JP2023135284A - 蓄電素子 - Google Patents

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Naoki Okada
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Abstract

Figure 2023135284000001
【課題】電極体と集電体との溶接品質を向上できる蓄電素子を提供する。
【解決手段】第一方向に極板が積層された積層部620を有する電極体600と、積層部620に接合される集電体500と、を備える蓄電素子10であって、積層部620及び集電体500が溶接により溶融した溶融部800を備え、溶融部800は、内方に空間900を有し、空間900は、第一方向と直交する第二方向における幅が第一幅A1である第一部910を有し、溶融部800は、第一方向において第一部910と同じ位置に配置され、第二方向における外形の幅が第二幅B1である第二部810を有し、第二幅B1から第一幅A1を差し引いた値は、第一幅A1以下である。
【選択図】図4

Description

本発明は、電極体と集電体とを備える蓄電素子に関する。
従来、極板が積層された積層部を有する電極体と集電体とを備え、積層部と集電体とが接合された蓄電素子が知られている。例えば、特許文献1には、タブが積層されたタブ群(積層部)を有する電極組立体(電極体)と端子の板部(集電体)とを備え、タブ群と板部とが溶接された二次電池(蓄電素子)が開示されている。
特開2020-4643号公報
上記従来の蓄電素子において、電極体の積層部と集電体とを溶接する際に、溶接により溶融した部分の熱収縮により、溶融した部分と溶融しない部分との境界部分で破断が発生する場合がある。これにより、積層部と集電体との間の接合強度が低下したり抵抗が上昇したりする等、電極体と集電体との溶接品質が低下するおそれがある。
本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目することによってなされたものであり、電極体と集電体との溶接品質を向上できる蓄電素子を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る蓄電素子は、第一方向に極板が積層された積層部を有する電極体と、前記積層部に接合される集電体と、を備える蓄電素子であって、前記積層部及び前記集電体が溶接により溶融した溶融部を備え、前記溶融部は、内方に空間を有し、前記空間は、前記第一方向と直交する第二方向における幅が第一幅である第一部を有し、前記溶融部は、前記第一方向において前記第一部と同じ位置に配置され、前記第二方向における外形の幅が第二幅である第二部を有し、前記第二幅から前記第一幅を差し引いた値は、前記第一幅以下である。
本発明における蓄電素子によれば、電極体と集電体との溶接品質を向上できる。
実施の形態に係る蓄電素子の外観を示す斜視図である。 実施の形態に係る蓄電素子を分解して各構成要素を示す斜視図及び側面図である。 実施の形態に係る電極体の構成を示す斜視図である。 実施の形態に係る集電体、電極体の積層部及び当て板を溶接した状態での構成を示す断面図及び平面図である。 実施の形態の変形例1に係る集電体、電極体の積層部及び当て板を溶接した状態での構成を示す断面図及び平面図である。 実施の形態の変形例2に係る集電体、電極体の積層部及び当て板を溶接した状態での構成を示す断面図である。 実施の形態の変形例3に係る集電体及び電極体の積層部を溶接した状態での構成を示す断面図である。 実施の形態の変形例4に係る集電体及び電極体の積層部を溶接した状態での構成を示す断面図である。
本発明の一態様に係る蓄電素子は、第一方向に極板が積層された積層部を有する電極体と、前記積層部に接合される集電体と、を備える蓄電素子であって、前記積層部及び前記集電体が溶接により溶融した溶融部を備え、前記溶融部は、内方に空間を有し、前記空間は、前記第一方向と直交する第二方向における幅が第一幅である第一部を有し、前記溶融部は、前記第一方向において前記第一部と同じ位置に配置され、前記第二方向における外形の幅が第二幅である第二部を有し、前記第二幅から前記第一幅を差し引いた値は、前記第一幅以下である。
これによれば、蓄電素子において、溶融部の内方の空間は、第二方向における幅が第一幅である第一部を有し、溶融部は、第二方向における幅が第二幅である第二部を有し、第二幅から第一幅を差し引いた値は、第一幅以下である。このように、溶融部に比較的大きな空間を形成し、溶融部の溶融部分の幅(溶融部の第二幅から空間の第一幅を差し引いた値)が、空間の幅(第一幅)以下となるように、溶融部分の幅を比較的小さくする。これにより、溶融部が熱収縮するのを抑制できるため、溶融した部分と溶融しない部分との境界部分で破断が発生するのを抑制できる。したがって、積層部と集電体との間の接合強度が低下したり抵抗が上昇したりする等の不具合を抑制できるため、電極体と集電体との溶接品質を向上できる。
前記第二幅から前記第一幅を差し引いた値は、前記第一幅の半分以下であってもよい。
これによれば、溶融部の溶融部分の幅(溶融部の第二幅から空間の第一幅を差し引いた値)が、空間の幅(第一幅)の半分以下となるように、溶融部分の幅をさらに小さくする。これにより、溶融部が熱収縮するのをさらに抑制できるため、溶融した部分と溶融しない部分との境界部分で破断が発生するのをさらに抑制できる。
前記第一部は、前記第一方向において前記積層部の範囲内に配置されてもよい。
一般的に極板が集電体と比較して薄いため、溶融部が熱収縮する場合に、積層部において、溶融した部分と溶融しない部分との境界部分で破断が発生しやすい。このため、空間の第一部を積層部の範囲内に配置する。つまり、溶融部において、積層部の範囲内に、溶融部分の幅が小さい部位を形成する。これにより、積層部の範囲内で溶融部が熱収縮するのを抑制できる。
前記空間は、前記第一方向において、前記積層部と前記集電体との境界部分、及び、前記集電体とで前記積層部を挟む当て板と前記積層部との境界部分の少なくとも一方を跨ぐ位置に配置されてもよい。
これによれば、溶融部の内方の空間を、積層部と、集電体及び当て板の少なくとも一方との境界部分を跨ぐ位置に配置することで、溶融部に、積層部と集電体及び当て板の少なくとも一方とに跨るより大きな空間が形成される。これにより、溶融部が熱収縮するのをさらに抑制できるため、溶融した部分と溶融しない部分との境界部分で破断が発生するのをさらに抑制できる。
前記溶融部は、前記集電体、及び、前記集電体とで前記積層部を挟む当て板の少なくとも一方を貫通してもよい。
これによれば、集電体または当て板を溶融部が貫通しているため、集電体または当て板で積層部を押さえた状態で、集電体または当て板から積層部に向けて溶接されて、積層部及び集電体が溶接された構成である。これにより、積層部内の極板間、または、極板と集電体との間に隙間が生じるのを抑制して積層部及び集電体を溶接できるため、積層部と集電体との間の接合強度が低下したり抵抗が上昇したりする等の不具合を抑制できる。
