JP2023139953A - スライド装置 - Google Patents

スライド装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023139953A
JP2023139953A JP2022045758A JP2022045758A JP2023139953A JP 2023139953 A JP2023139953 A JP 2023139953A JP 2022045758 A JP2022045758 A JP 2022045758A JP 2022045758 A JP2022045758 A JP 2022045758A JP 2023139953 A JP2023139953 A JP 2023139953A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil spring
rod
slide device
locking member
spring portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022045758A
Other languages
English (en)
Inventor
健一 勝部
Kenichi Katsube
剛 松澤
Takeshi Matsuzawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NHK Spring Co Ltd
Original Assignee
NHK Spring Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NHK Spring Co Ltd filed Critical NHK Spring Co Ltd
Priority to JP2022045758A priority Critical patent/JP2023139953A/ja
Publication of JP2023139953A publication Critical patent/JP2023139953A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】大きな保持力でスライド動作をロックすることができると共にスライド動作のロックの解除を確実に実施することが可能なスライド装置を提供すること。【解決手段】本開示のスライド装置は、固定レールと、固定レールにスライド自在に連結された可動レールと、固定レールに取り付けられた長尺なロッドと、可動レールに取り付けられ且つロッドに巻装されてロッドとの間に摩擦力を生じさせるコイル状ロック部材と、コイル状ロック部材を操作してロッドと前記コイル状ロック部材との間に生じる摩擦力を制御する操作部と、を備えた、可動レールのスライド移動を規制するロック機構と、を備え、コイル状ロック部材は、一方向に巻回された第1のコイルバネ部と、一方向とは反対側の他方向に巻回された第2のコイルバネ部と、第1のコイルバネ部の一端と第2のコイルバネ部の一端とを連結する連結部と、を含むものである。【選択図】図6

Description

本開示は、スライド装置に関する。
シート、例えば車両用のシートを前後方向にスライドさせ且つ適切な位置で静止させるために、ロック機構付きのスライド装置が従来から用いられている。例えば、下記特許文献1には、車両の床面に固定された棒状部材に巻装され且つシートに取り付けられたコイルバネの端部を回動させることでその内径を変位させ、棒状部材に沿ったスライド移動とそのスライド動作のロックを実現したスライド装置が記載されている。
特開昭62-050243号公報
上記特許文献1に記載されたスライド装置は、コイルバネの内径を変位させることで、コイルバネと棒状部材との間に摩擦力を生じさせ、スライド動作をロックしている。しかし、車両用のシートに適用されるスライド装置は、車両の衝突時のように大きな外力が作用した場合にもロック状態が維持できる力(以下、これを「保持力」という)が要求されるものであり、摩擦力のみでスライド動作をロックする上述の構造では、保持力が不足する場合がある。
他方、上記特許文献1に記載されたスライド装置においては、コイルバネと棒状部材との接触面積を大きくすれば、それ比例して大きな摩擦力、すなわちロック状態を維持するための保持力が得られる。したがって、例えばコイルバネの巻き数を増やすことでコイルバネと棒状部材との接触面積を大きくすれば、車両用のシートのスライド装置に要求される保持力を確保することが可能である。しかし、上記特許文献1に記載されたスライド装置は、コイルバネの端部を回動させることでコイルバネと棒状部材との間の接触状態を解除し、ロック状態を解除する構造を採用している。そのため、コイルバネの巻き数が多いと、コイルバネ全体をロックが解除される位置まで移動させることが困難となり、ロック解除ができなくなる可能性がある。
