JP2023136300A - 圧力吸収構造を有する蓋体 - Google Patents

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Abstract

【課題】再密封可能であると共に、熱間充填等により生じる内圧変化を吸収可能な圧力吸収構造を有する蓋体を提供することである。【解決手段】フランジ部、該フランジ部の内周縁から下方に延びる側壁部、該側壁部よりも内側に位置する天面から成り、前記側壁部外面側において容器胴部内面との嵌合部が形成される落とし蓋形状の蓋体において、前記天面が、前記側壁部の嵌合部よりも下方の位置から内方に延びる環状平面部、及び該環状平面部よりも内方に位置し且つ側壁部の嵌合部よりも下方に位置する中央天面部を少なくとも備えており、内容物の充填密封後の内圧変化を吸収可能な圧力吸収構造を有することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、リシール性を有する落とし蓋形状の蓋体に関し、より詳細には、圧力吸収構造を有し、加熱殺菌等に付された場合に生じる容器内圧の変化による塑性変形を有効に抑制可能な蓋体に関する。
樹脂製シートを熱成形して成る落とし蓋形状の蓋体を容器に適用して成る蓋付き容器は、広く使用されており、このような蓋付き容器においても、内容物によっては、熱間充填やレトルト殺菌等に付される場合がある。しかしながら、このような蓋付き容器は、ヒートシールにより蓋体が接合されて密封性が高められていることから、熱間充填等によって内圧変化が生じ、容器や蓋体の材質によっては、蓋体が破損或いは大きく変形し、外観特性や密封性能を損なうおそれがある。
このような問題を解決するために、下記特許文献1には、合成樹脂製の延伸フィルムの内側面にアルミ箔及びヒートシール層を順に設けた積層材を容器内の減圧による体積収縮を吸収し得る大きさの凹凸若しくはドーム状部を有する形状に成形して成るホットパック容器用の蓋体が提案されている。
また下記特許文献2には、容器本体との熱溶着部と嵌合部とにより、容器を密封する熱可塑性樹脂から成る蓋体において、該蓋体の天板形状が周壁近傍に段差を有して下方へ凸形状であることを特徴とする耐圧性蓋体が提案されている。
実公平3-39247号公報 特開2000-43915号公報
上記特許文献1に記載された蓋体は、内圧変化に対応して蓋体が変形し、内圧吸収可能な蓋体であり、上記特許文献2に記載された蓋体は、内圧の変化に対して変形が極めて少ない蓋体である。これらの蓋体は、一旦開封した後、再密封するための機構を備えていない。
すなわち、ヒートシールにより密封された蓋付き容器においても、初期開封後、再密封(リシール)可能であることが望まれているが、このようなリシール可能な蓋付き容器に適用される蓋体にはリシール時に蓋体を容器に固定するための嵌合部が必要であり、特に好適な嵌合形態である螺子係合による係合部は内圧変化による蓋体の変形により変形されやすく、リシール後の密封性を確保することが困難であるという問題が生じることになる。
従って本発明の目的は、再密封可能であると共に、熱間充填等により生じる内圧変化を、蓋体の変形を生じることなく、吸収可能な圧力吸収構造を有する蓋体を提供することである。
本発明によれば、フランジ部、該フランジ部の内周縁から下方に延びる側壁部、該側壁部よりも内側に位置する天面から成り、前記側壁部外面側において容器胴部内面との嵌合部が形成される落とし蓋形状の蓋体において、前記天面が、前記側壁部の嵌合部よりも下方の位置から内方に延びる環状平面部、及び該環状平面部よりも内方に位置し且つ側壁部の嵌合部よりも下方に位置する中央天面部を少なくとも備えており、内容物の充填密封後の内圧変化を吸収可能な圧力吸収構造を有することを特徴とする蓋体が提供される。
本発明の蓋体においては、
(1)前記環状平面部と中央天面部の間に、中央に向かって下方に傾斜する環状傾斜部が形成されていること、
(2)前記中央天面部が平板状であること、
(3)前記側壁部の外面に、容器胴部内面と係合可能な係合突起が形成されていること、