前記空間は、前記第一方向における長さが前記第二方向における幅よりも大きくてもよい。
これによれば、溶融部に、第一方向に長い空間が形成されることで、第一方向における比較的長い範囲内で、溶融部が熱収縮するのを抑制できる。これにより、溶融した部分と溶融しない部分との境界部分で破断が発生するのを、第一方向における比較的長い範囲内で抑制できる。
前記空間は、前記積層部、前記集電体、及び、前記集電体とで前記積層部を挟む当て板の少なくとも1つの内部に位置する閉じた空間であってもよい。
溶融部の内方の空間を、積層部、集電体及び当て板の少なくとも1つの内部に位置する閉じた空間とすることで、空間が溶融部で囲まれることになるため、溶融部の体積を比較的大きくできる。これにより溶融部における電気抵抗を低減できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(その変形例も含む)に係る蓄電素子について説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。
以下の説明及び図面中において、蓄電素子が有する一対(正極及び負極、以下同様)の電極端子の並び方向、一対の集電体の並び方向、一対の当て板の並び方向、または、容器の短側面の対向方向を、X軸方向と定義する。容器の長側面の対向方向、または、容器若しくは電極体の厚み方向を、Y軸方向と定義する。電極端子と電極体との並び方向、集電体と電極体との並び方向、電極体の積層部における極板の並び方向、集電体と当て板との並び方向、集電体若しくは当て板の厚み方向、蓄電素子の容器本体と蓋体との並び方向、または、上下方向を、Z軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
以下の説明において、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。単にX軸方向という場合は、X軸プラス方向及びX軸マイナス方向の双方向またはいずれか一方の方向を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。以下では、Z軸方向を第一方向とも呼び、Z軸方向と直交する方向(Y軸方向またはX軸方向等)を第二方向とも呼ぶ場合がある。平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。2つの方向が平行であるとは、当該2つの方向が完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。以下の説明において、「絶縁」と表現する場合、「電気的な絶縁」を意味する。
(実施の形態)
[1 蓄電素子10の全般的な説明]
まず、本実施の形態における蓄電素子10の全般的な説明を行う。図1は、本実施の形態に係る蓄電素子10の外観を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係る蓄電素子10を分解して各構成要素を示す斜視図及び側面図である。具体的には、図2の(a)は、蓄電素子10の分解斜視図である。図2の(b)は、電極体600の積層部620を集電体500と当て板700とで挟んで溶接した状態をX軸プラス方向から見た場合の構成を示す側面図である。
蓄電素子10は、電気を充電し、また、電気を放電できる二次電池(単電池)であり、具体的には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。蓄電素子10は、電力貯蔵用途または電源用途等に使用される。具体的には、蓄電素子10は、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、及び、化石燃料(ガソリン、軽油、液化天然ガス等)自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール、リニアモーターカー、並びに、ディーゼル機関及び電気モーターの両方を備えるハイブリッド電車が例示される。蓄電素子10は、家庭用または事業用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。
蓄電素子10は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子10は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。蓄電素子10は、固体電解質を用いた電池であってもよい。蓄電素子10は、パウチタイプの蓄電素子であってもよい。本実施の形態では、扁平な直方体形状(角形)の蓄電素子10を図示しているが、蓄電素子10の形状は、直方体形状には限定されず、円柱形状、長円柱形状または直方体以外の多角柱形状等であってもよい。
図1に示すように、蓄電素子10は、容器100と、一対(正極及び負極)の電極端子200と、一対(正極及び負極)の上部ガスケット300と、を備えている。図2に示すように、容器100の内方には、一対(正極及び負極)の下部ガスケット400と、一対(正極及び負極)の集電体500と、電極体600と、一対(正極及び負極)の当て板700と、が収容されている。容器100の内部には、電解液(非水電解質)が封入されているが、図示は省略している。当該電解液としては、蓄電素子10の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択することができる。上記の構成要素の他、電極体600の側方、上方、または下方等に配置されるスペーサ、電極体600等を包み込む絶縁フィルム等が配置されていてもよい。
容器100は、開口が形成された容器本体110と、容器本体110の当該開口を閉塞する蓋体120と、を有する直方体形状(角形または箱形)のケースである。容器本体110は、容器100の本体部を構成する矩形筒状で底を備える部材である。容器本体110は、X軸方向両側に一対の短側面を有し、Y軸方向両側に一対の長側面を有し、Z軸マイナス方向側に底面を有している。蓋体120は、容器100の蓋部を構成するX軸方向に長い矩形状の板状部材であり、容器本体110のZ軸プラス方向に配置されている。蓋体120には、容器100内方の圧力が過度に上昇した場合に当該圧力を開放するガス排出弁121、及び、容器100の内方に電解液を注液するための注液部122等が設けられている。
このような構成により、容器100は、電極体600等を容器本体110の内部に収容後、容器本体110と蓋体120とが溶接等によって接合されることにより、内部が密封される構造となっている。容器100(容器本体110及び蓋体120)の材質は特に限定されず、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板等の溶接可能な金属とすることができるが、樹脂を用いることもできる。
