,000以下、より好ましくは2,000以上6,000以下である。又、オリゴマー1分子当たりの官能基数は、好ましくは2以上10以下、より好ましくは2以上6以下である。
多官能性(メタ)アクリレート系化合物のうち、2官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
電離放射線硬化性化合物が紫外線硬化性化合物である場合には、電離放射線硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤及び光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
硬化性樹脂組成物の硬化物の含有量は、バインダー樹脂の全量に対して50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
《抗ウイルス剤》
表面層は、抗ウイルス剤として有機系の抗ウイルス剤を含む。
抗ウイルス剤として有機系の抗ウイルス剤を用いることにより、表面層が剥がれることを抑制できる。一方、無機系の抗ウイルス剤を用いた場合、表面層が剥がれることを抑制できない。この理由は、無機系の抗ウイルス剤は、表面層内において分散性を良好にしにくいためと考えられる。
有機系の抗ウイルス剤としては、ハロアルキルチオ系抗ウイルス剤、チアゾール系抗ウイルス剤、ベンゾイミダゾール系抗ウイルス剤、イソフタロニトリル系抗ウイルス剤、フェノール系抗ウイルス剤、トリアジン系抗ウイルス剤、臭素系抗ウイルス剤、第4級アンモニウム塩系抗ウイルス剤、有機金属系抗ウイルス剤、有機ヨード系抗ウイルス剤、及びピリジン系抗ウイルス剤から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。これらの中でも、有機ヨード系抗ウイルス剤及びピリジン系抗ウイルス剤から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、有機ヨード系抗ウイルス剤及びピリジン系抗ウイルス剤の両方を含むことがより好ましい。
ハロアルキルチオ系抗ウイルス剤としては、ハロアルキルチオスルファミド化合物、ハロアルキルチオスルフィミド化合物、ハロアルキルチオフタルイミド化合物、ハロアルキルチオテトラヒドロフタルイミド化合物等が挙げられる。
チアゾール系抗ウイルス剤としては、イソチアゾリン-3-オン化合物、ベンゾチアゾール化合物等が挙げられる。
ベンゾイミダゾール系抗ウイルス剤としては、ベンゾイミダゾールカルバミン酸化合物、イオウ原子含有ベンゾイミダゾール化合物、ベンゾイミダゾールの環式化合物誘導体等が挙げられる。
イソフタロニトリル系抗ウイルス剤としては、2,3,5,6-テトラクロロテレフタロニトリル、2,4,5,6-テトラクロロイソフタロニトリル、5-クロロ-2,4,6-トリフルオロイソフタロニトリル等が挙げられる。
フェノール系抗ウイルス剤としては、p-クロロ-m-クレゾール、p-クロロ-m-キシレノール、4-イソプロピル-3-メチルフェノール、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテルなどが挙げられる。
トリアジン系抗ウイルス剤としては、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリス-(2-ヒドロキシエチル)-S-トリアジン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリエチル-S-トリアジン等が挙げられる。
臭素系抗ウイルス剤としては、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、α-ブロモシンナムアルデヒド、1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタン、ビスブロモ-1,4-アセトキシ-2-ブテン、2,2-ジブロモニトリロ-3-プロピオンアミド等が挙げられる。
第4級アンモニウム塩系抗ウイルス剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム等が挙げられる。
有機金属系抗ウイルス剤としては、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムスルファート、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムホスファート、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムアセタート、8-ヒドロキシキノリン銅、8-オキシキノリン銅、亜鉛ジメチルカーバメート、亜鉛ジエチルカーバメート、ナフテン酸亜鉛、トリブチルスズオキサイド、トリエチル-n-オクチルスズ、ジエチルフェニルスズアセテート、トリメチルスズアセテート等が挙げられる。
有機ヨード系抗ウイルス剤としては、ヨードスルホニルベンゼン化合物、ヨウ化不飽和脂肪族化合物が挙げられる。
前記ヨードスルホニルベンゼン化合物としては、ジヨードメチル(4-メチルフェニル)スルホン、1-[(ジヨードメチル)スルホニル]-2-メチルベンゼン、1-[(ジヨードメチル)スルホニル]-3-メチルベンゼン、[[(ジヨードメチル)スルホニル]メチル]ベンゼン 、(ジヨードメチル)p-クロロフェニルスルホン等が挙げられる。