(4)前記側壁部外面に形成された係合突起が、周方向に断続的に連なる複数の突出部から成ること、
(5)前記フランジ部の外周縁から垂下する環状外壁を有し、該環状外壁の内面に、容器と係合可能な係合突起が形成されており、前記フランジ部の内周縁から下方に延びる側壁部の外面に形成された嵌合部が、前記側壁部の下方に行くに従って、その外径が増加するテーパ形状を有すること、
(6)前記環状外壁の内面に形成された係合突起が、周方向に断続的に連なる複数の突出部から成ること、
が好適である。
本発明によればまた、上記(3)又は(4)記載の蓋体と、容器とから成る密閉容器であって、 前記容器が、底部及び胴部から成り、該胴部の上端部にフランジ部が形成され、前記胴部内面上方に、前記蓋体側壁部外面に形成された係合突起と係合可能な係合部が形成されており、前記蓋体のフランジ部と前記容器のフランジ部が剥離可能にヒートシールされていることを特徴とする第一の態様の密閉容器が提供される。
本発明によれば更に、上記(5)又は(6)記載の蓋体と容器とから成る密閉容器であって、前記容器が、底部及び胴部から成り、該胴部の上端部にフランジ部が形成され、該フランジ部の外周縁から垂下する環状側壁が形成され、該環状側壁の外面には、前記蓋体の環状外壁の内面に形成された係合突起と係合可能な係合部が形成されており、前記蓋体のフランジ部と前記容器のフランジ部が剥離可能にヒートシールされていることを特徴とする第二の態様の密閉容器が提供される。
上記第二の態様の密閉容器においては、前記蓋体の側壁部が下方に行くに従って、その内径が増加するテーパを有し、前記容器の胴部上方に前記蓋体のテーパと圧接可能なテーパが形成されていることが好適である。
また上記密閉容器は、加熱殺菌用途に好適に使用できる。
本発明の蓋体においては、熱間充填やレトルト殺菌等により充填密封後の容器内に圧力変化を生じた場合も、中央天面部の上下動による変形によって内圧変化を確実に吸収することができると共に、中央天面部が環状平面部を介して側壁部に連なっていること、環状平面部及び中央天面部の両方が嵌合部よりも下方に位置することにより、中央天面部に作用する圧力の嵌合部への影響を低減することができ、優れたリシール性が確保されている。またこの内圧変化のための変形は、復元可能な範囲での変形であることから、内圧変化後の蓋体の外観を損なわないだけでなく、優れた密封性も維持することができる。
本発明の蓋体の一例及びこの蓋体を適用する容器の一例をそれぞれ示す斜視図である。 本発明の蓋体の一例(実施例1)について、内圧が増加する前後の状態を示す略断面図である。 本発明の蓋体の他の一例(実施例2)について、内圧が増加する前後の状態を示す略断面図である。 比較例1の蓋体について、内圧が増加する前後の状態を示す略断面図である。 比較例2の蓋体について、内圧が増加する前後の状態を示す略断面図である。 比較例3の蓋体について、内圧が増加する前後の状態を示す略断面図である。 本発明の蓋体の他の一例及びこの蓋体を適用する容器の他の一例をそれぞれ示す斜視図である。 本発明の蓋体の他の一例を容器に適用した状態を示す略断面図である。 開封力の測定方法を説明するための図である。 実施例における解析評価のための拘束条件及び境界条件を示す図である。
本発明の蓋体は、フランジ部、該フランジ部の内周縁から下方に延びる側壁部、該側壁部よりも内側に位置する天面から成り、前記側壁部外面側において容器胴部内面との嵌合部が形成される落とし蓋形状の蓋体において、天面が
(1)前記側壁部の嵌合部よりも下方の位置から内方に延びる環状平面部を有すること
(2)環状平面部よりも内方に位置し且つ側壁部の嵌合部よりも下方に位置する中央天面部を少なくとも備えていること、
が重要な特徴であり、蓋体の天面がこのような構造を有することにより、内容物の充填密封後の内圧変化を吸収可能な圧力吸収構造として機能することが可能になる。
以下、本発明の蓋体について、添付図面を用いて説明する。