電極体600は、正極板と負極板とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる蓄電要素(発電要素)である。電極体600は、正極板と負極板との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものが巻回されて形成されている。これにより、正極板のうちの活物質層が形成されない活物質層非形成部(活物質未塗工部)が積層されて、正極の積層部620が形成されている。同様に、負極板のうちの活物質層が形成されない活物質層非形成部(活物質未塗工部)が積層されて、負極の積層部630が形成されている。つまり、電極体600は、電極体本体部610と、電極体本体部610の一部からZ軸プラス方向に突出してY軸プラス方向に延びる積層部620及び630とを有している。本実施の形態では、電極体600は、Z軸方向から見て長円形状の巻回型電極体であるが、Z軸方向から見て、楕円形状、円形状、または、その他どのような形状でもよい。電極体600の構成の詳細な説明については、後述する。
電極端子200は、集電体500を介して、電極体600に電気的に接続される端子部材(正極端子及び負極端子)である。電極端子200は、電極体600に蓄えられている電気を蓄電素子10の外部空間に導出し、また、電極体600に電気を蓄えるために蓄電素子10の内部空間に電気を導入するための金属製の部材である。電極端子200は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅または銅合金等の金属等の導電部材で形成されている。電極端子200は、かしめ等によって、集電体500に接続(接合)され、かつ、蓋体120に取り付けられる。
具体的には、電極端子200は、下方(Z軸マイナス方向)に延びる軸部201(リベット部)を有している。そして、軸部201が、上部ガスケット300の貫通孔301と、蓋体120の貫通孔123と、下部ガスケット400の貫通孔401と、集電体500の貫通孔501とに挿入されて、かしめられる。これにより、電極端子200は、上部ガスケット300、下部ガスケット400及び集電体500とともに、蓋体120に固定される。電極端子200と集電体500とを接続(接合)する手法は、かしめ接合には限定されず、超音波接合、レーザ溶接若しくは抵抗溶接等の溶接、または、ねじ結合等のかしめ以外の機械的接合等が用いられてもよい。
集電体500は、電極体600と電極端子200とを電気的に接続する集電部材(正極集電体及び負極集電体)である。正極の集電体500は、電極体600の正極の積層部620と溶接により接続(接合)されるとともに、上述の通り、正極の電極端子200とかしめ等により接合される。負極の集電体500は、電極体600の負極の積層部630と溶接により接続(接合)されるとともに、上述の通り、負極の電極端子200とかしめ等により接合される。本実施の形態では、集電体500は平板状かつ矩形状の部材である。集電体500の材質は特に限定されないが、正極の集電体500は、電極体600の後述の正極基材と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属等の導電部材で形成されている。負極の集電体500は、電極体600の後述の負極基材と同様、銅または銅合金等の金属等の導電部材で形成されている。
当て板700は、集電体500とで電極体600の積層部620または630を挟む位置に配置され、集電体500とで積層部620または630を挟んだ状態で、集電体500とともに積層部620または630に接合(溶接)される部材である。本実施の形態では、当て板700は、平板状かつ矩形状の部材であり、積層部620または630のZ軸マイナス方向に配置されて、Z軸方向において集電体500とで積層部620または630を挟み込む(図2の(b)参照)。当て板700の材質は特に限定されないが、正極の当て板700は、電極体600の正極基材と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属等で形成されている。負極の当て板700は、電極体600の負極基材と同様、銅または銅合金等の金属等で形成されている。
このような構成により、電極体600の積層部620または630を集電体500と当て板700とで挟んだ状態で、集電体500と積層部620または630と当て板700とが溶接されて、溶融部800(図2の(b)参照)が形成される。本実施の形態では、1つの集電体500に対して、1つの溶融部800が形成されるが、溶融部800の数は特に限定されない。集電体500と電極体600の積層部620または630と当て板700とを溶接する構成の詳細な説明については、後述する。
上部ガスケット300は、容器100の蓋体120と電極端子200との間に配置され、蓋体120と電極端子200との間を絶縁し、かつ封止する平板状の絶縁性の部材(ガスケット)である。下部ガスケット400は、蓋体120と集電体500との間に配置され、蓋体120と集電体500との間を絶縁する平板状の絶縁性の部材(ガスケット)である。上部ガスケット300及び下部ガスケット400は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE(変性PPEを含む))、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ABS樹脂、若しくは、それらの複合材料等の絶縁性を有する樹脂等によって形成されている。
[2 電極体600の構成の説明]
次に、電極体600の構成について、詳細に説明する。図3は、本実施の形態に係る電極体600の構成を示す斜視図である。具体的には、図3の(a)は、図2に示した電極体600の巻回状態を一部展開した状態での構成を示し、図3の(b)は、巻回後の電極体600の構成を示している。
図3の(a)に示すように、電極体600は、正極板640及び負極板650と、セパレータ661及び662とが交互に積層されかつ巻回されることで形成されている。つまり、電極体600は、正極板640と、セパレータ661と、負極板650と、セパレータ662とがこの順に積層され、巻回されることで形成されている。
正極板640は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等からなる長尺帯状の金属箔である正極基材の表面に、正極活物質層が形成された極板(電極板)である。負極板650は、銅または銅合金等からなる長尺帯状の金属箔である負極基材の表面に、負極活物質層が形成された極板(電極板)である。正極基材及び負極基材として、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al-Cd合金など、充放電時の酸化還元反応に対して安定な材料であれば適宜公知の材料を用いることもできる。正極活物質層に用いられる正極活物質、及び、負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質及び負極活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。
