JP2023136381A - 液滴吐出ヘッドの基板加工装置及び液滴吐出ヘッドの基板加工方法 - Google Patents

液滴吐出ヘッドの基板加工装置及び液滴吐出ヘッドの基板加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液滴吐出ヘッドの基板に貫通穴を好適に形成できる液滴吐出ヘッドの基板加工装置及び液滴吐出ヘッドの基板加工方法を提供する。【解決手段】液滴吐出ヘッドの基板加工装置100において、レーザー光源1は、レーザー光L1を出射する。反射型空間変調器2は、レーザー光L1を変調させて複数の加工レーザー光L2を生成する。揺動ミラー5は、加工レーザー光L2を反射させる。集光レンズ6は、加工レーザー光L2を基板SUに集光する。結像光学系3は、反射型空間変調器2の反射面21と揺動ミラー5の入射面51とが結像する関係にある両側テレセントリック光学系を構成する。移動機構7は、基板SUを移動させる。ガスブロー機構8は、貫通穴形成時に基板SUから生じる粉塵を除去する。反射型空間変調器2は、基板SUの所定位置に複数の加工レーザー光L2を照射して均一な形状及び寸法の複数の貫通穴を形成するよう位相ホログラムを補正する。【選択図】図1

Description

本発明は、液滴吐出ヘッドの基板加工装置及び液滴吐出ヘッドの基板加工方法に関する。
従来、レーザー光を用いて直径100μm程度の小さな穴を基板に形成する装置が知られている。この装置は、意図した形状の穴を意図した位置に高い精度で形成できる。例えば、回折型光学部品と、ガルバノミラーと、多数の分岐ビームを集光するfsinθレンズと、を備えた装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、この装置では、回折型光学部品の品質、レンズの歪み等により、実際の穴の加工位置が意図した位置からずれるか、及び/又は、実際の穴の加工形状が意図した形状からずれることがある。
上記の問題点を解決するために、回折型光学部品の代わりに反射型空間変調器を用いた装置が知られている(例えば、特許文献2を参照)。この装置では、反射型空間変調器が、位相ホログラムを用いて、基板の複数の位置に穴を形成するためのレーザー光を同時に集光させる。
特許第3346374号 特許第6382796号
しかしながら、上記の装置を用いて、液滴吐出ヘッドを構成する基板に貫通穴を形成する場合、レーザー加工により発生する粉塵により貫通穴が好適に形成されないことがあった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液滴吐出ヘッドを構成する基板に貫通穴を好適に形成できる液滴吐出ヘッドの基板加工装置及び液滴吐出ヘッドの基板加工方法を提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
液滴吐出ヘッドを構成する基板に穴径が5μm~200μmの複数の貫通穴を形成する液滴吐出ヘッドの基板加工装置であって、
レーザー光を出射するレーザー光源と、
位相ホログラムを用いて前記レーザー光を変調させて、前記基板に一次元的又は二次元的に並んで配置された前記複数の貫通穴を同時に形成するための複数の加工レーザー光を生成する反射型空間変調器と、
前記反射型空間変調器にて生成された前記複数の加工レーザー光を反射させるミラーと、
前記ミラーにより反射された前記複数の加工レーザー光のそれぞれを前記基板に集光する集光レンズと、
前記反射型空間変調器の反射面と前記ミラーの入射面とが結像する関係にある両側テレセントリック光学系を構成する結像光学系と、
前記複数の加工レーザー光に対して前記基板を移動させる移動機構と、
前記基板に対してガスを噴射して、前記基板から発生する粉塵を除去するガスブロー機構と、を備え、
前記反射型空間変調器は、前記ミラーの反射角度を変化させて前記基板の所定位置に前記複数の加工レーザー光を照射することで前記所定位置に均一な形状及び寸法の複数の貫通穴を同時に形成するよう前記位相ホログラムを補正する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置であって、
前記加工レーザー光の偏光方向を順次変更させる偏光方向回転機構を備え、
前記偏光方向回転機構は、1/2λ波長板と、当該1/2λ波長板を前記加工レーザー光の光軸方向に沿った軸周りに回転させる駆動部と、を備える。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置であって、
前記1/2λ波長板の回転数をxrpm、前記加工レーザー光の繰り返し周波数をyHzとした場合、下記の(1)を満たすように構成されている。
(1)x×60>y
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置であって、
前記結像光学系及び前記集光レンズにより集光された前記複数の加工レーザー光に対して発生する像面湾曲収差が20μm以下であり、非点隔差が5μm以下である。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置であって、
前記結像光学系は、2つの平凸レンズの凸面を向かい合わせて組み合わせた組レンズ、ダブレットレンズ又は非球面レンズで構成される。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置であって、
前記集光レンズはfsinθレンズである。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置であって、
前記反射型空間変調器は、前記集光レンズにより集光された前記複数の加工レーザー光に対して発生する像面湾曲収差を小さくするよう前記位相ホログラムを補正する。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置であって、
前記反射型空間変調器は、前記集光レンズにより集光された前記複数の加工レーザー光の強度が均一になるよう前記位相ホログラムを補正する。
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置であって、
前記反射型空間変調器は、前記複数の貫通穴の実際の加工ピッチが所望の加工ピッチとなるよう前記位相ホログラムを補正する。
請求項10に記載の発明は、請求項1から9のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置であって、
前記反射型空間変調器は、前記集光レンズによる前記複数の加工レーザー光の集光位置が0次光の集光位置とは異なるよう前記位相ホログラムを補正する。
請求項11に記載の発明は、請求項1から10のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置であって、
前記移動機構は、前記基板を一次元的又は二次元的に移動させて、前記基板に連続した穴群を形成させる。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置であって、
前記移動機構により前記基板を移動させて前記穴群を形成する際に、前記移動機構により移動後の前記基板の位置と前記基板において前記複数の加工レーザー光を照射すべき位置との間にずれが生じていれば、前記反射型空間変調器は、当該ずれを補正するよう前記位相ホログラムを補正する。