図1は本発明の蓋体の一例及びこの蓋体を適用する容器の一例を示す斜視図であり、図2は図1に示した蓋体の一部の略断面図である。図1及び図2に示すように、全体を1で示す蓋体は、概略的に言って、フランジ部11、フランジ部11の内周縁から垂下する側壁部12、側壁部12よりも内側に位置する天面から成り、側壁部12の外面側には周方向に断続的に連なる突出部(係合突起)13,13・・・が形成されている。図1に示す具体例においては。側壁部12よりも蓋体内方に位置する天面は、側壁部12の下端から内方に延びる環状平面部14、環状平面部14の内周縁14aから斜め下方且つ蓋体中心方向に延びる環状傾斜部15、環状傾斜部15の下端から蓋体中心方向に延びて中央部分を覆う中央天面部16から成っている。図1から明らかなように、中央天面部16は側壁部12の突出部(係合突起)13の位置よりも下方に位置しており、また図に示す具体例においては、中央天面部16は平面状に形成されている。またフランジ部11には、開封のための把持片3が形成されている。
また全体を2で示す容器は、概略的に言って、底部21及び胴部22、胴部22の上端から外方延びるフランジ部23から成っている。図1に示す具体例においては、胴部22は、段差部24を介して下方胴部22a及び上方胴部22bから成っており、上方胴部22bに、前述した蓋体1の突出部(係合突起)13,13・・・と係合して蓋体を容器に固定するための係合部25,25・・・が形成されている。この係合部25は、容器フランジ部23の上端から軸方向下方に延び、容器内面から半径方向外方に凹んでなる軸方向凹部25aと、この軸方向凹部25aの最下点から周方向に延びる周方向凹部25bから成っている。
この蓋体1と容器2は、蓋体フランジ部11と容器フランジ部23をヒートシール等により剥離可能に接合することにより密封される。この際、蓋体の係合突起13と容器の軸方向凹部25aが軸方向に一致した位置にある状態で接合されていることにより、蓋体2を上方に引き上げることが可能となり、蓋体は容器から容易に取り除くことができる。また再密封(リシール)に際しては、蓋体の係合突起13を容器の軸方向凹部25aの最下点まで嵌め込んだ後、蓋体1を旋回させ、蓋体の係合突起13を容器の周方向凹部25bと係合させることにより再密封することが可能となる。
内容物が充填され、ヒートシール等により密封された密閉容器においては、熱間充填やレトルト殺菌等に付されると、蓋体の中央天面部16を中心に容器内方から上向きの圧力がかかることから、天面は、その外周縁を起点に上方に凸のドーム状に変形することになる。
上述した図1及び図2に示す本発明の蓋体においても同様に、中央天面部16に下方から上向きの圧力がかかることから、中央天面部16は上方に凸のドーム状に変形するが、図1及び図2に示す蓋体においては、図2中に点線で示すように、中央天面部16は環状平面部14及び環状傾斜部15を介して側壁部12と連なっていることから、環状傾斜部15の内周縁15aを起点としてドーム状に変形して圧力を吸収する。その結果、本発明の蓋体においては、フランジ部の接合部分はもちろん、側壁部12も内圧変化による変形の影響を受けることがほとんどないことから、密封性能が確保されていると共に、容器との嵌合部が損なわれることもなく、リシール時の密封性も確保することが可能となる。
尚、図2及び後述する図3~6中に点線で示す内圧がかかったときにおける変形は、後述する実施例に示すように、構造解析ソフトによるシミュレーションにより得られたものであり、実際の変形量よりも、構成の相違による内圧がかかったときの変形の相違がより明らかに表されている。
また本発明の蓋体の他の態様を示す図3においては、環状平面部14及び環状傾斜部15を有する点は、図2と同様の構成を有しているが、この態様においては、環状傾斜部15の内周縁15aから第二の環状平面部17を介して、上方に凸の円錐台状の中央天面部16から成っている。