正極活物質として、LiMPO、LiMSiO、LiMBO(MはFe、Ni、Mn、Co等から選択される1種または2種以上の遷移金属元素)等のポリアニオン化合物、チタン酸リチウム、LiMnやLiMn1.5Ni0.5等のスピネル型リチウムマンガン酸化物、LiMO(MはFe、Ni、Mn、Co等から選択される1種または2種以上の遷移金属元素)等のリチウム遷移金属酸化物等を用いることができる。負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金(リチウム-ケイ素、リチウム-アルミニウム、リチウム-鉛、リチウム-錫、リチウム-アルミニウム-錫、リチウム-ガリウム、及びウッド合金等のリチウム金属含有合金)の他、リチウムを吸蔵・放出可能な合金、炭素材料(例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温焼成炭素、非晶質カーボン等)、ケイ素酸化物、金属酸化物、リチウム金属酸化物(LiTi12等)、ポリリン酸化合物、あるいは、一般にコンバージョン負極と呼ばれる、CoやFeP等の、遷移金属と第14族乃至第16族元素との化合物などが挙げられる。
セパレータ661及び662は、樹脂からなる微多孔性のシートである。セパレータ661及び662の素材としては、蓄電素子10の性能を損なうものでなければ、適宜公知の材料を使用できる。例えば、セパレータ661及び662として、有機溶剤に不溶な織布、不織布、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂からなる合成樹脂微多孔膜等を用いることができる。
正極板640は、Z軸プラス方向の端部において、Z軸プラス方向に突出する複数の矩形状のタブ641を有しており、複数のタブ641は、Y軸方向に積層された状態で配置される。負極板650についても同様に、Z軸プラス方向の端部において、Z軸プラス方向に突出する複数の矩形状のタブ651を有しており、複数のタブ651は、Y軸方向に積層された状態で配置される。タブ641及び651は、活物質層が形成されず基材が露出した部分である。タブ641及び651の形状は、特に限定されない。
図3の(b)に示すように、積層された複数のタブ641が束ねられて、Z軸プラス方向に突出した状態で延びる積層部620が形成される。同様に、積層された複数のタブ651が束ねられて、Z軸プラス方向に突出した状態で延びる積層部630が形成される。これら積層部620及び630は、Y軸方向において集電体500と当て板700とに挟まれた状態で集電体500及び当て板700とともに溶接され、その後、集電体500及び当て板700とともにY軸プラス方向に折り曲げられる。これにより、図2の(b)に示したように、積層部620は、Z軸方向(第一方向)に極板(正極板640)が積層され、かつ、Z軸方向において集電体500と当て板700とに挟まれた状態となる。同様に、積層部630は、Z軸方向(第一方向)に極板(負極板650)が積層され、かつ、Z軸方向において集電体500と当て板700とに挟まれた状態となる。
電極体本体部610は、電極体600の本体を構成する部位であり、具体的には、電極体600のうちの積層部620及び630以外の部位である。電極体本体部610は、正極板640及び負極板650の活物質層が形成された部分とセパレータ661及び662とが巻回されて形成された長円柱形状または長円筒形状の部位である。電極体600が、極板(正極板640または負極板650)の端部に活物質層が形成されない活物質層非形成部(活物質未塗工部)が設けられ、当該活物質層非形成部からタブ(タブ641または651)が延びる構成の場合には、電極体本体部610は、当該活物質層非形成部を含まない。つまり、この構成の場合には、積層部620(または630)は、複数のタブ641(または複数のタブ651)及び当該活物質層非形成部が積層された部位である。これにより、電極体本体部610は、X軸方向両側に、一対の湾曲状の電極体湾曲部611を有し、Y軸方向両側に、一対の電極体湾曲部611を繋ぐ一対の平坦状の電極体平坦部612を有することとなる。
[3 集電体500、積層部620及び当て板700の溶接構成の説明]
次に、集電体500と、電極体600の積層部620または630と、当て板700とを溶接した状態での構成について、詳細に説明する。集電体500と積層部620と当て板700とを溶接した構成は、集電体500と積層部630と当て板700とを溶接した構成と同様である。このため、以下では、集電体500と積層部620と当て板700とを溶接した構成について説明し、集電体500と積層部630と当て板700とを溶接した構成については省略する。
図4は、本実施の形態に係る集電体500、電極体600の積層部620及び当て板700を溶接した状態での構成を示す断面図及び平面図である。具体的には、図4の(a)は、集電体500、電極体600の積層部620及び当て板700を溶接した状態を、溶融部800の中心軸を含み、かつ、YZ平面に平行な面で切断した場合の構成を示す断面図である。図4の(a)では、説明の便宜のため、図2における上下を逆にして、Z軸マイナス方向を上方に向けて図示している。図4の(b)は、図4の(a)をZ軸マイナス方向(上方、図2では下方)から見た場合の構成を示す平面図(上面図、図2では下面図)である。
図4に示すように、集電体500及び当て板700が、電極体600のうちの正極板640のタブ641が積層された積層部620を挟む位置に配置され、かつ、積層部620とともに溶接されている。これにより、集電体500、積層部620及び当て板700には、集電体500、積層部620及び当て板700が溶融した溶融部800が形成されている。
溶融部800は、電極体600の積層部620及び集電体500が溶接により溶融して形成された部位(溶融後に固化した部位)である。本実施の形態では、溶融部800は、積層部620及び集電体500がレーザ溶接により溶融して形成される。具体的には、溶融部800は、集電体500と当て板700とが積層部620を挟んだ状態で、集電体500、積層部620及び当て板700がレーザ溶接により溶融して形成される。具体的には、集電体500の平板状の部位(凹部及び凸部が形成されていない部位)と当て板700の平板状の部位(凹部及び凸部が形成されていない部位)とが、積層部620の平坦状の部位(凹部及び凸部が形成されていない部位)を挟んだ状態で配置される。そして、これらの部位に対してレーザ光が照射されることにより、集電体500の平板状の部位、積層部620の平板状の部位、及び、当て板700の平板状の部位が溶融して、溶融部800が形成される。
