JP2023138399A - 偏光子の製造方法 - Google Patents

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Kunitomo Saito
成志 中里
Seiji Nakazato
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Abstract

Figure 2023138399000001
【課題】延伸方向に直交する方向の長さのばらつきが抑制された偏光子の製造方法を提供する。
【解決手段】偏光子の製造方法は、樹脂フィルムを搬送しながら膨潤させる膨潤工程と、膨潤工程後の樹脂フィルムを搬送しながら染色する染色工程と、染色工程後の樹脂フィルムを搬送しながら架橋浴に浸漬し、架橋浴中で搬送方向に延伸する架橋延伸工程と、を含む。架橋延伸工程は、多段階で延伸処理を行う工程であり、かつ、延伸処理のうちの1段階目の延伸処理は、下記式(1)の関係を満たすように行う。
v×0.3t≦X1≦v×1.2t (1)
[式(1)中、X1は、1段階目の延伸処理の開始から完了までに樹脂フィルムが搬送される距離[m]を表す。vは、架橋延伸工程における樹脂フィルムの搬送速度[m/min]を表す。tは、1段階目の延伸処理に用いる架橋浴に、染色工程後の樹脂フィルムを浸漬したときに、樹脂フィルムの収縮が飽和するまでに要する時間[min]を表す。]
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光子の製造方法に関し、さらに偏光板の製造方法、及び偏光板のロール体にも関する。
液晶表示装置(LCD)は、液晶テレビだけでなく、パソコン、携帯電話等のモバイル端末、及びカーナビ等の車載用途にも広く用いられている。通常、液晶表示装置は、液晶セルの両側に、偏光子を含む偏光板を貼合した液晶パネルを有し、バックライトからの光を液晶パネルで制御することにより画像等の表示を行っている。近年では、有機EL表示装置も液晶表示装置と同様に、テレビ、携帯電話等のモバイル端末、カーナビ等の車載用途に広く用いられている。有機EL表示装置では、外光が金属電極(陰極)で反射され鏡面のように視認されることを抑止するために、画像表示素子の視認側表面に円偏光板(偏光子とλ/4板とを含む)が配置されることがある。
偏光子は通常、ポリビニルアルコール系樹脂を形成材料とする樹脂フィルムに対して、膨潤処理、染色処理、架橋処理、延伸処理を行って製造される。偏光子の製造にあたり、架橋浴に樹脂フィルムを浸漬した状態で延伸処理を行うことが知られている(例えば、特許文献1等)。
国際公開第2017/138551号
樹脂フィルムを長さ方向に延伸すると、幅方向(延伸方向に直交する方向)に樹脂フィルムが収縮するネックインと呼ばれる現象が生じる。架橋浴中で樹脂フィルムの長さ方向に延伸処理を行うと、延伸後の樹脂フィルムの幅が長さ方向でばらつき、長さ方向において安定した幅を有する偏光子が得られないことが見出された。
本発明は、延伸方向に直交する方向の長さのばらつきが抑制された偏光子の製造方法、偏光板の製造方法、及び偏光板のロール体の提供を目的とする。
本発明は、以下の偏光子の製造方法、偏光板の製造方法、及び偏光板のロール体を提供する。
〔1〕 ポリビニルアルコール系樹脂を形成材料とする樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向している偏光子の製造方法であって、
前記樹脂フィルムを搬送しながら膨潤させる膨潤工程と、
前記膨潤工程後の前記樹脂フィルムを搬送しながら染色する染色工程と、
前記染色工程後の前記樹脂フィルムを搬送しながら架橋浴に浸漬し、前記架橋浴中で搬送方向に延伸する架橋延伸工程と、を含み、
前記架橋延伸工程は、多段階で延伸処理を行う工程であり、かつ、前記延伸処理のうちの1段階目の延伸処理は、下記式(1)の関係を満たすように行うことを特徴とする、偏光子の製造方法。
v×0.3t≦X1≦v×1.2t (1)
[式(1)中、
X1は、前記1段階目の延伸処理の開始から完了までに前記樹脂フィルムが搬送される距離[m]を表す。
vは、前記架橋延伸工程における前記樹脂フィルムの搬送速度[m/min]を表す。
tは、前記1段階目の延伸処理に用いる前記架橋浴に、前記染色工程後の前記樹脂フィルムを浸漬したときに、前記樹脂フィルムの収縮が飽和するまでに要する時間[min]を表す。]
〔2〕 ポリビニルアルコール系樹脂を形成材料とする樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向している偏光子の製造方法であって、
前記樹脂フィルムを搬送しながら膨潤させる膨潤工程と、
前記膨潤工程後の前記樹脂フィルムを搬送しながら染色する染色工程と、
前記染色工程後の前記樹脂フィルムを搬送しながら架橋浴に浸漬し、前記架橋浴中で搬送方向に延伸する架橋延伸工程と、を含み、
前記架橋延伸工程は、多段階で延伸処理を行う工程であり、かつ、前記延伸処理のうちの1段階目の延伸処理は、下記式(2)の関係を満たすように行うことを特徴とする、偏光子の製造方法。
v×0.4t≦X2≦v×1.2t (2)
[式(2)中、
X2は、前記架橋延伸工程において、前記架橋浴への前記樹脂フィルムの浸漬を開始してから前記1段階目の延伸処理が完了するまでに前記樹脂フィルムが搬送される距離[m]を表す。
vは、前記架橋延伸工程における前記樹脂フィルムの搬送速度[m/min]を表す。
tは、前記1段階目の延伸処理に用いる前記架橋浴に、前記染色工程後の前記樹脂フィルムを浸漬したときに、前記樹脂フィルムの収縮が飽和するまでに要する時間[min]を表す。]
〔3〕 前記架橋延伸工程はさらに、下記式(1)の関係を満たす、〔2〕に記載の偏光子の製造方法。
v×0.3t≦X1≦v×1.2t (1)
[式(1)中、
X1は、前記1段階目の延伸処理の開始から完了までに前記樹脂フィルムが搬送される距離[m]を表す。
v及びtは、上記と同じ意味を表す。]
〔4〕 前記1段階目の延伸処理の開始から完了までに前記樹脂フィルムが搬送される距離をX1とするとき、
前記架橋延伸工程において、前記1段階目よりも後に行う延伸処理のうちの少なくとも1つの延伸処理の開始から完了までに前記樹脂フィルムが搬送される距離は、前記距離X1の2倍以上10倍以下である、〔1〕又は〔3〕に記載の偏光子の製造方法。
〔5〕 前記架橋延伸工程において、前記1段階目の延伸処理と、その後に行う2段階目の延伸処理とを、同じ架橋浴中で行う、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の偏光子の製造方法。
〔6〕 前記架橋浴には、搬送方向上流側から順に、第1ニップロール、第2ニップロール、及び第3ニップロールが配置されており、
前記1段階目の延伸処理は、前記第1ニップロールと前記第2ニップロールとの間で行い、
前記2段階目の延伸処理は、前記第2ニップロールと前記第3ニップロールとの間で行う、〔5〕に記載の偏光子の製造方法。
〔7〕 前記第2ニップロールは、前記第1ニップロールと前記第2ニップロールとの間の前記樹脂フィルムの搬送距離が調整可能となるように移動可能に設けられている、〔6〕に記載の偏光子の製造方法。
〔8〕 前記第1ニップロールの回転速度をRv1[m/min]とし、前記第3ニップロールの回転速度をRv3[m/min]とした場合において、前記架橋延伸工程の後の前記樹脂フィルムの幅が最小となるときの前記第2ニップロールの回転速度をRvmin[m/min]とするとき、
前記第2ニップロールの回転速度Rv2[m/min]は、Rvmin±10[m/min]の範囲内である、〔6〕又は〔7〕に記載の偏光子の製造方法。
〔9〕 前記架橋延伸工程は、前記第2ニップロールの回転速度Rv2[m/min]を変動させながら延伸処理を行う、〔8〕に記載の偏光子の製造方法。
〔10〕 〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の偏光子の製造方法によって偏光子を得る工程と、
前記偏光子を得る工程で得られた前記偏光子を搬送方向にスリットすることなく、前記偏光子の片面又は両面に保護フィルムを積層する工程と、を含む、偏光板の製造方法。
〔11〕 偏光板をロール状に巻回した偏光板のロール体であって、
前記偏光板は、偏光子と、前記偏光子の片面又は両面に積層された保護フィルムと、を有し、
前記ロール体の巻き始め部分における前記偏光子の幅と、前記ロール体の巻き終わり部分における前記偏光子の幅との差は、絶対値で0.1mm以上3mm以下である、偏光板のロール体。
本発明の偏光子の製造方法によれば、延伸方向に直交する方向の長さのばらつきが抑制された偏光子を製造することができる。