前記ヨウ化不飽和脂肪族化合物としては、3-エトキシカルボニルオキシ-1-ブロモ-1,2-ジヨード-1-プロペン、4-クロロフェニル-3-ヨードプロパルギルホルマール、2,3,3-トリヨードアリルアルコール、3-ヨード-2-プロパルギルブチルカルバミン酸、3-アミノ-2,4,6-トリヨードベンジルアルコール等が挙げられる。
ピリジン系抗ウイルス剤としては、ピリジンチオール-1-オキシド化合物、ハロゲン化されたピリジン誘導体等が挙げられる。
前記ピリジンチオール-1-オキシド化合物としては、2-ピリジンチオール-1-オキシドナトリウム、2-ピリジンチオール-1-オキシド亜鉛、ジ(2-ピリジンチオール-1-オキシド))亜鉛、ビス(2-スルフィドピリジン-1-オラト)銅等が挙げられる。
前記ハロゲン化されたピリジン誘導体としては、2-クロロ-4-(トリクロロメチル)ピリジン、2-クロロ-5-(トリクロロメチル)ピリジン、2-クロロ-6-(トリクロロメチル)ピリジン、2-クロロ-6-メトキシ-4-(トリクロロメチル)ピリジン、2-ブトキシ-3,5-ジクロロ-6-(トリクロロメチル)ピリジン-4-オール、4-メトキシ-3,5-ジクロロ-6-(トリクロロメチル)ピリジン-2-オール、2,3,5,6-テトラクロロ-4-メチルスルホニルピリジン、2,3,5-トリクロロ-4-(n-プロピルスルホニル)ピリジン等が挙げられる。
バインダー樹脂100質量部に対する有機系の抗ウイルス剤の含有量は、下限として好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、上限として好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
有機系の抗ウイルス剤の含有量を0.5質量部以上とすることにより、包装材の抗ウイルス性を良好にしやすくできる。有機系の抗ウイルス剤の含有量を10質量部以下とすることにより、表面層の凝集性が低下することを抑制できるため、表面層の剥がれを抑制しやすくできる。
表面層は、無機系の抗ウイルス剤を実施的に含有しないことが好ましい。実質的に含有しないとは、表面層の全量に対して、無機系の抗ウイルス剤の含有量が0.1質量%以下であることを意味し、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0質量%である。
<添加剤>
表面層は、本開示の包装材の効果を阻害しない範囲で、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、分散剤、レベリング剤、消泡剤、ワックス(表面改質剤)等の添加剤を含有していてもよい。
表面層は、例えば、表面層を構成する成分を含む表面層用インキを、基材層に塗布、乾燥、硬化することにより形成することができる。
《厚み、物性等》
表面層は、厚みが0.2μm以上2.5μm以下であることを要する。
表面層の厚みが0.2μm未満の場合、包装材の抗ウイルス性を良好にすることができない。表面層の厚みが2.5μmを超える場合、表面層の剥がれを抑制することができない。この理由は、表面層の厚みが2.5μmを超えると、基材層に対する表面層の形状追従性が低下したり、表面層が過度に硬化収縮して塗膜表面が荒れたりするためと考えられる。
表面層の厚みは、0.3μm以上2.2μm以下であることが好ましく、0.5μm以上2.0μm以下であることがより好ましい。
本明細書において、表面層等の包装材を構成する各層の厚みは、例えば、包装材を垂直方向に切断した断面の写真を撮像し、この断面写真に基づいて測定した20箇所の厚みの平均値として算出できる。
<基材層>
基材層は、主として、包装材の支持体としての役割を有する。
基材層としては、紙、プラスチックフィルム、紙とプラスチックフィルムとの複合体等が挙げられる。
紙としては、上質紙、中質紙、コート紙、合成紙、含浸紙、ラミネート紙、印刷用塗布紙、記録用塗布紙等が挙げられる。紙は、坪量が150g/m以上550g/m以下であることが好ましい。
プラスチックフィルムの材料としては、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体、エチレン-ビニルエステル共重合体ケン化物、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂は、汎用性に優れるため好ましい。また、これらの中でも、耐熱性及び強度を良好にするため、ポリエステル系樹脂及びポリアミド系樹脂が好ましく、ポリアミド系樹脂がより好ましい。ポリアミド系樹脂は、包装材にエンボス部を形成しても、包装材の強度を維持しやすいため好ましい。
プラスチックフィルムは、一軸延伸又は二軸延伸されたものであってもよい。プラスチックフィルムは、上記のうちの2種以上の樹脂のフィルムが積層された複合フィルムであってもよい。プラスチックフィルムは、インフレーション法、溶融押出しコーティング法で形成されたものであってもよい。
プラスチックフィルムは、透明であってもよいし、不透明であってもよい。基材層とシーラント層との間に装飾層を形成する場合には、装飾層を表面層側から視認できるようにするため、プラスチックフィルムは透明性を有することが好ましい。
プラスチックフィルムは、透明性を良好にするため、全光線透過率及びヘイズが以下の範囲であることが好ましい。
プラスチックフィルムは、JIS K7361-1:1997の全光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
プラスチックフィルムは、JIS K7136:2000のヘイズが1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0.3%以下であることがさらに好ましい。