本開示は、上述の課題を考慮し、大きな保持力でスライド動作をロックすることができると共にスライド動作のロックの解除を確実に実施することが可能な、スライド装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の第1の態様に係るスライド装置は、固定レールと、前記固定レールにスライド自在に連結された可動レールと、前記固定レールに取り付けられた長尺なロッドと、前記可動レールに取り付けられ且つ前記ロッドに巻装されて前記ロッドとの間に摩擦力を生じさせるコイル状ロック部材と、前記コイル状ロック部材を操作して前記ロッドと前記コイル状ロック部材との間に生じる摩擦力を制御する操作部と、を含む、前記可動レールのスライド移動を規制するロック機構と、を含み、前記コイル状ロック部材は、一方向に巻回された第1のコイルバネ部と、前記一方向とは反対側の他方向に巻回された第2のコイルバネ部と、前記第1のコイルバネ部の一端と前記第1のコイルバネ部の一端に対向する前記第2のコイルバネ部の一端とを連結する連結部と、を含むものである。
このようなスライド装置においては、コイル状ロック部材が、分割された2つのコイルバネ部でロッドに接触するため、コイルバネ部をロッドから容易に離間させることができ、ロックの解除を確実に行うことができる。また、コイルバネ部が分割されているため、それぞれのコイルバネ部の巻き数を少なく抑えることができるため、コイルバネ部とロッドの接触面積を大きく確保してもスライド動作のロックの解除動作に支障が生じることがない。
本開示の第2の態様に係るスライド装置は、上記本開示の第1の態様に係るスライド装置において、前記操作部は、前記連結部、あるいは前記第1のコイルバネ部の他端及び前記第2のコイルバネ部の他端のいずれかに取り付けられ、前記第1のコイルバネ部の内径及び前記第2のコイルバネ部の内径が拡径あるいは縮径するように変位させる。
このようなスライド装置においては、簡単な操作でスライド動作のロック及びロック解除状態を切り替えることができる。
本開示の第3の態様に係るスライド装置は、上記本開示の第2の態様に係るスライド装置において、前記第1のコイルバネ部の他端及び前記第2のコイルバネ部の他端の回動を規制するホルダをさらに含み、前記操作部は、その一端が前記連結部及び前記ロッドの前記連結部に隣接する部分を包囲し且つ前記連結部に係合する係合部が形成された操作アームと、前記操作アームの他端に連結されて前記連結部と共に前記操作アームを回動させる操作ケーブルと、を含む。
このようなスライド装置においては、2つのコイルバネ部の内径を同時に変位させることができ、操作性が向上する。
本開示の第4の態様に係るスライド装置は、上記本開示の第1乃至第3の態様のいずれかに係るスライド装置において、前記ロッドの表面には、前記第1のコイルバネ部及び前記第2のコイルバネ部の一部が噛み合う噛合溝が形成されている。
このようなスライド装置においては、スライド動作のロック状態を強固に保持することができるようになる。
本開示のスライド装置によれば、大きな保持力でスライド動作をロックすることができると共にスライド動作のロックの解除を確実に実施することができる。
本開示の一実施の形態に係るスライド装置の一例を示した概略斜視図である。 図1に示すスライド装置を部分的に分解した分解斜視図である。 図2に示すロック機構を部分的に分解したものを一方向から見た分解斜視図である。 図2に示すロック機構を部分的に分解したものを他方向から見た分解斜視図である。 従来のスライド装置におけるスライド動作のロック状態及びロック解除状態における棒状部材とコイルバネとの関係を示した模式図である。 本開示の一実施の形態に係るスライド装置におけるスライド動作のロック状態及びロック解除状態におけるロッドとコイル状ロック部材との関係を示した模式図である。 図1に示すスライド装置のスライド動作のロック状態及びロック解除状態を示した概略断面図である。 本開示の一実施の形態の変形例に係るスライド装置のスライド動作のロック状態及びロック解除状態におけるロッドとコイル状ロック部材との関係を示した模式図である。
