JP2023139904A - 曲面表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】部材に仮固定用の接着剤の注入穴が不要であって、本固定用の接着剤が硬化するまでの間、平板状態の透明カバーを治具によらずに冷間曲げの状態を維持したままで筐体に接着可能な構造の曲面表示装置とする。【解決手段】可撓性を有する透明カバー2は、第1接着剤5および第2接着剤6により筐体7に曲面形状のまま接着固定されている。筐体7は、曲げられた表示パネル4が配置される凹部71と、第1接着剤5が配置される第1領域73と、第2接着剤が配置される第2領域74とを有する。第2領域74は、第1領域73に隣接し、かつ第1領域73よりも筐体7の厚み方向において凹部71の底面71aから遠い位置に位置する。第2接着剤6は、第1接着剤5よりも硬化時間が短く、厚みが薄く、かつ筐体7のうち第1接着剤5よりも内周側または外周側において第1接着剤5に沿って配置されている。【選択図】図3
Description
本発明は、曲面表示装置に関する。
従来、表示パネルおよびその駆動回路が筐体に収納され、表示パネルの表示面がガラス等の透明カバーに覆われた構成の表示装置が知られている。また、近年、この種の表示装置の分野では、意匠性等の観点から曲面表示のニーズがあり、可撓性のある表示パネルおよび透明カバーが曲げられた状態とされ、透明カバーが曲げられたまま筐体に接着固定された構成の曲面表示装置が提案されている。
この種の曲面表示装置に用いられる透明カバーとして、筐体に取り付けられる前には平板状態であるものを用いる場合、透明カバーを筐体に接着する接着剤が完全に硬化するまで透明カバーを冷間曲げにより曲面形状に維持する治具が必要となる。また、接着剤が完全に硬化するまでの間、治具、透明カバーおよび筐体を動かすことができない上、この硬化時間が製造工程における律速となってしまう。生産性を高めるためには、治具を用いず、かつ接着剤が完全に硬化するまでの間であっても、透明カバーおよび筐体を動かすことが可能な接着方法とすればよい。このような接着方法としては、例えば、特許文献1に記載のものが挙げられる。
特許文献1に記載の接着方法は、2つの部材の接着に2種の接着剤を用い、一方の接着剤としてホットメルトを用いて短時間で固まらせ、当該一方の接着剤により他方の接着剤が完全に硬化するまで2つの部材を仮固定する。
しかし、上記の接着方法では、部分的な仮固定となるため、曲面部分の面積が大きい場合には仮固定の箇所を増やさなければならない。また、この接着方法は、一方の部材にホットメルトを注入するための穴を形成する必要があるため、仮固定の数を増やすと、その分だけ当該穴が増えてしまい、接着後の部材の意匠性が低下するおそれがある。
本発明は、上記の点に鑑み、部材に仮固定用の接着剤の注入穴が不要であって、本固定用の接着剤が硬化するまでの間、平板状態の透明カバーを治具によらずに冷間曲げの状態を維持したままで筐体に接着可能な構造の曲面表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の曲面表示装置は、曲面表示装置(1)であって、可撓性を有する表示パネル(4)と、曲面形状とされた表示パネルが配置される凹部(71)を有する筐体(7)と、筐体に接着される前においては平板状態であって、可撓性を有する透明カバー(2)と、曲面形状とされた透明カバーを筐体に接着する第1接着剤(5)および第2接着剤(6)と、を備え、筐体は、第1接着剤が配置される第1領域(73)と、第2接着剤が配置される領域であって、第1領域に隣接し、かつ第1領域よりも筐体の厚み方向において凹部の底面(71a)から遠い位置に位置する第2領域(74)とを有し、第1接着剤は、第2接着剤よりも厚みが大きく、第2接着剤は、第1接着剤よりも硬化時間が短く、かつ筐体のうち第1接着剤よりも内周側または外周側において第1接着剤に沿って配置されている。
