JP2023136394A - 貨幣処理装置および貨幣処理方法 - Google Patents

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昇嗣 梶田
Noritsugu Kajita
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Masashi Kuwata
蓮 長吉
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Abstract

【課題】デジタル化対象の貨幣と、デジタル化対象でない貨幣とを判別する。【解決手段】貨幣処理装置1000は、受け入れ対象の貨幣を装置内へ送り出す受け入れ部1002と、受け入れ部に接続された搬送路1008を有しかつ、受け入れ部が送り出した貨幣を搬送する搬送部1003と、貨幣を識別しかつ、識別信号を出力する識別部1004と、搬送路が接続されかつ、識別された貨幣を収納する第1の収納部1005と、受け入れ処理において、識別信号に基づいて受け入れ対象の貨幣がデジタル化対象の貨幣か否かを決定しかつ、デジタル化対象の貨幣が第1の収納部に収納されるよう、制御信号を出力する制御部1007と、を備えている。【選択図】図7

Description

ここに開示する技術は、貨幣処理装置および貨幣処理方法に関する。
キャッシュグリッド(cash grid)に接続された装置、例えばATM(Automatic Teller Machine)が、物理的な貨幣をデジタル貨幣に変換する技術が知られている(特許文献1)。デジタル貨幣は、キャッシュグリッドにおいて管理される。装置が、デジタル貨幣に変換された物理的な貨幣を、例えば細断によって無効化することも知られている。
特許文献2に記載されたシステムも、物理的な貨幣からデジタル貨幣に変換する。ユーザーは、例えばATMに物理的な貨幣を提供することによって、物理的な貨幣をデジタル貨幣に変換できる。デジタル貨幣に変換された物理的な貨幣は、中央銀行によって流通から除去される。
また、物理的な貨幣を安全に輸送する技術が知られている(特許文献3)。具体的に、特許文献3には、次のような輸送手順が記載されている。先ず、第1現金処理機が、輸送する貨幣の写真を撮影すると共に、写真を第2現金処理機へ送信する。次いで、第1現金処理機は、レーザーカッターを使って、貨幣から、例えば「無効」の文字を切り取ることにより、物理的な貨幣を無効化する。無効化された貨幣は、第2現金処理機へ輸送される。貨幣が無効化されているため、貨幣の輸送を安全に行うことができる。第2現金処理機は、無効化された貨幣を取り込んで、デジタル貨幣に変換する。デジタル貨幣は、例えばブロックチェーンによって管理される。第2現金処理機はまた、例えばシュレッダーを使って、無効化された貨幣を完全に破壊する。
米国特許第10783501号明細書 米国特許出願公開第2020/151682号明細書 米国特許出願公開第2020/160331号明細書
従来の装置は、デジタル貨幣に変換される貨幣と、デジタル貨幣に変換されない貨幣と、の両方を取り扱うが、残念ながら、従来の装置は、貨幣をデジタル貨幣に変換するか、変換しないかを判別できない。
ここに開示する技術は、デジタル化対象の貨幣と、デジタル化対象でない貨幣とを判別する。
ここに開示する技術は、貨幣処理装置に関する。貨幣処理装置は、受け入れ対象の貨幣を装置内へ送り出す受け入れ部と、前記受け入れ部に接続された搬送路を有しかつ、前記受け入れ部が送り出した貨幣を搬送する搬送部と、貨幣を識別しかつ、識別信号を出力する識別部と、前記搬送路が接続されかつ、識別された貨幣を収納する第1の収納部と、受け入れ処理において、前記識別信号に基づいて前記受け入れ対象の貨幣がデジタル化対象の貨幣か否かを決定しかつ、デジタル化対象の貨幣が前記第1の収納部に収納されるよう、制御信号を出力する制御部と、を備えている。
貨幣処理装置は、識別信号に基づいてデジタル化対象の貨幣とデジタル化対象でない貨幣とを判別できる。
尚、受け入れ処理は、貨幣処理装置に物理的な貨幣が取り込まれるという広義の意味での処理である。受け入れ処理は、後述するように、受け入れ対象の貨幣を指定された口座に入金する処理の他にも、物理的な貨幣を貨幣処理装置に収納する補充処理、及び、両替元の貨幣を装置に取り込んで等価の貨幣を払い出す両替処理を含む。また、貨幣処理装置としての釣銭機が、決済時に貨幣を取り込んで、釣銭を払い出す処理も、ここでいう受け入れ処理に含まれる。
前記貨幣処理装置は、前記第1の収納部に接続されかつ、前記デジタル化対象の貨幣を無効化させる無効化部をさらに備え、前記第1の収納部は、無効化された貨幣を収納する、としてもよい。
第1の収納部に収納されたデジタル化対象の貨幣は使用できない紙幣である。貨幣処理装置は、安全に貨幣を管理できる。
前記制御部は、前記受け入れ処理において、前記受け入れ対象の貨幣から変換されたデジタル貨幣が、指定された口座に入金されるよう、入金信号を出力する、としてもよい。
ユーザーは、貨幣処理装置に投入した物理的な貨幣を、デジタル貨幣に変換した上で、指定された口座(銀行口座又はデジタルウォレット)に入金できる。
前記制御部は、前記受け入れ処理において、前記受け入れ対象の貨幣と等価値の金銭が、指定された口座に入金されるよう、入金信号を出力する、としてもよい。
ユーザーは、貨幣処理装置に投入した物理的な貨幣を、デジタル貨幣に変換せずに、指定された口座(銀行口座又はデジタルウォレット)に入金できる。
前記制御部は、前記識別信号としての、前記受け入れ対象の貨幣の新旧情報、正損情報、通貨情報、及び、金種情報の少なくとも一つに基づいて、前記受け入れ対象の貨幣がデジタル化対象の貨幣か否かを決定する、としてもよい。
貨幣処理装置は、例えば旧券をデジタル化対象とし、新券をデジタル化対象でないと判別してもよい。貨幣処理装置は、例えば損券をデジタル化対象とし、正券をデジタル化対象でないと判別してもよい。貨幣処理装置は、例えば国内通貨をデジタル化対象とし、外国通貨をデジタル化対象でないと判別してもよい。貨幣処理装置は、例えば高額貨幣をデジタル化対象とし、低額貨幣をデジタル化対象でないと判別してもよい。
前記制御部は、前記識別信号としての、前記受け入れ対象の貨幣の識別番号に基づいて、前記受け入れ対象の貨幣がデジタル化対象の貨幣か否かを決定する、としてもよい。
貨幣処理装置は、識別番号に基づき、例えば盗難貨幣、又は、偽造貨幣を、デジタル化対象でないと判別してもよい。
前記貨幣処理装置は、前記搬送路が接続されかつ、返却対象の貨幣を保持する返却部をさらに備え、前記制御部は、デジタル化対象でない貨幣が前記返却部に返却されるよう、制御信号を出力する、としてもよい。
貨幣処理装置は、デジタル化対象でない貨幣を、ユーザーへ返却できる。
前記貨幣処理装置は、前記搬送路が接続されかつ、デジタル化対象でない貨幣を収納する第2の収納部をさらに備えている、としてもよい。
貨幣処理装置は、第1の収納部と第2の収納部とを使って、デジタル化対象の貨幣とデジタル化対象でない貨幣とを、分けて管理できる。
前記貨幣処理装置は、前記搬送路が接続されかつ、デジタル化対象でない貨幣の代替貨幣を収納する第3の収納部をさらに備え、前記制御部は、前記第2の収納部がデジタル化対象でない貨幣を収納する場合に、前記代替貨幣がデジタル貨幣に変換されるよう、制御信号を出力する、としてもよい。また、前記制御部は、変換されたデジタル貨幣が指定された口座に入金されるよう、入金信号を出力する、としてもよい。
受け入れ対象の貨幣がデジタル化対象でない貨幣であっても、ユーザーは、代替貨幣から変換されたデジタル貨幣を利用できる。例えば、ユーザーは、代替貨幣から変換されたデジタル貨幣を口座へ入金できる。
前記制御部は、前記第3の収納部が繰り出した代替貨幣が前記第1の収納部に収納されるよう、制御信号を出力する、としてもよい。
貨幣処理装置は、代替貨幣をデジタル化対象の貨幣として管理できる。