以下、図面を参照して本開示を実施するための実施の形態について説明する。なお、以下では本開示の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本開示の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。また、図中に互いに同一又は相当する部材が複数個含まれている場合には、図を見易くするために、そのうちのいくつかにのみ符号を付している場合がある。
図1は、本開示の一実施の形態に係るスライド装置の一例を示した概略斜視図である。また、図2は、図1に示すスライド装置を部分的に分解した分解斜視図である。図1及び図2に示された、本実施の形態に係るスライド装置1は、シート、例えば車両に搭載されるシートに適用することができ、当該シートを車両の床面に対して一方向にスライドさせるものであってよい。なお、以下の説明においては、図1に示したX方向を左右方向とし、同じくY方向を前後方向、Z方向を上下方向と仮に規定して説明を行うものとする。
スライド装置1は、図1及び図2に示すように、車両側に取り付けられる固定レール10と、シート側に取り付けられ固定レール10にスライド自在に連結された可動レール20と、固定レール10と可動レール20の間に配設されたロック機構30とを少なくとも含むものである。なお、スライド装置1は車両用のシート以外のシートにも適用可能である。したがって、固定レール10及び可動レール20を取り付ける対象物は、適用されるシートの種類等に応じて適宜変更することができる。
固定レール10は、車両の床面に固定され車両の前後方向に長尺な、いわゆるロアレールで構成することができる。この固定レール10は、車両の床面に少なくとも部分的に当接する底壁11と、底壁11の左右方向両端から立設した外壁12と、外壁12の上端から内側へ鉤状に屈曲した上壁13と、で構成されていてよい。
可動レール20は、シート側に取り付けられる、いわゆるアッパレールで構成することができる。この可動レール20は、シートの一部、例えばシートバックフレームの裏面に取り付けられる天壁21と、天壁21の左右方向両端から下方へ垂下した側壁22と、各側壁22の下端から左右方向外側に向かって折り返された折返部23と、で構成されていてよい。折返部23は、スライド装置1が組み立てられた状態において、固定レール10の外壁12及び上壁13に囲まれた空間内に配置される。組み立てられたスライド装置1の折返部23の周囲は、ボール状の転動体24(図7参照)が介在されていてよい。この転動体24は、固定レール10の外壁12と可動レール20の折返部23とに摺接して転動することにより、可動レール20のスライド移動をガイドすることができる。
また、可動レール20の天壁21の前後方向中間部には、後述するロック機構30の一部が挿通される挿通穴25が設けられていてよい。さらに、この挿通穴25の周囲には、後述する操作ケーブル54を取り付けるための取り付けプレート26が配設されていてよい。
ロック機構30は、図2に示すように、固定レール10と可動レール20の間に配設され、可動レール20の固定レール10に対するスライド移動を許可あるいは規制するための部材であってよい。このロック機構30は、固定レール10に取り付けられた長尺なロッド31と、可動レール20に取り付けられロッド31に巻装されてロッド31との間に摩擦力を生じさせることで、可動レール20のスライド移動を規制することが可能なコイル状ロック部材32と、を含むものである。
図3は、図2に示すロック機構を部分的に分解したものを一方向(図2における右方向)から見た分解斜視図である。また、図4は、図2に示すロック機構を部分的に分解したものを他方向(図2における左方向)から見た分解斜視図である。ロッド31は、図2乃至図4に示すように、固定レール10内に固定レール10の延在方向と同様の前後方向に延びる柱状の部材であってよい。ロッド31の両端部にはロッド固定金具33が取り付けられていてよく、このロッド固定金具33が固定レール10の底壁11に固定されることで、ロッド31と固定レール10とが固定されていてよい。本実施の形態に係るロッド31はその表面に実質的に凹凸を有しない円柱体で構成することができる。
コイル状ロック部材32は、例えばロッド31に比して細い一本の棒状部材、例えばステンレス鋼等の金属からなる棒材を加工して成形されたものであってよい。コイル状ロック部材32の具体的な成形方法は、例えば周知のコイルバネの成形方法を流用すればよく、その詳細な説明は省略する。このコイル状ロック部材32は、図3及び図4に示すように、一方向に巻回された(例えば右巻きの)第1のコイルバネ部41と、第1のコイルバネ部41の巻き方向とは反対側の他方向に巻回された(例えば左巻きの)第2のコイルバネ部42と、第1のコイルバネ部41の一端とこの第1のコイルバネ部41の一端に対向する第2のコイルバネ部42の一端とを連結する連結部43と、を含む。