本発明の一実施形態に係る偏光子の製造方法における架橋延伸工程を説明するための模式図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(偏光子の製造方法)
図1は、本発明の一実施形態に係る偏光子の製造方法における架橋延伸工程を説明するための模式図である。
本実施形態の偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂を形成材料とする樹脂フィルム1に二色性色素が吸着配向している偏光フィルムである。
本実施形態の偏光子の製造方法は、樹脂フィルム1を搬送しながら偏光子を製造する方法であり、
樹脂フィルム1を搬送しながら膨潤させる膨潤工程と、
膨潤工程後の樹脂フィルム1を搬送しながら染色する染色工程と、
染色工程後の樹脂フィルム1を搬送しながら架橋浴10に浸漬し、架橋浴10中で搬送方向に延伸する架橋延伸工程と、を含む。
偏光子の製造方法では、例えば、長尺の樹脂フィルム1がロール状に巻回されたロール体から樹脂フィルム1を繰り出し、これを搬送しながら、上記の膨潤工程、染色工程、及び架橋延伸工程を行う。樹脂フィルム1の搬送は、公知の搬送手段を用いて行うことができ、一対のロールで構成されたニップロール及び1つのロールで構成されるガイドロール等を組み合わせて構成されたフィルム搬送経路に沿って行うことが好ましい。
偏光子の製造方法は、さらに、架橋延伸工程後の樹脂フィルム1を、補色液を用いて色調整処理を行う補色工程、洗浄液を用いて洗浄する洗浄工程、乾燥する乾燥工程等を含んでいてもよい。各工程の詳細については、後述する。
上記した各工程での処理が施されて得られた偏光子は、巻取ロールに順次巻き取ってロール状に巻回されたロール体としてもよいし、巻き取ることなくそのまま後述する偏光板の製造方法に供することもできる。
偏光子の製造方法において、架橋延伸工程は、架橋浴10への樹脂フィルム1の浸漬によって開始する。架橋延伸工程は、架橋浴10中で多段階の延伸処理を行う工程であり、かつ、当該延伸処理のうちの1段階目の延伸処理は、下記式(1)及び式(2)のうちの少なくとも一方の関係を満たすように行う。以下、架橋延伸工程において行われるn段階目の延伸処理を、「第n延伸処理」ということがある。
v×0.3t≦X1≦v×1.2t (1)
v×0.4t≦X2≦v×1.2t (2)
[式(1)及び式(2)中、
X1は、第1延伸処理の開始から完了までに樹脂フィルム1が搬送される距離[m]を表す。
X2は、架橋延伸工程において、架橋浴10への樹脂フィルム1の浸漬を開始してから第1延伸処理が完了するまでに樹脂フィルム1が搬送される距離[m]を表す。
vは、架橋延伸工程における樹脂フィルム1の搬送速度[m/min]を表す。
tは、第1延伸処理に用いる架橋浴10に、染色工程後の樹脂フィルム1を浸漬したときに、樹脂フィルム1の収縮が飽和するまでに要する時間[min]を表す。]
架橋延伸工程で行われる多段階の延伸処理は、2段階以上であればよく、3段階以上であってもよく、4段階以上であってもよく、通常10段階以下であり、8段階以下であってもよく、5段階以下であってもよい。架橋延伸工程は、2段階又は3段階の延伸処理を行う工程であることが好ましい。
式(1)における距離X1は、v×0.4t[m]以上であってもよく、v×0.5t[m]以上であってもよく、v×0.6t[m]以上であってもよく、また、v×1.1t[m]以下であってもよく、v×1.0t[m]以下であってもよい。距離X1がv×0.3t[m]未満となるときには、2段階目以降の延伸処理過程において、ポリビニルアルコール系樹脂への架橋構造の導入と樹脂フィルム1のネックインとが同時に進行するため、幅の安定性が低下しやすい。また、距離X1がv×1.2t[m]を超える場合には、ポリビニルアルコール系樹脂の架橋が進みすぎるため、2段階目以降の延伸処理過程においてネックインの調整が困難になる傾向があり、樹脂フィルム1の切断等が生じやすくなる。
式(2)における距離X2は、v×0.5t[m]以上であってもよく、v×0.6t[m]以上であってもよく、v×0.7t[m]以上であってもよく、また、v×1.1t[m]以下であってもよく、v×1.0t[m]以下であってもよい。距離X2がv×1.2t[m]を超える場合には、架橋が進みすぎるため、2段階目以降の延伸処理過程において樹脂フィルム1のネックインの調整が困難になる傾向があり、樹脂フィルム1の切断等が生じやすくなる。
架橋延伸工程における第1延伸処理は、式(1)及び式(2)のうちの一方を満たしてもよく、両方を満たしてもよい。第1延伸処理が式(1)及び式(2)の両方を満たす場合、距離X1は、距離X2よりも小さくてもよく、距離X2と同じであってもよい。
架橋延伸工程では、樹脂フィルム1を架橋浴10に浸漬することによって、樹脂フィルム1を構成するポリビニルアルコール系樹脂に架橋構造が導入される。このとき、樹脂フィルム1には、架橋構造の導入に伴う収縮が生じると考えられる。第1延伸処理は式(1)及び式(2)のうちの少なくとも一方を満たすように行われる。そのため、第1延伸処理を行う工程では、第2延伸処理以降に行う延伸処理に伴って生じる樹脂フィルム1のネックインに影響することを十分に抑制できる程度に、上記架橋構造の導入に伴う樹脂フィルム1の収縮が生じていると推測される。また、第2延伸処理において、架橋構造の導入に伴う樹脂フィルム1の収縮を実質的に生じさせないで、樹脂フィルム1のネックインによる収縮だけを生じさせることができる。これにより、第2延伸処理以降の延伸処理により、樹脂フィルム1の幅方向の長さ(幅)を制御しやすくなるため、樹脂フィルム1の幅が長さ方向でばらつくことを抑制し、安定した幅を有する偏光子を製造することができる。安定した幅を有する偏光子とは、具体的には、10万m製造したときの延伸方向に直交する方向の長さ(幅)のばらつき(標準偏差)が3mm以下(好ましくは1mm以下)である偏光子をいう。
上記のように第1延伸処理を行うため、本実施形態の偏光子の製造方法では、第2延伸処理以降における延伸倍率を調整することにより、樹脂フィルム1に生じるネックインの大きさを調整することができ、樹脂フィルム1を所望の幅に調整することができる。偏光子の光学特性(特に偏光度)は、樹脂フィルム1に発生するネックインが大きくなると向上しやすい。上記のように第1延伸処理を行うことにより、第2延伸処理以降の延伸処理での延伸倍率を調整することにより、樹脂フィルム1に大きなネックインを生じさせることができる。そのため、本実施形態の偏光子の製造方法によれば、優れた光学特性の偏光子が得られやすくなる。
距離X1は、式(1)の関係を満たす範囲にあれば特に限定されないが、通常1m以上であり、2m以上であってもよく、3m以上であってもよく、また、通常10m以下であり、8m以下であってもよく、5m以下であってもよい。距離X2は、式(2)の関係を満たす範囲にあれば特に限定されないが、通常1m以上であり、2m以上であってもよく、3m以上であってもよく、また、通常10m以下であり、8m以下であってもよく、5m以下であってもよい。
本明細書において、式(1)及び式(2)における搬送速度v[m/min]は、第1延伸処理を開始する位置での樹脂フィルム1の搬送速度vs[m/min]と、第1延伸処理を完了する位置での樹脂フィルム1の搬送速度ve[m/min]の平均値である。すなわち、搬送速度v=(vs+ve)/2である。例えば、後述する図1に示す第1ニップロール11及び第2ニップロール12の間で第1延伸処理を行う場合、搬送速度vsは、搬送方向上流側に位置する第1ニップロール11によって樹脂フィルム1を搬送する速度である。搬送速度veは、搬送方向下流側に位置する第2ニップロール12によって樹脂フィルム1を搬送する速度である。
搬送速度v[m/min]は特に限定されないが、通常0.1m/min以上であり、0.5m/min以上であり、1.0m/min以上であってもよく、3.0m/min以上であってもよく、5.0m/min以上であってもよく、また、通常30m/min以下であり、25m/min以下であってもよく、20m/min以下であってもよく、15m/min以下であってもよい。
式(1)及び式(2)における時間t[min]は、第1延伸処理に用いる架橋浴に、染色工程後の樹脂フィルム1を浸漬したときに、樹脂フィルム1の収縮が飽和するまでに要する時間である。時間tは、第1延伸処理に用いる架橋浴に樹脂フィルム1を浸漬し、樹脂フィルム1の幅方向の長さが一定になるまでに要する時間として決定することができ、例えば後述する実施例に記載の手法によって決定することができる。