プラスチックフィルムの厚みは、強度及び取り扱い性のため、5μm以上50μm以下であることが好ましく、より好ましくは8μm以上40μm以下、さらに好ましくは10μm以上30μm以下である。
基材層は、表面層等との密着性を良好にするため、基材層の片面又は両面に易接着処理を施したものであってもよい。易接着処理としては、コロナ放電処理が好ましい。
<シーラント層>
本開示の包装材は、シーラント層を有する。
シーラント層は、包装材の内層側の表面に位置することが好ましい。言い換えると、シーラント層は、包装材の表面層とは反対側の表面に位置することが好ましい。
シーラント層は、包装材の面内の全部に形成されていることが好ましい。
包装材から包装容器を作製する際には、シーラント層の少なくとも一部はヒートシールされる。ヒートシール時には、包装材の表面層にも高熱が付加される。このため、ヒートシール時に表面層が剥がれる場合がある。また、包装容器が、チャック付のパウチ、及び、パウチの外側に向かって凸形状となるエンボス部を有するパウチの場合、チャックを貼り付ける加工時及びエンボス加工時には、表面層に対して、より高い熱がかかったり、熱に加えて高い圧力がかかったりするため、表面層により高い負荷がかかる。本開示の包装材は、表面層を上述した構成としているため、ヒートシール時及び加工時の熱により表面層が剥がれることを抑制することができる。本明細書において、「パウチの外側に向かって凸形状となるエンボス部」のことを、「エンボス部」と略称する場合がある。
シーラント層を構成する材料としては、低密度PE(LDPE)、直鎖状低密度PE(LLDPE)、中密度PE(MDPE)、高密度PE(HDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、プロピレン単独重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体、エチレン-プロピレンランダム共重合体等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
シーラント層は、単層で構成されてもよいし、2層以上の多層で構成されてもよい。シーラント層は、ヒートシール時の収縮を抑制するために、上記樹脂からなる無延伸のフィルムであることが好ましい。
シーラント層の厚みは、10μm以上200μm以下であることが好ましい。
包装材でパウチが形成される場合、シーラント層の厚みは、より好ましくは20μm以上150μm以下、さらに好ましくは50μm以上90μm以下である。
<装飾層>
本開示の包装材は、意匠性を高めること等を目的として、装飾層を有していてもよい。
装飾層の位置は、表面層と基材層との間、又は、基材層とシーラント層との間であることが好ましい。
装飾層としては、絵柄印刷層、地色印刷層及びマット層から選ばれる1種、あるいは、これらの2種以上の組み合わせが挙げられる。絵柄印刷層又はマット層と、地色印刷層とを併用する場合、地色印刷層は、絵柄印刷層又はマット層よりも内層側に形成することが好ましい。
絵柄印刷層、地色印刷層及びマット層等の装飾層は、包装材の面内の一部に形成してもよいし、全部に形成してもよい。
絵柄印刷層及び地色印刷層は、基材層とシーラント層に形成することが好ましい。マット層は、表面層と基材層との間に形成することが好ましい。
《絵柄印刷層》
絵柄印刷層は、例えば、商品名、製品表示及び品質表示等の文字、図形、写真、記号、模様、パターン等を形成する層である。
絵柄印刷層の総厚みは、特に限定されるものではないが、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.6μm以上5μm以下、さらに好ましくは0.7μm以上3μm以下である。
絵柄印刷層は、バインダー樹脂及び着色剤を含むことが好ましい。
着色剤としては、汎用の染料及び顔料を使用することができる。
バインダー樹脂としては、ポリエチレン系樹脂及び塩素化ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、アセチルブチルセルロース及びエチルオキシエチルセルロース等の繊維素系樹脂、塩化ゴム及び環化ゴム等のゴム系樹脂、ロジン及びカゼイン等の天然樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、フッ化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、熱硬化型ポリ(メタ)アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、マレイン酸樹脂、等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
《地色印刷層》
地色印刷層は、外層側から被包装物への光の透過を遮断したり、絵柄印刷層の絵柄を引き立てたりすることを目的として、必要に応じて形成される。
地色印刷層は、バインダー樹脂及び着色剤を含むことが好ましい。地色印刷層のバインダー樹脂及び着色剤は、絵柄印刷層で例示したものと同様のものが挙げられる。
地色印刷層は、黒色地色層及び白色地色層の少なくとも何れかを含むことが好ましい。また、地色印刷層は、単色ベタ印刷であることが好ましい。
地色印刷層の厚みは、0.5μm以上5μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以上3μm以下である。
《マット層》