第1のコイルバネ部41は、その内径がロッド31の外径よりも僅かに小さくなるように調整された、例えば右巻きのコイルバネで構成することができる。第1のコイルバネ部41の一端部は連結部43に一体的に連結しており、第1のコイルバネ部41の他端部には、後述するホルダ60等を介して可動レール20に固定するための固定端部44が形成されている。
第2のコイルバネ部42は、その巻方向を除き、第1のコイルバネ部41と同様の形状のコイルバネで構成することができる。第2のコイルバネ部42の一端部は連結部43に一体的に連結しており、第2のコイルバネ部42の他端部には、後述するホルダ60等を介して可動レール20に固定するための固定端部45が形成されている。そして、第1のコイルバネ部41と第2のコイルバネ部42とは、その中心軸が実質的に一致している。
連結部43は、第1のコイルバネ部41と第2のコイルバネ部42とを連結するものであって、第1のコイルバネ部41及び第2のコイルバネ部42の中心軸に沿った方向に直線状に延びた部材で構成することができる。連結部43により連結される第1のコイルバネ部41と第2のコイルバネ部42とは、その巻方向が逆転している。これにより、連結部43とこの連結部43に連結している第1のコイルバネ部41の一端部及び第2のコイルバネ部42の一端部とが、平面視で略コの字形状となっている。なお、連結部43の長さは特に限定されない。
上述した通り、本実施の形態に係るロック機構30は、ロッド31に巻装されたコイル状ロック部材32の第1及び第2のコイルバネ部41、42の内径が、ロッド31の外径よりもわずかに小さく調整されていることにより、ロッド31の外面とコイル状ロック部材32の内面とが接触することで生じる摩擦力によって、スライド動作のロックを行うことができるように構成されている。このコイル状ロック部材32の第1及び第2のコイルバネ部41、42の内径を拡径あるいは縮径させるために、本実施の形態に係るロック機構30は、さらに操作部50を含むことができる。
操作部50は、ロッド31の外面とコイル状ロック部材32の内面とが接触することで生じる摩擦力を制御することが可能な部材である。具体的には、この操作部50は、コイル状ロック部材32の連結部43に取り付けられ、この連結部43を、ロッド31を軸に回動させることで第1及び第2のコイルバネ部41、42の内径を拡径あるいは縮径させるものであってよい。なお、本実施の形態においては、操作部50として連結部43に取り付けられる場合を例示するが、本開示はこれに限定されない。具体的には、操作部50を第1及び第2のコイルバネ部41、42の各固定端部44、45に取り付け、各固定端部44、45を、ロッド31を軸に回動させることもできる。なお、その場合には連結部43を可動レール20に取り付けるとよい。
また、操作部50は、図1乃至図4に示すように、連結部43に取り付けられた操作アーム51と、操作アーム51に連結され連結部43と共に操作アーム51を回動させる操作ケーブル54と、を含むことができる。
操作アーム51は、少なくとも連結部43及び連結部43に隣接するロッド31の周囲を包囲し、且つその内面に連結部43に係合する係合部の一例としての係合凹部55が設けられた一対のブラケット52、53で構成されていてよい。当該一対のブラケットのうち、第1のブラケット52は、コイル状ロック部材32の外周囲のうちの略半分を包囲する第1のロック部材カバー部52Aと、この第1のロック部材カバー部52Aの一端部から延在し、その先端部が略L字状に屈曲した第1のL字アーム部52Bとを含んでいてよい。この第1のブラケット52の第1のロック部材カバー部52Aの内面には、連結部43を部分的に収容可能な係合凹部55が設けられる。なお、操作アーム51に設けられる係合部としては、上述した係合凹部55で構成されるものに限定されない。例えば、この係合部として、連結部43が嵌まるスリットのような形状のものを採用することもできる。
上述した一対のブラケットのうちの第2のブラケット53は、コイル状ロック部材32の外周囲のうち、第1のロック部材カバー部52Aによって包囲されていない方の半分を包囲する第2のロック部材カバー部53Aと、この第2のロック部材カバー部53Aの一端部から延在し、第1のL字アーム部52Bと同様にその先端部が略L字状に屈曲した第2のL字アーム部53Bとを含んでいてよい。第1のブラケット52と第2のブラケット53とは、第1のL字アーム部52Bと第2のL字アーム部53Bとが重なるように互いに固定されていてよい。また、第1及び第2のL字アーム部52B、53Bには、操作ケーブル54の一部が挿入され掛止されるケーブル挿入スリット56が設けられていてよい。
