JP6318935B2 - 車両用シートリクライニング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートリクライニング装置に関するものである。
従来、同軸に並置された第1及び第2の回動部材と、これら第1及び第2の回動部材間の相対回動を規制可能なロック部材と、を備えた車両用のシートリクライニング装置がある。また、特許文献1に記載のシートリクライニング装置は、更に、その第1の回動部材の外面に摩擦係合する第1メモリ部材と、予め設定された所定の相対回動位置で当該第1メモリ部材に係合することにより第2の回動部材に対する第1メモリ部材の相対回動を規制可能な第2メモリ部材と、を備えている。そして、これにより、そのシートバックを前倒しすることにより後部シートの乗降性を向上させる所謂ウォークイン動作時、第2メモリ部材の係脱動作に連動して上記ロック部材をロック及びアンロック動作させることで、その前倒し操作されたシートバックを当該前倒し操作前の傾倒位置に復帰させることが可能となっている。
即ち、このようなシートリクライニング装置の多くは、シート側方に設けられた操作ハンドルを操作することにより、そのロック部材による第1及び第2の回動部材間の拘束を解除して、シートバックの傾倒角度を調整することが可能となっている。また、こうした通常のリクライニング操作時、上記特許文献1に記載のシートリクライニング装置においては、その第2メモリ部材が第1メモリ部材に係合することにより、第2の回動部材に対する第1メモリ部材の相対回動が規制される。そして、第1の回動部材は、その第1メモリ部材との摩擦係合力に抗することにより、第2の回動部材に対して相対回動することが可能となっている。
一方、ウォークイン動作時には、その第2メモリ部材の脱離動作に連動して上記ロック部材がアンロック動作する。つまり、この状態においては、その第2メモリ部材が第1メモリ部材から脱離することで、摩擦係合力に基づき当該第1メモリ部材と第1の回動部材とが一体回動するようになっている。そして、その前倒し操作されたシートバックの引き起こし操作時には、上記所定の相対回動位置で第1メモリ部材に第2メモリ部材が係合することにより、その前倒し操作前の傾倒位置にシートバックが復帰する構成となっている。
また、この従来例では、その第1メモリ部材として、略円環状の外形を有するメモリリングが用いられている。更に、このシートリクライニング装置は、同じく略円環状の外形を有する摩擦部材を備えている。そして、この摩擦部材を介して第1の回動部材(保持リング)にメモリリングを嵌合することにより、そのメモリリングと第1の回動部材との間に適切な摩擦係合力を発生させる構成になっている。
米国特許出願公開第2013/0113260号明細書
しかしながら、上記従来の構成では、その摩擦係合力の制御が難しいとう問題がある。そして、その調整作業に要する時間や手間等が製造コストを押し上げる一因となるおそれがあることから、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、より容易に、適切な摩擦係合力をメモリ部材に設定することのできる車両用シートリクライニング装置を提供することにある。
上記課題を解決する車両用シートリクライニング装置は、同軸に並置された第1及び第2の回動部材と、前記第1及び第2の回動部材間の相対回動を規制可能なロック部材と、前記第1の回動部材の外面に摩擦係合することにより該第1の回動部材と同軸に一体回動可能且つ摩擦係合力に抗して相対回動可能な第1メモリ部材と、前記第1メモリ部材に対して係脱可能な第2メモリ部材と、前記第2メモリ部材を係脱動作させるとともに該係脱動作に連動して前記ロック部材をロック及びアンロック動作させる操作機構と、を備え、前記第1メモリ部材は、前記第2メモリ部材に摺接することにより前記ロック部材のロック動作を伴う前記第2メモリ部材の係合動作を規制する摺接面と、前記第1メモリ部材が前記第2の回動部材に対して所定の相対回動位置にある場合に前記第2メモリ部材の係合動作を許容して該係合動作により挿入された前記第2メモリ部材と係合することにより前記第2の回動部材に対する前記第1メモリ部材の相対回動を規制する係合溝と、を有するとともに、更に、周方向の一部が破断した環形状を有して前記第1の回動部材に設けられた周壁部に嵌合する摩擦係合部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、第1の回動部材の周壁部に対して撓み状態で嵌合する摩擦係合部の嵌合力に基づいて、精度良く、その第1の回動部材と第1メモリ部材との間の摩擦係合力を制御することができる。その結果、より容易に、第1メモリ部材の摩擦係合力を適切な値に設定することができる。更に、従来技術に見られるような第1の回動部材と第1メモリ部材との間に介在される摩擦部材を廃して構成の簡素化を図ることができる。そして、これにより、その組付け性の向上を図ることができる。
上記課題を解決する車両用シートリクライニング装置は、前記摩擦係合部は、前記周壁部に摺接する複数の摺接突部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、簡素な構成にて、より精度良く、第1メモリ部材の摩擦係合力を制御することができる。
上記課題を解決する車両用シートリクライニング装置は、前記係合溝は、周方向に破断部を挟む前記摩擦係合部の第1端側及び第2端側に別れて設けられた両側壁面を備えることが好ましい。
即ち、第1メモリ部材は、係合溝を構成する両側壁面の何れか一方が第2メモリ部材に当接することにより、その摩擦係合力に基づいた第1の回動部材との一体回動が規制される。しかしながら、上記構成によれば、このとき、その係合溝の側壁面が設けられた摩擦係合部の第1端及び第2端の一方は固定端になり、他方は自由端になる。つまり、自由端側は、摩擦係合力に基づき第1の回動部材と一体回動しようとするのに対し、固定端側については、その動きが規制される。そして、これにより、その摩擦係合部を拡径(拡開)させる力が第1メモリ部材に作用し、当該第1メモリ部材と第1の回動部材との間の摩擦係合力が低下することで、より円滑に、第2の回動部材に対して第1の回動部材を相対回動させることができる。その結果、より小さな操作力で第2メモリ部材の脱離を伴わない通常のリクライニング操作を行うことができる。
上記課題を解決する車両用シートリクライニング装置は、前記係合溝は、前記第2メモリ部材の挿入方向において該第2メモリ部材の挿入幅よりも溝幅の狭い部分を有することが好ましい。
上記構成によれば、その係合溝内に第2メモリ部材が挿入されることにより、第1メモリ部材の摩擦係合部が拡開する。そして、これにより、第1の回動部材と第1メモリ部材との間の摩擦係合力が低下することで、より円滑に、第2の回動部に対して第1の回動部材を相対回動させることができる。その結果、より小さな操作力で第2メモリ部材の脱離を伴わない通常のリクライニング操作を行うことができる。
上記課題を解決する車両用シートリクライニング装置は、前記係合溝の両側壁面の少なくとも一方は、前記係合溝内に挿入された前記第2メモリ部材に押圧される斜面であることが好ましい。
上記課題を解決する車両用シートリクライニング装置は、前記第2メモリ部材は、前記係合溝に対する挿入方向に先細りとなるテーパ形状部を有することが好ましい。
上記各構成によれば、より円滑に、摩擦係合部を拡開させることができる。
上記課題を解決する車両用シートリクライニング装置は、前記第1メモリ部材は、前記第1及び第2の回動部材間の相対回動を伴いつつシートバックが後方側に傾倒する際、前記所定の相対回動位置において前記第2メモリ部材に当接することにより、前記摩擦係合力に基づく前記第1の回動部材との一体回動を規制するストッパ部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、前倒し操作されたシートバックを引き起こす際、その係合溝に対して第2メモリ部材を挿入可能な所定の相対回動位置に第1メモリ部材が到達したとき、当該第1メモリ部材と第1の回動部材との間の摩擦係合力に基づいて、そのシートバックに抵抗感(手応え)を与えることができる。そして、これにより、そのシートバックの傾倒角度を固定可能な状態にあることを示すことで、優れた操作性を確保することができる。
また、ロック部材のアンロック動作を伴いつつ第1メモリ部材から第2メモリ部材が脱離した場合に、そのシートバックが後方側に傾倒することを抑制することができる。そして、これにより、シートバックの前倒し操作を誘導することで、そのウォークイン機能を担保することができる。