溶融部800は、集電体500、及び、集電体500とで積層部620を挟む当て板700の少なくとも一方を貫通する。本実施の形態では、溶融部800は、当て板700をZ軸方向に貫通する。つまり、当て板700側(Z軸マイナス方向)からレーザ光が照射されて、当て板700をZ軸方向に貫通した状態で溶融部800が形成される。溶融部800は、当て板700のZ軸マイナス方向の面から、当て板700及び積層部620をそれらの厚み方向(Z軸方向)に貫通し、集電体500のZ軸マイナス方向の部位までに亘って形成される。本実施の形態では、溶融部800は、XY平面での断面が円形状であり、Z軸プラス方向に向かうほど外形の直径が徐々に小さくなる形状を有している。
このような構成において、溶融部800は、内方に空間900を有している。空間900は、積層部620、集電体500、及び、集電体500とで積層部620を挟む当て板700の少なくとも1つの内部に位置する閉じた空間である。つまり、空間900は、積層部620、集電体500及び当て板700の領域内に位置する、溶融した部分または溶融していない部分によって囲まれた、閉じた空間である。言い換えれば、空間900は、集電体500または当て板700の表面が凹んだ凹部内の空間ではなく、集電体500及び当て板700から露出しない空間である。本実施の形態では、空間900は、溶融部800内で閉じた空間900である。
空間900は、Z軸方向(第一方向)において、積層部620と集電体500との境界部分510、及び、集電体500とで積層部620を挟む当て板700と積層部620との境界部分710の少なくとも一方を跨ぐ位置に配置される。境界部分510は、積層部620と集電体500との境界面であり、境界部分710は、当て板700と積層部620との境界面であり、本実施の形態では、ともに、XY平面に平行な界面である。本実施の形態では、空間900は、Z軸方向において、積層部620と集電体500との境界部分510を跨ぐ位置に配置される。空間900は、Z軸方向において、当て板700と積層部620との境界部分710を跨ぐ位置に配置されてもよいし、境界部分510及び境界部分710の双方を跨ぐ位置に配置されてもよい。このように、空間900は、少なくとも積層部620の内部に配置される。
空間900は、Z軸方向(第一方向)における長さがZ軸方向と直交する方向(第二方向)における幅よりも大きい。つまり、空間900は、Z軸方向に長い空間である。本実施の形態では、空間900は、Z軸方向に長い長球状(回転楕円体状)を有しているが、空間900の形状は特に限定されない。
以上のような空間900は、当て板700、積層部620及び集電体500に対して、レーザ光を照射し、短時間のキーホール溶接を行うことで形成できる。この際に行うレーザ溶接は、例えば、以下の通りである。溶接に用いるレーザの種別は、赤外線(IR:Infrared rays)レーザであり、発振はパルス発振であり、走査速度は500mm/secであり、レーザ出力は3800Wである。さらに、レーザ光が収束される焦点が、溶接対象物の中心からずれた位置に配置されるように(デフォーカス)、レーザ光を溶接対象物に向けて照射する。具体的には、レーザ光の焦点が、当て板700の表面からZ軸マイナス方向に離れた位置に配置されるように、レーザ光を当て板700に向けて照射する。
このように形成された空間900において、Z軸方向と直交する方向(第一方向と直交する第二方向)における幅が第一幅A1である部位を、第一部910と称する。つまり、第一幅A1は、第一部910におけるZ軸方向と直交する方向(第二方向)の幅である。第一部910は、空間900をXY平面に平行な面で切断した場合の切断部位(切断面)である。本実施の形態では、第一部910は、当該切断部位のうちの最大面積を有する部位(空間900をXY平面に平行な面で切断した切断面のうちの最大面積を有する面)である。第一幅A1は、第一部910を、溶融部800の中心軸Pを含むZ軸方向に平行な面で切断した場合の切断部位の長さである。つまり、本実施の形態では、第一幅A1は、第一部910の直径であり、第一部910の最大幅である。図4では、Y軸方向を第二方向の一例として示しており、第一部910を、溶融部800の中心軸Pを含むYZ平面で切断した場合の切断部位の長さ(Y軸方向の幅)を、第一幅A1の一例として示している。溶融部800の中心軸Pとは、Z軸方向から見て溶融部800の中心を通り、Z軸方向に平行に延びる仮想軸である。
溶融部800のうちの、Z軸方向(第一方向)において第一部910と同じ位置に配置される部位を、第二部810と称し、第二部810の、Z軸方向と直交する方向(第二方向)における外形の幅を、第二幅B1と称する。つまり、第二部810は、溶融部800を、XY平面に平行な第一部910を含む面で切断した場合の切断部位(切断面)である。第二幅B1は、第二部810を、溶融部800の中心軸Pを含むZ軸方向に平行な面で切断した場合の切断部位の長さである。つまり、第二幅B1は、第二部810の直径であり、第二部810の最大幅である。図4では、Y軸方向を第二方向の一例として示しており、第二部810を、溶融部800の中心軸Pを含むYZ平面で切断した場合の切断部位の長さ(Y軸方向の幅)を、第二幅B1の一例として示している。
第一部910及び第二部810のZ軸方向における配置位置は特に限定されないが、本実施の形態では、第一部910及び第二部810は、Z軸方向(第一方向)において積層部620の範囲内に配置される。つまり、空間900の中心(重心)の位置が積層部620の内方に配置されており、これにより、第一部910及び第二部810は、積層部620の内方に配置される。
溶融部800内に空間900が設けられるため、第二部810内に第一部910が配置される。このため、第二部810から第一部910を除いた部分が、第二部810における溶融した部位(熱収縮が生じる部位)である。つまり、第二幅B1から第一幅A1を差し引いた値が、当該溶融した部位の幅となる。この第二幅B1から第一幅A1を差し引いた値は、第一幅A1以下である。言い換えれば、第二幅B1は、第一幅A1の2倍以下の長さである。さらに言い換えれば、第一幅A1は、第二幅B1の1/2以上の長さである。
好ましくは、第二幅B1から第一幅A1を差し引いた値は、第一幅A1の半分以下である。つまり、好ましくは、第二幅B1は、第一幅A1の3/2倍以下の長さ、言い換えれば、第一幅A1は、第二幅B1の2/3以上の長さである。さらに好ましくは、第二幅B1は、第一幅A1の4/3倍以下の長さ、言い換えれば、第一幅A1は、第二幅B1の3/4以上の長さである。
第一幅A1及び第二幅B1として、第一部910及び第二部810のY軸方向の幅以外にも、X軸方向の幅、または、その他のZ軸方向と直交するXY平面内の任意の方向の幅を採用できる。第一幅A1及び第二幅B1の値は、溶融部800をX線CTで撮影し、その撮影データから測定できる。