操作ケーブル54は、その一端部が取り付けプレート26に取り付けられ、他端部がシートの側面等に配設されてシートの使用者等が操作可能なスライドレバー2に連結された、長尺なケーブルであってよい。この操作ケーブル54内にはスライドレバー2の操作に伴いその長さ方向に沿って進退するワイヤー54Wが挿入されていてよく、ワイヤー54Wの可動レール20側の端部には、ケーブル挿入スリット56に挿入されることで操作アーム51に掛止される略円柱状の掛止端部54Aが設けられていてよい。
本実施の形態に係るスライド装置1は、上述した構成に加えて、可動レール20にコイル状ロック部材32を取り付けるためのホルダ60及び取付ブラケット61をさらに含むことができる。ホルダ60は、平面視で略コの字型の部材であって、その内部にコイル状ロック部材32を収容した状態で保持することができるものであってよい。ホルダ60の側壁部分には、ロッド31が挿入可能な貫通穴60Hが設けられ、この貫通穴60Hの周囲には、第1のコイルバネ部41及び第2のコイルバネ部42の各固定端部44、45の回動を規制する規制突起62が側壁部分にそれぞれ形成されていてよい。
規制突起62は、連結部43に係合した操作アーム51が操作されることによって、コイル状ロック部材32が回動されたとき、各固定端部44、45が連れ回りすることを規制するためのものである。なお、この規制突起62は固定端部44、45をホルダ60に固定するものではない。固定端部44、45がホルダ60に固定されないことにより、コイル状ロック部材32をロック解除状態とする際、固定端部44、45に隣接する部分の第1及び第2のコイルバネ部41、42の内径の拡径動作が円滑に実施できる。
取付ブラケット61は、可動レール20にホルダ60及びホルダ60に収容されたコイル状ロック部材32等を取り付けるための部材であってよい。取付ブラケット61は、ホルダ60の外周面に沿って延在する形状を有していてよく、ホルダ60の貫通穴60Hに連通する貫通穴61Hを含んでいてよい。この取付ブラケット61を可動レール20に周知の固定手段、例えばボルトを用いて固定することで、可動レール20にコイル状ロック部材32が取り付けられる。
上述した一連の構成を備えるスライド装置1を用いてシートをスライド動作させる、あるいはそのスライド動作をロックする方法について、従来技術と比較しつつ以下に簡単に説明を行う。
図5は、従来のスライド装置におけるスライド動作のロック状態及びロック解除状態における棒状部材とコイルバネとの関係を示した模式図であって、図5(A)はロック状態を示し、図5(B)はロック解除動作を行った状態を示したものである。なお、図5に示すコイルバネ(本実施の形態におけるコイル状ロック部材32に相当)132は、ロック状態の保持力を向上させる目的で、その巻き数を比較的多く(8回)設定している。ここで、上述した従来のスライド装置において、スライド動作がロックされている場合は、図5(A)に示すように、コイルバネ132の内面の実質的に全周が棒状部材(本実施の形態におけるロッド31に相当)131の外面に接触しており、接触面積が比較的大きく確保されているため、接触部分に生じる摩擦力によって高い保持力を発揮できるものとなっている。
ここで、図5(A)に示すスライド装置のスライド動作のロックを解除する場合は、コイルバネ132の両端部を回動させることでその内径を拡径させる。しかし、当該回動動作によるコイルバネ132の拡径は、その構造上均一に拡径させることはできず、図5(B)に示すように、正面から見て鼓型に拡径する傾向がある。したがって、従来のスライド装置においてスライド動作のロックを解除しようとする場合、図5に示すもののようにコイルバネ132の巻き数が比較的多いと、コイルバネ132のうち軸方向の中央部分(図5(B)において矢印Pで示した部分)の拡径が不十分となり、ロック解除ができない場合がある。
これに対し、本実施の形態に係るスライド装置1は、2つのコイルバネ部41、42を別々に有するコイル状ロック部材32を用いることで、上述した従来の課題を解決しようとするものである。
図6は、本開示の一実施の形態に係るスライド装置におけるスライド動作のロック状態及びロック解除状態におけるロッドとコイル状ロック部材との関係を示した模式図であって、図6(A)はロック状態を示し、図6(B)はロック解除状態を示したものである。本実施の形態に係るスライド装置1においても、スライド動作がロックされている場合においては、図6(A)に示すように、第1及び第2のコイルバネ部41、42の内面の実質的に全周がロッド31の外面に接触しており、接触面積が比較的大きく確保されているため、接触部分に生じる摩擦力によって高い保持力を発揮できるものとなっている。なお、本実施の形態に係るスライド装置1の第1及び第2のコイルバネ部41、42は、図6から分かる通り、その巻き数がそれぞれ4回に設定されている。したがって、各コイルバネ部の合計の巻き数が図5(A)に示したコイルバネ132と同数となるため、このコイルバネ132によるものと概ね同程度の保持力を発揮できるといえる。