上記課題を解決する車両用シートリクライニング装置は、前記第1メモリ部材は、前記第1及び第2の回動部材間の相対回動を伴いつつシートバックが前方側に傾倒する際、前記係合溝に前記第2メモリ部材を挿入可能な第1相対回動位置から所定の相対回動角度に設定された第2相対回動位置において前記第2メモリ部材に当接することにより、前記摩擦係合力に基づく前記第1の回動部材との一体回動を規制するストッパ部を備えることが好ましい。
即ち、シートバックの前倒し操作によりストッパ部に対して第2メモリ部材が当接した後においても、第1の回動部材は、第1メモリ部材との摩擦係合力に抗することで第2の回動部材に対して相対回動可能である。従って、上記構成によれば、そのストッパ部に対する第2メモリ部材の当接後、前倒し操作されたシートバックが最大前傾位置に到達することで、第1の回動部材と第1メモリ部材との相対回動位置が修正される。そして、これにより、第1メモリ部材と第2の回動部材との相対回動角度が、その第1相対回動位置及び第2相対回動位置間に設定された所定の相対回動角度に一致することで、その最大前傾位置から引き起こされたシートバックは、所定の相対回動角度に対応した所定の傾倒位置に復帰するようになる。
つまり、上記所定の相対回動角度をシートバックの基本位置から最大前傾位置に到達するまでの傾倒角度に等しく設定することで、基本位置よりも前方側の傾倒位置から前倒し操作を開始した場合には、その最大前傾位置から引き起こされたシートバックが前倒し操作前の傾倒位置に復帰するようになる。また、基本位置よりも後方側の傾倒位置から前倒し操作を開始した場合には、その最大前傾位置から引き起こされたシートバックが基本位置に復帰するようになる。そして、これにより、引き起こされたシートバックが後部シートに着座した乗員側に干渉しないようにすることで、その利便性を高めることができる。
本発明によれば、より容易に、適切な摩擦係合力をメモリ部材に設定することができる。
シートリクライニング装置が設けられた車両用シートの側面図。 シートリクライニング装置の側面図。 シートリクライニング装置の斜視図。 シートリクライニング装置の斜視図。 シートリクライニング装置の分解斜視図。 シートリクライニング装置の断面図(図2におけるVI−VI断面)。 シートリクライニング装置の断面図(図6におけるVII−VII断面)。 シートリクライニング装置の断面図(図6におけるVIII−VIII断面)。 操作ハンドル、操作軸、及びウォークインレバーの側面図。 第1メモリ部材及び第2メモリ部材の側面図。 シートリクライニング装置の動作説明図(第1相対回動位置:係合状態)。 シートリクライニング装置の動作説明図(第1相対回動位置:脱離状態)。 シートリクライニング装置の動作説明図(前倒し操作時)。 シートリクライニング装置の動作説明図(第2相対回動位置:当接状態)。 シートリクライニング装置の作用説明図(前傾状態からのウォークイン動作時)。 シートリクライニング装置の作用説明図(後傾状態からのウォークイン動作時)。 第1メモリ部材及び第2メモリ部材の係合構造を示す説明図。 第1メモリ部材及び第2メモリ部材の係合構造の別例を示す説明図。 第1メモリ部材及び第2メモリ部材の係合構造の別例を示す説明図。
以下、シートリクライニング装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両用のシート1は、シートクッション2と、このシートクッション2の後端部に対して傾動自在に設けられたシートバック3とを備えている。本実施形態では、車両の床部4には、左右一対のロアレール5と、その延伸方向に沿って当該各ロアレール5上を相対移動するアッパレール6と、が設けられている。即ち、本実施形態のシート1は、これらの各アッパレール6上に支持されることにより、その車両前後方向における位置調整が可能となっている。そして、本実施形態のシート1には、更に、そのシートバック3の傾倒角度を調整可能なシートリクライニング装置10が設けられている。
詳述すると、図2〜図6に示すように、シートクッション2とシートバック3との間には、シートクッション2に対するシートバック3の相対回動を規制し、及びその相対回動を許容することが可能なリクライナ11が介在されている。そして、車両の乗員は、シートクッション2の側方に配置される操作ハンドル13を操作することにより、このリクライナ11の機能に基づいて、そのシートバック3の傾倒角度を調整することができるようになっている。
具体的には、図2に示すように、シートクッション2の骨格を形成するサイドフレーム14には、その後端部から上方に延びる板状部材としての支持プレート15が設けられている。また、シートバック3の骨格を形成するシートバックサイドメンバ16は、そのシートクッション2の側方(同図中、紙面に直交する方向において手前側)に設けられた各支持プレート15のシート幅方向内側(同図中、奥側)に配置されている。そして、リクライナ11は、これらシート幅方向に対向する支持プレート15の上端部とシートバックサイドメンバ16の基端部との間に挟み込まれる態様で、シートバック3の幅方向両側に設けられている。
さらに詳述すると、図6〜図8に示すように、リクライナ11は、共通の回動中心(回動軸L)を有して相対回動可能に並置された第1及び第2の回動部材(アッパブラケット及びロアブラケット)21,22を備えている。
本実施形態では、これら第1及び第2の回動部材21,22は、ともに略円盤状の外形を有している。また、これら第1及び第2の回動部材21,22の周縁部には、それぞれ、その互いに対向配置された本体部21a,22aから他方側に向かって突出する円環状の周壁部23,24が形成されている。そして、これらの第1及び第2の回動部材21,22は、互いの周壁部23,24が嵌合することにより、相対回動可能な状態で同軸位置に配置されるようになっている。
具体的には、第1の回動部材21は、その第1及び第2の回動部材21,22の最外周部に位置する上記第2の回動部材22の周壁部24に対して段違いに配置された第1及び第2の周壁部23a,23bを備えている。また、本実施形態では、これら第1及び第2の周壁部23a,23bのうち、径方向外側に位置する第1の周壁部23aの外径は、第2の回動部材22側の周壁部24の内径と略等しく設定されている。そして、第1の回動部材21は、これにより、その第1の周壁部23aが第2の回動部材22側の周壁部24に摺接する状態で、当該第2の回動部材22に対して相対回動することが可能となっている。
尚、本実施形態のリクライナ11は、第1の回動部材21側の第1の周壁部23a及び第2の回動部材22側の周壁部24を厚み方向(図6中、左右方向)に挟み込み可能な断面形状を有した環状ホルダ25を備えている。そして、本実施形態では、この環状ホルダ25を第1及び第2の回動部材21,22の外周に嵌着することにより、これら第1及び第2の回動部材21,22間の相対回動を許容しつつ、その回動軸Lに沿った相対移動を規制する構成になっている。
また、図6に示すように、本実施形態では、第1の回動部材21は、シートバック3側のシートバックサイドメンバ16(の基端部)に固定され、第2の回動部材22は、シートクッション2側の支持プレート15(の上端部)に固定されている。そして、これら第1及び第2の回動部材21,22の間には、両者に係合することにより当該第1及び第2の回動部材21,22間の相対回動を規制可能な複数(本実施形態では3つ)のロック部材(ポール)30が介在されている。
詳述すると、図6〜図8に示すように、第2の回動部材22は、その周壁部24の径方向内側において、係合部材としての各ロック部材30を径方向移動可能に保持するガイド部31を備えている。
具体的には、本実施形態の各ロック部材30は、板状に形成されている。また、その回動軸Lの軸線方向において第1の回動部材21に対向する第2の回動部材22の対向面22s(図6中、左側の面)には、周方向に略均等間隔で配置された3つの保持突部32が形成されている。更に、これらの各保持突部32は、略扇形に形成されることにより、周方向に向かい合う互いの側壁部32aが全て略平行となるように設計されている。そして、各ロック部材30は、これら各保持突部32の間に配置されている。
即ち、本実施形態では、その周方向に隣り合う保持突部32の側壁部32a間にロック部材30を挟み込むことによって、これら各保持突部32の側壁部32aが、それぞれ、ガイド部31として機能するようになっている。そして、各ロック部材30は、これにより、その周方向両側に位置する各保持突部32の側壁部32aに摺接する状態で径方向に移動可能、且つ当該各側壁部32aとの当接により周方向における相対移動が規制された状態で、第2の回動部材22に保持されるようになっている。