時間tは、偏光子の製造方法に用いる樹脂フィルム1の種類等によって異なるが、例えば0.1min以上であり、0.3min以上であってもよく、0.5min以上であってもよく、また、2.0min以下であってもよく、1.5min以下であってもよく、1.0min以下であってもよい。
架橋延伸工程は、図1に示すように、架橋浴10中で樹脂フィルム1を搬送しながら行うことができる。例えば、架橋浴10中には、当該架橋浴10中で行う延伸処理の段数に応じて、ニップロールが配置される。図1に示す架橋浴10では、搬送方向上流側から順に、第1ニップロール11、第2ニップロール12、及び第3ニップロール13が配置されている。これにより、架橋浴10では、第1ニップロール11と第2ニップロール12との間で第1延伸処理を行い、第2ニップロール12と第3ニップロール13との間で第2延伸処理を行うことができる。このとき、第1ニップロール11の位置は、第1延伸処理の開始位置となる。第2ニップロール12の位置は、第1延伸処理の完了位置であって第2延伸処理の開始位置となる。第3ニップロール13の位置は、第2延伸処理の完了位置となる。
図1に示す架橋浴10において第1延伸処理を行う場合、距離X1は、第1ニップロール11の位置と第2ニップロール12の位置との間の樹脂フィルム1が搬送される距離である。距離X2は、架橋浴10に樹脂フィルム1が浸漬する位置と第2ニップロール12の位置との間の樹脂フィルム1が搬送される距離である。距離X1と距離X2とが同じである場合、第1ニップロール11は、樹脂フィルム1が架橋浴に浸漬を開始する位置に、第1ニップロール11のニップ位置が位置するように配置される。
図1に示す架橋浴10において架橋延伸工程を行う場合、第2ニップロール12は、架橋浴10中において、第1ニップロール11と第2ニップロール12との間の樹脂フィルム1の搬送距離を調整可能となるように移動可能に設けられていることが好ましい。この場合、第1ニップロール11及び第3ニップロール13の設置位置は固定されている(移動不可に設けられている)ことが好ましい。これにより、第2ニップロール12の架橋浴10中の設置位置を調整することにより、上記式(1)及び式(2)のうちの少なくとも一方を満たすように第1延伸処理を行うことができる。
図1に示す架橋浴10において架橋延伸工程を行う場合、第2ニップロール12の回転速度Rv2[m/min]は、下記式(3)を満たすことが好ましい。ここでいう回転速度Rv2とは、第2ニップロール12が単位時間あたりに搬送する樹脂フィルム1の長さを意味する。
Rvmin-10≦Rv2≦Rvmin+10 (3)
[式(3)中、
Rv2は、第2ニップロール12の回転速度[m/min]を表す。
Rvminは、第1ニップロール11の回転速度をRv1[m/min]とし、第3ニップロール13の回転速度をRv3[m/min]とした場合において、架橋延伸工程の後の樹脂フィルム1の幅が最小となるときの第2ニップロール12の回転速度[m/min]を表す。]
上記回転速度Rv1は、第1ニップロール11が単位時間あたりに搬送する樹脂フィルム1の長さを意味し、上記回転速度Rv3は、第3ニップロール13が単位時間あたりに搬送する樹脂フィルム1の長さを意味する。
第2ニップロール12の回転速度Rv2は、第1ニップロール11の回転速度Rv1、及び、第3ニップロール13の回転速度Rv3をそれぞれ固定値としたときに設定される回転速度である。架橋延伸工程の後の樹脂フィルム1の幅が最小となるときとは、架橋延伸工程の前後における樹脂フィルム1の幅の差(架橋延伸工程前の樹脂フィルム1の幅から、架橋延伸工程後の樹脂フィルム1の幅を差し引いた値)が最大となるときをいい、架橋延伸工程における樹脂フィルム1のネックインが最大となるときである。
Rv2は、Rvmin-8[m/min]以上であってもよく、Rvmin-6[m/min]以上であってもよく、Rvmin-5[m/min]以上であってもよく、また、Rvmin+8[m/min]以下であってもよく、Rvmin+6[m/min]以下であってもよく、Rvmin+5[m/min]以下であってもよく、Rvmin[m/min]であってもよい。
架橋延伸工程を、式(3)を満たすように行うことにより、架橋延伸工程における樹脂フィルム1に大きなネックインを生じさせることができる。これにより、優れた光学特性を有する偏光子が得られやすくなる。
回転速度Rv1は、例えば2.0m/min以上であってもよく、3.0m/min以上であってもよく、4.0m/min以上であってもよく、また、20.0m/min以下であってもよく、15.0m/min以下であってもよく、12.0m/min以下であってもよい。回転速度Rv3は、回転速度Rv1及び回転速度Rv2よりも大きいことが好ましく、例えば、5.0m/min以上であってもよく、7.0m/min以上であってもよく、10.0m/min以上であってもよく、また、35.0m/min以下であってもよく、30.0m/min以下であってもよく、25.0m/min以下であってもよい。
回転速度Rv1及びRv3が上記の範囲である場合、回転速度Rv2は、回転速度Rv1よりも大きく、回転速度Rv3よりも小さいことが好ましく、例えば、4.0m/min以上であってもよく、5.0m/min以上であってもよく、6.0m/min以上であってもよく、7.0m/min以上であってもよく、また、30.0m/min以下であってもよく、25.0m/min以下であってもよく、20.0m/min以下であってもよく、15.0m/min以下であってもよい。
第1延伸処理の後に行う延伸処理を多段階で行う場合、例えば第1延伸処理の後に第2延伸処理及び第3延伸処理を行うというように、第1延伸処理の後に複数の延伸処理を行う場合には、第2ニップロール及び第3ニップロールの回転速度を上記Rv2と同様に調整することも有用な技術である。
本発明の製造方法においては、偏光子の製造開始から製造完了まで樹脂フィルム11を搬送する期間中、架橋延伸工程における第2ニップロールの回転速度Rv2を一定に制御してもよいし、変動するように制御してもよい。回転速度Rv2を変動させる場合、回転速度Rv2は、Rvmin±10[m/min]の範囲内で変動していればよく、Rvmin±8[m/min]の範囲内で変動していてもよく、Rvmin±6[m/min]の範囲内で変動していてもよく、Rvmin±5[m/min]の範囲内で変動していてもよい。偏光子の幅のばらつき(標準偏差)が、偏光子の長さ方向にわたって例えば3mm以下、好ましくは1mm以下となるように回転速度Rv2を制御することが好ましい。本発明の製造方法で得られた偏光子を用いて、後述する偏光板のロール体を得た場合に、ロール体の巻き始め部分における偏光子の幅とロール体の巻き終わり部分における偏光子の幅との差が絶対値で3mm以下となるように回転速度Rv2を制御することが好ましい。
図1では、第1延伸処理及び第2延伸処理を同じ架橋浴10中で行う場合を示しているが、第1延伸処理と第2延伸処理とは、それぞれ別の架橋浴で行ってもよい。第1延伸処理と第2延伸処理とをそれぞれ別の架橋浴で行う場合も、各架橋浴の架橋液の組成及び架橋浴の温度等の架橋浴の種類は、同じであることが好ましい。
架橋延伸工程が、第3延伸処理以降の延伸処理を含む場合、第3延伸処理以降の延伸処理は、第1延伸処理及び第2延伸処理と同じ架橋浴10中で行ってもよく、これとは別の架橋浴中で行ってもよい。
第1延伸処理における樹脂フィルム1の延伸倍率は、特に限定されないが、通常1.0倍超であり、1.01倍以上であってもよく、1.05倍以上であってもよく、1.1倍以上であってもよく、また、通常3.0倍以下であり、2.5倍以下であってもよく、2.0倍以下であってもよく、1.8倍以下であってもよい。
架橋延伸工程では、第1延伸処理よりも後に行う延伸処理である第2延伸処理以降の延伸処理のうちの少なくとも1つの延伸処理において、当該延伸処理の開始から完了までに樹脂フィルム1が搬送される距離Xfは、下記式(4)及び式(5)のうちの少なくとも一方の関係を満たすことが好ましい。
2×X1≦Xf≦10×X1 (4)
2×X2≦Xf≦12×X2 (5)
式(4)において、距離Xfは、X1の2倍以上であればよく、3倍以上であってもよく、4倍以上であってもよく、また、X1の10倍以下であればよく、9倍以下であってもよく、8倍以下であってもよい。式(5)において、距離Xfは、X2の2倍以上であればよく、3倍以上であってもよく、4倍以上であってもよく、また、X2の12倍以下であればよく、10倍以下であってもよく、9倍以下であってもよい。
架橋処理工程が、3段階以上の延伸処理を行う場合、第1延伸処理以外の延伸処理のすべてにおいて、式(4)及び式(5)のうちの少なくとも一方の関係を満たしてもよく、第1延伸処理以外の延伸処理のうちの少なくとも1つの延伸処理が、式(4)及び式(5)のうちの少なくとも一方の関係を満たしてもよい。