請求項13に記載の発明は、
液滴吐出ヘッドを構成する基板に穴径が5μm~200μmの複数の貫通穴を形成する液滴吐出ヘッドの基板加工装置であって、
レーザー光を出射するレーザー光源と、
前記レーザー光を変調させて、加工レーザー光を生成する反射型空間変調器と、
前記反射型空間変調器にて生成された前記加工レーザー光を反射させるミラーと、
前記ミラーにより反射された前記加工レーザー光のそれぞれを前記基板に集光する集光レンズと、
前記反射型空間変調器の反射面と前記ミラーの入射面とが結像する関係にある両側テレセントリック光学系を構成する結像光学系と、
前記加工レーザー光に対して前記基板を移動させる移動機構と、
前記基板に対してガスを噴射して、前記基板から発生する粉塵を除去するガスブロー機構と、
を備える。
請求項14に記載の発明は
基板に穴径が5μm~200μmの複数の貫通穴を形成する液滴吐出ヘッドの基板加工方法であって、
レーザー光を出射する出射工程と、
位相ホログラムを用いて前記レーザー光を変調させて、前記基板に一次元的又は二次元的に並んで配置された前記複数の貫通穴を同時に形成するための複数の加工レーザー光を生成する生成工程と、
前記生成工程で生成された前記複数の加工レーザー光を反射させる反射工程と、
前記反射工程で反射された前記複数の加工レーザー光のそれぞれを前記基板に集光する集光工程と、
前記生成工程における反射面と前記反射工程における入射面とが結像する関係にある両側テレセントリック光学系を構成する結像光学工程と、
前記複数の加工レーザー光に対して前記基板を移動させる移動工程と、
前記基板に対してガスを噴射して、前記基板から発生する粉塵を除去するガスブロー工程と、を備え、
前記生成工程は、前記反射工程における反射角度を変化させて前記基板の所定位置に前記複数の加工レーザー光を照射することで前記所定位置に均一な形状及び寸法の複数の貫通穴を同時に形成するよう前記位相ホログラムを補正する。
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法であって、
前記加工レーザー光の偏光方向を順次変更させる偏光方向回転工程を備え、
前記偏光方向回転工程は、1/2λ波長板と、当該1/2λ波長板を前記加工レーザー光の光軸方向に沿った軸周りに回転させる駆動部と、を用いる。
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法であって、
前記1/2λ波長板の回転数をxrpm、前記加工レーザー光の繰り返し周波数をyHzとした場合、下記の(1)を満たす。
(1)x×60>y
請求項17に記載の発明は、請求項14から16のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法であって、
前記結像光学工程及び前記集光工程により集光された前記複数の加工レーザー光に対して発生する像面湾曲収差が20μm以下であり、非点隔差が5μm以下である。
請求項18に記載の発明は、請求項14から17のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法であって、
前記結像光学工程は、2つの平凸レンズの凸面を向かい合わせて組み合わせた組レンズ、ダブレットレンズ又は非球面レンズを用いる。
請求項19に記載の発明は、請求項14から18のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法であって、
前記集光工程はfsinθレンズを用いる。
請求項20に記載の発明は、請求項14から19のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法であって、
前記生成工程は、前記集光工程で集光された前記複数の加工レーザー光に対して発生する像面湾曲収差を小さくするよう前記位相ホログラムを補正する。
請求項21に記載の発明は、請求項14から20のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法であって、
前記生成工程は、前記集光工程で集光された前記複数の加工レーザー光の強度が均一になるよう前記位相ホログラムを補正する。
請求項22に記載の発明は、請求項14から21のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法であって、
前記生成工程は、前記複数の貫通穴の実際の加工ピッチが所望の加工ピッチとなるよう前記位相ホログラムを補正する。
請求項23に記載の発明は、請求項14から22のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法であって、
前記生成工程は、前記集光工程における前記複数の加工レーザー光の集光位置が0次光の集光位置とは異なるよう前記位相ホログラムを補正する。
請求項24に記載の発明は、請求項14から23のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法であって、
前記移動工程は、前記基板を一次元的又は二次元的に移動させて、前記基板に連続した穴群を形成させる。
請求項25に記載の発明は、請求項24に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法であって、
前記移動工程により前記基板を移動させて前記穴群を形成する際に、前記移動工程による移動後の前記基板の位置と前記基板において前記複数の加工レーザー光を照射すべき位置との間にずれが生じている場合、前記生成工程は、当該ずれを補正するよう前記位相ホログラムを補正する。
本発明によれば、液滴吐出ヘッドを構成する基板に貫通穴を好適に形成できる液滴吐出ヘッドの基板加工装置及び液滴吐出ヘッドの基板加工方法を提供することができる。
液滴吐出ヘッドの基板加工装置の全体構成を示す模式図である。 液滴吐出ヘッドの基板加工装置のブロック図である。 液滴吐出ヘッドの基板における、加工レーザー光の偏光方向を示す模式図である。 本実施形態に係る一のガスブロー機構の実施形態を示す模式図である。 本実施形態に係る他のガスブロー機構の実施形態を示す模式図である。 液滴吐出ヘッドの基板への貫通穴の形成例を示す上面図である。 液滴吐出ヘッドの基板に形成した貫通穴の断面形状の例を示す断面図である。 加工レーザー光の配置例を示す図である。 テーパ形状の貫通穴加工における集光点の周回動作の例を示す図である。 像面湾曲収差の影響を受けた複数の加工レーザー光の照射状態を示す模式図である。 像面湾曲収差を補正するために基準位相ホログラムを補正した後の設定上の集光点と、補正後の加工レーザー光集光点位置の配置例を示す図である。 加工レーザー光の強度を均一とするための集光点の基準位相ホログラムの設定上の光強度と補正後の光強度を示す図である。 貫通穴の加工ピッチがずれた状態の一例を示す模式図である。 加工ピッチのずれを補正するための集光点の配置例を示す図である。 0次光と加工レーザー光の集光点との位置関係の一例を示す図である。 前回形成された貫通穴と今回形成された貫通穴との配置の方向が異なる状態の一例を示す図である。 移動機構の移動により生じる貫通穴の形成位置のずれを補正するための集光点の配置例を示す図である。 液滴吐出ヘッドの基板に形成可能な貫通穴の他の例を示す図である。
[液滴吐出ヘッドの基板加工装置の全体構成]