本開示の包装材は、装飾層として、マット層を有していてもよい。マット層は、表面層と基材層との間に形成することが好ましい。
マット層は、バインダー樹脂及びマット剤を含むことが好ましい。
マット層のバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂組成物の硬化物が挙げられる。これらの中でも、硬化性樹脂組成物の硬化物が好ましい。マット層の硬化性樹脂組成物の硬化物としては、表面層の硬化性樹脂組成物の硬化物として例示したものと同様のものが挙げられる。
マット剤としては、汎用の有機粒子及び無機粒子が挙げられる。
マット剤の平均粒子径は0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上8μm以下であることがより好ましく、2μm以上5μm以下であることがさらに好ましい。
本明細書において、マット剤の粒子の平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値d50として測定したものである。
マット層の厚みは1μm以上15.0μm以下であることが好ましく、1.5μm以上10μm以下であることがより好ましく、1.8μm以上6.0μm以下であることがさらに好ましい。
装飾層は、例えば、装飾層を構成する成分を含む装飾層用インキを、塗布、乾燥、硬化することにより形成することができる。
<バリア層>
本開示の包装材は、ガスバリア性を高めるため、基材層とシーラント層との間にバリア層を有していてもよい。
バリア層は、被包装物と包装材の外部環境との間で、酸素及び水蒸気等の透過を遮断する性能を有することが好ましい。また、バリア層は、可視光及び紫外線の透過を防止する遮光性を有するものであってもよい。バリア層は、1層で構成されていても、2層以上の多層で構成されていてもよい。
バリア層としては、汎用の蒸着膜、塗布膜、金属箔等を用いることができる。
バリア層が、蒸着膜又は塗布膜の場合、バリア層は、基材層又は後述する中間基材層に形成することが好ましい。
バリア層の一例である蒸着膜は、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の無機物又はこれらの酸化物により形成することができる。
蒸着膜の形成方法としては、真空蒸着、スパッタリング及びイオンプレーティング等の物理蒸着法、化学気相成長等の化学蒸着法等が挙げられる。
蒸着膜の厚みは、5nm以上200nm以下であることが好ましく、より好ましくは5nm以上150nm以下、さらに好ましくは10nm以上100nm以下である。
バリア層の一例である塗布膜は、例えば、一般式R1 M(OR2mで表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン-ビニルアルコール共重合体とを、ゾル-ゲル法により重縮合して得られたインキを塗布し、加熱処理することにより形成することができる。
上記式中、R1、R2は炭素数1以上8以下の有機基、Mは金属原子である。nは0以上の整数、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価である。
塗布膜は、1回又は複数回の塗布で、乾燥膜厚が0.01μm以上30μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上20μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上10μm以下である。
塗布膜は、ガスバリア性の向上の観点から、蒸着膜の表面に形成することが好ましい。
バリア層の一例である金属箔としては、アルミニウム箔が挙げられる。金属箔の厚みは、4μm以上40μm以下が好ましく、5μm以上20μm以下がより好ましく、6μm以上10μm以下がさらに好ましい。
<中間基材層>
包装材は、包装材の強度及び加工適性を向上したり、バリア層等の他の層を形成するための基材として用いたりするために、中間基材層を有していてもよい。中間基材層の構成材料としては、プラスチックフィルムや紙等が挙げられる。中間基材層は、1層のみ有していてもよいし、2層以上有していてもよい。
中間基材層は、基材層とシーラント層との間に配置することが好ましい。
包装材が、基材層とシーラント層との間にバリア層を有する場合、中間基材層は、バリア層とシーラント層との間に配置することが好ましい。
包装材が、基材層とシーラント層との間に装飾層を有する場合、中間基材層は、装飾層とシーラント層との間に配置することが好ましい。
中間基材層としての紙及びプラスチックフィルムは、上述した基材層としての紙及びプラスチックフィルムと同様のものが挙げられる。
<熱可塑性樹脂層>
包装材は、樹脂層を有していてもよい。熱可塑性樹脂層は、基材層とシーラント層との間に形成することが好ましい。
熱可塑性樹脂層を構成する樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂層は、1層のみ有していてもよいし、2層以上有していてもよい。2層以上の熱可塑性樹脂層を有する場合、各熱可塑性樹脂層は、包装材の厚み方向において接していてもよいし、接していなくてもよい。
熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂を押出ラミネートして形成することが好ましい。
熱可塑性樹脂層の厚みは、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上20μm以下である。
<接着剤層>