架橋延伸工程が式(4)及び式(5)のうちの少なくとも一方を満たすことにより、第2延伸処理以降の延伸処理において、樹脂フィルム1に十分なネックインを生じさせることができる。これにより、樹脂フィルム1の幅が長さ方向でばらつくことを抑制し、安定した幅を有する偏光子をより一層製造しやすくなる。架橋延伸工程が式(4)及び式(5)のうちの少なくとも一方を満たすことにより、第2延伸処理以降の延伸処理において樹脂フィルム1が搬送される距離を十分に確保することができるため、樹脂フィルム1に大きなネックインを生じさせやすくなり、光学特性に優れた偏光子を製造しやすくなる。
図1に示す架橋浴10において、第2延伸処理が式(4)及び式(5)のうちの少なくとも一方を満たす場合、距離Xfは、第2ニップロール12の位置と第3ニップロール13の位置との間の樹脂フィルム1が搬送される距離となる。
架橋延伸工程における、第2延伸処理以降から最終延伸処理の総延伸倍率(累積延伸倍率)は、特に限定されないが、第1延伸処理における延伸倍率よりも大きいことが好ましい。第2延伸処理以降の延伸処理の総延伸倍率は、通常1.1倍以上であり、1.5倍以上であってもよく、1.8倍以上であってもよく、2.0倍以上であってもよく、2.5倍以上であってもよく、また、通常7.0倍以下であり、6.0倍以下であってもよく、5.0倍以下であってもよく、4.5倍以下であってもよく、4.0倍以下であってもよい。
架橋延伸工程における全延伸処理における総延伸倍率(累積の延伸倍率)は、例えば、2.0倍以上であってもよく、3.0倍以上であってもよく、3.5倍以上であってもよく、また、7.0倍以下であってもよく、6.8倍以下であってもよく、6.5倍以下であってもよい。
(偏光板の製造方法)
本実施形態の偏光板は、上記の偏光子の製造方法で得られた偏光子の片面又は両面に保護フィルムが積層されたものである。偏光子と保護フィルムとは、貼合層(接着剤層又は粘着剤層)を介して積層されていることが好ましい。
本実施形態の偏光板の製造方法は、
上記の偏光子の製造方法によって偏光子を得る工程と、
偏光子を得る工程で得た偏光子を搬送方向にスリットすることなく、偏光子の片面又は両面に保護フィルムを積層する工程と、を含む。
偏光板を製造する際には、偏光子の幅を長さ方向に揃えるために偏光子を搬送方向にスリットし、このスリットした偏光子と保護フィルムとを積層することがある。上記した偏光子の製造方法によれば、偏光子を搬送方向にスリットしなくても、長さ方向において幅のばらつきが抑制された偏光子を得ることができる。そのため、偏光子を搬送方向にスリットすることなく、保護フィルムを積層して偏光板を得ることができる。なお、偏光板はスリットされてもよい。すなわち、偏光子の片面又は両面に保護フィルムを積層した後、偏光子はスリットされてもよい。
偏光子の両面又は片面に保護フィルムを積層する工程は、偏光子及び保護フィルムのうちの少なくとも一方の貼合面に、貼合層を形成するための貼合剤(接着剤又は粘着剤)を塗布等することによって行うことができる。偏光子の両面に保護フィルムを積層する場合、偏光子の片面に順に保護フィルムを積層してもよく、一方の保護フィルムと偏光子との貼合を行いながら、他方の保護フィルムと偏光子との貼合を行ってもよい。
(偏光板のロール体)
偏光板のロール体は、偏光板をロール状に巻回したものである。偏光板のロール体は通常、巻き芯に偏光板を巻回することによって得ることができる。上記した偏光子の製造方法では、長尺の偏光子を得ることができる。上記した偏光子の製造方法によって得られた長尺の偏光子は、搬送方向にスリットすることなく、その片面又は両面に保護フィルムが積層されることにより、長尺の偏光板とすることができる。例えばこのようにして得られた長尺の偏光板をロール状に巻回することにより、保管や移送等に適した偏光板のロール体とすることができる。偏光板のロール体を構成する偏光板の長さ(巻取り長さ)は、特に制限されないが、偏光子の幅の安定性を高める観点から、300m以上5000m以下とすることができる。
偏光板のロール体において、ロール体の巻き始め部分における偏光子の幅と、ロール体の巻き終わり部分における偏光子の幅との差は、絶対値で3mm以下であることができ、0.1mm以上3mm以下であることができる。上記差の絶対値は、0.1mm以上2mm以下であってもよく、0.1mm以上1mm以下であってもよく、0.1mm以上0.5mm以下であってもよい。ロール体の巻き始め部分における偏光子の幅は、ロール体の巻き終わり部分における偏光子の幅よりも大きくてもよく、小さくてもよい。
ロール体における上記差の絶対値が上記した範囲内であることにより、巻姿が良好なロール体が得られやすい。これに対し、ロール体における上記差の絶対値が3mmを超えると、ロール体の一部がスジ状に盛り上がる等の不具合が発生しやすくなり、巻姿が良好ではないロール体となりやすい。一方、偏光子を搬送方向にスリットした場合、偏光子の幅はほぼ一定となり、偏光板のロール体において、ロール体の巻き始め部分における偏光子の幅と、ロール体の巻き終わり部分における偏光子の幅との差は、絶対値で0.1mm未満となりやすい。しかし、偏光子を搬送方向にスリットすると、スリット屑が発生したり、偏光子にクラックが発生することがある。
本発明の製造方法で得られる偏光子の幅のばらつき(標準偏差)は3mm以下(好ましくは1mm以下)であることから、搬送方向にスリットをしなくても、偏光板のロール体の巻き始め部分における偏光子の幅と、ロール体の巻き終わり部分における偏光子の幅との差が絶対値で3mm以下という巻姿が良好なロール体を得ることができる。
また、本発明の偏光板のロール体の偏光子の幅のばらつき(標準偏差)は3mm以下(好ましくは1mm以下)であることができる。
偏光板のロール体の巻き始め部分とは、ロール体の巻き芯側(ロール体の径方向の中心側)にある巻き始め側の偏光板をいい、ロール体の巻き始め部分における偏光子の幅とは、偏光板の巻き始めの端部から長さ方向に1mの位置の偏光子の幅をいう。偏光板のロール体の巻き終わり部分とは、ロール体の外周側(ロール体の径方向の外側)にある巻き終わり側の偏光板をいい、ロール体の巻き終わり部分における偏光子の幅とは、偏光板の巻き終わりの端部から長さ方向に1mの位置の偏光子の幅をいう。
以下、偏光子及び偏光板の製造方法の各工程、及び、これらの製造方法に用いる材料等について詳細に説明する。
(偏光子)
偏光子は、その吸収軸に平行な振動面をもつ直線偏光を吸収し、吸収軸に直交する(透過軸と平行な)振動面をもつ直線偏光を透過する性質を有する吸収型の偏光フィルムである。偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」ということがある。)を形成材料とする樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向している偏光フィルムである。
偏光子の厚みは特に限定されないが、例えば、3μm以上であってもよく、4μm以上であってもよく、5μm以上であってもよく、また、35μm以下であってもよく、30μm以下であってもよく、25μm以下であってもよい。偏光子の厚みが35μm以下であることにより、例えば、高温環境下でPVA系樹脂のポリエン化が光学特性の低下に与える影響を抑制することができる。偏光子の厚みが3μm以上であることにより所望の光学特性を達成する構成とすることが容易となる。
(樹脂フィルム)
樹脂フィルムを構成するPVA系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂を鹸化することによって得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体が挙げられる。共重合可能な他の単量体としては、例えば不飽和カルボン酸類、エチレン等のオレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類等が挙げられる。
PVA系樹脂の鹸化度は、好ましくは85モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは99モル%以上100モル%以下である。PVA系樹脂の重合度としては、例えば1000以上10000以下であり、好ましくは1500以上5000以下である。PVA系樹脂は変性されていてもよく、例えばアルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等でもよい。