この態様の蓋体において、円錐台状の中央天面部16に下方から上向きの圧力がかかると、図3中に点線で示すように、円錐台の上底の部分16aが、上底16aの外周縁を起点に上方に凸のドーム状に変形して圧力を吸収する。その結果、この態様においては、第二の環状平面部17が環状傾斜部15の内周縁を起点として多少上方に移動するとしても、フランジ部の接合部分や側壁部12が内圧変化による変形の影響をほとんど受けないことから、密封性能及びリシール性も確保されている。
これに対して、蓋体の天面が前述した(1)及び/又は(2)の特徴を有しない場合には、以下のように、蓋体は内圧変化により過剰に変形して塑性変形を起こして元の形状に復元できなかったり、或いは中央天面部によって圧力を充分吸収することができず、容器及び蓋体の嵌合を損なうことになり、密封性やリシール性を確保することが困難になる。
すなわち、図4に示す態様は、フランジ部11、係合突起13が形成された側壁部12及び環状平面部14を有する点において、前述した図1~3と同様の構成を有しているが、この態様においては、環状平面部14の内周縁14aから斜め上方且つ蓋体中心方向に延びる傾斜部18を介して、下方に凸のドーム状の中央天面部16が形成されており、前記(2)を満足していない(後述する比較例1)。この態様において、中央天面部16に内圧変化により下方から上向きの圧力がかかると、図4中に点線で示すように、中央天面部16はほとんどその位置を変えることがないため、内圧を充分に吸収することができない。その結果、蓋体内面に作用する圧力は、容器胴部内面と蓋体側壁部外面の境界部分にも作用することになり、側壁部に形成された嵌合部(係合突起)の損傷や、フランジ部における接合強度が弱い場合には蓋体が外れるおそれがある。
また図5に示す態様も、フランジ部11、係合突起13が形成された側壁部12及び環状平面部14を有する点において、前述した図1~3と同様の構成を有しているが、図5に示す態様においては、環状平面部14の内周縁14aから直接、上方に凸の円錐台状の中央天面部16が形成されており、前記(2)を満足していない(後述する比較例2)。この態様において、中央天面部16に内圧変化により下方から上向きの圧力がかかると、図5中に点線で示すように、中央天面部16は環状平面部14の内周縁14a(円錐台の下底の外周縁)を起点としてドーム状に大きく変形する。また変形の起点が環状平面部14の内周縁14aであることから環状平面部14自体も外周縁14bを起点に上方に引っ張られている。その結果、蓋体内面に作用する圧力は、容器胴部内面と蓋体側壁部外面の境界部分にも作用することになり、側壁部に形成された嵌合部(係合突起)の損傷や、フランジ部における接合強度が弱い場合には蓋体が外れるおそれがある。
さらに、図6に示す態様は、フランジ部11、係合突起13が形成された側壁部12を有する点において、前述した図1~3と同様の構成を有するとしても、側壁部12よりも内方がすべて平面状の中央天面部16となっており、前記(1)及び(2)の両方を満足してない(後述する比較例3)。この態様において、中央天面部16に内圧変化により下方から上向きの圧力がかかると、図6中に点線で示すように、中央天面部16はその外周縁と側壁部12の内面を起点として大きくドーム状に大きく変形する。また変形の起点が中央天面部16の外周縁と側壁12の内面を起点としていることから、蓋体内面に作用する圧力は、容器胴部内面と蓋体側壁部外面の境界部分に直接作用することになり、側壁部に形成された係合突起の損傷や、フランジ部における接合強度が弱い場合には蓋体が外れるおそれがある。
本発明の蓋体においては、図2及び図3に示した具体例に限定されず、種々の変更が可能である。
すなわち、図2及び図3に示した態様においては、環状平面部と中央天面部の間に、中央に向かって下方に傾斜する環状傾斜部が形成されており、これにより中央天面部を側壁部の嵌合部よりも下方に位置させながら、中央天面部の上下動をスムーズに行うことが可能になるが、中央天面部の天面に占める割合が大きい場合や、内圧上昇が低い場合には、環状傾斜部の傾斜面に変えて、環状垂直面とすることもできる。