以下、各図を用いて、液滴吐出ヘッドの基板加工装置100の構成を説明する。
図1は、基板加工装置100の全体構成を示す図である。また、図2は基板加工装置100の機能的構成を示すブロック図である。
基板加工装置100は、一次元的又は二次元的に並んで配置された複数の加工レーザー光L2を基板SUに同時に照射することにより、液滴吐出ヘッドの基板SUに一次元的又は二次元的に並んで配置された複数の貫通穴H(図5参照)を同時に形成し、液滴吐出ヘッドの基板SUを加工する装置である。複数の加工レーザー光L2は、レーザー光源から出射されたレーザー光L1を反射型空間変調器により変調することで生成される。
基板加工装置100は、レーザー光源1と、反射型空間変調器2と、結像光学系3と、偏光方向回転機構4と、揺動ミラー5と、集光レンズ6と、移動機構7と、ガスブロー機構8と、制御部9と、を備える。
なお、本発明において基板加工の対象となる基板SUは、例えば、ノズル孔が形成されるノズル板であるが、液滴吐出ヘッドを構成する基板であれば、どのような基板であってもよい。
(レーザー光源)
レーザー光源1は、レーザー光L1を出射する。レーザー光源1から出射されるレーザー光L1は、例えば、近赤外光領域の波長(例えば、1000nm~1200nmの波長)を有する。レーザー光源1は、短パルス光としてレーザー光L1を出射する。レーザー光L1のパルス幅は、例えば、ピコ秒~フェムト秒のパルス幅とできる。レーザー光L1の波長及びパルス幅は、基板SUの材質等により適宜変更できる。
レーザー光源1から出射されたレーザー光L1は、第1ミラー11と、第2ミラー13と、により反射され、反射型空間変調器2に入射される。なお、第2ミラー13は、例えば、プリズムである。
(反射型空間変調器)
反射型空間変調器2は、レーザー光源1から出射されたレーザー光L1を反射面21にて入射し、入射されたレーザー光L1を変調して加工レーザー光L2を生成する。反射型空間変調器2は、例えば、反射型液晶(LCOS:Liquid Crystal on Silicon)による空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)である。反射型空間変調器2は、レーザー光L1を変調して加工レーザー光L2を生成するとともに、当該加工レーザー光L2を反射させて外部に出射する。
反射型空間変調器2は、反射面21にアレイ状に形成された画素電極と、当該画素電極に対向して設けられた対向電極と、画素電極と対向電極との間に配置された液晶と、を有している。この反射型空間変調器2においては、各画素電極と対向電極との間に電圧を印加して、画素電極に対応する領域の液晶の配向状態を制御することにより、画素電極毎に屈折率を調整できる。
画素電極に入射したレーザー光L1は、反射面21上の各画素電極における光の屈折率に依存した位相を有して反射される。すなわち、レーザー光L1は、各画素電極の屈折率に依存して位相変調される。従って、反射面21上の複数の画素電極のそれぞれに対して屈折率を適切に調整し、反射型空間変調器2に入射されたレーザー光L1を反射面21上の画素電極単位で位相変調することで、反射型空間変調器2は、任意の形態を有する加工レーザー光L2を生成できる。反射型空間変調器2にて生成される加工レーザー光L2の形態は、各画素電極の屈折率を表す「位相ホログラム」により決定される。また、反射型空間変調器2の各画素電極に印加する電圧は、位相ホログラムに基づいて決定できる。
本実施形態において、反射型空間変調器2は、上記の位相ホログラムを用いてレーザー光L1を位相変調して、一次元的又は二次元的に並んで配置された複数の加工レーザー光L2を生成する。1つの加工レーザー光L2は、基板SUに照射されることで1つの貫通穴Hを形成する。すなわち、本実施形態の基板加工装置100では、複数の加工レーザー光L2を同時に基板SUに照射して、基板SUに複数の貫通穴Hを同時に形成できる。
(結像光学系)
結像光学系3は、反射型空間変調器2と揺動ミラー5との間に配置され、第1レンズ31と、第2レンズ32と、により構成される光学系である。第1レンズ31は、加工レーザー光L2の光路上において、反射型空間変調器2の反射面21から第1レンズ31の焦点距離だけ離れた位置に配置される。第2レンズ32は、加工レーザー光L2の光路上において、揺動ミラー5の入射面51から第2レンズ32の焦点距離だけ離れた位置に配置される。また、第1レンズ31と第2レンズ32は、第1レンズ31の焦点距離と第2レンズ32の焦点距離の合計と同じ距離だけ離間して配置される。例えば、第1レンズ31と第2レンズ32の焦点距離は、例えば100mm~200mmである。
上記のように配置された2つのレンズ(第1レンズ31、第2レンズ32)を有する結像光学系3は、反射型空間変調器2の反射面21と揺動ミラー5の入射面51とが結像する関係にある両側テレセントリック光学系を構成する。これにより、結像光学系3は、反射型空間変調器2から出射された加工レーザー光L2が空間伝播によって波面形状が変化して収差が増大するのを抑制できる。
結像光学系3で用いられる第1レンズ31及び第2レンズ32は、2つの平凸レンズの凸面を向かい合わせて組み合わせた組レンズである。なお、平凸レンズの組レンズに代えて、ダブレットレンズ、又は、非球面レンズを使用してもよい。ダブレットレンズは、屈折率の異なる凸レンズと凹レンズとを貼り合わせることで形成されたレンズである。第1レンズ31及び第2レンズ32として平凸レンズの組レンズ、ダブレットレンズ又は非球面レンズを使用することで、結像光学系3により発生する加工レーザー光L2の収差を小さくできる。
なお、結像光学系3は、反射型空間変調器2による補正により、加工レーザー光L2の集光位置を目的の位置に補正可能な範囲で収差を抑えるように、種類や形状が選定される。具体的には、結像光学系3に平凸レンズの組レンズを使用する場合、反射型空間変調器2で補正可能な集光位置の高さに影響する像面湾曲収差は20μm以下とするのが望ましい。平凸レンズの組レンズである結像光学系3の像面湾曲収差は、例えば、15μmである。また、反射型空間変調器2による補正が困難な非点隔差については、5μm以下とするのが望ましい。一方、結像光学系3にダブレットレンズ、又は、非球面レンズを使用する場合、この結像光学系3の像面湾曲収差は、例えば、60μm以下にすることが望ましい。
(偏光方向回転機構)
偏光方向回転機構4は、加工レーザー光L2の偏光方向を回転させる。具体的には、偏光方向回転機構4は、1/2λ波長板41と、当該1/2λ波長板41を、加工レーザー光L2の光軸方向に沿った軸周りに回転させる駆動部42と、を有する。
レーザー加工においては、加工レーザー光L2の偏光方向によって、基板SUの加工量に偏りが生じてしまう。そのため、液滴吐出ヘッドのノズルとなるような、真円状の貫通穴Hを形成するに際しては、加工レーザー光L2は円偏光とするのが好ましい。
従来、入射光の偏光方向が、1/4λ波長板の速軸または遅軸に対して45°の方位角となるように入射させることで、直線偏光の加工レーザー光L2を円偏光に変えることができる。しかし、45°以外の方位角で入射させた場合、加工レーザー光L2が円偏光ではなく、楕円偏光に変わってしまい、基板SUの加工量に偏りが生じてしまう。そのため、加工の度に各機器の位置合わせを精密に行う必要があり、手間であった。