樹脂フィルムに吸着配向している二色性色素としては、ヨウ素又は二色性染料が挙げられる。二色性色素はヨウ素であることが好ましい。二色性染料としては、レッドBR、レッドLR、レッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、スカイブルーLG、レモンイエロー、ブルーBR、ブルー2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットLB、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、ブラックGSP、イエロー3G、イエローR、オレンジLR、オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKGL、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレットBK、スプラブルーG、スプラブルーGL、スプラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダイレクトファーストオレンジS、ファーストブラック等が挙げられる。
原反フィルムとしての樹脂フィルムの厚みは、製造する偏光子の厚みにもよるが、例えば、20μm以上であってもよく、35μm以上であってもよく、40μm以上であってもよく、45μm以上であってもよく、また、80μm以下であってもよく、70μm以下であってもよく、60μm以下であってもよい。
(膨潤工程)
膨潤工程は、例えば、樹脂フィルムを膨潤浴中の膨潤液に浸漬する又は膨潤液を噴霧する等によって処理する工程である。膨潤工程により、樹脂フィルムの表面の汚れ、樹脂フィルム中の可塑剤やブロッキング剤等を除去できるほか、易染色性を付与したり、樹脂フィルムを可塑化したりすることができる。膨潤液には、通常、水、蒸留水、純水等の水を主成分とする媒体が用いられる。膨潤液には、ホウ酸(特開平10-153709号公報)、塩化物(特開平06-281816号公報)、無機酸、無機塩、水溶性有機溶媒、アルコール類等を0.01質量%以上10質量%以下の範囲で添加した水溶液を使用することも可能である。
膨潤液の温度は、10℃以上50℃以下であることが好ましく、10℃以上40℃以下であることがより好ましく、15℃以上30℃以下であることがさらに好ましい。膨潤浴に浸漬する場合、浸漬時間は、例えば10秒以上300秒以下であることが好ましく、20秒以上200秒以下であることがより好ましい。樹脂フィルムが予め気体中で延伸されている場合、膨潤液の温度は、例えば20℃以上70℃以下であり、好ましくは30℃以上60℃以下であり、膨潤浴に浸漬する場合の浸漬時間は、好ましくは30秒以上300秒以下であり、より好ましくは60秒以上240秒以下である。
膨潤浴では、樹脂フィルムが幅方向に膨潤して樹脂フィルムにシワが入るといった問題が生じやすい。このシワを取りつつフィルムを搬送するための1つの手段として、膨潤浴中を搬送するために用いるガイドロールにエキスパンダーロール、スパイラルロール、クラウンロールのような拡幅機能を有するロールを用いたり、クロスガイダー、ベンドバー、テンタークリップのような他の拡幅装置を用いたりすることが挙げられる。シワの発生を抑制するためのもう1つの手段は延伸処理を施すことである。例えば、ニップロールとニップロールとの周速差を利用して膨潤浴中で一軸延伸処理を施すことができる。
膨潤処理では、樹脂フィルムの搬送方向にも樹脂フィルムが膨潤して拡大するので、樹脂フィルムに積極的な延伸を行わない場合は、搬送方向の樹脂フィルムのたるみを無くすために、例えば、膨潤浴の前後に配置するニップロールの速度をコントロールする等の手段を講ずることが好ましい。また、膨潤浴中のフィルム搬送を安定化させる目的で、膨潤浴中での水流を水中シャワーで制御したり、EPC装置(Edge Position Control装置:フィルムの端部を検出し、フィルムの蛇行を防止する装置)等を併用したりすることも有用である。
(染色工程)
染色工程は、膨潤工程後の樹脂フィルムに二色性色素を吸着、配向させる等の目的で行われる。処理条件は、当該目的が達成できる範囲で、かつ樹脂フィルムの極端な溶解や失透等の不具合が生じない範囲で決定される。染色工程は、膨潤処理後の樹脂フィルムを染色浴に所定時間浸漬し、次いで引き出すことによって実施してもよく、染色液を噴霧等することによって実施してもよい。二色性色素の染色性を高めるために、染色工程に供される樹脂フィルムは、少なくともある程度の一軸延伸処理を施した樹脂フィルムであることが好ましく、又は染色工程前の一軸延伸処理の代わりに、あるいは染色工程前の一軸延伸処理に加えて、染色工程時に一軸延伸処理を行うことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合、染色浴の染色液には、例えば、濃度が質量比でヨウ素/ヨウ化カリウム/水=0.003~3/0.1~10/100である水溶液を用いることができる。ヨウ化カリウムに代えて、ヨウ化亜鉛等の他のヨウ化物を用いてもよく、ヨウ化カリウムと他のヨウ化物を併用してもよい。染色液には、ヨウ化物以外の化合物、例えば、ホウ酸、塩化亜鉛、塩化コバルト等を共存させてもよい。ホウ酸を添加する場合は、ヨウ素を含む点で後述する架橋延伸工程及び補色工程と区別され、水溶液が水100質量部に対し、ヨウ素を0.003質量部以上含んでいるものであれば、染色浴とみなすことができる。樹脂フィルムを浸漬するときの染色浴の温度は、通常10~45℃、好ましくは10℃以上40℃以下であり、より好ましくは20℃以上35℃以下であり、フィルムの浸漬時間は、通常30秒以上600秒以下、好ましくは60秒以上300秒以下である。
二色性色素として水溶性二色性染料を用いる場合、染色浴の染色液には、例えば、濃度が質量比で二色性染料/水=0.001~0.1/100である水溶液を用いることができる。この染色液には、染色助剤等を共存させてもよく、例えば、硫酸ナトリウム等の無機塩や界面活性剤等を含有していてもよい。二色性染料は1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上の二色性染料を併用してもよい。樹脂フィルムを浸漬するときの染色浴の温度は、例えば20℃以上80℃以下であり、好ましくは30℃以上70℃以下であり、樹脂フィルムの浸漬時間は、通常30秒以上600秒以下であり、好ましくは60秒以上300秒以下である。
染色工程では、染色浴で樹脂フィルムの一軸延伸を行うことができる。樹脂フィルムの一軸延伸は、染色浴中又は染色浴の前後に配置したニップロールとニップロールとの間に周速差をつける等の方法によって行うことができる。
染色工程においても、膨潤工程と同様に樹脂フィルムのシワを除きつつ樹脂フィルムを搬送するために、ガイドロールにエキスパンダーロール、スパイラルロール、クラウンロールのような拡幅機能を有するロールを用いたり、クロスガイダー、ベンドバー、テンタークリップのような他の拡幅装置を用いたりすることができる。シワの発生を抑制するためのもう1つの手段は、膨潤工程と同様、延伸処理を施すことである。
(架橋延伸工程)
架橋延伸工程は、染色工程にて染色された樹脂フィルムを、架橋剤を含む処理浴(架橋浴)に浸漬し、架橋浴中で延伸する工程である。架橋処理により、樹脂フィルムの耐水性等を向上することができる。架橋延伸工程は、架橋浴中に配置されたニップロール及びガイドロール等によって構築されたフィルム搬送経路に沿って樹脂フィルムを延伸しながら搬送させることにより、実施することができる。架橋延伸工程で行う延伸処理は上記したとおりであり、架橋延伸工程で行う延伸処理は、ニップロールとニップロールとの周速差を利用して、搬送方向(長手方向)に一軸延伸する延伸処理であることが好ましい。
架橋液としては、架橋剤を溶媒に溶解した溶液を使用できる。架橋剤としては、例えば、ホウ酸、ホウ砂等のホウ素化合物や、グリオキザール、グルタルアルデヒド等が挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。溶媒としては、例えば水が使用できるが、さらに、水と相溶性のある有機溶媒を含んでもよい。架橋液における架橋剤の濃度は、これに限定されるものではないが、1質量%以上20質量%以下の範囲にあることが好ましく、6質量%以上15質量%以下の範囲にあることがより好ましい。