上記の第一幅A1及び第二幅B1の関係を満たすのであれば、空間900及び溶融部800のZ軸方向におけるどの位置の部位を第一部910及び第二部810と称してもよく、第一部910及び第二部810のどの方向の幅を第一幅A1及び第二幅B1と称してもよい。つまり、上記の第一幅A1及び第二幅B1の関係を満たすのであれば、第一部910は、空間900をXY平面に平行な面で切断した場合の切断部位のうちの最大面積を有する部位ではなく、当該切断部位のうちの任意の部位でもよい。第一幅A1は、第一部910のZ軸方向と直交する方向における最大幅でなくてもよく、第一部910のZ軸方向と直交する任意の方向の幅でもよい。この場合でも、第二部810は、溶融部800のうちの、Z軸方向において第一部910と同じ位置に配置される部位であって、第二幅B1は、第一幅A1と同じ方向における第二部810の幅である。
つまり、上記の第一幅A1及び第二幅B1の関係(第二幅B1から第一幅A1を差し引いた値が第一幅A1以下である)を満たす空間900及び溶融部800の部位、並びに、当該部位の幅が、第一部910及び第二部810、並びに、第一幅A1及び第二幅B1である。空間900及び溶融部800のZ軸方向におけるいずれかの位置の、Z軸方向に直交するいずれかの方向において、上記の第一幅A1及び第二幅B1の関係が満たされればよい。言い換えれば、空間900及び溶融部800において、第二幅B1から第一幅A1を差し引いた値が第一幅A1以下となる場合に、当該第一幅A1及び第二幅B1を有する空間900及び溶融部800の部位が、第一部910及び第二部810である。つまり、第二幅B1から第一幅A1を差し引いた値が第一幅A1以下となる場合があれば、空間900及び溶融部800に第一部910及び第二部810が存在することとなる。空間900及び溶融部800のZ軸方向におけるいずれかの位置の、Z軸方向に直交する全ての方向において、上記の第一幅A1及び第二幅B1の関係が満たされることが好ましい。
[4 効果の説明]
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10によれば、溶融部800の内方の空間900は、第二方向(Z軸方向と直交する方向)における幅が第一幅A1である第一部910を有している。溶融部800は、第二方向における幅が第二幅B1である第二部810を有し、第二幅B1から第一幅A1を差し引いた値は、第一幅A1以下である。このように、溶融部800に比較的大きな空間900を形成し、溶融部800の溶融部分の幅(溶融部800の第二幅B1から空間900の第一幅A1を差し引いた値)が、空間900の幅(第一幅A1)以下となるように、溶融部分の幅を比較的小さくする。これにより、溶融部800が熱収縮するのを抑制できるため、溶融した部分と溶融しない部分との境界部分で破断が発生するのを抑制できる。したがって、積層部620と集電体500との間の接合強度が低下したり抵抗が上昇したりする等の不具合を抑制できるため、電極体600と集電体500との溶接品質を向上できる。
溶融部800の溶融部分の幅(溶融部800の第二幅B1から空間900の第一幅A1を差し引いた値)が、空間900の幅(第一幅A1)の半分以下となるように、溶融部分の幅をさらに小さくする。これにより、溶融部800が熱収縮するのをさらに抑制できるため、溶融した部分と溶融しない部分との境界部分で破断が発生するのをさらに抑制できる。
正極板640が集電体500及び当て板700と比較して薄いため、溶融部800が熱収縮する場合に、積層部620において、溶融した部分と溶融しない部分との境界部分で破断が発生しやすい。このため、空間900の第一部910を積層部620の範囲内に配置する。つまり、溶融部800において、積層部620の範囲内に、溶融部分の幅が小さい部位を形成する。これにより、積層部620の範囲内で溶融部800が熱収縮するのを抑制できるため、溶融した部分と溶融しない部分との境界部分で破断が発生するのを効果的に抑制できる。
溶融部800の内方の空間900を、積層部620と、集電体500及び当て板700の少なくとも一方との境界部分を跨ぐ位置に配置することで、溶融部800に、積層部620と集電体500及び当て板700の少なくとも一方とに跨るより大きな空間900が形成される。これにより、溶融部800が熱収縮するのをさらに抑制できるため、溶融した部分と溶融しない部分との境界部分で破断が発生するのをさらに抑制できる。
当て板700を溶融部800が貫通しているため、当て板700で積層部620を押さえた状態で、当て板700から積層部620に向けて溶接されて、積層部620及び集電体500が溶接された構成である。これにより、積層部620内の極板間、または、極板と集電体500との間に隙間が生じるのを抑制して積層部620及び集電体500を溶接できるため、積層部620と集電体500との間の接合強度が低下したり抵抗が上昇したりする等の不具合を抑制できる。
溶融部800に、第一方向(Z軸方向)に長い空間900が形成されることで、第一方向における比較的長い範囲内で、溶融部800が熱収縮するのを抑制できる。これにより、溶融した部分と溶融しない部分との境界部分で破断が発生するのを、第一方向における比較的長い範囲内で抑制できる。
溶融部800の内方の空間900を、積層部620、集電体500及び当て板700の少なくとも1つの内部に位置する閉じた空間900とすることで、空間900が溶融部800で囲まれることになるため、溶融部800の体積を比較的大きくできる。これにより溶融部800における電気抵抗を低減できる。
上記では、集電体500と積層部620と当て板700とを溶接した構成での効果を説明したが、集電体500と積層部630と当て板700とを溶接した構成についても同様の効果を奏する。
[5 変形例の説明]
以上、本実施の形態に係る蓄電素子10について説明したが、本発明は、上記実施の形態には限定されない。今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
(変形例1)
上記実施の形態では、空間900は、溶融部800内の閉じた空間であることとしたが、開放された空間でもよい。図5は、本実施の形態の変形例1に係る集電体500、電極体600の積層部620及び当て板700を溶接した状態での構成を示す断面図及び平面図である。図5は、図4に対応する図である。
図5に示すように、本変形例では、集電体500、積層部620及び当て板700が溶融した溶融部801が形成され、かつ、溶融部801の内方に空間901が設けられている。溶融部801は、上記実施の形態における溶融部800と同様の外形を有するが、空間901は、上記実施の形態における空間900とは異なり、Z軸マイナス方向に開口している。空間901は、溶融部801のZ軸マイナス方向の面がZ軸プラス方向に凹んで形成された凹部内に配置される空間である。具体的には、空間901は、当て板700のZ軸マイナス方向の面から、当て板700及び積層部620を貫通し、かつ、集電体500までに亘って、Z軸プラス方向に凹んで形成された凹部内に配置されている。