また、図7に示すように、第1の回動部材21側の周壁部23、詳しくは、その第1の周壁部23aには、円環状をなす内周の全域に亘って、径方向内側に突出する内歯33が形成されている。更に、第2の回動部材22に保持されることにより径方向外側に臨む各ロック部材30の先端部分には、それぞれ、上記第1の周壁部23aの内周に設けられた内歯33に噛合可能な外歯34が形成されている。そして、本実施形態では、この各ロック部材30に設けられた外歯34が第1の回動部材21側の内歯33に噛合(係合)することにより、その各ロック部材30を保持する第2の回動部材22と第1の回動部材21との相対回転が規制されるようになっている。
詳述すると、図2〜図6に示すように、本実施形態のシートリクライニング装置10は、上記操作ハンドル13が固定されることにより当該操作ハンドル13と一体に回動する操作軸40を備えている。
図6〜図8に示すように、本実施形態では、この操作軸40は、リクライナ11を厚み方向に貫通、詳しくは上記第1及び第2の回動部材21,22の本体部21a,22aにおける中央部分を貫通する態様で設けられている。また、本実施形態のリクライナ11は、この操作軸40に対して相対回転不能に固定されたカム部材35を備えている。尚、本実施形態の操作軸40は、平行する一対の平面部を有した所謂二面幅形状を有している。そして、本実施形態のカム部材35は、その同じく二面幅形状を有する嵌合孔35aに操作軸40が挿通されることにより、相対回転不能な状態で当該操作軸40に固定されるようになっている。
本実施形態では、このカム部材35は、その周縁部分が上記各ロック部材30の基端部分に係合する状態で、これら各ロック部材30の径方向内側に配置されている。そして、本実施形態のリクライナ11は、そのカム部材35の回動に基づき各ロック部材30が径方向移動することにより、これら各ロック部材30の外歯34が上記第1の回動部材21の内歯33に係脱するように構成されている。
具体的には、本実施形態のカム部材35は、上記のように各ロック部材30を保持する第2の回動部材22に対して、図7及び図8中、時計回り方向に相対回動することにより、各ロック部材30を径方向外側に移動させる(押し広げる)ように構成されている。そして、本実施形態のリクライナ11は、これにより各ロック部材30の外歯34が上記第1の回動部材21に設けられた内歯33に噛合(係合)することで、その第1及び第2の回動部材21,22を相対回動不能に拘束して、シートクッション2に対するシートバック3の傾倒角度を固定するロック状態となるように構成されている。
また、このカム部材35は、図7及び図8中、反時計回り方向に相対回動することにより、各ロック部材30を径方向内側に移動させる(引き込む)ように構成されている。そして、本実施形態のリクライナ11は、これにより各ロック部材30の外歯34が第1の回動部材21の内歯33から脱離することで、その第1及び第2の回動部材21,22間の相対回動を許容して、シートバック3の傾倒角度を調整可能なアンロック状態となるように構成されている。
尚、本実施形態のリクライナ11において、カム部材35の回動軸となる操作軸40は、図示しない捩りコイルバネの弾性力に基づいて、図7及び図8中、時計回り方向、即ちロック方向に付勢されている。また、この操作軸40は、そのシートクッション2の側方に配置された操作ハンドル13を引き上げることで(図2参照、同図中、時計回り方向の回動操作)、図7及び図8中、反時計回り方向、即ちアンロック方向に回動する。そして、その操作ハンドル13の引き上げ操作を中止することで、上記捩りコイルバネの弾性力に基づいてロック方向に回動する構成となっている。
また、図8に示すように、本実施形態のリクライナ11において、上記第1の回動部材21に設けられた第2の周壁部23bの内周には、均等角度間隔で周方向に離間する複数(本実施形態では、3つ)の制御突部41が設けられている。更に、各ロック部材30には、それぞれ、その第2の周壁部23bの内周に向かって径方向外側に突出する係合突部42が設けられている。そして、本実施形態のリクライナ11は、これらの各制御突部41と各係合突部42とが当接することにより、その各ロック部材30のロック及びアンロック動作が制御されるようになっている。
詳述すると、本実施形態のリクライナ11は、各ロック部材30のアンロック動作時、その係合突部42が第2の周壁部23bに設けられた上記各制御突部41よりも径方向内側に移動するように構成されている。そして、これにより、アンロック状態においては、これら各ロック部材30の係合突部42と第2の周壁部23b側の各制御突部41とが干渉することなく、第1及び第2の回動部材21,22が相対回動可能な構成となっている。
また、本実施形態では、第1及び第2の回動部材21,22の相対回動により上記各制御突部41及び係合突部42の周方向位置が重複する場合には、これらの各制御突部41と各係合突部42とが摺接することで、その径方向外側に向かう各ロック部材30の移動、つまりはロック動作が規制されるようになっている。即ち、本実施形態のリクライナ11は、第2の周壁部23b側の上記各制御突部41及び各ロック部材30の係合突部42の周方向位置が重複しない所定の回動角度範囲内において、各ロック部材30をロック動作させる、つまりは第1及び第2の回動部材21,22の相対回動位置を固定することが可能となっている。そして、上記のような各制御突部41と各係合突部42とが摺接する回動角度範囲においては、そのアンロック状態が維持される構成となっている。
図1に示すように、本実施形態のシートリクライニング装置10は、このリクライナ11の機能に基づいて、予め設定された基本位置P0を基準とした前方側に所定の傾倒角度θ1及び後方側に所定の傾倒角度θ2の範囲内において、そのシートバック3の傾倒角度を変更し及び固定することが可能、即ち傾倒角度を任意に調整可能となっている。
また、本実施形態のシート1は、その前方側における傾倒角度の調整限界、即ちアップライト位置P1を超えて、上記基本位置P0を基準として前方側に所定の傾倒角度θ3の位置までシートバック3を傾倒させることが可能となっている(最大前傾位置P3)。尚、本実施形態では、図示しないストッパによって、シートバック3の最大前傾位置P3(傾倒角度θ3)及び最大後傾位置P2(傾倒角度θ2)が規定されている。そして、そのアップライト位置P1を超えた前方側の傾倒範囲においては、操作ハンドル13の引き上げを持続することなくリクライナ11のアンロック状態が維持される、即ちシートバック3の傾倒角度が固定されないように構成されている。
(ウォークイン&メモリ機能)
次に、本実施形態のシートリクライニング装置10に実装されたウォークイン&メモリ機能について説明する。
図2〜図5に示すように、本実施形態のシートリクライニング装置10は、上記操作ハンドル13とは独立に、その操作軸40をアンロック方向(図2中、時計回り方向)に回動させることが可能なウォークインレバー50を備えている。また、図6に示すように、本実施形態のシート1には、そのシートバック3を前方側に付勢する付勢部材45(例えば、渦巻きバネ等)が設けられている。そして、本実施形態のシートリクライニング装置10では、これにより、操作ハンドル13の引き上げ操作に依らず、シートクッション2との間に設けられた上記リクライナ11をアンロック状態として、そのシートバック3を最大前傾位置P3に傾倒させることが可能な所謂ウォークイン機能が実現されている。
詳述すると、図2〜図5、及び図9に示すように、本実施形態のシートリクライニング装置10において、ウォークインレバー50は、上記操作軸40が挿通される挿通孔51を有している。また、ウォークインレバー50の先端には、ワイヤーケーブル52が接続されている。そして、本実施形態のウォークインレバー50は、このワイヤーケーブル52に牽引されることにより、その挿通孔51に挿通された操作軸40を回動中心としてアンロック方向(図2及び図9中、時計回り方向)に回動する構成となっている。
ここで、図9に示すように、本実施形態では、上記挿通孔51は、上記のような二面幅形状を有する操作軸40の直径(略矩形状断面における長手方向の長さ)R1と略等しい(僅かに大きい)内径R2を有している。そして、この挿通孔51の内周には、ウォークインレバー50が上記アンロック方向に回動した場合にのみ、その操作軸40の二面幅形状に係合して当該操作軸40を一体回動させることが可能な一対の係合突部51a,51bが設けられている。