また図2に示した態様では中央天面部は平板状、図3に示した態様では中央天面部は円錐台状であったが、これに限定されず、前述した(1)及び(2)を満足する限り、中央天面部は上方或いは下方に凸のドーム状等であってもよい。
さらに、図1~3に示した態様では、蓋体及び容器の嵌合部として、蓋体の側壁部の外面に形成された周方向に断続的に連なる複数の突出部から成る係合突起が形成され、容器胴部の内面に半径方向外方に凹んでなる軸方向凹部と周方向凹部から成る係合部と係合することにより嵌合部を形成しているが、これに限定されない。例えば、図7に示すように、容器胴部に形成される係合部が、容器径方向内方に突出する周方向に断続的に連なる複数の突出部から成る係合部25から成り、再密封(リシール)に際しては、蓋体フランジ部11と容器フランジ部23が接触する位置まで、蓋体1を旋回させながら、容器2に嵌め込み、蓋体の係合突起13と容器の係合部25を係合することにより再密封することができる。
さらに、蓋体及び容器の嵌合部としては、図8に示すように、係合突起がなく、蓋体側壁部外面と容器胴部内面との圧着により嵌合部を形成するものであってもよい。すなわち、図8に示す態様の蓋体では、図1及び図2に示した蓋体と同様に、フランジ部11、フランジ部11の内周縁から下方に延びる側壁部12、環状平面部14及び中央天面部16を有するが、フランジ部11の外周縁から垂下する環状外壁19を更に有し、この環状外壁19の内面に、容器と係合可能な係合突起20が形成されている。またフランジ部11の内周縁から下方に延びる側壁部12の容器胴部内面との接合面(側壁部の外面)が、下方に行くに従って側壁部の外径が増加するテーパ面として形成されている。
図8に示す態様の蓋体が適用される容器では、図1に示した容器と同様に、底部21及び胴部22、胴部22の上端から外方に延びるフランジ部23を有すると共に、フランジ部23の外周縁から垂下する環状側壁26を有している。この環状側壁26の外面には、蓋体の係合突起20と係合可能な係合部27が形成されている。また蓋体1の側壁部12の外面と面する上方胴部22bの蓋体側壁部12との接合面(上方胴部の内面)が、下方に行くに従って上方胴部の内径が増加するテーパ面として形成されている。
図8に示す態様においても、内容物充填後の密封状態においては、蓋体1と容器2はフランジ部においてヒートシール等によって剥離可能に固着されていると共に、蓋体側壁部12と容器の上方胴部22bがテーパ面で強固に嵌合されていることから、内圧変化が生じた場合でも、前述した図1~3の態様と同様に内圧変化を密封性や外観を損なうことなく吸収することが可能となる。またこの態様においても、蓋体の環状外壁19の内面に形成された係合突起20は、図1に示したように、周方向に断続的に連なる複数の突出部から成り、容器の環状側壁26の外面に形成された係合部27と係合して、リシール時に蓋体を容器に固定することができると共に、蓋体側壁部12と容器上方胴部22bとのテーパ面による嵌合と相俟って、開封した後においても優れた密封性を維持することが可能となる。
本発明の蓋体においては、側壁部より内側の天面が、少なくとも環状平面部及び中央天面部を備えており、この環状平面部及び中央天面部が嵌合部よりも下方に位置することにより、前述したように、嵌合部による密封性能に影響を与えることなく内圧吸収が可能になるが、この機能をより効率よく発揮するためには、環状平面部は、天面の直径(側壁部の内径)の5~30%の幅であることが好ましく、また中央天面部は天面の直径の50~80%の直径を有することが好ましい。
また中央天面部における内圧変化による上下動を効率よく行うためには、中央天面部の大きさにもよるが、少なくともこの部分における厚みが100~500μmの範囲にあることが望ましい。
本発明の蓋体を適用可能な容器は、螺子係合が可能な円形の開口部を有するカップ型であることが好適であるが、これに限定されず、トレイ形状、ボトル形状であってもよい。