この曲面表示装置は、元々は平板状態である透明カバーが冷間曲げされた状態で、硬化時間の異なる第1接着剤および第2接着剤により筐体に取り付けられており、表示パネルが曲面形状とされ、筐体の凹部内に配置された構成となっている。筐体は、第1接着剤が配置される第1領域と、第1領域に隣接し、かつ筐体の厚み方向において凹部の底面から遠い第2領域とを有している。これにより、第1接着剤の厚みが第2接着剤よりも厚く、かつ第1接着剤よりも硬化時間が短い第2接着剤が第1接着剤に隣接して配置され、第1接着剤が硬化するまでの間、第2接着剤により透明カバーが曲面形状を維持したまま筐体に接着保持される。そのため、第1接着剤が完全に硬化するまでの間、透明カバーの冷間曲げを保持するための治具が不要、かつ筐体および透明カバーに第2接着剤を注入するための穴を形成する必要がない構造の曲面表示装置となる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態の曲面表示装置1について、図面を参照して説明する。
第1実施形態の曲面表示装置1について、図面を参照して説明する。
図1では、曲面表示装置1の構成を分かり易くするため、後述する透明カバー2に覆われた表示パネル4の外郭を破線で示している。図2では、曲面表示装置1の構成部材のうち図2の角度から見たとき、各構成部材のうち前方に位置する他の構成部材と重なっている部分の外郭を破線で示している。また、図2では、後述する筐体7の構成を見易くするため、透明カバー2を筐体7に接着するための後述する接着剤5、6および表示パネル4の駆動用の回路基板等を省略している。
本実施形態の曲面表示装置1は、例えば図1に示すように、透明カバー2と、表示パネル4と、筐体7とを備え、透明カバー2および表示パネル4が筐体7の湾曲形状に追従した曲面形状で保持された構成となっている。曲面表示装置1は、例えば図2に示すように、透明カバー2および筐体7を接着する第1接着剤5および第2接着剤6と、表示パネル4を透明カバー2に貼り付ける光学接着層3とをさらに備える。曲面表示装置1は、例えば図3に示すように、筐体7のうち透明カバー2と向き合う前面7a側に形成された凹部71内の領域に、曲面形状に保持された表示パネル4が収まる配置とされ、透明カバー2の表面2aが凹形状とされた曲面表示装置となっている。
透明カバー2は、可撓性および透光性のある透明基材であり、例えば、厚み0.5mm以下のガラスもしくは強化ガラス、あるいは剛性および透光性を有する樹脂材料などが用いられうる。本明細書では、透明カバー2が厚み0.5mm以下のガラス基材で構成された場合を代表例として説明する。透明カバー2は、例えば図2に示すように、筐体7に接着される前においては平板の状態である。透明カバー2は、冷間曲げにより曲板状態とされたまま、第1接着剤5および第2接着剤6により筐体7に接着固定されることで筐体7の湾曲形状に追従した曲面形状となってている。つまり、透明カバー2は、元々が平板状態の透明基材がいわば後曲げ方式により曲面形状とされつつ、その曲面形状のまま筐体7に保持されている。
透明カバー2は、本実施形態では、筐体7とは反対側の面を表面2aとし、筐体7に向き合う面を裏面2bとして、表面2a側が凸となる曲面形状の状態(以下「凹曲げ」という)となっている。透明カバー2は、裏面2bのうち筐体7の凹部71の内側に位置する領域に光学接着層3を介して表示パネル4が貼り付けられている。透明カバー2は、筐体7のうち凹部71よりも外側の領域に配置された接着剤5、6により、筐体7の凹部71を覆うように接着されている。
透明カバー2は、光学接着層3により表示パネル4が貼り付けられた後、例えば、図示しないロールまたは筐体7の前面7a側の湾曲形状に追従した曲面形状を有する治具を用いて、筐体7に接着される。このとき、透明カバー2は、筐体7のうち第1接着剤5の近傍に配置された第2接着剤6により仮固定され、第1接着剤5が完全に硬化するまでの間、治具によらずに凹曲げのままで保持される。
光学接着層3は、例えば、OCA(Optical Clear Adhesiveの略)やOCR(Optical Clear Resinの略)などの光学接着剤である。光学接着層3は、表示パネル4のうち各種画像を表示する側の面である表示面と透明カバー2の裏面2bとの隙間に配置され、これらを接着している。光学接着層3は、例えば図2に示すように、表示パネル4と略同一の平面サイズとされ、透明カバー2を筐体7に貼り付ける前に、予め透明カバー2の裏面2bまたは表示パネル4の表示面に配置される。