包装材の任意の層間には、各層間の密着性を良好にするために、接着剤層を有していてもよい。
接着剤層の各厚みは、0.1μm以上20μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上15μm以下、さらに好ましくは1μm以上10μm以下である。
接着剤層は、例えば、汎用のドライラミネート用接着剤を用いて形成することができる。
ドライラミネート用接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂やメラミン樹脂等によるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル酸系接着剤、ゴム系接着剤、シリコーン系接着剤等が挙げられる。
<用途>
本開示の包装材は、パウチ及び蓋付容器等の包装容器の材料として用いることができる。蓋付容器に本開示の包装材を用いる場合、蓋材として本開示の包装材を用いることが好ましい。
包装容器の中でも、パウチは、密封性を良好にするため、ヒートシール領域を高熱でシールする傾向がある。また、包装容器が、チャック付のパウチ、及び、パウチの外側に向かって凸形状となるエンボス部を有するパウチの場合、チャックを貼り付ける加工時及びエンボス加工時には、表面層に対して、より高い熱がかかったり、熱に加えて高い圧力がかかったりするため、表面層により高い負荷がかかる。このため、本開示の包装材は、パウチに有用であり、さらには、チャック付のパウチ用の包装材及びエンボス部を有するパウチ用の包装材として極めて有用である。
本開示の包装材は、抗ウイルス性の包装材として用いることが好ましいものであるが、抗菌性の包装材又は抗カビ性の包装材として用いてもよい。
[包装容器]
本開示の包装容器は、
包装容器であって、前記包装容器を構成する部材の少なくとも一部に、上述した本開示の包装材を有し、前記包装材の前記シーラント層の少なくとも一部が、前記包装容器内でヒートシールされてなる、ものである。
包装容器としては、パウチ及び蓋付容器が挙げられる。
パウチは、いわゆる袋状の容器であり、三方シール及び四方シール等の平袋、ガゼット袋、ピロー袋、及びスタンディングパウチ等が挙げられる。本開示の包装容器は、パウチに対して有用である。
図3及び図4に、本開示の包装容器の実施形態であるスタンディングパウチ形式のパウチを示す。
図3及び図4の包装容器100は、胴部101どうしの一部、及び、胴部101と底部102との一部がヒートシールされている。図3及び図4において、網点が付された領域(符号107及び108の領域)は、表側の胴部101と裏側の胴部101とがヒートシールされた領域、又は、胴部101と底部102とがヒートシールされた領域を示している。
図3のパウチは、チャック103を有している。図3において、一点鎖線で囲まれた符号104で示す領域は、チャックと胴部とがヒートシールされた領域を示している。図3のパウチは、符号104よりも上側の位置を左右に横断するように切り取った後、チャックを開封することにより内容物を取り出すことができる。図3のパウチは、符号104よりも上側の位置であって、左側の側縁及び/又は右側の側縁に、ノッチ部を有していてもよい。
図4のパウチには、左斜め上部にノズル形状の注出口106が設けられている。このため、開封予定部109において注出口106の先端を切り取った後、注出口106をボトルの口部に差し込んで内容物を注入することができる。また、図4のパウチには、注出口106の注出方向に沿って、パウチの外側に向かって凸形状となるエンボス部105が形成されているため、パウチからボトルに内容物を注ぐ際に、注出口106の形状を保持しやすくできる。
本開示の包装容器は、図3のようなチャック付のパウチ、及び、図4のようなエンボス部を有するパウチに対して極めて有用である。
図示しないが、図3及び図4の包装容器において、胴部は、互いに対向して配置された表主面シートと裏主面シートとからなる一対の主面シートを含み、重ね合わせられた一対の主面シートの側縁近傍が互いにヒートシールされている。また、図示しないが、図3及び図4の包装容器は、一対の主面シートの下縁間に、底部を形成する底面シートが配置されている。
図3及び図4の包装容器は、一対の主面シート及び底面シートによって囲まれる領域内に、内容物を収容する収容空間(不図示)が形成される。底面シートは、収容空間側に向かって凸状に曲げられている。底面シートの周縁近傍と、主面シートの下部とはヒートシールされている。底面シートが一対の主面シートの下端の形状を保持することにより、パウチに自立性が付与され、スタンディング形式のパウチとすることができる。
図3及び図4の包装容器は、表主面シートと裏主面シートの上縁108の間に開口が形成されており、開口から内容物を収容することができる。内容物を収容後、開口が形成されている上縁108近傍をヒートシールすることにより包装容器を密封することができる。
チャックは、汎用のチャックを用いることができる。チャックとしては、凹凸嵌合する開封用チャックが挙げられる。凹凸嵌合する開封用チャックとしては、平坦な支持部に凹部が形成された部材と、平坦な支持部に凸部が形成された部材とを組み合わせたものが挙げられる。
チャックは、ヒートシールにより、本開示の包装材のシーラント層と接着性を有するものが好ましい。例えば、チャックとしては、低密度ポリエチレン、直鎖(線状)低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アイオノマ-樹脂、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のヒ-トシ-ル性を有する樹脂の成形体を用いることが好ましい。