架橋液は、水100質量部に対してホウ酸を例えば1質量部以上10質量部以下含有する水溶液であることができる。架橋液は、染色液に含まれる二色性色素がヨウ素の場合、ホウ酸に加えてヨウ化物を含有することが好ましく、その量は、水100質量部に対して、例えば1質量部以上30質量部以下とすることができる。ヨウ化物としては、ヨウ化カリウム、ヨウ化亜鉛等が挙げられる。2種以上のヨウ化物を含有させてもよい。また、ヨウ化物以外の化合物、例えば、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、硫酸ナトリウム等を共存させてもよい。また、硝酸塩を共存させてもよい。硝酸塩は、硝酸アルミニウム、硝酸銅、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸亜鉛、及び硝酸マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことができる。硝酸塩は、硝酸亜鉛を含むことが好ましい。
架橋延伸工程においては、その目的によって、架橋液のホウ酸及びヨウ化物の濃度、並びに架橋液の温度を適宜変更することができる。架橋液は、例えば、濃度が質量比でホウ酸/ヨウ化物/水=3~10/1~20/100の水溶液であることができる。必要に応じ、ホウ酸に代えて他の架橋剤を用いてもよく、ホウ酸と他の架橋剤を併用してもよい。樹脂フィルムを浸漬するときの架橋浴の温度は、通常50℃以上70℃以下であり、好ましくは53℃以上65℃以下であり、樹脂フィルムの浸漬時間は、通常30秒以上600秒以下であり、好ましくは40秒以上300秒以下であり、より好ましくは60秒以上200秒以下である。また、膨潤工程前に予め延伸した樹脂フィルムに対して、染色工程及び架橋延伸工程をこの順に施す場合、架橋浴の温度は、通常50℃以上85℃以下であり、好ましくは55℃以上80℃以下である。
(補色工程)
補色工程は、架橋延伸工程後の樹脂フィルムの色相を調整する処理である。補色工程は、架橋延伸工程後の樹脂フィルムに対して、延伸処理を伴わずに行う処理工程である。補色工程は、補色浴(補色槽に収容された補色液)に架橋延伸工程後の樹脂フィルムを所定時間浸漬し、次いで引き出すことによって実施してもよく、補色液を噴霧等することによって実施してもよい。
補色液としては、水100質量部に対してホウ酸を例えば1~10質量部含有する水溶液であることができる。補色液は、染色液に含まれる二色性色素がヨウ素の場合、ホウ酸に加えてヨウ化物を含有することが好ましく、その量は、水100質量部に対して、例えば1質量部以上30質量部以下とすることができる。ヨウ化物としては、ヨウ化カリウム、ヨウ化亜鉛等が挙げられる。2種以上のヨウ化物を含有させてもよい。また、ヨウ化物以外の化合物、例えば、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、硫酸ナトリウム等を共存させてもよい。また、硝酸塩を共存させてもよい。硝酸塩は、硝酸アルミニウム、硝酸銅、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸亜鉛、及び硝酸マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことができる。硝酸塩は、硝酸亜鉛を含むことが好ましい。
補色液においては、例えば、二色性色素としてヨウ素を用いた場合、濃度が質量比でホウ酸/ヨウ化物/水=1~5/3~30/100を使用することができる。樹脂フィルムを浸漬するときの補色浴の温度は、通常10℃以上45℃以下であり、樹脂フィルムの浸漬時間は、通常1秒以上300秒以下であり、好ましくは2秒以上100秒以下である。
補色工程は複数回行ってもよく、例えば2~5回行ってもよい。この場合、使用する各補色液の組成及び温度は、上記の範囲内であれば同じであってもよく、異なっていてもよい。
(洗浄工程)
洗浄工程は、洗浄処理は、架橋延伸工程後の樹脂フィルム、又は、補色工程を行う場合は補色工程後の樹脂フィルムに付着した余分なホウ酸やヨウ素等の薬剤を除去する目的で行われる。洗浄工程は、例えば、架橋延伸工程後又は補色工程後の樹脂フィルムを洗浄浴(洗浄槽に収容された洗浄液)に浸漬する、又は、洗浄液をシャワー等として噴霧することによって行うことができる。洗浄工程は、浸漬と噴霧とを併用して行ってもよい。
洗浄工程における洗浄液の温度は、通常2℃以上40℃以下であり、洗浄液に樹脂フィルムを浸漬する場合の浸漬時間は、通常2秒以上120秒以下である。
洗浄工程においても、シワを除きつつ樹脂フィルムを搬送する目的で、ガイドロールにエキスパンダーロール、スパイラルロール、クラウンロールのような拡幅機能を有するロールを用いたり、クロスガイダー、ベンドバー、テンタークリップのような他の拡幅装置を用いたりすることができる。洗浄工程において、シワの発生を抑制するために延伸処理を施してもよい。
(乾燥工程)
乾燥工程は、架橋延伸工程、補色工程、又は洗浄工程後の樹脂フィルムを乾燥させる処理を行う工程である。樹脂フィルムの乾燥方法は特に制限されないが、例えば乾燥炉を用いて行うことができる。乾燥炉は例えば熱風乾燥機を備えるものとすることができる。乾燥温度は、例えば30℃以上100℃以下であり、乾燥時間は、例えば30秒以上600秒以下である。樹脂フィルムを乾燥させる処理は、遠赤外線ヒーターを用いて行うこともできる。
(偏光板)
偏光板は、偏光子の片面又は両面に保護フィルムが積層されたものである。偏光子と保護フィルムとは貼合層を介して積層されていることが好ましい。偏光板は、長尺の偏光板であってもよく、その長さは300m以上5000m以下であってもよい。
保護フィルムとしては、例えば、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロースのようなアセチルセルロース系樹脂からなるフィルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂からなるフィルム;ポリカーボネート系樹脂フィルム、シクロオレフィン系樹脂フィルム;アクリル系樹脂フィルム;ポリプロピレン系樹脂の鎖状オレフィン系樹脂からなるフィルムが挙げられる。
偏光子と保護フィルムとの接着性を向上させるために、偏光子及び/又は保護フィルムの貼合面に、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、紫外線照射、プライマー塗布処理、ケン化処理等の表面処理を施してもよい。
偏光子と保護フィルムとの間に介在される貼合層は、接着剤又は粘着剤を用いて形成することができる。接着剤としては、紫外線硬化性接着剤のような活性エネルギー線硬化性接着剤や、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液、又はこれに架橋剤が配合された水溶液、ウレタン系エマルジョン接着剤のような水系接着剤を挙げることができる。水系接着剤には、硝酸亜鉛等の亜鉛化合物が添加されていてよい。紫外線硬化型接着剤は、アクリル系化合物と光ラジカル重合開始剤の混合物や、エポキシ化合物と光カチオン重合開始剤の混合物等であることができる。カチオン重合性のエポキシ化合物とラジカル重合性のアクリル系化合物とを併用し、開始剤として光カチオン重合開始剤と光ラジカル重合開始剤を併用することもできる。
偏光板は、表示装置に用いることができる。表示装置に用いる画像表示素子としては、例えば液晶表示素子、有機EL表示素子等が挙げられる。液晶表示装置を構築するにあたって偏光板は、視認側に配置して用いられてもよいし、バックライト側に配置して用いられてもよいし、視認側及びバックライト側の双方に用いられてもよい。表示装置は、テレビ、パーソナルコンピューター、携帯電話やタブレット端末等のモバイル機器用途、車載用途に用いることができる。車載用途としては、例えば、カーナビゲーション装置、スピードメーター、エアコン用タッチパネル、バックモニター及びリアモニター等に用いる表示装置等が挙げられる。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[実施例1における時間tの決定]
実施例1の手順にしたがって、膨潤工程及び染色工程を行った樹脂フィルム(幅14.4mm)を準備した。染色工程後の上記樹脂フィルムを、実施例1の架橋延伸工程で用いる架橋浴に浸漬し、浸漬開始から10秒毎に、樹脂フィルムの幅の変化を測定した。この測定を4枚の樹脂フィルムについて行った。いずれの樹脂フィルムにおいても、浸漬開始から30秒(0.5min)後に、樹脂フィルムの幅が13.5mm又は13.6mmの一定の幅となったため、樹脂フィルムの収縮が飽和したと判断し、上記した式(1)及び式(2)における時間tを0.5minに設定した。
〔実施例1〕