表示パネル4は、例えば、有機発光ダイオード(OLED)パネルであり、可撓性のあるフレキシブルな構成とされる。なお、OLEDパネルは、有機ELパネルとも称されうる。表示パネル4は、例えば、OLEDパネルの場合、可撓性のある樹脂材料によりなる基板上に、薄膜トランジスタ(TFT)を有する回路層と画素を構成するOLED素子が平面方向に繰り返し配列されてなる発光層とがこの順に積層された構成とされる。表示パネル4は、例えば、図示しないFPC(Flexible printed circuitsの略)を介して駆動制御用の図示しない回路基板に接続され、各種の表示制御がなされる。
なお、表示パネル4を駆動するための図示しない回路基板は、例えば、配線基板に電源回路、冷却ファン、CPU、ROM、RAMやI/Oが搭載されてなる電子制御ユニットであり、凹部71内あるいは筐体7の背面7b(前面7aの反対面)側に配置される。
なお、表示パネル4は、各種画像を表示でき、透明カバー2の曲げに追従可能なフレキシブルパネルであればよく、OLEDパネルに限定されるものではない。OLEDパネルやその他のフレキシブルパネルの構成や使用材料等については、公知のため、本明細書では、その詳細な説明を省略する。また、表示パネル4に接続される図示しない配線や回路基板の配置等については、適宜変更されうる。
第1接着剤5は、透明カバー2を筐体7に接着するために用いられる接着剤であり、例えば、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系等の一般的な接着剤を用いることができる。第1接着剤5は、例えば、水分、紫外線、加熱のうち少なくとも1つの要素により硬化が促進される一液型の接着剤、あるいは主剤と硬化剤とを混合することで硬化が促進される二液混合型の接着剤とされる。第1接着剤5は、例えば、透明カバー2または筐体7にディスペンサー等により塗布される。第1接着剤5は、例えば、透明カバー2と筐体7とを貼り合わせた直後においては液状もしくはペースト状であるが、透明カバー2を第2接着剤6により筐体7に仮固定している間に硬化し、最終的には固化した状態となる。第1接着剤5は、第2接着剤6よりも厚みが厚くされ、第2接着剤6よりも硬化時間が長い接着材料により構成されている。つまり、第1接着剤5は、筐体7に透明カバー2を本固定する本固定用の接着剤である。第1接着剤5は、本実施形態では、例えば、図4に示すように、筐体7のうち第2接着剤6が配置される領域よりも内周側の領域において、透明カバー2の外郭に応じた枠体を描くように配置される。
なお、第1接着剤5は、例えば、曲面表示装置1が車載用途に用いられる場合に透明カバー2を長期にわたって曲面形状のまま筐体7に接着維持するためには、厚みが0.2mm以上、強度が1.0MPa以上、伸び率が150%以上であることが好ましい。ここでいう「長期」とは、例えば、1万時間以上の時間を意味する。また、ここでいう「強度」とはせん断強度あるいは引張強度を、「伸び率」とは破断時の伸び率を、それぞれ意味し、これらの値は、例えばJIS(日本産業規格)で定められた引張試験により得ることができる。
例えば、透明カバー2が平面サイズ300mm×150mm、厚み0.5mmの長方形板状のガラスであり、透明カバー2の外郭近傍に枠体状の第1接着剤5を配置したときについて検討する。この場合において、透明カバー2の最小の曲率半径Rを例えば100mm、150mm、200mmと段階的に変えて、第1接着剤5にかかる引張応力を算出したところ、所定の接着幅、接着高さにおいていずれも1MPa以下であった。そして、これらの算出した第1接着剤5にかかる応力数値に基づく曲線に基づいて、最小の曲率が70mmである場合における第1接着剤5に生じる引張応力を算出したところ、約1.6MPaであった。また、透明カバー2の厚みが0.5mmよりも薄く、かつ曲率半径Rが70mm以上の場合には、第1接着剤5の応力は、上記した数値以下であった。これらの結果に基づくと、平面サイズ300mm×150mm、厚み0.5mm以下、最小の曲率半径Rが70mm以上である場合、第1接着剤5の厚み、強度および伸び率を上記の値を満たす設計とすることにより、長期の接着信頼性が得られる。なお、この場合、第1接着剤5のせん断強度については、1.0MPa以上であればよいが、2.0MPa以上とされるとより好ましい。