チャックは、表主面シートと裏主面シートとをヒートシールする前に、表主面シート及び裏主面シートにヒートシールにより貼り付けることが好ましい。
エンボス部は、例えば、注出口部の形状を保持しやすくするために形成される。エンボス部は、一対の主面シートの一方のみに設けてもよいが、一対の主面シートの両方に設けることが好ましい。
エンボス部の形状は、パウチの内側から外側に向かって凸形状であることが好ましい。エンボス部の幅は、2mm以上30mm以下であることが好ましい。エンボス部の高さは、0.5mm以上10mm以下であることが好ましい。
エンボス部は、表主面シートと裏主面シートとをヒートシールする前に、表主面シート及び/又は裏主面シートに形成することが好ましい。
本開示の包装容器は、包装容器を構成する部材の少なくとも一部に、上述した本開示の包装材を有していればよい。
図3及び図4のようなスタンディングパウチの場合においても、一対の主面シート及び底面シートの全てが本開示の包装材であってもよいし、一対の主面シート及び底面シートの一部が本開示の包装材であってもよい。人が手で触れる頻度を考慮すると、一対の主面シートが本開示の包装材であることが好ましく、一対の主面シート及び底面シートの全てが本開示の包装材であることがより好ましい。
図5に、本開示の包装容器の実施形態である蓋付き容器を示す。
図5の包装容器100は、容器本体93と、蓋体95とを有している。また、蓋体95は、容器本体の収容部94を封止するように容器本体93に接合されている。また、蓋体95は、容器本体93から突出するつまみ部92を有している。
図5の蓋付き容器においては、蓋体95として、上述した本開示の包装材を用いることが好ましい。そして、蓋体(包装材)のシーラント層と、容器本体のフランジとがヒートシールされていることが好ましい。
以下、本開示を実施例により詳細に説明するが、本開示は、これにより限定されるものではない。
1.評価
実施例及び比較例の包装材に関して、下記の測定及び評価を実施した。下記の測定及び評価の雰囲気は、温度23℃±5℃、相対湿度40%以上65%以下とした。結果を表1及び2に示す。
2-1.抗ウイルス性、抗菌性
ISO 21702の抗ウイルス性試験に準拠して、実施例及び比較例の包装材の抗ウイルス活性値を測定した。ウイルスは、インフルエンザウイルス及びネコカリシウイルスを用いた。抗ウイルス活性値2.0以上が合格レベルである。合格レベルのものを「A」、不合格のものを「C」とした。
JIS Z0801の「5.試験方法」に準拠して、実施例及び比較例の包装材の抗菌活性値を測定した。菌は、黄色ブドウ球菌及び大腸菌を用いた。抗菌活性値2.0以上が合格レベルである。合格レベルのものを「A」、不合格のものを「C」とした。
2-2.表面層の耐剥離性
(1)熱による耐剥離性
実施例及び比較例の包装材の表面層側の面に、厚み15μmのアルミニウム箔(東洋アルミ社、品番:8079)を重ねた。アルミニウム箔の上から、ヒートシーラーを用いて、9.8Nの荷重で1秒間加熱した。加熱後にアルミニウム箔を剥離した際に、アルミニウム箔に表面層が転写しているか否かを目視で確認した。
アルミニウム箔に表面層が転写していないものを「A」、アルミニウム箔に表面層のごく一部が転写したものを「B」、アルミニウム箔に表面層の多くが転写したものを「C」とした。加熱温度は、150℃以上210℃以下の範囲で10℃間隔として、各温度で前述した評価を行った。
200℃でA評価のものを判定「A」、200℃でB評価のものを判定「B」、200℃でC評価のものを判定「C」とした。200℃でA評価又はB評価であれば、チャックを貼り付ける加工時及びエンボス加工時の負荷にも耐え得るといえる。
(2)摩擦による耐剥離性
摩擦試験(スガ試験機社、商品名「FR-2」。JIS L0849に準拠した学振形の摩擦試験機)を用いて、実施例及び比較例の包装材の表面層の摩擦による耐剥離性を評価した。
下側の試験片台に、短冊状(幅30mm)に切断した包装材を固定し、上側の摩擦子として金属板を取り付けて、前記摩擦子を摺動させた。包装材は、表面層側の面が摩擦子側を向くようにした。金属板は、表面が平滑のステンレス板を用いた。荷重は1.96Nとした。前記摩擦子を所定の回数往復させた後、表面層が剥がれているか否かを目視で評価した。
表面層が剥がれていないものを「A」、表面層のごく一部が剥がれたものを「B」、表面層の多くが剥がれたものを「C」とした。摩擦子の往復回数は、10回及び20回の2段階として、各段階で前述した評価を行った。
10回でA評価のものを判定「A」、10回でB評価のものを判定「B」、10回でC評価のものを判定「C」とした。
(3)屈曲による耐剥離性
ASTM F392に準拠して、実施例及び比較例の包装材に対して、ゲルボフレックス試験を5回実施した後、表面層が剥がれているか否かを目視で評価した。
表面層が剥がれていないものを「A」、表面層のごく一部が剥がれたものを「B」、表面層の多くが剥がれたものを「C」とした。
2.包装材及び包装容器の作製
[実施例1]
(1)包装材の作製
基材層(両面コロナ処理された二軸延伸ポリエチレンフィルム、厚み12μm、東洋紡社の品番「E5202」)の一方の面に、絵柄印刷層用インキをグラビア印刷で塗布し、さらに乾燥して、厚み1μmの絵柄印刷層を形成した。次いで、基材層の他方の面に、下記の表面層用インキ1をグラビア印刷で塗布し、さらに乾燥して、厚み0.5μmの表面層を形成した。これまでの工程で、表面層、基材層及び絵柄印刷層をこの順に有する積層体1を得た。