これに対して、本実施形態においては、加工レーザー光L2が、駆動部42によって、加工レーザー光L2の光軸方向に沿った軸周りに回転している状態の1/2λ波長板41を通過する。そのため、図3に示すように、加工レーザー光L2は、それぞれ異なるベクトルの直線偏光となる。結果、容易に基板SUの加工量の偏りを小さくできる。
なお、駆動部42による1/2λ波長板41の回転数としては、少なくとも、加工レーザー光L2の繰り返し周波数と同等以上であるのが好ましい。具体的には、1/2λ波長板41の回転数をxrpm、加工レーザー光L2の繰り返し周波数をyHzとした場合、x×60>yを満たすような回転数とするのが好ましい。
このようにすることで、加工レーザー光L2のベクトルがいずれの向きともなり得るため、より基板SUの加工量の偏りを小さくできる。
なお、1/2λ波長板41の回転数と、加工レーザー光L2の繰り返し周波数は、共に決まった組み合わせに限られない。すなわち、使用者が加工レーザー光L2の繰り返し周波数を変更可能な構成とした上で、変更された繰り返し周波数に合わせて自動的に1/2λ波長板41の回転数も変更されるものとしてもよい。
また、偏光方向回転機構4の設置箇所としては、図1に示すような、第2レンズ32と揺動ミラー5との間の箇所に限られない。少なくとも反射型空間変調器2よりも後側の光路上であって、かつ、集光レンズ6よりも前側の光路上であれば良いが、以後の説明においては図1に示す箇所に設置されているものとして説明を行う。
(揺動ミラー)
揺動ミラー5は、1/2λ波長板41を通過した加工レーザー光L2を、集光レンズ6に向けて反射させるミラーである。揺動ミラー5は、加工レーザー光L2の伝搬方向に対して垂直な軸A1回りに回動可能となっており、加工レーザー光L2の伝搬方向に対する揺動ミラー5の入射面51の角度を変更可能となっている。これにより、揺動ミラー5は、入射面51における加工レーザー光L2の反射角度を変化させて、移動機構7に載置された基板SUの所定の範囲に加工レーザー光L2を照射できる。
(集光レンズ)
集光レンズ6は、揺動ミラー5と基板SUとの間に配置され、揺動ミラー5により反射された複数の加工レーザー光L2のそれぞれを基板SUに集光する。集光レンズ6の瞳位置は、揺動ミラー5の入射面51と一致させる。これにより、集光レンズ6から出射した複数の加工レーザー光L2は、テレセントリックとなるので、基板SUの平面に対して垂直に入射するようになる。基板SUに集光された各加工レーザー光L2は、基板SUに貫通穴Hを形成する。なお、集光レンズ6は、図示しない移動機構により、基板SUとの間の距離を変更可能となっている。集光レンズ6は、例えば、焦点距離が50mm~150mmであるfsinθレンズである。
基板加工装置100においては、上記の結像光学系3及び集光レンズ6は、集光レンズ6により集光された加工レーザー光L2に対して発生する像面湾曲収差が20μm以下となるように選択されている。これにより、基板SUの位置による加工レーザー光L2の照射状態の変化が小さくなるので、基板SUの広い範囲に複数の均一な形状及び寸法の貫通穴Hを形成できる。
(移動機構)
移動機構7は、集光レンズ6により集光された複数の加工レーザー光L2に対して、基板SUを移動させる。具体的には、移動機構7は、基板SUを載置するステージ71と、ステージ71を三次元的(図1においては、紙面の上下左右方向、及び、紙面の法線方向)に移動させるステージ移動部72と、を有する。移動機構7により、基板SUを複数の加工レーザー光L2に対して一次元的(図1の紙面の左右方向、又は、紙面の法線方向)に移動させることで、基板SUに一次元的に並んで連続配置された穴群を形成できる。また、基板SUを複数の加工レーザー光L2に対して二次元的(図1の紙面の左右方向、及び、紙面の法線方向)に移動させることで、基板SUに二次元的に並んで配置された穴群を形成できる。
(ガスブロー機構)
図4Aは、図1のガスブロー機構8近傍を拡大した図である。
図4Aに示すように、ガスブロー機構8は、具体的には、加工レーザー光L2の波長に対して充分な透過性を有する高圧なアシストガス(例えば、OやN)を、集光レンズ6により集光された複数の加工レーザー光L2が照射された基板SUに対して噴射することで、基板SUの加工に際して生じる粉塵を吹き飛ばして除去する装置である。なお、ガスブロー機構8が噴射するガスは、空気でもよい。
ガスブロー機構8と、基板SUにおける加工レーザー光L2の加工部とは、常に一定の距離となるようにその位置関係が保たれている。具体的には、当該距離は、1~30mmであるのが好ましい。この場合、ガスブロー機構8のノズル出口における流速を、少なくとも80mm/sec以上、好ましくは120mm/sec以上とすることで、基板SUから充分に粉塵を除去することができる。
また、図4Aに示す、ガスブロー機構8と基板SUのなす角度θが、15°<θ≦90°を満たす位置にガスブロー機構8が設けられているのが好ましい。また、22.5°≦θ≦45°を満たす位置にガスブロー機構8が設けられているのがなお好ましい。
ガスブロー機構8が、このような位置に設けられていると、基板SUから生じる粉塵を好適に除去できる。
θ=90°となる場合のガスブロー機構8の構成例を図4Bに示す。
当該構成においては、ガスブロー機構8は、加工レーザー光L2の光軸と同軸上に配置されており、側面部のガス導入口から取り込んだアシストガスをガスノズルから射出する。これは、ガスブロー機構8が加工レーザー光L2に干渉するのを防ぐことを目的とする。
なお、本構成においては、加工レーザー光L2を透過するウィンドレンズ81を設ける構成を例示しているが、これに限られない。また、図4Bにおいては、ステージ71として、板状のものを図示しているが、基板SUの加工部と当接する箇所を開口部として、粉塵が抜けるようにしても構わない。また、集塵機を設けてガスブロー機構8が吹き飛ばした粉塵を回収できるようにしても構わない。
(制御部)
制御部9は、CPU、記憶装置(例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)など)、各種インタフェースにて構成されるコンピュータシステムであり、基板加工装置100の各構成要素を制御する。
制御部9は、上記の構成を個別の部品とするコンピュータシステムにより実現されてもよいし、上記の構成を1つのチップに集積したSoC(System on a Chip)により実現されてもよい。制御部9は、以下に説明する基板加工装置100の制御を、制御部9を構成するコンピュータシステムで実行可能であるプログラムにより実現する。また、以下の制御の一部をソフトウェア的に実現し、残りの制御をハードウェア的に実現してもよい。
具体的には、制御部9は、レーザー光源1を制御して、レーザー光源1からレーザー光L1を出射させる。制御部9は、位相ホログラムに基づいて反射型空間変調器2の各画素電極に印加する電圧を決定し、当該電圧を各画素電極に出力することで、反射型空間変調器2を制御する。制御部9は、1/2λ波長板41の回転数を、加工レーザー光L2の繰り返し周波数に合わせて制御する。制御部9は、揺動ミラー5を回動させて、入射面51における加工レーザー光L2の反射角度を変化させる。制御部9は、移動機構7のステージ移動部72を制御してステージ71を移動させることで、ステージ71に載置された基板SUを移動させる。制御部9は、ガスブロー機構8を制御して、ガスを基板SUに向けて噴射させる。
[基板加工装置による穴形成動作]
以下、上記の構成を有する基板加工装置100による基板SUへの貫通穴形成動作を説明する。