デジタル貨幣の情報には、デジタル化対象でない受け入れ対象の貨幣の情報と、代替貨幣の情報との両方が含まれる、としてもよい。
デジタル貨幣の情報の管理が、適正化する。
ここに開示する貨幣処理装置はまた、受け入れ対象の貨幣を装置内へ送り出す受け入れ部と、前記受け入れ部に接続された搬送路を有しかつ、前記受け入れ部が送り出した貨幣を搬送する搬送部と、前記搬送路が接続されかつ、受け入れ対象の貨幣のうちデジタル化対象の貨幣を収納する第1の収納部と、前記搬送路が接続されかつ、収納している貨幣を繰り出す第3の収納部と、受け入れ処理において、受け入れ対象の貨幣のうちデジタル化対象でない貨幣の代替貨幣が前記第3の収納部から繰り出されかつ、前記代替貨幣がデジタル化対象の貨幣として前記第1の収納部に収納されるよう、制御信号を出力する制御部と、を備えている。
貨幣処理装置は、装置内へ取り込まれた受け入れ対象の貨幣がデジタル化対象でない場合でも、代替貨幣をデジタル貨幣に変換できる。
前記貨幣処理装置は、前記第1の収納部に接続されかつ、前記デジタル化対象の貨幣を無効化させる無効化部をさらに備え、前記第1の収納部は、無効化された貨幣を収納する、としてもよい。
貨幣処理装置は、デジタル化した代替紙幣を無効化して安全に管理できる。
前記第3の収納部は、デジタル化対象でない貨幣と等価値となる一又は複数の代替貨幣を繰り出す、としてもよい。
代替貨幣は、デジタル化対象でない貨幣と同じ金種の貨幣に限らない。代替貨幣は、デジタル化対象でない貨幣よりも低額の貨幣であってもよい。
ここに開示する貨幣処理方法は、
受け入れ部が受け入れ対象の貨幣を装置内へ送り出し、
識別部が受け入れ対象の貨幣を識別して、識別信号を出力し、
制御部が、前記識別信号に基づいて受け入れ対象の貨幣がデジタル化対象の貨幣か否かを決定し、
搬送部が、前記制御部の決定を受けて、デジタル化対象の貨幣を第1の収納部へ搬送し、
前記第1の収納部が、デジタル化対象の貨幣を収納する。
ここに開示する別の貨幣処理方法は、
受け入れ部が受け入れ対象の貨幣を装置内へ送り出し、
第1の収納部が、受け入れ対象の貨幣のうちデジタル化対象の貨幣を収納し、
第3の収納部が、受け入れ対象の貨幣のうちデジタル化対象でない貨幣の代替貨幣を繰り出し、
前記第1の収納部が、前記代替貨幣をデジタル化対象の貨幣として収納する。
以上説明したように、前記の貨幣処理装置および貨幣処理方法は、デジタル貨幣に変換される貨幣と、デジタル貨幣に変換されない貨幣とを判別できる。
図1は、貨幣処理装置を示している。 図2は、受け入れ処理の手順を示している。 図3は、デジタル貨幣のデータ構造を示している。 図4は、貨幣の搬送経路を示している。 図5は、代替貨幣を用いた場合のデジタル貨幣のデータ構造を示している。 図6は、両替処理の手順を示している。 図7は、例示的な貨幣処理装置を示している。 図8は、例示的な貨幣処理装置を示している。
以下、貨幣処理装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ここで説明する貨幣処理装置は例示である。
(第1実施形態)
図7は、貨幣処理装置1000を例示している。貨幣処理装置1000は、受け入れ部1002と、搬送部1003と、識別部1004と、第1の収納部1005と、制御部1007と、を備えている。
貨幣処理装置1000は、例えば銀行の営業店舗に設置される。尚、貨幣処理装置1000の設置場所に制限はない。貨幣処理装置1000は、ユーザーの操作に応じて貨幣の受け入れ処理を実行する。貨幣処理装置1000は、いわゆるATMであってもよい。貨幣処理装置1000はまた、銀行のテラーが操作をする装置であってもよい。貨幣は、紙幣、硬貨、又は、紙幣及び硬貨の両方である。受け入れ処理は、例えば、受け入れ対象の貨幣であって物理的な貨幣を、貨幣処理装置1000が装置内に収納すると共に、装置内に収納された物理的な貨幣と等価値の金銭を、銀行口座に入金する処理であってもよい。銀行口座は、入金処理を実行するユーザーの口座、又は、ユーザーが指定する他人の口座である。
貨幣処理装置1000はまた、受け入れ対象の物理的な貨幣の一部又は全部を、デジタル貨幣に変換してもよい。貨幣処理装置1000はさらに、そのデジタル貨幣を銀行口座又はデジタルウォレットに入金する処理を行ってもよい。この場合の銀行口座も、入金処理を実行するユーザーの口座、又は、ユーザーが指定する他人の口座である。また、デジタルウォレットは、入金処理を実行するユーザーのデジタルウォレット、又は、ユーザーが指定する他人のデジタルウォレットである。デジタルウォレットは、例えばスマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、又は、コンピュータ等の電子機器によって構成でき、ユーザーは、これらの電子機器を使って決済できる。デジタル貨幣への変換要否は、識別部1004が受け入れ対象の物理的な貨幣を識別して出力する識別信号に基づく。また、デジタル貨幣への変換要否は、ユーザーの操作に対応する操作信号に基づいてもよい。受け入れ処理は、受け入れ対象の物理的な貨幣をデジタル貨幣に変換して払い出す両替処理であってもよい。受け入れ処理は、受け入れ対象の物理的な貨幣をデジタル貨幣に変換して、装置内部のメモリに保存する補充処理であってもよい。、受け入れ対象の物理的な貨幣をデジタル貨幣に変換して釣銭として払い出す精算処理であってもよい。
ユーザーは、受け入れ対象の物理的な貨幣を受け入れ部1002へ投入する。受け入れ部1002は、投入された受け入れ対象の貨幣を、貨幣処理装置1000内へ送り出す。
搬送部1003は、受け入れ部1002に接続された搬送路1008を有している。搬送部1003は、受け入れ部1002が送り出した貨幣を、搬送路1008に沿って搬送する。
識別部1004は、搬送路1008に位置している。識別部1004は、搬送されている貨幣を識別しかつ、その識別信号を、制御部1007へ出力する。識別部1004は、少なくとも、貨幣の金種を識別する。
第1の収納部1005は、識別された貨幣を収納する。第1の収納部1005には、搬送路1008が接続されている。
制御部1007は、搬送部1003へ制御信号を出力する。より具体的に、制御部1007は、受け入れ処理時に、識別信号に基づいて受け入れ対象の貨幣がデジタル化対象の貨幣か否かを決定する。貨幣処理装置1000は、識別信号に基づいてデジタル化対象の貨幣とデジタル化対象でない貨幣とを判別できる。制御部1007はまた、デジタル化対象の貨幣が第1の収納部1005に収納されるよう、制御信号を搬送部1003へ出力する。第1の収納部1005は、デジタル化対象の貨幣を収納する。
(第2実施形態)
図8は、貨幣処理装置1001を例示している。貨幣処理装置1001は、図7の貨幣処理装置1000の変形例である。貨幣処理装置1001は、受け入れ部1002と、搬送部1003と、第1の収納部1005と、第3の収納部1009と、制御部1007と、を備えている。
ユーザーは、受け入れ対象の物理的な貨幣を受け入れ部1002へ投入する。受け入れ部1002は、投入された受け入れ対象の貨幣を、貨幣処理装置1001内へ送り出す。
搬送部1003は、受け入れ部1002に接続された搬送路1008を有している。搬送部1003は、受け入れ部1002が送り出した貨幣を、搬送路1008に沿って搬送する。
第1の収納部1005は、受け入れ対象の貨幣のうちデジタル化対象の貨幣を収納する。第1の収納部1005には、搬送路1008が接続されている。
第3の収納部1009には、搬送路1008が接続されている。第3の収納部1009は、収納している貨幣を繰り出す。
制御部1007は、搬送部1003及び第3の収納部1009へ制御信号を出力する。具体的に、制御部1007は、受け入れ処理時に、受け入れ対象の貨幣のうちデジタル化対象でない貨幣の代替貨幣が繰り出されるよう、制御信号を第3の収納部1009へ出力する。第3の収納部1009は、代替貨幣を繰り出す。代替貨幣は、デジタル化対象でない貨幣と等価値の、一又は複数の物理的な貨幣である。制御部1007はまた、代替貨幣が第1の収納部1005に収納されるよう、制御信号を搬送部1003へ出力する。第1の収納部1005は、代替貨幣をデジタル化対象の貨幣として収納する。