このように、空間901は、Z軸方向(第一方向)において、積層部620と集電体500との境界部分510、及び、当て板700と積層部620との境界部分710の双方を跨ぐ位置に配置される。空間901は、Z軸方向(第一方向)における長さがZ軸方向と直交する方向(第二方向)における幅よりも大きい。さらに、空間901及び溶融部801は、上記実施の形態における第一部910及び第二部810と同様の位置に、第一部911及び第二部811を有している。このため、第一部911及び第二部811は、Z軸方向(第一方向)において積層部620の範囲内に配置される。第一部911及び第二部811において、上記実施の形態と同様に、第二幅B2から第一幅A2を差し引いた値が、第一幅A2以下(好ましくは、第一幅A2の半分以下)となる。本変形例のその他の構成については、上記実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上のように、本変形例によっても、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、本変形例では、当て板700のZ軸マイナス方向の面から集電体500までに亘って、溶融部801が熱収縮するのを抑制できるため、溶融した部分と溶融しない部分との境界部分で破断が発生するのをより抑制できる。
本変形例において、空間901は、積層部620と集電体500との境界部分510には跨がって配置されなくてもよい。本変形例において、第一部911及び第二部811は、Z軸方向において、当て板700または集電体500の範囲内に配置されてもよい。つまり、本変形例においても、上記実施の形態と同様の第一幅A2及び第二幅B2の関係を満たす空間901及び溶融部801の部位、並びに、当該部位の幅が、第一部911及び第二部811、並びに、第一幅A2及び第二幅B2の一例となる。
(変形例2)
上記実施の形態では、溶融部800は、当て板700をZ軸方向に貫通することとしたが、集電体500をZ軸方向に貫通してもよい。図6は、本実施の形態の変形例2に係る集電体500、電極体600の積層部620及び当て板700を溶接した状態での構成を示す断面図である。図6は、図4の(a)に対応する図であるが、図4の(a)における上下を逆にして、Z軸プラス方向を上方に向けて図示している。
図6に示すように、本変形例では、集電体500と当て板700とが積層部620を挟んだ状態でレーザ溶接により溶融して、溶融部802が形成されている。溶融部802は、集電体500をZ軸方向(第一方向)に貫通した状態で形成される。つまり、本変形例では、集電体500側(Z軸プラス方向)からレーザ光が照射されて、集電体500をZ軸方向に貫通した状態で溶融部802が形成される。溶融部802は、集電体500のZ軸プラス方向の面から、集電体500及び積層部620をそれらの厚み方向(Z軸方向)に貫通し、当て板700までに亘って形成される。溶融部802の内方には、空間902が配置されているが、溶融部802及び空間902の形状は、上記実施の形態における溶融部800及び空間900の形状と同様であるため、詳細な説明は省略する。
本変形例では、空間902は、Z軸方向(第一方向)において、積層部620と集電体500との境界部分510、及び、当て板700と積層部620との境界部分710の双方を跨ぐ位置に配置される。空間902は、Z軸方向(第一方向)における長さがZ軸方向と直交する方向(第二方向)における幅よりも大きい。さらに、空間902及び溶融部802は、上記実施の形態における第一部910及び第二部810と同様の位置に、第一部912及び第二部812を有している。このため、第一部912及び第二部812は、Z軸方向(第一方向)において積層部620の範囲内に配置される。第一部912及び第二部812において、上記実施の形態と同様に、第二幅B3から第一幅A3を差し引いた値が、第一幅A3以下(好ましくは、第一幅A3の半分以下)となる。本変形例のその他の構成については、上記実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上のように、本変形例によっても、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、本変形例では、集電体500を溶融部802が貫通しているため、集電体500で積層部620を押さえた状態で、集電体500から積層部620に向けて溶接されて、積層部620及び集電体500が溶接された構成である。これにより、積層部620内の極板間、または、極板と集電体500との間に隙間が生じるのを抑制して積層部620及び集電体500を溶接できるため、積層部620と集電体500との間の接合強度が低下したり抵抗が上昇したりする等の不具合を抑制できる。
本変形例において、空間902は、境界部分510及び境界部分710の一方または双方に跨がって配置されなくてもよい。本変形例において、第一部912及び第二部812は、Z軸方向において、当て板700または集電体500の範囲内に配置されてもよい。つまり、本変形例においても、上記実施の形態と同様の第一幅A3及び第二幅B3の関係を満たす空間902及び溶融部802の部位、並びに、当該部位の幅が、第一部912及び第二部812、並びに、第一幅A3及び第二幅B3の一例となる。
(変形例3、4)
上記実施の形態及び変形例1、2では、溶融部800、801及び802は、集電体500と当て板700とが積層部620を挟んだ状態で溶接により溶融して形成されることとしたが、当て板700が配置されなくてもよい。図7は、本実施の形態の変形例3に係る集電体500及び電極体600の積層部620を溶接した状態での構成を示す断面図である。図8は、本実施の形態の変形例4に係る集電体500及び電極体600の積層部620を溶接した状態での構成を示す断面図である。図7は、図4の(a)に対応する図であり、図8は、図6に対応する図である。
変形例3においては、図7に示すように、当て板700が配置されず、積層部620が集電体500のZ軸マイナス方向に重ねられた状態で、Z軸マイナス方向からのレーザ溶接により溶融した溶融部803が形成されている。溶融部803は、積層部620をZ軸方向(第一方向)に貫通した状態で形成される。つまり、本変形例では、上記実施の形態の構成から当て板700を取り除いた構成を有している。溶融部803の内方には、上記実施の形態における空間900と同様の空間903が配置されている。空間903及び溶融部803は、上記実施の形態における第一部910及び第二部810と同様の位置に、第一部913及び第二部813を有している。このため、これらの詳細な説明は省略する。本変形例のその他の構成についても、上記実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上のように、本変形例によっても、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。本変形例において、上記変形例1と同様に、空間903は、Z軸マイナス方向に開口した開放された空間でもよい。