厚み45μmの長尺のポリビニルアルコール系樹脂を形成材料とする樹脂フィルム〔(株)クラレ製の商品名「VF-PE#4500」、ケン化度99.9モル%以上〕を、温度23℃の純水からなる膨潤浴に浸漬時間110秒で浸漬させ、樹脂フィルムの搬送方向に2.1倍に一軸延伸する処理を行った(膨潤工程)。その後、膨潤浴から引き出したフィルムを、ヨウ素/ホウ酸/水が1.0/0.5/100(質量比)であるヨウ素を含む染色液からなる温度23℃の染色浴に浸漬時間163秒で浸漬させ、樹脂フィルムの搬送方向に1.22倍に一軸延伸する処理を行った(染色工程)。
次いで、染色浴から引き出したフィルムを、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水が2.3/3.7/100(質量比)である架橋液からなる温度59℃の架橋浴に浸漬時間92秒で浸漬させ、樹脂フィルムの搬送方向に一軸延伸する処理を行った(架橋延伸工程)。架橋浴として、浴中に搬送方向上流側から第1ニップロール、第2ニップロール、及び第3ニップロールがこの順に配置された浴を用い、第1ニップロールと第2ニップロールとの間で一軸延伸処理(第1延伸処理)を行い、第2ニップロールと第3ニップロールとの間で一軸延伸処理(第2延伸処理)を行った。
第1延伸処理における樹脂フィルムの搬送距離(第1ニップロールと第2ニップロールとの間の樹脂フィルムの搬送距離)である距離X1(1)は、上記で決定した時間tを0.4倍した値と架橋延伸工程における樹脂フィルムの搬送速度vとを乗じて算出される値(X1(1)=v×0.4t)に設定した。架橋浴への樹脂フィルムの浸漬を開始してから第1延伸処理が完了するまでに樹脂フィルムが搬送される距離X2(1)はv×0.46tに設定した。また、第2延伸処理における樹脂フィルムの搬送距離(第2ニップロールと第3ニップロールとの間の樹脂フィルムの搬送距離)Xf(1)は、距離X1(1)の7.0倍とし、距離X2(1)の6.1倍とした。Rv2は、Rvmin+2.7m/minとした。
その後、温度38℃で乾燥して(乾燥工程)、ポリビニルアルコール系樹脂にヨウ素が吸着配向している厚み18μmの偏光子を得た。
乾燥工程後の偏光子について、10万m製造したときの延伸方向に直交する方向の長さ(幅)のばらつき(標準偏差)を確認したところ、ばらつきは2.9mmであり、長さ方向において安定した幅を有していた。
[実施例2における時間tの決定]
実施例2の手順にしたがって、膨潤工程及び染色工程を行った樹脂フィルム(幅14.4mm)を準備した。染色工程後の上記樹脂フィルムを、実施例2の架橋延伸工程で用いる架橋浴に浸漬し、浸漬開始から10秒毎に、樹脂フィルムの幅の変化を測定した。この測定を4枚の樹脂フィルムについて行った。いずれの樹脂フィルムにおいても、浸漬開始から20秒(0.33min)後に、樹脂フィルムの幅が13.4mm又は13.5mmの一定の幅となったため、樹脂フィルムの収縮が飽和したと判断し、上記した式(1)及び式(2)における時間tを0.33minに設定した。
〔実施例2〕
厚み45μmの長尺のポリビニルアルコール系樹脂を形成材料とする樹脂フィルム〔(株)クラレ製の商品名「VF-PE#4500」、ケン化度99.9モル%以上〕を、温度21.5℃の純水からなる膨潤浴に浸漬時間90秒で浸漬させ、樹脂フィルムの搬送方向に2.3倍に一軸延伸する処理を行った(膨潤工程)。その後、膨潤浴から引き出したフィルムを、ヨウ素/ホウ酸/水が1.0/0.5/100(質量比)であるヨウ素を含む染色液からなる温度23℃の染色浴に浸漬時間180秒で浸漬させ、樹脂フィルムの搬送方向に1.13倍に一軸延伸する処理を行った(染色工程)。
次いで、染色浴から引き出したフィルムを、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水が2.3/3.7/100(質量比)である架橋液からなる温度59℃の架橋浴に浸漬時間62秒で浸漬させ、樹脂フィルムの搬送方向に一軸延伸する処理を行った(架橋延伸工程)。架橋浴として、浴中に搬送方向上流側から第1ニップロール、第2ニップロール、及び第3ニップロールがこの順に配置された浴を用い、第1ニップロールと第2ニップロールとの間で一軸延伸処理(第1延伸処理)を行い、第2ニップロールと第3ニップロールとの間で一軸延伸処理(第2延伸処理)を行った。
第1延伸処理における樹脂フィルムの搬送距離(第1ニップロールと第2ニップロールとの間の樹脂フィルムの搬送距離)である距離X1(2)は、上記で決定した時間tを0.43倍した値と架橋延伸工程における樹脂フィルムの搬送速度vとを乗じて算出される値(X1(2)=v×0.43t)に設定した。架橋浴への樹脂フィルムの浸漬を開始してから第1延伸処理が完了するまでに樹脂フィルムが搬送される距離X2(2)はv×0.49tに設定した。また、第2延伸処理における樹脂フィルムの搬送距離(第2ニップロールと第3ニップロールとの間の樹脂フィルムの搬送距離)Xf(2)は、距離X1(2)の6.8倍とし、距離X2(2)の6.0倍とした。Rv2は、Rvmin+2.3m/min以上Rvmin+3.3m/min以下の間で変動させる制御を行いながら製造した。
その後、温度38℃で乾燥して(乾燥工程)、ポリビニルアルコール系樹脂にヨウ素が吸着配向している厚み18μmの偏光子を得た。
乾燥工程後の偏光子について、10万m製造したときの延伸方向に直交する方向の長さ(幅)のばらつき(標準偏差)を確認したところ、ばらつきは0.8mmであり、長さ方向に沿って安定した幅を有していた。
上記で作製した偏光子の両面にケン化処理したセルロースアシレートフィルムTD40(富士フイルム株式会社製、厚み40μm)を、水系接着剤により貼合し乾燥処理を行って、長尺の偏光板を作製した。この際、偏光子は、幅方向の端部を除去するスリット処理は施されていない。こうして作製した長尺の偏光板1000mをロール状に巻き回してロール体を得た。偏光板のロール体の巻き始め部分(偏光板の巻き始めの端部から長さ方向に1mの位置)における偏光子の幅と、偏光板のロール体の巻き終わり部分(偏光板の巻き終わりの端部から長さ方向に1mの位置)における偏光子の幅との差は、絶対値で0.3mmであった。偏光板のロール体の巻姿は良好であり、スリット屑の発生も見られなかった。
[比較例1及び比較例2における時間tの決定]
比較例1及び2の手順にしたがって、膨潤工程及び染色工程を行った樹脂フィルム(幅14.4mm)を準備した。染色工程後の上記樹脂フィルムを、比較例1及び2の架橋延伸工程で用いる架橋浴に浸漬し、浸漬開始から10秒毎に、樹脂フィルムの幅の変化を測定した。この測定を4枚の樹脂フィルムについて行った。いずれの樹脂フィルムにおいても、浸漬開始から30秒(0.5min)後に、樹脂フィルムの幅が13.5mm又は13.6mmの一定の幅となったため、樹脂フィルムの収縮が飽和したと判断し、上記した式(1)及び式(2)における時間tを0.5minに設定した。
〔比較例1〕
厚み45μmの長尺のポリビニルアルコール系樹脂を形成材料とする樹脂フィルム〔(株)クラレ製の商品名「VF-PE#4500」、ケン化度99.9モル%以上〕を、温度23℃の純水からなる膨潤浴に浸漬時間110秒で浸漬させ、樹脂フィルムの搬送方向に2.1倍に一軸延伸する処理を行った(膨潤工程)。その後、膨潤浴から引き出したフィルムを、ヨウ素/ホウ酸/水が1.0/0.5/100(質量比)であるヨウ素を含む染色液からなる温度23℃の染色浴に浸漬時間163秒で浸漬させ、樹脂フィルムの搬送方向に1.22倍に一軸延伸する処理を行った(染色工程)。
次いで、染色浴から引き出したフィルムを、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水が2.3/3.7/100(質量比)である架橋液からなる温度59℃の架橋浴に浸漬時間92秒で浸漬させ、樹脂フィルムの搬送方向に一軸延伸する処理を行った(架橋延伸工程)。架橋浴として、浴中に搬送方向上流側から第1ニップロール、第2ニップロール、及び第3ニップロールがこの順に配置された浴を用い、第1ニップロールと第2ニップロールとの間で一軸延伸処理(第1延伸処理)を行い、第2ニップロールと第3ニップロールとの間で一軸延伸処理(第2延伸処理)を行った。
第1延伸処理における樹脂フィルムの搬送距離(第1ニップロールと第2ニップロールとの間の樹脂フィルムの搬送距離)である距離X1(c1)は、上記で決定した時間tを0.2倍した値と架橋延伸工程における樹脂フィルムの搬送速度vとを乗じて算出される値(X1(c1)=v×0.2t)に設定した。架橋浴への樹脂フィルムの浸漬を開始してから第1延伸処理が完了するまでに樹脂フィルムが搬送される距離X2(c1)はv×0.26tに設定した。また、第2延伸処理における樹脂フィルムの搬送距離(第2ニップロールと第3ニップロールとの間の樹脂フィルムの搬送距離)Xf(c1)は、距離X1(c1)の15.0倍とし、距離X2(c1)の11.5倍とした。Rv2は、Rvmin+2.7m/minとした。