また、図1に示すように、シートバック3の上端部(肩口部分)には、シート1の後方から操作可能なウォークインハンドル53が設けられている。そして、上記ワイヤーケーブル52の他端側は、このウォークインハンドル53に接続されるようになっている。
即ち、本実施形態のシートリクライニング装置10は、このウォークインハンドル53に対する操作入力がワイヤーケーブル52を介してウォークインレバー50に伝達されることにより、その挿通孔51内に挿通された操作軸40と一体に当該ウォークインレバー50がアンロック方向に回動する構成となっている。また、本実施形態では、上記のように操作軸40に固定された操作ハンドル13が引き上げ操作された場合には、その挿通孔51の内周に設けられた各係合突部51a,51bが操作軸40の二面幅形状に係合しないようになっている。そして、本実施形態のシートリクライニング装置10は、これにより、上記操作ハンドル13の引き上げによる通常のリクライニング操作時には、ウォークインレバー50の回動を伴うことなく、その挿通孔51内に挿通された操作軸40がアンロック方向に回動する構成になっている。
また、図2〜図5、及び図10に示すように、本実施形態のシートリクライニング装置10は、上記リクライナ11を構成する第1の回動部材21の外面に摩擦係合する第1メモリ部材61と、この第1メモリ部材61に対して係脱可能に設けられた第2メモリ部材62と、を備えている。
図6に示すように、本実施形態のシートリクライニング装置10において、第1メモリ部材61は、上記第1の回動部材21に設けられた周壁部23に嵌着されている。そして、第1メモリ部材61は、その周壁部23との間の摩擦係合力に基づき第1の回動部材21と同軸に一体回動可能、且つその摩擦係合力に抗して相対回動可能な構成となっている。
具体的には、本実施形態では、第1及び第2の回動部材21,22は、それぞれ、板状の金属材料を塑性加工(プレス加工)することにより、その本体部21a,22aと周壁部23,24とが一体に形成されている。
例えば、第1の回動部材21においては、第1の周壁部23aを形成する際、その塑性変形により第1の回動部材21の内面S1となる側から外面S2となる側(図6中、右側から左側)に押し出された段差部分が第2の周壁部23bの外周となっている。更に、本実施形態では、その内周に複数の制御突部41を有した上記第2の周壁部23bを形成する際、塑性変形によって外面S2となる側に押し出された段差部分が第3の周壁部23cを構成する。そして、上記第1メモリ部材61は、この第3の周壁部23cの外周面に嵌合する構成になっている。
一方、図5及び図6に示すように、本実施形態の第2メモリ部材62は、略四角軸状の外形を有している。また、上記のようにリクライナ11を構成する第2の回動部材22が固定された支持プレート15には、この第2メモリ部材62が挿通されるガイド孔63が設けられている。本実施形態では、このガイド孔63は、リクライナ11の径方向(図2及び図6中、上下方向)に延びる長孔形状を有しており、第2メモリ部材62は、このガイド孔63内を長手方向に移動可能な状態で支持されている。そして、図10に示すように、第1メモリ部材61には、そのガイド孔63内を移動する第2メモリ部材62が係脱可能な係合溝65が形成されている。
図2〜図6に示すように、本実施形態では、上記ガイド孔63は、支持プレート15に設けられた貫通孔66に筒状部材67を嵌着することにより形成される。また、この筒状部材67は、その板状部材としての支持プレート15の厚みD0よりも大きな軸方向長さD1を有している。そして、本実施形態では、これにより、その筒状部材67の周壁67aが、ガイド孔63の周縁部において支持プレート15の厚み方向に突出する支持壁68として機能する構成になっている。
また、図2〜図5に示すように、本実施形態のシートリクライニング装置10は、この第2メモリ部材62と上記ウォークインレバー50とを連結するリンク部材64を備えている。具体的には、図11及び図12に示すように、このリンク部材64は、ウォークインレバー50がアンロック方向(各図中、時計回り方向)に回動することにより、そのガイド孔63内の第2メモリ部材62がリクライナ11の径方向外側、即ち第1メモリ部材61から離間する方向(各図中、上側から下側)に移動するように構成されている。そして、本実施形態では、これにより、その第1メモリ部材61に対して第2メモリ部材62を係脱動作させるとともに、当該第2メモリ部材62の係脱動作に連動して上記リクライナ11を構成する各ロック部材30をロック及びアンロック動作させることが可能な操作機構70が形成されるようになっている。
さらに詳述すると、図10に示すように、本実施形態の第1メモリ部材61は、周方向の一部が破断した円環形状(所謂Cリング形状)を有する摩擦係合部71を備えている。また、この摩擦係合部71の内周には、複数の摺接突部72が形成されている。そして、本実施形態の第1メモリ部材61は、これらの各摺接突部72が摺接する状態で、その摩擦係合部71が上記第1の回動部材21側に設けられた周壁部23(23c)に嵌合することにより、当該第1の回動部材21との間に適切な摩擦係合力を発生するように構成されている。
また、本実施形態の第1メモリ部材61は、破断部71xの近傍に周方向端部73aを有して摩擦係合部71の径方向外側に突出して設けられた弧状延設部73を備えている。そして、第1メモリ部材61は、更に、この弧状延設部73の周方向端部73aとの間に摩擦係合部71の破断部71xを挟む周方向位置において当該摩擦係合部71から径方向外側に突出する突出部74を備えている。
本実施形態の第1メモリ部材61において、係合溝65は、これらの突出部74の側面74a及び弧状延設部73の周方向端部73aを周方向の両側壁面65sとして構成されている。即ち、本実施形態の係合溝65は、周方向に破断部71xを挟む摩擦係合部71の第1端71a側及び第2端71b側に別れて設けられた周方向の両側壁面65sを有している。そして、第1メモリ部材61は、この係合溝65内に挿入された第2メモリ部材62と係合することにより、その第2の回動部材22に対する相対回動が規制される構成となっている。
具体的には、図11に示すように、上記ウォークインハンドル53が操作されていない場合、第2メモリ部材62は、上記支持プレート15に形成されたガイド孔63内における第1メモリ部材61の径方向内側(同図中、上側)に配置されることにより、その係合溝65内に挿入された状態となっている。そして、本実施形態では、これにより第1メモリ部材61に第2メモリ部材62が係合することで、その支持プレート15に固定された第2の回動部材22に対する第1メモリ部材61の相対回動が規制されるようになっている。
即ち、この状態でシートクッション2の側方に設けられた操作ハンドル13(図2参照)を引き上げた場合、ウォークインレバー50は回動せず、その第1メモリ部材61に対する第2メモリ部材62の係合状態は維持される。しかしながら、第1の回動部材21については、その操作ハンドル13の引き上げ操作に基づき各ロック部材30がアンロック動作することで、その第1メモリ部材61との摩擦係合力に抗して第2の回動部材22と相対回動することが可能である。そして、本実施形態のシートリクライニング装置10は、これにより、その操作ハンドル13を用いた通常のリクライニング操作によって、シートバック3の傾倒角度を調整することが可能となっている。
一方、図12に示すように、上記ウォークインハンドル53(図1参照)が操作された場合、第2メモリ部材62は、そのウォークインレバー50がアンロック方向に回動することにより、上記支持プレート15に形成されたガイド孔63内を第1メモリ部材61の径方向外側(同図中、下側)に向かって移動する。そして、本実施形態のシートリクライニング装置10は、これにより、その係合溝65から第2メモリ部材62が抜脱され、当該第2メモリ部材62と第1メモリ部材61との係合が解除されることによって、その第2の回動部材22に対して第1メモリ部材61が相対回動可能な状態となるように構成されている。
また、このとき、リクライナ11においては、操作機構70を構成するウォークインレバー50の回動に伴い各ロック部材30がアンロック動作(脱離動作)することによって、その第1及び第2の回動部材21,22間の相対回動が許容される。そして、本実施形態のシートリクライニング装置10は、これにより、その摩擦係合力に基づいて、第1の回動部材21と第1メモリ部材61とが一体回動可能な状態となるように構成されている。