図7は、図1に示すスライド装置のスライド動作のロック状態及びロック解除状態を示した概略断面図であって、図7(A)はロック状態を示し、図7(B)はロック解除操作がなされた状態を示したものである。本実施の形態に係るスライド装置1において、図7(A)に示されたスライド動作がロックされた状態から、スライド動作のロックを解除したい場合には、使用者はスライドレバー2を操作すればよい。使用者によりスライドレバー2が操作されると、図7(B)に示すように、その操作に伴って操作ケーブル54内のワイヤー54Wを矢印A方向に移動する。このワイヤー54Wの移動に伴い、ワイヤー54Wの先端の掛止端部54Aが掛止された操作アーム51が、ロッド31を軸に回動する。操作アーム51が回動すると、操作アーム51の一部を構成する第1のブラケット52に形成された係合凹部55に係合した連結部43が、操作アーム51と共に回動する。
ところで、コイル状ロック部材32の連結部43は、上述した通り、その巻き方向が反対に設定された第1のコイルバネ部41と第2のコイルバネ部42との端部を連結している。したがって、操作アーム51の回動に伴って連結部43が回動されると、第1及び第2のコイルバネ部41、42の連結部43に連結された端部が、いずれもその巻き方向に沿って押し込まれるように回動する。これにより、連結部43が回動されると、第1のコイルバネ部41と第2のコイルバネ部42とは、互いに独立に拡径動作を開始する。
連結部43が回動したことにより第1のコイルバネ部41の内径及び第2のコイルバネ部41の内径が拡径された状態を、図6(B)に示す。この図6(B)から分かる通り、第1のコイルバネ部41と第2のコイルバネ部42とは、上述した従来のコイルバネ132と同様に、正面から見て鼓型になるよう拡径する。しかし、上述した通り、第1のコイルバネ部41と第2のコイルバネ部42とは、互いに独立して拡径動作を行うため、それぞれが鼓型に拡径する。ここで、第1のコイルバネ部41と第2のコイルバネ部42とは、単独で見れば上述した従来のコイルバネ132の巻き数の半分の巻き数である。したがって、第1のコイルバネ部41及び第2のコイルバネ部42の軸方向の中央に位置する部分(以下、コイルバネ部の「中央部分」という)は、従来のコイルバネ132の中央部分Pとは異なり、いずれも十分に拡径させることができる。これにより、各コイルバネ部の中央部分とロッド31の間には径方向に所定の距離D1の隙間を確保することができ、ロッド31とコイル状ロック部材32との間の摩擦力を大幅に低減、あるいはなくすることができるため、ロックの解除を確実に実施することができる。
スライド動作のロックが解除されると、使用者は所望の位置までシートをスライドすることができる。そして、所望の位置へシートを移動した後、スライドレバー2を操作前の位置に戻せば、再びスライド動作のロックを行うことができる。スライドレバー2が戻されたとき、操作アーム51はコイル状ロック部材32の付勢力によって回動前の位置(すなわち図7(A)に示す位置)に復帰する。このとき、連結部43も回動前の位置に戻るため、第1及び第2のコイルバネ部41、42の内径は縮径し、図6(A)に示す第1及び第2のコイルバネ部41、42の内面の実質的に全周がロッド31の外面に接触した状態に復帰するため、高い保持力でロック状態を維持することができる。
なお、上述した実施の形態においては、第1のコイルバネ部41及び第2のコイルバネ部42の巻き数を、いずれも4回に設定しているものを例示したが、それぞれの巻き数はロック時に必要な摩擦力等を考慮してそれぞれを独立して変更することができる。また、操作アーム51の回動角度も、スライド動作のロックが解除可能な範囲で適宜変更することができる。
以上説明した通り、本実施の形態によれば、必要な保持力を得るためのロッド31とコイル状ロック部材32との間の接触面積を確保しつつ、スライド動作のロックの解除も円滑に行うことが可能なスライド装置1を提供することができる。また、操作アーム51を介して連結部43を回動させるだけでコイル状ロック部材32の拡径を行うことができるため、ロック機構の操作性のよいスライド装置1を提供することができる。
<変形例>