(第3実施形態)
図1は、第3実施形態に係る貨幣処理装置4を示している。貨幣処理装置4は、図7の貨幣処理装置1000、及び、図8の貨幣処理装置1001の変形例である。貨幣処理装置4は、紙幣の処理を行う紙幣処理装置である。尚、貨幣処理装置4は、硬貨の処理を行う硬貨処理装置であってもよいし、紙幣及び硬貨の両方の処理を行う貨幣処理装置であってもよい。
貨幣処理装置4は、入力部41と、受け入れ部42と、搬送部43と、識別部44と、第1の収納部45と、制御部47と、を備えている。貨幣処理装置4はまた、第2の収納部46と、払出部49と、第1の一時保留部50と、第2の一時保留部51と、無効化部52と、通信部53と、第3の収納部54と、第4の収納部55と、第5の収納部56と、を備えている。
貨幣処理装置4は、貨幣処理装置1000又は貨幣処理装置1001と同様に、例えば銀行の営業店舗に設置される。尚、貨幣処理装置4の設置場所に制限はない。貨幣処理装置4はまた、受け入れ対象の物理的な紙幣の一部又は全部を、デジタル貨幣に変換した上で、銀行口座又はデジタルウォレットに入金する処理が可能である。
貨幣処理装置4の筐体は、上部筐体57と下部筐体58とに分かれている。上部筐体57は、貨幣処理装置4の上部を形成する。下部筐体58は、貨幣処理装置4の下部を形成する。
搬送部43、識別部44、制御部47、第2の一時保留部51、通信部53、及び、第5の収納部56は、貨幣処理装置1の上部筐体57の中に収容されている。入力部41、受け入れ部42、払出部49は、ユーザーがアクセスできるよう、少なくとも一部が、上部筐体57の外に露出している。第1の収納部45、第2の収納部46、第1の一時保留部50、無効化部52、第3の収納部54、及び、第4の収納部55は、下部筐体58の中に収容されている。
入力部41は、貨幣処理装置4の前部における上部に位置している。貨幣処理装置4の前部は、図1における紙面左側であって、入力部41、受け入れ部42、及び、払出部49が位置している部分をいう。受け入れ部42、及び、払出部49も、貨幣処理装置4の前部における上部に位置している。ユーザーは、入力部41、受け入れ部42、及び、払出部49にアクセスしやすい。
入力部41は、貨幣処理装置4に取り付けられたタッチパネルディスプレイ、又は、EPP(Encrypting Pin Pad)である。ユーザーは、入力部41を使って入力操作を行うことができる。入力部41はまた、ユーザーのモバイルデバイス(例えばスマートフォン)、又は、外部コンピュータから送信された入力信号を受信する受信機であってもよい。入力信号は、ユーザーの入力操作に対応する信号である。入力部41はまた、ユーザーの操作に対応する操作信号を、制御部47へ出力する。
受け入れ部42は、物理的な紙幣を保持する。ユーザーは、受け入れ部42へ受け入れ対象の物理的な紙幣を投入する。受け入れ部42は、投入された受け入れ対象の紙幣を、貨幣処理装置4内へ送り出す。
払出部49は、払い出し対象の物理的な紙幣を保持する。払い出し対象の物理的な紙幣は、貨幣処理装置4内から払出部49へ送り出される。ユーザーは、払出部49が保持している物理的な紙幣を、手で取り出すことができる。尚、貨幣処理装置4は、払出部49を備えていなくてもよい。貨幣処理装置4は、払い出し処理を行わない装置であってもよい。また、受け入れ部42と払出部49とは、一体化していてもよい。つまり、貨幣処理装置4において、受け入れ対象の紙幣を保持する部分と、払い出し対象の紙幣を保持する部分とは同じ部分であってもよい。
搬送部43は、主に、上部筐体57に収容されている。搬送部43は、ループ搬送路431を有している。搬送部43は、ループ搬送路431に沿って、正方向(図1における紙面反時計回り方向)及び逆方向(紙面時計回り方向)に、紙幣を搬送する。受け入れ部42及び払出部49はそれぞれ、ループ搬送路431に接続されている。尚、搬送路の形状は、ループに限定されない。
識別部44は、ループ搬送路431に位置している。識別部44は、紙幣を識別しかつ、その識別信号を、制御部47へ出力する。
下部筐体58は、金庫筐体である。下部筐体58は、上部筐体57よりも強固に、収容物を守る。下部筐体58は、第1の格納部581と、第2の格納部582とを含んでいる。第1の格納部581は、貨幣処理装置4の後部に位置してる。第2の格納部582は、第1の格納部581の前側に位置している。第1の格納部581は、第1開閉扉583を有している。第1開閉扉583は、貨幣処理装置4の後部に位置し、第1の格納部581を後方に開放する(図1の一点鎖線参照)。第2の格納部582は、第2開閉扉584を有している。第2開閉扉584は、貨幣処理装置4の前部に位置し、第2の格納部582を前方に開放する(図1の一点鎖線参照)。
第1開閉扉583及び第2開閉扉584はそれぞれ、施錠可能である。第1開閉扉583を解錠できる権限と、第2開閉扉584を解錠できる権限とは同じでもよいし、異なっていてもよい。第1の格納部581は、後述するように、デジタル化対象の紙幣であって、無効化される紙幣を収納する。第2の格納部582は、デジタル化対象でない紙幣を収納する。第1開閉扉583を解錠できる権限と、第2開閉扉584を解錠できる権限とを異ならせることは、デジタル入金処理を行う貨幣処理装置4の運用上、好ましい。
第1の収納部45は、識別された紙幣を収納する。第1の収納部45は、収納した紙幣を繰り出すことができない。
第1の収納部45は、ループ搬送路431から分岐した分岐搬送路433に接続されている。ループ搬送路431と分岐搬送路433との接続箇所には、分岐部434が設けられている。分岐部434は、識別部44と、後述する第2の一時保留部51との間に位置している。分岐部434は、制御部47からの制御信号を受けて、紙幣の搬送方向を切り替える。分岐部434は、ループ搬送路431に沿って搬送されている紙幣を、選択的に分岐搬送路433へ送る。分岐部434はまた、分岐搬送路433に沿って搬送されている紙幣を、ループ搬送路431へ送る。
第1の一時保留部50は、分岐搬送路433に位置している。より詳細に、第1の一時保留部50は、分岐部434と第1の収納部45との間に位置している。第1の一時保留部50は、紙幣を一時的に収納する。分岐部434によって分岐搬送路433へ振り分けられた紙幣は先ず、第1の一時保留部50に収納される。第1の一時保留部50は、例えば紙幣をテープと共にドラムに巻き取って収納する巻き取り式の収納部であってもよい。巻き取り式の収納部は、紙幣の収納順を変えずに、収納している紙幣を繰り出すことができる。詳細は後述するが、第1の一時保留部50が繰り出した紙幣は、第1の収納部455へ収納される。
無効化部52は、物理的な紙幣を、使用できないように無効化する機能を有している。無効化部52は、具体的には、紙幣を細断するシュレッダー、紙幣に孔を空けるパンチ、紙幣を切断するカッター、紙幣に印字を行うプリンタ、又は、紙幣にインクを吹き付けるインク吹付機である。尚、無効化部52は、物理的な紙幣の無効化が可能であれば、どのようなものであってもよい。
無効化部52は、分岐搬送路433における第1の一時保留部50と第1の収納部45との間に位置している。無効化部52は、第1の一時保留部50が繰り出した紙幣を無効化する。第1の収納部45は、無効化部52が無効化した紙幣を収納する。
ここで、第1の一時保留部50、無効化部52、及び、第1の収納部45は、第1の格納部581に格納されている。第1の一時保留部50及び第1の収納部45は共に、デジタル化対象の紙幣を収納する。第1の格納部581には、識別部44によって識別された紙幣であって、デジタル化対象の紙幣のみが収納される。