ここで、図10、図13及び図14に示すように、本実施形態では、第1メモリ部材61に設けられた弧状延設部73の外周部には、シートバック3の傾動に伴い第1の回動部材21と一体に第1メモリ部材61が相対回動した場合において、その係合溝65から脱離した第2メモリ部材62が摺接する摺接面75が形成されている。そして、本実施形態のシートリクライニング装置10は、これにより、そのウォークインハンドル53に対する操作入力を持続することなく、シートバック3を最大前傾位置P3まで傾倒させることが可能となっている。
即ち、上記のように付勢部材45(図6参照)により付勢されたシートバック3は、その付勢力に基づいて、シートクッション2との間に介在されたリクライナ11がアンロック状態となることにより前方側に向かって傾動することになる。本実施形態では、このとき、第1メモリ部材61が第1の回動部材21と一体に相対回動することで、その摺接面75に第2メモリ部材62が摺接する。更に、これにより、その第1メモリ部材61の径方向内側に向かう第2メモリ部材62の係合動作が規制されることで、図13及び図14中、反時計回り方向に向かうウォークインレバー50の回動、つまりは各ロック部材30のロック動作が規制される。そして、本実施形態では、これにより、リクライナ11のアンロック状態が維持されることで、その付勢部材45に付勢されたシートバック3が最大前傾位置P3に到達するようになっている。
また、このようなウォークイン機能により前倒し操作されたシートバック3を引き起こす際においても、第1メモリ部材61の摺接面75に第2メモリ部材62が摺接する状態にある限り、そのリクライナ11のアンロック状態が維持される。
即ち、シートバック3の引き起こし操作時、第2メモリ部材62は、摩擦係合力に基づき第1の回動部材21と第1メモリ部材61とが一体回動することによって、当該第1メモリ部材61の摺接面75を上記係合溝65に挿入可能な位置まで周方向に移動するようになっている。そして、本実施形態では、これにより、そのシートバック3を前倒し操作前の傾倒位置に復帰させることが可能な所謂メモリ機能が実現されるようになっている。
さらに詳述すると、図10に示すように、本実施形態の第1メモリ部材61において、上記突出部74は、当該突出部74とともに係合溝65の両側壁面65sを構成する上記弧状延設部73に外周部に設けられた摺接面75よりも、その先端が径方向外側に突出するように構成されている。
即ち、図12に示すように、この突出部74は、第1及び第2の回動部材21,22の相対回動を伴いつつシートバック3が後方側に傾倒する際、その第1の回動部材21と一体に第1メモリ部材61が回動することによって、第2の回動部材22(の支持プレート15)側に設けられた第2メモリ部材62に当接するように構成されている。具体的には、この突出部74は、その係合溝65に第2メモリ部材62を挿入可能な第1相対回動位置Q1において、第2メモリ部材62に当接するように構成されている。そして、本実施形態の第1メモリ部材61は、この突出部74がストッパ部76として機能することにより、その摩擦係合力に基づいた第1の回動部材21との一体回動が規制されるようになっている。
また、図10に示すように、本実施形態の第1メモリ部材61において、上記弧状延設部73には、その係合溝65とは反対側の周方向端部73bの近傍に、上記突出部74と同様、その先端が当該弧状延設部73の外周部に形成された摺接面75よりも径方向外側に突出した第2突出部77が設けられている。
即ち、図14に示すように、この第2突出部77もまた、第1及び第2の回動部材21,22の相対回動を伴いつつシートバック3が前方側に傾倒する際、その第1の回動部材21と一体に第1メモリ部材61が回動することによって、第2の回動部材22側に設けられた第2メモリ部材62に当接するように構成されている。具体的には、この第2突出部77は、見かけ上、摺接面75上を周方向に相対移動する第2メモリ部材62が、その摺接面75の末端に到達する第2相対回動位置Q2において、第2メモリ部材62に当接するように構成されている。そして、本実施形態の第1メモリ部材61は、その第2突出部77がストッパ部78として機能することにより、その摩擦係合力に基づいた第1の回動部材21との一体回動が規制されるようになっている。
ここで、本実施形態のシートリクライニング装置10は、このストッパ部78を構成する第2突出部77に第2メモリ部材62が当接した後においても、上記付勢部材45の付勢力に基づきシートバック3が最大前傾位置P3に到達できるように、その第1の回動部材21(の周壁部23)に対する第1メモリ部材61の摩擦係合力が設定されている。そして、図1及び図10に示すように、本実施形態では、その第1メモリ部材61に設定された第1相対回動位置Q1及び第2相対回動位置Q2間の相対回動角度αは、そのシートバック3に設定された基本位置P0から最大前傾位置P3に至るまでの傾倒角度θ3に等しく設定されている。
即ち、図15に示すように、前倒し操作前におけるシートバック3の傾倒位置Pxが基本位置P0とアップライト位置P1との間にある場合、その前倒し操作によりシートバック3が最大前傾位置P3に到達するまでの傾倒角度θ4は、基本位置P0から最大前傾位置P3までの傾倒角度θ3よりも小さな値となる(θ4<θ3)。そして、この傾倒角度θ4は、上記第1メモリ部材61に設定された第1相対回動位置Q1及び第2相対回動位置Q2間の相対回動角度αよりも小さい。
従って、このような前傾状態から前倒し操作を開始した場合、第1メモリ部材61においては、その摺接面75に摺接する第2メモリ部材62が、上記第2突出部77に当接する末端部分まで到達しないため、その第1の回動部材21に摩擦係合する第1メモリ部材61の相対回動位置が維持される。そして、本実施形態のシートリクライニング装置10は、これにより、その前倒し操作されたシートバック3を後方側に引き起こすことで、当該シートバック3が前倒し操作前の傾倒位置Pxに復帰するように構成されている。
一方、図16に示すように、前倒し操作前におけるシートバック3の傾倒位置Px´が基本位置P0よりも後方側にある場合、その前倒し操作によりシートバック3が最大前傾位置P3に到達するまでの傾倒角度θ5は、基本位置P0から最大前傾位置P3までの傾倒角度θ3よりも大きな値となる(θ5>θ3)。そして、この傾倒角度θ5は、上記第1メモリ部材61に設定された第1相対回動位置Q1及び第2相対回動位置Q2間の相対回動角度αよりも大きい。
従って、このような後傾状態からの前倒し操作時、第1メモリ部材61においては、その第2メモリ部材62が上記第2突出部77に当接し、当該第2突出部77がストッパ部78として機能することにより、その摩擦係合力に基づいた第1の回動部材21との一体回動が規制される。そして、その第2突出部77に対する第2メモリ部材62の当接後、上記付勢部材45の付勢力に基づきシートバック3が最大前傾位置P3に到達することにより、その第1の回動部材21と第1メモリ部材61との相対回動位置が修正される。
即ち、この修正により、第2の回動部材22に対する第1メモリ部材61の相対回動角度が、その第1相対回動位置Q1及び第2相対回動位置Q2間に設定された相対回動角度αに一致する。そして、本実施形態のシートリクライニング装置10は、これにより、その前倒し操作されたシートバック3を後方側に引き起こすことで、当該シートバック3が基本位置P0に復帰するように構成されている。
(第1メモリ部材及び第2メモリ部材の係合構造)
次に、本実施形態のシートリクライニング装置10における第1メモリ部材61及び第2メモリ部材62の係合構造について説明する。
図17に示すように、本実施形態の係合溝65は、その第2メモリ部材62の挿入方向において、当該第2メモリ部材62の挿入幅W1よりも周方向の溝幅W0が狭い部分を有している。そして、本実施形態は、これにより、その第2メモリ部材62との係合によって、第1メモリ部材61の摩擦係合部71が拡開(拡径)する構成となっている。
詳述すると、本実施形態では、第1メモリ部材61及び第2メモリ部材62は、ともに金属を用いて形成されている。具体的には、第2メモリ部材62の挿入部80は、その係合溝65に対する挿入方向を長手方向とした断面略矩形をなす角軸状に形成されている。そして、これにより、第2メモリ部材62の挿入幅W1は、その挿入方向全域に亘って一定の値となっている。