上述した一実施の形態に係るスライド装置1においては、ロッド31として、その表面に実質的に凹凸を有しない円柱状の部材を採用したものを例示したが、ロッドの表面形状はこれに限定されない。そこで、以下には、本実施の形態の変形例に係るスライド装置として、その表面形状を変更したロッド31Aを用いた場合について簡単に説明する。なお、本変形例に係るスライド装置は、ロッドの表面形状を除き、上述した一実施の形態に係るスライド装置1と同様の構成を有するものであってよい。したがって、以下には上述した一実施の形態に係るスライド装置1とは異なる構成についてのみ説明し、上述した一実施の形態に係るスライド装置1と同様の構造については同一の符号を付してその説明を省略する。
図8は、本開示の一実施の形態の変形例に係るスライド装置のスライド動作のロック状態及びロック解除状態におけるロッドとコイル状ロック部材との関係を示した模式図であって、図8(A)はロック状態を示し、図8(B)はロック解除状態を示したものである。本変形例に係るスライド装置のロッド31Aは、図8に示すように、その表面に、第1のコイルバネ部41及び第2のコイルバネ部42の一部、特に内側面の一部が噛み合う噛合溝34が形成されていてよい。噛合溝34は、第1のコイルバネ部41及び第2のコイルバネ部42の内側面の形状に合わせて、断面が半円状の溝で構成することができる。また、この噛合溝34は、第1のコイルバネ部41及び第2のコイルバネ部42と同様に螺旋状の溝であってよい。
上述した螺旋状の噛合溝34を含むロッド31Aを含むスライド装置は、スライド動作がロックされている場合にあっては、図8(A)に示すように、ロッド31Aの表面積が、噛合溝34が形成されたことで大きくなっているため、第1及び第2のコイルバネ部41、42の内面とロッド31Aの外面との接触面積が図6に示したものよりさらに大きく確保できる。加えて、第1のコイルバネ部41及び第2のコイルバネ部42の内側面の一部が噛合溝34と噛み合うため、前後方向の外力に対する保持力をさらに向上させることができる。したがって、車両の衝突時など、スライド装置に大きな外力が作用した場合でも、ロック状態が不用意に解除されることをほとんどなくすることができる。
なお、上述した変形例に係るロッド31Aを採用した場合、噛合溝34が存在することで、スライド動作のロックを解除する際に必要な、第1及び第2のコイルバネ部41、42の拡径する量が増加する。これは、第1及び第2のコイルバネ部41、42とロッド31Aとの間に径方向の所定の隙間を形成するためには、第1のコイルバネ部41及び第2のコイルバネ部42を径方向に所定の距離D2だけ拡径させて、第1のコイルバネ部41及び第2のコイルバネ部42の内側面と噛合溝34との噛み合いを解消した後、さらに第1のコイルバネ部41及び第2のコイルバネ部42を径方向に所定の距離D3だけ拡径させる必要があるためである。
しかしながら、本開示のスライド装置においては、上述の通り、ロッド31Aに接触する部分を第1のコイルバネ部41と第2のコイルバネ部42の2つに分割し、それぞれを拡径させる構造を採用しているため、第1のコイルバネ部41及び第2のコイルバネ部42の巻き数を少なく抑えることができ、拡径時の径方向の移動距離を大きく確保しやすい。このことから、本開示のスライド装置によれば、ロッド31Aの表面に噛合溝34が形成されていても、スライド動作のロックの解除動作を円滑に実施することができる。
本開示は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本開示の技術思想に含まれるものである。
1 スライド装置
2 スライドレバー
10 固定レール
20 可動レール
30 ロック機構
31、31A ロッド
32 コイル状ロック部材
34 噛合溝
41 第1のコイルバネ部
42 第2のコイルバネ部
43 連結部
44 第1のコイルバネ部の固定端部
45 第2のコイルバネ部の固定端部
50 操作部
51 操作アーム
54 操作ケーブル
55 係合凹部(係合部の一例)
60 ホルダ
61 取付ブラケット

Claims (4)

  1. 固定レールと、
    前記固定レールにスライド自在に連結された可動レールと、
    前記固定レールに取り付けられた長尺なロッドと、前記可動レールに取り付けられ且つ前記ロッドに巻装されて前記ロッドとの間に摩擦力を生じさせるコイル状ロック部材と、前記コイル状ロック部材を操作して前記ロッドと前記コイル状ロック部材との間に生じる摩擦力を制御する操作部と、を備えた、前記可動レールのスライド移動を規制するロック機構と、を備え、
    前記コイル状ロック部材は、