第1の収納部45は、第1の格納部581に対して、着脱可能に取り付けられている。オペレーターは、貨幣処理装置4の後側から第1開閉扉583を開けて、第1の収納部45を第1の格納部581の外へ持ち出すことができる。オペレーターは、第1の収納部15を筐体10から取り外すことによって、第1の収納部45に収納されている無効化された紙幣を回収できる。
第2の収納部46も、識別された貨幣を収納する。第2の収納部46は、例えば紙幣を積み重ねて収納するスタック式の収納部としてもよい。第2の収納部46は、収納している紙幣を繰り出すことが可能である。尚、第2の収納部46は、収納している紙幣を繰り出すことが不可能であってもよい。第2の収納部46は、ループ搬送路431に接続されている。貨幣処理装置4は、複数の第2の収納部46を備えている。複数の第2の収納部46は、ループ搬送路431に対して並列に接続されている。後述するように受け入れ対象の紙幣であって、デジタル化対象でない紙幣は、何れかの第2の収納部46に、選択的に収納される。また、何れかの第2の収納部46が繰り出した貨幣は、搬送部43によって、ループ搬送路431を通じて払出部49へ搬送される。
第2の収納部46は、第2の格納部582に格納されている。つまり、第2の収納部46は、第1の格納部581の外に位置している。
第3の収納部54は、第2の格納部582に格納されている。第3の収納部54は、例えば巻き取り式の収納部としてもよい。第3の収納部54は、紙幣の収納と繰出とを行うことができる。第3の収納部54は、複数の金種を混合収納してもよい。貨幣処理装置4は、複数の第3の収納部54を備えている。複数の第3の収納部54は、例えば金種別に、紙幣を収納してもよい。複数の第3の収納部54は、ループ搬送路431に対して並列に接続されている。
第4の収納部55は、第2の格納部582に格納されている。第4の収納部55は、例えばスタック式の収納部としてもよい。第4の収納部55は、例えば第2の収納部46が収納しない紙幣を収納してもよい。また、第4の収納部55は、例えば第2の収納部46の在高を確認する精査処理を行う際に、一時保留部として用いる収納部であってもよい。さらに、第4の収納部55は、第2の収納部46に収納されている紙幣の内、回収対象の紙幣を収納してもよい。第2の収納部46に収納されていた紙幣を収納する点で、第4の収納部55は、第2の収納部の範疇に含まれる。第4の収納部55は、ループ搬送路431に接続されている。第4の収納部55は、第2の格納部582に対して、着脱可能に取り付けられている。オペレーターは、貨幣処理装置4の前側から第2開閉扉584を開けて、第4の収納部55を第2の格納部582の外へ持ち出すことができる。
第5の収納部56は、上部筐体57の中に位置している。第5の収納部56は、例えばスタック式の収納部としてもよい。第5の収納部56は、ループ搬送路431に接続されている。第5の収納部56は、例えば偽券又は偽券の可能性のある紙幣を収納してもよい。つまり、貨幣処理装置4は、識別部44が偽券又は偽券の可能性のある紙幣と判断した紙幣を、ユーザーに返却せずに、第5の収納部56に収納する。
第2の一時保留部51は、上部筐体57の後部に位置している。第1の一時保留部50と第2の一時保留部51とは、貨幣処理装置4の後部において上下に並んでいる。第2の一時保留部51は、巻き取り式の収納部であってもよい。第2の一時保留部51は、受け入れ対象の紙幣であって、デジタル化対象でない紙幣を、一時的に収納する。第2の一時保留部51は、ユーザーが確定操作を行った後、収納している紙幣を繰り出す。搬送部43は、繰り出された紙幣を、例えば第2の収納部46へ搬送する。
通信部53は、外部との通信を行う。通信部53は、ネットワーク24(例えばインターネット)に接続されかつ、ネットワーク24を介した通信を行う。
ネットワーク24には、口座管理サーバ25と、デジタル貨幣管理サーバ26とが接続されている。貨幣処理装置4、口座管理サーバ25、及び、デジタル貨幣管理サーバ26は、ネットワーク24を介して相互に通信が可能である。口座管理サーバ25は、銀行口座を管理するサーバである。口座管理サーバ25は、後述するように、貨幣処理装置4における受け入れ処理に伴い、ユーザーの口座へ金銭を入金する処理を実行する。デジタル貨幣管理サーバ26は、後述するように、貨幣処理装置4からのデジタル貨幣への変換要求に基づいて、物理的な貨幣をデジタル貨幣へ変換する処理を実行する。デジタル貨幣管理サーバ26は、例えば中央銀行が運用する。
制御部47は、プロセッサ、メモリ、及び、I/F回路を少なくとも備えている。プロセッサは、プログラムを実行する。メモリは、貨幣処理装置4の動作のためのプログラム及びデータを格納する。メモリは、例えばRAM(Random Access Memory)及び/又はROM(Read Only Memory)である。I/F回路は、制御部47と、制御部47に接続された各機器との間の電気信号の入出力を行う。
制御部47は、後述するように、入力部41からの操作信号及び識別部44からの識別信号を受けて、搬送部43を始めとする各部へ制御信号を出力する。
<貨幣処理装置のデジタル入金処理の手順>
次に、貨幣処理装置4が実行する受け入れ処理の基本的な手順を、図2を参照しながら説明する。前述したように、貨幣処理装置4は、受け入れ処理において、受け入れ対象の物理的な紙幣の一部又は全部を、デジタル貨幣に変換する。また、貨幣処理装置4は、受け入れ処理の一例として、当該デジタル貨幣を銀行口座に入金する処理を実行できる。以下において、この処理をデジタル入金、又は、デジタル入金処理と呼ぶ。貨幣処理装置4はまた、受け入れ対象の物理的な紙幣を、デジタル貨幣に変換せずに、当該貨幣と等価値の金銭を銀行口座に入金する処理を実行できる。以下において、この処理を通常入金、又は、通常入金処理と呼ぶ。以下、ユーザーが、受け入れ対象の紙幣を全て、自身の銀行口座へデジタル入金する場合を例に、受け入れ処理の手順を説明する。尚、ユーザーが、受け入れ対象の紙幣の一部を自身の銀行口座へデジタル入金する場合、又は、受け入れ対象の紙幣の全部又は一部を、他人の銀行口座へデジタル入金を行う場合(いわゆる振込)も、手順は実質的に同じである。さらに、入金先がデジタルウォレットである場合も、処理手順は実質的に同じである。
先ず、ユーザーは、入力部41を通じてログイン操作を行う。ログイン操作により入力される情報には、口座番号や暗証番号の情報が含まれる。入力部41は、ログイン操作により入力された暗証番号を含む操作信号を制御部47に出力する。貨幣処理装置4は、口座管理サーバ25に、ネットワーク24を介して問い合わせを行う。口座管理サーバ25は、ユーザーの口座を確認する。口座が確認できれば、口座管理サーバ25は、貨幣処理装置4にユーザーの承認信号を送信する。
承認信号を受けた貨幣処理装置4は、入金処理が可能であることをユーザーに知らせる報知処理を行う。ユーザーは、入力部41を通じて受け入れ操作を行う。受け入れ操作により入力される情報には、少なくとも「受け入れ処理の実行要求」の情報が含まれる。受け入れ操作により入力される情報は、「受け入れ処理の種類」または「デジタル貨幣への変換の要否」の情報が含まれてもよい。また、受け入れ操作により入力される情報は、「デジタル貨幣へ変換する金額」、「デジタル貨幣へ変換する金種」、「デジタル貨幣へ変換する貨幣の枚数」のうち少なくとも1つの情報入力が含まれてもよい。ユーザーは、受け入れ対象の紙幣を全てデジタル貨幣に変換してもよいし、一部をデジタル貨幣に変換してもよい。入力部41は、これらの情報を含む操作信号を制御部47に出力する。
貨幣処理装置4の制御部47は、操作信号に基づいて受け入れ処理を開始する。具体的には、ユーザーが、受け入れ部42へ受け入れ対象の物理的な紙幣を投入すれば、受け入れ部42は、紙幣を一枚一枚、装置内へ繰り出す(ステップS21)。識別部44は、受け入れ部42が装置内へ送り出した紙幣を一枚一枚識別する(ステップS22)。識別部44は、例えば、紙幣の真偽、通貨、金種、新旧、及び、正損を識別する。識別部44はまた、紙幣の識別番号(Identification Number、例えば記番号(Serial Number))を読み取る。識別部44は、紙幣の画像を撮影してもよい。