一方、本実施形態の第1メモリ部材61において、その周方向に破断部71xを挟む摩擦係合部71の第1端71a側及び第2端71b側に別れて設けられた係合溝65の両側壁面65sは、それぞれ、その係合溝65内に挿入された第2メモリ部材62の挿入部80に押圧される斜面82となっている。即ち、これらの両側壁面65sは、その係合溝65内に挿入された第2メモリ部材62によって、互いが離間する方向に押圧されるように構成されている。そして、本実施形態の第1メモリ部材61は、これにより、その第2メモリ部材62との係合によって、摩擦係合部71が拡開(拡径)するようになっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)シートリクライニング装置10は、同軸に並置された第1及び第2の回動部材21,22と、これら第1及び第2の回動部材21,22間の相対回動を規制可能なロック部材30と、を備える。また、シートリクライニング装置10は、第1の回動部材21の外面S2に摩擦係合することにより当該第1の回動部材21と同軸に一体回動可能且つ摩擦係合力に抗して相対回動可能な第1メモリ部材61と、この第1メモリ部材61に対して係脱可能な第2メモリ部材62と、を備える。更に、シートリクライニング装置10は、第2メモリ部材62を係脱動作させるとともに、その係脱動作に連動してロック部材30をロック及びアンロック動作させることが可能な操作機構70と、を備える。また、第1メモリ部材61には、第2メモリ部材62に摺接することによりロック部材30のロック動作を伴う第2メモリ部材62の係合動作を規制可能な摺接面75が設けられる。更に第1メモリ部材61には、第1メモリ部材61が第2の回動部材22に対して所定の相対回動位置(第1相対回動位置Q1)にある場合に上記第2メモリ部材62の係合動作を許容して、その係合動作により挿入された第2メモリ部材62と係合する係合溝65が設けられる。そして、シートリクライニング装置10は、これにより、その第2の回動部材22に対する第1メモリ部材61の相対回動を規制可能な構成となっている。
上記構成によれば、第1メモリ部材61の係合溝65内に第2メモリ部材62が挿入された状態においても、第1メモリ部材61の摩擦係合力に抗して、第1の回動部材21を第2の回動部材22に対して相対回動させることができる。そして、これにより、第1メモリ部材61に対する第2メモリ部材62の係脱動作を伴わない通常のリクライニング操作によって、そのシートバック3の傾倒角度を調整することができる。
また、係合溝65から第2メモリ部材62が抜脱されることにより、第1メモリ部材61は、その摩擦係合力に基づいて第1の回動部材21と一体回動可能な状態となる。即ち、第1及び第2の回動部材21,22が相対回動することにより第1メモリ部材61の摺接面75が第2メモリ部材62に摺接し、そのロック部材30のロック動作を伴う第2メモリ部材62の係合動作が規制されることで、シートバック3の傾倒角度が固定されないアンロック状態が維持される。そして、これにより、その操作機構70を介したアンロック操作を持続することなく、シートバック3を最大傾倒位置まで傾倒させることができる。
更に、傾倒したシートバック3を引き起こす際には、その第1の回動部材21と一体回動する第1メモリ部材61が、第2の回動部材22に対する第1相対回動位置Q1に復帰することにより、その係合溝65に第2メモリ部材62を挿入可能な状態となる。そして、これにより、ロック部材30のロック動作を伴う第2メモリ部材62の係合動作が許容されることにより、傾倒操作前の傾倒位置Pxにおいて、そのシートバック3の傾倒角度を固定することができる。
また、その各メモリ部材を第1及び第2の回動部材21,22の間に配置するリクライナ内蔵型の構成と比較した場合、上記構成の方が、より優れた組付け性を有している。そして、その空間的な配置自由度の高さを活かして装置の薄型化や高精度のロック及びアンロック動作を行うことが可能という利点を有している。
(2)摺接面75は、第1及び第2の回動部材21,22の相対回動を伴いつつシートバック3が前方側に傾倒する際、摩擦係合力に基づき第1メモリ部材61が第1の回動部材21と一体に回動することにより第2メモリ部材62に摺接する位置に形成される。
上記構成によれば、ロック部材30のロック動作を伴う第2メモリ部材62の係合動作が規制され、アンロック状態が維持されることにより、操作機構70を介したアンロック操作を維持することなく、シートバック3を最大前傾位置P3まで傾倒させることができる。
(3)第1メモリ部材61は、第1及び第2の回動部材21,22間の相対回動を伴いつつシートバック3が後方側に傾倒する際、係合溝65に第2メモリ部材62を挿入可能な第1相対回動位置Q1において第2メモリ部材62に当接する突出部74を備える。そして、この突出部74がストッパ部76として機能することにより、その摩擦係合力に基づく第1の回動部材21と第1メモリ部材61との一体回動を規制可能に構成される。
上記構成によれば、前倒し操作されたシートバック3を引き起こす際、その係合溝65に対して第2メモリ部材62を挿入可能な第1相対回動位置Q1に第1メモリ部材61が到達したとき、当該第1メモリ部材61と第1の回動部材21との間の摩擦係合力に基づいて、そのシートバック3に抵抗感(手応え)を与えることができる。そして、これにより、そのシートバック3の傾倒角度を固定可能な状態にあることを示すことで、優れた操作性を確保することができる。
また、ロック部材30のアンロック動作を伴いつつ第1メモリ部材61から第2メモリ部材62が脱離した場合に、そのシートバック3が後方側に傾倒することを抑制することができる。そして、これにより、シートバック3の前倒し操作を誘導することで、そのウォークイン機能を担保することができる。
(4)第1メモリ部材61は、第1及び第2の回動部材21,22間の相対回動を伴いつつシートバック3が前方側に傾倒する際、係合溝65に第2メモリ部材62を挿入可能な第1相対回動位置Q1から所定の相対回動角度αに設定された第2相対回動位置Q2において第2メモリ部材62に当接する第2突出部77を備える。そして、この第2突出部77がストッパ部78として機能することにより、その摩擦係合力に基づく第1の回動部材21と第1メモリ部材61との一体回動を規制可能に構成される。
即ち、シートバック3の前倒し操作により第2突出部77に対して第2メモリ部材62が当接した後においても、第1の回動部材21は、第1メモリ部材61との摩擦係合力に抗することで第2の回動部材22に対して相対回動可能である。従って、上記構成によれば、その第2突出部77に対する第2メモリ部材62の当接後、前倒し操作されたシートバック3が最大前傾位置P3に到達することで、第1の回動部材21と第1メモリ部材61との相対回動位置が修正される。そして、これにより、第1メモリ部材61と第2の回動部材22との相対回動角度が、上記第1相対回動位置Q1及び第2相対回動位置Q2間に設定された所定の相対回動角度αに一致することで、その最大前傾位置P3から引き起こされたシートバック3は、所定の相対回動角度αに対応する所定の傾倒位置に復帰するようになる。
つまり、上記所定の相対回動角度αをシートバック3の基本位置P0から最大前傾位置P3に到達するまでの傾倒角度θ3に等しく設定することで、基本位置P0よりも前方側の傾倒位置Pxから前倒し操作を開始した場合には、その最大前傾位置P3から引き起こされたシートバック3が前倒し操作前の傾倒位置Pxに復帰するようになる。また、基本位置P0よりも後方側の傾倒位置Px´から前倒し操作を開始した場合には、その最大前傾位置P3から引き起こされたシートバック3が基本位置P0に復帰するようになる。そして、これにより、引き起こされたシートバック3が後部シートに着座した乗員側に干渉しないようにすることで、その利便性を高めることができる。
(5)シートバック3は、付勢部材45により前方側に付勢される。そして、第1の回動部材21に対する第1メモリ部材61の摩擦係合力は、上記ストッパ部78を構成する第2突出部77に対する第2メモリ部材62の当接後においても、その付勢部材45の付勢力に基づいて第1及び第2の回動部材21,22が相対回動するように設定される。
上記構成によれば、より容易に、そのシートバック3を前倒し操作することができる。そして、第2突出部77に対する第2メモリ部材62の当接後、付勢部材45の付勢力に基づきシートバック3が最大前傾位置P3に到達するようにすることにより、その前倒し操作されたシートバック3を、安定的に、基本位置P0に復帰させることができる。
(6)第1メモリ部材61は、周方向の一部が破断した環形状を有して第1の回動部材21の周壁部23に嵌合する摩擦係合部71を備える。