次いで、積層体1の絵柄印刷層側の面と、アルミ蒸着ポリエステルフィルム(東レフィルム加工社の品番「1310M」、ポリエステルフィルムの厚み:12μm、アルミ蒸着膜の厚み:45nm)のアルミ蒸着側の面とを、2液硬化型エーテル系接着剤(ロックペイント社。主剤:品番「RU-3900」、硬化剤:品番「H-789」)を介して、ドライラミネートした。接着剤層の厚みは3μmとした。アルミ蒸着ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムのことを「中間基材層」と称する場合がある。アルミ蒸着ポリエステルフィルムを構成するアルミ蒸着膜のことを「バリア層」と称する場合がある。これまでの工程で、表面層、基材層、絵柄印刷層、バリア層及び中間基材層をこの順に有する積層体2を得た。
次いで、積層体2の中間基材層側の面と、シーラント層(厚み30μmの直鎖状低密度ポリエチレン)とを、2液硬化型エーテル系接着剤(ロックペイント社。主剤:品番「RU-3900」、硬化剤:品番「H-789」)を介して、ドライラミネートした。接着剤層の厚みは3μmとした。
以上の工程で得られた積層体を23℃で24時間エージングし、実施例1の包装材を得た。実施例1の包装材は、表面層、基材層、絵柄印刷層、バリア層、中間基材層、接着剤層及びシーラント層をこの順に有している。
<表面層用インキ1>
・ポリエステルポリオール 100質量部
(水酸基価:56mgKOH/g)
・イソシアネート系化合物 10質量部
(ヘキサメチレンジイソシアネート)
・有機ヨード系抗ウイルス剤 2質量部
(2,3,3-トリヨードアリルアルコール)
・ピリジン系抗ウイルス剤 2質量部
(2-ピリジンチオール-1-オキシド亜鉛)
・希釈溶剤 150質量部
(酢酸エチル、メチルエチルケトン及びイソプロピルアルコールの混合溶剤。質量比は、4:4:2。)
(2)包装容器の作製
実施例1の包装材を切断し、表主面シート、裏主面シート及び底面シートを得た。
次いで、表主面シート及び裏主面シートのシーラント層側の面に、チャックテープ(タキロンシーアイ社 品番:ML-13)をヒートシールした(ヒートシール温度:200℃、ヒートシール時間:0.5秒、荷重:9.8N)
次いで、表主面シート及び裏主面シートのシーラント層が向かい合うように、重ね合わせ、左右の側縁をヒートシールすることで、胴部を形成した(ヒートシール温度:190℃、ヒートシール時間:0.5秒、荷重:9.8N)。
次いで、底面シートを、シーラント層がパウチの内側を向くように、かつ、底面シートがパウチの内側に向かって凸状となるように、胴部の間に配置した。そして、底面シートの周縁近傍と、表主面シート及び裏主面シートの下部とをヒートシールした(ヒートシール温度:185℃、ヒートシール時間:0.5秒、荷重:9.8N)。
以上の工程により、実施例1の包装容器であるチャック付のパウチを得た。
[実施例2]
基材層を、厚み30μmの両面コロナ処理された延伸ポリプロピレンフィルムに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の包装材及び包装容器を得た。
[実施例3]
基材層を、厚み15μmの両面コロナ処理されたナイロンフィルムに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の包装材を得た。
次いで、実施例3の包装材を切断し、表主面シート、裏主面シート及び底面シートを得た。
次いで、表主面シート及び裏主面シートの一部に、外層側に膨らむエンボス部を形成した(エンボスの高さ:3mm、エンボスの幅:15mm、エンボス加工温度:200℃、エンボス時間:1秒、荷重:19.6Pa)
次いで、表主面シート及び裏主面シートのシーラント層が向かい合うように、重ね合わせ、左右の側縁をヒートシールすることで、胴部を形成した(ヒートシール温度:190℃、ヒートシール時間:0.5秒、荷重:19.6N)。
次いで、底面シートを、シーラント層がパウチの内側を向くように、かつ、底面シートがパウチの内側に向かって凸状となるように、胴部の間に配置した。そして、底面シートの周縁近傍と、表主面シート及び裏主面シートの下部とをヒートシールした(ヒートシール温度:185℃、ヒートシール時間:0.5秒、荷重:19.6N)。
以上の工程により、実施例3の包装容器である、外側に向かって凸形状となるエンボス部を有するパウチを得た。
[実施例4]
表面層の厚みを2.0μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の包装材及び包装容器を得た。
[実施例5]
表面層の厚みを0.2μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の包装材及び包装容器を得た。
[実施例6]
アルミ蒸着ポリエステルフィルムを、厚み7μmのアルミニウム箔に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例6の包装材及び包装容器を得た。実施例6の包装材は、表面層、基材層、絵柄印刷層、バリア層(アルミニウム箔)、接着剤層及びシーラント層をこの順に有している。
[実施例7]
アルミ蒸着ポリエステルフィルムを、酸化ケイ素蒸着ポリエステルフィルムに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例7の包装材及び包装容器を得た。酸化ケイ素蒸着ポリエステルフィルムは、厚み12μmのポリエステルフィルム上に、厚み30nmの酸化ケイ素蒸着膜を有するものである。