本発明の蓋体は、熱間充填やボイル殺菌、レトルト殺菌等にも対応可能な蓋体であることから、蓋体は耐熱性を有すると共に、可撓性及びヒートシール性を有することが望ましいことから、耐熱性を有する熱可塑性樹脂から成ることが好ましく、これに限定されないが、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等を好適に使用できる。
また容器の材質は、フランジ部における接合をヒートシール以外で行う場合には、金属製又はガラス製であってもよいが、蓋体と同様に、可撓性やヒートシール性、或いは成形性の観点からは樹脂製であることが好ましく、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂を好適に使用できる。
また、前述した通り、本発明の蓋を容器に適用して成る密閉容器においては、初期開封までの確実な密封性を確保する観点から、剥離可能なヒートシールによる接合部を有していることが好適である。このようなヒートシールは、密閉状態を確実に維持可能であると共に、初期開封操作においては容易に剥離可能であることが必要であることから、容器と蓋を構成する樹脂の組み合わせにより、接着強度を調整することが好ましい。密封性能及び易開封性能の両方を満足するために好適な接着強度としては、図9に示すように、蓋の把持部にプッシュプルゲージを取り付け、これを蓋に対して45度の方向に引き上げることによって測定した開封力(剥離強度)が、0.3~3.0kgfの範囲にあることが好ましく、特に0.5~2.5Kgfの範囲にあることがより望ましい。
剥離特性については特に限定されず、凝集剥離、界面剥離、層間剥離タイプの樹脂材料を用いてもよく、このような樹脂の組み合わせとしては、ヒートシール性があり且つ相溶性のない2種以上の熱可塑性樹脂を適宜組み合わせることができる。
例えば、容器をポリプロピレン樹脂から構成する場合、蓋をポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂のブレンド物から構成することにより、密封性を確保しつつ易開封性を保持することができ、ブレンド物のブレンド比を適宜変更することにより剥離強度を調整することができる。
上記ポリプロピレン樹脂としては、ホモポリプロピレンの他、プロピレンとエチレンもしくは他のα-オレフィン、例えば、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン等とのブロック共重合体やランダム共重合体等を挙げることができる。また上記ポリエチレン樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中・高密度ポリエチレン(MDPE、HDPE)等のエチレンの単独重合体、もしくはエチレンと、例えば1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン等の他のα-オレフィンや、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、酢酸ビニル、スチレン等のビニル系単量体等との共重合体、或いはアイオノマー等を挙げることができる。
またブレンド物としては上記オレフィン系重合体同士の組み合わせ以外にも、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートイソフタレート共重合体等の熱可塑性ポリエステル系樹脂や、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等と、上記オレフィン系重合体との組み合わせ等も使用することができる。
ブレンド物としてポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂を使用する場合に、ブレンド物から成るフランジ部材がポリプロピレン樹脂から成る容器本体との良好な剥離性を発現するためには、ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂を重量比で、5:5~9.5:0.5の範囲でブレンドしたブレンド物を好適に使用することが好ましい。また、蓋体又は容器は上述した樹脂の単層構成であってもよいが、ヒートシール部となる部分が上述した条件を満足する限り、ガスバリア性中間層を有する多層構成であってもよい。