上記構成によれば、第1の回動部材21の周壁部23に対して撓み状態で嵌合する摩擦係合部71の嵌合力に基づいて、精度良く、その第1の回動部材21と第1メモリ部材61との間の摩擦係合力を制御することができる。その結果、より容易に、第1メモリ部材61の摩擦係合力を適切な値に設定することができる。更に、従来技術に見られるような第1の回動部材21と第1メモリ部材61との間に介在される摩擦部材を廃して構成の簡素化を図ることができる。そして、これにより、その組付け性の向上を図ることができる。
(7)摩擦係合部71は、第1の回動部材21に設けられた周壁部23に摺接する複数の摺接突部72を備える。これにより、簡素な構成にて、より精度よく、第1メモリ部材61の摩擦係合力を制御することができる。
(8)第1メモリ部材61の係合溝65は、周方向に破断部71xを挟む摩擦係合部71の第1端71a側及び第2端71b側に別れて設けられた両側壁面65sを備える。
即ち、第1メモリ部材61は、係合溝65を構成する両側壁面65sの何れか一方が第2メモリ部材62に当接することにより、その摩擦係合力に基づく第1の回動部材21との一体回動が規制される。しかしながら、上記構成によれば、このとき、その係合溝65の側壁面65sが設けられた摩擦係合部71の第1端71a及び第2端71bの一方は固定端になり、他方は自由端になる。つまり、自由端側は、摩擦係合力に基づき第1の回動部材21と一体回動しようとするのに対し、固定端側については、その動きが規制される。そして、これにより、その摩擦係合部を拡径(拡開)させる力が第1メモリ部材61に作用し、当該第1メモリ部材61と第1の回動部材21との間の摩擦係合力が低下することで、より円滑に、第2の回動部材22に対して第1の回動部材21を相対回動させることができる。その結果、より小さな操作力で第2メモリ部材62の脱離を伴わない通常のリクライニング操作を行うことができる。
(9)係合溝65は、その第2メモリ部材62の挿入方向において当該第2メモリ部材62の挿入幅W1よりも溝幅W0の狭い部分を有する。
上記構成によれば、その係合溝65内に第2メモリ部材62が挿入されることにより、第1メモリ部材61の摩擦係合部71が拡開する。そして、これにより、第1の回動部材21と第1メモリ部材61との間の摩擦係合力が低下することで、より円滑に、第2の回動部材22に対して第1の回動部材21を相対回動させることができる。その結果、より小さな操作力で第2メモリ部材62の脱離を伴わない通常のリクライニング操作を行うことができる。
(10)係合溝65の両側壁面65sは、当該係合溝65内に挿入された第2メモリ部材62に押圧される斜面82となっている。これにより、より円滑に、摩擦係合部71を拡開させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、係合溝65は、周方向に破断部71xを挟む摩擦係合部71の第1端71a側及び第2端71b側に別れて設けられた周方向の両側壁面65sを有することしたが、その他の周方向位置に係合溝65が形成される構成についても、これを排除しない。
・また、第1メモリ部材61には、第2メモリ部材62に当接してストッパ部76,78として機能することにより、その摩擦係合力に基づく第1の回動部材21と第1メモリ部材61との一体回動を規制可能な突出部74及び第2突出部77が設けられることとした。しかし、これに限らず、これら各ストッパ部76,78の何れか一方のみを備える構成としてもよい。そして、これら各ストッパ部76,78の双方を有しない構成についてもまた、これを排除しない。
・更に、その摺接面75が、シートバック3を前方に傾倒させた場合に第2メモリ部材62に摺接する位置のみならず、シートバック3を後方に傾倒させた場合に第2メモリ部材62に摺接する位置にも形成される構成としてもよい。そして、そのシートバック3を後方に傾倒させた場合に摺接する位置のみに摺接面75が形成される構成についても、これを排除しない。尚、このような構成は、例えば、そのシートバック3をシートクッション2と略水平となるまで「後ろ倒し操作」することが可能な所謂「フラットシート」等に適用するとよい。
・上記実施形態では、第1メモリ部材61は、金属を用いて形成されることとした。しかし、これに限らず、その環形状をなす摩擦係合部71の拡開を許容する可撓性を有するものであれば、例えば、樹脂等、その他の素材を用いて第1メモリ部材61を形成する構成であってもよい。そして、この場合においても、その撓み量に嵌合力が略比例することが好ましい。
・上記実施形態では、摩擦係合部71の内周には、複数の摺接突部72が設けられることとしたが、必ずしも、このような摺接突部72を備える構成でなくともよい。そして、第1の回動部材21の周壁部23と第1メモリ部材61の摩擦係合部71との間に摩擦材が介在される構成についても、これを排除しない。
・上記実施形態では、係合溝65の両側壁面65sは、当該係合溝65内に挿入された第2メモリ部材62に押圧される斜面82であることとした。しかし、これに限らず、これら各側壁面65sの一方のみが斜面82として構成される構成であってもよい。そして、その両方が第2メモリ部材62の挿入方向に対して平行な構成についても、これを排除しない。
・上記実施形態では、第2メモリ部材62の挿入部80は、その係合溝65に対する挿入方向を長手方向とした断面略矩形をなす角軸形状であることとした。しかし、これに限らず、その挿入部80の形状は任意に変更してもよい。また、係合溝65の両側壁面65sを離間方向に押圧して摩擦係合部71を拡開させる構成とする場合には、例えば、図18に示す第2メモリ部材62の挿入部80Bのように、その係合溝65に対する挿入方向に先細りとなるテーパ形状部80aを有する構成であってもよい。そして、その挿入部80の断面形状が第2メモリ部材62の挿入方向に先細りとなる楔形となるようにしてもよい。このような構成としても、その第1メモリ部材61の摩擦係合部71を円滑に拡開させることができる。
・また、上記実施形態では、係合溝65は、その第2メモリ部材62の挿入方向において当該第2メモリ部材62の挿入幅W1よりも溝幅W0の狭い部分を有することとした。しかし、これに限らず、図19に示すように、その溝幅W0が第2メモリ部材62の挿入幅W1よりも広い構成についても、これを排除しない。即ち、このような構成とした場合であっても、その周方向の一部が破断した環形状を有する摩擦係合部71を備えることによる優れた摩擦係合力の制御性及び組み付けの容易性は不変である。そして、この場合においてもまた、係合溝65の両側壁面65sが摩擦係合部71の第1端71a側及び第2端71b側に別れて設けられる構成にするとよい。これにより、その係合溝65に第2メモリ部材62が係合した状態で第1及び第2の回動部材21,22が相対回動した場合における動的な第1メモリ部材61の拡径効果(上記(8)の効果)を得ることができる。
・上記実施形態では、第1メモリ部材61は、第1及び第2の回動部材21,22の最外周部となる第2の回動部材22の周壁部24に対して段違いに設けられた第1の回動部材21側の周壁部23、詳しくは、その第3の周壁部23cに対して嵌合することとした。しかし、これに限らず、第1メモリ部材61の嵌合位置は、内周に内歯33を有する第1の周壁部23aや、内周に制御突部41を有する第2の周壁部23bであってもよい。そして、第1の回動部材21の周壁部23が第1及び第2の回動部材21,22の最外周部において、この最外周部に第1メモリ部材61が嵌合する構成であってもよい。
・また、環状ホルダ25のような第1及び第2の回動部材21,22間の連結部材が第1の回動部材21に固定される構成、或いは固定部材を介して第1の回動部材21をシートバック3側に固定する構成においては、その連結部材や固定部材をも第1の回動部材21の一部として取り扱うことができる。更に、シートバック3側(シートバックサイドメンバ16等)に固定されることにより第1の回動部材21と同軸位置に設けられた保持部材を有する構成についてもまた、その保持部材を第1の回動部材21の一部として取り扱うことができる。そして、このような場合には、これら連結部材や固定部材、或いは保持部材の外周に第1メモリ部材61が嵌合する構成としてもよい。