    一方向に巻回された第1のコイルバネ部と、
    前記一方向とは反対側の他方向に巻回された第2のコイルバネ部と、
    前記第1のコイルバネ部の一端と前記第1のコイルバネ部の一端に対向する前記第2のコイルバネ部の一端とを連結する連結部と、を備える、
    スライド装置。
  2. 前記操作部は、前記連結部、あるいは前記第1のコイルバネ部の他端及び前記第2のコイルバネ部の他端のいずれかに取り付けられ、前記第1のコイルバネ部の内径及び前記第2のコイルバネ部の内径が拡径あるいは縮径するように変位させる、
    請求項1に記載のスライド装置。
  3. 前記第1のコイルバネ部の他端及び前記第2のコイルバネ部の他端の回動を規制するホルダをさらに備え、
    前記操作部は、その一端が前記連結部及び前記ロッドの前記連結部に隣接する部分を包囲し且つ前記連結部に係合する係合部が形成された操作アームと、前記操作アームの他端に連結されて前記連結部と共に前記操作アームを回動させる操作ケーブルと、を備える、
    請求項2に記載のスライド装置。
  4. 前記ロッドの表面には、前記第1のコイルバネ部及び前記第2のコイルバネ部の一部が噛み合う噛合溝が形成されている、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスライド装置。
JP2022045758A 2022-03-22 2022-03-22 スライド装置 Pending JP2023139953A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022045758A JP2023139953A (ja) 2022-03-22 2022-03-22 スライド装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022045758A JP2023139953A (ja) 2022-03-22 2022-03-22 スライド装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023139953A true JP2023139953A (ja) 2023-10-04

Family

ID=88204736

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022045758A Pending JP2023139953A (ja) 2022-03-22 2022-03-22 スライド装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023139953A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2012096357A1 (ja) シートリクライニング装置及びシート装置
US8177301B2 (en) Armrest
JP5289233B2 (ja) 車両用シート
JP4853501B2 (ja) 車両用シートリクライニング装置
JP5251326B2 (ja) 車両用シート操作装置及び車両用シートリクライニング装置
JP5448642B2 (ja) 電動格納車両シートのロック装置
JP5641227B2 (ja) シートリクライニング装置及びシート装置
JP2023139953A (ja) スライド装置
WO2013021680A1 (ja) ラッチ装置
US11332058B2 (en) Apparatus for adjusting headrest wing
JP6379773B2 (ja) 車両用シートリクライニング装置
JP5505317B2 (ja) 車両用シート装置
WO2016009875A1 (ja) 車両用シートリクライニング装置
JP7207156B2 (ja) 車両用開閉体停止装置
JP6318936B2 (ja) 車両用シートリクライニング装置
JP5895796B2 (ja) 車両用シート
JP2016145024A (ja) シートスライド装置
US20170151893A1 (en) Seat reclining device for vehicle
JP2020196391A (ja) 車両用シート
JP4527234B2 (ja) リクライニング装置
JP6379772B2 (ja) 車両用シートリクライニング装置
KR102230836B1 (ko) 헤드레스트 장치
JP4910136B2 (ja) アームレスト装置
JP6318935B2 (ja) 車両用シートリクライニング装置
JP6327129B2 (ja) 車両用シートリクライニング装置