以下では、図5及び図6に示すような、基板SUの表面から裏面にかけて穴径が小さくなるテーパ形状の貫通穴Hを、横に16個のものが縦に2列並ぶように、合計32個形成する動作を例にとって説明する。また、基板加工装置100は、レーザー光L1を反射型空間変調器2により変調して、図7に示すような横に8個のものが縦に2列並んだ合計16個の加工レーザー光L2の集光点Pを、基板SUに形成するものとする。すなわち、基板加工装置100は、貫通穴Hを、横に8個のものが縦に2列並ぶように、合計16個同時に形成できる。
なお、本実施形態において、図6に示すノズルの貫通穴Hの穴径wは、好ましくは5μm~200μmの範囲内である。また、より好ましくは10μm~50μmの範囲内である。
図5は基板SUの表面から見た貫通穴Hの形成例を示す図であり、図6は個々の貫通穴Hの断面形状を示す図である。また、図7は、加工レーザー光L2の配置例を示す図である。
図5に示すような配置の貫通穴Hを形成する場合、基板加工装置100においては、図7に示すような配置の加工レーザー光L2の集光点Pを、揺動ミラー5の入射面51の角度を変更することにより、形成しようとする貫通穴Hの外形に沿って周回移動させながら基板SUを上方向に移動させて、貫通穴Hを形成する。このとき、図8に示すように、基板SUを上方向に移動させるに従って(すなわち、貫通穴Hの深さが深くなるに従って)、集光点Pを周回移動させる形状を小さくすることによりテーパ形状の貫通穴Hを形成する。図7に示す配置の加工レーザー光L2で16個の貫通穴Hを形成した後に、基板SUを加工レーザー光L2に対して横方向に移動させ、当該特定位置と隣接する位置に再び図7に示す配置の貫通穴Hを形成することにより、図7に示すような配置の32個の貫通穴Hを形成する。
以下、貫通穴形成動作を具体的に説明する。まず、制御部9が、加工レーザー光L2を生成するための位相ホログラムのモデルを生成する。具体的には、図7に示す配置の加工レーザー光L2を基板SU上に同時に照射可能な位相ホログラムのモデルが生成される。この位相ホログラムのモデルは、集光レンズ6により集光された加工レーザー光L2に対して収差などが発生しないと仮定して生成される。以後、この位相ホログラムのモデルを、「基準位相ホログラム」と呼ぶ。
次に、制御部9が、基板加工装置100の光学的な要因により加工レーザー光L2の照射状態が基板SUの位置により変化しないように、基準位相ホログラムを補正する。具体的には、以下の補正が基準位相ホログラムに対してなされる。なお、以下に説明する複数の補正の全て又は一部が基準位相ホログラムに対して適用されてもよいし、複数の補正のうちいずれか1つのみが適用されてもよい。
第1に、結像光学系3及び集光レンズ6により加工レーザー光L2に対して発生する像面湾曲収差を小さくするよう、基準位相ホログラムが補正される。像面湾曲収差の影響を受けた加工レーザー光L2の集光点P(P1~P8)は、図9に示すように、基板SUからは外れた位置に配置される。具体的には、集光点Pが基板SUの表面から上方向にずれる。当該ずれは、複数の加工レーザー光L2の照射中心位置から離れるほど大きくなる。例えば、複数の加工レーザー光L2の照射中心位置から離れた位置にある集光点P1~P3、P6~P8は、特に基板SUの表面よりも上側に配置される。この結果、基準位相ホログラムに補正を加えない場合には、基板SUの位置により加工レーザー光L2の照射位置が異なるため、基板SUの位置により形状及び/又は寸法が異なる複数の貫通穴Hが形成される。図9は、像面湾曲収差の影響を受けた加工レーザー光の照射状態を収差の影響を強調して示す模式図である。
そこで、像面湾曲収差により集光点Pが目的の位置(すなわち、基板SUの表面)からずれる場合には、集光点Pが目的の位置からずれた距離だけ目的の位置の方向に集光点Pの位置を変更した加工レーザー光L2を生成するよう、基準位相ホログラムを補正する。
例えば、像面湾曲収差の影響を考慮しない場合に基板SUの表面に形成されるように基準位相ホログラムを設定したとき、加工レーザー光L2を照射して形成された集光点P1~P8の位置が実際には像面湾曲収差により基板SUよりも上の位置に配置される場合には、図10に示すように、加工レーザー光L2の基準位相ホログラムの設定上の集光点Q1~Q8が目標の照射位置(基板SUの表面)よりも下に配置されるよう、基準位相ホログラムを補正する。その結果、加工レーザー光L2の集光点R1~R8が、基板SUの表面に位置するようになる。図10は、像面湾曲収差を補正する前の集光点(P1~P8)と、像面湾曲収差を補正するために基準位相ホログラムを補正した後の設定上の集光点(Q1~Q8)と、補正後の加工レーザー光の集光点(R1~R8)の配置例を示す図である。
目標の照射位置からずれた加工レーザー光L2の集光点を生成するよう基準位相ホログラムの設定を補正することにより、加工レーザー光L2に対して発生する像面湾曲収差の影響を縮小できる。この結果、複数の加工レーザー光L2の全ての集光点Pを目標の照射位置(基板SUの表面)に配置できる。つまり、基板SUの表面上において、基板SUの位置による加工レーザー光L2の集光点Pを同一にして、基板SUの広い範囲に複数の均一な形状及び寸法の貫通穴Hを形成できる。
第2に、集光レンズ6により集光された複数の加工レーザー光L2の強度が均一になるよう基準位相ホログラムが補正される。具体的には、例えば、図11に示すように、複数の加工レーザー光L2のうち、強度が他の加工レーザー光L2よりも大きくなっている加工レーザー光L2の集光点P3及びP5は、基準位相ホログラムの設定上の加工レーザー光の強度が他の加工レーザー光よりも弱くなるように基準位相ホログラムの設定上の光強度が補正される。レーザー光の強度を弱める量は、対応する加工レーザー光L2の強度に応じて変更する。具体的には、他の加工レーザー光L2と比較して強度の差が大きい加工レーザー光L2ほどレーザー光の強度を弱める量を大きくすることで、加工レーザー光L2の全ての集光点Pの強度が均一となる。
または、複数の加工レーザー光L2のうち、強度が他の加工レーザー光L2よりも小さくなっている加工レーザー光L2の強度を増大させるように、基準位相ホログラムが補正されてもよい。
上記のように、集光レンズ6により集光された複数の加工レーザー光L2の強度が均一になるよう基準位相ホログラムを補正することにより、加工レーザー光L2の強度が基板SUの広い範囲で均一となるので、基板SUの広い範囲に複数の均一な形状及び寸法の貫通穴Hを形成できる。
第3に、複数の貫通穴Hの実際の加工ピッチが所望の加工ピッチとなるよう基準位相ホログラムが補正される。例えば、複数の加工レーザー光L2を基板SUに同時に照射したときに、図12に示すように、加工レーザー光L2を照射した領域の側部において貫通穴Hの加工ピッチが大きくなった場合(d1<d2、d1:内側の貫通穴Hのピッチ、d2:外側の貫通穴Hのピッチ)を考える。なお、所望の貫通穴Hのピッチはd1とする。図12は、貫通穴の加工ピッチがずれた状態の一例を強調して示す模式図である。
この場合には、図13に示すように、側部における加工レーザー光L2の照射ピッチD2が、内部における加工レーザー光L2の照射ピッチD1よりも小さくなる(すなわち、D2<D1となる)よう、基準位相ホログラムを補正する。なお、加工レーザー光L2の照射ピッチD1が、基準位相ホログラムにより決められていた照射ピッチである。図13は、加工ピッチのずれを補正するための基準位相ホログラムの設定上の集光点の配置例を示す図である。