貨幣処理装置4の制御部47は、識別部44の識別信号に基づいて、識別された紙幣の振り分けを行う。具体的に、制御部47は、識別された貨幣がデジタル化対象の貨幣であるか否かを判断する(ステップS23)。操作信号がデジタル化対象の貨幣に関する情報を含む場合は、貨幣処理装置4の制御部47は、操作信号と、識別部44の識別信号とに基づいて、識別された紙幣の振り分けを行ってもよい。
貨幣処理装置4は、例えば旧券をデジタル化対象とし、新券をデジタル化対象でないとしてもよい。旧券は市場流通に適していないため、デジタル貨幣に変換して旧券を無効化することが適切である。貨幣処理装置4は、例えば旧券のうちでも、所定のバージョンよりも古い旧券をデジタル化対象でないとしてもよい。つまり、貨幣処理装置4は、識別部44がテンプレートを有していない旧券を、デジタル化対象でないとしてもよい。
貨幣処理装置4は、例えば国内通貨紙幣をデジタル化対象とし、外国通貨紙幣をデジタル化対象でないとしてもよい。外国通貨紙幣は、デジタル貨幣への変換及び無効化できないためである。
貨幣処理装置4は、ユーザーが受け入れ対象の紙幣を受け入れ部42に投入する際に、貨幣処理装置4が取り扱い可能な貨幣の情報を、ユーザーに提供してもよい。識別部44が有するテンプレートによって、貨幣処理装置4が受け付けることができる旧券のバージョン及び/又は通貨には制限がある。貨幣処理装置4は、例えばデジタル貨幣への変換が可能なバージョン、及び/又は、デジタル貨幣への変換が不可能なバージョンの貨幣イメージを、ディスプレイに表示してもよい。同様に、貨幣処理装置4は、デジタル貨幣への変換が可能な通貨、及び/又は、デジタル貨幣への変換が不可能な通貨の情報を、ディスプレイを通じてユーザーへ提示してもよい。また、貨幣処理装置4は、デジタル貨幣への変換が可能な金種、及び/又は、デジタル貨幣への変換が不可能な金種の情報を、ディスプレイを通じてユーザーへ提示してもよい。
貨幣処理装置4は、例えば損券をデジタル化対象であり、正券をデジタル化対象でないとしてもよい。損券は市場流通に適していないためである。貨幣処理装置4は、デジタル化対象の判断基準としての正損閾値を、オペレーターの操作に応じて変更してもよい。また、貨幣処理装置4は、紙幣がリサイクル可能か否かを判断するための正損閾値を、デジタル化対象の判断基準としての正損閾値とは別に有している。二つの正損閾値は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
貨幣処理装置4は、例えば高額紙幣をデジタル化対象とし、低額紙幣をデジタル化対象でないとしてもよい。
また、貨幣処理装置4は、受け入れ対象の紙幣の識別番号に基づいて、受け入れ対象の紙幣がデジタル化対象の貨幣か否かを決定する。貨幣処理装置4は、例えば識別番号に基づいて、盗難紙幣、又は、偽造紙幣であるか否かを判断し、盗難紙幣、又は、偽造紙幣をデジタル化対象でないとしてもよい。また、識別番号に基づいて、紙幣の発券銀行、及び/又は、印刷所が特定されたり、発行年が特定されたりする場合がある。貨幣処理装置4は、識別番号から得られた発券銀行、印刷所、又は、発行年に基づいて、デジタル化対象の貨幣か否かを決定してもよい。
ステップS23の判断がYESの場合、デジタル化対象の紙幣が第1の収納部45に収納されるよう、制御部47は、搬送部43へ制御信号を出力する。搬送部43は、制御部47からの制御信号に基づき、分岐部434を使って、デジタル化対象の紙幣が第1の一時保留部50へ向かうように搬送する(ステップS24、図1の実線の矢印参照)。一方、ステップS23の判断がNOの場合、デジタル化対象でない紙幣がユーザーに返却されるように、制御部47は、搬送部43に制御信号を出力する。搬送部43は、制御部47からの制御信号に基づき、分岐部434を使って、デジタル化対象でない紙幣が払出部49へ向かうように搬送する(ステップS25、図1の破線の矢印参照)。デジタル化対象の紙幣は、第1の一時保留部50へ収納され、デジタル化対象でない紙幣は、払出部49に保持される。払出部49は、返却部の一例である。尚、デジタル化対象でない紙幣には、識別部14による識別の結果、貨幣処理装置1が受け付けられない紙幣、いわゆるリジェクト紙幣も含まれる。また、搬送部43は、盗難紙幣、又は、偽造紙幣を、ユーザーに返却せずに第5の収納部56へ搬送してもよい。
貨幣処理装置4はまた、受け入れ対象の紙幣であって、デジタル化対象でない紙幣を、ユーザーに返却せずに、第2の収納部46に収納すると共に、当該紙幣についての通常入金処理を実行してもよい。つまり、搬送部43は、ステップS25において、受け入れ対象の紙幣であって、デジタル化対象でない紙幣が第2の収納部46に収納されるよう、識別された紙幣を第2の一時保留部51へ搬送してもよい。この場合、第2の一時保留部51は、デジタル化対象でない紙幣を収納する。
制御部47は、受け入れ部42に紙幣が残っているか否かを判断する(ステップS26)。ステップS26の判断がYESの場合、プロセスはステップS27へ進む。ステップS26の判断がNOの場合、プロセスはステップS21へ戻り、受け入れ部42は、紙幣の繰り出しを継続する。受け入れ部42が受け入れ対象の紙幣を全て送り出して、識別部44が全ての紙幣を識別すれば、貨幣処理装置4は、ユーザーに対して、装置内へ取り込んだ紙幣の計数結果を提示する。ユーザーが計数結果を確認して、入力部41を通じて確定操作を行うと、貨幣処理装置4は、確定処理を行う(ステップS27)。確定処理によって、第1の一時保留部50に収納されている紙幣は、デジタル貨幣に変換される紙幣に確定する。
尚、ユーザーが確定操作を行う際に、貨幣処理装置4は、デジタル貨幣に変換する紙幣と、デジタル貨幣に変換しない紙幣とをユーザーに選択させてもよい。選択により、受け入れ対象の紙幣に、デジタル貨幣に変換する紙幣と、デジタル貨幣に変化しない紙幣との両方が含まれる場合、貨幣処理装置4は、後述するデジタル入金処理と、通常入金処理とを並列に行う。
確定処理の後、貨幣処理装置4は、デジタル化処理を行う(ステップS28)。具体的に貨幣処理装置4は、デジタル貨幣管理サーバ26へ、要求信号を、ネットワーク24を通じて出力する。要求信号は、デジタル化対象の物理的な紙幣を、デジタル貨幣へ変換することを要求する。要求信号には、デジタル化対象の紙幣に関する情報、具体的には、紙幣を特定するID、金種、及び、識別データの情報が含まれる。IDは、識別部44が読み取った識別番号である。尚、デジタル化対象の貨幣が硬貨である場合、貨幣を特定するIDは、貨幣処理装置1が生成したIDであって、金種毎に一意のIDである。また、識別データは、紙幣の新旧の情報、正損の情報、及び/又は、撮影された画像である。また、要求信号には、デジタル入金処理を実行したユーザーを特定する情報(つまり、ユーザーID)と、デジタル貨幣が入金される口座を特定する情報(つまり、口座ID)とが含まれてもよい。また、要求信号には、貨幣処理装置4を特定する情報(つまり、貨幣処理装置ID)が含まれてもよい。
デジタル化要求信号を受けたデジタル貨幣管理サーバ26は、デジタル化処理を実行する。具体的にデジタル貨幣管理サーバ26は、デジタル貨幣のデータを作成する。図3は、デジタル貨幣のデータ構造9を例示している。デジタル貨幣のデータには、当該デジタル貨幣に付与されたデジタル貨幣IDと、金種の情報が含まれる。また、デジタル貨幣に変換前の物理的な貨幣の情報、つまり受け入れ貨幣の情報が、デジタル貨幣のデータに含まれてもよい。この情報は、貨幣処理装置4からデジタル貨幣管理サーバ26へ送信された情報であって、例えば、紙幣を特定する受け入れ貨幣ID、金種、及び、識別データの情報である。また、デジタル貨幣のデータには、デジタル入金処理を実行したユーザーIDと、デジタル貨幣が入金される口座を特定する口座IDとが含まれる。さらに、デジタル貨幣のデータには、デジタル化した日時、及び、貨幣処理装置を特定する貨幣処理装置IDの情報が含まれてもよい。加えて、デジタル貨幣のデータには、デジタル化以降の、デジタル貨幣の取引履歴の情報が含まれてもよい。取引履歴は、当該デジタル貨幣の取引が行われる度に、デジタル貨幣のデータに追加される。取引履歴には、取引者を特定するID、取引履歴、取引内容、及び、使用した処理装置又はアプリケーションを特定する情報が含まれる。尚、デジタル貨幣のデータには、前述したデータそのものを含める代わりに、当該データにアクセスできるリンク情報を含めてもよい。デジタル貨幣管理サーバ26は、生成したデジタル貨幣を、例えばブロックチェーンによって管理してもよい。