[実施例8]
表面層用インキ1のイソシアネート系化合物の含有量を4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例8の包装材及び包装容器を得た。
[実施例9]
表面層用インキ1のイソシアネート系化合物の含有量を20質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例9の包装材及び包装容器を得た。
[実施例10]
表面層用インキ1のイソシアネート系化合物の含有量を1質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例10の包装材及び包装容器を得た。
[実施例11]
表面層用インキ1のイソシアネート系化合物の含有量を30質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例11の包装材及び包装容器を得た。
[比較例1]
表面層用インキ1を、無機系の抗ウイルス剤を含む表面層用インキ2(サカタインクス社の商品名「S-201」。無機系の抗ウイルス剤:銀系の抗ウイルス剤)に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の包装材及び包装容器を得た。
[比較例2]
表面層用インキ1を、無機系の抗ウイルス剤を含む表面層用インキ3(大日精化工業社の商品名「PTC OK剤 AG-10(NT)」。無機系の抗ウイルス剤:銀系の抗ウイルス剤)に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の包装材及び包装容器を得た。
[比較例3]
表面層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例3の包装材及び包装容器を得た。比較例3の包装材は、基材層、絵柄印刷層、バリア層、中間基材層、接着剤層及びシーラント層をこの順に有している。
[比較例4]
表面層の厚みを3.0μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例4の包装材及び包装容器を得た。
[比較例5]
表面層用インキとして、「表面層用インキ1からイソシアネート系化合物を除いた、表面層用インキ4」を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例5の包装材及び包装容器を得た。
[比較例6]
表面層の厚みを0.1μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例6の包装材及び包装容器を得た。
表1の結果から、実施例の包装材は、抗ウイルス性を有するとともに、抗ウイルス剤を含む表面層の剥がれを抑制できることが確認できる。表1には示していないが、実施例1~2、4~11の包装材は、チャックを貼り付けた部分でも表面層の剥がれを抑制できるものであった。表1には示していないが、実施例3の包装材は、パウチの外側に向かって凸形状となるエンボス部においても、表面層の剥がれを抑制できるものであった。
10:包装材
20:表面層
30:基材層
40:装飾層
51:接着剤層
52:接着剤層
60:バリア層
70:シーラント層
92:つまみ部
93:容器本体
94:収容部
95:蓋体
100:包装容器
101:胴部
102:底部
103:チャック
104:チャックと胴部とがヒートシールされた領域
105:エンボス部
106:注出口
107:側縁
108:上縁
109:開封予定部

Claims (11)

  1. 表面層、基材層、及びシーラント層をこの順に有する包装材であって、
    前記表面層は、バインダー樹脂としての硬化性樹脂組成物の硬化物と、有機系の抗ウイルス剤とを含み、厚みが0.2μm以上2.5μm以下である、包装材。
  2. 前記硬化性樹脂組成物の硬化物が、熱硬化性樹脂組成物の硬化物である、請求項1に記載の包装材。
  3. 前記硬化性樹脂組成物の硬化物が、ポリオール及びイソシアネート系化合物を含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物である、請求項1又は2に記載の包装材。
  4. 前記イソシアネート系化合物の含有量が、前記ポリオール100質量部に対して1質量部以上30質量部以下である、請求項3に記載の包装材。
  5. 前記表面層と前記基材層との間、又は、前記基材層と前記シーラント層との間に、装飾層を有する、請求項1~4の何れかに記載の包装材。
  6. 前記基材層と前記シーラント層との間にバリア層を有する、請求項1~5の何れかに記載の包装材。
  7. 前記包装材の総厚みが30μm以上300μm以下である、請求項1~6の何れかに記載の包装材。
  8. 包装容器であって、
    前記包装容器を構成する部材の少なくとも一部に、請求項1~7の何れかに記載の包装材を有し、
    前記包装材の前記シーラント層の少なくとも一部が、前記包装容器内でヒートシールされてなる、包装容器。
  9. 前記包装容器がパウチである、請求項8に記載の包装容器。
  10. 前記パウチが、チャック付のパウチである、請求項9に記載の包装容器。
  11. 前記パウチを構成する前記包装材が、前記パウチの外側に向かって凸形状となるエンボス部を有する、請求項10に記載の包装容器。
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