・上記実施形態では、シートバック3側に固定される第1の回動部材21は、その周壁部23の内周に内歯33及び制御突部41を有し、シートクッション2側に固定される第2の回動部材22は、その周壁部24の径方向内側に、各ロック部材30を径方向移動可能に保持するガイド部31を有することとした。しかし、これに限らず、その周壁部の径方向内側に各ロック部材を保持する第1の回動部材と、その周壁部の内周に内歯及び制御突部を有する第2の回動部材と、を備える構成としてもよい。即ち、上記実施形態とは表裏を反対にした状態で、そのシートクッション2とシートバック3との間にリクライナ11を介在させる構成に適用してもよい。そして、この場合においてもまた、第1メモリ部材61は、シートバック3側の第1の回動部材21に対して摩擦係合するように構成されることは言うまでもない。
・上記実施形態では、第2メモリ部材62は、第1メモリ部材61(リクライナ11)に対して径方向移動することにより、その係合溝65に対して挿抜されることとした。しかし、これに限らず、第2メモリ部材62の挿入方向(挿抜方向)は、必ずしも第1メモリ部材61の径方向に一致しなくともよい。また、その挿入方向が第1メモリ部材61の回動中心に向かう方向に一致しなくともよい。更に、第1メモリ部材61に係脱する第2メモリ部材62の係脱動作について、必ずしも、その軌跡が直線的である必要はなく、円弧状に湾曲した軌跡を描くものであってもよい。そして、係合溝65内に第2メモリ部材62が挿入された後、その「挿入方向」が連続的に変化するような、係合溝65の側壁面65sが湾曲した構成であってもよい。
・上記実施形態では、シートバック3の上端部(肩口部分)に設けられたウォークインハンドル53に対する操作入力に基づいて、シート1の後方からシートバック3をウォークイン動作させることが可能であることとした。しかし、これに限らず、その操作機構70の操作入力部は、例えば、フットレバー式等、その配置や形状は任意に変更してもよい。
次に、以上の実施形態から把握することのできる技術的思想を効果とともに記載する。
(イ)前記摺接面は、前記第1及び第2の回動部材間の相対回動を伴いつつシートバックが前方側に傾倒する際、前記摩擦係合力に基づき前記第1メモリ部材が前記第1の回動部材と一体に回動することにより前記第2メモリ部材に摺接する位置に形成されること、を特徴とする車両用シートリクライニング装置。
上記構成によれば、ロック部材のロック動作を伴う第2メモリ部材の係合動作が規制され、アンロック状態が維持されることにより、操作機構を介したアンロック操作を持続することなく、シートバックを最大前傾位置まで傾倒させることができる。
(ロ)前記シートバックは、付勢部材により前方側に付勢されるものであって、前記ストッパ部に対する前記第2メモリ部材の当接後、前記付勢部材の付勢力に基づき前記第1及び第2の回動部材が相対回動するように、前記第1の回動部材に対する前記第1メモリ部材の摩擦係合力が設定されること、を特徴とする車両用シートリクライニング装置。
上記構成によれば、より容易に、そのシートバックを前倒し操作することができる。そして、ストッパ部に対する第2メモリ部材の当接後、付勢部材の付勢力に基づきシートバックが最大前傾位置に到達するようにすることにより、その前倒し操作されたシートバックを、安定的に、その第1相対回動位置と第2相対位置との間に設定された所定の相対回動角度に対応する所定の傾倒位置に復帰させることができる。
1…シート、2…シートクッション、3…シートバック、10…シートリクライニング装置、11…リクライナ、13…操作ハンドル、14…サイドフレーム、15…支持プレート、16…シートバックサイドメンバ、21…第1の回動部材、23…周壁部、23a…第1の周壁部、23b…第2の周壁部、23c…第3の周壁部、22…第2の回動部材、24…周壁部(最外周部)、30…ロック部材、31…ガイド部、32…保持突部、33…内歯、34…外歯、35…カム部材、35a…嵌合孔、40…操作軸、41…制御突部、42…係合突部、45…付勢部材、50…ウォークインレバー、51…挿通孔、51a,51b…係合突部、52…ワイヤーケーブル、53…ウォークインハンドル、61…第1メモリ部材、62…第2メモリ部材、63…ガイド孔、64…リンク部材、65…係合溝、65s…側壁面、66…貫通孔、67…筒状部材、67a…周壁、68…支持壁、70…操作機構、71…摩擦係合部、71a…第1端、71b…第2端、71x…破断部、72…摺接突部、73…弧状延設部、74…突出部、75…摺接面、76…ストッパ部、77…第2突出部、78…ストッパ部、80,80B…挿入部、80a…テーパ形状部、82…斜面、P0…基本位置、P1…アップライト位置、P2…最大後傾位置、P3…最大前傾位置、Px,Px´…傾倒位置、θ1〜θ5…傾倒角度、Q1…第1相対回動位置、Q2…第2相対回動位置、α…相対回動角度、L…回動軸、S2…外面、W0…溝幅、W1…挿入幅。

Claims (8)

  1. 同軸に並置された第1及び第2の回動部材と、
    前記第1及び第2の回動部材間の相対回動を規制可能なロック部材と、
    前記第1の回動部材の外面に摩擦係合することにより該第1の回動部材と同軸に一体回動可能且つ摩擦係合力に抗して相対回動可能な第1メモリ部材と、
    前記第1メモリ部材に対して係脱可能な第2メモリ部材と、
    前記第2メモリ部材を係脱動作させるとともに該係脱動作に連動して前記ロック部材をロック及びアンロック動作させる操作機構と、を備え、
    前記第1メモリ部材は、
    前記第2メモリ部材に摺接することにより前記ロック部材のロック動作を伴う前記第2メモリ部材の係合動作を規制する摺接面と、
    前記第1メモリ部材が前記第2の回動部材に対して所定の相対回動位置にある場合に前記第2メモリ部材の係合動作を許容して該係合動作により挿入された前記第2メモリ部材と係合することにより前記第2の回動部材に対する前記第1メモリ部材の相対回動を規制する係合溝と、を有するとともに、更に、
    周方向の一部が破断した環形状を有して前記第1の回動部材に設けられた周壁部に嵌合する摩擦係合部を備える車両用シートリクライニング装置。
  2. 請求項1に記載の車両用シートリクライニング装置において、
    前記摩擦係合部は、前記周壁部に摺接する複数の摺接突部を備えること、
    を特徴とする車両用シートリクライニング装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用シートリクライニング装置において、
    前記係合溝は、周方向に破断部を挟む前記摩擦係合部の第1端側及び第2端側に別れて設けられた両側壁面を備えること、を特徴とする車両用シートリクライニング装置。
  4. 請求項3に記載の車両用シートリクライニング装置において、
    前記係合溝は、前記第2メモリ部材の挿入方向において該第2メモリ部材の挿入幅よりも溝幅の狭い部分を有すること、を特徴とする車両用シートリクライニング装置。
  5. 請求項4に記載の車両用シートリクライニング装置において、
    前記係合溝の両側壁面の少なくとも一方は、前記係合溝内に挿入された前記第2メモリ部材に押圧される斜面であること、を特徴とする車両用シートリクライニング装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の車両用シートリクライニング装置において、
    前記第2メモリ部材は、前記係合溝に対する挿入方向に先細りとなるテーパ形状部を有すること、を特徴とする車両用シートリクライニング装置。
  7. 請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の車両用シートリクライニング装置において、
    前記第1メモリ部材は、前記第1及び第2の回動部材間の相対回動を伴いつつシートバックが後方側に傾倒する際、前記所定の相対回動位置において前記第2メモリ部材に当接することにより、前記摩擦係合力に基づく前記第1の回動部材との一体回動を規制するストッパ部を備えること、を特徴とする車両用シートリクライニング装置。
  8. 請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の車両用シートリクライニング装置において、
    前記第1メモリ部材は、前記第1及び第2の回動部材間の相対回動を伴いつつシートバックが前方側に傾倒する際、前記係合溝に前記第2メモリ部材を挿入可能な第1相対回動位置から所定の相対回動角度に設定された第2相対回動位置において前記第2メモリ部材に当接することにより、前記摩擦係合力に基づく前記第1の回動部材との一体回動を規制するストッパ部を備えること、を特徴とする車両用シートリクライニング装置。
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