デジタル化処理が完了すると、デジタル貨幣管理サーバ26は、完了信号を、ネットワーク24を通じて貨幣処理装置4へ送信する。完了信号を受けた貨幣処理装置4は、無効化処理を実行する(ステップS29)。無効化処理とは、デジタル貨幣に変換された物理的な紙幣を、無効化部52によって無効化する処理である。具体的に、第1の一時保留部50は、収納している紙幣を繰り出し、無効化部52は、紙幣を無効化する。そして、第1の収納部45は、無効化された紙幣を収納する(ステップS210)。
尚、デジタル貨幣管理サーバ26は、ネットワーク24を通じて口座管理サーバ25へ、入金指示を行う。口座管理サーバ25は、デジタル貨幣を、ユーザーの口座に入金する処理を実行する。デジタル入金処理が完了する。
こうしてユーザーは、貨幣処理装置4に投入した物理的な紙幣を、デジタル貨幣に変換した上で、銀行口座に入金できる。
尚、ユーザーが、銀行口座に代えて又は銀行口座と共に、デジタルウォレットへの入金を希望した場合、口座管理サーバ25は、デジタル化された貨幣を、ユーザーのデジタルウォレットに入金する処理を実行する。デジタルウォレットへの入金処理は、口座管理サーバ25とは別のサーバが行ってもよい。
また、第2の一時保留部51が、受け入れ対象の紙幣であって、デジタル化対象でない紙幣を収納している場合、前述したユーザーの確定操作後、第2の一時保留部51は、デジタル化対象でない紙幣を繰り出し、搬送部43は、当該紙幣を、何れかの第2の収納部46へ搬送する。第2の収納部46は、紙幣を収納する。貨幣処理装置4は、デジタル化対象の紙幣と、デジタル化対象でない紙幣とを、第1の収納部45と第2の収納部46とを使って、分けて管理できる。尚、第2の収納部46に収納されている紙幣は、無効化されていない。貨幣処理装置4は、例えば払い出し処理時に、第2の収納部46に収納されている紙幣を、ユーザーに提供できる。
尚、第2の収納部46が紙幣を収納する場合、口座管理サーバ25は、通常入金処理として、デジタル化対象でない紙幣と等価値の金銭を、ユーザーの口座に入金する処理を実行する。
以上のように、貨幣処理装置4の制御部47は、受け入れ処理時に、識別部44の識別信号に基づいて、受け入れ対象の紙幣がデジタル化対象の貨幣か否かを決定し、デジタル化対象の紙幣が第1の収納部45に収納されるよう、制御信号を出力する。貨幣処理装置4は、識別信号に基づいてデジタル化対象の貨幣とデジタル化対象でない貨幣とを判別できる。
無効化部52は、第1の収納部45に収納される前に、デジタル化対象の貨幣を無効化する。第1の収納部45に収納された貨幣は使用できない貨幣である。貨幣処理装置4は、デジタル化対象の貨幣を安全に管理できる。
(代替貨幣のデジタル貨幣への変換処理)
前述したように、デジタル貨幣に変換された貨幣は無効化される。ユーザーがデジタル貨幣への変換を指定した貨幣であっても、当該貨幣がその後も流通できる状態である貨幣は、無効化せずに流通させた方が好ましい場合がある。例えば新券である貨幣、又は、汚損度合いが低い正券は、無効化せずに、流通させた方が好ましい。貨幣処理装置は、ユーザーがデジタル化を指定した貨幣であっても、条件を満たす貨幣を無効化しないようにしてもよい。
貨幣が無効化されないのであれば、当該貨幣はデジタル貨幣に変換できない。この場合、受け入れ対象の貨幣のうち、デジタル貨幣に変換される貨幣が減ってしまう。そこで、貨幣処理装置は、受け入れ対象の貨幣をデジタル貨幣に変換しない場合、収納している貨幣を、代替貨幣としてデジタル貨幣に変換する。
図4は、貨幣処理装置4において、代替紙幣をデジタル貨幣へ変換する場合の、紙幣の搬送経路を例示している。図4の例において、代替紙幣は、第3の収納部54に収納されているとする。第3の収納部54は、前述したように複数の金種の紙幣を混合収納していてもよい。また、第3の収納部54は、損券を収納していてもよい。損券は、例えば汚損度合いが、基準よりも高い紙幣である。損券は、市場流通から外すことが好ましいため、無効化される代替紙幣として適している。第3の収納部54は、受け入れ処理において、ユーザーがデジタル貨幣への変換を要求しなかった損券を、収納してもよい。
前述したように、貨幣処理装置4の搬送部43は、受け入れ対象の紙幣であって、デジタル化対象の紙幣と判断された紙幣を、第1の一時保留部50へ搬送する(図4の実線の矢印参照)。また、搬送部43は、識別結果に基づいてデジタル化対象でない紙幣と判断された紙幣を、第2の一時保留部51へ搬送する(図4の破線の矢印参照)。
ユーザーの確定操作の後、第3の収納部54は、制御部47の制御信号を受けて、第2の一時保留部51に収納された紙幣と等価値の代替紙幣を繰り出す。代替紙幣は、デジタル化対象でない紙幣と同じ金種の紙幣であってもよい。代替紙幣はまた、デジタル化対象でない貨幣よりも低額の複数の紙幣であってもよい。代替紙幣はまた、デジタル化対象でない複数の貨幣の合計と等価値の1枚の紙幣であってもよい。
搬送部43は、第3の収納部54から繰り出された代替紙幣を、識別部44へ搬送する。識別部44によって識別された代替紙幣は、搬送部43によって第1の一時保留部50へ搬送され、第1の一時保留部50は、識別された代替紙幣を収納する(図4の白抜きの矢印参照)。こうして、ユーザーがデジタル化を要求した紙幣と等価値の物理的な紙幣が、第1の一時保留部50に収納されることになる。
その後、代替紙幣を含むデジタル化対象の紙幣についてのデジタル化処理が完了すれば、第1の一時保留部50は、収納している紙幣を繰り出し、無効化部52は、繰り出された紙幣を無効化する。第1の収納部45は、無効化された紙幣を収納する(図4の白抜きの矢印参照)。また、第2の一時保留部51は、収納している紙幣を繰り出し、搬送部43は、繰り出された紙幣を、第2の収納部46、第3の収納部54、又は、第4の収納部55へ搬送する。第2の収納部46、第3の収納部54、又は、第4の収納部55は、紙幣を収納する。
尚、第3の収納部54に代わって、第2の収納部46が代替紙幣を繰り出してもよい。
また、第3の収納部54(及び第2の収納部46)に、代替紙幣が収納されていない場合、貨幣処理装置4は、そのことを記憶しておき、貨幣処理装置4に、新たに紙幣が受け入れ又は補充された後、当該受け入れ又は補充された紙幣を代替紙幣としてデジタル化及び無効化してもよい。つまり、物理的な紙幣がデジタル貨幣に変換されるタイミングと、代替紙幣を無効化するタイミングとは、ずれていてもよい。
図5は、代替紙幣に関し、デジタル貨幣管理サーバ26が生成するデジタル貨幣のデータ構造91を例示している。代替紙幣を用いた場合、デジタル貨幣のデータには、代替貨幣のデータ、つまり、代替貨幣を特定する代替貨幣ID、金種、及び、識別データの情報が、デジタル貨幣のデータに含まれてもよい。
(代替貨幣の処理に関する変形例)
ユーザーがデジタル貨幣への変換を要求しない場合であっても、特定の条件が満足する場合、貨幣処理装置4は、ユーザーが投入した受け入れ対象の貨幣を、デジタル貨幣へ変換してもよい。例えば、受け入れ対象の貨幣が損券である場合、前述したように、損券は市場流通から外した方がよい。貨幣処理装置4は、受け入れ対象の貨幣が損券である場合は、デジタル貨幣の変換要求の有無にかかわらず、デジタル貨幣管理サーバ26へデジタル貨幣への変換を要求しかつ、損券を無効化してもよい。ユーザーがデジタル貨幣への変換を要求していない場合、生成されたデジタル貨幣はユーザーの口座に入金できない。貨幣処理装置4は、生成されたデジタル貨幣をメモリに保存して管理してもよい。貨幣処理装置4は、管理しているデジタル貨幣を、別の受け入れ処理において、代替のデジタル貨幣として利用することができる。また、デジタル貨幣管理サーバ26が、生成されたデジタル貨幣を管理してもよい。