その後、温度38℃で乾燥して(乾燥工程)、ポリビニルアルコール系樹脂にヨウ素が吸着配向している厚み18μmの偏光子を得た。
乾燥工程後の偏光子について、10万m製造したときの延伸方向に直交する方向の長さ(幅)のばらつき(標準偏差)を確認したところ、ばらつきは3mmを超えており、長さ方向において安定した幅で製造できなかった。
〔比較例2〕
厚み45μmの長尺のポリビニルアルコール系樹脂を形成材料とする樹脂フィルム〔(株)クラレ製の商品名「VF-PE#4500」、ケン化度99.9モル%以上〕を、温度23℃の純水からなる膨潤浴に浸漬時間110秒で浸漬させ、樹脂フィルムの搬送方向に2.1倍に一軸延伸する処理を行った(膨潤工程)。その後、膨潤浴から引き出したフィルムを、ヨウ素/ホウ酸/水が1.0/0.5/100(質量比)であるヨウ素を含む染色液からなる温度23℃の染色浴に浸漬時間163秒で浸漬させ、樹脂フィルムの搬送方向に1.22倍に一軸延伸する処理を行った(染色工程)。
次いで、染色浴から引き出したフィルムを、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水が2.3/3.7/100(質量比)である架橋液からなる温度59℃の架橋浴に浸漬時間92秒で浸漬させ、樹脂フィルムの搬送方向に一軸延伸する処理を行った(架橋延伸工程)。架橋浴として、浴中に搬送方向上流側から第1ニップロール、第2ニップロール、及び第3ニップロールがこの順に配置された浴を用い、第1ニップロールと第2ニップロールとの間で一軸延伸処理(第1延伸処理)を行い、第2ニップロールと第3ニップロールとの間で一軸延伸処理(第2延伸処理)を行った。
第1延伸処理における樹脂フィルムの搬送距離(第1ニップロールと第2ニップロールとの間の樹脂フィルムの搬送距離)である距離X1(c2)は、上記で決定した時間tを1.4倍した値と架橋延伸工程における樹脂フィルムの搬送速度vとを乗じて算出される値(X1(c2)=v×1.4t)に設定した。架橋浴への樹脂フィルムの浸漬を開始してから第1延伸処理が完了するまでに樹脂フィルムが搬送される距離X2(c2)はv×1.67tに設定した。また、第2延伸処理における樹脂フィルムの搬送距離(第2ニップロールと第3ニップロールとの間の樹脂フィルムの搬送距離)Xf(c2)は、距離X1(c2)の1.3倍とし、距離X2(c2)の1.2倍とした。Rv2は、Rvmin+2.7m/minとした。
その後、温度38℃で乾燥して(乾燥工程)、ポリビニルアルコール系樹脂にヨウ素が吸着配向している厚み18μmの偏光子を得た。
乾燥工程後の偏光子について、10万m製造したときの延伸方向に直交する方向の長さ(幅)のばらつき(標準偏差)を確認したところ、ばらつきは3mmを超えており、長さ方向において安定した幅で製造できなかった。
1 樹脂フィルム、10 架橋浴、11 第1ニップロール、12 第2ニップロール、13 第3ニップロール。

Claims (11)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂を形成材料とする樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向している偏光子の製造方法であって、
    前記樹脂フィルムを搬送しながら膨潤させる膨潤工程と、
    前記膨潤工程後の前記樹脂フィルムを搬送しながら染色する染色工程と、
    前記染色工程後の前記樹脂フィルムを搬送しながら架橋浴に浸漬し、前記架橋浴中で搬送方向に延伸する架橋延伸工程と、を含み、
    前記架橋延伸工程は、多段階で延伸処理を行う工程であり、かつ、前記延伸処理のうちの1段階目の延伸処理は、下記式(1)の関係を満たすように行うことを特徴とする、偏光子の製造方法。
    v×0.3t≦X1≦v×1.2t (1)
    [式(1)中、
    X1は、前記1段階目の延伸処理の開始から完了までに前記樹脂フィルムが搬送される距離[m]を表す。
    vは、前記架橋延伸工程における前記樹脂フィルムの搬送速度[m/min]を表す。
    tは、前記1段階目の延伸処理に用いる前記架橋浴に、前記染色工程後の前記樹脂フィルムを浸漬したときに、前記樹脂フィルムの収縮が飽和するまでに要する時間[min]を表す。]
  2. ポリビニルアルコール系樹脂を形成材料とする樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向している偏光子の製造方法であって、
    前記樹脂フィルムを搬送しながら膨潤させる膨潤工程と、
    前記膨潤工程後の前記樹脂フィルムを搬送しながら染色する染色工程と、
    前記染色工程後の前記樹脂フィルムを搬送しながら架橋浴に浸漬し、前記架橋浴中で搬送方向に延伸する架橋延伸工程と、を含み、
    前記架橋延伸工程は、多段階で延伸処理を行う工程であり、かつ、前記延伸処理のうちの1段階目の延伸処理は、下記式(2)の関係を満たすように行うことを特徴とする、偏光子の製造方法。
    v×0.4t≦X2≦v×1.2t (2)
    [式(2)中、
    X2は、前記架橋延伸工程において、前記架橋浴への前記樹脂フィルムの浸漬を開始してから前記1段階目の延伸処理が完了するまでに前記樹脂フィルムが搬送される距離[m]を表す。
    vは、前記架橋延伸工程における前記樹脂フィルムの搬送速度[m/min]を表す。
    tは、前記1段階目の延伸処理に用いる前記架橋浴に、前記染色工程後の前記樹脂フィルムを浸漬したときに、前記樹脂フィルムの収縮が飽和するまでに要する時間[min]を表す。]
  3. 前記架橋延伸工程はさらに、下記式(1)の関係を満たす、請求項2に記載の偏光子の製造方法。
    v×0.3t≦X1≦v×1.2t (1)
    [式(1)中、
    X1は、前記1段階目の延伸処理の開始から完了までに前記樹脂フィルムが搬送される距離[m]を表す。
    v及びtは、上記と同じ意味を表す。]
  4. 前記1段階目の延伸処理の開始から完了までに前記樹脂フィルムが搬送される距離をX1とするとき、
    前記架橋延伸工程において、前記1段階目よりも後に行う延伸処理のうちの少なくとも1つの延伸処理の開始から完了までに前記樹脂フィルムが搬送される距離は、前記距離X1の2倍以上10倍以下である、請求項1又は3に記載の偏光子の製造方法。
  5. 前記架橋延伸工程において、前記1段階目の延伸処理と、その後に行う2段階目の延伸処理とを、同じ架橋浴中で行う、請求項1~3のいずれか1項に記載の偏光子の製造方法。
  6. 前記架橋浴には、搬送方向上流側から順に、第1ニップロール、第2ニップロール、及び第3ニップロールが配置されており、
    前記1段階目の延伸処理は、前記第1ニップロールと前記第2ニップロールとの間で行い、
    前記2段階目の延伸処理は、前記第2ニップロールと前記第3ニップロールとの間で行う、請求項5に記載の偏光子の製造方法。
  7. 前記第2ニップロールは、前記第1ニップロールと前記第2ニップロールとの間の前記樹脂フィルムの搬送距離が調整可能となるように移動可能に設けられている、請求項6に記載の偏光子の製造方法。
  8. 前記第1ニップロールの回転速度をRv1[m/min]とし、前記第3ニップロールの回転速度をRv3[m/min]とした場合において、前記架橋延伸工程の後の前記樹脂フィルムの幅が最小となるときの前記第2ニップロールの回転速度をRvmin[m/min]とするとき、
    前記第2ニップロールの回転速度Rv2[m/min]は、Rvmin±10[m/min]の範囲内である、請求項6に記載の偏光子の製造方法。
  9. 前記架橋延伸工程は、前記第2ニップロールの回転速度Rv2[m/min]を変動させながら延伸処理を行う、請求項8に記載の偏光子の製造方法。
  10. 請求項1~3のいずれか1項に記載の偏光子の製造方法によって偏光子を得る工程と、
    前記偏光子を得る工程で得られた前記偏光子を搬送方向にスリットすることなく、前記偏光子の片面又は両面に保護フィルムを積層する工程と、を含む、偏光板の製造方法。
  11. 偏光板をロール状に巻回した偏光板のロール体であって、
    前記偏光板は、偏光子と、前記偏光子の片面又は両面に積層された保護フィルムと、を有し、
    前記ロール体の巻き始め部分における前記偏光子の幅と、前記ロール体の巻き終わり部分における前記偏光子の幅との差は、絶対値で0.1mm以上3mm以下である、偏光板のロール体。
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