第2接着剤6は、筐体7のうち第1接着剤5が配置される領域を第1領域73として、第1領域73に隣接する領域である第2領域74に、例えばディスペンサー等により配置される。第2接着剤6は、第1接着剤5が硬化するまでの間、冷間曲げされた透明カバー2に外力を加えることなく曲面形状のまま保持、すなわち仮固定する仮固定用の接着剤である。第2接着剤6は、第1接着剤5よりも厚みが薄くされ、かつ第1接着剤5よりも短時間で硬化する、もしくは硬化速度が大きい接着材料で構成される。第2接着剤6は、例えば、水分、紫外線、加熱のうち少なくとも1つの要素により硬化が促進される瞬間接着剤とされる。第2接着剤6は、透明カバー2を筐体7に貼り付けた後に短時間で硬化し、治具を用いずに透明カバー2を曲面形状のまま保持可能とするために、例えば、厚みが0.1mm以下、幅が第1接着剤5の1/2以下、弾性率が第1接着剤5よりも大きくなっている。第2接着剤6は、例えば、本実施形態では、図3や図4に示すように、筐体7のうち第1接着剤5が配置される領域よりも外周側の領域において、第1接着剤5に沿って枠体を描くように配置される。
なお、第2接着剤6は、第2接着剤6を構成する接着材料の収縮により透明カバー2にかかる力のバラツキ、ひいては透明カバー2に表面うねりが生じることを抑える観点からは、厚みが略均一とされることが好ましい。略均一とは、例えば、第2接着剤6の厚みの分布が、当該厚みの中心値に対して±10%以内の範囲内に収まることをいう。これにより、透明カバー2を治具なしで曲面保持する効果に加えて、接着剤に起因する透明カバー2における表面うねりが低減され、意匠性をさらに向上させる効果も得られる。
筐体7は、透明カバー2が接着剤5、6により接着されると共に、透明カバー2に貼り付けられる表示パネル4との干渉を避けるための凹部71を有する部材である。筐体7は、例えば、Al(アルミニウム)やMg(マグネシウム)などの熱伝導率が高い金属材料やその合金材料、もしくは軽量な樹脂材料などにより構成され、表示パネル4の熱を外部に放出する放熱部材としての役割を果たす。筐体7は、例えば、透明カバー2と向き合う前面7a側に表示パネル4の平面サイズよりも大きい平面サイズの凹部71が形成されている。筐体7は、本実施形態では、少なくとも前面7a側が凹となるように一方向に沿って湾曲した湾曲面となっている。
筐体7は、例えば、前面7a側において、接着される透明カバー2の外郭よりも外側に位置する領域に、透明カバー2を囲む外枠部72を有する。外枠部72は、透明カバー2の全域を囲む1つの閉環枠体形状であってもよいし、透明カバー2の外郭の一部を囲む開環枠体形状または複数の分離した壁状構成であってもよい。外枠部72は、透明カバー2の外郭に応じて、その形状等が適宜変更されうる。また、筐体7は、例えば図4に示すように、前面7a側から正面視したときの筐体7の外郭に沿った一の方向DR1、方向DR1と交差する方向を方向DR2として、方向DR1、DR2における長さが異なる略長方形状とされるが、この外形に限定されない。
筐体7は、前面7a側において、凹部71よりも外周側の領域に、第1接着剤5を配置するための第1領域73と、第2接着剤6を配置するための第2領域74とを有する。筐体7は、第1領域73と第2領域74との境界が段差部となっており、第1領域73が第2領域74よりも筐体7の厚み方向において凹部71の底面71aに近い構成となっている。これにより、筐体7に塗布された第1接着剤5の厚みが第2接着剤6よりも厚くなる。筐体7は、本実施形態では、第1領域73が第2領域74よりも内周側に位置しており、第2領域74の一部が第2接着剤6を介して凹曲げされた透明カバー2の復元力を受け止める構成となっている。第1領域73と第2領域74との段差の寸法は、第1接着剤5の厚みに応じて、適宜変更されうる。
なお、筐体7は、例えば、背面7bに表示パネル4の駆動制御用の図示しない回路基板が配置される場合には、凹部71の底面71aに背面7bに連通する図示しない貫通孔が形成される。この場合、筐体7は、底面71aに形成された図示しない貫通孔を経由して表示パネル4と図示しない回路基板とを接続する配線の引き回しが可能な構成とされる。また、筐体7は、背面7bに図示しない放熱用のフィンや剛性向上のための図示しない補強部材などを有していてもよい。
以上が、本実施形態の曲面表示装置1の基本的な構成である。