本発明の蓋体及びこの蓋体を適用する容器は、前述した構成を有する限り、射出成形、圧縮成形、熱成形等の種々の方法で製造することができるが、特に樹脂シートを、真空圧空成形、プラグアシスト圧空成形等の熱成形からそれぞれ一体的に成形することが、成形が容易であることから望ましい。また樹脂シートからの熱成形によることにより、多層シートを用いて容易に多層容器又は多層蓋を成形することができる。
例えば、これに限定されないが、上述した熱可塑性樹脂から成る内層及び外層、並びにガスバリア性中間層等から成る可撓性積層体を挙げることができる。上記ガスバリア性中間層を構成する材料としては、アルミニウム箔等の金属箔、無機蒸着フィルム、エチレンビニルアルコール共重合体等のガスバリア性樹脂等を例示できる。
(実施例1,2及び比較例1~3)
図2~6に示す形状の蓋体(それぞれ実施例1、2、比較例1、2、3)について、3Dプリンターを用いて樹脂型を作成し、厚み0.32mmの片側にイージーピール層を有するポリプロピレンシートを用いて、真空圧空成形により蓋体を成形した。尚、実施例1、2の蓋体においては環状平面部と中央天面部の間に、下方に傾斜する環状傾斜部が形成されている。比較例1、2の蓋体においては環状平面部と中央天面部の間に、上方に傾斜する環状傾斜部が形成されている。比較例3の蓋体においては環状平面部が形成されていない。
同様に単層のポリプロピレンシートを真空圧空成形により成形した容器にヘッドスペース5cc~15ccになるように水を入れ、前述の蓋をしてカップシーラーにてヒートシールを行った。その後121℃-30minにてレトルト殺菌を行い、開封して評価を行なった。
・評価項目
◇蓋天面部の外観(4段階評価)
4:非常に良好、3:良好、2:やや劣る、1:不良(著しい凸凹変形あり)
◇蓋嵌合部の変形(3段階評価)
3:変形なし、2:やや変形あり、1:著しく変形あり
◇容器と蓋の嵌合可否
○:嵌合可能、×:嵌合不可
評価結果を表1に示す。表1に示すように、実施例1,2はともに良好な結果であった。比較例1については天面部・嵌合部の外観は良くない上に、嵌合部の変形が著しく、容器と蓋の嵌合もできない状態であった。比較例2、3については比較例1ほどではないが天面部・嵌合部の外観は良くなかった。ただ嵌合部の変形についてはそこまで激しくないため、容器と蓋の嵌合は可能であった。
Figure 2023136300000002
(解析による評価)
図2~6に示した実施例1,2、比較例1~3の形状の蓋体について構造解析ソフトを用いて内圧5kPaを作用させたときの蓋の変形を評価した。
・解析ソフト:SOLIDWORKS(商標登録) Simulation
・解析条件:2次元軸対称モデル、線形静解析
・解析モデル
・材質:ホモポリプロピレン
・蓋厚み:0.4mm
拘束条件、境界条件を図10に示す。
・評価項目
最大変位値(変形前後において最も変化したポイントの変化量)
解析結果を図2~6中に点線で併せて示す。
図2及び3に示すように、実施例1、2においては天面の中央部が最も変形しており、最大変位値は9~10mmとなっている。また図4に示すように、比較例1においては、天面部中央部のドーム状の部分がほぼ均一の変位値2mm程度となっており、全体として変形量は小さい。これはドーム形状の部分は変形しにくく、主に天面のそれ以外の部分が変形したものが表れたものと推察できる。更に図5及び6に示すように、比較例2、3においては、天面の中央部がもっとも変形しており、最大変位値は20mm以上と、大きく変形していることがわかる。
尚、上記解析結果は内圧が蓋にかかったときの変形の大きさのみを評価したものであるのに対し、レトルト殺菌中における実際の現象は、内圧の上昇だけではなく熱の影響も受け、レトルト殺菌終了後内圧が元に戻った状態において変形が残ってしまうものであることから、復元されない変形の有無についてまでは評価されていない。