(両替処理)
貨幣処理装置4は、受け入れ処理として、口座への入金処理ではなく、両替処理を実行してもよい。貨幣処理装置4は、両替処理において、両替元の物理的な貨幣の少なくとも一部を、デジタル貨幣へ変換してもよい。両替処理は、両替先の貨幣が、物理的な貨幣の場合、及び、デジタル貨幣の場合の両方を含む。
例えばユーザーが貨幣処理装置4に投入した両替元の貨幣が損券である場合、当該損券は無効化することが許容される。貨幣処理装置4は、前記と同様に、ユーザーがデジタル貨幣への変換を要求していなくても、損券をデジタル貨幣へ変換すると共に、損券を無効化してもよい。両替先がデジタル貨幣である場合、貨幣処理装置4は、デジタル貨幣を払い出す。両替先が物理的な貨幣である場合、貨幣処理装置4は、生成されたデジタル貨幣と等価値となるように、物理的な貨幣を払い出す。生成されたデジタル貨幣は、貨幣処理装置4によって管理されてもよい。また、デジタル貨幣管理サーバ26が、生成されたデジタル貨幣を管理してもよい。
尚、両替処理においてユーザーへ払い出される両替先の貨幣は、両替元の貨幣と同じ金種の貨幣であってもよい。この両替は、例えば損券から正券への両替、又は、旧券から新券への両替に該当する。また、両替先の貨幣は、両替元の貨幣よりも低額の、複数の貨幣であってもよい。
また、両替処理は、同一通貨間での両替に限らず、外貨両替であってもよい。貨幣処理装置4は、例えば受け入れ対象が外国通貨貨幣であった場合に、為替レートに従って国内通貨に換算した上で、貨幣処理装置4に収納されている代替紙幣をデジタル貨幣に変換し、そして、ユーザーにデジタル貨幣を払い出してもよい。また、貨幣処理装置4は、例えば受け入れ対象が国内通貨貨幣であった場合に、為替レートに従って外国通貨に換算して、物理的な外国通貨貨幣を払い出す一方、受け入れた国内通貨貨幣をデジタル貨幣に変換及び無効化してもよい。
ここで、前述したデジタル貨幣への変換は、固定価値型のデジタル貨幣への変換に相当する。固定価値型のデジタル貨幣とは、物理的な貨幣と同様に、取引時の単位が固定されている。つまり、例えば1000円の固定価値型のデジタル貨幣は、1000円としてのみ取引できる。
固定価値型のデジタル貨幣に対し、可変価値型のデジタル貨幣がある。可変価値型のデジタル貨幣は、取引時の単位を任意に設定することができる。例えば1000円の可変価値型のデジタル貨幣は、1~1000円の間の自由な価値で取引できる。
デジタル貨幣管理サーバ26は、固定価値型のデジタル貨幣を生成し、貨幣処理装置4は、固定価値型のデジタル貨幣を取り扱う。固定価値型のデジタル貨幣は、図3又は図5に例示するように、金種を含めたデータ構造を有しており、取引履歴の情報を有している。こうした固定価値型のデジタル貨幣のデータ構造は、個々のデジタル貨幣の取引をトレースすることを可能にする。
デジタル貨幣が固定価値型であるため、貨幣処理装置4及びデジタル貨幣管理サーバ26を含む本システムは、(1)物理的な貨幣と同じ価値のデジタル貨幣を生成する。(2)物理的な貨幣の価値を分割して複数のデジタル貨幣を生成する。(3)複数の物理的な貨幣の価値を統合して一つのデジタル貨幣を生成する。ことができる。
ここで、図6を参照しながら、貨幣処理装置4が実行する受入処理の一例である両替処理の手順を説明する。この両替処理は、物理的な貨幣又はデジタル貨幣(つまり、両替元)から、デジタル貨幣(つまり、両替先)に両替する処理である。先ず、ユーザーが貨幣処理装置4に対して、両替元の貨幣を貨幣処理装置4に投入する(ステップS51)。両替元の貨幣は、物理的な貨幣である場合、及び、デジタル貨幣である場合の両方があり得る。ユーザーはまた、入力部41を通じて、両替先の金種を指定する(ステップS52)。両替先の金種は、両替元の金種と同じ場合、及び、異なる場合の両方があり得る。
ユーザーの要求操作を受け付けた貨幣処理装置4は、両替先のデジタル貨幣を有しているか否かを判断する(ステップS53)。ステップS53の判断がYESの場合、プロセスはステップS54へ進む。貨幣処理装置4は、両替先のデジタル貨幣を払い出す(ステップS54)。具体的には、貨幣処理装置4は、ユーザーの口座又はデジタルウォレットに両替先のデジタル貨幣を払い出す。貨幣処理装置4は、デジタル貨幣管理サーバ26を通じて、ユーザーの口座又はデジタルウォレットにデジタル貨幣を払い出してもよい。
ステップS53の判断がNOの場合、プロセスはステップS55へ進む。貨幣処理装置4は、デジタル貨幣に変換可能な物理的な貨幣を有しているか否かを判断する。この場合の物理的な貨幣は、少なくとも繰り出し可能な収納部、具体的には第2の収納部46又は第3の収納部54に収納されている貨幣である。ステップS55の判断がYESの場合、プロセスはステップS56へ進む。ステップS55の判断がNOの場合、プロセスはステップS59へ進む。デジタル貨幣に変換可能な物理的な貨幣を有していない場合、貨幣処理装置4は、両替処理をキャンセルする(ステップS59)。両替元の物理的な貨幣又はデジタル貨幣は、ユーザーに返却される。
一方、デジタル貨幣に変換可能な物理的な貨幣を有している場合、貨幣処理装置4は、デジタル化処理を実行する(ステップS56)。具体的には、デジタル化対象の貨幣を収納している収納部(例えば第3の収納部54)が貨幣を繰り出し、搬送部43は、繰り出された貨幣を、識別部44へ搬送する。識別部44が貨幣を識別した後、搬送部43は、識別された貨幣を第1の一時保留部50へ搬送する。第1の一時保留部50は、デジタル化対象の貨幣を収納する(図4の白抜きの矢印参照)。
貨幣処理装置4はまた、デジタル貨幣管理サーバ26に対して、貨幣のデジタル化を要求し、デジタル貨幣管理サーバ26は、貨幣をデジタル貨幣に変換する。デジタル化処理が完了したことを受けて、貨幣処理装置4は、第1の一時保留部50に収納している貨幣を無効化する(ステップS57)。具体的には、前記の通り、第1の一時保留部50から繰り出された貨幣が無効化部52へ搬送され、無効化部52は貨幣を無効化する。無効化された貨幣は、第1の収納部45へ収納される。物理的な貨幣がデジタル貨幣に変換されると、貨幣処理装置4は、ユーザーの口座又はデジタルウォレットへ、両替先のデジタル貨幣を払い出す。
この両替処理を具体例に沿って説明する。ユーザーが物理的な10000円紙幣又は固定価値型の10000円のデジタル貨幣から、固定価値型の1000円のデジタル貨幣への両替を要求したと仮定する。
貨幣処理装置4が、10個の1000円のデジタル貨幣を有している場合、貨幣処理装置4は、デジタル貨幣を払い出す(ステップS54)。また、貨幣処理装置4が、デジタル貨幣に変換できる、10枚の1000円紙幣を収納している場合、貨幣処理装置4は、当該紙幣をデジタル貨幣に変換して、払い出す(ステップS58)。貨幣処理装置4が、5000円紙幣を収納している場合、又は、10000円紙幣を収納している場合も、物理的な紙幣の価値を分割することによって、貨幣処理装置4は、10個の1000円のデジタル貨幣に変換できる。
貨幣処理装置4が、デジタル貨幣を有していない場合、及び、デジタル貨幣に変換できる物理的な貨幣を収納していない場合、貨幣処理装置4は、両替処理をキャンセルする(ステップS59)。
尚、前記の例とは逆に、ユーザーが物理的な10枚の1000円紙幣又は固定価値型の10個の1000円のデジタル貨幣から、固定価値型の10000円のデジタル貨幣への両替を要求したと仮定する。