本実施形態の曲面表示装置1は、筐体7が、本固定用の第1接着剤5が配置される第1領域73と、第1領域73に隣接し、仮固定用の第2接着剤6が配置される第2領域74とを有し、凹曲げされた透明カバー2が接着剤5、6により筐体7に接着されてなる。また、第2領域74が第1領域73よりも凹部71の底面71aから遠い位置にあることにより、第2接着剤6が第1接着剤5よりも厚みが薄く、かつ硬化時間が短い、あるいは硬化速度が速い材料で構成されている。そのため、平板状態の透明カバー2が冷間曲げにより凹曲げされた状態で第2接着剤6により筐体7に接着保持され、当該状態が維持されたまま第1接着剤5が硬化することとなり、透明カバー2を曲面形状に保持するための治具を要さずに製造可能である。
よって、本実施形態の曲面表示装置1は、冷間曲げされた透明カバー2を筐体7に接着する際に、第1接着剤5が完全に硬化するまでの間、透明カバー2を曲面形状のまま保持する治具が不要な構造となる。そのため、本固定用の第1接着剤5が完全に硬化するまでの間、ワークを動かすことができ、製造工程上の制約が少なくなり、製造コストが低減される効果が得られる。また、透明カバー2を筐体7に接着する際に、第1接着剤5と共に第2接着剤6を筐体7に配置すればよいため、透明カバー2および筐体7に仮固定用の第2接着剤6を注入するための穴を設ける必要がなく、当該穴による透明カバー2のうねりが生じることもない。
(第2実施形態)
第2実施形態の曲面表示装置1について、図面を参照して説明する。
第2実施形態の曲面表示装置1について、図面を参照して説明する。
本実施形態の曲面表示装置1は、例えば図5に示すように、筐体7が第1領域73よりも外周側に透明カバー2の裏面2bに当接する支持部75を有し、第2領域74が第1領域73よりも内周側に位置する点で上記第1実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
筐体7は、本実施形態では、第1領域73よりも外周側の領域において透明カバー2の裏面2bと当接し、これを支持する支持部75を備える。支持部75は、第1領域73および第2領域74よりも厚み方向において高い位置、すなわち凹部71の底面71aから遠い位置にあり、他の部材を介さずに透明カバー2と当接する領域である。言い換えると、支持部75は、第1領域73よりも外周側の領域に形成され、第1領域73および第2領域74よりも前面7a側に突出したリブに相当する部位である。支持部75は、凹曲げされた透明カバー2が元の平板形状に戻ろうとする復元力のうち筐体7を押圧する力を受け止め、当該復元力のうち透明カバー2が筐体7とは反対側に向かう力、ひいては第1接着剤5を引っ張る力を低減する役割を果たす。これにより、本固定用の第1接着剤5を引き延ばす応力が低減され、透明カバー2が筐体7からより剥離しにくくなる効果が得られる。第2接着剤6による透明カバー2の曲面形状の保持を補助する役割を果たす。支持部75は、少なくとも一部が透明カバー2の外郭よりも内側に位置するサイズとされ、例えば、外枠部72と同様に、前面7a側から見て透明カバー2の外郭に沿った枠体状とされる。
第2領域74は、本実施形態では、第1領域73に隣接すると共に、第1領域73よりも内周側の領域において第1領域73よりも前面7a側に突き出た構成となっている。第2領域74は、支持部75よりも厚み方向において低い位置、すなわち支持部75よりも凹部71の底面71aに近い位置とされ、透明カバー2とは当接しない状態となっている。第2領域74は、本実施形態では、全域が透明カバー2の外郭よりも内側に位置し、例えば、第1領域73および支持部75と同様に、透明カバー2の外郭に沿った枠体状とされる。
第1領域73は、本実施形態では、第2領域74およびと支持部75に挟まれた構成となっており、例えば、枠体状の溝部となっている。
本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果が得られる曲面表示装置1となる。また、筐体7が支持部75を有することにより、本固定用の第1接着剤5を引き延ばす応力が低減され、透明カバー2が筐体7からより剥離しにくくなり、信頼性がさらに向上する効果も得られる。
(第2実施形態の変形例)
曲面表示装置1は、例えば図6に示すように、筐体7の前面7a側が凸となる曲面形状とされ、これに接着された透明カバー2がその表面2aが凸となる曲面状態(以下「凸曲げ」という)となる構成であってもよい。