このように、例えば、貫通穴Hの加工ピッチが所望の加工ピッチよりも大きくなったときに、貫通穴Hの加工ピッチが大きくなった箇所に照射される加工レーザー光L2の照射ピッチを小さくするよう位相ホログラムを補正することにより、実際に加工レーザー光L2が基板SUに照射されたときに、上記箇所における加工レーザー光L2の照射ピッチが、貫通穴Hの所望の加工ピッチと同じとなる。この結果、複数の加工レーザー光L2の照射ピッチが基板SUの位置により変化することを抑制できるので、加工ピッチが均一である複数の貫通穴Hを基板SUの広い範囲に形成できる。
第4に、集光レンズ6による複数の加工レーザー光L2の集光位置が0次光の集光位置とは異なるよう基準位相ホログラムが補正される。ここでいう0次光とは、反射型空間変調器2により位相変調されていないレーザー光を意味する。このような0次光は、位相変調により生成された加工レーザー光L2よりも大きい強度を有する。その結果、0次光で基板SUの加工がされた場合には、所望の加工がなされない。従って、基準位相ホログラムを補正して、0次光が基板SUの加工に使用されないようにする。具体的には、図14に示すように、0次光の集光点が基板SUから離れて位置する一方で、加工レーザー光L2の集光点Pが基板SUの目標の照射位置に位置するように、基準位相ホログラムを補正する。図14は、0次光と加工レーザー光L2の集光点との位置関係の一例を示す図である。
このように、0次光が基板SUの加工に使用されないよう、加工レーザー光L2の集光点の高さ方向の位置を0次光の焦点位置とずらすように基準位相ホログラムを補正することにより、加工レーザー光L2と比較して強度が大きい0次光が貫通穴Hの形成に用いられないので、基板SUの広い範囲に均一な形状及び寸法の複数の貫通穴Hを形成できる。
上記のようにして基準位相ホログラムが補正された後、制御部9が、補正後の基準位相ホログラムに基づいて、反射型空間変調器2の各画素電極に印加する電圧を決定し、当該決定した電圧を対応する画素電極に出力する。これにより、反射型空間変調器2は、反射面21において、補正後の基準位相ホログラムに対応する屈折率分布(位相ホログラム)を形成できる。
反射面21に位相ホログラムを形成後、制御部9が、レーザー光源1からレーザー光L1を出射させる。これにより、レーザー光L1が反射型空間変調器2の反射面21に入射される。反射面21に入射されたレーザー光L1が位相変調されて、加工レーザー光L2が生成される。反射型空間変調器2にて生成された加工レーザー光L2は、集光レンズ6により集光されて、基板SUに照射される。
基板SUの特定の位置に複数の加工レーザー光L2を照射して複数の貫通穴Hを同時に形成した後、制御部9は、移動機構7により基板SUを横方向に移動させ、前回とは異なる位置に複数の加工レーザー光L2を照射する。これにより、例えば、図7に示すような配置の加工レーザー光L2を基板SUの特定の領域に照射した後に、基板SUの当該特定の位置と横方向に隣接する領域に図6に示す配置の加工レーザー光L2を照射することで、図5に示すような32個の貫通穴Hが横方向に並んだ穴群を形成できる。
なお、移動機構7により基板SUを横方向に移動させる代わりに、揺動ミラー5の入射面51の角度を変えて加工を行う領域を移動させてもよい。加工レーザー光L2の入射面51の反射角度を変更して基板SUの異なる位置に加工レーザー光L2を照射する場合、加工レーザー光L2の集光レンズ6への入射位置が前回の入射位置と異なる。この場合、今回の加工レーザー光L2に対して発生する収差等が前回の照射時とは異なる場合がある。このような場合には、上記にて説明した基準位相ホログラムの補正をさらに適用して、前回と同じ照射状態にて加工レーザー光L2を基板SUに照射できる。
また、移動機構7により基板SUを移動させて基板SUの異なる位置に加工レーザー光L2を照射する場合、移動機構7による移動方向と図7に示される集光点Pの配置の方向の不一致により、基板SUに形成される貫通穴Hの配置の方向がずれてしまう場合がある。この場合、例えば、図15に示すように、前回形成された貫通穴Hと、今回形成された貫通穴Hにおいて、貫通穴Hの配置が、他の貫通穴Hの配置とずれてしまうことがある。図15は、前回形成された貫通穴と今回形成された貫通穴との境界部分で加工位置が異なる状態の一例を示す図である。
従って、移動機構7により基板SUが移動する方向と、基板SUにおいて加工レーザー光L2の配置の方向との間にずれが生じている場合には、当該ずれを補正するよう基準位相ホログラムが補正される。例えば、図15に示すように、形成された貫通穴Hの位置が移動機構7による移動方向に対して傾いている場合には、図16に示すように、基準位相ホログラムによる加工レーザー光L2の各集光点Pの配置の方向を、図15に示した位置ずれとは逆方向に傾斜させるよう基準位相ホログラムを補正する。図16は、移動機構の移動により生じる貫通穴の形成位置のずれを補正するために基準位相ホログラムを補正した後の設定上の集光点の配置例を示す図である。
なお、集光点Pの配置の方向を傾斜することに伴い加工レーザー光L2に収差等が生じた場合には、集光点Pの配置の方向を傾斜させるよう補正された位相ホログラムに対して、上記にて説明した収差等を解消する補正をさらに適用してもよい。
[発明の効果]
以上に示すように、液滴吐出ヘッドを構成する基板SUに穴径が5μm~200μmの複数の貫通穴Hを形成する液滴吐出ヘッドの基板加工装置100は、レーザー光L1を出射するレーザー光源1と、位相ホログラムを用いてレーザー光L1を変調させて、基板SUに一次元的又は二次元的に並んで配置された複数の貫通穴Hを同時に形成するための複数の加工レーザー光L2を生成する反射型空間変調器2と、反射型空間変調器2にて生成された複数の加工レーザー光L2を反射させるミラー5と、ミラー5により反射された複数の加工レーザー光L2のそれぞれを基板SUに集光する集光レンズ6と、反射型空間変調器2の反射面21とミラー5の入射面51とが結像する関係にある両側テレセントリック光学系を構成する結像光学系3と、複数の加工レーザー光L2に対して基板SUを移動させる移動機構7と、基板SUに対してガスを噴射して、基板SUから発生する粉塵を除去するガスブロー機構8と、を備え、反射型空間変調器2は、ミラー5の反射角度を変化させて基板SUの所定位置に複数の加工レーザー光L2を照射することで所定位置に均一な形状及び寸法の複数の貫通穴Hを同時に形成するよう位相ホログラムを補正する。
当該構成によれば、基板SUの広い範囲に、精密さと均一性が要求される、液滴吐出ヘッドのノズルとなる複数の均一な形状及び寸法の貫通穴Hを精度よく形成できる。
また、当該構成によれば、レーザー加工により発生する粉塵が、ガスブロー機構8により除去されるため、貫通穴Hを好適に形成できる。
また、加工レーザー光L2の偏光方向を順次変更させる偏光方向回転機構4を備え、偏光方向回転機構4は、1/2λ波長板41と、1/2λ波長板41を加工レーザー光L2の光軸方向に沿った軸周りに回転させる駆動部42と、を備える。
当該構成によれば、加工レーザー光L2が、それぞれ異なるベクトルの直線偏光となるため、容易に貫通穴Hの加工量の偏りを小さくできる。
また、1/2λ波長板41の回転数をxrpm、加工レーザー光L2の繰り返し周波数をyHzとした場合、下記の(1)を満たす。
(1)x×60>y