貨幣処理装置4が、10000円のデジタル貨幣を有している場合、貨幣処理装置4は、デジタル貨幣を払い出す(ステップS54)。また、貨幣処理装置4が、デジタル貨幣に変換できる、10000円紙幣を収納している場合、貨幣処理装置4は、当該紙幣をデジタル貨幣に変換して、払い出す(ステップS58)。貨幣処理装置4が、2枚の5000円紙幣を収納している場合、又は、10枚の1000円紙幣を収納している場合も、物理的な紙幣の価値を統合することによって、貨幣処理装置4は、一つの10000円のデジタル貨幣に変換できる。
こうした両替処理を行う貨幣処理装置4は、前述したように銀行に設置されたATMに限らず、例えばリテールのPOS(Point of Sales)レジスタに接続される釣銭機であってもよい。また、貨幣処理装置4が釣銭機である場合は、物品を購入した代金を支払う精算処理も受け入れ処理の一例とすることができる。精算処理において、ユーザーが、購入代金より高額の貨幣を釣銭機に投入し、釣銭をデジタル貨幣で受け取る場合に、上述の両替処理の手順をそのまま適用することができる。
(他の実施形態)
貨幣処理装置は、受入処理の一例である補充処理を実行してもよい。貨幣処理装置は、補充処理を実行している最中に、デジタル化可能な貨幣が見つかると、当該貨幣をデジタル貨幣へ変換及び無効化を行ってもよい。つまり、補充処理は、受け入れ部を通じて、又は、装置に取り付けられた補充カセットを通じて、補充対象の物理的な貨幣が貨幣処理装置に受け入れられ、貨幣処理装置の収納部に収納される処理である。補充処理において、識別部が補充対象の物理的な貨幣を識別した結果、デジタル化可能な貨幣又はデジタル化すべき貨幣が見つかった場合、貨幣処理装置は、前述した手順に準じて、当該貨幣をデジタル貨幣へ変換及び無効化を行ってもよい。
また、貨幣処理装置は、精査処理を実行している最中に、デジタル化可能な貨幣が見つかると、当該貨幣をデジタル貨幣へ変換及び無効化を行ってもよい。つまり、精査処理は,収納部に収納されている貨幣を繰り出して識別を行った後、識別された貨幣を元の収納部に収納し直す処理である。精査処理において、識別部が補充対象の物理的な貨幣を識別した結果、デジタル化可能な貨幣又はデジタル化すべき貨幣が見つかった場合、貨幣処理装置は、前述した手順に準じて、当該貨幣をデジタル貨幣へ変換及び無効化を行ってもよい。
補充処理又は精査処理においてデジタル貨幣への変換を行った場合、生成されたデジタル貨幣は、貨幣処理装置において管理してもよいし、デジタル貨幣管理サーバ26において管理してもよい。
4、1000、1001 貨幣処理装置
41 入力部
42、1002 受け入れ部
43、1003 搬送部
44,1004 識別部
45、1005 第1の収納部
46 第2の収納部
47、1007 制御部
49 払出部(返却部)
52 無効化部
54、1009 第3の収納部

Claims (16)

  1. 受け入れ対象の貨幣を装置内へ送り出す受け入れ部と、
    前記受け入れ部に接続された搬送路を有しかつ、前記受け入れ部が送り出した貨幣を搬送する搬送部と、
    貨幣を識別しかつ、識別信号を出力する識別部と、
    前記搬送路が接続されかつ、識別された貨幣を収納する第1の収納部と、
    受け入れ処理において、前記識別信号に基づいて前記受け入れ対象の貨幣がデジタル化対象の貨幣か否かを決定しかつ、デジタル化対象の貨幣が前記第1の収納部に収納されるよう、制御信号を出力する制御部と、を備えている、貨幣処理装置。
  2. 前記第1の収納部に接続されかつ、前記デジタル化対象の貨幣を無効化させる無効化部をさらに備え、
    前記第1の収納部は、無効化された貨幣を収納する、請求項1に記載の貨幣処理装置。
  3. 前記制御部は、前記受け入れ処理において、前記受け入れ対象の貨幣から変換されたデジタル貨幣が、指定された口座に入金されるよう、入金信号を出力する、請求項1又は2に記載の貨幣処理装置。
  4. 前記制御部は、前記受け入れ処理において、前記受け入れ対象の貨幣と等価値の金銭が、指定された口座に入金されるよう、入金信号を出力する、請求項3に記載の貨幣処理装置。
  5. 前記制御部は、前記識別信号としての、前記受け入れ対象の貨幣の新旧情報、正損情報、通貨情報、及び、金種情報の少なくとも一つに基づいて、前記受け入れ対象の貨幣がデジタル化対象の貨幣か否かを決定する、請求項1~4のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
  6. 前記制御部は、前記識別信号としての、前記受け入れ対象の貨幣の識別番号に基づいて、前記受け入れ対象の貨幣がデジタル化対象の貨幣か否かを決定する、請求項1~4のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
  7. 前記搬送路が接続されかつ、返却対象の貨幣を保持する返却部をさらに備え、
    前記制御部は、デジタル化対象でない貨幣が前記返却部に返却されるよう、制御信号を出力する、請求項1~6のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
  8. 前記搬送路が接続されかつ、デジタル化対象でない貨幣を収納する第2の収納部をさらに備えている、請求項1~6のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
  9. 前記搬送路が接続されかつ、デジタル化対象でない貨幣の代替貨幣を収納する第3の収納部をさらに備え、
    前記制御部は、前記第2の収納部がデジタル化対象でない貨幣を収納する場合に、前記代替貨幣がデジタル貨幣に変換されかつ、変換されたデジタル貨幣が指定された口座に入金されるよう、入金信号を出力する、請求項8に記載の貨幣処理装置。
  10. 前記制御部は、前記第3の収納部が繰り出した代替貨幣が前記第1の収納部に収納されるよう、制御信号を出力する、請求項9に記載の貨幣処理装置。
  11. デジタル貨幣の情報には、デジタル化対象でない受け入れ対象の貨幣の情報と、代替貨幣の情報との両方が含まれる、請求項9又は10に記載の貨幣処理装置。
  12. 受け入れ対象の貨幣を装置内へ送り出す受け入れ部と、
    前記受け入れ部に接続された搬送路を有しかつ、前記受け入れ部が送り出した貨幣を搬送する搬送部と、
    前記搬送路が接続されかつ、受け入れ対象の貨幣のうちデジタル化対象の貨幣を収納する第1の収納部と、
    前記搬送路が接続されかつ、収納している貨幣を繰り出す第3の収納部と、
    受け入れ処理において、受け入れ対象の貨幣のうちデジタル化対象でない貨幣の代替貨幣が前記第3の収納部から繰り出されかつ、前記代替貨幣がデジタル化対象の貨幣として前記第1の収納部に収納されるよう、制御信号を出力する制御部と、を備えている、貨幣処理装置。
  13. 前記第1の収納部に接続されかつ、前記デジタル化対象の貨幣を無効化させる無効化部をさらに備え、
    前記第1の収納部は、無効化された貨幣を収納する、請求項12に記載の貨幣処理装置。
  14. 前記第3の収納部は、デジタル化対象でない貨幣と等価値となる一又は複数の代替貨幣を繰り出す、請求項12又は13に記載の貨幣処理装置。
  15. 受け入れ部が、受け入れ対象の貨幣を装置内へ送り出し、
    識別部が、受け入れ対象の貨幣を識別して、識別信号を出力し、
    制御部が、前記識別信号に基づいて受け入れ対象の貨幣がデジタル化対象の貨幣か否かを決定し、
    搬送部が、前記制御部の決定を受けて、デジタル化対象の貨幣を第1の収納部へ搬送し、
    前記第1の収納部が、デジタル化対象の貨幣を収納する、貨幣処理方法。
  16. 受け入れ部が、受け入れ対象の貨幣を装置内へ送り出し、
    第1の収納部が、受け入れ対象の貨幣のうちデジタル化対象の貨幣を収納し、
    第3の収納部が、受け入れ対象の貨幣のうちデジタル化対象でない貨幣の代替貨幣を繰り出し、
    前記第1の収納部が、前記代替貨幣をデジタル化対象の貨幣として収納する、貨幣処理方法。
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