曲面表示装置1は、例えば図6に示すように、筐体7の前面7a側が凸となる曲面形状とされ、これに接着された透明カバー2がその表面2aが凸となる曲面状態(以下「凸曲げ」という)となる構成であってもよい。
本変形によっても、上記第2実施形態と同様の効果が得られる曲面表示装置1となる。
(第3実施形態)
第3実施形態の曲面表示装置1について、図面を参照して説明する。
第3実施形態の曲面表示装置1について、図面を参照して説明する。
本実施形態の曲面表示装置1は、例えば図7に示すように、筐体7が第1領域73よりも内周側に透明カバー2の裏面2bに当接する支持部75を有し、第2領域74が第1領域73よりも外周側に位置した構成となっている。また、筐体7の前面7a側が凸となる曲面形状とされ、これに接着された透明カバー2が凸曲げされた構成となっている。曲面表示装置1は、これらの点で上記第1実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
筐体7は、本実施形態では、第1領域73よりも内周側の領域において透明カバー2の裏面2bと当接し、これを支持する支持部75を備える。支持部75は、上記第2実施形態と同様に、第1領域73および第2領域74よりも厚み方向において突出し、これらよりも凹部71の底面71aから遠く、かつ他の部材を介さずに透明カバー2と当接している。支持部75は、凸曲げされた透明カバー2が元の平板形状に戻ろうとする復元力のうち筐体7を押圧する力を受け止めることで、当該復元力のうち透明カバー2の端部が筐体7とは反対側に向かう力、ひいては第1接着剤5を引っ張る力を低減する役割を果たす。これにより、本固定用の第1接着剤5を引き延ばす応力が低減され、透明カバー2が筐体7からより剥離しにくくなる効果が得られる。支持部75は、本実施形態では、全域が透明カバー2の外郭よりも内側に位置するサイズとされ、例えば、外枠部72と同様に、前面7a側から見て透明カバー2の外郭に沿った枠体状とされる。
第2領域74は、本実施形態では、第1領域73に隣接すると共に、第1領域73よりも外周側の領域において第1領域73よりも前面7a側に突き出た構成となっている。第2領域74は、支持部75よりも厚み方向において凹部71の底面71aに近い位置とされ、透明カバー2とは当接しない状態となっている。第2領域74は、本実施形態では、全域が透明カバー2の外郭よりも内側に位置し、例えば、第1領域73および支持部75と同様に、透明カバー2の外郭に沿った枠体状とされる。
第1領域73は、本実施形態では、上記第2実施形態と同様に、第2領域74と支持部75と間に位置し、例えば、枠体状の溝部となっている。
本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果が得られる曲面表示装置1となる。また、筐体7が支持部75を有することにより、本固定用の第1接着剤5を引き延ばす応力が低減され、透明カバー2が筐体7からより剥離しにくくなり、信頼性がさらに向上する効果も得られる。
(他の実施形態)
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらの一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらの一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
例えば、上記各実施形態では、筐体7が外枠部72を有する構成とされた例について説明したが、筐体7は、外枠部72を有しない構成であってもよい。また、表示パネル4は、透明カバー2側とは反対側の面が図示しない接着層あるいは放熱シートを介して筐体7の凹部71の底面71aにも接続されていてもよい。曲面表示装置1は、透明カバー2が冷間曲げされた状態で第1接着剤5とこれよりも厚みが薄く、硬化速度が大きい第2接着剤6とにより筐体7に接着された構成であればよく、その他の構成部分については上記したように構造等が適宜変更されてもよい。
なお、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
1・・・曲面表示装置、2・・・透明カバー、2a・・・表面、4・・・表示パネル、5・・・第1接着剤、6・・・第2接着剤、7・・・筐体、71・・・凹部、