当該構成によれば、加工レーザー光L2のベクトルがいずれの向きともなり得るため、より貫通穴Hの加工量の偏りを小さくできる。
また、結像光学系3及び集光レンズ6により集光された複数の加工レーザー光L2に対して発生する像面湾曲収差が20μm以下であり、非点隔差が5μm以下である。
当該構成によれば、基板SUの位置による加工レーザー光L2の照射状態の変化が小さくなるので、基板SUの広い範囲に均一な形状及び寸法の複数の貫通穴Hを形成できる。
また、結像光学系3は、2つの平凸レンズの凸面を向かい合わせて組み合わせた組レンズ、ダブレットレンズ又は非球面レンズで構成される。
当該構成によれば、結像光学系3により発生する加工レーザー光L2の収差を小さくできる。
また、集光レンズ6は、fsinθレンズである。
当該構成によれば、加工レーザー光L2の収差をより小さくできる。
また、反射型空間変調器2は、集光レンズ6により集光された複数の加工レーザー光L2に対して発生する像面湾曲収差を小さくするよう位相ホログラムを補正する。
当該構成によれば、基板SUの位置による加工レーザー光L2の照射状態を同一にすることができ、基板SUの広い範囲に複数の均一な形状及び寸法の貫通穴Hを形成できる。
また、反射型空間変調器2は、集光レンズ6により集光された複数の加工レーザー光L2の強度が均一になるよう位相ホログラムを補正する。
当該構成によれば、加工レーザー光L2の強度が基板SUの広い範囲で均一となるので、基板SUの広い範囲に複数の均一な形状及び寸法の貫通穴Hを形成できる。
また、反射型空間変調器2は、複数の貫通穴Hの実際の加工ピッチが所望の加工ピッチとなるよう位相ホログラムを補正する。
当該構成によれば、複数の加工レーザー光L2の照射ピッチが基板SUの位置により変化することを抑制できるので、加工ピッチが均一である複数の貫通穴Hを基板SUの広い範囲に形成できる。
また、反射型空間変調器2は、集光レンズ6による複数の加工レーザー光L2の集光位置が0次光の集光位置とは異なるよう位相ホログラムを補正する。
当該構成によれば、加工レーザー光L2と比較して強度が大きい0次光が貫通穴Hの形成に用いられなくなるため、基板SUの広い範囲に複数の均一な形状及び寸法の貫通穴Hを形成できる。
また、移動機構7は、基板SUを一次元的又は二次元的に移動させて、基板SUに連続した穴群を形成させる。
当該構成によれば、基板SUに一次元的又は二次元的に並んで連続配置された穴群を形成できる。
また、移動機構7により基板SUを移動させて穴群を形成する際に、移動機構7により移動後の基板SUの位置と基板SUにおいて複数の加工レーザー光L2を照射すべき位置との間にずれが生じていれば、反射型空間変調器2は、当該ずれを補正するよう位相ホログラムを補正する。
当該構成によれば、穴群をより精度よく形成できる。
[変形例]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、反射型空間変調器2が、ミラー5の反射角度を変化させて、基板SUの所定位置に、位相ホログラムを用いて生成した複数の加工レーザー光L2を照射することで、均一な形状及び寸法の複数の貫通穴Hを同時に形成するように、位相ホログラムを補正する構成につき例示したが、これは必須の構成ではなく、必要に応じて設ければよい。
また、基板加工装置100によって基板SUに形成する貫通穴Hは、上記にて説明したテーパ形状に限られず、穴径が段階的に小さくなる段付き穴、断面が楕円や方形の穴など任意の形状とできる。
また、基板加工装置100は、移動機構7により基板SUを二次元的に移動させることにより、図17に示すような基板SUの縦横に均等に配置された貫通穴H’を形成することもできる。図17は、基板に形成可能な貫通穴H’の他の例を示す図である。
また、本発明が、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む様々な変更が可能であるのはもちろんである。
100 基板加工装置
1 レーザー光源
2 反射型空間変調器
21 反射面
3 結像光学系
4 偏光方向回転機構
41 1/2λ波長板
42 駆動部
5 揺動ミラー(ミラー)
51 入射面
6 集光レンズ
7 移動機構
71 ステージ
72 ステージ移動部
8 ガスブロー機構
9 制御部
L1 レーザー光
L2 加工レーザー光
P 集光点
SU 基板
H、H’ 貫通穴

Claims (25)

  1. 液滴吐出ヘッドを構成する基板に穴径が5μm~200μmの複数の貫通穴を形成する液滴吐出ヘッドの基板加工装置であって、
    レーザー光を出射するレーザー光源と、
    位相ホログラムを用いて前記レーザー光を変調させて、前記基板に一次元的又は二次元的に並んで配置された前記複数の貫通穴を同時に形成するための複数の加工レーザー光を生成する反射型空間変調器と、
    前記反射型空間変調器にて生成された前記複数の加工レーザー光を反射させるミラーと、
    前記ミラーにより反射された前記複数の加工レーザー光のそれぞれを前記基板に集光する集光レンズと、
    前記反射型空間変調器の反射面と前記ミラーの入射面とが結像する関係にある両側テレセントリック光学系を構成する結像光学系と、
    前記複数の加工レーザー光に対して前記基板を移動させる移動機構と、
    前記基板に対してガスを噴射して、前記基板から発生する粉塵を除去するガスブロー機構と、を備え、
    前記反射型空間変調器は、前記ミラーの反射角度を変化させて前記基板の所定位置に前記複数の加工レーザー光を照射することで前記所定位置に均一な形状及び寸法の複数の貫通穴を同時に形成するよう前記位相ホログラムを補正する、
    液滴吐出ヘッドの基板加工装置。
  2. 前記加工レーザー光の偏光方向を順次変更させる偏光方向回転機構を備え、
    前記偏光方向回転機構は、1/2λ波長板と、当該1/2λ波長板を前記加工レーザー光の光軸方向に沿った軸周りに回転させる駆動部と、を備える請求項1に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置。
  3. 前記1/2λ波長板の回転数をxrpm、前記加工レーザー光の繰り返し周波数をyHzとした場合、下記の(1)を満たすように構成されている請求項2に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置。
    (1)x×60>y
  4. 前記結像光学系及び前記集光レンズにより集光された前記複数の加工レーザー光に対して発生する像面湾曲収差が20μm以下であり、非点隔差が5μm以下である請求項1から3のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置。
  5. 前記結像光学系は、2つの平凸レンズの凸面を向かい合わせて組み合わせた組レンズ、ダブレットレンズ又は非球面レンズで構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置。
  6. 前記集光レンズはfsinθレンズである、請求項1から5のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置。
  7. 前記反射型空間変調器は、前記集光レンズにより集光された前記複数の加工レーザー光に対して発生する像面湾曲収差を小さくするよう前記位相ホログラムを補正する、請求項1から6のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置。