変形例4においては、図8に示すように、当て板700が配置されず、集電体500が積層部620のZ軸プラス方向に重ねられた状態で、Z軸プラス方向からのレーザ溶接により溶融した溶融部804が形成されている。溶融部804は、集電体500をZ軸方向(第一方向)に貫通した状態で形成される。本変形例では、上記変形例2の構成から当て板700を取り除いた構成を有している。つまり、上記変形例2の構成において、レーザ溶接によっては溶融しない高融点の当て板700を用いることで、集電体500及び積層部620をレーザ溶接しても当て板700は溶融しないため、集電体500及び積層部620から当て板700を取り除くことができる。これにより、本変形例の構成を実現できる。
溶融部804の内方には、空間904が配置されている。空間904及び溶融部804は、第一部914及び第二部814を有している。これらの構成は、上記実施の形態、または、上記変形例1~3のいずれかと同様であるため、詳細な説明は省略する。本変形例のその他の構成についても、上記実施の形態、または、上記変形例1~3のいずれかと同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上のように、本変形例によっても、上記実施の形態、または、上記変形例1~3と同様の効果を奏することができる。本変形例において、上記変形例1と同様に、空間904は、Z軸プラス方向に開口した開放された空間でもよい。
(その他の変形例)
上記実施の形態では、電極体600は、巻回軸が蓋体120に垂直となる巻回型電極体であることとしたが、平板状極板を積層したスタック型、または、極板及び/又はセパレータを蛇腹状に折り畳んだ蛇腹型の電極体でもよい。電極体600は、巻回軸が蓋体120に平行となる巻回型電極体でもよい。積層部620及び630は、タブの積層体ではなく、電極体600の電極体本体部610の全体から突出する電極体600の端部でもよい。
上記実施の形態では、電極体600の積層部620、630は、集電体500と当て板700とに挟まれた状態でY軸方向に折り曲げられることとしたが、Y軸方向に折り曲げられなくてもよい。つまり、積層部620、630は、Z軸方向において集電体500と当て板700とに挟まれた状態で配置されることには限定されず、Y軸方向またはその他の方向において集電体500と当て板700とに挟まれた状態で配置されてもよい。この場合、当該Y軸方向またはその他の方向が、第一方向の一例となり、それと直交する方向が、第二方向の一例となる。
上記実施の形態では、溶融部800は、電極体600の積層部620及び集電体500がレーザ溶接により溶融して形成された部位であることとしたが、抵抗溶接など、レーザ溶接以外の接合手法によって溶融して形成された部位であってもよい。
上記実施の形態では、溶融部800は、集電体500、積層部620及び当て板700の平板状の部位が溶融して形成されることとしたが、集電体500、積層部620または当て板700に形成された凹部または凸部が溶融して形成されてもよい。
上記実施の形態では、空間900は、Z軸方向における長さが、Z軸方向と直交する方向における幅よりも長いこととしたが、当該幅と同じ長さ、または、当該幅よりも短くてもよい。空間900は、Z軸方向において、積層部620と集電体500との境界部分510、及び、当て板700と積層部620との境界部分710の双方ともに跨らない位置に配置されてもよい。つまり、空間900は、集電体500、積層部620及び当て板700のいずれか1つの内方のみに配置されてもよい。
上記実施の形態では、正極側(積層部620側)及び負極側(積層部630側)の双方について、上記の構成を有していることとしたが、正極側及び負極側のいずれか一方が、上記の構成を有していなくてもよい。ただし、正極の積層部620が、アルミニウムまたはアルミニウム合金等からなる正極基材が積層されたものである場合に、溶融した部分と溶融しない部分との境界部分で破断が発生しやすい。したがって、正極基材がアルミニウムまたはアルミニウム合金等からなる場合に、正極側(積層部620側)を上記構成とするのが、特に効果が高い。
上記実施の形態及びその変形例に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子等に適用できる。
10 蓄電素子
100 容器
200 電極端子
300 上部ガスケット
400 下部ガスケット
500 集電体
510、710 境界部分
600 電極体
610 電極体本体部
620、630 積層部
640 正極板
641、651 タブ
650 負極板
661、662 セパレータ
700 当て板
800、801、802、803、804 溶融部
810、811、812、813、814 第二部
900、901、902、903、904 空間
910、911、912、913、914 第一部

Claims (7)

  1. 第一方向に極板が積層された積層部を有する電極体と、前記積層部に接合される集電体と、を備える蓄電素子であって、
    前記積層部及び前記集電体が溶接により溶融した溶融部を備え、
    前記溶融部は、内方に空間を有し、
    前記空間は、前記第一方向と直交する第二方向における幅が第一幅である第一部を有し、
    前記溶融部は、前記第一方向において前記第一部と同じ位置に配置され、前記第二方向における外形の幅が第二幅である第二部を有し、
    前記第二幅から前記第一幅を差し引いた値は、前記第一幅以下である
    蓄電素子。
  2. 前記第二幅から前記第一幅を差し引いた値は、前記第一幅の半分以下である
    請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 前記第一部は、前記第一方向において前記積層部の範囲内に配置される
    請求項1または2に記載の蓄電素子。
  4. 前記空間は、前記第一方向において、前記積層部と前記集電体との境界部分、及び、前記集電体とで前記積層部を挟む当て板と前記積層部との境界部分の少なくとも一方を跨ぐ位置に配置される
    請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  5. 前記溶融部は、前記集電体、及び、前記集電体とで前記積層部を挟む当て板の少なくとも一方を貫通する
    請求項1~4のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  6. 前記空間は、前記第一方向における長さが前記第二方向における幅よりも大きい
    請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  7. 前記空間は、前記積層部、前記集電体、及び、前記集電体とで前記積層部を挟む当て板の少なくとも1つの内部に位置する閉じた空間である
    請求項1~6のいずれか一項に記載の蓄電素子。
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