71a・・・底面、73・・・第1領域、74・・・第2領域、75・・・支持部
71a・・・底面、73・・・第1領域、74・・・第2領域、75・・・支持部
Claims (7)
- 曲面表示装置(1)であって、
可撓性を有する表示パネル(4)と、
曲面形状とされた前記表示パネルが配置される凹部(71)を有する筐体(7)と、
前記筐体に接着される前においては平板状態であって、可撓性を有する透明カバー(2)と、
曲面形状とされた前記透明カバーを前記筐体に接着する第1接着剤(5)および第2接着剤(6)と、を備え、
前記筐体は、前記第1接着剤が配置される第1領域(73)と、前記第2接着剤が配置される領域であって、前記第1領域に隣接し、かつ前記第1領域よりも前記筐体の厚み方向において前記凹部の底面(71a)から遠い位置に位置する第2領域(74)とを有し、
前記第1接着剤は、前記第2接着剤よりも厚みが大きく、
前記第2接着剤は、前記第1接着剤よりも硬化時間が短く、かつ前記筐体のうち前記第1接着剤よりも内周側または外周側において前記第1接着剤に沿って配置されている、曲面表示装置。 - 前記第2接着剤は、水分、紫外線、加熱のうち少なくとも1つにより急速に硬化する接着剤で構成されている、請求項1に記載の曲面表示装置。
- 前記透明カバーは、厚み0.5mm以下のガラス基材である、請求項1または2に記載の曲面表示装置。
- 前記透明カバーは、最小の曲率半径が70mm以上の湾曲形状であり、
前記第1接着剤は、厚みが0.2mm以上、せん断強度2.0MPa以上、破断時の伸び率が150%以上であり、
前記第2接着剤は、厚みが0.1mm以下、幅が前記第1接着剤の半分以下である、請求項3に記載の曲面表示装置。 - 前記透明カバーは、前記筐体とは反対側の表面(2a)が凹となる凹曲げの状態であり、
前記第2領域は、前記第1領域よりも前記筐体の外周側に位置している、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の曲面表示装置。 - 前記透明カバーは、前記筐体とは反対側の表面(2a)が凸となる凸曲げの状態であり、
前記第2領域は、前記第1領域よりも前記筐体の外周側に位置しており、
前記筐体は、前記第1領域よりも前記筐体の内周側に配置され、かつ前記透明カバーに当接する支持部(75)を有する、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の曲面表示装置。 - 前記筐体は、前記第1領域よりも前記筐体の外周側に位置し、かつ前記透明カバーに当接する支持部(75)を有し、
前記第2領域は、前記第1領域よりも前記筐体の内周側に配置され、前記支持部よりも前記厚み方向において前記底面に近い位置にある、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の曲面表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022045675A JP2023139904A (ja) | 2022-03-22 | 2022-03-22 | 曲面表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2023139904A true JP2023139904A (ja) | 2023-10-04 |
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JP2022045675A Pending JP2023139904A (ja) | 2022-03-22 | 2022-03-22 | 曲面表示装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2023139904A (ja) |
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2022
- 2022-03-22 JP JP2022045675A patent/JP2023139904A/ja active Pending
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