  8. 前記反射型空間変調器は、前記集光レンズにより集光された前記複数の加工レーザー光の強度が均一になるよう前記位相ホログラムを補正する、請求項1から7のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置。
  9. 前記反射型空間変調器は、前記複数の貫通穴の実際の加工ピッチが所望の加工ピッチとなるよう前記位相ホログラムを補正する、請求項1から8のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置。
  10. 前記反射型空間変調器は、前記集光レンズによる前記複数の加工レーザー光の集光位置が0次光の集光位置とは異なるよう前記位相ホログラムを補正する、請求項1から9のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置。
  11. 前記移動機構は、前記基板を一次元的又は二次元的に移動させて、前記基板に連続した穴群を形成させる、請求項1から10のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置。
  12. 前記移動機構により前記基板を移動させて前記穴群を形成する際に、前記移動機構により移動後の前記基板の位置と前記基板において前記複数の加工レーザー光を照射すべき位置との間にずれが生じていれば、前記反射型空間変調器は、当該ずれを補正するよう前記位相ホログラムを補正する、請求項11に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工装置。
  13. 液滴吐出ヘッドを構成する基板に穴径が5μm~200μmの複数の貫通穴を形成する液滴吐出ヘッドの基板加工装置であって、
    レーザー光を出射するレーザー光源と、
    前記レーザー光を変調させて、加工レーザー光を生成する反射型空間変調器と、
    前記反射型空間変調器にて生成された前記加工レーザー光を反射させるミラーと、
    前記ミラーにより反射された前記加工レーザー光のそれぞれを前記基板に集光する集光レンズと、
    前記反射型空間変調器の反射面と前記ミラーの入射面とが結像する関係にある両側テレセントリック光学系を構成する結像光学系と、
    前記加工レーザー光に対して前記基板を移動させる移動機構と、
    前記基板に対してガスを噴射して、前記基板から発生する粉塵を除去するガスブロー機構と、
    を備える液滴吐出ヘッドの基板加工装置。
  14. 液滴吐出ヘッドの基板に穴径が5μm~200μmの複数の貫通穴を形成する液滴吐出ヘッドの基板加工方法であって、
    レーザー光を出射する出射工程と、
    位相ホログラムを用いて前記レーザー光を変調させて、前記基板に一次元的又は二次元的に並んで配置された前記複数の貫通穴を同時に形成するための複数の加工レーザー光を生成する生成工程と、
    前記生成工程で生成された前記複数の加工レーザー光を反射させる反射工程と、
    前記反射工程で反射された前記複数の加工レーザー光のそれぞれを前記基板に集光する集光工程と、
    前記生成工程における反射面と前記反射工程における入射面とが結像する関係にある両側テレセントリック光学系を構成する結像光学工程と、
    前記複数の加工レーザー光に対して前記基板を移動させる移動工程と、
    前記基板に対してガスを噴射して、前記基板から発生する粉塵を除去するガスブロー工程と、を備え、
    前記生成工程は、前記反射工程における反射角度を変化させて前記基板の所定位置に前記複数の加工レーザー光を照射することで前記所定位置に均一な形状及び寸法の複数の貫通穴を同時に形成するよう前記位相ホログラムを補正する、
    液滴吐出ヘッドの基板加工方法。
  15. 前記加工レーザー光の偏光方向を順次変更させる偏光方向回転工程を備え、
    前記偏光方向回転工程は、1/2λ波長板と、当該1/2λ波長板を前記加工レーザー光の光軸方向に沿った軸周りに回転させる駆動部と、を用いる請求項14に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法。
  16. 前記1/2λ波長板の回転数をxrpm、前記加工レーザー光の繰り返し周波数をyHzとした場合、下記の(1)を満たす請求項15に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法。
    (1)x×60>y
  17. 前記結像光学工程及び前記集光工程により集光された前記複数の加工レーザー光に対して発生する像面湾曲収差が20μm以下であり、非点隔差が5μm以下である請求項14から16のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法。
  18. 前記結像光学工程は、2つの平凸レンズの凸面を向かい合わせて組み合わせた組レンズ、ダブレットレンズ又は非球面レンズを用いる、請求項14から17のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法。
  19. 前記集光工程はfsinθレンズを用いる、請求項14から18のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法。
  20. 前記生成工程は、前記集光工程で集光された前記複数の加工レーザー光に対して発生する像面湾曲収差を小さくするよう前記位相ホログラムを補正する、請求項14から19のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法。
  21. 前記生成工程は、前記集光工程で集光された前記複数の加工レーザー光の強度が均一になるよう前記位相ホログラムを補正する、請求項14から20のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法。
  22. 前記生成工程は、前記複数の貫通穴の実際の加工ピッチが所望の加工ピッチとなるよう前記位相ホログラムを補正する、請求項14から21のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法。
  23. 前記生成工程は、前記集光工程における前記複数の加工レーザー光の集光位置が0次光の集光位置とは異なるよう前記位相ホログラムを補正する、請求項14から22のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法。
  24. 前記移動工程は、前記基板を一次元的又は二次元的に移動させて、前記基板に連続した穴群を形成させる、請求項14から23のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法。
  25. 前記移動工程により前記基板を移動させて前記穴群を形成する際に、前記移動工程による移動後の前記基板の位置と前記基板において前記複数の加工レーザー光を照射すべき位置との間にずれが生じている場合、前記生成工程は、当該ずれを補正するよう前記位相ホログラムを補正する、請求項24に記載の液滴吐出ヘッドの基板加工方法。
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