また上述したレトルト殺菌による実験結果と解析結果の対応について考察する。
実験により良好な結果であった実施例1、2の蓋体は、解析結果の最大変位は9~10mmと比較例と比較すると中間程度であり、天面部は過剰に変形することなく適度に変形し、復元可能な範囲で効率よく内圧を吸収できていると推察される。また比較例1は最大変位値2mmとほとんど変形していないため、嵌合部まで変形が伝わりやすく、嵌合部が大きく変形して、最終的に変形が残ったため、容器と蓋の嵌合ができなくなったと推察される。その一方、比較例2、3は最大変位値20mm以上と大きく、特に天面部に変形が残りやすい上に、嵌合部まで影響し変形が伝わり、最終的に少し変形が残ったと推察される。
本発明の蓋体は、容器内圧の変化を吸収可能であり、嵌合部の変形等がないことから、リシール後の密封性も確保されていることから、熱間充填やレトルト殺菌等の加熱殺菌用途に好適に利用できる。
1 蓋体、2 容器、11 フランジ部、12 側壁部、13 係合突起、14 環状平面部、15 環状傾斜部、16 中央天面部、17 環状平面部、18 傾斜部、19 環状外壁、20 係合突起、21 底部、22 胴部、23 フランジ部、24 段差部、25 係合部、26 環状側壁、27 係合部。

Claims (11)

  1. フランジ部、該フランジ部の内周縁から下方に延びる側壁部、該側壁部よりも内側に位置する天面から成り、前記側壁部外面側において容器胴部内面との嵌合部が形成される落とし蓋形状の蓋体において、
    前記天面が、前記側壁部の嵌合部よりも下方の位置から内方に延びる環状平面部、及び該環状平面部よりも内方に位置し且つ側壁部の嵌合部よりも下方に位置する中央天面部を少なくとも備えており、内容物の充填密封後の内圧変化を吸収可能な圧力吸収構造を有することを特徴とする蓋体。
  2. 前記環状平面部と中央天面部の間に、中央に向かって下方に傾斜する環状傾斜部が形成されている請求項1記載の蓋体。
  3. 前記中央天面部が平板状である請求項1又は2記載の蓋体。
  4. 前記側壁部の外面に、容器胴部内面と係合可能な係合突起が形成されている請求項1~3の何れかに記載の蓋体。
  5. 前記側壁部外面に形成された係合突起が、周方向に断続的に連なる複数の突出部から成る請求項4記載の蓋体。
  6. 前記フランジ部の外周縁から垂下する環状外壁を有し、該環状外壁の内面に、容器と係合可能な係合突起が形成されており、前記フランジ部の内周縁から下方に延びる側壁部の外面に形成された嵌合部が、前記側壁部の下方に行くに従って、その外径が増加するテーパ形状を有する請求項1~3の何れかに記載の蓋体。
  7. 前記環状外壁の内面に形成された係合突起が、周方向に断続的に連なる複数の突出部から成る請求項6記載の蓋体。
  8. 請求項4又は5に記載の蓋体と、容器とから成る密閉容器であって、
    前記容器が、底部及び胴部から成り、該胴部の上端部にフランジ部が形成され、前記胴部内面上方に、前記蓋体側壁部外面に形成された係合突起と係合可能な係合部が形成されており、
    前記蓋体のフランジ部と前記容器のフランジ部が剥離可能にヒートシールされていることを特徴とする密閉容器。
  9. 請求項6又は7記載の蓋体と容器とから成る密閉容器であって、
    前記容器が、底部及び胴部から成り、該胴部の上端部にフランジ部が形成され、該フランジ部の外周縁から垂下する環状側壁が形成され、該環状側壁の外面には、前記蓋体の環状外壁の内面に形成された係合突起と係合可能な係合部が形成されており、
    前記蓋体のフランジ部と前記容器のフランジ部が剥離可能にヒートシールされていることを特徴とする密閉容器。
  10. 前記蓋体の側壁部が下方に行くに従って、その外径が増加するテーパを有し、前記容器の胴部上方に前記蓋体のテーパと圧接可能なテーパが形成されている請求項9記載の密閉容器。
  11. 加熱殺菌用である請求項8~10の何れかに記載の密閉容器。
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